説明

マスキング治具及びこのマスキング治具を用いたマスキング装置並びにマスキング治具の製造方法

【課題】マスキングする樹脂成形品に対して、装着や取り外しの際にキズをつけてしまう危険性を有効に回避することができるばかりか、極めて安価に且つ同一品を量産することができる新規なマスキング治具及びこのマスキング治具を用いたマスキング装置並びにマスキング治具の製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂成形品の一部のみに金属膜又は塗料が付着されるよう該樹脂成形品を覆うマスキング治具であって、樹脂を素材としてなるとともに、上記樹脂成形品の形状に模って製造された樹脂製治具成形型により成形されてなるものである。また、前記樹脂成形品を覆うとともに枠状に成形された第1の枠部(見切り稜16の外側)と、この第1の枠部よりも広がってなる第2の枠部(マスク面17と交差して連なる外周側)とを備え、上記第1の枠部から第2の枠部に至る部位は、前記樹脂成形品が上記第1の枠部により覆われるよう該樹脂成形品を案内すべく傾斜してなる案内面とされてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂成形品の一部のみに金属膜又は塗料が付着されるよう該樹脂成形品を覆うために用いるマスキング治具及びこのマスキング治具を用いたマスキング装置並びにマスキング治具の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マスキング治具は、例えば、車両用の照明具構成部品であるレンズや化粧枠等の樹脂成形品(以下、ワークという)の金属膜付着部分又は塗料付着部分に対応する開口部が形成され、この開口部の周囲(金属膜又は塗料を付着させない非付着部分)をマスキングするようにしたものがある。このマスキング治具の製造は、例えば、金属板を曲げ又は叩き出し成形して板金加工するとともに、見切り部分を手仕上げ加工して前記開口部とその周囲であるマスク部を形成し、該マスク部を治具枠体に溶接又は鋲打ちして板金製のマスキング治具を製造していた。
【0003】
そして、上記マスキング治具を用いて製造されるワークは量産品であるため、同一品種について多数のマスキング治具を用いる場合が多い。ところが、上記板金製のマスキング治具の製造においては、板金加工及び手仕上げ加工が手作業であることから、マスキング性(ワークの形状に対するマスキング治具の一致性)が悪くワークの表面にキズが付きやすいとともに、マスキング治具の製作に長時間の労力を要してその製造原価が高価になるという問題があった。さらには、すべて手加工であることから、マスキング治具の量産ができないとともに、複数のマスキング治具の品質(加工精度)を均一にすることができないという問題があった。
【0004】
そこで、これらの問題を解決するものとして、例えば、塗装マスキング治具及びその製造方法であって、被塗装成形品であるワークの形状に合わせた射出成形用金型(ワークの3次元データを用いて機械加工)によって金属成形した金属又は合金からなるマスク体と、前記マスク体の一部に取り付けられ板金よりなる板金体と、前記板金体に形成され前記ワークをクランプするためのクランプ体とからなり、前記マスク体によって前記ワークの非塗装面を覆うように構成し、前記マスク体はマグネシウム合金としたものがある(特許文献1参照)。
【0005】
この構成では、マスク体は、ワークの形状に合わせた射出成形用金型によって金属成形した金属又は合金であることから、マスキング治具の量産ができるとともに、複数のマスキング治具の品質(加工精度)を維持することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−324103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のマスキング治具においては、マスク体が、金属成形した金属又は合金であることから、特にワークが金属又は合金よりも軟らかい樹脂成形品である場合には、該ワークの表面にキズが付きやすいという問題があった。また、マスク体が、ワークの形状に合わせて機械加工された射出成形用金型によって金属成形したものであることから、射出成形用金型の製造に長時間の労力を要し、マスキング治具の製造原価が高価になるという問題があった。しかも、ワークの形状又は表面処理領域の変更に伴い、新たな射出成形用金型を製造する際にも、その都度、高価な金型製造費を要する。
【0008】
そこで、本発明は、上述した従来のマスキング治具が有する課題を解決するために提案されたものであって、マスキングする樹脂成形品に対して、装着や取り外しの際にキズをつけてしまう危険性を有効に回避することができるばかりか、極めて安価に且つ同一品を量産することができる新規なマスキング治具及びこのマスキング治具を用いたマスキング装置並びにマスキング治具の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するため、第1の発明(請求項1記載の発明)に係るマスキング治具は、樹脂成形品の一部のみに金属膜又は塗料が付着されるよう該樹脂成形品を覆うマスキング治具であって、樹脂を素材としてなるとともに、上記樹脂成形品の形状に模って製造された樹脂製治具成形型により成形されてなることを特徴とするものである。
【0010】
この第1の発明では、マスキング治具は、樹脂を素材としているので、樹脂成形品を装着する際に、該樹脂成形品にキズが付く危険性を有効に防止できる。また、このマスキング治具は、樹脂製治具成形型に倣った形状に成形されるものであることから、同一形状のマスキング治具を量産することができる。よって、マスキング治具毎にマスキングの品質が異なってしまうという事態を有効に回避することができる。また、マスキング治具を製造する治具成形型は、樹脂製治具成形型であることから、金属を素材とする射出成形用金型に比し、格段に安価に製造することができるとともに、ワークの形状又は表面処理領域の変更に伴い新たなマスキング治具を製造するための治具成形型も、安価に製造することができる。
【0011】
なお、樹脂製治具成形型の素材である樹脂は、硬質樹脂でも軟質樹脂でも使用可能である。但し、樹脂製治具成形型の肉厚や成形時の方向性などにより、垂れ下がり等が生じ、精度の高いマスキング治具を製造できない可能性を考慮すると、硬度としては、軟質のショア硬さHS40程度が好ましい。また、この樹脂製治具成形型にあっては、該樹脂製治具成形型の成形部分の形状が忠実にマスキング治具(成形物)に転写される転写性(コピー性)が優れているとともに、マスキング治具を該樹脂製治具成形型から脱型する際の離形性が優れていることが望ましく、これらを満たす樹脂素材としては、シリコーンゴムが好ましい。
【0012】
また、マスキング治具の素材である樹脂の種類についても、硬質樹脂でも軟質樹脂でも使用可能である。但し、金属膜又は塗料が付着される樹脂成形品の損傷を防止する観点及び該樹脂成形品の表面に密着させマスキングの精度を上げる観点からは、軟質樹脂であることが好ましいが、他方、該マスキング治具が設置される方向や部分的な肉厚の程度により、自重による垂れ下がり等によるマスキングの精度の悪化を考慮すると、金属膜や塗料が付着する境界の精度を上げるためには、軟質の樹脂よりもやや硬質の樹脂であることが好ましい。したがって、マスキング精度を上げるには、ショア硬さがHS70〜99であることが好ましい。また、付着される金属膜や塗料によっては、それらの素材とマスキング治具とが反応し、劣化や変形の恐れもあることから、耐薬品性、耐摩耗性、機械強度、衝撃強度、耐候性を備えた樹脂とすることが好ましい。
【0013】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)は、上記第1の発明において、前記樹脂成形品を覆うとともに枠状に成形された第1の枠部と、この第1の枠部よりも広がってなる第2の枠部とを備え、上記第1の枠部から第2の枠部に至る部位は、前記樹脂成形品が上記第1の枠部により覆われるよう該樹脂成形品を案内すべく傾斜してなる案内面とされてなることを特徴とするものである。
【0014】
この第2の発明では、第1の枠部から第2の枠部に至る部位は、樹脂成形品を案内すべく傾斜してなる案内面とされてなるので、樹脂成形品は、該案内面に案内されて第1の枠部に装着されるから、熟練を要することなく誰でも樹脂成形品にキズを付けることなくマスキングすることが可能となる。
【0015】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)は、上記第1又は2の何れかの発明において、前記素材としての樹脂は、ウレタン樹脂であることを特徴とするものである。
【0016】
この第3の発明では、ウレタン樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートとの組合せにより、或いはこれらの素材と水の配合量、さらには樹脂製治具成形型内に充填されるこれらの量により、広い範囲の硬度(好ましくはショア硬さHS70〜99)が選択できるので適度な弾力性を得られやすく、樹脂成形品をマスキング治具へ装着の際又は取り外しの際に、樹脂成形品がキズつく危険性を有効に回避することが可能となるばかりか、耐薬品性、耐摩耗性、機械強度、衝撃強度、耐候性を備えているとともに、安価である。また、ウレタン樹脂は、液状樹脂であることから、成形型に注入して成形する注入成形が簡易にできる。
【0017】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)に係るマスキング装置は、プレートと、このプレートに形成された複数の開口と、上記プレートのそれぞれの開口の正面側に着脱可能に固定された請求項1,2又は3記載の何れかのマスキング治具と、を備え、上記マスキング治具により一部が覆われる樹脂成形品は、上記プレートの背面側から上記開口を通過して該マスキング治具にそれぞれ装着されることを特徴とするものである。
【0018】
この第4の発明のマスキング装置では、マスキング治具は、プレートに形成された複数の開口の正面側にそれぞれ固定されてなるので、複数のマスキング治具の一つが破損した場合には、該破損したマスキング治具のみを新たなマスキング治具に容易に交換して使用することができ、マスキング装置全体を新たに製造し直す必要がない。
【0019】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)に係るマスキング治具の製造方法は、請求項1,2又は3記載の何れかのマスキング治具の製造方法であって、一部に金属膜又は塗料が付着される樹脂成形品の形状に模って樹脂製治具成形型を作成する型作成工程と、この型作成工程により作成された樹脂製治具成形型内に樹脂を充填する樹脂充填工程と、この樹脂充填工程により充填された樹脂が硬化した後に、上記樹脂製治具成形型から脱型する脱型工程と、を備えてなることを特徴とするものである。
【0020】
この第5の発明では、一部に金属膜又は塗料が付着される樹脂成形品の形状に模って樹脂製治具成形型を作成し、この樹脂製治具成形型内に樹脂を充填してマスキング治具を成形し、その成形された樹脂が硬化した後に樹脂製治具成形型から脱型するようにしたので、短時間で安価に製造することができる。すなわち、従来の機械加工による射出成形用金型のように、治具成形型の製造に長時間の労力を要しないので安価にできる。また、樹脂素材のマスキング治具は樹脂製治具成形型により成形されるので、マスキング治具の量産ができるとともに、複数のマスキング治具の品質(加工精度)を維持することができる。
【発明の効果】
【0021】
上記第1の発明(請求項1記載の発明)では、マスキング治具は、樹脂を素材としているので、このマスキング治具に樹脂成形品を装着する際にキズが付く危険性を有効に防止でき、樹脂成形品の品質の向上を図ることができる。また、このマスキング治具は、樹脂製治具成形型により成形されるものであることから、同一形状のマスキング治具を量産することができ、樹脂成形品の大量生産に寄与することができる。また、マスキング治具を製造する治具成形型は、樹脂製治具成形型であることから、安価に製造することができ、製造原価の低減を図ることができる。
【0022】
また、第2の発明(請求項2記載の発明)では、第1の枠部から第2の枠部に至る部位は、樹脂成形品を案内すべく傾斜してなる案内面とされてなるので、樹脂成形品は、該案内面に案内されて第1の枠部に装着されるから、熟練を要することなく誰でも樹脂成形品にキズを付けることなくマスキングすることが可能となり、品質の向上を図ることができる。
【0023】
また、第3の発明(請求項3記載の発明)では、ウレタン樹脂は、広い範囲の硬度が選択できるので適度な弾力性を得られやすく、樹脂成形品をマスキング治具へ装着の際又は取り外しの際に、樹脂成形品がキズつく危険性を有効に回避することが可能となることから、樹脂成形品の品質を向上することができる。また、ウレタン樹脂は、液状樹脂のため注入成形が簡易にできることから、マスキング治具の量産が容易にできるとともに、安価な樹脂製治具成形型により製造原価の低減を図ることができる。
【0024】
また、第4の発明(請求項4記載の発明)のマスキング装置では、マスキング治具は、プレートに形成された複数の開口の正面側にそれぞれ固定されてなるので、複数のマスキング治具の一つが破損した場合には、該破損したマスキング治具のみを新たなマスキング治具に容易に交換して使用することができ、マスキング装置全体を製造し直す必要がなく、安価に修復することができる。
【0025】
また、第5の発明(請求項5記載の発明)のマスキング治具の製造方法では、樹脂製治具成形型内に樹脂を充填してマスキング治具を成形し、その成形された樹脂が硬化した後に樹脂製治具成形型から脱型するようにしたので、短時間で安価に製造することができ、製造原価の低減を図ることができる。また、樹脂素材のマスキング治具は樹脂製治具成形型により成形されるので、マスキング治具の量産ができことから樹脂成形品の大量生産に寄与することができるとともに、複数のマスキング治具の品質(加工精度)を維持することができることから、樹脂成形品の品質の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明を実施するためのマスキング治具及びこのマスキング治具を用いたマスキング装置並びにマスキング治具の製造方法に係る最良の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0027】
まず、ワーク(樹脂成形品)30の一部のみに、真空蒸着やメッキなどの表面処理により金属膜を付着させる(以下、メッキという)ためのマスキング治具10を用いたマスキング装置1について、図1ないし図3を参照して説明する。このマスキング装置1は、図2に示すように、装置の基板であるプレート2が構成要素とされ、その縁部2aは正面側(図2の下面側)へL字状に折り曲げられ、その内側角部には断面が長方形で四角枠状に形成された補強部材4が固定されて、プレート2が折れ曲がらないように補強されているとともに、該プレート2の中央部には、後述するマスキング治具10,10のそれぞれの案内面18の上端開口径よりも大口径でなる左右2個の開口3,3が同一形状に形成されている。
【0028】
なお、本実施の形態に係るマスキング装置1は、これら同一形状に形成された左右2個の開口3,3のそれぞれの近傍に、同一の構成要素でなるマスキング治具10,10がそれぞれ配置されるとともに、同一の構成要素でなる2組ずつのワーク保持部材20,20及び20,20が配置されてなるものであることから、以下の説明においては、左右2個の開口3,3のそれぞれの近傍の構成要素に同一の符号を付して、各構成要素の説明については、左右2個の開口3,3のうちの一方側の近傍に配置される構成要素のみについて説明する。
【0029】
そして、上記開口3の近傍であって、プレート2の正面側(図2の下面側)には、後述するワーク30の非メッキ部分をマスキングするマスキング治具10が、4個のボルト5,5,5,5(図3参照)によりプレート2に固定されている。このマスキング治具10の背面側(図2の上面側)には、ワーク30の非メッキ部分をマスキングするマスク面17が該ワーク30の非メッキ部分と密着するように形成され、このマスク面17は、該マスク面17上に載置されたワーク30を保持するとともに、該マスク面17に当接するワーク30の非メッキ部分をマスキングする(覆う)ものである。
【0030】
また、プレート2の他方の背面側(図2の上面側)には、マスキング治具10のマスク面17上に載置されたワーク30を保持する2組のワーク保持部材20,20が配置されている。これらのワーク保持部材20,20のそれぞれは同一の構成であって、図1又は図2に示すように、プレート2の背面側に橋脚21がそれぞれ固定され、これら橋脚21の桁板部21aには、ボルト23が、螺合されたナット22A,22Bによる桁板部21aの挟持によりそれぞれ立設されている。
【0031】
上記ボルト23には、L字状に形成された抑え金24が上下移動可能にそれぞれ挿通され、その抑え金24の基部上面には、ボルト23の頭部23aに案内されて上下移動可能な筒状の摘み部材25がそれぞれ固定されている。この摘み部材25内の抑え金24上面とボルト23の頭部23a下面との間には、コイルばね26がそれぞれ挿入され、このコイルばね26により抑え金24及び摘み部材25は下方にそれぞれ付勢されている。このコイルばね26の付勢力により、抑え金24の押圧部24a下端が後述するワーク30の固定用突起36(図10(b)参照)の端面を押圧し、ワーク30を保持する。
【0032】
そして、このマスキング装置1にメッキ前のワーク30を装着するための準備として、図1又は図2において、ワーク保持部材20,20のそれぞれの摘み部材25を把持しコイルばね26に抗して上方へ持ち上げながら、抑え金24の押圧部24aをプレート2の開口3の外側であって、図1に2点鎖線で示す約90度の回動位置へ回動させるとともに、それぞれの摘み部材25の上方への持ち上げを開放して、ワーク保持部材20,20のそれぞれの抑え金24を約90度の回動位置に定着させておく。
【0033】
その後、メッキ前のワーク30を装着する際には、ワーク30の正面側を下向きにしてプレート2の背面側から開口3を通過させるとともに、該ワーク30をマスキング治具10の背面側の案内面18に沿って下降させ、マスク面17上に密着するように載置する。その後、載置されたワーク30を固定するには、ワーク保持部材20,20の摘み部材25をそれぞれ上方へ持ち上げながら、それぞれの抑え金24の押圧部24aをワーク30の固定用突起36の上方へそれぞれ回動させて、それぞれの摘み部材25の上方への持ち上げを開放する。この開放により、押さえ金24がコイルばね26により下方へ付勢され、ワーク30は、マスキング治具10のマスク面17上に密着するように装着される。
【0034】
ところで、上記マスキング治具10に装着され、一部のみにメッキが施されるワーク30は、車両用の樹脂成形された照明具構成部品であって、その平面形状は図10(a)に示すように、不等辺の四角形状に成形され、その断面形状は図10(b)に示すように、外周から中心側に向かって下降する第1の傾斜面31aを有する第1の傾斜部31と、該第1の傾斜面31aの下端から中心側に向かって上昇する第2の傾斜面32aを有する第2の傾斜部32と、前記第1の傾斜面31aと第2の傾斜面32aとが交差する角部の交差凹角部33と、前記第2の傾斜面32aの上端から中心側に向かって下降する第3の傾斜面34aを有する第3の傾斜部34と、を備えて四角枠形状に成形されている。
【0035】
また、ワーク30には、第3の傾斜部34の図示左右のそれぞれの下端部の間に、リブ35Aが架け渡され、このリブ35Aの外にも、形状の異なる複数のリブ35B,35C,35Dが架け渡されている(図10(a)参照)。また、リブ35A,35B,35C,35D等の背面側(図10(b)の下面側)には、ワーク30を車両に固定するための2個の固定用突起36,36が突設されている。
【0036】
そして、ワーク30へのメッキ処理は、該ワーク30の正面側(図10(b)の上面側)に施され、そのメッキ範囲は、ワーク30の交差凹角部33を境界(見切り)にした中心側のメッキ部分Maであって、第2の傾斜面32a、第3の傾斜面34a及び複数のリブ35A,35B,35C,35Dの正面側にメッキが施され、交差凹角部33を境界(見切り)にした外周側の非メッキ部分Mbの範囲の第1の傾斜面31aにはメッキが施されないものである。したがって、後述する図4に示すマスキング治具10により、ワーク30の非メッキ部分Mbの範囲である第1の傾斜面31aをマスキングすれば、メッキ部分Maの範囲のみにメッキが施されるから、非メッキ部分とメッキ部分との境界である見切り稜16は、ワーク30の交差凹角部33と同一の稜線形状にすればよい。
【0037】
次に、ワーク30の非メッキ部分をマスキングするマスキング治具10について、図4を参照して説明する。マスキング治具10は、樹脂素材であるウレタン樹脂のウレタンエラストマを素材として成形され、その断面形状は図4(b)に示すように、ワーク30の図10に示す内外周とほぼ相似形状の内周面11と外周面12とでなる筒部13が成形され、外周面12の上面14側(本発明の背面側)にはフランジ部15が成形されている。そして、内周面11の図示上端には、メッキ部分と非メッキ部分との境界を形成する見切り稜16が、ワーク30の交差凹角部33に係合すべく該交差凹角部33により模って突設され、この見切り稜16の外側(本発明の第1の枠部)には、該見切り稜16から外周側に向かって下降しながら傾斜するマスク面17が、ワーク30の第1の傾斜面31aと密着して非メッキ部分を構成すべく、該第1の傾斜面31aにより模って成形されている(図2参照)。
【0038】
また、このマスク面17と交差して連なる外周側(本発明の第2の枠部)には、外周側に向かって上昇しながら傾斜するとともに、上面14と交差する開口(符号は省略する)は図1又は図2に示すプレート2の開口よりも小口径でなる案内面18が、ワーク30を案内すべく傾斜して成形されている。また、上記内周面11内の開口は、図2に示すマスク面17上に装着されたワーク30の正面側(下面側)にメッキを施す際に、メッキ原料を通過させるための開口であって、見切り稜16から外周側に向かって下降する傾斜面に成形されている。また、フランジ部15の4隅には、図1ないし図2に示すマスキング装置1のプレート2に固定するためのボルト穴19,19,19,19がそれぞれ形成されている。
【0039】
次に、マスキング治具10の製造方法について、図5ないし図9を参照して説明する。マスキング治具10の製造方法は、ワーク30のメッキ部分と非メッキ部分との形状に模って樹脂製の治具成形型を作成する型作成工程(第1ないし第9の工順)と、この型作成工程により作成された治具成形型内にマスキング治具10の原料である樹脂を充填する樹脂充填工程(第10の工順)と、この樹脂充填工程により充填された樹脂が硬化した後に、前記治具成形型から成形されたマスキング治具10を脱型する脱型工程(第11の工順)と、を備えてなるものである。
【0040】
まず、型作成工程に着手する事前準備として、治具成形型の模範とするワーク30の図10に示す第3の傾斜部34,リブ35A,35B,35C,35D及び固定用突起36,36は予め切除して、第1の傾斜部31、第2の傾斜部32でなる図5に示す模範ワーク30Kを用意する。なお、図5に示すワーク30Kは、説明を分かり易くするために、形状を単純化して図示した。
【0041】
そして、第1の工順において、図6に示すように、前記模範ワーク30Kの第1の傾斜部31の背面31bに、マスキング治具10の案内面18(図4(b)参照)を成形する基となるべく下方に向かって拡径する傾斜面41bが形成された中枠体41を貼付するとともに、この中枠体41の下面41aと模範ワーク30Kの第2の傾斜面32aの上端32bとの間の空間部には、埋め材42を充填して第1の型部材D1を形成する。なお、この第1の型部材D1を構成するワーク30Kの第1の傾斜面31aは、図4(b)に示すマスキング治具10のマスク面17を成形する基となる傾斜面である。
である。
【0042】
次の第2の工順において、図7(a)に示すように、敷板44上に箱枠体45を載置した型枠を用意し、その敷板44上に前記第1の型部材D1の一方の面42aを載置して成形空間46を形成する。
【0043】
次の第3の工順において、図7(b)に示すように、図7(a)に示す成形空間46内に、硬化剤を混合したシリコーンゴムの液状樹脂を注入して充満させるとともに、箱枠体45上に上蓋48を載置して押圧し、常温で12時間以上放置して硬化させ、第2の型部材D2を成形する。
【0044】
次の第4の工順において、図7(b)に示す状態から上蓋48を除去した後、第1の型部材D1と第2の型部材D2とを箱枠体45内に収容したままで天地逆にして敷板44上に載置し、図7(c)に示すように、第1の型部材D1を第2の型部材D2から脱型して成形空間49を形成する。なお、この第2の型部材D2の傾斜面D2aは、図4(b)に示すマスキング治具10の案内面18を成形する基となる傾斜面であり、傾斜面D2bは、マスク面17を成形する基となる傾斜面である。
【0045】
次の第5の工順において、図8(a)に示すように、図7(c)に示す第2の型部材D2の成形空間49内に、硬化剤を混合したシリコーンゴムの液状樹脂を注入して充満させるとともに、箱枠体45上に上蓋48を載置して押圧し、常温で12時間以上放置して硬化させ、第3の型部材D3を成形する。
【0046】
次の第6の工順において、図8(a)に示す状態から上蓋48を除去した後、第3の型部材D3を第2の型部材D2から脱型し、図8(b)に示すように、第3の型部材D3の凸角部D4aと、凸角部D4bとを結ぶ傾斜面D4cの外側に存する外周側肉部D3aを切除して、第4の型部材である中子D4を形成する。なお、この第4の型部材D4の凸角部D4aは、図4(b)に示すマスキング治具10の見切り稜16を成形する位置である。
【0047】
次の第7の工順において、図8(c)に示すように、第3の型部材D3を脱型した後の成形空間49(図7(c)参照)の凹部D2c上に、前記中子D4の一方の面D4dを係合させて該中子D4を載置し、成形空間50を形成する。すなわち、次の工順において、中子D4から図9(a)に示す第5の型部材D5を離型しないので、中子D4側の表面には離型剤を塗布しない。
【0048】
次の第8の工順において、図9(a)に示すように、図8(c)に示す成形空間50内に、硬化剤を混合したシリコーンゴムの液状樹脂を注入して充満させるとともに、箱枠体45上に上蓋48を載置して押圧し、常温で12時間以上放置して硬化させ、第5の型部材D5を中子D4と一体的に成形する。
【0049】
次の第9の工順において、図9(a)に示す状態から上蓋48を除去した後、中子D4と第5の型部材D5とを第2の型部材D2から脱型するとともに、図9(b)に示すように、敷板51上に箱枠体52を載置した型枠を用意する。その敷板51上に、前記中子D4の他方の面D4eを下面にして、中子D4と第5の型部材D5とを載置するとともに、中子D4の一方の面D4dに、シリコーンゴム製でなる第6の型部材D6を取り外し可能に継ぎ足す。この第6の型部材D6の傾斜面D6bは、前記中子D4の凸角部D4aから第6の型部材D6の凸角部D6aに向かって拡径し、図4(b)に示すマスキング治具10の内周面11を成形すべく形成されている。
【0050】
また、図9(b)に示す箱枠体52の内側には、図4(b)に示すマスキング治具10のフランジ部15を成形するためのシリコーンゴム製の第7の型部材D7が収容されている。この第7の型部材D7の内周面D7aは、マスキング治具10の外周面12を成形し、下面D7bは、マスキング治具10のフランジ部15の下面15aを成形し、突子D7cは、マスキング治具10の4個のボルト穴19を成形すべくそれぞれ形成されている。
【0051】
そして、以上の型作成工程において、第5の型部材D5と、第6の型部材D6と、第7の型部材D7とのシリコーンゴムでなる樹脂製の治具成形型(符号は省略する)が、敷板51、箱枠体52及び後述する上蓋53でなる箱体内に収容され、これらにより構成される成形空間54により図4(b)に示すマスキング治具10を成形する。すなわち、第5の型部材D5の傾斜面D5aによりマスク面17を成形し、傾斜面D5bにより案内面18を成形し、第6の型部材D6の傾斜面D6bにより内周面11を成形し、第7の型部材D7の内周面D7aにより外周面12を成形し、下面D7bはフランジ部15の下面15aを成形するとともに、傾斜面D5aと傾斜面D6bとが交差してなす内角部D5cにより見切り稜16を成形する。
【0052】
次の第10の工順の樹脂充填工程において、図9(c)に示すように、先の第9の工順により図9(b)に示す治具成形型に形成された成形空間54内に、ウレタン樹脂であるウレタンエラストマの液状樹脂を注入して充満させるとともに、箱枠体52上に上蓋53を載置して押圧し、約70℃で約60分間加熱して硬化させ、マスキング治具10を成形する。このマスキング治具10の成形素材であるウレタンエラストマの液状樹脂は、ポリオールとポリイソシアネートとを混合させて調合したものであって、ポリイソシアネートと反応して発泡する水は混合しない。
【0053】
なお、マスキング治具10を成形するための治具成形型を構成する第5の型部材D5と、第6の型部材D6と、第7の型部材D7とは、それぞれの素材が離型性に優れたシリコーンゴムでなることから、上記ウレタンエラストマの注入に先立ち各成形面に離型剤を塗布する必要はなく、直に注入しても容易に脱型することができる。
【0054】
次の第11の工順の脱型工程において、図9(c)に示す状態から上蓋53、第6の型部材D6及び第7の型部材D7を治具成形型から除去した後、硬化した後のマスキング治具10を治具成形型内から脱型する。この脱型されたマスキング治具10は、図4に示す形状に成形されているが、一部にバリが生じている場合には滑らかにならして仕上げる。
【0055】
次に、マスキング治具10を用いたマスキング装置1によりワーク30にメッキを施す手順について、図1ないし図3を参照して説明する。ワーク30にメッキを施す際には、予め、図2に示すプレート2の正面側(図示の下面側)に、マスキング治具10のマスク面17をプレート2の一方の開口3に対向させて、各4個のボルト5,5,5,5により固定する(図3参照)とともに、ワーク保持部材20を図1に示す一方の開口3の外側の2点鎖線で示す位置へ回動させて、一方の開口3の背面側を開放しておく。
【0056】
また、メッキを施すためのワーク30は、第1の傾斜面31aをマスキング治具10のマスク面17に対向させながら、プレート2の背面側から一方の開口3を通過させるとともに、該ワーク30をマスキング治具10の背面側の案内面18に沿って下降させ、該ワーク30の第1の傾斜面31aをマスク面17上に密着するように載置する。その後、ワーク保持部材20を回動させて、その抑え金24の押圧部24aをワーク30の固定用突起36に当接させ、コイルばね26の付勢によりワーク30は、マスキング治具10のマスク面17上に密着するように装着される。なお、他方の開口3の近傍にマスキング治具10及びワーク30を装着する場合も上記手順と同じである。
【0057】
そして、上記のように装着されたワーク30に、例えば、真空蒸着によりメッキを施す際には、マスキング装置1に装着されたマスキング治具10の正面側(図2の下面側)を図示しないメッキ膜の原料側に対向させて、該マスキング装置1を図示しない真空蒸着装置内の上方に配置し、その真空蒸着装置内を真空状態にするとともに、メッキ膜の原料を加熱して蒸発させる。この蒸発により原料が気体分子となり、この気体分子が、図2に示すマスキング治具10の内周面11内を通過して、ワーク30の正面側に衝突しメッキ膜を付着させる。
【0058】
ここで、ワーク30の第1の傾斜面31aは、マスキング治具10の見切り稜16を境にしてマスク面17によりマスキングされているのでメッキ膜が付着しない図10に示す非メッキ部分Mbとなり、前記見切り稜16よりも中心側のメッキ部分Ma(第2の傾斜面32a、第3の傾斜面34a及びリブ35A,35B,35C,35D)には前記原料の気体分子を遮断するものがないのでメッキが施される。
【0059】
次に、上述した構成でなるマスキング治具10の作用効果について説明する。このマスキング治具10は、ワーク30へのメッキ部分と非メッキ部分との境界(見切り)を形成する図4(b)に示す見切り稜16が、図10(b)に示すワーク30の交差凹角部33に係合すべく該交差凹角部33により模って突設されていることから、メッキ部分と非メッキ部分との境界(見切り)を高精度に成形することができる。また、図4(b)に示すマスク面17と交差して連なる外周側には、外周側に向かって上昇しながら傾斜する案内面18が形成されてなることから、メッキ前のワーク30を装着する際には、該案内面18に沿って下降させ、熟練を要することなく誰でもワーク30にキズを付けることなくマスク面17上に載置してマスキングすることができる。
【0060】
また、マスキング治具10は、治具成形型により成形されるものであることから、同一形状のマスキング治具を量産することができる。また、マスキング治具10は、ウレタンエラストマを素材としているので、機械的強度、耐薬品性、衝撃強度、成形性(複雑な形状の成形ができる)に優れ、メッキ処理が施されるワーク30の大量生産に対応することができるとともに、ワーク30を装着する際に、樹脂成形品のワーク30にキズが付く危険性を有効に防止することができる。また、ウレタンエラストマは、ポリオールとポリイソシアネートとの組合せにより、広い範囲の硬度が選択できるので所望の弾力性が得られ易いとともに、液状樹脂のため治具成形型への注入成形が簡易にできることから、真空成形、射出成形等に比べ安価にできる。
【0061】
次に、マスキング装置1の作用効果について説明する。マスキング装置1のマスキング治具10,10は、図1ないし図3に示すように、プレート2に、左右2個の開口3,3が同一形状に形成され、これらの開口3,3の正面側(図2の下面側)に同一の構成要素でなるマスキング治具10,10がそれぞれ配置されるとともに、同一の構成要素でなる2組ずつのワーク保持部材20,20及び20,20が配置されてなるものであることから、2個のマスキング治具10,10の一方が破損した場合には、破損側のマスキング治具10のみを新たなマスキング治具10に容易に交換して使用することができ、マスキング装置全体を製造し直す必要がない。また、2個のマスキング治具10,10を備えていることから、ワーク30へのメッキ処理の量産に寄与することができるとともに、異種のマスキング治具を組合せることにより異種のワークへのメッキ処理を同時にすることができる。
【0062】
また、上記実施の形態で説明したように、このマスキング治具の製造工程において使用される樹脂製の治具成形型は、第1ないし第4の型部材D1,D2,D3,D4により成形され、これら第1ないし第4の型部材D1,D2,D3,D4は、樹脂(シリコーンゴム)を素材とすることから、短時間に該治具成形型を製造することができる。すなわち、上記マスキング治具10,10は、樹脂を素材としてなるとともに、上記ワーク30の形状に模って製造された樹脂製治具成形型により成形されてなり、この樹脂製治具成形型は、該樹脂成形品の形状に模って製造された樹脂からなる複数(第1ないし第4の型部材D1,D2,D3,D4)により成形されてなることから、短時間に該治具成形型を製造することができる。
【0063】
次に、マスキング治具10の製造方法に係る作用効果について説明する。型作成工程(第1ないし第9の工順)において作成される樹脂製の治具成形型は、その構成要素である図9(b)に示す第5の型部材D5、第6の型部材D6及び第7の型部材D7がシリコーンゴムでなることから、ワーク30を成形する際の転写製に優れているため複雑な形状のマスキング治具を容易に成形できるとともに、ワーク30を脱型する際の離形成に優れているためウレタンエラストマの注入に先立ち各成形面に離型剤を塗布する必要がなく、作業時間の短縮を図ることができる。
【0064】
なお、本実施の形態においては、樹脂成形品の表面にメッキを施す場合について説明したが、本発明に係るマスキング治具及びこのマスキング治具を用いたマスキング装置並びにマスキング治具の製造方法は、樹脂成形品の表面に塗装を施す場合にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態に係るマスキング装置の背面側を示す平面図である。
【図2】図1に示すマスキング装置のA−A断面図である。
【図3】図2の底面図であってマスキング装置の正面側を示す。
【図4】マスキング治具を示し、(a)は背面側を示す平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(b)の底面図であって正面側を示す。
【図5】ワーク(樹脂成形品)を示す簡略図であって、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図6】マスキング治具の製造方法に係る説明図であって、型作成工程のうちの第1の工順を示す断面図である。
【図7】マスキング治具の型作成工程を示し、(a)は第2の工順、(b)は第3の工順、(c)は第4の工順を示す。
【図8】マスキング治具の型作成工程を示し、(a)は第5の工順、(b)は第6の工順、(c)は第7の工順を示す。
【図9】マスキング治具の型作成工程を示し、(a)は第8の工順、(b)は第9の工順、(c)は樹脂充填工程であって第10の工順を示す。
【図10】ワーク(樹脂成形品)を示し、(a)は平面図、(b)はC−C断面図である。
【符号の説明】
【0066】
1 マスキング装置
2 プレート
3 開口
10 マスキング治具
16 見切り稜
17 マスク面
18 案内面
20 ワーク保持部材
24 抑え金
30 ワーク(樹脂成形品)
31 第1の傾斜部
32 第2の傾斜部
33 交差凹角部
54 成形空間
D5 第5の型部材
D6 第6の型部材
D7 第7の型部材
Ma メッキ部分
Mb 非メッキ部分



【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂成形品の一部のみに金属膜又は塗料が付着されるよう該樹脂成形品を覆うマスキング治具であって、
樹脂を素材としてなるとともに、上記樹脂成形品の形状に模って製造された樹脂製治具成形型により成形されてなることを特徴とするマスキング治具。
【請求項2】
前記樹脂成形品を覆うとともに枠状に成形された第1の枠部と、この第1の枠部よりも広がってなる第2の枠部とを備え、
上記第1の枠部から第2の枠部に至る部位は、前記樹脂成形品が上記第1の枠部により覆われるよう該樹脂成形品を案内すべく傾斜してなる案内面とされてなることを特徴とする請求項1記載のマスキング治具。
【請求項3】
前記素材としての樹脂は、ウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2の何れか記載のマスキング治具。
【請求項4】
プレートと、このプレートに形成された複数の開口と、上記プレートのそれぞれの開口の正面側に着脱可能に固定された請求項1,2又は3記載の何れかのマスキング治具と、を備え、
上記マスキング治具により一部が覆われる樹脂成形品は、上記プレートの背面側から上記開口を通過して該マスキング治具にそれぞれ装着されることを特徴とするマスキング装置。
【請求項5】
請求項1,2又は3記載の何れかのマスキング治具の製造方法であって、
一部に金属膜又は塗料が付着される樹脂成形品の形状に模って樹脂製治具成形型を作成する型作成工程と、
この型作成工程により作成された樹脂製治具成形型内に樹脂を充填する樹脂充填工程と、
この樹脂充填工程により充填された樹脂が硬化した後に、上記樹脂製治具成形型から脱型する脱型工程と、を備えてなることを特徴とするマスキング治具の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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