マウスとマウスパッドの連結部材
【課題】
マウスに適合したマウスパッドを連結し、マウスを上方に一定寸法を持ち上げることで確実にマウスの移動検知機能を無効にすることができ、マウスパッドの設置面の摩擦抵抗にかかわらず、マウスの安定した操作性を確保できる。
【解決手段】
遮光部5と導光口6からなる光制御連結板をマウス設置面に有し、マウスを上下に動かすことにより光の通過と遮光の制御が可能でマウスパッド設置面と同じ面に自立して接地できる接地部を有し、その接地部を収納可能なマウスとマウスパッドの連結部品を提供する。
マウスに適合したマウスパッドを連結し、マウスを上方に一定寸法を持ち上げることで確実にマウスの移動検知機能を無効にすることができ、マウスパッドの設置面の摩擦抵抗にかかわらず、マウスの安定した操作性を確保できる。
【解決手段】
遮光部5と導光口6からなる光制御連結板をマウス設置面に有し、マウスを上下に動かすことにより光の通過と遮光の制御が可能でマウスパッド設置面と同じ面に自立して接地できる接地部を有し、その接地部を収納可能なマウスとマウスパッドの連結部品を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ(以下パソコン)が座標情報を入力するためのレーザー式マウスを含む光学式マウスと、マウスの安定した操作性を確保するためのマウスパッドとそのマウスとマウスパッドを連結する連結部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パソコンのディスプレイ上のカーソル移動やオブジェクトの選択などが円滑に行えることから、入力手段としてマウスが広く用いられている。一般的に多く普及しているマウスには機械式マウスと光学式マウスがある。どちらともマウスの操作性を向上させるために、マウスパッド上で操作される。最近では、非接触型の光学式マウスやより精度の高い読み取りが可能な光源にレーザー光が使用されているレーザー式マウスが普及している。
【0003】
パソコンのディスプレイ上のカーソル移動やオブジェクトの選択を行う入力手段として、マウスの他にも、ノート型パソコンに組み込まれたタッチパッドや、ポインティングスティックによる操作が普及しているが、マウスと比較してタッチパッドは、動作の安定性が劣り、マウスのように画面上のポインタの移動と押し釦スイッチ操作が連続して行えないこと、ポインティングスティックは、ポインタをディスプレイ上の目的の位置まで移動する際の移動の速さの調整の操作性が劣る。また、その他の手段としてパソコンのディスプレイに表示されている文字や図形を見ながら、画面上のオブジェクトに指で直接触れ選択実行する光センサー方式のタッチパネルが急速に普及しているが、マウスと比較し、操作する手の移動範囲が広くなり、長時間、複数回の操作には身体的負担も大きくなり不向きである。また、ディスプレイ上の細かなオブジェクトを直接、指で選択するのが困難で、一旦対象の範囲を拡大表示させる操作が必要となっている。その他の入力手段として、ペンタブレットによる入力も普及しているが、グラフィック向けで、タッチパネル同様に操作の際の移動範囲が広くなってしまう。
【0004】
パソコンのディスプレイ上のオブジェクトの選択およびイベントの実行の操作性の良い入力手段は、アプリケーションにより異なるが、タッチパッド、ポインティングスティック、タッチパネル、ペンタブレットと比較し、マウスによる入力手段がより正確で素早い操作が可能で、操作する手の移動範囲も最も少なく操作性に優れる。マウスは、ディスプレイによるプレゼンテーション等の際の大画面への遠隔操作も可能である。しかしながら、マウスは、その安定した操作性を確保するためには、マウスに適合したマウスパッドを要し、その設置スペースを要する。レーザー式マウスは、従来の光学式マウスでは認識できなかった白色面上や光沢加工された面上でも読み取りが可能になっているが、透明なガラス面や鏡面上では読み取り精度が著しく低下してしまう問題があった。
【0005】
マウスパッドの機能として、光学式マウスの場合では発光した光やレーザー光の反射領域といったマウスの移動距離と移動速度と移動方向を検知部に伝えるマウスの移動情報を伝達する領域の確保が必要であるが、従来のマウスパッドは、マウスが安定して水平に移動するために、マウスの底面の移動領域と、マウス操作中にマウスがマウスパッドから脱落してしまうのを防止するためのマウスの脱落を防止するための領域が確保されており、マウスパッドの機能であるマウスの移動情報を伝達するために必要な面積より更に広く確保されている。よって広い設置場所を必要としているため、パソコンを使用する場所によっては、マウスパッドを設置できない場合がある。
【0006】
図14、図15のようにマウスとマウスの移動情報を伝達するスペースのみ確保されたマウスパッドを連結部材により連結できるマウスパッド連結式マウスが発明され、マウスパッドをマウスの携帯時もマウスの操作時も常に連結状態にできるようになり、マウスパッドの携行忘れが解決され、また狭いスペースでもマウスパッドを設置しマウスの操作ができるようになったが、次のような問題があった。
【0007】
ディスプレイ上のポインタを目的のオブジェクトに向けて移動させる際にポインタが目的の位置に達する前にマウスがマウスパッドの端の位置まで来てしまい、目的の方向にポインタの移動ができなくなった場合、マウスとマウスパッドの位置の補正の為に、一旦マウスを持ち上げて上方に移動させることにより、マウスの移動を検知する機能を無効にした状態で目的方向と反対方向にマウスを移動させ再度マウスパッド上に設置し目的方向へ水平移動させてポインタを目的の位置まで移動させる。この際にマウスに連結されたマウスパッドを使用している場合、マウスを持ち上げて上方へ移動できる距離は、マウスパッドの上板と連結部材の間隙寸法に限られることにより、間隙寸法以上にマウスを持ち上げなければマウスの移動を検知する機能を無効にできない場合、連結部材によりマウスパッドも持ち上げてしまい、マウスを目的方向と反対方向へ移動させようとしてもマウスパッドもマウスに追随してしまうため位置の補正が困難であった。
【0008】
よって、解決するためには、マウスパッドの上板と連結部材との間隙寸法を大きくするためにマウスの連結部材の支持部の寸法とマウスパッドの上板と下板を支持する側壁の寸法を大きくしなければならず、連結部材とマウスパッドが大きくなり携行時の収納性、可搬性に悪影響を及ぼす問題があった。
【0009】
マウスを持ち上げた際に確実にマウスの移動を検知する機能を無効にするため、マウス底部に設けられた機械的スイッチによりON/OFFを切り替えられる技術や、マウスの底部に弾性体を設け、弾性体に荷重をかけて圧縮することでマウスを設置させ移動検知機能を有効にし、荷重を解除するとマウスの底面が浮き、移動検知機能を無効にする技術が開示されている。またマウスの上下動により突起物を移動させて、突起物に設けられたハーフミラーにより光の反射を変化させることにより、機能を切り替える技術も開示されている。いずれも制御回路を要し、またマウスの水平移動の際、マウスの底部に設けられたスイッチや架体が設置面を傷付けたり、設置面の凹凸に引っ掛かり、移動のための負荷が大きくなる問題があった。またばねの力で突起した突起物がソファーや寝具等の柔らかい設置面上では、マウス内に収まらず切り替え機能が働かなくってしまう問題があった。また、マウスの移動を検知する機能を停止するためにマウスの把持部と底部を分割する案も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−151927
【特許文献2】特開2007−122475
【特許文献3】特開2008−276287
【特許文献3】特開2010−15531
【0011】
また、マウスの水平移動の際に、マウスに連結されたマウスパッドとマウスパッドの設置面の摩擦抵抗より、マウスとマウスパッドの連結部材とマウスパッドの摩擦抵抗の方が大きい場合には、マウスパッドも移動方向に追随してしまう問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
マウスが水平方向の移動する際には水平方向に追随し、マウスを一定の距離、上方へ持ち上げても上方に追随しないマウスとマウスパッドの連結部材を提供する。
【0013】
マウスの上方に移動が可能な範囲内で、確実にマウスの移動を検知する機能を無効にすることが可能なマウスとマウスパッドの連結部材を提供する。
【0014】
マウスの水平移動の際に、マウスに連結されたマウスパッドとマウスパッドの設置面の摩擦抵抗より、マウスとマウスパッドの連結部材とマウスパッドの摩擦抵抗の方が大きい場合にマウスパッドが移動方向への追随を防止するマウスパッドを提供する。
【0015】
摩擦抵抗が大きい面にマウスパッドを設置する場合、マウスの水平移動の際にマウスとマウスパッド連結部材の接地部に抵抗がかかり、マウスの水平移動の妨げになることを防止することが可能なマウスとマウスパッドの連結部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
マウスとマウスパッドを連結するための連結部材(以下連結部材)に設けられたマウスの設置面上に、マウスからの発光部から受光部への光を遮る遮光部と光を通す導光部とを有する光制御連結板を設け、その光制御連結板はマウス底部の発光部と受光部の間に設けられた挿入口に挿入され、マウスパッドを連結した連結部材とマウスとを連結し、マウスが連結部材のマウス設置面上にある状態では、マウスから発光された光を光制御連結板に設けられた導光口と連結部材の開口部からマウスパッド上の光反射部へ光を通し、受光部へ向けて反射させマウスの移動検出機能を有効にし、マウスが上方に持ち上げられた状態では、マウスから発光された光が光制御連結板の遮光部により光が遮られマウスの移動検知機能を無効にする。
【0017】
マウスとマウスパッドを連結した連結部材は、マウスパッドの設置面と同じ面に自立して設置することができる接地部を有し、連結部材のマウス設置面の下面はマウスパッド上板の上面に接触せずに保持され、マウスパッドの上板と下板の間隙に連結部材のマウスパッド保持板をマウスパッド上板の下面とマウスバッド下板の上面に接触せずに挿入することにより、マウスの水平移動の際にマスパッドが追随することを防止する。
【0018】
マウスパッドの設置面の摩擦抵抗が大きい場合、前記連結部材の接地部がマウスの水平移動を妨げるため、前記連結部材の接地面を分解反転し収納させることによりマウスパッドの設置面と接触せずにマウスの水平移動を可能にする。
【発明の効果】
【0019】
マウスとマウスパッドを連結部材で連結した状態で水平移動ができ、且つマウスを上方に持ち上げて上方に移動可能寸法内でマウスの発光した光を遮光し、確実にマウスの移動検知機能を一時的に停止することができ、容易にマウスとマウスパッドの位置の補正ができるようになった。
【0020】
マウスを連結した連結部材は、マウスパッドと接触せずにマウスパッド設置面と同じ面上に自立させて設置することができ、マウスの水平移動の際にマウスパッドが追随することがなくなった。
【0021】
マウスパッドの設置面の摩擦抵抗が大きく、マウスを連結した連結部材の接地面が水平移動の妨げになる場所では、前記連結部材の接地部を分解反転させ、マウスを連結した連結部材の接地部をマウスパッドの設置面と接触することなくマウスを水平移動することができるようになった。寝具やソファの上などの柔らかい面上でもマウスの操作が可能になった。腕時計のようにマウスパッドをベルトで手首や太もも部に取り付け操作することも可能となった。
【0022】
本発明によりプレゼンテーションの際に無線式マウスにマウスパッドを連結部材により連結させて手の平上にマウスパッドを乗せて、マウスの操作をすることが可能となった。マウスの脱落を懸念することなく、パソコンから離れた位置からでもスクリーンを見ながらのマウスの操作ができ、レーザーポインターを用いることなくマウスのポインタを活用したプレゼンテーションが可能となった。
【0023】
ノート型パソコンのタッチパネルの箇所に上板と下板からなるマウスパッドを装着し、本発明の連結部材によりマウスを連結することにより、ノートパソコンの操作面上にマウスパッド設置場所を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】マウスとマウスパッドの連結図(上視図)
【図2】マウスとマウスパッドの連結図(横視図)
【図3】マウスとマウスパッドの連結図(下視図)
【図4】図1のAA断面図
【図5】図1のBB断面図
【図6】図1のAA断面図
【図7】図1のBB断面図
【図8】連結部材の上視図
【図9】連結部材の横視図と後視図
【図10】連結部材の下視図
【図11】連結部材の分解図
【図12】連結部材の接地面反転収納図
【図13】連結部材の接地面の非接地使用図
【図14】マウスパッド連結式マウス 操作状態
【図15】マウスパッド連結式マウス 収納状態
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
図1は、マウス1とマウスパッド2が連結部材3により連結されている状態の上視図、図2は後視図、図3は下視図である。図4のように、マウスパッド2を連結した連結部材3に設けられた光制御連結板4がマウス1に設けられた光制御連結板挿入口から挿入されており、発光部11から発光した光が導光部12をとおり、導光口6と連結部材3に設けられた開口部15を通過しマウスパッド2の上の光反射部9で受光部8方向に反射し、マウスの位置情報を光センサー7に伝えている。
【0027】
図6のように、マウス1を持ち上げ上方に移動させたことにより、発光部11および導光部12も上方に移動し発光部11および導光部12を通過した光は光制御連結板4の遮光部5に遮られて、マウス1の移動検知機能を無効にした。この状態でマウス1を水平移動させると連結された連結部材3も追随し水平に移動するが、連結部材3はマウスパッド3の設置面と同じ面に接地し自立しており、マウスパッド3に接触せずに水平移動ができるためマウスパッドが追随せずにマウス1とマウスパッド2の位置の補正ができる。
【0028】
図8は、連結部材3のマウス設置面14と開口部15の図である。
【0029】
図11のように連結部材3の接地部16を有するマウスパッド保持板17は、保持板勘合部18から分解可能で図12のように連結部材の接地面16を反転させ保持板勘合部18に組み付けることにより接地部16を収納でき、図13のように接地部16を接地せずにマウス1の水平移動が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
近年、テレビ視聴の際にテレビ信号のデジタル化により双方向の情報発信が可能になった。テレビ画面上のオブジェクトの選択を画面上のポインタをテレビリモコンの矢印キーで移動させ選択する操作が多くなってきているが画面上の選択ポイントを順に移動させなければならず手間がかかるため無線式マウスでの操作を可能にすることが望まれているが、リビングのテーブル面はガラス面であったり、高級素材で傷つきが懸念される面であったりするためマウスパッドを要する。よって本発明によるマウスパッドをテレビリモコンに組み付け、マウスを連結部材により連結させることで常に一定の光反射機能の維持が可能となり、ガラス面上やソファの上等、従来マウスの操作性が著しく劣る面上でも容易にマウス操作が可能となった。
【符号の説明】
【0031】
1、マウス
2、マウスパッド
3、連結部材
4、光制御連結板
5、遮光部
6、導光口
7、光センサー
8、受光部
9、光反射部
10、光
11、発光部
12、導光部
13、光制御連結板の挿入口
14、マウス設置面
15、開口部
16、連結部材の接地面
17、マウスパッドの保持板
18、保持板嵌合部
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ(以下パソコン)が座標情報を入力するためのレーザー式マウスを含む光学式マウスと、マウスの安定した操作性を確保するためのマウスパッドとそのマウスとマウスパッドを連結する連結部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パソコンのディスプレイ上のカーソル移動やオブジェクトの選択などが円滑に行えることから、入力手段としてマウスが広く用いられている。一般的に多く普及しているマウスには機械式マウスと光学式マウスがある。どちらともマウスの操作性を向上させるために、マウスパッド上で操作される。最近では、非接触型の光学式マウスやより精度の高い読み取りが可能な光源にレーザー光が使用されているレーザー式マウスが普及している。
【0003】
パソコンのディスプレイ上のカーソル移動やオブジェクトの選択を行う入力手段として、マウスの他にも、ノート型パソコンに組み込まれたタッチパッドや、ポインティングスティックによる操作が普及しているが、マウスと比較してタッチパッドは、動作の安定性が劣り、マウスのように画面上のポインタの移動と押し釦スイッチ操作が連続して行えないこと、ポインティングスティックは、ポインタをディスプレイ上の目的の位置まで移動する際の移動の速さの調整の操作性が劣る。また、その他の手段としてパソコンのディスプレイに表示されている文字や図形を見ながら、画面上のオブジェクトに指で直接触れ選択実行する光センサー方式のタッチパネルが急速に普及しているが、マウスと比較し、操作する手の移動範囲が広くなり、長時間、複数回の操作には身体的負担も大きくなり不向きである。また、ディスプレイ上の細かなオブジェクトを直接、指で選択するのが困難で、一旦対象の範囲を拡大表示させる操作が必要となっている。その他の入力手段として、ペンタブレットによる入力も普及しているが、グラフィック向けで、タッチパネル同様に操作の際の移動範囲が広くなってしまう。
【0004】
パソコンのディスプレイ上のオブジェクトの選択およびイベントの実行の操作性の良い入力手段は、アプリケーションにより異なるが、タッチパッド、ポインティングスティック、タッチパネル、ペンタブレットと比較し、マウスによる入力手段がより正確で素早い操作が可能で、操作する手の移動範囲も最も少なく操作性に優れる。マウスは、ディスプレイによるプレゼンテーション等の際の大画面への遠隔操作も可能である。しかしながら、マウスは、その安定した操作性を確保するためには、マウスに適合したマウスパッドを要し、その設置スペースを要する。レーザー式マウスは、従来の光学式マウスでは認識できなかった白色面上や光沢加工された面上でも読み取りが可能になっているが、透明なガラス面や鏡面上では読み取り精度が著しく低下してしまう問題があった。
【0005】
マウスパッドの機能として、光学式マウスの場合では発光した光やレーザー光の反射領域といったマウスの移動距離と移動速度と移動方向を検知部に伝えるマウスの移動情報を伝達する領域の確保が必要であるが、従来のマウスパッドは、マウスが安定して水平に移動するために、マウスの底面の移動領域と、マウス操作中にマウスがマウスパッドから脱落してしまうのを防止するためのマウスの脱落を防止するための領域が確保されており、マウスパッドの機能であるマウスの移動情報を伝達するために必要な面積より更に広く確保されている。よって広い設置場所を必要としているため、パソコンを使用する場所によっては、マウスパッドを設置できない場合がある。
【0006】
図14、図15のようにマウスとマウスの移動情報を伝達するスペースのみ確保されたマウスパッドを連結部材により連結できるマウスパッド連結式マウスが発明され、マウスパッドをマウスの携帯時もマウスの操作時も常に連結状態にできるようになり、マウスパッドの携行忘れが解決され、また狭いスペースでもマウスパッドを設置しマウスの操作ができるようになったが、次のような問題があった。
【0007】
ディスプレイ上のポインタを目的のオブジェクトに向けて移動させる際にポインタが目的の位置に達する前にマウスがマウスパッドの端の位置まで来てしまい、目的の方向にポインタの移動ができなくなった場合、マウスとマウスパッドの位置の補正の為に、一旦マウスを持ち上げて上方に移動させることにより、マウスの移動を検知する機能を無効にした状態で目的方向と反対方向にマウスを移動させ再度マウスパッド上に設置し目的方向へ水平移動させてポインタを目的の位置まで移動させる。この際にマウスに連結されたマウスパッドを使用している場合、マウスを持ち上げて上方へ移動できる距離は、マウスパッドの上板と連結部材の間隙寸法に限られることにより、間隙寸法以上にマウスを持ち上げなければマウスの移動を検知する機能を無効にできない場合、連結部材によりマウスパッドも持ち上げてしまい、マウスを目的方向と反対方向へ移動させようとしてもマウスパッドもマウスに追随してしまうため位置の補正が困難であった。
【0008】
よって、解決するためには、マウスパッドの上板と連結部材との間隙寸法を大きくするためにマウスの連結部材の支持部の寸法とマウスパッドの上板と下板を支持する側壁の寸法を大きくしなければならず、連結部材とマウスパッドが大きくなり携行時の収納性、可搬性に悪影響を及ぼす問題があった。
【0009】
マウスを持ち上げた際に確実にマウスの移動を検知する機能を無効にするため、マウス底部に設けられた機械的スイッチによりON/OFFを切り替えられる技術や、マウスの底部に弾性体を設け、弾性体に荷重をかけて圧縮することでマウスを設置させ移動検知機能を有効にし、荷重を解除するとマウスの底面が浮き、移動検知機能を無効にする技術が開示されている。またマウスの上下動により突起物を移動させて、突起物に設けられたハーフミラーにより光の反射を変化させることにより、機能を切り替える技術も開示されている。いずれも制御回路を要し、またマウスの水平移動の際、マウスの底部に設けられたスイッチや架体が設置面を傷付けたり、設置面の凹凸に引っ掛かり、移動のための負荷が大きくなる問題があった。またばねの力で突起した突起物がソファーや寝具等の柔らかい設置面上では、マウス内に収まらず切り替え機能が働かなくってしまう問題があった。また、マウスの移動を検知する機能を停止するためにマウスの把持部と底部を分割する案も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2004−151927
【特許文献2】特開2007−122475
【特許文献3】特開2008−276287
【特許文献3】特開2010−15531
【0011】
また、マウスの水平移動の際に、マウスに連結されたマウスパッドとマウスパッドの設置面の摩擦抵抗より、マウスとマウスパッドの連結部材とマウスパッドの摩擦抵抗の方が大きい場合には、マウスパッドも移動方向に追随してしまう問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
マウスが水平方向の移動する際には水平方向に追随し、マウスを一定の距離、上方へ持ち上げても上方に追随しないマウスとマウスパッドの連結部材を提供する。
【0013】
マウスの上方に移動が可能な範囲内で、確実にマウスの移動を検知する機能を無効にすることが可能なマウスとマウスパッドの連結部材を提供する。
【0014】
マウスの水平移動の際に、マウスに連結されたマウスパッドとマウスパッドの設置面の摩擦抵抗より、マウスとマウスパッドの連結部材とマウスパッドの摩擦抵抗の方が大きい場合にマウスパッドが移動方向への追随を防止するマウスパッドを提供する。
【0015】
摩擦抵抗が大きい面にマウスパッドを設置する場合、マウスの水平移動の際にマウスとマウスパッド連結部材の接地部に抵抗がかかり、マウスの水平移動の妨げになることを防止することが可能なマウスとマウスパッドの連結部材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
マウスとマウスパッドを連結するための連結部材(以下連結部材)に設けられたマウスの設置面上に、マウスからの発光部から受光部への光を遮る遮光部と光を通す導光部とを有する光制御連結板を設け、その光制御連結板はマウス底部の発光部と受光部の間に設けられた挿入口に挿入され、マウスパッドを連結した連結部材とマウスとを連結し、マウスが連結部材のマウス設置面上にある状態では、マウスから発光された光を光制御連結板に設けられた導光口と連結部材の開口部からマウスパッド上の光反射部へ光を通し、受光部へ向けて反射させマウスの移動検出機能を有効にし、マウスが上方に持ち上げられた状態では、マウスから発光された光が光制御連結板の遮光部により光が遮られマウスの移動検知機能を無効にする。
【0017】
マウスとマウスパッドを連結した連結部材は、マウスパッドの設置面と同じ面に自立して設置することができる接地部を有し、連結部材のマウス設置面の下面はマウスパッド上板の上面に接触せずに保持され、マウスパッドの上板と下板の間隙に連結部材のマウスパッド保持板をマウスパッド上板の下面とマウスバッド下板の上面に接触せずに挿入することにより、マウスの水平移動の際にマスパッドが追随することを防止する。
【0018】
マウスパッドの設置面の摩擦抵抗が大きい場合、前記連結部材の接地部がマウスの水平移動を妨げるため、前記連結部材の接地面を分解反転し収納させることによりマウスパッドの設置面と接触せずにマウスの水平移動を可能にする。
【発明の効果】
【0019】
マウスとマウスパッドを連結部材で連結した状態で水平移動ができ、且つマウスを上方に持ち上げて上方に移動可能寸法内でマウスの発光した光を遮光し、確実にマウスの移動検知機能を一時的に停止することができ、容易にマウスとマウスパッドの位置の補正ができるようになった。
【0020】
マウスを連結した連結部材は、マウスパッドと接触せずにマウスパッド設置面と同じ面上に自立させて設置することができ、マウスの水平移動の際にマウスパッドが追随することがなくなった。
【0021】
マウスパッドの設置面の摩擦抵抗が大きく、マウスを連結した連結部材の接地面が水平移動の妨げになる場所では、前記連結部材の接地部を分解反転させ、マウスを連結した連結部材の接地部をマウスパッドの設置面と接触することなくマウスを水平移動することができるようになった。寝具やソファの上などの柔らかい面上でもマウスの操作が可能になった。腕時計のようにマウスパッドをベルトで手首や太もも部に取り付け操作することも可能となった。
【0022】
本発明によりプレゼンテーションの際に無線式マウスにマウスパッドを連結部材により連結させて手の平上にマウスパッドを乗せて、マウスの操作をすることが可能となった。マウスの脱落を懸念することなく、パソコンから離れた位置からでもスクリーンを見ながらのマウスの操作ができ、レーザーポインターを用いることなくマウスのポインタを活用したプレゼンテーションが可能となった。
【0023】
ノート型パソコンのタッチパネルの箇所に上板と下板からなるマウスパッドを装着し、本発明の連結部材によりマウスを連結することにより、ノートパソコンの操作面上にマウスパッド設置場所を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】マウスとマウスパッドの連結図(上視図)
【図2】マウスとマウスパッドの連結図(横視図)
【図3】マウスとマウスパッドの連結図(下視図)
【図4】図1のAA断面図
【図5】図1のBB断面図
【図6】図1のAA断面図
【図7】図1のBB断面図
【図8】連結部材の上視図
【図9】連結部材の横視図と後視図
【図10】連結部材の下視図
【図11】連結部材の分解図
【図12】連結部材の接地面反転収納図
【図13】連結部材の接地面の非接地使用図
【図14】マウスパッド連結式マウス 操作状態
【図15】マウスパッド連結式マウス 収納状態
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に、本発明の実施例について、図面を参照して説明する。なお、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
図1は、マウス1とマウスパッド2が連結部材3により連結されている状態の上視図、図2は後視図、図3は下視図である。図4のように、マウスパッド2を連結した連結部材3に設けられた光制御連結板4がマウス1に設けられた光制御連結板挿入口から挿入されており、発光部11から発光した光が導光部12をとおり、導光口6と連結部材3に設けられた開口部15を通過しマウスパッド2の上の光反射部9で受光部8方向に反射し、マウスの位置情報を光センサー7に伝えている。
【0027】
図6のように、マウス1を持ち上げ上方に移動させたことにより、発光部11および導光部12も上方に移動し発光部11および導光部12を通過した光は光制御連結板4の遮光部5に遮られて、マウス1の移動検知機能を無効にした。この状態でマウス1を水平移動させると連結された連結部材3も追随し水平に移動するが、連結部材3はマウスパッド3の設置面と同じ面に接地し自立しており、マウスパッド3に接触せずに水平移動ができるためマウスパッドが追随せずにマウス1とマウスパッド2の位置の補正ができる。
【0028】
図8は、連結部材3のマウス設置面14と開口部15の図である。
【0029】
図11のように連結部材3の接地部16を有するマウスパッド保持板17は、保持板勘合部18から分解可能で図12のように連結部材の接地面16を反転させ保持板勘合部18に組み付けることにより接地部16を収納でき、図13のように接地部16を接地せずにマウス1の水平移動が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0030】
近年、テレビ視聴の際にテレビ信号のデジタル化により双方向の情報発信が可能になった。テレビ画面上のオブジェクトの選択を画面上のポインタをテレビリモコンの矢印キーで移動させ選択する操作が多くなってきているが画面上の選択ポイントを順に移動させなければならず手間がかかるため無線式マウスでの操作を可能にすることが望まれているが、リビングのテーブル面はガラス面であったり、高級素材で傷つきが懸念される面であったりするためマウスパッドを要する。よって本発明によるマウスパッドをテレビリモコンに組み付け、マウスを連結部材により連結させることで常に一定の光反射機能の維持が可能となり、ガラス面上やソファの上等、従来マウスの操作性が著しく劣る面上でも容易にマウス操作が可能となった。
【符号の説明】
【0031】
1、マウス
2、マウスパッド
3、連結部材
4、光制御連結板
5、遮光部
6、導光口
7、光センサー
8、受光部
9、光反射部
10、光
11、発光部
12、導光部
13、光制御連結板の挿入口
14、マウス設置面
15、開口部
16、連結部材の接地面
17、マウスパッドの保持板
18、保持板嵌合部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マウスを設置できるマウス設置面を有し、そのマウス設置面上にマウスの発光部と受光部との間に設けられた挿入口に挿入されて、マウスが上下動可能に連結され、マウスから発光された光を通過させる導光口と光を遮る遮光部を有する光制御連結板と導光部を通過した光をマウスパッドの光反射部へ通過させる開口部を有することを特徴とするマウスとマウスパッドの連結部材。
【請求項2】
前記マウスとマウスパッドの連結部材の前記マウスの設置面上に設けられた前記光制御連結板を挿入するための挿入口を発光部と受光部との間に有することを特徴とする前記マウス。
【請求項3】
請求項1記載の連結部材は、請求項2記載のマウスに連結され前記マウスパッドの設置面と同じ面にマウスパッドと接触することなく自立して設置できる接地部を有し、前記接地部がマウスの水平移動の妨げになる場合は前記設置部分解し反転させ収納可能なことを特徴とするマウスとマウスパッドの連結部材。
【請求項1】
マウスを設置できるマウス設置面を有し、そのマウス設置面上にマウスの発光部と受光部との間に設けられた挿入口に挿入されて、マウスが上下動可能に連結され、マウスから発光された光を通過させる導光口と光を遮る遮光部を有する光制御連結板と導光部を通過した光をマウスパッドの光反射部へ通過させる開口部を有することを特徴とするマウスとマウスパッドの連結部材。
【請求項2】
前記マウスとマウスパッドの連結部材の前記マウスの設置面上に設けられた前記光制御連結板を挿入するための挿入口を発光部と受光部との間に有することを特徴とする前記マウス。
【請求項3】
請求項1記載の連結部材は、請求項2記載のマウスに連結され前記マウスパッドの設置面と同じ面にマウスパッドと接触することなく自立して設置できる接地部を有し、前記接地部がマウスの水平移動の妨げになる場合は前記設置部分解し反転させ収納可能なことを特徴とするマウスとマウスパッドの連結部材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−173823(P2012−173823A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32687(P2011−32687)
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(301037866)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月18日(2011.2.18)
【出願人】(301037866)
【Fターム(参考)】
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