説明

マイクロ流体チップおよび混合方法

【課題】チップに収容された流体への気泡の混入を防ぐマイクロ流体チップおよび混合方法を提供すること。
【解決手段】複数の秤量セルD1,D2にそれぞれ所定の流体を収容してそれぞれ秤量を行ない、各秤量セルD1,D2に収容した各流体を混合セルM1に移送して混合するマイクロ流体チップ1において、秤量セルD1,D2間に設けられた流路であり、各秤量セルD1,D2を直列に接続し、ラプラス力によって流体の流通を制御する移送制御流路LF11と、移送制御流路LF11によって接続された最後段の秤量セルD1,D2と混合セルM1とを接続し、ラプラス力によって流体の流通を制御する移送制御流路LF12と、混合セルM1に流入する流体の流入方向末端部に設けられた排気口12cと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微少量の液体を秤量し、混合するマイクロ流体チップおよび混合方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、血液や体液等の検体に含まれる免疫成分などを自動的に分析する技術として自動分析装置が知られている。この自動分析装置は、試薬が入った反応容器に検体を加え、反応容器内の試薬との間で生じた反応を光学的に検出するものである。この自動分析装置による検体の分析に必要な試薬量は、一つの検体に対して数ml(ミリリットル)〜数十ml程度と少量で済むが、コスト的な観点から見て、分析に用いる試薬量をさらに低減することのできる技術が待望されていた。また、従来の自動分析装置は、検体や試薬を分注する分注ノズルの洗浄に用いる洗浄水の廃液量も多く、この点においてもコスト面で改善の余地があった。
【0003】
このような状況を解決しうる技術として、検体の分析に必要な要素を微小なチップ上に集積化することによって流体の秤量および混合を行うことが可能なマイクロ流体チップがある(例えば、特許文献1参照)。このマイクロ流体チップに関しては、ラプラスバルブを設けて送液を制御するという技術も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−131556号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すマイクロ流体チップは、各流体が各流路を介して混合部に移送される際に、混合液中に気泡が混入してしまうおそれがあった。また、各液体を収容する収容部が並列に配置されているため、送液にかかる加圧を収容部に対応して複数設ける必要があり、装置構成を複雑にしていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、チップに収容された流体への気泡の混入を防ぐマイクロ流体チップおよび混合方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の秤量部にそれぞれ所定の流体を収容してそれぞれ秤量を行ない、各秤量部に収容した各流体を混合部に移送して混合するマイクロ流体チップにおいて、前記秤量部間に設けられた流路であり、各秤量部を直列に接続し、ラプラス力によって前記流体の流通を制御する第1移送制御流路と、前記第1移送制御流路によって接続された最後段の秤量部と前記混合部とを接続し、ラプラス力によって前記流体の流通を制御する第2移送制御流路と、前記混合部に流入する前記流体の流入方向末端部に設けられた排気口と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかるマイクロ流体チップは、上記の発明において、一端が前記秤量部に接続され、他端に調節流路排気口を設けた秤量調節流路をさらに備え、前記秤量調節流路は、秤量部の容量を超えた前記流体を流通させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明にかかるマイクロ流体チップは、上記の発明において、前記秤量部は、前記流体を収容する秤量セルと、前記流体を分注する分注口と、前記分注口と前記秤量セルとを連結する移送流路と、を有し、前記秤量調節流路は、前記分注口に連結されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明にかかるマイクロ流体チップは、上記の発明において、前記分注口に嵌合し、分注された前記流体を保持する流体保持部を設けたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるマイクロ流体チップは、上記の発明において、前記秤量部の壁面は、親水性であることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるマイクロ流体チップは、上記の発明において、前記第2移送制御流路によって接続された前記混合部と、該混合部に収容された前記流体の流入方向に配置された秤量部とを接続する第3移送制御流路をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる混合方法は、上記の発明において、分注口から液体を秤量部に分注する分注ステップと、第1の分注口を除く分注口および気体を排出する排出口を封止する封止ステップと、前記第1の分注口から加圧して、混合部に前記液体を送液する送液ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかる混合方法は、上記の発明において、前記混合部によって混合された混合液の測光を行なう測光ステップをさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明にかかるマイクロ流体チップは、流体を秤量する秤量セル間、または秤量セルと各流体の混合を行なう混合セルとの間を、ラプラス力を有する流路によって直列に接続し、秤量セル、混合セルおよび流路内の気体を排気口から排気できるようにしたので、流体を混合した場合に気泡の混入を防止するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施の形態にかかるマイクロ流体チップの構成を示す模式図である。
【図2】図2は、図1に示すマイクロ流体チップのA−A線断面を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態にかかるマイクロ流体チップの流体の移送を示す模式図である。
【図4】図4は、図1に示すマイクロ流体チップの変形例1を示す模式図である。
【図5】図5は、図1に示すマイクロ流体チップの変形例2を示す模式図である。
【図6】図6は、図1に示すマイクロ流体チップの分注口の断面を示す断面図である。
【図7】図7は、図1に示すマイクロ流体チップの変形例3を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明のマイクロ流体チップを実施するための形態について説明する。本発明は、以下に例示する実施の形態や変形例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば、種々の変形が可能である。また、図面の記載において、同一部分には同一符号を付している。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態にかかるマイクロ流体チップの構成を示す模式図であり、図2は、図1に示すマイクロ流体チップ1のA−A線断面図である。図1に示すマイクロ流体チップ1は、光の80%以上を透過する光学的に透明な素材、例えば、耐熱ガラスを含むガラス、環状オレフィンやポリスチレン等の合成樹脂が用いて形成され、分注口11a,11b、移送流路F11,F12、秤量セルD1,D2、移送制御流路LF11,LF12、混合セルM1、秤量調節流路F21,F22、排気口12a,12b,12cを有し、秤量セルD1,D2と混合セルM1とが各流路によって連結されている。
【0019】
分注口11a,11bは、マイクロ流体チップ1の上部平面に開口を有し、移送流路F11,F12に連通している。分注口11a,11bにプローブ等を挿入して検体または試薬としての流体を分注することによって、移送流路F11,F12を介して秤量セルD1,D2に流体を送り込む。
【0020】
秤量セルD1,D2は、所定の体積となるように形成され、送り込まれた流体が充填された場合に所定体積と秤量できる。なお、セルの形状は、円形でもよく、角形でもよい。
【0021】
移送制御流路LF11,LF12は、移送流路F11,F12および秤量調節流路F21,F22と比して最も断面積が小さくなるように形成され、その断面積は、0.05mm以下であることが好ましく、特に、0.02mm以下が好ましい。流路の断面積と流体の表面張力とによって、流路出口において流体にラプラス力がかかり、流体の流通が停止する。この流体の流通停止によって分注口11a,11bから分注された流体が秤量セルD1,D2および移送流路F11,F12に充填される。
【0022】
なお、移送制御流路LF11,LF12、秤量セルD1,D2および移送流路F11,F12内の気体は、流体の流入に従って排気口12cから排出される。流体の秤量は、移送流路F11,F12および秤量セルD1,D2からなる秤量部と、移送制御流路LF11,LF12とを秤量単位とし、各流路およびセルに充填された流体の総量が対象となる。
【0023】
秤量調節流路F21,F22は、一方が分注口11a,11bに接続され、分注された流体が移送制御流路LF11,LF12、秤量セルD1,D2および移送流路F11,F12に充填された後、過剰量の流体が流れ込み、分注された流体の秤量調節を行なう。ここで、秤量調節流路F21,F22は、移送流路F11,F12と比して断面積が小さく形成される。これにより、分注口11a,11bから分注された流体は、移送流路F11,F12を優先的に選択して流通する。また、秤量調節流路F21,F22の他方端部には、秤量調節流路F21,F22内の排気を行なう排気口12a,12bを有する。
【0024】
混合セルM1は、秤量セルD1,D2に対応した体積となるように形成される。また、混合セルM1は、各セルおよび流路内の脱気を行なう排気口12cを有する。なお、排気口12cは、混合セルM1に収容された混合物を吸引する吸引口として用いてもよい。
【0025】
また、移送制御流路LF11と移送流路F12とを連結する際の角度は、各流通方向がなす角度が鋭角となるように配置されることが好ましい。
【0026】
ここで、マイクロ流体チップ1内における流体の移送について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施の形態にかかるマイクロ流体チップ1の流体の移送を示す模式図である。まず、分注口11aから第1流体を分注すると、分注された第1流体は、移送流路F11を流通し、秤量セルD1に送り込まれる。秤量セルD1に送り込まれた第1流体は、毛細管力によって移送制御流路LF11に入り込み、ラプラス力により移送流路F12との交点で流通を停止する。第1流体は、移送制御流路端部に停止後、順次秤量セルD1、移送流路F11を充填し、余剰量の第1流体は、秤量調節流路F21に流れ込む(図3(a))。ここで、移送流路F11、秤量セルD1、移送制御流路LF11および秤量調節流路F21内の気体は、排気口12a,12cによってそれぞれ排気される。場合によっては、分注口11bまたは排気口12bからも排気される。
【0027】
第1流体の分注が終了すると、第2流体の分注を行なう(図3(b))。第2流体は、分注口11bから分注され、第1流体と同様に、移送流路F12を流通して秤量セルD2に流れ込み、移送制御流路LF12において、混合セルM1との交点で流通が停止した後、秤量セルD2および移送流路F12を充填する。また、余剰量の第2流体は、秤量調節流路F22に送り込まれる。このとき、移送流路F12、秤量セルD2、移送制御流路LF12および秤量調節流路F22内の気体は、排気口12b,12cによってそれぞれ排気される。ここで、第1流体の移送流路F12への流出を抑制するため、封止部材またはシール部材によって分注口11aを封止することが好ましい。
【0028】
第1流体および第2流体の分注、秤量が終了すると、分注口11bおよび排気口12a,12bを封止して、分注口11aおよび排気口12cのみが開放された状態にする(図3(c))。この封止に用いる部材は、樹脂等で形成されたキャップ等の封止部材またはシール部材が好ましい。
【0029】
分注口11bおよび排気口12a,12bを封止後、分注口11aからプローブ等を用いて送風等により流体を加圧し、移送制御流路LF11,LF12にかかる流通抑止力を解除する。分注口11aからの加圧によって、第1流体および第2流体が混合セルM1に流れ込み、第1流体と第2流体とが混合セルM1内において混合する(図3(d))。ここで、排気口12a,12bを封止することによって、秤量調節流路F21,F22内にある第1流体および第2流体は、混合セルM1に流れ込まない。
【0030】
上述した一連の処理を行うことによって、秤量された流体を気泡の混入なく混合させることが可能となる。なお、図3(c)において、排気口12a,12bを封止する前に排気口12a,12bから秤量調節流路F21,F22に流れ込んでいる余剰量の流体を吸い出してもよい。この場合、秤量セルD2からの流体の逆流を防止するため、分注口11bも開放しておく。また、混合セルM1に測光装置を配置して、混合された流体の測光処理を行ってもよい。
【0031】
また、混合セルM1に配置される排気口は、図4に示す変形例1であるマイクロ流体チップ2のように、排気口12dを混合セルM1とは別体として配置してもよい。図4は、図1に示すマイクロ流体チップ1の変形例1を示す模式図である。この場合、移送流路F13によって、排気口12dが混合セルM1と連結され、図1に示すマイクロ流体チップ1と同様の効果を得ることができる。
【0032】
なお、秤量調節流路F21,F22は、直線以外の形状でもよい。図5は、図1に示すマイクロ流体チップ1の変形例2を示す模式図である。図5に示すマイクロ流体チップ3の秤量調節流路F23,F24は、流路が蛇行して形成され、流路面積を大きくすることによって一層安定した秤量調節を行なうことが可能となる。また、図5に示す秤量調節流路F23,F24のような屈折した流路でもよく、曲折した流路でもよい。秤量調節流路F23,24内の気体は、排気口12e,12fから排出される。
【0033】
また、分注口に、流体保持部を配置してもよい。図6は、図1に示すマイクロ流体チップ1の分注口11aの断面を示す断面図である。液体保持部としてのチャンバ20は、内部に空領域を有する略筒状であって、一方の端部は分注口11aと嵌合可能な錐状に形成されている。分注プローブ等によって、チャンバ20に流体R1が分注されると、チャンバ20から移送流路F11に送り込まれる。このとき、分注された流体はチャンバ20に保持されるため、分注口11aから溢れることなく、分注された流体すべてを流路内に送り込むことができる。
【0034】
なお、移送流路および秤量セルは、各壁面を親水性となるように形成してもよい。壁面の親水化処理として、たとえば、メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体を用いることが挙げられる。メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン重合体を塗布することによって、表面を親水性に加工することができる。ここで、移送制御流路以外の壁面を親水性に加工してもよい。壁面を親水処理することによって、分注口またはチャンバから自然落下した流体が移送流路および秤量セルに流れ込むため、プローブ等による送風等の加圧処理なく秤量セルに充填することが可能となる。
【0035】
ここで、上述したマイクロ流体チップは、混合過程に応じて、秤量セルおよび混合セルを追加することも可能である。図7は、図1に示すマイクロ流体チップの変形例3を示す模式図である。図7に示すマイクロ流体チップ4は、図1に示す構成に対して、分注口11c、秤量セルD3および混合セルM2と、これらを連結する移送流路F14、移送制御流路LF14と、秤量調節流路F25とで構成される秤量混合単位を追加し、移送制御流路LF13によって混合セルM1と移送流路F14とが連結される。なお、図1に示す排気口12cは、セル最後段である混合セルM2端部に排気口12gとして設けられる。
【0036】
したがって、秤量セルD1,D2において秤量された第1流体、第2流体は、混合セルM1で第1混合流体として混合され、移送制御流路LF13の移送流路F14側開口部で停止する。その後、分注口11cから第3流体を分注すると、第3流体は、移送制御流路LF14、秤量セルD3および移送流路F14を充填した後、余剰量の第3流体は、秤量調節流路F25に流れ込む。なお、移送流路F14、秤量セルD3、移送制御流路LF14および混合セルM2内の気体は排気口12gから排気され、秤量調節流路F25内の気体は排気口12hから排気される。
【0037】
第3流体の分注終了後、図3に示したように、封止されている分注口11bおよび排気口12a,12bに加え、分注口11cおよび排気口12hを封止する。これにより、マイクロ流体チップ5の構成において分注口11aと排気口12gとが開放される。分注口11aから送風等により混合セルM1に収容されている第1混合流体を加圧すると、移送制御流路LF13から移送流路F14に流れ込むため、連動して第3流体が混合セルM2内に送り込まれ、つづいて第1混合流体が混合セルM2に入り込む。
【0038】
混合セルM2に送り込まれた第3流体および第1混合流体は、混合セルM2内において、混合して第2混合流体となり、段階的な秤量・混合処理を行うことができる。なお、3液を同時に混合する場合は、移送流路F11に新たな秤量単位を追加接続することで秤量および混合が可能となる。
【0039】
上述した実施の形態において、分注口を秤量セル上部に配置し、秤量調節流路を秤量セルに接続してもよい。このとき、流体の秤量は、秤量セルと、セル間を連結する移送制御流路に充填された流体が対象となる。また、マイクロ流体チップを形成する際に、チャンバ形状を分注口上部に形成してもよい。
【実施例】
【0040】
また、図1に示すマイクロ流体チップ1を用いて、図3(a)〜(d)に示す秤量・混合処理を行なった。200ppmのオレンジG(和光純薬工業株式会社製)を秤量セルD1へ分注し、秤量セルD2へ水を分注し、両液体を混合セルM1へ送液した後、混合セルM1の排気口12cから混合液体を回収し、20倍希釈して吸光度測定(主波長:480nm、副波長:570nm)を行った。一方、参照実験として、200ppmのオレンジGを7μLと水7μLを1.5mLチューブ内で混合し、さらに20倍希釈して吸光度測定を行った。それぞれ10回繰り返し試験した結果、マイクロ流体チップを用いて混合した液の平均濃度は5.516ppmであり、CVは3.85%となった。一方、チューブにて混合した液は、平均濃度が5.407ppm、CVは1.44%であった。なお、各秤量セルD1,D2に液体が充填されたときに秤量される容量は、7μLである。
【0041】
実施例による従来の混合方法と本発明の混合方法との測定結果から、従来行なわれているチューブによる測定で得られる測定結果に対して、本発明のマイクロ流体チップでも同様の測定結果を得ることができた。これより、本発明のマイクロ流体チップを用いることで、気泡の混入を防止し、精度の高い微量分析を行うことができる。
【0042】
上述したマイクロ流体チップを用いることによって、分注された流体の秤量を行い、気泡を混入させることなく混合移送して混合させることが可能となる。また、各セルを直列に接続することによって、送液にかかる加圧が1箇所のみでよく、加圧処理も容易となる。さらに、任意に秤量セル、混合セルを追加できるため、反応過程に対して柔軟に対応して精度の高い分析を行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上のように、本発明にかかるマイクロ流体チップは、流体を秤量して混合するのに有用であり、特に、微量分析に適している。
【符号の説明】
【0044】
1〜4 マイクロ流体チップ
11a〜11c 分注口
12a〜〜12h 排気口
20 チャンバ
D1,D2,D3 秤量セル
F11〜F14 移送流路
F21〜F25 秤量調節流路
LF11〜LF14 移送制御流路
M1,M2 混合セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の秤量部にそれぞれ所定の流体を収容してそれぞれ秤量を行ない、各秤量部に収容した各流体を混合部に移送して混合するマイクロ流体チップにおいて、
前記秤量部間に設けられた流路であり、各秤量部を直列に接続し、ラプラス力によって前記流体の流通を制御する第1移送制御流路と、
前記第1移送制御流路によって接続された最後段の秤量部と前記混合部とを接続し、ラプラス力によって前記流体の流通を制御する第2移送制御流路と、
前記混合部に流入する前記流体の流入方向末端部に設けられた排気口と、
を備えたことを特徴とするマイクロ流体チップ。
【請求項2】
一端が前記秤量部に接続され、他端に調節流路排気口を設けた秤量調節流路をさらに備え、
前記秤量調節流路は、秤量部の容量を超えた前記流体を流通させることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項3】
前記秤量部は、
前記流体を収容する秤量セルと、
前記流体を分注する分注口と、
前記分注口と前記秤量セルとを連結する移送流路と、
を有し、前記秤量調節流路は、前記分注口に連結されることを特徴とする請求項2に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項4】
前記分注口に嵌合し、分注された前記流体を保持する流体保持部を設けたことを特徴とする請求項3に記載のマイクロ流体チップ。
【請求項5】
前記秤量部の壁面は、親水性であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のマイクロ流体チップ。
【請求項6】
前記第2移送制御流路によって接続された前記混合部と、該混合部に収容された前記流体の流入方向に配置された秤量部とを接続する第3移送制御流路をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のマイクロ流体チップ。
【請求項7】
分注口から液体を秤量部に分注する分注ステップと、
第1の分注口を除く分注口および気体を排出する排出口を封止する封止ステップと、
前記第1の分注口から加圧して、混合部に前記液体を送液する送液ステップと、
を含むことを特徴とする混合方法。
【請求項8】
前記混合部によって混合された混合液の測光を行なう測光ステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の混合方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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