説明

ポリマー結合ビスホスホネート吸入剤及びその使用方法

本発明はビスホスホネート活性剤を必要としている主体にそれを投与する方法に関する。本発明の態様にはビスホスホネート活性剤を主体に経肺的に投与する方法で、その際にビスホスホネート活性剤は直接或いは介在結合基を介して、ビスホスホネート活性剤がポリマー結合ビスホスホネート活性剤のような状態で該非ペプチドポリマーに結合している。また、本発明の具体例に従う方法の実施に使用するための組成物に関する。本発明の具体例に従う方法及び組成物は種々の異なった用途(適用)に於ける使用に関し、限定的でなく骨吸収症状を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
米国特許法 35 U.S.C. § 119 (e)の規定に基づき、本願は2007年1月26日出願の米国仮特許出願 Serial No. 60/897,553の優先権を主張し、かつそこでの開示が引例としてここに合体される。
【0002】
(技術分野)
ビスホスホネート及びその薬理学的に許容される塩は、種々の異なった適用(用途)に使用されている。例えばビスホスホネートは、骨粗鬆症、パジェット病及び癌を患っている患者の治療において、骨吸収阻止剤として使用されている。
【背景技術】
【0003】
過去に、ビスホスホネートは経口投与や静脈内投与されてきた。しかし、ビスホスホネートの経口投与や静脈内投与に伴う欠点がある。例えば、経口投与後のビスホスホネートのバイオアベイラビリティは極めて低い。更に、ビスホスホネートは胃腸管に刺激を与える。加えて患者が経口投与後に横たわることを主として妨害されるので、患者のコンプライアンスに問題がある。
ビスホスホネートの静脈内投与は経口投与の欠点のいくらかを克服できるが、完全には満足されない。例えば、ビスホスホネートの急激な静脈内投与は腎臓合併症を起こしかねないので、ビスホスホネートの静脈内投与は通常長時間要する。Lichtenberger等がDig. Dis. Sci. 45(9):1792-1801, 2000にアレンドロネート、パミンドロネートまたはリセドロネートがラッテモデルでアントラル粘膜障害を引き起こすことを示している。
【0004】
上記ビスホスホネートの経口投与及び静脈内投与の欠点のために、ビスホスホネートの吸入投与が提案されている(米国特許6,743,414参照)。しかし、ビスホスホネートの吸入投与は肺の粘膜組織にダメージを与えうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(発明の要約)
本発明はビスホスホネート活性剤を必要とする主体に、それを投与する方法を提供する。本発明の態様は経肺ルートでビスホスホネート活性剤を投与する方法を含み、その際にビスホスホネート活性剤が、直接か、或いは介在結合基のいずれかを介して、ビスホスホネート活性剤がポリマー結合ビスホスホネートになるように、非ペプチドポリマーに結合される。また、本発明の態様に従った方法の実施に使用するための組成物が提供される。本発明の態様に従う方法及び組成物は、骨吸収症状の治療を含み、これに限定されない色んな用途への使用に関する知見である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】ラットにPEG−アレンドロネート(PEG−ALAN)の経肺投与後の血漿カルシウムプロファイルから導かれるD%の計算を示す。
【図2】ラットにPEG−アレンドロネート(PEG−ALAN)の経肺投与後のカルシウムの血漿濃度を示す。
【図3】ラットに経肺投与後のPEG−アレンドロネート(PEG−ALN)の薬理活性を示す。
【図4】ラットにPEG−アレンドロネート(PEG−ALN)の経肺投与4時間後の気管支肺胞洗浄液(BALF)中のLDH活性と全蛋白レベルを示す。
【図5】TOF−MASS法によるPEG(500)―アレンドロネート(PEG(500)−ALN)の分子量の決定を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(定義)
化合物、そのような化合物を含む薬学的組成物、そのような化合物及び組成物の使用方法を記述する際に、以下の用語は特に断らない限り、以下の意味を有す。以下に定義されるモイエティ(moiety)が種々の置換基で置換されていてもよく、そしてそれぞれの定義はそのような置換されたモイエティがその範囲に含まれることが意図されていると、また理解されるべきである。
“アルキル”とは、1価の飽和脂肪族炭化水素基で、炭素数30、特に炭素数10まで、炭素数9まで、炭素数8まで、または炭素数3までを有する基である。その炭化水素鎖は、直鎖状或いは分枝鎖状のどちらでもよい。この用語はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、iso−ブチル、tert−ブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、tert−オクチル等の基により例示される。用語、“アルキル”にはまた、ここに定義される“シクロアルキル”も含まれる。
【0008】
“シクロアルキル”は炭素数3から約30、あるいは炭素数3から約10を有し、単環或いは融合及び架橋環システムを含む複数縮合環であり、それらは必要に応じ、1から3個のアルキル基で置換されうる。そのようなシクロアルキル基には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル、1−メチルシクロプロピル、2−メチルシクロペンチル、2−メチルシクロオクチルなどの単環構造を含む。用語、“シクロアルキル”はまた、ここに定義されるような“ヘテロシクロアルキル”を含む。
【0009】
“ヘテロシクロアルキル”は、N、O及びSから独立して選択される1個以上のヘテロ原子を含む安定な異項環性非芳香族環及び融合環である。融合異項環システムは炭化水素環を含んでいてもよく、1つの異項環を必要とするだけである。そのような異項環性非芳香族環の例には、限定的でなく、アジリジニル、アゼチジニル、ピペラジニル及びピペリジニルが含まれる。
【0010】
“ヘテロアリール”とは安定な異項環性芳香族環、及びN、O及びSから独立して選ばれる1個以上のヘテロ原子を含む融合環を意味する。融合異項環システムは、炭化水素環を含んでいてもよく、1つの異項環を必要とするだけである。そのような異項環性芳香族環の例には、限定的でなく、ピリジン、ピリミジン及びピラジニルを含む。
【0011】
“アリール”とは、母核の芳香族環システムの1個の炭素原子から1個の水素原子を除去することから導かれる1価の芳香族炭化水素基を意味する。代表的アリ−ル基には、限定的でなく、ベンゼン、エチルベンゼン、メシチレン、トルエン、キシレン、アニリン、クロロベンゼン、ニトロベンゼン等から導かれる基を含む。用語、“アリール”にはまた、ここに定義される“ヘテロアリール”も含まれる。
【0012】
“ハロゲン”とは、フルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味し、いくらかの具体例では、そのハロゲンはフルオロまたはクロロである。
【0013】
“置換された”とは、1個以上の水素原子が同一または異なった置換基で独立して置き換わった基を意味する。“置換”基とは、特に1個以上の置換基を有する基群、例えば、アミノ、置換アミノ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、アミノカルボニルオキシ、アリール、アリールオキシ、アジド、カルボキシル、シアノ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、ケト、ニトロ、チオアルコキシ、置換チオアルコキシ、チオアリール、置換チオアリール、チオケト、チオール、アルキル−S(O)−、アリール−S(O)−、アルキル−S(O)−及びアリール−S(O)−からなる群から選ばれる1〜5個の置換基、特に1〜3個の置換基を意味する。
【0014】
(詳細な記述)
本発明はビスホスホネート活性剤をそれを必要とする主体に、投与する方法を提供する。本発明の態様は経肺ルートでビスホスホネート活性剤を投与する方法を含み、その際にビスホスホネート活性剤が、直接か、或いは介在結合基のいずれかを介して、ビスホスホネート活性剤がポリマー結合ビスホスホネートであるような、非ペプチドポリマーに結合される。また、本発明の態様に従った方法の実施に使用するための組成物が提供される。本発明の態様に従う方法及び組成物は、骨吸収症状の治療を含み、これに限定されない色んな用途への使用に関する知見である。
【0015】
本発明につき詳細に記述する前に、本発明は記載の特定の態様に限定されず、そしてそれなりに変化してよいことは理解されるべきである。また、本発明の範囲は添付のクレーム(請求項)によってのみ制限されるが故に、ここに使用されている用語は特定の態様のみの記述のために用いられ、限定する目的でないと理解されるべきである。
【0016】
ある値の範囲が示されている場合、その間に存在する値のそれぞれ(その範囲の上限と下限との間において、文脈がそうでないことを明らかに示さない限り、下限の1/10の単位にまで)、及び、その言及された範囲における任意の他の言及された値または間に存在する値は本発明に包含されることが理解される。これらのより小さい範囲の上限及び下限は独立してそれらのより小さい範囲に含まれうる。従って、そのような実施形態もまた本発明に包含される。しかし、そのような実施形態は、言及された範囲における何らかの特に含まれない限界に依存する。言及された範囲が上限、下限の一方または両方を含む場合、それらの含まれる上限、下限のいずれかまたは両方を含まない範囲もまた、本範囲に含まれる。
【0017】
他に規定がなければ、ここで使用された全ての技術的、科学的用語は本発明が属する当業者によって共通的に理解される意味と同じ意味を有する。ここに記載した方法、材料と類似または均等なそれらは、また、本発明の実施または試験に使用されうるが、代表的例示の方法、材料を目下記載する。
【0018】
本文及びクレームで使用されている如く、単数形、“a”、“an”、及び“the”は、文脈が明確に他のことを指示していなければ、複数対象物を含む。クレームがいかなる任意の要素を除外するよう起案されているかもしれないことが更に注意される。従って、この記述はクレーム要素の列挙に関連して、“solely”、“only”等の排他的用語の使用、または“negative”限定の使用のための先行基礎として、使用されると意図される。
【0019】
本開示を読むとき当業者にとって明らかな様に、ここに記載の或いは例示の個々の具体例は、本発明の範囲或いは精神から逸脱することなく、他のいくつかの態様の特徴と容易に分離或いは結合しうる別個の構成及び特徴を有する。ここに挙げた方法は、事象の挙げた順番のみならず、論理的に可能な挙げた事象のいかなる順番で実施してもよい。
【0020】
本明細書で引用した全ての刊行物と特許は、ここの刊行物や特許があたかも特定的にそして個別的に引例によって合体されると指示されるが如くに、ここで引例によって合体され、そしてその刊行物が引用しているそれらに関連する方法及び/または材料を開示、記載する文献によりここに合体される。刊行物の引用は本願の出願日前の単なる開示を提供するもので、本発明が先発明の特典によりそのような刊行物に先行する権利を放棄したものであることを容認するものでない。更に、提供された刊行物の日付は現実の刊行日と異なるかもしれず、ここに確認される必要があるかもしれない。
【0021】
主題の発明を更なる記載において、主題の方法がまず詳細に記載され、ついで種々の組成物、例えば、主題の方法の使用の知見である製剤やキットのレビュー、及び主題の方法及び組成物が使用の知見である種々の代表的用途の議論を行う。
【0022】
方法
本発明の態様にはビスホスホネート活性剤を主体に投与する方法を含む。本発明の具体例は、その活性剤が、直接か、或いは結合基のいずれかを介して、その活性剤がポリマー結合ビスホスホネート活性剤であるような、刺激が緩和されたポリマーに結合される形でビスホスホネート活性剤を投与する方法を含む。主体は、例えばビスホスホネート活性剤(以下により詳細に述べる。)により、治療しうる疾病や症状の治療のためにそれを必要とするかもしれない。主題の方法の態様はポリマー結合ビスホスホネート活性剤を経肺的に主体に、投与することを包含する。
【0023】
ポリマー結合ビスホスホネート活性剤
本方法の態様にはビスホスホネート活性剤を主体に投与する方法を含み、その活性剤が、上に要約されたとおり、ポリマー結合ビスホスホネート活性剤である
関心のあるポリマー結合ビスホスホネート活性剤は、ポリマー修飾ビスホスホネート化合物であり、そのビスホスホネート化合物は骨の再吸収阻害能力を有する。ビスホスホネート化合物はまた、ジホスホネートまたはビスホスホン酸として知られている。
【0024】
本発明の方法の具体例で採用されるポリマー結合ビスホスホネート活性剤は、骨組織に高い親和性を有している。ある事例では、ポリマー結合ビスホスホネート活性剤は細胞中で代謝され、細胞エネルギー代謝においてアデノシン3−リン酸(ATP)と競合する化合物に変換される。ある態様では、ポリマー結合ビスホスホネート活性剤は、ファルネシル二燐酸合成(FPPS)酵素に結合し、FPPSの酵素活性を阻害する。FPPSは3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル−CoA(HMG−CoA)リダクターゼ経路(或いはmevalonate経路)に関与する酵素である。
【0025】
特定のポリマー結合ビスホスホネート活性剤が本発明に従う使用に適しているか否かは、以下の実験項で採用されている検定法を用いて容易に決定できる。ある具体例においては、ポリマー結合ビスホスホネートが以下の実験項で記載の本来の場所でのトランス−肺吸収試験を用いて決定される所望の活性を示すならば、それが本発明の方法の使用に適している。
【0026】
本発明の具体例で使用されるポリマー結合ビスホスホネート活性剤はビスホスホネート活性剤に、直接か或いは結合基を介するかのいずれかで結合する刺激緩和ポリマーを含んでいてよい。刺激緩和ポリマーは、下記の実験項に記載の検定を用いて決定するとき、対象と比較して、約25%以上の刺激緩和を含む、約10%以上を含む、約5%以上であるポリマーである。ある具体例では、結合したビスホスホネート活性剤のポリマー成分で提供される刺激緩和の量は、約90%以上を含む、約75%等の約50%以上である。
【0027】
興味のあるポリマー結合ビスホスホネート活性剤は以下の構造を有する化合物が含まれる:
PM - L - BP;
但し、PMは直鎖状または分枝鎖状水溶性で、非ペプチド型ポリマーで、少なくとも一個の末端を有し、該末端は当該Lと共有結合している。
Lは結合基(ボンドまたはリンカー)を表し、そして
BPはビスホスホネート基である。
【0028】
該直鎖状または分枝鎖状水溶性で、非ペプチド型ポリマーは、ポリエチレングリコール(PEG)のようなポリアルキレングリコールなどの実質的に非免疫原性のポリマーである。他の関連するポリマーは本発明の実施の使用にまた適しており、そして用語、ポリエチレングリコール(PEG)の使用は包含的で、限定的でないことをこの点で意図している。ある事例では、該ポリマーは2から約300の末端を有する。
【0029】
ある事例では、該ポリマーは澄明で、無色、無臭、水溶性、熱安定性、多くの化学薬品に不活性であり、加水分解、変質も受けず、非毒性である。ある事例では、該ポリマーは、生体適合性があり、即ち、該ポリマーは、生体組織または有機体と害を与えることなく共存できる。ある事例では、該ポリマーは、非免疫原性であり、即ち、該ポリマーは、生体内で免疫反応生ぜしめない。ある事例では、該ポリマーは、下記式を有するPEGである:式 Ra-(CH2CH2O)m-、但しmは約3から約4000または約3から約2000であり、そしてRa は水素原子、-OH、CH3-O-、CH2CH2-O-、CH3CH2CH2-O- またはCH3-である。
【0030】
該ポリマーは、直鎖状或いは分岐鎖状でよい。ある事例では、分岐鎖状ポリマーは中央分岐鎖状コア部分と該中央分岐鎖状コアに結合する複数の直鎖状ポリマー鎖を有する。PEGは、グリセロール、ペンタエリスリトールやソルビト−ルなどの種々のポリオールにエチレンオキシドを付加して製造しうる分枝状のものを含む。該分枝状PEGは次の一般式で表しうる: Rb(-PEG-OH)n 、但し Rb はグリセロールやペンタエリスリトールなどのコア部分であり、nは腕の数を表し、2から300である。ある具体例では、該PMは直鎖状或いは分枝状PEGである。
【0031】
本発明の好ましいポリマーは、限定的でなく、ポリエチレングリコール(PEG)やポリプロピレングリコール(PPG)などのポリアルキレングリコール, エチレングリコールとプロピレングリコールのコポリマーなど、ポリ(オキシエチレン化ポリオール), ポリ(olefinic アルコール), ポリ(ビニルピロリドン), ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド), ポリ(α-ヒドロキシ酸), ポリ(ビニルアルコール), polyphosphazene, ポリオキサゾリン, およびそのコポリマー, そのターポリマー、その誘導体およびその混合物である。ポリマーの各鎖の分子量は、約100 Da から約100,000 Da, 或いは約6,000 Da から約80,000 Daの範囲で変わりうる。ある事例では、該ポリマーは、“ビスホスホネート”基に結合する末端基を除き、更に、全ての末端基に結合するRa(上記定義と同じ)を含む。
【0032】
適切なPEGには、限定的でなく、PEG(100), PEG(200), PEG(300), PEG(400), PEG (500), PEG(600), PEG(1000), PEG(1500), PEG(2000), PEG(3000), PEG(3350), PEG(4000), PEG(5000), PEG(6000), PEG(8000)およびPEG(10000)、およびそのメトキシおよびエトキシ誘導体、および上に示した分子量の範囲、およびそれを含む分子を有する如何なるPEGを含む。
【0033】
ある事例では、該ポリマーは、下記式を有するPEGである。
Rc-(CH2CH2O)p-、但し、p は約3から約4000あるいは約3 から約2000であり、Rc は水素原子, CH3-O-, CH2CH2-O-, CH3CH2 CH2-O- またはCH3-である。
該ポリマー成分は好都合なプロトコルを用いて合成してもよく、または所望により市販品から入手してもよい。適切なPEGは、Sigma-Aldrich Corp. (St. Louis, MO)などの多くの源から市販品として入手しうる。
【0034】
実質的に水溶性非免疫原性ポリマー用の上記リストは、網羅的でなく、単なる例示であり、しかも上に述べた性質を有する全てのポリメリック(重合性)材料が考慮されると当業者が認識するであろう。
【0035】
“リンカー”は、結合、即ちケトン結合(例えばジケトン結合)、エステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、アミン結合、尿素結合およびカルバメート結合からなる群から選ばれ、該ポリマーにビスホスホネート基を結合させるために使用される官能基の残基である。ある事例では,該リンカーはジケトン結合などのケトン結合を含む。ある事例では、リンカーは下記式で示される:

または

または

または

または

但し結合手AはPMに結合し、そして結合手BはBPに結合している。該リンカーが該ポリマーにビスホスホネート基を結合させるために使用される官能基であるとき、それは、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、アミン結合、尿素結合およびカルバメート結合からなる群から選ばれる加水分解的に安定な結合である。
【0036】
該“ビスホネート”基は、2個の炭素―リン結合, P-C-Pによって特徴付けられる。適切なビスホスホネート基は式(I)の化合物を含む:

(I)
但し、R1 およびR2 は独立して、水素原子、-OH、ハロゲン、アリール、置換アリール、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾニル、C1-C30 アルキル、C1-C30 置換アルキル、NH2、NHR3、NR32、SHおよびSR3からなる群から選択され、R3 はC1-C30 アルキル、C1-C10 アルコキシ、アリールまたは置換アリールであり、その際R2 の各炭素原子は、必要に応じ、窒素または硫黄原子で置換されていてもよく、そしてR2 は合計で3個の窒素或いは硫黄原子を越えない; そしてWは水素原子、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、Na+およびK+からなる群から選択される; 但しR2 は水素原子、-OH、ハロゲン原子、NH2 またはSHでない。
【0037】
ある事例では、ビスホスホネート基は、下記式(II)の化合物である:

(II)
但しR1 およびR2 は上記と同義である。
【0038】
ある事例では、R2 は置換C1-C9 アルキル、非置換C1-C9 アルキル、置換C1-C9 シクロアルキル、非置換C1-C9 シクロアルキル、置換C1-C9 アリールおよび 非置換C1-C9 アリールからなる群から選ばれ、その際R2 の各炭素原子は、必要に応じ、窒素または硫黄原子で置換されていてもよく、そしてR2 は合計で2個の窒素或いは硫黄原子を越えない。そしてその際のR2 は8個の炭素原子を越えない。
ある事例では、R2 はC1-Cアルキルで、その際R2 の各炭素原子は、必要に応じ、窒素原子で置換されていてもよく、そしてR2 の窒素の合計は1個を越えない。そしてC1-Cアルキルは必要に応じアミノ基で置換されていてよい。
【0039】
ある事例では、Rは-OH またはフッソ原子であり、R2 はC1-C5 アルキルであり、該基は必要に応じ、アミノ基および/またはフッソ原子などの置換基で置換されていてもよい。
ある事例では、R1が-OH、R2が-NH(CH2)q-、但し、qは約2から約6であり、そして各Wは水素原子である。
【0040】
ある事例では、R2が-CH2-、-CH2-CH2-NH-、-(CH2)5-NH-、-(CH2)2-N(CH3)-、-(CH2)3-NH-、





または

である。
【0041】
興味ある具体的なビスホスホネートには限定的でなく:(4−アミノ−1−ヒドロキシブチリデン)−ビスホスホネートまたは4−アミノ−1−ヒドロキシブタン−1、1−ビホスホン酸(アレンドロネート);(ジクロロメチレン)−ビスホスホネート(クロドロネート);(1−ヒドロキシエチリデン)−ビスホスホネート(エチドロネート);[1−ヒドロキシ−3−(メチルペンチルアミノ)プロピリデン]ビスホスホネート(イバンドロネート);[(シクロヘプチルアミノ)−メチレン]ビスホスホネート(インカドロネート);[1−ヒドロキシ−2−イミダゾ−(1,2−a)ピリジン−3−イルエチリデン]ビスホスホネート(ミノドロネート);(6−アミノ−1−ヒドロキシヘキシリデン)ビスホスホネート(ネリドロネート);[3−(ジメチルアミノ)−ヒドロキシプロピリデン]ビスホスホネート(オルパドロネート);(3−アミノ−1−ヒドロキシプロピリデン)ビスホスホネート(パミドロネート);[1−ヒドロキシ−2−(3−ピリジニル)−エチリデン]ビスホスホネート(リゼドロネート);[[4−クロロペンチル)チオ]−メチレン]ビスビスホスホネート(チルドレネート);[1−ヒドロキシ−2−(1H−イミダゾール−1−イル)エチリデン]ビスホスホネート(ゾレドロネート);[(シクロヘプチルアミノ)−メチレン]ビスホスホネート(インカドロネート);[1−ヒドロキシ−2−イミダゾ−(1,2−a)ピリジン−3−イルエチリデン]ビスホスホネート(ミノドロネート);5−アミノ−1−ヒドロキシペンタン−1、1−ビホスホン酸;4−アミノ−1−ヒドロキシブタン−1,1−ビホスホン酸;ジフルオロメタンビホスホン酸;及びそれらの薬理学的に許容される塩が挙げられる。
【0042】
薬理学的に許容される塩には、限定的でなく、アルカリ金属(例えばナトリウム及びカリウム)塩、アルカリ土類金属(例えばカルシウム)塩、無機酸(例えばHCl)塩、及び有機酸(例えばクエン酸及びリジンなどのアミノ酸)塩が挙げられる。1つの態様としては、ビスホスホネート活性剤はナトリウム塩である。
【0043】
本発明のある事例では、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤は PEGが結合した(PEGylated) ビスホスホネートである。
本発明のある事例では、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤は下記式のものである:

(III)
(“PEG−アレンドロネート”)。
【0044】
本発明のある事例では、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤は 下記式(IV)のものである。但しPEG およびリンカーはそれぞれPEG(2000)、-CH2CH2CO-である(“PEG(2000)- アレンドロネート”)。

(IV)
【0045】
本発明のある事例では、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤は 下記式(V)のものである。但しPEG およびリンカーはそれぞれPEG(500)、-COCH2CH2CO-である(“PEG(500)-アレンドロネート”)。

(V)
【0046】
該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤はまた、その薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物、そのプロドラッグ及びその立体異性体を含む。
【0047】
本発明の範囲には、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤のプロドラッグを含む。そのようなプロドラッグは一般的に、生体内で所望とする化合物に容易に変換しうる機能的化合物である。この様に本発明の方法において、用語、“投与”とは特別に開示された化合物、或いは特別に開示されていないかもしれないが、それを必要とする主体に投与後生体内で特別の化合物に変換する化合物を、投与することを含む。適切なプロドラッグ誘導体の選定と製造のための通常の手続は、例えば Wermuth,“Designing Prodrugs and Bioprecursors” in Wermuth, ed. The Practice of Medicinal Chemistry, 2d Ed., pp. 561-586 (Academic Press 2003)に記載されている。プロドラッグには、生体内、例えば人体内で加水分解され、ここに本発明にとって適切であると記載されている化合物を産生するエステル体を含む。適切なエステル基には、限定的でなく、薬学的に許容される、脂肪族カルボン酸、殊にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカン二酸を含む。いくつかの具体例では、各アルキル又はアルケニル部は6以上の炭素数を有する。そのエステルを例示すれば、ホルメート、アセテート、プロピオネート、ブチレート、アクリレート、サイトレート、サクシネート及びエチルサクシネートである。
【0048】
主題の組成物に有用なビスホスホネート基には、限定的でなくU.S. Patent Nos. 4,621,077; 5,183,815; 5,358,941; 5,462,932; 5,661,174; 5,681,590; 5,994,329; 6,015,801; 6,090,410; 6,225,294; 6,414,006; 6,482,411;および6,743,414に記載の化合物を含み、その開示はここで引例として合体される。これらのビスホスホネート化合物の合成方法はこれらの引例中に提供されている。
ポリマー成分をビスホスホネート成分に結合させる如何なる通常の方法も採用しうる。そのポリマーをビスホスホネート基に結合させる方法はU.S. Patent No. 6,436,386に記載の方法を含み、その記載は引例としてここに合体される。
【0049】
剤形と投与
また、主題の方法で使用される該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤を含有する薬学的に許容される組成物も提供される。ある態様では、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤は、例えば薬学的に許容される塩の形で、主体に経肺的投与用に製剤される。
【0050】
具体的には、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤が通常の薬学的に許容される賦形剤(carrier)や増量剤(excipient)即ちビヒクルと混合され、そして経肺投与に適した剤形で使用される。適切な剤形は水溶液、懸濁液等である。そのような薬学的組成物は、ある態様では、約1から約30重量%などの約0.1から約90重量%の活性成分を含む。その薬学的組成物はトウモロコシ澱粉、ゼラチン、乳糖、デキストロース、蔗糖、マンニトール、食塩、及びアルギン酸などの普通の賦形剤や増量剤を含んでいてもよい。薬学的に許容される増量剤には、例えば適切なビヒクル、佐薬、賦形剤、希釈剤を含み、容易に入手しうるものである。本発明の薬学的組成物は更に当業者によく知られた他の活性剤を含んでいてもよい。
【0051】
液状組成物は、例えば、エタノール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコールのような非水溶性溶媒、油、水などの適当な液状賦形剤に、懸濁化剤、保存剤、界面活性剤、湿潤剤、香料或いは着色剤と共に化合物或いは薬学的に許容される塩の懸濁液または溶液として存在してよい。代わりに、液状剤形は、再現可能な粉末から調製されうる。
【0052】
本発明の剤形を主体に投与する種々の適切な方法が利用でき、そして、特殊な剤形を2つ以上のルートでの投与が可能であるが、特定のルートが他のルートよりも一層早急で、一層効果的反応を提供しうることが当業者にとって判るであろう。薬学的に許容される増量剤は所望により使用されうる。増量剤の選択は、組成物を投与するために使用される特定の方法のみならず、部分的に特定の化合物により決定されるであろう。従って、本発明の薬学的組成物の適切な広範囲な剤形が考えられる。以下の方法及び増量剤は単なる例示であり、限定されるべきでない。
【0053】
本発明の主題の剤形は、エアロゾル製剤に調製され、吸入投与される。これらのエアロゾル製剤(即ち吸入剤)がジクロロジフルオロメタン、プロパン、窒素などの加圧許容プロペラントに注入されうる。それらはまた、ネブライザーまたはアトマイザーの形で使用するためのような、非加圧製剤用薬剤として製剤化される。
【0054】
ここに使用される用語、“単一投与形態”とは、ヒトまたは動物の主体に単一用量として適切な物理的に分離した単位であり、各単位は薬学的に許容される希釈剤、賦形剤、ビヒクルと共に所望の効果を生みだすに十分な量で、予め計算され、決定された量の本発明の化合物を含む。本発明の新規単位用量のための明細は使用する特定の化合物と達成される効果、及びホストでの各化合物に伴う薬物動態に依拠する。
【0055】
投与水準は、特定の化合物の機能、投与されるビヒクルの性質等により変わりうることは、当業者が容易に理解しうる。投与される化合物の適切な用量はいろいろな方法で当業者によって容易に決定される。
【0056】
動物、特にヒトに投与される量は、本発明の文脈において、合理的時間枠を越えて、予防用、治療用の効果を奏するに十分であるべきである。用量は用いる特定の化合物の強さ、動物の状態、体重、病気の重篤さ及び病気のステージを含む種々の要素によると当業者が認識するであろう。用量のサイズはまた、特定化合物の投与に伴う副作用の存在、性質、及び程度により決定される。適切な用法用量は、骨吸収による骨のロスを減少することで公知の骨吸収阻害剤と比較して決定されうる。
【0057】
必要に応じ、本薬学的組成物は、緩衝剤、界面活性剤、粘着修正剤、保存剤などの他の薬学的に許容される成分を含んでいてもよい。この様な成分は当業界で公知である。例えば、米国特許5,985,310を参照のこと。そしてこの開示は引例としてここに合体される。本発明の製剤の使用に好ましい他の成分は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mace Publishing Company,Philadelphia,Pa., 17th ed.(1985)に開示されている。
【0058】
ある態様では、本発明の剤形は主体に経肺ルートで投与される。ある態様では、経肺投与は、吸入投与形態で、直接呼吸器官に、或いは呼吸気道、気管、気管支、細気管支、肺、肺胞管、肺胞嚢(alveolar sacs)及び/または肺胞に直接投与される。その剤形は常法で投与されてよく、例えば、限定的でなく、定量噴霧、ネブライザー、アトマイザー、呼吸活性化(breath activated)或いは粉末で投与される。本発明の方法はまた、ドロッパー、ピペットやカニューレを用いて製剤をホストの鼻腔や口腔に直接投与することも含む。
【0059】
ある態様では、剤形は粉末形である。該剤は約1から約10μmの範囲の粒子サイズ、例えば約2〜約8μm粒子サイズの散剤として使用してもよい。薬学的見地から粉末の粒子サイズは約100μm径を越えない。ある態様では、微粒子化された個体粉末粒子サイズは、約10μm或いはそれ以下の径などの約25μm以下である。吸入治療用の粒子サイズは約2から約10μmの範囲でよい。
【0060】
薬剤の濃度は所望の投与量に依拠し、いくらかの事例では、約0.01〜5重量%の範囲である。吸入剤形での用量は1日当たり50−100マイクログラムを含んでいてもよく、吸入組成物の投与は1日1回或いは1週1回でよい。しかし正確な治療用量は、年齢、体重、性別、主体の状態、病気の性質と症状、及び他の要因に依拠される。通常の知識を有する医師はその特定の患者が必要としている薬剤の有効量を容易に決定し、処方しうる。
【0061】
いくつかの態様では、剤形はプロペラント或いはプロペラントと溶媒に懸濁または分散させた活性剤を含む粉末化エアロソル製剤である。プロペラントは一般的には所望の気体圧と製剤の安定性を提供すべく選択された液化クロロフルオロカーボン類(CFCs)の混合物から構成される。プロペラント11、12及び114は、吸入投与用エアゾル製剤に最も広く用いられている。ほかに常用されているプロペラントはプロペラント113、142b、152a、124及びジエチルエーテルであり、これらはデュポンフルオロケミカルズカ(Wilmington,DE)から入手しうる。化合物1,1,1,2−テトラフルオロエタンも又医薬エアゾル製剤用常用プロペラントである。プロペラントは吸入総重量の40〜90%である。
【0062】
吸入組成物はまた、メチレンクロライド、エタノール、燐酸緩衝液(PBS)などの分散剤や溶媒を含んでいてもよい。界面活性剤も分散剤としても使用されている。そのような剤にはソルビタンtiroleate、オレイルアルコール、オレイン酸、レシチン、トウモロコシ油、オリーブ油、綿実油、ひまわり種子油などの天然由来の油が含まれ、懸濁化微粒子を凝集体に維持するのに有用である。この界面活性剤は一般的には、製剤総重量の5%を越えない量で存在する。それらは界面活性剤対ビスホスホネート活性剤の重量比は1:100から10:1で存在する。しかし製剤中の薬剤濃度が極めて低い場合には、界面活性剤は、この重量比を越えてもよい。
【0063】
本発明の吸入剤形は好都合な吸入器で配送されうり、その器にはネブライザーやアトマイザーが含まれる。
【0064】
本発明の方法及び組成物において、薬学的組成物は、適当な薬学的希釈剤、増量剤や賦形剤と混合して投与してよい。更に所望或いは必要により、適当な増量剤、滑沢剤、崩壊剤及び着色剤もまた、活性成分と不活性賦形剤の混合物に加えることもできる。適切な増量剤はデンプン、ゼラチン、グルコース、無水乳糖、流動(flee−flow)乳糖、ベータ乳糖、トウモロコシ糖等の天然糖、アカシア、トラガントガム、アルギン酸ナトリウムなどの天然または合成ガム、CMC、PEG、ワックス、クロスカルメロースナトリウム、などを含んでいてもよい。これらの投与剤形に使用される滑沢剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、食塩などを含む。
【0065】
いくらかの態様では、薬学的組成物は該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤、或いはその薬理学的に許容される塩を含有する粉末製剤である。いくらかの態様では、その薬学的組成物は更に、可塑剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、マスク剤などの1種以上の増量剤を含む。いくらかの態様では、粉末剤形の粒子の表面が適当な被覆剤で被覆される。その適当な被覆剤には、限定的でなく、sureteric、セルロースアセテートフタレート、メタアクリル酸コポリマー、ヒドロキシプロピルエチルセルロースフタレート、aquacoat ECD30、シェラック及びザイン(zein)を含む。いくらかの態様では、その薬学的組成物は更に、吸入器バルブの構成パーツの滑剤のみならず、化合物の粒子間の滑りを提供するミリスチン酸イソプロピル、軽質鉱油や他の物質などの滑剤を含む。
【0066】
いくらか態様では、薬学的組成物は該ビスホスホネート活性剤、或いはその薬理学的に許容される塩を含有する液剤或いは懸濁剤である。ある態様では、液剤或いは懸濁剤は、水に溶解或いは懸濁された剤を含む。ある態様では、液剤或いは懸濁剤は更にエタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの1種以上の共溶媒を含有する。ある態様では、液剤或いは懸濁剤は、更に1種以上の保存剤、溶解剤、緩衝剤、等張化剤、界面活性剤、吸収促進剤または増粘剤を含有する。ある態様では、薬学的組成物は懸濁剤であり、そして更に懸濁化剤を含有する。
【0067】
有用性
主題の方法は種々の適用(用途)への使用であり、ある適用においては、その方法は、骨再吸収の阻害などの少なくとも1つの細胞機能の調節方法である。主題の方法は、骨吸収、骨塊の消失、骨粗しょう症、骨減少症、尿路結石症、カルシウム過剰症、パジェット病(または変形性骨炎)、骨移転、多発性骨髄腫、腫瘍性骨病変及び骨の脆弱症の危険を惹起或いは増加する他の症状の治療、その可能性の減少或いは阻止への使用である。本発明のある態様では、主題の方法はまた、非脊椎骨骨折の可能性とリスクを減少させるために有用である。ある態様では、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤を必要とする主体は骨粗鬆症の者か、更年期以降の者、或いは双方である。ある態様では、主体は骨粗鬆症の、更年期以降、或いは双方である婦人である。ある態様では、主体は骨形成不全症を患っている若者である。
【0068】
この点で、主題の方法及び組成物は、ビスホスホネートを用いて治療されうるようなビスホスホネートの公知の適用への使用の知見である。本発明の主題の組成物の使用は、例えば、限定的でなく、骨吸収、骨塊の消失、骨粗鬆症、骨減少症、尿路結石症、カルシウム過剰症、パジェット病(または変形性骨炎)、骨移転、多発性骨髄腫、腫瘍性骨病変及び骨の脆弱症の危険を惹起或いは増加する他の症状を含む症状の治療に特に有用である。このような状態において、本発明の組成物を使用すると所望のビスホスホネート活性を留保しながら、望ましからざる毒性が弱められた結果となる。
【0069】
従って、主題の方法、組成物はビスホスホネート投与が指示されている治療的適用への使用である。代表的治療適用は、骨吸収と骨塊の消失で特徴づけられる例えば骨粗鬆症及びその関連症状の治療である。
【0070】
治療とは、ホストを悩ましている症状を伴う症候の少なくとも改善が達せられることを意味し、その際の改善とは、治療されている症状を伴う、例えば症候などのパラメーターの大きさの少なくとも減少に関与する広い意味で使用される。従って、治療とはまた、病理的症状、或いはそれに伴う最低の症候が完全に阻止、例えば出来事の阻止、完全な停止、例えばホストがその症状を呈しないか、或いは少なくともその症状を特徴づける症候を呈しないような終結状態を含む。
【0071】
色んなホストは主題の方法に従い治療されうる。一般に、そのようなホストは“哺乳類”または“哺乳動物”であり、これらの用語は、食肉目(犬や猫など)、齧歯目(マウス、モルモット及びラッテなど)、及び霊長目(ヒト、チンパンジー及びサルなど)を含む哺乳綱の範囲の生物体を記載すべく広く使用される。多くの事例では、そのホストはヒトである。ある態様ではそのホストは女性である。
【0072】
主題の方法は、他の適用の中で、骨粗鬆症上含む骨症状の治療への使用の知見である。そのような用途において、ポリマー結合ビスホスホネート活性剤の有効量は、それを必要とする主体に投与される。治療とは上に定義の通り、広く使用され、例えば、病気の1つ以上の症候の少なくとも改善、その完全な停止、及び治療(cure)などの病状の反転及び/または完全な除去を含む。
【0073】
本発明の文脈から、動物、特にヒトに投与される量は合理的な時間枠を超えて、動物に予防または治療的応答をもたらすに十分であるべきである。用量は投与される特定の化合物の強さ、動物の状態、体重、病気の重篤さ及び病気のステージを含む種々の要素によると当業者が認識する。用量のサイズはまた、特定化合物の投与に伴う副作用の存在、性質、及び程度により決定される。適切な用法用量は、骨吸収阻害剤として公知の薬剤、特に非修飾のビスホスホネートと比較して決定されうる。適切な用量は重篤な副作用無しに、骨吸収阻害を引き起こす量である。ある化合物の適当な量と適切な投与で、本発明は、広範囲の細胞内効果、例えば骨吸収の部分的〜本質的完全阻害を提供する。
【0074】
個人個人は便利なプロトコールを用い主題の方法を必要とされると診断されるかもしれない、そして一般的に主題の方法が必要であると知られている。例えば彼らは対象の病状を患っているか、或いは主題の方法を実施する前に、対象の症状を患うリスクがあると既に決定されている。
【0075】
主題の方法及び組成物が、使用される特定の適用(用途)は、米国特許4,621,077;5,183,815;5,358,941;5,462,932;5,661,174;5,681,590;5,994,329;6,015,801;6,090,410;6,225,294;6,414,006;6,482,411及び6,743,414に記載されている適用を含み、この開示は、引例としてここに合体される。
【0076】
キットとシステム
上記のような主題の方法の実施に使用されるキットも又、提供される。例えば、主題の方法を実施するためのキットとシステムは、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤を含む。従って、ある態様ではキットは、1つ以上の単一用量を含んでいてもよく、その組成物は該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤を含む。
【0077】
上記の組成物に加うるに、主題のキットは、更に主題の方法を実施するための指示書を含んでいてもよい。これらの指示書は、いろいろな形の主題のキットに存し、その1つ以上はキット中でよい。これらの指示書が存する1つの形は、適当な媒体或いは代替物上に印刷された情報、例えば、情報が印刷された紙で、キットの包装、包装挿入物などの中に存する。なお他の手段としてはコンピューターが読み取りうる媒体、例えばディスケット、CDなどであり、それに情報が記録されている。なお、提示できる他の手段は、離れた場所で情報にアクセスできるインターネット経由で使用しうるウエブサイトアドレスである。いずれにしても便利な手段はキットの中にあることであるかもしれない。
【0078】
ここに使用されている用語“システム”は、主題の方法の実施の目的のためのポリマー結合ビスホスホネート活性剤を含む物質の集積である。
【0079】
以下の実施例は本発明を更に説明するが、発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
【実施例】
【0080】
実験
実験材料
試薬
アレンドロネート(Toronto Research Chemicals Inc.)はTeikoku Pharma USA, Incから提供を受けた。Methoxypolyethylene glycolyl N-succinimidyl succinate (SUNBRIGHT ME-020CS:amino group reactive activation PEG (2000))はNOF CORPORATIONから入手した。Methoxypolyethylene glycolyl N-succinimidyl succinate (Methyl-PEO8-NHS Ester:amino group reactive activation PEG (500))はPIERCEから入手した。
【0081】
動物
ウイスター系雄ラッテはShizuoka Agricultural Cooperative Association for Laboratory Animalsから入手した。全ての動物実験は京都薬科大学 の動物倫理委員会で確立されたガイドラインに従い行った。
【0082】
実験方法
投与用溶液
経肺投与用38.5 μmol/ml (12.5 mg /ml) のアレンドロネートは、 pH7.4の等張リン酸緩衝液(PBS)を用いて調製した。経肺投与用38.5 μmol/ml (12.5 mg アレンドロネート/ml)のPEG (2000)-アレンドロネートおよび38.5 μmol/ml (12.5 mg アレンドロネート/ml)のPEG(500)-アレンドロネートがpH7.4の等張リン酸緩衝液(PBS)を用いて調製した。
【0083】
経肺投与
経肺吸収試験は、Enna & Schanker (AM.J.Physiol.,222(2),409−414,1972;AM.J.Physiol., 223(5),1227−1231,1972)に開示の方法に基づき、以下の方法で行った。
【0084】
ウイスター系雄ラッテ(体重250〜300g)が本試験で使用された。ペントバルビタール麻酔下ラッテの首の中央を、気道をさらすために、切開した。長さ2.5cmのポリエチレンチューブ(ID:1.5mm、OD:2.3cm)を4番目と5番目の間の気管支の軟骨リングの甲状軟骨から0.6cmの深さに挿入し、ついで切開した皮膚を縫い合わせた。100μlのマイクロ注入器(Microliter,no.710,Hamilton Co)を100μlの投与用液で充填した。ラッテを80°で保管した。そのマイクロ注入器の先端を上記のポリエチレンチューブを介して気管支管に1から2mmまで挿入し、その溶液は1−2秒で、ラッテの呼吸に合わせて投与された。15.4μmol/kg (5mg/kg)のアレンドロネート、PEG(2000)−アレンドロネート及びPEG(500)−アレンドロネートがラットの肺から投与された。投与45秒後、ラッテを10°に保ち、250μlの血液を頸静脈から経時的に(時間依存法で)採血した。その血液を遠心分離(13000rpm、10min)し、血漿画分を得、分析のために−30°で直ちに保存した。
【0085】
血漿Ca2+濃度の測定
得られた血漿中のCa2+濃度はthe orthocresolphthalein complexone (OCPC)方法に基づきCalcium E-Test Wako (Wako Pure Chemicals)を用いて測定した。D% (area above the hypocalcemic effect (%) - time curve ) (図1参照)はまた、薬理学的効果の指標として、投与後の血漿Ca2+濃度および時間曲線から計算した。結果は図2及び3に示した。
【0086】
肺内炎症の評価
投与溶液は経肺吸収実験法に従って、ラッテに経肺的に投与した。投与4時間目に、ペントバルビタール麻酔下、ラッテの大動脈から血液を除去し、生理食塩水を肺に注入し、肺を洗浄した。ラッテの首の中央を切開し、気管支を露出させた。ポリエチレン管をその気管支に挿入し、気管支肺胞洗浄液を16mLの燐酸緩衝液(PBS)(4mLずつ4回)を用いて採取した。採取した気管支肺胞洗浄液(BALF)を遠心分離(4℃、200xg 7分間)し、上澄み液を用いて、LDH活性と総蛋白濃度を測定した。
【0087】
LDH活性の測定
LDH活性はLDH−毒性テスト(和光純薬、大阪、日本)を用いて行う。LDHは、全ての細胞に存在する安定な酵素である。細胞のプラスマ膜が傷害されるとLDHがその細胞から急速に放出される。血漿中のLDH活性レベルの測定は細胞毒性の研究における最も広範囲に使用されるマーカーである。LDH活性のハイレベルは刺激の度合いが高いことを示し、一方LDH活性の低レベルは刺激の度合いが低いことを示す。
この検定の結果は図4に示す。
【0088】
総蛋白濃度の測定
総蛋白濃度はBradford法で測定した。換言すれば、Coomassie Brilliant Blueを用いる着色反応を対象として仔牛血清アルブミン(BSA)を用いた。結果は図4に示す。
【0089】
PEG(2000)−アレンドロネートの組成物法
500 mgのアレンドロネートを30 mlの超純粋水に溶解し、0.2 N NaOHでpHを7.0に調節した。180 mgのアミノ基反応活性PEG(2000)を加え、0.2 N NaOHでpHを9.0に調節した。混合物を室温で2時間撹拌した。アレンドロネートとアミノ基反応活性PEG(2000)を反応させて後、透析を24時間行ない、未反応のアレンドロネートを除去した。PEG(2000)−アレンドロネート溶液を凍結乾燥し、粉末化PEG(2000)−アレンドロネートを得た。粉末化PEG(2000)−アレンドロネートの1部を超純粋水に溶かした。リン酸とアレンドロネート由来のアミノ基を検定することにより、PEG(2000)がアレンドロネートにそのアミノ基でもって結合していることを確認した。
【0090】
PEG(500)−アレンドロネートの組成物法
500 mgのアレンドロネートを30 mlの超純粋水に溶解し、0.2 N NaOHでpHを7.0に調節した。50 mgのアミノ基反応活性PEG(500)を加え、0.2 N NaOHでpH を9.0に調節した。混合物を室温で2時間撹拌した。アレンドロネートとアミノ基反応活性PEG(500)を反応させて後、凍結乾燥し、粗粉末を得た。粗粉末にエタノールを加え、未反応のアレンドロネートを取り出した。1500xgで20分間遠心し、上澄液を採取した。蒸発乾固後、超純粋水を加え、凍結乾燥して、粉末PEG(500)−アレンドロネートを得た。粉末化PEG(500)−アレンドロネートの1部を超純粋水に溶かした。リン酸とアレンドロネート由来のアミノ基を検定することにより、PEG(500)がアレンドロネートにそのアミノ基でもって結合していることを確認した。PEG(500)−アレンドロネートの分子量はTOF-MASSで計算した。5図参照
【0091】
リン酸の検定
モリブデン酸アンモニウムを用いる着色反応をP.S. Chen, Jr., T. Y. Toribara, and H. Warner. Anal. Chem., 28, 1756 (1956)に記載の方法で、対象としてアレンドロネートを用いて観察した。
【0092】
アミノ基の検定
トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を用いる着色反応をA.F. Habeeb. Anal. Biochem., 14, 328-36 (1966)に記載の方法で、対象としてアレンドロネートを用いて観察した。
【0093】
上記の発明が理解を明確にするために、例示や実施例である程度詳細に記載しているが、添付のクレームの精神または範囲内で、ある程度の変更や修正が可能であることは、本発明の教示にてらし、当業者にとって自明である。
【0094】
したがって、前述は単なる発明の原理を例示している。当業者が、ここに明らかに記載或いは示されていなくても、発明の原理を具現し、そしてその精神及び範囲に含まれる種々の変形を考案しうることは理解されるであろう。さらに、ここに列挙した全ての例示及び条件付き用語は原則的には、発明の原理と技術を助長すべく発明者により貢献された概念を理解するために読者を手助けすることを意図されており、そしてそのような特定的に列挙した例示及び条件に限定されないと理解されるべきである。更に発明の特定の例示のみならず、発明の原理、形態及び具体例を列挙した全ての記述は構造的、機能的均等の両者を含むと意図されている。更にそのような均等は現在の均等及び将来展開される均等を含み、即ち構造に関係なく同じ機能を達成すると展開される要素を含む。従って本発明の範囲は、ここに示され、記載の具体的事例に限定されるものではなく、むしろ本発明の範囲及び精神は、添付のクレームによって具現されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A method of administering a bisphosphonate active agent to a subject in need thereof, said method comprising:
administering by a pulmonary route to said subject an effective amount of polymer-linked-bisphosphonate active agent.
【請求項2】
The method according to Claim 1, wherein said polymer-linked-bisphosphonate active agent comprises the structure:
PM - L - BP;
wherein PM is a linear or branched water-soluble and non-peptide polymer having at least one terminus, wherein the terminus is covalently bonded to L; L is a linker; and BP is a bisphosphonate group.
【請求項3】
The method according to Claim 2, wherein said bisphosphonate group is a compound of formula (I):

(I),
or the pharmaceutically acceptable salts, solvates, hydrates, and prodrug forms thereof, and stereoisomers thereof;
wherein R1 and R2 are independently selected from the group consisting of hydrogen, -OH, halogen, aryl, substituted aryl, pyridyl, furanyl, pyrrolidinyl, imidazonyl, C1-C30 alkyl, C1-C30 substituted alkyl, NH2, NHR3, NR32, SH, and SR3, where R3 is C1-C30 alkyl, C1-C10 alkoxy, aryl or substituted aryl, and W is selected from the group consisting of hydrogen, alkyl, substituted alkyl, aryl, substituted aryl, Na+, and K+; with the provisio that R2 is not a hydrogen, -OH, halogen, NH2, or SH.
【請求項4】
The method according to Claim 1, wherein said polymer-linked-bisphosphonate active agent is a polymer-linked-alendronate active agent.
【請求項5】
The method according to Claim 1, wherein said polymer-linked-bisphosphonate active agent is a polymer-linked-pamidronate active agent.
【請求項6】
The method according to Claim 2, wherein PM is a polymer selected from the group consisting of poly(alkylene glycol), poly(oxyethylated polyol), poly(olefinic alcohol), poly(vinylpyrrolidone), poly(hydroxypropylmethacrylamide), poly(α-hydroxy acid), poly(vinyl alcohol), polyphosphazene, polyoxazoline, and copolymers, terpolymers, derivatives and mixtures thereof.
【請求項7】
The method according to Claim 6, wherein PM is a poly(alkylene glycol).
【請求項8】
The method according to Claim 6, wherein PM is a poly(ethylene glycol).
【請求項9】
The method according to Claim 8, wherein PM is PEG(2000).
【請求項10】
The method according to Claim 8, wherein PM is PEG(500).
【請求項11】
The method according to Claim 2, wherein L is a bond, a residue of a functional group used to attach the bisphosphonate group to the polymer, or a C1-C4 alkyl comprising one or more hydrolytically stable linkage selected from the group consisting of ester linkages, ether linkages, thio-ether linkages, amide linkages, amine linkages, urea linkages, or carbamate linkages.
【請求項12】
The method according to Claim 11, wherein L is

wherein bond A is attached to PM and bond B is attached to BP.
【請求項13】
The method according to Claim 11, wherein L is

wherein bond A is attached to PM and bond B is attached to BP.
【請求項14】
The method according to Claim 1, wherein said pulmonary route comprises inhalation.
【請求項15】
The method according to Claim 1, wherein said method is of treating said subject for a bone adsorption disease.
【請求項16】
The method according to Claim 15, wherein said subject has been diagnosed as suffering from said bone adsorption disease.
【請求項17】
The method according to Claim 15, wherein said subject has been diagnosed as being at risk for suffering from said bone adsorption disease.
【請求項18】
The method according to Claim 17, wherein said bone adsorption disease is osteoporosis, osteopenia, urolithiasis, hypercalcemia, Paget’s disease, bone metastasis, multiple myeloma, or neoplastic bone lesion.
【請求項19】
薬学的に許容されるビヒクルにポリマー結合ビスホスホネート活性剤を含有する薬学的組成物であって、該組成物がエアロゾルである薬学的組成物。
【請求項20】
該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤が下記式で表される請求項19の薬学的組成物:
PM - L - BP;
但し、PMは少なくとも1個の末端を有する直鎖或いは分枝鎖状水可溶性非ペプチドポリマーであって、該末端はLに共有的に結合しており;
Lはリンカーを意味し;そして
BPはビスホスホネート基を意味する。
【請求項21】
該ビスホスホネート基が下記式(I)で表される化合物:

(I)
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物およびそのプロドラッグ、およびその立体異性体である請求項20記載の薬学的組成物;
但し、R1 及びR2 は独立して、水素原子、-OH、ハロゲン原子、アリール、置換アリール、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾニル(imidazonyl)、C1-C30 アルキル、C1-C30 置換アルキル、NH2、NHR3、 NR32、SHおよびSR3(但し、R3はC1-C30 アルキル、C1-C10 アルコキシ、アリールまたは置換アリールである)から選ばれ、そして Wは水素原子、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、Na+及びK+;から選ばれる。但し、R2 は水素原子、-OH、ハロゲン原子、NH2 又はSHでない。
【請求項22】
該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤がポリマー結合アレンドロネート活性剤である請求項19に記載の方法。
【請求項23】
該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤がポリマー結合パミドロネート活性剤である請求項19に記載の方法。
【請求項24】
PMがポリ(アルキレングリコール)、ポリ(オキシエチレン化ポリオール)、ポリ(オレフィンアルコール)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ヒドロキシプロピルメタクリルアミド)、ポリ(α-ヒドロキシ酸)、ポリ(ビニルアルコール)、polyphosphazene、ポリオキサゾリンおよびそのコポリマー、そのターポリマー、その誘導体およびその混合物からなる群から選択されるポリマーである請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項25】
PMがポリ(アルキレングリコール)である請求項24に記載の薬学的組成物。
【請求項26】
PMがポリ(エチレングリコール)である請求項25に記載の薬学的組成物。
【請求項27】
PMがPEG(2000)である請求項26に記載の薬学的組成物。
【請求項28】
PMがPEG(500)である請求項26に記載の薬学的組成物。
【請求項29】
Lがボンド、該ポリマーにビスホスホネート基を結合させるために使用される官能基の残基、又はエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、アミン結合、尿素結合およびカルバメート結合からなる群から選ばれる1つ以上の加水分解的に安定な結合を含むC1-C4 アルキルである請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項30】
Lが

である請求項29に記載の薬学的組成物、
但し結合手AはPMに結合し、結合手BはBPに結合している。
【請求項31】
Lが

である請求項29に記載の薬学的組成物、
但し結合手AはPMに結合し、結合手BはBPに結合している。
【請求項32】
エアロソルが液状エアロソルである請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項33】
エアロソルが固体エアロソルである請求項19に記載の薬学的組成物。
【請求項34】
固体エアロソルがドライパウダーである請求項33に記載の薬学的組成物。
【請求項35】
ドライパウダーが約1〜約100μmの範囲の粒子サイズである請求項34に記載の薬学的組成物。
【請求項36】
薬学的に許容されるビヒクル中にポリマー結合ビスホスホネート活性剤を含有する薬学的組成物であって、該ポリマー結合ビスホスホネート活性剤が下記の構造である:
PM - L - BP;
但し、PMは式Rc-(CH2CH2O)p-(但しp は約3から約 4000であり、Rc は水素原子、CH3-O-、CH2CH2-O-、CH3CH2 CH2-O-またはCH3-である)で表されるPEG; Lはリンカー; そしてBPはビスホスホネート基である。
【請求項37】
該ビスホスホネート基が下記式(I)で表される化合物:

(I)
またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、水和物およびそのプロドラッグ、およびその立体異性体である請求項36記載の薬学的組成物;
但し、R1 及び R2 は独立して、水素原子、-OH、ハロゲン原子、アリール、置換アリール、ピリジル、フラニル、ピロリジニル、イミダゾニル(imidazonyl)、C1-C30 アルキル, C1-C30 置換アルキル, NH2, NHR3, NR32, SH, およびSR3(但し、R3 はC1-C30 アルキル、C1-C10 アルコキシ、アリールまたは置換アリールである)から選ばれ、そしてWは水素原子、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、Na+ 及び K+;から選ばれる。但し、R2 は水素原子、-OH、ハロゲン原子、NH2 又はSHでない。
【請求項38】
Lが、ボンド、該ポリマーにビスホスホネート基を結合させるために使用される官能基の残基、又はエステル結合、エーテル結合、チオエーテル結合、アミド結合、アミン結合、尿素結合およびカルバメート結合からなる群から選ばれる1つ以上の加水分解的に安定な結合を含むC1-C4 アルキルである結合である請求項37に記載の薬学的組成物。
【請求項39】
Lが

である請求項38に記載の薬学的組成物、
但し、結合手AはPMに結合し、結合手BはBPに結合している。
【請求項40】
Lが

である請求項38に記載の薬学的組成物、
但し、結合手AはPMに結合し、結合手BはBPに結合している。
【請求項41】
薬学的組成物がエアロソルである請求項36に記載の薬学的組成物。
【請求項42】
エアロソルが液状エアロソルである請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項43】
エアロソルが固体エアロソルである請求項41に記載の薬学的組成物。
【請求項44】
固体エアロソルがドライパウダーである請求項43に記載の薬学的組成物。
【請求項45】
ドライパウダーが約1〜約100 μmの範囲の粒子サイズである請求項44に記載の薬学的組成物。
【請求項46】
ポリマー結合ビスホスホネート活性剤が吸入剤形である骨吸収症状を患っている主体の治療に使用されるキット。
【請求項47】
該キットが更にネブライザー、アトマイザー 又はインヘイラーを含む請求項46に記載のキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−516762(P2010−516762A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547226(P2009−547226)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際出願番号】PCT/US2007/026427
【国際公開番号】WO2008/091337
【国際公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(502346286)テイコク ファーマ ユーエスエー インコーポレーテッド (26)
【Fターム(参考)】