説明

マイクロ機械加工されたマイクロフォンおよびマルチセンサ、ならびにそれらを生産する方法

【課題】好適なマイクロフォンを提供すること。
【解決手段】マイクロフォンを形成する方法であって、該方法は、少なくとも1つのトレンチを基板にエッチングすることと、少なくとも1つのトレンチを少なくとも1つの犠牲材料で少なくとも部分的に充填することとによって、バックプレートを形成することと、液体エッチ除去可能層の少なくとも一部の上に可撓性のダイヤフラムを形成することと、フォトレジストの層を追加することであって、該フォトレジストの一部分は、該ダイヤフラムを支持するために、該ダイヤフラムと該バックプレートとの間にペダスタルを形成する、ことと、該フォトレジストを除去する前に、該少なくとも1つのトレンチを介して、該基板の裏側から、該液体エッチ除去可能材料を除去することと、該液体エッチ除去可能材料の少なくとも一部を除去した後、該ペダスタルを除去することとを包含する、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概してマイクロ機械加工されたデバイスに関し、より具体的には、マイクロ機械加工されたマイクロフォンおよび慣性センサに関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ機械加工されたマイクロフォンは、通常は、薄いダイヤフラム電極および該ダイヤフラム電極と並んで配置された固定感知電極を含む。ダイヤフラム電極および固定感知電極は、コンデンサのプレートのように機能する。マイクロフォンの動作の間、電荷が、ダイヤフラム電極および固定感知電極に置かれる。音波に反応してダイヤフラム電極が振動する際に、ダイヤフラム電極と固定感知電極との間の距離の変化は、音波に対応する静電容量の変化を生む。
【0003】
図1は、当該分野に公知のマイクロ機械加工されたマイクロフォンの一般的な構造を示す。とりわけ、マイクロ機械加工されたマイクロフォンは、ダイヤフラム102およびブリッジ104を含む。ダイヤフラム102およびブリッジ104は、容量性回路に対する電極として機能する。示されるように、ブリッジ104は、穿孔されることによって、音波がダイヤフラム102に到達することを可能にし得る。代替的または追加的に、音波は、他のチャネルを介してダイヤフラムに到達するようになされ得る。いずれの場合においても、音波は、ダイヤフラムを振動させ、該振動は、ダイヤフラム102とブリッジ104との間の静電容量の変化として感知され得る。マイクロ機械加工されたマイクロフォンは、通常は、ダイヤフラム102が自由に動くことを可能にするために、ダイヤフラム102の後ろに実質的な空洞106を含む。
【0004】
通常のマイクロ機械加工されたマイクロフォンにおいて、音波は、固定感知電極における穿孔を介してダイヤフラムに到達する。穿孔の大きさおよび深さは、音響再生の品質に影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、マイクロ機械加工されたマイクロフォンおよびマイクロ機械加工されたマルチセンサ(マイクロフォンおよび慣性センサの両方を単一のチップ上に含む)を含み、これらは、非常に小型で薄くあり得る。マイクロ機械加工されたデバイスに対する特定の市場、例えば携帯電話および携帯情報端末(PDA)は、小型で薄い構成部品に相当な価値を置いている。
【0006】
本発明の一局面に従って、少なくとも1つのシリコン層を有するウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを生成する方法が提供される。該方法は、第1のシリコン層の表側に少なくとも1つの酸化物層を形成することと、少なくとも1つの酸化物層にダイヤフラムを含む複数のポリシリコンのマイクロフォン構造を形成することと、第1のシリコン層を介して形成された複数のトレンチを介して、第1のシリコン層の裏側から複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある少なくとも1つの酸化物層の一部を除去することとを含む。複数のトレンチは、音波が、第1のシリコン層の裏側からダイヤフラムに到達することを可能にする。例示目的のために、この例示的な実施例における音パスは、裏側からダイヤフラムに到達するように記述される。しかし、表側の音パスは、同等であり、本明細書中に記述された全ての工程および設計のバリエーションの記述において援用される。
【0007】
本発明の特定の実施形態において、少なくとも1つの酸化物層は、第1のシリコン層の表側に単一の酸化物層を堆積させることによって、第1のシリコン層の表側に形成され得る。本発明の他の実施形態において、少なくとも1つの酸化物層は、第1のシリコン層を介して前記トレンチを形成することと、該第1のシリコン層の表側を覆い、該トレンチをライニングする少なくとも1つの酸化物層を堆積させることと、該第1の酸化物層に複数の犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造を形成することと、該第1の酸化物層および該犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造の上に第2の酸化物層を堆積させることと、該犠牲のポリシリコンマイクロフォン構造を除去することによって、第1のシリコン層の表側に形成され得る。本発明の特定の実施形態において、複数の犠牲のポリシリコン構造は、第1の酸化物層を覆いライニングされたトレンチを充填するポリシリコン層を堆積させることと、該ポリシリコン層をパターニングすることによって複数の犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造を形成することによって、第1の酸化物層に形成される。XeFが、ポリシリコンの犠牲エッチング材料および本記述に渡るエッチング工程の例示的な実施例として用いられる。しかし、他のシリコン腐食液およびエッチング工程が用いられ得、本明細書中に記述された全ての工程および設計のバリエーションの記述に援用される。
【0008】
複数のポリシリコン構造の下にある少なくとも1つの酸化物層の部分を除去する前に、追加の酸化物層が、該少なくとも1つの酸化物層および該複数のポリシリコン構造の上に形成され得、該追加の酸化物層は、パターニングされることによって、ポリシリコン構造の一部および第1のシリコン層の一部を露出し得、金属電極が、ポリシリコン構造の露出された部分および第1のシリコン層の露出された部分に形成され得る。少なくとも1つの金属ボンドパッドもまた、同時に形成され得る。不活性化層(通常は窒化物層によって覆われる酸化物層を含む)は、金属電極の上に形成され得る。不活性化層は、パターニングされることによってダイやフラムの縁の少なくとも一部を露出し得、ペデスタルが、例えばダイヤフラムの縁の露出した部分の上に第1のフォトレジスト層を堆積させることと、フォトレジスト材料をパターニングすることによってダイヤフラムの縁の部分を再び露出させることと、ダイヤフラムの縁の部分の下の酸化物の部分を除去することと、ダイヤフラムの縁の下でペデスタルを形成する第2のフォトレジスト層を堆積させることによって、ダイヤフラムの縁の下に形成され得る。同様に、フォトレジストは、ダイヤフラムにおける穴の上にパターニングされることによって、酸化物の一部分が、ダイヤフラムの下で除去されることを可能にする。複数のこれらの位置におけるフォトレジストの第2の層は、ダイヤフラムの下に直接的に複数のペデスタルを形成する。複数のポリシリコン構造の下にある少なくとも1つの酸化物層の部分の除去の間、ペデスタルは、ダイヤフラムを支持する。複数のポリシリコン構造の下にある少なくとも1つの酸化物層の部分の除去の後に、ペデスタルは除去される。留意すべきは、ダイヤフラムの下へのペデスタルの形成、犠牲材料の除去およびペデスタルの除去のために記述された技術は、「Method for Fabricating Microstructures」と題する米国特許第5,314,572号に記述された技術と同様または関連することがあり得、その全体は本明細書中に参照により援用される。
【0009】
本発明の特定の実施形態において、マイクロフォンおよび慣性センサを含むマルチセンサが、同一のウェハ上に形成され得る。ポリシリコンのマイクロフォン構造の形成の間に複数のポリシリコンの慣性センサ構造を形成し、複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある少なくとも1つの酸化物層の部分の除去の間に、第1のシリコン層を介する少なくとも1つのトレンチを介して、第1のシリコン層の裏側から複数のポリシリコンの慣性センサ構造の下にある少なくとも1つの酸化物層の一部分を除去することによって、慣性センサは部分的に形成される。マイクロフォンと同様に、複数の犠牲のポリシリコン慣性センサ構造は、複数の犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造の形成の間に第1の酸化物層上に形成され得、第2の酸化物層は、犠牲のポリシリコンの慣性センサ構造の上に堆積され得、犠牲のポリシリコンの慣性センサ構造は、除去され得る。ポリシリコン層は、好適には、犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造の形成の間に複数の犠牲のポリシリコンの慣性センサ構造を形成するためにパターニングされる。
【0010】
本発明の特定の実施形態において、ウェハは、SOIウェハであり、該SOIウェハは、第2のシリコン層と、第1のシリコン層と該第2のシリコン層との間の中間酸化物層とをさらに含む。この場合において、第1のシリコン層の裏側から複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある少なくとも1つの酸化物層の部分を除去することは、裏側の空洞を形成するために第2のシリコン層および中間酸化物層の下にある部分を除去することと、裏側の空洞を介して複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある少なくとも1つの酸化物層の部分を除去することとを含み得る。マルチセンサの場合において、裏側の空洞は、マイクロフォンおよび慣性センサの両方のために形成され得、マイクロフォンおよび慣性センサ構造の下にある酸化物の部分は、裏側の空洞を介して除去される。ガラス層は、第2のシリコン層の裏側に形成されることによって、慣性センサの裏側の空洞を覆い、密封し得るが、マイクロフォンの裏側の空洞は覆わない。
【0011】
本発明の別の局面に従って、装置が提供され、該装置は、少なくとも第1のシリコン層を有するウェハを含み、第1のシリコン層を介して形成された複数のトレンチと、第1のシリコン層の表側の上に形成された、ダイヤフラムを含む複数のポリシリコンのマイクロフォン構造とを含む。第1のシリコン層の表側に少なくとも1つの酸化物層を堆積させ、少なくとも1つの酸化物層上にポリシリコンのマイクロフォン構造を形成し、複数のトレンチを介して第1のシリコン層の裏側から、複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある少なくとも1つの酸化物層の一部分を実質的に除去することによって、複数のポリシリコンのマイクロフォン構造は形成される。複数のトレンチは、音波が、第1のシリコン層の裏側からダイヤフラムに到達することを可能にする。
【0012】
本発明の特定の実施形態において、装置はまた、第1のシリコンウェハの表側の上に形成された複数のポリシリコンの慣性センサ構造を含み得、該複数のポリシリコンのマイクロフォン構造および複数のポリシリコンの慣性センサ構造は、実質的に同時に、実質的に同一の工程を用いて形成される。
【0013】
本発明の特定の実施形態において、ウェハは、SOIウェハであり、該SOIウェハは、第2のシリコン層と、第1のシリコン層と該第2のシリコン層との間の中間酸化物層とを含み、この場合において、第2のシリコン層の下にある部分および中間酸化物層は、トレンチを露出させる裏側の空洞を形成するために除去される。トレンチは、裏側の空洞を介する第1のシリコン層を介して形成され得る。
【0014】
本発明の別の局面に従って、同一のウェハ上に形成されたマイクロ機械加工されたマイクロフォンおよびマイクロ機械加工された慣性センサを含む装置が提供される。マイクロフォンおよび慣性センサは、ウェハの上面シリコン層の表側の上に形成されたポリシリコン構造を含む。上面シリコン層は、複数のトレンチを含み、該トレンチは、製造の間に上面シリコン層の裏側からポリシリコン構造の下にある酸化物の除去を可能にし、また、音波が、裏側からマイクロフォンダイヤフラムに到達することを可能にする。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
少なくとも第1のシリコン層を有するウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを製造する方法であって、該方法は、
該第1のシリコン層の表側に少なくとも1つの酸化物層を形成することと、
少なくとも1つの該酸化物層に、ダイヤフラムを含む複数のポリシリコンマイクロフォン構造を形成することと、
該第1のシリコン層を介して形成された複数のトレンチを介して、該第1のシリコン層の裏側から、複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある少なくとも1つの酸化物層のうちの一部分を除去することと
を包含する、方法。
(項目2)
前記第1のシリコン層の前記表側に少なくとも1つの酸化物層を形成することは、
該第1のシリコン層を介して前記トレンチを形成することと、
該第1のシリコン層の表側を覆い、該トレンチをライニングする少なくとも1つの酸化物層を堆積させることと、
該第1の酸化物層に複数の犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造を形成することと、
該第1の酸化物層および該犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造の上に第2の酸化物層を堆積させることと、
該犠牲のポリシリコンマイクロフォン構造を除去することと
を包含する、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記第1の酸化物層に前記複数の犠牲のポリシリコン構造を形成することは、
該第1の酸化物層を覆い前記ライニングされたトレンチを充填するポリシリコン層を堆積させることと、
該ポリシリコン層をパターニングすることによって複数の犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造を形成することと
を包含する、項目2に記載の方法。
(項目4)
前記複数のポリシリコン構造の下にある前記少なくとも1つの酸化物層の前記一部分を除去する前に、
該少なくとも1つの酸化物層および前記複数のポリシリコン構造の上に追加の酸化物層を形成することと、
該追加の酸化物層をパターニングすることによってポリシリコン構造の一部および前記第1のシリコン層の一部を露出させることと、
該ポリシリコン構造の該露出した部分および該第1のシリコン層の該露出した部分に金属電極を形成することと
を包含する、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記複数のポリシリコン構造の下にある前記少なくとも1つの酸化物層の前記一部分を除去する前に、
前記ウェハをパターニングさせることによって、前記ダイヤフラムの少なくとも一部分を露出させることと、
該ダイヤフラムの該露出した一部分の上に、該ダイヤフラムの少なくとも1つの穴の上から第1のフォトレジスト層を堆積させることと、
前記フォトレジスト材料をパターニングさせることによって、該ダイヤフラムの該一部分を再び露出させることと、
該ダイヤフラムにおける該少なくとも1つの穴の下の酸化物の一部分を除去することと、
該ダイヤフラムにおける該少なくとも1つの穴の下にペデスタルを形成する第2のフォトレジスト層を堆積させることであって、該ペデスタルは、該複数のポリシリコン構造の下にある該少なくとも1つの酸化物層の該一部分の除去の間に、該ダイヤフラムを支持することと、
該複数のポリシリコン構造の下にある該少なくとも1つの酸化物層の該一部分を除去した後に、該ペデスタルを除去することと
を包含する、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記ポリシリコンのマイクロフォン構造の形成の間に、複数の慣性センサ構造を形成することをさらに包含する、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記複数の犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造の形成の間に、前記第1の酸化物層上に複数の犠牲のポリシリコンの慣性センサ構造を形成することと、
該犠牲のポリシリコンの慣性センサ構造の上に前記第2の酸化物層を堆積させることと、
該犠牲のポリシリコンの慣性センサ構造を除去することと
をさらに包含する、項目2に記載の方法。
(項目8)
前記犠牲のポリシリコンのマイクロフォン構造の形成の間に、前記ポリシリコン層をパターニングさせることによって前記複数の犠牲のポリシリコンの慣性センサ構造を形成することをさらに包含する、項目3に記載の方法。
(項目9)
前記ウェハは、第2のシリコン層と、前記第1のシリコン層および該第2のシリコン層の間の中間酸化物層とをさらに含み、
該第1のシリコン層の前記裏側から前記複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある前記少なくとも1つの酸化物層の前記一部分を除去することは、
該第2のシリコン層および該中間酸化物層の下にある部分を除去することによって裏側の空洞を形成することと、
該裏側の空洞を介して該複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある該少なくとも1つの酸化物層の該一部分を除去することと
を包含する、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記ウェハは、第2のシリコン層と、前記第1のシリコン層および該第2のシリコン層の間の中間酸化物層とをさらに含み、
該第1のシリコン層の前記裏側から前記複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある前記少なくとも1つの酸化物層の前記一部分を除去することは、
該第2のシリコン層および該少なくとも1つの中間酸化物層の下にある部分を除去することによって前記マイクロフォンおよび前記慣性センサのための裏側の空洞を形成することと、
該裏側の空洞を介して該マイクロフォン構造および該慣性センサの構造の下にある少なくとも1つの中間材料の部分を除去することと
を包含する、項目6に記載の方法。
(項目11)
前記第2のシリコン層の裏側にガラス層を形成することであって、該ガラス層は、前記慣性センサを覆い、密封しているが、前記マイクロフォンの前記裏側の空洞は覆っていない、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記複数のトレンチは、音波が、前記第1のシリコン層の前記裏側から前記ダイヤフラムに到達することを可能にする、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記第1のシリコン層は、SOIウェハのデバイス層である、項目1に記載の方法。
(項目14)
少なくとも第1のシリコン層を有するウェハであって、該ウェハは、該第1のシリコン層を介して形成された複数のトレンチを含む、ウェハと、
複数のポリシリコンのマイクロフォン構造であって、ダイヤフラムを含み、該第1のシリコン層の表側の上に形成され、該複数のポリシリコンのマイクロフォン構造は、該第1のシリコン層の該表側上に少なくとも1つの酸化物層を堆積させることによって形成され、該少なくとも1つの酸化物層上に該ポリシリコンのマイクロフォン構造を形成し、該複数のトレンチを介して該第1のシリコン層の裏側から該複数のポリシリコンのマイクロフォン構造の下にある該少なくとも1つの酸化物層の一部分を実質的に除去する、複数のポリシリコンのマイクロフォン構造と
を備え、該複数のトレンチの設計は、該マイクロフォンの音響パフォーマンスに影響を及ぼす、装置。
(項目15)
第1のシリコンウェハの表側の上に形成された複数のポリシリコンの慣性センサ構造をさらに備え、
前記複数のポリシリコンのマイクロフォン構造および該複数のポリシリコンの慣性センサ構造は、実質的に同一の工程を用いて、実質的に同時に形成される、項目14に記載の装置。
(項目16)
前記ウェハは、第2のシリコン層と、前記第1のシリコン層および該第2のシリコン層の間の中間酸化物層とをさらに含み、
該第2のシリコン層と該中間酸化物層との下にある部分は、前記トレンチを露出させる裏側の空洞を形成するように除去される、項目14に記載の装置。
(項目17)
前記トレンチは、前記裏側の空洞を介する前記第1のシリコン層を介して形成される、項目16に記載の装置。
(項目18)
前記複数のトレンチは、音波が、前記第1のシリコン層の前記裏側から前記ダイヤフラムに到達することを可能にする、項目14に記載の装置。
(項目19)
前記ダイヤフラムは、パターニングされたばね上で支持されている、項目14に記載の装置。
(項目20)
同一のダイ上にマイクロ機械加工されたマイクロフォンおよびマイクロ機械加工された慣性センサを備えている、装置。
(項目21)
前記マイクロフォンおよび前記慣性センサは、前記ダイの上面シリコン層の表側の上に形成されたポリシリコン構造を含み、該上面シリコン層は、製造の間に該上面シリコン層の裏側から前記ポリシリコン構造の下にある酸化物の除去を可能にする複数のトレンチを含む、項目20に記載の装置。
(項目22)
前記マイクロ機械加工された慣性センサは、密閉式に密封されている、項目20に記載の装置。
(項目23)
前記ダイは、空洞と少なくとも1つのポートとを有するパッケージにおいて組み立てられる、項目20に記載の装置。
(項目24)
前記ポートは、フィルタによって広げられている、項目23に記載の装置。
(項目25)
前記フィルタは、機械的な支持部によって強化される、項目24に記載の装置。
(項目26)
少なくとも第1のシリコン層を有し、マイクロ機械加工されたマイクロフォンを備えている装置であって、
該第1のシリコン層を介して形成された複数のトレンチと、
複数のポリシリコンのマイクロフォン構造と
を有し、
該複数のポリシリコンのマイクロフォン構造は、ダイヤフラムを含み、該第1のシリコン層の表側の上に形成され、
空洞と少なくとも1つのポートとを有するパッケージにおいて組み立てられる、装置。
(項目27)
複数の表面において前記少なくとも1つのポートをさらに備えている、項目26に記載の装置。
(項目28)
底部の表面においてポートを有するパッケージをさらに備えている、項目26に記載の装置。
(項目29)
前記ポートに音パスを提供する前記底面の表面において、複数の通路を有するパッケージをさらに備えている、項目26に記載の装置。
(項目30)
少なくとも第1のシリコン層を有し、マイクロ機械加工されたマイクロフォンを備えている装置であって、
該第1のシリコン層を介して形成された複数のトレンチと、
複数のポリシリコンのマイクロフォン構造と
を有し、
該複数のポリシリコンのマイクロフォン構造は、ダイヤフラムを含み、該第1のシリコン層の表側の上に形成され、
SOIウェハ上に製造される、装置。
(項目31)
シリコンウェハ上に製造されたマイクロ機械加工されたマイクロフォンを備え、
該ウェハが単独になる前に薄くされる、装置。
(項目32)
SOIウェハの使用をさらに含む、項目31に記載の装置。
(項目33)
同一のパッケージの中に慣性センサをさらに備えている、項目31に記載の装置。
(項目34)
同一のダイ上に慣性センサをさらに備えている、項目31に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明または出願ファイルは、色付きで仕上げられた少なくとも1つの図面を含む。色付きの図面を含むこの特許または特許出願の公開の複写は、申し込みおよび必要な費用の支払いの完了とともに、特許庁によって提供される。
【0016】
本発明の先述部分および利点は、添付の図面に関する本発明の以下のさらなる記述から、より完全に認識される。
【0017】
特に示されない限り、図面は、同縮尺では描かれていない。
【図1】図1は、当該分野に公知のマイクロ機械加工されたマイクロフォンの一般的な構造を示す。
【図2A】図2Aは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2B】図2Bは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2C】図2Cは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2D】図2Dは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2E】図2Eは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2F】図2Fは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2G】図2Gは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2H】図2Hは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2I】図2Iは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2J】図2Jは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2K】図2Kは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2L】図2Lは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2M】図2Mは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図2N】図2Nは、本発明の実施形態に従って、SOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程を説明する。
【図3】図3は、本発明の実施形態に従って、マイクロ機械加工されたマイクロフォンまたはマルチセンサをICウェハと結合させるデバイスに対する、例示的な構成を示す。
【図4】図4は、本発明の実施形態に従った、第1の例示的な二軸(X−Y)加速度計の概括的なレイアウトを示す。
【図5】図5は、本発明の実施形態に従った、第2の例示的な二軸(X−Y)加速度計の概括的なレイアウトを示す。
【図6】図6は、本発明の実施形態に従った、例示的なZ軸加速度計の概括的なレイアウトを示す。
【図7A】図7Aは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7B】図7Bは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7C】図7Cは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7D】図7Dは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7E】図7Eは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7F】図7Fは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7G】図7Gは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7H】図7Hは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7I】図7Iは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7J】図7Jは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7K】図7Kは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7L】図7Lは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7M】図7Mは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図7N】図7Nは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8A】図8Aは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8B】図8Bは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8C】図8Cは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8D】図8Dは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8E】図8Eは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8F】図8Fは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8G】図8Gは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8H】図8Hは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8I】図8Iは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8J】図8Jは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8K】図8Kは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8L】図8Lは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図8M】図8Mは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、SOIウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9A】図9Aは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9B】図9Bは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9C】図9Cは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9D】図9Dは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9E】図9Eは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9F】図9Fは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9G】図9Gは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9H】図9Hは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9I】図9Iは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9J】図9Jは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9K】図9Kは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9L】図9Lは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9M】図9Mは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9N】図9Nは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【図9O】図9Oは、本発明の実施形態に従った、結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を、標準的なシリコンウェハから形成する例示的な工程を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態において、マイクロ機械加工されたマイクロフォンは、シリコンウェハまたはシリコンオンインシュレーター(SOI)ウェハから形成される。当該分野に公知なように、SOIウェハは、通常は、デバイス層と呼ばれる上面シリコン層、中間絶縁体(酸化物)層、および通常は上面シリコン層よりもはるかに厚い(約650ミクロン)底面シリコン層を含む。本発明において、シリコンウェハまたはSOIウェハのいずれかで形成された上面層は、本発明の一部の実施形態において約10ミクロンの厚さであり得、他の実施形態において、さらに厚く、約50ミクロンの厚さであり得る。本発明の実施形態において、固定感知電極(本明細書中において「バックプレート」とも呼ばれる)は、ウェハの上面シリコン層から形成され、ダイヤフラムは、上面シリコン層より上に吊るされるように形成される。穿孔が、固定感知電極において形成されることによって、音波が、ウェハの底面側からダイヤフラムに到達することを可能にする。上面シリコン層の裏側にある酸化物層は、SOIウェハの固有酸化物層またはシリコンウェハ上に堆積した酸化物層であり得、エッチ停止層として用いられることによって、固定感知電極の機械加工を制御する。本発明の特定の実施形態において、慣性センサ、例えばマイクロ機械加工された加速度計またはジャイロスコープは、マイクロフォンとして同一のウェハ上に形成される。簡素化のために、そのような配列は、下文において「マルチセンサ」と参照され得、それは、該センサが、単一のチップ上に複数のマイクロ機械加工されたセンサ要素を含むからである。マイクロフォンのダイヤフラムは、外気に触れるように開いているが、慣性センサは、密閉式に密封されるように提供される。
【0019】
本発明の実施形態に従ってSOIウェハからマイクロ機械加工されたマイクロフォンを形成する第1の例示的な工程は、図2A〜図2Nを参照して記述される。
【0020】
図2Aにおいて、トレンチは、ブランクのSOIウェハの上面シリコン層202を介して中間酸化物層204にエッチングされ、随意的に底面シリコン層206までエッチングされる。トレンチには、次いで酸化物材料208でライニングされる。次いで、ポリシリコン材料210が、ライニングされたトレンチをふさぎ、上面シリコンを覆うように堆積される。
【0021】
図2Bにおいて、ポリシリコン材料は、パターニングおよびエッチングされることによって、後に除去される様々な犠牲構造212を形成する。
【0022】
図2Cにおいて、追加の酸化物材料214が堆積される。以下に記述される将来的な酸化物ペデスタル216の位置が、ハイライトされる。
【0023】
図2Dにおいて、マイクロフォンのダイヤフラム218およびサスペンションばね220を含む特徴が、堆積され、ポリシリコン材料からパターニングされる。ダイヤフラムは、本発明の必要条件ではないが、通常は円形である。ダイヤフラムは、隙間がないものであり得、または穿孔され得る。ダイヤフラムと周囲のポリシリコンとの間のギャップは、好適には非常に小さく、その結果として、音波は、実質的にダイヤフラムの片側のみに作用する。
【0024】
図2Eにおいて、酸化物222は、堆積され、穴224は、エッチングされる。穴は、以下に記述されるように、ダイヤフラムおよびバックプレートへの電気的接続を作る電極のために用いられる。
【0025】
図2Fにおいて、ダイヤフラムに電気的な電荷を配置する電極226、バックプレートに電気的な電荷を配置する電極228、および複数のボンドパッド230を形成するために、金属が堆積され、パターニングされる。ボンドパッド230と電極226および228との間には、電気的な接続(不図示)があり得る。
【0026】
図2Gにおいて、不活性化層232が堆積される。不活性化層は、通常は窒化物層によって覆われる酸化物層を含み、集積回路に用いられる標準的な不活性化層である。不活性化層232は、234においてエッチングされることによって、ボンドパッド230を露出する。
【0027】
図2Hにおいて、不活性化層232は、エッチングされることによって、ダイヤフラム218を露出させる。
【0028】
図2Iにおいて、フォトレジスト材料236が、堆積され、次いで将来的なペデスタル区域238を露出させるためにパターニングされる。将来的なペデスタル区域における酸化物は、次いでエッチングによって除去される。
【0029】
図2Jにおいて、残留するフォトレジスト材料が除去され、底面シリコン層206は、随意的に、エッチング、グライディングおよび研磨を含むいくつかの方法のいずれかによって、約650ミクロンから約350ミクロンに薄くされる。
【0030】
図2Kにおいて、フォトレジスト材料240は、ウェハの表側に堆積されることによって、フォトレジストペデスタル242を形成する。フォトレジスト材料244も、ウェハの裏側に堆積され、裏側の空洞246の輪郭を描くためにパターニングされる。裏側の空洞246は、底面シリコン層206の一部分を中間酸化物層204までエッチングすることによって形成される。例示的な実施形態において、パッケージング後の裏側の空洞246は、約1立方ミリメートルの体積である。
【0031】
図2Lにおいて、空洞246内の中間酸化物層の一部分は、犠牲ポリシリコン構造を露出させるために除去される。
【0032】
図2Mにおいて、好適には、裏側の空洞246を介してポリシリコンをXeFガスまたは別の適切なシリコン腐食液に露出させることによって、犠牲ポリシリコン構造は除去される。留意すべきは、XeFガスは、一般的に望まれないことであるが、露出された底面シリコン層の一部を除去し得ることである。
【0033】
図2Nにおいて、ダイヤフラム218の後ろの酸化物は、好適には適当な液体の中に置くことによって除去される。次いで、表側のフォトレジスト材料240(ペデスタルを含む)は、好適にはドライエッチング(液体ではないもの)において除去される。これは、本質的にはダイヤフラムおよび関連した構造を解放する。留意すべきは、ペデスタルは、解放の間に壊れやすいマイクロフォン構造を支持するために用いられ、全ての実施形態においては要求され得ず、特に酸化物の除去に液体の代わりに蒸気HFが用いられる場合に要求され得ないことである。
【0034】
本発明の特定の実施形態において、マイクロ機械加工されたマイクロフォンおよび慣性センサ(例えば、ジャイロスコープまたは加速度計)は、同一のウェハ上に形成され、単一のチップに一体化され得る。マイクロフォンは、一般的には音波がマイクロフォンのダイヤフラムに到達することを可能にするために外気に触れるように開いているが、慣性センサは、ウェハ上で密閉式に密封され得る。
【0035】
図4は、本発明の実施形態に従った、第1の例示的な二軸(X−Y)加速度計の概括的なレイアウトを示す。加速度計は、フレーム402および質量404を含み、該質量は、多数のサスペンションばね406によってフレームから吊り下げられている。質量は、多数の固定感知フィンガと交互嵌合する多くのフィンガ構造を含む。この実施例において、X軸におけるフレーム402に対する質量404の動きを感知するための2組の固定感知フィンガ408および410があり、かつY軸におけるフレーム402に対する質量404の動きを感知するための2組の固定感知フィンガ412および414がある。図4に示される実施例において、固定感知フィンガは、中心からずれており(すなわち、隣接する質量フィンガよりも1つの質量フィンガにより近い)、微分キャパシタンス計測を可能にする。
【0036】
図5は、本発明の実施形態に従った、第2の例示的な二軸(X−Y)加速度計の概括的なレイアウトを示す。加速度計は、フレーム502および質量504を含み、該質量は、多数のサスペンションばね506によってフレームから吊り下げられている。この実施例において、X軸におけるフレーム502に対する質量504の動きを感知するための2組の電極508および510があり、かつY軸におけるフレーム502に対する質量504の動きを感知するための2組の電極512および514がある。
【0037】
図6は、本発明の実施形態に従った、例示的なZ軸加速度計の概括的なレイアウトを示す。加速度計は、フレーム602および質量604を含み、該質量は、多数のサスペンションばね606によってフレームから吊り下げられている。この実施例において、質量604は、z軸の加速の下で、ばね606の周囲を旋回または「上下動」するように設計されることによって、フレーム/質量の平面の外への質量の変位がある。電極(不図示)は、質量604のその様な平面から外れた動きを検出するように配置される。
【0038】
結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計をSOIウェハから形成する例示的な工程は、図7A〜図7Nを参照して記述される。各ステップにおいてマイクロフォンの領域と加速度計の領域との両方を示すために、マイクロフォンの領域は、加速度計の領域の上に示されるが、両領域は、実質的にはウェハ上で互いに並んでいることを認識されたい。留意すべきは、本工程は、図2A〜図2Nを参照した上述の工程の変形であり、これらの工程は、マイクロ機械加工されたマイクロフォンのみ、またはその点に関しては、加速度計のみを生成するために用いられ得る。
【0039】
図7Aにおいて、トレンチは、マイクロフォン領域および加速度計領域の両方においてSOIウェハの上面シリコン層を介してエッチングされる。トレンチの下の中間酸化物層の部分は除去される。
【0040】
図7Bにおいて、熱酸化物材料が、発達する。これは、トレンチと中間酸化物層における空洞とをライニングし、ウェハの表面も覆う。
【0041】
図7Cにおいて、ポリシリコン材料が、パターニングされ、後に除去される様々な犠牲構造を形成するためにエッチングされる。
【0042】
図7Dにおいて、追加の酸化物材料が、堆積される。以下に記述される将来的な酸化物ペデスタルの位置が、ハイライトされる。
【0043】
図7Eにおいて、マイクロフォンダイヤフラム、マイクロフォンサスペンションばね、および加速度計電極を含む特徴が、ポリシリコン材料から堆積され、パターニングされる。ダイヤフラムは、本発明の必要条件ではないが、通常は円形である。ダイヤフラムは、隙間がないものであり得、または穿孔され得る。ダイヤフラムと周囲のポリシリコンとの間のギャップは、好適には非常に小さく、その結果として、音波は、実質的にダイヤフラムの片側のみに作用する。
【0044】
図7Fにおいて、酸化物が堆積され、穴がエッチングされる。穴は、マイクロフォンダイヤフラムおよびバックプレートへの電極ならびに加速度計電極および中間酸化物層への電極のために用いられ、以下に記述される。
【0045】
図7Gにおいて、マイクロフォンダイヤフラムおよびバックプレートに電荷を配置するため、ならびに加速度計電極および中間酸化物層に電極を配置するためのボンドパッドおよび電極を形成するために、金属が堆積され、パターニングされる。ボンドパッドと1つ以上の電極との間に、電気的な接続(不図示)があり得る。
【0046】
図7Hにおいて、フォトレジスト材料が、堆積およびパターニングされる。トレンチは、次いで犠牲ポリシリコンを露出させるためにエッチングされる。犠牲ポリシリコンが、除去され、フォトレジスト材料が、除去される。
【0047】
図7Iにおいて、不活性化層が、堆積される。不活性化層は、通常は窒化物層によって覆われた酸化物層を含み、これは、集積回路網に対して用いられる標準的な不活性化層である。不活性化層は、ボンドパッドおよびマイクロフォンダイヤフラムを露出させるためにエッチングされる。
【0048】
図7Jにおいて、フォトレジスト材料は、マイクロフォン領域の周りに堆積され、次いで将来的なペデスタル区域を露出させるためにパターニングされる。将来的なペデスタル区域における酸化物は、次いでエッチングによって除去される。
【0049】
図7Kにおいて、残留するフォトレジスト材料は除去され、底面シリコン層は、随意的にエッチング、グライディングおよび研磨を含むいくつかの方法のいずれかによって、約650ミクロンから約350ミクロンに薄くされる。
【0050】
図7Lにおいて、フォトレジスト材料は、ウェハの表側に堆積されることによって、フォトレジストペデスタルを形成する。フォトレジスト材料はまた、ウェハの裏面側に堆積され、マイクロフォンのための裏側の空洞の輪郭を描くためにパターニングされる。裏側の空洞は、底面シリコン層の一部分を中間酸化物層までエッチングすることによって形成される。
【0051】
図7Mにおいて、空洞内の中間酸化物層の一部分は、トレンチをライニングしマイクロフォン構造の下にある酸化物を露出させるために除去される。ダイヤフラムの後ろの酸化物は、次いで好適には水性HF浴などの適当な腐食液に入れることによって、除去される。
【0052】
図7Nにおいて、表側のフォトレジスト材料(ペデスタルを含む)は、好適には(液体ではない)ドライエッチにおいて除去される。これは、本質的にダイヤフラムおよび関連する構造を解放する。留意すべきは、ペデスタルは、解放の間に壊れやすいマイクロフォン構造を支持するために用いられ、全ての実施形態においては要求され得ず、特に酸化物の除去に液体の代わりに蒸気HFが用いられる場合に要求され得ないことである。
【0053】
結合したマイクロフォンおよび二軸加速度計をSOIウェハから形成する例示的な工程は、図8A〜図8Nを参照して記述される。各ステップにおいてマイクロフォンの領域と加速度計の領域との両方を示すために、マイクロフォンの領域は、加速度計の領域の上に示されるが、両領域は、実質的にはウェハ上で互いに並んでいることを認識されたい。留意すべきは、本工程は、図7A〜図7Nを参照した上述の工程の変形であり、これらの工程は、マイクロ機械加工されたマイクロフォンのみ、またはその点に関しては、加速度計のみを生成するために用いられ得る。
【0054】
図8Aにおいて、SOIウェハの上面シリコン層を介してエッチングされたトレンチは、窒化物でライニングされ、ポリシリコンを充填される。
【0055】
図8Bにおいて、酸化物材料の層を堆積させ、アンカー位置をエッチングし、窒化物を堆積させることによって、キャップアンカーが加速度計領域に形成される。
【0056】
図8Cにおいて、ポリシリコン材料が、様々なマイクロフォン構造、例えばダイヤフラムおよび加速度計のためのキャップを形成するために、パターニングおよびエッチングされる。
【0057】
図8Dにおいて、酸化物が堆積され、穴がエッチングされる。穴は、マイクロフォンダイヤフラムおよびバックプレートへの電極ならびに加速度計キャップおよび上面シリコン層への電極のために用いられ、以下に記述される。
【0058】
図8Eにおいて、マイクロフォンダイヤフラムおよびバックプレートに電荷を配置するため、ならびに加速度計キャップおよび上面シリコン層に電極を配置するためのボンドパッドおよび電極を形成するために、金属が堆積され、パターニングされる。ボンドパッドと1つ以上の電極との間に、電気的な接続(不図示)があり得る。
【0059】
図8Fにおいて、不活性化層が、堆積される。不活性化層は、通常は窒化物層によって覆われた酸化物層を含み、これは、集積回路に対して用いられる標準的な不活性化層である。不活性化層は、ボンドパッドを露出させるためにエッチングされる。
【0060】
図8Gにおいて、マイクロフォン構造の上の不活性化層の一部分は除去され、ポリシリコン構造の上および部分的に下にある酸化物は、レジストペデスタル区域を形成するために除去される。
【0061】
図8Hにおいて、底面シリコン層は、随意的に、エッチング、グライディングおよび研磨を含むいくつかの方法のいずれかによって、約650ミクロンから約350ミクロンに薄められ、酸化物の層が堆積される。
【0062】
図8Iにおいて、フォトレジスト材料は、ウェハの表側に堆積され、ウェハの裏面側の酸化物は、パターニングされる。
【0063】
図8Jにおいて、フォトレジスト材料は、ウェハの裏側に堆積およびパターニングされ、トレンチは、ウェハの底面シリコン層および中間酸化物層を介してエッチングされる。
【0064】
図8Kにおいて、トレンチは、ウェハの上面シリコン層を介してマイクロフォン領域のレジストペデスタル区域に、および加速度計領域のキャップの下にある酸化物に及んでエッチングされる。フォトレジスト材料は、次いで表側および裏側の両方から除去され、フォトレジスト材料の新たな層が、保護のために表側に堆積される。空洞が、次いで、現存する酸化物をハードマスクとして用いてウェハの裏側にエッチングされる。
【0065】
図8Lにおいて、空洞を介して露出された酸化物は、好適にはHFガスに露出することによって除去される。
【0066】
図8Mにおいて、ホウケイ酸ガラスが、整列され、ウェハの裏側に陽極結合される。マイクロフォンの穴は、結合に先立って、ガラスにおいて好適には超音波で切断される。残留するフォトレジスト材料は、ウェハの表面から除去され、それによってマイクロフォン構造を解放する。
【0067】
結合したマイクロフォンおよび三軸加速度計を標準的なシリコンウェハから形成する例示的な方法は、図9A〜図9Oを参照して記述される。各ステップにおいてマイクロフォンの領域と加速度計の領域との両方を示すために、マイクロフォンの領域は、加速度計の領域の上に示されるが、両領域は、実質的にはウェハ上で互いに並んでいることを認識されたい。留意すべきは、本工程は、図8A〜図8Mを参照した上述の工程の変形であり、これらの工程は、マイクロ機械加工されたマイクロフォンのみ、またはその点に関しては、加速度計のみを生成するために用いられ得る。
【0068】
図9Aにおいて、酸化物層が、シリコンウェハ上に堆積される。フォトレジスト材料は、次いで堆積およびパターニングされる。トレンチは、次いで加速度計電極に対するシリコンにエッチングされる。残留するフォトレジストおよび酸化物のハードマスクは、次いで除去される。留意すべきは、この工程は、マイクロフォンのみの製品に対しては必要ではないことである。
【0069】
図9Bにおいて、酸化物層は、約1.6ミクロンまでウェハの表側および裏側の両方で発達する。並べられたトレンチは、次いでポリシリコン材料で充填される。留意すべきは、このステップは、マイクロフォンのみの製品に対しては必要ではないことである。
【0070】
図9Cにおいて、残留する酸化物は、例えばHFガスに露出させることによって剥がされる。窒化物アンカーパッドが、次いで加速度計領域上に堆積およびパターニングされる。ノベラス(Novellus)酸化物の層が、次いで犠牲層として堆積される。留意すべきは、このステップは、マイクロフォンのみの製品に対しては必要ではないことである。
【0071】
図9Dにおいて、酸化物層は、窒化物パッドを露出させるためにエッチングされる。次いで、ポリシリコン材料が、様々なマイクロフォン構造、例えばダイヤフラムおよび加速度計のためのキャップを形成するためにパターニングおよびエッチングされる。
【0072】
図9Eにおいて、酸化物層が堆積され、穴がエッチングされる。穴は、マイクロフォンダイヤフラムおよびバックプレートへの電極ならびに加速度計キャップおよびシリコン層への電極のために用いられ、以下に記述される。
【0073】
図9Fにおいて、マイクロフォンダイヤフラムおよびバックプレートに電荷を配置するため、ならびに加速度計キャップおよびシリコン層に電極を配置するためのボンドパッドおよび電極を形成するために、金属が堆積され、パターニングされる。ボンドパッドと1つ以上の電極との間に、電気的な接続(不図示)があり得る。
【0074】
図9Gにおいて、不活性化層が堆積される。不活性化層は、通常は窒化物層によって覆われた酸化物層を含み、これは、集積回路に対して用いられる標準的な不活性化層である。不活性化層は、ボンドパッドを露出させるためにエッチングされる。
【0075】
図9Hにおいて、マイクロフォン構造の上の不活性化層の一部分は除去され、ポリシリコン構造の上および部分的に下の酸化物は、レジストペデスタル区域を形成するために除去される。
【0076】
図9Iにおいて、シリコンウェハは、随意的に、エッチング、グライディングおよび研磨を含むいくつかの方法のいずれかによって、約650ミクロンから約350ミクロンに薄められ、酸化物の層が堆積される。
【0077】
図9Jにおいて、フォトレジスト材料が、ウェハの表側に堆積され、ウェハの裏側の酸化物は、パターニングされる。
【0078】
図9Kにおいて、フォトレジスト材料は、ウェハの裏側に堆積およびパターニングされ、トレンチは、シリコンウェハにエッチングされる。
【0079】
図9Lにおいて、フォトレジスト材料は、表側および裏側の両方から除去され、フォトレジスト材料の新たな層が、保護のために表側に堆積される。空洞は、現存する酸化物をハードマスクとして用いて、ウェハの裏側にエッチングされる。トレンチは、次いでさらに、シリコン層を介してマイクロフォン領域のペデスタル区域および加速度計領域のキャップの下にある酸化物にエッチングされる。
【0080】
図9Mにおいて、空洞を介して露出された酸化物は、好適にはHFガスに露出させることによって除去される。
【0081】
図9Nにおいて、残留するフォトレジスト材料は、ウェハの表側から除去され、それによって、マイクロフォン構造を解放する。
【0082】
図9Oにおいて、ホウケイ酸ガラスが、整列され、ウェハの裏側に陽極結合される。マイクロフォンの穴は、結合に先立って、ガラスにおいて好適には超音波で切断される。
【0083】
マイクロ機械加工されたマイクロフォンまたはマルチセンサは、単一のパッケージにおける集積回路(IC)ダイとともに組み立てられ得る。図3は、本発明の実施形態に従って、マイクロ機械加工されたマイクロフォンまたはマルチセンサを予め成形された可塑性のパッケージにおけるICダイと結合させるデバイスに対する、例示的な構成を示す。パッケージは、機械加工されたマイクロフォンを含むMEMS(微小電気機械システム)ダイ312およびMEMSダイ312によって生成される信号などの信号を処理する様々な電子部品を含む集積回路(IC)ダイ314を含む。MEMSダイ312およびICダイ314は、パッケージリードフレーム316に装着されたダイである。ワイヤ結合の後に、パッケージは、蓋302およびパッケージ本体303を含めて密封される。図示される実施形態における基板上に取り付けられるときに、音波は、リードフレーム316と基板304との間の空間を含む音パス318に沿って下向きに面している音ポート306を介してマイクロフォンダイヤフラムに到達する。これらの空間は、はんだパッドの高さによって、および随意的にリードフレーム316の底面にエッチングされた通路によって形成される。フォトレジストベースの工程において適当なパターンを用いることによって、または他の適切なパターニング方法によってリードフレーム316が金属フォイルからエッチングされるときに、そのような通路は、通常は形成される。多孔性の疎水性フィルタ308または他のフィルタが、例えばマイクロフォンダイヤフラムおよび他の露出した特徴を湿気、微粒子または他の要素から保護するために含まれ得る。フィルタ308は、サポートファブリックにラミネート加工されることによって、生産性および耐久性を向上させ得る。代替的な一実施形態において、基板304は、穴を含むことによって、音波がマイクロフォンダイヤフラムに到達することを可能にし得る。別の代替的な実施形態において、蓋302は、穴を含むことによって、音波が、パッケージの上面を介してマイクロフォンダイヤフラムに到達することを可能にし得る。別の代替的な実施形態において、パッケージの可塑性の側壁303は、複数のスロットを有することによって、音波がマイクロフォンダイヤフラムに到達することを可能にし得る。別の代替的な実施形態において、蓋302は、下向きに面している音ポート306および基板304は、穴を含むことによって、音波が、異なる位置からマイクロフォンダイヤフラムに到達することを可能にする。別の代替的な実施形態において、マイクロ機械加工されたマイクロフォンを含むMEMSダイ312およびMEMSダイ312によって生成された信号などの信号を処理する様々な電子部品を含む集積回路(IC)ダイ314、および少なくとも1つの密封された慣性センサを含むMEMSダイは、パッケージにおいて組み立てられる。
【0084】
留意されるべきは、マイクロフォンおよび上面シリコン層の表面の上から吊り下げられた慣性センサ構造を形成するために記述された技術は、「Method of Forming a MEMS Device」と題する、Thomas Kieran NunanおよびTimothy J. Brosnihanの名で2005年1月3日に出願の米国特許出願第11/028,249号に記述された技術に類似または関連することがあり得、この出願は、その全体を本明細書中で参照により援用する。
【0085】
さらに留意すべきは、本発明は、マイクロフォンダイヤフラムの、特定の任意の形状または構成に限定されないことである。マイクロフォンは、例えば円形または正方形であり、隙間がないかまたは1つ以上の穴で穿孔しており、および/または、平面または波形であり得る。異なるダイヤフラムの構成は、これら記述されたものとは別の、異なるかまたは追加の工程を要求し得る。例えば、追加の工程は、ダイヤフラムに穴または波形を形成するために要求され得る。
【0086】
さらに留意すべきは、記述された工程は、例示的なだけということである。任意の特定の実装に対して、より少ない、追加的、または異なるステップまたは工程が要求され得る。一部の場合において、記述されたものとは異なる材料が、特定のステップまたは工程に対して適切であり得る。本発明の様々な実施形態に利用される材料および工程の、全ての組み合わせおよび順序を記述することは実質的に不可能であり得る。従って、本発明は、記述された材料および工程の適切な変化を含む、そのような全ての材料および工程を含むように意図される。
【0087】
本発明は、本発明の真の範囲から逸脱することなく、他の特定の形状に包含され得る。記述された実施形態は、全ての点において例示的であるのみで、限定的ではないことを考慮されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロフォンを形成する方法であって、該方法は、
少なくとも1つのトレンチを基板にエッチングすることと、少なくとも1つのトレンチを少なくとも1つの犠牲材料で少なくとも部分的に充填することとによって、バックプレートを形成することと、
液体エッチ除去可能層の少なくとも一部の上に可撓性のダイヤフラムを形成することと、
フォトレジストの層を追加することであって、該フォトレジストの一部分は、該ダイヤフラムを支持するために、該ダイヤフラムと該バックプレートとの間にペダスタルを形成する、ことと、
該フォトレジストを除去する前に、該少なくとも1つのトレンチを介して、該基板の裏側から、該液体エッチ除去可能材料を除去することと、
該液体エッチ除去可能材料の少なくとも一部を除去した後、該ペダスタルを除去することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記ダイヤフラムを放出することをさらに包含し、放出することは、前記液体エッチ除去可能材料を除去することと、前記ペダスタルを除去することとを包含する、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記ダイヤフラムを通る穴をパターニングすることと、
前記液体エッチ除去可能材料を介して、ペダスタル区域を形成することと、
該液体エッチ除去可能材料が除去されている間に、前記フォトレジストが該ダイヤフラムを実質的に支持することと
をさらに包含する、請求項に記載の方法。
【請求項4】
前記バックプレートは、シリコンオンインシュレーターウェハの一部である、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記犠牲材料はポリシリコンまたは酸化物である、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記ダイヤフラムを通る第1の穴をパターニングすることと、
前記液体エッチ除去可能材料、該ダイヤフラムおよび前記バックプレートを介してペダスタル区域を形成し、前記フォトレジストが該ダイヤフラムを支持することと
をさらに包含する、請求項に記載の方法。
【請求項7】
MEMSマイクロフォンを形成する方法であって、該方法は、
上面層を有するSOIウェハを提供することと、
該SOIウェハの該上面層上に液体エッチ除去可能材料を形成することと、
該液体エッチ除去可能材料上にダイヤフラムを形成することと、
該ダイヤフラムを通る穴をパターニングすることと、
該液体エッチ除去可能材料を介してペダスタル区域を形成することと、
該ペダスタル区域にペダスタルを形成するために、フォトレジストを追加することと、
該フォトレジストを除去する前に、裏側の空洞を介して、該液体エッチ除去可能材料の少なくとも一部を除去することと
を包含する、方法。
【請求項8】
前記ダイヤフラムを放出することをさらに包含する、請求項に記載の方法。
【請求項9】
前記液体エッチ除去可能材料の少なくとも一部を除去した後、前記フォトレジストを除去することをさらに包含する、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記SOIウェハはまた、底面層と、前記上面層と該底面層との間の中間層とを有し、前記方法は、裏側の空洞を形成するために、該底面層と該中間層との一部分を除去することをさらに包含する、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記SOIウェハの前記上面層を介して、バックプレートレンチを形成することをさらに包含する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
MEMSマイクロフォンを形成する方法であって、該方法は、
酸化物層の上にダイヤフラム層を提供することであって、該酸化物層は該ダイヤフラム層と基板との間に存在する、ことと、
該基板と該ダイヤフラムとの間に、フォトレジスト材料を形成することと、
裏側の空洞を形成することと、
該酸化物層の少なくとも一部を除去するために、該裏側の空洞を介して、該酸化物層に液体エッチ材料を適用することであって、該フォトレジスト材料の少なくとも一部は、該液体エッチ材料が適用された後、該ダイヤフラム層を支持する、ことと、
該ダイヤフラム層を放出するために、該酸化物層の少なくとも一部を除去した後、該フォトレジスト材料の実質的に全てを除去することと
を包含する、方法。
【請求項13】
提供することは、前記ダイヤフラムを形成するために、犠牲層上に材料を堆積することを包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
バックプレートを形成することは、犠牲酸化物を含む犠牲材料で少なくとも1つのトレンチを充填することを包含する、請求項に記載の方法。
【請求項15】
バックプレートを形成することは、犠牲ポリシリコンを含む犠牲材料で少なくとも1つのトレンチを充填することを包含する、請求項に記載の方法。
【請求項16】
バックプレートを形成することは、酸化物をむ材料および犠牲ポリシリコンを含む犠牲材料で少なくとも1つのトレンチを充填することを包含する、請求項に記載の方法。
【請求項17】
ウェハの裏側の空洞への開口を有する伝導性のバックプレートを含むウェハと、
該バックプレートによって支持される複数の伝導性のダイヤフラム特徴であって、該複数の伝導性のダイヤフラム特徴は、サラウンドと、ダイヤフラムと、該ダイヤフラムを該サラウンドに連結する少なくとも1つのばねとを含み、該ダイヤフラムは該サラウンドから離間されている、複数の伝導性のダイヤフラム特徴と、
該ダイヤフラムと該バックプレートとを電気的に絶縁するように、該バックプレートと該サラウンドとの間にある少なくとも1つの酸化物層であって、該バックプレートと該ダイヤフラムとは、該ダイヤフラムの振動を感知するために容量性結合される、少なくとも1つの酸化物層と
を備えている、マイクロフォン。
【請求項18】
前記バックプレートと前記ダイヤフラムとはコンデンサの固定板と可動板とを形成する、請求項17に記載のマイクロフォン。
【請求項19】
前記サラウンドは、酸化物層に連結され、そのような酸化物層は前記バックプレートに連結される、請求項17に記載のマイクロフォン。
【請求項20】
前記ダイヤフラムは、穿孔される、請求項17に記載のマイクロフォン。
【請求項21】
前記ダイヤフラムは、波形加工される、請求項17に記載のマイクロフォン。
【請求項22】
前記ダイヤフラムのアセンブリは、ポリシリコンを含む、請求項17に記載のマイクロフォン。
【請求項23】
前記バックプレートは、シリコンオンインシュレーターウェハのシリコン層から形成される、請求項17に記載のマイクロフォン。
【請求項24】
前記バックプレートは、多くのトレンチを含む、請求項17に記載のマイクロフォン。
【請求項25】
前記トレンチは、音波が、基板の裏側から前記ダイヤフラムに到達することを可能にする、請求項24に記載のマイクロフォン。
【請求項26】
ダイヤフラムの振動に応答して生成される信号を処理する集積回路をさらに備えている、請求項17に記載のマイクロフォン。
【請求項27】
電荷を受容することが可能であり、裏側の空洞への開口を有するバックプレートと、
伝導性のダイヤフラムと、
該ダイヤフラムを該バックプレートに可動に連結するマイクロフォンサスペンション手段であって、該マイクロフォンサスペンション手段は、該ダイヤフラムをサラウンドに連結する少なくとも1つのばねを含み、該ダイヤフラムは該サラウンドから離間されている、マイクロフォンサスペンション手段と、
該ダイヤフラムと該バックプレートとを電気的に絶縁する酸化物と
を備えている、マイクロフォン。
【請求項28】
コンデンサの固定板と振動板とを形成するために、前記バックプレートと前記ダイヤフラムとを容量性連結する手段をさらに備えている、請求項27に記載のマイクロフォン。
【請求項29】
音波基板の裏側から前記ダイヤフラムに到達することを可能にする手段をさらに備えている、請求項27に記載のマイクロフォン。
【請求項30】
ダイヤフラムの振動に応答して信号を生成する手段をさらに備えている、請求項27に記載のマイクロフォン。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図2F】
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【図2G】
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【図2H】
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【図2I】
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【図2J】
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【図2K】
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【図2L】
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【図2M】
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【図2N】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図7J】
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【図7K】
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【図7L】
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【図7M】
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【図7N】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図8D】
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【図8E】
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【図8F】
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【図8G】
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【図8H】
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【図8I】
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【図8J】
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【図8K】
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【図8L】
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【図8M】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H】
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【図9I】
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【図9J】
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【図9K】
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【図9L】
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【図9M】
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【図9N】
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【図9O】
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【公開番号】特開2011−254517(P2011−254517A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−164611(P2011−164611)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【分割の表示】特願2008−508951(P2008−508951)の分割
【原出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【出願人】(505274818)アナログ デバイシス, インコーポレイテッド (40)
【Fターム(参考)】