説明

マウスパッド

【課題】 マウスの操作による発汗を抑え、効率よく作業を行うことができるマウスパッドを提供する。
【解決手段】 リストレスト2内部に設けられた送風ファン3により生じた風Wは、リストレスト3のパッド面1側に設けられた排気口21から排気(送風)される。排気口21からの風Wは、マウス10とそれを掴む手のひらとの間を後ろから(手首側から)通気する。このように、リストレスト2に内蔵された送風ファン3によって生じた風Wがマウス10と手のひらとの間を通気することにより、マウス10を掴む手のひらの発汗を抑制し、汗による手の滑りやマウス10の摺動性の悪化を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウスパッドに関し、特に、リストレストが設けられたマウスパッドに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の急速な発展により、パソコン等のコンビュータヘの入力機器としてマウスがよく用いられている。また、マウスは、CAD等の図形描画においても欠かせない入力機器となっている。このようなマウス使用時の疲労を軽減するため、マウスパッドのパッド面(マウス接触面)の一端部に手首を休ませる(固定する)べく、パッド面より高い部分を設けることによって、リストレストが形成されたマウスパッドが公知である(例えば、特許文献1および2参照。)。
【特許文献1】特開平10−91337号公報
【特許文献2】特開平11−345081号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような従来のマウスパッドにおいては、以下のような問題があった。すなわち、マウスを長時間使用していると、マウスを掴む手のひらに汗をかく場合がある。手のひらに汗をかくと、掴んでいるマウスが滑りやすくなると共に、この汗がマウスの摺動面に付着した際にはマウスの動きが悪くなる。つまり操作牲を著しく損ねてしまうという問題があった。特に図形描画を行うユーザは、長時間マウスを操作する必要があるので、汗をかくたびにマウスおよび手のひらをタオル等で拭く必要があり、集中力を切らしてしまう場合も生じ、効率のよい作業が行えない場合が生じ得る。
【0004】
木発明は、かかる従来技術の問題点を解決するべくなされたもので、マウスの操作による発汗を抑え、効率よく作業を行うことができるマウスパッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るマウスパッドは、パッド面の一端部にリストレストが設けられたマウスパッドであって、前記リストレストは、当該リストレスト内部に設けられた送風ファンと、当該送風ファンにより生じた風を前記パッド面に向けて送風すべく設けられた排気口とを具備するものである。
【0006】
上記構成のマウスパッドによれば、ユーザがリストレストに手首を置いた状態でマウスを掴み、パッド面上のマウスを操作する。一方、リストレスト内部に設けられた送風ファンにより生じた風は、リストレストのパッド面側に設けられた排気口から排気(送風)される。排気口からの風は、マウスとそれを掴む手のひらとの間を後ろから(手首側から)通気する。
【0007】
このように、リストレストに内蔵された送風ファンによって生じた風がマウスと手のひらとの間を通気することにより、マウスを掴む手のひらの発汗を抑制し、汗による手の滑りやマウスの摺動性の悪化を抑えることができる。したがって、マウスの長時間操作による発汗を抑え、効率よく作業を行うことができる。
【0008】
好ましくは、前記リストレストは、当該リストレストの上部に体が触れたことを感知して前記送風ファンを駆動させる起動装置を具備するように構成される。
【0009】
この場合、ユーザがマウスパッドを用いる際に、リストレストに体(手首または腕等)を乗せると、起動装置がこれを感知し、送風ファンを駆動させる。したがって、マウスパッドを使用する際にユーザがわざわざ電源を入れる作業を行う必要がなく、より使い易くすることができる。
【0010】
好ましくは、コンピュータのUSBポートに接続可能に構成され、前記コンピュータより前記送風ファンの駆動電力を得るように構成される。
【0011】
この場合、送風ファンを駆動する電源がコンピュータのUSBケーブルを介して供給される(いわゆるバスパワー方式で電力供給される)。したがって、コンピュータ回り(コンピュータ本体および周辺機器)の電力供給源をコンピュータ本体に一本化することができ、電力供給に関する配線を集約することができる。
【0012】
好ましくは、USB機器を接続可能なUSBポートを具備するように構成される。
【0013】
この場合、例えばマウス等のUSB対応の周辺機器等をマウスパッドのUSBポートに接続可能となる。したがって、マウスパッドをUSBハブとして機能させることができ、USBに関する配線を集約することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係るマウスパッドによれば、リストレストに内蔵された送風ファンにより、マウスと手のひらとの間を通気することにより、マウスを掴む手のひらの発汗を抑制し、汗による手の滑りやマウスの摺動性の悪化を抑えることができる。したがって、マウスの長時間操作による発汗を抑え、効率よく作業を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係るマウスパッドを示す図である。図1(a)はマウスパンドを上から見た部分透視図であり、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。
【0016】
本発明に係るマウスパッドは、図1に示すように、パッド面1の一端部1aにリストレスト2が設けられたマウスパッドであって、前記リストレスト2は、当該リストレスト2内部に設けられた送風ファン3と、当該送風ファン3により生じた風Wを前記パッド面1に向けて送風すべく設けられた排気口21とを具備するものである。なお、送風ファン3は、特に限定されるものではないが、CPUファン等の送風ファン3が適宜用いられる。本実施形態における送風ファン3は、下方(または側方)から空気を吸い込み上方へ排気する送風ファン3が取り付けられている。
【0017】
上記構成のマウスパッドによれば、ユーザがリストレスト2に手首を置いた状態でマウス10を掴み、パッド面1上のマウス10を操作する。一方、リストレスト2内部に設けられた送風ファン3により生じた風Wは、リストレスト3のパッド面1側(側面)に設けられた排気口21から排気(送風)される。排気口21からの風Wは、マウス10とそれを掴む手のひらとの間を後ろから(手首側から)通気する。なお、本実施形態においては、リストレスト2の排気口21の反対側(側面)に吸気口22が設けられ、排気口21から効率よく風Wを発生させることとしている。ここで、排気口21および吸気口22は、排気□21が吸気□22より上方に開口されるように構成されている。かかる構成により、上方へ風を生じさせる送風ファン3の通気効率をより高めることができると共に、マウス10とそれを掴む手のひらとの間に確実に且つ集中して風Wを送ることができる。
【0018】
このように、リストレスト2に内蔵された送風ファン3により、マウス10と手のひらとの間を通気することにより、マウス10を掴む手のひらの発汗を抑制し、汗による手の滑りを抑えることができる。したがって、マウス10の長時間操作による発汗を抑え、効率よく作業を行うことができる。
【0019】
本実施形態において、前記リストレスト2は、当該リストレスト2の上部に体(手首、腕等)が触れたことを感知して前記送風ファン3を駆動させる起動装置6を具備するように構成される。
【0020】
この場合、ユーザがマウスパッドを用いる際に、リストレスト2に体(手首または腕等)を乗せると、起動装置6がこれを感知し、送風ファン3を駆動させる。本実施形態においては、リストレスト2上に接触センサ(図示せず)が設けられており、当該接触センサに触れることによってUSBハブ4(後述)を介したパソコンからの電力供給が開始される。したがって、マウスパッドを使用する際にユーザがわざわざ電源を入れる作業を行う必要がなく、より使い易くすることができる。
【0021】
なお、本実施形態においては、接触センサにより起動装置6が構成される場合について例示したが、リストレスト2上に押しボタンスイッチを設けることにより起動装置6を構成するようにしてもよい。また、接触センサおよび押しボタンスイッチのいずれの場合であっても、手首等を離すと送風ファン3の駆動を停止すべく構成してもよい。この場合、無駄な電力の消費を抑制できると共に、電源の切り忘れなどによって送風ファン3を駆動するモータ(図示せず)が焼損するのを防止することができる。また、一度起動した後は、その後、手首等が離れたか否かに関わらず、所定時間、送風ファン3の駆動を継続することとしてもよい。さらに、リストレスト2の側面等に別途駆動スイッチを設けるようにしてもよい。この場合、起動装置6の制御(接触感知の有無)に関わらず、強制的に作動させる(または接触を感知しても作動させない)ようにすることが可能となる。
【0022】
なお、起動装置6を用いずに、駆動スイッチのみ用いる構成としてもよいし、USBハブ(後述)からのUSBケーブルをパソコン等のコンピュータのUSBポートに差し込むことで常時送風ファン3を駆動させる構成としてもよい。
【0023】
本実施形態において、マウスパッドのリストレスト2には、USBハブ4が内蔵され、コンピュータのUSBポート(図示せず)に接続可能に構成され、前記コンピュータより前記送風ファン3の駆動電力を得るように構成される一方、マウス10等、他のUSB機器を接続可能に構成される。
【0024】
この場合、送風ファン3を駆動する電源がコンピュータのUSBケーブルを介して供給される(いわゆるバスパワー方式で電力供給される)。したがって、コンピュータ回り(コンピュータ本体および周辺機器)の電力供給源をコンピュータ本体に一本化することができ、電源供給に関する配線を集約することができる。
【0025】
また、マウス10等のUSB対応の周辺機器等をマウスパッドのUSBハブ4のUSBポートに接続可能となるため、USBに関する配線を集約することができる。
【0026】
なお、このようなUSBハブ4により、他のUSB機器(マウス10等)を接続する場合には、図1(a)に示すように、送風ファン3への電力線には、ノイズフィルタ5を介すこととしてもよい。これにより、送風ファン3で生じるノイズをカットし、他のUSB機器の安定動作をより確実にすることができる。
【0027】
本実施形態においては、送風ファン3の駆動電源としてUSBケーブルを介して接続したコンピュータから電力供給を受けるバスパワー方式を例にとって説明したが、ACアダプタ等により交流電源から単独供給されることとしてもよいし、リストレスト2に電池を格納可能に構成し、その電力で送風ファン3を駆動することとしてもよい。また、これらの構成を適宜組み合わせて(選択可能に構成して)用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係るマウスパッドを示す図である。
【符号の説明】
【0029】
1 パッド面
1a 一端部
2 リストレスト
21 排気口
3 送風ファン
4 USBハブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッド面の一端部にリストレストが設けられたマウスパッドであって、前記リストレストは、当該リストレスト内部に設けられた送風ファンと、当該送風ファンにより生じた風を前記バッド面に向けて送風すべく設けられた排気口とを具備することを特徴とするマウスパッド。
【請求項2】
前記リストレストは、当該リストレストの上部に体が触れたことを感知して前記送風ファンを駆動させる起動装置を具備することを特徴とする請求項1記載のマウスパッド。
【請求項3】
コンピュータのUSBポートに接続可能に構成され、前記コンピュータより前記送風ファンの駆動電力を得ることを特徴とする請求項1または2記載のマウスパッド。
【請求項4】
USB機器を接続可能なUSBポートを具備することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマウスパッド。

【図1】
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