説明

マイコバクテリア感染を検出するためのアッセイ

対象においてマイコバクテリア感染を評価する方法であって、i.少なくとも1つのCD1分子又は類似体を、ミコール酸又はミコール酸類似体に曝露するステップと、ii.その後、少なくとも1つのCD1分子又は類似体を、対象から単離した、少なくとも1つのT細胞を含む試料と共にインキュベートするステップと、iii.T細胞応答及び/又はT細胞試料中に存在するミコール酸特異的T細胞の数を測定するステップとを含む方法。この方法は、活動性及び潜伏性の結核菌感染を識別でき、治療的介入の有効性をモニターするのに使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[概要]
本発明は、ex vivoで、ミコール酸抗原に特異的なT細胞を検出することにより、対象のマイコバクテリア感染を検出するためのアッセイに関する。
【0002】
[背景]
ヒト型結核菌(M.tuberculosis)の形態のマイコバクテリア感染は、世界的に重要な問題であり、毎秒1人が新たに感染している。結核は、慢性の感染性疾患であり、一般的には、ヒト型結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に感染することにより発症する。
【0003】
結核は、発展途上国における重要な疾患であり、世界の先進地域においても増えつつある問題である。全般的に、世界の人口の1/3は、結核菌に現在感染している。ヒト型結核菌に感染していること以外は健康な人々の5〜10%が、その人生のある時点で発病又は、他人にうつす恐れがある。しかし、免疫不全の人々、例えばHIVの人々が、さらにヒト型結核菌に感染すると、TBを発症する可能性が非常に高い。
【0004】
感染はかなりの期間無症状であり得るにもかかわらず、再活動化により、肺の慢性炎症として最も一般的に現れる疾患をもたらし、熱及び咳をもたらし得る。治療せずに放置した場合、通常は深刻な合併症及び死に至る。現時点の推定では、1年に900万の新たなTB症例及びほぼ200万の死亡例が存在することが示されている。TBであると明らかに診断されたすべての患者に対して、それより多くの患者がTBが疑われると評価されている(世界保健機構(World Health Organization)、2006)。
【0005】
活動性TBの決定的な診断は、臨床材料からのTB菌、ヒト型結核菌の培養によってなされる。しかし、培養は、陽性になるまで2〜8週間かかり、実質的少数の患者(20〜50%)の培養物は陰性である。したがって、別の活動性TBのより新規な診断検査が、早急に必要である(Dinnesら、Health Technol Assess、2007に総説)。
【0006】
TB感染のいくつかの検査は、ヒト型結核菌のタンパク質に対する細胞性免疫系の感作を検査する。これらの最も広範に使用されているものは、ツベルクリン反応(PPD検査又はマントー反応又はツベルクリン感受性試験又はピルケ反応としても公知である)であり、100年以上使用されている。この検査は、結核菌のグリセリン抽出物である、ツベルクリンへの曝露に対する応答の特定に基づいている。この検査に使用する標準材料は、精製タンパク質誘導体ツベルクリン(PPD)であり、これは滅菌、濃縮培養物のろ液から得られた、非種特異的分子の沈殿である。
【0007】
この検査は、標準用量である5ツベルクリン単位(0.1ml)を、前腕の手掌面へ皮内注射することを含む。結果は、臨床検査の48〜72時間後に得られる。細菌に曝露されたことがあるヒトは、細菌タンパク質を含む皮膚の遅延型過敏免疫応答が起こることが期待される。一方、TBに曝露されたことがない個体では、応答が見られないであろう(http://www.cdc.gov/nchstp/tb/pubs/Mantoux/partl.htm)。
【0008】
この検査は、多くの問題を有しており、第1に、ツベルクリンの初回注射の3日後に、患者の再検査が必要であり、必ずしも容易又は便利ではない。第2に、結果は、試験を実施した人物による解釈に左右される。第3に、このことは偽陽性の提示をもたらし得るので、解釈は、BCGワクチンを接種されることがある、又は他のマイコバクテリアに曝露されたことがある患者においては複雑である。第4に、この検査は、特に感受性が高いわけではなく、それ故多くの偽陰性をもたらし得る(Chaturvedi Nら、1992)。
【0009】
ここ数年、新世代の細胞性免疫に基づく試験が開発されており、臨床診療に参入している。それらは、血液試料を、タンパク質抗原、特に、ヒト型結核菌には存在するが、BCGには存在しないESAT−6及びCFP−10とともに一晩インキュベートした後で、インターフェロン−γT細胞応答をex vivoで測定する。したがって、検査結果は、以前のBCGワクチン接種と混同されない。2つの市販のアッセイフォーマット:酵素結合免疫スポット(ELISpot)及び酵素結合免疫アッセイ(ELISA)が存在する。ELISpotアッセイは、本発明の発明者らの一人により開発され、特許となり、臨床的に確証された。これらのアッセイは、ヒト型結核菌感染の診断において、大幅な進歩であると思われる。両方のアッセイは皮膚検査より特異的であり、ELISpotはさらにより感受性が高い。しかし、TB曝露後の皮膚検査結果が陽性であったヒトは、その後数年にわたって、活動性TBの進行の危険性が増すことは公知であり(その結果、陽性の皮膚検査結果は、休眠しているが疾患発症の可能性を維持している生菌による潜伏性感染に影響を与えることを示している)、最近TB接触した場合の、陽性T細胞に基づくインターフェロンγ(TIGRA)の予後値は未知である。したがって、陽性のTIGRA結果が、休眠しているが疾患発症の可能性を維持している生菌による感染を示すかどうかはまだ確実ではない。
【0010】
皮膚検査及びTIGRA検査はどちらも重要な欠点を持っている。
【0011】
第1に、それらは活動性TB感染と、潜伏性TB感染を識別できない。
【0012】
第2に、TIGRAは、応答の強度が、良好な抗TB治療と共に低下する皮膚検査より動的であるが(Lalvaniら、J Inf Dis 2001;Pathanら、J Immunol 2001;Lalvaniら、am j resp crit care med 2001; Lalvaniら、lancet 2001;Ewerら、Lancet 2003)、その低下には、非常に大きな個体間の変動があり、かなりの割合の患者が、治療完了後長期の間、陽性の血液検査結果を有し続ける(Ewerら、Am J Resp Crit Care Med 2006;Cheeら、Am J Resp Crit Care Med 2006;Millingtonら、J Immunol 2007)。したがって、これらのアッセイ、特にELISpotが抗TB治療のモニターに使用でき、又は治癒の検査として使用できるという初期の期待は、長期間の研究によって満たされていない。これはおそらく、HLAクラスI及びクラスII拘束性ペプチド特異的CD8及びCD4メモリーT細胞は、TIGRAにおいて陽性応答を依然として示すのに十分なレベルで、治療後長期にわたって存続するためである(Millingtonら、J Immunol 、2007)。
【0013】
第3に、それらは、診断の感受性を制限しており、この検査の臨床的有用性をある程度制限している。このことは、TBの疑わしい診断を排除するために、陰性の検査結果の値が非常に高い診断感受性に依存しているためである。
【0014】
本発明の目的は、皮膚検査及びTIGRAの上記の制限を克服する、マイコバクテリア感染を特定するための、細胞性免疫に基づく改善された検査を提供することである。
【0015】
本発明によれば、対象においてマイコバクテリア感染を評価する方法であって、
i.少なくとも1つのCD1分子又は類似体を、ミコール酸又はミコール酸類似体に曝露するステップと、
ii.少なくとも1つのCD1分子又は類似体を、対象から単離した、少なくとも1つのT細胞を含む試料と共にインキュベートするステップと、
iii.T細胞応答及び/又はT細胞試料中に存在するミコール酸特異的T細胞の数を測定するステップと
を含む方法を提供する。
【0016】
本明細書で使用する場合、評価という用語は、TBとして現れるマイコバクテリア感染の診断;疾患として現れない潜伏性マイコバクテリア感染の診断、活動性及び潜伏性のマイコバクテリア感染の識別及び時間経過によるマイコバクテリア感染の状態の進行又は変化のモニターを含む。その場合、変化は、自発的に、又は薬剤若しくはワクチン若しくは検査薬若しくは検査ワクチンを用いた治療の結果として起こり得る。
【0017】
この方法のステップiiを、ステップiと同時、又はステップiに続いて実施できることは、当業者にはさらに明白であろう。
【0018】
一実施形態において、少なくとも1つのCD1分子又は類似体は、少なくとも1つの樹状細胞を含む。CD1分子を提示するために樹状細胞を使用することは、本発明にとって必ずしも必須ではないことは当業者には理解されるであろう。CD1分子は、当業者に公知の任意の適切な方法により提示され得る。
【0019】
樹状細胞は、免疫系の一部を形成する細胞である。これらの細胞は、抗原物質を処理し、免疫系の他の細胞により認識されるために、それらの表面に抗原物質を提示する。それらは、血液中に未成熟状態で見出され、活性化されると、免疫応答の開始及び調節に関与するリンパ系組織に移動する。
【0020】
好ましい実施形態において、少なくとも1つの樹状細胞は、対象から単離された少なくとも1つの単球を、ex vivoで培養することによって産生される。
【0021】
体内において、単球は骨髄の単芽球から産生され、循環の中に放出され、そこで身体の組織に移動する前に1〜3日間血液中を循環する。
【0022】
或いは、少なくとも1つのCD1分子又は類似体は、人工的に合成されたCD1分子を含む。自己DC生成の要求を回避するために設計されたこの戦略では、基質上に脂質負荷CD1bモノマーを固定化する。好ましい実施形態において、基質は、pvdfをコーティングした基質である。
【0023】
さらに好ましい実施形態において、脂質負荷CD1bモノマーを、参照により本明細書に組み込まれている、SavageらがMHCクラスIモノマーに使用した同じ方法(Ogg GSら、2000)で、MHCクラスI及びクラスII陰性細胞の表面に固定化できる。
【0024】
さらに別の実施形態において、少なくとも1つのCD1分子又は類似体は、CD1分子を発現する細胞系に由来し得る。この細胞系が、提示の手段として使用できることは明らかであろう。
【0025】
好ましくは、CD1発現細胞系は、MHCクラスI及びクラスII陰性でもある。例えば、参照により本明細書中に組み込まれている、De La Salleらは、CD1bを形質導入したMHC−陽性THP−1細胞を使用して、CD1b拘束性T細胞クローンを活性化している(de la Salle、Mariottiら、2005)。
【0026】
好ましい実施形態において、T細胞応答を、前記T細胞と、以前にミコール酸に曝露されていない樹状細胞とを接触させた時に見られるT細胞応答と比較する。ミコール酸に曝露された樹状細胞と接触させた場合のT細胞応答が、ミコール酸に曝露させていない樹状細胞において見られるT細胞応答と比較して増大している場合、マイコバクテリア感染を示していることは理解されるであろう。
【0027】
好ましくは、T細胞はCD1拘束性T細胞である。
【0028】
ミコール酸に対するT細胞応答の検出を、マイコバクテリア感染を診断するための方法として使用することには、数多くの利点がある。脂質抗原は、すべてのヒトにおいて発現されるCD1分子により提示され、ペプチド抗原(ESAT−6及びCFP10を含む)を提示するMHCI及びMHCII分子ほどには多型でない。このことは、すべてのヒトにおける抗原提示細胞が、ミコール酸を潜在的に提示でき、反対にペプチドエピトープをT細胞へ提示するタンパク質抗原は、個体の遺伝的構成、すなわち組織型又はHLAハプロタイプにより制限されることを意味する。したがって、ミコール酸に基づく診断検査は、非近交系の遺伝的に異質な集団において、高度な診断感受性を可能にすると思われる。
【0029】
CD1分子それ自体は、さまざまなヒト抗原提示細胞の表面上に発現される糖タンパク質のファミリーであり、グループ1及びグループ2のCD1分子に細分される。グループ1CD1分子は外来脂質抗原、具体的にいくつかのマイコバクテリアの細胞壁成分を、CD−1特異的T細胞に提示し、それによって、マイコバクテリア感染の特定における使用に特に適するものとなる(Manfred Briglら、2004)。
【0030】
HLAクラスI及びクラスII拘束性のCD8及びCD4ペプチド特異的T細胞の特徴である長期免疫記憶が、先天性免疫及び後天性免疫の間のハイブリッドを表すCD1拘束性T細胞とは全く異なると思われる。したがって、CD1拘束性脂質抗原が身体から浄化された場合、例えば、良好なTB治療の後、CD1拘束性T細胞は非常に数が減り、反対に、ペプチド特異的メモリーT細胞は、感染の治療後何年もの間増加した数で生存することになる(Millingtonら、J Immunol 2007)。
【0031】
これらの理由から、脂質特異的CD1拘束性T細胞(又はそれらの産物)の定量的検出は、一方は活動性TB疾患(細菌負荷が高い)と、他方は潜伏性TB感染(細菌負荷が低い)とに識別できる。さらに、未治療の活動性TBと、良好に治療されたTB感染(細菌は生存していないと考えられる)とも識別できる。本発明の方法は、感染レベル、活動性TB又は潜伏性感染かどうかを、治療の間にモニターすることも可能である。
【0032】
これらは、TIGRAより非常に有利であり、本発明がタンパク質に基づくTIGRAに置き換え可能である、又はそれらの提供する情報と共に相乗的及び相補的方法で機能し得ることを示しているであろう。
【0033】
ミコール酸に特異的なT細胞又はT細胞応答を検出することにより、活動性TB感染及び潜伏性感染を識別することができ、今日までに開発されたT細胞に基づく診断検査は双方とも、高い診断感受性を有さず、活動性TB疾患と、潜伏性TB感染とを確実に識別しないので、本発明は、既存の検査法を上回る明らかな利点を提供する。
【0034】
ミコール酸それ自体は、細菌が細胞壁の主要な成分を形成する、細菌のミコラータ類(mycolata taxon)の細胞壁において見出される長鎖脂肪酸である。60〜90個の間の炭素を有する長鎖ミコール酸は、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)のすべての属において見出され、したがって、TBを伴う症状を提示しない病気の個体における他のマイコバクテリア(ライ菌(M.leprae)及びマイコバクテリウム・アビウム(M.avium)を含む)による感染の診断に有用であり得る。ヒト型結核菌は、3種の主要なミコール酸:α−、メトキシ−及びケト−を産生し、そのうちα−ミコール酸が少なくとも70%を占める(Brennerら、1995)。
【0035】
一実施形態において、T細胞は末梢血リンパ球(PBL)の形態である。
【0036】
PBLは、循環血液中に見出される成熟リンパ球であり、リンパ節、脾臓、胸腺、肝臓又は骨髄などの臓器に位置するものとは対照的である。
【0037】
さらなる実施形態において、T細胞は、活動性TB疾患の部位から採取された体液、例えば気管支肺胞洗浄液(肺の洗浄液)又は胸水又は脳脊髄液又は腹水から単離される。
【0038】
しかし、T細胞を含む任意の体液が本発明の方法に使用でき、これらは疾患部位又は血液由来のT細胞に制限されないことは理解されるであろう。想定される体液は、気管支肺胞洗浄液(BAL)、肺生検材料、痰(誘発喀痰を含む)、腹水、胸膜液、胸膜生検材料、リンパ節生検材料、吸引関節液、脳脊髄液、軟部組織膿瘍及び身体の任意の他の患部を含む。好ましくは、測定されたT細胞応答は、1つ若しくは複数のサイトカイン及び/若しくはケモカインの分泌、又は1つ若しくは複数のT細胞活性化のマーカーの発現である。
【0039】
好ましくは、サイトカインはIFNγである。しかし、他のサイトカイン、例えば、TNF−α若しくはIL−2及び/又はケモカイン、例えば、RANTES、MCP−1若しくはMIP1−αが本発明の方法に用いることができることは、当業者には明らかであろう。
【0040】
サイトカイン又はケモカインが、当分野で公知の適切な任意の技術、例えば、ELISPOT又は細胞内サイトカイン染色、その後のフローサイトメトリー、又はサイトカイン分泌及び捕捉アッセイ、又はELISA又は全血ELISAによって検出できることは、当業者には容易に明らかであろう。
【0041】
別の実施形態において、ミコール酸特異的T細胞の数を測定する。このことは、当分野において周知の多くの方法、例えば、四量体又は五量体染色、その後のフローサイトメトリーにより実施できることは、当業者には理解されるであろう(Klenerman Pら、Tracking T cells with tetramers:new tales from new tools,Nat Rev Immunol.[2002]2(4):263〜72)。
【0042】
ミコール酸特異的T細胞の存在が、マイコバクテリア感染を示すことはさらに明らかであろう。
【0043】
好ましくは、マイコバクテリア感染は、ヒト型結核菌(M.tuberculosis)(TB)感染である。
【0044】
好ましくは、ミコール酸は、マイコバクテリアから単離される。より好ましくは、マイコバクテリウムは結核菌群(M.tuberculosis complex)である。
【0045】
本発明の方法が、任意の哺乳動物に有用であり得ることは明らかであろう。
【0046】
好ましい実施形態において、この方法は、医療及び/又は獣医学の分野、例えば、家畜類(例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、ウマ又は動物園に囚われているものなどの野生の哺乳動物)を含む、家畜化された哺乳動物におけるマイコバクテリア感染の診断に有用である。本発明の最も好ましい実施形態において、対象はヒトである。
【0047】
さらに好ましい実施形態において、対象は、治療的介入を受けている、又は以前に受けたことがある。
【0048】
好ましくは、この方法は、感染の状態と、前記個体の前記感染の以前に測定された状態とを比較し、それによって、前記個体における前記治療的介入の有効性をモニターするステップをさらに含む。
【0049】
本発明のこの方法が、マイコバクテリア感染を診断するための、任意のすでに公知の検査と併用できることは容易に明らかであろう。例えば、本方法は、従来のT細胞に基づくTB感染の診断検査、例えば、MTBのRegion of difference−1にコードされたタンパク質抗原を使用したものの、診断感受性を拡大するために使用できる。
【0050】
本発明のさらなる態様によれば、少なくとも1つのCD1分子又は類似体及びT細胞応答検出手段を含む、対象においてマイコバクテリア感染を評価するための製品、組み合わせ又はキットを提供する。
【0051】
好ましい実施形態において、前記T細胞応答検出手段は、少なくとも1つの抗体である。より好ましくは、この抗体は、サイトカイン、ケモカイン或いはT細胞の活性化又は増殖のマーカーに特異的である。さらにより好ましくは、この抗体はmABである。
【0052】
第1の態様の方法の任意の特徴を、第2の態様の製品、組み合わせ又はキットに組み込むことができることは理解されるであろう。
【0053】
本発明を、ここで、以下の実施例を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】TBに感染した個体と比較した、健康な個体のPPD応答を示す図である。
【図2】TBに感染した個体と比較した、健康な個体のミコール酸応答を示す図である。
【図3】TBに感染した個体と比較した、健康な個体のヒト型結核菌の脂質全溶解物に対する応答を示す図である。
【図4】抗CD1b抗体によるTB患者のミコール酸特異的応答の遮断を示す図である。
【図5】治療期間中の、TB患者のPPD特異的応答の進展を示す図である。
【図6】治療期間中の、TB患者のヒト型結核菌の脂質溶解物特異的応答の進展を示す図である。
【図7】治療期間中の、TB患者のミコール酸特異的応答の進展を示す図である。
【図8】治療期間中の、TB患者のESAT−6特異的応答の進展を示す図である。
【図9】治療期間中の、TB患者のCFP10特異的応答の進展を示す図である。
【図10】治療6カ月後の、TB患者の、ミコール酸特異的応答と、ESAT−6及びCFP10特異的応答との比較を示す図である。
【図11a】治療期間中の、個々のTB患者個体のPPD、ミコール酸、ヒト型結核菌脂質溶解物、ESAT−6及びCFP10に対する応答の進展を示す図である。
【図11b】治療期間中の、個々のTB患者個体のPPD、ミコール酸、ヒト型結核菌脂質溶解物、ESAT−6及びCFP10に対する応答の進展を示す図である。
【図11c】治療期間中の、個々のTB患者個体のPPD、ミコール酸、ヒト型結核菌脂質溶解物、ESAT−6及びCFP10に対する応答の進展を示す図である。
【図11d】治療期間中の、個々のTB患者個体のPPD、ミコール酸、ヒト型結核菌脂質溶解物、ESAT−6及びCFP10に対する応答の進展を示す図である。
【図12】診断時のTB患者の、ミコール酸、ESAT−6及びCFP10に対する応答を示す図である。
【実施例】
【0055】
実施例1
方法論
MTB感染患者からの血液試料の処理に関する操作プロトコル及びT細胞応答の評価
【0056】
0日目
PBMC(末梢血単核細胞)を、リンホプレップ(Lymphoprep)(商標)(AXIS−SHIELD UK社、ハンティンドン、イギリス)を使用して、密度勾配遠心分離法により単離する。その後、細胞をRPMI1640培地で2回洗浄し、2%ヒト血清培地(RPMI1640、2%のヒト血清、2mMのL−グルタミン及び100U/mlのペニシリン−ストレプトマイシン)に、6×10細胞/mlで再懸濁した。その後、PBMCを、1時間、37℃において、培地培養フラスコにおいてインキュベートする。非接着性細胞を、温PBS(食塩水)の洗浄液で3回洗い落とし、接着性細胞を37℃で一晩、GMCSF(1:1000希釈)を含む5%ヒト血清培地中においてインキュベートする。洗い落とされたPBL(末梢血リンパ球)を、10:1ウシ胎児血清、DMSO溶液中に15×10細胞/mlで、−80℃において凍結し、翌日液体窒素中に移す。
【0057】
1日目
単球を、冷PBSで洗浄することにより回収し、48ウェル培養プレートに1×10細胞/ウェルで、5%ヒト血清培地+IL−4(1:1000)+GMCSF(1:1000)中の2×10/mlを播種する。ELISPOTプレートをPBSで6回洗浄し、50uLのPBS溶液中の1:200の7−B6−1ALP検出抗体(Mabtech、スウェーデン)をウェルに加え、放置して室温で90分間インキュベートする。PBSで6回洗浄後、50uLのBCIP/NBT基質を10分間各ウェルに加えた。その後、プレートを水道水で洗浄し、乾燥させる。
【0058】
3日目
単球を、1mlの5%ヒト血清+GMCSF(1:1000)を加えることによって培養する。
【0059】
6日目
培養した単球(ここでは未成熟DC)を、DMSOに可溶化した抗原の100ug/ml溶液の4ulを用いてパルスする。使用した抗原は、PI、ミコール酸、TB全脂質溶解物及びDMSOである。未成熟DCのパルスの前に、DMSOに可溶化した脂質を、70℃のウォーターバスにおいて10分間加熱し、確実に完全に可溶化する。
【0060】
7日目
培養したDCを、マルチプルサクション(multiple suction)を介して回収し、10%HS培地に、1×106細胞/mlで再懸濁する。同じ患者からのPBLを、37℃のウォーターバスにおいて解凍し、RPMIで2回洗浄し、その後、それらを10%のHS培地に10×106細胞/mlで再懸濁する。
200uLの10%のHS培地を、サイトカイン特異的捕捉mAb(モノクローナル抗体)1D1−k(Mabtech、スウェーデン)でコーティングした、96ウェルの、予備コーティングPVDF(ポリフッ化ビニリデン)メンブランプレートのウェルに加える。このプレートを、37℃で60分間インキュベートする。このウェルを空にして、50uLのPBL+100uLのDCを各ウェルに加える。このプレートを、37℃で一晩放置する。
【0061】
8日目
ELISPOTプレートを、PBSで6回洗浄し、PBS溶液中の50uLの1:200の7−B6−1ALP検出抗体(Mabtech、スウェーデン)をウェルに加え、室温で90分間インキュベートする。PBSで6回洗浄後、50uLのBCIP/NBT基質を加えて10分間置いた。その後、プレートを水道水で洗浄し、乾燥させる。
【0062】
CD1分子のリフォールディングのための操作プロトコル
グアニジン変性CD1bタンパク質を、希釈リフォールディングにより、6〜8℃で復元した。500mlのリフォールディングバッファー(100mMのTris pH8、400mMのL−アルギニン、2mMのEDTA、5mMの還元グルタチオン、0.5mMの酸化グルタチオン及び0.1mMのPMSF)を、500mlのビーカー中に調製した。リフォールディングバッファーを、マグネチックスターラーを使用して常に攪拌した。5mgのBMを、タンパク質をリフォールディングバッファーで1/5に初回予備希釈することによって、リフォールディングミックスに加えた。45分後、500μMのCTAB界面活性剤を、リフォールディングバッファーに加え、その後1.5μgの脂質を加えた。脂質はあらかじめ乾燥させ、1mlの媒体溶液(0.05%Tween、20mMのNaCl)に再懸濁し、60℃のウォーターバスにおいて10分間加熱した。リフォールディングバッファーで1/5に希釈した15mgの変性CD1bを、3日間以上5アリコートに加えた。その後12モル当量(CTABに対して)のメチル−β−シクロデキストリン(mCAB)を加えた。その後、リフォールドしたタンパク質をアミコン攪拌セル(Amicon stirred cells)を用いて7mlに濃縮し、0.2μMのフィルターを介してろ過し、ビオチン化した。その後、複合体を、ファルマシア26/60スーパーデックス200カラム(Pharmacia 26/60 Superdex 200 column)を用いて、20mMのTris、150mMのNaCl、pH8で、ファルマシアAKTA FPLCシステム(Pharmacia AKTA FPLC system)を使用して実施したゲルろ過を使用して精製した。
【0063】
その後、リフォールドしたCD1分子を、本発明の方法においてT細胞応答を評価するために使用できる。
【0064】
結果
本発明の方法の精度を評価するために、PBL中に存在するT細胞の、ミコール酸に対する応答を、ヒト型結核菌に曝露されたことが分かっていない健康なドナー(BCGワクチン接種済み)の数と、活動性TBの患者の数において比較した。表1は、検査対象の人口統計学的特性及び臨床的特性を示す。
【0065】
【表1】

【0066】
ミコール酸に関する結果と、他の抗原に対する結果との精度を比較するために、これらのいくつかに対する応答をさらに測定した。測定した他の抗原は、陰性対照としても使用した脂質媒体単体(DMSO)(データ非掲載)、T細胞の活性化が抗原処理のみによるものではなく、脂質特異性のためでもあることを検証するための陰性対照としても使用したホスファチジルイノシトール(PI)、PPD及びヒト型結核菌全脂質溶解物であった。
【0067】
ESAT−6及びCFP10(M.tbのRD−1領域由来の2種のタンパク質であり、BCGにおいて欠失している領域であり、現在2種の異なる診断検査(T−SPOT及びクォンティフェロン−ゴールド(Quantiferon−gold))に使用されている)を、比較のための基準として使用した。フィトヘマグルチニン(PHA)を、すべての実験において陽性対照として使用した(データ非掲載)。
【0068】
T細胞応答を、健康な対照及び活動性TBの患者の双方において、IFN−γスポット形成細胞数を数え上げることによって測定した。
【0069】
ミコール酸、PPD及びヒト型結核菌全脂質溶解物に対する応答を、PI応答に対して正規化した。数は、500000個のPBL(末梢血リンパ球)当たりに観察されたスポット数を表す。カットオフポイントの6は、TB患者と健康な対照に関して、最もよいデータ分割点を提供する値を考慮して選択した。
【0070】
このデータを、活動性TB患者は、健康な対照より高い応答を有するだろうという仮説のもとにMann Whitney分析に供した。
【0071】
図1は、健康な対照及び活動性TB患者の双方において観察されたPPD応答を示す。Mann Whitney検定を用いた場合、PPDの誘発に対する応答において、2つの群の間に統計的に有意な差異は観察されなかった、p=0.4563。
【0072】
しかし、図2は、ミコール酸特異的応答が、健康な、BCGワクチン接種済みの対照と比較して、活動性TB患者において統計的に有意に高いことを示している(p=0.0004)。カットオフ値の6スポットを用いて、それを超える応答を陽性とみなし、80%(30例のTB患者のうち24例が陽性)の高い診断感受性及び100%(12例のBCGワクチン接種済みの健康な対照のうち12例が陰性)の高い診断特異性を得た。
【0073】
健康な対照及び活動性TB患者の双方における、TB全脂質溶解物に対するT細胞応答をさらに測定し、結果を図3に示す。活動性TB患者は、健康な対照より高い応答を有するだろうという仮説のもとにMann Whitney検定を適合させた場合、p=0.0007が得られる。
【0074】
以前の研究(Ulrichら、2003)により、ヒト型結核菌全脂質溶解物を標的抗原として使用した場合、潜伏性TB感染(PPD+)と推測されるヒトと、未感染であると推測される(PPD−)健康な対照との間で、T細胞応答において、統計的に有意な差異が示された。本発明者らの結果は、全脂質溶解物に対するIFN−γT細胞応答において、健康な未感染個体と活動性TB患者との間に、同様の差異が存在することを示唆している。しかし、ヒト型結核菌全脂質溶解物に対する定量的応答は、特異性が低く、5例の未感染対照が陽性に判定されている。
【0075】
したがって、ミコール酸は、TB診断検査に使用する、より有利な抗原である。
【0076】
抗CD1b抗体を使用して、ミコール酸特異的応答が、CD1b拘束性であることを究明した。図4を参照されたい。
【0077】
M.tb脂質、ミコール酸、PPD、ESAT−6及びCFP10に対する応答は、治療期間に続いて起こった。図6及び7は、それぞれM.tb脂質及びミコール酸に対する応答が、治療期間中に減少しており、診断と6カ月の治療との間にそれぞれp=0.03及びp=0.04の統計的差異を与えたことを示しているが、それに対してPPD特異的応答は、図5に示したように安定して維持されている。ミコール酸の場合、応答は、6カ月の時点で大部分の患者において検出不可のレベルまで達しており、診断後12カ月でもそのままである様に思われる。
【0078】
治療期間中の応答の大きさにおけるこの減少は、ESAT−6及びCFP10についても観察することができ、それぞれ図8及び9を参照されたい。しかし、大部分の患者は、治療6カ月後にこれら2種のタンパク質抗原のどちらかに陽性応答を未だ有する傾向があり、これらの応答は、診断12カ月後まで検出可能なままであると思われる。診断6カ月後のミコール酸、ESAT−6及びCFP10応答を直接比較した場合、大部分の患者はミコール酸に対して応答しないが、一方、ESAT−6及びCFP10応答は、検出可能に維持される傾向があり、図10を参照されたい。したがって、ミコール酸特異的応答は、活動性の疾患の診断において有用であり得る。
【0079】
図11を参照すると、以下の個々のTB患者が治療期間を終えた時に、4例の患者のうち3例(B16、B49及びB55)が、治療6カ月後にはもはやミコール酸に対して応答しないが、ESAT−6又はCFP10のどちらかに対して検出可能な応答を未だ有していることが見られる。患者B16の場合、ミコール酸特異的応答は、診断12カ月後まで検出不可のままであるが、ESAT−6及びCFP10特異的応答は検出可能に維持されている。患者B52において、ミコール酸特異的応答は、治療6カ月後に未だ観察可能であるが、診断時のミコール酸特異的応答の大きさが、他のTB患者と比較した場合、非常に高かった。したがって、この応答は消失するまでに長い時間がかかると思われ、12カ月の時点では検出不可のレベルに達することを示唆している。これらの結果から、ミコール酸特異的応答の存在が、活動性疾患の有用なマーカーとなり得ることがさらに示唆される。
【0080】
診断時のミコール酸特異的応答と、ESAT−6及びCFP10応答とを直接比較した場合、1つの抗体に対する強い応答は、他の2つのどちらかに対する強い応答と相関しないことが観察され、図12を参照されたい。これは、3種すべての抗原を組み合わせると、現在の診断検査の感受性を改善することができることを示唆するものである。
【0081】
本研究に使用した患者のコホートにおいて、ESAT−6及びCFP10特異的応答が、ミコール酸特異的応答よりも優勢であることが見出され、4例の患者はESAT−6に対して応答したが、ミコール酸に対しては応答せず、3例の患者は、CFP10に対して応答したが、ミコール酸に対しては応答しなかった。1例の患者は、さらにミコール酸に応答したが、CFP10特異的応答が陰性であることが見出されており、表2を参照されたい。
【0082】
【表2】

【0083】
誤解を避けるために、すべての引用文献が、本明細書にその全体が組み込まれていることが理解されるであろう。
【0084】
(参考文献)
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Ulrichs, T. Moody, D. B. Grant, E. Kaufmann, S. H. Porcelli, S. A. T−cell responses to CD1−presented lipid antigens in humans with Mycobacterium tuberculosis infection, Infect Immun. [2003] Volume 71, Issue 6, page 3076−87, Jun.
World Health Organization. WHO Report 2006. Global tuberculosis control.

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象においてマイコバクテリア感染を評価する方法であって、
i.少なくとも1つのCD1分子又は類似体を、ミコール酸又はミコール酸類似体に曝露するステップと、
ii.少なくとも1つのCD1分子又は類似体を、対象から単離した、少なくとも1つのT細胞を含む試料と共にインキュベートするステップと、
iii.T細胞応答及び/又はT細胞試料中に存在するミコール酸特異的T細胞の数を測定するステップと
を含む方法。
【請求項2】
少なくとも1つのCD1分子又は類似体が、少なくとも1つの樹状細胞を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの樹状細胞が、対象から単離された少なくとも1つの単球を、ex vivoで培養することによって産生される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのCD1分子又は類似体が、人工的に合成されたCD1分子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
CD1分子が、基質上に固定化されている、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのCD1分子又は類似体が、CD1を発現する細胞株に由来する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
T細胞が、CD1拘束性T細胞である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
T細胞が、末梢血リンパ球(PBL)である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
T細胞が、疾患部位又は疾患が疑われる部位から単離されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
T細胞応答を、前記T細胞と、以前にミコール酸又はミコール酸類似体に曝露されていない樹状細胞とを接触させた時に見られる応答と比較する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
測定されたT細胞応答が、1つ若しくは複数のサイトカイン及び/若しくはケモカインの分泌、又はT細胞の活性化若しくは増殖の1つ若しくは複数のマーカーの発現である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
応答が、IFNγの産生である、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
応答の増大がマイコバクテリア感染を示す、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
T細胞試料中のミコール酸特異的T細胞の数が、CD1四量体/五量体染色によってカウントされる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ミコール酸拘束性T細胞の存在が、マイコバクテリア感染を示す、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ミコール酸がマイコバクテリアから単離される、請求項1〜15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
マイコバクテリア感染が、ヒト型結核菌(M. tuberculosis)(TB)感染である、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記方法が、活動性及び潜伏性のTB感染を識別できる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
マイコバクテリアが、結核菌群である、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
対象が哺乳動物である、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
対象が、治療的介入を受けている、又は以前に受けたことがある、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
感染の状態と、前記個体の前記感染の以前に測定された状態とを比較し、それによって、前記個体における前記治療的介入の有効性をモニターするステップをさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
少なくとも1つのCD1分子又は類似体及びT細胞応答検出手段を含む、対象においてマイコバクテリア感染を評価するための製品、組み合わせ又はキット。
【請求項24】
前記T細胞応答検出手段が少なくとも1つの抗体である、請求項23に記載の製品、組み合わせ又はキット。
【請求項25】
少なくとも1つの抗体が、サイトカイン、ケモカイン、T細胞の活性化又は増殖のマーカーに特異的である、請求項24に記載の製品、組み合わせ又はキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−525831(P2010−525831A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506996(P2010−506996)
【出願日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際出願番号】PCT/GB2008/001596
【国際公開番号】WO2008/135771
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(509309020)ザ ユニバーシティ オブ バーミンガム (1)
【Fターム(参考)】