マッサージ機
【課題】局所的なマッサージを実現することができるマッサージ機を提供する。
【解決手段】揉み玉33は、支持軸32によって支持される揉み玉本体33aと、この揉み玉本体33aの外側を覆う袋部33bとを備える。そして、揉み玉本体33aを変形させて硬化するべく揉み玉本体33aを袋部33b内部の流体(空気)を排出する流体排出手段を構成する貫通孔32c、接続部35及びエアポンプを備える。
【解決手段】揉み玉33は、支持軸32によって支持される揉み玉本体33aと、この揉み玉本体33aの外側を覆う袋部33bとを備える。そして、揉み玉本体33aを変形させて硬化するべく揉み玉本体33aを袋部33b内部の流体(空気)を排出する流体排出手段を構成する貫通孔32c、接続部35及びエアポンプを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、揉み玉によって使用者の身体をマッサージするマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の身体を揉み玉によって揉みや叩き動作等のマッサージするマッサージ機が広く普及している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のマッサージ機の揉み玉は、中空状に構成されるとともに、その内部にエアポンプからの流体を流入することで揉み玉の外径形状を大きくするとともに、圧力を高めて使用者が体感する揉み玉の硬度を高めるようになっている。一方、同マッサージ機では、揉み玉の内部の流体を流出させることで揉み玉内部の圧力を下げて使用者が体感する揉み玉の硬度を低めるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−153971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなマッサージ機では、中空状の揉み玉の内部の流体を給排気することで使用者が体感する硬度を変更することができるようになっている。しかしながら、揉み玉の内部に流体を給気して硬度を高めようとしても、揉み玉の体積並びに表面積が増加してしまい、局所的なポイント感のあるマッサージを実現することができない虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、局所的なマッサージを実現することができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のマッサージ機は、施療子を施療動作させてその揉み玉を介して使用者の身体に押圧力を付与するマッサージ機構と、該マッサージ機構の駆動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段にて前記マッサージ機構を制御して前記使用者の身体に対してマッサージを行うマッサージ機であって、前記揉み玉は、支持部材によって支持される揉み玉本体と、該揉み玉本体の外側を覆う袋体とを備え、前記揉み玉本体を変形させて硬化するべく前記袋体内部の流体を排出する流体排出手段を備えたこと特徴とする。
【0007】
また上記構成において、袋体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されることが好ましい。
また上記構成において、袋体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも低くなるように構成されることが好ましい。
【0008】
また上記構成において、揉み玉本体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されることが好ましい。
また上記構成において、揉み玉本体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されることが好ましい。
【0009】
また上記構成において、揉み玉本体は、その硬度が前記支持部材の軸方向及び該軸方向と直交する方向の少なくとも一方向において異なるように構成されることが好ましい。
また上記構成において、袋体は、その内部が複数の空間に区切られる複数の収容部を備え、前記流体排出手段は、前記収容部毎に収容部内部の流体を独立して排出可能に構成されることが好ましい。
【0010】
また上記構成において、揉み玉本体は、その径方向中心に配置される前記支持部材に対して取着され、前記支持部材は、その径方向断面が非円形形状とされることが好ましい。
また上記構成において、揉み玉本体は、その径方向中心に配置される筒状の前記支持部材に対して取着され、前記流体排出手段は、前記支持部材の側面において径方向に貫通する態様で形成される貫通孔を備え、該貫通孔を介して前記袋体内部の流体を排出するように構成されることが好ましい。
【0011】
また上記構成において、支持部材は、前記揉み玉と一体回転可能に支持され、前記流体排出手段には、前記支持部材の貫通孔と筒状の経路部材を介してエアポンプが接続され、前記経路部材の途中位置に回転ジョイントが介在されて構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、局所的なマッサージを実現することができるマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)(b)は、本実施形態におけるマッサージ機の概略構成図。
【図2】(a)(b)は、施療子について説明するための断面図。
【図3】(a)(b)は、施療子について説明するための断面図。
【図4】マッサージ機の電気的構成を説明するためのブロック図。
【図5】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図6】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図7】別例における施療子について説明するための断面図。
【図8】別例における施療子について説明するための断面図。
【図9】別例における施療子について説明するための断面図。
【図10】別例における施療子について説明するための断面図。
【図11】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図12】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図13】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図14】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図15】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図16】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図17】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図18】別例における施療子について説明するための断面図。
【図19】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図20】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、左右一対の支持脚部11にて支持された座部12の後端に背もたれ部13が幅方向の回動軸にて傾動可能に組み付けられる。そして、該座部12の前端にオットマン14が同方向の回動軸にて傾動可能に組み付けられてなる。また、座部12の幅方向両側には、前後方向に延びる肘掛け部15が組み付けられている。
【0015】
座部12の下側には、背もたれ部13のリクライニング機構16が備えられており、このリクライニング機構16のモータ16aの駆動により背もたれ部13のリクライニングがなされるようになっている。また、オットマン14についても、座部12の下側に該オットマン14の上下動機構17が備えられており、この上下動機構17のモータ17aの駆動によりオットマン14の上下動されるようになっている。
【0016】
背もたれ部13の幅方向中央部には、上下方向に延び前方に開口されている空間が設けられ、その空間内には使用者の背中のマッサージを行うマッサージ機構21が組み付けられている。このマッサージ機構21は、上下方向に延びるガイドレール22に沿って、マッサージ機構21に組み付けられる図4参照の上下駆動部25(上下駆動モータ25a)により上下動される。また、このマッサージ機構21には、強弱(前後)駆動部26(強弱駆動モータ26a)及び幅駆動部27(幅駆動モータ27a)が備えられるとともに、各駆動部26、27の駆動によって一対の施療子30が動作する。
【0017】
強弱駆動部26は、使用者に対する施療子30の前後方向位置を調整することで、使用者の背中に施療子30を押し付ける力を調整する。また幅駆動部27は、一対の施療子30を背もたれ部13の幅方向に移動させる。図2に示すように、上下駆動部25、強弱(前後)駆動部26及び幅駆動部27は、それぞれ駆動源として駆動モータ25a〜27aを有し、各駆動モータ25a〜27aは制御部28にて駆動制御されるように構成されている。またマッサージ機10には、電源駆動される負圧のエアポンプ29が設けられ、制御部28からの制御に基づいて流体(空気)の給排気を行うように構成されている。
【0018】
図2及び図3に示す施療子30は、図1(a)(b)に示すマッサージ機構21の本体部から前方に延出するアーム部材31と、このアーム部材31の先端部分に軸受31aを介して回転可能に支持された略円筒状の支持軸32とを有する。支持軸32は、アーム部材31の延出方向と直交する方向(軸方向)に延び、この支持軸32には揉み玉33が一体回転可能に支持されている。
【0019】
図3及び図4に示すように、揉み玉33は、支持軸32に取り付けられる揉み玉本体33aと、この揉み玉本体33aの外側を覆う袋部33bとを備えている。
揉み玉本体33aは、例えばスポンジ部材などの連続気泡体を有する多孔性材料で構成される。ここで、連続気泡体を有する多孔性材料とは、その内部に複数形成される気泡同士が連通した(繋がった)状態とされて、その内部を流体(特に気体)が通流可能なものである。このため、袋部33b内の流体を排出することで揉み玉本体33aが変形するようになっている。なお、揉み玉本体33aは、その径方向及び幅方向(軸方向)における材質の硬度が一様となるように構成されている。
【0020】
袋部33bは、前記揉み玉本体33aが外部に直接露出しないように揉み玉本体33aの外側を覆うように構成されている。
ここで、略円筒状の支持軸32には、その内側面32aにおける軸方向略中間位置において、支持軸32の外側面32bまで径方向(軸直交方向)に貫通する1つの貫通孔32cが形成されている。この貫通孔32cは、袋部33b内及び揉み玉本体33a内の流体を給排するための連通路である。
【0021】
支持軸32の側面32a,32bに形成される貫通孔32cは、前記エアポンプ29からの流体(空気)の給排が可能なエアチューブやコネクタ等から構成される接続部35にて前記エアポンプ29と接続される。なお、本実施形態では、貫通孔32c、接続部35及びエアポンプ29にて流体排出手段が構成される。
【0022】
接続部35は、前記貫通孔32c側から見てコネクタ36、コネクタ側エアチューブ37、L型ジョイント38、ポンプ側エアチューブ39の順で接続されてなる。
接続部を構成するコネクタ36は、略L字状で筒状を成し、その基端が支持軸32の側面32a,32bに形成される貫通孔32cと接続される。コネクタ36の先端にはコネクタ側エアチューブ37の基端と接続される。このコネクタ側エアチューブ37の先端にはL型ジョイント38の基端と接続される。
【0023】
L型ジョイント38は、前記コネクタ側エアチューブ37の先端と接続される第1ジョイント38aと、この第1ジョイント38aに対して相対回転、すなわち揉み玉33が回転しても連れ回りしないように相対回転する第2ジョイント38bとを有する。L型ジョイント38の先端は、前記エアポンプ29と先端側と接続されるポンプ側エアチューブ39の基端と三方電磁弁40を介して接続される。このような構成により、貫通孔32cとエアポンプ29との間を接続部35にて接続してエアポンプからの袋部33bに対して流体(空気)の給排気が可能となっている。なお、L型ジョイント38の構成はこれに限らず、要はエアポンプ29側のポンプ側エアチューブ39と接続される基端部側が揉み玉33が回転しても連れ回りしないような構成であればよい。
【0024】
次に、本実施形態のマッサージ機10の作用について説明する。
上記のように構成されたマッサージ機10では、マッサージ機構21の各駆動モータ25a〜27aの駆動が制御部28によって制御されることで、施療子30が施療動作されて使用者の肩・背・腰等の施療部位に、揉みや叩き等のマッサージが施される。
【0025】
またこのマッサージ時において、前記制御部28は、予めプログラムされたマッサージコースに従って揉み玉33の硬度を適宜変更するようにエアポンプ29及び三方電磁弁40を制御する。
【0026】
ここで例えば制御部28は、図4に示す前記三方電磁弁40を大気開放側として袋部33b内の気圧を大気圧と略同等とする。これによって、袋部33b内の圧力を大気圧と同等とすることができ、スポンジ部材等の多孔性材料からなる揉み玉33の本来の比較的柔らかい硬度にて使用者に対してマッサージを施すことが可能となる。
【0027】
また制御部28は、図4に示す前記三方電磁弁40を大気開放側の通路を閉塞する閉塞状態としてエアポンプ29にて袋部33b内の流体を外部に排出する。このように袋部33b内の流体(空気)を負圧のエアポンプ29により排出することができるため、袋部33b内部の圧力が大気圧よりも低くなる。この結果、図3(a)(b)に示すように揉み玉本体33aが袋部33bを介して大気圧により圧縮されて幅方向(軸方向)及びこの幅方向と直交する径方向に小さくなり、揉み玉33としての硬度が硬くなる。これにより、使用者に対して局所的な(ポイント感のある)マッサージを施すことができるようになっている。
【0028】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)揉み玉33は、支持軸32によって支持される揉み玉本体33aと、この揉み玉本体33aの外側を覆う袋部33bとを備える。そして、揉み玉本体33aを変形させて硬化するべく揉み玉本体33aを袋部33b内部の流体(空気)を排出する流体排出手段を構成する貫通孔32c、接続部35及びエアポンプ29を備える。このような構成により、エアポンプ29により袋部33b内部の流体(空気)を排出することによって、袋部33b内部の流体圧(気圧)が大気圧よりも低くなる。そのため揉み玉本体33aが周囲の大気圧に押されて硬さが硬く、径方向及び軸方向小さくなる。この結果、使用者に対して局所的なマッサージを施すことができる。また、袋部33b内部の圧力を大気圧以下の範囲で変更することにより揉み玉本体33aの変形量並びに使用者が感じる揉み玉本体33aの硬さを変位させることができて使用者が感じるマッサージ感覚を多様にすることが可能となる。
【0029】
(2)流体排出手段は、支持軸32の内側面32aから外側面32bにかけて径方向に貫通する態様で形成される貫通孔32cと接続される接続部35と接続されて袋部33b内部の流体(空気)をエアポンプ29にて排出するように構成される。このように、袋部33b内部の流体(空気)を排出する排出口としての貫通孔32cを支持軸32の内部に設けられるため、マッサージ時にこの接続部35が使用者の身体に接触することが抑えられることができる。これにより、使用者に対してマッサージ以外の不要な部材の接触が抑えられて不快感(違和感)を与えることが抑えられる。
【0030】
(3)また支持軸32は、揉み玉33と一体回転可能に支持される。そして支持軸32の貫通孔32cと筒状の経路部材としての接続部35を介してエアポンプ29が接続されて流体排出手段が構成される。そして、前記接続部35の途中位置に回転ジョイントとしてのL型ジョイント38が介在されて流体排出手段が構成される。このような構成により、マッサージを行う際に揉み玉33(支持軸32)が回転しても接続部35の一部(例えばポンプ側チューブ39)の回転が抑えられるため、例えばそれが回転して他の部分に絡まることを防ぐことが可能となる。
【0031】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図5(a)(b)に示すように、袋部50,51の弾性率を径方向と幅方向(軸方向)とで異なるような構成を採用してもよい。なお、図5(a)(b)において袋部50,51の各方向の弾性率を袋部50の厚みによってその差を示しており、厚いほどその厚さと直交する方向への弾性率が高く、薄いほどその厚さと直交する方向への弾性率が低いことを示している。
【0032】
例えば図5(a)に示すように、袋部50の幅方向(軸方向)の弾性率Kf1が袋部50の径方向の弾性率Kf2より高くなるような構成としてもよい。これにより、エアポンプ29による袋部50内の流体(空気)を排出する際に径方向と比較して幅方向への変形量が抑制される。このため袋部50内部の流体(空気)を排出したときに、幅方向への揉み玉本体33aの圧縮量が少なくなり、揉み玉本体33aが径方向に大きく圧縮されて硬くなり、硬いマッサージ感を得ることが可能となる。
【0033】
一方、図5(b)に示すように、袋部51の幅方向(軸方向)の弾性率Kf1が袋部51の径方向の弾性率Kf2よりも低くなるような構成、つまり袋部51の径方向の弾性率Kf2が幅方向の弾性率Kf1よりも高くなるような構成としてもよい。これにより、エアポンプ29による袋部51内の流体(空気)を排出する際に幅方向と比較して径方向への変形量が抑制される。このため袋部51内部の流体(空気)を排出したときに、径方向への揉み玉本体33aの圧縮量が少なくなり、揉み玉本体33aが幅方向に大きく圧縮して幅が狭くなり人体に接触する面積が小さくなるため、硬いポイント感のあるマッサージ感覚を実現することが可能となる。
【0034】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図6(a)(b)に示すように、揉み玉本体60,61の弾性率を径方向と幅方向(軸方向)とで異なるような構成を採用してもよい。なお、図6(a)(b)において、揉み玉本体60,61の各方向の弾性率を各方向へ貫通孔があるか否かでその差を示し、幅方向(軸方向)に貫通孔が形成される場合は幅方向の弾性率が高く、径方向に貫通孔が形成される場合は径方向の弾性率が高くなることを示している。
【0035】
例えば図6(a)に示すように、揉み玉本体60の幅方向(軸方向)の弾性率Kh1が揉み玉本体60の径方向の弾性率Kh2より高くなるような構成としてもよい。これにより、エアポンプ29による袋部33b内の流体(空気)を排出する際に幅方向と比較して径方向への変形量が抑制される。そのため袋部33b内部の流体(空気)を排出したときに、幅方向への揉み玉本体60の圧縮量(変形量)が少なくなり、径方向に大きく圧縮して揉み玉本体60を硬くでき、硬いマッサージ感を得ることが可能となる。また袋部33bの弾性率を場所によって変化させるよりも加工方法が簡単なため、加工時間並びにそのコストを抑えることができる。
【0036】
一方、図6(b)に示すように、揉み玉本体61の幅方向(軸方向)の弾性率Kh1が揉み玉本体61の径方向の弾性率Kh2より低くなるような構成、つまり揉み玉本体61の径方向の弾性率Kh2が幅方向の弾性率Kh1よりも高くなるような構成としてもよい。これにより、エアポンプ29による袋部33b内部の流体(空気)を排出する際に径方向と比較して幅方向への変形量が抑制される。そのため袋部33b内部の流体(空気)を排出したときに、径方向への揉み玉本体61の圧縮量(変形量)が少なくなり、幅方向に大きく圧縮して揉み玉本体61の幅が狭くできる。これにより、使用者の身体に接触する面積が小さくなるため、局所的な(ポイント感のある)マッサージを実現することができる。また、袋部の弾性率を場所によって変化させるよりも加工方法が簡単なため、加工時間並びにそのコストを抑えることができる。
【0037】
また、図7に示すように、揉み玉本体70及び袋部71の幅方向(軸方向)における弾性率Kh1,Kf1を共に揉み玉本体70及び袋部71の径方向における弾性率Kh2,Kf2よりも高くする構成(Kh1<Kh2、Kf1<Kf2)を採用してもよい。また、図8に示すように、揉み玉本体72及び袋部73の幅方向(軸方向)における弾性率Kh1,Kf1を共に揉み玉本体72及び袋部73の径方向における弾性率Kh2,Kf2よりも低く、つまりKh1>Kh2、Kf1>Kf2とする構成を採用してもよい。このように揉み玉本体72及び袋部73の同一方向の弾性率をそれぞれの他方向の弾性率よりも高くすることで、弾性率が低い方向により早く揉み玉本体72の大きさ及び硬さを変化させることができる。
【0038】
また、図9に示すように、揉み玉本体74の幅方向(軸方向)の弾性率Kh1を径方向の弾性率Kh2よりも高く、更に袋部75の径方向の弾性率Kf2を幅方向(軸方向)の弾性率Kf1よりも高くする構成を採用してもよい。更に、図10に示すように、揉み玉本体76の径方向の弾性率Kh2を幅方向(軸方向)の弾性率Kh1よりも高く、更に袋部77の幅方向(軸方向)の弾性率Kf1を径方向の弾性率Kf2よりも高くする構成を採用してもよい。このように揉み玉本体76及び袋部77の異なる方向の弾性率のそれぞれの多方向の弾性率よりも高くすることで、揉み玉本体76の変形量を調整することも可能となる。
【0039】
・上記実施形態では、揉み玉本体33aの硬度を支持軸32の軸方向及びこの軸方向と直交する方向(径方向)において一様(同一)となるような構成としたが、軸方向及びこの軸方向と直交する方向(径方向)の少なくとも一方向において異なるように構成してもよい。このような構成としては図11〜図14に示すように揉み玉本体を硬さの異なる複数の部材で径方向において層構造にすることや、揉み玉本体を硬さの異なる複数の部材で軸方向において層構造にすることで実現できる。
【0040】
例えば図11(a)(b)に示すように、揉み玉本体80は、支持軸32の径方向外側に取り付けられる比較的硬い第1内包部材80aと、この第1内包部材80aの径方向外側に取り付けられる比較的柔らかい第2内包部材80bとで構成する。このような構成においては、袋部81内部が大気圧と一定の場合には比較的柔らかい第2内包部材80bが使用者の身体に当接されるのでソフトなマッサージを実現できる。また、同構成にてエアポンプ29により袋部81内の流体(空気)を排出すると特に径方向外側の比較的柔らかい第2内包部材80bが変形して、径方向中心の比較的硬い第1内包部材80aによって強いマッサージを実現することができる。
【0041】
例えば、図12(a)(b)に示すように、揉み玉本体82は、支持軸32の径方向外側に取り付けられる比較的柔らかい第1内包部材82aと、この第1内包部材82aの径方向外側に取り付けられる比較的硬い第2内包部材82bとで構成する。このような構成に置いては、比較的硬い第2内包部材82bが当接する。しかしながら、袋部83内部が大気圧と一定の場合には揉み玉本体82の径方向中心の柔らかい第1内包部材82aにて揉み玉本体82が使用者の身体との当接により変形し易いため、ソフトなマッサージを実現することができる。また、同構成にてエアポンプ29により袋部83内の流体(空気)を排出すると径方向中心の比較的柔らかい第1内包部材82aが変形することで、変形後においては変形前と比べて柔らかい第1内包部材82aが身体と当接しても揉み玉本体82は変形しにくい。このため、径方向外側の比較的硬い第2内包部材82bによって強いマッサージを実現できる。
【0042】
また、上記構成では図11(a)(b)及び図12(a)(b)に示すように揉み玉本体を硬さの異なる複数の部材で径方向において2層構造にする構成としたが、図13(a)(b)及び図14(a)(b)に示すように、3層構造にしてもよい。
【0043】
具体的には図13(a)(b)に示すように、揉み玉本体84を支持軸32の外周に固定される内側部材84aと、この内側部材84aの外側に固定される中間部材84bと、この中間部材84bの外側に固定される外側部材84cとで構成する。そして、図13(a)(b)では、前記内側部材84a及び外側部材84cの弾性率を中間部材84bの弾性率よりも高くする構成としている。
【0044】
また図14(a)(b)に示すように、揉み玉本体85を支持軸32の外周に固定される内側部材85aと、この内側部材85aの外側に固定される中間部材85bと、この中間部材85bの外側に固定される外側部材85cとで構成する。そして、図14(a)(b)では、前記内側部材85a及び外側部材85cの弾性率を中間部材85bの弾性率よりも低く、つまり中間部材85bの弾性率が内側部材85a及び外側部材85cの弾性率よりも高い構成としている。なお、3層に限らず、揉み玉本体を4層以上の構成としてもよい。
【0045】
また、揉み玉本体33aの幅方向において硬さの異なる部材を層構造にした場合には身体を挟み込むようなマッサージ時に身体に当接する部分が柔らかくなるような素材を用いることによって施療されるときの恐怖感がなくなる。また、挟み込みなどの施療の際には動きのよって身体に接触する部分の揉み玉本体33aの硬さが変化するため、多様なマッサージ感を得ることができる。
【0046】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図15〜図18に示すように袋部をその内部が複数の空間に区切られる複数の収容部を備える構成としてもよい。この場合、エアポンプ29によって収容部毎に収容部内部の流体を独立して排出可能な構成が好ましい。
【0047】
図15(a)(b)に示すように、例えば袋部90はその径方向において例えば2つの空間に区切る内側収容部90aと外側収容部90bを備える構成としてもよい。なお、各収容部90a,90b間は接着材や縫合等により一体的に構成されている。そして内側収容部90aは上記実施形態の袋部33b(図2及び図3参照)と同様に収容部90a内の流体(空気)が支持軸32の貫通孔32c及び接続部35を介してエアポンプ29により排出可能とされている。ちなみに本構成においては、接続部35を構成するコネクタ91は、上記実施形態と形状並びその機能が異なっており、エアポンプ29側からみて出口側が二股形状を成して、その一方が前記支持軸32の貫通孔32cと接続されるようになっている。そして、二股のコネクタ91の出口側の他方が前記支持軸32の前記貫通孔32cとは別の貫通孔32dの支持軸32における内側面32aと接続される。この貫通孔32dの支持軸32における外側面32bが接続チューブ92を介して前記外側収容部90bの径方向側面に形成される貫通孔93と接続されて、エアポンプ29による外側収容部90b内の流体(空気)の排出が可能とされる。なお、コネクタ91の二股の出口のそれぞれには例えば電磁弁(図示略)を介在させることで、これら電磁弁を制御部28にて独立して制御することで、各収容部90a,90b毎に収容部90a,90b内部の流体を独立して排出することが可能となる。
【0048】
また上記構成に加えて図16(a)(b)及び図17(a)(b)に示すように各収容部90a,90b毎で揉み玉本体94を構成する部材の硬度が異なるような構成を採用してもよい。なお、図16(a)(b)では、前記内側収容部90aに内包される揉み玉本体94を構成する内側部材94aを前記外側収容部90bに内包される揉み玉本体94を構成する外側部材94bよりも硬い構成としている。一方、図17(a)(b)では、前記外側収容部90bに内包される揉み玉本体94を構成する外側部材94bを前記内側収容部90aに内包される揉み玉本体94を構成する内側部材94aよりも硬い構成としている。
【0049】
なお、図15〜図17では、袋部の径方向において複数の空間に区切られる構成としているが、袋部の幅方向において複数の空間に区切られる構成であってもよい。
また、図18に示すように袋部95を周方向(揉み玉33の回転方向)において複数(図19では4つ)の空間に区切られるように収容部95a〜95dを設ける構成としてもよい。この場合においても、各収容部95a〜95d毎で揉み玉本体96を構成する押圧部材96a〜96dの硬度が異なるような構成としてもよい。また、収容部95a〜95d毎に独立してエアポンプ29による収容部95a〜95d内部の流体(空気)の排気を可能とする構成を採用してもよい。このような構成とすることで、揉み玉33の回転方向において、揉み玉本体96の押圧部材96a〜96dの硬度を変化させることができ、揉み玉33の当接部位に応じて異なる硬さの異なるマッサージを実施することができる。
【0050】
・上記実施形態では、揉み玉33(揉み玉本体33a)を支持する支持部材としての支持軸32の径方向断面が円形形状としたが、非円形形状となるような構成を採用してもよい。非円形形状となる構成としては、図19及び図20に示すように支持軸100の径方向に切断した断面形状が星形や、単に支持軸に突起や窪みを設ける構成などが考えられる。例えば、支持軸100に突起を設けたり星形としたりすることで、袋部101内の流体をエアポンプ29により排出した際に支持軸100の形状に沿って揉み玉本体102が圧縮されるため、支持軸100の突起によってより局所的な(ポイント感のある)マッサージを実現できる。また支持軸100に窪みを設ける構成としたには、その窪みの大きさ等によっては肩上や首などの施療部位に、より密着するようにその窪みに沿ってエアポンプ29により揉み玉33を圧縮させることができる。これによって、密着感のある好適なマッサージを実現できる。
【0051】
・上記実施形態では、揉み玉33の径方向に切断した断面形状を略円形形状とする構成としたが、非円形形状としてもよい。非円形形状としては、例えば図20に示すように星形でもよく、この他、六角形等の多角形や人の手の指を模した形状に変更してもよい。
【0052】
・上記各実施形態では、使用者が着座した状態で使用する椅子型タイプのマッサージ機に本発明を適用したが、例えば、使用者が寝た状態で使用するベッドタイプのマッサージ機に本発明を適用してもよい。要は、使用者の身体を押圧する揉み玉を有するマッサージ機であれば本発明を適用することができる。
【0053】
・上記実施形態では、揉み玉33が支持軸32と一体回転する構成としたが、支持軸32と揉み玉33との間に軸受等を介在させて揉み玉33のみを回転させる構成を採用してもよい。また、揉み玉33を回転不能な構成として、揉み玉33を摺接させる構成としてもよい。
【0054】
・上記実施形態では、支持軸32に貫通孔32cを1つ設ける構成としたが、支持軸32の周方向に複数の貫通孔を形成してこれらの貫通孔とエアポンプ29とを接続部35を介して接続する構成を採用してもよい。また、支持軸32に複数の貫通孔を設ける場合には、各貫通孔を均等配置することが望ましい。各貫通孔を均等配置することで、エアポンプ29にて袋部33b内の流体(空気)を排出する際に、揉み玉本体33aをその周方向において均等に圧縮することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…マッサージ機、21…マッサージ機構、28…制御部(制御手段)、29…エアポンプ(流体排出手段)、30…施療子、32…支持軸(支持部材),32a…内側面(側面)、32b…外側面(側面)、32c…貫通孔(流体排出手段)、33…揉み玉、33a,60,61,70,72,74,80,82,94,96,102…揉み玉本体、33b…袋部(袋体)、35…接続部(流体排出手段)、38…L型ジョイント(回転ジョイント)、90a,90b,95a〜95d…収容部、Kf1,Kf2,Kh1,Kh2…弾性率。
【技術分野】
【0001】
本発明は、揉み玉によって使用者の身体をマッサージするマッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の身体を揉み玉によって揉みや叩き動作等のマッサージするマッサージ機が広く普及している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のマッサージ機の揉み玉は、中空状に構成されるとともに、その内部にエアポンプからの流体を流入することで揉み玉の外径形状を大きくするとともに、圧力を高めて使用者が体感する揉み玉の硬度を高めるようになっている。一方、同マッサージ機では、揉み玉の内部の流体を流出させることで揉み玉内部の圧力を下げて使用者が体感する揉み玉の硬度を低めるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−153971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のようなマッサージ機では、中空状の揉み玉の内部の流体を給排気することで使用者が体感する硬度を変更することができるようになっている。しかしながら、揉み玉の内部に流体を給気して硬度を高めようとしても、揉み玉の体積並びに表面積が増加してしまい、局所的なポイント感のあるマッサージを実現することができない虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、局所的なマッサージを実現することができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のマッサージ機は、施療子を施療動作させてその揉み玉を介して使用者の身体に押圧力を付与するマッサージ機構と、該マッサージ機構の駆動を制御する制御手段とを有し、前記制御手段にて前記マッサージ機構を制御して前記使用者の身体に対してマッサージを行うマッサージ機であって、前記揉み玉は、支持部材によって支持される揉み玉本体と、該揉み玉本体の外側を覆う袋体とを備え、前記揉み玉本体を変形させて硬化するべく前記袋体内部の流体を排出する流体排出手段を備えたこと特徴とする。
【0007】
また上記構成において、袋体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されることが好ましい。
また上記構成において、袋体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも低くなるように構成されることが好ましい。
【0008】
また上記構成において、揉み玉本体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されることが好ましい。
また上記構成において、揉み玉本体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されることが好ましい。
【0009】
また上記構成において、揉み玉本体は、その硬度が前記支持部材の軸方向及び該軸方向と直交する方向の少なくとも一方向において異なるように構成されることが好ましい。
また上記構成において、袋体は、その内部が複数の空間に区切られる複数の収容部を備え、前記流体排出手段は、前記収容部毎に収容部内部の流体を独立して排出可能に構成されることが好ましい。
【0010】
また上記構成において、揉み玉本体は、その径方向中心に配置される前記支持部材に対して取着され、前記支持部材は、その径方向断面が非円形形状とされることが好ましい。
また上記構成において、揉み玉本体は、その径方向中心に配置される筒状の前記支持部材に対して取着され、前記流体排出手段は、前記支持部材の側面において径方向に貫通する態様で形成される貫通孔を備え、該貫通孔を介して前記袋体内部の流体を排出するように構成されることが好ましい。
【0011】
また上記構成において、支持部材は、前記揉み玉と一体回転可能に支持され、前記流体排出手段には、前記支持部材の貫通孔と筒状の経路部材を介してエアポンプが接続され、前記経路部材の途中位置に回転ジョイントが介在されて構成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、局所的なマッサージを実現することができるマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)(b)は、本実施形態におけるマッサージ機の概略構成図。
【図2】(a)(b)は、施療子について説明するための断面図。
【図3】(a)(b)は、施療子について説明するための断面図。
【図4】マッサージ機の電気的構成を説明するためのブロック図。
【図5】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図6】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図7】別例における施療子について説明するための断面図。
【図8】別例における施療子について説明するための断面図。
【図9】別例における施療子について説明するための断面図。
【図10】別例における施療子について説明するための断面図。
【図11】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図12】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図13】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図14】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図15】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図16】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図17】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図18】別例における施療子について説明するための断面図。
【図19】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【図20】(a)(b)は、別例における施療子について説明するための断面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態のマッサージ機10は、左右一対の支持脚部11にて支持された座部12の後端に背もたれ部13が幅方向の回動軸にて傾動可能に組み付けられる。そして、該座部12の前端にオットマン14が同方向の回動軸にて傾動可能に組み付けられてなる。また、座部12の幅方向両側には、前後方向に延びる肘掛け部15が組み付けられている。
【0015】
座部12の下側には、背もたれ部13のリクライニング機構16が備えられており、このリクライニング機構16のモータ16aの駆動により背もたれ部13のリクライニングがなされるようになっている。また、オットマン14についても、座部12の下側に該オットマン14の上下動機構17が備えられており、この上下動機構17のモータ17aの駆動によりオットマン14の上下動されるようになっている。
【0016】
背もたれ部13の幅方向中央部には、上下方向に延び前方に開口されている空間が設けられ、その空間内には使用者の背中のマッサージを行うマッサージ機構21が組み付けられている。このマッサージ機構21は、上下方向に延びるガイドレール22に沿って、マッサージ機構21に組み付けられる図4参照の上下駆動部25(上下駆動モータ25a)により上下動される。また、このマッサージ機構21には、強弱(前後)駆動部26(強弱駆動モータ26a)及び幅駆動部27(幅駆動モータ27a)が備えられるとともに、各駆動部26、27の駆動によって一対の施療子30が動作する。
【0017】
強弱駆動部26は、使用者に対する施療子30の前後方向位置を調整することで、使用者の背中に施療子30を押し付ける力を調整する。また幅駆動部27は、一対の施療子30を背もたれ部13の幅方向に移動させる。図2に示すように、上下駆動部25、強弱(前後)駆動部26及び幅駆動部27は、それぞれ駆動源として駆動モータ25a〜27aを有し、各駆動モータ25a〜27aは制御部28にて駆動制御されるように構成されている。またマッサージ機10には、電源駆動される負圧のエアポンプ29が設けられ、制御部28からの制御に基づいて流体(空気)の給排気を行うように構成されている。
【0018】
図2及び図3に示す施療子30は、図1(a)(b)に示すマッサージ機構21の本体部から前方に延出するアーム部材31と、このアーム部材31の先端部分に軸受31aを介して回転可能に支持された略円筒状の支持軸32とを有する。支持軸32は、アーム部材31の延出方向と直交する方向(軸方向)に延び、この支持軸32には揉み玉33が一体回転可能に支持されている。
【0019】
図3及び図4に示すように、揉み玉33は、支持軸32に取り付けられる揉み玉本体33aと、この揉み玉本体33aの外側を覆う袋部33bとを備えている。
揉み玉本体33aは、例えばスポンジ部材などの連続気泡体を有する多孔性材料で構成される。ここで、連続気泡体を有する多孔性材料とは、その内部に複数形成される気泡同士が連通した(繋がった)状態とされて、その内部を流体(特に気体)が通流可能なものである。このため、袋部33b内の流体を排出することで揉み玉本体33aが変形するようになっている。なお、揉み玉本体33aは、その径方向及び幅方向(軸方向)における材質の硬度が一様となるように構成されている。
【0020】
袋部33bは、前記揉み玉本体33aが外部に直接露出しないように揉み玉本体33aの外側を覆うように構成されている。
ここで、略円筒状の支持軸32には、その内側面32aにおける軸方向略中間位置において、支持軸32の外側面32bまで径方向(軸直交方向)に貫通する1つの貫通孔32cが形成されている。この貫通孔32cは、袋部33b内及び揉み玉本体33a内の流体を給排するための連通路である。
【0021】
支持軸32の側面32a,32bに形成される貫通孔32cは、前記エアポンプ29からの流体(空気)の給排が可能なエアチューブやコネクタ等から構成される接続部35にて前記エアポンプ29と接続される。なお、本実施形態では、貫通孔32c、接続部35及びエアポンプ29にて流体排出手段が構成される。
【0022】
接続部35は、前記貫通孔32c側から見てコネクタ36、コネクタ側エアチューブ37、L型ジョイント38、ポンプ側エアチューブ39の順で接続されてなる。
接続部を構成するコネクタ36は、略L字状で筒状を成し、その基端が支持軸32の側面32a,32bに形成される貫通孔32cと接続される。コネクタ36の先端にはコネクタ側エアチューブ37の基端と接続される。このコネクタ側エアチューブ37の先端にはL型ジョイント38の基端と接続される。
【0023】
L型ジョイント38は、前記コネクタ側エアチューブ37の先端と接続される第1ジョイント38aと、この第1ジョイント38aに対して相対回転、すなわち揉み玉33が回転しても連れ回りしないように相対回転する第2ジョイント38bとを有する。L型ジョイント38の先端は、前記エアポンプ29と先端側と接続されるポンプ側エアチューブ39の基端と三方電磁弁40を介して接続される。このような構成により、貫通孔32cとエアポンプ29との間を接続部35にて接続してエアポンプからの袋部33bに対して流体(空気)の給排気が可能となっている。なお、L型ジョイント38の構成はこれに限らず、要はエアポンプ29側のポンプ側エアチューブ39と接続される基端部側が揉み玉33が回転しても連れ回りしないような構成であればよい。
【0024】
次に、本実施形態のマッサージ機10の作用について説明する。
上記のように構成されたマッサージ機10では、マッサージ機構21の各駆動モータ25a〜27aの駆動が制御部28によって制御されることで、施療子30が施療動作されて使用者の肩・背・腰等の施療部位に、揉みや叩き等のマッサージが施される。
【0025】
またこのマッサージ時において、前記制御部28は、予めプログラムされたマッサージコースに従って揉み玉33の硬度を適宜変更するようにエアポンプ29及び三方電磁弁40を制御する。
【0026】
ここで例えば制御部28は、図4に示す前記三方電磁弁40を大気開放側として袋部33b内の気圧を大気圧と略同等とする。これによって、袋部33b内の圧力を大気圧と同等とすることができ、スポンジ部材等の多孔性材料からなる揉み玉33の本来の比較的柔らかい硬度にて使用者に対してマッサージを施すことが可能となる。
【0027】
また制御部28は、図4に示す前記三方電磁弁40を大気開放側の通路を閉塞する閉塞状態としてエアポンプ29にて袋部33b内の流体を外部に排出する。このように袋部33b内の流体(空気)を負圧のエアポンプ29により排出することができるため、袋部33b内部の圧力が大気圧よりも低くなる。この結果、図3(a)(b)に示すように揉み玉本体33aが袋部33bを介して大気圧により圧縮されて幅方向(軸方向)及びこの幅方向と直交する径方向に小さくなり、揉み玉33としての硬度が硬くなる。これにより、使用者に対して局所的な(ポイント感のある)マッサージを施すことができるようになっている。
【0028】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)揉み玉33は、支持軸32によって支持される揉み玉本体33aと、この揉み玉本体33aの外側を覆う袋部33bとを備える。そして、揉み玉本体33aを変形させて硬化するべく揉み玉本体33aを袋部33b内部の流体(空気)を排出する流体排出手段を構成する貫通孔32c、接続部35及びエアポンプ29を備える。このような構成により、エアポンプ29により袋部33b内部の流体(空気)を排出することによって、袋部33b内部の流体圧(気圧)が大気圧よりも低くなる。そのため揉み玉本体33aが周囲の大気圧に押されて硬さが硬く、径方向及び軸方向小さくなる。この結果、使用者に対して局所的なマッサージを施すことができる。また、袋部33b内部の圧力を大気圧以下の範囲で変更することにより揉み玉本体33aの変形量並びに使用者が感じる揉み玉本体33aの硬さを変位させることができて使用者が感じるマッサージ感覚を多様にすることが可能となる。
【0029】
(2)流体排出手段は、支持軸32の内側面32aから外側面32bにかけて径方向に貫通する態様で形成される貫通孔32cと接続される接続部35と接続されて袋部33b内部の流体(空気)をエアポンプ29にて排出するように構成される。このように、袋部33b内部の流体(空気)を排出する排出口としての貫通孔32cを支持軸32の内部に設けられるため、マッサージ時にこの接続部35が使用者の身体に接触することが抑えられることができる。これにより、使用者に対してマッサージ以外の不要な部材の接触が抑えられて不快感(違和感)を与えることが抑えられる。
【0030】
(3)また支持軸32は、揉み玉33と一体回転可能に支持される。そして支持軸32の貫通孔32cと筒状の経路部材としての接続部35を介してエアポンプ29が接続されて流体排出手段が構成される。そして、前記接続部35の途中位置に回転ジョイントとしてのL型ジョイント38が介在されて流体排出手段が構成される。このような構成により、マッサージを行う際に揉み玉33(支持軸32)が回転しても接続部35の一部(例えばポンプ側チューブ39)の回転が抑えられるため、例えばそれが回転して他の部分に絡まることを防ぐことが可能となる。
【0031】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図5(a)(b)に示すように、袋部50,51の弾性率を径方向と幅方向(軸方向)とで異なるような構成を採用してもよい。なお、図5(a)(b)において袋部50,51の各方向の弾性率を袋部50の厚みによってその差を示しており、厚いほどその厚さと直交する方向への弾性率が高く、薄いほどその厚さと直交する方向への弾性率が低いことを示している。
【0032】
例えば図5(a)に示すように、袋部50の幅方向(軸方向)の弾性率Kf1が袋部50の径方向の弾性率Kf2より高くなるような構成としてもよい。これにより、エアポンプ29による袋部50内の流体(空気)を排出する際に径方向と比較して幅方向への変形量が抑制される。このため袋部50内部の流体(空気)を排出したときに、幅方向への揉み玉本体33aの圧縮量が少なくなり、揉み玉本体33aが径方向に大きく圧縮されて硬くなり、硬いマッサージ感を得ることが可能となる。
【0033】
一方、図5(b)に示すように、袋部51の幅方向(軸方向)の弾性率Kf1が袋部51の径方向の弾性率Kf2よりも低くなるような構成、つまり袋部51の径方向の弾性率Kf2が幅方向の弾性率Kf1よりも高くなるような構成としてもよい。これにより、エアポンプ29による袋部51内の流体(空気)を排出する際に幅方向と比較して径方向への変形量が抑制される。このため袋部51内部の流体(空気)を排出したときに、径方向への揉み玉本体33aの圧縮量が少なくなり、揉み玉本体33aが幅方向に大きく圧縮して幅が狭くなり人体に接触する面積が小さくなるため、硬いポイント感のあるマッサージ感覚を実現することが可能となる。
【0034】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図6(a)(b)に示すように、揉み玉本体60,61の弾性率を径方向と幅方向(軸方向)とで異なるような構成を採用してもよい。なお、図6(a)(b)において、揉み玉本体60,61の各方向の弾性率を各方向へ貫通孔があるか否かでその差を示し、幅方向(軸方向)に貫通孔が形成される場合は幅方向の弾性率が高く、径方向に貫通孔が形成される場合は径方向の弾性率が高くなることを示している。
【0035】
例えば図6(a)に示すように、揉み玉本体60の幅方向(軸方向)の弾性率Kh1が揉み玉本体60の径方向の弾性率Kh2より高くなるような構成としてもよい。これにより、エアポンプ29による袋部33b内の流体(空気)を排出する際に幅方向と比較して径方向への変形量が抑制される。そのため袋部33b内部の流体(空気)を排出したときに、幅方向への揉み玉本体60の圧縮量(変形量)が少なくなり、径方向に大きく圧縮して揉み玉本体60を硬くでき、硬いマッサージ感を得ることが可能となる。また袋部33bの弾性率を場所によって変化させるよりも加工方法が簡単なため、加工時間並びにそのコストを抑えることができる。
【0036】
一方、図6(b)に示すように、揉み玉本体61の幅方向(軸方向)の弾性率Kh1が揉み玉本体61の径方向の弾性率Kh2より低くなるような構成、つまり揉み玉本体61の径方向の弾性率Kh2が幅方向の弾性率Kh1よりも高くなるような構成としてもよい。これにより、エアポンプ29による袋部33b内部の流体(空気)を排出する際に径方向と比較して幅方向への変形量が抑制される。そのため袋部33b内部の流体(空気)を排出したときに、径方向への揉み玉本体61の圧縮量(変形量)が少なくなり、幅方向に大きく圧縮して揉み玉本体61の幅が狭くできる。これにより、使用者の身体に接触する面積が小さくなるため、局所的な(ポイント感のある)マッサージを実現することができる。また、袋部の弾性率を場所によって変化させるよりも加工方法が簡単なため、加工時間並びにそのコストを抑えることができる。
【0037】
また、図7に示すように、揉み玉本体70及び袋部71の幅方向(軸方向)における弾性率Kh1,Kf1を共に揉み玉本体70及び袋部71の径方向における弾性率Kh2,Kf2よりも高くする構成(Kh1<Kh2、Kf1<Kf2)を採用してもよい。また、図8に示すように、揉み玉本体72及び袋部73の幅方向(軸方向)における弾性率Kh1,Kf1を共に揉み玉本体72及び袋部73の径方向における弾性率Kh2,Kf2よりも低く、つまりKh1>Kh2、Kf1>Kf2とする構成を採用してもよい。このように揉み玉本体72及び袋部73の同一方向の弾性率をそれぞれの他方向の弾性率よりも高くすることで、弾性率が低い方向により早く揉み玉本体72の大きさ及び硬さを変化させることができる。
【0038】
また、図9に示すように、揉み玉本体74の幅方向(軸方向)の弾性率Kh1を径方向の弾性率Kh2よりも高く、更に袋部75の径方向の弾性率Kf2を幅方向(軸方向)の弾性率Kf1よりも高くする構成を採用してもよい。更に、図10に示すように、揉み玉本体76の径方向の弾性率Kh2を幅方向(軸方向)の弾性率Kh1よりも高く、更に袋部77の幅方向(軸方向)の弾性率Kf1を径方向の弾性率Kf2よりも高くする構成を採用してもよい。このように揉み玉本体76及び袋部77の異なる方向の弾性率のそれぞれの多方向の弾性率よりも高くすることで、揉み玉本体76の変形量を調整することも可能となる。
【0039】
・上記実施形態では、揉み玉本体33aの硬度を支持軸32の軸方向及びこの軸方向と直交する方向(径方向)において一様(同一)となるような構成としたが、軸方向及びこの軸方向と直交する方向(径方向)の少なくとも一方向において異なるように構成してもよい。このような構成としては図11〜図14に示すように揉み玉本体を硬さの異なる複数の部材で径方向において層構造にすることや、揉み玉本体を硬さの異なる複数の部材で軸方向において層構造にすることで実現できる。
【0040】
例えば図11(a)(b)に示すように、揉み玉本体80は、支持軸32の径方向外側に取り付けられる比較的硬い第1内包部材80aと、この第1内包部材80aの径方向外側に取り付けられる比較的柔らかい第2内包部材80bとで構成する。このような構成においては、袋部81内部が大気圧と一定の場合には比較的柔らかい第2内包部材80bが使用者の身体に当接されるのでソフトなマッサージを実現できる。また、同構成にてエアポンプ29により袋部81内の流体(空気)を排出すると特に径方向外側の比較的柔らかい第2内包部材80bが変形して、径方向中心の比較的硬い第1内包部材80aによって強いマッサージを実現することができる。
【0041】
例えば、図12(a)(b)に示すように、揉み玉本体82は、支持軸32の径方向外側に取り付けられる比較的柔らかい第1内包部材82aと、この第1内包部材82aの径方向外側に取り付けられる比較的硬い第2内包部材82bとで構成する。このような構成に置いては、比較的硬い第2内包部材82bが当接する。しかしながら、袋部83内部が大気圧と一定の場合には揉み玉本体82の径方向中心の柔らかい第1内包部材82aにて揉み玉本体82が使用者の身体との当接により変形し易いため、ソフトなマッサージを実現することができる。また、同構成にてエアポンプ29により袋部83内の流体(空気)を排出すると径方向中心の比較的柔らかい第1内包部材82aが変形することで、変形後においては変形前と比べて柔らかい第1内包部材82aが身体と当接しても揉み玉本体82は変形しにくい。このため、径方向外側の比較的硬い第2内包部材82bによって強いマッサージを実現できる。
【0042】
また、上記構成では図11(a)(b)及び図12(a)(b)に示すように揉み玉本体を硬さの異なる複数の部材で径方向において2層構造にする構成としたが、図13(a)(b)及び図14(a)(b)に示すように、3層構造にしてもよい。
【0043】
具体的には図13(a)(b)に示すように、揉み玉本体84を支持軸32の外周に固定される内側部材84aと、この内側部材84aの外側に固定される中間部材84bと、この中間部材84bの外側に固定される外側部材84cとで構成する。そして、図13(a)(b)では、前記内側部材84a及び外側部材84cの弾性率を中間部材84bの弾性率よりも高くする構成としている。
【0044】
また図14(a)(b)に示すように、揉み玉本体85を支持軸32の外周に固定される内側部材85aと、この内側部材85aの外側に固定される中間部材85bと、この中間部材85bの外側に固定される外側部材85cとで構成する。そして、図14(a)(b)では、前記内側部材85a及び外側部材85cの弾性率を中間部材85bの弾性率よりも低く、つまり中間部材85bの弾性率が内側部材85a及び外側部材85cの弾性率よりも高い構成としている。なお、3層に限らず、揉み玉本体を4層以上の構成としてもよい。
【0045】
また、揉み玉本体33aの幅方向において硬さの異なる部材を層構造にした場合には身体を挟み込むようなマッサージ時に身体に当接する部分が柔らかくなるような素材を用いることによって施療されるときの恐怖感がなくなる。また、挟み込みなどの施療の際には動きのよって身体に接触する部分の揉み玉本体33aの硬さが変化するため、多様なマッサージ感を得ることができる。
【0046】
・上記実施形態では、特に言及していないが、例えば図15〜図18に示すように袋部をその内部が複数の空間に区切られる複数の収容部を備える構成としてもよい。この場合、エアポンプ29によって収容部毎に収容部内部の流体を独立して排出可能な構成が好ましい。
【0047】
図15(a)(b)に示すように、例えば袋部90はその径方向において例えば2つの空間に区切る内側収容部90aと外側収容部90bを備える構成としてもよい。なお、各収容部90a,90b間は接着材や縫合等により一体的に構成されている。そして内側収容部90aは上記実施形態の袋部33b(図2及び図3参照)と同様に収容部90a内の流体(空気)が支持軸32の貫通孔32c及び接続部35を介してエアポンプ29により排出可能とされている。ちなみに本構成においては、接続部35を構成するコネクタ91は、上記実施形態と形状並びその機能が異なっており、エアポンプ29側からみて出口側が二股形状を成して、その一方が前記支持軸32の貫通孔32cと接続されるようになっている。そして、二股のコネクタ91の出口側の他方が前記支持軸32の前記貫通孔32cとは別の貫通孔32dの支持軸32における内側面32aと接続される。この貫通孔32dの支持軸32における外側面32bが接続チューブ92を介して前記外側収容部90bの径方向側面に形成される貫通孔93と接続されて、エアポンプ29による外側収容部90b内の流体(空気)の排出が可能とされる。なお、コネクタ91の二股の出口のそれぞれには例えば電磁弁(図示略)を介在させることで、これら電磁弁を制御部28にて独立して制御することで、各収容部90a,90b毎に収容部90a,90b内部の流体を独立して排出することが可能となる。
【0048】
また上記構成に加えて図16(a)(b)及び図17(a)(b)に示すように各収容部90a,90b毎で揉み玉本体94を構成する部材の硬度が異なるような構成を採用してもよい。なお、図16(a)(b)では、前記内側収容部90aに内包される揉み玉本体94を構成する内側部材94aを前記外側収容部90bに内包される揉み玉本体94を構成する外側部材94bよりも硬い構成としている。一方、図17(a)(b)では、前記外側収容部90bに内包される揉み玉本体94を構成する外側部材94bを前記内側収容部90aに内包される揉み玉本体94を構成する内側部材94aよりも硬い構成としている。
【0049】
なお、図15〜図17では、袋部の径方向において複数の空間に区切られる構成としているが、袋部の幅方向において複数の空間に区切られる構成であってもよい。
また、図18に示すように袋部95を周方向(揉み玉33の回転方向)において複数(図19では4つ)の空間に区切られるように収容部95a〜95dを設ける構成としてもよい。この場合においても、各収容部95a〜95d毎で揉み玉本体96を構成する押圧部材96a〜96dの硬度が異なるような構成としてもよい。また、収容部95a〜95d毎に独立してエアポンプ29による収容部95a〜95d内部の流体(空気)の排気を可能とする構成を採用してもよい。このような構成とすることで、揉み玉33の回転方向において、揉み玉本体96の押圧部材96a〜96dの硬度を変化させることができ、揉み玉33の当接部位に応じて異なる硬さの異なるマッサージを実施することができる。
【0050】
・上記実施形態では、揉み玉33(揉み玉本体33a)を支持する支持部材としての支持軸32の径方向断面が円形形状としたが、非円形形状となるような構成を採用してもよい。非円形形状となる構成としては、図19及び図20に示すように支持軸100の径方向に切断した断面形状が星形や、単に支持軸に突起や窪みを設ける構成などが考えられる。例えば、支持軸100に突起を設けたり星形としたりすることで、袋部101内の流体をエアポンプ29により排出した際に支持軸100の形状に沿って揉み玉本体102が圧縮されるため、支持軸100の突起によってより局所的な(ポイント感のある)マッサージを実現できる。また支持軸100に窪みを設ける構成としたには、その窪みの大きさ等によっては肩上や首などの施療部位に、より密着するようにその窪みに沿ってエアポンプ29により揉み玉33を圧縮させることができる。これによって、密着感のある好適なマッサージを実現できる。
【0051】
・上記実施形態では、揉み玉33の径方向に切断した断面形状を略円形形状とする構成としたが、非円形形状としてもよい。非円形形状としては、例えば図20に示すように星形でもよく、この他、六角形等の多角形や人の手の指を模した形状に変更してもよい。
【0052】
・上記各実施形態では、使用者が着座した状態で使用する椅子型タイプのマッサージ機に本発明を適用したが、例えば、使用者が寝た状態で使用するベッドタイプのマッサージ機に本発明を適用してもよい。要は、使用者の身体を押圧する揉み玉を有するマッサージ機であれば本発明を適用することができる。
【0053】
・上記実施形態では、揉み玉33が支持軸32と一体回転する構成としたが、支持軸32と揉み玉33との間に軸受等を介在させて揉み玉33のみを回転させる構成を採用してもよい。また、揉み玉33を回転不能な構成として、揉み玉33を摺接させる構成としてもよい。
【0054】
・上記実施形態では、支持軸32に貫通孔32cを1つ設ける構成としたが、支持軸32の周方向に複数の貫通孔を形成してこれらの貫通孔とエアポンプ29とを接続部35を介して接続する構成を採用してもよい。また、支持軸32に複数の貫通孔を設ける場合には、各貫通孔を均等配置することが望ましい。各貫通孔を均等配置することで、エアポンプ29にて袋部33b内の流体(空気)を排出する際に、揉み玉本体33aをその周方向において均等に圧縮することができる。
【符号の説明】
【0055】
10…マッサージ機、21…マッサージ機構、28…制御部(制御手段)、29…エアポンプ(流体排出手段)、30…施療子、32…支持軸(支持部材),32a…内側面(側面)、32b…外側面(側面)、32c…貫通孔(流体排出手段)、33…揉み玉、33a,60,61,70,72,74,80,82,94,96,102…揉み玉本体、33b…袋部(袋体)、35…接続部(流体排出手段)、38…L型ジョイント(回転ジョイント)、90a,90b,95a〜95d…収容部、Kf1,Kf2,Kh1,Kh2…弾性率。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施療子を施療動作させてその揉み玉を介して使用者の身体に押圧力を付与するマッサージ機構と、該マッサージ機構の駆動を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段にて前記マッサージ機構を制御して前記使用者の身体に対してマッサージを行うマッサージ機であって、
前記揉み玉は、支持部材によって支持される揉み玉本体と、該揉み玉本体の外側を覆う袋体とを備え、
前記揉み玉本体を変形させて硬化するべく前記袋体内部の流体を排出する流体排出手段を備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記袋体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマッサージ機において、
前記袋体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも低くなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、その硬度が前記支持部材の軸方向及び該軸方向と直交する方向の少なくとも一方向において異なるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記袋体は、その内部が複数の空間に区切られる複数の収容部を備え、
前記流体排出手段は、前記収容部毎に収容部内部の流体を独立して排出可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、その径方向中心に配置される前記支持部材に対して取着され、
前記支持部材は、その径方向断面が非円形形状とされたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、その径方向中心に配置される筒状の前記支持部材に対して取着され、
前記流体排出手段は、前記支持部材の側面において径方向に貫通する態様で形成される貫通孔を備え、該貫通孔を介して前記袋体内部の流体を排出するように構成されることを特徴とするマッサージ機。
【請求項10】
請求項9に記載のマッサージ機において、
前記支持部材は、前記揉み玉と一体回転可能に支持され、
前記流体排出手段は、前記支持部材の貫通孔と筒状の経路部材を介してエアポンプが接続されるとともに前記経路部材の途中位置に回転ジョイントが介在されて構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項1】
施療子を施療動作させてその揉み玉を介して使用者の身体に押圧力を付与するマッサージ機構と、該マッサージ機構の駆動を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段にて前記マッサージ機構を制御して前記使用者の身体に対してマッサージを行うマッサージ機であって、
前記揉み玉は、支持部材によって支持される揉み玉本体と、該揉み玉本体の外側を覆う袋体とを備え、
前記揉み玉本体を変形させて硬化するべく前記袋体内部の流体を排出する流体排出手段を備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記袋体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマッサージ機において、
前記袋体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも低くなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、前記支持部材の軸方向における弾性率が該軸方向と直交する方向における弾性率よりも高くなるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、その硬度が前記支持部材の軸方向及び該軸方向と直交する方向の少なくとも一方向において異なるように構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記袋体は、その内部が複数の空間に区切られる複数の収容部を備え、
前記流体排出手段は、前記収容部毎に収容部内部の流体を独立して排出可能に構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、その径方向中心に配置される前記支持部材に対して取着され、
前記支持部材は、その径方向断面が非円形形状とされたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記揉み玉本体は、その径方向中心に配置される筒状の前記支持部材に対して取着され、
前記流体排出手段は、前記支持部材の側面において径方向に貫通する態様で形成される貫通孔を備え、該貫通孔を介して前記袋体内部の流体を排出するように構成されることを特徴とするマッサージ機。
【請求項10】
請求項9に記載のマッサージ機において、
前記支持部材は、前記揉み玉と一体回転可能に支持され、
前記流体排出手段は、前記支持部材の貫通孔と筒状の経路部材を介してエアポンプが接続されるとともに前記経路部材の途中位置に回転ジョイントが介在されて構成されたことを特徴とするマッサージ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2012−152312(P2012−152312A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−12712(P2011−12712)
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月25日(2011.1.25)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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