説明

マイクロエマルション殺菌組成物

芳香族ジアルデヒドと、中鎖直鎖状アルコールと、界面活性剤と、ハロゲン化物塩、炭酸塩、及びカルボン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種類の促進剤と、水と、を含む、マイクロエマルションである、殺菌組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2008年5月2日出願の米国特許出願第61/049,994号からの優先権を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、殺菌又は滅菌に使用することができるマイクロエマルション殺菌組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
各種の市販のアルデヒドベースの殺菌組成物が知られており、文献において考察がなされている。アルデヒドベースの殺菌組成物の中でもより広く普及しているものとして、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、又はo−フタルアルデヒド(単に、フタルアルデヒドとしても知られる)を含んだものがある。フタルアルデヒドは、ホルムアルデヒド及びグルタルアルデヒドと比べて特定の利点を有している。ホルムアルデヒドは潜在的に発癌性であり、不快な臭いを有する。同様にグルタルアルデヒドも不快な臭いを有し、保存に際して化学的に不安定な場合がある。フタルアルデヒドは一般に発癌性物質とはみなされておらず、実質的に無臭であり、速やかな殺菌作用を有する。これら及びその他の利点のため、フタルアルデヒドを含有する新規かつ改良された殺菌組成物に対する幅広いニーズが当該技術分野において存在している。
【0004】
米国特許出願公開第2005/0136086号は、殺菌性ジアルデヒド及び薬効を高めるハロゲン化物塩及び炭酸塩を有する殺菌組成物について述べている。この参照文献は、枯草菌(バチルス・サブティリス)と4時間の接触後に高い対数減少率を示すフタルアルデヒド殺菌組成物について開示している。
【0005】
中国特許出願公開第CN1836508A号は、オルト−フタルアルデヒド、脂肪族アルコールA、脂肪族アルコールB、キレート剤、第四級アンモニウム塩、非イオン性界面活性剤、pH緩衝システム、発泡阻害剤、及び金属腐食阻害化合物を含むフタルアルデヒドマイクロエマルション組成物について述べており、中国特許出願公開第CN1836508A号の好適な実施形態では、枯草菌胞子との接触後30分以内の対数減少率が5よりも高い値であるとしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
殺菌効果及び殺菌又は滅菌状態を得るのに要する時間は殺菌組成物の一般的に重要な特性である。高い殺菌効果及び従来技術の組成物と比較してより速やかな殺菌作用を有する新規かつ改良された殺菌組成物に対する幅広いニーズが当該技術分野において存在している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本願で述べるマイクロエマルション殺菌組成物は、殺菌又は滅菌に有用であり、枯草菌(バチルス・サブティリス)胞子との接触の15分以内の対数減少率として5よりも高い値を達成することが一般的に可能である。
【0008】
本願で開示するマイクロエマルション殺菌組成物は、有効成分として芳香族ジアルデヒドを含む液体組成物である。こうした芳香族ジアルデヒドの例としては、o−フタルアルデヒド又は1,2−ベンゼンカルボキシアルデヒドとしても知られるフタルアルデヒド、及び1,3−ベンゾジオキソール−4,5−ジカルボキシアルデヒドが挙げられるが、これらに限定されない。
【化1】

【0009】
芳香族ジアルデヒドは、本願で述べるマイクロエマルション殺菌組成物中に全組成物の約0.8重量%未満の量で使用することができる。例えば、フタルアルデヒドは、好ましくは約0.05〜約0.8%の範囲の量、より好ましくは約0.1〜約0.6%の範囲の量で使用される。
【0010】
本願で述べるマイクロエマルション殺菌組成物は更に、約3個〜約12個の炭素原子を有する少なくとも1種類の中鎖直鎖状アルコールを全組成物の約25重量%未満の量で含む。アルコールの量は好ましくは約2〜約25%、より好ましくは約11〜約20%の範囲である。こうしたアルコールの例としては、1−プロパノール、1−ブタノール、及び1−ペンタノールが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、中鎖アルコールは1−プロパノールである。
【0011】
上記に述べた成分に加えて、本願で述べるマイクロエマルション殺菌組成物は、中鎖直鎖状アルコールとともに使用される場合にマイクロエマルションシステムを形成する少なくとも1種類の界面活性剤を全組成物の約10重量%未満の量で含む。非イオン性、カチオン性、及びアニオン性界面活性剤を使用することができる。好ましくは、界面活性剤は非イオン性界面活性剤であり、約0.5〜約10%、より好ましくは、約2〜約8%の範囲の量で使用される。こうした界面活性剤の例としては、ポリソルベート、アルキルポリ(酸化エチレン)及びアルキルポリグリコシドが挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
最後に、本願で述べるマイクロエマルション殺菌組成物は、ハロゲン化物塩、炭酸塩、及びカルボン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種類の促進剤を全組成物の約15重量%未満の量で含む。好ましくは、促進剤は約0.5〜約15%、より好ましくは約1〜約5%の範囲の量で使用される。
【0013】
ハロゲン化物塩の例としては、有機ハロゲン化物塩、及びアルカリ金属ハロゲン化物塩のような無機金属ハロゲン化物塩が挙げられるが、これらに限定されない。アルカリ金属ハロゲン化物塩の例としては、ハロゲン化リチウム、ハロゲン化ナトリウム、ハロゲン化カリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ハロゲン化物には、フッ化物、塩化物、臭化物、又はヨウ化物が含まれる。アルキル金属フッ化物の例としては、フッ化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。アルカリ金属塩化物の例としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。アルカリ金属臭化物の例としては、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。アルカリ金属ヨウ化物の例としては、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0014】
炭酸塩の例としては、炭酸塩及び重炭酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。炭酸塩の例としては、炭酸ナトリウム(NaCO)、炭酸カリウム(KCO)、炭酸カルシウム(CaCO)、炭酸マグネシウム(MgCO)、炭酸リチウム(LiCO)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好適な重炭酸塩としては、重炭酸ナトリウム(NaHCO)、重炭酸カリウム(KHCO)、重炭酸リチウム(LiHCO)、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。好ましい炭酸塩は炭酸カリウムである。
【0015】
カルボン酸塩の例としては、酢酸カリウム及びクエン酸カリウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本願で開示するマイクロエマルション殺菌組成物は、グリセロール、1,2−プロパンジオール、及びポリエチレングリコールなどの不燃性有機溶媒、並びに塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルベンジルアンモニウム(メイソン・ケミカル社(Mason Chemical)より販売されるMaquat(登録商標))、及び塩化ベンザルコニウムなどの第四級アンモニウム化合物を場合により含有してもよいが、これらに限定されない。
【0017】
場合により、浸透剤、キレート剤、消泡剤、腐食防止剤、染料、芳香剤、及び他の所望の成分を本願に述べるマイクロエマルション殺菌組成物中に、所望の浸透効果、キレート化効果、腐食防止効果、着色効果、又は他の効果を得るうえで適切な量で使用することができる。
【0018】
浸透剤の例としては、ラウロカプラム、脂肪アルコールエトキシレート、及びメンソールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本マイクロエマルション殺菌組成物に使用することが可能な好適なキレート剤の例としては、BDTA(N,N’−1,4−ブタンジイルビス[N−(カルボキシメチル)]グリシン)、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EDTAの様々なイオン化形態、EGTA(N”−ウルソデオキシコリル−ジエチレントリアミン−N,N,N’−三酢酸)、PDTA(N,N’−1,3−プロパンジイルビス[N−(カルボキシメチル)]グリシン)、TTHA(3,6,9,12−テトラアザテトラデカンジオン酸,3,6,9,12−テトラキス(カルボキシメチル))、時にVersenol 120としても知られるHEDTA三ナトリウム(N−[2[ビス(カルボキシメチル)アミノ]エチル]−N−(2−ヒドロキシエチル)−グリシン,三ナトリウム塩)が挙げられるが、これらに限定されない。当該技術分野において知られる他の多くのキレート剤も場合により使用することができる。
【0020】
本願に述べるマイクロエマルション殺菌組成物において使用することが可能な消泡剤としては、Merpol(登録商標)A(ステパン社(Stepan)より市販)、ポリエチレングリコール及びジメチルポリシロキサンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
本マイクロエマルション殺菌組成物において使用することが可能な腐食防止剤としては、アスコルビン酸、安息香酸、ベンゾイミダゾール、クエン酸、1H−ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール、リン酸塩、ホスホン酸、ピリジン、及び安息香酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。当該技術分野において知られる他の多くの腐食防止剤も場合により使用することができる。
【0022】
本マイクロエマルション殺菌組成物において使用することが可能な染料としては、青味がかった色が望ましい場合には青色1号(ブリリアントブルーFCF)、緑がかった色が望ましい場合にはD&C緑色5号、D&C緑色6号、及びD&C緑色8号、黄味がかった色が望ましい場合には黄色5号などが挙げられるが、これらに限定されない。当該技術分野において知られる他の多くの染料も、場合により使用することができる。
【0023】
一般に殺菌効果の促進効果はpH又はアルカリ性を増大させるにしたがって高くなる。例えば、本願に述べるマイクロエマルション殺菌組成物のpHは、一般的に約8〜約13、好ましくは約9.5〜約11.5の範囲である。所望のpHの調整を行うために酸、塩基、緩衝剤、又は他のpH調整剤を場合により使用することができる。好適なpH調整剤としては、水酸化ナトリウム(NaOH)及び塩酸が挙げられるが、これらに限定されない。本願に述べるマイクロエマルション殺菌組成物とともに使用することが可能な緩衝剤は、pHを約8〜約13の範囲、好ましくは約9.5〜約11.5の範囲に維持することが好ましい。こうした緩衝剤の例としては、EDTAのテトラ塩形/HCl、ホウ砂/HCl、及びリン酸緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本願に述べるマイクロエマルション殺菌組成物は、約1〜約500nm、好ましくは約2〜約150nm、より好ましくは約2.5〜約80nmの範囲の数平均粒径を有する。OPA(オルトフタルアルデヒド)試料の粒径及び粒度分布は、Nanotrak粒度分析機(マイクロトラック社(Microtrac Inc.))又はこれに相当する任意の光散乱装置によって測定することができる。
【0025】
本願に述べるマイクロエマルション殺菌組成物は下記実施例に述べられるようにして一般的に調製され、実施例に記載の方法にしたがって枯草菌(バチルス・サブティリス)胞子と接触させてから15分以内の対数減少率として5よりも高い値を得ることが一般的に可能である。詳細には、実施例1〜3、5〜9、及び11〜12では枯草菌(バチルス・サブティリス)胞子との接触後15分以内に対数減少率6を達成したのに対して、実施例4及び10では5分以内に対数減少率5を達成した。本発明の好ましい実施形態である実施例11では、2.5分以内に6よりも高い対数減少率を達成することが可能であり、これは公知の殺菌組成物と比較して殺菌効果及び殺菌又は滅菌状態を得るまでに要する時間において大幅な改善が見られたことを示している。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
【表1】

【0027】
1mg/mLのベンゾトリアゾール溶液を調製する。100mgのベンゾトリアゾールを正確に秤量し、100mlの体積測定用フラスコに移す。脱イオン水で100mlに希釈してよく混合した。
【0028】
上記の配合表に基づいて成分1〜8及び11を正確に秤量して同じ容器に移す。10mLの1mg/mLベンゾトリアゾール溶液を容器に加える。次いで43.7mLのdHOを加える。これを2時間攪拌する。すると溶液は濁る。上記溶液に1−プロパノールをゆっくりと加える。6〜7mLの1−プロパノールを加えると溶液は透明になる。最後に約15g(18.66ml)の1−プロパノールを加える。これを攪拌し、よく混合する。0.45μmの膜を通じて濾過した後、更なる試験に供する。
【0029】
殺胞子試験
1)9mLの試験配合物を「試験溶液」のラベルを貼った滅菌試験管に加える。
2)次いで、1mLの枯草菌胞子懸濁液(約5%のFBSを含んだ約10cfu/ml)を「試験溶液」試験管に加えて時間の計測及び混合を開始する。
3)10分後に1mLの試験試料を取り、下記に述べるように各試験試料を中和する。
a.試験試料を回収するのに先立って濾過単位膜を約10mLのグリシン/レシチン/Fluid D***混合液で濡らす。
b.1mLの試験試料を加える。直ちに濾過する。
c.直ちに100mlの中和液****を加え、濾過する。
d.3×100mLのグリシン/レシチン/Fluid D混合液のアリコートを、各アリコートの添加後に濾過しながら加える。
e.濾過膜をラベルを貼ったTSAプレートに無菌的に移し、36℃で2〜7日間インキュベートする。
4)試験を行う各配合物について工程1〜3を繰り返す。
5)(+)コントロールとして、1mLの枯草菌懸濁液(約10cfu/ml)を10倍に希釈し、連続希釈を行う。各連続希釈液をラベルを貼ったTSA**プレート上に広げ、36℃で2〜7日間インキュベートする。
FBS:ウシ胎児血清
**TSA:トリプシン(トリプチカーゼ)大豆寒天
***グリシン/レシチン/Fluid D混合液:500mLの1%グリシン+500mLの改変Fluid D(改変Fluid D:1% Tween 80にレシチンを加えたもの)
****中和液:100mLの10%グリシン+900mLの中和培地(中和培地:1% Tween 80+0.3%レシチン)。
【表2】

(+)コントロール:試験試料を加えない胞子懸濁液
希釈率1:1.3の調製物:例えば15gの脱イオン水を50gの実施例1に加えてよく混合する。
【0030】
実施例1の数平均粒径は25.06nmである。
【0031】
(実施例2及び3)
【表3】

【表4】

【表5】

【0032】
(実施例4)
【表6】

【表7】

【0033】
実施例4の数平均粒径は2.77nmである。
【0034】
(実施例5)
【表8】

【表9】

【0035】
(実施例6)
【表10】

【表11】

【0036】
実施例6の数平均粒径は7.06nmである。
【0037】
(実施例7)
【表12】

【表13】

【0038】
(実施例8)
【表14】

【表15】

【0039】
(実施例9)
【表16】

【表17】

【0040】
(実施例10)
【表18】

【表19】

【0041】
(実施例11)
【表20】

【表21】

【0042】
(実施例12)
【表22】

【0043】
実施例12希釈(0.45% OPA)調製物:例えば10gの脱イオン水を30gの実施例12に加えてよく混合する。
【表23】

【0044】
(実施例13)
【表24】

【表25】

【0045】
比較例1〜4
中国特許出願公開第CN1836508A号に述べられる好適な実施形態を比較例1において調製した。比較例2〜4では1−ドデカノールの代わりに1−プロパノールを使用して透明な配合物を調製した。
【表26】

【表27】

【表28】

【0046】
比較例1は濁っており、この配合物については更なる殺胞子試験は行わなかった。2時間の接触時間で比較例2〜4について殺胞子試験を行ったところ、同じ殺胞子試験方法を用いた実施例1〜13と比較して2時間の接触時間で比較例2〜4では有意な殺胞子活性は認められなかった。
【0047】
以上、本発明を幾つかの実施形態に関して説明したが、当業者であれば本発明は本願に述べた実施形態に限定されるものではなく、付属の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内で改変及び変更を加えて実施することが可能である点は認識されるであろう。したがって、上記の説明文は限定的なものではなく説明を目的としたものとみなすべきである。
【0048】
〔実施の態様〕
(1) 芳香族ジアルデヒドと、中鎖直鎖状アルコールと、界面活性剤と、ハロゲン化物塩、炭酸塩、及びカルボン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種類の促進剤と、水と、を含む、マイクロエマルションである、殺菌組成物。
(2) 0.8重量%未満の芳香族ジアルデヒドと、25%未満の中鎖直鎖状アルコールと、10%未満の界面活性剤と、15%未満の促進剤と、残部の水とを含む、実施態様1に記載の殺菌組成物。
(3) 前記芳香族ジアルデヒドが、フタルアルデヒド及び1,3−ベンゾジオキソール−4,5−ジカルボキシアルデヒドからなる群から選択され、前記中鎖直鎖状アルコールが1−プロパノール、1−ブタノール及び1−ペンタノールからなる群から選択され、前記界面活性剤が非イオン性、カチオン性及びイオン性界面活性剤からなる群から選択される、実施態様2に記載の殺菌組成物。
(4) 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤であり、前記促進剤が炭酸塩である、実施態様3に記載の殺菌組成物。
(5) 前記芳香族ジアルデヒドがフタルアルデヒドである、実施態様4に記載の殺菌組成物。
(6) 前記中鎖直鎖状アルコールが1−プロパノールであり、前記炭酸塩が炭酸カリウムである、実施態様5に記載の殺菌組成物。
(7) 約0.05〜約0.8重量%のフタルアルデヒドと、約2〜約25%の中鎖直鎖状アルコールと、約0.5〜約10%の非イオン性界面活性剤と、約0.5〜約15%の炭酸塩と、残部の水とを含み、前記殺菌組成物マイクロエマルションが1〜500nmの範囲の数平均粒径を有する、実施態様5に記載の殺菌組成物。
(8) 0.1〜0.6重量%のオルトフタルアルデヒドと、11〜20%の1−プロパノールと、2〜8%の非イオン性界面活性剤と、1〜5%の炭酸カリウムと、残部の水とを含む、実施態様7に記載の殺菌組成物。
(9) 前記殺菌組成物マイクロエマルションが2〜80nmの範囲の数平均粒径を有し、約9.5〜約11.5の範囲のpHを有する、実施態様8に記載の殺菌組成物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芳香族ジアルデヒドと、中鎖直鎖状アルコールと、界面活性剤と、ハロゲン化物塩、炭酸塩、及びカルボン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種類の促進剤と、水と、を含む、マイクロエマルションである、殺菌組成物。
【請求項2】
0.8重量%未満の芳香族ジアルデヒドと、25%未満の中鎖直鎖状アルコールと、10%未満の界面活性剤と、15%未満の促進剤と、残部の水とを含む、請求項1に記載の殺菌組成物。
【請求項3】
前記芳香族ジアルデヒドが、フタルアルデヒド及び1,3−ベンゾジオキソール−4,5−ジカルボキシアルデヒドからなる群から選択され、前記中鎖直鎖状アルコールが1−プロパノール、1−ブタノール及び1−ペンタノールからなる群から選択され、前記界面活性剤が非イオン性、カチオン性及びイオン性界面活性剤からなる群から選択される、請求項2に記載の殺菌組成物。
【請求項4】
前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤であり、前記促進剤が炭酸塩である、請求項3に記載の殺菌組成物。
【請求項5】
前記芳香族ジアルデヒドがフタルアルデヒドである、請求項4に記載の殺菌組成物。
【請求項6】
前記中鎖直鎖状アルコールが1−プロパノールであり、前記炭酸塩が炭酸カリウムである、請求項5に記載の殺菌組成物。
【請求項7】
約0.05〜約0.8重量%のフタルアルデヒドと、約2〜約25%の中鎖直鎖状アルコールと、約0.5〜約10%の非イオン性界面活性剤と、約0.5〜約15%の炭酸塩と、残部の水とを含み、前記殺菌組成物マイクロエマルションが1〜500nmの範囲の数平均粒径を有する、請求項5に記載の殺菌組成物。
【請求項8】
0.1〜0.6重量%のオルトフタルアルデヒドと、11〜20%の1−プロパノールと、2〜8%の非イオン性界面活性剤と、1〜5%の炭酸カリウムと、残部の水とを含む、請求項7に記載の殺菌組成物。
【請求項9】
前記殺菌組成物マイクロエマルションが2〜80nmの範囲の数平均粒径を有し、約9.5〜約11.5の範囲のpHを有する、請求項8に記載の殺菌組成物。

【公表番号】特表2011−520796(P2011−520796A)
【公表日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−507636(P2011−507636)
【出願日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/042269
【国際公開番号】WO2009/134979
【国際公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(591286579)エシコン・インコーポレイテッド (170)
【氏名又は名称原語表記】ETHICON, INCORPORATED
【Fターム(参考)】