マスクの快適さ診断方法
患者(2)上の物質(4)によって引き起こされた、患者の不快感のポテンシャルを評価する方法。方法は、患者の第1のサーマルイメージ(20;40)を取得する段階(6)及び所定の時間の間、オブジェクトを装着する段階を含む。オブジェクトは、除去され、患者の複数のサーマルイメージ(16、24、26、28、30、44、46、48、50)が、所定の時間で取得される。圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルは、患者の複数のサーマルイメージの1つが、第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間(17)、第1のサーマルイメージを取得する段階とサーマルイメージの最初の1つを取得する段階との間の温度変化(19)を有する、表皮の多数の領域のサイズ(18)及び温度変化の少なくとも1つに基づいて、評価される(12)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年11月11日に出願された米国仮出願第61/260,039号の35 U.S.C.第119条(e)の下で優先権を主張するものであり、その内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、患者に関する評価方法に関し、具体的には、患者由来の痛み又は不快感のポテンシャルを評価するような方法に関する。
【背景技術】
【0003】
持続性気道陽圧(CPAP)治療のための遵守を最大化するために、例えば、患者界面マスクは、患者に関する快適さを最適にするために設計される。現在、患者の快適さは、患者が、ある時間期間CPAO治療を受けた後の、折り返し又はフローアップ治療によって評価されている。
【0004】
一般的に、全ての患者界面マスクは、患者の顔に圧力を印加することにより、あるレベルの不快感を発生すると信じられている。この圧力は、小さい赤色のマーク(例えば、最小レベルの不快感)又は開放創(open sore)(例えば、最大の不快感)に繋がり得る。例えば、CPAP人口の約70%が、あるレベルの圧力由来の痛みを得ていると信じられている。
【0005】
個体群の変動が、この問題に複雑性を付与する。個人は、機械的圧力に対して、広く変動する感度を有する。Webster,J.G.の“Prevention of Pressure Sores,”IOP Publishing (1991),pp.1−47は、臨床症状に起因する皮膚上の停滞性の圧力によって引き起こされた圧力由来の痛みを開示する。そのような圧力由来の痛みは、例えば、(寝たきりの患者の)床ずれ、(車椅子に束縛された患者の)痛みを含む。低減された血流は、圧力由来の痛みの根本的要因であり:血管系病態、筋組織/脂肪組織生理学、年齢、性別及び多くの他の要因、といった要因で変動する。
【0006】
更なる複雑性は、せん断力の影響から加えられる。血流は、皮膚に加えられる垂直抗力及びせん断力の両方によって低減され得る。たいていの従来の圧力測定技術(例えば、歪みベースの圧力センサ、薄膜圧力センサ、色支持フィルム)は、せん断力を測定しない。
【0007】
患者の真皮は、圧力からの過度の負担から、危険にさらされる。種々の複雑な毛細管は、血流の閉塞をもたらす、せん断力によって、容易に曲げられ得る(例えば、ねじられて)。垂直抗力は、毛細管上の通常の圧迫の圧力は、また、血流の制限又は閉塞を引き起こし得る。
【0008】
機械的なストレスは、皮膚温度、年齢、感染症、体格、コラーゲン形成、栄養摂取及び線維素溶解活性に関連する1つ以上の条件を有して、人の組織に適用されとき、圧力由来の痛みが起こりそうであるということが知られている。圧力由来の痛みの発達の第1段階は、表皮に影響を及ぼし、皮膚の完全性において、絶え間なく、傷ついて思われる、外接した赤くなった領域を伴い得る。軽い指圧は、ブランチングを引き起こし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、従来のマスク適合方法の欠点を克服する方法を供することが、本発明の目的である。この目的は、例えば制限なしで、皮膚表面温度でのわずかの変動が明らかであるような、高分解能サーマルイメージングを使用して、例えば、低減された血流を効果的に可視化することにより、本発明の一実施形態に従って、達成される。サーマルイメージングを低速度撮影の技術と組み合わせることによって、患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する(例えば、制限なく、臨床医によって;適切な装置によって)ことが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一様態に従って、患者上のオブジェクトによって引き起こされた、患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する方法は:
前記患者の第1のサーマルイメージを取得する段階;
ある所定の時間の間、前記患者上に前記オブジェクトを装着する段階;
前記患者から前記オブジェクトを取り除き、複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び
前記患者の前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記第1のサーマルイメージを取得する段階と前記患者の前記複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化を有する前記患者の表皮の複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化、の少なくとも1つに基づいて、前記患者上の前記オブジェクトによって引き起こされた、前記患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を含む。
【0011】
本発明の他の様態に従って、患者上の患者界面装置によって引き起こされた、患者の不快感に関するポテンシャルを評価する方法は:
前記患者の第1のサーマルイメージを取得する段階;
ある所定の時間の間、前記患者上に前記患者界面装置を装着する段階;
前記患者から前記患者界面装置を取り除き、複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び
前記患者の前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記第1のサーマルイメージを取得する段階と前記患者の前記複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化を有する前記患者の表皮の複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化、の少なくとも1つに基づいて、前記患者上の前記患者界面装置によって引き起こされた、前記患者の不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を含む。
【0012】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び特性、さらに、構造の関連する構成要素に関する動作方法及び機能、そして、各部分と製造の経済性との連係は、すべてが本明細書の一部を構成する添付の各図面を参照して、以下の説明及び添付する特許請求の範囲を考察することにより、より明らかになるであろう。しかしながら、図面は、説明及び記載だけの目的のためであり、本発明の制限を定義するものとして意図されないということが明確に理解されるべきである。明細書内及び特許請求の範囲内で使用されるような、単数形の“a”、“an”及び“the”は、そうでないことを文脈が明確に示さないなら、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従う、評価方法のフローチャートである。
【図2】図2は、図1の評価方法とともに使用するために適切な、サーマルイメージングの概略的な形態での、ブロック図である。
【図3】図3A〜図3Fは、本発明の実施形態に従う、患者界面マスクに関するサーマルイメージの代表である。
【図4】図4A〜図4Fは、本発明の他の実施形態に従う、別の患者界面マスクに関するサーマルイメージの代表である。
【図5】図5A〜図5Fは、各々、図3A〜図3Fのサーマルイメージの代表に対応するサーマルイメージである。
【図6】図6A〜図6Fは、各々、図4A〜図4Fのサーマルイメージの代表に対応するサーマルイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで使用されるような、“数”の用語は、1又は1より大きい整数(即ち、複数)を意味し得る。ここで使用されるような“患者”の用語は、人間又は動物界の他の一員を意味する。例えば、患者は、圧力が適用されている如何なる形態からの、如何なるレベルの不快感を体験し得る人間であり得る。
【0015】
ここで使用されるような、“患者界面装置”の用語は、呼吸界面装置又はマスクを意味する。ここで使用されるような“マスク”の用語は、例えば制限なく、鼻マスク、口マスク、鼻/口マスク、鼻枕、全面のフェイスマスク、患者に適切な空気又は気体流連絡機能を供する又は送る如何なる他のデバイス又は装置といった、患者に空気又は気体流を供する又は送る、患者界面又は患者界面マスク、又は、患者に睡眠障害を治療するときにしようされるマスクを意味する。
【0016】
ここで使用されるような“せん断力”の用語は、患者の顔又は皮膚の表面に平行又は接線の、患者界面マスク又は他のオブジェクトによって導入される負荷である。ここで使用されるような“垂直な負荷圧力”の用語は、患者の顔又は皮膚の表面に垂直に加えられた負荷又は圧力である。ここで使用されるような“CPAP”は持続性気道陽圧を意味する。
【0017】
ここで使用されるような、“装着する”又は“装着している”の用語は、オブジェクトが患者の表皮に触れることを意味する。ここで使用されるような、“戻る”、“戻る”又は“戻るための”の擁護は、複数のサーマルイメージの1つが、影響された領域の温度変化及び/又はサイズの適切な臨床的評価に基づいて、以前の初期(例えばベースライン)サーマルイメージと同一である又は実質的に類似することを意味する。ここで使用されるような“ポテンシャル”の用語は、可能性が存在すること又は現実に発達があることを意味する。
【0018】
図1及び図2を参照して、患者2(例えば、制限なく、患者2の表皮;患者2の顔面野上)上のオブジェクト4(例えば、制限なく、患者界面装置)によって引き起こされた患者2の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する方法が開示される。方法は、6で、患者2の第1のサーマルイメージを取得する段階;8で、所定の時間の間、患者2にオブジェクト4を装着する段階;10で、患者2からオブジェクト4を取り除き、所定の時間で、患者2の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び、12で、患者2の複数のサーマルイメージの1つが第1のサーマルイメージに戻るのに必要な時間17、第1のサーマルイメージを取得することと、患者2の複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化10を有する患者2の表皮の多くの領域のサイズ18、及び温度変化19の少なくとも1つに基づいて、患者2上のオブジェクト4によって引き起こされた患者2の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する段階;を含む。
【0019】
例1
図1及び図2を参照して、例示的な評価方法は、複数のサーマルイメージ16(例えば、制限なく、カラーの、グレースケールの、生の温度データ(例えばマトリックスデータ))を供する、適切なサーマルイメージング装置14を使用して、4つの例示的な段階を含む。
【0020】
第1に、6で、患者2のベースラインのサーマルイメージが取得される。これは、生理学に基づいた、初期の温度変化の概要を説明し、臨床医又は助手によってなすことができ、自動的に又は半自動的になすことができる。
【0021】
第2に、8で、患者2は、適切な所定の時間期間の間、オブジェクト4(例えば、制限なく、テストマスク)を装着する。この所定の時間期間は、臨床医又は助手によって時間を計ることができる又は自動的に又は半自動的になすことができる。
【0022】
第3に、10で、例示的なテストマスク4の除去時に、サーマルイメージが、適切な所定の時間間隔で取得される。この取得は、臨床医又は助手によって為すことができる又は自動的に又は半自動的になすことができる。
【0023】
第4に、12で、ベースラインのサーマルイメージに戻るのに必要な時間、及び影響の受ける領域の相対的なサイズ及び温度変化は、全て潜在的な圧力由来の痛み又は不快感の指針になり得る。この評価は、臨床医によってなすことができる又は自動的に又は半自動的になすことができる。下記に述べられるように、前記の所定の時間は、第1の所定の時間であり、評価は、第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間17、多くの前記領域のサイズ18、及び温度変化19の少なくとも1つを、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び所定の温度変化と比較することに基づき得る。
【0024】
患者2の第1のサーマルイメージを取得する、ステップ6、所定の時間の間、患者2上にオブジェクト4の時間を計る、ステップ8、所定の時間で、患者2の複数のサーマルイメージを取得する、ステップ10及び患者2上のオブジェクト4によって引き起こされた、患者2の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する、ステップ12の多くは、自動的になすことができる。
【0025】
例2
ステップ6、8、10、12は、例えば、例示的なキオスク(kiosk)(図示しない)の携帯で、完全に自動化することができる。例えば、“ピクチャーブース(picture booth)”型キオスク(図示しない)は、患者2のベースラインのサーマルイメージを取得するために、何をすべきか、最初に患者2上に例示的なテストマスク4を置くタイミング、例示的なテストマスク4を患者2から取るタイミング、所定の時間間隔でサーマルイメージを取得するタイミング、及び、任意で、サーマルイメージが、ステップ6のベースラインのサーマルイメージに戻る後に、試験が終了するときに、指針を用いることができる。例えば、適切な装置(図示しない)は、適切な自動イメージ比較ツール(図示しない)及び/又は顔面認識ソフトウェア(図示しない)を採用することによって、サーマルイメージが、ベースラインのサーマルイメージに戻る時間を計り、決定することができる。そのような装置は、また、適切な自動イメージ解析ツール(図示しない)を採用することにより、潜在的な圧力由来の痛み又は不快感の指針として、影響を受けた領域の相対的なサイズ及び温度変化を決定することができる。
【0026】
例3
ステップ8の所定の時間期間は、約5分から約10分までと同じ位短くすることができ、後者が、図3A−Fのサーマルイメージ20、22、24、26、28、30の描写及び図4A−Fのサーマルイメージ40、42、44、46、48、50の描写に対応する、おおよその時間である。例示的なサーマルイメージ60、62、64、66、68、70が、各々図3A−Fに対応して図5A−図5Fで示され、例示的なサーマルイメージ80、82、84、86、88、90が、各々、図4A−図4Fに対応して、図6A−図6Fで示される。
【0027】
例4
例3よりも相対的により短い時間期間が可能であるが、したがって、測定の信頼性は落ちるであろう。
【0028】
例5
好ましくは、例3よりも相対的により長い時間期間が採用される。一例の適用は、晩に、患者が眠りにつく前に、かつ、朝で、図1の例示的なテストマスク4の除去時に再び、サーマルイメージが取られる、睡眠研究所(sleep lab)設定と関連している。ここで、例えば、ステップ8の所定の時間は、晩の第1の時間と、次の朝の第2のより遅い時間との間で定義された時間間隔である。
【0029】
例6
図1のステップ10の所定の時間間隔は、好ましくは図2のサーマルイメージでの変化を可視化するのに十分に長い。そのような時間は、患者2が例示的なテストマスク4を装着する時間に関連し得る。
【0030】
例7
例えば、もし、図1の例示的なテストマスク4が、例えば10分の間装着されるなら、その後、患者2の血流は、比較的迅速に回復し、ステップ10のサーマルイメージは、例えば制限なく、約30秒ごと、約1分ごと、又は如何なる適切な周期的な又は反復的な間隔で取られる。
【0031】
例8
別の例として、患者2が、相対的により長い時間の間(例えば、制限なしで、一晩中)、図1の例示的なテストマスク4を装着するとき、その後、マークは何時間もの間、患者2の皮膚(即ち表皮)上に残り得る。この場合、30秒又は1分の時間間隔は実用的でなく、ステップ10の時間は、約5分から約10分までの間に増加することができる。
【0032】
例9
図1のステップ12の決定基準は、通常、あるレベルの臨床的判断を採用するが、適切なサーマルイメージ比較法が、“前の”及び“後の”サーマルイメージの間の違いを探すために、採用され得る。
【0033】
図3A−図3Fのサーマルイメージ20、22、24、26、28、30及び図4A−図4Fのサーマルイメージ40、42、44、46、48、50の例示的な描写は、2つの異なる例のタイプのテストマスク4’、4”に関して示される。図3A−3F及び図4A−図4Fの両方の描写セットは、所定の時間の間、患者2の表皮3上の対応するオブジェクト(例えば、テストマスク4’及び4”)を装着すること;及び患者2の表皮3上の対応するオブジェクト4’及び4”によって引き起こされた、患者2の低いレベルの圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価すること;を伴う。
【0034】
例10
図3Aは、ベースラインのサーマルイメージの描写20を示す。図3Bは、第1の例示的なテストマスク4’が大気圧で適用されるときに撮られた、サーマルイメージの描写22である。図3Cは、第1の例示的なテストマスク4’が適用された後、約9又は10分である、第1の例示的なテストマスク4’の除去後、すぐに撮影されたサーマルイメージの描写24である。これは、図3Aのベースラインの描写20に対して、骨の鼻梁領域36で、かなりのサイズかつ深刻度の温度降下34を示す。これはまた、2つの柔らかい組織領域37でのわずかな温度上昇33も示す。図3D‐図3Fは、第1の例示的なテストマスク4’が図3Cで除去された後、約1分の例示的な間隔で札栄された、サーマルイメージの描写26、28、30を示す。図3Dは、図3Cの温度降下34に、領域36での温度上昇38(又は“ホットスポット”)が続く、ということを示す。図3Eは、図3Dの温度上昇38と比較して、低減された温度上昇39を有する、相対的により小さい領域を示す。時間に亘って、図3Fに示されるように、全体のサーマルイメージ領域(例えば、領域36で)は、ベースラインのサーマルイメージ(図3A)の描写20に戻る。
【0035】
例11
図4Aは、例えば、図3Aの描写20と同じ又は類似し得る、別のベースラインサーマルイメージの描写40を示す。図4Bは、第2の例示的なテストマスク4”が大気圧で適用されるときに撮影されたサーマルイメージの描写42である。図4Cは、第2の例示的なテストマスク4”が適用された後、約10又は11分である、第2の例示的なテストマスク4”の除去後、すぐに撮影されたサーマルイメージの描写44である。これは、図4Aのベースラインの描写40に対して、領域36で、かなりのサイズ及び深刻度の温度降下54を示す。図4D−4Fは、各々、第2の例示的なテストマスク4”が図4Cで除去された後、例示的に約1分、例示的に約3分、例示的に約5分で撮影された、サーマルイメージの描写46、48、50を示す。図4Dは、図4Cの温度降下に、領域36での、温度上昇58(又は“ホットスポット”)が続くことを示す。図4Eは、図4Dの温度上昇58に比較して、低減された温度上昇59を有する、相対的により小さい領域を示す。時間に亘って、図4Fで示されたように、全体のサーマルイメージ領域(例えば、領域36で)は、ベースラインの描写40(図4A)に戻る。これは、描写50が、ベースラインの描写40に戻るということを、どのようにして臨床医又は助手が決定することができるのかを示す。
【0036】
例12
先の、図3A−図3F及び図4A−図4Fの描写20、22、24、26、28、30及び40、42、44、46、48、50から(例えば、図5A−図5F及び図6A−図6Fのサーマルイメージ60、62、64、66、68、70及び80、82、84、86、88、90)、臨床医は、第1の例示的なテストマスク4’(図3A−図3F)は、他の例示的なテストマスク4”よりも、この特定の患者2に関する全体で、相対的により快適であるはずであると結論付けることができる。この具体的な結論は、例えば:(1)所定の時間での、ベースラインからの相対的な温度上昇(この具体的な例において際はない);(2)(従来の敏感な部位である)鼻梁領域36での、54及び58に対する34及び38の、相対的により小さい影響を受けている領域がある;(3)他のベースライン描写40よりも、ベースライン描写20に戻る、相対的により速い時間がある;の1、2又は3の例示的な要因に基づき得る。
【0037】
これらの3つの要因は、例示的な要因の2つが異なっている、表1に示される。評価は、第1のベースラインの描写20(図3A)に戻るのに必要とされる時間、多数の領域34、38のサイズ、及び温度変化19(図1)を、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、所定の温度変化と比較することによって、例示的な要因の1、2又は3つ全てに基づき得るということが、理解されるであろう。そこで、第2の所定の時間、所定のサイズ、所定の温度変化が、図4A−図4Fのサーマルイメージの描写40、42、44、46、48、50に基づいている。この例において、比較は、第1の患者界面装置(例えば、第1の例示的なテストマスク4’)が、別の第2の患者界面装置(例えば、第2の例示的なテストマスク4”)よりも、患者に関して、相対的により快適であるということを決定する。これらのマスク−マスク間の比較において、例えば、図3Cの描写24及び図4Cの描写44だけ(例えば、サイズ及び/又は温度変化に関して)を評価することによって、適切な比較を、例えば、なすことができる。
【0038】
【表1】
【0039】
例13から例15までは、マスク−マスク間比較、適切なマスク適合に関するチェック、及び個々の感度チェックを含む、開示された評価方法に関する使用例を議論する。
【0040】
例13
新しいマスクを開発するとき、設計技師は、どのようにして、試作品マスクが、従来の製品マスクといった、従来の製品患者界面装置と対比するかを理解する必要がある。適切なマスク−マスク間比較は、実験的な母集団に、各々のマスクを装着させることによって、及び、例12と関連して上述されたような、全体的な温度上昇、影響された領域のサイズ、及びベースライン娶りクスに戻るための時間を比較することによって、2つのマスク(例えば、試作品マスク及び従来の製品マスク)間でなすことができる。例えば、これにより、特定のオブジェクト(例えば、制限なく、試作品マスク;試作品患者界面装置;別の患者界面装置)が、特定の患者又は一般的な母集団に関して適切であるかどうかを決定することができる。例えば、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び所定の温度変化は、複数の種々の患者に関して、製品患者界面装置と作動的に関連することができる。比較に基づいて、図12と関連して議論されたように、試作品患者界面装置の快適さは、製品患者界面装置の快適さに対して、評価することができる。
【0041】
例14
睡眠検査室は、例えば、CPAPマスクを患者に適合させ、適切なCPAPマスクの位置調節をする、かなりの時間及び労力を費やす。この労力は、患者の快適さを最大化し、一方で、依然、適切な封止特性を保証するよう使用される。多くの場合、患者がCPAPマスクをつけて、広範な時間期間(例えば、制限なく、複数の晩)眠るまで、適合を、適切に評価することができないため、この労力は、困難である。一方、開示された評価方法は、もし、患者が特定のマスク、及び、その特定のマスクをつけるその患者に関して、対応するマスク位置調整(例えば、患者の表皮上に適合する、CPAPマスクといった、所定の患者界面マスクを調節すること)、を達成できそうなら、比較的迅速に評価することができる。したがって、開示された評価方法は、マスク調節を評価することによって、適切なマスク適合及び、患者上のCPAPマスクの適合をチェックすることができる。例えば、第2の所定の時間、所定のサイズ及び所定の温度変化は、複数の異なる患者に関する、適合のために調節された、同じ又は類似のCPAPマスクと作動的に関連され得る。その比較に基づいて、例12に関連して上述されたように、例示的なCPAPマスクの適切な適合は、一般的な母集団に関して、同じ又は類似のCPAPマスクの快適さに対して、評価することができる。
【0042】
例15
個々の患者は、顔面の圧力に対して、広範に変動する程度の感度を有する。更に、顔面の圧力に対する感度は、特定の顔面領域に亘って変動するであろう。例えば、中央の鼻の領域36は、頬の領域37よりも、圧力に対して、相対的により敏感であり得る。患者に“標準的な”マスクを取り付けることにより、臨床医は、ある患者に関して、他の別の患者(一般的な母集団)と比較して、個々の感度のレベルを理解し、チェックするために、開示された評価方法を採用することができる。これにより、患者が、他の別の患者に亘って評価されている、“標準的な”マスクによって引き起こされた圧力に対して敏感であるかどうかの決定を行うことができる。
【0043】
例16
図5A−図5F及び図6A−図6Fの例示的なサーマルイメージ60、62、64、66、68、70及び80、82、84、86、88、90を取得するためにしようされた装置、デバイス、又はカメラの非制限的な例は、ワシントン、エバレットのFluke Corporationによって市販されているような、Fluke (R) Ti50−FT20 thermal imaging camera with IR−Fusion (R) Technologyである。しかしながら、これは一例であり、如何なる適切なサーマルイメージング装置を使用することができるということが理解されるであろう。ある他の例示的な供給業者は、マサチューセッツ、ボストン、のFLIR Systems及び、ネバダ、ラスベガスの、Sierra Pacific Innovations Corp.を含む。
【0044】
例17
本発明は、CPAP適用のための患者界面マスクと関連して開示されるが、圧力が、患者の皮膚に適用される、広範な状況又は適用に適用することもできる。患者界面マスクのための、複数の典型的な非制限的な使用は、睡眠時無呼吸の治療のための、圧力支持治療の適用を含む。そのような適用に関して、患者は、毎晩無制限に、眠っている間、マスクを装着する。患者界面マスクは、ある病院の環境での、強制換気のために使用することもできる。他の非制限的な例は、ガスマスク(例えば、制限なく、換気;火災;潜水;危険物)、マスク支持ヘッドギア;長期間のマスク使用が必要とされる、他の適用;ペアの眼鏡;宝飾品;比較的きつい適合の衣類;又は圧力が皮膚に適用される、如何なる適用;を含む。かなりの労力が、褥瘡性潰瘍(床ずれ)に関連するような、この分野でなされてきた。この例は、病院環境での寝たきりの患者又は車椅子に束縛された患者である。開示された実施形態において、皮膚に適用された圧力は、一般的に、大きさでより小さく、時間でより短い。これは、通常、臨床的な環境で見受けられる、重大な開放創につながらない。
【0045】
開示された発明は、“圧力由来の痛み”評価及び/又は“快適さ”評価に適用可能である。快適さは、現代のサーマルイメージング技術によって与えられ得る、皮膚の温度での比較的小さい変化(例えば、制限なく、若干の℃の変化)を伴い得る、比較的わずかな測定である。
【0046】
本発明は、最も実用的で、例示的な実施形態と現在考えられていることに基づき、説明の目的のために、詳細に述べられてきたが、そのような詳細は、単に前記目的のためであり、本発明は開示された実施形態に制限されない、それどころか、添付した特許請求の範囲の精神と範囲の中で、修正及び同等の構成をカバーすることが意図される、ということが理解され得る。例えば、本発明は、可能な程度で、如何なる実施形態の1つ又はそれより多くの特徴が、如何なる他の実施形態の1つ又はそれより多くの特徴と組み合わせることができるということを検討するということが理解され得る。
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年11月11日に出願された米国仮出願第61/260,039号の35 U.S.C.第119条(e)の下で優先権を主張するものであり、その内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、患者に関する評価方法に関し、具体的には、患者由来の痛み又は不快感のポテンシャルを評価するような方法に関する。
【背景技術】
【0003】
持続性気道陽圧(CPAP)治療のための遵守を最大化するために、例えば、患者界面マスクは、患者に関する快適さを最適にするために設計される。現在、患者の快適さは、患者が、ある時間期間CPAO治療を受けた後の、折り返し又はフローアップ治療によって評価されている。
【0004】
一般的に、全ての患者界面マスクは、患者の顔に圧力を印加することにより、あるレベルの不快感を発生すると信じられている。この圧力は、小さい赤色のマーク(例えば、最小レベルの不快感)又は開放創(open sore)(例えば、最大の不快感)に繋がり得る。例えば、CPAP人口の約70%が、あるレベルの圧力由来の痛みを得ていると信じられている。
【0005】
個体群の変動が、この問題に複雑性を付与する。個人は、機械的圧力に対して、広く変動する感度を有する。Webster,J.G.の“Prevention of Pressure Sores,”IOP Publishing (1991),pp.1−47は、臨床症状に起因する皮膚上の停滞性の圧力によって引き起こされた圧力由来の痛みを開示する。そのような圧力由来の痛みは、例えば、(寝たきりの患者の)床ずれ、(車椅子に束縛された患者の)痛みを含む。低減された血流は、圧力由来の痛みの根本的要因であり:血管系病態、筋組織/脂肪組織生理学、年齢、性別及び多くの他の要因、といった要因で変動する。
【0006】
更なる複雑性は、せん断力の影響から加えられる。血流は、皮膚に加えられる垂直抗力及びせん断力の両方によって低減され得る。たいていの従来の圧力測定技術(例えば、歪みベースの圧力センサ、薄膜圧力センサ、色支持フィルム)は、せん断力を測定しない。
【0007】
患者の真皮は、圧力からの過度の負担から、危険にさらされる。種々の複雑な毛細管は、血流の閉塞をもたらす、せん断力によって、容易に曲げられ得る(例えば、ねじられて)。垂直抗力は、毛細管上の通常の圧迫の圧力は、また、血流の制限又は閉塞を引き起こし得る。
【0008】
機械的なストレスは、皮膚温度、年齢、感染症、体格、コラーゲン形成、栄養摂取及び線維素溶解活性に関連する1つ以上の条件を有して、人の組織に適用されとき、圧力由来の痛みが起こりそうであるということが知られている。圧力由来の痛みの発達の第1段階は、表皮に影響を及ぼし、皮膚の完全性において、絶え間なく、傷ついて思われる、外接した赤くなった領域を伴い得る。軽い指圧は、ブランチングを引き起こし得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、従来のマスク適合方法の欠点を克服する方法を供することが、本発明の目的である。この目的は、例えば制限なしで、皮膚表面温度でのわずかの変動が明らかであるような、高分解能サーマルイメージングを使用して、例えば、低減された血流を効果的に可視化することにより、本発明の一実施形態に従って、達成される。サーマルイメージングを低速度撮影の技術と組み合わせることによって、患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する(例えば、制限なく、臨床医によって;適切な装置によって)ことが可能である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一様態に従って、患者上のオブジェクトによって引き起こされた、患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する方法は:
前記患者の第1のサーマルイメージを取得する段階;
ある所定の時間の間、前記患者上に前記オブジェクトを装着する段階;
前記患者から前記オブジェクトを取り除き、複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び
前記患者の前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記第1のサーマルイメージを取得する段階と前記患者の前記複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化を有する前記患者の表皮の複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化、の少なくとも1つに基づいて、前記患者上の前記オブジェクトによって引き起こされた、前記患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を含む。
【0011】
本発明の他の様態に従って、患者上の患者界面装置によって引き起こされた、患者の不快感に関するポテンシャルを評価する方法は:
前記患者の第1のサーマルイメージを取得する段階;
ある所定の時間の間、前記患者上に前記患者界面装置を装着する段階;
前記患者から前記患者界面装置を取り除き、複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び
前記患者の前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記第1のサーマルイメージを取得する段階と前記患者の前記複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化を有する前記患者の表皮の複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化、の少なくとも1つに基づいて、前記患者上の前記患者界面装置によって引き起こされた、前記患者の不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を含む。
【0012】
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び特性、さらに、構造の関連する構成要素に関する動作方法及び機能、そして、各部分と製造の経済性との連係は、すべてが本明細書の一部を構成する添付の各図面を参照して、以下の説明及び添付する特許請求の範囲を考察することにより、より明らかになるであろう。しかしながら、図面は、説明及び記載だけの目的のためであり、本発明の制限を定義するものとして意図されないということが明確に理解されるべきである。明細書内及び特許請求の範囲内で使用されるような、単数形の“a”、“an”及び“the”は、そうでないことを文脈が明確に示さないなら、複数の指示対象を含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従う、評価方法のフローチャートである。
【図2】図2は、図1の評価方法とともに使用するために適切な、サーマルイメージングの概略的な形態での、ブロック図である。
【図3】図3A〜図3Fは、本発明の実施形態に従う、患者界面マスクに関するサーマルイメージの代表である。
【図4】図4A〜図4Fは、本発明の他の実施形態に従う、別の患者界面マスクに関するサーマルイメージの代表である。
【図5】図5A〜図5Fは、各々、図3A〜図3Fのサーマルイメージの代表に対応するサーマルイメージである。
【図6】図6A〜図6Fは、各々、図4A〜図4Fのサーマルイメージの代表に対応するサーマルイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで使用されるような、“数”の用語は、1又は1より大きい整数(即ち、複数)を意味し得る。ここで使用されるような“患者”の用語は、人間又は動物界の他の一員を意味する。例えば、患者は、圧力が適用されている如何なる形態からの、如何なるレベルの不快感を体験し得る人間であり得る。
【0015】
ここで使用されるような、“患者界面装置”の用語は、呼吸界面装置又はマスクを意味する。ここで使用されるような“マスク”の用語は、例えば制限なく、鼻マスク、口マスク、鼻/口マスク、鼻枕、全面のフェイスマスク、患者に適切な空気又は気体流連絡機能を供する又は送る如何なる他のデバイス又は装置といった、患者に空気又は気体流を供する又は送る、患者界面又は患者界面マスク、又は、患者に睡眠障害を治療するときにしようされるマスクを意味する。
【0016】
ここで使用されるような“せん断力”の用語は、患者の顔又は皮膚の表面に平行又は接線の、患者界面マスク又は他のオブジェクトによって導入される負荷である。ここで使用されるような“垂直な負荷圧力”の用語は、患者の顔又は皮膚の表面に垂直に加えられた負荷又は圧力である。ここで使用されるような“CPAP”は持続性気道陽圧を意味する。
【0017】
ここで使用されるような、“装着する”又は“装着している”の用語は、オブジェクトが患者の表皮に触れることを意味する。ここで使用されるような、“戻る”、“戻る”又は“戻るための”の擁護は、複数のサーマルイメージの1つが、影響された領域の温度変化及び/又はサイズの適切な臨床的評価に基づいて、以前の初期(例えばベースライン)サーマルイメージと同一である又は実質的に類似することを意味する。ここで使用されるような“ポテンシャル”の用語は、可能性が存在すること又は現実に発達があることを意味する。
【0018】
図1及び図2を参照して、患者2(例えば、制限なく、患者2の表皮;患者2の顔面野上)上のオブジェクト4(例えば、制限なく、患者界面装置)によって引き起こされた患者2の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する方法が開示される。方法は、6で、患者2の第1のサーマルイメージを取得する段階;8で、所定の時間の間、患者2にオブジェクト4を装着する段階;10で、患者2からオブジェクト4を取り除き、所定の時間で、患者2の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び、12で、患者2の複数のサーマルイメージの1つが第1のサーマルイメージに戻るのに必要な時間17、第1のサーマルイメージを取得することと、患者2の複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化10を有する患者2の表皮の多くの領域のサイズ18、及び温度変化19の少なくとも1つに基づいて、患者2上のオブジェクト4によって引き起こされた患者2の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する段階;を含む。
【0019】
例1
図1及び図2を参照して、例示的な評価方法は、複数のサーマルイメージ16(例えば、制限なく、カラーの、グレースケールの、生の温度データ(例えばマトリックスデータ))を供する、適切なサーマルイメージング装置14を使用して、4つの例示的な段階を含む。
【0020】
第1に、6で、患者2のベースラインのサーマルイメージが取得される。これは、生理学に基づいた、初期の温度変化の概要を説明し、臨床医又は助手によってなすことができ、自動的に又は半自動的になすことができる。
【0021】
第2に、8で、患者2は、適切な所定の時間期間の間、オブジェクト4(例えば、制限なく、テストマスク)を装着する。この所定の時間期間は、臨床医又は助手によって時間を計ることができる又は自動的に又は半自動的になすことができる。
【0022】
第3に、10で、例示的なテストマスク4の除去時に、サーマルイメージが、適切な所定の時間間隔で取得される。この取得は、臨床医又は助手によって為すことができる又は自動的に又は半自動的になすことができる。
【0023】
第4に、12で、ベースラインのサーマルイメージに戻るのに必要な時間、及び影響の受ける領域の相対的なサイズ及び温度変化は、全て潜在的な圧力由来の痛み又は不快感の指針になり得る。この評価は、臨床医によってなすことができる又は自動的に又は半自動的になすことができる。下記に述べられるように、前記の所定の時間は、第1の所定の時間であり、評価は、第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間17、多くの前記領域のサイズ18、及び温度変化19の少なくとも1つを、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び所定の温度変化と比較することに基づき得る。
【0024】
患者2の第1のサーマルイメージを取得する、ステップ6、所定の時間の間、患者2上にオブジェクト4の時間を計る、ステップ8、所定の時間で、患者2の複数のサーマルイメージを取得する、ステップ10及び患者2上のオブジェクト4によって引き起こされた、患者2の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する、ステップ12の多くは、自動的になすことができる。
【0025】
例2
ステップ6、8、10、12は、例えば、例示的なキオスク(kiosk)(図示しない)の携帯で、完全に自動化することができる。例えば、“ピクチャーブース(picture booth)”型キオスク(図示しない)は、患者2のベースラインのサーマルイメージを取得するために、何をすべきか、最初に患者2上に例示的なテストマスク4を置くタイミング、例示的なテストマスク4を患者2から取るタイミング、所定の時間間隔でサーマルイメージを取得するタイミング、及び、任意で、サーマルイメージが、ステップ6のベースラインのサーマルイメージに戻る後に、試験が終了するときに、指針を用いることができる。例えば、適切な装置(図示しない)は、適切な自動イメージ比較ツール(図示しない)及び/又は顔面認識ソフトウェア(図示しない)を採用することによって、サーマルイメージが、ベースラインのサーマルイメージに戻る時間を計り、決定することができる。そのような装置は、また、適切な自動イメージ解析ツール(図示しない)を採用することにより、潜在的な圧力由来の痛み又は不快感の指針として、影響を受けた領域の相対的なサイズ及び温度変化を決定することができる。
【0026】
例3
ステップ8の所定の時間期間は、約5分から約10分までと同じ位短くすることができ、後者が、図3A−Fのサーマルイメージ20、22、24、26、28、30の描写及び図4A−Fのサーマルイメージ40、42、44、46、48、50の描写に対応する、おおよその時間である。例示的なサーマルイメージ60、62、64、66、68、70が、各々図3A−Fに対応して図5A−図5Fで示され、例示的なサーマルイメージ80、82、84、86、88、90が、各々、図4A−図4Fに対応して、図6A−図6Fで示される。
【0027】
例4
例3よりも相対的により短い時間期間が可能であるが、したがって、測定の信頼性は落ちるであろう。
【0028】
例5
好ましくは、例3よりも相対的により長い時間期間が採用される。一例の適用は、晩に、患者が眠りにつく前に、かつ、朝で、図1の例示的なテストマスク4の除去時に再び、サーマルイメージが取られる、睡眠研究所(sleep lab)設定と関連している。ここで、例えば、ステップ8の所定の時間は、晩の第1の時間と、次の朝の第2のより遅い時間との間で定義された時間間隔である。
【0029】
例6
図1のステップ10の所定の時間間隔は、好ましくは図2のサーマルイメージでの変化を可視化するのに十分に長い。そのような時間は、患者2が例示的なテストマスク4を装着する時間に関連し得る。
【0030】
例7
例えば、もし、図1の例示的なテストマスク4が、例えば10分の間装着されるなら、その後、患者2の血流は、比較的迅速に回復し、ステップ10のサーマルイメージは、例えば制限なく、約30秒ごと、約1分ごと、又は如何なる適切な周期的な又は反復的な間隔で取られる。
【0031】
例8
別の例として、患者2が、相対的により長い時間の間(例えば、制限なしで、一晩中)、図1の例示的なテストマスク4を装着するとき、その後、マークは何時間もの間、患者2の皮膚(即ち表皮)上に残り得る。この場合、30秒又は1分の時間間隔は実用的でなく、ステップ10の時間は、約5分から約10分までの間に増加することができる。
【0032】
例9
図1のステップ12の決定基準は、通常、あるレベルの臨床的判断を採用するが、適切なサーマルイメージ比較法が、“前の”及び“後の”サーマルイメージの間の違いを探すために、採用され得る。
【0033】
図3A−図3Fのサーマルイメージ20、22、24、26、28、30及び図4A−図4Fのサーマルイメージ40、42、44、46、48、50の例示的な描写は、2つの異なる例のタイプのテストマスク4’、4”に関して示される。図3A−3F及び図4A−図4Fの両方の描写セットは、所定の時間の間、患者2の表皮3上の対応するオブジェクト(例えば、テストマスク4’及び4”)を装着すること;及び患者2の表皮3上の対応するオブジェクト4’及び4”によって引き起こされた、患者2の低いレベルの圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価すること;を伴う。
【0034】
例10
図3Aは、ベースラインのサーマルイメージの描写20を示す。図3Bは、第1の例示的なテストマスク4’が大気圧で適用されるときに撮られた、サーマルイメージの描写22である。図3Cは、第1の例示的なテストマスク4’が適用された後、約9又は10分である、第1の例示的なテストマスク4’の除去後、すぐに撮影されたサーマルイメージの描写24である。これは、図3Aのベースラインの描写20に対して、骨の鼻梁領域36で、かなりのサイズかつ深刻度の温度降下34を示す。これはまた、2つの柔らかい組織領域37でのわずかな温度上昇33も示す。図3D‐図3Fは、第1の例示的なテストマスク4’が図3Cで除去された後、約1分の例示的な間隔で札栄された、サーマルイメージの描写26、28、30を示す。図3Dは、図3Cの温度降下34に、領域36での温度上昇38(又は“ホットスポット”)が続く、ということを示す。図3Eは、図3Dの温度上昇38と比較して、低減された温度上昇39を有する、相対的により小さい領域を示す。時間に亘って、図3Fに示されるように、全体のサーマルイメージ領域(例えば、領域36で)は、ベースラインのサーマルイメージ(図3A)の描写20に戻る。
【0035】
例11
図4Aは、例えば、図3Aの描写20と同じ又は類似し得る、別のベースラインサーマルイメージの描写40を示す。図4Bは、第2の例示的なテストマスク4”が大気圧で適用されるときに撮影されたサーマルイメージの描写42である。図4Cは、第2の例示的なテストマスク4”が適用された後、約10又は11分である、第2の例示的なテストマスク4”の除去後、すぐに撮影されたサーマルイメージの描写44である。これは、図4Aのベースラインの描写40に対して、領域36で、かなりのサイズ及び深刻度の温度降下54を示す。図4D−4Fは、各々、第2の例示的なテストマスク4”が図4Cで除去された後、例示的に約1分、例示的に約3分、例示的に約5分で撮影された、サーマルイメージの描写46、48、50を示す。図4Dは、図4Cの温度降下に、領域36での、温度上昇58(又は“ホットスポット”)が続くことを示す。図4Eは、図4Dの温度上昇58に比較して、低減された温度上昇59を有する、相対的により小さい領域を示す。時間に亘って、図4Fで示されたように、全体のサーマルイメージ領域(例えば、領域36で)は、ベースラインの描写40(図4A)に戻る。これは、描写50が、ベースラインの描写40に戻るということを、どのようにして臨床医又は助手が決定することができるのかを示す。
【0036】
例12
先の、図3A−図3F及び図4A−図4Fの描写20、22、24、26、28、30及び40、42、44、46、48、50から(例えば、図5A−図5F及び図6A−図6Fのサーマルイメージ60、62、64、66、68、70及び80、82、84、86、88、90)、臨床医は、第1の例示的なテストマスク4’(図3A−図3F)は、他の例示的なテストマスク4”よりも、この特定の患者2に関する全体で、相対的により快適であるはずであると結論付けることができる。この具体的な結論は、例えば:(1)所定の時間での、ベースラインからの相対的な温度上昇(この具体的な例において際はない);(2)(従来の敏感な部位である)鼻梁領域36での、54及び58に対する34及び38の、相対的により小さい影響を受けている領域がある;(3)他のベースライン描写40よりも、ベースライン描写20に戻る、相対的により速い時間がある;の1、2又は3の例示的な要因に基づき得る。
【0037】
これらの3つの要因は、例示的な要因の2つが異なっている、表1に示される。評価は、第1のベースラインの描写20(図3A)に戻るのに必要とされる時間、多数の領域34、38のサイズ、及び温度変化19(図1)を、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、所定の温度変化と比較することによって、例示的な要因の1、2又は3つ全てに基づき得るということが、理解されるであろう。そこで、第2の所定の時間、所定のサイズ、所定の温度変化が、図4A−図4Fのサーマルイメージの描写40、42、44、46、48、50に基づいている。この例において、比較は、第1の患者界面装置(例えば、第1の例示的なテストマスク4’)が、別の第2の患者界面装置(例えば、第2の例示的なテストマスク4”)よりも、患者に関して、相対的により快適であるということを決定する。これらのマスク−マスク間の比較において、例えば、図3Cの描写24及び図4Cの描写44だけ(例えば、サイズ及び/又は温度変化に関して)を評価することによって、適切な比較を、例えば、なすことができる。
【0038】
【表1】
【0039】
例13から例15までは、マスク−マスク間比較、適切なマスク適合に関するチェック、及び個々の感度チェックを含む、開示された評価方法に関する使用例を議論する。
【0040】
例13
新しいマスクを開発するとき、設計技師は、どのようにして、試作品マスクが、従来の製品マスクといった、従来の製品患者界面装置と対比するかを理解する必要がある。適切なマスク−マスク間比較は、実験的な母集団に、各々のマスクを装着させることによって、及び、例12と関連して上述されたような、全体的な温度上昇、影響された領域のサイズ、及びベースライン娶りクスに戻るための時間を比較することによって、2つのマスク(例えば、試作品マスク及び従来の製品マスク)間でなすことができる。例えば、これにより、特定のオブジェクト(例えば、制限なく、試作品マスク;試作品患者界面装置;別の患者界面装置)が、特定の患者又は一般的な母集団に関して適切であるかどうかを決定することができる。例えば、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び所定の温度変化は、複数の種々の患者に関して、製品患者界面装置と作動的に関連することができる。比較に基づいて、図12と関連して議論されたように、試作品患者界面装置の快適さは、製品患者界面装置の快適さに対して、評価することができる。
【0041】
例14
睡眠検査室は、例えば、CPAPマスクを患者に適合させ、適切なCPAPマスクの位置調節をする、かなりの時間及び労力を費やす。この労力は、患者の快適さを最大化し、一方で、依然、適切な封止特性を保証するよう使用される。多くの場合、患者がCPAPマスクをつけて、広範な時間期間(例えば、制限なく、複数の晩)眠るまで、適合を、適切に評価することができないため、この労力は、困難である。一方、開示された評価方法は、もし、患者が特定のマスク、及び、その特定のマスクをつけるその患者に関して、対応するマスク位置調整(例えば、患者の表皮上に適合する、CPAPマスクといった、所定の患者界面マスクを調節すること)、を達成できそうなら、比較的迅速に評価することができる。したがって、開示された評価方法は、マスク調節を評価することによって、適切なマスク適合及び、患者上のCPAPマスクの適合をチェックすることができる。例えば、第2の所定の時間、所定のサイズ及び所定の温度変化は、複数の異なる患者に関する、適合のために調節された、同じ又は類似のCPAPマスクと作動的に関連され得る。その比較に基づいて、例12に関連して上述されたように、例示的なCPAPマスクの適切な適合は、一般的な母集団に関して、同じ又は類似のCPAPマスクの快適さに対して、評価することができる。
【0042】
例15
個々の患者は、顔面の圧力に対して、広範に変動する程度の感度を有する。更に、顔面の圧力に対する感度は、特定の顔面領域に亘って変動するであろう。例えば、中央の鼻の領域36は、頬の領域37よりも、圧力に対して、相対的により敏感であり得る。患者に“標準的な”マスクを取り付けることにより、臨床医は、ある患者に関して、他の別の患者(一般的な母集団)と比較して、個々の感度のレベルを理解し、チェックするために、開示された評価方法を採用することができる。これにより、患者が、他の別の患者に亘って評価されている、“標準的な”マスクによって引き起こされた圧力に対して敏感であるかどうかの決定を行うことができる。
【0043】
例16
図5A−図5F及び図6A−図6Fの例示的なサーマルイメージ60、62、64、66、68、70及び80、82、84、86、88、90を取得するためにしようされた装置、デバイス、又はカメラの非制限的な例は、ワシントン、エバレットのFluke Corporationによって市販されているような、Fluke (R) Ti50−FT20 thermal imaging camera with IR−Fusion (R) Technologyである。しかしながら、これは一例であり、如何なる適切なサーマルイメージング装置を使用することができるということが理解されるであろう。ある他の例示的な供給業者は、マサチューセッツ、ボストン、のFLIR Systems及び、ネバダ、ラスベガスの、Sierra Pacific Innovations Corp.を含む。
【0044】
例17
本発明は、CPAP適用のための患者界面マスクと関連して開示されるが、圧力が、患者の皮膚に適用される、広範な状況又は適用に適用することもできる。患者界面マスクのための、複数の典型的な非制限的な使用は、睡眠時無呼吸の治療のための、圧力支持治療の適用を含む。そのような適用に関して、患者は、毎晩無制限に、眠っている間、マスクを装着する。患者界面マスクは、ある病院の環境での、強制換気のために使用することもできる。他の非制限的な例は、ガスマスク(例えば、制限なく、換気;火災;潜水;危険物)、マスク支持ヘッドギア;長期間のマスク使用が必要とされる、他の適用;ペアの眼鏡;宝飾品;比較的きつい適合の衣類;又は圧力が皮膚に適用される、如何なる適用;を含む。かなりの労力が、褥瘡性潰瘍(床ずれ)に関連するような、この分野でなされてきた。この例は、病院環境での寝たきりの患者又は車椅子に束縛された患者である。開示された実施形態において、皮膚に適用された圧力は、一般的に、大きさでより小さく、時間でより短い。これは、通常、臨床的な環境で見受けられる、重大な開放創につながらない。
【0045】
開示された発明は、“圧力由来の痛み”評価及び/又は“快適さ”評価に適用可能である。快適さは、現代のサーマルイメージング技術によって与えられ得る、皮膚の温度での比較的小さい変化(例えば、制限なく、若干の℃の変化)を伴い得る、比較的わずかな測定である。
【0046】
本発明は、最も実用的で、例示的な実施形態と現在考えられていることに基づき、説明の目的のために、詳細に述べられてきたが、そのような詳細は、単に前記目的のためであり、本発明は開示された実施形態に制限されない、それどころか、添付した特許請求の範囲の精神と範囲の中で、修正及び同等の構成をカバーすることが意図される、ということが理解され得る。例えば、本発明は、可能な程度で、如何なる実施形態の1つ又はそれより多くの特徴が、如何なる他の実施形態の1つ又はそれより多くの特徴と組み合わせることができるということを検討するということが理解され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者上のオブジェクトによって引き起こされた、前記患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する方法であって、当該方法は:
前記患者の第1のサーマルイメージを取得する段階;
ある所定の時間の間、前記患者上に前記オブジェクトを装着する段階;
前記患者から前記オブジェクトを取り除き、複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び
前記患者の前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記第1のサーマルイメージを取得する段階と前記患者の前記複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化を有する前記患者の表皮の複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化、の少なくとも1つに基づいて、前記患者上の前記オブジェクトによって引き起こされた、前記患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を含む、方法。
【請求項2】
前記ある所定の時間として、第1の所定の時間を採用する段階;及び
前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化の少なくとも1つを、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び、所定の温度変化の少なくとも1つと比較する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)前記患者上の前記オブジェクトの調整及び適合を評価する段階;
(b)前記オブジェクトが、前記患者に適しているかどうかを決定する段階;又は
(c)前記患者が、前記オブジェクトによって引き起こされた圧力に敏感であるかどうかを決定する段階;
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ある所定の時間として、第1の所定の時間を採用する段階;及び
前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化を、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び、所定の温度変化と比較する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記患者上の前記オブジェクトの調節及び適合を評価する段階;
前記オブジェクトが、前記患者に適しているかどうかを決定する段階;又は
前記患者が、前記オブジェクトによって引き起こされた圧力に敏感であるかどうかを決定する段階;
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オブジェクトとして、第1の患者界面装置を採用する段階;
前記第2の所定の時間、前記所定のサイズ、及び、前記所定の温度変化と作動的に関連する、別の第2の患者界面装置を採用する段階;及び
前記比較する段階に基づいて、前記第1の患者界面装置又は前記別の第2の患者界面装置が、前記患者に関して、相対的により快適であるかどうかを決定する段階;
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の患者界面装置として、試作品の患者界面装置を採用する段階;
前記別の第2の患者界面装置として、製品の患者界面装置を採用する段階;
複数の異なる患者に関して、前記製品の患者界面装置と作動的に関連する、前記第2の所定の時間、前記所定のサイズ、及び前記所定の温度変化を採用する段階;及び
前記比較する段階に基づいて、前記製品の患者界面装置の快適さに対する、前記試作品の患者界面装置の快適さを、評価する段階;
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記オブジェクトして、所定の患者界面マスクを採用する段階;
前記ある所定の時間として、第1の所定の時間を採用する段階;
前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化を、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び、所定の時間変化と比較する段階;
複数の異なる患者に関して、前記所定の患者界面装置と作動的に関連する、前記第2の所定の時間、前記所定のサイズ、及び、前記所定の温度変化を採用する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ある所定の時間として、ある晩での第1の時間と、次の朝での第2のより遅い時間と、で定義された時間間隔を、採用する段階を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の所定の時間の、連続したペアの間を、約5分から約10分までを採用する段階を更に含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ある所定の時間として、約5分から約10分までを採用する段階:を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の所定の時間の、連続したペアの間を、約30秒から約1分までを採用する段階を更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記オブジェクトとして、所定の患者界面マスクを採用する段階;
前記患者の表皮上の適合のために、前記所定の患者界面マスクを調節する段階;及び
前記比較する段階に基づいて、調節された前記所定の患者界面マスクをの適切な適合をチェックする段階;
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
患者界面マスク、持続性気道陽圧マスク、圧力支持治療マスク、強制換気マスク、鼻マスク、鼻枕、口マスク、鼻/口マスク、全面フェイスマスク、ガスマスク、マスク支持ヘッドギア、ペアの眼鏡、宝飾品及び衣類から成るリストから選択された、前記オブジェクトを採用する段階を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記患者の前記第1のサーマルイメージを取得すること、前記ある所定の時間のための、前記患者上の前記オブジェクトに関する時間を計ること、前記複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得すること、及び、前記患者上の前記オブジェクトによって引き起こされた、前記患者の圧力由来の痛み又は不快感に関する前記ポテンシャルを評価すること、の複数を自動化する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ある所定の時間の間、前記患者の表皮上に、前記オブジェクトを装着する段階;及び
前記患者の表皮上の前記オブジェクトによって引き起こされた、前記患者の、低いレベルでの、圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ある所定の時間の間、前記患者の中央の鼻の領域上に前記オブジェクトを装着す段階を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
サーマルイメージング装置を使用して、前記患者の前記第1のサーマルイメージを取得し、前記患者の前記複数のサーマルイメージを取得すること:
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
患者上の患者界面装置によって引き起こされた、前記患者の不快感に関するポテンシャルを評価する方法であって、当該方法は:
前記患者の第1のサーマルイメージを取得する段階;
ある所定の時間の間、前記患者上に前記患者界面装置を装着する段階;
前記患者から前記患者界面装置を取り除き、複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び
前記患者の前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記第1のサーマルイメージを取得する段階と前記患者の前記複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化を有する前記患者の表皮の複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化、の少なくとも1つに基づいて、前記患者上の前記患者界面装置によって引き起こされた、前記患者の不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を含む、方法。
【請求項20】
前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るまで、前記複数の所定の時間で、前記患者のサーマルイメージを取得する段階;
を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項1】
患者上のオブジェクトによって引き起こされた、前記患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する方法であって、当該方法は:
前記患者の第1のサーマルイメージを取得する段階;
ある所定の時間の間、前記患者上に前記オブジェクトを装着する段階;
前記患者から前記オブジェクトを取り除き、複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び
前記患者の前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記第1のサーマルイメージを取得する段階と前記患者の前記複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化を有する前記患者の表皮の複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化、の少なくとも1つに基づいて、前記患者上の前記オブジェクトによって引き起こされた、前記患者の圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を含む、方法。
【請求項2】
前記ある所定の時間として、第1の所定の時間を採用する段階;及び
前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化の少なくとも1つを、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び、所定の温度変化の少なくとも1つと比較する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(a)前記患者上の前記オブジェクトの調整及び適合を評価する段階;
(b)前記オブジェクトが、前記患者に適しているかどうかを決定する段階;又は
(c)前記患者が、前記オブジェクトによって引き起こされた圧力に敏感であるかどうかを決定する段階;
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記ある所定の時間として、第1の所定の時間を採用する段階;及び
前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化を、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び、所定の温度変化と比較する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記患者上の前記オブジェクトの調節及び適合を評価する段階;
前記オブジェクトが、前記患者に適しているかどうかを決定する段階;又は
前記患者が、前記オブジェクトによって引き起こされた圧力に敏感であるかどうかを決定する段階;
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記オブジェクトとして、第1の患者界面装置を採用する段階;
前記第2の所定の時間、前記所定のサイズ、及び、前記所定の温度変化と作動的に関連する、別の第2の患者界面装置を採用する段階;及び
前記比較する段階に基づいて、前記第1の患者界面装置又は前記別の第2の患者界面装置が、前記患者に関して、相対的により快適であるかどうかを決定する段階;
を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の患者界面装置として、試作品の患者界面装置を採用する段階;
前記別の第2の患者界面装置として、製品の患者界面装置を採用する段階;
複数の異なる患者に関して、前記製品の患者界面装置と作動的に関連する、前記第2の所定の時間、前記所定のサイズ、及び前記所定の温度変化を採用する段階;及び
前記比較する段階に基づいて、前記製品の患者界面装置の快適さに対する、前記試作品の患者界面装置の快適さを、評価する段階;
を更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記オブジェクトして、所定の患者界面マスクを採用する段階;
前記ある所定の時間として、第1の所定の時間を採用する段階;
前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化を、各々、第2の所定の時間、所定のサイズ、及び、所定の時間変化と比較する段階;
複数の異なる患者に関して、前記所定の患者界面装置と作動的に関連する、前記第2の所定の時間、前記所定のサイズ、及び、前記所定の温度変化を採用する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ある所定の時間として、ある晩での第1の時間と、次の朝での第2のより遅い時間と、で定義された時間間隔を、採用する段階を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の所定の時間の、連続したペアの間を、約5分から約10分までを採用する段階を更に含む、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ある所定の時間として、約5分から約10分までを採用する段階:を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の所定の時間の、連続したペアの間を、約30秒から約1分までを採用する段階を更に含む、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記オブジェクトとして、所定の患者界面マスクを採用する段階;
前記患者の表皮上の適合のために、前記所定の患者界面マスクを調節する段階;及び
前記比較する段階に基づいて、調節された前記所定の患者界面マスクをの適切な適合をチェックする段階;
を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
患者界面マスク、持続性気道陽圧マスク、圧力支持治療マスク、強制換気マスク、鼻マスク、鼻枕、口マスク、鼻/口マスク、全面フェイスマスク、ガスマスク、マスク支持ヘッドギア、ペアの眼鏡、宝飾品及び衣類から成るリストから選択された、前記オブジェクトを採用する段階を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記患者の前記第1のサーマルイメージを取得すること、前記ある所定の時間のための、前記患者上の前記オブジェクトに関する時間を計ること、前記複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得すること、及び、前記患者上の前記オブジェクトによって引き起こされた、前記患者の圧力由来の痛み又は不快感に関する前記ポテンシャルを評価すること、の複数を自動化する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ある所定の時間の間、前記患者の表皮上に、前記オブジェクトを装着する段階;及び
前記患者の表皮上の前記オブジェクトによって引き起こされた、前記患者の、低いレベルでの、圧力由来の痛み又は不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ある所定の時間の間、前記患者の中央の鼻の領域上に前記オブジェクトを装着す段階を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
サーマルイメージング装置を使用して、前記患者の前記第1のサーマルイメージを取得し、前記患者の前記複数のサーマルイメージを取得すること:
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
患者上の患者界面装置によって引き起こされた、前記患者の不快感に関するポテンシャルを評価する方法であって、当該方法は:
前記患者の第1のサーマルイメージを取得する段階;
ある所定の時間の間、前記患者上に前記患者界面装置を装着する段階;
前記患者から前記患者界面装置を取り除き、複数の所定の時間で、前記患者の複数のサーマルイメージを取得する段階;及び
前記患者の前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るのに必要とされる時間、前記第1のサーマルイメージを取得する段階と前記患者の前記複数のサーマルイメージの最初の1つを取得することとの間での、温度変化を有する前記患者の表皮の複数の領域のサイズ、及び、前記温度変化、の少なくとも1つに基づいて、前記患者上の前記患者界面装置によって引き起こされた、前記患者の不快感に関するポテンシャルを評価する段階;
を含む、方法。
【請求項20】
前記複数のサーマルイメージの1つが、前記第1のサーマルイメージに戻るまで、前記複数の所定の時間で、前記患者のサーマルイメージを取得する段階;
を更に含む、請求項19に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5A−5C】
【図5D−5F】
【図6A−6C】
【図6D−6F】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5A−5C】
【図5D−5F】
【図6A−6C】
【図6D−6F】
【公表番号】特表2013−510620(P2013−510620A)
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−538436(P2012−538436)
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054655
【国際公開番号】WO2011/058457
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054655
【国際公開番号】WO2011/058457
【国際公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]