説明

マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン

【課題】専用のインク付け、位置合せおよびスタンプ機器を必要としない、正確に位置合せされたマルチレベル・マイクロ・コンタクト・プリンティングの方法を提供すること。
【解決手段】微細機械加工された部品から、ダイ・サイズのマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンが構築され、このエンジンは、精密位置合せ機構を、弾性サスペンション上に支持されたスタンパ・ブロックと連結している。このスタンパは盛り上がったパターンを有し、位置合せ機構は、エッチングされたインクウェル上および基板上の対応する機構と対合し、マイクロアクチュエータを使用してこのパターンが転写される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミクロンおよびサブミクロンパターンのコンタクト・プリンティング(contact printing)に関し、詳細にはインクの転写によって形成されたパターンに関する。詳細には本発明は、このようなコンタクト・プリンティングを提供するように構成されたMEMSデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ・コンタクト・プリンティング(microcontact printing)(特許文献1、4月30日(1996)公開)は、サブミクロンスケールのパターニングの多くの新たな可能性を可能にした。出発点はスタンプ(stamp)であり、このスタンプは通常、フォトリソグラフィ以外の方法でパターニングされて、適切な解像度を達成する(非特許文献1、シャ他、1996)。スタンプの材料は、ポリジメチルシロキサン(PDMS、ヤング率≒1MPa)などの低界面自由エネルギーのエラストマーが多いが(非特許文献2、ベンダー他、2004)、パターンの転写を改善するために、PDMSは堅い裏当て(backing)上に付着させることができる(非特許文献3、オドム他、2002)。スタンプは次いでインクでコーティングされる。このインクの多くは、金属に特によく付着するチオール基(SH)を末端に有するアルカン(Cn2n+2)からなるアルカンチオールである。このスタンプを基板に接触させてインクを転写し、インクは、自己集合単層(self−assembled monolayer:SAM)を形成する(非特許文献4、シャ、チャイおよびホワイトサイズ、1996)。SAMは、基板または中間層にパターンを転写することを可能にする、ウェットまたはドライエッチングのレジストの働きをすることができる(非特許文献5、ウィデン他、1996)。適切なアルカンチオールにはヘキサデカンチオール、オクタデカンチオールおよびエイコサンチオールが含まれ、分子量の増大は蒸気圧を低減させるため、転写されたインクパターンの横方向の広がりは分子量の増大とともに低減される。全体の解像度は一般に≒100nmである。
【0003】
マイクロ・コンタクト・プリンティングは、多くの無機および有機材料をパターニングするために使用されている。マイクロパターニングされたタンパク質(例えばフィブロネクチン)層の付着を使用して、実験のため表面に生物細胞を固定する生化学への応用は特に重要である(非特許文献6、チェン他、1998)。このタンパク質は、適切に選択されたSAMの表面への接着によって付着される。生化学への他の応用には、センサアレイ中の個々のセンサ素子の官能基化(functionalisation)が含まれる。この操作では、異なる部位上に高感度化された(sentitised)異なる層を順番に付着させることが必要となることがあり、したがって位置合せを伴う複数のプリンティングステップが必要となることがある。このケースでは、伝達機構が共振系における共振の変化を含むならば、カンチレバー・アレイなどのもろい非平面基板上にプリントすることが必要となる可能性がある。あるいは、例えば高感度化されたデバイスが、熱脱離(thermal desorption)によって動作する質量分析計などの、他のタイプのセンサのためのプレ・コンセントレータ(pre−concentrator)の働きをする場合には、脆弱な膜上にプリントすることが必要となる可能性もある。
【0004】
マイクロ・コンタクト・プリンティングは非平面表面に対して適応してきており(非特許文献7、ジャックマン他、1995)、円筒形ローラスタンプが開発され(非特許文献8、シャ、チンおよびホワイトサイズ、1996)、接触式マスク・アライナ(contact mask aligner)を用いた大面積パターニングが示されてきた(非特許文献9、バーギン他、2000)。レプリカ成形(replica moulding)、マイクロ・トランスファ成形(micro transfer moulding)および溶媒支援マイクロ・コンタクト成形(solvent−assisted micorcontact moulding)を含む様々な関連技法も開発され、この技法全体は「ソフトリソグラフィ(soft lithography)」と呼ばれる(非特許文献10、シャおよびホワイトサイズ、1998)。
【0005】
マスク・アライナは一般に、パターンと基板の位置合せ(alignment)を目視するための光学顕微鏡と、それらの相対位置を調整するための多軸位置決めステージ(multi−axix positioning stage)とを含む。マイクロコンタクトプリンティングにはこのような機器が使用されるが、最終のプリンティング・ステップまで一切の接触なしに、スタンパ(stamper)にインクをつけ、次いで層と層の位置合せ(layer−to−layer alignment)を実施する必要があることが、多層パターニングを困難にする。また、非平面基板上にプリントすることは難しい。さらに、このような機器の所有費は一部の使用者、特に生化学者にとって関心事である。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5512131号明細書、クマール A.、ホワイトサイズ G.M.1993、「表面におけるマイクロスタンプされたパターンの形成および派生物品」、
【非特許文献1】シャ Y.N.、ティエン J.、チン D.、ホワイトサイズ G.M.、「マイクロコンタクトプリンティングで使用するエラストマー・スタンプの非フォトリソグラフィ製造法」、Langmuir 12、4033〜4038(1996
【非特許文献2】ベンダー M.、プラチェッカ U.、ラン J.、フックス A.、ブラトゾフ B.、クルツ H.、グリンスナー T.、リンドナー F.、「PDMS型(molds)を用いた高解像度リソグラフィ」、J.Vac.Sci.Tech.B 22、3229〜3232(2004)
【非特許文献3】オドム T.W.、ラブ J.C.、ウルフ D.B.、ポール K.E.、ホワイトサイズ G.M.、「ソフトリソグラフィにおける複合スタンプを使用した改良されたパターン転写」、Langmuir 18、5314〜5320(2002)
【非特許文献4】シャ Y.N.、チャイ X.M.、ホワイトサイズ G.M.、「パターン転写:超極薄レジストとしての自己集合単層」、Microelectr.Engng.32、255〜268(1996)
【非特許文献5】ウィデン T.K.、フェリー D.K.、コジッキー M.N.、キム E.、クマール A.、ウィルバー J.、ホワイトサイズ G.M.、「マイクロコンタクトプリンティングおよびRIEによるシリコンへのパターン転写」、Nanotechnology 7、447〜451(1996)
【非特許文献6】チェン C.S.、マクシック M.、ホワン S.、ホワイトサイズ G.M.、イングバー D.E.、「細胞の形状、位置および機能の制御のためのマイクロパターニングされた表面」、Biotechnology Progress 14、356〜363(1998)
【非特許文献7】ジャックマン R.J.、ウィルバー J.、ホワイトサイズ G.M.、「マイクロコンタクトプリンティングによる湾曲した基板上のサブミクロン機構の製造」、Science 269、664〜666(1995)
【非特許文献8】シャ Y.、チン D.、ホワイトサイズ G.M.、「円筒形ローリングスタンプを用いたマイクロコンタクトプリンティング:サブマイクロメートルサイズの機構を有するパターンの自動製造に向けての実際的な一ステップ」、Adv.Mater.8、1015〜1017(1996)
【非特許文献9】バーギン T.、チューン V.E.、マラカス G.、「コンタクト・アライナを使用した大面積サブマイクロメートルコンタクトプリンティング」、Langmuir 16、5371〜5375(2000)
【非特許文献10】シャ Y.N.、ホワイトサイズ G.M.、「ソフトリソグラフィ」、Angew.Chemie 37、551〜575(1998)
【非特許文献11】ビーン K.E.、「シリコンの異方性エッチング」、IEEE Trans. Electron Devices ED−25、1185〜1193(1978)
【非特許文献12】シュレーダー C.M.、「光ファイバケーブルコネクタ用の正確なシリコンスペーサチップ」、Bell.Syst.Tech.J.57、91〜97(1977)
【非特許文献13】クラーセン E.H.、ペーターゼン K.、ノワロルスキー J.M.、ローガン J.、マルフ N.I.、ブラウン J.、ストーメント C.、マカリー W.、コバックス T.A.、「シリコン融合接合および深掘り反応性イオンエッチング:微細構造のための新技術」、Sensors and Actuators A52、132〜139(1996)
【非特許文献14】フジタ H.、「マイクロアクチュエータおよびマイクロマシン」、Proc.IEEE 86、1721〜1732(1998)
【非特許文献15】ホームズ A.S.、シムズ R.R.A.、「遅延線信号処理のための自動整合導波ブレッドボード・システム」、Proc. 7th Int. Conf. on Fibre Optics and Optoelectronics、4月25〜27日、London、Pp3.4〜3.9(1989)
【非特許文献16】IEEE/ASME J.Microelectromech.Syst.13、365〜376(2004)
【非特許文献17】シムズ R.R.A.、テート T.J.、アフマド M.M.、テイラー S.、「微細加工四極子電界レンズの設計」、IEEEE Trans. on Electron Devices TED−45、2304〜2311(1998)
【非特許文献18】ハインズ A.M.、アシュラフ H.、バドワジ J.K.、ホプキンス J.、ジョンストン I.、シェパード J.N.、「ASE(商標)プロセスを使用したMEMSのためのシリコンエッチングの最近の進歩」、Sensors and Actuators 74、13〜17、(1999)
【非特許文献19】ローレンツ H.、デスポント M.、ファールニ N.、ラビアンカ N.、ルノー P.、ベッチンガー P.、「SU−8:MEMS用の低価格ネガ型フォトレジスト」、J.Micromech.Microeng.7、121〜124(1997)
【非特許文献20】クマール A.、ホワイトサイズ G.M.、「マイクロメートルからセンチメートルの寸法を有する金製機構(features of gold)は、エラストマー・スタンプとアルカンチオール・インクとを用いたスタンプと、それに続く化学エッチングとの組合せによって形成することができる」、Appl.Phys.Letts.63、2002〜2004(1993)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、インク付け(inking)およびプリンティング操作を実行する汎用的で低コストの方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、上記のマイクロ・コンタクト・プリンティングのこれらの課題および他の課題は、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS)技術を使用して、小型化されたマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンの中で、スタンパ自体の中での位置合せおよびプリンティングに必要な、重要な機械的特性を結合することによって解決される。
【0009】
したがって、本発明はMEMS技術を提供し、機械的位置合せ機構(alignment feature)および駆動装置(actuation mechanism)を、マイクロ・コンタクト・プリンティング用の小型エンジン中のパターニングされたスタンパと結合するために使用される。この位置合せ機構は、インクウェル(inkwell)およびダイ(die)自体双方の上に形成された追加の位置合せ機構と直接に対合(mate)し、もってインク付けおよびプリンティングが完全に自己整合となり、顕微鏡、精密位置決めステージまたは事前接触の必要性が排除されるようにする。単純な弾性サスペンションが移動を可能にし、マイクロアクチュエータが駆動を提供する。
【0010】
したがって本発明は、請求項1に記載のマイクロコンタクトプリンティングエンジンを提供する。有利な実施形態はその従属請求項に記載されている。本発明はさらに請求項23に記載の基板を提供し、有利な実施形態はその従属請求項に記載されている。本発明はさらに、基板上にパターンをプリントする請求項26に記載の方法、およびこの方法による製品を提供する。本発明はさらに、添付図面を参照して本明細書で実質的に説明されるデバイス、基板および方法を提供する。
【0011】
本発明のこれらの特徴および他の特徴は、後記する例示的な実施形態を参照することによってより理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1および2に、MEMS技術を使用して実現された本発明に基づくマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンの概念を示す。このような技術は、多くの場合シリコンまたはシリコン関連材料中に、3次元の可動微細構造を製造する様々な方法を使用することを当業者は理解するだろう。このような1つの方法が、結晶性シリコンの(111)面を異方性エッチングする(etching down)方法であり(非特許文献11、ビーン、1978)、この方法は、光ファイバを取り付けるための正確なV字形の溝を形成するのに使用された(非特許文献12、シュレーダー、1977)。融合ボンディング(fusion bonding)、深掘り反応性イオンエッチング(deep reactive ion etching)(非特許文献13、クラーセン、1996)などの他の方法は非常に高い能力を有し、結晶方位による制限なしに、多層中に堅固な高アスペクト比機構(high−aspect ratio features)を形成することを可能にする非常に高い能力を有する。広範囲のマイクロアクチュエータも開発された。通常、これらのマイクロアクチュエータは、弾性サスペンション(elastic susupension)を、空気圧、静電、電熱、電磁または圧電駆動機構と組み合わせる(非特許文献14、フジタ、1998)。MEMS構造を形成するこれらの方法および他の方法は、本発明の文脈の範囲内で等しく使用して、本発明に基づくマイクロ・コンタクト・エンジンを提供することができる。
【0013】
図1に、マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン100の断面図(図1のa))および平面図(図1のb))を示す。マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンは、可動ブロック101を含み、可動ブロック101は、プリント面102aを画定する盛り上がったパターンを有するプリントヘッド102を担持しており、面外(out−of−plane)方向の撓みを可能にする弾性サスペンションシステム103上に支持されている。この実施形態では、ブロックが、埋没酸化層105によってプリントヘッドから分離されている。該ブロックとプリントヘッドは、集合的にプリンティング・エンジンのスタンパ要素を提供する。適切な弾性サスペンションには、例えば膜(membrane)、フレキシブル・ビーム(flexible beam)要素およびトーション・バー(torsion bar)が含まれる。この例示的な実施形態には、数対のトーション・バー103からなるサスペンションが示されている。スタンパの周囲には、複数の機械的位置合せ機構(mechanical alignment feature)104が含まれ、該機構は、別の基板上の対応する機構と対合することができる。プリントエンジンの位置をそれと相互作用する基板の位置に正確に合わせるためには、少なくとも1つの位置合せ機構が必要であり、XおよびY平面にそれぞれ1つの少なくとも2つの位置合せ機構があることが望ましいことを理解されたい。位置合せ機構は、サスペンションシステムを使用してスタンパ要素に連結されており、この連結は、直接連結(図1のa)に示されている)または間接連結のいずれとすることもでき、該間接連結では介在構成要素がスタンパ要素、サスペンションシステムおよび位置合せ機構間に位置することを理解されたい。
【0014】
機械的な剛性を必要とする部品(例えばスタンパ・ブロックおよび周囲)は、比較的に厚い材料層として形成され、可撓性の部品(例えばサスペンション)はより薄い層として形成される。用語「厚い」および「より薄い」は確定した寸法ではなく、これらの用語が意図するところは、その厚さが剛性を提供するのに十分であり、またはその薄さがその部品を十分に曲げるのに十分であるということである。パターン自体は、シリコンまたはダイヤモンドが一般的な例である硬い材料、あるいはプリンティング中の共形接触(conformal contact)を可能にするエラストマーなどの軟かい材料の中に形成することができる。意図されるスタンパの応用に応じて、異なるスタンパが異なるパターンを担持することができ、いくつかのスタンパを使用して、複雑なパターンをオーバレイ(overlay)によって構築することができることを理解されたい。
【0015】
図2に、マイクロコンタクトプリンティングエンジンの操作を示す。追加の2つのタイプの基板が必要であり、これらはそれぞれ複数の追加の機械的位置合せ機構を備え、該機構は、スタンパエンジン上で位置合せ機構と対合する。第1の基板201は複数の個々のウェル(well)202を含み、それぞれのウェルは、それぞれの機構または直立壁(upstanding walls)203のセット間に画定される。多層パターニングを可能にするため、それぞれのウェルには異なるインクを充填することができる。このようにして、プリンティング・エンジン207を、第1のインクを含む第1のウェル202aに浸し、またはこれと接触させることができる。そのエンジンのプリント面をインクでコーティングし、次いでこれを使用して、第2の基板上の第1の領域208aをパターニングした後、第2のプリントエンジンを第2のウェル202bのインクでコーティングし、次いでこれを使用して、同じ領域またはその第2の基板上の異なる領域208bをパターニングすることができる。このようにして第2の基板上に多層プリントパターンを現像する(developed)ことができる。第2の基板204は少なくとも1つのプリントエリア205を含み、それぞれのプリントエリアは、その中にインクパターンを転写することができるそれぞれの機構206の各セット間に形成される。第2の基板のプリントエリアは、意図される応用に応じた任意のトポグラフィで提供することができる。例えば、ある応用では、第2の基板の盛り上がった表面へのインクの塗布を要求し、他の応用は窪んだ表面への塗布を要求する。
【0016】
スタンパにインクをつけるためには、マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンを第1の基板の適切なインクウェル202の上に単純に配置すればよく、もって、第1の基板上に提供された機械的位置合せ機構とプリンティング・エンジン上に提供された機械的位置合せ機構とが協働し、互いにかみ合うようにする。この時点で、スタンパ上のプリントパターンとインク表面との間に接触はなく、スタンパは第1の非動作位置にある。次いでスタンパ・ブロックを、インクの中へ下方へ撓ませて、スタンパをコーティングする。この第2の位置は、スタンパの動作位置である。スタンパの下方への撓みは、複数の異なる方法で達成することができ、その例については後述する。
【0017】
このパターンを転写するためには、コーティングされたスタンプを有するマイクロコンタクトプリンティングエンジンを、次いで、第2の基板の機械的位置合せ機構とプリントエンジンの機械的位置合せ機構とが互いにかみ合うように、第2の基板上の適切なダイ部位(die site)208の上に再配置される。この時点で、スタンパ・パターンとプリンティング部位の間に接触はなく、スタンパは第1の非動作位置にある。次いでスタンパ・ブロックを再び下方へ撓ませて、第2の動作位置に置く。ただしこの場合には、インクをプリントパターン上に付着させるのではなしに、プリントパターン上のインクを転写し、もって、第2の基板上にインクパターンを生み出す。
【0018】
マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン上の機械的機構は、インクウェルおよびダイ部位上の機械的機構とかみ合うので、このプロセスは完全に自己整合的(self−alignning)であり、高い精度でパターンを配置しオーバーレイすることが可能である。異なるインクウェルとプリンティング部位の間のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンの再配置は手動で、または自動化された装置を使用して実施することができる。マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンと対合することを可能にする位置合せ機構が組み込まれてさえいれば、プリンティング部位は非平面でもよく、カンチレバー・アレイなどの予め製造された可動構造を担持してもよい。第2の基板上のこの高度に画定されたパターンのプリンティングは、湿潤性(wettability)が制御され高度に画定された第2の基板上のエリアの現像を可能にする。この文脈では、湿潤性のエリアは、様々な応用において有用であり、例えば、特定の成分または生成物を感知するために特定の湿潤性の領域が提供されるセンサ(またはセンサアレイ)の提供などの様々な応用が挙げられる。
【0019】
ある範囲の異なる機械的位置合せ機構を使用して、位置可動性マウント(kinematic location mount)を提供することができることを当業者は理解されたい。適当な機構には、V字溝、U字溝、ピラミッド形の空洞、球形の空洞、ならびにこのような溝および空洞の中に挿入されてこれらを固定する球体および円柱体が含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。それぞれは異なる利点を提供する。例えば、図1は、スタンパ部品の中に形成されたU字形の位置合せ溝104を示し、この幾何形状は、サスペンションと位置合せ溝とを単一のステップで形成することを可能にする。
【0020】
図3および4に、機械的位置合せ機構の他の可能性を示す。例えば、図3は、V字形のレール302によって境界付けされたインクウェル301を示し、この幾何形状は、インク305を含むための閉じた側面を有するインクウェルを形成することを可能にしており都合がよい。このタイプの位置合せ機構は、位置合せの高い正確さが要求される必要とされ小型の自己整合光ファイバコネクタ(非特許文献15、ホームズおよびシムズ、1989)および電気コネクタ(非特許文献16、ラーソンおよびシムズ、2004)の構築に使用されているが、これまでプリンティング応用での使用は検討されなかった。
【0021】
スタンパにインクを付着させるのに使用することができる一連のステップを示す図3では、最初に、基板上に提供されたインクウェルにプリンティングエンジンを提示する(図3のa))。正確に提示した後、該エンジン上の位置合せ機構が、基板上のこれと協働する位置合せ機構と対合するように、該エンジンを下げる(図3のb))。正確な位置合せが達成された後、スタンパを下方へ撓ませてインクウェル301の中へ移動させ、スタンパの下面102aをインクでコーティングする。
【0022】
インクのコーティングが達成された後、所望の部位にインクを転写することが必要である。この転写を達成する1つの方法を、図4に示された一連のステップを使用して示す。図4では、基板400の中に提供されたV字形の位置合せ溝401によって画定されたダイ区域(die location)に、円筒形の断面を有する短い材料片402が載せられて、スタンパの位置合せ機構104との位置合わせをする。このタイプの位置合せ機構は、位置合せの高い正確さが要求される小型の自己整合四極子電界レンズの構築で使用されている(非特許文献17、シムズ他、1998)。基板が結晶性の場合、この方法は、インク付けプロセスの完了後に、切断によってダイ分割する都合のよい方法を可能にする。ピラミッド形の穴と球形の挿入物も同様の代替法を提供することを当業者は理解されたい。この一連のステップは以下の通りである。図4のa)では、基板400上の所望のプリント面またはパターン区域(pattern location)403に、インクが付けられたスタンパ100を提示する。パターン区域は、2つの次元の位置合せを提供する2つの位置合せ機構401間に画定されていることが望ましい。円筒断面要素402はそれぞれの溝401の中に位置する。これらの要素は、スタンパを提示するステップの前に単純に溝の中に別々に配置してもよく、または事前にスタンパと合体しておき、次いでこれら2つを単一のユニットとして第2の基板に提示してもよい。図4のb)には、上記の2つの選択肢のうちの前者が記載されており、その場合には、スタンパの位置合せ機構104を、すでに配置されている円筒形要素402と接触させ、この上に着座させる。着座させた後、スタンパを下方へ撓ませて、インクがつけられた表面102aがパターン区域403の表面と接触するようにする(図4のc))。パターニングが達成された後、一般にスタンパのプリント要素から基板へインクを転写することができる予め定義された十分な接触期間の後に、スタンパをパターン部位から遠ざけ、円筒形要素も除去する(図4のd)))。
【0023】
低コストの透明基板が必要なことの多い生物学的応用のために、ガラスのエッチングによって、またはプラスチック成形によるエッチングされたシリコンマスタ(silicon masters)の複製によって、適切に溝が切られまたは窪みが形成された基板を用意することができる。
【0024】
スタンパとインクウェルの基底(base)、またはスタンパとコピープレートとの間の初期の分離距離は、機械的位置合せシステムの幾何形状によって高い精度で決定される。プリンティングの実行を可能にするためには、スタンパのストローク(stroke)が少なくともこの分離距離に等しくなければならない。カンチレバー、膜などの機構を含むもろい基板の保護を可能にするために、スタンパの移動は、外部から、例えば光学手段によって監視し、または内部的に、例えば弾性サスペンションの中に構築された歪みセンサによって測定することができる。
【0025】
スタンパの駆動は、MEMSにおいてこれまでに示された任意の方法によって実行することができる。これらの方法には、手動、空気圧、静電、電磁および圧電駆動が含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
【0026】
例えば図5のa)は空気圧駆動を示しており、これは単純に連続膜サスペンション501とプレナム・チャンバ(plenum chamber)503を形成する裏打ち部品(backing part)502の追加とを必要とし、該プレナム・チャンバ内に入口504を通して空気を適度な圧力でポンプ注入することができる。空気圧駆動は自給式(self−contained)であるという利点を有し、任意の基板で使用することができる。しかし、比較的に幅の広い膜サスペンションの必要性が、パターニング可能な面積の低減につながる。
【0027】
同様に図5のbは静電駆動を示しており、この駆動では、導電性スタンパ・ブロックへの接点505および基板への導電層506を提供し、もってそれらの間に電圧507を印加できるようにすることを要求される。導電層は金属から形成し、または透明性が必要な場合にはインジウムスズ酸化物などの導電性酸化物から形成することができる。この場合、よりコンパクトな弾性サスペンション508を使用することができ、例えば図1のbに示すような複数のトーションバー103の対の形態を挙げることができる。ただしこれに限定されるわけではない。コンパクトなサスペンションの使用は、所与の全体的なダイのサイズおよびスタンパのストロークに対して、パターニング可能な面積の増大を可能にする。しかし、静電操作に必要な導電層は一部の応用とは互換性がない。
【0028】
適切な圧電材料(例えばジルコン酸チタン酸鉛、すなわちPZT)および電極が、弾性サスペンションに組み込まれる場合には、圧電駆動機構を使用して駆動することもできることを当業者は理解されたい。同様に、適切な磁気材料(例えばパーマロイ)がスタンパ・ブロックに組み込まれ、外部電気コイルが提供される場合には、磁気駆動機構を使用することもできる。
【0029】
本発明において記述されるマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンは様々な材料に形成することができることを当業者は理解されたい。一般的な微細機械加工プロセスと互換性ある材料には、単結晶シリコン、および単結晶シリコン層を含む多層ウェハが含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。適当な多層材料の一例は、接合シリコン・オン・インシュレータ(bonded silicon−on−insulator:BSOI)である。この材料は、酸化させたシリコンウェハからなり、該シリコンウェハ追加のシリコン層を接合させて、2つのシリコン層の間に酸化層がはさまれるようにしたものである。このシリコン層は、結晶面を異方性エッチングすることによって、および高密度誘導結合プラズマ中で実施される垂直に近いエッチング法である深掘り反応性イオンエッチング(DRIE)によって都合よく構造を形成することができる(非特許文献18、ハインズ他、1999)。中間の酸化層は便宜なエッチング停止層となる。
【0030】
さらに、様々な異なる製造ステップを使用し、これらを様々な異なる順序で組み合わせて、本発明において記述されるマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンを形成することができることを当業者は理解されたい。次に、本発明に基づくプリンティング・エンジンを形成するために利用することができる一連のステップを例示する製造プロセスの一例を示す。ただしこれは、本発明をこのようなステップに限定することを意図したものではない。
【0031】
図6に、DRIEによってBSOIウェハ中に部品を形成するプロセスを示す。最初に、リソグラフィによって基板601を厚いレジスト602でパターニングして、全体のスタンプ・レイアウトを画定し(ステップ1)、このパターンを、深掘り反応性イオンエッチングによって埋没酸化層603まで転写する(ステップ2)。次いでレジストを除去する。
【0032】
次いで基板を裏返し、例えば光または電子ビームリソグラフィを使用し、続いて反応性イオンエッチングを使用して、接合シリコン層604をパターニングして、軟らかい材料605の層のスタンプ・パターンを画定する(ステップ3および4)。トランスファ成形など、リソグラフィ以外の代替法を使用することもできる。適切な軟質材料には、PDMSおよびエポキシを主成分とするレジストであるSU−8(非特許文献19、ローレンツ、1997)が含まれる。ただしこれらに限定されるわけではない。
【0033】
次いで接合シリコン層を、第2の厚いレジスト層606でパターニングして、サスペンションおよび位置合せ溝を画定し(ステップ5)、次いでこのパターンをDRIEによって埋没酸化層まで転写する(ステップ6)。次いで残ったフォトレジストを、露出した酸化物の領域とともに除去し(ステップ7)、使用するためにスタンパ・ダイ(stamper dies)を分割する(ステップ8)。
【0034】
スタンパ・ブロックへの電気接点の提供には、当業者には自明な追加のパターニング、エッチングおよびメタライゼーションというプロセスステップが必要となる。スタンパ・ブロックの移動を監視するための歪みセンサの提供には、同じく当技術分野でよく知られているひずみ感応性抵抗器を提供するために、付着フィルムをパターニングしエッチングする追加のプロセスステップ、またはドーパントをパターニングし拡散させる追加のプロセスステップが必要となる。
【0035】
前述のとおり、本発明の教示に基づくプリント・エンジンの使用は、高密度プリントパターンを基板上に提供することを可能にする。使用するインクに応じて、このようなプリントパターンは、センサの開発を含む様々な応用に対して使用することができる。本発明の技法を使用して達成可能な位置合せは、非常に正確なプリンティングを可能にするので、センサ基板上に異なる感度の領域、または他の種に比べて1つの特定の種に適した領域を生み出すことが可能である。選択されるインクが導電性インクである場合には、基板上に微小回路を提供することが可能である。したがってこのようなプリント・アレイは、バイオセンサ、エレクトロニクスなどの多様な分野において異なる無数の応用を有することができることを理解されたい。
【0036】
本明細書に記載された発明は、MEMS技術を使用して形成されたプリンティング・エンジンおよびMEMSデバイスそのものであることを理解されたい。プリント・エンジンは、可撓性弾性取り付け機構(mounting arrangement)上に取付け可能なスタンパ・ブロックを含み、該取り付け機構は、基板と接触していない第1の位置から基板と接触した第2の位置まで、適切な駆動によって、スタンパを移動させることができる。スタンパ・ブロックの移動を制御して、第1に、ブロックが適切にインクに浸漬されこと、第2に、インクがつけられたブロックが基板に正確に提示され、そこでスタンパ・ブロックが特定のパターンをプリントするために使用されることを確実にすることができる。プリントエンジン内に1つまたは複数の位置合せ機構を組み込み、位置合せ機構に対して可動のスタンパを有することによって、その意図されたスタンプ区域(stamping location)に対してスタンパを自己整合させることが可能である。
【0037】
したがって、本発明は、専用のインク付け、位置合せおよびスタンプ機器(stamping equipment)を必要としない、正確に位置合せされたマルチレベル・マイクロコンタクトプリンティングの特定の方法を記述するが、この方法は、本発明の技法の例に過ぎないことを理解されたい。本発明の教示によれば、微細機械加工された部品から、ダイ・サイズ(die−sized)のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンが構築され、このエンジンは、精密位置合せ機構を、弾性サスペンション上に支持されたスタンパ・ブロックに連結している。このスタンパは盛り上がったパターンを有し、位置合せ機構は、エッチングされたインクウェル上および基板上の対応する機構と対合し、マイクロアクチュエータを使用してこのパターンが転写される。
【0038】
特定の実施形態を参照して本発明を説明してきたが、これらは例示的な実施形態に過ぎないこと、および本発明の趣旨または範囲から逸脱しないこれらの実施形態の変更が当業者には明白であることを理解されたい。1つまたは複数の完全体(integers)または構成要素が1つの特定の図に関して記述される場合、これらの完全体または構成要素を、他の完全体または構成要素で置き換えることができることを理解されたい。さらに、シリコン中での実現に関して本発明を説明したが、本発明のMEMS技法の応用は、特定の1つの材料に限定されるものではない。
【0039】
同様に、本明細書では使用されるとき、語「含む」は、明示された特性、完全体、ステップまたは構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特性、完全体、ステップ、構成要素またはこれらのグループの存在または追加を排除しない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】a)は本発明の教示に基づくマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンの断面図であり、b)は本発明の教示に基づくマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンの平面図である。
【図2】本発明の教示に基づくマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンを使用した、ステップ・アンド・スタンプ(step−and−stamp)インクパターニングの概略図である。
【図3】a)は本発明の教示に基づく自己整合インク付けプロセスの概略図であって、基板上に提供されたインクウェルへのプリンティング・エンジンの提示を示す図であり、b)は本発明の教示に基づく自己整合インク付けプロセスの概略図であって、基板上およびプリンティング・エンジン上に提供された協働可能な位置合せ機構の対合を示す図であり、c)は本発明の教示に基づく自己整合インク付けプロセスの概略図であって、ウェルの中に提供されたインクへのスタンパの浸漬を示す図である。
【図4】a)は本発明の教示に基づく自己整合スタンプ押しプロセスの概略図であって、インク付けされたスタンパの所望のプリント面への提示を示す図であり、b)は本発明の教示に基づく自己整合スタンプ押しプロセスの概略図であって、スタンパの位置合せ機構を第2の基板の位置合せ機構と接触させ、第2の基板の位置合せ機構上に着座させる方法を示す図であり、c)は本発明の教示に基づく自己整合スタンプ押しプロセスの概略図であって、インク付けされた表面がプリント面と接触するようにスタンパを下方へ撓ませる方法を示す図であり、d)は本発明の教示に基づく自己整合スタンプ押しプロセスの概略図であって、プリンティングが達成された後に、スタンパおよび位置合せ機構をパターン位置から遠ざける方法を示す図である。
【図5】a)は本発明の教示に基づく空気圧アクチュエータを使用したマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンの駆動を示す図であり、b)は本発明の教示に基づく静電マイクロアクチュエータを使用したマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンの駆動を示す図である。
【図6】接合されたシリコン・オン・インシュレータウェハからマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンを製作する本発明の教示に基づくプロセスの一例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの機械的位置合せ機構に、弾性サスペンションによって連結されたプリント面を含み、前記サスペンションは、前記少なくとも1つの位置合せ機構に対する、非動作位置から動作位置への前記プリント面の移動を可能にすることを特徴とするマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項2】
前記プリント面は、第1の平面上に提供された盛り上がったパターンによって画定されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ・コンタクト・エンジン。
【請求項3】
前記位置合せ機構は、第2の平面上に提供されていることを特徴とする請求項2に記載のマイクロ・コンタクト・エンジン。
【請求項4】
前記弾性サスペンションは、前記第1の面を前記第2の面に連結していることを特徴とする請求項3に記載のマイクロ・コンタクト・エンジン。
【請求項5】
前記プリント面は、第1の基板上に提供されたインクウェルから第2の基板上にインクを転写するために使用されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項6】
前記少なくとも1つの位置合せ機構は、前記第1の基板上の対応する機械的位置合せ機構と対合するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項7】
前記少なくとも1つの位置合せ機構は、前記第2の基板上の対応する機械的位置合せ機構と対合するように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項8】
前記プリント面は弾性材料の中に形成されていることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項9】
前記位置合せ機構は、以下のうちの1つからなることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
a.対合する溝とレール
b.対合する溝と円柱
c.対合する穴と球、または
d.これらの適当な組合せ。
【請求項10】
前記弾性サスペンションは、前記第1の平面が、該面に垂直な方向への移動を可能にすることを特徴とする請求項2に記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項11】
前記弾性サスペンションは、膜、一組のフレキシブル・ビーム、一組のトーション・バー、またはこれらの適当な組合せから形成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項12】
前記弾性サスペンションは歪みセンサを有していることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項13】
前記少なくとも1つの位置合せ機構に対する前記プリント面の移動は、手動によって、空気圧によって、静電気によって、電磁気によって、または圧電気によって、駆動されることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項14】
結晶材料から形成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項15】
前記結晶材料は、シリコンまたはシリコンを含む積層材料であることを特徴とする請求項14に記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項16】
前記プリント面はパターンを画定していることを特徴とする請求項1から15のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項17】
前記パターン、サスペンションおよび位置合せ機構は、光リソグラフィまたは電子ビームリソグラフィによって画定されたものであることを特徴とする請求項16に記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項18】
前記パターンは、トランスファ成形によって画定されたものであることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項19】
前記サスペンションおよび位置合せ機構は、エッチングプロセスによって形成されたものであることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項20】
前記サスペンションおよび位置合せ機構は、成形プロセスによって形成されたものであることを特徴とする請求項1から16のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項21】
前記プリント面は、前記少なくとも1つの機械的位置合せ機構に直接に連結されていることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項22】
前記プリント面は、前記少なくとも1つの機械的位置合せ機構に間接的に連結されていることを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載のマイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン。
【請求項23】
画定されたプリント面を有する基板であって、
該プリント面の上にプリントパターンをプリントすることができ、
さらに、該基板は、その中に画定された少なくとも1つの機械的位置合せ機構を有し、
前記少なくとも1つの位置合せ機構は、マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン上に提供された対応する位置合せ機構と協働するように構成されており、
前記基板と前記マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジン双方の、前記対応する少なくとも1つの位置合せ機構同士の前記協働は、前記プリント面に対する前記マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンの位置合せ、および続いて起こる前記プリント面への前記プリンティングパターンの正確なプリンティングを提供する、
ことを特徴とする基板。
【請求項24】
前記プリント面にプリントされたプリントパターンを有し、前記プリントパターンは少なくとも1つのセンサを画定していることを特徴とする請求項23に記載の基板。
【請求項25】
前記プリント面にプリントされたプリントパターンを有し、前記プリントパターンは、前記プリント面に導電性トラック(conductive tracks)を画定していることを特徴とする請求項23に記載の基板。
【請求項26】
基板上にプリントパターンをプリントする方法であって、以下のa.、b.、c.、d.およびe.のステップを含むことを特徴とする方法。
a.マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンとして構成されたMEMSデバイスを提供するステップであって、前記エンジンは、弾性サスペンションによって、少なくとも1つの機械的位置合せ機構に連結されたプリント面を含み、前記サスペンションは、前記少なくとも1つの位置合せ機構に対して、非動作位置から動作位置への前記プリント面の移動を可能にするステップ、
b.第1の基板を提供するステップであって、前記第1の基板は、その表面に提供されたインクウェルを有し、前記基板はさらに、その表面に画定された少なくとも1つの機械的位置合せ機構を有するものであるステップ、
c.第2の基板を提供するステップであって、前記第2の基板は、その表面に提供されたプリントエリアを有し、前記基板はさらに、その表面に画定された少なくとも1つの機械的位置合せ機構を有するものであるステップ、
d.前記マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンを前記第1の基板に提示し、前記マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンと前記基板のそれぞれの前記位置合せ機構を対合させ、その後に、前記プリント面をその非動作位置からその動作位置まで移動させることで、前記プリント面を前記インクウェルの中へ移動させて、前記プリント面のインク付けを達成するステップ、および
e.前記インク付けされたプリント面を有する前記マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンを前記第2の基板に提示し、前記マイクロ・コンタクト・プリンティング・エンジンと前記基板のそれぞれの前記位置合せ機構を対合させ、その後に、前記プリント面をその非動作位置からその動作位置まで移動させることで、前記プリント面を前記プリントエリア上に移動させて、前記プリントエリア上にプリントパターンを塗布するステップ。
【請求項27】
請求項26に記載の方法ステップを使用して、プリントされていることを特徴とする基板。
【請求項28】
添付図面を参照して本明細書に実質的に記述されていることを特徴とするMEMSデバイス。
【請求項29】
添付図面を参照して本明細書に実質的に記述されていることを特徴とする基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−326832(P2006−326832A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−148885(P2006−148885)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(505037981)マイクロサイク システムズ リミテッド (8)
【Fターム(参考)】