説明

マイクロチャネルにおける少量の液体のマイクロ波を用いた移動方法及びマイクロチャネルシステム

【課題】マイクロチャネルシステムにおける少量の液体を、簡単に制御可能な、且つ、プログラム可能なやり方で移動できる方法およびシステムを提供する。
【解決手段】本発明はマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法であって、ある量の液体をチャネルシステムへ導入し、音響波を液体に照射する移動方法に関するものである。上記チャネルシステムは、少なくとも1つの領域を有しており、この領域は、液体の閉鎖型経路が可能であるように環に対応する形状である。また、上記音響波は、チャネルシステムの平面において、液体の移動方向を定義する少なくとも1つの非対称成分を含んでいる。本発明は、本発明の方法を実施するマイクロチャネルシステムにも関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法および上記方法を行うためのマイクロチャネルシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
小型化された液体システムは、多くの場合、プラスチック、半導体材料またはガラスから製造し得る閉鎖型チャネルからなる。このような閉鎖型チャネルは、例えば非特許文献1に記載されている。
【0003】
チャネルを基板に生成するための製造方法としては、例えば、プラスチックのウエットエッチングまたはホットエンボスがある。次に、このようにしてパターン化した基板を、カバーによって閉鎖する。典型的なチャネル寸法は、直径が50μm〜数mmの範囲内であり、システムの全長が数cmである。ラボ・オン・チップアプリケーションでは、これらのチャネルにおいて生化学反応などが行われる。このため、一般的には計量器、混合器、反応室および分枝部を、このようなシステム内に実現する必要があろう。液体の移動には、ポンプ状のシステムが必要である。
【0004】
今日では、このような「ラボチップ」のためのポンプとして、様々な技術を使用できる:蠕動ポンプ(特許文献1)、電気運動ポンプ(特許文献2)、または、遠心力を用いるポンプ(「ラボCD」、特許文献3)。
【0005】
しかしながら、電気運動ポンプは、例えば数100ボルトの電圧を必要とするので、携帯型装置にはあまり適していない。いわゆるラボCDでは、液体を一方向すなわち外向きにしか移動できない。小型化された蠕動ポンプは、非常に複雑であり、それゆえに高価である。
【0006】
他のアプリケーションは、チャネルを通して液体を移動するために、毛管力を使用している。この場合、付加的な力が無くても、たった一方向への移動は行える。例えば、親水性チャネルには溶液を充填することはできるが、チャネルが充填されたら、毛管力によりもたらされるであろう更なる移動または流動が不可能となる。
【0007】
横方向に広がった薄い液体膜への音波の入力について、特許文献4に記載されている。ここでは、横方向にパターン化されていない毛管ギャップにおける少量の液体に混合物を生成するために、超音周波が使用されている。特許文献4の構造では、液体膜に対する照射が両側対称に行われる。
【0008】
音波を用いて液体に流動を生成することについて、非特許文献2に記載されている。
【特許文献1】米国特許第6,408,878号明細書
【特許文献2】米国特許第6,394,759号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第5,472,603号明細書
【特許文献4】独国特許発明第10325313B3号明細書
【非特許文献1】M.G.PollackおよびB.R.Fair著「Applied Physics Letters」2007年、77巻、第1725頁〜第1728頁
【非特許文献2】Wesley Le Mars Nyborg著「Acoustic Streaming」、Physical Acoustics 2B; 編集者W.P. Mason; Academic Press 265, 1965年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、マイクロチャネルシステムにおける少量の液体を、簡単に制御可能な、且つ、プログラム可能なやり方で移動できる方法およびシステムを提供することである。この方法は、携帯型チップラボでも行えるように、簡単に実施可能なほうがよく、且つ、この方法に必要な材料は小さく、硬く、軽いほうがよい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、請求項1の特徴を有する方法または請求項12の特徴を有するマイクロチャネルシステムによって達成される。好ましい形態は、従属請求項に記載されている。
【0011】
本発明の方法では、ある量の液体をチャネルシステムに導入する。このチャネルシステムは、液体の閉鎖型経路が可能であるように環に対応した形状をした少なくとも1つの領域を有している。移動を引き起こすために、音響波を液体に照射する。この音響波は、チャネルシステムの平面において、液体の移動の方向を定義する少なくとも1つの非対称成分を有している。液体に音波動が伝送されることにより、液体に流動が生じる(「音響流」)。閉鎖型経路において液体を移動させるので、低い出力しか必要ではない。なぜなら、移動を引き起こすために、閉鎖型経路に液圧を生成する必要はないからである。非対称成分は、移動方向を液体に伝え、このことにより液体を閉鎖型経路に沿って移動できる。
【0012】
チャネルシステムは、閉鎖型経路上を液体を方向性を持って移動させるために機能する環形の領域を含んでいる限り、異なる幾何学的形状を有していてもよい。分枝部の無い簡単な環を用いることは特に簡単である。
【0013】
簡単な形態では、チャネルシステムが、例えば基板における溝のように、上方向に開放している。「音響流」によって移動が行われるので、上方向を閉鎖する必要はない。流動によって誘発される移動は、開放されたチャネルにおいても生じ得る。
【0014】
全側部の閉鎖されているチャネルシステムは、外部の影響をより受けにくい。このようなチャネルシステムの充填は、溝型チャネルシステムにカバーを設ける前に行われるか、または、例えばピペットをあてることのできる対応する充填ホールを通して行われる。チャネルシステムの他の場所に、通気ホールが設けられている。その結果、導入された液体によって押しのけられた空気を逃がすことができる。チャネルシステム内の動きは、音により誘発された流動により伝播されるので、移動に液圧を使用する従来技術の他の方法でのように隙間無く閉鎖する必要はない。
【0015】
簡単には、チャネルシステムは基板に設けられている。音響波の浸透する材料、例えばガラス、非弾性プラスチック、または、半導体材料を使用することが有利である。このように、音源が外部に配置されている場合、音波により誘発された基板材料自体の動きによってではなく、音波により生成された「音響流」によって移動が行われることが確実となる。
【0016】
音波は、システムに外付けされた圧電ボリュームオシレーターなどの様々な装置によって生成することができる。高周波フィルター技術で知られているようなインターデジタル変換器を使用することは特に簡単かつ有利である。圧電材料上に設けられたこのようなインターデジタル変換器に1〜数100MHzの周波数を印加することにより、圧電材料に音響波(特に、表面音波)を励起するために使用することができる。このようにして生成された音波を、毛管ギャップが膜形である場合について特許文献4にも記載されているように、システムに入力することができる。
【0017】
本方法の有利な形態では、インターデジタル変換器は液体に直接接触しており、それゆえ、マイクロチャネルシステムの一部である。したがって、インターデジタル変換器によって生成される音波は、液体へ直接転送される。
【0018】
さらに有利な形態では、溝型チャネルシステムがフィルム、好ましくはプラスチックによって覆われており、液体へ音波を直接伝送できるように、このフィルムに直接インターデジタル変換器を押し付ける。
【0019】
圧電性の材料(一般的にはチップ)は、チャネルシステムの閉鎖部として直接使用されてもよく、その場合は、チャネルシステムの一部となる。
【0020】
チャネルシステムにおける異なる方向への移動を可能にするために、または、分枝部に液体が流通するように、複数の音波生成装置をチャネルシステムの異なる場所に設けてもよい。
【0021】
少量の液体を移動させるための本発明のマイクロチャネルシステムは、閉鎖型経路を構成する少なくとも1つのチャネルを有している。音生成装置は、音波をチャネルへ向けて入力できるように配置されている。
【0022】
本発明の方法は、マイクロチャネルシステムの個々の領域が生物学的に、化学的に、物理的に、または、他の形態で機能化されている場合に特に有利に使用される。本発明のマイクロチャネルシステムでは、本発明の方法によって、このような機能化された場所に液体を導くことができる。その結果、全ての液体は機能化部と確実に接触する。他のアプリケーションでは、対応して配置された測定点に液体を導くことができる。分枝部を有するマイクロチャネルシステムの匹敵する形態では、個々の分枝部において異って処理され得る液体の個々の量を計量および分配することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、マイクロチャネルシステムにおける少量の液体を、簡単に制御可能な、且つ、プログラム可能なやり方で移動できる方法およびシステムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明を、添付の図を参照して詳しく説明する。添付の図は、本発明の方法を実施する際の本発明のシステムの概略図を示す。
【0025】
図1aは、マイクロチャネルシステムの縦断面を示す。マイクロチャネル3が設けられており、このマイクロチャネル3は、例えば50μm〜数mmの範囲の直径を有している。また、マイクロチャネル3は、湿式化学エッチングなどにより基板1に形成されるものである。基板1は、例えばガラス、半導体材料、または、非弾性プラスチックからなる。例えば×印5で示す液体は、チャネル内を移動する。ここでは、移動方向を19で示す。
【0026】
図1bは、図1aの視野方向Aにおける断面を示す。環形のチャネル3は、充填ホール7を備えている。充填ホール7は、この断面図において認識できる。基板1の下には、圧電基板13が一角の領域に配置されている。この圧電基板13に、インターデジタル変換器11が設けられている。インターデジタル変換器11を、交番電界を用いて制御することができる。制御の方法は既知であり、それゆえ、ここでは説明しない。必要であれば、圧電材料13と基板1との間に、存在する可能性のある薄いエアギャップにおいて音波が不都合に反射されないように、接触媒質(例えば、水)を供給してもよい。表面波フィルター技術においてそれ自体は知られているインターデジタル変換器は、櫛形に形成された金属の電極を備えている。この電極の重複する櫛歯の間隔が表面音波の波長を定義する。また、この電極は、光学的なフォトリソグラフィー方法によって、例えば約10μm程度の櫛歯間隔で製造することができる。このようなインターデジタル変換器は、圧電結晶上に設けられており、圧電結晶上に表面音波を既知の方法で励起するものである。インターデジタル変換器11の互いに噛み合ったすだれ状電極に、数MHz〜数100MHzの交番電界を既知の方法で印加する。これにより、特許文献4に記載の場合と同様に、音波15,17を生成することとなる表面音波が生成される。交番電界は、対応する電気的な接続部を介して印加されるか、または、無線放射などによって印加される。
【0027】
図1aの縦断面図は、図1bに示す視野方向Bにほぼ対応している。
【0028】
インターデジタル変換器11の位置と音波15,17の放射方向とは、図1aの縦断面図ではそれ自体見えないだろうが、図1aにも示されている。さらに、図1aには、充填ホール7と通気ホール9とが示されている。同様に、これらのホールは図1aの縦断面図では実際には見えないであろう。なぜなら、これらのホールは、図示した実施形態では上部閉鎖部18に設けられているからである。
【0029】
図1a,1bに示す構造を、以下のように使用することができる。充填ホール7を介して液体をシステムに導入する。この場合、液体をチャネル3に吸引する毛管力を使用することができる。あるいは、例えば注入器またはピペットを用いて、液体を充填ホール7から導入することもできる。液体によってチャネル3から押しのけられる空気は、通気ホール9を通って出ていく。最終的に、チャネルに液体が完全に充填される。充填後、充填ホール7と通気ホール9とを閉鎖してもよいが、このことは必要ではない。1MHz〜数100MHz程度の交番電流を概略的にのみ記載されたインターデジタル変換器11に印加することにより、圧電基板13上に表面音波が生成され、基板13は、音波15,17を、インターデジタル変換器11の櫛歯の向きに対して垂直に放射する。音波17は外向けに放射されるので液体に対して本質的な影響を及ぼさないままであるが、音波15はチャネル3に直接照射される。音波は、ガラス、プラスチックまたは半導体材料からなる基板材料に浸透し、液体中に流動、すなわち「音響流」を生成する。液体粒子5は、音波動の伝送により、方向19へ加速され、チャネル3に沿って移動する。
【0030】
チャネルシステムは、音波が照射される前に既に充填されているので、非常に低い圧力だけが必要とされる。この点において、インターデジタル変換器11からの1ワット未満の電力は、液体を移動させるのに十分なものである。
【0031】
チャネルシステム3の一角にインターデジタル変換器11を配置することにより、1つの音成分15だけがチャネル3の方向に作用し、インターデジタル変換器によって生成された他の音波は外向けに放射される、ということが確実になる。あるいは、一方向にのみ放射を行う単向性変換器設計を用いてもよい。このような単向性変換器は、チャネル3の任意の場所で使用することができる。また、カウンタービーム17が外向けに放射されるのではなく組織的に吸収または反射されるような幾何学的形状を実現してもよい。
【0032】
チャネルシステムは、ただ1つの閉鎖型経路が可能である限り、異なる幾何学的形状を有していてもよい。他の形態を、分枝部4と共に例えば図2に示す。図1において説明したように、インターデジタル変換器11は方向19への移動を引き起こすために使用されている。更なるインターデジタル変換器12により、方向20への分枝部4に沿った移動を引き起こすことができる。
【0033】
液体の移動方向を、インターデジタル変換器14によって転換することができる。その結果、液体は方向22へ動く。
【0034】
ある実施形態(図示せず)では、チャネルシステムが上方向に開放していてもよい。
【0035】
図3は、本発明のマイクロチャネルシステムの他の実施形態を断面で示す。ここでは、チャネルシステム3は、プラスチックフィルム21によって閉鎖されている。プラスチックフィルム21に、インターデジタル変換器11の設けられた圧電材料13が押し付けられている。その結果、変換器とフィルムとの間のエアギャップは、音波長(1〜数μm)よりも小さくなっている。これは、エアギャップでの反射を回避するためである。音波は、プラスチックフィルムに浸透し、液体へのエネルギーの伝送は、音により誘発されるフィルム自体の動きによってではなく、音響流によって行われる。
【0036】
他の実施形態(図示せず)では、音響波を生成するための圧電材料は、チャネルシステムのためのカバーとして直接使用される。
【0037】
図4は、本発明のマイクロチャネルシステムを、機能化された領域23と共に示す。この機能化された領域は、チャネルシステム3,4における液体との反応のために設けられた、例えば、物理的、化学的、生物学的、または他の機能化部を有していてもよい。液体を、図1の充填ホール7に対応する例えば注入開口部を介してチャネルシステムへ導入した後、インターデジタル変換器11またはインターデジタル変換器14のどちらかによって、チャネル3に流動が既述のように生成される。インターデジタル変換器12に更なる交番電界を印加することにより、分枝部4を通る方向20の移動が引き起こされる。したがって、液体は、機能化された領域23を通って導かれる。チャネルシステム3,4における流動によって、全ての液体が機能化された領域に接触することを確実にすることができ、例えば反応を行える。
【0038】
測定構造を単に概略的に25で示す。この測定構造25は、例えば電気的または光学的なものであってもよい。同様に、この測定構造の電気的な接続を単に概略的に27で示す。例えばインターデジタル変換器11またはインターデジタル変換器14により流動を励起することにより液体がチャネル3において動く場合、液体は、この測定点25を通って流れる。連続する流動により、確実に全ての液体が測定点を通って流れる。
【0039】
圧電材料上のインターデジタル変換器により生成される表面音波を用いて液体に音波を生成することは、本発明の方法に特に有利である。なぜなら、このようにして生成される音波は、チャネルの方向に既に大きな成分を有しているからである。
【0040】
本発明の方法、および、本発明のマイクロチャネルシステムの更なる利点は、チャネルに沿って液体を移動するために使用できるだけでなく、液体を混合するためにも使用できるという点である。このため、音波生成装置は、全システムの流動のためにはエネルギー不足である非常に低い出力で操作される。あるいは、放射方向が逆の2つの変換器、例えば図2の変換器11,14が同時に動作してもよい。その場合、液体の流動は不可能となり、混合のみが行われる。
【0041】
当然、ここに記載の実施形態は、可能な幾何学的形状の例を単に実現したものであって、本発明はチャネルシステムの図示した具体的形態に限定されない。また、照射方向の異なるインターデジタル変換器を任意の数だけチャネル上に設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、マイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法および上記方法を行うためのマイクロチャネルシステムに関する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1a】本発明のシステムの概略的な縦断面図である。
【図1b】図1aのシステムの断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態の概略的な縦断面図である。
【図3】本発明のさらに他の実施形態の断面図である。
【図4】本発明のさらに他の実施形態の概略的な縦断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある量の液体を、液体の閉鎖型経路が可能であるように環に対応する形状をした少なくとも1つの領域を有するチャネルシステム(3,4)に導入する工程と、
上記チャネルシステム(3,4)の平面において上記液体の移動方向を定義する少なくとも1つの非対称成分を含む音響波(15)を、上記液体に照射する工程と
を含むマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項2】
上記チャネルシステムが環(3)を備えている、請求項1のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項3】
上方向に開放しているチャネルシステムを使用する、請求項1又は2に記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項4】
充填開口部(7)と通気開口部(9)とを除く全ての側部が閉鎖されているチャネルシステム(3,4)を使用する、請求項1又は2に記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項5】
使用される上記チャネルシステム(3,4)は、ガラス、非弾性プラスチック、または、半導体材料からなる基板(1)に形成されている、請求項1乃至4のいずれか1つに記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項6】
上記音響波を生成するために、圧電材料(13)上の少なくとも1つのインターデジタル変換器(11)を使用する、請求項1乃至5のいずれか1つに記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項7】
上記インターデジタル変換器は液体に直接接触している、請求項6に記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項8】
上記チャネルシステム(3,4)をフィルム、好ましくはプラスチックフィルムで覆い、該フィルムに対して上記インターデジタル変換器(11)を押し付ける、請求項6に記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項9】
上記チャネルシステムは、圧電材料によって1つの場所が閉鎖されており、該圧電材料に、上記インターデジタル変換器を設けた、請求項6に記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項10】
上記音波の周波数を1MHz〜数MHzの間の範囲に選択した、請求項1乃至9のいずれか1つに記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項11】
異なる移動を引き起こすために複数の音生成装置(11,12,14)を使用する、請求項1乃至10のいずれか1つに記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1つに記載の少量の液体の移動方法を実施するマイクロチャネルシステムであって、
閉鎖型経路である少なくとも1つのチャネル(3)と、
音波(15)を上記チャネル(3)に向けて放射できるように配置された音生成装置(11,14)と
を備えたマイクロチャネルシステム。
【請求項13】
上記チャネルシステム(3,4)は、充填開口部(7)と通気開口部(9)とを除く全ての側部が閉鎖されている、請求項12に記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項14】
上記チャネルシステムは、カバー(21)により閉鎖された基板(1)に溝として形成されている、請求項12又は13に記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項15】
上記カバー(21)は、フィルム、好ましくはプラスチックフィルムからなり、上記音生成装置(11)は、上記カバー(21)に直接設けられている、請求項14に記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項16】
上記チャネルシステムは上方向に開放している、請求項12に記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項17】
上記少なくとも1つの音生成装置は、上記チャネルシステム(3,4)の外側に配置されている、請求項12乃至16のいずれか1つに記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項18】
上記少なくとも1つの音生成装置は、インターデジタル変換器(11,14)を備えている、請求項12乃至17のいずれか1つに記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項19】
上記チャネルシステム(3,4)へ異なる方向から音波を照射できるように配置された複数の音生成装置(11,12,14)を備えている、請求項12乃至18のいずれか1つに記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項20】
上記チャネルシステム(3,4)は、ガラス、非弾性プラスチック、または、半導体材料からなる基板(1)に形成されている、請求項12乃至19のいずれか1つに記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項21】
上記チャネルシステム(3,4)内に、少なくとも1つの生物学的、化学的、または、物理的に機能化された領域(23)が設けられている、請求項12乃至20のいずれか1つに記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項22】
上記チャネルシステム(3,4)の少なくとも1つの領域に、物理的、生物学的、または、化学的なパラメータを測定するための測定構造(25)が設けられている、請求項12乃至21のいずれか1つに記載のマイクロチャネルシステム。
【請求項23】
上記液体(5)を、上記チャネルシステム(3,4)内の少なくとも1つの生物学的、化学的、または、物理的に機能化された領域(23)を通るように移動させる、請求項1乃至11のいずれか1つに記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。
【請求項24】
上記液体(5)を、物理的、生物学的、または、化学的なパラメータを測定するための少なくとも1つの測定点(25)を通るように移動させる、請求項1乃至11のいずれか1つ又は請求項23に記載のマイクロチャネルにおける少量の液体の移動方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−517209(P2008−517209A)
【公表日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−537223(P2007−537223)
【出願日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011320
【国際公開番号】WO2006/045547
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(502096196)アドヴァリティクス アーゲー (9)
【Fターム(参考)】