説明

マッサージ機

本発明に係るマッサージ機において、マッサージ機構部(100)は、駆動モータ(M11)の回転を上下方向の運動に変換し、施療子枕木(5)の後部を上下動させる第1の上下運動機構部と、駆動モータ(M12)の回転を上下方向の運動に変換し、施療子枕木(5)の前部と後部の間を上下動させる第2の上下運動機構部と、駆動モータ(M13)の回転を左右方向の運動に変換し、施療子枕木(5)を左右動させる左右運動機構部と、を備えている。施療子(4)による前後の押し動作は、駆動モータ(M11),(M12)と第1又は第2の上下運動機構部が施療子枕木(5)を上下動させる動作を反復して、また、はさみ動作は、駆動モータ(M13)と左右運動機構部が施療子枕木(5)を左右動させる動作を反復して行われる。施療位置の上下方向変更動作は、駆動モータ(M11),(M12)が協調して回転して行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、モータで駆動させる椅子型のマッサージ機に関する。
【背景技術】
従来、施療子の複合的な動きにより揉み動作とたたき動作とを合わせたような動きのできる椅子型マッサージ機が有り、施療子を動作させるマッサージ機構部に駆動源である揉み用の駆動モータとたたき用の駆動モータとを具備してこれらを昇降モータとネジ送り機構によって昇降させるものが知られている(例えば、特開2000−350756号公報、及び特開2002−282318号公報参照)。また、施療子を動作するため第一軸体と第二軸体を備え、これらを選択して駆動するのに、一方向クラッチを備えた第三軸体を用いて機構の簡単・小型化を図ったものが知られている(例えば、特許第3124917号公報参照)。
しかしながら、上述した特許文献に示されるようなマッサージ機においては、施療子を動作させながら自らも昇降するマッサージ機構部に駆動モータが含まれているので、マッサージ機構部が重くなり、その慣性が大きくなって、施療位置の変更のためマッサージ機構部を移動させる際に、細かい微妙な操作や、施療位置の素早い移動動作が困難という問題がある。また、駆動モータがマッサージ機構部に含まれているので、マッサージ椅子の背もたれ部の薄型化、軽量化が困難という問題がある。
【発明の開示】
本発明は、上記課題を解消するものであって、簡単な構成によりマッサージ機構部の軽量化とともに、背もたれ部の薄型化・軽量化、マッサージ力の向上、施療位置決めの高精度化、及び施療位置移動の高速化を実現できるマッサージ機の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、座部と背もたれ部とを有し、背もたれ部に被施療者の背中をマッサージするための左右の施療子を備えた椅子型のマッサージ機において、前記施療子をそれぞれの前部に保持する前後方向に延伸した左右の施療子枕木と、前記施療子による押し動作、はさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作をモータの回転力によって行うための少なくとも2つはマッサージ機本体に対して位置が固定された第1、第2、及び第3の3つの駆動モータと、前記第1の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれの後部にリンクしてこれらを上下動させる第1の上下運動機構部と、前記第2の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれの前部と後部の間にリンクしてこれらを上下動させる第2の上下運動機構部と、前記第3の駆動モータの回転を左右方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれにリンクしてこれらを左右動させる左右運動機構部と、を備え、前記第1又は第2の駆動モータと第1又は第2の上下運動機構部が前記施療子枕木を上下動させる動作を反復することにより施療子による押し動作を行い、前記第3の駆動モータと左右運動機構部が前記施療子枕木を左右動させる動作を反復することにより施療子によるはさみ動作を行い、前記第1、第2、及び第3の駆動モータが協調して回転することにより施療位置の上下方向変更動作を行うことを特徴とする。
この構成によれば、押し動作、はさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作を行うための3つの駆動モータのうち少なくとも2つはマッサージ機本体に対して位置が固定されるので、施療子を動作させながら自らも昇降するマッサージ機構部を軽量化できる。従って、手動で施療位置を上下に変更をする場合、マッサージ機構部に作用する慣性力が小さいので、位置決めの高精度化、移動の高速化ができる。また、マッサージ機構部の軽量化により機械的強度に対する要求値が緩和されることや、体積のかさむ駆動モータが排除されること等から、椅子の背もたれ部を薄型化することができる。また、固定位置に配置した駆動モータは、高パワーのモータとすることができ、力強い施療を行うことができる。
本発明は、上述の改良された発明において、3つの駆動モータがマッサージ機本体に対して位置が固定されているのが好ましい。この構成によれば、マッサージ機構部のなお一層の軽量化、薄型化ができる。
本発明は、上述の改良された発明において、マッサージ機本体に対して位置が固定された駆動モータは前記背もたれ部の施療子可動範囲外に設けられているのが好ましい。この構成によれば、椅子の背もたれ部を薄型化できる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記施療子枕木と第1の上下運動機構部とをリンクした左右のリンク位置を結ぶ直線と、前記施療子枕木と第2の上下運動機構部とをリンクした左右のリンク位置を結ぶ直線とが平行であるのが好ましい。この構成によれば、2つの上下運動機構の構成が明確かつ単純であるので、機構設計や施療子動作の制御が容易となる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記第1の上下運動機構部は、前記第1の駆動モータにより回転される上下方向の第1のネジ棒と、このネジ棒に螺合し前記第1の駆動モータの回転により上下動するナットと、左右両側に右ネジと左ネジとを有してその略中央部を前記ナットに回転自在に固定されこのナットとともに上下動する左右方向の回転軸と、この回転軸の左右のネジにそれぞれ螺合されそれぞれ前記施療子枕木をリンクしてこれらの施療子枕木を前記回転軸とともに上下動させる左右の係合用ナットと、を備え、前記第2の上下運動機構部は、前記第2の駆動モータにより回転される上下方向の第2のネジ棒と、このネジ棒に螺合し前記第2の駆動モータの回転により上下動するナットと、このナットに略中央部を固定されこのナットとともに上下動する左右方向の梁材と、この梁材に沿って摺動自在に該梁材の左右に固定されそれぞれ前記施療子枕木をリンクしてこれらの施療子枕木を該梁材とともに上下動させる左右の摺動部材と、を備え、前記左右運動機構部は、前記第3の駆動モータの回転を前記回転軸に伝達してこの回転軸を回転しこの回転軸に螺合された前記係合用ナットにリンクした前記左右の施療子枕木を互いに離間又は接近させてこれらの施療子枕木を左右動させる回転伝達部材を備えるのが好ましい。
この構成によれば、上下方向の第1及び第2のネジ棒を回転する第1及び第2の駆動モータを背もたれ部の施療子可動範囲の上、又は下に配置できるので椅子の背もたれ部を薄型化できる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記第1及び第2の上下運動機構部は、前記第1及び第2の駆動モータにより回転される上下方向の第1及び第2のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合し前記第1及び第2の駆動モータの回転により上下動するナットと、これらのナットに略中央部を固定されこれらのナットとともに上下動する左右方向の第1及び第2の梁材と、これらの梁材に沿って摺動自在に該梁材のそれぞれ左右に固定されそれぞれ前記施療子枕木をリンクしてこれらの施療子枕木を該梁材とともに上下動させる摺動部材とを備え、前記左右運動機構部は、左右両側に右ネジと左ネジとを有する左右方向の回転軸と、この回転軸の左右のネジにそれぞれ螺合されそれぞれ前記左右の施療子枕木をリンクした2つの係合用ナットと、前記第3の駆動モータの回転を前記回転軸に伝達してこの回転軸を回転しこの回転軸に螺合された前記係合用ナットにリンクした前記左右の施療子枕木を互いに離間又は接近させてこれらの施療子枕木を左右動する回転伝達部材と、を備えるのが好ましい。
この構成によれば、上下方向の第1及び第2のネジ棒を回転する第1及び第2の駆動モータを背もたれ部の施療子可動範囲の上、又は下に容易に配置できるので椅子の背もたれ部を薄型化できる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記回転伝達部材は、ウオーム及びウオームホイールを用いるのが好ましい。この構成によれば、ウオームギヤを用いるので外力による施療子間隔の変動防止のためのブレーキを省くことができる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記左右運動機構部は、前記回転軸、係合用ナット、及び回転伝達部材に代えて、前記第3の駆動モータにより回転され前記左右の施療子枕木の略中央に配される上下方向の第3のネジ棒と、このネジ棒に螺合し前記第3の駆動モータの回転により上下動するナットと、このナットにそれぞれ一端をリンクされ互いに離間した他端を開閉動して該ナットの上下動を左右方向の動きに変換する1対の斜め方向の連結棒と、それぞれの連結棒の他端に設けられ前記連結棒と前記左右の施療子枕木とをリンクして前記第3の駆動モータの回転によりこれらの施療子枕木を左右動させる係合部材と、を備えるのが好ましい。
この構成によれば、上下方向の第3のネジ棒を回転する第3の駆動モータを背もたれ部の施療子可動範囲の上又は下に容易に配置できるので椅子の背もたれ部を薄型化できる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記係合部材は、前記第1の梁材に沿って摺動自在に固定された前記摺動部材、又は前記第2の梁材に沿って摺動自在に固定された前記摺動部材であるのが好ましい。この構成によれば、部品点数を減らすことができ、また施療子枕木を滑らかに左右動できる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記施療子によるたたき動作を行うための駆動源を備えているのが好ましい。この構成によれば、施療子のたたき動作を実現して施療子による施療内容を豊富にでき、施療効果をさらに上げることができる。
上記目的を達成するために、本発明は、座部と背もたれ部とを有し、背もたれ部に被施療者の背中をマッサージするための左右の施療子を備えた椅子型のマッサージ機において、前記施療子をそれぞれの前部に保持する前後方向に延伸した左右の施療子枕木と、前記施療子による押し動作、はさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作をモータの回転力によって行うための少なくとも2つはマッサージ機本体に対して前記背もたれ部の施療子可動範囲外に位置が固定された第1、第2、及び第3の3つの駆動モータと、前記第1の駆動モータの回転を左右方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれの後部にリンクしてこれらを左右動させる第1の左右運動機構部と、前記第2の駆動モータの回転を左右方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれの前部と後部の間にリンクしてこれらを左右動させる第2の左右運動機構部と、前記第3の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれにリンクしてこれらを上下動させる上下運動機構部と、を備え、前記第1の駆動モータと前記第1の左右運動機構部、又は前記第2の駆動モータと前記第2の左右運動機構部が前記施療子枕木を左右動させる動作を反復することにより施療子による押し動作を含むはさみ動作を行い、前記第1の駆動モータと前記第1の左右運動機構部、及び前記第2の駆動モータと前記第2の左右運動機構部が前記施療子枕木を左右動させる動作を互いに逆位相で反復することにより施療子による前後の押し動作を行い、前記第3の駆動モータと上下運動機構部が前記施療子枕木を上下動させる動作を反復することにより施療子による上下動作を含むはさみ動作を行い、前記第1、第2、及び第3の駆動モータが協調して回転することにより施療位置の上下方向変更動作を行うことを特徴とする。
この構成によれば、施療子によるはさみ動作を2つのモータで行うので、力強いはさみ動作による施療、又は、小型のモータによる通常の強さのはさみ動作の施療ができるマッサージ機が得られる。
上記目的を達成するために、本発明は、座部と背もたれ部とを有し、背もたれ部に被施療者の背中をマッサージするための左右の施療子を備えた椅子型のマッサージ機において、前記施療子をそれぞれの前部に保持する前後方向に延伸した左右の主枕木、及びこれらの主枕木の前部と後部の間にそれぞれ前部をリンクし前後方向に延伸した左右の副枕木を有する左右の施療子枕木と、前記施療子による押し動作、はさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作をモータの回転力によって行うための少なくとも2つはマッサージ機本体に対して位置が固定された第1、第2、及び第3の3つの駆動モータと、前記第1の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記主枕木のそれぞれの後部にリンクしてこれらを上下動させて施療子に前後に移動する押し動作をさせる第1の上下運動機構部と、前記第2の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記副枕木のそれぞれの後部にリンクしてこれらを上下動させて施療子に円弧を描く押し動作をさせる第2の上下運動機構部と、前記第3の駆動モータの回転を左右方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれにリンクしてこれらを左右動させて施療子にはさみ動作をさせる左右運動機構部と、を備え、前記第1、第2、及び第3の駆動モータが協調して回転することにより施療位置の上下方向変更動作を行うことを特徴とする。
この構成によれば、施療子による押し動作として、施療子が前に移動する前後方向の押し動作と、円弧を描いて斜め上から下に移動する上下方向の押し動作とが可能であり、被施療者の腰、背中、又は肩に対する前後方向や斜め上下方向からの施療が行えるため、施療内容が多くなり、また施療部位の範囲が広くなる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記第1及び第2の上下運動機構部は、前記第1及び第2の駆動モータにより回転される上下方向の第1及び第2のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合し前記第1及び第2の駆動モータの回転により上下動するナットと、これらのナットに略中央部を固定されこれらのナットとともに上下動する左右方向の第1及び第2の梁材と、これらの梁材に沿って摺動自在に該梁材のそれぞれ左右に固定された摺動部材と、を備え、前記左右運動機構部は、前記第3の駆動モータにより回転され前記左右の施療子枕木の略中央に配される上下方向の第3のネジ棒と、このネジ棒に螺合し前記第3の駆動モータの回転により上下動するナットと、このナットにそれぞれ一端をリンクされ互いに離間した他端を開閉動して該ナットの上下動を左右方向の動きに変換する1対の斜め方向の連結棒と、それぞれの連結棒の他端に設けられ前記連結棒と前記左右の施療子枕木とをリンクして前記第3の駆動モータの回転によりこれらの施療子枕木を左右動させる係合部材と、を備え、前記マッサージ機本体に対して位置が固定された駆動モータは前記背もたれ部の施療子可動範囲外に設けられ、前記主枕木の後端は、それぞれ前記摺動部材を介して前記第1の上下運動機構部にリンクされ、前記第1の駆動モータの回転により上下動し、前記副枕木の後端は、それぞれ前記摺動部材を介して前記第2の上下運動機構部にリンクされ、前記第2の駆動モータの回転により上下動するのが好ましい。
この構成によれば、上下方向の第1乃至第3のネジ棒を回転する第1乃至第3の駆動モータを背もたれ部の施療子可動範囲の上、又は下に容易に配置できるので椅子の背もたれ部を薄型化できる。
本発明は、上述の改良された発明において、施療子によるたたき動作を行うための駆動源を前記主枕木に備え、該駆動源がリニアアクチュエータであるのが好ましい。この構成によれば、施療子によるたたき動作の機構を施療子周辺にコンパクトに組み入れることができる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記施療子によるたたき動作を行うためのたたき駆動モータを背もたれ部の施療子可動範囲外に備え、前記たたき駆動モータの回転力を前記副枕木が傾動動作するための力に変換するたたき運動機構部を備えるのが好ましい。この構成によれば、たたき駆動モータを背もたれ部の施療子可動範囲より下部又は上部又は側方部に配置するので、施療子周辺の駆動機構を大型化することなく施療子によるたたき動作を備えることができる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記第1、第2、及び第3のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合して上下動するナットとに代えて、それぞれ前記第1、第2、及び第3の駆動モータにより回転される3つの動プーリと、これらのそれぞれの動プーリと対になる3つの従プーリと、前記動プーリと従プーリのそれぞれの対によって上下動する第1、第2、及び第3のワイヤと、前記第1及び第2のワイヤを前記第1及び第2の梁材に固定するワイヤ接続部材と、前記第3のワイヤを前記1対の斜め方向の連結棒の一端とリンクするワイヤリンク部材と、を備えるのが好ましい。この構成によれば、より軽量に駆動伝達機構を構成できる。また、施療子可動範囲の側方にモータを設置しやすい。
本発明は、上述の改良された発明において、前記第1、第2、及び第3のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合して上下動するナットとに代えて、前記第1、第2、及び第3の駆動モータの回転運動を直線運動に変換して前記各ナットの設けられた部位の上下動を行うそれぞれ第1のリンクと第2のリンクとからなる3対のリンク機構を備えるのが好ましい。この構成によれば、リンクを組合せるだけで、より安価に駆動伝達機構を構成できる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記第1、第2、及び第3のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合して上下動するナットと、前記第1、第2、及び第3の駆動モータとに代えて、各ナットの設けられた部位の上下動を行うパンタグラフ型の上下移動機構と、各上下移動機構を上下に動作させるアクチュエータと、を備えるのが好ましい。この構成によれば、パンタグラフを上下させるアクチュエータは直動型でも可能になり、エアシリンダーや油圧シリンダー、高速反応できるボイスコイルモータなどを用いて、小型化、薄型化した駆動伝達機構を構成できる。
本発明は、上述の改良された発明において、前記各駆動モータのうち少なくとも1つを前記施療子の可動範囲の側方領域に配置するのが好ましい。この構成によれば、マッサージ機を自動車の後部座席に設置する際のように、側方空間に余裕がある場合に、駆動モータを施療子可動範囲の側方領域の下部又は上部に容易に配置・取付けができ有用である。
本発明は、上述の改良された発明において、前記施療子によるたたき動作を行うための駆動源を前記背もたれ部の施療子可動範囲の内部に設置するのが好ましい。この構成によれば、施療子可動範囲に駆動源を設置することで、高速な往復動作を簡単な構造で実現できる。
【図面の簡単な説明】
FIG.1は本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機の側面概念図である。
FIG.2は同上マッサージ機の変形例を示す側面概念図である。
FIG.3は同上マッサージ機の動作を説明するブロック構成図である。
FIG.4は同上マッサージ機の施療子駆動部の内部斜視図である。
FIG.5は本発明の第2の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.6は本発明の第3の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.7は本発明の第4の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.8は本発明の第5の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.9は本発明の第6の実施形態に係るマッサージ機の動作を説明するブロック構成図である。
FIG.10は同上マッサージ機におけるマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.11は本発明の第7の実施形態に係るマッサージ機の動作を説明するブロック構成図である。
FIG.12は同上マッサージ機における施療子枕木のリンク機構の説明図である。
FIG.13は同上マッサージ機におけるマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.14はFIG.13に示したマッサージ機構部の側面図である。
FIG.15は本発明の第8の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.16は同上マッサージ機における左側施療子の一周期の動きを時間に対する基準位置からの位置変位量として示すグラフである。
FIG.17はFIG.16に示した左側施療子の動きに対応する一周期の各駆動モータの回転量の変化を示すグラフである。
FIG.18はFIG.16に示した左側施療子の動きを3次元空間における軌跡として示す図である。
FIG.19は本発明の第9の実施形態に係るマッサージ機のたたき動作を説明する施療子枕木部分の側面図である。
FIG.20は本発明の第10の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.21は本発明の第11の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.22は本発明の第12の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.23は本発明の第13の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.24は本発明の第14の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
FIG.25は本発明の第15の実施形態に係るマッサージ機のマッサージ機構部の内部斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
FIG.1は、本発明の第1の実施形態に係るマッサージ機1の概念を示す。マッサージ機1は、座部2と背もたれ部3とを有し、背もたれ部3にマッサージ用の施療子4を備えた椅子型のマッサージ機である。施療子4は左右一対の構成になっており、これらの施療子4は前後方向に延伸した左右の施療子枕木5のそれぞれの前部に保持され、施療子枕木5を介して機構部6、さらに駆動モータ7に接続されている。
施療子4は、機構部6により駆動され、背もたれ部3の上下方向、及び肩幅方向(左右方向)のそれぞれの一定範囲に定められた可動範囲8において移動、及びマッサージ動作をすることができる。施療子4は、可動範囲8において背もたれ部3に沿って昇降して被施療者の腰から背中、肩、首、さらに頭までの任意の位置を、押す(揉む、さする)、たたく、及びはさむ動作をして、マッサージ施療を行う。左右一対の構成となっている施療子4は施療者の背中の左右の部位について施療する。左右の施療子4の間隔(幅方向間隔)を広げたり狭めたりする幅方向動作によって、例えば首の後ろをはさむ「はさみ動作」を行うことができる。左右の施療子4を前後に動かす動作によって、背もたれ部にもたれた被施療者の背中を後ろから前に押す「前後の押し動作」を行うことができる。また、後述する他の実施形態においては、前後の押し動作の他、斜め上方又は斜め下方から押す「円弧状押し動作」も可能である。
駆動モータ7は、機構部6を駆動してその機械動作により施療子4のマッサージ動作を行うための駆動源であり、また、施療子4を接続した機構部6の昇降動作を行うための駆動源でもある。そこで、駆動モータ7は、複数個備えられ、FIG.1に示すマッサージ機1の場合、施療子4の可動範囲8の外部、すなわち可動範囲8の下部と、可動範囲8の左側方部(不図示)に設けられている。FIG.2に示すマッサージ機10は、マッサージ機1の変形例であり、駆動モータ7が施療子4の可動範囲8の上部に設けられている。以下において、機構部6に施療子4や枕木5、及び駆動モータ7を含めた全体をマッサージ機構部と称するが、その構成を限定するものではない。また、FIG.1は以下の説明において適宜参照される。
FIG.3は、主としてマッサージ機構部に注目したマッサージ機1のブロック構成を示す。マッサージ機1は、前述のように、施療子4による押し動作とはさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作をモータの回転力によって行うための少なくとも2つはマッサージ機本体に対して位置が固定された第1、第2、及び第3の3つの駆動モータM1,M2,M3と、第1の駆動モータM1の回転を上下方向の運動に変換し施療子枕木5のそれぞれの後部にリンクしてこれらを上下動させる第1の上下運動機構部A1と、第2の駆動モータM2の回転を上下方向の運動に変換し施療子枕木5のそれぞれの前部と後部の間にリンクしてこれらを上下動させる第2の上下運動機構部A2と、第3の駆動モータM3の回転を左右方向の運動に変換し施療子枕木5のそれぞれにリンクしてこれらを左右動させる左右運動機構部Wと、被施療者がマッサージ機を操作するための操作部Hと、操作部Hからの信号に基づいて各駆動モータを制御する制御部Cと、を備えている。
施療子4による押し動作は、第1及び第2の駆動モータM1,M2、従って第1及び第2の上下運動機構部A1,A2が施療子枕木5を上下動させる動作を逆位相で反復して行い、施療子枕木5にシーソ動作をさせることにより行われる。この押し動作は「前後の押し動作」である。施療子4によるはさみ動作は、第3の駆動モータM3、従って左右運動機構部Wが施療子枕木5を左右動させる動作を反復することにより行われる。施療位置の上下方向変更動作は、第1、第2、及び第3の駆動モータM1,M2,M3が協調して回転することにより行われる。
FIG.4は、マッサージ機1におけるマッサージ機構部100の内部構造を示す。引き続きFIG.1、FIG.3を参照して説明する。マッサージ機構部100の第1の上下運動機構部A1は、第1の駆動モータM11により回転される上下方向の第1のネジ棒101と、このネジ棒101に螺合し第1の駆動モータM11の回転により上下動するナット102と、左右両側に右ネジ113と左ネジ112とを有してその略中央部をナット102に回転自在に固定されこのナット102とともに上下動する左右方向の回転軸111と、この回転軸111の左右のネジ113、112にそれぞれ螺合されそれぞれ施療子枕木5をリンクしてこれらの施療子枕木5を回転軸111とともに上下動させる左右の係合用ナット115、114と、を備えている。
第2の上下運動機構部A2は、第2の駆動モータM12により回転される上下方向の第2のネジ棒131と、このネジ棒131に螺合し第2の駆動モータM12の回転により上下動するナット132と、このナット132に略中央部を固定されこのナット132とともに上下動する左右方向の梁材141と、この梁材141に沿って摺動自在に梁材141の左右に固定されそれぞれ施療子枕木5をリンクしてこれらの施療子枕木5を梁材141とともに上下動させる左右の摺動部材142と、を備えている。
左右運動機構部Wは、第3の駆動モータM13の回転を回転軸111に伝達してこの回転軸111を回転しこの回転軸111に螺合された係合用ナット115、114にリンクした左右の施療子枕木5を互いに離間又は接近させてこれらの施療子枕木5を左右動させる回転伝達部材124を備えている。回転伝達部材124は、駆動モータM13と回転軸111に設けられたプーリとプーリ間に架けられたベルトから構成されている。回転軸111は、マッサージ機1における背もたれ部3の左右に設けられた上下方向のガイド軸121に対して摺動部材122によって上下方向に摺動自在に、かつ自己の回転軸回りに回転自在になるように拘束されており、駆動モータM11の回転に伴いガイド軸121に沿って上下動作する。同様に、駆動モータM13は、回転軸111との上下間隔を一定に保った状態で、摺動部材123によってガイド軸121に上下方向の摺動自在に拘束されている。
施療子枕木5と係合用ナット115、114、及び施療子枕木5と摺動部材142をリンクする構造は、球関節、円筒関節、及びこれらの組合せなどにより、所望の動きに対する自由度を与えるとともに、一定の拘束状態を実現するように構成される。このような2つの部材をリンクする構造は、以下に説明する殆どのマッサージ機において同様に用いられている。
施療子枕木5と第1の上下運動機構部A1とをリンクした左右のリンク位置は、係合用ナット115、114の位置であって、これらは回転軸111に沿っており、施療子枕木5と第2の上下運動機構部A2とをリンクした左右のリンク位置は、左右の摺動部材142の位置であって、これらは左右方向の梁材141に沿っており、回転軸111と梁材141は互いに平行に設けられている。2つの上下運動機構部A1,A2の構成が明確かつ単純で、機構設計や施療子動作の制御が容易であり、施療子4を左右方向に滑らかに移動動作できる。
上述の構成において、駆動モータM11と駆動モータM12の回転による回転軸111と梁材141の上下動が同じ割合で行われる場合、駆動モータM11,M12が等速で回転すれば、左右の施療子4が一定の姿勢を保ったままで上下に移動する。
また、駆動モータM11,M12の―方、例えば駆動モータM11を停止させ、駆動モータM12を左回り方向と右回り方向とに交互に一定時間間隔で回転させれば、ナット102に上下往復運動をさせることができ、施療子枕木5が回転軸111の回りで傾動動作(シーソ動作)する。このとき施療子4が第1の位置状態PS1と第2の位置状態PS2との間を前後運動する。これにより、施療子4による前後の押し動作が行われる。なお、第1の位置状態PS1は、施療子枕木5が一番起き上がった状態である。このとき、ナット102は下に、ナット132は上にあって、互いに大きく離れた状態である。第2の位置状態PS2は、施療子枕木5が前方に倒れて施療子4が最前方に進んだ状態である。このとき、ナット102とナット132は、互いに最接近した状態である。このような施療子枕木5の傾動動作は、駆動モータM12だけを動作させても可能であり、両方の駆動モータM11,M12を逆位相で回転させても可能である。
また、駆動モータM13を一定時間間隔で正転と逆転を繰り返して回転させれば、施療子4によるはさみ動作ができる。これらの施療子4の動作を重ね合わせることで、施療子4の上下移動、及び押し動作、はさみ動作の複合動作が可能となる。
また、駆動モータM13が単体で動作すると、係合用ナット115,114を介して左右の施療子枕木5が互いに逆方向に移動するので、施療子4の揉み幅を変更することができる。
上述の第1及び第2の駆動モータM11,M12は、背もたれ部3の施療子可動範囲8の下方においてマッサージ機本体に対して固定して設けられており、椅子の背もたれ部3を薄型化できる。
なお、以下で説明するFIG.5〜FIG.8に示される各マッサージ機構部における施療子枕木5は、上述した第2の位置状態PS2の状態を表している。すなわち、これらの図では、施療子4が最も前方に移動した押し状態が示されている。
(実施形態2)
FIG.5は、本発明の第2の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部200の内部構造を示す。このマッサージ機の外観は、前述のFIG.1に示したマッサージ機1と同様であり、ブロック構成はFIG.3に示したものと同様であり、これらの図を適宜参照する。マッサージ機構部200は、FIG.4に示したマッサージ機構部100における回転軸111を、上下動用の梁材211と回転軸251に分離独立させた構造に成っている。
マッサージ機構部200の第1及び第2の上下運動機構部A1,A2は、第1及び第2の駆動モータM21,M22により回転される上下方向の第1及び第2のネジ棒201、231と、これらのネジ棒201,231に螺合し第1及び第2の駆動モータM21,M22の回転により上下動するナット202,232と、これらのナット202,232に略中央部を固定されこれらのナット202,232とともに上下動する左右方向の第1及び第2の梁材211,241と、これらの梁材211,241に沿って摺動自在に梁材のそれぞれ左右に固定されそれぞれ施療子枕木5をリンクしてこれらの施療子枕木5を梁材とともに上下動させる摺動部材212,242とを備えている。
左右運動機構部Wは、左右両側に右ネジ253と左ネジ252とを有する左右方向の回転軸251と、この回転軸251の左右のネジ253,252にそれぞれ螺合されそれぞれ前記左右の施療子枕木5をリンクした2つの係合用ナット255,254と、前記第3の駆動モータM23の回転を回転軸251に伝達してこの回転軸251を回転しこの回転軸251に螺合された係合用ナット255,254にリンクした左右の施療子枕木5を互いに離間又は接近させてこれらの施療子枕木5を左右動する回転伝達部材224と、を備えている。回転伝達部材224は、駆動モータM23と回転軸251に設けられたプーリとプーリ間に架けられたベルトから構成されている。
このような構成において、ナット202,232が互いに逆方向に上下運動するように駆動モータM21,M22が回転する場合、回転軸251を中心にして梁材211,241が互いに逆方向に上下するシーソ動作が発生するので、施療子4の前後運動による前後の押し動作が可能となる。マッサージ機構部200のその他の構成、動作、及び効果は、前述のマッサージ機構部100と同様であり省略する。
(実施形態3)
FIG.6は、本発明の第3の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部300の内部構造を示す。このマッサージ機と共通の構成を示すFIG.1、及びFIG.3を適宜参照する。このマッサージ機構部300は、FIG.5に示したマッサージ機構部200における左右運動機構部Wのプーリとプーリ間に架けられたベルトから成る回転伝達部材224に変えて、ウオーム及びウオームホイールを用いるものである。
第3の駆動モータM33は、第1及び第2の駆動モータM31,M32と同様に施療子可動範囲8の下方に設けられ、その回転は上下方向の回転軸351と、ウオーム及びウオームホイールからなる回転方向変換機構352とにより、左右運動機構部Wを構成する左右方向の回転軸331に伝達される。
回転方向変換機構352を回転軸351の上下方向に摺動自在に構成することにより、施療位置の上下方向変更動作を第1及び第2の駆動モータM31,M32のみで行うことができる。ウオームギヤを用いることで外力による施療子間隔変動を防ぐためのブレーキを設ける必要がなくなる。この他の構造は上述のいずれかと同様であり、その説明を省略する。
(実施形態4)
FIG.7は、本発明の第4の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部400の内部構造を示す。このマッサージ機と共通の構成を示すFIG.1、及びFIG.3を適宜参照する。このマッサージ機構部400は、FIG.5に示したマッサージ機構部200における左右運動機構部Wの回転軸251、係合用ナット255,254、及び回転伝達部材224に代えて、一対の斜め方向の連結棒を含むリンク機構を用いるものである。
マッサージ機構部400の左右運動機構部Wは、第3の駆動モータM43により回転され左右の施療子枕木5の略中間位置に配される上下方向の第3のネジ棒431と、このネジ棒431に螺合し第3の駆動モータM43の回転により上下動するナット432と、このナット432にそれぞれ一端をリンクされ互いに離間した他端を開閉動してナット432の上下動を左右方向の動きに変換する1対の斜め方向の連結棒433と、それぞれの連結棒433の他端に設けられ連結棒433と左右の施療子枕木5とをリンクして第3の駆動モータM43の回転によりこれらの施療子枕木5を左右動させる係合部材442と、を備えている。
係合部材442は、第1及び第2の上下運動機構部A1,A2を構成する第1及び第2の梁材411,471と平行に設けられた第3の梁材441に沿って摺動自在に固定された摺動部材からなる。
このような構成において、各ナット402,462,432が同じ移動速度で上昇又は下降するように各駆動モータM41,M42,M43を回転させることにより、左右の施療子4の間隔は変わらずに施療子4全体が上下に移動するので、施療位置の上下方向変更動作を行うことができる。
第3の駆動モータM43は、第1及び第2の駆動モータM41,M42と同様に施療子可動範囲8の下方に設けられている。この構成によれば、上下方向の第3のネジ棒431を回転する第3の駆動モータM43を背もたれ部3の施療子可動範囲8の下方に容易に配置できるので椅子の背もたれ部を薄型化できる。この他の構造は上述のいずれかと同様であり、その説明を省略する。
(実施形態5)
FIG.8は、本発明の第5の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部500の内部構造を示す。このマッサージ機と共通の構成を示すFIG.1、及びFIG.3を適宜参照する。このマッサージ機構部500は、FIG.4に示したマッサージ機構部100における左右運動機構部Wの係合用ナット115,114、及び回転伝達部材124に代えて、一対の斜め方向の連結棒を含むリンク機構を用いるものである。別の見方をすると、このマッサージ機構部500は、FIG.7に示したマッサージ機構部400において、左右運動機構部Wにおける係合部材442と、第1の上下運動機構部A1における摺動部材412とを共通化した構成になっている。
このような構成によると、マッサージ機構部500は、第3の駆動モータM53を施療子可動範囲8の下方に固定しているのでFIG.4に示したマッサージ機構部100よりも第1の上下運動機構部A1が軽量化され、また、左右方向の梁材が2本なのでFIG.7に示したマッサージ機構部400よりも背もたれ部3をより薄型化することができる。
(実施形態6)
FIG.9は、本発明の第6の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部に注目したブロック構成を示す。このマッサージ機の外観は、前述のFIG.1に示したマッサージ機1と同様であり、この図を再度参照する。
このマッサージ機は、前述同様に、施療子4による押し動作とはさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作をモータの回転力によって行うための少なくとも2つはマッサージ機本体に対して位置が固定された第1、第2、及び第3の3つの駆動モータM1,M2,M3を備えており、第1の駆動モータM1の回転を左右方向の運動に変換し施療子枕木5のそれぞれの後部にリンクしてこれらを左右動させる第1の左右運動機構部W1と、第2の駆動モータM2の回転を左右方向の運動に変換し施療子枕木5のそれぞれの前部と後部の間にリンクしてこれらを左右動させる第2の左右運動機構部W2と、第3の駆動モータM3の回転を上下方向の運動に変換し施療子枕木5のそれぞれにリンクしてこれらを上下動させる上下運動機構部Aと、を備えている。
第1の駆動モータM1又は第2の駆動モータM2と、第1の左右運動機構部W1又は第2の左右運動機構部W2が、施療子枕木5を左右動させる動作を反復することにより、施療子4によるはさみ動作が押し動作を含みながら行われる。第1の駆動モータM1と第2の駆動モータM2従って第1の左右運動機構部W1と第2の左右運動機構部W2が、それぞれ逆位相で動作すると、施療子枕木5のシーソ動作が発生して、施療子4による前後の押し動作が行われる。第3の駆動モータM3と上下運動機構部Aが施療子枕木5を上下動させる動作を反復することにより施療子4による上下動作を含むはさみ動作が行われる。第1、第2、及び第3の駆動モータM1,M2,M3が協調して回転することにより施療位置の上下方向変更動作が行われる。
FIG.10は、このマッサージ機におけるマッサージ機構部600の内部構造を示す。マッサージ機構部600の第1の左右運動機構部W1は、第1の駆動モータM61により回転される上下方向の第1のネジ棒601と、このネジ棒601に螺合し第1の駆動モータM61の回転により上下動するナット602と、このナット602にそれぞれ一端をリンクされ互いに離間した他端を開閉動してナット602の上下動を左右方向の動きに変換する1対の斜め方向の連結棒611と、それぞれの連結棒611の他端に設けられ連結棒611と左右の施療子枕木5とをリンクして第1の駆動モータM61の回転によりこれらの施療子枕木5を左右動させる係合部材612と、を備えている。第2の左右運動機構部W2は、第1の左右運動機構部W1と同様の構成要素を備えている。
上下運動機構部Aは、第3の駆動モータM63により回転される上下方向の第3のネジ棒651と、このネジ棒651に螺合し第3の駆動モータM63の回転により上下動するナット653と、このナット653に略中央部を固定されこのナット653とともに上下動する左右方向の梁材631と、この梁材631に沿って摺動自在に梁材631の左右に固定されそれぞれ施療子枕木5をリンクしてこれらの施療子枕木5を梁材631とともに上下動させる左右の摺動部材632と、を備えている。
梁材631は、マッサージ機本体の背もたれ部3の左右に設けられた上下方向のガイド軸641に対して摺動部材642によって上下方向に摺動自在に拘束されており、駆動モータM63の回転に伴いガイド軸641に沿って上下動作する。
このように、マッサージ機構部600は、2個の駆動モータM61,M62によって、施療子4の押し動作と幅方向動作を駆動する構造になっている。駆動モータM63は、梁材631を介して、施療子4と施療子枕木5、及び第1、第2の左右運動機構部W1,W2の一部と上下運動機構部Aの一部とを上下に移動し、このとき、施療子4も左右動するので、はさみ動作が実現する。3つの駆動モータM61,M62,M63が等速で同一方向に回転すれば、各モータに対してナット602,622,653の上下動の割合が同じ設定になっている前提のもとで、施療子4は、単純に上又は下に移動する(上下方向変更動作)。
駆動モータM63が停止しており、駆動モータM61,M62が等速で同一方向に回転すれば、施療子4の幅を離間又は接近する制御がなされ、これによりはさみ動作を行うことができる。施療子4によるはさみ動作を2つの駆動モータM61,M62を用いて行うので、力強いはさみ動作による施療、又は、小型のモータによる通常の強さのはさみ動作の施療が可能となる。
3つの駆動モータのうち、第1又は第2の駆動モータM61,M62のいずれか1つが回転すれば、施療子4による押し動作を含むはさみ動作が実現する。
駆動モータM63が停止しており、駆動モータM61,M62が、異なる方向に回転すれば、第1及び第2の左右運動機構部W1,W2が互いに逆向きの動作を行い、枕木5に梁材631を中心とするシーソ動作が発生するので施療子4がはさみ動作を含んで前後に移動動作する。このとき施療子4が第1の位置状態PS1と第2の位置状態PS2との間を前後運動する。これにより、施療子4による、はさみ動作を含む前後の押し動作が行われる。なお、第1の位置状態PS1は、施療子枕木5が一番起き上がった状態である。このとき、ナット602は下に、ナット622は上にあって、互いに大きく離れた状態である。第2の位置状態PS2は、施療子枕木5が前方に倒れて施療子4が最前方に進んだ状態である。このとき、ナット602とナット622は、互いに最接近した状態である。
(実施形態7)
FIG.11は、本発明の第7の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部に注目したブロック構成を示し、FIG.12は、施療子枕木のリンク機構を示す。このマッサージ機の外観は、前述のFIG.1に示したマッサージ機1と同様であり、この図を再度参照する。このマッサージ機の施療子枕木5は、FIG.12に示すように、施療子4をそれぞれの前部に保持する前後方向に延伸した左右の主枕木51、及びこれらの主枕木51の前部と後部の間にそれぞれ前部をリンクし前後方向に延伸した左右の副枕木52を備えている。この施療子枕木5による施療子4の動きは後述する。
このような施療子枕木5を有するマッサージ機は、FIG.11に示すように、前述同様に、施療子4による押し動作とはさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作をモータの回転力によって行うための少なくとも2つはマッサージ機本体に対して位置が固定された第1、第2、及び第3の3つの駆動モータM1,M2,M3を備えており、第1の駆動モータM1の回転を上下方向の運動に変換し主枕木51のそれぞれの後部にリンクしてこれらを上下動させて施療子4に前後に移動する押し動作をさせる第1の上下運動機構部B1と、第2の駆動モータM2の回転を上下方向の運動に変換し副枕木52のそれぞれの後部にリンクしてこれらを上下動させて施療子に円弧を描く押し動作をさせる第2の上下運動機構部B2と、第3の駆動モータM3の回転を左右方向の運動に変換し左右の施療子枕木5のそれぞれにリンクしてこれらを左右動させて施療子4にはさみ動作をさせる左右運動機構部Wと、を備えている。第1、第2、及び第3の駆動モータM1,M2,M3が協調して回転することにより施療位置の上下方向変更動作が行われる。
施療子枕木5による施療子4の動きを説明する。施療子4による押し動作には、背中や腰を後ろから前に押す前後の押し動作や、肩などを上から下に押す動作がある。施療子4によるこれらの押し動作をリンク機構により実現するため、FIG.12に示すように、施療子枕木5は主枕木51と副枕木52とを備えている(前述)。主枕木51の前部には施療子4が備えられ、主枕木21の後部はリンク機構によりガイド軸26に沿って上下動可能に第1の支持部22に支持されている。また、副枕木52の前部は主枕木51の中央部に回転自在にリンク部24により結合され、副枕木52の後部はリンク機構によりガイド軸26に沿って上下動可能に第2の支持部25に支持されている。
このような施療子枕木5のリンク機構(スコットラッセル近似平行運動機構)において、第2の支持部25を固定し、第1の支持部22をガイド軸26に沿って上下動させると、施療子4に矢印30で示すような略前後方向の直線運動をさせることができる。このような直線動作によって、背中や腰を施療子4で後方から前方に押す前後の押し動作が実現される。また、第1の支持部22を固定し、第2の支持部25を上下動させると施療子4を矢印31,32で示すような円弧方向に動作させることができる。この動作は、肩や背中をを斜め上から下方に、又は背中を斜め下から上方に押す円弧状の押し動作を実現する。このように、施療子枕木5のリンク機構により、施療子4が前後に移動する前後の押し動作と、円弧を描いて移動する円弧状の押し動作とが実現でき、被施療者の腰、背中、又は肩に対する前後方向や斜め上下方向からの施療が行えるため、施療内容が多くなり、また施療範囲が広くなる。
FIG.13,FIG.14は、このマッサージ機におけるマッサージ機構部700の内部構造を示す。マッサージ機構部700の第1及び第2の上下運動機構部B1,B2は、第1及び第2の駆動モータM71,M72により回転される上下方向の第1及び第2のネジ棒701,731と、これらのネジ棒701,731に螺合し第1及び第2の駆動モータM71,M72の回転により上下動するナット702,732と、これらのナット702,732に略中央部を固定されこれらのナット702,732とともに上下動する左右方向の第1及び第2の梁材711,741と、これらの梁材711,741に沿って摺動自在に梁材711,741のそれぞれ左右に固定された摺動部材712,742と、を備えている。
左右運動機構部Wは、第3の駆動モータM73により回転され左右の施療子枕木5の略中間位置に配される上下方向の第3のネジ棒771と、このネジ棒771に螺合し第3の駆動モータM73の回転により上下動するナット772と、このナット772にそれぞれ一端をリンクされ互いに離間した他端を開閉動してナット772の上下動を左右方向の動きに変換する1対の斜め方向の連結棒781と、それぞれの連結棒781の他端に設けられ連結棒781と左右の施療子枕木5とをリンクして第3の駆動モータM73の回転によりこれらの施療子枕木5を左右動させる係合部材762と、を備えている。
左右の係合部材762は、第1及び第2の梁材711,741と平行に設けられた左右方向の第3の梁材761に沿って摺動自在に第3の梁材761の左右に固定されている。また、係合部材762は、施療子枕木5における主枕木51と副枕木52とを結合している位置の近傍に設けられている。
3つの駆動モータM71,M72,M73はマッサージ機本体に対して位置が固定され、背もたれ部3の施療子可動範囲8の下方に設けられ、主枕木51の後端は、それぞれ摺動部材712を介して第1の上下運動機構部B1にリンクされ、第1の駆動モータM71の回転により上下動し、副枕木52の後端は、それぞれ摺動部材742を介して第2の上下運動機構部B2にリンクされ、第2の駆動モータM72の回転により上下動する。
マッサージ機構部700において、摺動部材712が前述のFIG.12における第1の支持部22に対応し、同様に摺動部材742が第2の支持部25に、またガイド軸721がガイド軸26にそれぞれ対応する。
各駆動モータM71,M72,M73が等速で同方向に回転するとき、所定の前提条件のもとで、施療子4はそのままの配置で、上下に単純移動する。駆動モータM71,M72が停止しており、駆動モータM73が回転すれば、ナット772が上下動し、施療子4の間隔(幅)が制御される。駆動モータM71,M73が停止しており、駆動モータM72が回転すれば、ナット732が上下動し、施療子4の動作は斜め上から下方へ円弧状経路に沿った押し動作となる。駆動モータM72,M73が停止しており、駆動モータM71が回転すれば、ナット702が上下動し、施療子4の動作は後方から前方への略直線状の押し動作となる。これらの施療子4の動作を複合することで、被施療者に対し、真横(腰、背中に有効)からでも、斜め上(肩に有効)からでも押し動作ができるため、揉み方のバリエーションが広くなる。
このような構成によれば、上下方向の第1乃至第3のネジ棒701,731,771を回転する第1乃至第3の駆動モータM71,M72,M73を背もたれ部3の施療子可動範囲8の上、又は下に容易に配置できるので椅子の背もたれ部3を薄型化できる。
(実施形態8)
FIG.15は、本発明の第8の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部800の内部構造を示す。このマッサージ機構部800は、前述のマッサージ機構部700における連結棒781を施療子枕木5にリンクする係合部材762の位置が、第3の梁材761から第1の梁材711に移動した構造になっており、さらに、1対の連結棒781が上方において離間した構造から下方において離間した構造になっている。すなわち、マッサージ機構部800における左右運動機構部を構成するナット872は、第1の上下運動機構部の第1の梁材811よりも上方に備えられ、左右1対の連結棒881は、ナット872にそれぞれ上端をリンクされ、互いに離間した下端を第1の梁材811に設けられた摺動部材812,842にリンクされている。この摺動部材812,842には、主枕木51の後端がリンクされている。1対の連結棒881が下方において離間しているので、マッサージ機構部700における場合と異なり、ナット872が下降することにより、左右の施療子枕木5の間隔が広がることになる。この他の構造は、マッサージ機構部700のそれと同様である。
次に、FIG.16,FIG.17、及びFIG.18により、マッサージ機構部800における施療子4の時間的なマッサージ動作の例を説明する。注目する施療子4は、FIG.15に示す左側の施療子4である。この施療子4の位置座標を所定の基準位置に原点を有するXYZ座標で表現する。X軸方向は前後方向であり、前方を正の向き、Y軸方向は左右方向であり、左方向、すなわち施療子が互いに離間する方向を正の向き、Z軸方向は上下方向であり、上方向を正の向きとする。
FIG.16は、施療子動作の一周期Tにおける位置変化を示す。施療子は、このような周期運動を何度も繰り返してマッサージ動作を行い、マッサージ効果が得られる。一周期Tは、数秒程度である。FIG.17は、施療子にこのような動作を行わせるための各駆動モータM81,M82,M83の一周期Tにおける回転量Rx,Rz,Ryを示す。施療子の左右方向(Y方向)の動作、すなわち、Y座標値と回転量Ryは1対1の対応がある。施療子のX方向、Z方向の動きは、回転量Rx,Rzの複合値により決まる。
FIG.18は、FIG.16に示した位置変化を3次元空間の軌跡として表したものである。上下方向においてZ=0となる時刻t1、左右方向において最大ふれ幅となる時刻t2、及び、前後方向においてX=0となる時刻t3をFIG.18にそれぞれ示している。これらの図に示した施療子の動きは、例えば、被施療者の左肩を上方から斜め左下方に押しつつ、前方に押し、その後、被施療者の首の方向に向って、はさみ動作を行いつつ施療子原点に復帰する動作を繰り返す動きになっている。
(実施形態9)
FIG.19は、本発明の第9の実施形態に係るマッサージ機における施療子枕木の構造を示す。施療子によるマッサージ動作は、押し動作、揉み動作、はさみ動作に加え、たたき動作がある。施療子によるたたき動作は、左右の施療子を交互に高速に往復運動させる動作であり、施療位置が肩の場合、肩たたき動作である。このたたき動作は、左右の施療子を交互に数mmから数十mmの振幅で高速に動作させて行われる。
施療子4が、FIG.19に示すように、主枕木51と副枕木52からなるリンク機構(FIG.12の説明参照)により支持されている。主枕木51には、副枕木52をリンクするリンク部24と主枕木51を支持する第1の支持部22との間に、リニアアクチュエータ50が設けられている。リニアアクチュエータ50は矢印で示すように、その厚み方向に伸縮振動し、その振動がリンク部24を支点にして施療子4の振動として増幅される。このような増幅された高速振動を左右1対の施療子4に交互に、又は同時に発生させてたたき動作を実現することができる。
微小距離間において高速振動できるアクチュエータとして、例えば、超磁歪素子を電磁コイルの中心に配置し、超磁歪素子の振動をてこなどの拡大機構を用いて増幅することや、固有振動による共鳴減少を利用して増幅することにより、振幅が数mmの振動を実現できる。また、リニアアクチュエータ50として、電歪素子、ボイスコイルモータなどを用いることができる。このようなアクチュエータを用いることにより、たたき機構を施療子機構部にコンパクトに組み入れることができる。
(実施形態10)
FIG.20は、本発明の第10の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部900の内部構造を示す。マッサージ機の外観についてFIG.1を参照する。このマッサージ機構部900は、施療子4によるたたき動作を行うためのたたき駆動モータM92,M94を背もたれ部3の施療子可動範囲8の外である下方に備え、たたき駆動モータM92,M94の回転力を副枕木52が傾動動作するための力に変換するたたき運動機構部を備えている。
このマッサージ機構部900は、前述のマッサージ機構部700における第2の梁材741を左右に2分割して、それぞれの部分を独立に上下動作させるようにしたものである。また、前述のマッサージ機構部700において左右の施療子4の間隔調整が連結棒781によるリンク機構を用いて行われているが、このマッサージ機構部900では、リンク機構に代わって前述のFIG.6に記載のマッサージ機構部300と同様に、ウオームとウオームホイールからなる回転方向変換機構932、及び回転軸911と左ネジ912、右ネジ914、及び左右の係合用ナット913、915による左右送り機構を用いるものである。また、主枕木51と副枕木52とのリンク部には、第3の梁材981に摺動自在に固定された左右の係合部材985,983が固定されている。係合部材983、985は独立に上下動作できるように、第3の梁材981に緩やかに固定されている。その他の構造については、前述のいずれかに記載のものと同じであり、説明を省略する。
駆動モータM93を回転させることで、左右の施療子4の間隔を制御できる。駆動モータM92,M94が、同一方向に回転動作した場合、施療子4の動作は、前述のマッサージ機構部700におけるものと同様の動作となる。駆動モータM92、M94によるナット962、942の上下動作を逆位相の微小上下幅振動とした場合、摺動部材972,952が互いに逆向きに上下動して左右の副枕木52が逆向きに上下動して、施療子4の動作がたたき動作となる。このとき、ナット962,942、従って左梁材971、右梁材951の逆方向の上下動作の食い違いは、結合部材910によって吸収される。結合部材910として、例えば平行板ばねやコイルばねを用いることができる。このように、マッサージ機構部900にたたき動作機能を備えても、たたき駆動モータを背もたれ部の施療子可動範囲より下部又は上部又は側方部に配置するので、機構部を軽量化して、低慣性化、高速駆動化、背もたれ部の薄型化が実現できる
(実施形態11)
FIG.21は、本発明の第11の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部700Aの内部構造を示す。このマッサージ機は、駆動モータでプーリを回転してワイヤを動作させることにより施療子4の動作を行う。マッサージ機構部700Aは、前出のFIG.13に示されるマッサージ機構部700における第1、第2、及び第3のネジ棒701、731、771と、これらのネジ棒701、731、771に螺合して上下動するナット702、732、772とに代えて、それぞれ前記第1、第2、及び第3の駆動モータM71,M72,M73により回転される3つの動プーリPと、これらのそれぞれの動プーリPと対になる3つの従プーリPと、動プーリPと従プーリPのそれぞれの対によって上下動する第1、第2、及び第3のワイヤ703、733、773と、第1及び第2のワイヤ703,733を第1及び第2の梁材711,741に固定するワイヤ接続部材704,734と、第3のワイヤ773を1対の斜め方向の連結棒781の一端とリンクするワイヤリンク部材774と、を備えている。
上述の構成により、梁材711、741は駆動モータM71,M72によって上下に駆動される。また、梁材761に摺動自在に固定された係合部材762は、連結棒781を介して、駆動モータM73によって上下動される。駆動モータM71,M72,M73が等速で回転すれば、ワイヤが等速で上下して各ワイヤ接続部材704、734、及びワイヤリンク部材774が上下するので、施療子4は、付随する各機構とともに上下に単純移動する。駆動モータM71,M72が停止しており、駆動モータM73が回転すれば、ワイヤリンク部材774が上下し、左右の施療子4の間隔が制御される。駆動モータM71,M73が停止しており、駆動モータM72が回転すれば、ワイヤ接続部材734が上下し、施療子4の動作は斜め上からの押し動作となる。駆動モータM72,M73が停止しており、駆動モータM71が回転すれば、ワイヤ接続部材704が上下し、施療子4の動作は前後方向の押し動作となる。これらの施療子4の動作を複合することで、前述のマッサージ機構部700と同様に、施療子4の上下、押し、幅調整が可能となる。
上述のようにプーリとワイヤを用いた駆動機構は、ネジ棒やナットを用いたものよりも軽量にできる。また、ワイヤはネジ棒と比べて断面積が小さいので駆動部の薄型化が容易である。このマッサージ機構部700Aは、上下駆動、押し駆動、幅駆動のすべてをワイヤで駆動した例であるが、3つの駆動機構のうち、いずれかをネジとナットで駆動するようにしてもよい。
(実施形態12)
FIG.22は、本発明の第12の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部700Bの内部構造を示す。マッサージ機構部700Bは、前出のFIG.13に示されるマッサージ機構部700における第1、第2、及び第3のネジ棒701、731、771と、これらのネジ棒701、731、771に螺合して上下動するナット702、732、772とに代えて、第1、第2、及び第3の駆動モータM71,M72,M73の回転運動を直線運動に変換して各ナットの設けられた部位の上下動を行うそれぞれ第1のリンクLK1と第2のリンクLK2とからなる3対のリンク機構を備える。
各駆動モータで第1のリンクの角度を制御して第1のリンクに接続された第2のリンクを上下に動作させることにより施療子の動作を行う。各駆動モータM71,M72,M73は、それぞれ第1のリンクLK1の一端を固定してリンクLK1を回動し、リンクLK1の他端(下端)のリンク結合部Jを介して回転自在に接合された第2のリンクLK2の一端を駆動する。駆動モータM71に接続された第2のリンクLK2の他端(上端)は、回転自在の結合部材705を介して梁材711に固定されている。また、駆動モータM72に接続された第2のリンクLK2の他端(上端)は、回転自在の結合部材735を介して梁材741に固定されている。駆動モータM73に接続された第2のリンクLK2の他端(上端)は、2つの連結棒781のリンク部775に固定されている。
上述の第1及び第2のリンクの構成により、前述のいずれかの駆動部と同様に、梁材711、741は駆動モータM71,M72によって上下に駆動され、また、梁材761に摺動自在に固定された摺動部材762は駆動モータM73によって上下動される。そして、各駆動モータM71,M72,M73の回転動作の組合せにより、施療子4の上下、押し、幅調整の複合した動作が可能となる。
上述のようにリンクを用いた駆動機構は、ネジ棒やナットを用いたものよりも安価に構成できる。また、上述のマッサージ機構部700Bは、上下駆動、押し駆動、幅駆動のすべてをリンクを用いて駆動した場合のものあるが、3つの駆動機構のうち、いずれかをネジ棒とナット、又はプーリとワイヤで駆動するようにしてもよい。
(実施形態13)
FIG.23は、本発明の第13の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部700Cの内部構造を示す。このマッサージ機は、パンタグラフ(lazy tong)型の上下移動機構を上下に動作させることにより施療子の動作を行う機構を駆動伝達機構に含む。マッサージ機構部700Cは、前出のFIG.13に示されるマッサージ機構部700における第1、第2、及び第3のネジ棒701、731、771と、これらのネジ棒701、731、771に螺合して上下動するナット702、732、772とに代えて、各ナットの設けられた部位の上下動を行うパンタグラフ型の上下移動機構706,736,776と、各上下移動機構706,736,776を上下に動作させるアクチュエータA71,A72,A73と、を備える。
下部にアクチュエータA71を備えたパンタグラフ706の上端は連結部材704によって梁材711に固定されている。下部にアクチュエータA72を備えたパンタグラフ736の上端は連結部材734によって梁材741に固定されている。また、下部にアクチュエータA73を備えたパンタグラフ776の上端は連結部材774によって2つの連結棒781のリンク部に固定されている。各アクチュエータA71,A72,A73の駆動によって、各連結部材704、704、774が上下動され、前述のいずれかのマッサージ機構部と同様に、施療子4の上下、押し、幅調整の複合した動作が可能となる。
上述のパンタグラフを用いた駆動機構は、パンタグラフを上下させるアクチュエータとしてモータ以外に、直動型のアクチュエータを用いることが可能であり、エアシリンダーや油圧シリンダー、高速反応できるボイスコイルモータなどを用いることができる。また、上述のマッサージ機構部700Cは、上下駆動、押し駆動、幅駆動のすべてをパンタグラフを用いて駆動した場合のものあるが、3つの駆動機構のうち、いずれかをネジ棒とナット、プーリとワイヤ、又はリンク機構などで駆動するようにしてもよい。
(実施形態14)
FIG.24は、本発明の第14の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部700Dの内部構造を示す。マッサージ機構部700Dは、前出のFIG.13に示されるマッサージ機構部700における各駆動モータのうち少なくとも1つを施療子4の可動範囲8の側方領域に配置するものである。このマッサージ機構部700Dは、駆動用モータをボール棒の直下ではなく側方領域に設けるものである。各駆動モータM71,M72,M73は、各ネジ棒701、731、771を回転するために、それぞれプーリP1,P2と、水平方向に各プーリP1,P2間に架けられたワイヤ707、737、777とを備えている。このマッサージ機構部700Dの駆動モータM71,M72,M73による動作は、マッサージ機構部700におけるのと同じであり説明は省略する。
このように、駆動モータを施療子可動範囲の側方領域の下部又は上部に配置する駆動部は、マッサージ機を自動車の後部座席に設置する際のように、側方空間に余裕がある場合に、取付けが容易であり有用である。
(実施形態15)
FIG.25は、本発明の第15の実施形態に係るマッサージ機におけるマッサージ機構部700Eの内部構造を示す。マッサージ機構部700Eは、施療子4によるたたき動作を行うための駆動源を背もたれ部3の施療子可動範囲8の内部に設置している。この構成によれば、施療子可動範囲に駆動源を設置することで、高速な往復動作を簡単な構造で実現できる。
マッサージ機構部700Eは、前出のFIG.20に示されるマッサージ機構部900における左右の施療子4の独立上下動作に用いたネジ棒861,841に代えて、クランク791を用いたものである。左右の副枕木52のそれぞれの一端が、クランク791の互いに逆向きに屈曲した回転半径の異なる部分に摺動部材794、795を介して回転かつ摺動自在に固定されている。また、左右の副枕木52のそれぞれの他端は、主枕木51にそれぞれリンク部799,798でリンクされている。
クランク791の中央には、クランク791をモータの回転軸の回りに回転するように、クランク回転モータM74が備えられている。クランク回転モータM74は、支持部材738を介して、駆動モータM72とネジ棒731によって上下動されるナット732に固定されている。また、クランク791の両端は、水平軸回りの回転かつ上下方向移動自在に、マッサージ機本体の左右に設けられた縦方向(上下方向)のガイド軸721に摺動部材793によって固定されている。
主枕木51の、施療子4の設けられていない他端は、前出のFIG.20におけるマッサージ機構部900と同様に、摺動部材712によって梁材711に回転自在かつ摺動自在に固定されている。さらに、摺動部材712は、連結棒781と連結部材774を介して、駆動モータM73とネジ棒771によって上下動されるナット772にリンクされている。梁材711は連結部材704を介して、駆動モータM71とネジ棒701によって上下動されるナット702にリンクされている。
上述の構成において、クランク回転モータM74が回転すると、左右の施療子4が別々に動作し、ちょうど、人の手で交互に背中を叩く動作が実現される。このように、たたき動作のような、高速な往復動作を行うときは、施療子可動範囲8に駆動源を設置すると構造が簡単になる。また、各駆動モータM71,M72,M73の回転動作の組合せにより、前述のいずれかのマッサージ機構部と同様に、施療子4の上下、押し、幅調整の複合した動作が可能となる。
以上のように、本発明におけるマッサージ機におけるたたき動作駆動などの小規模パワーの駆動モータを除く各駆動モータは、施療子の可動範囲より上、又は下に設けられる。モータ設置位置として、例えば、椅子の折れ曲がり部分や施療者の頭が当る部分の内部が可能である。
また、本発明のマッサージ機は、各駆動モータの回転位置を検出する回転位置検出器や施療子位置を検出する施療子位置検出器を備えており、それらの検出器の検出結果出力に基づき、施療子による揉み位置を計算し、各モータの回転を制御する制御部を備えている。なお、本発明は、上記構成に限られることなく種々の変形が可能である。例えば、前後方向に並んでいる駆動モータは、左右方向に並べることも可能であり、そうすることで、駆動部や背もたれ部を薄くすることができる。また、ネジ棒に代えてボールネジを用いてもよく、さらに、プーリに架けられたワイヤに代えてベルトを用いてもよい。また、上述の各種摺動部材、リンク部材、結合部材、支持部材等は、図示された形状のものに限られず、意図する機能を備えたものであればよい。施療位置の上下方向変更動作は、上下動を小刻みに繰り返すことにより上下方向の押し動作ともなり、また、背中部分のマッサージ動作ともなる。
なお、この出願は2003年3月26日付けの特許出願に基づいて優先権主張を行う。その出願の内容の全体が参照によって、この出願に組み込まれる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と背もたれ部とを有し、背もたれ部に被施療者の背中をマッサージするための左右の施療子を備えた椅子型のマッサージ機において、
前記施療子をそれぞれの前部に保持する前後方向に延伸した左右の施療子枕木と、
前記施療子による押し動作、はさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作をモータの回転力によって行うための少なくとも2つはマッサージ機本体に対して位置が固定された第1、第2、及び第3の3つの駆動モータと、
前記第1の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれの後部にリンクしてこれらを上下動させる第1の上下運動機構部と、
前記第2の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれの前部と後部の間にリンクしてこれらを上下動させる第2の上下運動機構部と、
前記第3の駆動モータの回転を左右方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれにリンクしてこれらを左右動させる左右運動機構部と、を備え、
前記第1又は第2の駆動モータと第1又は第2の上下運動機構部が前記施療子枕木を上下動させる動作を反復することにより施療子による押し動作を行い、
前記第3の駆動モータと左右運動機構部が前記施療子枕木を左右動させる動作を反復することにより施療子によるはさみ動作を行い、
前記第1、第2、及び第3の駆動モータが協調して回転することにより施療位置の上下方向変更動作を行うことを特徴とする。
【請求項2】
請求項1記載のマッサージ機において、
前記3つの駆動モータがマッサージ機本体に対して位置が固定されていることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1記載のマッサージ機において、
マッサージ機本体に対して位置が固定された駆動モータは前記背もたれ部の施療子可動範囲外に設けられていることを特徴とする。
【請求項4】
請求項1記載のマッサージ機において、
前記施療子枕木と第1の上下運動機構部とをリンクした左右のリンク位置を結ぶ直線と、前記施療子枕木と第2の上下運動機構部とをリンクした左右のリンク位置を結ぶ直線とが平行であることを特徴とする。
【請求項5】
請求項1記載のマッサージ機において、
前記第1の上下運動機構部は、前記第1の駆動モータにより回転される上下方向の第1のネジ棒と、このネジ棒に螺合し前記第1の駆動モータの回転により上下動するナットと、左右両側に右ネジと左ネジとを有してその略中央部を前記ナットに回転自在に固定されこのナットとともに上下動する左右方向の回転軸と、この回転軸の左右のネジにそれぞれ螺合されそれぞれ前記施療子枕木をリンクしてこれらの施療子枕木を前記回転軸とともに上下動させる左右の係合用ナットと、を備え、
前記第2の上下運動機構部は、前記第2の駆動モータにより回転される上下方向の第2のネジ棒と、このネジ棒に螺合し前記第2の駆動モータの回転により上下動するナットと、このナットに略中央部を固定されこのナットとともに上下動する左右方向の梁材と、この梁材に沿って摺動自在に該梁材の左右に固定されそれぞれ前記施療子枕木をリンクしてこれらの施療子枕木を該梁材とともに上下動させる左右の摺動部材と、を備え、
前記左右運動機構部は、前記第3の駆動モータの回転を前記回転軸に伝達してこの回転軸を回転しこの回転軸に螺合された前記係合用ナットにリンクした前記左右の施療子枕木を互いに離間又は接近させてこれらの施療子枕木を左右動させる回転伝達部材を備えることを特徴とする。
【請求項6】
請求項1記載のマッサージ機において、
前記第1及び第2の上下運動機構部は、前記第1及び第2の駆動モータにより回転される上下方向の第1及び第2のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合し前記第1及び第2の駆動モータの回転により上下動するナットと、これらのナットに略中央部を固定されこれらのナットとともに上下動する左右方向の第1及び第2の梁材と、これらの梁材に沿って摺動自在に該梁材のそれぞれ左右に固定されそれぞれ前記施療子枕木をリンクしてこれらの施療子枕木を該梁材とともに上下動させる摺動部材とを備え、
前記左右運動機構部は、左右両側に右ネジと左ネジとを有する左右方向の回転軸と、この回転軸の左右のネジにそれぞれ螺合されそれぞれ前記左右の施療子枕木をリンクした2つの係合用ナットと、前記第3の駆動モータの回転を前記回転軸に伝達してこの回転軸を回転しこの回転軸に螺合された前記係合用ナットにリンクした前記左右の施療子枕木を互いに離間又は接近させてこれらの施療子枕木を左右動する回転伝達部材と、を備えることを特徴とする。
【請求項7】
請求項6記載のマッサージ機において、
前記回転伝達部材は、ウオーム及びウオームホイールを用いることを特徴とする。
【請求項8】
請求項6記載のマッサージ機において、
前記左右運動機構部は、前記回転軸、係合用ナット、及び回転伝達部材に代えて、
前記第3の駆動モータにより回転され前記左右の施療子枕木の略中央に配される上下方向の第3のネジ棒と、このネジ棒に螺合し前記第3の駆動モータの回転により上下動するナットと、このナットにそれぞれ一端をリンクされ互いに離間した他端を開閉動して該ナットの上下動を左右方向の動きに変換する1対の斜め方向の連結棒と、それぞれの連結棒の他端に設けられ前記連結棒と前記左右の施療子枕木とをリンクして前記第3の駆動モータの回転によりこれらの施療子枕木を左右動させる係合部材と、を備えることを特徴とする。
【請求項9】
請求項8記載のマッサージ機において、
前記係合部材は、前記第1の梁材に沿って摺動自在に固定された前記摺動部材、又は前記第2の梁材に沿って摺動自在に固定された前記摺動部材であることを特徴とする。
【請求項10】
請求項1記載のマッサージ機において、
前記施療子によるたたき動作を行うための駆動源を備えていることを特徴とする。
【請求項11】
座部と背もたれ部とを有し、背もたれ部に被施療者の背中をマッサージするための左右の施療子を備えた椅子型のマッサージ機において、
前記施療子をそれぞれの前部に保持する前後方向に延伸した左右の施療子枕木と、
前記施療子による押し動作、はさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作をモータの回転力によって行うための少なくとも2つはマッサージ機本体に対して前記背もたれ部の施療子可動範囲外に位置が固定された第1、第2、及び第3の3つの駆動モータと、
前記第1の駆動モータの回転を左右方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれの後部にリンクしてこれらを左右動させる第1の左右運動機構部と、
前記第2の駆動モータの回転を左右方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれの前部と後部の間にリンクしてこれらを左右動させる第2の左右運動機構部と、
前記第3の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれにリンクしてこれらを上下動させる上下運動機構部と、を備え、
前記第1の駆動モータと前記第1の左右運動機構部、又は前記第2の駆動モータと前記第2の左右運動機構部が前記施療子枕木を左右動させる動作を反復することにより施療子による押し動作を含むはさみ動作を行い、
前記第1の駆動モータと前記第1の左右運動機構部、及び前記第2の駆動モータと前記第2の左右運動機構部が前記施療子枕木を左右動させる動作を互いに逆位相で反復することにより施療子による前後の押し動作を行い、
前記第3の駆動モータと上下運動機構部が前記施療子枕木を上下動させる動作を反復することにより施療子による上下動作を含むはさみ動作を行い、
前記第1、第2、及び第3の駆動モータが協調して回転することにより施療位置の上下方向変更動作を行うことを特徴とする。
【請求項12】
座部と背もたれ部とを有し、背もたれ部に被施療者の背中をマッサージするための左右の施療子を備えた椅子型のマッサージ機において、
前記施療子をそれぞれの前部に保持する前後方向に延伸した左右の主枕木、及びこれらの主枕木の前部と後部の間にそれぞれ前部をリンクし前後方向に延伸した左右の副枕木を有する左右の施療子枕木と、
前記施療子による押し動作、はさみ動作、及び施療位置の上下方向変更動作をモータの回転力によって行うための少なくとも2つはマッサージ機本体に対して位置が固定された第1、第2、及び第3の3つの駆動モータと、
前記第1の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記主枕木のそれぞれの後部にリンクしてこれらを上下動させて施療子に前後に移動する押し動作をさせる第1の上下運動機構部と、
前記第2の駆動モータの回転を上下方向の運動に変換し前記副枕木のそれぞれの後部にリンクしてこれらを上下動させて施療子に円弧を描く押し動作をさせる第2の上下運動機構部と、
前記第3の駆動モータの回転を左右方向の運動に変換し前記施療子枕木のそれぞれにリンクしてこれらを左右動させて施療子にはさみ動作をさせる左右運動機構部と、を備え、
前記第1、第2、及び第3の駆動モータが協調して回転することにより施療位置の上下方向変更動作を行うことを特徴とする。
【請求項13】
請求項12記載のマッサージ機において、
前記第1及び第2の上下運動機構部は、前記第1及び第2の駆動モータにより回転される上下方向の第1及び第2のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合し前記第1及び第2の駆動モータの回転により上下動するナットと、これらのナットに略中央部を固定されこれらのナットとともに上下動する左右方向の第1及び第2の梁材と、これらの梁材に沿って摺動自在に該梁材のそれぞれ左右に固定された摺動部材と、を備え、
前記左右運動機構部は、前記第3の駆動モータにより回転され前記左右の施療子枕木の略中央に配される上下方向の第3のネジ棒と、このネジ棒に螺合し前記第3の駆動モータの回転により上下動するナットと、このナットにそれぞれ一端をリンクされ互いに離間した他端を開閉動して該ナットの上下動を左右方向の動きに変換する1対の斜め方向の連結棒と、それぞれの連結棒の他端に設けられ前記連結棒と前記左右の施療子枕木とをリンクして前記第3の駆動モータの回転によりこれらの施療子枕木を左右動させる係合部材と、を備え、
前記マッサージ機本体に対して位置が固定された駆動モータは前記背もたれ部の施療子可動範囲外に設けられ、
前記主枕木の後端は、それぞれ前記摺動部材を介して前記第1の上下運動機構部にリンクされ、前記第1の駆動モータの回転により上下動し、
前記副枕木の後端は、それぞれ前記摺動部材を介して前記第2の上下運動機構部にリンクされ、前記第2の駆動モータの回転により上下動することを特徴とする。
【請求項14】
請求項12記載のマッサージ機において、
前記施療子によるたたき動作を行うための駆動源を前記主枕木に備え、該駆動源がリニアアクチュエータであることを特徴とする。
【請求項15】
請求項12記載のマッサージ機において、
前記施療子によるたたき動作を行うためのたたき駆動モータを背もたれ部の施療子可動範囲外に備え、
前記たたき駆動モータの回転力を前記副枕木が傾動動作するための力に変換するたたき運動機構部を備えることを特徴とする。
【請求項16】
請求項13記載のマッサージ機において、
前記第1、第2、及び第3のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合して上下動するナットとに代えて、
それぞれ前記第1、第2、及び第3の駆動モータにより回転される3つの動プーリと、これらのそれぞれの動プーリと対になる3つの従プーリと、前記動プーリと従プーリのそれぞれの対によって上下動する第1、第2、及び第3のワイヤと、前記第1及び第2のワイヤを前記第1及び第2の梁材に固定するワイヤ接続部材と、前記第3のワイヤを前記1対の斜め方向の連結棒の一端とリンクするワイヤリンク部材と、を備えたことを特徴とする。
【請求項17】
請求項13記載のマッサージ機において、
前記第1、第2、及び第3のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合して上下動するナットとに代えて、
前記第1、第2、及び第3の駆動モータの回転運動を直線運動に変換して前記各ナットの設けられた部位の上下動を行うそれぞれ第1のリンクと第2のリンクとからなる3対のリンク機構を備えることを特徴とする。
【請求項18】
請求項13記載のマッサージ機において、
前記第1、第2、及び第3のネジ棒と、これらのネジ棒に螺合して上下動するナットと、前記第1、第2、及び第3の駆動モータとに代えて、
前記各ナットの設けられた部位の上下動を行うパンタグラフ型の上下移動機構と、各上下移動機構を上下に動作させるアクチュエータと、を備えることを特徴とする。
【請求項19】
請求項13記載のマッサージ機において、
前記各駆動モータのうち少なくとも1を前記施療子の可動範囲の側方領域に配置することを特徴とする。
【請求項20】
請求項13記載のマッサージ機において、
前記施療子によるたたき動作を行うための駆動源を前記背もたれ部の施療子可動範囲の内部に設置することを特徴とする。

【国際公開番号】WO2004/084789
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【発行日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−504132(P2005−504132)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004389
【国際出願日】平成16年3月26日(2004.3.26)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】