説明

マイクロプロジェクション部材の連続ストリップをコーティングするための方法及びデバイス

本発明は、物質配合物の複数回の塗布をマイクロプロジェクション部材の皮膚貫通部分に選択的に与えて、物質を含むコーティングをマイクロプロジェクション上に形成するためのデバイス及び方法を提供する。配合物を乾燥させて、物質を含む固形コーティングを形成する。複数のマイクロプロジェクション部材を有する連続ストリップストリップを、各マイクロプロジェクション部材がリザーバを過ぎて複数回運搬されるように、プロダクトドラム周辺にスパイラルラップする。リザーバは、マイクロプロジェクション部材がリザーバを通過するたびに、物質配合物をある回数の塗布でマイクロプロジェクション部材に移行するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚を介した生物活性物質の投与及び高度な経皮的送達に関する。より詳細には本発明は、生物活性物質の乾燥コーティングを有する皮膚貫通型マイクロプロジェクションを使用して、角質層を介して生物活性物質を投与するための経皮的送達システムに関する。さらにより詳細には本発明は、生物活性物質を含む配合物の複数回の塗布によってコーティングを形成する、方法及びデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
活性物質(又は薬物)は大抵、経口、又は注射のいずれかによって従来投与されている。残念ながら、多くの活性物質は、経口的に投与すると、吸収されないか、又は血流に入る前に悪影響を受けるので、効果が完全に無くなるか、又は有効性が徹底的に低下し、したがって望ましい活性を有していない。一方、物質を静脈又は皮下に直接注射することは、投与中の物質の改変を保証せず、困難で、不便で、痛みを伴う不快な手順であり、患者のコンプライアンスの低下につながることがある。
【0003】
したがって原則として、経皮的送達は、そうしなければ皮下注射又は静脈内注入によって送達することが必要となる活性物質を投与する方法をもたらす。本明細書で使用する用語「経皮的」は、外科用ナイフによる切開又は皮下注射針による皮膚の貫通などの皮膚の実質的な切開又は浸透を伴わない、皮膚から局所組織又は全身循環系への、活性物質(例えば、薬物などの治療用物質、又はワクチンなどの免疫活性物質)の送達を指す一般用語である。経皮的物質送達は、受動的拡散による送達、並びに電気(例えばイオントフォレシス)及び超音波(例えばフォノフォレシス)などの外部エネルギー源に基づく送達を含む。
【0004】
より一般的である受動的経皮的物質送達システムは、高濃度の活性物質を含む薬剤リザーバを典型的には含む。リザーバは皮膚と接触するように適合されており、これによって患者の皮膚及び身体組織又は血流中に物質を拡散させることができる。
【0005】
当技術分野でよく知られているように、経皮的な薬剤の流動は、皮膚の状態、薬剤分子の大きさ及び物理的/化学的性質、並びに皮膚中の濃度勾配に依存する。多くの薬剤に対する皮膚の低い浸透性のために、受動的な経皮的送達は限られた用途を有している。この低い浸透性は、脂質二重層に囲まれるケラチン繊維が充満した平坦な死細胞(即ち、ケラチン生成細胞)からなる、角質層、最外殻皮膚層に主に原因がある。脂質二重層のこの高次構造は、角質層に比較的不浸透性である特徴を与える。
【0006】
最外皮膚層を機械的に貫通又は破壊し、それによって皮膚への経路を作製して経皮送達する物質の量を増大させるために開発された、多くの技法及びデバイスが存在している。例示的なものとして、米国特許第3,964,482号中に開示された薬剤送達デバイスがある。
【0007】
経皮的な物質の送達を増大させるために小さな貫通型構成要素を使用する他のシステム及び装置は、いずれもその全容が参照として本明細書に組み込まれる、米国特許第5,879,326号、米国特許第3,814,097号、米国特許第5,250,023号、米国特許第3,964,482号、再発行番号25,637号、及びPCT公開番号WO96/37155、WO96/37256、WO96/17648、WO97/03718、WO98/11937、WO98/00193、WO97/48440、WO97/48441、WO97/48442、WO98/00193、WO99/64580、WO98/28037、WO98/29298、及びWO98/29365中に開示されている。
【0008】
開示されたシステム及び装置は、様々な形状及び大きさの貫通型構成要素を利用して皮膚の最外殻層(即ち、角質層)を貫通させる。これらの参照文献中に開示された貫通型構成要素は一般に、パッド又はシートなどの薄くて平らな部材から垂直に伸びている。これらのデバイスの幾つかの貫通型構成要素は非常に小さく、幾つかの貫通型構成要素はわずか約25〜400ミクロンのマイクロプロジェクション長、及びわずか約5〜50ミクロンのマイクロプロジェクション厚を有する。これらの小さな貫通型/切断構成要素は、そこを通じた経皮的な物質送達を増大させるための、小さなマイクロスリット/マイクロカットを角質層中に相応じて作製する。
【0009】
開示されたシステムはさらに、物質を保持するためのリザーバ、及びデバイス自体の中空タインなどによってリザーバから角質層へ物質を移動させるための送達システムも、典型的には含む。このようなデバイスの一例はWO93/17754中に開示されており、これは液体物質リザーバを有する。しかしながら、リザーバを加圧して、液体物質を小さな管状構成要素及び皮膚中に向けなければならない。このようなデバイスの欠点には、加圧式液体リザーバを加えることに関する追加的な複雑性及び出費、並びに圧力駆動型送達システムの存在による複雑性がある。
【0010】
参照として完全に本明細書に組み込まれる、米国特許出願第10/045,842号で開示されたように、送達する活性物質を物理的リザーバ中に含める代わりに、マイクロプロジェクションにコーティングすることが可能である。これによって別の物理的リザーバ、及びリザーバに特異的な物質の配合物又は組成物の開発の必要性を排除する。
【0011】
経皮的送達デバイスの皮膚貫通部分のみを再現的にコーティングすることができる、正確に調節されたコーティング法は、その全容が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第6,855,372号中に開示されたのと同様のローラーコーティングである。示した方法は一般に、複数のマイクロプロジェクションアレイを活性物質配合物の薄膜を有するローラーに送達して、調節量の配合物をマイクロプロジェクションの先端に移行させることを含む。
【0012】
生物活性物質のコーティングを有する経皮的送達デバイスを使用することによって示された利点にもかかわらず、望ましい充填量の活性物質を有する均一なコーティングを得ることは困難である可能性がある。均一性及び充填を改善する1つの方法は、物質配合物の一連の塗布で固形コーティングを塗布し、塗布間に配合物を乾燥させることである。しかしながら、このタイプの方法は製造プロセスを複雑にする。したがって、必要とされているのは、物質配合物の複数回の塗布によって形成されたコーティングをそれぞれが有する、多量のコーティングマイクロプロジェクション部材を製造するためのシステムである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがって本発明の目的は、生物活性物質配合物を複数回の塗布でマイクロプロジェクション部材に移行させて固形コーティングを形成するための方法及びデバイスを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、経皮的送達デバイスにおける生物活性物質の添加量及び均一性を増大させるための方法及びデバイスを提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、生物活性物質のシングルリザーバを使用してマイクロプロジェクションアレイに複数のコーティングを塗布するための方法及びデバイスを提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、生物活性物質配合物を経皮的送達デバイスに複数回塗布することができる多量プロセスに必要とされる空間を最小にすることである。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、多量のマイクロプロジェクションアレイを有効にコーティングするのに必要な生物活性物質配合物の量を最小にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前述の目的、及び以下に言及し明らかになるはずである目的によれば、複数の角質層貫通型マイクロプロジェクションを有するマイクロプロジェクション部材に生物活性物質配合物を塗布するためのデバイス及び方法は、マイクロプロジェクション部材がその上に載置された可撓性コンベヤストリップ、コンベヤストリップが周辺にスパイラルラップされたプロダクトドラム、及びコンベヤストリップがプロダクトドラム周辺を移動するとき、プロダクトドラムと協働して生物活性物質を少なくとも1回、好ましくは2回の塗布でマイクロプロジェクションに移行させるように適合された、生物活性物質配合物のリザーバを有するデバイスを一般に含む。
【0019】
本発明の一実施形態では、プロダクトドラムが可撓性コンベヤストリップと共に回転する。
【0020】
本発明の他の実施形態では、プロダクトドラムは固定されている。好ましくは、示した実施形態では、プロダクトドラムは、コンベヤストリップをスパイラルラップ状に強いるように構成されたスパイラルフライトを含む。さらに好ましくは、プロダクトドラムはスパイラルフライト間に配置された複数の空気穴を有し、圧縮空気を送気しコンベヤストリップとプロダクトドラムの間の摩擦を低下させる。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、リザーバは物質配合物保持表面を含み、プロダクトドラムは保持表面に対して位置し、したがってマイクロプロジェクション部材は運搬され、マイクロプロジェクションが保持表面上の物質配合物中に所定のレベルで浸される。物質配合物保持表面は、生物活性物質配合物の膜を収容するように適合された回転可能な円柱形状のコーティングドラムの外表面を含むことがより好ましい。示した実施形態では、コーティングドラムを生物活性物質配合物の容器中に部分的に浸すことができる。
【0022】
本発明はさらに、複数の角質層貫通型マイクロプロジェクションを有するマイクロプロジェクション部材に生物活性物質配合物を塗布するためのシステムであって、マイクロプロジェクション部材がその上に載置された可撓性コンベヤストリップ、コンベヤストリップが周辺にスパイラルラップされたプロダクトドラム、及びコンベヤストリップがプロダクトドラム周辺を移動するとき、プロダクトドラムと協働して生物活性物質を少なくとも2回の塗布でマイクロプロジェクションに移行するように適合された、生物活性物質配合物のリザーバを含み、コンベヤストリップがその上に載置された複数のマイクロプロジェクション部材を有するシステムを含む。
【0023】
システムは、マイクロプロジェクションへの生物活性物質配合物の移行後に、マイクロプロジェクション部材を有するコンベヤストリップを収容するように適合された調節温度及び湿度を有する乾燥チャンバを、さらに含むことが好ましい。
【0024】
本発明によれば、システムはマイクロプロジェクション部材に積層するための接着裏材の供給源をさらに含むことができる。
【0025】
本発明の他の実施形態では、システムはレーザーダイカッターなどの、コンベヤストリップから個々のマイクロプロジェクション部材を切断するためのカッターをさらに含む。
【0026】
本発明のさらに他の実施形態では、システムはさらに、リテーナリング上に個々のマイクロプロジェクション部材を載置するためのプランジャを含む。
【0027】
本発明はさらに、複数の角質層貫通型マイクロプロジェクションを有するマイクロプロジェクション部材に生物活性物質配合物を塗布するための方法であって、マイクロプロジェクション部材がその上に載置された可撓性コンベヤストリップを提供するステップ、コンベヤストリップをプロダクトドラム周辺に複数回スパイラルラップするステップ、及びマイクロプロジェクション部材を生物活性物質配合物のリザーバを過ぎて運搬して、コンベヤストリップがプロダクトドラム周辺を移動するとき、生物活性物質を少なくとも2回の塗布でマイクロプロジェクションに移行させるステップを含む方法を含む。
【0028】
示した実施形態では、プロダクトドラムは、コンベヤストリップをスパイラルラップ状に強いるように構成されたスパイラルフライトを含むことが好ましい。さらに好ましくは、プロダクトドラムはスパイラルフライト間のプロダクトドラムの表面上に複数の空気穴を有し、したがって空気穴を通して圧縮空気を送達してコンベヤストリップとプロダクトドラムの間の摩擦を低下させることができる。
【0029】
本発明の他の実施形態では、方法は、プロダクトドラムに対して位置する保持表面を有するリザーバを提供することを含み、したがって、マイクロプロジェクション部材がリザーバを過ぎて運搬され、マイクロプロジェクションが保持表面上の物質配合物中に所定のレベルで浸される。保持表面は、その上に物質配合物の膜を塗布することができる、回転する円柱形状のコーティングドラムを含むことが好ましい。他の実施形態では、コーティングドラムを物質配合物の容器中に部分的に浸すことができる。
【0030】
本発明の方法は、コンベヤストリップ上に載置された複数のマイクロプロジェクション部材を処理して、生物活性物質のコーティングを有するマイクロプロジェクション部材の大量生産を可能にするように適合される。
【0031】
他の特徴及び利点が、添付の図面で例示する通り、本発明の好ましい実施形態の以下のより詳細な記載から明らかになり、同じ参照符号は図中の同じ部分又は要素を一般に指す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明を詳細に記載する前に、本発明は、詳細に例示した物質、配合物、方法又は構造に限られず、したがって当然ながら変わる可能性があることを理解されたい。したがって、本明細書に記載したものと類似する又は均等な幾つかの物質及び方法を、本発明を実施する際に使用することができるが、好ましい物質及び方法を本明細書に記載する。
【0033】
本明細書で使用する用語は、単に本発明の個々の実施形態を記載する目的のものにすぎず、制限するものではないことも理解されたい。
【0034】
他に定義しない限り、本明細書で使用する全ての技術及び科学用語は、本発明が属する分野の技術者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0035】
さらに、本明細書に引用する全ての刊行物、特許及び特許出願は、上記又は下記のいずれも、その全容が参照として本明細書に組み込まれる。
【0036】
最後に、本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用するように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、内容が他のことを明らかに示さない限り複数形を含む。したがって、例えば、「生物活性物質」への言及は2つ以上のこのような薬物を含み;「1つのマイクロプロジェクション」への言及は2つ以上のこのようなマイクロプロジェクションなどを含む。
【0037】
定義
本明細書で使用する用語「経皮的」は、局所又は全身療法用の皮膚中への且つ/又は皮膚を介した物質の送達を意味する。
【0038】
本明細書で使用する用語「経皮的流動」は、経皮的送達の割合を意味する。
【0039】
本明細書で使用する用語「同時送達」は、物質を送達する前、物質の経皮的流動の前及び最中、物質の経皮的流動の最中、物質の経皮的流動の最中及び後、且つ/或いは物質の経皮的流動の後のいずれかに、補助物質を経皮的に投与することを意味する。さらに、2つ以上の免疫活性物質を本発明の生体適合性コーティング中に配合し、異なる免疫活性物質の同時送達をもたらすことができる。
【0040】
本明細書で使用する用語「生物活性物質」は、治療有効量投与すると薬理学的に有効である、活性物質又は薬物を含む物質又は混合物の組成物を指す。このような活性物質の例には、非制限的に低分子量化合物、ポリペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、核酸及び多糖がある。
【0041】
本発明中で使用することができる適切な生物活性物質には、非制限的に成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、成長ホルモン放出因子(GHRF)、インシュリン、インシュリノトロピン、カルシトニン、オクトレオチド、エンドルフィン、TRN、NT−36(化学名:N−[[(s)−4−オキソ−2−アゼチジニル]カルボニル]−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド)、リプレシン、下垂体ホルモン(例えばHGH、HMG、酢酸デスモプレシンなど)、卵胞刺激ホルモン、aANF、成長因子、例えば成長因子放出因子(GFRF)、bMSH、GH、ソマトスタチン、ブラジキニン、ソマトトロピン、血小板由来成長因子放出因子、アスパラギナーゼ、硫酸ベロマイシン、キモパパイン、コレシストキニン、絨毛性ゴナドトロピン、エリスロポイエチン、エポプレステノール(血小板凝集阻害剤)、グルカゴン、HCG、ヒルログ、ヒアルウロニダーゼ、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン、インターロイキン−10(IL−10)、エリスロポイエチン(EPO)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)など、グルカゴン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRH類似体(ゴセレリン、リュープロリド、ブセレリン、トリプトレリン、ゴナドレリン、及びナプファレリン、メノトロピン(ウロフォリトロピン(FSH)及びLH)など)、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベータ、ウロキナーゼ、バソプレシン、脱アミノ[Va14、D−Arg8]アルギニンバソプレシン、デスモプレシン、コルチコトロピン(ACTH)、ACTH(1−24)などのACTH類似体、ANP、ANPクリアランス阻害剤、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、抗利尿ホルモンアゴニスト、ブラジキンアンタゴニスト、セレダーゼ、CSI’s、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、エンケファリン、FAB断片、IgEペプチド抑制剤、IGF−1、神経栄養因子、コロニー刺激因子、副甲状腺ホルモン及びアゴニスト、副甲状腺ホルモンアンタゴニスト、副甲状腺ホルモン(PTH)、PTH(1−34)などのPTH類似体、プロスタグランジンアンタゴニスト、ペンチゲチド、タンパク質C、タンパク質S、レニン阻害剤、チモシンα−1、血栓溶解剤、TNF、バソプレシンアンタゴニスト類似体、α−1抗トリプシン(組換え体)、及びTGF−βがある。
【0042】
本明細書で使用する用語「免疫活性物質」は、免疫有効量投与すると有益な免疫応答を誘導することができる、任意及び全供給源由来の抗原物質及び/又は「ワクチン」を含む物質又は混合物の組成物を指す。このような物質の例には、非制限的にウイルス及び細菌、タンパク質系ワクチン、多糖系ワクチン、及び核酸系ワクチンがある。
【0043】
本発明中で使用することができる適切な抗原物質には、非制限的にタンパク質、多糖複合体、オリゴ糖、及びリポタンパク質の形の抗原がある。これらのサブユニットワクチンには、百日咳菌(組換えPTワクチン、無細胞性)、破傷風菌(精製、組換え体)、コリネバクテリウム属ジフテリア菌(精製、組換え体)、サイトメガロウイルス(糖タンパク質サブユニット)、A群連鎖球菌(糖タンパク質サブユニット、破傷風トキソイドとの複合糖質A群多糖、毒素サブユニット担体と結合したMタンパク質/ペプチド、Mタンパク質、多価型特異的エピトープ、システインプロテアーゼ、C5aペプチダーゼ)、B型肝炎ウイルス(組換え体PreS1、Pre−S2、S、組換えコアタンパク質)、C型肝炎ウイルス(組換え体−発現表面タンパク質及びエピトープ)、ヒトパピローマウイルス(カプシドタンパク質、TA−GN組換えタンパク質L2及びE7[HPV−6由来]、HPV−11由来のMEDI−501組換え体VLPL1、四価組換え体BLPL1[HPV−6由来]、HPV−11、HPV−16、及びHPV−18、LAMP−E7[HPV−16由来])、レジオネラニューモフィラ(精製した細菌表面タンパク質)、髄膜炎菌(破傷風トキソイドとの複合糖質)、緑膿菌(合成ペプチド)、風疹ウイルス(合成ペプチド)、肺炎連鎖球菌(B型髄膜炎菌OMPと結合した複合糖質[1、4、5、6B、9N、14、18C、19V、23F]、CRM197と結合した複合糖質[4、6B、9V、14、18C、19F、23F]、CRM1970と結合した複合糖質[1、4、5、6B、9V、14、18C、19F、23F])、トレポネーマパリダム(表面リポタンパク質)、帯状疱疹ウイルス(サブユニット、糖タンパク質)、及びビブリオコレラ(リポ多糖と結合)がある。
【0044】
完全ウイルス又は細菌には、非制限的に弱毒又は死菌ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)など、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、風疹ウイルス、及び帯状疱疹、弱毒又は死菌、百日咳菌、破傷風菌、コリネバクテリウム属ジフテリア菌、A群連鎖球菌、レジオネラニューモフィラ、髄膜炎菌、緑膿菌、肺炎連鎖球菌、トレポネーマパリダム、及びビブリオコレラ、及びこれらの混合物などがある。
【0045】
インフルエンザワクチン、ライム病ワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、水疱瘡ワクチン、疱瘡ワクチン、肝炎ワクチン、百日咳ワクチン、及びジフテリアワクチンを非制限的に含めた抗原物質を含む幾つかの市販のワクチンはさらに、本発明と共に有用性を有する。
【0046】
本発明の方法によって送達することができる核酸を含む免疫活性物質には、非制限的に一本鎖及び二本鎖核酸、例えばスーパーコイルドプラスミドDNAなどのDNA;線状プラスミドDNA;コスミド;細菌人工染色体(BAC);酵母菌人工染色体(YAC);哺乳動物人工染色体;及びRNA分子、例えばmRNAなどがある。核酸の大きさは数千キロベースまでであってよい。さらに、本発明の幾つかの実施形態では、核酸はタンパク質物質と結合させることができ、或いは1つ又は複数の化学修飾、例えばホスホロチオエート部分などを含むことができる。核酸のコード配列は、それに対する免疫応答が望ましい抗原の配列を含む。さらに、DNAの場合は、プロモーター及びポリアデニル化配列もワクチン構築体中に取り込まれる。コードすることができる抗原には、感染疾患、病原体の全抗原要素、及び癌抗原がある。したがって核酸には、例えば感染疾患、癌、アレルギー、自己免疫、及び炎症疾患の分野において用途が見出される。
【0047】
抗原性物質と共にワクチンを含むことができる適切な免疫応答増強アジュバントには、リン酸アルミニウムゲル;水酸化アルミニウム;藻類グルカン:β−グルカン;コレラ毒素Bサブユニット;CRL1005:x=8及びy=205の平均値を有するABAブロックポリマー;γイヌリン:直鎖状(非分岐)β−D(2−>1)ポリフルクトフラノキシル−α−D−グルコース;Gerbuアジュバント:N−アセチルグルコースアミン−(β1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ジメチルジオクタデシル塩化アンモニウム(DDA)、亜鉛L−プロリン塩複合体(Zn−Pro−8);イミキモド(1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン;ImmTher(商標):N−アセチルグルコアミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−L−Ala−グリセロールジパルミテート;MTP−PEリポソーム:C5910819PNa−3HO(MTP);ムラメチド:Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH;プレウラン:β−グルカン;QS−21;S−28463:4−アミノ−a,a−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール;スクラボ(sclavo)ペプチド:VQGEESNDK・HCl(IL−1β163−171ペプチド);及びスレオニル−MDP(Termurtide(商標)):N−アセチルムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン、及びインターロイキン18、IL−2IL−12、IL−15がある。アジュバントには、DNAオリゴヌクレオチド、例えばCpG含有オリゴヌクレオチドなどもある。さらに、IL−18、IL−2IL−12、IL−15、IL−4、IL−10などの免疫調節リンホカイン、γインターフェロン、及びNFkappaB調節シグナルタンパク質をコードする核酸配列を使用することができる。
【0048】
示した免疫活性物質は、遊離塩基、酸、帯電又は非帯電分子、分子複合体の要素又は薬剤として許容される塩などの様々な形であってもよい。さらに、身体のpH、酵素などで容易に加水分解される物質(エーテル、エステル、アミドなど)の単純誘導体を使用することができる。
【0049】
本明細書で使用する用語「生物学的に有効な量」又は「生物学的に有効な割合」は、望ましい免疫学的、しばしば有益な結果を刺激又は開始するために必要とされる、免疫活性物質の量又は割合を指す。本発明のコーティング中に利用する免疫活性物質の量は、望ましい免疫学的結果を得るのに必要な量の免疫活性物質を送達するのに必要な量であるはずである。実際これは、送達する個々の免疫活性物質、送達部位、並びに皮膚組織への免疫活性物質の送達に関する溶解及び放出動態に応じて、広く変わるはずである。
【0050】
当業者によって理解されるように、送達する免疫活性物質の用量は、マイクロプロジェクションアレイ(又はパッチ)の大きさ、密度などを変えることによって変化させるか、或いは操作することもできる。
【0051】
本明細書で使用する用語「コーティング配合物」は、マイクロプロジェクション及び/又はそのアレイをコーティングするために使用する、自由に流動する組成物又は混合物を意味し、含むものとする。
【0052】
本明細書で使用する用語「生体適合性コーティング」及び「固体コーティング」は、実質的に固体の状態である「コーティング配合物」を意味し、含むものとする。
【0053】
本明細書で使用する用語「マイクロプロジェクション」は、生きている動物、詳細には哺乳動物、及びより詳細にはヒトの皮膚の角質層から根底表皮層、又は表皮及び真皮層に貫通又は横断するように適合された貫通型構成要素を指す。マイクロプロジェクションは、ニードル、中空ニードル、ブレード、ピン、パンチ、及びこれらの組合せなどの異なる形に形成することができる。
【0054】
本明細書で使用する用語「マイクロプロジェクション部材」は、角質層を貫通させるためのアレイ中に配置された複数のマイクロプロジェクションを含むマイクロプロジェクションアレイを一般に意味する。薄いシートから複数のマイクロプロジェクションをエッチング又はパンチングし、及びシートの平面からマイクロプロジェクションをフォールディング又はベンディングすることによって、マイクロプロジェクション部材を形成することができる。その全容が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第6,050,988号中に開示されたように、マイクロプロジェクション部材は、ストリップの各端に沿ってマイクロプロジェクションを有する1つ又は複数のストリップを形成することなどによって、他の知られている方法で形成することもできる。
【0055】
用語「経皮的」は、局所又は全身療法用の皮膚中への且つ/又は皮膚を介した物質(例えば、薬物又はワクチン)の送達を意味する。
【0056】
用語「経皮的流動」は、経皮的送達の割合を意味する。
【0057】
物質含有コーティングをマイクロプロジェクションに塗布するための従来法は、マイクロプロジェクションの全長の一部分のみがコーティングされるように、物質配合物中にマイクロプロジェクションを部分的に浸すことを典型的には含む。コーティング後、マイクロプロジェクションをコーティング配合物から除去し、次いで乾燥させてマイクロプロジェクション上に乾燥状態の物質含有コーティングを形成する。したがって、しばしば高価な物質を皮膚を貫通するデバイスの一部分のみ、即ち物質でコーティングされる基板ではなくマイクロプロジェクションのみにコーティングする。
【0058】
本発明は、物質配合物の複数回の塗布をマイクロプロジェクション部材の皮膚貫通部分に選択的に与えてマイクロプロジェクション上に物質含有コーティングを形成するための、デバイス及び方法を提供する。
【0059】
配合物を乾燥させて、物質を含む固形コーティングを形成する。
【0060】
マイクロプロジェクションは、角質層を介して根底表皮層、又は表皮及び真皮層に貫通するように、ただし好ましくは毛細血管床に達し重大な出血を引き起こすほど深く浸透しないように適合される。皮膚の角質層を貫通すると、物質含有コーティングが体液(細胞内液及び細胞外液、腸液、血液、又はこれらの混合物など)によって溶かされ、局所又は全身療法用に皮膚中に放出される。
【0061】
図1は、本発明と共に使用するための、角質層貫通型マイクロプロジェクション部材10の一実施形態を示す。図1は、複数のマイクロプロジェクション12を有する部材10の一部分を示す。マイクロプロジェクション12は、開口部16を有するシート14から、ほぼ90°の角度で伸びている。システムを皮膚に付着させるための裏材及び接着剤を含む物質送達又はサンプリングシステム中に、部材10を組み込むことができる。図1及び2中に示すマイクロプロジェクション部材10の実施形態では、マイクロプロジェクション12は、薄い金属シート14からの複数のマイクロプロジェクション12のエッチング又はパンチング、及びシートの平面からのマイクロプロジェクション12のベンディングによって形成される。ステンレス鋼及びチタンなどの金属が好ましい。金属製マイクロプロジェクション部材及びその作製法は、Trautman et al、米国特許第6,083,196号、Zuck、米国特許第6,050,988号、及びDaddona et al、米国特許第6,091,975号中に開示されており、これらの開示はその全容が参照として本明細書に組み込まれる。本発明と共に使用することができる他のマイクロプロジェクション部材は、シリコンチップエッチング技法を使用してシリコンをエッチングすることによって、又はエッチングしたマイクロモールドを使用してプラスチックを成形することによって形成される。シリコン製及びプラスチック製マイクロプロジェクション部材は、Godshall et al、米国特許第5,879,326号中に開示されており、その開示は参照として本明細書に組み込まれる。
【0062】
示すように、マイクロプロジェクション12は約1000μm未満のプロジェクション長を有することが好ましい。一実施形態では、マイクロプロジェクション12は500μm未満、より好ましくは250μm未満のプロジェクション長を有する。マイクロプロジェクション12はさらに、約25〜500μmの範囲の幅及び約10〜100μmの範囲の厚さを有することが好ましい。
【0063】
本発明の他の実施形態では、マイクロプロジェクション部材10の生体適合性を改善して、対象の皮膚への塗布後の出血及び炎症を最小にするか、或いは排除することができる。詳細には、マイクロプロジェクション12は145μm未満、より好ましくは約50μm〜145μmの範囲、及びさらにより好ましくは約70μm〜140μmの範囲の長さを有することができる。さらに、マイクロプロジェクション部材10は、好ましくは1cm当たり100マイクロプロジェクションを超えるマイクロプロジェクション密度、及びより好ましくは1cm当たり約200〜3000マイクロプロジェクションの範囲のマイクロプロジェクション密度を有するアレイを含む。
【0064】
改善された生体適合性を有するマイクロプロジェクション部材に関する他の詳細は、その全容が参照として本明細書に組み込まれる、2005年2月15日に出願された米国出願第60/653,675号中に述べられている。
【0065】
図2は、生物活性物質を含む固形コーティング18を有するマイクロプロジェクション12を有する、マイクロプロジェクション部材10を示す。コーティング18は部分的或いは完全にマイクロプロジェクション12を覆うことができる。
【0066】
本発明によれば、マイクロプロジェクション12が形成(即ちエッチング)され金属シート14の平面からベンディングされた後に、物質含有コーティングを塗布する。マイクロプロジェクション12上のコーティングは、リザーバを使用して、或いはより好ましくは、その全容が参照として本明細書に組み込まれる米国特許第6,855,372号中に開示されたのと同様にローラーコーティング装置を使用して、ディップコーティングにより形成することができる。
【0067】
ここで図3Aを参照すると、物質配合物の複数回の塗布を与えてマイクロプロジェクション部材10をコーティングするための、システム20の一実施形態が示される。本発明によれば、連続的な、一連のマイクロプロジェクション部材10を有する可撓性コンベヤストリップ22がプロダクトリール24に載る。上側リール26は、接着裏材28をストリップ22に積層し、次いでプロダクトドラム30周辺に所望のコーティング塗布数に対応する回数スパイラルラップするように設計及び配置する。
【0068】
マイクロプロジェクション部材10は次いで、生物活性物質の配合物を有するコーティングリザーバ32を介して最終乾燥用の乾燥チャンバ34に運搬される。乾燥後、接着裏材28を有するマイクロプロジェクション部材10を、レーザー切断ステーション36においてダイ切断し、プランジャ40によってリテーナリング38に載置する。構築品42は、アウトレットリール46によって過剰な接着裏材28を取りながら、さらに加工するためにベルト44によって運搬される。
【0069】
ここで図3Bを参照すると、物質配合物の複数回の塗布をマイクロプロジェクション部材10に与えるための、システム21の他の実施形態が示される。図3B中に示すように、システム21は図3A中に示すシステム20と非常に類似している。しかしながら、この実施形態では、可撓性コンベヤストリップ23は、その上に連続的に配置及び位置する一連のマイクロプロジェクション部材10を有する接着層25を含む。接着層25を有する可撓性コンベヤストリップ23を示す図3Bの一部分の側断面図を、図3C中に示す。
【0070】
コンベヤストリップ23は、接着層25及びマイクロプロジェクション部材10の上に配置された保護層27をさらに含む。コーティングリザーバに入る前に、保護層27はリール26によって取り外され巻き取られる。
【0071】
ここで図4及び5を参照すると、適切なプロダクトドラム30を斜視(図4)及び側断面(図5)で示す。プロダクトドラム30は、ストリップ22を適切なスパイラルラップ形状に強いるためのスパイラルフライト48を使用する。プロダクトドラム30は固定され、ドラム30の内部に圧縮空気を供給すると空気軸受けを与えるように適合された、複数の穴50を含むことが好ましい。これはストリップ22とプロダクトドラム30の間の摩擦を最小にして、スムースな移動を可能にする。或いはプロダクトドラム30は、ストリップ22の動きと共に回転するように構成され得る。
【0072】
図6を参照すると、それらがリザーバ32中でコーティングされるときのマイクロプロジェクション部材10のストリップ22の相互作用を示す、プロダクトドラム30の側面図を示す。詳細にはコーティングリザーバ32は、物質配合物54の浴中に一部分が浸った回転コーティングドラム52を含む。物質配合物54は開放容器56内に含まれる。コーティングドラム52は、矢印によって示されるように時計回りに回転する。コーティングドラム52は、それがリザーバ32を通して運搬されるとき、ストリップ22の各ラップと相互作用するのに充分な表面積を有する。回転ドラム52が浴中で回転するときその表面付近で配合物54を採取する。ドクターブレード58を与えて、ドクターブレード58から下流の物質配合物の厚さを調節する。したがって、回転ドラム52の外表面60は、物質配合物保持表面として作用して、示した反時計方向にストリップ22によって運搬されるマイクロプロジェクション部材10のマイクロプロジェクション12に物質配合物54を移行させるための領域を作製する。
【0073】
ストリップ22がプロダクトドラム30周辺を移動するとき、それはドラム30の底部、或いは円周上のほぼ7時と5時の位置の間の「コーティングゾーン」に入る。マイクロプロジェクション12は、理解される通り、6時の位置で物質配合物中に最も深く浸る。マイクロプロジェクション12は、マイクロプロジェクション長未満の深さに浸すことが好ましい。ひとたびマイクロプロジェクション部材10が、ドラム30周辺のほぼ5時の位置から次のラップ上のほぼ7時の位置に移動すると、マイクロプロジェクション部材10は空気乾燥に曝され、マイクロプロジェクション12上に固形コーティング18の一部分を形成する。それぞれのマイクロプロジェクション部材10を、プロダクトドラム30周辺のストリップ22のラップ数に対応する回数、物質配合物54中に浸す。
【0074】
当業者によって理解されるように、プロダクトドラム30周辺にスパイラルラップを使用することによって、複数回浸漬してシングルリザーバ32からマイクロプロジェクション部材10をコーティングし、さらに連続ストリップのプロセスを利用する。シングルリザーバを使用することによって、「ホールドアップ」体積が最小になり、それに応じてプロセスの収率が最大になる。さらにシステム20は、多量体積のコーティングされたマイクロプロジェクション部材を生成することができる連続ストリップのプロセスである。生物活性物質は非常に高価であることが多いと仮定すると、このプロセスによって与えられる高い収率は非常に有益である。さらに、工業的無菌生産は典型的にはアイソレータの使用を必要とし、コンパクトで、空間効率の良い配置のシングルコーティングリザーバが非常に魅力的になる。さらに、スパイラルプロダクトドラム30は柔軟性を与え、単にラップ数を変えることによって浸漬数を変えることができる。
【0075】
ローラーコーティングデバイスを使用する好ましい実施形態に関して本発明を記載してきたが、物質配合物をマイクロプロジェクション部材に塗布するための他の手段を当業者は理解するはずである。一般に、プロダクトドラム30周辺のストリップ22のスパイラルラップは、配合物が塗布されるドラム30上の位置に各マイクロプロジェクション部材10を連続的に与える。例えば、調節されたレベルの物質配合物を有するタンクを使用することができる。その全容が参照として本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/608,304号、第10/880,701号及び第10/984,510号中に開示されたコーティング機構などの、他のコーティング機構。
【0076】
本発明中で使用する物質配合物は、典型的には生物又は薬理活性物質の溶液又は懸濁液、最も典型的には水溶液又は懸濁液である。物質配合物は、小さな角質層貫通型構成要素を適切な厚さに効率良くコーティングするために、25℃の温度及び100sec−1のせん断歪み率で測定したときに、好ましくは約5〜500センチポイズ(cP)の範囲、及びより好ましくは約20〜50cPの範囲の粘度を有する。物質配合物の複数回の塗布を利用するので、配合物はより均一な塗布を容易にするために比較的低い粘度を有し得る。
【0077】
マイクロプロジェクション上の固形コーティングの望ましい厚さは、単位領域当たりのマイクロプロジェクションの密度、並びにコーティング組成物の粘度及び濃度、並びに選択するコーティング法に依存する。一般に、コーティング厚は50μm未満であることが好ましい、何故なら厚いコーティングは、角質層貫通時にマイクロプロジェクションから剥離する傾向があるからである。好ましいコーティング厚は、マイクロプロジェクション表面から測定して10μm未満である。一般にコーティング厚は、コーティングマイクロプロジェクション上で測定した平均コーティング厚を指す。より好ましいコーティング厚は、約0.1〜10μmの範囲である。
【0078】
物質含有コーティングの溶解及び放出の動態は、物質の性質、コーティングプロセス、コーティング厚及びコーティング組成(例えば、コーティング配合添加剤の存在)を含めた、多くの要因に依存するはずである。放出動態の概略に応じて、長時間(例えば、約8時間まで)皮膚への貫通に関してコーティングマイクロプロジェクションを保つことが必要となる可能性がある。これは接着剤を使用して皮膚にマイクロプロジェクション部材を結合させること、又はその全容が参照として本明細書に組み込まれるWO97/48440中に記載された結合型マイクロプロジェクションなどを使用することによって実施することができる。
【0079】
本発明の装置及び方法は、約1mg以下、好ましくは約0.25mg以下の用量を必要とする高い有効性のコーティング物質と共に個々の有用性を有する。この範囲内の量を、10cmまでの面積及びシート1cm当たり500マイクロプロジェクションまでのマイクロプロジェクション密度を有するシート14を有する、図1中に示すタイプのマイクロプロジェクションアレイにコーティングすることができる。
【0080】
本発明の一実施形態では、コーティングは、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、成長ホルモン放出因子(GHRF)、インシュリン、インシュリノトロピン、カルシトニン、オクトレオチド、エンドルフィン、TRN、NT−36(化学名:N−[[(s)−4−オキソ−2−アゼチジニル]カルボニル]−L−ヒスチジル−L−プロリンアミド)、リプレシン、下垂体ホルモン(例えばHGH、HMG、酢酸デスモプレシンなど)、卵胞刺激ホルモン、aANF、成長因子、例えば成長因子放出因子(GFRF)、bMSH、GH、ソマトスタチン、ブラジキニン、ソマトトロピン、血小板由来成長因子放出因子、アスパラギナーゼ、硫酸ベロマイシン、キモパパイン、コレシストキニン、絨毛性ゴナドトロピン、エリスロポイエチン、エポプレステノール(血小板凝集阻害剤)、グルカゴン、HCG、ヒルログ、ヒアルウロニダーゼ、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターロイキン、インターロイキン−10(IL−10)、エリスロポイエチン(EPO)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)など、グルカゴン、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、LHRH類似体(ゴセレリン、リュープロリド、ブセレリン、トリプトレリン、ゴナドレリン、及びナプファレリン、メノトロピン(ウロフォリトロピン(FSH)及びLH)など)、オキシトシン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノゲンアクチベータ、ウロキナーゼ、バソプレシン、脱アミノ[Va14、D−Arg8]アルギニンバソプレシン、デスモプレシン、コルチコトロピン(ACTH)、ACTH(1−24)などのACTH類似体、ANP、ANPクリアランス阻害剤、アンギオテンシンIIアンタゴニスト、抗利尿ホルモンアゴニスト、ブラジキンアンタゴニスト、セレダーゼ、CSI’s、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)、エンケファリン、FAB断片、IgEペプチド抑制剤、IGF−1、神経栄養因子、コロニー刺激因子、副甲状腺ホルモン及びアゴニスト、副甲状腺ホルモンアンタゴニスト、副甲状腺ホルモン(PTH)、PTH(1−34)などのPTH類似体、プロスタグランジンアンタゴニスト、ペンチゲチド、タンパク質C、タンパク質S、レニン阻害剤、チモシンα−1、血栓溶解剤、TNF、バソプレシンアンタゴニスト類似体、α−1抗トリプシン(組換え体)、及びTGF−βを含む群から選択される生物活性物質を有する配合物を含む。
【0081】
本発明の他の実施形態では、生物活性物質は、ウイルス及び細菌、タンパク質系ワクチン、多糖系ワクチン、及び核酸系ワクチンだけには限られないが、これらを含めた少なくとも1つの免疫活性物質を有する配合物を含む。
【0082】
本発明中で使用することができる適切な抗原物質には、非制限的にタンパク質、多糖複合体、オリゴ糖、及びリポタンパク質の形の抗原がある。これらのサブユニットワクチンには、百日咳菌(組換えPTワクチン、無細胞性)、破傷風菌(精製、組換え体)、コリネバクテリウム属ジフテリア菌(精製、組換え体)、サイトメガロウイルス(糖タンパク質サブユニット)、A群連鎖球菌(糖タンパク質サブユニット、破傷風トキソイドとの複合糖質A群多糖、毒素サブユニット担体と結合したMタンパク質/ペプチド、Mタンパク質、多価型特異的エピトープ、システインプロテアーゼ、C5aペプチダーゼ)、B型肝炎ウイルス(組換え体PreS1、Pre−S2、S、組換えコアタンパク質)、C型肝炎ウイルス(組換え体−発現表面タンパク質及びエピトープ)、ヒトパピローマウイルス(カプシドタンパク質、TA−GN組換えタンパク質L2及びE7[HPV−6由来]、HPV−11由来のMEDI−501組換え体VLPL1、四価組換え体BLPL1[HPV−6由来]、HPV−11、HPV−16、及びHPV−18、LAMP−E7[HPV−16由来])、レジオネラニューモフィラ(精製した細菌表面タンパク質)、髄膜炎菌(破傷風トキソイドとの複合糖質)、緑膿菌(合成ペプチド)、風疹ウイルス(合成ペプチド)、肺炎連鎖球菌(B型髄膜炎菌OMPと結合した複合糖質[1、4、5、6B、9N、14、18C、19V、23F]、CRM197と結合した複合糖質[4、6B、9V、14、18C、19F、23F]、CRM1970と結合した複合糖質[1、4、5、6B、9V、14、18C、19F、23F])、トレポネーマパリダム(表面リポタンパク質)、帯状疱疹ウイルス(サブユニット、糖タンパク質)、及びビブリオコレラ(リポ多糖と結合)がある。
【0083】
完全ウイルス又は細菌には、非制限的に弱毒又は死菌ウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)など、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、風疹ウイルス、及び帯状疱疹、弱毒又は死菌、百日咳菌、破傷風菌、コリネバクテリウム属ジフテリア菌、A群連鎖球菌、レジオネラニューモフィラ、髄膜炎菌、緑膿菌、肺炎連鎖球菌、トレポネーマパリダム、及びビブリオコレラ、及びこれらの混合物などがある。
【0084】
インフルエンザワクチン、ライム病ワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、水疱瘡ワクチン、疱瘡ワクチン、肝炎ワクチン、百日咳ワクチン、及びジフテリアワクチンを非制限的に含めた抗原物質を含む幾つかの市販のワクチンはさらに、本発明と共に有用性を有する。
【0085】
本発明の方法によって送達することができる核酸を含む免疫活性物質には、非制限的に一本鎖及び二本鎖核酸、例えばスーパーコイルドプラスミドDNAなどのDNA;線状プラスミドDNA;コスミド;細菌人工染色体(BAC);酵母菌人工染色体(YAC);哺乳動物人工染色体;及びRNA分子、例えばmRNAなどがある。核酸の大きさは数千キロベースまでであってよい。さらに、本発明の幾つかの実施形態では、核酸はタンパク質物質と結合させることができ、或いは1つ又は複数の化学修飾、例えばホスホロチオエート部分などを含むことができる。核酸のコード配列は、それに対する免疫応答が望ましい抗原の配列を含む。さらに、DNAの場合は、プロモーター及びポリアデニル化配列もワクチン構築体中に取り込まれる。コードすることができる抗原には、感染疾患、病原体の全抗原要素、及び癌抗原がある。したがって核酸には、例えば感染疾患、癌、アレルギー、自己免疫、及び炎症疾患の分野において用途が見出される。
【0086】
抗原性物質と共にワクチンを含むことができる適切な免疫応答増強アジュバントには、リン酸アルミニウムゲル;水酸化アルミニウム;藻類グルカン:β−グルカン;コレラ毒素Bサブユニット;CRL1005:x=8及びy=205の平均値を有するABAブロックポリマー;γイヌリン:直鎖状(非分岐)β−D(2−>1)ポリフルクトフラノキシル−α−D−グルコース;Gerbuアジュバント:N−アセチルグルコースアミン−(β1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−グルタミン(GMDP)、ジメチルジオクタデシル塩化アンモニウム(DDA)、亜鉛L−プロリン塩複合体(Zn−Pro−8);イミキモド(1−(2−メチルプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン;ImmTher(商標):N−アセチルグルコアミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−L−Ala−グリセロールジパルミテート;MTP−PEリポソーム:C5910819PNa−3HO(MTP);ムラメチド:Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH;プレウラン:β−グルカン;QS−21;S−28463:4−アミノ−a,a−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール;スクラボペプチド:VQGEESNDK・HCl(IL−1β163−171ペプチド);及びスレオニル−MDP(Termurtide(商標)):N−アセチルムラミル−L−スレオニル−D−イソグルタミン、及びインターロイキン18、IL−2IL−12、IL−15がある。アジュバントには、DNAオリゴヌクレオチド、例えばCpG含有オリゴヌクレオチドなどもある。さらに、IL−18、IL−2IL−12、IL−15、IL−4、IL−10などの免疫調節リンホカイン、γインターフェロン、及びNFkappaB調節シグナルタンパク質をコードする核酸配列を使用することができる。示した免疫活性物質は、遊離塩基、酸、帯電又は非帯電分子、分子複合体の要素又は薬剤として許容される塩などの様々な形であってもよい。さらに、身体のpH、酵素などで容易に加水分解される物質(エーテル、エステル、アミドなど)の単純誘導体を使用することができる。
【0087】
他の適切な抗原物質には、タンパク質、多糖複合体、オリゴ糖、リポタンパク質、サブユニットワクチン、百日咳菌(組換えPTワクチン、無細胞性)、破傷風菌(精製、組換え体)、コリネバクテリウム属ジフテリア菌(精製、組換え体)、サイトメガロウイルス(糖タンパク質サブユニット)、A群連鎖球菌(糖タンパク質サブユニット、破傷風トキソイドとの複合糖質A群多糖、毒素サブユニット担体と結合したMタンパク質/ペプチド、Mタンパク質、多価型特異的エピトープ、システインプロテアーゼ、C5aペプチダーゼ)、B型肝炎ウイルス(組換え体PreS1、Pre−S2、S、組換えコアタンパク質)、C型肝炎ウイルス(組換え体−発現表面タンパク質及びエピトープ)、ヒトパピローマウイルス(カプシドタンパク質、TA−GN組換えタンパク質L2及びE7[HPV−6由来]、HPV−11由来のMEDI−501組換え体VLPL1、四価組換え体BLPL1[HPV−6由来]、HPV−11、HPV−16、及びHPV−18、LAMP−E7[HPV−16由来])、レジオネラニューモフィラ(精製した細菌表面タンパク質)、髄膜炎菌(破傷風トキソイドとの複合糖質)、緑膿菌(合成ペプチド)、風疹ウイルス(合成ペプチド)、肺炎連鎖球菌(B型髄膜炎菌OMPと結合した複合糖質[1、4、5、6B、9N、14、18C、19V、23F]、CRM197と結合した複合糖質[4、6B、9V、14、18C、19F、23F]、CRM1970と結合した複合糖質[1、4、5、6B、9V、14、18C、19F、23F])、トレポネーマパリダム(表面リポタンパク質)、帯状疱疹ウイルス(サブユニット、糖タンパク質)、ビブリオコレラ(リポ多糖と結合)、完全ウイルス、細菌、弱毒又は死菌ウイルス、サイトメガロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、風疹ウイルス、帯状疱疹、弱毒又は死菌、百日咳菌、破傷風菌、コリネバクテリウム属ジフテリア菌、A群連鎖球菌、レジオネラニューモフィラ、髄膜炎菌、緑膿菌、肺炎連鎖球菌、トレポネーマパリダム、ビブリオコレラ、インフルエンザワクチン、ライム病ワクチン、狂犬病ワクチン、麻疹ワクチン、おたふくかぜワクチン、水疱瘡ワクチン、疱瘡ワクチン、肝炎ワクチン、百日咳ワクチン、ジフテリアワクチン、核酸、一本鎖及び二本鎖核酸、スーパーコイルドプラスミドDNA、線状プラスミドDNA、コスミド、細菌人工染色体(BAC)、酵母菌人工染色体(YAC)、哺乳動物人工染色体、及びRNA分子の形の抗原がある。
【0088】
いずれの場合も、コーティング後、様々な手段によってマイクロプロジェクション上で物質配合物を乾燥させる。一実施形態では、コーティングしたデバイスを周囲室温条件で乾燥させる。他の実施形態では、物質配合物を複数回の塗布でマイクロプロジェクションに移行させた後に、オーブンを使用して最終的な乾燥を与えることができる。様々な温度及び湿度レベルを使用して、マイクロプロジェクション上でコーティング溶液を乾燥させることができる。さらに、デバイスを加熱、凍結乾燥することができ、凍結乾燥又は類似の技法を使用してコーティングから水分を除去することができる。
【0089】
他の知られている配合物アジュバントを、アジュバントがコーティング溶液の必要な溶解度及び粘度特性並びに乾燥コーティングの物理的完全性に悪影響を与えない限り、コーティング溶液に加えることができる。
【0090】
本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、当業者は本発明に対する様々な変形及び変更形態を作製して、様々な使用及び条件にそれを適合されることができる。このように、これらの変形及び変更形態は、正確に、公平に、以下の特許請求の範囲の均等物の全範囲内に存在すると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明による、マイクロプロジェクションアレイの一例の一部分の斜視図である。
【図2】マイクロプロジェクション上に配置されたコーティングを有する、図1のマイクロプロジェクションアレイの斜視図である。
【図3A】本発明による、物質配合物を複数回の塗布で複数のマイクロプロジェクション部材に移行させるためのシステムの図である。このシステムの一実施形態の概略図である。
【図3B】本発明による、物質配合物を複数回の塗布で複数のマイクロプロジェクション部材に移行させるためのシステムの図である。このシステムの他の実施形態の概略図である。
【図3C】本発明による、物質配合物を複数回の塗布で複数のマイクロプロジェクション部材に移行させるためのシステムの図である。図3B中のシステムの一部分の側断面図である。
【図4】本発明による、マイクロプロジェクション部材を有するコンベヤストリップのスパイラルラップを収容するための、本発明のプロダクトドラムの斜視図である。
【図5】図4中に示したプロダクトドラムの側断面図である。
【図6】本発明による、マイクロプロジェクション部材を物質配合物のリザーバを過ぎて運搬するプロダクトドラムの相互作用を示す側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の角質層貫通型マイクロプロジェクションを有するマイクロプロジェクション部材に生物活性物質配合物を塗布するためのデバイスであって、該マイクロプロジェクション部材がその上に載置された可撓性コンベヤストリップ、該コンベヤストリップが周辺にスパイラルラップされたプロダクトドラム、及び該コンベヤストリップが該プロダクトドラム周辺を移動するとき、該プロダクトドラムと協働して該生物活性物質を少なくとも1回の塗布で該マイクロプロジェクションに移行するように適合された、該生物活性物質配合物のリザーバを含む、上記デバイス。
【請求項2】
前記生物活性物質を少なくとも2回の塗布で前記マイクロプロジェクションに移行させる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記プロダクトドラムが前記可撓性コンベヤストリップと共に回転する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記プロダクトドラムが固定されている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記プロダクトドラムが、前記コンベヤストリップをスパイラルラップ状に強いるように構成されたスパイラルフライトをさらに含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記プロダクトドラムが前記スパイラルフライト間の前記プロダクトドラムの表面上に複数の空気穴をさらに含み、前記空気穴が圧縮空気を送気して前記コンベヤストリップと前記プロダクトドラムの間の摩擦を低下させるように構成された、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記リザーバが物質配合物保持表面を含み、前記マイクロプロジェクションが該保持表面上の前記物質配合物中に所定のレベルで浸されながら前記マイクロプロジェクション部材が運搬されるように、前記プロダクトドラムが該保持表面に対して位置している、請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記物質配合物保持表面が、前記生物活性物質配合物の膜を収容するように適合された、回転可能な円柱形状のコーティングドラムの外表面を含む、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記コーティングドラムが前記生物活性物質配合物の容器中に部分的に浸されている、請求項7に記載のデバイス。
【請求項10】
前記コーティングドラムが、前記プロダクトドラム上の所望の位置で前記コンベヤストリップの各ラップと相互作用するのに充分な表面積を有する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
複数の角質層貫通型マイクロプロジェクションを有するマイクロプロジェクション部材に生物活性物質配合物を塗布するためのシステムであって、
該マイクロプロジェクション部材がその上に載置された可撓性コンベヤストリップ、
該コンベヤストリップが周辺にスパイラルラップされたプロダクトドラム、及び
該コンベヤストリップが該プロダクトドラム周辺を移動するとき、該プロダクトドラムと協働して該生物活性物質を少なくとも1回の塗布で該マイクロプロジェクションに移行するように適合された、該生物活性物質配合物のリザーバを含み、
該コンベヤストリップがその上に載置された複数の該マイクロプロジェクション部材を有する、上記システム。
【請求項12】
前記生物活性物質を少なくとも2回の塗布で前記マイクロプロジェクションに移行させる、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記マイクロプロジェクションへの前記生物活性物質配合物の移行後に、前記マイクロプロジェクション部材を有する前記コンベヤストリップを収容するように適合された乾燥チャンバをさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記マイクロプロジェクション部材に積層するための接着裏材の供給源をさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記コンベヤストリップから個々のマイクロプロジェクション部材を切断するためのカッターをさらに含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
リテーナリング上に前記個々のマイクロプロジェクション部材を載置するためのプランジャをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
複数の角質層貫通型マイクロプロジェクションを有するマイクロプロジェクション部材に生物活性物質配合物を塗布するための方法であって、
該マイクロプロジェクション部材がその上に載置された可撓性コンベヤストリップを提供するステップ、
該コンベヤストリップをプロダクトドラム周辺にスパイラルラップするステップ、及び
該マイクロプロジェクション部材を該生物活性物質配合物のリザーバを過ぎて運搬して、該コンベヤストリップが該プロダクトドラム周辺を移動するとき、該生物活性物質を少なくとも1回の塗布で該マイクロプロジェクションに移行させるステップ、
を含む、上記方法。
【請求項18】
前記生物活性物質を少なくとも2回の塗布で前記マイクロプロジェクションに移行させる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記プロダクトドラムが、前記コンベヤストリップをスパイラルラップ状に強いるように構成されたスパイラルフライトをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記プロダクトドラムが前記スパイラルフライト間の前記プロダクトドラムの表面上に複数の空気穴をさらに含み、前記空気穴を通して圧縮空気を送達して前記コンベヤストリップと前記プロダクトドラムの間の摩擦を低下させるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記リザーバが、前記プロダクトドラムに対して位置する生物活性物質配合物保持表面をさらに含み、それにより、前記マイクロプロジェクションが該保持表面上の前記物質配合物中に所定のレベルで浸されながら、前記マイクロプロジェクション部材が前記リザーバを過ぎて運搬される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記生物活性物質配合物保持表面が円柱形状のコーティングドラムを含み、前記生物活性物質配合物の膜を前記保持表面に塗布するステップ、及び前記コーティングドラムを回転させるステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記生物活性物質配合物の膜を前記保持表面に塗布する前記ステップが、前記コーティングドラムを前記生物活性物質配合物の容器中に部分的に浸しながら前記コーティングドラムを回転させることを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
複数の前記マイクロプロジェクション部材がその上に載置された前記コンベヤストリップを提供することによって、複数のマイクロプロジェクション部材に生物活性物質のコーティングを塗布するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
複数の角質層貫通型マイクロプロジェクションを有するマイクロプロジェクション部材に生物活性物質配合物を塗布するためのシステムであって、
接着層及び取り外し可能にその上に配置された実質的に連続する保護層を有する可撓性コンベヤストリップであって、該マイクロプロジェクション部材が該保護層と該接着層の間で該接着層と接着している、上記可撓性コンベヤストリップ、
該コンベヤストリップが周辺にスパイラルラップされたプロダクトドラム、及び
該保護層が該コンベヤストリップから取り外された後、且つ該コンベヤストリップが該プロダクトドラム周辺を移動するとき、該プロダクトドラムと協働して該生物活性物質を少なくとも1回の塗布で該マイクロプロジェクションに移行するように適合された、該生物活性物質配合物のリザーバ、
を含む、上記システム。
【請求項26】
前記コンベヤストリップがその上に載置された複数の前記マイクロプロジェクション部材を有する、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記生物活性物質を少なくとも2回の塗布で前記マイクロプロジェクションに移行させる、請求項25に記載のシステム。
【請求項28】
前記マイクロプロジェクションへの前記生物活性物質配合物の移行後に、前記マイクロプロジェクション部材を有する前記コンベヤストリップを収容するように適合された乾燥チャンバをさらに含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項29】
前記コンベヤストリップから個々のマイクロプロジェクション部材を切断するためのカッターをさらに含む、請求項26に記載のシステム。
【請求項30】
複数の角質層貫通型マイクロプロジェクションを有するマイクロプロジェクション部材に生物活性物質配合物を塗布するための方法であって、
接着層及び取り外し可能にその上に配置された実質的に連続する保護層を有する可撓性コンベヤストリップであって、該マイクロプロジェクション部材が該保護層と該接着層の間で該接着層上に配置している、上記可撓性コンベヤストリップを提供するステップ、
該コンベヤストリップから該保護層を取り外すステップ、
該コンベヤストリップをプロダクトドラム周辺にスパイラルラップするステップ、及び
該マイクロプロジェクション部材を該生物活性物質配合物のリザーバを過ぎて運搬して、該コンベヤストリップが該プロダクトドラム周辺を移動するとき、該生物活性物質を少なくとも1回の塗布で該マイクロプロジェクションに移行させるステップ、
を含む、上記方法。
【請求項31】
前記生物活性物質を少なくとも2回の塗布で前記マイクロプロジェクションに移行させる、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記プロダクトドラムが、前記コンベヤストリップをスパイラルラップ状に強いるように構成されたスパイラルフライトをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記プロダクトドラムが前記スパイラルフライト間の前記プロダクトドラムの表面上に複数の空気穴をさらに含み、該空気穴を通して圧縮空気を送達して前記コンベヤストリップと前記プロダクトドラムの間の摩擦を低下させるステップをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記リザーバが、前記プロダクトドラムに対して位置する生物活性物質配合物保持表面をさらに含み、それにより、前記マイクロプロジェクションが該保持表面上の前記物質配合物中に所定のレベルで浸されながら、前記マイクロプロジェクション部材が前記リザーバを過ぎて運搬される、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
前記生物活性物質配合物保持表面が円柱形状のコーティングドラムを含み、前記生物活性物質配合物の膜を前記保持表面に塗布するステップ、及び前記コーティングドラムを回転させるステップをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記生物活性物質配合物の膜を前記保持表面に塗布する前記ステップが、前記コーティングドラムを前記生物活性物質配合物の容器中に部分的に浸しながら前記コーティングドラムを回転させることを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
複数の前記マイクロプロジェクション部材がその上に載置された前記コンベヤストリップを提供することによって、複数のマイクロプロジェクション部材に生物活性物質のコーティングを塗布するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図3C】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−546483(P2008−546483A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518330(P2008−518330)
【出願日】平成18年6月20日(2006.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2006/024036
【国際公開番号】WO2007/002123
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(506353677)アルザ コーポレイション (23)
【Fターム(参考)】