説明

マイクロチップ及びそれを用いた分析方法

【課題】 化学分析をする時、採取秤量器具を使用することなく、直接検体液を秤取し、反応部へ供給することができ、簡便、かつ高精度の液体秤量方法と定量法を行うことを可能とするマイクロチップを提供すること。
【解決手段】 過剰の検体液と接触した場合に一定量の検体液を包容する多孔性物質膜が流路又は貯液槽に隣接して設置されており、検体液中の標的物質を分析するための分析素子がマイクロチップの内部に設置されており、かつ流路又は貯液槽内の検体液が多孔性物質膜を通過して分析素子に導入されるような構造を有する、液体試料分析用マイクロチップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトやその他の動物の血液、体液又は尿、淡水、海水および土壌抽出液、農産物、水産物および加工食品抽出液、並びに自然科学研究に使用される液体試料を検体として使用して被験成分の分析を行うためのマイクロチップ、及びそれを用いた分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、化学反応による分析を行う場合、正確な分析結果を得るためにはサンプル及び反応試薬などの液体を定量的に秤取し、定量的反応を行う必要がある。特に、血液分析などの微量分析においては、検体あるいは反応試薬である液体を高精度に計量し、反応の場に供給することが必要である。
【0003】
従来、液体検体中に存在する物質と定量する場合、検体あるいは反応試薬である液体を採取器具(例えばピペット、マイクロピペット、シリンジなど)で秤量し、秤量した液体の一定量を反応容器に供給し、反応を行い、反応の信号によって検体中の目的物質を定量するという操作が行われている。
【0004】
血液分析の例を挙げると、従来のウェットケミストリー分析法の場合、血中の1項目を測定するために必要な多数の試薬溶液およびその取扱を組み合わせて使用し、一般に複雑であり、装置の取り扱い及び手順も簡便ではない。例えば、血液分析装置日立7170型を用いて血中のグリコヘモグロビン(HbA1c)を測定する場合、まず、240μlの試薬1溶液とHbA1c8.0μlをそれぞれ秤取し、混合して、37℃で5分反応させた後、試薬2溶液を80μl秤量して、添加する。37℃5分後に2ポイントエンド法(主波長450 nm、副波長800 nm)で定量する(特許文献1)。
【0005】
以上のように、血中のグリコヘモグロビン(HbA1c)を測定するには、(1)採取秤量器具が必要であり、検体と試薬の混合容器が必要であり、さらに検体液体の供給操作が必要であるなど、構成が複雑、操作が煩雑、測定に伴う廃棄物質(チップ、混合容器、洗浄液など)も多い等という問題があった。
【0006】
一方、特定成分の検出に必要な試薬類が乾燥状態で含有されているいわゆるドライケミストリー分析方法が開発されている(非特許文献1)。ドライケミストリー分析方法では、定性・定量分析に必要な全ての試薬は、試薬紙、使い捨て電極および磁性体のような分析素子の中に組み込まれている。基本的には、1検体1項目の測定ができる使い捨て型であり、比較的微量の血液(約10μl)で、簡便に迅速に血液分析を行うことが可能である(特許文献2)。ドライケミストリー分析方法を用いた分析装置は多数開発・商品化されており、富士ドライケム(富士写真フイルム(株)製)、エクタケム(米国、イーストマンコダック社 製)、ドライラボ(コニカ(株)製)、スポットケム(京都第一化学(株)製)、レフロトロン(独国、ベーリンガーマンハイム社製)、セラライザー(米国、 マイルズラボラトリー社製)等が市販されている。しかしながら、ドライケミストリー分析においても、検体液体の供給と試薬との混合操作は不要であるが、採取秤量器具と採取操作が依然として必要である。
【0007】
さらに、近年、高齢化社会への急速な移行、高度治療の発達などを背景とした医療費の高騰への対応として、在宅ケアが提唱され、今後の医療制度の1つの核となるものとして実施の具体的方法が検討されている。これに対応在宅ケアシステムにおいては、小型で簡便に、微量の血液を用いて、多項目を迅速に精度よく測定できる血液分析方法を使用することが望ましい。
【0008】
そこで、これらの問題点を解決するために、従来利用されてきた分析装置を小型化し、極微量の液体試薬を反応させるμTAS(micro total analysis system)の技術の応用が検討されている。μTASでは、血液に限らず検体量を微量にするために、10cmから数cm角程度以下のガラスやシリコン、樹脂製のチップの表面に溝を形成して、その溝中に試薬溶液や検体を流して分離,反応を行って、微量試料の分析を行っている(特許文献3〜6、非特許文献2など)。この技術においては、チップ内へ検体,検出に必要な試薬を微量秤取する必要がある。しかし、取り扱う検体の液量が極めて小さいために、液体を定量的に秤取することが難しく、そのための各種複雑な構成が必要となり、その構成を取り扱うための操作が煩雑になるという問題点があった。
【0009】
特許文献7では、マイクロチップの流路中に微量液体秤取構造を設け、液体が流路に対して起こす毛細管現象(毛管斥力)を利用している。特許文献7によれば、従来の定量的な液体の扱いが必要とされる各種装置において、サンプルのデッドボリューム軽減と装置全体の省スペース化と低コスト化とを実現することができるようにした微量液体秤取構造が提供される。しかしながら、特許文献7に記載の技術は、マイクロチップ流路の設計、流路の親水化処理、疎水化処理、空気圧による送液などの操作が必要とされ、簡便な微量液体を定量的に秤取する方法であるとは言い難い。
【0010】
【特許文献1】国際公開WO02/018953号公報
【特許文献2】特開平8−122335号公報
【特許文献3】特開平2−245655号公報
【特許文献4】特開平3−226666号公報
【特許文献5】特開平8−233778号公報
【特許文献6】特開平10−142177号公報
【特許文献7】特開2004−163104号公報
【非特許文献1】岩田有三、「11.その他の分析法(1)ドライケミストリー」、臨床化学実践マニュアル、医学書院、1993年、検査と技術増刊号、第21巻、第5号、p.328−333
【非特許文献2】Analytical Chem. 69, 2626-2630 (1997) Aclara Biosciences
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の第一の目的は、化学分析をする時、採取秤量器具を使用することなく、直接検体液を秤取し、反応部へ供給することができ、簡便、かつ高精度の液体秤量方法と定量法を行うことを可能とするマイクロチップを提供することである。また、本発明の第二の目的は、従来の秤量方法では正確に秤量することが困難なマイクロチップ内において微量秤量を可能とするマイクロチップを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、多孔性物質の飽和吸水量を利用して、多孔性物質と分析素子とを接合させることによって、上記目的を達成しうることを見出した。
【0013】
即ち、本発明によれば、過剰の検体液と接触した場合に一定量の検体液を包容する多孔性物質膜が流路又は貯液槽に隣接して設置されており、検体液中の標的物質を分析するための分析素子がマイクロチップの内部に設置されており、かつ流路又は貯液槽内の検体液が多孔性物質膜を通過して分析素子に導入されるような構造を有する、液体試料分析用マイクロチップが提供される。
【0014】
好ましくは、多孔性物質膜は有機多孔性物質からなるものである。
好ましくは、多孔性物質膜が無機多孔性物質からなるものである。
好ましくは、多孔性物質膜は一種類又はそれ以上の多孔性物質からなるものである。
【0015】
好ましくは、分析素子は乾式分析素子又は電極である。
好ましくは、マイクロチップ内の複数の箇所に多孔性物質膜が設置されている。
【0016】
本発明の別の側面によれば、上記した本発明のマイクロチップを用いて検体液中の被験成分を分析する、被験成分の分析方法が提供される。
好ましくは、検体液は、体液又は体液の処理物である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のマイクロチップによれば、採取秤量器具を使用することなく、直接検体液を秤取し、素早く反応部へ供給することができ、簡便かつ高精度で液体秤量と定量を行うことができる。また、従来の秤量方法で正確的に秤量することが困難であったマイクロチップ内での微量秤量も行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態について説明する。
本発明の液体試料分析用マイクロチップは、過剰の検体液と接触した場合に一定量の検体液を包容する多孔性物質膜が流路又は貯液槽に隣接して設置されており、検体液中の標的物質を分析するための分析素子がマイクロチップの内部に設置されており、かつ流路又は貯液槽内の検体液が多孔性物質膜を通過して分析素子に導入されるような構造を有することを特徴とする。本発明のマイクロチップによれば、有機又は無機多孔性物質を分析素子に接合し、対象液体の秤量、分析部への供給、及び反応による検出を1ステップで行うことが可能である。
【0019】
本発明で言うマイクロチップの一例としては、血液等の検体の入口、出口、およびその間を連結する流路が配置され、さらに流路の途中に検体中の被験成分を検出する分析素子が配置されているものを挙げることができる。このようなマイクロチップを用いて検体中の被験成分を正確に測定するためには、最初に供給された検体から、マイクロチップ内においてその一定容量を正確に採取し、分析素子に供給することが必要である。本発明においては、過剰の検体液と接触した場合に一定量の検体液を包容する多孔性物質膜を用いることによって、微小量の検体を一定量だけ採取することが可能になった。また、流路又は貯液槽内の検体液が多孔性物質膜を通過して分析素子に導入されるような構造を採用することによって、一定量だけ採取した検体をそのまま分析することが可能になった。
【0020】
本発明で用いる多孔性物質は、過剰の検体液と接触した場合に一定量の検体液を包容する性質を有する限り、繊維質材料でもよいし、非繊維質材料でもよい。繊維質材料としては、例えば濾紙、不織布、織物布地(例えば、特開昭55−164356号公報、特開昭57−66359号公報等に記載の織物布地)、編物布地(例えば、特開昭60−222769号公報等に記載の編物布地)、ガラス繊維濾紙等を用いることができる。
【0021】
非繊維質材料としては、特公昭53−21677号公報、米国特許3,992,158等に記載のメンブランフイルタ(ブラッシュポリマー層)、ポリマーミクロビーズ、ガラスミクロビーズ、珪藻土が親水性ポリマーバインダーに保持されてなる連続微空隙含有多孔性層等の非繊維等方的多孔性物質層、特開昭55−90859号公報に記載のポリマーミクロビーズが水で膨潤しないポリマー接着剤で点接触状に接着されてなる連続微空隙含有多孔性物質層(三次元格子状粒状構造物層)からなる非繊維等方的多孔性物質層等を用いることができる。
【0022】
多孔性物質膜としては、有機高分子からなる多孔膜を使用することもできる。具体的には、6,6−ナイロン、6−ナイロン、アクリレート共重合体、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル共重合体、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリウレタン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンとポリスルホンの混合物、ポリエステル、ポリエステルカーボネート、ポリエチレン、ポリエチレンクロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリエチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンジフルオライド、ポリフェニレンスルフェレンスルフィド、ポリフルオロカーボネート、ポリポロピレン、ポリベンズイミダゾール、ポリメアクリル酸メイル、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、エチレンー酢酸ビニル共重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、セルロースアセテートブチレートの鹸化物、セルロースアセテートブチレートブチレート、セルロースアセテートブチレートの鹸化物またはこれらの混合物などを使用することができる。
【0023】
特開昭61-4959(対応米国特許 5,019,347; 対応欧州公開 EP 0166365A)、特開昭62-116258 、特開昭62-138756(対応欧州公開 EP 0226465A)、特開昭62-138757(対応欧州公開 EP 0226465A)、特開昭62-138758(対応欧州公開 EP 0226465A)等に記載の部分接着された複数の多孔性層の積層物も好適である。
【0024】
また、高分子ゲル(天然高分子ゲル:ゼラチン、寒天、アガロペクチン、デンプン、アミロース、アミロペクチン、カラギーナン、ジエランガム、キタンサンガム、カードラン、コラーゲン、アルギニン酸、ペクチン、コンニャクマンナン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、デキストラン;合成高分子ゲル:ポリエチレン,ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリグルタミン酸、ポリビニルピリジン、ポリビニルイミダゾール、アクリルアミド、 ビニルピロリドン、メタクリル酸ヒドロキシエチル、0−ベンジルーL−グルタメート、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸)、ラテックス粒子、無機材料(多孔質炭素多孔質炭化珪素、多孔質ガラスビーズ、シリカゲル、酸化アルミナ、ゼオライト、メソポーラス)も好適である。
【0025】
本発明のマイクロチップの内部には、検体液中の標的物質を分析するための分析素子が設置されており、流路又は貯液槽内の検体液が多孔性物質膜を通過して分析素子に導入されるような構造を有している。
【0026】
本発明で用いる分析素子は、比色法に基づく乾式分析素子でもよいし、電極でもよいが、特に好ましくは乾式分析素子である。
【0027】
本発明で用いることができる乾式分析素子とは、血液中の被測定成分の定性・定量分析に必要な全てのまたはその一部分の試薬を1層以上の層に組み込んだ乾式分析素子のことを言い、いわゆるドライケミストリーを使用した分析素子である。具体的には、このような多層乾式分析素子の例としては、富士フイルム研究報告、第40号(富士写真フイルム株式会 社、1995年発行)p.83や、臨床病理、臨時増刊、特集第106号、ドライケミストリー・簡易検査の新たなる展開(臨床病理刊行会、1997年発行) 等に記載されているものを挙げることができる。
【0028】
上記した多層乾式分析素子は、通常少なくとも1つの機能層を含む。機能層の数は1以上であれば特に限定されず、1層でもよいし、2層以上の複数の層とすることもできる。
【0029】
機能層の具体例としては、展開層と機能層を接着する接着層、液状試薬を吸水する吸水層、化学反応により生成した色素の拡散を防止する媒染層、ガスを選択的に透過させるガス透過層、層間での物質移動を抑制・促進させる中間層、反射測光を安定に行うための光遮蔽層、内因性色素の影響を抑制する色遮蔽層、分析対象物と反応する試薬を含む試薬層、発色剤を含む発色層などが挙げられる。
【0030】
多層乾式分析素子の一例としては、例えば、支持体の上には、場合によっては下塗層等の他の層を介して、機能層として親水性ポリマー層を設けることができる。親水性ポリマー層としては、例えば、無孔性、吸水性かつ水浸透性の層であり、基本的に親水性ポリマーのみなる吸水層、親水性ポリマーをバインダーとし発色反応に直接関与する発色試薬の一部又は全部を含む試薬層、及び親水性ポリマー中に発色色素を固定し不動にする成分(例:媒染剤)を含有する検出層などを設けることができる。
【0031】
(試薬層)
試薬層は水性液体中の被検成分と反応して光学的に検出可能な変化を生じる試薬組成物の少なくとも一部が親水性ポリマーバインダー中に実質的に一様に分散されている吸水性で水浸透性の層である。この試薬層には指示薬層、発色層なども含まれる。
【0032】
試薬層のバインダーとして用いることができる親水性ポリマーは、一般には水吸収時の膨潤率が30℃で約150%から約2000%、好ましくは約250%から約1500%の範囲の天然または合成親水性ポリマーである。そのような親水性ポリマーの例としては、特開昭60−108753号公報等に開示されているゼラチン(例、酸処理ゼラチン、脱イオンゼラチン等)、ゼラチン誘導体(例、フタル化ゼラチン、ヒドロキシアクリレートグラフトゼラチン等)、アガロース、プルラン、プルラン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等をあげることができる。
【0033】
試薬層は架橋剤を用いて適宜に架橋硬化された層とすることができる。架橋剤の例として、ゼラチンに対する1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテル等の公知のビニルスルホン系架橋剤、アルデヒド等、メタリルアルコールコポリマーに対するアルデヒド、2個のグリシジル基含有エポキシ化合物等がある。
【0034】
試薬層の乾燥時の厚さは約1μmから約100μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは約3μmから約30μmの範囲である。また試薬層は実質的に透明であることが好ましい。
【0035】
乾式多層分析素子の試薬層やその他の層に含める試薬としては、被験物質に応じてその検出に適した試薬を選択することができる。
【0036】
(光遮蔽層)
前記試薬層の上に必要に応じて光遮蔽層を設けることができる。光遮蔽層は、光吸収性または光反射性(これらを合わせて光遮蔽性という。)を有する微粒子が少量の被膜形成能を有する親水性ポリマーバインダーに分散保持されている水透過性または水浸透性の層である。光遮蔽層は試薬層にて発生した検出可能な変化(色変化、発色等)は光透過性を有する支持体側から反射測光する際に、後述する展開層に点着供給された水性液体の色、特に試料が全血である場合のヘモグロビンの赤色等、を遮蔽するとともに光射層または背景層としても機能する。
【0037】
光反射性を有する微粒子の例としては、二酸化チタン微粒子(ルチル型、アナターゼ型またはブルカイト型の粒子径が約0.1μmから約1.2μmの微結晶粒子等)、硫酸バリウム微粒子、アルミニウム微粒子または微小フレーク等を挙げることができ、光吸収性微粒子の例としては、カーボンブラック、ガスブラック、カーボンミクロビーズ等を挙げることができ、これらのうちでは二酸化チタン微粒子、硫酸バリウム微粒子が好ましい。特に好ましいのは、アナターゼ型二酸化チタン微粒子である。
【0038】
被膜形成能を有する親水性ポリマーバインダーの例としては、前述の試薬層の製造に用いられる親水性ポリマーと同様の親水性ポリマーのほかに、弱親水性の再生セルロース、セルロースアセテート等を挙げることができ、これらのうちではゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド等が好ましい。なお、ゼラチン、ゼラチン誘導体は公知の硬化剤(架橋剤)を混合して用いることができる。
【0039】
光遮蔽層は、光遮蔽性微粒子と親水性ポリマーとの水性分散液を公知の方法により試薬層の上に塗布し乾燥することにより設けることができる。また光遮蔽層を設ける代りに、前述の展開層中に光遮蔽性微粒子を含有させてもよい。
【0040】
(検出層)
検出層は、一般に、被検成分の存在下で生成した色素等が拡散し、光透過性支持体を通して光学的に検出され得る層で、親水性ポリマーにより構成することができる。媒染剤、例えばアニオン性色素に対してカチオン性ポリマーを、含んでもよい。吸水層は、一般に、被検成分の存在下で生成する色素が実質的に拡散しないような層を言い、この点で検出層とは区別される。
【0041】
多層乾式分析素子は、公知の方法により調製することができ、一辺約5mmから約30mmの正方形またはほぼ同サイズの円形等の小片に裁断して用いることができる。
【0042】
このような多層乾式分析素子はすでに多数開発・商品化されており、富士ドライケム(富士写真フィルム(株)製)などはその1例である。本発明においては、このような多層乾式分析素子そのものを使用する。またはその一部分を使用することもできる。
【0043】
多孔性物質層と分析素子の接合方法は、特に限定はないが、接着層介在して多層乾式素子と接合することが好ましい。接着層は水で湿潤しているとき、または水を含んで膨潤しているときに多孔質膜を室温で3〜5kg/cm2の圧力をかけて圧着することで、乾式多層フィルムに多孔質膜を接着させることができる。これにより各層を一体化できるような親水性ポリマーからなることが好ましい。接着層の製造に用いることができる親水性ポリマーの例としては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリアクリルアミド等が好ましい。接着層の乾燥膜厚は一般に約0.5μmから約20μm、好ましくは約1μmから約10μmの範囲である。
【0044】
多孔性物質膜(秤量層)は、単独の秤量層として、分析素子部と接触してもよいし、分析素子部と混在していてもよい。例えば、分析素子が多層乾式素子の場合、多孔性物質秤量層は同時に展開層と試薬層の機能を持っていてもよい。分析素子が電極の場合、直接多孔性物質の電極(例えば、カーボンブラック)を用いたほうが好都合である。
【0045】
多孔性物質による液量秤量の精度と供給速度の増大するために、秤量される液体は多孔性物質中の濡れ性は重要である。濡れ性の良い均一な多孔性物質の中に秤量される液体の量はほぼ面積に比例して展開するため計量作用を有する。同時に多孔性物質層に毛細管力によって、液体の展開速度も大きく増大する。従って、多孔性物質層の親、疎水化処理が好ましい。水性検体の場合は親水化処理、油性検体の場合、疎水化処理が必要である。親疎水化処理法として、従来の表面処理方法が適用できる。大きく分けて、化学的表面処理法と物理的表面処理法がある。化学的表面処理法としては、薬品処理、カップリング剤による処理、蒸気処理、グラフト化、電気化学的方法、添加剤による表面改質などがある。物理的表面処理法としては、UV照射、電子線処理、イオンビーム照射、低音プラズマ処理、CASING処理、グロー、コロナ放電処理、酸素プラズマなどの方法がある。
【0046】
多孔性物質による液体の秤量は多孔質の飽和吸水量を制御することによって、秤量液量の制御も可能である。多孔質の飽和吸水量に影響するファクターとして、(1)多孔性物質層(膜)のサイズ、及び(2)多孔性物質の種類がある。濡れ性の良い均一な多孔性物質の中にある液体の量はほぼ面積に比例している。この性質を利用し、多孔性物質層(膜)のサイズを変えることによって、秤量する液体の量を制御することができる。また、違う種類の多孔性物質の飽和吸水量も異なるので(例えば、布の飽和吸水量はPS膜(ポリスルホン膜、富士写真フイルム製)の2倍である)、この性質を利用し、秤量する液体の量を制御することもできる。
【0047】
多孔質性物質層への液体の供給方式は、毛細管による送液(図1(a))、多孔性物質(布、紙、中空糸など)による送液(図1(b))、秤量用多孔質性物質を液中に浸す(図1(c))と流路による送液(図1(d))という方式がある。
【0048】
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
【実施例】
【0049】
実施例1:各種多孔性物質素材における液体に対する飽和吸水量とその精度
(1)編物布地を秤量用多孔性物質としての乾式多層分析要素の作製方法
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレート無色透明フイルムに下記組成の水溶液を塗布し、乾燥した。
【0050】
ゼラチン 16.6g/m2
ポリオキシ(2−ヒドロキシ)ポロピレンノニフェニルエーテル 0.2g/m2
【0051】
次に上記フイルムに約30g/m2の供給量で水を全面的に供給して湿潤させた後、50デニール相当のポリエチレンテレフタレート紡績糸を36ゲージ編みしたトリコット編物布地(以下編物布地とする)をほぼ一様に軽く圧力をかけてラミネートして多孔性質層(編物層)を設けた。乾燥させて接着させた。上記の乾式多層分析要素を12mm(13mm四方のチップに裁断し、秤量実験に用いるスライド1とした。
【0052】
(2)高分子多孔性膜を秤量用多孔性物質としての乾式多層分析要素の作製方法
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレート無色透明フイルムに下記組成の水溶液を塗布し、乾燥した。
【0053】
ゼラチン 16.6g/m2
ポリオキシ(2−ヒドロキシ)ポロピレンノニフェニルエーテル 0.2g/m2
【0054】
次に上記フイルムに約15g/m2の供給量で水を全面的に供給して湿潤させた後、ポリスルホン膜(SE−200:富士写真フイルム社製、以下PS膜とする)を軽く圧力をかけて積層し、乾燥させて接着させた。以上によりポリスルホン膜を秤量用多孔性物質に用いた乾式多層分析要素を作製した。上記の乾式多層分析要素を12mm(13mm四方のチップに裁断し、秤量実験に用いるスライド2とした。
【0055】
(3)各種多孔性物質素材における液体に対する飽和吸水量とその精度
スライド1に、キムワイフ紙繊維で図1(b)に示した方法で液体(10ppm色素水溶液)を供給する。精密天秤(メトラー・トレト(株))でスライドの重量変化を測定する。スライドの重さは液の供給時間の増加と共に増大するが、2分後に飽和に達する(図2)。編物布地の飽和吸水量は約55μlである。さらに、編物布地による飽和吸水量の精度(変動係数CV(%)、n=10)も求めた(表1)。編物布地による水溶液の秤量精度は1%以下であることが分った。
【0056】
上記と同様な方法でスライド2に対して、飽和吸水量とその精度を求めた。結果を表1に示す。PS膜の飽和吸水量は約27.5μl、PS膜による飽和吸水量の精度は約1.4%である。
【0057】
【表1】

【0058】
実施例2:多孔性物質素材を秤量層としての乾式多層分析要素の定量性実験
(1)秤量層(編物布地)としてのCRP乾式多層分析要素の作製方法
ゼラチン下塗りされている180μmのポリエチレンテレフタレート無色透明フイルムに下記の被覆量になるように架橋剤含有試薬溶液を塗布し、乾燥して試薬層を設けた。
アルカリ処理ゼラチン 14.5 g/m2
ノニルフェノキシポリエトキシエタノール
(オキシエチレン単位平均 9〜10含有) 0.2 g/m2
グルコースオキシダーゼ 5000 U/m2
ペルオキシダーゼ 15000 U/m2
グルコアミラーゼ 5000 U/m2
2-(4- ヒドロキシ-3,5- ジメトキシフェニル-4-[4-(ジメチルアミノ)
フェニル]-5-フェネチルイミダゾール(ロイコ色素)酢酸塩 0.38 g/m2
ビス[(ビニルスルホニルメチルカルボニル)アミノ]メタン 0.1 g/m2
【0059】
この試薬層の上に下記の被覆量になるように接着層を塗布、乾燥して設けた。
アルカリ処理ゼラチン 14.5 g/m2
ビス[(ビニルスルホニルメチルカルボニル)アミノ]メタン 0.1 g/m2
【0060】
ついで接着層の表面に下記の被覆量になるように下記試薬含有水溶液を塗布し、ゼラチン層を膨潤させ、その上に50デニール相当のPET 紡績糸36ゲージ編みした厚さ約250 μmのトリコット編物布地をほぼ一様に軽く圧力をかけてラミネートして多孔性展開層(編物層)を設けた。
ノニルフェノキシポリエトキシエタノール
(オキシエチレン単位平均 9〜10含有) 0.15 g/m2
ビス[(ビニルスルホニルメチル カルボニル)アミノ]メタン 0.4 g/m2
【0061】
次に、下記の被覆量になるように基質を塗布、乾燥することにより、CRP分析用多層分析要素を調製した。
カルボキシメチル化澱粉 5 g/m2
ノニルフェノキシポリエトキシエタノール
(オキシエチレン単位平均 9〜10含有) 0.2 g/m2
【0062】
さらに、展開層兼秤量層であるトリコット編物布地層にアミラーゼ−抗CRP・IgG結合物を3mg/m2の被覆量となるようにしてエタノール溶液を塗布し、含浸させ乾燥させてCRP分析用多層乾式分析要素を得た。
【0063】
次いで上記の乾式多層分析要素を12mm(13mm四方のチップに裁断し、特開昭57-63452に記載のスライドの枠に収めて、CRP分析用多層乾式スライドとした。
【0064】
(定量性試験)
上記CRPスライドに、既知量のヒトCRPを含有するpH7 の50mMグリセロ燐酸緩衝溶液を方式4(図1(d))で飽和吸水量(55μL)を供給し、37℃に保って、PET支持体側から中心波長650nm の可視光で反射光学濃度を測定した。反応開始から3分後および5分後の反射光学濃度の差(ΔOD5−3 )を求めて、検量線を作成した。図3に示すように、本発明の秤量方法によるCRPの定量を感度良く行えることが明らかである。
【0065】
実施例3:マイクロチップ系に多孔性物質素材を秤量用多孔性物質としての乾式多層分析要素の定量性
(1)PDMS凹型作成
シリコンウエファー上に厚膜フォトレジストのSU−8をスピンコートして膜厚100μmとした。90℃で1時間予備加熱した後、図4に相応する流路パターンIを描いてあるマスクを通してUV光を照射し、90℃1時間で光照射部分を硬化させた。未硬化部分をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)により溶解除去、水洗したのち乾燥し、シリコンウエファー/SU8凸型として使用した。
【0066】
この、シリコンウエファー凸型上に、PDMS(デュポンSylgard/硬化液=10/1 混合液)を流し込み、80℃で3時間硬化させた後シリコンウエファー凸型より静かに剥がしとり、図4に示すPDMS凹型パターンIを作成した。さらに、生研トレパン(カイインダストリー製)により、検体注入口1及び空気抜き2を(直径1mm)を、作成した。
次に、前述した方法でPDMS凹型パターンIIを作成した。
【0067】
(2)グルコース分析用乾式多層分析要素の作製
タイプ1(グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH)法):ゼラチン下塗りされている、平滑な180μmの無色透明PETフィルム上に、下記組成の水溶液を、乾燥後の厚さが40μmになるように塗布し、乾燥して、反応層を設けた。
アルカリ処理ゼラチン 20.0g/m2
NTB 0.8g/m2
界面活性剤 0.8g/m2
ジアホラーゼ 0.75KU/m2
アセトン 2.4 g/m2
【0068】
ここで、界面活性剤は、ポリオキシ(2−ヒドロキシ)プロピレンノニルフェニルエーテル(Surfactant 10G,オーリン社製)を用いた。また、NTBは、3,3'−(3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニレン)ビス[2−(p−ニトロフェニル)−5−フェニルテトラゾリウムクロライド]を表す。
【0069】
次に、下記組成の水溶液を各々の成分が下記の量となるように塗布し、乾燥させて、タイプ1(GDH法)のグルコース分析用乾式分析要素を作製した。
アルカリ処理ゼラチン 14.5 g/m2
ノニルフェノキシポリエトキシエタノール
(オキシエチレン単位平均 9〜10含有) 0.2 g/m2
グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH) 5000 U/m2
NAD 0.25 g/m2
ラッテクス(40μm)懸濁液 25 mL/m2
ビス[(ビニルスルホニルメチルカルボニル)アミノ]メタン 0.1 g/m2
【0070】
タイプ2(グルコースオキシダーゼ(GOD)法):ゼラチン下塗りされている、平滑な180μmの無色透明PETフィルム上に、下記組成の水溶液を、乾燥後の厚さが40μmになるように塗布し、乾燥して、反応層を設けた。
アルカリ処理ゼラチン 20.0g/m2
POD 15.2kU /m2
メタノール 6.8 g/m2
リン酸1カリウム 0.46g/m2
L−アラニン 2.82g/m2
α−ケトグルタール酸・2Na 0.48g/m2
20%MgCl2 1.22g/m2
ピルビン酸オキシダーゼ(POPG) 3.45kU /m2
2−(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシフェニル)−
4−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−5−フェネチルイミダゾール
0.29g/m2
1N NaOH 0.49g/m2
(pH=7.5)
【0071】
次に、下記組成の水溶液を各々の成分が下記の量となるように塗布し、乾燥させて、タイプ2(GOD法)のグルコース分析用乾式分析要素を作製した。
アルカリ処理ゼラチン 14.5 g/m2
ノニルフェノキシポリエトキシエタノール
(オキシエチレン単位平均 9〜10含有) 0.2 g/m2
グルコースオキシダーゼ(GOD) 5.0kU/m2
【0072】
(3)グルコース定量用マイクロチップの作成
(1)で作成したPDMS凹型パターンIとIIを24mm×12mm加工した。その次、(2)で作成した二タイプのグルコース乾式分析要素を(4mm×4mm)と(2mm×2mm)に裁断後、それぞれ加工したPDMS凹型に組込んで。グルコース定量用マイクロチップを作成した(図5)。
【0073】
(定量性評価)
マイクロチップ内多孔質層による秤量検出法でグルコースの測定
【0074】
(1)GDH法によるグルコース検量線の作成:(セルサイズ大きい方(4mm×4mm)、秤量層はラッテクス粒子/ゼラチンゲル)
グルコース水溶液(50%; 大塚製薬社製)20mMTris−HClpH7.5緩衝液で希釈して、各種濃度のグルコース水溶液(0mg/dL〜400mg/dL)を調製した。PDMS凹型パターンIの注入口1より、各種濃度のグルコース水溶液をチップ中心部のセルをいっぱいになるまで静かに注入し、37℃に保ちながら分光放射輝度計MCPD-2000(大塚電子株式会社)により540nmの透過測光し、5分後透過ODを求めて検量線を作成した(図6)。図6の検量線に示すように、本発明の秤量検出方法でマイクロ系において、グルコースの定量を精度良く行えることが明らかである。
【0075】
(2)GOD法によるグルコース検量線の作成:(セルサイズ小さい方(2mm×2mm)、秤量層はゼラチンゲル)
グルコース水溶液(50%; 大塚製薬社製)20mMTris−HClpH7.5緩衝液で希釈して、各種濃度のグルコース水溶液(0mg/dL〜400mg/dL)を調製した。PDMS凹型パターンIIの注入口1より、各種濃度のグルコース水溶液をチップ中心部のセルをいっぱいになるまで静かに注入し、37℃に保ちながら分光放射輝度計MCPD-2000(大塚電子株式会社)により505nmの透過測光し、5分後透過ODを求めて検量線を作成した(図7)。図7の検量線に示すように、本発明の秤量検出方法でマイクロ系において、グルコースの定量を精度良く行えることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、秤量用多孔質層への液体供給方式を示す図である。1は貯液槽、2は検体液、3は毛細管、4は多孔質橋、5はPDMSセル、6は流路、14は多孔質層(秤量層兼展開層)、12は試薬層(反応層)、10は透明支持体を示す。
【図2】図2は、秤量用多孔質層は編物布地である時の吸水による重量の経時変化を示す。
【図3】図3は、秤量用多孔質層が編物布地であるCRP乾式分析要素の検量線を示す。
【図4】図4は、PDMS凹型パターンを示す。
【図5】図5は、グルコース定量用マイクロチップの作成を示す。1はPDMS凹型、2は流路、3はグルコース定量用乾式分析要素、4はPDMSシートを示す。
【図6】図6は、マイクロチップ内ラッテクス粒子/ゼラチン層秤量によるグルコース検量線を示す。
【図7】図7は、マイクロチップ内ゼラチン層秤量によるグルコース検量線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過剰の検体液と接触した場合に一定量の検体液を包容する多孔性物質膜が流路又は貯液槽に隣接して設置されており、検体液中の標的物質を分析するための分析素子がマイクロチップの内部に設置されており、かつ流路又は貯液槽内の検体液が多孔性物質膜を通過して分析素子に導入されるような構造を有する、液体試料分析用マイクロチップ。
【請求項2】
多孔性物質膜が有機多孔性物質からなるものである、請求項1に記載のマイクロチップ。
【請求項3】
多孔性物質膜が無機多孔性物質からなるものである、請求項1に記載のマイクロチップ。
【請求項4】
多孔性物質膜が一種類又はそれ以上の多孔性物質からなるものである、請求項1から3の何れかに記載のマイクロチップ。
【請求項5】
分析素子が乾式分析素子又は電極である、請求項1から4の何れかに記載のマイクロチップ。
【請求項6】
マイクロチップ内の複数の箇所に多孔性物質膜が設置されている、請求項1から5の何れかに記載のマイクロチップ。
【請求項7】
請求項1から6の何れかに記載のマイクロチップを用いて検体液中の被験成分を分析する、被験成分の分析方法。
【請求項8】
検体液が、体液又は体液の処理物である、請求項7に記載の分析方法。






【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−308419(P2006−308419A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−131357(P2005−131357)
【出願日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】