説明

マウスデバイス

【課題】ケーブル巻き取り機構を備えたマウスデバイスを提供する。
【解決手段】マウスデバイスは、本体と、ケーブルアセンブリと、可撓性カバー部材とを含む。本体は、頂部と、底部と、頂部と底部の間に重なるように配置された環側部とを有する。環側部の底部上の正投影は、底部の範囲内にあり、且つ環側部の頂部上の正投影は、頂部の範囲内にある。ケーブルアセンブリは、環側部に沿って本体に巻き取られる。可撓性カバー部材は、本体の環側部の上に包むように配置される。可撓性カバー部材は、本体に相対して開閉することによって、環側部に巻き取られたケーブルアセンブリを覆う、または露出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウスデバイス(mouse device)に関するものであり、特に、ケーブル巻き取り機構を備えたマウスデバイスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的によく見られるマウスデバイスは、マウスに接続するケーブルアセンブリ(cable assembly)を収納するスペースを持っていないため、マウスデバイスを使用しない時に、ケーブルアセンブリがマウスデバイスの外に露出し、持ち運びに不便である。この問題を解決するために、一部のマウスデバイスは、ケーブル巻き取り機構を増設しているが、その多くは、歯車やホイールを使ってケーブルアセンブリを回転させることによって、ケーブルを巻き取る効果を達成するものである。日本特開2004−102977において、マウスケーブル保持具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−102977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この場合、歯車やホイールの連動設計および部材を提供する必要があるため、コストが高くなる、あるいは、マウスの体積を有効に減らすことができない可能性がある。また、この種のケーブル巻き取り機構は、長時間使用することによって摩耗したり、あるいは、構成部材の動作を間違えることによって、内部でケーブルが引っかかったり、断線したりする可能性もある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、携帯性に優れたマウスデバイスを提供する。
【0006】
本発明の実施形態は、本体と、ケーブルアセンブリと、可撓性カバー部材とを含むマウスデバイスを提供する。本体は、頂部と、底部と、頂部と底部の間に重なるように配置された環側部とを有する。環側部の底部上の正投影は、底部の範囲内にあり、且つ環側部の頂部上の正投影は、頂部の範囲内にある。ケーブルアセンブリは、環側部に沿って本体に巻き取られる。可撓性カバー部材は、本体の環側部の上に包むように配置され、可撓性カバー部材は、本体に相対して開閉することによって、環側部に巻き取られたケーブルアセンブリを覆う、または露出する。
【0007】
本発明の実施形態中、上述した環側部の底部上の正投影の面積は、底部の面積よりも小さく、且つ環側部の頂部上の正投影の面積は、頂部の面積よりも小さいため、頂部、底部および環側部によって本体の環状凹溝が形成される。
【0008】
本発明の実施形態中、上述した可撓性カバー部材は、頂部に隣接した第1側辺と、底部に隣接した第2側辺と、第1側辺と第2側辺の間に配置されたカバー部とを有する。このカバー部は、環側部を跨いでケーブルアセンブリを覆う。
【0009】
本発明の実施形態中、上述した可撓性カバー部材の第1側辺は、頂部に接続され、可撓性カバー部材の第2側辺は、取り外しができるよう底部に繋縛される。可撓性カバー部材が第2側辺から第1側辺に向かって移動することによって、カバー部が本体に相対して開いた状態になる。
【0010】
本発明の実施形態中、上述した可撓性カバー部材は、本体の一側に枢接された第1部材および第2部材を含む。第1部材は、一部の第1側辺と、一部の第2側辺と、一部のカバー部とを有する。第2部材は、別の一部の第1側辺と、別の一部の第2側辺と、別の一部のカバー部とを有する。第1部材および第2部材は、互いに本体に対して反対方向に回転するため、第1部材の上に配置された一部のカバー部と第2部材の上に配置された別の一部のカバー部をそれぞれ本体の環側部に相対して開閉させる。
【0011】
本発明の実施形態中、上述したケーブルアセンブリは、ケーブルと、コネクターとを含む。ケーブルの一端は、本体に接続され、ケーブルの別の一端は、コネクターに接続される。
【0012】
本発明の実施形態中、上述した本体は、さらに、限位部を有する。ケーブルを環側部に巻き取った後、限位部の中にコネクターが収納される。
【0013】
本発明の実施形態中、上述した限位部は、本体の前端に配置され、ケーブルは、限位部を経由して可撓性カバー部材を通過し、本体の外に延伸する。
【0014】
本発明の実施形態中、上述したコネクターは、USB(Universal Serial Bus)コネクターである。
【0015】
本発明の実施形態中、上述した可撓性カバー部材の材料は、ゴムである。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明の上記実施形態において、頂部と底部の間に配置された環側部の外径輪郭は、頂部と底部よりも小さいため、マウスデバイスのケーブルアセンブリを環側部の上に巻き取ることができる。そのため、マウスデバイスを使用していない時に、ケーブルアセンブリを収容するスペースとして用いることができ、さらには、ケーブルアセンブリの長さを調整することもできる。また、環側部の上に配置された可撓性カバー部材は、本体に相対して開閉し、環側部の上に巻き取られたケーブルアセンブリを本体に隠す、あるいは露出させることができるため、マウスを使用していない時に、簡潔な外観を提供し、且つ携帯性を向上させることができる。
【0017】
本発明の上記および他の目的、特徴、および利点をより分かり易くするため、図面と併せた幾つかの実施形態を以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1A】本発明の実施形態に係るマウスデバイスの概略図である。
【図1B】図1Aのマウスデバイスの局部透視図である。
【図1C】図1Aのマウスデバイスの別の状態を示す概略図である。
【図2】図1Aのマウスデバイスの断面図である。
【図3A】本発明の別の実施形態に係るマウスデバイスの概略図である。
【図3B】図3Aのマウスデバイスの別の状態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1Aは、本発明の実施形態に係るマウスデバイスの概略図である。図1Bは、図1Aのマウスデバイスの局部透視図である。図1Cは、図1Aのマウスデバイスの別の状態を示す概略図である。図1A〜図1Cを同時に参照すると、本実施形態において、マウスデバイス100は、本体110と、ケーブルアセンブリ120と、可撓性カバー部材130とを含む。本体110は、頂部112と、底部114と、頂部112と底部114の間に重なるように配置された環側部116とを有する。本体110は、頂部112に配置されたクリックボタン111と、ホイールボタン113とを有し、底部114は、平らな台(図示せず)の上に置くのに適しており、ユーザーがマウスデバイス100を操作するのに便利である。
【0020】
ケーブルアセンブリ120は、ケーブル122と、コネクター124とを含み、コネクター124は、例えば、USBコネクターである。ケーブル122は、環側部116に沿って本体110の上に巻き取られ、且つケーブル122の一端は本体110に接続され、ケーブル122の別の一端はコネクター124に接続される。また、可撓性カバー部材130は、本体110の環側部116の上に巻き付くように配置され、その中にあるケーブルアセンブリ120を隠す、または露出する。
【0021】
本実施形態において、環側部116の底部114上の正投影は、底部114の範囲内にあり、且つ環側部116の頂部112上の正投影は、頂部112の範囲内にある。さらに説明すると、環側部116の底部114上の正投影の面積は、底部114の面積よりも小さく、且つ環側部116の頂部112上の正投影の面積は、頂部112の面積よりも小さい。
【0022】
これによって、頂部112、底部114および環側部116は、本体110の側表面S1上に環状凹溝R1を容易に形成する。上述したケーブルアセンブリ120は、この環状凹溝R1内に容易に巻き取って収容することができ、且つユーザーがケーブルアセンブリ120のケーブル122を環側部116の上に巻き取る回数によって、ケーブル122の本体110の外に露出する長さをさらに調整することができる。そのため、ユーザーがその時の使用環境に基づいて操作するのに有利であり、マウスデバイス100の操作性をさらに向上させる。
【0023】
また、可撓性カバー部材130の材料は、例えば、ゴムであり、この環状凹溝R1の上を覆って、ケーブルアセンブリ120を隠すために用いる。反対に、マウスデバイス100を使用したい時、可撓性カバー部材130を開いて、その中に隠されたケーブルアセンブリ120を環状凹溝R1から容易に取り出すことができる。
【0024】
以上のように、本実施形態のマウスデバイス100は、底部114と頂部112の間に環側部116を配置し、且つ環側部116の輪郭の外径が頂部112と底部114の輪郭の外径よりも小さいため、この三者によって本体110の上の環状凹溝R1が形成され、ケーブルアセンブリ120を環状凹溝R1の中に巻き取り、収容することができる。そのため、マウスデバイス100を使用していない時に、ケーブルアセンブリ120を本体110に収納することができるため、マウスデバイス100を容易に携帯することができ、且つ携帯している最中にケーブルアセンブリ120が落ちる心配をする必要がない。
【0025】
本実施形態において、可撓性カバー部材130は、頂部112に隣接する第1側辺132と、底部114に隣接する第2側辺134と、第1側辺132と第2側辺134の間に配置されたカバー部136とを有する。カバー部136は、環側部116を跨って、環側部116の上に巻き取ったケーブルアセンブリ120を隠す。
【0026】
詳しく説明すると、本実施形態の可撓性カバー部材130において、第1側辺132は、本体110の頂部112に接続され、第2側辺134は、取り外しができるよう本体110の底部114に繋縛される。こうして、第2側辺134を第1側辺132に向かって折り返し移動させることによって、可撓性カバー部材130のカバー部136を本体110に相対して容易に開いた状態(図1Bに示す)にすることができ、その中にある環状凹溝R1とその上に巻き取られたケーブルアセンブリ120を露出させることができる。
【0027】
さらに、図1Bを参照すると、本実施形態において、本体110は、さらに、底部114に配置された限位部118を有し、ケーブル122を環側部116に巻き取った後に、コネクター122を収納するのに用いる。また、この限位部118は、実質的に本体110の前端に配置され、ケーブル122は、限位部118を経由して可撓性カバー部材130を通過し、本体110の外に延伸することができるため、マウスデバイス100を使用する時に、ユーザーがケーブル122の長さを調整する時のケーブル122の収納スペースとしてこの限位部118を用いることができる。ここで、限位部118の構造および本体110の上に配置する位置については限定しないため、設計者であれば、マウスデバイス100の使用要求に基づいて、適切に変更を加えてもよい。
【0028】
本発明は、可撓性カバー部材と本体の間の開閉関係を限定しない。図3Aは、本発明の別の実施形態に係るマウスデバイスの概略図である。図3Bは、図3Aのマウスデバイスの別の状態を示す上面図である。図3Aおよび図3Bを同時に参照すると、上述した実施形態と異なる点は、マウスデバイス200の可撓性カバー部材230が、第1部材232および第2部材234を含むことである。第1部材232は、本体110の一側に枢接され、且つ第1部材232は、一部の第1側辺232aと、一部のカバー部232bと、一部の第2側辺232cとを有する。
【0029】
また、第2部材234も本体110に枢接され、且つ第2部材234と第1部材232は、本体110の同じ側に枢接され、且つ第2部材234は、別の一部の第1側辺234aと、別の一部のカバー部234bと、別の一部の第2側辺234cとを有する。言い換えれば、第1部材232および第2部材234は、可撓性カバー部材230をそれぞれ本体110に相対して回転する構成部材に分ける。そのため、第1部材232および第2部材234を互いに本体110に対して反対方向に回転させることによって、第1部材232の上に配置されたカバー部232bと、第2部材234の上に配置されたカバー部234bをそれぞれ本体110に相対して容易に開閉させることができる。そのため、可撓性カバー部材230は、上述した実施形態と同じように、ケーブルアセンブリ120を隠す、または露出する効果を達成することができる。
【0030】
以上のように、本発明の上述した実施形態において、頂部と底部の間に配置された環側部の外径輪郭は、頂部と底部よりも小さいため、マウスデバイスのケーブルアセンブリを環側部の上に巻き取ることができる。そのため、マウスデバイスを使用していない時に、ケーブルアセンブリを収容するスペースとして用いることができ、さらには、ケーブルアセンブリの長さを調整することもできる。
【0031】
また、環側部の上に配置された可撓性カバー部材は、本体に相対して開閉し、環側部の上に巻き取られたケーブルアセンブリを本体に隠す、または露出させることができるため、マウスデバイスを使用していない時に、簡潔な外観を提供し、且つ携帯性を向上させることができる。
【0032】
以上のごとく、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【符号の説明】
【0033】
100、200 マウスデバイス
110 本体
111 クリックボタン
112 頂部
113 ホイールボタン
114 底部
116 環側部
118 限位部
120 ケーブルアセンブリ
122 ケーブル
124 コネクター
130、230 可撓性カバー部材
132、232a、234a 第1側辺
134、232c、234c 第2側辺
136、232b、234b カバー部
232 第1部材
234 第2部材
R1 環状凹溝
S1 側表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂部と、底部と、前記頂部と前記底部の間に重なるように配置された環側部とを有し、前記環側部の前記底部上の正投影が、前記底部の範囲内にあり、且つ前記環側部の前記頂部上の正投影が、前記頂部の範囲内にある本体と、
前記環側部に沿って前記本体に巻き取られるケーブルアセンブリと、
前記本体の前記環側部の上に包むように配置され、且つ前記本体に相対して開閉することによって、前記環側部に巻き取られた前記ケーブルアセンブリを覆う、または露出する可撓性カバー部材と、
を含むマウスデバイス。
【請求項2】
前記環側部の前記底部上の正投影の面積が、前記底部の面積よりも小さく、且つ前記環側部の前記頂部上の正投影の面積が、前記頂部の面積よりも小さいため、前記頂部、前記底部および前記環側部によって前記本体の環状凹溝を形成した請求項1記載のマウスデバイス。
【請求項3】
前記可撓性カバー部材が、前記頂部に隣接した第1側辺と、前記底部に隣接した第2側辺と、前記第1側辺と前記第2側辺の間に配置されたカバー部とを有し、且つ前記カバー部が、前記環側部を跨いで前記ケーブルアセンブリを覆う請求項1記載のマウスデバイス。
【請求項4】
前記可撓性カバー部材の前記第1側辺が、前記頂部に接続され、前記可撓性カバー部材の前記第2側辺が、取り外しができるよう前記底部に繋縛され、且つ前記可撓性カバー部材が、前記第2側辺から前記第1側辺に向かって移動することによって、前記カバー部を前記本体に相対して開いた状態にする請求項3記載のマウスデバイス。
【請求項5】
前記可撓性カバー部材が、
前記本体の一側に枢接され、一部の前記第1側辺と、一部の前記第2側辺と、一部の前記カバー部とを有する第1部材と、
前記本体の前記側に枢接され、別の一部の前記第1側辺と、別の一部の前記第2側辺と、別の一部の前記カバー部とを有する第2部材と、
を含み、
前記第1部材および前記第2部材が、互いに前記本体に対して反対方向に回転して、前記第1部材の上に配置された一部の前記カバー部と前記第2部材の上に配置された別の一部の前記カバー部をそれぞれ前記本体に相対して開閉させる請求項3記載のマウスデバイス。
【請求項6】
前記ケーブルアセンブリが、
一端が前記本体に接続されたケーブルと、
前記ケーブルの別の一端に接続されたコネクターと、
を含む請求項1記載のマウスデバイス。
【請求項7】
前記本体が、さらに、限位部を有し、前記ケーブルを前記環側部に巻き取った後、前記限位部の中に前記コネクターが収納される請求項6記載のマウスデバイス。
【請求項8】
前記限位部が、前本体の前端に配置され、前記ケーブルが、前記限位部を経由して前記可撓性カバー部材を通過し、前記本体の外に延伸する請求項7記載のマウスデバイス。
【請求項9】
前記コネクターが、USBコネクターである請求項6記載のマウスデバイス。
【請求項10】
前記可撓性カバー部材の材料が、ゴムである請求項1記載のマウスデバイス。



【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【公開番号】特開2012−159933(P2012−159933A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17912(P2011−17912)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(502361706)技嘉科技股▲ふん▼有限公司 (111)
【氏名又は名称原語表記】GIGA−BYTE TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.6,Bao Chiang Road,Hsin−Tien District,New Taipei City 231,Taiwan
【Fターム(参考)】