説明

マッサージ機

【課題】カバー部からの枕部の紛失を防止することができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】背もたれ部17の前面には背もたれ部17を覆うカバー部20が設けられるとともに、そのカバー部20の前面上側には使用者の頭部を支持可能な枕部21が設けられる。そして、カバー部20前面側に枕部21を配置する使用状態とカバー部20後面側で背もたれ部17の上端に枕部21を被せて配置する非使用状態とに変更可能に構成される。また、枕部21及びカバー部20の対向面である枕部21の後面及びカバー部20の前面には、二部材を着脱可能とする留め具としての面ファスナ23,24が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の背中を施療するマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、座部の後部に設けられる背もたれ部にマッサージ機構が設けられ、そのマッサージ機構にて使用者の背中を施療するマッサージ機が例えば特許文献1に開示されている。
特許文献1のマッサージ機では、背もたれ部内に施療子を有するマッサージ機構が設けられており、背もたれ部の背もたれ部の前面側(使用者と接する側)にはクッション性を有したカバー部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−350758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のマッサージ機では、カバー部の上部側に枕部を収容可能な枕収納部が設けられている。つまり、カバー部と枕部が別体であり、取り外し可能となっている。そのため、枕部を取り外すことで、枕部を紛失する虞があった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、カバー部からの枕部の紛失を防止できるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者が着座可能な座部と、該座部の後部に設けられる背もたれ部とを備え、前記背もたれ部に組み付けられるマッサージ機構を作動させて着座した前記使用者に対しマッサージを行うマッサージ機であって、前記背もたれ部の前面には前記背もたれ部を覆うカバー部が設けられるとともに、該カバー部の前面上側には前記使用者の頭部を支持可能な枕部が設けられるものであり、前記カバー部の上端と前記枕部の上端とが固定され、前記カバー部の前面側に前記枕部を配置する使用状態と前記カバー部の後面側に前記枕部を配置する非使用状態とに変更可能に構成されたことをその要旨とする。
【0007】
この発明では、背もたれ部の前面には背もたれ部を覆うカバー部が設けられるとともに、そのカバー部の前面上側には使用者の頭部を支持可能な枕部が設けられる。このように、カバー部及び枕部がそれらの上端で互いに固定されることで、カバー部からの枕部の紛失を防止することができる。そして、カバー部の前面側に枕部を配置する使用状態とカバー部の後面側に枕部を配置する非使用状態とに変更可能に構成されるため、枕部の使用する場合と使用しない場合とを比較的容易に変更することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマッサージ機において、前記枕部及び前記カバー部の対向面には、二部材を着脱可能とする留め具が設けられたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、枕部及びカバー部の対向面には、二部材を着脱可能とする留め具が設けられる。このように、枕部及びカバー部を留め具にて着脱できるため、使用時には枕部の位置をより安定して使用することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のマッサージ機において、前記留め具は、面ファスナにて構成されたことをその要旨とする。
この発明では、留め具を面ファスナにて簡易に構成でき、また枕部及びカバー部の着脱を容易とすることができる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のマッサージ機において、前記枕部は、前記背もたれ部の長手方向に位置調整が可能に構成されたことをその要旨とする。
この発明では、枕部は、背もたれ部の長手方向に位置調整が可能に構成される。つまり、背もたれ部の長手方向である使用者の上下方向に枕部が位置調整できるため、使用者の体格(座高)に合わせた枕部の位置決めを行うことができる。特に、留め具として面ファスナを使用した場合では、枕部及びカバー部に設けられる面ファスナの一方を背もたれ部の長手方向に長く構成することで、その長く構成した面ファスナの任意の位置で枕部とカバー部とを取り付けることが可能となり、簡易な構成にて枕部の上下方向の位置(高さ)調整を容易に行うことができる。
【0012】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記枕部は、前記背もたれ部の幅方向に位置ずれを許容可能に構成されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、枕部は、背もたれ部の幅方向に位置ずれを許容可能に構成される。このため、背もたれ部の幅方向である使用者の左右方向にシビアな位置調整をしなくても枕部を使用することができる。特に、留め具として面ファスナを使用した場合では、枕部及びカバー部に設けられる面ファスナの一方を背もたれ部の幅方向に長く構成することで、その長く構成した面ファスナの任意の位置で枕部とカバー部とを取り付けることが可能となり、簡易な構成にてシビアな位置調整をしなくても枕部を使用することができる。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記カバー部及び枕部の少なくとも一方の対向面が他方の対向面に対して摩擦抵抗が大きくなるように構成されたことをその要旨とする。
【0015】
この発明では、カバー部及び枕部の少なくとも一方の対向面が他方の対向面に対して摩擦抵抗が大きくなるように構成されるため、対向面間で摩擦抵抗が生じてカバー部からの枕部の位置ずれを抑制することができる。これにより、使用時には枕部の位置をより安定して使用することができる。特に、枕部の後面の摩擦抵抗が大きくなるように構成すれば、カバー部前面側は特に摩擦抵抗が大きくなるような加工及び材質の使用を避けることができるため、カバー部前面の外観品位を維持・向上させることが可能となる。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記カバー部には前記マッサージ機構の施療子の作動範囲に対応した開口部が設けられ、その開口部の下端の位置若しくはその下端よりも下側の位置に前記枕部の下端が配置可能に構成されたことをその要旨とする。
【0017】
この発明では、カバー部には前記マッサージ機構の施療子の作動範囲に対応した開口部が設けられ、その開口部の下端の位置若しくはその下端よりも下側の位置に枕部の下端が配置可能に構成される。つまり、カバー部に施療子を貫通可能な開口部を設けることで、揉みや擦り、叩き等の施療子による直接的なマッサージを付与することが可能となり、マッサージ機構不使用時において、枕部にてカバー部の開口部を塞ぐ(覆う)ことでその開口部に体が落ち込むのを防止することが可能となる。また、開口部を隠すことで本装置としての外観品位を維持・向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、カバー部からの枕部の紛失を防止することができるマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態におけるマッサージ機の概略構成図である。
【図2】同上におけるカバー部及び枕部の斜視図である。
【図3】(a)(b)は、同上におけるカバー部及び枕部の留め具について説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1には、本実施形態のマッサージ機10の概略構成を示す。本実施形態のマッサージ機10には、脚部11が床面に載置されるとともに、その脚部11にはマッサージ機10の幅方向両端にそれぞれ配置された側壁12が支持固定されている。この側壁12の上面における前後両端部には、上方に延びる支持部13がそれぞれ固定されるとともに、この支持部13には使用者の腕や肘等を置くためのアーチ状の肘掛け14が掛け渡されて固定されている。また、左右の側壁12間には使用者が着座可能な座部15が固定されるとともに、その座部15の前方下部には使用者の足乗せのためのオットマン16が設けられており、座部15の後部には、着座した使用者が背中をもたれ掛けさせるための背もたれ部17が傾動可能に設けられている。
【0021】
背もたれ部17は、前面が開口された硬質樹脂材料からなる図示しない本体ケース内に、背もたれ部17の上下方向に沿って図示しないガイドレールが設けられ、このガイドレールに沿って上下方向にマッサージ機構18が組み付けられている。このマッサージ機構18には、図示しない各種駆動モータが備えられており、これら各種駆動モータの駆動によってマッサージ機構18の上下動や、該マッサージ機構18に備えられる一対の施療子18aによる所定の施療動作が行われるようになっている。
【0022】
また、背もたれ部17の前面には、図1及び図2に示すように、その前面の大部分を覆うカバー部20と、カバー部20の前面に設けられる枕部21とが着脱可能に設けられている。
【0023】
カバー部20は、その上端には例えば線ファスナ22を備え、この線ファスナ22と背もたれ部17の上端に設けられた線ファスナ17aとを接合することで取り付け、線ファスナ22,17a同士の離合で取り外しが可能となっている。
【0024】
また、カバー部20は、前記マッサージ機構18の施療子18aの可動範囲(動作範囲)となる位置に、開口部20aが形成され、施療子18aがカバー部20の開口部20aから突出可能に構成されている。また、カバー部20の前面側の両側部及び上部側にはクッション部材が内包されたクッション部20bが設けられており、クッション性を高めて使用者が快適に本装置10を利用できるようになっている。
【0025】
また、カバー部20は、その上端側が枕部21の上端側と例えば縫製されて一体的に構成されている。そのため、枕部21をカバー部20の前面側に配置する使用状態と、枕部21をカバー部20の後面側で背もたれ部17の上端側に被せて配置する非使用状態とに変更可能となっている。
【0026】
枕部21は、図3(a)に示すように、その上下方向の長さが前記カバー部20に形成された開口部20aの上下方向長さ(図3(b)参照)よりも長く、開口部20aの下端位置と枕部21の下端位置とが略同程度に構成されている。そのため、枕部21にてカバー部20に形成された開口部20aを覆うことができるようになっている。
【0027】
カバー部20の前面及び枕部21の後面には、留め具としての面ファスナ23,24が設けられてカバー部20及び枕部21の着脱が可能に構成されるとともに、枕部21の後面はその全体に摩擦抵抗の大きなポリウレタン素材からなるシート部材25が縫いつけられている。
【0028】
カバー部20側の面ファスナ23は、例えばループタイプの面ファスナ23であり、枕部21側の面ファスナ24よりもその幅方向長さが長くなるように構成されている。また、枕部21側の面ファスナ24は、例えばフックタイプの面ファスナ24であり、カバー部20側の面ファスナ23よりも上下方向長さが長くなるとともに、枕部21の全長の大半を占める長さとなるように構成されている。
【0029】
上記のように構成されたマッサージ機10では、図示しない駆動モータによってマッサージ機構18及び施療子18aが駆動され、座部15に着座した使用者の肩や背中といった腰各施療部位に対し、揉みや擦り、叩き等の各種マッサージを使用者に対して施すようになっている。
【0030】
また、上記マッサージ機10において、カバー部20と枕部21とがそれらの上端で固定されているため、カバー部20からの枕部21の紛失を防止することができる。また、カバー部20の前面側と枕部21の後面側とには、留め具としての面ファスナ23,24により二部材(カバー部20及び枕部21)の着脱が可能となっている。カバー部20側の面ファスナ23は、枕部21側の面ファスナ24よりもその幅方向長さが長くなるように構成されているため、面ファスナ23,24を利用して枕部21をカバー部20に取り付ける場合に、枕部21が幅方向(左右方向)に多少ずれたとしても安定して取り付けることが可能となり、シビアな位置調整を行わずとも枕部21を使用することができる。
【0031】
また、枕部21側の面ファスナ24は、カバー部20側の面ファスナ23よりも上下方向長さが長くなるとともに、枕部21の全長の大半を占める長さとなるように構成されている。そのため、面ファスナ23,24を利用して枕部21をカバー部20に取り付ける場合に、面ファスナ23の任意の位置において面ファスナ24を固定できるため、枕部21の上下方向の位置調整を行うことができる。これにより、使用者の体格(座高)に合わせた枕部21の位置決めを行うことができ、より快適にマッサージ機10を使用することが可能となる。また、枕部21の後面にフックタイプの面ファスナ24を設けたことにより、面ファスナ24のフック先端側をカバー部20側に向けることができるため、フックタイプ及びループタイプで構成される面ファスナ23,24の内で固いフックタイプ側の先端を施療者の背中や頭部に当たることを防ぐことができる。また、カバー部20の前面側に面ファスナ23が設けられていないため、使用者の頭髪との絡みを抑制することができ、使用者に不快感を与えることを抑制できる。
【0032】
また、枕部21の後面が摩擦抵抗の大きなポリウレタン素材からなるシート部材25にて構成されることで、枕部21及びカバー部20の対向面同士の摩擦力が高くなり、マッサージ機10使用中における枕部21の位置ずれを抑制させることができる。
【0033】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)背もたれ部17の前面には背もたれ部17を覆うカバー部20が設けられるとともに、そのカバー部20の前面上側には使用者の頭部を支持可能な枕部21が設けられる。このように、カバー部20及び枕部21がそれらの上端で互いに固定されることで、カバー部20からの枕部21の紛失を防止することができる。そして、カバー部20の前面側に枕部21を配置する使用状態とカバー部20の後面側に枕部21を配置する非使用状態とに変更可能に構成されるため、枕部21の使用する場合と使用しない場合とを比較的容易に変更することができる。
【0034】
(2)枕部21及びカバー部20の対向面である枕部21の後面及びカバー部20の前面には、二部材を着脱可能とする留め具としての面ファスナ23,24が設けられる。このように、枕部21及びカバー部20を面ファスナ23,24にて着脱できるため、使用時には枕部21の位置をより安定して使用することができる。
【0035】
(3)また、留め具を面ファスナ23,24にて簡易に構成でき、また枕部21及びカバー部20の着脱を容易とすることができる。
(4)枕部21は、背もたれ部17の長手方向に位置調整が可能に構成される。つまり、背もたれ部17の長手方向である使用者の上下方向に枕部21が位置調整できるため、使用者の体格(座高)に合わせた枕部21の位置決めを行うことができる。特に、留め具として面ファスナ23,24を使用した場合では、枕部21及びカバー部20に設けられる面ファスナ23,24の一方(面ファスナ24)を背もたれ部17の長手方向(上下方向)に長く構成することで、その長く構成した面ファスナ24の任意の位置で枕部21とカバー部20とを取り付けることが可能となり、簡易な構成にて枕部21の上下方向の位置(高さ)調整を容易に行うことができる。
【0036】
(5)枕部21は、背もたれ部17の幅方向に位置ずれを許容可能に構成される。このため、背もたれ部17の幅方向である使用者の左右方向にシビアな位置調整をしなくても枕部21を使用することができる。特に、留め具として面ファスナ23,24を使用した場合では、枕部21及びカバー部20に設けられる面ファスナ23,24の一方(面ファスナ23)を背もたれ部17の幅方向に長く構成することで、その長く構成した面ファスナ23の任意の位置で枕部21とカバー部20とを取り付けることが可能となり、簡易な構成にてシビアな位置調整をしなくても枕部21を使用することができる。
【0037】
(6)カバー部20及び枕部21の少なくとも一方の対向面が他方の対向面に対して摩擦抵抗が大きくなるように、枕部21の後面に摩擦抵抗の大きなシート部材25を使用しているため、使用時には枕部21の位置をより安定して使用することができる。特に、枕部21の後面の摩擦抵抗が大きくなるように構成した本実施形態では、カバー部20前面側は特に摩擦抵抗が大きくなるような加工や材質の使用を避けることができるため、カバー部20前面の外観品位を維持・向上させることが可能となる。
【0038】
(7)カバー部20にはマッサージ機構18の施療子18aの作動範囲に対応した開口部20aが設けられ、その開口部20aの下端の位置と略同程度の位置に枕部21の下端が配置可能に構成される。つまり、カバー20部に施療子18aの作動範囲に対応した開口部20aを設けることで、揉みや擦り、叩き等の施療子18aによる直接的なマッサージを付与することが可能となり、マッサージ機構18不使用時において、枕部21にてカバー部20の開口部20aを塞ぐ(覆う)ことでその開口部20aに体が落ち込むのを防止することが可能となる。また、開口部20aを隠すことで本装置10としての外観品位を維持、向上させることが可能となる。
【0039】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、枕部21の後面を摩擦抵抗の大きなポリウレタン素材からならシート部材25にて構成したが、これに限らない。例えば、枕部21の後面の全体ではなく、一部に前記シート部材25を設ける構成を採用してもよい。また、枕部21の後面とカバー部20の前面とにシート部材25を設ける構成を採用してもよい。また、カバー部20のみにシート部材25を設ける構成を採用してもよい。また、シート部材25を設けなくてもよい。
【0040】
・上記実施形態では、摩擦抵抗の大きなポリウレタン素材からなるシート部材25を設けて枕部21及びカバー部20の対向面の摩擦力が大きくなるように構成したが、これに限らず、例えば枕部21及びカバー部20の対向面を凹凸形状に形成して対向面同士の摩擦力が大きくなるように構成してもよい。
【0041】
・上記実施形態では、摩擦抵抗の大きさについて言及していないが、使用者の頭部を枕部21にのせた状態において、頭部の負荷で枕部21がカバー部20から滑らなくなる程度の摩擦抵抗があればよく、また、枕部21の自重によってカバー部20から滑ることができる程度の摩擦抵抗であれば枕部21の位置調整を容易に行うことが可能となる。
【0042】
・上記実施形態では、カバー部20側の面ファスナ23を枕部21側の面ファスナ24より幅方向(左右方向)に長くなるように構成したが、これに限らず、枕部21側の面ファスナ24をカバー部20側の面ファスナ23より幅方向(左右方向)に長くなるように構成してもよい。要は、留め具としての面ファスナ23,24を利用して枕部21を固定する場合に、左右方向に位置調整可能に構成して、カバー部20に対する枕部21の左右方向のずれを許容可能に構成すればよい。また、カバー部20側の面ファスナ23を枕部21側の面ファスナ24と同等の幅方向長さに構成してもよい。
【0043】
・上記実施形態では、枕部21側の面ファスナ24をカバー部20側の面ファスナ23より背もたれ部17の長手方向(上下方向)に長くなるように構成したが、これに限らず、カバー部20側の面ファスナ23を枕部21側の面ファスナ24より長手方向(上下方向)に長くなるように構成してもよい。要は、枕部21の高さ(上下方向の位置)調整が可能な構成であればよい。また、カバー部20側の面ファスナ23を枕部21側の面ファスナ24の長手方向(上下方向)長さと同等の長さに構成してもよい。
【0044】
・上記実施形態では、カバー部20側の面ファスナ23をループタイプ、枕部21側の面ファスナ24をフックタイプとしたが、カバー部20側の面ファスナ23をフックタイプ、枕部21側の面ファスナ24をループタイプとしてもよい。また、ループタイプの面ファスナ23のモヘアタイプとしてもよい。また、両方の面ファスナ23,24をループタイプ及びフックタイプの混在するタイプとしてもよい。
【0045】
・上記実施形態では、面ファスナ23,24にて留め具を採用したが、これに限らない。例えば、枕部21及びカバー部20のいずれか一方にボタンを設け、他方にそのボタンを掛けることができるボタンホールを設けて留め具を構成してもよい。尚、ボタン及びボタンホール等で留め具を構成する場合、ボタンやボタンホールを複数設けることで、枕部21の位置調整を行うことが可能となる。
【0046】
・上記実施形態では、留め具としての面ファスナ23,24を設ける構成としたが、設けなくてもよい。
・上記実施形態では、枕部21の下端位置が開口部20aの下端位置と略同程度の位置に配置可能に構成したが、これに限らず、枕部21の下端位置を更に下方に設定してもよい。このような構成としても、上記実施形態の効果(7)に示した効果と同様の効果を奏することができる。また、開口部20aの下端位置よりも枕部21の下端位置が上方となるような構成であってもよい。
【0047】
・上記実施形態では、特に言及していないが、背もたれ部17、座部15及びオットマン16の内の少なくとも一部材に、膨縮可能なエアバッグを設けてエアバッグによるマッサージ及びストレッチ効果を付与する構成を採用してもよい。
【0048】
・上記実施形態では、肘掛け14及びオットマン16を設ける構成としたが、肘掛け14及びオットマン16の少なくとも一方を省略した構成であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
10…マッサージ機、15…座部、17…背もたれ部、18…マッサージ機構、18a…施療子、20…カバー部、20a…開口部、21…枕部、23,24…留め具としての面ファスナ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座可能な座部と、該座部の後部に設けられる背もたれ部とを備え、
前記背もたれ部に組み付けられるマッサージ機構を作動させて着座した前記使用者に対しマッサージを行うマッサージ機であって、
前記背もたれ部の前面には前記背もたれ部を覆うカバー部が設けられるとともに、該カバー部の前面上側には前記使用者の頭部を支持可能な枕部が設けられるものであり、
前記カバー部の上端と前記枕部の上端とが固定され、前記カバー部の前面側に前記枕部を配置する使用状態と前記カバー部の後面側に前記枕部を配置する非使用状態とに変更可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記枕部及び前記カバー部の対向面には、二部材を着脱可能とする留め具が設けられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項2に記載のマッサージ機において、
前記留め具は、面ファスナにて構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項2又は3に記載のマッサージ機において、
前記枕部は、前記背もたれ部の長手方向に位置調整が可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記枕部は、前記背もたれ部の幅方向に位置ずれを許容可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記カバー部及び枕部の少なくとも一方の対向面が他方の対向面に対して摩擦抵抗が大きくなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記カバー部には前記マッサージ機構の施療子の作動範囲に対応した開口部が設けられ、その開口部の下端の位置若しくはその下端よりも下側の位置に前記枕部の下端が配置可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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