説明

マッサージ機

【課題】オットマンの利便性を向上させることができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】オットマン14には、一面側に使用者の脚部を挿入配置可能な脚部用凹部14aと、使用者の足部を足裏から支持可能な足部用凹部14bとが備えられ、脚部用凹部14a及び足部用凹部14bの両方にエアバッグが設けられ、他面側に使用者の脚部を載置可能な脚載部14cが備えられる。そしてオットマン14は、座部12側に設けた支持枠16に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸16bにて回転可能に支持され、オットマン14を回転させることで各凹部14a,14bを座部12前方に露出させるマッサージ可能状態と、脚載部14cを座部12前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成される。オットマン14には、オットマン14をマッサージ可能状態に付勢する付勢手段として足部用凹部14bに重心位置Gが設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用者の脚部をマッサージ可能なマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の着座可能な座部の前部に傾動可能なオットマンを配設し、そのオットマンに使用者の脚部をマッサージする脚部用マッサージ機構を内蔵したマッサージ機が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献1のマッサージ機に備えられるオットマンでは、同文献の図3に示されるように使用者の脚部を独立して挿入配置可能な一対の脚部用凹部が設けられ、その凹部の側壁にエアバッグを内蔵させ、エアバッグの膨縮動作にて使用者の両脚それぞれを個別に挟んでマッサージすることが可能な構成とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3508771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなマッサージ機に備えられるオットマンでは、エアバッグにて使用者の脚部を挟み込む為には比較的大きなエアバッグを脚部用凹部の側壁に配設しなければならず、前記側壁が座部の前方に大きく迫り出す形状となる。このため、エアバッグによるマッサージを行わない場合において使用者がマッサージ機(座部)に着座する場合に、脚部用凹部の側壁側が障害となる。
【0006】
また、近年のマッサージ機に備えられるオットマンでは、前記脚部用凹部に加え、使用者の足部を例えば足裏から支持可能な足部用凹部が前記脚部用凹部とは別体に設け、足部用凹部の側壁にエアバッグを備え、マッサージ効果の向上を図っている。しかしながら、脚部用凹部に加えて足部用凹部が設けられており、この足部用凹部の側壁等も着座する際の障害となってオットマンの利便性を向上させることが難しかった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、オットマンの利便性を向上させることができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、使用者が着座可能な座部と、該座部の前部に使用者の脚部を載置可能なオットマンとを備え、前記オットマンにマッサージ手段を設けて前記使用者の脚をマッサージするマッサージ機であって、前記オットマンは、一面側に前記使用者の脚部を挿入配置可能な脚部用凹部と、前記使用者の足部を足裏から支持可能な足部用凹部とを有し、前記脚部用凹部及び前記足部用凹部の少なくとも一方に前記マッサージ手段が設けられ、他面側に前記使用者の脚部を載置可能な脚載部を有し、前記座部側に設けた支持部に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸にて回転可能に支持され、前記オットマンを回転させることで前記各凹部を前記座部前方に露出させるマッサージ可能状態と、前記脚載部を前記座部前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成され、前記オットマンを前記マッサージ可能状態及び前記脚載可能状態のいずれか一方に付勢する付勢手段を備えたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、オットマンには、一面側に使用者の脚部を挿入配置可能な脚部用凹部と、使用者の足部を足裏から支持可能な足部用凹部とが備えられ、脚部用凹部及び足部用凹部の少なくとも一方にマッサージ手段が設けられ、他面側に使用者の脚部を載置可能な脚載部が備えられる。そしてオットマンは、座部側に設けた支持部に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸にて回転可能に支持され、オットマンを回転させることで各凹部を座部前方に露出させるマッサージ可能状態と、脚載部を座部前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成される。このように、オットマンが回転可能に構成され、マッサージ可能状態と脚載可能状態とに変更することができるため使用者の気分によってオットマンを使用することが可能となり、オットマンの利便性を向上させることができる。また、前記各凹部を露出しない、つまり各凹部を収納した脚載可能状態で着座することで、使用者が座部に容易に着座することが可能となり、オットマンの利便性を向上させることができる。また、オットマンには、オットマンをマッサージ可能状態及び脚載可能状態のいずれか一方に付勢する付勢手段が備えられる。ここで、例えばオットマンが脚載可能状態にある場合に付勢手段にてマッサージ可能状態に付勢することで、この付勢手段にてマッサージ可能状態となるまで回転させることが可能となり、この点においてもオットマンの利便性を向上させることが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマッサージ機において、前記付勢手段は、前記オットマンの重心位置を回転中心からずらすことで前記マッサージ可能状態及び前記脚載可能状態のいずれか一方に付勢するように構成されたことをその要旨とする。
【0011】
この発明では、付勢手段は、オットマンの重心位置を回転中心からずらすことでマッサージ可能状態及び脚載可能状態のいずれか一方に付勢するように構成される。つまり、ばね等の付勢部材を省略した簡素な構成にて付勢手段を構成することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のマッサージ機において、前記付勢手段は、前記オットマンの重心位置が前記回転中心からずれた前記足部用凹部側に設定されて構成されたことをその要旨とする。
【0013】
この発明では、付勢手段は、オットマンの重心位置が回転中心からずれた足部用凹部側に設定されて構成される。このため、重力方向下側に足部用凹部が位置するマッサージ可能状態にオットマンの自重で動作させることが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記オットマンには、その回転を前記マッサージ可能状態及び前記脚載可能状態の少なくとも一方において阻止させるロック機構が設けられたことをその要旨とする。
【0015】
この発明では、オットマンには、マッサージ可能状態及び脚載可能状態の少なくとも一方において付勢手段による回転を阻止するロック機構が設けられる。このように、ロック機構を設けることでマッサージ可能状態及び脚載可能状態の少なくとも一方において付勢手段によるオットマンの回転を阻止させることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のマッサージ機において、前記ロック機構は、前記オットマンが前記脚載可能状態の際には、所定の遊びを有する態様で前記オットマンの回転を阻止させるように構成されたことをその要旨とする。
【0017】
この発明では、ロック機構は、オットマンが脚載可能状態の際には、所定の遊びを有する態様でオットマンの回転を阻止させるように構成される。つまり、脚載可能状態において所定の遊びを有することで、使用者の脚の太さや長さに対応して好適な位置で使用することが可能となる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記脚部用凹部は、その底面から延出する複数の側壁を備え、前記回転支軸は、前記脚部用凹部の前記底面よりも前記側壁の延出方向側に位置する態様で設けられたことをその要旨とする。
【0019】
この発明では、脚部用凹部にはその底面から延出する複数の側壁が備えられ、回転支軸は、脚部用凹部の底面よりも側壁の延出方向側に位置する態様で設けられる。このような構成とすることで、例えば回転支軸を前記底面よりも側壁の反延出方向側(脚載部側)に位置するように回転中心である回転支軸が位置した場合のオットマンと比較して、回転支軸と側壁の距離を近づけることができる。つまり、本構成では、オットマンの回転時に要する回転スペースを極力抑えつつ、側壁の面積を十分に確保することが可能となり、凹部に使用者の脚等を挿入した後に脚がずれて落ちたりすることを防ぐサポート性を向上させることができる。また、側壁に例えばマッサージ手段としてエアバッグを設ける構成とした場合に、側壁の面積を十分に確保することで大容量のエアバッグを用いてマッサージ範囲の拡大を図ることが可能となる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載のマッサージ機において、前記オットマンを支持する前記支持部は、前記座部に対して回動可能に構成され、前記オットマンは、前記マッサージ可能状態における前記オットマンの水平使用位置において、前記脚部用凹部の底面の前方側が後方側よりも低くなるとともに、前記脚載可能状態における前記オットマンの水平使用位置において、前記脚載部の脚載面の前方側が後方側よりも高くなるように構成されたことをその要旨とする。
【0021】
この発明では、オットマンを支持する支持部は、座部に対して回動可能に構成される。このため、支持部を回動することでオットマンを支持部とともに回動させることが可能となる。また、オットマンは、マッサージ可能状態におけるオットマンの水平使用位置において、脚部用凹部の底面の前方側が後方側よりも低くなるように構成される。このような構成とすることで使用者の足部側が低くなるため、使用者の脚部をマッサージした際に過度に血流を良くすることが抑えられる。更にオットマンは、脚載可能状態におけるオットマンの水平使用位置において、脚載部の脚載面の前方側が後方側よりも高くなるように構成される。このような構成とすることで、日常生活において重力方向下側となる足部(使用者の脚の先端側)を高くすることができるため、血流を良好とすることが可能となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、オットマンの利便性を向上させることができるマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態におけるマッサージ機の概略構成図である。
【図2】オットマンの脚載可能状態について説明するための説明図である。
【図3】オットマンの正面図である。
【図4】マッサージ可能状態におけるオットマンの傾動動作について説明するための説明図である。
【図5】脚載可能状態におけるオットマンの傾動動作について説明するための説明図である。
【図6】(a)(b)(c)(d)は、ロック機構について説明するための説明図である。
【図7】(a)(b)は、オットマンの回転中心位置について説明するための説明図である。
【図8】(a)(b)は、別例におけるロック機構について説明するための説明図である。
【図9】別例におけるロック機構について説明するための説明図である。
【図10】別例におけるオットマンについて説明するための説明図である。
【図11】別例におけるオットマンについて説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態のマッサージ機の概略構成を示す。マッサージ機10の脚部11は、図示しない床面に載置されるとともに、その上部には、使用者が着座可能な座部12が設けられている。
【0025】
座部12には、その後部に背もたれ部13が座部12に対して傾動可能に設けられている。また、座部12には、座部12の後部側から前部側に延びる一対のフレーム15(図1では1つのみ図示)の前端に、支持枠16の基端が回動軸16aにて回動可能に接続されている。そして、この支持枠16の先端には、座部12の左右方向(図1において紙面直交方向)に延びる回転支軸16bにて前記オットマン14が回転可能に設けられている。ここで、脚部11の内部にはスライド機構17が設けられており、このスライド機構17は、制御部18により制御されるモータ17aと、モータ17aの回転駆動によって前後方向にスライドするスライド部材17bによって構成されている。そして、このスライド部材17bの先端がオットマン14を支持する支持枠16と当接するようになっている。このためスライド部材17bがモータ17aの回転によって前後方向に動作することで支持枠16を押してオットマン14を傾動させるようになっている。
【0026】
オットマン14は、前記支持枠16の先端側が接続されるとともに座部12に着座した使用者の脚部(脹脛部)を挿入配置可能な脚部用凹部14aと、使用者の足部を載せて支持する足部用凹部14bとを有している。また、脚部用凹部14a及び足部用凹部14bの裏面側には使用者の脚部を載置可能な略平面状の脚載面19を有する脚載部14cが設けられている。
【0027】
脚部用凹部14aは、図3に示すように、底面20の左右端部及び左右方向中央部から略同一方向に延出する3つの側壁21a〜21cの側壁対向面22には、マッサージ手段としての2つのエアバッグ23が設けられている。
【0028】
足部用凹部14bは、底面25の左右端部及び左右方向中央部から略同一方向に延出する3つの側壁26a〜26cの側壁対向面27には、マッサージ手段としてのエアバッグ28が設けられている。また、足部用凹部14bの底面25には、足裏マッサージ手段としてのエアバッグ29が設けられている。尚、足部用凹部14bの側壁対向面27に設けられるエアバッグ28は、脚部用凹部14aの側壁対向面22に設けられるエアバッグ23より各対向面22,27の対向中心側に配置される。
【0029】
また、本実施形態のマッサージ機10では、オットマン14を回転支軸16b中心に回転させることで、各凹部14a,14bの表面側に設けられるマッサージ手段としてのエアバッグ23,28,29を本マッサージ機10前面側に露出させて使用者をマッサージ可能なマッサージ可能状態(図1参照)と、裏面側の脚載部14c側を本マッサージ機10前面側に露出させて使用者の脚部を配置可能な脚載可能状態(図2参照)とに変更が可能となっている。
【0030】
また、図1に示すように本実施形態のオットマン14には、オットマン14の回転をマッサージ可能状態と及び脚載可能状態の2位置で阻止可能なロック機構30が設けられている。
【0031】
ロック機構30は、支持枠16側に設けられるロックピン30aと、回転支軸16bと一体回転可能に構成されるロック板30bとを備えている。ロックピン30aは、図6(a)に示すように支持枠16に固定される固定部材31内に支持枠16の長手方向にスライド可能に構成されており、回動可能な解除レバー32にてロックピン30aの状態が変更可能に構成されている。ロック板30bには、所定位置に回転支軸16b側に凸となる第1溝部33が形成され、この第1溝部33は前記ロックピン30aが挿入可能に形成されている。このため、図6(a)に示すように、解除レバー32が傾倒されることでロックピン30aがロック板30bの第1溝部33に嵌挿されて回転支軸16bの回転が規制され、図1に示すマッサージ可能状態でオットマン14の回転が規制される。この時、図4に示すようにスライド機構17によりオットマン14を上端位置(水平使用位置)まで傾動させることで使用者の脚部を極力直線状としたリラックス姿勢に移行させることができる。また、図6(b)に示すように、解除レバー32が起立されることでロックピン30aがロック板30bの第1溝部33から抜脱されて回転支軸16bの回転規制が解除され、オットマン14の回転が可能とされる。
【0032】
またロック板30bには、前記第1溝部33と回転支軸16bを中心として略180度反対側に回転支軸16b側に凸となる第2溝部34が形成され、この第2溝部34は前記ロックピン30aが挿入可能に形成されている。このため、図6(c)に示すように、解除レバー32が傾動されることでロックピン30aがロック板30bの第2溝部に乾燥されて回転支軸16bの回転が規制され、図2に示す脚載可能状態でオットマン14の回転が規制される。この時、図5に示すようにスライド機構17によりオットマン14を上端位置(水平使用位置)まで傾動させることで使用者の脚部を極力直線状としたリラックス姿勢に移行させることができるようになっている。
【0033】
ここで、第1溝部33は、図6(d)に示すように、その溝幅X1がロックピン30aの幅Y(図6(c)参照)と略同一に形成され、第2溝部34の溝幅X2は前記溝幅X1及び幅Yよりも長く形成されている。このため、図6(c)に示すように、第2溝部33にロックピン30aを挿入させた際には、ロックピン30a及び第2溝部33間には回転方向において所定の遊びが設けられることとなる。このため、脚載可能状態において使用者の脚の太さや長さに対応して好適な位置で使用することが可能となる。
【0034】
また、本実施形態のオットマン14では、図1及び図2に示すようにその重心位置Gを足部用凹部14bに設定しているため、例えば図2に示す脚載可能状態においてロック機構30のロックを解除すると、オットマン14自身の重みで図1に示すマッサージ可能状態近傍まで自動で回転させることができるようになっている。
【0035】
また、本実施形態のオットマン14では、図7(a)に示すように、オットマン14を回転可能に支持する回転支軸16bが脚部用凹部14aの底面20よりも側壁21a〜21cの延出方向側(反脚載部14c側)に位置するようになっている。そしてオットマン14は半径R1を有する仮想円C1内で回転することが可能、つまり、回転スペースとして仮想円C1の大きさだけ必要となっている。ここで、例えば、図7(b)に示すように、オットマン100を回転可能に支持する回転支軸16bが脚部用凹部100aの底面101よりも側壁102の反延出方向側(脚載部100c側)に位置するような構成の場合には、オットマン100は半径R2を有する仮想円C2内で回転することが可能、つまり、回転スペースとして仮想円C2の大きさだけ必要となる。この時、オットマン14の各部14a〜14cとオットマン100の各凹部100a,100b及び脚載部100cとが同一形状である場合には、半径R1<半径R2、つまり本実施形態のオットマン14における回転支軸16bと各側壁21a〜21cの延出方向端部Zとの距離をオットマン100の場合と比較して近づけることができる。このため、本実施形態のオットマン14の回転に伴う回転スペース(仮想円C1)を極力抑えつつ、例えば脚部用凹部14aの側壁21a,21b,21cの大きさを維持することができる。また、本実施形態のオットマン14の回転スペースに余裕がある場合には、より側壁21a,21b,21cを大きく形成でき、側壁21a〜21c(側壁対向面22)に設けられるエアバッグ23の大容量化を図ることができる。
【0036】
上記のように構成されたマッサージ機10のオットマン14では、図示しないエアポンプが前記制御部18にて制御され、エアポンプからの給排気により各エアバッグ23,28,29が適宜膨縮動作され、使用者の脚部及び足部をマッサージすることができる。また、本実施形態のマッサージ機10では、オットマン14の一面側にマッサージ手段としてのエアバッグ23,28,29を有し、他面側に平面状の脚載部14cを有し、オットマン14が回転可能に構成されている。このため、使用者のその時々の好みによってオットマン14をマッサージ器具として使用するのか、脚載部14cとして使用するのか選択可能となっており、オットマン14としての利便性の向上を図ることができている。
【0037】
次に、本実施形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)オットマン14には、一面側に使用者の脚部を挿入配置可能な脚部用凹部14aと、使用者の足部を足裏から支持可能な足部用凹部14bとが備えられ、脚部用凹部14a及び足部用凹部14bの両方にエアバッグ23,28,29が設けられ、他面側に使用者の脚部を載置可能な脚載部14cが備えられる。そしてオットマン14は、座部12側に設けた支持枠16に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸16bにて回転可能に支持され、オットマン14を回転させることで各凹部14a,14bを座部12前方に露出させるマッサージ可能状態と、脚載部14cを座部12前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成される。このように、オットマン14が回転可能に構成され、マッサージ可能状態と脚載可能状態とに変更することができるため使用者の気分によってオットマン14を使用することが可能となり、オットマンの利便性を向上させることができる。また、各凹部14a,14bが露出しない、つまり各凹部14a,14bを収納した脚載可能状態で着座することで、凹部が14a,14bが障害とならず使用者が座部12に容易に着座することが可能となり、オットマン14の利便性を向上させることができる。また、オットマン14には、オットマン14をマッサージ可能状態に付勢する付勢手段として足部用凹部14bに重心位置Gが設定されている。ここで、例えばオットマン14が脚載可能状態にある場合にマッサージ可能状態に付勢することで、マッサージ可能状態となるまで回転させることが可能となり、この点においてもオットマン14の利便性を向上させることが可能となる。
【0038】
(2)オットマン14の重心位置Gを回転中心からずらすことでマッサージ可能状態に付勢する付勢手段が構成される。つまり、ばね等の付勢部材を省略した簡素な構成にて付勢手段を構成することが可能となる。
【0039】
(3)オットマン14の重心位置が回転中心からずれた足部用凹部14bに設定されて付勢手段が構成される。このため、重力方向下側に足部用凹部14bが位置するマッサージ可能状態にオットマン14の自重で動作させることが可能となる。
【0040】
(4)オットマン14には、その回転をマッサージ可能状態及び脚載可能状態の両方において阻止するロック機構30が設けられるため、マッサージ可能状態及び脚載可能状態の両方においてオットマン14の回転を阻止させることができる。
【0041】
(5)ロック機構30は、オットマン14が脚載可能状態の際には、所定の遊びを有する態様でオットマン14の回転を阻止させるように構成される。つまり、脚載可能状態において所定の遊びを有することで、使用者の脚の太さや長さに対応して好適な位置で使用することが可能となる。
【0042】
(6)脚部用凹部14aにはその底面20から延出する複数の側壁21a〜21cが備えられ、回転支軸16bは、脚部用凹部14aの底面20よりも側壁21a〜21cの延出方向側に位置する態様で設けられる。このような構成とすることで、例えば図7(b)に示すように回転支軸16bを底面101よりも側壁102の反延出方向側(脚載部100c側)に位置するように回転中心である回転支軸16bが位置した場合のオットマン100と比較して、回転支軸16bと側壁21a〜21cの延出方向最端部との距離を近づけることができる。つまり、本構成では、オットマン14の回転時に要する回転スペースを極力抑えつつ、側壁21a〜21cの面積を十分に確保することが可能となり、凹部14aに使用者の脚等を挿入した後に脚がずれて落ちたりすることを防ぐサポート性を向上させることができる。また、側壁21a〜21cにマッサージ手段としてエアバッグ23を設ける構成とした場合に、側壁21a〜21cの面積を十分に確保することで大容量のエアバッグを用いてマッサージ範囲の拡大を図ることが可能となる。
【0043】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図8(a)に示すように座部12の後部側よりも前部側ほど高くなるような構成としてもよい。このような構成とすることで、背もたれ部13側に使用者自身の荷重をかけ、例えば背もたれ部13内部に設けられる揉み玉によるマッサージを好適に行うことが可能となる。この時、例えば、脚載可能状態におけるオットマン14を支持する支持枠16が回動されてオットマン14の上端位置(水平使用位置)となる場合には、図1に示すように支持枠16の長手方向と脚載部14cの脚載面19の面方向とが略平行になる構成では、脚載面19と座部12(座面)とを平行とすることが難しい。そこで、図8(b)に示すように、ロック板30bの第2溝部34の形成位置を変更することで、図8(a)に示すように、脚載可能状態におけるオットマン14の上端位置(水平使用位置)において脚載部14cの脚載面19の前方側が後方側より高くでき、脚載面19が座部12(座面)と略平行となる好適な位置でロックさせることが可能となる。このような構成とすることで日常生活において重力方向下側となる足部(使用者の脚の先端側)を高くすることができるため、足部及び脚部の血流を良好とすることが可能となる。
【0044】
また、図8(a)(b)に示したロック板30bを用いることで例えば図9に示すように、マッサージ可能状態におけるオットマン14の上端位置(水平使用位置)において脚部用凹部14aの底面20の前方側を後方側より低くすることができる構成となっている。このような構成とすることで使用者の足部側が低くなるため、使用者の脚部をマッサージした際に過度に血流を良くすることが抑えられる。
【0045】
・上記実施形態では、オットマン14の重心位置Gを足部用凹部14bに設定してマッサージ可能状態となるように付勢手段を構成したが、これに限らず、脚載部14c側に設定して脚載可能状態となるように付勢手段を構成してもよい。
【0046】
・上記実施形態では、重心位置Gを設定することでマッサージ可能状態となるように付勢する付勢手段を構成したが、これに限らない。例えば、図10に示すように、例えば付勢ばね40によってマッサージ可能状態及び脚載可能状態のいずれか一方に付勢する構成を採用してもよい。尚、この場合においても図示しないロック機構によりオットマン14の回転を阻止させる構成が望ましい。
【0047】
また、図11に示すように、制御部18により回転駆動するモータ50と、このモータ50の回転軸と同一軸線状に設けられるとともに前記回転軸と一体回転するウォーム軸51と、このウォーム軸51の回転を直交変換するとともに回転支軸16bと一体回転可能なウォームホイール52とで付勢手段を構成してもよい。尚、この場合、モータ50の回転をウォーム軸51及びウォームホイール52にて減速させてトルクを向上させているため、回転支軸16b側からウォーム軸51側を回転させることが困難となり、つまり回転支軸16bの回転が規制されるロック機構を構成することも可能となっている。尚、制御部18を操作可能な操作器53にモータ50の回転を任意の位置に変更可能な回転スイッチ53aを設けて使用者の好みの位置でモータ50を停止させてオットマン14を使用可能な構成を採用してもよい。
【0048】
・上記実施形態では、マッサージ可能状態及び脚載可能状態においてオットマン14の回転を阻止するロック機構30を回転支軸16bに設けたが、その他の位置にロック機構を設けてマッサージ可能状態及び脚載可能状態の少なくとも一方においてオットマン14の回転を阻止させる構成を採用してもよい。
【0049】
・上記実施形態では、脚載可能状態においてロック機構30にてロックした場合でもオットマン14を所定量だけ回動させるように遊びを設けた構成としたが、この遊びを設けない構成を採用してもよい。
【0050】
・上記実施形態では、足部用凹部14bの底面25にエアバッグ29を設ける構成としたが、エアバッグ29を省略した構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、脚部用凹部14a及び足部用凹部14bの両方にマッサージ手段としてのエアバッグ23,28を設ける構成としたが、脚部用凹部14aのみにマッサージ手段(エアバッグ)を設ける構成を採用してもよい。
【0051】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば背もたれ部13に施療子にて使用者の上半身をマッサージするマッサージ機構を配設した構成を採用してもよい。
・上記実施形態では、背もたれ部13を座部12に対して傾動可能に設けたが、これに限らず、背もたれ部13を傾動不能、つまり固定した構成であってもよい。また、背もたれ部13を省略した構成であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10…マッサージ機、11…脚部、12…座部、14…オットマン、14a…脚部用凹部、14b…足部用凹部、14c…脚載部、16…支持枠(支持部)、16a…回転支軸、19…脚載面、23,28,29…エアバッグ(マッサージ手段)、30…ロック機構、G…重心位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者が着座可能な座部と、該座部の前部に使用者の脚部を載置可能なオットマンとを備え、前記オットマンにマッサージ手段を設けて前記使用者の脚をマッサージするマッサージ機であって、
前記オットマンは、
一面側に前記使用者の脚部を挿入配置可能な脚部用凹部と、前記使用者の足部を足裏から支持可能な足部用凹部とを有し、前記脚部用凹部及び前記足部用凹部の少なくとも一方に前記マッサージ手段が設けられ、他面側に前記使用者の脚部を載置可能な脚載部を有し、
前記座部側に設けた支持部に対して左右方向に延びる態様で設けられる回転支軸にて回転可能に支持され、前記オットマンを回転させることで前記各凹部を前記座部前方に露出させるマッサージ可能状態と、前記脚載部を前記座部前方に露出させる脚載可能状態とに変更可能に構成され、
前記オットマンを前記マッサージ可能状態及び前記脚載可能状態のいずれか一方に付勢する付勢手段を備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記付勢手段は、前記オットマンの重心位置を回転中心からずらすことで前記マッサージ可能状態及び前記脚載可能状態のいずれか一方に付勢するように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項2に記載のマッサージ機において、
前記付勢手段は、前記オットマンの重心位置が前記回転中心からずれた前記足部用凹部側に設定されて構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記オットマンには、前記マッサージ可能状態及び前記脚載可能状態の少なくとも一方において前記付勢手段による回転を阻止するロック機構が設けられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項4に記載のマッサージ機において、
前記ロック機構は、前記オットマンが前記脚載可能状態の際には、所定の遊びを有する態様で前記オットマンの回転を阻止させるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記脚部用凹部は、その底面から延出する複数の側壁を備え、
前記回転支軸は、前記脚部用凹部の前記底面よりも前記側壁の延出方向側に位置する態様で設けられたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記オットマンを支持する前記支持部は、前記座部に対して回動可能に構成され、
前記オットマンは、前記マッサージ可能状態における前記オットマンの水平使用位置において、前記脚部用凹部の底面の前方側が後方側よりも低くなるとともに、前記脚載可能状態における前記オットマンの水平使用位置において、前記脚載部の脚載面の前方側が後方側よりも高くなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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