説明

マッサージ機

【課題】支持手段の揺動を、使用者の脚と腕の少なくとも一方である揺動対象にしっかり伝え、狙いのマッサージ効果を得ることができるマッサージ装置を提供する。
【解決手段】オットマン15には、揺動駆動部21の駆動による揺動運動をする支持台17が設けられている。支持台17の上面には、左右の脚を別々に巻き付けることが可能な左右一対の帯体18が設けられている。一対の帯体18は支持台17の上面に間隔を開けて設けられている。帯体18を構成する一対の帯片18A,18Bには、面ファスナ20を構成する被止着面20Aと止着面20Bがそれぞれ設けられている。一対の帯片18A,18Bは、脚に密着するように巻き付けた位置で面ファスナ20により止着することが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚と腕の少なくとも一方を揺動させる揺動機能を備えたマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者が着座した状態でマッサージを受けられる椅子型のマッサージ機には、使用者の脚部を載置可能な脚載台(オットマン)が装備され、脚載台を左右に揺動させる揺動機構を備えたものが開示されている(例えば特許文献1、2)。使用者の脚部を支持している脚載台が左右方向に往復移動することに伴って、使用者の両脚を含む下半身全体が腰部を中心として揺動運動をし、使用者の脚部の緊張状態を緩和するマッサージ効果が得られる。また、椅子型のマッサージ機以外にも、揺動手段を用いてほぐしマッサージ効果を狙ったものに、いわゆる金魚運動を行う往復運動装置(揺動式マッサージ機)が知られている(例えば特許文献3)。この往復揺動装置では、仰臥姿勢の使用者が足を載せた脚載台が左右に往復運動することにより、使用者はいわゆる金魚運動を行って脊柱を矯正することができる。従来のマッサージ機では、揺動可能な脚載台(支持手段)の脚載せ位置に設けられた凹部に脚部を入れて、揺動運動中の脚部が支持されるようになっていた。
【0003】
ところで、従来の揺動式のマッサージ機では、高速に揺動させたり、振幅を大きくしたりしたときに、身体の一部(脚又は腕)を支持して揺れを伝える支持手段の凹部内で身体の一部が揺動方向(左右方向)に大きくずれる虞があった。また、支持手段の凹部を曲面に形成しても、身体の一部が凹部内の側壁や底板に当たって痛くなり、揺動運動を持続できないという問題もある。
【0004】
この種の問題を解消するため、例えば特許文献2、4では、脚部をベルト(帯体)で保持して支持手段に固定する構成が開示されている。例えば特許文献4に記載の健康器具では、脚を面ファスナ付きのベルトを用いて移動台(支持手段)に取り付ける構成となっている。また、特許文献2に記載の椅子式マッサージ機では、足載せ部に保持ベルト(帯体)を設け、揺動可能な足載せ部に対して保持ベルトを用いて脚部を保持する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−328262号公報
【特許文献2】特開2008−237295号公報(例えば図12、図20、図21)
【特許文献3】特開2009−268712号公報
【特許文献4】実開平1−170230号公報(例えば図1、図2、図7)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献4では、両脚(左右の脚)に1つのベルトを巻き付けて移動台に保持する構成であったため、揺動中にベルト内で左右の脚がずれる虞があった。また、特許文献2では、ベルトは片脚分ずつ2つ設けられており、左右の脚に別々にベルトを装着できるものの、不使用時にも邪魔にならないように平坦形状のベルトであって、脚を揺動方向(左右方向)と略直交する上下方向から挟み込む構成であるため、脚の揺動方向の両側が保持されず、揺動中にベルト内で脚がずれやすいという問題があった。このため、脚載台の揺動時の速度や振幅を適正な値に調整して狙いのマッサージ効果が得られるようにマッサージ機を設定しても、その狙いのマッサージ効果が期待できなくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、支持手段の揺動を、使用者の脚と腕の少なくとも一方である揺動対象にしっかり伝え、狙いのマッサージ効果を得ることができるマッサージ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために本発明は、揺らし施術が可能な揺動機能を備えたマッサージ機において、使用者の脚と腕のうち少なくとも一方を支持する支持手段と、前記支持手段を揺動させる揺動駆動手段と、前記支持手段に設けられ、前記腕と脚のうち少なくとも一方である揺動対象に左右別々に巻き付けるとともに前記揺動対象に密着させて巻き付けた際の止着位置を調整可能な調整機能を有する帯体と、を備えたことを要旨とする。
【0009】
本発明のマッサージ機において、前記支持手段には、前記腕と脚のうちの一方を左右別々に巻き付けるための前記帯体が一対設けられ、前記一対の帯体は揺動方向に間隔を開けて前記支持手段に設けられていることが好ましい。
【0010】
本発明のマッサージ機において、前記帯体は、流体の導入・排出により膨張・収縮する膨張収縮部を有し、前記膨張収縮部に対する流体の導入・排出を調整する膨張収縮調整手段を更に備えることが好ましい。
【0011】
本発明のマッサージ機において、前記帯体とは別に、前記使用者の身体の揺らしたくない部位に巻き付けて、前記支持手段が揺動するときに、前記揺らしたくない部位の揺れを抑える第2の帯体を備えることが好ましい。
【0012】
本発明のマッサージ機において、前記帯体と前記支持手段の少なくとも一方には、前記脚又は腕に巻き付けられた前記帯体の内側となる位置に、熱と圧力とのうち少なくとも一方の刺激を与える刺激付与手段が設けられていることが好ましい。
【0013】
本発明のマッサージ機において、前記帯体は、前記支持手段に対して互いに間隔を開けて固定された一対の帯片と、一対の帯片を前記脚又は腕に密着させて巻き付けるための調整機能を有する止着部とを備え、前記刺激付与手段は、前記支持手段の前記間隔に相当する位置に設けられていることが好ましい。
【0014】
本発明のマッサージ機において、前記刺激付与手段は、温熱を与える温熱刺激手段であることが好ましい。
本発明のマッサージ機において、前記刺激付与手段は、冷熱を与える冷感刺激手段であることが好ましい。
【0015】
本発明のマッサージ機において、前記刺激付与手段は、指圧を施す突起であることが好ましい。
本発明のマッサージ機において、前記刺激付与手段は、回転とスライドと出没のうち少なくとも一つの動作を行って、前記帯体に巻き付けられた部位をマッサージするもみ玉が設けられていることが好ましい。
【0016】
本発明のマッサージ機において、前記帯体は、前記脚又は腕の特定の関節を含む範囲に巻き付けられて前記関節を保護するサポータであることが好ましい。
本発明のマッサージ機において、前記帯体は前記支持手段に対して着脱可能に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【0017】
本発明のマッサージ機において、前記帯体は、前記支持手段から延出する一対の帯片を備え、前記一対の帯片を、前記脚又は腕を入れやすい形態に保持する形態保持手段を備えていることが好ましい。
【0018】
本発明のマッサージ機において、前記脚と腕のうち少なくとも一方に前記帯体が巻き付けられた状態にある使用者の姿勢を変更させる姿勢変更手段を更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、支持手段の揺動を、使用者の脚と腕の少なくとも一方である揺動対象にしっかり伝え、狙いのマッサージ効果を得ることが可能なマッサージ機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明を具体化した第1実施形態における椅子型のマッサージ機の斜視図。
【図2】座部及びオットマンを正面から見た模式図。
【図3】図2のA−A線矢視図。
【図4】(a),(b)はオットマンの揺動状態を示す底面図。
【図5】マッサージ機の揺動制御に係る電気的構成を示すブロック図。
【図6】第2実施形態における揺動装置の使用例を示す斜視図。
【図7】揺動装置の要部を示す側面図。
【図8】揺動装置の揺動機構を背面側から見た断面図。
【図9】同じく揺動機構の平断面図。
【図10】揺動装置の電気的構成を示すブロック図。
【図11】第3実施形態における揺動装置の使用例を示す斜視図。
【図12】第4実施形態における揺動装置の使用例を示す斜視図。
【図13】揺動装置の側面図。
【図14】第5実施形態における揺動装置を示す側面図。
【図15】揺動装置の一部破断背面図。
【図16】揺動装置の電気的構成を示すブロック図。
【図17】第6実施形態における揺動装置を示す一部破断側面図。
【図18】揺動装置の一部破断背面図。
【図19】揺動装置の電気的構成を示すブロック図。
【図20】第7実施形態における揺動装置を示し、(a)は一部破断側面図、(b)は冷感刺激部(ペリチェ素子)の概略構成図。
【図21】揺動装置の電気的構成を示すブロック図。
【図22】第8実施形態における揺動装置を示し、(a)は一部破断側面図、(b)は要部斜視図。
【図23】第9実施形態における揺動装置を示す一部破断背面図。
【図24】揺動装置の使用例を示す一部破断背面図。
【図25】第10実施形態における揺動装置を示す側面図。
【図26】第10実施形態における図25と異なる揺動装置を示す側面図。
【図27】第11実施形態における揺動装置を示す一部破断背面図。
【図28】第11実施形態における図27と異なる揺動装置を示す一部破断背面図。
【図29】第12実施形態におけるマッサージシステムの一部を示す概略構成図。
【図30】マッサージシステムの使用例を示す模式図。
【図31】第13実施形態における揺動装置を示す一部破断背面図。
【図32】第13実施形態における図31と異なる揺動装置を示す一部破断背面図。
【図33】(a),(b)第14実施形態における揺動装置を示す側面図。
【図34】第14実施形態における図33と異なる揺動装置を示し、(a)は一部破断背面図、(b)は側面図。
【図35】変形例の揺動装置を示す側面図。
【図36】図35と異なる変形例の揺動装置を示す要部背面図。
【図37】図36と異なる変形例の揺動装置を示す一部破断背面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
次に、本発明を椅子型のマッサージ機に具体化した第1実施形態を、図1〜図5に従って説明する。
【0022】
図1に示すように、椅子型のマッサージ機10は、図示しない床面に載置される脚部11を備え、その脚部11の上方には使用者が着座可能な座部12が固定されている。この座部12の後側には、使用者が背中をもたせ掛けるための背もたれ部13が傾動可能に設けられている。この背もたれ部13には身体のマッサージを行うためのもみ玉などの施療子(図示せず)が内装されている。また、座部12の前側には、使用者の脚を載せることができるオットマン15(脚載台)が、座部12の前端付近を中心として前後に傾動可能に設けられている。また、座部12の左右両側には、使用者の腕を置くための肘掛け部16が背もたれ部13から座部12の両側前方にかけて設けられている。本実施形態のマッサージ機10は、オットマン15を左右方向(図1に矢印で示す方向)に揺動させる揺動機能を備えている。そして、オットマン15は、左右方向に揺動可能な支持手段としての支持台17を備えている。
【0023】
図1及び図2に示すように、支持台17は、揺動対象である両脚Kを支持するためのもので、脚Kが載せられるその載置面(支持面)には、使用者Uの左右の脚Kに別々に巻き付けられて、左右の脚Kを支持台17に固定可能な左右一組の帯体18が設けられている。帯体18は、使用者の脚(特に下腿)にフィットする柔らかい材質からなるシート状の一対の帯片18A,18Bからなる。一対の帯片18A,18Bは、例えば合成繊維で織られた布、樹脂シート、合成皮革シートなどにより単体あるいは複合材として形成されている。一対の帯片18A,18Bは、椅子に着座した使用者Uの脚Kのうち特に下腿を保持するためのものであり、下腿の長手方向(図1では上下方向)中央付近の部位に巻き付けるのに十分な所定長さを有している。
【0024】
図3に示すように、支持台17の上面における左右の脚Kを載せる位置には、揺動方向(図3における左右方向)において、想定される下腿(帯体巻き付け対象)の太さ(幅)より短く設定された幅の凹部17Aが形成されている。凹部17Aのこの幅は、例えば5〜10cmの範囲内の値に設定されている。そして、一対の帯片18A,18Bの基部は、凹部17Aの左右方向に対向する各側壁にそれぞれ接する状態で支持台17に対して固定されている。このため、一対の帯片18A,18Bの基部が支持台17に固定された各固定位置の左右方向における間隔は、想定される下腿(帯体巻き付け対象)の太さよりも狭くなっている。このため、一対の帯片18A,18Bを脚Kに巻き付けたときには、脚Kの左右方向両側の側周面にも密着するようにほぼ全周に亘って巻き付けられるようになっている。
【0025】
また、帯体18には、一対の帯片18A,18Bを下腿に密着するように巻き付けたときに、その巻き付けた位置で重ね合わせた先端部分を止着するために、図3に示す面ファスナ20(止着部)が設けられている。面ファスナ20は、一方の帯片18Aの先端寄り部分の外面に設けられた被止着面20A(ループ面)と、他方の帯片18Bの先端部の内面に設けられた止着面20B(フック面)とを備えている。面ファスナ20は、使用者Uの脚K(特に下腿)の太さが異なっても、帯体18を脚K(下腿)に密着するように巻き付けた位置で止着できるよう止着位置の調整が可能な調整機能を有する。
【0026】
そして、下腿に密着するように巻き付けた帯片18A,18Bを面ファスナ20で止着することにより、図2に示すように、帯体18を介して脚K(下腿)を支持台17にしっかり固定することが可能となっている。このとき、帯体18が巻き付けられたときには脚Kの下部が凹部17Aの内底面に押し付けられるため、脚Kは帯体18の内周面と凹部17Aの内底面に、全周に亘って密着する状態で、支持台17に固定される。また、帯体18(帯片18A,18B)は、不使用時には、図3に二点鎖線で示すような折り畳み状態となるので、コンパクトに収納可能となっている。
【0027】
また、支持台17上に形成された一対の凹部17Aは、左右方向に所定の間隔を開けて位置している。このため、各凹部17Aの側面に固定された左右一組の帯体18は、左右方向(揺動方向)に所定の間隔を開けた状態で支持台17上に設けられている。本実施形態では、左右一組の帯体18の間隔は、一組の帯体18に脚Kが巻き付けられた状態で支持台17が揺動運動するときに、使用者Uの左右の足(例えば足先)がぶつからないか、軽くぶつかる程度の距離に設定されている。この一組の帯体18の間隔は、例えば2〜20cmの範囲内の値に設定されている。もちろん、この値に限定されず、より小さな間隔やより大きな間隔も採用してよい。
【0028】
図3に示すように、オットマン15を構成する支持台17は、揺動駆動部21によって左右方向に揺動可能に構成されている。揺動駆動部21は、動力源となるモータ22と、このモータ22の回転駆動力を左右方向の直線運動に変換する直動変換機構23とを有している。
【0029】
図3に示すように、直動変換機構23は、モータ22の出力軸に固定された小プーリ24と、小プーリ24とベルト25を介して連結される大プーリ26と、大プーリ26の軸方向両側に大プーリ26と同軸回転可能に接続された一対の回転板27(但し、図3では一方のみ図示))とを備えている。さらに、直動変換機構23は、各回転板27の中心(回転軸)から径方向にはずれた偏心位置に一端部が連結されたリンクアーム28を備え、これら各リンクアーム28の他端部は、支持台17の裏面の左右方向両端部に固定された往復部材29から突出する連結部29Aに連結されている。
【0030】
揺動駆動部21は、支持台17を相対移動可能に支持する所定形状の支持板30に組み付けられている。支持板30の左右方向両端部には、図3の背面視において断面U字状の保持部31が一体形成されている。保持部31には左右方向に延びるガイドロッド32が保持されている。
【0031】
各往復部材29の連結部29Aにガイドロッド32は挿通され、各往復部材29はガイドロッド32に案内されて左右方向における所定範囲内で往復移動が可能になっている。一対のリンクアーム28の一端部は、回転板27に対して、2つの往復部材29が同期して同方向へ移動するように位相を合わせた位置に連結されている。
【0032】
ここで、図3、図4を参照して、揺動駆動部21の動作について説明する。図3に示すように、オットマン15が中立位置にある状態においてモータ22が回転駆動すると、小プーリ24が回転し、その回転はベルト25を介して大プーリ26に伝達され、大プーリ26が回転する。このとき、大プーリ26の回転に伴い、一対の回転板27が大プーリ26に同期して回転する。一対の回転板27の回転に伴い、リンクアーム28の一端部は回転板27の中心(回転中心)に対して公転する。このため、各リンクアーム28,28の他端部が連結された一対の往復部材29,29は、同方向へ同期して往復移動する。
【0033】
すなわち、回転板27が図3に示す中間位置から、図4(a)に矢印で示すように時計回りに回転したとき、各往復部材29は右方(図4では左方)へ移動する。このとき、往復部材29に固定されたオットマン15は、往復部材29の右方への移動に伴い右方へ移動する。
【0034】
図4(a)に示すように、回転板27が図3の中立位置から時計回りに90°回転したとき、各往復部材29が各保持部31の右端部まで移動するとともに、オットマン15の位置が右方限界位置となる。この状態から回転板27が時計回りに回転すると、各往復部材29が左方(図4では右方)に移動する。
【0035】
図4(b)に示すように、回転板27が図4(a)の右方限界位置から時計回りに180°回転したとき、各往復部材29が各保持部31の左端部まで移動するとともにオットマン15の位置が左方限界位置となる。この状態から回転板27が時計回りに回転したとき、各往復部材29が右方(図4では左方)に移動する。
【0036】
以上のように、揺動駆動部21のモータ22が回転駆動するのに伴い、オットマン15は右方限界位置(図4(a)の位置)と左方限界位置(図4(b)の位置)との間で往復運動する。このため、脚が帯体18を介してオットマン15に固定された状態で、モータ22が回転駆動したときには、オットマン15と共に脚K(特に下腿)が左右方向に揺動する。
【0037】
次に、マッサージ機10における揺動制御に係る電気的構成を説明する。図5に示すように、マッサージ機10には、オットマン15の揺動制御を含む各種の制御を司る制御部35が設けられている。制御部35には、マッサージ機10に電力を供給する電源部36と、マッサージ機10の運転操作を行う例えばリモートコントロール式の操作部37と、オットマン15を揺動させる揺動駆動部21が電気的に接続されている。
【0038】
制御部35は、使用者が操作部37を操作したときに入力する操作信号に基づき、マッサージ機10の運転の開始/停止や、背もたれ部13の傾動動作、オットマン15の傾動動作、オットマン15の揺動運動などの各種の制御を行う。また、制御部35は、マッサージ機10の背もたれ部13に内装されたもみ玉などの施療子の駆動制御も行う。
【0039】
制御部35は、使用者がマッサージ機10に着座した状態で、両脚Kを載せたオットマン15を左右方向に揺動させるときには、揺動駆動部21のモータ22を駆動制御する。制御部35は、操作部37からの操作信号に基づき、そのとき選択されたマッサージモードや揺動速度・振幅となるように、モータ22の回転速度を制御する。制御部35のメモリには、例えば、各種のマッサージモードや、設定揺動速度・設定振幅を含む揺動条件と、モータ回転速度を決める電圧値(例えばデューティ値)などのモータ速度情報との対応関係を示す参照データが記憶されている。そして、制御部35は、選択されたモードや揺動条件を基に参照データを参照して取得した対応するモータ速度情報に基づき、モータ22を駆動制御する。また、制御部35のメモリに記憶された各種のマッサージモードなどに対応する揺動条件は、支持台17の揺動が確実に脚Kに伝わることを前提として、狙いの揺動運転が行われるような好適な値に設定されている。また、本実施形態のマッサージ機10では、オットマン15を比較的高速域かつ比較的大きな振幅域でも揺動運転させることが可能になっている。
【0040】
<作用>
次にマッサージ機10の作用を説明する。オットマン15に脚Kを装着するときには、支持台17の上面に取り付けられた二組の帯片18A,18Bを左右の下腿にそれぞれ密着するように巻き付け、その巻き付けた位置で帯片18A,18Bの先端部を面ファスナ20で止着する。これにより、帯体18が下腿にフィットする状態で装着され、使用者Uの下腿は帯体18を介して支持台17にしっかり固定される。
【0041】
この状態で、使用者は操作部37を操作して所望の揺動条件でマッサージ機10の運転を開始させる。制御部35は、操作部37から指示を受け付けると、揺動駆動部21のモータ22を駆動させる。この結果、オットマン15が揺動を開始する。このとき、制御部35は、操作部37から指示されたマッサージモードや設定揺動速度・設定振幅を基に参照データを参照して取得したモータ速度情報に従って、モータ22を速度制御する。このため、オットマン15は、使用者が選択したマッサージモードや設定値に応じた揺動速度で揺動する。
【0042】
例えばオットマン15が比較的高速で揺動運転された場合でも、下腿が帯体18を介して支持台17にしっかり固定されているため、オットマン15の揺れを確実に脚に伝えることができる。また、本実施形態のオットマン15の支持台17には、脚を保持するための凹部を有する脚保持部がないので、脚保持部を有する従来装置のように、オットマンの揺動時に脚(下腿)が凹部の内壁面にぶつかり、使用者が痛く感じることもない。
【0043】
また、帯体18は脚K(下腿)のほぼ全周に亘り密着し、脚Kの左右両側からも確実に密着しているので、オットマン15の揺動時に帯体18の中で脚Kがぐらつくこともない。このため、オットマン15の揺動を確実に脚Kに伝え、狙いの揺動マッサージを実現できる。よって、オットマン15の揺動によって使用者の身体をほぐす効果が一層高まる。
【0044】
以上詳述したように本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)マッサージ機10において、オットマン15の支持台17に、左右の脚K(下腿)に別々に巻き付けて脚Kを支持台17に固定可能な帯体18を設けたので、使用者の脚K(下腿)を帯体18を介して支持台17にしっかり固定することができる。このため、オットマン15の揺動を、帯体18を介して確実に脚Kに伝えることができる。よって、マッサージ機10において、オットマン15を揺動させたときに、狙いのマッサージ効果を得ることができる。
【0045】
(2)一対の帯片18A,18Bの基部の間隔を、揺動対象(帯体巻付け対象)(本例では下腿)の幅より狭くしているので、一対の帯片18A,18Bを下腿に巻き付けたときに、下腿に対してその左右両側(揺動方向両側)からも帯片18A,18Bを確実に密着させて、下腿をしっかり保持できる。このため、オットマン15の揺動時に帯体18内で下腿が揺動方向にずれる事態を、より確実に回避できる。よって、オットマン15の揺動時に、一層狙いのマッサージ効果が得られやすい。
【0046】
(3)例えば特許文献4では、1つのベルトを両脚に巻き付ける構成のため、両脚が近接し、揺動中に左右の足先同士が揺らされてぶつかり不快感が生じていた。これに対して、本実施形態では、左右の脚Kに帯体18を別々に巻き付けるので、支持台17が比較的高速に揺動するときでも、左右の足先がぶつかることを回避できるか、多少ぶつかっても不快感を感じない程度に抑えることができる。特に、本実施形態では、左右一組の帯体18を所定の間隔を開けて支持台17に設けたので、支持台17が比較的高速に揺動するときでも、不快感を生じるほど左右の足先がぶつかることをより確実に回避できる。このため、左右の足先同士がぶつかることによる不快感を気にすることなく、オットマン15を安心して高速で揺動させ、狙いのマッサージ効果を得ることができる。
【0047】
(4)帯体18を巻き付けて脚Kを支持台17に固定する構成であるため、従来装置の脚載台に設けられていた脚保持部を廃止できた。このため、オットマンを高速で揺動させた場合に、従来装置では起こり得た、脚保持部の凹部の側壁や底板などが脚に当たって脚が叩かれる事態を回避できる。また、脚保持部を廃止できたため、オットマン15が小型になり、マッサージ機10の収納に便利である。
【0048】
(5)帯体18は柔軟であるので、図3に二点鎖線で示すように、コンパクトに折り畳むことができる。このため、オットマン15を小型にでき、収納に便利である。
(6)使用者Uの脚Kを帯体18で巻き付けて支持台17にしっかり固定できるので、支持台17の金魚運動より高速な揺動運動や、大きな振幅の揺動運動を、足先同士がぶつかるなどの不快感なく、確実に使用者Uの身体に伝えて施術することができる。
【0049】
(7)帯体18が巻き付けられた圧迫により、手で保持されて揺らされているようなヒューマンタッチの感覚を得ることができる。このため、さらにマッサージ効果が高まる。
(第2実施形態)
次に、本発明を揺動装置に具体化した第2実施形態を図6〜図10に従って説明する。
【0050】
図6に示すように、揺動装置40は、床面に置いて用いられる基台41と、基台41の上側に左右方向の往復移動が可能な状態に支持された支持台42と、支持台42の上面に取り付けられた左右1組の帯体43とを備える。基台41には、コード44を介してリモートコントロール式の操作部45が接続されている。
【0051】
図6、図7に示すように、使用者Uは、両脚Kの下端部(下腿下部)に帯体43を巻き付けて、揺動対象の下腿下部を支持台42に固定する。帯体43は、第1実施形態の下腿に巻き付けるものに比べ、やや細い下腿下部(足首付近)に巻き付けるものであるため、そのサイズが第1実施形態のものよりやや小さいものの、基本構成は第1実施形態のものと同様である。例えば、図8に示すように、左右一組の帯体43は、前記第1実施形態と同様に、揺動方向(左右方向)に所定の間隔を開けて支持台17上に取り付けられている。
【0052】
図7、図8に示すように、帯体43は一対の帯片43A,43Bと、両帯片43A,43Bを下腿下部に左右両側から密着するように巻き付けたときにその位置で、重ね合わせた先端部を止着するための面ファスナ46(止着部)とを備えている。面ファスナ46は、使用者Uの下腿下部の太さが異なっても、帯体43を下腿下部に密着するように巻き付けた位置で止着できるよう止着位置の調整が可能な調整機能を有する。
【0053】
面ファスナ46は、一方の帯片43Aの先端寄り部分の外面に設けられた被止着面(ループ面)46Aと、他方の帯片43Bの先端部の内面に設けられた止着面(フック面)46Bとを備えている。そして、足首に巻き付けた帯片43A,43Bの重ね合わせた先端部を面ファスナ46で止着することにより、図7、図8に示すように、帯体43を介して下腿下部を支持台42にしっかり固定することが可能となっている。また、帯体43(帯片43A,43B)は、第1実施形態のものと同様に、不使用時には、折り畳み状態となるので、コンパクトに収納可能となっている。
【0054】
そして、使用者Uは、帯体43を介して左右の足首を支持台42に固定した後、図6に示すように、頭部を枕47で支持するとともに腰を腰パッド48で支持した仰臥状態となる。この状態で、操作部45を操作して揺動装置40の運転を開始させると、帯体43を介して下腿下部が固定された支持台42が左右方向に揺動し、使用者Uはいわゆる金魚運動を行って脊柱を矯正することが可能となっている。
【0055】
図8、図9に示すように、揺動装置40を構成する基台41内には、支持台42を左右方向に揺動駆動させるための揺動駆動部51が収容されている。揺動駆動部51は、基台41の底面に組み付けられた動力源となるモータ52と、このモータ52の出力回転を、図8に矢印で示す左右方向の直線往復運動に変換する直動変換機構53とを有している。
【0056】
図8、図9に示すように、直動変換機構53は、モータ52の出力軸が中心から外れた偏心位置に固定された楕円形状の偏心板54と、揺動方向に延びるレール55と、レール55に案内されてレール55の長手方向に移動可能な一対の可動体56と、偏心板54と一方(図8では右側)の可動体56との間に連結されたリンク部材57とを備えている。リンク部材57は、その一端部が、偏心板54の回転中心(モータ52の出力軸の位置)から離れた回転先端部に連結され、その他端部が一方の可動体56に連結された状態にある。
【0057】
一対の可動体56は、支持台42の底面側に一対の連結部材58を介して固定された移動部材59に固定されている。このため、モータ52が回転駆動すると、偏心板54が偏心回転し、偏心板54におけるリンク部材57の一端部との連結箇所が公転することになり、偏心板54の偏心回転がリンク部材57を介して可動体56のレール55に沿った直線運動に変換される。この結果、一対の可動体56に固定された移動部材59がレール55の長手方向と平行な方向に往復移動し、これにより支持台42が図8に矢印で示す左右方向に揺動するようになっている。
【0058】
次に、揺動装置40における揺動制御に係る電気的構成を説明する。図10に示すように、揺動装置40には、揺動制御を司る制御部60が設けられている。制御部60には、揺動装置40に電力を供給する電源部61と、揺動装置40の運転操作を行う操作部45と、支持台42を揺動させる揺動駆動部51とが電気的に接続されている。
【0059】
制御部60は、使用者が操作部45を操作したときに入力する操作信号に基づき、揺動装置40の運転の開始/停止や、指定された揺動速度・振幅とするための速度制御などの各種の制御を行う。制御部60のメモリには、例えば各設定揺動速度・設定振幅とモータ速度情報(例えばデューティ値)との対応関係を示す参照データが記憶されている。制御部60は、操作部45で選択操作された揺動速度・振幅を基に参照データを参照して取得したモータ速度情報に基づき、揺動駆動部51のモータ52(図8、図9を参照)を駆動制御する。このとき、揺動駆動部51の直動変換機構53がモータ52の出力回転を左右方向の直線往復運動に変換することにより、帯体43が設けられた支持台42が左右方向に揺動する。
【0060】
この第2実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
(1)揺動装置40において、支持台42に帯体43を設け、帯体43を脚Kの下端部分(下腿下部)に巻き付ける構成なので、使用者Uの下腿下部を支持台42にしっかり固定することができる。このため、支持台42の揺動時に、帯体43を介して支持台42に固定された下腿下部を確実に揺動させることができ、狙いの揺動を確実に身体に伝えることができる。よって、揺動装置40において、使用者Uは狙いの揺動で金魚運動を行うことができ、脊柱の矯正効果を高めることができる。
【0061】
(2)例えば1つのベルトを両脚に巻き付ける特許文献4では、両脚が近接しているため、揺動中に左右の足先同士が揺らされてぶつかり不快感が生じていた。これに対して、本実施形態では、左右の脚Kに帯体43を別々に巻き付けるので、支持台42が比較的高速に揺動するときでも、左右の足先がぶつかることを回避できるか、多少ぶつかっても不快感を生じない程度に抑えることができる。特に、本実施形態では、帯体43を巻き付けられた左右の脚K(下腿下部)は、支持台42に対して揺動方向に所定の間隔を開けて固定されることから、揺動装置40を比較的高速で揺動させても、不快感を生じるほど左右の足先がぶつかることをより確実に回避できる。また、従来の揺動装置で支持台上に設けられていた凹部を有する脚保持部又は深い凹部を廃止できるので、脚が凹部の側壁面に当たって叩かれることを回避できる。
【0062】
(3)帯体43は折り畳んでコンパクトに収納できるので、支持台42に帯体43を設けても、揺動装置40が大型化することがない。
(4)帯体43の圧迫により、手で保持されて揺らされているようなヒューマンタッチの感覚を得ることができる。
【0063】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図11に従って説明する。この第3実施形態は、揺動運転中に揺らしたくない部位に第2の帯体を巻き付ける点が、第2実施形態と異なる。第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。なお、以降の各実施形態では、支持手段及び帯体などの構成について、揺動装置の例で説明するが、椅子型のマッサージ機10におけるオットマン15の対応する部位にも適用できるものである。
【0064】
図11に示すマッサージ機63は、第2実施形態と同様に左右一対の帯体43を支持台42上に有する揺動装置40と、第2の帯体としての腰用の帯体65が取り付けられた腰パッド66とから構成される。帯体65は、帯体43と基本構成は同じで、面ファスナ67で止着可能な一対の帯片65A,65Bを有するが、巻き付ける部位が腰部であるため、腰部を巻き付けることが可能なサイズ(幅および長さ)の帯片65A,65Bが、腰パッド66の上面に一対取り付けられている。
【0065】
使用者Uは腰パッド66に腰を下ろし、まず揺動装置40の支持台42上の各帯体43を左右の脚Kに密着するように巻き付け、その重ね合わせた先端部分を面ファスナ46(図7を参照)で止着する。次に、一対の帯片65A,65Bを腰部に左右両側から巻き付けて、重ね合わせた先端部分を面ファスナ67で止着する。その後、図11に示す仰臥姿勢となり、操作部45を操作して、所望の揺動速度・振幅を選択したうえで揺動装置40の運転を開始する。
【0066】
揺動装置40の運転時には、帯体43を巻き付けて支持台42上に固定された脚Kの足首周辺部位が揺動され、この揺動により脚全体に揺れが伝達される。このとき、使用者が揺らしたくない腰部は帯体65が巻き付けられることで、腰パッド66に固定されている。このため、腰部を中心として脚K全体を揺動させる揺動運動を行うことができる。
【0067】
この第3実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(5)揺らしたくない腰部を帯体65で固定するので、腰部を揺らすことなく脚部のみを揺らす揺動運動を行うことができる。例えば腰を痛めている使用者Uでも、脚部のみの局所的な揺動運動を腰の痛みをさほど感じることなく行うことができる。
【0068】
(第4実施形態)
次に第4実施形態を図12及び図13に従って説明する。この第4実施形態は、揺らしたくない部位が膝部である点が、前記第3実施形態と異なる。なお、第2及び第3実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0069】
図12、図13に示すマッサージ機70は、第2実施形態と同様の揺動装置40と、揺動装置40の基台41における使用時に腰側となる側面からスライド可能に延出する直方板状のスライダ72とを備える。スライダ72は、支持台42上に脚Kを載せたときの脚Kの長手方向にスライド可能となっている。そして、スライダ72の先端部(図12における左端部)上側に、左右一対の第2の帯体としての膝用の帯体73が取り付けられている。帯体73は、支持台42上に設けられた第2実施形態と同様の下腿下部用の帯体43と基本構成は同じであり、図13に示すように、面ファスナ74で止着可能な一対の帯片73A,73Bを有する。帯体73は、巻き付ける部位が膝部であるため、膝部を巻き付けることが可能なサイズ(幅および長さ)の帯片73A,73Bが、スライダ72の先端部上面から上方へ延出する支持部72Aの上端部に二対取り付けられている。
【0070】
使用者Uは腰パッド48に腰を下ろし、まず揺動装置40の支持台42上の各帯体43を左右の脚Kに密着するように巻き付け、その重ね合わせた先端部分を面ファスナ46(図7を参照)で止着する。次に、スライダ72の延出長さを調整して帯体73を膝部の位置に合わせ、一対の帯片73A,73Bを膝部に巻き付けて、重ね合わせた先端部分を面ファスナ74で止着する。その後、図12に示す仰臥姿勢となり、操作部45を操作して、所望の揺動速度・振幅を選択したうえで揺動装置40の運転を開始する。
【0071】
揺動装置40が揺動しているときは、支持台42上の脚Kの足首周辺部位が揺動されるが、このとき、使用者Uが揺らしたくない膝部は帯体73が巻き付けられることで固定されている。このため、膝部を中心として下腿と足の部分を揺動させる揺動運動を行うことができる。
【0072】
この第4実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(6)揺らしたくない膝部を帯体73で固定するので、膝部を揺らすことなく下腿と足の部分のみを揺らす揺動運動を行うことができる。例えば膝を痛めている使用者Uでも、下腿と足のみの局所的な揺動運動を膝の痛みをさほど感じることなく行うことができる。
【0073】
(第5実施形態)
次に、第5実施形態を図14〜図16に従って説明する。この第5実施形態では、帯体がエアバッグにより膨張収縮可能な構造である点が、前記各実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0074】
図14、図15に示す揺動装置75は、支持台42に固定された帯体76が、エアバッグ式となっている。すなわち、帯体76を構成する一対の帯片76A,76Bには、袋状の膨張収縮部77(エアバッグ)が内装されている。膨張収縮部77は、その内部に空気が導入されることにより膨張し、空気が排気されることにより収縮する。また、一対の帯片76A,76Bには、下腿に密着するように巻き付けたときに重ね合わせた先端部を止着するための面ファスナ46(被止着面46Aと止着面46B)が設けられている。
【0075】
図14、図16に示すように、一対の帯片76A,76Bに内装された各膨張収縮部77は、チューブ78を通じてポンプ79に接続されている。また、ポンプ79と各膨張収縮部77との間には、給排気弁80と、膨張収縮部77の内圧(空気圧)を検出する圧力センサ81とが設けられている。給排気弁80は、給気時にポンプ79と膨張収縮部77とを連通させてポンプ79からの空気を膨張収縮部77へ供給可能な第1切換位置と、膨張収縮部77の内圧が目標圧にあるときにポンプ79と膨張収縮部77との連通を閉止する第2切換位置と、排気時に膨張収縮部77を大気に開放してその内部の空気を排気する第3切換位置とに切り換えられる。制御部60は、ポンプ79、給排気弁80及び圧力センサ81と電気的に接続されており、操作部45及び圧力センサ81のうち少なくとも一方からの入力信号に基づき、ポンプ79の駆動制御及び給排気弁80の切換え制御を行う。なお、本実施形態では、ポンプ79及び給排気弁80により、膨張収縮調整手段が構成される。
【0076】
制御部60は、操作部45から揺動運転の開始信号を入力すると、ポンプ79を駆動しかつ給排気弁80を第1切換位置に切り換えて、各膨張収縮部77に空気を供給し、圧力センサ81の検出圧が目標圧に達すると、ポンプ79の駆動を停止しかつ給排気弁80を第2切換位置に切り換える。このため、揺動装置75の運転が開始されると、各膨張収縮部77に空気が供給されて各帯体76が膨張し、膨張した帯体76により下腿はしっかり保持(ホールド)される。また、制御部60は、操作部45から停止信号を入力すると、ポンプ79の駆動を停止しかつ給排気弁80を第3切換位置に切り換えて、各膨張収縮部77内の空気を排気し帯体76を収縮させるようになっている。
【0077】
また、制御部60は、エア補助モードが選択されていれば、揺動運転中において、各膨張収縮部77に対してポンプ79の駆動による空気の供給と、給排気弁80の第3切換位置への切換えによる空気の排気とを一定又は不定の周期で繰り返し行って、帯体76の膨張・収縮の繰り返しによる下腿のマッサージも行う。これにより、両脚Kを左右に揺動させる揺動マッサージを行いながら、帯体76の膨張・収縮による下腿のほぐしマッサージも行うことができる。
【0078】
この第5実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(7)帯体76がエアバッグ式なので、エアバッグ式でない第2実施形態のものに比べ、脚(本例では下腿)を支持台42により一層しっかり固定することができる。
【0079】
(8)揺動運転中に帯体76内の膨張収縮部77を膨張・収縮させることにより、下腿の押圧マッサージを併せて行うことができる。
(9)帯体76は空気を排気することで小型になるため、収納に便利である。
【0080】
(第6実施形態)
次に、第6実施形態を図17〜図19に従って説明する。この第6実施形態は、帯体に温熱刺激部が設けられた点が、前記各実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0081】
図17、図18に示す揺動装置85では、支持台42に固定された帯体43に温熱刺激部86が設けられている。すなわち、帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bには、下腿の脹脛側の部位に接触可能な内周面側に、温熱刺激手段としての温熱刺激部86が設けられている。温熱刺激部86は、例えば薄型で柔軟性のあるヒーター(ヒーター素子)からなる。図17、図19に示す温熱制御部87は、制御部60(図19を参照)からの指示に基づき温熱刺激部86の温度制御を行う。図19に示す操作部45では、例えばヒーターのON/OFF、設定温度の段階的な選択などの操作が可能となっている。制御部60は操作部45からの操作信号に基づく指示を温熱制御部87に送り、温熱制御部87は指示内容に従って、温熱刺激部86のON/OFF制御及び温度制御を行う。温熱制御部87は、例えば帯体43における温熱刺激部86の周辺部に設けられた温度センサ88の検出温度が設定温度になるように温熱刺激部86の温度制御を行う。
【0082】
また、図17に示すように、一対の帯片43A,43Bには、下腿に巻き付けたときに重ね合わせた先端部を止着するための面ファスナ46(被止着面46Aと止着面46B)が設けられている。また、図18に示すように、一対の帯片43A,43Bの基部は、支持台42に対して下腿の幅よりも十分接近した位置(例えば略接触する位置)に固定され、薄板状の温熱刺激部86は、帯片43A,43Bが巻き付けられた下腿の脹脛側の部位に密着し、温熱刺激部86からの熱がその巻き付けた部位に効率よく伝わるようになっている。
【0083】
この第6実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(10)帯体43を巻き付けた部位を温めながら揺動マッサージを享受でき、リラックス感や脱力を得やすくなる。また、2種類の物理刺激(揺動と温熱)により多彩なマッサージ効果が得られる。さらに、帯体43に温熱刺激部86を取り付けているので、椅子や揺動装置の支持台に温熱刺激部(ヒーター)を取り付けて支持台に載せた脚を温める構成に比べ、温熱刺激部86が下腿の対応部位(衣服を介してもよい)に密着しやすく、外部への熱の損失を抑えつつ、確実に温熱を下腿へ伝えることができる。
【0084】
(第7実施形態)
次に、第7実施形態を図20、図21に従って説明する。この第7実施形態は、帯体に冷感刺激部が設けられた点が、前記各実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0085】
図20(a)に示す揺動装置90では、支持台42に固定された帯体43に冷感刺激部91が設けられている。すなわち、帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bには、下腿の脹脛側の部位に接触可能な内周面側に、冷感刺激手段としての冷感刺激部91が設けられている。冷感刺激部91は、例えばペリチェ素子からなる。
【0086】
例えばペリチェ素子からなる冷感刺激部91は、図20(b)に示すように、複数組(同図では一例として4組)のP型熱電半導体93とN型熱電半導体94は、これらを挟む電極95により電気的に接続され、さらに電極95の外側を絶縁性と熱導電性とを有する材料からなる基板96で挟んだ構造となっている。電源97から図20(b)に示す向きの電流が流れると、同図における上側の基板96側で吸熱が起こり、下側の基板96側で発熱が起こる。
【0087】
図20(a)、図21に示す温熱制御部92は、制御部60(図21を参照)からの指示に基づき冷感刺激部91の温度制御を行う。図21に示す操作部45では、例えば冷感刺激部91のON/OFF、設定温度の段階的な選択などの操作が可能となっている。制御部60は操作部45からの操作信号に基づく指示を温熱制御部92に送り、温熱制御部92は指示内容に従って、冷感刺激部91のON/OFF制御及び温度制御を行う。温熱制御部92は、例えば帯体43における冷感刺激部91の周辺部に設けられた温度センサ98の検出温度が設定温度になるように冷感刺激部91の温度制御を行う。
【0088】
また、図20(a)に示すように、一対の帯片43A,43Bには、下腿に巻き付けたときに重ね合わせた先端部を止着するための面ファスナ46(被止着面46Aと止着面46B)が設けられている。また、一対の帯片43A,43Bの基部は、支持台42に対して下腿の幅よりも十分接近した位置(例えば略接触する位置)に固定され、薄板状の冷感刺激部91は、帯片43A,43Bが巻き付けられた下腿の脹脛側の部位に密着し、その部位が冷感刺激部91により効率よく冷やされるようになっている。
【0089】
この第7実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(11)冷感を与えながら揺動マッサージを享受でき、風呂上がりやスポーツなどで体温が上がったときなどに、リラックス感や脱力を得やすくなる。また、2種類の物理刺激(揺動と冷熱)により多彩なマッサージ効果が得られる。
【0090】
(12)帯体43に冷感刺激部91を取り付けているので、椅子や揺動装置の支持台に冷感刺激部(ペリチェ素子)を取り付けて支持台に載せた脚を冷やす構成に比べ、冷感刺激部91が下腿の対応部位(衣服を介してもよい)に密着しやすく、外部への冷熱の損失を抑えつつ、確実に冷熱を下腿へ伝えることができる。
【0091】
(第8実施形態)
次に、第8実施形態を図22に従って説明する。この第8実施形態は、帯体に指圧突起が設けられた点が、前記各実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0092】
図22(a)に示す揺動装置100では、支持台42に固定された帯体43に指圧突起101が設けられている。詳しくは、帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bには、その内周面において下腿の脹脛側の部位に接触可能な位置に、指圧突起101が設けられている。図22(a),(b)に示すように、指圧突起101は、基板部101Aの上面から突出する複数の突起部101Bを有し、帯体43に対して着脱可能に取着されている。なお、図22では省略されているが、一対の帯片43A,43Bには、下腿に巻き付けたときに止着するための面ファスナ46(被止着面46Aと止着面46B)(図7参照)が設けられている。
【0093】
この第8実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(13)揺動マッサージを行いながら、指圧突起101による押圧マッサージを行うことができる。
【0094】
(14)指圧突起101を取り外し可能に構成したので、按摩のような強いマッサージを好む場合には指圧突起101を取り付け、弱いマッサージを好む場合は指圧突起101を取り外すことで個人差に対応できる。より多彩なマッサージ感を得ることができる。
【0095】
(第9実施形態)
次に、第9実施形態を図23、図24に従って説明する。この第9実施形態は、帯体に巻き付けられた脚に相当する部分に電動式のもみ玉(施療子)が設けられた点が、前記第2実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0096】
図23、図24に示す揺動装置105では、支持台42に固定された帯体43を脚に巻き付けたときの脚の下部(裏部)に相当する位置に、もみ玉106(施療子)が設けられている。すなわち、支持台42において帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bの基部間に相当する箇所には、電動式のもみ玉106が設けられている。もみ玉106は、円盤状の回転体106Aと、この回転体106Aの上面(脚側の面)にその回転中心から径方向に外れた偏心位置に突出する状態に形成された所定個数(本例では1個)の指圧突起106Bとを備えている。
【0097】
支持台42には、一対の帯体43の間に相当する位置に電動アクチュエータ107が設けられている。電動アクチュエータ107の出力回転に基づき、動力伝達機構108を介して、左右一対のもみ玉106が、脚の長手方向にスライドしつつ回転するようになっている。もみ玉106は動力伝達機構108の出力端を構成する部材に対して脚Kに対向する方向に図示しないアクチュエータ(例えばソレノイド)により出没可能となっている。電動アクチュエータ107及び出没用のアクチュエータは、制御部60(図10参照)により駆動制御される。本実施形態では、各もみ玉106は、支持台42の揺動動作に連動して駆動される。なお、一対の帯片43A,43Bには、下腿に巻き付けたときに重ね合わせた先端部を止着するための面ファスナ46(被止着面46Aと止着面46B)が設けられている。
【0098】
脚K(下腿下部)に帯体43を巻き付けた状態では、脚の下部がもみ玉106に当たる。揺動装置105の運転を開始すると、支持台42の揺動と各もみ玉106の回転とが行われ、使用者は脚の揺動運動(金魚運動)を行いながら、脚の指圧マッサージを行うことができる。
【0099】
この第9実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(15)回転、スライド、出没するもみ玉106を有することで、揺動マッサージを行いながら、もみ玉106による押圧マッサージを行うことができる。特に按摩のような強いマッサージを好む場合に有効である。揺動と揉みという2種類の物理刺激の組み合わせにより、多彩なマッサージ効果が得られる。
【0100】
(第10実施形態)
次に、第10実施形態を図25、図26に従って説明する。この第10実施形態は、身体の揺らすべきでない部分を帯体で保護する構成である点が、前記第2〜第9実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0101】
図25に示す揺動装置110は、揺らすべきでない部分が足首部分である例であり、図26に示す揺動式のマッサージ機120は、揺らすべきでない部分が膝部分である例である。
【0102】
図25に示す揺動装置110は、第2実施形態の揺動装置において帯体43に替え、足首保護用の帯体111としたものである。帯体111は、足首の関節形状に合わせた保持形状に作成されるとともに多少の伸縮性を有する足首用サポータである。帯体111は、一対の帯片111A,111Bからなり、その先端部には、足首に密着するように巻き付けた位置で止着するための面ファスナ112が設けられている。支持台42の上面には、帯体111が左右一対取り付けられている。
【0103】
図25に示すように、帯体111により足首はその間接形状を保持した状態に保護される。このため、支持台42が揺動運転されたときに、揺らしたくない足首の間接の動きを抑えつつ、脚Kの揺動運動を行うことができる。
【0104】
次に、図26に示す揺動式のマッサージ機120について説明する。マッサージ機120は、第4実施形態(図13)のマッサージ機において膝用の帯体73に替え、膝保護用の帯体121とし、さらに帯体121が取り付けられた支持台122を上下方向にスライド可能な昇降式とした構成となっている。
【0105】
図26に示すように、揺動装置40の基台41における使用時に膝側となる側面から、支持台42上に載せた脚Kの長手方向にスライド可能に腰側へ延出する直方板状のスライダ72と、スライダ72の先端部(図26における左側端部)上面に、上下方向に伸縮可能なスライド式の支持台122とを備える。そして、支持台122の上端部に、左右一対の膝保護用の帯体121が固定されている。
【0106】
帯体121は、膝部の間接形状に合わせた保持形状に作成され、多少の伸縮性を有する膝用サポータである。本実施形態の帯体121は、例えば膝関節を約140度曲げたときの膝間接形状に合わせた保持形状に作成されている。帯体121は、一対の帯片121A,121Bからなり、その先端部には、帯片121A,121Bを膝部に密着するように巻き付けた位置で止着するための面ファスナ123が設けられている。
【0107】
図26に示すように、帯体121により膝部は約140度に曲げた関節形状を保持した状態に保護される。このため、支持台42が揺動運転されたときに、揺らしたくない膝部を約140度に曲げた状態でその動きを抑えつつ、下腿と足の揺動運動を行うことができる。
【0108】
この第10実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(16)揺れることで痛みが出やすい使用者に対しても、揺らすべきでない部分を帯体111,121で保護できるので、高齢者でも安全に快適な揺動マッサージを行うことができる。
【0109】
(17)図25に示す揺動装置110では、揺らすべきでない足首を帯体111により保護できるため、足首を痛めている使用者や高齢者でも安全に快適な揺動マッサージを行うことができる。
【0110】
(18)図26に示す揺動式のマッサージ機120では、揺らすべきでない膝部を帯体121により保護できるため、膝部を痛めている使用者や高齢者でも安全に快適な揺動マッサージを行うことができる。
【0111】
(19)帯体111,121の形状を特定の関節の形状に合わせて作成しているので、帯体111,121を正しい部位に装着でき、誤使用を低減できる。このため、特定の関節にチューニングした揺動パターン(揺れの方向、速度、振幅、持続時間)を提供しやすくなる。
【0112】
(第11実施形態)
次に、第11実施形態を図27、図28に従って説明する。この第11実施形態は、帯体が支持台に対して着脱可能な構成である点が、前記第2実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0113】
図27に示す揺動装置130は、帯体を着脱可能とするために、面ファスナを用いた例であり、図28に示す揺動装置140は、スライド式(嵌合式)の止着部を用いた例である。本例では、帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bは、揺動マッサージの目的別や、身体サイズや生地の好みといった個人差に応じて取替え可能となっている。
【0114】
図27に示す揺動装置130では、帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bの基部は、支持台42の凹部42Aの揺動方向(左右方向)に対向する各側壁面に対して、面ファスナ131を介して着脱可能に取り付けられる。面ファスナ131は、凹部42Aの側壁面に設けられた被止着面131A(ループ面)と、一対の帯片43A,43Bの基部の外側面(凹部42Aの内壁面と対応する面)に設けられた止着面131B(フック面)とからなる。図27に示すように、被止着面131Aを止着面131Bに接着させることにより、帯片43A,43Bの基部は支持台42の凹部42Aの側壁面に着脱可能に取り付けられる。
【0115】
一方、図28に示す揺動装置140では、帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bの基部は、スライド式の止着部141を介して、支持台42に形成された凹部42Aの揺動方向(左右方向)に対向する各側壁面に対して着脱可能に取り付けられる。止着部141は、支持台42において凹部42Aの側壁面に開口する図28に示す背面視でT字状の凹部141Aと、一対の帯片43A,43Bの基部の外側面(凹部42Aの側壁面と対応する面)から、同じく背面視でT字状に突出する凸部141Bとからなる。図28に示すように、凸部141Bを凹部141A内にスライドさせて挿入することにより、帯片43A,43Bの基部は、支持台42に対して凹部42Aの左右側壁面に着脱可能に取り付けられる。
【0116】
この第11実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(20)帯体43を取替え可能としたので、マッサージ内容や身体サイズ、生地の好みといった個人の好みに対応できる。また、帯体43を取り外して洗浄することができる。
【0117】
(第12実施形態)
次に、第12実施形態を図29、図30に従って説明する。この第12実施形態は、複数の揺動装置を備えたマッサージシステムである点が、前記各実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。また、図30はマッサージシステム全体の概略構成を示し、図29は脚用のマッサージシステム部分を示す。
【0118】
図30に示すマッサージシステム150は、使用者Uが仰臥姿勢をとることが可能なリクライニング式の椅子、あるいはベッドからなるベース部150Aを備える。このマッサージシステム150は、ベース部150A上に仰臥姿勢となった使用者Uが脚と腕を揺動マッサージするために、脚用の左右一対の揺動装置151と、腕用の左右一対の揺動装置152とを備える。各揺動装置151,152の基本構成は、第2実施形態の揺動装置40と基本的に同様であるが、脚用の揺動装置151が片脚ずつ載せて使用し、腕用の揺動装置152が片腕ずつ載せて使用する点から、1台の装置サイズが小型となっている。なお、本実施形態では、個々の揺動装置151,152が、マッサージ機に相当する。
【0119】
脚用の揺動装置151は、基台41の上側に左右方向に揺動可能な支持台42を備え、その支持台42上に脚用の帯体153が1つ設けられている。また、腕用の揺動装置152は、基台41の上側に同じく左右方向に揺動可能な支持台42を備え、その支持台42上に腕用の帯体154が1つ設けられている。各揺動装置151は片脚ずつ独立して揺動可能な別体の構成であり、各揺動装置152は片腕ずつ独立して揺動可能な別体の構成である。このため、使用者Uが好む任意の位置に各揺動装置151,152を配置し、使用者Uが好む姿勢で揺動マッサージを行うことが可能である。なお、図30では、揺動装置151,152における基台41及び支持台42を、揺動駆動部51が見える向きに模式的に描いている。
【0120】
図29及び図30に示すように、マッサージシステム150は、各揺動装置151,152の駆動制御を統括制御するメイン制御部155を備えている。メイン制御部155には、各揺動装置151,152にそれぞれ設けられたサブ制御部156が電気的に接続されている。各サブ制御部156はメイン制御部155からの指示に従って、各揺動装置151,152の揺動駆動部51を構成するモータ52(図29を参照)を駆動制御する。
【0121】
また、図30に示すように、メイン制御部155に接続された操作部157は、運転の開始/停止、揺動方向、揺動速度、振幅、持続時間などの各種の揺動運転条件を指定する操作が可能となっている。本例の操作部157では、脚用の揺動装置151の揺動運転条件と、腕用の揺動装置152の揺動運転条件とを個別に指定する操作が可能となっている。
【0122】
メイン制御部155は、操作部157からの操作信号に基づき、脚用の揺動装置151と腕用の揺動装置152の各サブ制御部156にそれぞれ個別の揺動運転条件に応じた制御信号を与える。ここで、揺動方向には、左右一対の揺動装置151を同一方向(同一位相)に揺動させる第1揺動モードと、図29に示すように左右の脚Kを互いに逆方向(逆位相)に揺動させる第2揺動モードとがあり、この種の揺動モードの選択も操作部157の操作により行われる。なお、各揺動装置151,152をベース部150Aに対して相対移動可能に構成し、図示しないアクチュエータを操作部157で指定された移動方向に応じた駆動方向に駆動させることにより、各揺動装置151,152をリモート操作で所望方向へ移動させる構成も採用できる。また、ベース部150Aを無くし、各揺動装置151,152を使用者Uが床面上の所望位置に置いて使用する構成も採用できる。
【0123】
図30に示すように、使用者Uは、ベース部150A上で楽な仰臥姿勢をとり、左右の脚Kの所望部位の下側に脚用の揺動装置151を配置し、脚Kの所望部位に帯体153を巻き付けるとともに、左右の腕Bの所望部位の下側に脚用の揺動装置152を配置し、腕Bの所望部位に帯体154を巻き付ける。このとき、左右の脚Kで異なる部位に帯体153を巻き付けたり、左右の腕Bで異なる部位に帯体154を巻き付けたりすることも可能である。
【0124】
この第12実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(21)複数の揺動装置151,152を離した位置に配置し、脚Kと腕Bに帯体153,154を巻き付けることができるので、施術姿勢を指定せずに、使用者Uの所望する姿勢で揺動マッサージを行うことができる。
【0125】
(22)帯体153により脚Kを個別に巻き付けることができ、帯体154により腕Bを個別に巻き付けることができる。このため、片脚のみあるいは片腕のみを揺動させる揺動装置151,152であるものの、前記各実施形態と同様に、脚Kと腕Bを支持台42にしっかり固定し、支持台42の揺動を脚Kと腕Bに確実に伝え、狙いの揺動マッサージを実現できる。
【0126】
(23)メイン制御部155が各サブ制御部156を介して各揺動装置151,152を個別に制御できるので、脚Kと腕Bに合った別々の揺動運転条件で各揺動装置151,152を駆動させることができる。また、左右の脚Kや腕Bを同位相で揺動させたり、逆位相で揺動させたりすることもできる。
【0127】
(第13実施形態)
次に、第13実施形態を図31、図32に従って説明する。この第13実施形態は、帯体を所定の形態に保持する構成である点が、前記各実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0128】
図31は帯体に形態保持部材を内装した例であり、図32は帯体にエアバッグを内装した例である。
図31に示す揺動装置160では、帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bに、形態保持部材161が内装されている。形態保持部材161は、例えば柔軟性のある樹脂材料(例えば合成ゴムや発泡樹脂)又は金属材料(例えば薄板又はワイヤを編んだ構造のもの)により形成される。形態保持部材161が内装されることにより、一対の帯片43A,43Bは、支持台42に固定された基部から上側へいくほど互いに離れるように上方へ延出するとともに、使用者が脚K(下腿)を装着しやすい広さにそれぞれの先端が開いた形態に保持されている。
【0129】
また、図32に示す揺動装置170では、帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bに、エアバッグ171が内装されている。各エアバッグ171はチューブ172(同図では一部のみ図示)を通じてポンプ173に接続されている。操作部45で電源が入れられると、制御部60(いずれも図10、図16を参照)がポンプ173を駆動し、ポンプ173から空気が供給されてエアバッグ171が膨張することにより、帯体43が脚Kに装着しやすい前述の形態に保持されるようになっている。
【0130】
この第13実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(24)帯体43を構成する一対の帯片43A,43Bを、脚(下腿)を入れやすい所定の形態に保持するので、脚(下腿)に帯体43を装着する手間を省くことができる。
【0131】
(25)形態保持部材161を帯片43A,43Bに内装する構成の場合、比較的簡単に帯片43A,43Bを所望の形態に保持できる。
(26)エアバッグ171を帯片43A,43Bに内装する構成の場合、使用時に帯片43A,43Bを所望の形態に変化させることができ、不使用時には帯片43A,43Bを折り畳み状態に収納できる。
【0132】
(第14実施形態)
次に、第14実施形態を図33、図34に従って説明する。この第14実施形態は、揺動装置を使用している使用者の姿勢を変更させる姿勢変更手段を備えた点が、前記各実施形態と異なる。なお、第2実施形態と同様の構成については同一の符号を付して、その説明の一部又は全部を省略する。
【0133】
図33、図34は、使用者Uが寝た状態で使用するマッサージ機で、マッサージ機を構成する揺動装置が上下方向に移動可能に構成されている。図33は、レールに沿って揺動装置を上下方向に移動させる構成の姿勢変更機構を備えた例であり、図34は、リンク機構を用いて揺動装置を上下方向に移動させる構成の姿勢変更機構を備えた例である。
【0134】
まず、図33に示すマッサージ機180について説明する。マッサージ機180は、脚Kに巻き付ける帯体43が支持台42上に設けられた揺動装置40と、揺動装置40を上下方向に移動させて使用者Uの姿勢を変更する姿勢変更手段としての姿勢変更機構185とを備えている。姿勢変更機構185は、図示しない床面に載置されるベース部181と、ベース部181の上面から上下方向かつ前後方向に延びる円弧状をなすとともに前後左右にそれぞれ1つずつ、計4つ(図33(a),(b)では2つのみ図示)設けられたレール182とを備えている。レール182には、その湾曲方向に沿って延びるガイド溝182Aが形成されている。また、基台41の両側面には、姿勢変更機構185を構成するガイド輪183が、前後に一対ずつ設けられている。ガイド輪183は、レール182のガイド溝182Aに案内されつつレール182に沿って移動可能に構成されている。ガイド輪183は、基台41内に設けられて姿勢変更機構185を構成する昇降用モータ184が、制御部60によって駆動されることにより回転し、各ガイド輪183の回転により基台41をレール182に沿って任意の高さまで移動させることが可能となっている。よって、支持台42上の帯体43が巻き付けられた使用者の脚Kの高さを変えて股関節の角度を変更可能に構成されている。
【0135】
マッサージ機180を用いて揺動運動を行うときには、使用者Uは、図33(a)に示すように脚K(下腿)に帯体43を巻き付けた状態に装着し、仰臥姿勢となる。使用者Uは脚部(下半身)を中心とした揺動運動を行いたい場合、操作部45を操作してその旨を指示する。制御部60は操作部45からの指示に基づき、昇降用モータ184を駆動させてガイド輪183をレール182に沿って上側に動作させる。このため、使用者の脚K(下腿)が上動されて使用者の腰(股関節)の角度を略90度に屈曲させて腰部への荷重を増やすことができる(図33(b))。このため、揺動装置40の支持台42を揺動動作させることで、その揺動は使用者Uの腰部辺りまでしか伝達されず、下半身を中心とした揺動運動を行うことができる。
【0136】
また、使用者Uは身体全体に亘って揺動運動を行いたい場合、操作部45を操作してその旨を指示する。制御部60は操作部45からの指示に基づき、昇降用モータ184を駆動させてガイド輪183をレール182に沿って下側に動作させる。このため、使用者Uの脚K(下腿)が下動されて、使用者Uは膝や腰(股関節)を伸ばした姿勢(寝た姿勢)となる(図33(a))。この状態で揺動装置40を揺動動作させることで、その揺動は使用者の上半身にも伝達され、使用者Uの身体全体の揺動運動を行うことができる。
【0137】
次に、図34に示すマッサージ機190について説明する。マッサージ機190は、脚Kに巻き付ける帯体43が支持台42上に設けられた揺動装置40と、揺動装置40を上下方向に移動させて使用者Uの姿勢を変更する姿勢変更手段としての姿勢変更機構198とを備えている。姿勢変更機構198は、図示しない床面に載置されるベース部191と、ベース部191と基台41との間に設けられた左右1組のリンク機構192とを備えている。リンク機構192を構成する二本のリンク部材193は、そのクロスした箇所が軸部194により回動可能に連結されている。さらに二本のリンク部材193の各上端部は、基台41に対して軸部195により回動可能かつ前後方向(同図における左右方向)にスライド可能に連結され、各下端部はベース部191に対して軸部196により回動可能かつ前後方向にスライド可能に連結されている。
【0138】
そして、図34(b)に示すように、基台41は、リンク機構192の各リンク部材193が同図における二点鎖線に示す角度姿勢にあるときに最下降位置にあり、各リンク部材193が同図における実線に示す角度姿勢にあるときに最上昇位置にある。ベース部191内には、姿勢変更機構198を構成する昇降用モータ197が配設されている。昇降用モータ197が正転又は逆転駆動されることにより、二本のうち一方のリンク部材193の下端が前後方向(図34(b)における左右方向)においてモータ回転方向に応じた向きにスライドする。すなわち、一方のリンク部材193の下端が前方向(同図の右方向)にスライドすることにより、リンク機構192が二点鎖線の姿勢角から実線の姿勢角に変化して、基台41は上昇する。一方のリンク部材193の下端が後方向(同図の左方向)にスライドすることにより、リンク機構192が実線の姿勢角から二点鎖線の姿勢角に変化して、基台41は下降する。このように昇降用モータ197が駆動されてリンク機構192が姿勢角を変化させることにより、基台41はベース部191に対して昇降するようになっている。
【0139】
この第14実施形態によれば、第2実施形態の効果に加え、次の効果が得られる。
(27)マッサージ機180,190は、揺動装置40を上下方向に移動させることが可能な姿勢変更機構185,198により、帯体43が巻き付けられた脚Kの支持高さを変更し、使用者の揺動時の姿勢を変更することができる。例えば使用者Uは、脚Kの支持位置を高くすることにより、膝や腰(股関節)を曲げた姿勢で脚を中心とした揺動運動を実施でき、脚Kの支持位置を低くすることにより、膝や腰(股関節)が伸びた寝た姿勢で全身の揺動運動を実施できる。このように使用者Uは姿勢を変更して揺動する部位を変えることで、揺らしマッサージの種類を変え、多彩なマッサージ感を得ることができる。
【0140】
なお、実施形態は、以下に示す態様で実現することもできる。
・図35に示すように、シーソー式の揺動駆動部200を採用することもできる。基台41の内底面における揺動方向中央部に立設された支持部201には、支持台42を支持する揺動部材202の下面中央部から下方へ突出する連結部203が、軸部204を介して回動可能な状態に支持されている。このため、揺動部材202は軸部204を中心とする往復回動が可能となっている。基台41内には、揺動部材202の一端部(同図では右端部)の下側位置にモータ205が配置されている。モータ205の出力軸には、円板状の回転板206が同軸回転可能に連結されている。揺動部材202の一端部と回転板206との間にはリンク部材207が介装されている。リンク部材207の上端部は揺動部材202の一端部(同図における右端部)に軸部208を介して回動可能に連結され、リンク部材207の下端部は回転板206の中心から径方向に外れた偏心位置に軸部209を介して回動可能に連結されている。モータ205が駆動されると、回転板206の回転が、リンク部材207を介して揺動部材202の一端部(同図の右端部)の上下運動に変換され、これにより揺動部材202が軸部204を中心に往復回動し、これに伴い支持台42がシーソー式の揺動をする。
【0141】
・図36に示すように、左右の脚を異なる方向に揺動させる方式の揺動駆動部210を採用してもよい。左右の脚毎に支持台211が設けられ、各支持台211の上面には1つずつ帯体43が設けられている。支持台211の下方にはモータ212が配置され、モータ212の出力軸には円盤状の回転板213がその中心位置で固定されている。各支持台211と回転板213との間にはリンク部材214が介装されている。各リンク部材214の一端部は、左右の支持台211の対向する側の一端部に軸部215を介して回動可能に連結され、各リンク部材214の他端部は、回転板213の互いに反対側の面に対し、回転中心から径方向に外れた偏心位置に、それぞれ軸部216を介して回動可能に連結されている。
【0142】
・帯体を構成する一対の帯片43A,43Bを止着する手段として、図37に示すような止着具220を採用してもよい。止着具220は一方の帯片43Aの先端部に取着されたリング221と、同図における左側の帯体43のように、他方の帯片43Bの先端寄り部位を、リング221に挿通して折り返した部分を互いに止着するための被止着面222Aと止着面222Bとからなる面ファスナ222とを備える。この止着具220を備えた帯体43によれば、他方の帯片43Bの先端寄りの部分をリング221に挿通した後は、ほぼ片手を使って帯体43を脚に締め付けた状態に装着できる。
【0143】
・第6〜第8実施形態では、温熱刺激部、冷感刺激部、指圧突起を、一対の帯片43A,43Bの内周面に設けたが、支持台42において帯体43を巻き付けたときに下腿に接触可能な位置に、温熱刺激部、冷感刺激部、指圧突起に取り付けてもよい。また、下腿の脹脛側の部位以外の部位に温熱、冷感、指圧の刺激を与えられるような位置に、温熱刺激部、冷感刺激部、指圧突起などを設けてもよい。
【0144】
・前記各実施形態では、帯体を、一対の帯片43A,43Bにより2部品で構成したが、支持台42に固定した1枚の帯片で構成することもできる。この場合、帯片はその長手方向中央部で支持台に固定し、揺動方向(左右方向)において支持台に対する帯片の固定範囲は、揺動方向に巻き付け対象(下腿下部)の幅よりも狭い範囲とし、1枚の部品の場合でも、揺動時に帯体内で脚が揺動方向にぐらつくことがない構成とする。
【0145】
・前記第9実施形態(図24、図25)において、もみ玉は、回転とスライドと出没のうち少なくとも一つの動作を行えば足りる。
・前記第2〜第11、第13及び第14実施形態では、帯体を脚に巻き付けたが、同様の構成の帯体を腕に巻き付けるマッサージ機として実施してもよい。揺動対象が腕の場合は、例えば左右の腕を頭上に伸ばした状態で両腕を揺動させる構成とし、左右の腕に別々に帯体を巻き付けて支持台を揺動させるようにする。
【0146】
・刺激付与手段が付与する刺激は、熱と圧力との少なくとも一方であればよい。温熱刺激を与えるヒータや、冷熱刺激を与えるペリチェ素子の他、例えば温風を送る温風供給部や、冷風を送る冷風供給部でもよい。また、圧力は、突起やもみ玉による指圧(押し圧、もみ圧、叩き圧など)の他、振動発生部による振動圧や、送風手段による風圧、吸引手段による吸引圧(負圧)でもよい。また、鍼による刺激(刺鍼圧や圧鍼刺激)を与える刺激付与手段でもよい。また、刺激は、異種の熱の組合せや、異種の圧力の組合せ、熱と圧力の組合せでもよい。例えば温熱刺激部と冷感刺激部の両方を設けてもよいし、これらに更に指圧突起又はもみ玉を加えてもよい。また、温熱刺激部と指圧突起又はもみ玉との組合せ、冷感刺激部と指圧突起又はもみ玉との組合せ、指圧突起ともみ玉との組合せ、温熱刺激部又は冷感刺激部と振動発生部との組合せ、温熱刺激部と冷感刺激部ともみ玉と振動発生部との組合せなどでもよい。温熱刺激部と冷感刺激部の両方を備える場合、温熱刺激と冷感刺激とを交互に与える構成でもよい。
【0147】
・帯体は、それを構成する一対の帯片の基部が支持台上に間隔を開けて固定された構成に限定されず、一枚の帯片の長手方向中央部を支持台に固定し、その固定箇所から左右両側に延びる部分を、一対の帯片とした構成でもよい。
【0148】
・膨張収縮部は、エアバッグに限定されず、空気以外の流体の給排により膨張・収縮する膨縮袋を採用した構成でもよい。この場合、流体は、気体に限らず、水や油などの液体でもよい。
【0149】
・第12実施形態において、左右一対の脚用の揺動装置151のみで揺動システムを構成したり、左右一対の腕用の揺動装置152のみで揺動システムを構成したりしてもよい。
【0150】
・第1実施形態のマッサージ機10のオットマン15に、エアバッグ式の帯体(第5実施形態)、温熱刺激部を有する帯体(第6実施形態)、冷感刺激部を有する帯体(第7実施形態)、指圧突起101を有する帯体(第8実施形態)、もみ玉106を有する帯体(第9実施形態)、を設けてもよい。
【0151】
・第3、第4実施形態における第2の帯体として、エアバッグ式の帯体(第5実施形態)、温熱刺激部を有する帯体(第6実施形態)、冷感刺激部を有する帯体(第7実施形態)、指圧突起101を有する帯体(第8実施形態)、もみ玉106を有する帯体(第9実施形態)を採用してもよい。この構成によれば、揺らしたくない部位にマッサージを施すことができる。
【符号の説明】
【0152】
10…マッサージ機、12…座部、13…背もたれ部、15…オットマン、17…支持手段としての支持台、18…帯体、18A,18B…帯片、20…止着部としての面ファスナ、20A…被止着面、20B…止着面、21…揺動駆動手段としての揺動駆動部、22…モータ(動力源)、23…直動変換機構、35…制御部、40…マッサージ機としての揺動装置、41…基台、42…支持手段を構成する支持台、43…帯体、43A,43B…帯片、46…止着部としての面ファスナ、46A…被止着面、46B…止着面、51…揺動駆動手段としての揺動駆動部、52…モータ(動力源)、53…直動変換機構、60…制御部、63…マッサージ機、64…揺動装置、65…第2の帯体としての帯体、65A,65B…帯片、68…止着部としての面ファスナ、70…マッサージ機、71…揺動装置、72…スライダ、73…第2の帯体としての帯体、73A,73B…帯片、74…止着部としての面ファスナ、75…マッサージ機としての揺動装置、76…帯体、76A,76B…帯片、77…膨張収縮部、79…膨張収縮調整手段を構成するポンプ、80…膨張収縮調整手段を構成する給排気弁、81…圧力センサ、85…マッサージ機としての揺動装置、86…温熱刺激手段としての温熱刺激部、87…温熱制御部、88…温度センサ、90…マッサージ機としての揺動装置、91…冷感刺激手段としての冷感刺激部、92…温熱制御部、98…温度センサ、100…マッサージ機としての揺動装置、101…指圧突起、101B…突起部、105…マッサージ機としての揺動装置、106…もみ玉(施療子)、107…電動アクチュエータ、110…マッサージ機としての揺動装置、111…帯体、111A,111B…帯片、120…マッサージ機、121…帯体、122…支持台、130…マッサージ機としての揺動装置、131…止着部としての面ファスナ、140…マッサージ機としての揺動装置、141…止着部、141A…凹部、141B…凸部、151,152…マッサージ機としての揺動装置、153,154…帯体、155…メイン制御部、156…サブ制御部、160…マッサージ機としての揺動装置、161……形態保持部材、170…マッサージ機としての揺動装置、171…エアバッグ、173…ポンプ、180…マッサージ機、184…昇降用モータ、185…姿勢変更手段としての姿勢変更機構、190…マッサージ機、197…昇降用モータ、198…姿勢変更手段としての姿勢変更機構、200…揺動駆動手段としての揺動駆動部、205…モータ(動力源)、210…揺動駆動手段としての揺動駆動部、212…モータ(動力源)、220…止着部を構成する止着具、U…使用者、K…脚、B…腕。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揺らし施術が可能な揺動機能を備えたマッサージ機において、
使用者の脚と腕のうち少なくとも一方を支持する支持手段と、
前記支持手段を揺動させる揺動駆動手段と、
前記支持手段に設けられ、前記腕と脚のうち少なくとも一方である揺動対象に左右別々に巻き付けるとともに前記揺動対象に密着させて巻き付けた際の止着位置を調整可能な調整機能を有する帯体と、
を備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1に記載のマッサージ機において、
前記支持手段には、前記腕と脚のうちの一方を左右別々に巻き付けるための前記帯体が一対設けられ、前記一対の帯体は揺動方向に間隔を開けて前記支持手段に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のマッサージ機において、
前記帯体は、流体の導入・排出により膨張・収縮する膨張収縮部を有し、
前記膨張収縮部に対する流体の導入・排出を調整する膨張収縮調整手段を更に備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項1のマッサージ機において、
前記帯体とは別に、前記使用者の身体の揺らしたくない部位に巻き付けて、前記支持手段が揺動するときに、前記揺らしたくない部位の揺れを抑える第2の帯体を備えたことを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記帯体と前記支持手段の少なくとも一方には、前記脚又は腕に巻き付けられた前記帯体の内側となる位置に、熱と圧力とのうち少なくとも一方の刺激を与える刺激付与手段が設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項5に記載のマッサージ機において、
前記帯体は、前記支持手段に対して互いに間隔を開けて固定された一対の帯片と、一対の帯片を前記脚又は腕に密着させて巻き付けるための調整機能を有する止着部とを備え、
前記刺激付与手段は、前記支持手段の前記間隔に相当する位置に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のマッサージ機において、
前記刺激付与手段は、温熱を与える温熱刺激手段であることを特徴とするマッサージ機。
【請求項8】
請求項5又は6に記載のマッサージ機において、
前記刺激付与手段は、冷熱を与える冷感刺激手段であることを特徴とするマッサージ機。
【請求項9】
請求項5又は6に記載のマッサージ機において、
前記刺激付与手段は、指圧を施す突起であることを特徴とするマッサージ機。
【請求項10】
請求項6に記載のマッサージ機において、
前記刺激付与手段は、回転とスライドと出没のうち少なくとも一つの動作を行って、前記帯体に巻き付けられた部位をマッサージするもみ玉が設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記帯体は、前記脚又は腕の特定の関節を含む範囲に巻き付けられて前記関節を保護するサポータであることを特徴とするマッサージ機。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記帯体は前記支持手段に対して着脱可能に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項13】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記帯体は、前記支持手段から延出する一対の帯片を備え、
前記一対の帯片を、前記脚又は腕を入れやすい形態に保持する形態保持手段を備えていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれか一項に記載のマッサージ機において、
前記脚と腕のうち少なくとも一方に前記帯体が巻き付けられた状態にある使用者の姿勢を変更させる姿勢変更手段を更に備えたことを特徴とするマッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2013−46673(P2013−46673A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186214(P2011−186214)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】