説明

マッサージ機

【課題】施療子の施療者への過剰な挟み付けを防止して安全性を確保すると共に、施療子ユニットと幅送りナットとの間での異音や振動の発生の恐れも回避する。
【解決手段】施療子1aを備えた施療子ユニット1を左右方向に移動自在に配置する。左右に長い幅駆動軸3を設けると共に幅駆動軸3の外周に雄ネジ3aを刻設する。施療子ユニット1に設けた幅送りナット2を上記幅駆動軸3の雄ネジ3aに螺合する。幅駆動軸3の回転駆動にて幅駆動軸3の軸方向に螺進する幅送りナット2に従動させて施療子ユニット1を幅駆動軸3の軸方向に移動可能にしたマッサージ機である。幅駆動軸3を回転駆動させた際に、施療子1aに幅駆動軸3の軸方向にあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷が作用したときに、施療子ユニット1が幅送りナット2に従動しなくなる過負荷回避手段を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施療子の駆動によって施療動作を行わせるマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
施療子の駆動によって施療動作を行わせる従来のマッサージ機には、施療子1aを幅方向に駆動させて施療者に左右から挟み込むようにして施療者をマッサージするものがある(特許文献1参照)。このようなマッサージ機は、具体的には図19のように、施療子1aを備えたそれぞれの施療子ユニット1を左右に並設すると共に左右方向に移動自在に配置し、左右に長い幅駆動軸3を設けると共に幅駆動軸3の外周に左右で逆ネジ状の雄ネジ3aをそれぞれ刻設し、各施療子ユニット1に設けた幅送りナット2を上記幅駆動軸3の各雄ネジ3aにそれぞれ螺合し、幅駆動軸3の回転駆動にて近接・離間するように螺進する各雄ネジ3aに従動させて各施療子ユニット1を近接・離間可能にさせており、そして、一対の施療子1aの近接距離を狭めて施療者を左右から挟持する際の挟持力を緩和させるために、図20のように、施療子ユニット1に設けた幅送りナット収納部4内に幅送りナット2を幅駆動軸3の軸方向に弾性変形するコイルバネ31を介装して収納することが行われている。
【0003】
しかしながら、上記幅送りナット2と施療子ユニット1との間にコイルバネ31を介装する機構にあっては、幅駆動軸3を回転駆動させて幅送りナット2を螺進させていきコイルバネ31を最大限に収縮させた後には、幅送りナット2に施療子ユニット1が従動するようになって、施療子1aが過剰な挟持力で施療者を挟持してしまうことを回避できない、という問題があった。
【0004】
また、近接する施療子1aが施療者を挟持する際には、施療子1aには施療者から上記挟持力の反力である外力負荷が作用するのであって、この外力負荷は施療子ユニット1を伝播して幅送りナット2との間に作用し、コイルバネ31を収縮させて施療子ユニット1に対して幅送りナット2が幅駆動軸3の軸方向へ位置ズレを生じさせる。この施療子ユニット1と幅送りナット2との間に外力負荷が作用している状態で両者が位置ズレをする際には摺れによる異音や振動が発生する恐れがあるという問題があった。更に、この位置ズレの際に施療子ユニット1と幅送りナット2との間に上記のようにコイルバネのような伸縮可能な部材が介在していると、この伸縮可能な部材によってスティックスリップ現象(ビビリ現象)による異音や振動も発生するという問題もあった。
【特許文献1】特開2004−16525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の従来の問題点に鑑みて為したものであって、施療子の施療者への過剰な挟み付けを防止して安全性を確保できると共に、施療子ユニットと幅送りナットとの間での異音や振動の発生の恐れも回避できるマッサージ機を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明のマッサージ機は、施療子1aを備えた施療子ユニット1を左右方向に移動自在に配置し、左右に長い幅駆動軸3を設けると共に幅駆動軸3の外周に雄ネジ3aを刻設し、施療子ユニット1に設けた幅送りナット2を上記幅駆動軸3の雄ネジ3aに螺合し、幅駆動軸3の回転駆動にて幅駆動軸3の軸方向に螺進する幅送りナット2に従動させて施療子ユニット1を幅駆動軸3の軸方向に移動可能にしたマッサージ機であって、幅駆動軸3を回転駆動させた際に、施療子1aに幅駆動軸3の軸方向にあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷が作用したときに、施療子ユニット1が幅送りナット2に従動しなくなる過負荷回避手段を有したことを特徴とする。
【0007】
これによると、過負荷回避手段によって、施療子1aが施療者を左右方向から挟むように押圧しようとする際に、施療子1aに幅駆動軸3の軸方向にあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷が作用した場合には、施療子ユニット1を幅送りナット2に従動させないようにできるから、過負荷回避手段が機能した時点で施療子1aがそれ以上施療者を押圧するように幅駆動軸3の軸方向に移動することを無くし、つまり施療子1aの施療者への過剰な挟み付けを防止できるのであって、マッサージ機の安全性が確保される、という利点を有する。また、施療子1aが施療者を挟むように押圧している状態でも、あらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷が幅駆動軸3の軸方向に向けて施療子1aに作用しない限り、通常通りに施療子ユニット1は幅送りナット2に従動されて施療子1aを幅駆動軸3の軸方向(左右方向)に移動させるのであり、つまり、従来技術のように施療子1aが施療者を挟むように押圧して施療子1aにかかる外力負荷が施療子ユニット1と幅送りナット2との間に作用している状態で幅送りナット2が施療子ユニット1に対して幅駆動軸3の軸方向に位置ズレするといった状況を回避できるのであり、スティックスリップ現象(ビビリ現象)は勿論のこと、施療子ユニット1と幅送りナット2との間での異音や振動の発生の恐れも回避できる、といった利点を有する。
【0008】
また、施療子ユニット1に設けた幅送りナット収納部4に幅送りナット2を回転不能にした状態で且つ交換可能なストッパ材5を用いて幅駆動軸3の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナット2に対して施療子ユニット1を従動可能にし、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって上記ストッパ材5を破損させて幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への移動を可能にしたことで、上記過負荷回避手段を構成することも好ましい。
【0009】
また、施療子ユニット1に設けた幅送りナット収納部4に幅送りナット2を回転不能にした状態で且つストッパ材5を用いて幅駆動軸3の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナット2に対して施療子ユニット1を従動可能にし、上記ストッパ材5を超弾性金属材で構成すると共に、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によってストッパ材5を弾性変形させて幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への移動を可能にしたことで、上記過負荷回避手段を構成することも好ましい。
【0010】
また、施療子ユニット1に幅送りナット2を収納する幅送りナット収納部4を設け、幅送りナット2の外周と幅送りナット収納部4の内周との間に両者を係合させる回転規制部6を設け、この回転規制部6によって幅送りナット2を回転不能にして幅送りナット収納部4に収納することで、幅送りナット2に対して施療子ユニット1を従動可能にし、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって回転規制部6の係合状態を解除して幅送りナット2を幅送りナット収納部4内で回転可能にさせたことで、上記過負荷回避手段を構成することも好ましい。
【0011】
また、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷を検出する検知部を有すると共に、施療子ユニット1に設けた幅送りナット収納部4に給排気により膨縮可能なエアバッグ7を内装し、この幅送りナット収納部4に幅送りナット2を回転不能にした状態で且つ膨張させたエアバッグ7で幅駆動軸3の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナット2に対して施療子ユニット1を従動可能にし、検知部の検出時にエアバッグ7を収縮させて幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への移動を可能にしたことで、上記過負荷回避手段を構成することも好ましい。
【0012】
また、施療子ユニット1に幅送りナット2を収納する幅送りナット収納部4を設け、幅送りナット2と幅送りナット収納部4との対向面に磁着部8を設け、この幅送りナット収納部4に幅送りナット2を回転不能にした状態で且つ磁着部8の磁着によって幅駆動軸3の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナット2に対して施療子ユニット1を従動可能にし、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって磁着部8の磁着状態を解除して幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への移動を可能にしたことで、上記過負荷回避手段を構成することも好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、施療子の施療者への過剰な挟み付けを防止して安全性を確保できると共に、施療子ユニットと幅送りナットとの間での異音や振動の発生を防止できる、という利点を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明すると、図3に示すものは本発明に係るマッサージ機における機構ユニットで、この機構ユニットはたとえば図6に示す椅子9の背もたれ90内に配されて背もたれ90内を上下に自走するものであり、フレームを構成する左右の側板91,91間には上下駆動軸51と強弱駆動軸61と幅駆動軸3とが架設されており、また図3に示すところの可動ユニットが両側板91,91間に配設されている。
【0015】
上記の上下駆動軸51は、側板91に設置した上下駆動用モータ50により回転駆動され、背もたれ90内で機構ユニットを上下動させる。また、強弱駆動軸61は側板91に設置した強弱駆動用モータ60にて回転駆動され、可動ユニットを回転させる。可動ユニットは、幅駆動軸3に軸支した左右一対のギアプレート30,30を有し、これらの間に2本のスライドガイド軸32,32及びたたき駆動軸41を架設するとともに、左右一対の施療子ユニット1,1(図3及び図4では一方の施療子ユニット1のみを示している)を取り付けている。幅駆動軸3は、側板91に取り付けた幅駆動用モータ35によって回転駆動される。可動ユニットにおける一方のギアプレート30上にはたたき駆動用のモータ40が設置され、上記たたき駆動軸41を回転駆動させる。なお、たたき駆動軸41は左右で偏心方向が異なるクランク軸として形成され、後述する施療子1a,1bにたたき動作を行わせる。
【0016】
施療子ユニット1は、図5に示すように、施療子支持部材としてのアームベースプレート10と、たたき板11、施療子アーム12、第1アーム13、第2アーム14、ローラ型の2つの施療子1a,1b等からなるもので、アームベースプレート10は上記幅駆動軸3の外面に刻設された雄ネジ3aに螺合する幅送りナット2と、上記スライドガイド軸32,32にスライド自在に嵌合するスライドガイド軸用軸受部34,34とを備えて、幅駆動軸3の回転によって幅駆動軸3及びスライドガイド軸32の軸方向位置を変化させるものであり、また、幅駆動軸3に形成された雄ネジ3aは、片側が逆ねじで形成されていることから、左右一対の施療子ユニット1における各アームベースプレート10,10は、幅駆動軸3の回転によって、互いに接近したり離れたりするものである。なお、詳しくは幅送りナット2はアームベースプレート10に設けた函状の幅送りナット収納部4に収納されることでアームベースプレート10に設けられるが、この構成については後に詳述する。
【0017】
上記たたき板11はアームベースプレート10に軸着され、たたき板11に施療子アーム12と第2アーム14とが軸100によって軸着され、施療子アーム12に第1アーム13が軸101によって軸着されている。また、たたき板11に設けた軸102と、クランク軸である前記たたき駆動軸41とがリンク45によって連結されている。
【0018】
さらに2つの施療子1a,1bのうちの主施療子である施療子1aが先端部に取り付けられた第1アーム13と、副施療子である施療子1bが先端部に取り付けられた第2アーム14とが連動リンク15によって結合されている。また、アームベースプレート10と施療子アーム12から突出させた突片121とが揺動連動リンク19,18によって連結されている。尚、対をなす他方の施療子ユニット1は図示の施療子ユニット1の対称形となっている。
【0019】
上下に並ぶ一対の施療子1a,1bに掴み動作を行わせる掴み駆動部は、エアによって伸縮動作を行うアクチュエータA1で構成されており、一対の受け板20,20と両受け板20,20間に配されたエアバッグとからなるアクチュエータA1は、一方の受け板20が上記連動リンク18に、エアバッグカバーを備えた他方の受け板20が第2アーム14の先端部から突出させた突片141に夫々連結されて配設されている。連動リンク18と突片141とを連結しているリニアスライドレール17は、アクチュエータA1を伸張させた時にエアバッグが座屈してしまうことを防ぐためのものである。
【0020】
また、施療子ユニット1は、アクチュエータA1と同じく一対の受け板20,20と両受け板20,20間に配されたエアバッグとから構成されてエアによって伸縮動作を行うアクチュエータA2を備えている。このアクチュエータA2は、一方の受け板20が前記たたき駆動用のリンク45上に固定され、他方の受け板20が前記軸102によって回動自在に支持されたレバー16に取り付けられている。なお、図3中の95は上記アクチュエータA1,A2を作動させるためのエアポンプや電磁弁を納めたエア駆動ユニットである。
【0021】
なお、第1アーム13を備えた施療子アーム12と第2アーム14との揺動自在な範囲の最大値は、施療子アーム12に設けたストッパ120によって定めており、また第2アーム14の施療子アーム12に対する回動範囲は、ストッパ140によって定めている。さらに、第2アーム14と施療子アーム12との間にはねじりコイルばね(図示せず)を配して、施療子1a,1bの間隔が広くなる方向に付勢している。
【0022】
以上のように構成された機構ユニットを備えたマッサージ機は、上下駆動用モータ50の駆動によると上下駆動軸51を介して機構ユニット、ひいては施療子1a,1bの上下位置を変更できる。また、強弱駆動用モータ60の駆動により強弱駆動軸61を介して可動ユニットが幅駆動軸3を中心に回動し、施療子1aの背もたれ前方への突出量の大小を変化させて施療者への施療子1aの押し込みの強弱を変化できる。なお、アクチュエータA2は施療子アーム12をばね付勢しており、施療子1aの施療者への押し込みによって施療子1aに大きな荷重がかかった時にはアクチュエータA2が縮むようにされ、つまり、
施療子1aの施療者への過剰な押し込みを回避していてマッサージ機の安全性が確保されている。また、幅駆動用モータ35の駆動により幅駆動軸3を回転させて、左右一対の施療子ユニット1,1を幅方向(左右方向)において近接離間させて、施療子1a,1bで施療者を挟持できる。更にこのマッサージ機は、上記3つのモータ50,60,35による上記各動作を組み合わせることで、いわゆる揉みマッサージを実現している。また、たたき駆動用のモータ40の駆動により施療子1a,1bを前後に細かく動かしてたたきマッサージを実現している。また、アクチュエータA1により施療子1a,1bを近接離間させて掴みマッサージを実現している。
【0023】
ところで本発明は、左右一対の施療子1aが施療者を左右から挟持する際に、施療子ユニット1と幅送りナット2との間での異音や振動の発生を回避して使用感を高めると共に、過剰な挟み付けを回避して安全性を高める技術に関するものであり、具体的には、幅駆動軸3を回転駆動させた際に施療子1aに対して幅駆動軸3の軸方向にあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷が作用したときに、施療子ユニット1が幅送りナット2に従動しなくなる過負荷回避手段を有しており、以下、この過負荷回避手段を備えた幅送りナット2の幅送りナット収納部4への収納構造について詳述する。
【0024】
図1に示すように、アームベースプレート10の左右方向の中央側に幅送りナット収納部4が設けてある。幅送りナット収納部4は有底筒状部46の一端部の開口をアームベースプレート10で蓋をするように一体化することで構成されている。有底筒状部46の底面46aと対向するアームベースプレート10の部分とには幅駆動軸3が挿通する軸挿通孔21が設けてある。本例の有底筒状部46の底面46aには上記軸挿通孔21よりも大きい通孔22が形成されていて軸挿通孔21を内在している。幅送りナット2や幅送りナット収納部4は断面非円形(本例では矩形状)であり、幅送りナット2は有底筒状部46内に回転不能にして収納される。本例の幅送りナット2は、上記通孔22に挿通可能な主体部2aを有し、この主体部2aのアームベースプレート10側の端部に径外方向に突出するフランジ部2bが設けられていて、フランジ部2bの外面が有底筒状部46の内面に嵌ることで有底筒状部46内で回転不能に収納されている。また、幅送りナット収納部4は幅送りナット2の軸方向の長さ寸法よりも長く形成されているが、上記通孔22を軸挿通孔21を残して塞ぐように有底筒状部46の底面46a内側に沿わせて配置した板状のストッパ材5によって、幅送りナット2は幅駆動軸3の軸方向に移動不能にされた状態で収納される。なお、本例ではストッパ材5は有底筒状部46の側面に設けたスリット23から交換可能にされている。すなわち、幅送りナット2は幅送りナット収納部4に幅駆動軸3の軸周りに回転不能な状態で且つ幅駆動軸3の軸方向に移動不能な状態(つまり固定された状態)で収納されているので、幅駆動軸3を回転駆動させた際には幅送りナット2は幅駆動軸3の軸方向に螺進し、これに従動して施療子ユニット1が幅駆動軸3の軸方向に移動するようになっている(つまり、施療子ユニット1が幅送りナット2に従動する状態とは、幅駆動軸3の回転に応じて施療子ユニット1が幅駆動軸3の軸方向に移動する状態をいう)。
【0025】
上記構成の幅送りナット2の幅送りナット収納部4への収納構造にあっては、施療者を左右から挟持するべく左右の施療子1aが近接するように移動している場合で、施療子1aが施療者を挟み込んでいるときには、施療子1aには上記挟み込みの反力である外力負荷が施療子1aを離間させる方向に作用するのであり、この施療子1aに作用する施療子1aを離間させる方向の外力負荷は施療子ユニット1の通孔22の縁部にまで伝播し、施療子1aを近接させるべく螺進する幅送りナット2の通孔22側の端面と上記施療子ユニット1の通孔22の縁部との間でストッパ材5に対してせん断力として負荷される。左右の施療子1aが近接すればするほど施療者を強く挟持することとなるので、施療子1aに作用する外力負荷も大きくなり、これに応じてストッパ材5に作用するせん断力も大きくなる。
【0026】
ここで、本例のストッパ材5は、図2のように、施療子1aが施療者を過剰な挟持力で挟み付けてしまう時点までには、わざと破損されるようにしてある。具体的には、施療子1aの挟み込みによっても施療者の安全を確保できる程度の過負荷値をあらかじめ設定しておき、施療子1aに作用した外力負荷が上記過負荷値以上の大きさになった場合には、上記せん断力によって破損されるストッパ材5を採用しているのである。ストッパ材5が破損して通孔22を開放状態にすることで、幅送りナット2の主体部2aが上記開放状態の通孔22から有底筒状部46の外方へ飛び出ることが可能になり、つまり幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への相対移動が可能になる。幅送りナット2はフランジ部2bが有底筒状部46の底面46aに係止するまで主体部2aを通孔22から飛び出させるようにして幅駆動軸3の軸方向への移動が可能にされている。すなわち、本例の過負荷回避手段は、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって上記交換可能なストッパ材5を破損させて幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への移動を可能にしたことで、構成されているのである。上記幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への移動が可能な状態は、いわゆる施療子ユニット1が幅送りナット2に従動しない状態(幅駆動軸3を回転駆動させても、それに応じて施療子ユニット1が幅駆動軸3の軸方向に移動しない状態)である。
【0027】
このような過負荷回避手段が採用されたことで、施療子1aが施療者を過剰な挟持力で挟み込んでしまう前段階で施療子ユニット1を幅送りナット2に従動しないようにでき、過負荷回避手段が機能した時点で施療子1aがそれ以上施療者を挟み付けるように幅駆動軸3の軸方向に移動することが無くなり、つまり施療子1aが過剰な挟持力で施療者を挟持してしまうことを防止できるのであって、マッサージ機の安全性が確保されているのである。
【0028】
しかも、この過負荷回避手段によると、過負荷回避手段が機能しないまでは施療子ユニット1は通常通りに幅送りナット2に従動されて幅駆動軸3の軸方向(左右方向)に移動していくのであり、つまり、従来技術のように施療子1aが施療者を挟むように押圧して施療子1aからの外力負荷が施療子ユニット1と幅送りナット2との間に作用している状態で幅送りナット2が施療子ユニット1に対して幅駆動軸3の軸方向に位置ズレするといった状況を回避できるのであり、したがって、施療子ユニット1と幅送りナット2との間では摺れによる異音や振動の発生の恐れも回避されているのである。
【0029】
無論、施療子ユニット1と幅送りナット2との間にはこれらの間に作用する外力負荷によって伸縮する部材(たとえば従来のコイルバネ31)が存在せず、この伸縮する部材に起因するスティックスリップ現象(ビビリ現象)による異音や振動の発生の恐れも回避されている。
【0030】
なお、本例では、過負荷回避手段が機能するとストッパ材5が破損されて使用不可になるが、幅送りナット収納部4にスリット23を設けてその交換を容易にしてあり、過負荷回避手段の機能後のマッサージ機の補修も容易である。
【0031】
以下、本発明の実施の形態の他例を列挙する。ここで、列挙する他例は、幅送りナット2の幅送りナット収納部4への収納構造、過負荷回避手段につき相違する。しかして、先例同様の構成部分については同符号を付して説明を省き、異なる部分について説明していく。
【0032】
図7に示す例は、過負荷回避手段が、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によってストッパ材5を弾性変形させて幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への移動を可能にしたことで、構成されている。つまり、先例の施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって破損するストッパ材5に代えて、上記外力負荷によって弾性変形するストッパ材5が採用されている。詳しくは、本例のストッパ材5は、ある特定の温度域で負荷(応力)によって変形しても除荷すると原形にもどる金属である超弾性金属によって形成されており、ストッパ材5の通孔22を塞ぐように位置した部分が通孔22を開放するように外方に折れ曲がるように変形するのであって、これによって幅送りナット2の主体部2aが上記開放状態の通孔22から有底筒状部46の外方へ飛び出ることが可能になり、つまり幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への相対移動を可能にさせているのである。
【0033】
この過負荷回避手段を採用したことで、先例と同様に、施療子1aの施療者への過剰な挟み付けを防止して安全性を確保すると共に、施療子ユニット1と幅送りナット2との間での異音や振動の発生の恐れを回避できる利点を備えるのは勿論のこと、弾性変形したストッパ材5は除荷されると復元して過負荷回避手段が再び機能し得る状態にできるので、先例のようにストッパ材5の交換も必要なく、過負荷回避手段の機能後におけるマッサージ機の再使用も容易にされている。
【0034】
なお、ストッパ材5を幅送りナット収納部4に収納するには先例と同様にスリット23を通して容易に行うことが可能とされており、また、ストッパ材5の構成材としては上記のように超弾性金属を用いるのが好ましいが、この他にも形状記憶金属やSMA(sharp memory alloy)等を好適に用いることができる。
【0035】
図8乃至図11に示す例は、幅送りナット2の幅送りナット収納部4への収納構造が、幅送りナット2の外周と幅送りナット収納部4の内周との間に両者を係合させる回転規制部6を設け、この回転規制部6によって幅送りナット2を回転不能にして幅送りナット収納部4に収納することで、幅送りナット2に対して施療子ユニット1を従動可能にしてあり、そして、過負荷回避手段が、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって回転規制部6の係合状態を解除して幅送りナット2を幅送りナット収納部4内で回転可能にさせたことで、構成されている。
【0036】
詳しくは、幅送りナット2は、図9(a)(b)のように、軸廻りの4面の外面にそれぞれ外方に突出するようにトグルバネなどの弾性体24で付勢された可動羽25が各外面に対して起倒自在に設けられており、幅送りナット2を幅送りナット収納部4に収納した際には、図10や図11(a)のように、各可動羽25の突出先端が幅送りナット収納部4の内面に弾接して係合することで、幅送りナット2を回転不能にして幅送りナット収納部4に収納される。つまり、可動羽25が上記回転規制部6を構成している。幅送りナット2が幅送りナット収納部4に回転不能に収納された状態はいわゆる幅送りナット2に対して施療子ユニット1が従動する状態である。つまり、幅駆動軸3が回転駆動されると、幅送りナット2が幅駆動軸3の雄ネジ3aに螺進することで幅駆動軸3の軸方向に移動していくのであり、この移動する幅送りナット2が幅送りナット収納部4における幅駆動軸3の軸方向の端部を押圧することで、幅送りナット2と共に施療子ユニット1が移動するのである。
【0037】
施療者を左右から挟持するべく左右の施療子1aが近接するように移動している場合で、施療子1aが施療者を挟み込んでいるときには、施療子1aには上記挟み込みの反力である外力負荷が施療子1aを離間させる方向に作用するのであり、この施療子1aに作用する施療子1aを離間させる方向の外力負荷は、施療子ユニット1の内面と施療子1aを近接させるべく螺進する幅送りナット2の外面との間に負荷される。具体的に、上記施療子1aに作用する外力負荷は可動羽25を弾性体24の付勢に抗って倒すような力として負荷するのであり、この力が弾性体24の付勢力以上の場合には図11(b)のように可動羽25が倒れて可動羽25の幅送りナット収納部4の内面への係合(回転規制部6の係合)が解除されて、幅送りナット2が幅送りナット収納部4内で回転可能な状態となる。この状態は、幅送りナット2が幅駆動軸3の雄ネジ3aに螺進して幅駆動軸3の軸方向に移動せず、幅駆動軸3の軸方向に位置を変えずにその場で幅駆動軸3と供廻りをする状態であり、いわゆる施療子ユニット1が幅送りナット2に従動しない状態である。
【0038】
そして本例の過負荷回避手段としては、具体的に、施療子1aの挟持によっても施療者の安全を確保できる程度の過負荷値をあらかじめ設定しておき、上記施療子1aに作用した外力負荷が過負荷値以上の大きさになった場合に、可動羽25を付勢する弾性体24が弾性変形をして可動羽25が倒れて可動羽25の幅送りナット収納部4の内面への係合(回転規制部6の係合)を解除させ、施療子ユニット1を幅送りナット2に従動しない状態にすることで、施療子1aのそれ以上の施療者への挟持を防止しているのである。
【0039】
本例においても、先例と同様に、施療子1aの施療者への過剰な挟み付けを防止して安全性を確保すると共に、施療子ユニット1と幅送りナット2との間での異音や振動の発生の恐れも回避できる利点を備えることができたものである。また、施療子1aに作用する外力負荷が弱まった場合には上記弾性体24の付勢によって可動羽25が再び起立して回転規制部6が係合状態に戻り、つまり過負荷回避手段が再び機能し得る状態にできるので、過負荷回避手段の機能後におけるマッサージ機の再使用も容易にされているという利点も有する。
【0040】
また、本例では、幅送りナット収納部4における幅駆動軸3の軸方向への長さ寸法が幅送りナット2よりも長く形成されており、幅送りナット収納部4に幅送りナット2を収納した際に幅駆動軸3の軸方向の一方に逃げスペース26を設けている。過負荷回避手段が機能して幅送りナット2が幅送りナット収納部4内で空回転するようになっても施療子ユニット1は過負荷回避手段が機能した時点の場所に位置したままであるが、逃げスペース26があると、この後に施療者が施療子1aを手で押し広げるようにすれば、逃げスペース26に幅送りナット2を位置させるように施療子ユニット1をずらすことができ、過負荷回避手段が機能した時点の施療子1aから施療者を素早く逃すことができて、安全性を高めることができる。
【0041】
なお、上記例では回動規制部6を構成する可動羽25を幅送りナット2の外周に設けたが、図12のように幅送りナット収納部4の内周に設けても良い。詳しくは、可動羽25は幅送りナット収納部4の内周の4面に設けた逃し開口33を開閉するように設けられると共に、弾性体24によって逃し開口33を閉塞する方向に付勢されている。つまり通常は逃し開口33を閉塞した可動羽25に幅送りナット2の角部の外面が係合して回転規制がされて施療子ユニット1と幅送りナット2とが従動可能な状態にある(回転規制部6の係合状態)。施療子1aに作用した外力負荷が一定以上になって施療子ユニット1と幅送りナット2との間にこの過大な外力負荷が作用した際には、弾性体24が弾性変形をして可動羽25が外方へ倒れて逃し開口を開放状態にし、可動羽25の幅送りナット2の外面への係合(回転規制部6の係合)を解除させ、施療子ユニット1と幅送りナット2とが従動しない状態になるようになっている。先例、本例のいずれの場合も、幅送りナット2、幅送りナット収納部4のいずれか一方に可動羽25を設ければよいために、マッサージ機の設計変更が容易である利点を備える。
【0042】
図13及び図14に示す例は、幅送りナット2の幅送りナット収納部4への収納構造が、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷を検出する検知部(図示せず)を有すると共に、施療子ユニット1に設けた幅送りナット収納部4に給排気により膨縮可能なエアバッグ7を内装し、この幅送りナット収納部4に幅送りナット2を回転不能にした状態で且つ膨張させたエアバッグ7で幅駆動軸3の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナット2に対して施療子ユニット1を従動可能にしてあり、そして、過負荷回避手段が、検知部の検出時にエアバッグ7を収縮させて幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への移動を可能にしたことで、構成されている。
【0043】
詳しくは、エアバッグ7は幅送りナット収納部4内における有底筒状部46の底面46aと幅送りナット2との間に配設されている。膨張状態にあるエアバッグ7が収縮した分、逃げスペース26ができるのであり、この逃げスペース26によって幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への相対移動を可能にさせ、幅送りナット2に対して施療子ユニット1が従動しなくなるようにできるのである。図中27は検知部の検知を受けて制御部(図示せず)により駆動制御されるエアポンプ(図示せず)からエアバッグ7に至るエア配管である。このエアポンプは、マッサージ機の他のエア供給機構(たとえばアクチュエータA1)で設けたエアポンプを共用することも可能である。
【0044】
本例においても、先例と同様に、施療子1aの施療者への過剰な挟み付けを防止して安全性を確保すると共に、施療子ユニット1と幅送りナット2との間での異音や振動の発生の恐れを回避できる利点を備えるのは勿論のこと、過負荷回避手段が機能した後も再びエアバッグ7を膨張させれば過負荷回避手段が再び機能し得る状態にできるので、過負荷回避手段の機能後におけるマッサージ機の再使用も容易にされているという利点も有する。
【0045】
図15及び図16に示す例は、幅送りナット2の幅送りナット収納部4への収納構造が、幅送りナット2と幅送りナット収納部4との対向面に磁着部8を設け、この幅送りナット収納部4に幅送りナット2を回転不能にした状態で且つ磁着部8の磁着によって幅駆動軸3の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナット2に対して施療子ユニット1を従動可能にしてあり、そして、過負荷回避手段が、施療子1aに作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって磁着部8の磁着状態を解除して幅送りナット2と施療子ユニット1との間で幅駆動軸3の軸方向への移動を可能にしたことで、構成されている。
【0046】
詳しくは、アームベースプレート10は金属板材等の磁性体で構成してあり、有底筒状部46は樹脂等の非磁性体で構成してあり、幅送りナット2のアームベースプレート10側の端部に磁石28が接合されて付設されている。幅送りナット収納部4に回転不能にした状態で幅送りナット2を収納した際には、幅送りナット2に付設した磁石28とこれに対向するアームベースプレート10の部位10aとが上記磁着部8を構成するのであって両者は引き合うように結合し、幅送りナット2がアームベースプレート10に磁着されることで、幅送りナット2に対して施療子ユニット1が従動可能にされている。なお、幅送りナット収納部4における幅駆動軸3の軸方向への長さ寸法が幅送りナット2よりも長く形成されており、上記のように幅送りナット収納部4に収納した幅送りナット2と有底筒状部46の底面46aとの間には逃げスペース26が設けられている。
【0047】
ここで、施療者を左右から挟持するべく左右の施療子1aが近接するように移動していて、施療者を挟持した施療子1aが施療者から受ける外力負荷は挟持力の反力であって施療子1aを離間させる方向であり、すなわち、この外力負荷はアームベースプレート10と幅送りナット2との間の磁着部8を互いに引き離す力として負荷する。この磁着部8の結合力以上の外力負荷がかかった場合には、磁着部8の結合状態が解除されて、逃げスペース26に幅送りナット2を位置させるように施療子ユニット1が幅駆動軸3の軸方向にずれ、幅送りナット2に対して施療子ユニット1が従動しない状態になる。
【0048】
そして本例の過負荷回避手段としては、具体的に、施療子1aの挟み込みによっても施療者の安全を確保できる程度の過負荷値をあらかじめ設定しておき、上記施療子1aに作用した外力負荷が過負荷値以上の大きさになった場合に磁着部8の結合状態が解除されるようにして、施療子ユニット1を幅送りナット2に従動しない状態にすることで、施療子1aのそれ以上の施療者への挟み行けを防止しているのである。
【0049】
本例においても、先例と同様に、施療子1aの施療者への過剰な挟み付けを防止して安全性を確保すると共に、施療子ユニット1と幅送りナット2との間での異音や振動の発生の恐れを回避できる利点を備えることができたものである。また、過負荷回避手段が機能して、幅送りナット2とアームベースプレート10とが離れても各磁着部8の間には引き付け合う磁力は働き続けるので、施療子1aに作用する外力負荷が弱まった場合には上記再び引き付け合う磁力によって各磁着部8が結合状態に戻り、つまり過負荷回避手段が再び機能し得る状態にできるので、過負荷回避手段の機能後におけるマッサージ機の再使用も容易にされているという利点も有する。
【0050】
図17及び図18に示す例は先例と比較して磁着部8の設置箇所を変えた例である。本例では、幅送りナット2の主体部2aの外周に磁着部8を構成する磁石29を接合して付設すると共に、この幅送りナット2の主体部2aの外周に対向する幅送りナット収納部4の有底筒状部46の内周に磁着部8を構成する磁石47を接合して付設しており、幅送りナット2が幅送りナット収納部4のアームベースプレート10側に沿わせて位置した際に上記磁着部8を構成する磁石29,47同士が内外に重合して結合するようにされ、幅送りナット2に対して施療子ユニット1が従動可能にされている。本例も先例と同様の利点を有すると共に、磁着部8が先例のように幅駆動軸3の軸方向に対向して設置するものではなくて幅駆動軸3のラジアル方向に対向して設置したものなので、磁着部8が逃げスペース26の厚みを狭めてしまうことを無くし得るという利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態の例のマッサージ機の要部であり、(a)は分解斜視図であり、(b)は斜視図である。
【図2】同上の要部の動作を説明するものであり、(a)は従動可能な状態の側断面図であり、(b)は従動しない状態の側断面図である。
【図3】同上の機構ユニット全体の斜視図である。
【図4】同上の可動ユニットの斜視図である。
【図5】同上の施療子ユニットの分解斜視図である。
【図6】同上の機構ユニットを背もたれに内蔵した椅子の斜視図である。
【図7】本発明の実施の形態の他例の要部の動作を説明するものであって、(a)は従動可能な状態の側断面図であり、(b)は従動しない状態の側断面図である。
【図8】本発明の実施の形態の更に他例の要部の分解斜視図である。
【図9】同上の幅送りナットであり、(a)は可動羽が起きた状態の斜視図であり、(b)は可動羽が倒れた状態の斜視図である。
【図10】同上の要部における従動可能な状態の側断面図である。
【図11】同上の要部の動作を説明するものであり、(a)は従動可能な状態の概略正面図であり、(b)は従動しない状態の概略正面図である。
【図12】本発明の実施の形態の更に他例の要部における従動しない状態の概略正面図である。
【図13】本発明の実施の形態の更に他例における要部の分解斜視図である。
【図14】同上の要部の動作を説明するものであり、(a)は従動可能な状態の側断面図であり、(b)は従動しない状態の側断面図である。
【図15】本発明の実施の形態の更に他例の要部の分解斜視図である。
【図16】同上の要部の動作を説明するものであり、(a)は従動可能な状態の側断面図であり、(b)は従動しない状態の側断面図である。
【図17】本発明の実施の形態の更に他例であり、(a)は要部の分解斜視図であり、(b)は幅送りナットの斜視図である。
【図18】同上の要部の動作を説明するものであり、(a)は従動可能な状態の側断面図であり、(b)は従動しない状態の側断面図である。
【図19】従来技術の例のマッサージ機の要部の分解斜視図である。
【図20】同上の要部の側断面図である。
【符号の説明】
【0052】
1 施療子ユニット
1a 施療子
2 幅送りナット
3 幅駆動軸
3a 雄ネジ
4 幅送りナット収納部
5 ストッパ材
6 回転規制部
7 エアバッグ
8 磁着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療子を備えた施療子ユニットを左右方向に移動自在に配置し、左右に長い幅駆動軸を設けると共に幅駆動軸の外周に雄ネジを刻設し、施療子ユニットに設けた幅送りナットを上記幅駆動軸の雄ネジに螺合し、幅駆動軸の回転駆動にて幅駆動軸の軸方向に螺進する幅送りナットに従動させて施療子ユニットを幅駆動軸の軸方向に移動可能にしたマッサージ機であって、幅駆動軸を回転駆動させた際に、施療子に幅駆動軸の軸方向にあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷が作用したときに、施療子ユニットが幅送りナットに従動しなくなる過負荷回避手段を有したことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
施療子ユニットに設けた幅送りナット収納部に幅送りナットを回転不能にした状態で且つ交換可能なストッパ材を用いて幅駆動軸の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナットに対して施療子ユニットを従動可能にし、施療子に作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって上記ストッパ材を破損させて幅送りナットと施療子ユニットとの間で幅駆動軸の軸方向への移動を可能にしたことで、上記過負荷回避手段を構成して成ることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項3】
施療子ユニットに設けた幅送りナット収納部に幅送りナットを回転不能にした状態で且つストッパ材を用いて幅駆動軸の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナットに対して施療子ユニットを従動可能にし、上記ストッパ材を超弾性金属材で構成すると共に、施療子に作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によってストッパ材を弾性変形させて幅送りナットと施療子ユニットとの間で幅駆動軸の軸方向への移動を可能にしたことで、上記過負荷回避手段を構成して成ることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項4】
施療子ユニットに幅送りナットを収納する幅送りナット収納部を設け、幅送りナットの外周と幅送りナット収納部の内周との間に両者を係合させる回転規制部を設け、この回転規制部によって幅送りナットを回転不能にして幅送りナット収納部に収納することで、幅送りナットに対して施療子ユニットを従動可能にし、施療子に作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって回転規制部の係合状態を解除して幅送りナットを幅送りナット収納部内で回転可能にさせたことで、上記過負荷回避手段を構成して成ることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項5】
施療子に作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷を検出する検知部を有すると共に、施療子ユニットに設けた幅送りナット収納部に給排気により膨縮可能なエアバックを内装し、この幅送りナット収納部に幅送りナットを回転不能にした状態で且つ膨張させたエアバックで幅駆動軸の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナットに対して施療子ユニットを従動可能にし、検知部の検出時にエアバックを収縮させて幅送りナットと施療子ユニットとの間で幅駆動軸の軸方向への移動を可能にしたことで、上記過負荷回避手段を構成して成ることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。
【請求項6】
施療子ユニットに幅送りナットを収納する幅送りナット収納部を設け、幅送りナットと幅送りナット収納部との対向面に磁着部を設け、この幅送りナット収納部に幅送りナットを回転不能にした状態で且つ磁着部の磁着によって幅駆動軸の軸方向に移動不能の状態にして収納したことで、幅送りナットに対して施療子ユニットを従動可能にし、施療子に作用したあらかじめ設定された過負荷値以上の外力負荷によって磁着部の磁着状態を解除して幅送りナットと施療子ユニットとの間で幅駆動軸の軸方向への移動を可能にしたことで、上記過負荷回避手段を構成して成ることを特徴とする請求項1記載のマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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