マッサージユニット
【課題】ふくらはぎ用ユニットと足先用ユニットとを一体に揺動可能としたマッサージユニットにおいて、マッサージ本体が揺動したときに、傾きに合わせた最適なマッサージを施す。
【解決手段】足先用ユニット70とふくらはぎ用ユニット74とを一体に形成し、足先用ユニット70とふくらはぎ用ユニット74の夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体50を、ベース部20に前後に揺動可能に配備してなり、マッサージ手段の動作は、マッサージ本体50又はベース部20の何れかに配置された制御手段90によって制御されるマッサージユニットにおいて、制御手段90に電気的に接続され、マッサージ本体50の傾きを検知する傾き検知手段92を具え、制御手段90は、傾き検知手段92により検知されたマッサージ本体50の傾きに基づいて、足先用ユニット70とふくらはぎ用ユニット74の各マッサージ手段の動作を制御する。
【解決手段】足先用ユニット70とふくらはぎ用ユニット74とを一体に形成し、足先用ユニット70とふくらはぎ用ユニット74の夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体50を、ベース部20に前後に揺動可能に配備してなり、マッサージ手段の動作は、マッサージ本体50又はベース部20の何れかに配置された制御手段90によって制御されるマッサージユニットにおいて、制御手段90に電気的に接続され、マッサージ本体50の傾きを検知する傾き検知手段92を具え、制御手段90は、傾き検知手段92により検知されたマッサージ本体50の傾きに基づいて、足先用ユニット70とふくらはぎ用ユニット74の各マッサージ手段の動作を制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の患部、特に、足先及びふくらはぎをマッサージするマッサージユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の足先及びふくらはぎをマッサージするマッサージユニットが知られている。
例えば、特許文献1に記載のマッサージユニットは、被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットを具える。足先用ユニット及びふくらはぎ用ユニットには、夫々エアバッグ等、被施療者にマッサージを施すマッサージ手段が配備されている。
特許文献1のマッサージユニットは、床面に載置される足先用ユニットに対して、ふくらはぎ用ユニットを前後に傾動可能に連結しており、足先を足先用ユニットに載せた状態で、ふくらはぎを後方に倒すと、ふくらはぎの角度に応じて、ふくらはぎ用ユニットが後方に傾くようにしている。
これにより、被施療者が寝転んだ状態でも、足のマッサージを受けることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2005−245803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記マッサージユニットは、ふくらはぎ用ユニットを、足先用ユニットに対して傾動させている。従って、例えば、被施療者が椅子等に腰掛けた状態でマッサージを受ける際に、足先用ユニットが椅子等に近い位置にあると、ふくらはぎ用ユニットを後方に倒そうとしたときに、ふくらはぎ用ユニットが椅子等に当たってしまうから、倒すことはできなかった。
【0005】
同様に、足先用ユニット自体は傾動する構成ではないため、被施療者が寝転んだ状態でマッサージを受けるためにふくらはぎ用ユニットを後方に傾けると、ふくらはぎと足先の角度が、自然なリラックスした状態から変化して、ふくらはぎに対して足先が伸びた状態となり、ふくらはぎや足先の筋、筋肉が突っ張ったり緊張して、血流が悪くなることがあり、十分なマッサージ効果を得ることができなくなる可能性があった。
【0006】
そこで、ふくらはぎと足先の角度が、常に自然なリラックスした状態を維持できるように、ふくらはぎ用ユニットと足先用ユニットを一体に構成したマッサージ本体を、被施療者の姿勢に対応できるように、床面に載置されるベース部に対して揺動可能に配置したマッサージユニットも提案されている。
しかしながら、ベース部に対するマッサージ本体の傾きに応じてマッサージ動作を変えるような制御はしていない。
ところが、マッサージ本体が床面に対して起立した姿勢と、この状態からマッサージ本体を後方に揺動させて、マッサージ本体が床面に対して後傾した姿勢では、ふくらはぎや足裏のマッサージ本体に対する当たり強さが変わってしまう。このため、マッサージ本体の傾きに拘わらず同じマッサージ動作を施すと、マッサージ動作によっては被施療者が痛みを感じて不快に思ったり、物足りなく感じてしまうことがある。
【0007】
また、被施療者がベース部に対して揺動自在なマッサージ本体に、足を載せたまま、立ち上がると、マッサージ本体が揺動して、被施療者が不安定な姿勢となってしまうこともある。
【0008】
さらに、上記マッサージユニットでは、被施療者の足先を挿入する足先用ユニットに、マッサージ手段としてエアバッグにより出没する指圧棒が採用されている。指圧棒は、駆動手段によって、足裏の長手方向に沿って往復移動可能に配置され、出没及び往復移動により足裏に指圧マッサージを施す。駆動手段は、モータにより回転するネジ軸に、指圧棒側に配備されたネジ筒を嵌めて構成され、モータ駆動により、ネジ軸が回転して、ネジ筒がネジ推力によって、軸方向に往復移動可能となっている。
指圧棒の位置は、移行路の適所に配置されたリミットスイッチと、駆動手段のモータの回転をパルス制御することで検知される。
しかしながら、マッサージ手段である指圧棒に加わる足裏の負荷の変動や、マッサージユニットの周囲温度によって駆動手段の種々のグリースの粘性が変化することで、ネジ筒のネジ軸に対する回転抵抗が変化して、駆動手段に作用する負荷も変化する。
指圧棒を移動させる際に、駆動手段に総合的に作用する負荷が小さすぎる場合には、リミットスイッチ検知後にモータを停止させたときにオーバーシュート(行き過ぎ)が生じ、ネジ筒がネジ軸末端まで移動する結果、モーターロックが生じたり、ネジ筒がネジ軸末端でロックして、モータに過大な負荷が掛かったり、動作が遅れてしまうことがある。これは、動作不良や、モータ等の寿命低下を招くおそれがある。
逆に、指圧棒を移動させる際に、駆動手段に総合的に作用する負荷が大きすぎる場合には、リミットスイッチに検知される前に予め設定されているパルス数に到達して、駆動手段が停止、反転する結果、指圧棒の正確な位置制御ができなくなることもある。
【0009】
上記オーバーシュート等の問題は、足用のマッサージユニットに限定されず、例えば、椅子型のマッサージ機の背凭れに配備され、被施療者の肩から腰にかかかる部分にマッサージを施す背凭れ用のマッサージユニット等の上下移動時にも生ずることがある。
【0010】
そこで、本発明の第1の目的は、ふくらはぎ用ユニットと足先用ユニットとを一体に揺動可能としたマッサージユニットにおいて、マッサージ本体が揺動したときに、傾きに合わせた最適なマッサージができるマッサージユニットを提供することである。
【0011】
また、本発明の第2の目的は、被施療者の足先とふくらはぎをマッサージする足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットとを一体に揺動可能としたマッサージユニットにおいて、マッサージ本体が不用意に揺動することを防止するようにしたマッサージユニットを提供することである。
【0012】
さらに、本発明の第3の目的は、マッサージ手段を移動させる駆動手段の負荷に拘わらず、マッサージ手段の正確な位置制御を行なうことができるマッサージユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明の第1のマッサージユニットは、
被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットとを一体に形成し、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体を、床面に載置されるベース部に前後に揺動可能に配備してなり、
マッサージ手段の動作は、マッサージ本体又はベース部の何れかに配置された制御手段によって制御されるマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体の傾きを検知する傾き検知手段を具え、
制御手段は、傾き検知手段により検知されたマッサージ本体の傾きに基づいて、マッサージ手段の動作を制御する。
【0014】
また、本発明の第2のマッサージユニットは、
被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットとを一体に形成し、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体を、床面に載置されるベース部に前後に揺動可能に配備してなり、
マッサージ手段の動作は、マッサージ本体又はベース部の何れかに配置された制御手段によって制御されるマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体に被施療者が足を挿入しているか否かを判断する足検知手段と、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止するよう作動可能なロック手段と、を具え、
制御手段は、足検知手段によりマッサージ本体に被施療者の足が挿入されていることを検知すると、ロック手段を作動させ、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止する。
【0015】
さらに、本発明の第3のマッサージユニットは、
被施療者にマッサージを施すマッサージ手段と、該マッサージ手段を被施療者の患部に沿って往復移動させる駆動手段と、マッサージ手段及び駆動手段を制御すると共に、駆動手段の動作に基づいて、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる制御手段と、を具えたマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ手段に作用する負荷又は駆動手段に作用する負荷を検知する負荷検知手段、又は、周囲温度を検知する温度センサを具え、
制御手段は、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる際に、負荷検知手段により検知された負荷、又は、温度センサにより検知された周囲温度に基づいて、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを変える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1のマッサージユニットによれば、マッサージ本体の傾きに基づいて、ふくらはぎ用ユニット及び足先用ユニットの各マッサージ手段を変化するように制御している。
例えば、足先用ユニットが床面に対してほぼ平行となった状態であることが傾き検知手段により検知されると、被施療者の足裏は、足先用ユニットに強く当り、ふくらはぎは、ふくらはぎ用ユニットにあまり強く当たらないので、足先用ユニットのマッサージ手段を弱め、ふくらはぎ用ユニットのマッサージ手段を強めに制御する。これにより、被施療者が不快感や物足りなさを感じることなくマッサージを施すことができる。
逆に、マッサージ本体を後傾させ、足先用ユニットが床面に対してほぼ垂直となり、ふくらはぎ用ユニットが床面に対してほぼ平行となった状態であることが傾き検知手段により検知されると、被施療者の足裏は、足先用ユニットにあまり強く当たらず、ふくらはぎは、ふくらはぎ用ユニットに強く当たるため、足先用ユニットのマッサージ手段を強め、ふくらはぎ用ユニットのマッサージ手段を弱めに制御する。これにより、被施療者が不快感や物足りなさを感じることなくマッサージを施すことができる。
【0017】
本発明の第2のマッサージユニットによれば、足検知手段により、マッサージ本体に被施療者の足が挿入されていることを検知すると、ロック手段により、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止することができるから、マッサージ本体の上に、被施療者が立ち上がっても、不用意にマッサージ本体が回転することはなく、被施療者が不安定な姿勢になることもない。
【0018】
本発明の第3のマッサージユニットによれば、マッサージ手段の作動時に駆動手段に総合的に作用する負荷を検知し、駆動手段に作用する負荷に応じて、駆動手段の停止又は反転のタイミングを変えている。これにより、マッサージ手段を介して駆動手段に作用する負荷や、周囲温度に応じて変化するグリース等の粘性が変化しても、マッサージ手段の正確な位置制御を行なうことができる。
従って、予めの設定又は被施療者の所望する設定等により、所望したマッサージ範囲から外れることなく、また、所望したマッサージ範囲すべてにマッサージを施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のマッサージユニット(10)は、被施療者の足にマッサージを施すマッサージ本体(50)の傾きを検知し、検知された傾きに応じてマッサージ手段の動作を変えるようにしたものである。
また、本発明のマッサージユニット(10)は、マッサージ本体(50)に被施療者が足を挿入しているか否かを検知し、足が挿入されていることを検知すると、マッサージ本体(50)の不用意な揺動を阻止するようにしたものである。
さらに、本発明のマッサージユニット(10)は、マッサージ本体(50)に配備されたマッサージ手段の駆動手段の負荷を検知し、作用する負荷に応じて駆動手段の停止又は反転のタイミングを変えるようにしたものである。
【0020】
従って、以下で説明する本発明のマッサージユニット(10)について、マッサージ本体(50)及びベース部(20)の構成や揺動機構、マッサージ手段の構成や動作等は、本実施例に限定されるものではない。
【0021】
以下、本発明のマッサージユニット(10)について、図面に沿って説明する。
図1は、本発明のマッサージユニット(10)を斜め前方から見た斜視図、図2は、斜め後方から見た斜視図である。また、図3は、図1の線X−Xに沿う断面図、図4は、ベース部(20)からマッサージ本体(50)を取り外した状態を示す斜視図である。さらに、図5は、図1の線Y−Yに沿う断面図であって、マッサージ本体(50)が起立した状態を示しており、図6は、マッサージ本体(50)が後傾した状態を示す断面図である。図7及び図8は、図1の線Z−Zに沿う断面図であって、マッサージ本体(50)が起立した状態と、マッサージ本体(50)が後傾した状態を夫々示している。なお、図5乃至図8では、内部構造等を省略又は簡略化して示している。
【0022】
図に示すように、足用マッサージユニット(10)は、床面に載置されるベース部(20)と、該ベース部(20)に揺動可能に支持されるマッサージ本体(50)から構成される。マッサージ本体(50)は、後述するように、被施療者の足先を収容しマッサージを施す足先用ユニット(70)と、被施療者のふくらはぎを収容しマッサージを施すふくらはぎ用ユニット(74)が一体に形成されている。足先用ユニット(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)には、マッサージ手段(80)(81)(82)(85)が配備される。
【0023】
ベース部(20)は、内部中空の樹脂製ケーシング(21)から形成される。ベース部(20)の内部には、マッサージ本体(50)にマッサージ手段として配備されるエアバッグ(80)(81)(82)(83)に圧縮空気を送給するエアポンプ(12)、制御手段(90)、電源ユニット(図示せず)等が収容される。
【0024】
ベース部(20)の左右上部には、図3及び図4に示すように、前後方向に伸びる左右一対のレール部(以下「第1レール部(30)(30)」という)が形成されている。第1レール部(30)(30)は、夫々下向きに湾曲した断面矩形形状であり、上面中央には、長手方向に沿って幅狭のスリット(31)が形成されている。第1レール部(30)(30)には、後述するマッサージ本体のローラ部(以下「第2ローラ部(64)(64)」という)が転動可能に嵌まる。
【0025】
ベース部(20)の後端には、図4及び図7に示すように、上向きに左右一対のブラケット(32)(32)が突設され、該ブラケット(32)(32)の上端には、後述するマッサージ本体(50)のレール部(以下「第2レール部(60)(60)」という)に嵌まるローラ部(以下「第1ローラ部(34)(34)」という)が回動自在に軸支されている。
【0026】
ベース部(20)の下面は、図3に示すように、2条の凹部(22)(22)が形成されており、各凹部(22)(22)には、車輪(40)(40)が軸支され、足用マッサージユニット(10)を床面に沿って前後に移動可能としている。
【0027】
マッサージ本体(50)は、内部中空の樹脂製ケーシング(51)から形成される。ケーシング(51)は、下側が前方に向けて突出し、後端側が上向きに突出している。ケーシング(51)には、図1及び図3等に示すように、被施療者の足先を挿入する左右一対の足先用ユニット(70)(70)と、各足先用ユニット(70)(70)の後端から連続し、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニット(74)(74)が形成されている。足先用ユニット(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)には、凹状の受部(76)(76)が形成されており、受部(76)(76)間には、中央壁(78)が立設されている。足先用ユニット(70)(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)(74)には、受部(76)(76)に被施療者にマッサージを施すマッサージ手段(80)(81)(82)(85)が配備される。
【0028】
マッサージ本体(50)の後端左右には、図4及び図7等に示すように、前記ベース部(20)の第1ローラ部(34)(34)が嵌まる第2レール部(60)(60)が形成されている。第2レール部(60)は、後方に向けて膨らむ方向に湾曲した断面矩形形状であり、後面側に長手方向に沿う幅狭のスリット(61)が形成されている。
【0029】
また、マッサージ本体(50)の前後方向における中央の左右には、前記ベース部(20)の第1レール部(30)に嵌まる第2ローラ部(64)(64)が回動自在に軸支されている。
【0030】
足先用ユニット(70)(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)(74)の側面、底面には、マッサージ手段が配備される。マッサージ手段として、図7に示すように、足先用ユニット(70)(70)の底面に、指圧棒(85)(85)、足先用ユニット(70)(70)の側面及びふくらはぎ用ユニット(74)(74)の側面、底面にエアバッグ(80)(81)(82)を配置している。なお、エアバッグ(80)(81)(82)は、図7にのみ示している。
【0031】
指圧棒(85)は、図7に示すように、足先用ユニット(70)の底面に前後方向に長く開設された長孔(72)から出没可能且つ長孔(72)に沿って前後に移動可能に配備される。
指圧棒(85)の下端には、ケース(86)に収容されたエアバッグ(83)が連結されており、エアバッグ(83)の膨張及び収縮により指圧棒(85)は長孔(72)から出没する。左右の凹状受部(76)(76)の指圧棒(85)(85)に対応する左右のケース(86)間は、接続プレート(87)で連結され、接続プレート(87)の中央部が駆動手段に連繋される。駆動手段は、足先用ユニット(70)の底面に沿って前後に平行に軸支されたネジ軸(88)を、減速機構(89a)を介して中央壁(78)の下側に配備されたモータ(89)により回転可能としたものを例示でき、ネジ軸(88)には、接続プレート(87)に取り付けられたネジ筒(図示せず)が螺合している。モータ(89)を駆動すると、減速機構(89a)を介してネジ軸(88)が回転し、ネジ推力により、接続プレート(87)が前後移動し、指圧棒(85)が長孔(72)に沿って移動する。
【0032】
左右の足先用ユニット(70)(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)(74)に配置されたエアバッグ(80)(81)(82)及び指圧棒(85)を出没させるエアバッグ(83)は、夫々配管に接続され、夫々電磁弁(13)を介して、ベース部(20)に配備されたエアポンプ(12)に接続される(図9参照)。
【0033】
本発明のマッサージユニット(10)のすべての動作は、マッサージ本体(50)又はベース部(20)の適所に配置された制御手段(90)により制御される。
制御手段(90)は、図9に示すように、エアバッグ(80)(81)(82)(83)に圧縮空気を送給するエアポンプ(12)、エアバッグ(80)(81)(82)(83)とエアポンプ(12)との間に配備された電磁弁(13)、指圧棒(85)を往復移動させる駆動手段のモータ(89)、被施療者が操作する操作部(91)(図4参照)、及び、以下に説明する各センサ(92)(93)(94)(95)が電気的に接続されており、これらの各制御及び予め設定された各種動作を行なうためのプログラム、マッサージコース等を記憶するメモリや、タイマー等を具える。
【実施例1】
【0034】
マッサージ本体(50)の傾きを検知し、検知された傾きに応じてマッサージ手段の動作を変えるために、マッサージ本体(50)には、マッサージ本体(50)の傾きを検知する傾き検知手段(92)が配備される。傾き検知手段(92)は、マッサージ本体(50)が、図5に示す足先用ユニット(70)がほぼ水平な状態にあり、ふくらはぎ用ユニット(74)がほぼ垂直な状態(以下「起立姿勢」という)、又は、図6に示すように、マッサージ本体(50)が後傾して、足先用ユニット(70)がほぼ垂直な状態にあり、ふくらはぎ用ユニット(74)がほぼ水平な状態(以下「後傾姿勢」という)であるかを検知する。なお、起立姿勢と後傾姿勢の閾値は適宜設定することができる。
【0035】
傾き検知手段(92)として、マッサージ本体(50)が、所定値以上傾いているか否かを検知する一軸式の傾斜センサや、マッサージ本体(50)の傾き角度を検知できる角度センサを例示できる。これらセンサは、傾斜角度に応じて、出力される電圧値が変化する。従って、マッサージ本体(50)の所定値の傾きに対する出力電圧値の大小によって、マッサージ本体(50)が所定値以上傾いたことが検知される。
傾き検知手段(92)は、例えば、図7に示すように、ふくらはぎ用ユニット(74)の後面に配備すればよい。
【0036】
制御手段(90)は、傾き検知手段(92)により検知されたマッサージ本体(50)の傾きに応じて、マッサージコースを変えて、マッサージを施すことができるように予めマッサージコースが記憶されている。
例えば、マッサージ本体(50)が、「起立姿勢」であると検知されると、足裏には、指圧棒(85)が強く当たるため、その指圧力が被施療者に痛く感じられないように、エアバッグ(83)の膨張を少なくして、指圧棒(85)の出没量を小さくし、且つ、ふくらはぎ用ユニット(74)のエアバッグ(81)(82)の膨張を強めるマッサージ(「起立姿勢コース」という)を施す。
逆に、マッサージ本体(50)が、「後傾姿勢」であると検知されると、足裏には、指圧棒(85)が強く当たらないため、足先用ユニット(70)のエアバッグ(80)の膨張を高めて、足先を足先用ユニット(70)にしっかりとホールドした状態でエアバッグ(83)の膨張を高め、指圧棒(85)の突出量を大きくするマッサージを施す(「後傾姿勢コース」という)。後傾姿勢コースでは、さらに、ふくらはぎ用ユニット(74)のエアバッグ(81)(82)の膨張を弱めてもよい。
これにより、マッサージ本体(50)の傾き姿勢に拘わらず、被施療者が不快感や物足りなさを感じることなく、快適且つ効果の高いマッサージを受けることができる。
なお、上記実施例の制御フローは、次の実施例2と共に説明する。
【実施例2】
【0037】
マッサージ本体(50)に被施療者が足を挿入しているか否かを検知し、足が挿入され、マッサージ本体(50)に所定値以上の圧力が作用していることを検知すると、マッサージ本体(50)の不用意な揺動を阻止する。
マッサージ本体(50)には、被施療者が足を挿入しているか否かを判別するために、足検知手段(93)が配備される。足検知手段(93)として、圧力センサ(93a)を例示できる。足検知手段(93)は、足先用ユニット(70)及び/又はふくらはぎ用ユニット(74)に配備することができる。足検知手段(93)として、圧力センサ(93a)を用いた場合には、圧力センサ(93a)は、被施療者がマッサージ本体(50)に足を挿入したときに、足先用ユニット(70)及び/又はふくらはぎ用ユニット(74)の被施療者の足裏(特に「かかと」部分)又はふくらはぎが当たる部分に配備する。
【0038】
足検知手段(93)により被施療者の足がマッサージ本体(50)に挿入され、所定値以上の荷重がマッサージユニットに加えられたことを検知すると、マッサージ本体(50)のベース部(20)に対する揺動を防止するために、ロック手段(96)が配備される。ロック手段(96)は、図4及び図8に示すように、ベース部(20)に配備されたソレノイド(96a)を例示できる。ソレノイド(96a)は、プランジャーが上方に向けて突出可能とし、プランジャーが突出したときに、プランジャーの先端が、マッサージ本体(50)に当接して、揺動を阻止できるようにベース部(20)に配備する。なお、マッサージ本体(50)には、プランジャーの突出によるマッサージ本体(50)の揺動を効果的に阻止するために、マッサージ本体(50)の周面にプランジャーの先端が嵌まる穴(図示せず)を形成しておくことが望ましい。穴は、マッサージ本体(50)がほぼ起立した状態でプランジャーの当たる位置に設けることが望ましく、ソレノイド(96a)作動時のマッサージ本体(50)の角度に拘わらず揺動を阻止できるように、穴は複数設けることがより望ましい。
ロック手段(96)は、圧力センサ(93a)に被施療者の足が当り、圧力センサ(93a)の値が所定値以上となると作動し、マッサージ本体(50)の不用意な揺動は阻止される。
【0039】
上記実施例1及び実施例2の制御フローをまとめて説明する。
図10は、実施例1及び実施例2の制御フローを示すフローチャート図である。
フローチャート図10では、被施療者の操作部(91)の操作により、マッサージが開始されたときに、まず、マッサージ本体(50)の傾きを検知して、傾きに応じてマッサージ手段によるマッサージコースを選択し、次に、被施療者の足が挿入されているか否かを検知して、マッサージ本体(50)の傾動を許容するか阻止するかを決定するようにしている。
【0040】
被施療者が操作部(91)を操作して(ステップ1)、マッサージを開始させると(ステップ2)、制御手段(90)は、傾き検知手段(92)から出力される電圧値Yvを検知する。傾き検知手段(92)の出力電圧値Yvが、所定値、例えば、Cv以上であれば(ステップ3)、マッサージ本体(50)が起立姿勢にあると判断し、マッサージコースを予め設定された「起立姿勢コース」(前述)に設定し、マッサージ手段を駆動させる(ステップ4)。一方、傾き検知手段(92)の出力電圧値Yvが、所定値Cvよりも小さければ(ステップ3)、マッサージ本体(50)が後傾姿勢にあると判断し、マッサージコースを予め設定された「後傾姿勢コース」(前述)に設定し、マッサージ手段を駆動させる(ステップ5)。これにより、マッサージ本体(50)の傾きに応じた所望のマッサージを施すことができる。
【0041】
次に、制御手段(90)は、圧力センサ(93a)の検出値Xvが、所定値、例えばAv(Avは、例えば、マッサージ本体(50)に作用する荷重が10kg以上の場合の電圧値)以上であれば(ステップ6)、被施療者の足がマッサージ本体(50)に挿入されていると判断し、ロック手段(96)を作動させて、マッサージ本体(50)の揺動を阻止する(ステップ7)。一方、圧力センサ(93a)の検出値Xvが、所定値Avよりも小さければ(ステップ6)、マッサージ本体(50)が傾動してもよいと判断し、ロック手段(96)を解除する(ステップ8)。これにより、マッサージ本体(50)の不用意な揺動を阻止することができ、マッサージ本体(50)に足を挿入したまま立ち上がろうとして、マッサージ本該(50)が揺動して、被施療者が不安定な姿勢になることを防止できる。
【0042】
なお、上記フローは、被施療者による操作部(91)の操作(ステップ9)や、マッサージコースの終了、タイマー設定による時間経過により(ステップ10)、停止又は解除することができる。
【実施例3】
【0043】
マッサージ手段の駆動手段に作用する負荷を検知して、駆動手段の停止又は反転のタイミングを変え、オーバーシュート等を防止するようにしたものである。
駆動手段に作用する負荷は、マッサージ手段に作用する負荷、モータ(89)に作用する負荷、減速機構(89a)やネジ軸(88)等に塗布されたグリースの粘性の変動による負荷変動を測定することで検知される。マッサージ手段に作用する負荷は重量センサ(94a)(図7及び図9参照)、モータ(89)に作用する負荷は電流センサ(94b)(図9参照)等の負荷検知手段(94)、グリースの粘性は周囲温度を温度センサ(95)(図7及び図9参照)で測定することにより検知することができる。
【0044】
負荷検知手段(94)として、重量センサ(94a)を用いる場合には、重量センサ(94a)は、図7及び図8に示すように、足先用ユニット(70)の受部(76)の底面に配備することができる。負荷検知手段(94)として、電流センサ(94b)を用いる場合には、電流センサ(94b)は、モータ(89)に流れる電流を検知可能な位置に配備する。
温度センサ(95)は、マッサージユニット(10)の適所に配置することができ、望ましくは、マッサージ本体(50)のケーシング(51)の内部に配置する。
【0045】
重量センサ(94a)、電流センサ(94b)又は温度センサ(95)により、モータ(89)に加わる負荷が予め設定された標準負荷よりも大きいと判断した場合には、慣性で移動する距離が短いので、モータ(89)の停止又は反転のタイミングを遅くすることで、マッサージ手段、例えば指圧棒(85)を所望位置で停止又は反転させることができる。逆に、モータ(89)に加わる負荷が標準負荷よりも小さいと判断した場合には、慣性で移動する距離が長いので、モータ(89)の停止又は反転のタイミングを早くすることで、指圧棒(85)を所望の位置で反転又は停止させ、オーバーシュート等を防止することができる。
【0046】
モータ(89)は、パルス制御モータを例示できる。モータ(89)の回転数は、ホールICでカウントされ、予め設定された標準負荷におけるモータ(89)の停止又は反転のタイミング(リミット位置)を90PLSとし、負荷大の場合のリミット位置を99PLS、負荷小の場合のリミット位置を85PLSとした場合の制御フローを、フローチャート図11及び図12を用いて説明する。なお、各数値は一例であり、また、負荷に対する場合分けも本実施例に限定されるものではない。
【0047】
図11は、重量センサ(94a)を用いた場合のフローチャートを示している。
図に示すように、被施療者が操作部(91)を操作して、マッサージコースを選択すると(ステップ1)、制御手段(90)は、重量センサ(94a)の出力を検知し、該出力が標準負荷よりも大(H)であると判断すると、モータ(89)のリミット位置を99PLSに設定する(ステップ3)。重量センサ(94a)の出力が標準負荷(M)であると判断すると(ステップ4)、モータ(89)のリミット位置を90PLSに設定する(ステップ5)。さらに、重量センサ(94a)の出力が標準負荷よりも小(L)であると判断すると、モータ(89)のリミット位置を85PLSに設定する(ステップ7)。
上記のとおり、重量センサ(94a)の出力に基づいて、モータ(89)のリミット位置を変動させることにより、指圧棒(85)を所望の位置で停止させることができ、オーバーシュート等を防止できる。
【0048】
上記制御フローは、被施療者による操作部(91)の操作や、マッサージコースの終了、タイマー設定による時間経過により(ステップ8)、解除することができる(ステップ10)。なお、モータ(89)を停止させる前に、指圧棒(85)をかかと側等の原点位置まで移動させて、マッサージ停止時に指圧棒(85)が邪魔にならないようにしてもよい(ステップ9)。
なお、重量センサ(94a)を図7のように、かかと部分が当たる位置に配備すれば、被施療者が立ち上がって、該センサ(94a)が所定値以上の重量を検知した際、ロック手段(96)を動作させ、マッサージ本体(50)の揺動を阻止して、被施療者が不安定な姿勢になることを防止することもできる。
【0049】
電流センサ(94b)を負荷検知手段(94)として用いた場合も、標準負荷に対する電流値を予め設定しておき、上記と同様の制御を行えばよい。
【0050】
温度センサ(95)を用いた場合のフローチャート図を図12に示している。
図に示すように、被施療者が操作部(91)を操作して、マッサージコースを選択すると(ステップ1)、制御手段(90)は、温度センサ(95)により検知された温度に基づいて、該温度が常温(例えば15℃〜25℃)よりも高いと(サーミスタH)、グリースの粘性が低いため、モータ(89)が指圧棒(85)を作動させる際の負荷は小さいと判断し、モータ(89)のリミット位置を85PLSに設定する(ステップ3)。検知された温度が常温(サーミスタM)であると判断すると(ステップ4)、モータ(89)のリミット位置を90PLSに設定する(ステップ5)。さらに、検知された温度が常温よりも低いと(サーミスタL)、グリースの粘性が高いため、モータ(89)が指圧棒(85)を作動させる際の負荷は大きいと判断し、モータ(89)のリミット位置を99PLSに設定する(ステップ7)。
上記のとおり、温度センサ(95)により検知された温度に基づいて、モータ(89)のリミット位置を変動させることにより、指圧棒(85)を所望の位置で停止させることができ、オーバーシュート等を防止できる。
【0051】
上記制御フローも同様に、被施療者による操作部(91)の操作や、マッサージコースの終了、タイマー設定による時間経過により(ステップ8)、解除することができる(ステップ10)。なお、モータ(89)を停止させる前に、指圧棒(85)をかかと側等の原点位置まで移動させて、マッサージ停止時に指圧棒(85)が邪魔にならないようにしてもよい(ステップ9)。また、温度センサ(95)の不具合等により、温度が測定できない場合には、サーミスタエラーとして(ステップ11)、マッサージユニット(10)のすべての動作を停止させるようにしてもよい(ステップ12)。
【0052】
実施例3に挙げたマッサージユニット(10)の制御は、上記足用のマッサージユニットに限定されず、椅子型のマッサージ機の背凭れに配備されるマッサージユニットの上下移動における制御等にも適用することができる。
【0053】
実施例2の圧力センサ(93a)や、実施例3の重量センサ(94a)は、マッサージ本体(50)の傾きにより、その出力値が変化するので、このことを利用して、実施例1の傾き検知手段(92)として利用することもできる。すなわち、これらセンサ(93a)(94a)をかかと部分に対応する位置に設けた場合、起立姿勢に比べて後傾姿勢では、センサ(93a)(94a)の出力値が小さくなるため、マッサージ本体(50)が後方に傾いて、後傾姿勢であることを検知できる。また、これらセンサ(93a)(94a)をふくらはぎ部分に対応する位置に設けた場合、起立姿勢に比べて後傾姿勢では出力値が大きくなるから、マッサージ本体(50)が後傾姿勢であることを検知できる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、足先用ユニット及びふくらはぎ用ユニットが形成されたマッサージ本体を、ベース部に対して揺動させることのできるマッサージユニットとして特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の足用マッサージユニットを斜め前方から見た斜視図である。
【図2】足用マッサージユニットを斜め後方から見た斜視図である。
【図3】図1の線X−Xに沿う断面図である。
【図4】ベース部からマッサージ本体を取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】図1の線Y−Yに沿う断面図であって、マッサージ本体が起立した状態を示している。
【図6】図1の線Y−Yに沿う断面図であって、マッサージ本体が後傾した状態を示している。
【図7】図1の線Z−Zに沿う断面図であって、マッサージ本体が起立した状態を示している。
【図8】図1の線Z−Zに沿う断面図であって、マッサージ本体が後傾した状態を示している。
【図9】本発明のマッサージユニットの制御手段のブロック図である。
【図10】本発明の実施例1及び実施例2のフローチャート図である。
【図11】本発明の実施例3のフローチャート図であり、負荷検知手段として重量センサを用いた制御フローを示している。
【図12】本発明の実施例3のフローチャート図であり、温度センサを用いた制御フローを示している。
【符号の説明】
【0056】
(10) マッサージユニット
(70) 足先用ユニット
(74) ふくらはぎ用ユニット
(90) 制御手段
(92) 傾き検知手段
(93) 足検知手段
(94) 負荷検知手段
(95) 温度センサ
【技術分野】
【0001】
本発明は、被施療者の患部、特に、足先及びふくらはぎをマッサージするマッサージユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
被施療者の足先及びふくらはぎをマッサージするマッサージユニットが知られている。
例えば、特許文献1に記載のマッサージユニットは、被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットを具える。足先用ユニット及びふくらはぎ用ユニットには、夫々エアバッグ等、被施療者にマッサージを施すマッサージ手段が配備されている。
特許文献1のマッサージユニットは、床面に載置される足先用ユニットに対して、ふくらはぎ用ユニットを前後に傾動可能に連結しており、足先を足先用ユニットに載せた状態で、ふくらはぎを後方に倒すと、ふくらはぎの角度に応じて、ふくらはぎ用ユニットが後方に傾くようにしている。
これにより、被施療者が寝転んだ状態でも、足のマッサージを受けることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2005−245803号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記マッサージユニットは、ふくらはぎ用ユニットを、足先用ユニットに対して傾動させている。従って、例えば、被施療者が椅子等に腰掛けた状態でマッサージを受ける際に、足先用ユニットが椅子等に近い位置にあると、ふくらはぎ用ユニットを後方に倒そうとしたときに、ふくらはぎ用ユニットが椅子等に当たってしまうから、倒すことはできなかった。
【0005】
同様に、足先用ユニット自体は傾動する構成ではないため、被施療者が寝転んだ状態でマッサージを受けるためにふくらはぎ用ユニットを後方に傾けると、ふくらはぎと足先の角度が、自然なリラックスした状態から変化して、ふくらはぎに対して足先が伸びた状態となり、ふくらはぎや足先の筋、筋肉が突っ張ったり緊張して、血流が悪くなることがあり、十分なマッサージ効果を得ることができなくなる可能性があった。
【0006】
そこで、ふくらはぎと足先の角度が、常に自然なリラックスした状態を維持できるように、ふくらはぎ用ユニットと足先用ユニットを一体に構成したマッサージ本体を、被施療者の姿勢に対応できるように、床面に載置されるベース部に対して揺動可能に配置したマッサージユニットも提案されている。
しかしながら、ベース部に対するマッサージ本体の傾きに応じてマッサージ動作を変えるような制御はしていない。
ところが、マッサージ本体が床面に対して起立した姿勢と、この状態からマッサージ本体を後方に揺動させて、マッサージ本体が床面に対して後傾した姿勢では、ふくらはぎや足裏のマッサージ本体に対する当たり強さが変わってしまう。このため、マッサージ本体の傾きに拘わらず同じマッサージ動作を施すと、マッサージ動作によっては被施療者が痛みを感じて不快に思ったり、物足りなく感じてしまうことがある。
【0007】
また、被施療者がベース部に対して揺動自在なマッサージ本体に、足を載せたまま、立ち上がると、マッサージ本体が揺動して、被施療者が不安定な姿勢となってしまうこともある。
【0008】
さらに、上記マッサージユニットでは、被施療者の足先を挿入する足先用ユニットに、マッサージ手段としてエアバッグにより出没する指圧棒が採用されている。指圧棒は、駆動手段によって、足裏の長手方向に沿って往復移動可能に配置され、出没及び往復移動により足裏に指圧マッサージを施す。駆動手段は、モータにより回転するネジ軸に、指圧棒側に配備されたネジ筒を嵌めて構成され、モータ駆動により、ネジ軸が回転して、ネジ筒がネジ推力によって、軸方向に往復移動可能となっている。
指圧棒の位置は、移行路の適所に配置されたリミットスイッチと、駆動手段のモータの回転をパルス制御することで検知される。
しかしながら、マッサージ手段である指圧棒に加わる足裏の負荷の変動や、マッサージユニットの周囲温度によって駆動手段の種々のグリースの粘性が変化することで、ネジ筒のネジ軸に対する回転抵抗が変化して、駆動手段に作用する負荷も変化する。
指圧棒を移動させる際に、駆動手段に総合的に作用する負荷が小さすぎる場合には、リミットスイッチ検知後にモータを停止させたときにオーバーシュート(行き過ぎ)が生じ、ネジ筒がネジ軸末端まで移動する結果、モーターロックが生じたり、ネジ筒がネジ軸末端でロックして、モータに過大な負荷が掛かったり、動作が遅れてしまうことがある。これは、動作不良や、モータ等の寿命低下を招くおそれがある。
逆に、指圧棒を移動させる際に、駆動手段に総合的に作用する負荷が大きすぎる場合には、リミットスイッチに検知される前に予め設定されているパルス数に到達して、駆動手段が停止、反転する結果、指圧棒の正確な位置制御ができなくなることもある。
【0009】
上記オーバーシュート等の問題は、足用のマッサージユニットに限定されず、例えば、椅子型のマッサージ機の背凭れに配備され、被施療者の肩から腰にかかかる部分にマッサージを施す背凭れ用のマッサージユニット等の上下移動時にも生ずることがある。
【0010】
そこで、本発明の第1の目的は、ふくらはぎ用ユニットと足先用ユニットとを一体に揺動可能としたマッサージユニットにおいて、マッサージ本体が揺動したときに、傾きに合わせた最適なマッサージができるマッサージユニットを提供することである。
【0011】
また、本発明の第2の目的は、被施療者の足先とふくらはぎをマッサージする足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットとを一体に揺動可能としたマッサージユニットにおいて、マッサージ本体が不用意に揺動することを防止するようにしたマッサージユニットを提供することである。
【0012】
さらに、本発明の第3の目的は、マッサージ手段を移動させる駆動手段の負荷に拘わらず、マッサージ手段の正確な位置制御を行なうことができるマッサージユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために本発明の第1のマッサージユニットは、
被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットとを一体に形成し、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体を、床面に載置されるベース部に前後に揺動可能に配備してなり、
マッサージ手段の動作は、マッサージ本体又はベース部の何れかに配置された制御手段によって制御されるマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体の傾きを検知する傾き検知手段を具え、
制御手段は、傾き検知手段により検知されたマッサージ本体の傾きに基づいて、マッサージ手段の動作を制御する。
【0014】
また、本発明の第2のマッサージユニットは、
被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットとを一体に形成し、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体を、床面に載置されるベース部に前後に揺動可能に配備してなり、
マッサージ手段の動作は、マッサージ本体又はベース部の何れかに配置された制御手段によって制御されるマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体に被施療者が足を挿入しているか否かを判断する足検知手段と、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止するよう作動可能なロック手段と、を具え、
制御手段は、足検知手段によりマッサージ本体に被施療者の足が挿入されていることを検知すると、ロック手段を作動させ、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止する。
【0015】
さらに、本発明の第3のマッサージユニットは、
被施療者にマッサージを施すマッサージ手段と、該マッサージ手段を被施療者の患部に沿って往復移動させる駆動手段と、マッサージ手段及び駆動手段を制御すると共に、駆動手段の動作に基づいて、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる制御手段と、を具えたマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ手段に作用する負荷又は駆動手段に作用する負荷を検知する負荷検知手段、又は、周囲温度を検知する温度センサを具え、
制御手段は、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる際に、負荷検知手段により検知された負荷、又は、温度センサにより検知された周囲温度に基づいて、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを変える。
【発明の効果】
【0016】
本発明の第1のマッサージユニットによれば、マッサージ本体の傾きに基づいて、ふくらはぎ用ユニット及び足先用ユニットの各マッサージ手段を変化するように制御している。
例えば、足先用ユニットが床面に対してほぼ平行となった状態であることが傾き検知手段により検知されると、被施療者の足裏は、足先用ユニットに強く当り、ふくらはぎは、ふくらはぎ用ユニットにあまり強く当たらないので、足先用ユニットのマッサージ手段を弱め、ふくらはぎ用ユニットのマッサージ手段を強めに制御する。これにより、被施療者が不快感や物足りなさを感じることなくマッサージを施すことができる。
逆に、マッサージ本体を後傾させ、足先用ユニットが床面に対してほぼ垂直となり、ふくらはぎ用ユニットが床面に対してほぼ平行となった状態であることが傾き検知手段により検知されると、被施療者の足裏は、足先用ユニットにあまり強く当たらず、ふくらはぎは、ふくらはぎ用ユニットに強く当たるため、足先用ユニットのマッサージ手段を強め、ふくらはぎ用ユニットのマッサージ手段を弱めに制御する。これにより、被施療者が不快感や物足りなさを感じることなくマッサージを施すことができる。
【0017】
本発明の第2のマッサージユニットによれば、足検知手段により、マッサージ本体に被施療者の足が挿入されていることを検知すると、ロック手段により、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止することができるから、マッサージ本体の上に、被施療者が立ち上がっても、不用意にマッサージ本体が回転することはなく、被施療者が不安定な姿勢になることもない。
【0018】
本発明の第3のマッサージユニットによれば、マッサージ手段の作動時に駆動手段に総合的に作用する負荷を検知し、駆動手段に作用する負荷に応じて、駆動手段の停止又は反転のタイミングを変えている。これにより、マッサージ手段を介して駆動手段に作用する負荷や、周囲温度に応じて変化するグリース等の粘性が変化しても、マッサージ手段の正確な位置制御を行なうことができる。
従って、予めの設定又は被施療者の所望する設定等により、所望したマッサージ範囲から外れることなく、また、所望したマッサージ範囲すべてにマッサージを施すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のマッサージユニット(10)は、被施療者の足にマッサージを施すマッサージ本体(50)の傾きを検知し、検知された傾きに応じてマッサージ手段の動作を変えるようにしたものである。
また、本発明のマッサージユニット(10)は、マッサージ本体(50)に被施療者が足を挿入しているか否かを検知し、足が挿入されていることを検知すると、マッサージ本体(50)の不用意な揺動を阻止するようにしたものである。
さらに、本発明のマッサージユニット(10)は、マッサージ本体(50)に配備されたマッサージ手段の駆動手段の負荷を検知し、作用する負荷に応じて駆動手段の停止又は反転のタイミングを変えるようにしたものである。
【0020】
従って、以下で説明する本発明のマッサージユニット(10)について、マッサージ本体(50)及びベース部(20)の構成や揺動機構、マッサージ手段の構成や動作等は、本実施例に限定されるものではない。
【0021】
以下、本発明のマッサージユニット(10)について、図面に沿って説明する。
図1は、本発明のマッサージユニット(10)を斜め前方から見た斜視図、図2は、斜め後方から見た斜視図である。また、図3は、図1の線X−Xに沿う断面図、図4は、ベース部(20)からマッサージ本体(50)を取り外した状態を示す斜視図である。さらに、図5は、図1の線Y−Yに沿う断面図であって、マッサージ本体(50)が起立した状態を示しており、図6は、マッサージ本体(50)が後傾した状態を示す断面図である。図7及び図8は、図1の線Z−Zに沿う断面図であって、マッサージ本体(50)が起立した状態と、マッサージ本体(50)が後傾した状態を夫々示している。なお、図5乃至図8では、内部構造等を省略又は簡略化して示している。
【0022】
図に示すように、足用マッサージユニット(10)は、床面に載置されるベース部(20)と、該ベース部(20)に揺動可能に支持されるマッサージ本体(50)から構成される。マッサージ本体(50)は、後述するように、被施療者の足先を収容しマッサージを施す足先用ユニット(70)と、被施療者のふくらはぎを収容しマッサージを施すふくらはぎ用ユニット(74)が一体に形成されている。足先用ユニット(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)には、マッサージ手段(80)(81)(82)(85)が配備される。
【0023】
ベース部(20)は、内部中空の樹脂製ケーシング(21)から形成される。ベース部(20)の内部には、マッサージ本体(50)にマッサージ手段として配備されるエアバッグ(80)(81)(82)(83)に圧縮空気を送給するエアポンプ(12)、制御手段(90)、電源ユニット(図示せず)等が収容される。
【0024】
ベース部(20)の左右上部には、図3及び図4に示すように、前後方向に伸びる左右一対のレール部(以下「第1レール部(30)(30)」という)が形成されている。第1レール部(30)(30)は、夫々下向きに湾曲した断面矩形形状であり、上面中央には、長手方向に沿って幅狭のスリット(31)が形成されている。第1レール部(30)(30)には、後述するマッサージ本体のローラ部(以下「第2ローラ部(64)(64)」という)が転動可能に嵌まる。
【0025】
ベース部(20)の後端には、図4及び図7に示すように、上向きに左右一対のブラケット(32)(32)が突設され、該ブラケット(32)(32)の上端には、後述するマッサージ本体(50)のレール部(以下「第2レール部(60)(60)」という)に嵌まるローラ部(以下「第1ローラ部(34)(34)」という)が回動自在に軸支されている。
【0026】
ベース部(20)の下面は、図3に示すように、2条の凹部(22)(22)が形成されており、各凹部(22)(22)には、車輪(40)(40)が軸支され、足用マッサージユニット(10)を床面に沿って前後に移動可能としている。
【0027】
マッサージ本体(50)は、内部中空の樹脂製ケーシング(51)から形成される。ケーシング(51)は、下側が前方に向けて突出し、後端側が上向きに突出している。ケーシング(51)には、図1及び図3等に示すように、被施療者の足先を挿入する左右一対の足先用ユニット(70)(70)と、各足先用ユニット(70)(70)の後端から連続し、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニット(74)(74)が形成されている。足先用ユニット(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)には、凹状の受部(76)(76)が形成されており、受部(76)(76)間には、中央壁(78)が立設されている。足先用ユニット(70)(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)(74)には、受部(76)(76)に被施療者にマッサージを施すマッサージ手段(80)(81)(82)(85)が配備される。
【0028】
マッサージ本体(50)の後端左右には、図4及び図7等に示すように、前記ベース部(20)の第1ローラ部(34)(34)が嵌まる第2レール部(60)(60)が形成されている。第2レール部(60)は、後方に向けて膨らむ方向に湾曲した断面矩形形状であり、後面側に長手方向に沿う幅狭のスリット(61)が形成されている。
【0029】
また、マッサージ本体(50)の前後方向における中央の左右には、前記ベース部(20)の第1レール部(30)に嵌まる第2ローラ部(64)(64)が回動自在に軸支されている。
【0030】
足先用ユニット(70)(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)(74)の側面、底面には、マッサージ手段が配備される。マッサージ手段として、図7に示すように、足先用ユニット(70)(70)の底面に、指圧棒(85)(85)、足先用ユニット(70)(70)の側面及びふくらはぎ用ユニット(74)(74)の側面、底面にエアバッグ(80)(81)(82)を配置している。なお、エアバッグ(80)(81)(82)は、図7にのみ示している。
【0031】
指圧棒(85)は、図7に示すように、足先用ユニット(70)の底面に前後方向に長く開設された長孔(72)から出没可能且つ長孔(72)に沿って前後に移動可能に配備される。
指圧棒(85)の下端には、ケース(86)に収容されたエアバッグ(83)が連結されており、エアバッグ(83)の膨張及び収縮により指圧棒(85)は長孔(72)から出没する。左右の凹状受部(76)(76)の指圧棒(85)(85)に対応する左右のケース(86)間は、接続プレート(87)で連結され、接続プレート(87)の中央部が駆動手段に連繋される。駆動手段は、足先用ユニット(70)の底面に沿って前後に平行に軸支されたネジ軸(88)を、減速機構(89a)を介して中央壁(78)の下側に配備されたモータ(89)により回転可能としたものを例示でき、ネジ軸(88)には、接続プレート(87)に取り付けられたネジ筒(図示せず)が螺合している。モータ(89)を駆動すると、減速機構(89a)を介してネジ軸(88)が回転し、ネジ推力により、接続プレート(87)が前後移動し、指圧棒(85)が長孔(72)に沿って移動する。
【0032】
左右の足先用ユニット(70)(70)及びふくらはぎ用ユニット(74)(74)に配置されたエアバッグ(80)(81)(82)及び指圧棒(85)を出没させるエアバッグ(83)は、夫々配管に接続され、夫々電磁弁(13)を介して、ベース部(20)に配備されたエアポンプ(12)に接続される(図9参照)。
【0033】
本発明のマッサージユニット(10)のすべての動作は、マッサージ本体(50)又はベース部(20)の適所に配置された制御手段(90)により制御される。
制御手段(90)は、図9に示すように、エアバッグ(80)(81)(82)(83)に圧縮空気を送給するエアポンプ(12)、エアバッグ(80)(81)(82)(83)とエアポンプ(12)との間に配備された電磁弁(13)、指圧棒(85)を往復移動させる駆動手段のモータ(89)、被施療者が操作する操作部(91)(図4参照)、及び、以下に説明する各センサ(92)(93)(94)(95)が電気的に接続されており、これらの各制御及び予め設定された各種動作を行なうためのプログラム、マッサージコース等を記憶するメモリや、タイマー等を具える。
【実施例1】
【0034】
マッサージ本体(50)の傾きを検知し、検知された傾きに応じてマッサージ手段の動作を変えるために、マッサージ本体(50)には、マッサージ本体(50)の傾きを検知する傾き検知手段(92)が配備される。傾き検知手段(92)は、マッサージ本体(50)が、図5に示す足先用ユニット(70)がほぼ水平な状態にあり、ふくらはぎ用ユニット(74)がほぼ垂直な状態(以下「起立姿勢」という)、又は、図6に示すように、マッサージ本体(50)が後傾して、足先用ユニット(70)がほぼ垂直な状態にあり、ふくらはぎ用ユニット(74)がほぼ水平な状態(以下「後傾姿勢」という)であるかを検知する。なお、起立姿勢と後傾姿勢の閾値は適宜設定することができる。
【0035】
傾き検知手段(92)として、マッサージ本体(50)が、所定値以上傾いているか否かを検知する一軸式の傾斜センサや、マッサージ本体(50)の傾き角度を検知できる角度センサを例示できる。これらセンサは、傾斜角度に応じて、出力される電圧値が変化する。従って、マッサージ本体(50)の所定値の傾きに対する出力電圧値の大小によって、マッサージ本体(50)が所定値以上傾いたことが検知される。
傾き検知手段(92)は、例えば、図7に示すように、ふくらはぎ用ユニット(74)の後面に配備すればよい。
【0036】
制御手段(90)は、傾き検知手段(92)により検知されたマッサージ本体(50)の傾きに応じて、マッサージコースを変えて、マッサージを施すことができるように予めマッサージコースが記憶されている。
例えば、マッサージ本体(50)が、「起立姿勢」であると検知されると、足裏には、指圧棒(85)が強く当たるため、その指圧力が被施療者に痛く感じられないように、エアバッグ(83)の膨張を少なくして、指圧棒(85)の出没量を小さくし、且つ、ふくらはぎ用ユニット(74)のエアバッグ(81)(82)の膨張を強めるマッサージ(「起立姿勢コース」という)を施す。
逆に、マッサージ本体(50)が、「後傾姿勢」であると検知されると、足裏には、指圧棒(85)が強く当たらないため、足先用ユニット(70)のエアバッグ(80)の膨張を高めて、足先を足先用ユニット(70)にしっかりとホールドした状態でエアバッグ(83)の膨張を高め、指圧棒(85)の突出量を大きくするマッサージを施す(「後傾姿勢コース」という)。後傾姿勢コースでは、さらに、ふくらはぎ用ユニット(74)のエアバッグ(81)(82)の膨張を弱めてもよい。
これにより、マッサージ本体(50)の傾き姿勢に拘わらず、被施療者が不快感や物足りなさを感じることなく、快適且つ効果の高いマッサージを受けることができる。
なお、上記実施例の制御フローは、次の実施例2と共に説明する。
【実施例2】
【0037】
マッサージ本体(50)に被施療者が足を挿入しているか否かを検知し、足が挿入され、マッサージ本体(50)に所定値以上の圧力が作用していることを検知すると、マッサージ本体(50)の不用意な揺動を阻止する。
マッサージ本体(50)には、被施療者が足を挿入しているか否かを判別するために、足検知手段(93)が配備される。足検知手段(93)として、圧力センサ(93a)を例示できる。足検知手段(93)は、足先用ユニット(70)及び/又はふくらはぎ用ユニット(74)に配備することができる。足検知手段(93)として、圧力センサ(93a)を用いた場合には、圧力センサ(93a)は、被施療者がマッサージ本体(50)に足を挿入したときに、足先用ユニット(70)及び/又はふくらはぎ用ユニット(74)の被施療者の足裏(特に「かかと」部分)又はふくらはぎが当たる部分に配備する。
【0038】
足検知手段(93)により被施療者の足がマッサージ本体(50)に挿入され、所定値以上の荷重がマッサージユニットに加えられたことを検知すると、マッサージ本体(50)のベース部(20)に対する揺動を防止するために、ロック手段(96)が配備される。ロック手段(96)は、図4及び図8に示すように、ベース部(20)に配備されたソレノイド(96a)を例示できる。ソレノイド(96a)は、プランジャーが上方に向けて突出可能とし、プランジャーが突出したときに、プランジャーの先端が、マッサージ本体(50)に当接して、揺動を阻止できるようにベース部(20)に配備する。なお、マッサージ本体(50)には、プランジャーの突出によるマッサージ本体(50)の揺動を効果的に阻止するために、マッサージ本体(50)の周面にプランジャーの先端が嵌まる穴(図示せず)を形成しておくことが望ましい。穴は、マッサージ本体(50)がほぼ起立した状態でプランジャーの当たる位置に設けることが望ましく、ソレノイド(96a)作動時のマッサージ本体(50)の角度に拘わらず揺動を阻止できるように、穴は複数設けることがより望ましい。
ロック手段(96)は、圧力センサ(93a)に被施療者の足が当り、圧力センサ(93a)の値が所定値以上となると作動し、マッサージ本体(50)の不用意な揺動は阻止される。
【0039】
上記実施例1及び実施例2の制御フローをまとめて説明する。
図10は、実施例1及び実施例2の制御フローを示すフローチャート図である。
フローチャート図10では、被施療者の操作部(91)の操作により、マッサージが開始されたときに、まず、マッサージ本体(50)の傾きを検知して、傾きに応じてマッサージ手段によるマッサージコースを選択し、次に、被施療者の足が挿入されているか否かを検知して、マッサージ本体(50)の傾動を許容するか阻止するかを決定するようにしている。
【0040】
被施療者が操作部(91)を操作して(ステップ1)、マッサージを開始させると(ステップ2)、制御手段(90)は、傾き検知手段(92)から出力される電圧値Yvを検知する。傾き検知手段(92)の出力電圧値Yvが、所定値、例えば、Cv以上であれば(ステップ3)、マッサージ本体(50)が起立姿勢にあると判断し、マッサージコースを予め設定された「起立姿勢コース」(前述)に設定し、マッサージ手段を駆動させる(ステップ4)。一方、傾き検知手段(92)の出力電圧値Yvが、所定値Cvよりも小さければ(ステップ3)、マッサージ本体(50)が後傾姿勢にあると判断し、マッサージコースを予め設定された「後傾姿勢コース」(前述)に設定し、マッサージ手段を駆動させる(ステップ5)。これにより、マッサージ本体(50)の傾きに応じた所望のマッサージを施すことができる。
【0041】
次に、制御手段(90)は、圧力センサ(93a)の検出値Xvが、所定値、例えばAv(Avは、例えば、マッサージ本体(50)に作用する荷重が10kg以上の場合の電圧値)以上であれば(ステップ6)、被施療者の足がマッサージ本体(50)に挿入されていると判断し、ロック手段(96)を作動させて、マッサージ本体(50)の揺動を阻止する(ステップ7)。一方、圧力センサ(93a)の検出値Xvが、所定値Avよりも小さければ(ステップ6)、マッサージ本体(50)が傾動してもよいと判断し、ロック手段(96)を解除する(ステップ8)。これにより、マッサージ本体(50)の不用意な揺動を阻止することができ、マッサージ本体(50)に足を挿入したまま立ち上がろうとして、マッサージ本該(50)が揺動して、被施療者が不安定な姿勢になることを防止できる。
【0042】
なお、上記フローは、被施療者による操作部(91)の操作(ステップ9)や、マッサージコースの終了、タイマー設定による時間経過により(ステップ10)、停止又は解除することができる。
【実施例3】
【0043】
マッサージ手段の駆動手段に作用する負荷を検知して、駆動手段の停止又は反転のタイミングを変え、オーバーシュート等を防止するようにしたものである。
駆動手段に作用する負荷は、マッサージ手段に作用する負荷、モータ(89)に作用する負荷、減速機構(89a)やネジ軸(88)等に塗布されたグリースの粘性の変動による負荷変動を測定することで検知される。マッサージ手段に作用する負荷は重量センサ(94a)(図7及び図9参照)、モータ(89)に作用する負荷は電流センサ(94b)(図9参照)等の負荷検知手段(94)、グリースの粘性は周囲温度を温度センサ(95)(図7及び図9参照)で測定することにより検知することができる。
【0044】
負荷検知手段(94)として、重量センサ(94a)を用いる場合には、重量センサ(94a)は、図7及び図8に示すように、足先用ユニット(70)の受部(76)の底面に配備することができる。負荷検知手段(94)として、電流センサ(94b)を用いる場合には、電流センサ(94b)は、モータ(89)に流れる電流を検知可能な位置に配備する。
温度センサ(95)は、マッサージユニット(10)の適所に配置することができ、望ましくは、マッサージ本体(50)のケーシング(51)の内部に配置する。
【0045】
重量センサ(94a)、電流センサ(94b)又は温度センサ(95)により、モータ(89)に加わる負荷が予め設定された標準負荷よりも大きいと判断した場合には、慣性で移動する距離が短いので、モータ(89)の停止又は反転のタイミングを遅くすることで、マッサージ手段、例えば指圧棒(85)を所望位置で停止又は反転させることができる。逆に、モータ(89)に加わる負荷が標準負荷よりも小さいと判断した場合には、慣性で移動する距離が長いので、モータ(89)の停止又は反転のタイミングを早くすることで、指圧棒(85)を所望の位置で反転又は停止させ、オーバーシュート等を防止することができる。
【0046】
モータ(89)は、パルス制御モータを例示できる。モータ(89)の回転数は、ホールICでカウントされ、予め設定された標準負荷におけるモータ(89)の停止又は反転のタイミング(リミット位置)を90PLSとし、負荷大の場合のリミット位置を99PLS、負荷小の場合のリミット位置を85PLSとした場合の制御フローを、フローチャート図11及び図12を用いて説明する。なお、各数値は一例であり、また、負荷に対する場合分けも本実施例に限定されるものではない。
【0047】
図11は、重量センサ(94a)を用いた場合のフローチャートを示している。
図に示すように、被施療者が操作部(91)を操作して、マッサージコースを選択すると(ステップ1)、制御手段(90)は、重量センサ(94a)の出力を検知し、該出力が標準負荷よりも大(H)であると判断すると、モータ(89)のリミット位置を99PLSに設定する(ステップ3)。重量センサ(94a)の出力が標準負荷(M)であると判断すると(ステップ4)、モータ(89)のリミット位置を90PLSに設定する(ステップ5)。さらに、重量センサ(94a)の出力が標準負荷よりも小(L)であると判断すると、モータ(89)のリミット位置を85PLSに設定する(ステップ7)。
上記のとおり、重量センサ(94a)の出力に基づいて、モータ(89)のリミット位置を変動させることにより、指圧棒(85)を所望の位置で停止させることができ、オーバーシュート等を防止できる。
【0048】
上記制御フローは、被施療者による操作部(91)の操作や、マッサージコースの終了、タイマー設定による時間経過により(ステップ8)、解除することができる(ステップ10)。なお、モータ(89)を停止させる前に、指圧棒(85)をかかと側等の原点位置まで移動させて、マッサージ停止時に指圧棒(85)が邪魔にならないようにしてもよい(ステップ9)。
なお、重量センサ(94a)を図7のように、かかと部分が当たる位置に配備すれば、被施療者が立ち上がって、該センサ(94a)が所定値以上の重量を検知した際、ロック手段(96)を動作させ、マッサージ本体(50)の揺動を阻止して、被施療者が不安定な姿勢になることを防止することもできる。
【0049】
電流センサ(94b)を負荷検知手段(94)として用いた場合も、標準負荷に対する電流値を予め設定しておき、上記と同様の制御を行えばよい。
【0050】
温度センサ(95)を用いた場合のフローチャート図を図12に示している。
図に示すように、被施療者が操作部(91)を操作して、マッサージコースを選択すると(ステップ1)、制御手段(90)は、温度センサ(95)により検知された温度に基づいて、該温度が常温(例えば15℃〜25℃)よりも高いと(サーミスタH)、グリースの粘性が低いため、モータ(89)が指圧棒(85)を作動させる際の負荷は小さいと判断し、モータ(89)のリミット位置を85PLSに設定する(ステップ3)。検知された温度が常温(サーミスタM)であると判断すると(ステップ4)、モータ(89)のリミット位置を90PLSに設定する(ステップ5)。さらに、検知された温度が常温よりも低いと(サーミスタL)、グリースの粘性が高いため、モータ(89)が指圧棒(85)を作動させる際の負荷は大きいと判断し、モータ(89)のリミット位置を99PLSに設定する(ステップ7)。
上記のとおり、温度センサ(95)により検知された温度に基づいて、モータ(89)のリミット位置を変動させることにより、指圧棒(85)を所望の位置で停止させることができ、オーバーシュート等を防止できる。
【0051】
上記制御フローも同様に、被施療者による操作部(91)の操作や、マッサージコースの終了、タイマー設定による時間経過により(ステップ8)、解除することができる(ステップ10)。なお、モータ(89)を停止させる前に、指圧棒(85)をかかと側等の原点位置まで移動させて、マッサージ停止時に指圧棒(85)が邪魔にならないようにしてもよい(ステップ9)。また、温度センサ(95)の不具合等により、温度が測定できない場合には、サーミスタエラーとして(ステップ11)、マッサージユニット(10)のすべての動作を停止させるようにしてもよい(ステップ12)。
【0052】
実施例3に挙げたマッサージユニット(10)の制御は、上記足用のマッサージユニットに限定されず、椅子型のマッサージ機の背凭れに配備されるマッサージユニットの上下移動における制御等にも適用することができる。
【0053】
実施例2の圧力センサ(93a)や、実施例3の重量センサ(94a)は、マッサージ本体(50)の傾きにより、その出力値が変化するので、このことを利用して、実施例1の傾き検知手段(92)として利用することもできる。すなわち、これらセンサ(93a)(94a)をかかと部分に対応する位置に設けた場合、起立姿勢に比べて後傾姿勢では、センサ(93a)(94a)の出力値が小さくなるため、マッサージ本体(50)が後方に傾いて、後傾姿勢であることを検知できる。また、これらセンサ(93a)(94a)をふくらはぎ部分に対応する位置に設けた場合、起立姿勢に比べて後傾姿勢では出力値が大きくなるから、マッサージ本体(50)が後傾姿勢であることを検知できる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、足先用ユニット及びふくらはぎ用ユニットが形成されたマッサージ本体を、ベース部に対して揺動させることのできるマッサージユニットとして特に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の足用マッサージユニットを斜め前方から見た斜視図である。
【図2】足用マッサージユニットを斜め後方から見た斜視図である。
【図3】図1の線X−Xに沿う断面図である。
【図4】ベース部からマッサージ本体を取り外した状態を示す斜視図である。
【図5】図1の線Y−Yに沿う断面図であって、マッサージ本体が起立した状態を示している。
【図6】図1の線Y−Yに沿う断面図であって、マッサージ本体が後傾した状態を示している。
【図7】図1の線Z−Zに沿う断面図であって、マッサージ本体が起立した状態を示している。
【図8】図1の線Z−Zに沿う断面図であって、マッサージ本体が後傾した状態を示している。
【図9】本発明のマッサージユニットの制御手段のブロック図である。
【図10】本発明の実施例1及び実施例2のフローチャート図である。
【図11】本発明の実施例3のフローチャート図であり、負荷検知手段として重量センサを用いた制御フローを示している。
【図12】本発明の実施例3のフローチャート図であり、温度センサを用いた制御フローを示している。
【符号の説明】
【0056】
(10) マッサージユニット
(70) 足先用ユニット
(74) ふくらはぎ用ユニット
(90) 制御手段
(92) 傾き検知手段
(93) 足検知手段
(94) 負荷検知手段
(95) 温度センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットとを一体に形成し、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体を、床面に載置されるベース部に前後に揺動可能に配備してなり、
マッサージ手段の動作は、マッサージ本体又はベース部の何れかに配置された制御手段によって制御されるマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体の傾きを検知する傾き検知手段を具え、
制御手段は、傾き検知手段により検知されたマッサージ本体の傾きに基づいて、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの各マッサージ手段の動作を制御するようにしたことを特徴とするマッサージユニット。
【請求項2】
傾き検知手段は、マッサージ本体が、マッサージ本体がベース部に対して起立側又は後傾側に揺動したことを検知する請求項1に記載のマッサージユニット。
【請求項3】
被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットとを一体に形成し、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体を、床面に載置されるベース部に前後に揺動可能に配備してなり、
マッサージ手段の動作は、マッサージ本体又はベース部の何れかに配置された制御手段によって制御されるマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体に被施療者が足を挿入しているか否かを判断する足検知手段と、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止するよう作動可能なロック手段と、を具え、
制御手段は、足検知手段によりマッサージ本体に被施療者の足が挿入されていることを検知すると、ロック手段を作動させ、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止するようにしたことを特徴とするマッサージユニット。
【請求項4】
被施療者にマッサージを施すマッサージ手段と、該マッサージ手段を被施療者の患部に沿って往復移動させる駆動手段と、マッサージ手段及び駆動手段を制御すると共に、駆動手段の動作に基づいて、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる制御手段と、を具えたマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ手段に作用する負荷又は駆動手段に作用する負荷を検知する負荷検知手段を具え、
制御手段は、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる際に、負荷検知手段により検知された負荷に基づいて、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを変えるようにしたことを特徴とするマッサージユニット。
【請求項5】
制御手段は、負荷検知手段により検知された負荷が大きい場合には、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを遅くし、負荷検知手段により検知された負荷が小さい場合には、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを早くするようにした請求項4に記載のマッサージユニット。
【請求項6】
被施療者にマッサージを施すマッサージ手段と、該マッサージ手段を被施療者の患部に沿って往復移動させる駆動手段と、マッサージ手段及び駆動手段を制御すると共に、駆動手段の動作に基づいて、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる制御手段と、を具えたマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、周囲温度を検知する温度センサを具え、
制御手段は、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる際に、温度センサにより検知された周囲温度に基づいて、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを変えるようにしたことを特徴とするマッサージユニット。
【請求項7】
制御手段は、温度センサにより検知された周囲温度が低い場合には、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを遅くし、温度センサにより検知された周囲温度が高い場合には、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを早くするようにした請求項6に記載のマッサージユニット。
【請求項8】
駆動手段は、停止及び反転のタイミングがパルス制御により制御される請求項4乃至請求項7の何れかに記載のマッサージユニット。
【請求項1】
被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットとを一体に形成し、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体を、床面に載置されるベース部に前後に揺動可能に配備してなり、
マッサージ手段の動作は、マッサージ本体又はベース部の何れかに配置された制御手段によって制御されるマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体の傾きを検知する傾き検知手段を具え、
制御手段は、傾き検知手段により検知されたマッサージ本体の傾きに基づいて、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの各マッサージ手段の動作を制御するようにしたことを特徴とするマッサージユニット。
【請求項2】
傾き検知手段は、マッサージ本体が、マッサージ本体がベース部に対して起立側又は後傾側に揺動したことを検知する請求項1に記載のマッサージユニット。
【請求項3】
被施療者の足先を挿入する足先用ユニットと、被施療者のふくらはぎを挿入するふくらはぎ用ユニットとを一体に形成し、足先用ユニットとふくらはぎ用ユニットの夫々にマッサージ手段を配備したマッサージ本体を、床面に載置されるベース部に前後に揺動可能に配備してなり、
マッサージ手段の動作は、マッサージ本体又はベース部の何れかに配置された制御手段によって制御されるマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体に被施療者が足を挿入しているか否かを判断する足検知手段と、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止するよう作動可能なロック手段と、を具え、
制御手段は、足検知手段によりマッサージ本体に被施療者の足が挿入されていることを検知すると、ロック手段を作動させ、マッサージ本体のベース部に対する揺動を阻止するようにしたことを特徴とするマッサージユニット。
【請求項4】
被施療者にマッサージを施すマッサージ手段と、該マッサージ手段を被施療者の患部に沿って往復移動させる駆動手段と、マッサージ手段及び駆動手段を制御すると共に、駆動手段の動作に基づいて、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる制御手段と、を具えたマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、マッサージ手段に作用する負荷又は駆動手段に作用する負荷を検知する負荷検知手段を具え、
制御手段は、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる際に、負荷検知手段により検知された負荷に基づいて、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを変えるようにしたことを特徴とするマッサージユニット。
【請求項5】
制御手段は、負荷検知手段により検知された負荷が大きい場合には、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを遅くし、負荷検知手段により検知された負荷が小さい場合には、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを早くするようにした請求項4に記載のマッサージユニット。
【請求項6】
被施療者にマッサージを施すマッサージ手段と、該マッサージ手段を被施療者の患部に沿って往復移動させる駆動手段と、マッサージ手段及び駆動手段を制御すると共に、駆動手段の動作に基づいて、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる制御手段と、を具えたマッサージユニットにおいて、
制御手段に電気的に接続され、周囲温度を検知する温度センサを具え、
制御手段は、マッサージ手段を所望の位置で停止又は反転移動させる際に、温度センサにより検知された周囲温度に基づいて、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを変えるようにしたことを特徴とするマッサージユニット。
【請求項7】
制御手段は、温度センサにより検知された周囲温度が低い場合には、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを遅くし、温度センサにより検知された周囲温度が高い場合には、駆動手段を停止又は反転移動させるタイミングを早くするようにした請求項6に記載のマッサージユニット。
【請求項8】
駆動手段は、停止及び反転のタイミングがパルス制御により制御される請求項4乃至請求項7の何れかに記載のマッサージユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−161437(P2008−161437A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354312(P2006−354312)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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