説明

ポリマーエーテルアミン、それらの製造及び使用

ポリマーエーテルアミン(P)であって、(A)≧92の分子量を有し且つx個のヒドロキシ基(ここで、xは3から6の範囲の数である)を有するオリゴヒドロキシアルカン、又はそれらの2種若しくはそれ以上の混合物、又はそれらの1種若しくはそれ以上と少なくとも1種の2から4個の炭素原子を含有するアルカンジオールとの混合物であるオリゴヒドロキシ化合物を、(B)エピクロロヒドリンと、(A)のモル当たり2モルより多い(B)且つ(A)のヒドロキシ基当たり平均して1.2分子より多くない(B)の比率にて反応させてクロロ末端付加物(E)を生じさせ、そして(E)を(C)少なくとも1個の第1級アミノ基及び少なくとも1個の第1級又は第2級である更なるアミノ基を含有する少なくとも1種の脂肪族オリゴアミンと、(E)の1モルにつきnモルの(C)のモル比にて(ここで、nは、>1であり且つ(E)の分子当たり平均して存在する(E)中の結合塩素原子の数より小さい)、及び随意に(D)ただ1個の第1級又は第2級アミノ基を含有しそして更なるアミノ基は第3級である少なくとも1種の脂肪族モノ又はジアミンと、(E)の1モルにつきpモルの(D)のモル比にて(ここで、pは、(C)と反応されない(E)の利用可能な塩素を反応させるのに十分である)、しかも[(C)+(D)]中の塩基性アミノ基の合計数tが(E)中の結合塩素原子の合計数より大きいような[(C)+(D)]対(E)の比率にて消尽的に反応させることにより得られ得、しかも随意にプロトン化されているポリマーエーテルアミン(P)、並びにそれらの水性組成物、それらの製造、及び水性媒質中でのセルロース繊維の加工の際の多機能助剤としての、特に紙及びティッシュの生成の際の凝集剤、濾水又は留り助剤、染料固着剤及びトラッシュクエンチャーとしてのそれらの使用。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
製紙において、ウェットエンドにおける紙の生成の速度及び品質並びにまた生じるバックウォーターの質は、適当な助剤、すなわち濾水若しくはリテンション(「留り」)助剤又はまた定着剤を用いることにより改善され得る。典型的には、かかる助剤は、たいていポリカチオン性生成物である。
【0002】
国際公開第99/67463号パンフレットにおいて、オリゴヒドロキシアルカンをエピクロロヒドリンと反応させてクロロ末端付加物にし、そして少なくとも1種の脂肪族第2級モノアミン又は第3級オリゴアミンと四級化及び随意に架橋反応させて第4級アンモニウム基を含有する対応するポリ第4級ポリマーにすることにより得られ得る或るポリカチオン性ポリ第4級生成物が記載されている。これらのポリカチオン性ポリ第4級生成物は、製紙の際の助剤として、特にコーテッド損紙を含有するパルプからの紙の生成の際の定着剤(「トラッシュクエンチャー」)として記載されている。
【0003】
米国特許第3753931号明細書において、或るポリエピハロゲノヒドリンすなわち各鎖中に3から25個のクロロメチル−エチレンオキシ単位を有するポリ(クロロメチル−エチレンオキシ)鎖を含有するポリエーテルとの脂肪族ポリアミンの反応生成物である或るポリエーテルアミン(該ポリエーテルは、記載された変型の一つによれば、エピハロゲノヒドリンの重合のための出発物としての1から6個のヒドロキシル基を有するC1~6アルコールから誘導され得、また合成のために要求される量に対して大過剰にて用いられる過剰アミンは次いで蒸留により除去されねばならない)、及び次いで架橋剤との反応が記載されている。これらのポリエーテルアミンは、紙の製造の際の濾水及び留り助剤として記載されている。
【0004】
染色紙の生成において、用いられる染料及び染色条件は、満足な固着及び色収率を必ずしも可能にせず、また助剤が用いられる場合、ウェットエンドにおいて用いられる他の助剤の作用をそれが妨害しないように注意が払われねばならない。かくして、おそらく用いられる他の助剤と適合し得る及び/又は一つの製品における若しくは適合し得る関連製品のグループにおけるいくつかの性質を併せ持つ製品を提供することが望ましい。
【0005】
下記に定められるポリマーエーテルアミン(P)(いずれの反応体の過剰量(後で除去されねばならない)も必要とすることなしに非常に簡単なやり方で、容易に希釈することができる水性組成物の形態にて製造され得る)は、紙の製造の際の優秀な濾水及び留り助剤又はトラッシュクエンチャーとして適当であるのみならず、セルロース繊維の加工の際の、特に製紙の際(主としてウェットエンドにおいて)の全体としてカチオン性の助剤として適当であり、そして特に染色紙の生成の際の染料の固着を改善するための顕著な染色助剤としても有用である、ということが今般見出された。
【0006】
本発明は、下記に定められるポリカチオン性ポリマー(P)、それらの製造及び使用、並びにそれらの水性組成物に関する。
【0007】
かくして、本発明は、第1に、ポリマーエーテルアミン(P)であって、
(A) ≧92の分子量を有し且つx個のヒドロキシ基(ここで、xは3から6の範囲の数である)を有するオリゴヒドロキシアルカン、又はそれらの2種若しくはそれ以上の混合物、又はそれらの1種若しくはそれ以上と少なくとも1種の2から4個の炭素原子を含有するアルカンジオールとの混合物であるオリゴヒドロキシ化合物を
(B) エピクロロヒドリンと
(A)のモル当たり2モルより多い(B)且つ(A)のヒドロキシ基当たり平均して1.2分子より多くない(B)の比率にて反応させてクロロ末端付加物(E)を生じさせ、
そして(E)を
(C) 少なくとも1個の第1級アミノ基及び少なくとも1個の第1級又は第2級である更なるアミノ基を含有する少なくとも1種の脂肪族オリゴアミンと
(E)の1モルにつきnモルの(C)のモル比にて(ここで、nは、>1であり且つ(E)の分子当たり平均して存在する(E)中の結合塩素原子の数より小さい)
及び随意に
(D) ただ1個の第1級又は第2級アミノ基を含有しそして更なるアミノ基は第3級である少なくとも1種の脂肪族モノ又はジアミンと
(E)の1モルにつきpモルの(D)のモル比にて(ここで、pは、(C)と反応されない(E)の利用可能な塩素を反応させるのに十分である)
しかも[(C)+(D)]中の塩基性アミノ基の合計数tが(E)中の結合塩素原子の合計数より大きいような[(C)+(D)]対(E)の比率にて消尽的に反応させることにより得られ得、しかも随意にプロトン化されているポリマーエーテルアミン(P)を提供する。
【0008】
ポリマー生成物(P)は、本質的に慣用の付加及び縮合反応により製造され得る。特に、随意にプロトン化されたポリマーエーテルアミン(P)の製造方法は、(B)との(A)のクロロ末端反応生成物(E)が水性媒質中で(C)及び随意に(D)と反応されそしてこの生成物が随意にプロトン化される(好ましくはpH<6に)ことを特徴とする。かくして、生成物(P)は水性組成物(WP)の形態にて得られ得、そして所望される場合、得られた水性組成物は乾燥され得る。
【0009】
≧92の分子量を有するオリゴヒドロキシアルカンとして、公知化合物特に3から6個の炭素原子を有する低分子オリゴヒドロキシアルカンが用いられ得る。C2~4アルカンジオールは、好ましくはC2~4モノアルキレングリコール一層好ましくはC2~3モノアルキレングリコールである。
【0010】
好ましくは、(A)は、
(A1) 式
X−(OH)x1 (I)
〔ここで、
Xは、C3~6アルカンのx1価の基を意味し、そして
x1は、3からX中の炭素原子の数までの数を意味する〕
のオリゴヒドロキシアルカン、又は式(I)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物、又は1種若しくはそれ以上の式(I)のオリゴヒドロキシアルカンとC2~3アルキレングリコールとの混合物
である。
【0011】
一層好ましくは、(A)又は(A1)は、
(A2) 式(I)のオリゴヒドロキシアルカン又は式(I)のオリゴヒドロキシアルカンの混合物
である。
【0012】
式(I)のオリゴヒドロキシアルカンとして、公知化合物たとえばグリセロール、トレイトール、エリトリトール、ペンタエリトリトール、トリメチロール−エタン又は−プロパン、及び5又は6個の炭素原子を有する慣用炭水化物の還元生成物(アラビノール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール及びズルシトールのような)が用いられ得る。
【0013】
式(I)の好ましい化合物は、式
H−(CHOH)x1−H (I′)
を有するものである。
【0014】
4から6個の炭素原子を有する式(I′)の化合物は、ラセミ混合物又は単一光学異性体の形態にて用いられ得る。それらは周囲温度において固体であり、そしてかくして好都合には周囲温度において液体であるグリセロール、エチレングリコール及びプロピレングリコールから選択された少なくとも1種の化合物と混合して用いられる。かかる混合物の量的比率は、選ばれた反応温度において該混合物が液体になるように適当に選ばれる。2から3個の炭素原子を有する化合物1重量部と4から6個の炭素原子を有する式(I)の化合物1から4重量部との混合物は、既に液体混合物をもたらす。好ましくは、(A)において、C2~4アルキレングリコールは用いられない。
【0015】
本発明の好ましい特徴によれば、(A)又は(A1)又は(A2)として、グリセロール又はグリセロールと式(I′)(ここで、x1は5又は6である)の化合物との混合物が用いられる。グリセロールと式(I′)(ここで、x1は5又は6である)の化合物とのかかる混合物が用いられる場合、グリセロール対他方の化合物の重量比は、広範囲たとえば0.25:1から10:1好ましくは0.5:1から5:1一層好ましくは0.8:1から2:1の範囲にあり得る。最も好ましくは、(A)又は(A1)又は(A2)として、グリセロールのみが用いられる。
【0016】
好ましくは、(A)は、オリゴヒドロキシ化合物又は混合物(A)の1モルにつきmモルのエピクロロヒドリン(B)の比率にて(ここで、mは>2であり且つ多くて1.2・xである)(B)と反応される。
【0017】
エピクロロヒドリン(B)対オリゴヒドロキシ化合物又は混合物(A)又は(A1)又は(A2)のモル比mは、オリゴヒドロキシ化合物又は混合物(A)又は(A1)又は(A2)の1モルにつき好ましくは2.2モルから1.2・xモル一層好ましくは2.5モルから1.1・xモルのエピクロロヒドリンの範囲にある。
【0018】
(B)との(A)の反応は、好ましくは、他の溶媒の不存在下で及び触媒(たとえばルイス酸、好ましくは三フッ化ホウ素好ましくはそのエーテラート又は酢酸錯体の形態にてである)の存在下で行われる。この反応はヒドロキシ基へのエピクロロヒドリンの付加反応であって、エポキシ環の開環及び2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル−1基の形成を伴う。この反応は発熱性であり、そして反応温度は好ましくは冷却しながら100℃未満に一層好ましくは60から85℃の範囲に保たれる。エピクロロヒドリンは(A)の利用可能なヒドロキシ基と反応し、また反応が進行するにつれて、反応中に形成された2−ヒドロキシ−3−クロロプロピル−1基のヒドロキシ基とも反応し得、そのため(A)又は(A1)又は(A2)(たとえば、式(I)の化合物)のヒドロキシ基のいくらかは(B)と反応されないままにさえあり得る。モル比、オリゴヒドロキシ化合物の官能性(たとえば、x又はx1の値)及び(A)又は(A1)又は(A2)(たとえば、式(I)又は(I′)の化合物)の光学的立体配置(特に、x1が4から6である場合)に依存して、(B)との(A)のOH基の反応の度合いは変動し得、そしてたとえば(A)中にもともと存在するOH基の合計数の50から95%たいてい75から95%の範囲にあり得る。
【0019】
得られた付加物(E)は、クロロ末端生成物である。式(I)に関して、それは式
【化1】

〔ここで、x2は、(B)でもって導入された相当する数のヒドロキシ基を利して、(B)と反応しなかったXに結合されたヒドロキシ基の数であり、そして和Σm1(平均して(x1−x2)・m1に相当する)はmに等しい〕
により表され得る。(B)との(A)のヒドロキシ基の反応の上記に挙げられた度合いから演繹され得るように、x2は、たとえば、0から0.5・mの範囲たいてい0.05・mから0.25・mの範囲の範囲にあり得る。(x1−x2)個の式
【化2】

の基の各々において、m1は同じ又は異なる値を有し得る。たいてい、m1は1又は2を意味する。
【0020】
そのように生成された付加物(E)は、次いで、(C)と好ましくは比率n(好ましくは、>1であり且つ<mである)にて及び随意に(D)と比率p(好ましくは、≧0であり且つ<(m−n)である)にて反応される。
【0021】
アミン(C)及び(D)において、二つのアミノ窒素原子の間の脂肪族橋架け基は好都合には低分子で、好ましくは≦6個の炭素原子一層特に2から6個の炭素原子を有し、そしてアミノ窒素における置換基もまた好都合には低分子で、好ましくは≦6個の炭素原子一層特に1から3個の炭素原子を有する。脂肪族橋架け基及び置換基は、好ましくは、飽和されている。
【0022】
少なくとも1個の第1級アミノ基及び少なくとも1個の第1級又は第2級である更なるアミノ基を含有する少なくとも1種の脂肪族オリゴアミンとしての(C)の定義は、(C)として、特に第1級アミノ基及び第1級又は第2級である更なるアミノ基を含有する少なくとも1種の脂肪族オリゴアミンであって、更に更なるアミノ基は第2級であることを意味する。
【0023】
アミン(C)として、特に、橋架けC2~6アルキレン基を有し且つ1又は2個の第1級アミノ基を含有しそして更なるアミノ基は第2級である公知脂肪族オリゴアミンが用いられ得る。アミノ基の少なくとも一つが第1級アミノ基でありそして更なるアミノ基が第2級である限り、末端アミノ窒素は、反応を妨害しない脂肪族置換基で、好ましくは低分子のアルキル又はヒドロキシアルキルで置換され得る。オリゴアミン(C)は、好ましくは≦6個のアミノ基一層好ましくは2から4個のアミノ基を含有する。
【0024】
(C)は、好ましくは、
(C1) 式
【化3】

〔ここで、
1は、水素又はC1~3アルキルを意味し、
yは、1から3の数を意味し、そして
Yは、yが2から3である場合C2~3アルキレンを意味し又はyが1である場合C2~6アルキレンを意味する〕
の少なくとも1種のオリゴアミン
である。
【0025】
y=2から3である場合、橋架けアルキレンYはエチレン、プロピレン−1,2又はプロピレン−1,3であり得、そしてそれらのうちでエチレン及びプロピレン−1,3が好ましく、特にエチレンが好ましい。y=1である場合、橋架けアルキレンYはたとえばエチレン、プロピレン−1,2、プロピレン−1,3又はテトラからヘキサメチレンであり得、そしてそれらのうちでエチレン、プロピレン−1,3及びヘキサメチレンが好ましく、特にプロピレン−1,3及び特にエチレンが好ましい。R1がC1~3アルキルを意味する場合、それは好ましくはエチル又はメチル最も好ましくはメチルを表す。添え字yは、好ましくは、2から3の範囲の数字を意味する。
【0026】
アミン(D)として、(D)が多くて1個の第1級又は第2級アミノ基を含有する限り、アミノ窒素の少なくとも一つが反応を妨害しない脂肪族置換基好ましくは低分子のアルキル又はヒドロキシアルキルで置換されている公知脂肪族モノ又はジアミンが用いられ得る。ジアミンにおいて、橋架け基は、好ましくはC2~6アルキレン一層好ましくはC2~3アルキレンである。
【0027】
(D)は、好ましくは、
(D1) 式
【化4】

〔ここで、
Zは、C2~6アルキレンを意味し、
zは、0又は1を意味し、
2は、C1~3アルキルを意味し、そして
3は、zが1である場合C1~3アルキルを意味し又はzが0である場合水素若しくはC1~3アルキルを意味する〕
の少なくとも1種のアミノ化合物
である。
【0028】
橋架けアルキレンZはたとえばエチレン、プロピレン−1,2、プロピレン−1.3又はテトラからヘキサメチレンであり得、そしてそれらのうちでエチレン、プロピレン−1,3及びヘキサメチレンが好ましく、特にプロピレン−1,3が好ましい。添え字zは、好ましくは、1を意味する。R2は、好ましくはエチル又はメチル最も好ましくはメチルを表す。R3は、好ましくは、R2と同じ意味を有しそしてエチル又はメチル最も好ましくはメチルを表す。
【0029】
好ましい特徴によれば、本発明はかくして、(A1)を化合物(A1)の1モルにつきmモルのエピクロロヒドリンの比率にて(B)と反応させてクロロ末端付加物(E′)を生じさせ、そして(E′)を(C1)と及び随意に(D1)と消尽的に反応させることにより得られ得るポリマー(P′)を提供する。
【0030】
更なる好ましい特徴によれば、本発明は、(A2)を化合物(A2)の1モルにつきmモルのエピクロロヒドリンの比率にて(B)と反応させてクロロ末端付加物(E″)を生じさせ、そして(E″)を(C1)と及び随意に(D1)と消尽的に反応させることにより得られ得るポリマー(P″)を提供する。
【0031】
(P′)の製造方法はかくして、(A1)が化合物(A1)の1モルにつきmモルの(B)の比率にて(B)と反応されてクロロ末端付加物(E′)を生じ、そして(E′)が(C1)と及び随意に(D1)と消尽的に反応されることを特徴とする。(P″)の製造方法はかくして、(A2)が化合物(A2)の1モルにつきmモルの(B)の比率にて(B)と反応されてクロロ末端付加物(E″)を生じ、そして(E″)が(C1)と及び随意に(D1)と消尽的に反応されることを特徴とする。本方法の一つの特徴によれば、反応条件は、好ましくは、(C)又は(C1)が(E)又は(E′)又は(E″)の利用可能な末端塩素のすべてとの完全な反応にとって十分でありそして(D)又は(D1)が要求されないように選ばれる。
【0032】
それぞれ(A)又は(A1)又は(A2)との(B)の反応は実質的に定量的であるので、数字mはまた、(E)又は(E′)又は(E″)中の結合末端塩素原子の数を表す。(C)及び(D)対(E)の比率は、適当には、ポリマー生成物(P)が生じ得且つ(E)又は(E′)又は(E″)の塩素原子が(C)及び随意に(D)と消尽的に反応されるような範囲にて選ばれる。数字tはまた、[(C)+(D)]の非プロトン化形態にて存在する塩基性アミノ基に関して[(C)+(D)]のモル当量の合計数を指摘する。好ましくは、(C)及び(D)中に存在する第1級及び第2級アミノ基のみに関して[(C)+(D)]のモル当量の合計数t1は、mを上回る。
【0033】
nは、好ましくは、>0.2・mの数字、たとえば0.2・mから(m−0.1)好ましくは0.4・mから(m−0.2)一層好ましくは0.4・mから(m−0.5)の範囲の数字である。
【0034】
pは、好ましくは、0から2・nたとえば0である。(D)が用いられる場合、pは、好ましくは、≧0.25・n、たとえば0.25・nから2・nの範囲の数字である。
【0035】
[(C)+(D)]中に存在する塩基性アミノ基(すなわち、第1級、第2級及び第3級塩基性アミノ基、好ましくは第1級及び第2級塩基性アミノ基)の合計数は、(E)又は(E′)又は(E″)中に存在する塩素原子の合計数より大きく、そのため(E)又は(E′)又は(E″)中の塩素原子は(C)及び(D)と消尽的に反応され得、そしてt(及び好ましくはt1も)は>m好ましくは>1.2・m一層好ましくは>1.5・mである。式(III)及び(IV)に関して、特にn・(y+1)+p・(z+1)>m好ましくは>1.2・m一層好ましくは>1.5・mである。一層特にn・(y+1)+p・z>m好ましくは>1.2・m一層好ましくは>1.5・mである。
【0036】
本発明のポリマー生成物(P)はポリエーテルアミンであり、そしてアミノ基(随意に、プロトン化形態にて)を含有する。それらはまた、小割合の第4級アンモニウム基、すなわち存在する随意にプロトン化されたアミノ基の数より劣る数の第4級アンモニウム基を含有し得る。
【0037】
[(C)+(D)]中に存在する第1級アミノ基の合計数は、[(C)+(D)]中に存在するジアミン(D)の第3級アミノ基の又は[(C)+(D)]中に存在する第2級モノアミン(D)の合計数より好ましくは大きく、特に2倍より大であり、一層好ましくは2.5倍より大であり、そのためジアミン又は第2級モノアミン(D)が用いられないでそして生じる生成物は第4級アンモニウム基が実質的にないか、あるいはジアミン又は第2級モノアミン(D)が用いられてそして第4級アンモニウム基に通じ得る場合、これらは存在する第4級アンモニウム基及び非第4級アミノ基の合計の小割合にて、好ましくは存在する第4級アンモニウム基及び非第4級アミノ基の合計の≦30%たとえば2から30%にて、一層好ましくは存在する第4級アンモニウム基及び非第4級アミノ基の合計数の≦25%たとえば3から25%にて存在する。かくして、生じる生成物は第4級アンモニウム基がないか、あるいは第4級アンモニウム基が存在する場合、それらの数は存在する第4級アンモニウム基及び非第4級アミノ基の合計数の好ましくは≦30%一層好ましくは≦25%である。
【0038】
ポリマー生成物(P)は、随意に架橋され得る。
【0039】
(E)との(C)及び任意の(D)の反応は、適当には水性媒質中で、たとえば水性反応混合物の総重量に関して40から90%好ましくは50から88%の範囲の水含有量にて、そして好ましくは加熱しながらたとえば30から90℃好ましくは40から70℃の範囲の温度にて行われる。反応中、アミン(C)及び存在するならまた(D)の塩基性度は、アルキル化剤として用いられる塩化物(E)でもってのそれぞれ(C)及び(D)のアルキル化のために十分であり得、しかして所望される場合、強塩基たとえば水酸化カリウム又は好ましくは水酸化ナトリウムが用いられさえし得る。反応混合物のpHは、好ましくは、7から10の範囲にある。(D)は、たとえば、(C)と同時に又は(C)に引き続いてさえ添加され得る。反応においてすべての共有結合塩素と反応するのに単独では不十分である割合の(C)が用いられた場合、(E)の反応を完了するために、所要量の化合物(D)が添加され得る。反応が完了した又は所望度に達した時、反応混合物は、適当には、慣用の酸好ましくは鉱酸(塩酸、硫酸又はリン酸のような)又は低分子脂肪族カルボン酸たとえば1から6個の炭素原子を有するもの(ギ酸、酢酸、クエン酸又は乳酸のような)の添加により、好ましくは6未満一層好ましくは3.5から5.5の範囲最も好ましくは4から4.5の範囲のpHに達するように酸性化される。反応の進行は、反応混合物の粘度(重合及び架橋の度合いの経験的印象を与える)を検査することにより追跡され得る。適当な粘度は、たとえば、≦5000cP好ましくは200から3000cPの範囲にある。
【0040】
(C)及び任意の(D)との(E)の反応が消尽的であるということは、(C)+(D)中の反応性アミノ基の数tが(E)中の結合塩素原子の数より大きいような量の(C)及び随意に(D)が用いられ、そして水性反応混合物の形態の重合された及び随意に架橋された生成物(P)が撹拌可能であり且つそのプロトン化形態にて水で希釈可能であるまでアルキル化及び重合反応が行われることを意味する。この限度は、たとえば、上記に挙げられたように重合/架橋中の粘度を監視することにより査定され得る。
【0041】
(C)対(E)の比率及び(D)対(E)の比率に依存して(反応条件の適当な選択に加えて)、広範囲の重合度及び架橋度並びにまたプロトン化形態に関して広範囲のカチオン性度を有するポリマーエーテルアミン(P)が製造され得る。それらのカチオン性度(たとえば、電荷分析器により又は他の適当な方法により査定され得る)は、たとえば、pH4において2から10好ましくは3から8meq/gの範囲にある。
【0042】
好ましくは、特に、
(PA) 架橋されたプロトン化ポリマーエーテルアミン(P)(ここで、nは0.4・mから0.72・mの範囲の数であり、そしてp<0.25・nである)、
(PB) プロトン化ポリマーエーテルアミン(P)(ここで、nは0.72・mから(m−0.1)の範囲の数であり、そしてp<0.25・nである)(架橋されていてもよい)、及び
(PC) 架橋されたプロトン化ポリマーエーテルアミン(P)(ここで、nは0.2・mから0.6・mの範囲の数であり、そしてp≧0.25・nである)
が製造され得る。
【0043】
(PA)及び(PB)において、好ましくはp=0である。
【0044】
得られたポリカチオン性ポリマー(P)は、少なくとも式(II)の化合物の誘導体について、次の平均式により図式的に表され得る。すなわち、
【化5】

ここで、各Wは独立して(C)又は(D)にそれぞれ由来する基を意味し、しかも少なくとも2個は(C)由来であり、そして同じ分子の又は2つ若しくはそれ以上の異なる分子の2個又はそれ以上の(C)由来の記号Wは一緒に、(C)の重合及び随意に架橋反応から誘導された橋を形成する。
【0045】
上記に記載された方法により、生成物(P)は、(P)の分散液又は溶液であり得る(たとえば、コロイド溶液でもあり得る)水性組成物(WP)の形態にて得られる。
【0046】
そのように生成された(P)含有水性組成物(WP)は使用の用意ができており、あるいは所望される場合、水での希釈若しくは蒸発により(P)含有量について調整され得又は半透膜を通じての膜濾過により脱塩及び随意に濃縮され得る。それらは、それらの安定性(特に貯蔵及び輸送に対しても,暑熱又は厳寒の条件下でも)により識別される。
【0047】
生成されたままの水性組成物(WP)中の(P)の濃度は、たとえば、5から60重量%好ましくは10から60重量%一層好ましくは12から50重量%の範囲にある。
【0048】
所望される場合、生成された水性組成物(随意に、塩基での適当な中和により(たとえば、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの添加により)塩基性形態への塩形態の転化後)は、粉末又は粒状生成物に乾燥され得、しかしてそれらは所望される又は使用のために要求される場合、水及び塩基性形態にある場合は酸(たとえば、上記に挙げられたような)で再び希釈され得る。しかしながら、好ましくは、それらは、生成された水性濃厚組成物の形態にて直接的に用いられる。
【0049】
プロトン化形態の本発明の上記の随意に架橋されたポリマーエーテルアミン(P)(随意に、記載された水性組成物(WP)の形態にて)はポリカチオン特性を有し、そして水で容易に希釈できる。それらはそのまま(好ましくは、濃縮水性組成物(WP)の形態にて)用いられ得、また所望される場合、処理組成物への添加の前にたとえば1から12重量%の範囲の(P)濃度に更に予備希釈され得る。それらは、セルロース繊維材料(特に、バラ繊維の形態にて)の加工の際に、特に紙及び不織ティッシュの生成の際に、多機能性のポリカチオン性助剤として働く。それらは、たとえば、紙及び不織ティッシュの生成の際に凝集剤として、特に留り及び濾水助剤として並びに定着剤(「トラッシュクエンチャー」)として、並びにまた染色された紙及び不織ティッシュの生成の際に染料固着剤として働く。
【0050】
かくして、本発明の一つの特徴によれば、ポリマー(P)好都合には上記に記載された方法により生成されたままの水性組成物(WP)の形態のものは、紙の生成からのバックウォーター(白水)中のバックウォーター成分の量(たとえば、濁度)を低減するための定着剤として働く。
【0051】
本発明の更なる特徴によれば、ポリマー(P)好都合には上記に記載された方法により生成されたままの水性組成物(WP)の形態のものは、特に繊維上におけるサイズ剤及び他の沈殿物(填料及び他の微細サイズの粒子のような)の留りを改善するために並びにまた濾水速度及びシート形態時の歩留りを改善するために、紙の生成の際に凝集剤、濾水助剤及び/又は留り助剤として働く。
【0052】
本発明の更に更なる特徴によれば、ポリマー(P)好都合には上記に記載された方法により生成されたままの水性組成物(WP)の形態のものは、特に繊維上における染料の固着を改善するために、染色された紙又は不織ティッシュの生成の際に染料固着剤として働く。
【0053】
かくして、本発明はまた、水性紙料から紙特に紙ウエブ若しくはシート又は不織ティッシュを生成させる方法であって、(P)が助剤として、特に定着剤として、凝集剤として、濾水助剤及び/若しくは留り助剤として、並びに/又は染料固着剤として用いられる方法を提供する。「紙」として、板紙及びキャスト紙形材も本明細書において意図されている。紙の生成のための水性紙料として、製紙のために用いられるいかなる紙料(特に、セルロース紙料)も意図されており、しかしてパルプ懸濁液は、製紙のために慣用的に用いられるいかなる源たとえばバージン繊維(ケミカル又はメカニカルパルプ)、機械損紙(特に、コーテッド損紙)及び再生紙(特に、脱インキされた及び随意に漂白された再生紙(古新聞及び古厚紙のような))にも由来し得る。水性の製紙用パルプ又は紙料はまた、サイズ剤、染料、蛍光増白剤、凝集剤、濾水及び/又は留り助剤のような、或る品質のために所望され得るような更なる添加剤を含有し得る。生成物(P)は凝集剤、濾水及び/又は留り助剤としても働き得るので、異なる凝集剤、濾水及び/又は留り助剤を用いることは必要でない。紙料濃度は、用いられるパルプ、機械、方法及び所望紙品質にとって適当であるいかなる慣用範囲にても、たとえば0.4から10%好ましくは0.8から6%(重量による)の乾燥パルプの範囲にて変動し得る。本発明の特定の特徴によれば、再生古紙又はコーテッド損紙からのパルプ(随意に、他のパルプとブレンドされる)が用いられる。
【0054】
本発明のポリカチオン性ポリマー(P)また、紙又はセルロース不織ティッシュ用に慣用的に用いられるような染料及び蛍光増白剤とのそれらの相溶性により識別される。かくして、本発明はまた、染色された紙又はセルロース不織ティッシュを生成させる方法であって、繊維がアニオン性染料で染色され、しかも基材上における染料固着を改善するために、紙料への染料の添加前又は後に(P)(特に、(PA)又は(PC))が助剤として用いられる方法を提供する。ティッシュの生成のための紙料として、懸濁繊維がティッシュの生成のために適したサイズ及び品質を有するところの水性紙料が意図されている。染料として、紙料中において紙又はティッシュを染色するために通常用いられるアニオン性染料、好ましくは直接染料が用いられ得る。直接染料として、この呼称下で当該技術において知られているような並びに専門文献においてたとえば「Colour Index」において定義及び記載されているようないかなるかかる染料も用いられ得る。たとえば、慣用染料特に直接染料、好ましくはアゾ及び/又は金属錯体系のもの、主としてスルホ基好ましくは2若しくは3個のスルホ基を含有するジアゾ染料(たとえば、米国特許第4083840号明細書及び第4833235号明細書に記載されているような)又はColour Indexに挙げられているような直接染料たとえば
C.I.ダイレクトイエロー4、6、8、11、12、27、28、29、39、44、50、51、54、55、68、84、89、98、105、106、118、127、132、133、137、148、148:1、150、152、162及び168、
C.I.ダイレクトオレンジ15、26、29、39、40、61、62:1、107及び118、
C.I.ダイレクトレッド9、16、23、24、26、33、62、63、79、80、81、83:1、89、95、111、155、184、205、207、223、232、239、253及び261、
C.I.ダイレクトバイオレット7、9、35、47、51及び66、
C.I.ダイレクトブルー1、8、15、67、71、75、77、78、80、86、90、98、106、151、158、160、173、189、199、212、218、251、252、261、262、267及び273、
C.I.ダイレクトグリーン26、27、28、67、68及び69、
C.I.ダイレクトブラウン44、98、103、113、115、116、170、172、200及び240、
C.I.ダイレクトブラック17、19、21、22、56、62、80、91、94、117、118、123、155及び163、
並びにそれらの二つ若しくはそれ以上の混合物
が用いられ得る。
【0055】
染料は、所望される且つ選択された染料及び基材にとって並びに所望効果にとって適当であるいかなる濃度にても用いられ得る。
【0056】
ポリカチオン性ポリマー(P)は、乾燥基材に関して好ましくは0.05から0.5重量%一層好ましくは0.1から0.4重量%の範囲の濃度にて用いられる。(P)として、1種類のみの(P)たとえば(PA)、(PB)若しくは(PC)のみ又はまたそれらの二つ若しくはそれ以上の混合物たとえば(PA)と(PB)又は(PC)との混合物(たとえば、10/90から90/10の重量比にて)が用いられ得る。pHは、弱塩基性から明白に酸性の範囲、好ましくはpH4からpH8一層好ましくはpH5からpH7の範囲にあり得る。紙又は不織ティッシュは、いずれかの慣用の紙又はティッシュ製造機械を用いて及び本質的に慣用の態様にて生成され得る。生じたバックウォーターは低減汚染物含有量特に低減濁度を有し、そして従ってそれぞれのBOD及び/又はCOD値もまた低減される。
【0057】
染料固着剤としての(P)特に(PA)の高い効力に因り、特に紙及びティッシュに関して、所望どおりの非常に明るいから非常に深い及び濃い色合い、高い収率及び鮮やかさ並びに最適な堅牢度の非常に一定した且つムラのない染色物が達成され得る一方、染色時間(すなわち、パルプ懸濁液への染料の添加とシートの形成との間の時間間隔,(P)又は(PA)は染料の添加前又は染料の添加後のどちらかにてパルプ懸濁液に添加される)は、用いられる染料について本質的に慣用であるとおりにたとえば1時間又はそれ以下であり得、また本発明の染料固着剤の使用により最低限に低減され得る。色合わせのために慣用的に用いられるような相溶性染料の混合物が用いられる場合でさえ、裏表で色が異なる状態及びまだら状態のような不所望な外観が実質的にない染色物が達成され得る。
【0058】
(P)の使用により、湿潤紙力増強剤のような他のカチオン性のウェットエンド用添加剤の効力の改善も達成され得、そして染色物の最適な品質並びに色の色合い及び収率並びに堅牢度を有する紙が得られ得る一方、妨害するアニオン性汚染物に因る紙の破断は相応して低減される。
【0059】
湿潤紙力増強剤は、(P)が染料を固着した後に添加され得る。
【0060】
生成物(P)は凝集、濾水、留り、トラッシュクエンチング及び染料固着のためのオールラウンド剤として用いられ得るけれども、かかるポリマーのあるものが、好ましい又は主要な使用目的を意図して好ましくあり得る。かくして、ポリマー(PA)は染料固着剤として特に好ましく、そしてポリマー(PB)は凝集、濾水、溜り及びトラッシュクエンチングのために特に好ましく、一方ポリマー(PC)はオールラウンド剤として好ましく用いられる。
【0061】
次の例において、別段指摘されていなければ部及び百分率は重量による。重量部は、グラム対ミリリットルのように、容量部に関係づけられる。温度は、摂氏度にて示される。用いられた水は、脱塩水である。
【0062】
実施例1
(a)グリセロールからクロロヒドリン(E1)の製造
92gのグリセロールを700mlフランジフラスコ中に入れ、そして80℃に加熱する。0.1gの三フッ化ホウ素酢酸錯体を添加し、そして冷却しながら277.5gのエピクロロヒドリンを80℃にて1時間かけて滴加する。添加が完了した時、反応混合物を20℃に冷却する。
【0063】
(b)ポリマー(P1)及び組成物(WP1)の製造
パート(a)において製造された100gのクロロヒドリンを700mlフランジフラスコ中に入れ、そして80gの水を添加する。この混合物を撹拌し、そして温度を50℃に保ちながら50.7gのジエチレントリアミンを2時間かけてゆっくり添加する。次いで、この反応混合物を60℃に温めそしてこの温度に2時間保持し、しかしてこの混合物はそれが重合するにつれてゆっくり増粘する。次いで、この混合物を235.6gの水で希釈し、そして加熱して60℃に戻す。これをこの温度に更に約1時間、20℃における500〜1500cPの粘度が達成されるまで維持する。次いで、36gの水性85%ギ酸を添加し、そして生成物を周囲温度に冷却して、30%活性物質(P1)含有率を有する組成物(WP1)502.3gが得られる。測定カチオン電荷は、pH4において、乾燥物質に関して3.9meq/gである。
【0064】
実施例2
実施例1に記載された手順を繰り返すが、部分(b)において50.7gのジエチレントリアミンの代わりに52.5gのトリエチレンテトラアミンを用いること並びに重合後に235.6gの代わりに274.1gの水を添加して、30%の活性物質(P2)含有率を有する組成物(WP2)を得ることが相違する。測定カチオン電荷は、pH4において、乾燥物質に関して3.3meq/gである。
【0065】
実施例3
実施例2に記載された手順を繰り返すが、部分(b)において52.5gのトリエチレンテトラアミンの代わりにその73.4gを用いること並びに重合後に274.1gの代わりに253.2gの水を添加し及び36gの代わりに40gの85%ギ酸を添加して、30%の活性物質(P3)含有率を有する組成物(WP3)を得ることが相違する。
【0066】
実施例4
実施例2に記載された手順を繰り返すが、部分(b)において52.5gのトリエチレンテトラアミンの代わりに70gのジエチレントリアミンを用いること並びに重合後に274.1gの代わりに271.6gの水を添加し及び36gの代わりに46gの85%ギ酸を添加して、4のpHを確立する共に30%の活性物質(P4)含有率を有する組成物(WP4)を得ることが相違する。測定カチオン電荷は、pH4において、乾燥物質に関して5.03meq/gである。
【0067】
実施例5
実施例1のパート(a)において製造された150gのクロロヒドリン(E1)と50gの水とを混合し、そして撹拌する。31.2gのジエチレントリアミンと31.5gのジメチルアミノプロピルアミンとの混合物を、60℃にて1時間かけて添加する。この反応混合物が増粘するにつれて、194.4gの水を60℃にてゆっくり添加する。2時間後、この反応混合物を室温に冷却し、そして151.4gの32%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、そしてこの混合物を30℃に更に1時間、500〜1500cPの粘度が達成されるまで保つ。次いで、100.5gの85%ギ酸の添加により反応を停止させて、30%活性物質(P5)含有率を有する組成物(WP5)が得られる。測定カチオン電荷は、pH4において、乾燥物質に関して4.1meq/gである。
【0068】
実施例6
実施例1のパート(a)において製造された150gのクロロヒドリン(E1)と50gの水とを混合し、そして撹拌する。62.5gのジエチレントリアミンと12.5gのジメチルアミノプロピルアミンとの混合物を、60℃にて1時間かけて添加する。この反応混合物が増粘するにつれて、220gの水を60℃にてゆっくり添加する。2時間後、この反応混合物を室温に冷却し、そして151.4gの32%水酸化ナトリウム水溶液を添加し、そしてこの混合物を30℃に更に1時間、500〜1500cPの粘度が達成されるまで保つ。次いで、103.6gの85%ギ酸の添加により反応を停止させて、4のpHを確立すると共に30%活性物質(P6)含有率を有する組成物(WP6)が得られる。
【0069】
実施例7
実施例1のパート(a)において製造された100gのクロロヒドリンを80gの水と共に撹拌し、そして温度を50℃に保ちながら50.7gのジエチレントリアミンを2時間かけて滴加する。次いで、この反応混合物を60℃に温めそしてこの温度に2時間保持し、しかしてこの混合物はそれが重合するにつれてゆっくり増粘する。次いで、この混合物を235.6gの水で希釈し、そして加熱して60℃に戻す。これをこの温度に更に約1時間維持し、そして次いで100gの水を添加する。この混合物を60℃に更に1時間保持し、そして次いで151.2gの水を添加し、そしてこの混合物を60℃に約1時間、20℃における500〜1500cPの粘度が達成されるまで保持する。次いで、36gの水性85%ギ酸を添加し、そして生成物を周囲温度に冷却して、20%活性物質(P1)含有率を有する組成物(WP7)753.5gが得られる。この生成物は、pH4の明澄な淡黄色粘稠液体である。測定カチオン電荷は、pH4において、乾燥物質に関して3.9meq/gである。
【0070】
実施例8〜11
実施例1(b)、2、3及び4に記載された手順を繰り返すが、実施例1のパート(a)の100gのクロロヒドリン(E1)の代わりに、次のように製造された100gのクロロヒドリン(E8)を用いることが相違する。
54.7gのグリセロールを500mlフランジフラスコ中に入れ、そして80℃に加熱する。0.5gの三フッ化ホウ素酢酸錯体を添加し、そして次いで10gのエピクロロヒドリンを添加する。冷却しながら134.4gのエピクロロヒドリンを80℃にて2時間かけて滴加する。添加が完了した時、反応混合物を20℃に冷却する。
【0071】
実施例12
実施例8に記載されたように製造された200gのクロロヒドリン(E8)を3lフランジフラスコ中に入れ、そして160gの水を添加する。この混合物を撹拌し、そして温度を50℃に保ちながら100gのジエチレントリアミンを2時間かけてゆっくり添加する。170gの水を添加し、そしてこの反応混合物を85℃に温めそしてこの温度に2時間保持し、しかしてこの混合物はそれが重合するにつれてゆっくり増粘する。23℃における2000cPの粘度が達成された時、299gの水を添加しそして次いで72gの水性85%ギ酸を添加し、そして生成物を周囲温度に冷却して、30%活性物質(P12)含有率を有する組成物(WP12)1000.6gが得られる。測定カチオン電荷は、pH4において、乾燥物質に関して3.9meq/gである。
【0072】
実施例13
(a)グリセロールからクロロヒドリン(E13)の製造
149.2gのグリセロールを1lフランジフラスコ中に入れ、そして80℃に加熱する。0.5gの三フッ化ホウ素酢酸錯体を添加し、そして次いで20gのエピクロロヒドリンを添加する。冷却でもって発熱を制御しながら、405.6gのエピクロロヒドリンを80℃にて1時間40分かけて滴加する。添加が完了した時、更に15gのエピクロロヒドリンを添加し、そして次いでこの反応混合物を20℃に冷却する。
【0073】
(b)ポリマー(P13)及び組成物(WP13)の製造
パート(a)において製造された100gのクロロヒドリン(E13)を1lフランジフラスコ中に入れ、そして80gの水中の47.1gのヘキサメチレンジアミンの溶液を添加し、そして次いで更に100gの水を添加する。次いで、この反応混合物を70℃に温めそしてこの温度に50分間保持し、しかしてこの混合物はそれが重合するにつれてゆっくり増粘する。次いで、この混合物を148.2gの水で希釈し、そして加熱して60℃に戻す。20℃における500〜1500cPの粘度が達成されるまで、撹拌を断熱的に5分間続行する。次いで、15gの水性85%ギ酸を添加し、そして生成物を周囲温度に冷却して、30%活性物質(P13)含有率を有する組成物(WP13)490.3gが得られる。測定カチオン電荷は、pH4において、乾燥物質に関して5meq/gである。
【0074】
実施例14
(a)グリセロールからクロロヒドリン(E14)の製造
596.4gのグリセロールを3lフランジフラスコ中に入れ、そして80℃に加熱する。3gの三フッ化ホウ素酢酸錯体を添加し、そして次いで50gのエピクロロヒドリンを添加する。冷却でもって発熱を制御しながら、1568gのエピクロロヒドリンを80℃にて3時間かけて滴加する。添加が完了した時、更に40gのエピクロロヒドリンを添加し、そしてこの反応混合物を20℃に冷却する。
【0075】
(b)ポリマー(P14)及び組成物(WP14)の製造
パート(a)において製造された100gのクロロヒドリン(E14)を1lフランジフラスコ中に入れ、そして80gの水中の50gのヘキサメチレンジアミン及び20gのジエチレントリアミンの溶液を50℃にて2時間35分かけてゆっくり添加する。この反応混合物を70℃に温めそしてこの温度に2時間保持し、そして次いで80℃に温めそしてこの温度に3時間半保持し、しかしてこの混合物はそれが重合するにつれてゆっくり増粘する。次いで、この混合物を281gの水で希釈し、そして加熱して68℃に戻す。これをこの温度に約5分間、20℃における500〜1500cPの粘度が達成されるまで維持する。次いで、36gの水性85%ギ酸を添加し、そして生成物を周囲温度に冷却して、30%活性物質(P14)含有率を有する組成物(WP14)567gが得られる。測定カチオン電荷は、pH4において、乾燥物質に関して5.2meq/gである。
【0076】
実施例15
(a)グリセロール及びソルビトールからクロロヒドリン(E15)の製造
100gのソルビトール及び50.6gのグリセロールを700mlフランジフラスコ中に入れ、そして80℃に加熱する。0.5gの三フッ化ホウ素酢酸錯体を添加し、そして次いで20gのエピクロロヒドリンを添加する。エピクロロヒドリンの流量を調節することにより発熱を制御しながら、268gのエピクロロヒドリンを80℃にて2時間かけて滴加する。添加が完了した時、更に15gのエピクロロヒドリンを添加し、そして次いでこの反応混合物を20℃に冷却する。
【0077】
(b)ポリマー(P15)及び組成物(WP15)の製造
パート(a)において製造された113gのクロロヒドリン(E15)を700mlフランジフラスコ中に入れ、80gの水を添加し、そしてこの混合物を50℃に加熱する。50.7gのジエチレントリアミンを、50℃にて2時間かけてゆっくり添加する。この反応混合物を60℃に温めそしてこの温度に1時間保持し、しかしてこの混合物はそれが重合するにつれてゆっくり増粘する。次いで、この混合物を265gの水で希釈し、そして加熱して51℃に戻す。これをこの温度に約5分間、20℃における500〜1500cPの粘度が達成されるまで維持する。次いで、36gの水性85%ギ酸を添加し、そして生成物を周囲温度に冷却して、30%活性物質(P15)含有率を有する組成物(WP15)265gが得られる。
【0078】
応用例A
100mlのパルプをビーカー中に量り取り、そして500rpmにて撹拌する。このパルプをワットマンNo.54紙を通じて濾過し、そして濾液を保留する。分光光度計(Hach又はDr. Lange)を用いて示されるように標準的手順を用いて、該濾液のCODを測定する。同様に、分光光度計を用いて、濁度を測定する。上記の手順を繰り返すが、しかし今度は、濾過の前に、(WP3)の形態にて添加される実施例3のカチオン性ポリマー(P3)を、乾燥パルプに関して1、2、3及び4kg/tの(P3)に等価のレベルにてパルプに投与する。濾液のCOD及び濁度を測定し、そして空試験と比較する。改善値が得られる。
【0079】
応用例B
コーテッド損紙パルプを、3%に調製する。コーテッド損紙は、実験室ブレンダーにて3分間そして次いで実験室砕解機にて20分間パルプ化される。
100mlの3%コンシステンシーのコーテッド損紙パルプを300rpmにて40秒間撹拌し、そして次いでこれを一定の真空下でワットマン54濾紙を通じて濾過する。更に、(WP3)の形態にて添加される実施例3の生成物(P3)で、乾燥パルプに関して0.5、1.0及び1.5kg/tの生成物(P3)の投与率にて、100mlのパルプサンプルを次のとおり処理する。すなわち、パルプを10秒間撹拌し、次いで所要量の生成物(P3)を添加し、そしてこの混合物を更に30秒間撹拌した後濾過する。分光光度計を用いて濁度を測定し、しかして(P3)で処理されたサンプルについて、ブランクと比較して濁度低減の改善値が指摘される。
【0080】
応用例C
1.00%のコンシステンシーにおける1リットルの紙料(50%古新聞、50%古段ボール)をメスシリンダー中に入れ、そしてこのシリンダーを4回反転することにより混合する。混合後、この紙料を改良ショッパー−リーグラーフリーネス試験機(後出口を塞いで)中に注ぎ、そしてプランジャーを解放する一方、ストップウォッチを始動させる。所定容量の「バックウォーター」が排出する時間を記録する。これは、使用紙料についての「空試験時間」を確立するために行われる。混合段階の直前に添加される(WP3)の形態にて添加される実施例3の生成物(P3)の所要量[乾燥基材に関して乾燥生成物(P3)について2、4及び6kg/t]でもって、試験を繰り返す。その際、紙料をフリーネス試験機中に入れ、そして同じ容量の水が排出する時間を記録する。濾液のCOD及び濁度も測定し、そして空試験と比較する。排出時間、COD及び濁度低減について、改善値が得られる。
【0081】
実施例3の生成物(P3)と類似して、実施例4、5、6、10及び11の生成物(P4)、(P5)、(P6)、(P10)及び(P11)を、応用例A、B及びCにおいて組成物(WP4)、(WP5)、(WP6)、(WP10)及び(WP11)の形態にて用い、しかしてやはり改善結果が得られる。
【0082】
応用例D
50:50の漂白された針葉樹/広葉樹のサイジングされていない紙料を、2.5%コンシステンシーに調製する。この紙料のショッパー−リーグラー値を、30°SRに調整する。200mlのパルプサンプルを1リットルの染料ポット中に入れ、そしてこれらのポットを800rpmにて動いている撹拌機下に置く。d%の米国特許第4083840号明細書の例1の赤色染料(随意に、米国特許第4083840号明細書の例82、84又は85による組成物の形態にて)を添加し、そして同時にストップウォッチを始動させる。3.5分後、f%の実施例1の生成物(P1)を染料固着剤として(WP1)の形態にて添加し、そして撹拌を更に1.5分間続行する。この時間後、撹拌機のスイッチを切り、そして繊維を水で1リットルに希釈する。シート形成機を、水で満たされたシンク中に置く。希釈繊維を速く撹拌し、シート形成機中に注ぎ、そして水を直ちにシンクから排出する。この時間後にシートから流れ出る存在する水を、バックウォーターとして集める。PVC板間の湿ったフェルト間の吸取り紙中にシートを置く。これらを10t/m2にて2分間プレスし、そしてシートを96℃にて10分間乾燥する。バックウォーターの色を目視的に評価し、また機器測定(Elrepho)により、最終シートの明度及び色合いを固着剤なしの染色シートと比較する。実施例1の生成物(P1)を用いて得られた染色物について、改善値が得られる。濃度d%は乾燥パルプに関して0.08、0.25及び0.66%であり、そして乾燥パルプに関して乾燥生成物(P1)についての濃度f%はd=0.08について0.15%、d=0.25について0.46%及びd=0.66について1.2%である。
【0083】
応用例E
応用例Dに記載された手順を繰り返すが、染料及び固着剤の添加の順序を逆にすることが相違する。
【0084】
実施例1の生成物(P1)と類似して、実施例2、5、6、7、8、9、12、13、14及び15の生成物(P2)、(P5)、(P6)、(P7)、(P8)、(P9)、(P12)、(P13)、(P14)及び(P15)を、応用例D及びEにおいてそれらの組成物(WP2)、(WP5)、(WP6)、(WP7)、(WP8)、(WP9)、(WP12)、(WP13)、(WP14)及び(WP15)の形態にて用い、しかしてやはり改善結果が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーエーテルアミン(P)であって、
(A) ≧92の分子量を有し且つx個のヒドロキシ基(ここで、xは3から6の範囲の数である)を有するオリゴヒドロキシアルカン、又はそれらの2種若しくはそれ以上の混合物、又はそれらの1種若しくはそれ以上と少なくとも1種の2から4個の炭素原子を含有するアルカンジオールとの混合物であるオリゴヒドロキシ化合物を
(B) エピクロロヒドリンと
(A)のモル当たり2モルより多い(B)且つ(A)のヒドロキシ基当たり平均して1.2分子より多くない(B)の比率にて反応させてクロロ末端付加物(E)を生じさせ、
そして(E)を
(C) 少なくとも1個の第1級アミノ基及び少なくとも1個の第1級又は第2級である更なるアミノ基を含有する少なくとも1種の脂肪族オリゴアミンと
(E)の1モルにつきnモルの(C)のモル比にて(ここで、nは、>1であり且つ(E)の分子当たり平均して存在する(E)中の結合塩素原子の数より小さい)
及び随意に
(D) ただ1個の第1級又は第2級アミノ基を含有しそして更なるアミノ基は第3級である少なくとも1種の脂肪族モノ又はジアミンと
(E)の1モルにつきpモルの(D)のモル比にて(ここで、pは、(C)と反応されない(E)の利用可能な塩素を反応させるのに十分である)
しかも[(C)+(D)]中の塩基性アミノ基の合計数tが(E)中の結合塩素原子の合計数より大きいような[(C)+(D)]対(E)の比率にて消尽的に反応させることにより得られ得、しかも随意にプロトン化されているポリマーエーテルアミン(P)。
【請求項2】
(B)対(A)の比率がオリゴヒドロキシ化合物(A)の1モルにつきmモルのエピクロロヒドリン(ここで、mは>2であり且つ多くて1.2・xである)であり、(C)対(E)の比率nが>1であり且つ<mであり、そして(D)対(E)の比率pが≧0であり且つ<(m−n)である、請求項1に記載のポリマーエーテルアミン(P)。
【請求項3】
(C)が
(C1) 式
【化1】

〔ここで、
1は、水素又はC1~3アルキルを意味し、
yは、1から3の数を意味し、そして
Yは、yが2から3である場合C2~3アルキレンを意味し又はyが1である場合C2~6アルキレンを意味する〕
の少なくとも1種のオリゴアミン
である、請求項1又は2に記載のポリマーエーテルアミン(P)。
【請求項4】
水性組成物(WP)であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の随意に架橋されたプロトン化ポリマーエーテルアミン(P)を含む水性組成物(WP)。
【請求項5】
随意に請求項4に記載の水性組成物(WP)の形態の、請求項1〜3のいずれか一項に記載の随意にプロトン化されたポリマーエーテルアミン(P)の製造方法であって、(B)との(A)のクロロ末端反応生成物(E)を水性媒質中で(C)及び随意に(D)と反応させ、そしてこの生成物を随意にプロトン化し、そして所望される場合、得られた水性組成物を乾燥する方法。
【請求項6】
随意に請求項4に記載の水性調製物(WP)の形態の、請求項1〜3のいずれか一項に記載の随意にプロトン化された架橋ポリマーエーテルアミン(P)の、セルロース繊維材料の加工の際の助剤としての使用。
【請求項7】
紙又は不織ティッシュの生成の際の助剤としての、請求項6に記載の(P)の使用。
【請求項8】
水溶性のアニオン性染料又は蛍光増白剤用の固着剤としての、請求項6又は7に記載の(P)の使用。
【請求項9】
紙の生成の際の留り助剤若しくは濾水助剤としての又はトラッシュクエンチャーとしての、請求項6又は7に記載の(P)の使用。
【請求項10】
染色紙の生成の際の請求項8に記載の使用であって、繊維が紙料中において染料の添加の前又は/及び後に(P)で処理される使用。
【請求項11】
(P)が紙料に添加される、請求項10に記載の使用。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーエーテルアミン(P)であって、
(A) ≧92の分子量を有し且つx個のヒドロキシ基(ここで、xは3から6の範囲の数である)を有するオリゴヒドロキシアルカン、又はそれらの2種若しくはそれ以上の混合物、又はそれらの1種若しくはそれ以上と少なくとも1種の2から4個の炭素原子を含有するアルカンジオールとの混合物であるオリゴヒドロキシ化合物を
(B) エピクロロヒドリンと
(A)のモル当たり2モルより多い(B)且つ(A)のヒドロキシ基当たり平均して1.2分子より多くない(B)の比率にて反応させてクロロ末端付加物(E)を生じさせ、
そして(E)を水性媒質中で
(C) 少なくとも1個の第1級アミノ基及び少なくとも1個の第1級又は第2級である更なるアミノ基を含有する少なくとも1種の脂肪族オリゴアミンと
(E)の1モルにつきnモルの(C)のモル比にて(ここで、nは、>1であり且つ(E)の分子当たり平均して存在する(E)中の結合塩素原子の数より小さい)
及び随意に
(D) ただ1個の第1級又は第2級アミノ基を含有しそして更なるアミノ基は第3級である少なくとも1種の脂肪族モノ又はジアミンと
(E)の1モルにつきpモルの(D)のモル比にて(ここで、pは、(C)と反応されない(E)の利用可能な塩素を反応させるのに十分である)
しかも[(C)+(D)]中の塩基性アミノ基の合計数tが(E)中の塩素原子の合計数より大きいような[(C)+(D)]対(E)の比率にて消尽的に反応させることにより得られ得、しかも随意にプロトン化されているポリマーエーテルアミン(P)。
【請求項2】
(B)対(A)の比率がオリゴヒドロキシ化合物(A)の1モルにつきmモルのエピクロロヒドリン(ここで、mは>2であり且つ多くて1.2・xである)であり、(C)対(E)の比率nが>1であり且つ<mであり、そして(D)対(E)の比率pが≧0であり且つ<(m−n)である、請求項1に記載のポリマーエーテルアミン(P)。
【請求項3】
(C)が
(C1) 式
【化1】

〔ここで、
1は、水素又はC1~3アルキルを意味し、
yは、1から3の数を意味し、そして
Yは、yが2から3である場合C2~3アルキレンを意味し又はyが1である場合C2~6アルキレンを意味する〕
の少なくとも1種のオリゴアミン
である、請求項1又は2に記載のポリマーエーテルアミン(P)。
【請求項4】
水性組成物(WP)であって、請求項1〜3のいずれか一項に記載の随意に架橋されたプロトン化ポリマーエーテルアミン(P)を含む水性組成物(WP)。
【請求項5】
随意に請求項4に記載の水性組成物(WP)の形態の、請求項1〜3のいずれか一項に記載の随意にプロトン化されたポリマーエーテルアミン(P)の製造方法であって、この生成物を随意にプロトン化し、そして所望される場合、得られた水性組成物を乾燥する方法。
【請求項6】
随意に請求項4に記載の水性調製物(WP)の形態の、請求項1〜3のいずれか一項に記載の随意にプロトン化された架橋ポリマーエーテルアミン(P)の、セルロース繊維材料の加工の際の助剤としての使用。
【請求項7】
紙又は不織ティッシュの生成の際の助剤としての、請求項6に記載の(P)の使用。
【請求項8】
水溶性のアニオン性染料又は蛍光増白剤用の固着剤としての、請求項6又は7に記載の
(P)の使用。
【請求項9】
紙の生成の際の留り助剤若しくは濾水助剤としての又はトラッシュクエンチャーとしての、請求項6又は7に記載の(P)の使用。
【請求項10】
染色紙の生成の際の請求項8に記載の使用であって、繊維が紙料中において染料の添加の前又は/及び後に(P)で処理される使用。
【請求項11】
(P)が紙料に添加される、請求項10に記載の使用。

【公表番号】特表2006−518776(P2006−518776A)
【公表日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−500304(P2006−500304)
【出願日】平成16年1月15日(2004.1.15)
【国際出願番号】PCT/IB2004/000123
【国際公開番号】WO2004/065456
【国際公開日】平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願人】(596033657)クラリアント インターナショナル リミティド (48)
【Fターム(参考)】