説明

マイクロ波により製品の処理を行う装置および方法

【課題】病院の廃棄物の滅菌に関する特定の問題または類似の問題に関して、廃棄物中の細菌の繁殖を抑制するという利点を有しながら、廃棄物の形成の後に制限された時間で当該廃棄物の中和を確実に行うために、また、処理後において通常の廃棄物と同じ方法ながら低コストで廃棄物の排出を確実に行うために、本発明は容易に制御可能な循環作動装置を提供する。
【解決手段】装置は、適切な形状および容量となっており好ましくはフレア形状の開口部を有するとともに断面が円形となっている複数の同じ容器(1)を備えている。これらの容器はカルーセル(7)の動作または他の適切な搬送手段によって、以下の作動ステーションと相互作用を行うよう循環的に形成される。ここで、作動ステーションとは、細かく刻まれた製品を生成するような方法で、この製品を含む容器を細かく刻むような第1のステーションであって、生成物は予め設定された一定量で各容器に供給され、圧縮され、適切に湿潤され、各容器の開口部は保護されて適切な手段により清潔に保たれるような第1のステーションと、容器(1)の開口部がピストン(39)により閉じられてシールが形成される第2のステーションであって、このピストン(39)は、導波手段により、容器内の廃棄物の滅菌に必要とされるマイクロ波を生成するマグネトロン(55)に連通するような第2のステーションのことをいう。適切な手段が容器内の圧力および温度を制御する。この制御において、特定の温度で、および廃棄物内に存在する様々な細菌の中和を確実に行うために必要とされる時間で、廃棄物が処理されるような方法が用いられる。滅菌の完了時には、処理容器は大気圧となり、前述のピストンから取り除かれる。必要であれば滅菌された廃棄物に含まれる過度の液体を取り除き、容器の開口部が適切に保護されて清潔に保たれるようなステーション、および、処理された廃棄物を容器から排出するステーションであって、適切な手段により処理容器の開口部が保護されて清潔に保たれ、このことにより滅菌ステーションのピストンと相互作用を行うようなステーションが更に設けられている。このようにして、処理容器が滅菌ステーションのピストンと相互作用を行ってシールを形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波により製品の処理を行う装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ波により一般的な製品の処理、とりわけ廃棄物の処理を行うために現在用いられているシステムは、連続的な動作タイプのものが通常使用されている。このシステムは、処理チャンバーに対する廃棄物の連続的な供給を必要とする。この処理チャンバーにおいて廃棄物は一時的に維持され、または搬送手段の作動により移動される。そして、当該処理チャンバーにおいてマイクロ波の作動により望ましい時間分加熱され、望ましい温度となる。そして、廃棄手段によって連続的に排出される。
【0003】
このようなシステムは高価であり、また作動を行うのが容易ではない。さらに、量が変化するような固形廃棄物の循環処理には適合しない。このような固形廃棄物は、例えば病院環境において発生し、現在では適切な段ボールまたは波形のプラスチックボックスに集められ、これらのものは認可された焼却炉に廃棄されるようになっている。
【0004】
また、間欠的に動作を行うマイクロ波処理システムも知られている。このような処理システムは一般的に研究所で使用される。当該処理システムは処理チャンバーへの自動的な廃棄物の供給およびこの処理チャンバーからの排出に基づいて構成されることはない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
病院の廃棄物の滅菌に関する特定の問題または類似の問題に関して、廃棄物中の細菌の繁殖を抑制するという利点を有しながら、廃棄物の形成の後に制限された時間で当該廃棄物の中和を確実に行うために、また、処理後において通常の廃棄物と同じ方法ながら低コストで廃棄物の排出を確実に行うために、本発明は容易に制御可能な循環作動装置を提供する。この装置は、以下に示す解決法に実質的に基づくような、十分に信頼できる技術を使用している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
装置は、適切な形状および容量となっており好ましくはフレア形状の開口部を有するとともに断面が円形となっている複数の同じ容器を備えている。これらの容器は、カルーセルの動作または他の適切な搬送手段によって、以下の作動ステーションと相互作用を行うよう循環的に形成される。ここで、作動ステーションとは、a)廃棄物を含むボックスを細かく刻み、細かく刻まれた製品を生成する第1のステーションであって、この製品は適切な手段により予め設定された一定量で各容器に供給され、圧縮され、適切に湿潤され、容器の開口部は保護され、適切な手段により清潔に保たれるような第1のステーション、b)容器の開口部がピストンにより閉じられてシールが形成される第2のステーションであって、このピストンは、導波手段により、容器内の廃棄物の滅菌に必要とされるマイクロ波を生成するマグネトロンに連通するような第2のステーションのことをいう。
【0007】
適切な手段が容器内の圧力を制御し、必要であれば温度も制御する。この制御において、廃棄物が特定の温度で、廃棄物内に存在する様々な細菌の中和に必要とされる時間で、処理されるような方法が用いられる。滅菌の完了時には、処理容器は大気圧となり、前述のピストンから取り除かれる。c)必要であれば滅菌された廃棄物に含まれる過度の液体を取り除き、容器の開口部が適切に保護されて清潔に保たれるようなステーション、d)処理された廃棄物を容器から排出するステーションであって、適切な手段により処理容器の開口部が保護されて清潔に保たれるようなステーションが更に設けられている。このようにして、処理容器は、滅菌ステーションのピストンと相互作用を行ってシールを形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の更なる特徴、およびこの特徴から導かれる利点について、本発明の好ましい実施の形態に係る以下の記載によってより明確にする。この際に、一例を図示するが、添付図面による形態により限定的に解釈されるものではない。
【0009】
装置が、適切な寸法を有する少なくとも3つまたは4つ(後述)の円筒形の鋼材の容器1をどのように使用するかについて図1に示す。適切な寸法とは、例えば内径が約130mmであり、高さが約190mmであることをいう。容器1は適切な円形の下方内角を有し、内部にフレア形状(flared)の上部端縁101を有している。容器1は断熱性の外部カバー2を有することが好ましく(図2参照)、必要であれば、温度センサ3のためのハウジングを少なくとも底部に有している。この温度センサ3は、例えば、カバー2から突出する適切なプラグ103(後述)を有している。
【0010】
本実施例により意図されるような処理を行うことを可能とするために、各容器1は底部において外方に延びる軸部分201を有しており、この軸部分201は側面にカギ部4を有している。また、軸部分201は90°回転するC字形状の下端中央開口部5を有している。軸部分201は図3の平面図に示すように湾曲する輪郭を有しており、また、中央のアーチ形状の構造において円形の凹形くぼみ6を有している。この凹形くぼみ6は、縦方向に線形に延びるとともに中央に位置する凹形くぼみ106により対称となるよう横断されている。
【0011】
描写を簡略化するために、容器1はカバー2が省略された状態で他の図面に示されている。
【0012】
図4に示すように、容器1は、例えば垂直方向にかつ均等な角度間隔で、垂直軸を有するカルーセル(carousel)7に載置される。このカルーセルは、間欠回転システム207によって命令に応じて回転させられる。この間欠回転システム207の角度振幅は、カルーセルに載置された各容器1の間隔と同等の大きさである。
【0013】
カルーセル7は、プラットフォーム107を備えている。このプラットフォーム107には軸部分201の通過に適合する形状の穴8が設けられており、また、図9に示すように、プラットフォーム107の底部には容器1のカギ部4の通過に適合する拡大部108が設けられている。カルーセル7に対する垂直放射面には開口5が設けられており、このため、カルーセル7は、固定手段に対して正確に方向づけられている。この固定手段は、循環的に容器に係合しその後解放するために必要とされる(後述)。
【0014】
この目的のために、平面図における開口5の湾曲中心は、カルーセル7の軸上に設けられている。
【0015】
縦棒9が均等な角度間隔で設けられている。この縦棒9は、水平軸を含み自由に運動を行うローラ109を有しており、プラットフォーム107に固定されている。各容器1に対して少なくとも3つの縦軸9が設けられており、この容器1のための精密なガイドケージ(guide cages)を形成している。
【0016】
また、カルーセル7には、適切なケーシング307および他の手段が設けられている。この他の手段は、必要であれば例えば水蒸気のケーシングおよび/または目的に適合する他の製品への導入により各メンテナンス操作が行われる前に、カルーセルの様々な構成要素に対して都合良くクリーニングを行う。全ての構成は当業者にとって明白なものであり、様々な方法により実施するのに適している。
【0017】
図5および図6に示すように、容器1が相互作用を行うよう形成されるような第1のステーションが、処理されるべき廃棄物を容器内に載積するよう構成されている。
【0018】
このステーションには、シュレッダー装置へ廃棄物ボックスを自動的に供給する手段が取り付けられている。
【0019】
廃棄物が充填されたボックスBは例えばコンベア10上に一列縦隊で載置される。コンベア10は、積載ボックスを最終の加速コンベア110に送る。この加速コンベア110は一のボックスを後続の他のボックスから分離し、エレベータ11における一対の平行な水平突起物111の頂部に正確に載置する。
【0020】
実際には、コンベアシステム10、110は図5に示す位置から90°回転可能であり、一方エレベータ11の各突起間に、これらの突起に対して垂直となるよう最終コンベア110が位置されることが理解できよう。
【0021】
エレベータ11にはスライダー211が取り付けられており、このスライダー211は垂直ガイド12に沿ってスライド可能であり、例えば可逆モータ15により駆動される雌雄ネジシステム13により移動させられる。この際に、図示しないリミットマイクロスイッチが補助的に使用される。
【0022】
前述のガイド12は、平行エピペダル(parallelepipedal)のホッパ16の側面に取り付けられる。このホッパ16は、平面上で少なくとも1つのボックスBを収容するのに十分大きな長方形形状となっており、ボックスBの高さよりも十分に大きな高さを有する側面ハッチ116を有している。ホッパ16には、ガイド17およびスライダー117を含む水平方向に延びる組合体が取り付けられており、このスライダーは例えば雌雄ネジ駆動システム118に接続されている。このシステム118は、可逆電気モータ18により、また、図示しないリミットマイクロスイッチ手段により電力が供給される。
【0023】
スライダー211に固定されたアーム119は、縦に延びる開口を介してホッパ16に進入する。この開口は、ハッチ116により閉じられる側壁に対して反対側にある側壁に形成されている。アーム119は、水平方向に延びるバネ付きの押圧具(presser)19をホッパ内で支持する。この押圧具19には、バネ荷重を検出するセンサ20が取り付けられている。当該センサ20については後に詳述する。
【0024】
アーム119には、鋼材または他の材料からなるバンド21の端部が固定されている。このバンド21は、アームが通過するためのホッパの開口を塞ぐ。バンド21は、自在に回転可能な固定滑車22、22´の周りで運動を行う。
【0025】
ホッパ16の底部には、少なくとも1つのシュレッダー123が設けられている。このシュレッダー123は、水平軸を中心として回転するシュレッダーシリンダー23の周辺刃と相互作用を行う固定刃を有している。このシュレッダーシリンダー23は通常図5において時計回りに回転し、当該シュレッダーシリンダー23は熱保護された可逆電気モータ24により駆動される。
【0026】
シュレッダーのローター23の下方には、固定されたまたは振動するスクリーン・グリッド(screening・grid)25が設けられている。このスクリーニング・グリッド25は、予め設定された粒子サイズを有する細かく刻まれた廃棄物Vのみを、当該廃棄物に含まれる液体とともに通過させる。目的に適合する様々な種類の搬送手段26が、グリッド25の下方に平行に配置されている。搬送手段26は、必要であれば様々な余分な液体を排出パイプ127から底部タンク27に送るようになっており、この液体はドレンされて新しい材料を湿らせるよう循環する。
【0027】
搬送手段26はベルトから構成されている。このベルトには、必要であればミシン目が入れられまたは多数の孔が設けられている。あるいは、搬送手段26は、縦列構造の中に1または複数の振動チャンネルを有するシステムから構成されている。
【0028】
ホッパ16のベースはタンク27のケーシング28に接続されており、シュレッダー作動により発生する粉塵の散乱を防止するようになっている。
【0029】
この目的のために、ホッパ16の上部および/または他の適切な位置に、吸引器、フィルターおよび滅菌手段に接続されたダクト216を配設することができる。このダクト216は、シュレッダーシステム全体を適切な負圧で維持するようになっている。
【0030】
上述したステーションは以下のように作動する。
押圧器19が、その走行領域の下端であってシュレッダー23に最も近い位置にあるときに、突起物111は、下方であってコンベア110の側面の位置にあり、このコンベア110が自動的に駆動されて、頂部の廃棄を行うために廃棄物を含むボックスBについて前記突起物111の上方での位置決めを行う。
【0031】
他の目的のための重量測定手段およびモニタ手段がコンベア110の領域に設けられており、装置の適切な作動に合致する安全な状態をボックスの内容物が満たすか否かのチェックを行う。このような状態でない場合のために、コンベア110からボックスを取り除く手段(図示せず)が設けられている。
【0032】
コンベア110に載置されたボックスの頂部は、この頂部がハッチ116の底部と接触することのないような高さに位置している。ハッチ116はコンベア110よりも上方にあり、また、次の工程において、このハッチ116は、図面の破線で示される位置内へ水平方向に平行移動するようになっており、シュレッダー23が既に停止しているようなホッパ16が開く。
【0033】
次の工程において、スライダー119が上昇し、押圧器19およびエレベータ11を持ち上げる。そして、押圧器が実線で示される上部部分にあるときにスライダー119の上昇運動が停止し、突起物111はホッパ16の底部とほぼ一列に並ぶような位置となる。
【0034】
この時点で、モータ18が再駆動してハッチ116をホッパ16に向かって水平方向に搬送し、この工程においてハッチ自体が押圧部材として機能してボックスBをホッパに搬送し、突起物111上で、そして例えばホッパと一体となっているブリッジ316上でこのボックスBのスライドを行う。
【0035】
ボックスBが供給されると、シュレッダー23は運転を開始し、モータ15が逆回転して押圧器19を降下させる。この押圧器19はボックスBに対して押圧動作を行う。その際に、徐々にシュレッダーと適切な相互作用を行うようにし、少しずつボックスを内容物とともにシュレッダーにかけるようにする。
【0036】
押圧器に取り付けられたバネに力が加えられたことをセンサ20が検出したときに、押圧器19の降下が停止する。また、このセンサが前述の状態と反対の状態を検出したときに押圧器19は自動的に再始動を行い、リミットマイクロスイッチにより検出される下端限までその移動が続行する。
【0037】
ボックスBおよびその含有物のシュレッダー工程の間に、モータ24を制御する熱装置が過度の力を検出したときのために、モータを停止させ、押圧器19を適切に上昇させるとともにモータを反対方向に再始動させる手段が設けられている。この手段は、シュレッダーとは関係なく動作を行う。
【0038】
予め設定された時間が経過した後に、シュレッダーは再び時計方向に回転を開始し、押圧器19は再び降下を開始して通常の作動サイクルの再始動が行われる。
【0039】
また、シュレッダーの作動も、コンベア26上の細かく刻まれた廃棄物の集積状態を監視する手段(図示せず)によって正確に制御される。この監視は、例えば、必要であれば、処理容器1の充填工程の後でコンベアが停止したときに行われる。
【0040】
図6は、カルーセル7が容器1を充填ステーションに位置させたときの状態を示す。図6に示すように、容器は下方に配置され、当該容器は、スライダー130上のスリーブ29に軸方向に並ぶようになっている。このスライダー130は垂直方向に延びる固定ガイド30上でスライドし、昇降手段に接続されている。昇降手段は例えば雌雄ネジユニット、可逆モータ31およびリミットマイクロスイッチ(図示せず)から構成されている。
【0041】
命令を受けると、スリーブ29は、このスリーブ29の下端が容器1の開口部に係合するよう降下する。スリーブ29は、この開口部が汚れることを防止し、滅菌されるべき廃棄物を供給する手段に接続するじょうご(fannel)として機能する。コンベア26と並んで設けられる側面開口32にスリーブ29が配設されているからである。側面開口32は、当該スリーブが下降したときに、コンベアにおける作動中のブランチ(branch)の下に配置される。一方スリーブが上昇したときには、開口32が上昇し、スリーブ29は再びコンベア26上に載置された細かく刻まれた廃棄物を停止させる手段として機能する。
【0042】
スリーブ29が低位置にあるときに、細かく刻まれた廃棄物Vがコンベア26から容器1に放出される。
【0043】
矢印33により概略的に示すように、充填工程において容器1内に供給される廃棄物Vに対して適切な量の液体、例えば水を噴霧する適切な手段が設けられている。
【0044】
スリーブ29の上端は通常は円筒形ピストン34の下端に取り付けられている。ピストンの径は容器1の内径よりもわずかに小さなものとなっている。ピストンの上端はスライダー230に接続されている。スライド230は例えばガイド30上でスライドし、このスライド230は昇降手段に接続されている。昇降手段は例えば雌雄ネジタイプのものであり、速度、位相、トルクの電子的な制御が行われる可逆電気モータ35、例えばブラシレスモータを有している。
【0045】
周期的な方法により、コンベア26は停止し、ピストン34が下降して容器1内の廃棄物を押圧する。最終の工程において、処理容器内の廃棄物について、例えばLで示されるような一定のレベルにおいて完全に圧縮された層を形成するような方法でトルク制御が少なくとも行われる。この際に、経験的に容易に実行および決定が可能な、適切な作動理論が用いられる。
【0046】
容器1に収容された廃棄物Vは十分に湿潤していることが重要である。このため、供給手段33の容量および作動時間を考慮に入れる必要がある。この供給手段33は廃棄物がまだコンベア26上にあるときに当該廃棄物に対して処理を行うことが可能である。この際に、余分な液体が自重により廃棄物から除去されていること、または、例えばピストン34に配設された手段により容器1内の液体レベルが監視されおよび/または調整されることが前提となる。
【0047】
この目的のために、容器1内の廃棄物の圧縮に係る最終の工程において、廃棄物はピストン34に押圧されたときにはスポンジのように機能することに留意されたい。その結果、廃棄物に含まれた液体により水面が上昇しがちになる。
【0048】
ピストン34に取り付けられたセンサ(図示せず)を用いることにより、押圧された廃棄物に含まれる液体の量を検出することが可能となり、供給システム33に設けられた特別な手段を用いることにより、流体の量を調整することが可能となる。これらの構成は当業者にとって自明の事項であり、当業者によって容易に適用することができる。
【0049】
容器1に収容された廃棄物は図面とは異なる方法により湿潤されるようになっていてもよい。すなわち、前述の供給システム33を用いる代わりに、廃棄物に液体を供給する手段がピストン34に配設されていてもよい。この際に、処理容器内の廃棄物を押圧するピストンのストローク運動の間に液体が供給される。
【0050】
容器1が充填され、ピストン34が上端位置に戻った後に、スリーブ29も上昇して容器1から取り除かれ、最初のサイクル位置に戻る。
【0051】
容器1の重量は、廃棄物が充填されたときは、スリーブ29と容器の開口部との間にわずかに摩擦抵抗があった場合でもこの容器が自重により低位置に維持されるような大きさとなる。しかしながら、必要であれば、破線に示されるとともに参照符号136で示されるような適切な手段がカルーセルの底部に設けられていてもよく、容器1の軸部分の底部開口5に係合することにより容器1が前述のスリーブ29から持ち上げられることを抑止する。また、前述の適切な手段により、廃棄物を圧縮する工程においてピストン34により及ぼされる押圧力に対抗するようになっている。カルーセル7の回転するプラットフォーム107に対して異常な押圧力がかかることを防止するためである。
【0052】
図4に示すように、カルーセル7が前述の充填ステーション内に新しい容器1を位置させたときに、このステーションから離脱して廃棄物Vの圧縮塊が充填された容器1は滅菌ステーションに搬送される。この滅菌ステーションは、とりわけ、頭部がキノコ形状である装置36を備えている。この装置36の頭部は容器1の軸部分の下部開口5に係合する。当該頭部は、軸方向の移動手段の作動により、例えば可逆モータ37に取り付けられた雌雄ネジタイプの手段によって、予め設定された必要距離だけ上昇する。そして、容器1の上部を保護用の遮蔽スリーブ38内に押し込む。このスリーブ38は、円筒形のピストン39の周りに一定の隙間を有するよう配設される。ピストン39は、側面ガスケット40により形成されるシール部とともに、処理されるべき廃棄物Vの塊のレベルLに接近するまで、容器1の開口部に進入する。これらの組合せ体38、39は、固定された支持構造体41と一体となっている。支持構造体41は、例えばカルーセルのベースに取り付けられている。
【0053】
ピストン39は適切な形状およびサイズの軸方向キャビティ42を有している。このキャビティ42の端部は拡大された部分よりも下方に位置し、側面シールガスケット43、および、石英またはマイクロ波の浸透性はあるが流体の浸透性はないような他の適切な材料から形成される一対の隔壁44、44´に対応する挿入物に覆われる。一対の隔壁44、44´は、環状のスペーサー45によってお互いに必要距離だけ離間している。このスペーサー45は放射状の貫通穴46を有しており、この穴46は、上方に延びるチャンネル48に接続された外部環状凹部47と連通している。チャンネル48はピストンの本体に形成され、圧力センサ49に接続されている。圧力センサ49は、その読みとりに対応する電気信号をプロセッサー50に伝達させる。プロセッサー50は装置または本発明に係るユニットの動作を制御する。
【0054】
石英片44、44´は、例えばピストン39の底部フランジに取り付けられたフランジ51により固定されるが、この目的のために他の適切な手段を用いてもよいことが理解できよう。
【0055】
圧力アウトレット(outlet)152はピストン39の底面に開口し、このアウトレット152は、上方に延びるチャンネル52に連通している。チャンネル52は少なくとも2つの通路に枝分かれしており、そのうちの一つの通路は最大圧力弁153に接続し、並列して圧力センサ53に接続している。この圧力センサ53は対応する電気的信号をプロセッサー50に伝達する。
【0056】
チャンネル52の他の通路は電磁弁54に接続している。この電磁弁54はプロセッサー50により制御され、保護された領域、例えば容器1の充填の間に廃棄物Vの湿潤のために水が取り出されるような容器(図示せず)に排出を行っている。
【0057】
ピストン39の軸方向キャビティ42は、導波手段155によってマイクロ波生成源55に連通している。このマイクロ波は滅菌工程において必要とされる。生成源55としては、例えば約2.45GHzの周波数帯で生成を行うような適切なパワーの従来からのキャビティ・マグネトロンが挙げられる。生成源55の作動を最大限利用するために、必要であれば、生成源に向かって反射される波量を読みとる公知の手段を生成源に設けることができる。また、生成源55の作動はプロセッサー50により制御される。このプロセッサー50は、回路を介してソケット56に接続されている。ソケット56は容器1のプラグ103と接続するよう設けることができ、もしこのようなソケット56が設けられた場合は、滅菌ステーションに挿入された容器1の底部の温度に関する電気信号を受けることができる。
【0058】
温度センサ3、103が任意で配設されている。装置の作動を安全な方法で監視し、滅菌サイクルを最適化するために、本発明の装置のプロトタイプに設けられている。時間を関数とする滅菌に係るグラフは線形ではないからである。
【0059】
工業規模での装置の生産においては、この温度センサを省略することもできる。このことにより、容器1の構成および処理に明らかな利点をもたらすことができ、また、容器内の温度は、圧力パラメータから推定することができるからである。圧力パラメータは、温度およびこれと相互に関連のあるものに直接的に比例する。
【0060】
温度が上昇すると、廃棄物に含まれる液体が蒸発して圧力が上昇する。
【0061】
図4に示すステーションは以下のような動作を行う。
容器1がピストン39に取り付けられた際に、プロセッサー50が生成源55を駆動させる。滅菌工程において、容器1内で予め設定された温度に到達する必要があり、この温度が予め設定された時間、維持される必要がある。例えば、湿潤飽和の環境下において、約150℃の温度が約9−10秒間維持されることにより、容器1内の廃棄物の塊中にあるいかなる細菌も、この塊で燃焼現象が発生することなしに確実に破壊することができる。
【0062】
温度制御器56、103、3がない場合には、プロセッサー50が圧力センサ53により特定の圧力レベルへの到達、例えば約8バールの圧力に達したことを検出する。そして、生成源55は前述のメンテナンスの期間の間、作動を続ける。このことにより、拡散しがちな温度を容器の中で均一とすることができ、しかも、特定の温度での滅菌時間を確保することができる。また、水蒸気を排出する電磁弁54を開口するよう調節を行うことにより容器1内の圧力がほぼ特定のレベルで維持される。
【0063】
しかしながら、温度制御器56、103、3が容器1の最も重要な部分に配設されている場合には、プロセッサー50により容器内の温度が特定の温度へ到達したことが検出された際には、生成源55は、温度制御システムにより監視される最も重要な部分に対する滅菌に必要とされる期間の間、作動を続ける。また、水蒸気を排出する電磁弁54を開口するよう調節を行うことにより、容器1内の圧力はほぼ特定のレベルに維持され、例えば約8バールに維持される。
【0064】
滅菌サイクルの終了時には、生成源55はスイッチがオフとされ、電磁弁54が開いて残留圧力を放出し、最後に容器1は下方に移動されピストン39から取り除かれる。
【0065】
滅菌ステーションの作動の活動期の間、容器1内の圧力が予め設定された安全レベルを超過した場合には、最大圧力弁153が起動される。一方、圧力レベルがほぼ約0であることをセンサ49が検出した場合には、滅菌ユニットは減圧されて開かれる。そして、アラーム信号が生成されて問題が発生したことを表示する。この問題は、下方石英片44のシール43の破壊により、または石英片自体の破壊により引き起こされる場合が多い。
【0066】
容器1が下方に移動されると、カルーセル7は90°回転する。そして、このカルーセルに取り付けられたブラシ手段または他の適合する手段57が滅菌ピストン39の下方石英片44を通過し、このクリーニングを行う。生成源55に向かうマイクロ波の反射を抑止するために、後者は、図示の方法とは異なる様々な適切な方法で配置してもよく、容器1の底部および/またはピストン39の底面は、平らではないような、目的に適合する形状としてもよいことが理解できよう。このような構成は当業者にとって自明の事項であり、当業者により容易に適用することができる。
【0067】
滅菌ステーションの後段に設けられた作動ステーションは、滅菌された廃棄物Vから水を除去する手段を備えることができる。この水は、処理すべき将来の廃棄物の湿潤工程のために回収することができる。
【0068】
このような手段を図7に示す。当該手段は、シールガスケット158を有するピストン58を備えている。ピストン58はスライダー159に取り付けられている。このスライダー159は垂直方向に固定されたガイド59上でスライドし、雌雄ネジシステムおよび可逆電気モータ60により昇降させることができる。このモータとしては、必要であれば速度、位相の電子的な制御を行うタイプのものが用いられ、加速度および減速度の変化が適切な大きさとなるよう作動されるような方法で運転が行われる。
【0069】
ピストン58はガス透過性を有し、矢印61により概略的に示されるバキュームポンプ61およびバルブ手段(図示せず)に接続されている。このことにより、ピストン58が容器1の開口に挿入された際に、廃棄物に含まれる液体を排出することができ、ピストン58の抽出および除去を行って待機位置に戻す工程の前に、この容器を大気圧に戻すことができる。
【0070】
容器の軸部分201の開口5は、より有利には、頭部がキノコ形状でありカルーセルのベースに取り付けられた装置62の頭部に係合させることができる。このことにより、ピストン58の挿入および抽出工程によって、ならびにバキュームポンプ61により生成されるキャビテーション現象によって引き起こされるような軸の移動に対抗して、この容器を垂直に静止した状態で維持させることができる。
【0071】
バキュームポンプにより行われる脱水動作を向上させて、処理された廃棄物の十分な冷却を行うために、各処理容器の底部に少なくとも1つの一方向弁(図示せず)を取り付けてもよい。この一方向弁は、上述の工程においてのみ自動的に開く。このような構成は当業者にとって自明の事項であり、当業者により容易に適用することができる。
【0072】
図7に示すステーションは、図8および図9の記載により参照されるような滅菌された廃棄物Vを容器1から取り出すためのステーションの後段に設けられている。
【0073】
図9に、カルーセル7のプラットフォーム107を示す。このプラットフォーム107は、外周が開いているスロット63を備えている。スロット63の他端は容器1の軸部分201を覆うシート8内に、接線方向に開いている。容器1がこのステーションに到達したときに、軸部分201の開口5が垂直ピン164によって入れられる。この垂直ピン164は、端部を横断して延びる湾曲したクロス部分264上で移動する。これらの構成要素は、開口5の上端においてそれぞれ凹部6、106に位置合わせされている(図3参照)。
【0074】
前記ピン164は小アーム64と一体となっている。この小アーム64は垂直方向において前述のスロット63と位置合わせされており、運搬器(carriage)166の軸65を中心として横に回転することができるようになっている。運搬器166は垂直方向に固定されたガイド66上でスライドし、昇降手段、例えば歯付ベルトコンベア67からなる垂直ブランチに取り付けられている。このベルトコンベア67はプーリー167の周りを走行する。プーリーは構造体68によって回転可能に支持されている。この構造体68はガイド66も支持している。プーリーのうちの一つは、可逆電気モータ69に接続されており、このモータ69により駆動される。モータ69としては、速度、位相が電子的に制御されるものが用いられることが好ましい。
【0075】
図8に示すように側方から見たときに、アーム64はL字形状となっており、このアーム64は上方に延びる一の部分364を有している。この一の部分364の上端は、平面図においてT字形状となっているクロス片464に固定されている。クロス片464の脚部には水平軸を含む回転可能なローラ70が設けられている。ローラ70は、フレーム68に固定された付属物168を有する直線的な固定ガイド71上を走行する。
【0076】
ガイド70は大きな下方垂直直線部分を有し、このガイド70は、カルーセルから離間するように湾曲する部分の後段に設けられている。ガイド70は、また直線的かつ実質的に水平である短い最終部分を有している。
【0077】
クロス片464の端部は、アーム64よりも上方において当該クロス片464の拡大部分にあるガイドシートを搬送する。このアームに固定されたガセット564には、対応するガイドシートが設けられている。一対の垂直バー72はこのシートをスライドする。これらのバーの上端は小さなホッパ73の付属物173に固定されている。ホッパ73は空となるべき容器1からわずかに離間して保持されている。この保持は、例えば固定された付属物268を有する少なくとも1つのバー72の下方端部と相互接続することにより、または他の適切な方法により保持される。
【0078】
ホッパ73には円筒形の下方部分が設けられている。この下方部分は、空となるべき容器1の開口内への良好なシールを含む挿入のために形成されている。また、前述の円筒形の下方部分における上方端縁は、円錐状の外側に分岐した部分となっている。
【0079】
適切な高さのチューブ74が、付属物173とクロス片464との間にあるバー72の一部分に取り付けられている。このチューブ74は以下の記載に示す方法でスペーサーとして機能する。
【0080】
参照符号75は少なくとも1つの円筒形のらせん状のスプリングを示す。このスプリングの一端は前述の付属物173に固定されている。また、スプリングの他端はクロス片464に固定されている。このような方法により、アーム64の方へ押圧されるホッパ73が維持される。
【0081】
容器1が排出ステーションに到達したときには、装置のプロセッサーにより起動されるべきモータ69が駆動され、運搬器166が上昇する。
【0082】
アーム64がピン164およびカギ部264とともに上昇し、容器1の底部の対応する凹部に係合する。そして、外部ガイド9上をスライドする容器が上昇する。ホッパ73は静止状態が維持され、容器1が上昇することによりこの容器1の上部開口内に挿入させられる。
【0083】
クロス片464がチューブ74の下端に接触したときには、ホッパ73は容器1への挿入運動を完了し、上昇工程においてこの容器1に追随する。ホッパ73および下方ユニット164、264に固く保持されていることにより、容器1はカルーセルの対応するガイド9から離間する。そして、次のステップにおいてローラ70がガイド71の湾曲部分との相互作用を開始し、その結果スライダー166の更なる上昇により容器1が軸65を中心として回転する。この回転は、容器が図面のKおよび破線で示される水平位置に到達し、ホッパ73が垂直固定プロテクター76の開口に到達したときに終了する。このプロテクター76は、滅菌された廃棄物の収集および排出手段に関連している。これらの手段は、本発明の理解にとっては重要ではないため図示されていない。容器1が前述の水平位置に到達したときに、モータ177により駆動されるスクリュー77と軸方向に位置合わせされる。このスクリュー77は、固定されるとともに下方に開口するケーシング277に設けられている。この組合せ体はスライダー178上に取り付けられている。当該スライダー178は、スクリューの軸と位置合わせされた水平ガイド78上でスライドする。スライダー178は進退手段にも接続されている。この進退手段は、例えば雌雄ネジ組合せ体からなり、モータ79により駆動される。モータ79としては、速度および位相が電子的に制御されるタイプのものが用いられることが好ましい。
【0084】
適切な時刻において、モータ177およびモータ79が駆動してスクリュー77を回転させ、このスクリュー77を容器1内に挿入させる。滅菌された廃棄物を容器から取り出すためである。スクリューの作動サイクルは、目的によって最も適切なものとすることができる。
【0085】
排出が完了したときには、回転ブラシにより容器1をクリーニングする工程を実行することができる。この際に、図示しない吸引手段および/または他の適切な手段も用いている。
【0086】
容器1からの廃棄物の排出が完了したときには、モータ69は前述の方向とは逆の方向に回転するよう形成されている。このことにより、容器はカルーセル7の対応するガイド9に戻され、また把持部分73、164、264も図8の実線に示す安静位置に戻される。このようにして、カルーセル7は90°回転してサイクルを繰り返すことができるようになる。
【0087】
上述した装置の構成に対して、様々な変更および修正を行うことができることが理解できよう。例えば、このような変形例、修正例は、様々な作動ステーションへの処理容器の搬送について、カルーセル以外の手段、例えば搬送デバイスタイプの手段の使用に関連している。
【0088】
これらの手段の使用は、例えば装置を簡素化するのに便利である。容器は必然的に、搬送デバイスの下方ブランチに沿って搬送される間、および搬送デバイスのスプロケットの周囲を走行する間に、方向が逆となっている場合であっても、水平位置に配置されるからである。容器1を空にする手段、容器のクリーニングを行う手段および容器内に取り付けられた温度センサ3の動作をテストする手段を一緒に設けることができる。
【0089】
他の変更をシュレッダーステーション、廃棄物を処理容器に供給するステーションおよび廃棄物の滅菌を行うステーションに対して加えることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】装置に用いられる一の処理容器について、可視部分および構成の様々な詳細部分の縦断面図を示す。
【図2】装置に用いられる一の処理容器について、可視部分および構成の様々な詳細部分の縦断面図を示す。
【図3】図1の容器についてラインIII−III矢視による他の詳細を示す。
【図4】図1乃至図3に示される容器が載置されたカルーセルを断面で示す側面部分図であり、とりわけ廃棄物滅菌ステーションを示す図である。
【図5】廃棄物の切り刻みを行って適切に湿らしながら処理容器に供給するステーションの最初の部分および最後の部分を断面で示す正面図である。
【図6】廃棄物の切り刻みを行って適切に湿らしながら処理容器に供給するステーションの最初の部分および最後の部分を断面で示す側面図である。
【図7】処理された廃棄物の乾燥を行うステーションを断面で示す側面図である。
【図8】廃棄物を処理容器から排出し、必要であればこの容器が動作サイクルに戻る前に当該容器のクリーニングを行うためのステーションの側面図である。
【図9】廃棄物を処理容器から排出し、必要であればこの容器が動作サイクルに戻る前に当該容器のクリーニングを行うためのステーションの上面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波により製品を処理する装置、とりわけ適切な段ボールまたは波形のプラスチックボックスに通常収容される固形の医療系廃棄物、あるいは類似の要件を満たす他の製品を滅菌する装置であって、
適切な形状および容量となっており、一端が少なくとも開口し、適切な圧力抵抗性および熱抵抗性を有する複数の強固な容器(1)であって、垂直軸を有するカルーセル(7)の動作または他の適切な運搬手段の動作により、少なくとも後述の各作動ステーションと相互に作用するよう周期的に形成される複数の容器(1)と、
廃棄物を含むボックスを細かく刻み、細かく刻まれた製品(V)を生成する第1のステーションであって、この製品(V)は適切な手段により各容器(1)内に供給され、予め設定された一定の量に圧縮され、適切に湿潤されるような第1のステーションと、
圧縮された一定量の湿潤な廃棄物の塊が内部にある前記容器の開口が適切な手段(39)により一時的にシールされる第2のステーションであって、この適切な手段(39)は導波手段(155)によってマイクロ波生成源(55)に連通し、このマイクロ波生成源(55)は、必要な電力および必要な時間により廃棄物(V)の湿潤な塊の滅菌を行うようになっており、マイクロ波により加熱される際に容器内で発生する圧力を監視するとともに制御する手段およびサイクルの最後に容器の圧抜きを行う手段が少なくとも設けられたような第2のステーションと、
容器から滅菌された廃棄物を取り出す最終ステーションと、
を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
第2のステーションと最終ステーションとの間に、滅菌された廃棄物に対して十分な脱水または乾燥を行う第3のステーションが設けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項3】
処理容器(1)のクリーニング手段が最終ステーション内または当該最終ステーションの後段に設けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項4】
処理容器(1)、および必要であれば滅菌すべき廃棄物に接触して作動を行うような装置の全ての部分を、これらの部分がメンテナンス動作に入る前に消毒するための手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項5】
処理容器(1)には断熱材(2)からなる外側ジャケットが設けられていることを特徴とする請求項1記載の装置
【請求項6】
各処理容器(1)は、対応する外部のアウトレット(103)を有するような少なくとも1つの温度センサ(3)を有し、前記アウトレット(103)は前記容器内に収容された廃棄物の滅菌工程の間において容器内の温度を検出する手段に対して取り外し可能であり迅速かつ一時的な接続を行うようなものであり、前記温度センサ(3)は好ましくは前記容器の底部にできるだけ近い位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項7】
各処理容器(1)は、適切な寸法であり断面が円形となっている円筒形の鋼材からなり、上方開口に適切な内部フレア形状部分(101)を有するとともに、容器の側面と底部とを接続するための角度のある適切な円形部分を有することを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項8】
処理容器(1)は、垂直軸(7)を有するカルーセルに対して開口が上方を向くよう縦に据え付けられ、カルーセルに固定された垂直ガイド(9、109)の間でスライドすることができるようになっており、前記各容器の底部の外方にはカギ部(4)を有する軸部分(201)が設けられており、このカギ部(4)はカルーセルのプラットフォーム(107)にある貫通穴(8、108)を貫通するようになっており、容器の下方において前記軸部分(201)が下端開口(5)を有するよう突出し、この開口(5)は90°回転するC字形状のものとなっており、処理容器(1)は前記カギ部によりカルーセルの回転軸を含む仮想平面に沿って保持されるようになっており、このような方法により当該装置は、この装置の作動ステーションに配置されたキノコ形状またはT字形状の対向手段および/または移動手段の頭部により、的確に処理容器(1)の係合および解放を行うことができるようになっていることを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項9】
第1の作動ステーションは、
廃棄物(B)を含むボックスをシュレッダー(23、123)の積み込みホッパ(16)に一つずつ供給する手段(10−18)であって、前記ボックスを前記シュレッダー手段に向かって連続的かつ制御された方法により押圧する押圧器(19)を更に有する手段(10−18)と、
十分に細かく刻まれて予め設定された粒子径となった廃棄物のみを下方に通過させるスクリーニング手段(25)と、
前記スクリーニング手段から送られた細かく刻まれた廃棄物を収集し、充填されるべき容器(1)の上方位置に運搬する搬送手段(26)と、
細かく刻まれた廃棄物から余分な液体を回収してドレンを行う手段(27、127)と、
処理容器(1)に挿入されるべきおよび/または既に挿入された、細かく刻まれた廃棄物を的確に湿らせる手段(33)と、
積み込みステーションに固定された処理容器(1)の開口内に、下方端部が適切な手段によって適切な距離で一時的に挿入される垂直スリーブ(29)であって、前記搬送手段(26)から送られた細かく刻まれた廃棄物を通過させるような外側開口(32)が設けられた垂直スリーブ(29)と、
例えば速度、トルク、位相の電子的な制御によってモータ(35)により駆動される垂直スライダー(230)に取り付けられたピストン(34)であって、前記垂直スライダーは周期的に前記ピストンを前記ガイドに沿って移動させ、処理容器内の細かく刻まれた廃棄物を押圧するようなピストン(34)と、
複数の細かく刻まれた廃棄物を処理容器(1)内に周期的に積み込む手段であって、高さおよび密度ができる限り一定かつ予め設定された値となるようにする手段と、この積み込まれた廃棄物が十分な量の水を確実に含むようにする手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項10】
外部環境に対して適切な負圧で廃棄物が細かく刻まれるような全体環境を維持する適切な手段(216)が設けられており、この手段(216)により、安全かつ衛生的な方法で、廃棄物を細かく刻む工程により生成されるいかなる粉塵をも取り除いて正常な状態に回復させることを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項11】
処理容器(1)内で積み重ねられた細かく刻まれた廃棄物の滅菌を行うステーションは、
固定されたピストン(39)が側面にシールを有するよう容器(1)に的確な距離で挿入されるような方法で処理されるべき廃棄物を含む容器(1)を一時的に持ち上げる手段(36、37)であって、前記ピストンは、滅菌工程に必要とされるパワーのマイクロ波を常時生成する生成源(55)に導波手段(155)によって連通するとともに軸方向に延びるキャビティ(42)を有するような手段(36、37)を備え、
ピストン(39)における軸方向に延びるキャビティの下方部分において、例えば石英のような、マイクロ波の浸透性はあるが流体の浸透性はないような材料からなる少なくとも2つの隔壁(44、44´)が適切な距離で互いに離間するよう配置されており、これらの2つの隔壁の間に形成された、適切なスペーサー(45)により区切られたチャンバーは適切な通路(46−48)を介して圧力センサ(49)に連通するよう形成されており、この圧力センサ(49)はシステムの作動を制御するプロセッサー(50)に接続しており、
前記ピストン(39)の下面において、少なくとも2つの枝部を有するチャンネル手段(52)により、安全弁または最大圧力弁(153)、およびプロセッサー(50)に接続された圧力センサ(53)に接続され、またプロセッサー(50)により制御される少なくとも1つの排出用電磁弁(54)に接続された圧力アウトレット(152)を開口させるようになっており、
プロセッサー(50)を処理容器(1)の底部に収容されたいずれかの温度センサ(3、103)に一時的かつ取り外し可能なように接続するのに必要な手段(56)と、
マイクロ波(55)の生成源を駆動する手段(50)であって、温度センサ(3)によって現在の温度が予め設定された温度に到達したことをプロセッサー(50)が検出したときに、あるいは、対応する作動圧力値を検出する圧力センサ(53)によって前記温度を間接的に検出したときに、前記温度センサおよび/または圧力センサにより得られたデータに基づいて前記生成源(55)は予め設定された周期で駆動が維持され、電磁弁(54)の開口が調整されることにより容器(1)内の圧力がほぼ前記作動レベルで維持され、処理容器内の廃棄物の滅菌サイクルの終了後に供給が確実に行われ、マイクロ波(55)の生成源のスイッチが切られ、前記電磁弁(54)が開口して残留圧力を放出させ、最後に前記容器(1)は、その上方に設けられたピストン(39)から取り外されて開口され、ステーションの作動の活動期に供給が確実に行われ、容器(1)内の圧力が予め設定された安全レベルを超えたときに、前記安全弁(153)が駆動され、前記安全センサ(49)が0より大きな圧力を検出したときに、滅菌ユニットが自動的に減圧されて開口され、アラーム信号が生成され、下方の石英片(44)のシール(43)の破壊または石英片の破壊により引き起こされるような問題の発生を警告するような手段(50)と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項12】
滅菌ステーションの後に作動して処理容器(1)内の滅菌された廃棄物の乾燥または脱水を行うステーションは、外部シール(158)に対応するピストン(58)と、このピストンを前記容器の開口に挿入する手段(62)と有し、バキューム手段(61)
が前記ピストンに接続され、このバキューム手段(61)のチャンネルが容器に内部接続し、滅菌された廃棄物に含まれる余分な液体を容器から吸引するようになっていることを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項13】
処理された廃棄物の乾燥を行う前記ステーションの作動を改善するために、各処理容器(1)の底部に少なくとも1つの一方向弁が取り付けられており、前記容器が前記バキューム源(61)に接続されたときのみにこの一方向弁が自動的に開口して周囲の空気を通過させるようになっていることを特徴とする請求項12記載の装置。
【請求項14】
滅菌された廃棄物を処理容器(1)から排出する最終ステーションは、
前記容器の軸部分(201)に設けられた凹部(6、106)に対応する回転防止手段(164、264)に連結されるような対応する側面ガイド(9、109)から廃棄物を含む容器(1)を持ち上げる手段(63−69)であって、この持ち上げ手段は環状のホッパ(73)に取り付けられるとともに対向し、ホッパ(73)は容器(1)の持ち上げに反応し、弾性手段(75)の作動とは反対に、容器の開口に挿入されて汚染を防止するようになっており、前記開口の外部に広がって枝分かれした伸張部分を形成し、持ち上げの最後の部分の間に実質的に水平位置で容器(1)を回転させる手段(70、71)に取り付けられているような持ち上げ手段(63−69)と、
廃棄物を収集および排出手段に移動させる方法により、実質的に水平位置にある容器(1)から処理された廃棄物を抽出するための例えばスクリュー式の手段(76−79)と、
カルーセルの対応する垂直ガイド(9、109)の間に設けられた、空の容器(1)を戻す手段であって、原初の角度位置におけるカルーセルのプラットフォーム(107)上に載るまで空の容器を戻し、ホッパ(73)の組立品は、ホッパが容器(1)から解放されて適切に取り除かれるような方法により下方への移動を停止させる固定手段(268)と相互作用を行い、カルーセル(7)により次の作動ステーションへ容器の自由な搬送を行わせる手段と、
を備えたことを特徴とする請求項1記載の装置。
【請求項15】
処理容器の内部のクリーニング手段が、最終ステーション内または当該最終ステーションの後段に設けられており、温度センサ(3、103)が設けられている場合は、必要であればこの温度センサの作動をテストすることを特徴とする請求項14記載の装置。
【請求項16】
スリーブ(29)およびホッパ(73)は、容器に対して廃棄物の積み重ねまたは取り出しを行う間、この処理容器(1)の開口に挿入され、廃棄物滅菌ステーションのピストン(39)が清潔に保たれるよう、前記容器(1)の上方内部部分の全体が当該ピストン(39)と相互作用を行うような形状および寸法、ならびに材料をスリーブ(29)およびホッパ(73)が有することを特徴とする請求項9記載の装置。
【請求項17】
連続する作動ステーションに処理容器(1)を周期的に搬送するために、垂直軸(7)を有するカルーセルの代わりに、例えば水平軸を有する搬送器を用い、この搬送器のスプロケットの周りで走行する間および搬送器の下方のブランチに沿って移動する間に、対応するガイド(9、109)で前記容器を保持する手段と、細かく刻まれた廃棄物を排出する手段と、容器が水平に位置されて下方に位置合わせされる間に動作を行うよう形成された容器のクリーニング手段とが設けられていることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項18】
マイクロ波により製品を処理する方法、とりわけ適切なボックス(B)に通常収容される固形の医療用廃棄物を滅菌する方法であって、
廃棄物を含むボックスを細かく刻み、適切なレベルまで水で湿潤させ、細かく刻まれた製品(V)を得る工程と、
細かく刻まれて湿らされた廃棄物を適切な量だけ、少なくとも一端が開口する処理容器(1)に挿入し、積み重ねられた廃棄物について高さ、密度および含水率ができる限り一定かつ予め設定された値となるよう、この廃棄物の圧縮を行う工程と、
前記処理容器(1)を閉じてシールを形成し、例えば約2.45GHzで適切なパワーを用いてマイクロ波を生成する生成源(55)にこの容器を接続し、容器に含まれる廃棄物および水の温度を適切なレベルまで上昇させて、廃棄物の滅菌を行うのに十分な時間、この温度を維持し、予め設定された最小値を超えないよう外部への制御された圧抜きにより容器の内部圧力が調整され、滅菌された廃棄物を有する処理容器は減圧されるとともにサイクルの最後に再開封される工程と、
処理容器から滅菌された廃棄物を取り出し、必要であれば容器(1)のクリーニングを行い、作動サイクル内で容器の再使用を行う工程と、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項19】
滅菌工程は、細かく刻まれて湿らされた廃棄物を約150℃で少なくとも約9−10秒間維持し、処理容器内の圧力を設定最大レベルよりも小さくなるよう、例えば8バールよりも小さくなるよう維持することを特徴とする請求項18記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−527040(P2006−527040A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515948(P2006−515948)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006472
【国際公開番号】WO2005/002639
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(505463261)
【氏名又は名称原語表記】LUCIANO SALDA
【Fターム(参考)】