説明

ポンプ式の液体排出容器

【課題】
本発明はシャンプーやリンス等の比較的粘度の高い液体を収容した場合であっても、前記液体を最後まで容易に排出すことができるポンプ式の液体排出容器を提供することを目的とする。
【解決手段】
有底筒状の胴部を有し前記液体を収容することができる容器本体1と、前記容器本体の上部開口部1bに着脱自在に取り付けられた蓋体2と、前記蓋体2に取り付けられた排出用ポンプ機構3と、前記排出用ポンプ機構3に接続された前記容器本体1の底部中央部に臨ませるチューブ4とを備えたポンプ式の液体排出容器であり、前記胴部内周面1eと前記チューブ外周面4aの横断面形状は鉛直方向において一定であり、収容されている前記液体より上部に位置する前記胴部内周面1eと前記チューブ外周面4aに、接した状態を維持しつつ前記液体の残量に合わせて鉛直方向に下降し得る、取り外し可能な可動体5を備えた構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャンプーやリンス等に使用されるポンプ式の液体排出容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のポンプ式の液体排出容器としては特開2006−264784号公報に記載されたものがある。(特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−264784号公報 前記特許文献1に記載されているポンプ式の液体排出容器は、容器本体の底部を下方中央に傾斜させ、チューブと臨ませる前記底部の中央部に円柱型の収集孔を有したものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、シャンプーやリンス等のように比較的粘度の高い液体である場合、使用過程で、容器本体の胴部内周面とチューブ外周面へ付着し、それを残したまま減少する。前記特許文献1に記載されているポンプ式の液体排出容器のように容器本体の底部を下方中央に傾斜させ、チューブと臨ませる前記底部の中央部に円柱型の収集孔を有したとしても、前記胴部内周面と前記チューブ外周面への付着はそのまま残ってしまう為、前記液体を最後まで排出すことは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のポンプ式の液体排出容器は、有底筒状の胴部を有し液体を収容することができる容器本体と、前記容器本体の上部開口部に着脱自在に取り付けられた蓋体と、前記蓋体に取り付けられた排出用ポンプ機構と、前記排出用ポンプ機構に接続された前記容器本体の底部中央部に臨ませるチューブとを備えたポンプ式の液体排出容器であり、前記胴部内周面と前記チューブ外周面の横断面形状は鉛直方向において一定であり、収容されている前記液体より上部に位置する前記胴部内周面と前記チューブ外周面に、接した状態を維持しつつ前記液体の残量に合わせて鉛直方向に下降し得る、取り外し可能な可動体を備えた構造である。
【0006】
請求項2に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記排出用ポンプ機構は外部から流動性物質を内部に導入せずに、内部の流動性物質を外部に排出できるものであり、前記容器本体の内部で、前記可動体と前記容器本体底部の間にあたる前記液体収容部は気密状態にあり、前記可動体は気密状態を維持したまま、前記排出用ポンプ機構からの液体の排出に伴い鉛直方向に下降し得る。また前記可動体より上部の前記容器本体には大気と通じている通気口を有している。
【0007】
請求項3に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記容器本体の内底部は、下方中央に傾斜した傾斜面を有し、前記チューブの排出口と臨ませる前記底部中央部に円柱型の収集孔を有している。
【0008】
請求項4に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記容器本体の底部に、下方中央に傾斜した傾斜面を有し、前記チューブの排出口と臨ませる前記底部中央部に円柱型の収集孔を有した、着脱可能なロート型内底部を備えている。
【0009】
請求項5に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記可動体の下面を、前記内底部、又は、前記ロート型内底部の傾斜角に同じく下方中央に傾斜させている。
【0010】
請求項6に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記容器本体は、外部から内部が見える可視部分を有し、そこに目盛りを設け、前記可動体の外周面を塗装している。
【0011】
請求項7に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記容器本体は、外部から内部が見える可視部分を有し、前記容器本体の内部で、前記可動体より上部に加え、前記容器本体の底部と前記ロート型内底部の間に、色々な装飾品を有している。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記胴部内周面と前記チューブ外周面の横断面形状は鉛直方向において一定であり、収容されている前記液体より上部に位置する前記胴部内周面と前記チューブ外周面に、接した状態を維持しつつ前記液体の残量に合わせて鉛直方向に下降し得る、取り外し可能な可動体を備えた構造である。
【0013】
収容されている前記液体が、シャンプーやリンス等のように比較的粘度の高い場合、使用過程で前記液体が減少することに伴い、前記胴部内周面と前記チューブ外周面への付着は残るが、前記可動体が重力により鉛直方向に下降することで、前記胴部内周面と前記チューブ外周面への付着を削ぎ落とすことができる。その結果、前記容器本体の底部へ前記液体を収集することができる。
【0014】
請求項2に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記排出用ポンプ機構は外部から流動性物質を内部に導入せずに、内部の流動性物質を外部に排出できるものであり、前記容器本体の内部で、前記可動体と前記容器本体底部の間にあたる前記液体収容部は気密状態であり、前記可動体は気密状態を維持したまま、前記排出用ポンプ機構からの液体の排出に伴い鉛直方向に下降し得る。また前記可動体より上部の前記容器本体には大気と通じている通気口を有している。
【0015】
前記液体収容部が気密状態であることで、前記可動体は、例えば質量が低い合成樹脂を射出成形して形成しても前記排出用ポンプ機構からの液体の排出に伴い鉛直方向に下降し得、前記胴部内周面と前記チューブ外周面への付着を削ぎ落とすことができる。その結果、前記容器本体の底部へ前記液体を収集することができる。
【0016】
請求項3に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記容器本体の内底部は、下方中央に傾斜した傾斜面を有し、前記チューブの排出口と臨ませる前記底部中央部に円柱型の収集孔を有している。
【0017】
前記液体は前記底部中央部に臨ませた前記チューブの排出口より吸い出される為、前記液体が使用過程で減少し残り僅かになった時、前記チューブの排出口より離れている前記底部に溜まった前記液体は、排出することができずに残留してしまう。しかし、前記内底部を備えることで、前記液体が使用過程で残り僅かになった時、前記液体は前記内底部の傾斜面を流れ中央部の前記収集孔に収集することができる。その結果、そこに臨ませた前記チューブにより容易に排出することができる。
【0018】
請求項4に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記容器本体の底部に、下方中央に傾斜した傾斜面を有し、前記チューブの排出口と臨ませる前記底部中央部に円柱型の収集孔を有した、着脱可能なロート型内底部を備えている。
【0019】
前記液体は前記底部中央部に臨ませた前記チューブの排出口より吸い出される為、前記液体が使用過程で減少し残り僅かになった時、前記チューブの排出口より離れている前記底部に溜まった前記液体は、排出することができずに残留してしまう。しかし、前記ロート型内底部を備えることで、前記液体が使用過程で残り僅かになった時、前記液体は前記ロート型内底部の傾斜面を流れ中央部の前記収集孔に収集することができる。その結果、そこに臨ませた前記チューブにより容易に排出することができる。
【0020】
請求項5に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記可動体の下面を、前記内底部、又は、前記ロート型内底部の傾斜角に同じく下方中央に傾斜させている。
【0021】
前記液体が、シャンプーやリンス等のように比較的粘度の高い場合、使用過程で前記内底部、又は、前記ロート型内底部の傾斜面への付着は残るが、前記可動体の下面を、前記内底部、又は、前記ロート型内底部の傾斜角に同じく下方中央に傾斜させることで、使用過程で減少し残り僅かになった時に、前記可動体は前記液体を下方中央へ押し出しながら、前記内底部、又は、前記ロート型内底部に密着する。その結果、前記収集孔にすべての前記液体を収集することができる。
【0022】
請求項6に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記容器本体は、外部から内部が見える可視部分を有し、そこに目盛りを設け、前記可動体の外周面を塗装している。
【0023】
前記容器本体に、外部から内部が見える可視部分を設け、前記可動体の外周面を塗装することで、使用過程で下降する前記可動体の位置が視覚的に捉えられる。そして、そこに設けられた目盛りにより前記液体の残量を把握することができる。
【0024】
請求項7に記載のポンプ式の液体排出容器は、前記容器本体は、外部から内部が見える可視部分を有し、前記容器本体の内部で、前記可動体より上部に加え、前記容器本体の底部と前記ロート型内底部の間に、色々な装飾品を有している。
【0025】
前記容器本体の内部で、前記可動体より上部に加え、前記容器本体の底部と前記ロート型内底部の間には、前記液体は収容されていない。前記可動体は使用過程で下降するが、前記胴部内周面と前記チューブ外周面に付着した前記液体を削ぎ落としながら下降する為、前記可動体の位置にかかわらず、前記可動体より上部には前記液体は浸入しない。その結果、色々な装飾品を飾り視覚的に楽しむ空間を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のポンプ式の液体排出容器の側面図要部断面図である。
【図2】同じく実施例1のポンプ式の液体排出容器の側面図要部断面図である。
【図3】同じく可動体の断面図である。
【図4】同じくロート型内底部の断面図である。
【図5】同じく排出用ポンプ機構とチューブの側面図である。
【図6】同じく容器本体の側面図である。
【図7】同じく蓋体とロート型内底部を取り外した状態であって図2に示す容器本体 の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0028】
図2は本発明の実施の形態の一例としての側面図要部断面図である。
【0029】
図2において、1は有底筒状の胴部を有し液体を収容することができる容器本体で、外部から内部が見える可視部分を有し、前記胴部内周面1eは円滑面にする。前記容器本体1は、例えば合成樹脂を射出成形して形成されるもので、図6及び図7に示すように、筒状の胴部1aと、前記胴部1a上方に形成された上部開口部1bと、前記胴部1aの下端に形成された底部1cと、前記底部1cの中央部に突設した栓部1dからなる。2は前記容器本体1の上部開口部に着脱自在に取り付けられた蓋体である。3は前記蓋体2に取り付けられた手動式の排出用ポンプ機構で、詳図していないが、内部にボール弁(図示せず)を有する。前記排出用ポンプ機構3は、弁室3aと昇降パイプ3bと排出部3cからなる。4は前記排出用ポンプ機構3に接続された前記容器本体1の底部中央部に臨ませるチューブである。
【0030】
5は取り外し可能な可動体で、前記胴部内周面1eと前記チューブ外周面4aの横断面形状が鉛直方向において一定であり、収容されている前記液体より上部に位置する前記胴部内周面1eと前記チューブ外周面4aに、接した状態を維持しつつ前記液体の残量に合わせて重力により鉛直方向に下降し得る。その為に、可動体5は、例えば質量が高く錆びにくいステンレス製の金属物質で形成されたものであり、図2及び図3に示すように、上面5aと傾斜した下面5bと外周面5cと内周面5dと前記上面5aの中央上部に形成された把手5eからなる。下面5bは、ロート型内底部6の傾斜角に同じく下方中央に傾斜させている。内周面5dにはパッキン9を嵌合し、前記チューブ外周面4aとの摩擦を最小限にするために接面のパッキン9は薄くする。
【0031】
6は着脱可能なロート型内底部で、前記容器本体の底部に、下方中央に傾斜した傾斜面を有し、前記チューブの排出口と臨ませる前記底部中央部に円柱型の収集孔を有している。前記ロート型内底部6は例えば合成樹脂を射出成形して形成されるものであり、図2及び図4に示すように、傾斜面6aと下端6bからなる。前記下端6bは底部が解放されており、前記容器本体1の底部中央部に突設した栓部1dが前記下端6bの内周に嵌合することによって、円柱型の収集孔8を形成している。
【0032】
図示していないが、前記容器本体1は、外部から内部が見える可視部分を有し、そこに前記液体の残量の把握できる目盛りを設け、前記可動体5の外周面5cを塗装する。
【0033】
7は前記容器本体1の内部で、前記可動体5より上部に加え、前記容器本体1の底部1cと前記ロート型内底部6の間に飾られた装飾品である。装飾品7としては、天然石、デコレーションアクセサリー、ビー玉など、好みに合わせた物を飾ることができ、視覚的に楽しむことができる。図示していないが、前記容器本体1の前記胴部1aは外部から内部が見える可視部分を有し、可視部分の大きさ、形により楽しみ方は様々である。
【実施例2】
【0034】
図示していないが、前記容器本体1の内部で、前記可動体5と前記ロート型内底部6の間の液体収容部が気密状態であることで、前記可動体5は、例えば質量が低い合成樹脂を射出成形して形成しても前記排出用ポンプ機構3からの液体の排出に伴い鉛直方向に下降し得る。前記可動体5の内周面5dにはパッキン9を嵌合し、気密になされている。前記チューブ外周面4aとの摩擦を最小限にするために接面のパッキン9は薄くする。また、前記可動体より上部の前記容器本体には大気と通じている通気口を有している。
【実施例3】
【0035】
図示していないが、前記胴部内周面1eと前記チューブ外周面4aの横断面形状が鉛直方向において一定であり、前記胴部内周面1eの横断面形状に合わせて前記可動体5と前記ロート型内底部6を形成することで、前記胴部内周面1eの横断面形状は円筒状に限らず、例えば三角や四角などの、多角形状であってもよい。
【0036】
図示していないが、前記可動体5の可動部は、前記胴部内周面1eと前記チューブ外周面4aの横断面形状が鉛直方向において一定である必要があるが、前記可動体5の可動最上部より上部、又は前記ロート型内底部6の傾斜面6aの最上部より下部は形状に制限はない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、シャンプーやリンス等の詰め替え容器として利用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 容器本体
1a 胴部
1b 上部開口部
1c 底部
1d 栓部
1e 胴部内周面
2 蓋体
3 排出用ポンプ機構
3a 弁室
3b 昇降パイプ
3c 排出部
4 チューブ
4a チューブ外周面
5 可動体
5a 上面
5b 下面
5c 外周面
5d 内周面
5e 把手
6 ロート型内底部
6a 傾斜面
6b 下端
7 装飾品
8 収集孔
9 パッキン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の胴部を有し液体を収容することができる容器本体と、前記容器本体の上部開口部に着脱自在に取り付けられた蓋体と、前記蓋体に取り付けられた排出用ポンプ機構と、前記排出用ポンプ機構に接続された前記容器本体の底部中央部に臨ませるチューブとを備えたポンプ式の液体排出容器であり、前記胴部内周面と前記チューブ外周面の横断面形状は鉛直方向において一定であり、収容されている前記液体より上部に位置する前記胴部内周面と前記チューブ外周面に、接した状態を維持しつつ前記液体の残量に合わせて鉛直方向に下降し得る、取り外し可能な可動体を備えた構造のポンプ式の液体排出容器。
【請求項2】
前記排出用ポンプ機構は外部から流動性物質を内部に導入せずに、内部の流動性物質を外部に排出できるものであり、前記容器本体の内部で、前記可動体と前記容器本体底部の間にあたる前記液体収容部は気密状態であり、前記可動体は気密状態を維持したまま、前記排出用ポンプ機構からの液体の排出に伴い鉛直方向に下降し得る。また前記可動体より上部の前記容器本体には大気と通じている通気口を有した請求項1に記載のポンプ式の液体排出容器。
【請求項3】
前記容器本体の内底部は、下方中央に傾斜した傾斜面を有し、前記チューブの排出口と臨ませる前記底部中央部に円柱型の収集孔を有した請求項1、請求項2に記載のポンプ式の液体排出容器。
【請求項4】
前記容器本体の底部に、下方中央に傾斜した傾斜面を有し、前記チューブの排出口と臨ませる前記底部中央部に円柱型の収集孔を有した、着脱可能なロート型内底部を備えた請求項1、請求項2に記載のポンプ式の液体排出容器。
【請求項5】
前記可動体の下面を、前記内底部、又は、前記ロート型内底部の傾斜角に同じく下方中央に傾斜させた請求項1乃至4に記載のポンプ式の液体排出容器。
【請求項6】
前記容器本体は、外部から内部が見える可視部分を有し、そこに目盛りを設け、前記可動体の外周面を塗装した請求項1乃至5に記載のポンプ式の液体排出容器。
【請求項7】
前記容器本体は、外部から内部が見える可視部分を有し、前記容器本体の内部で、前記可動体より上部に加え、前記容器本体の底部と前記ロート型内底部の間に、色々な装飾品を有した請求項1乃至6に記載の液体排出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−51619(P2012−51619A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195383(P2010−195383)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【特許番号】特許第4825942号(P4825942)
【特許公報発行日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(311013650)
【Fターム(参考)】