マルチカメラX線フラットパネル検出器のための方法及び装置
一部の特徴にしたがって、装置はアレイ状に配置された複数のカメラであって、複数のカメラの各々は、それぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、複数のカメラの各々の視野が複数のカメラの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と少なくとも一部で重なり合うように、前記複数のカメラが配置されている、複数のカメラと、エネルギー変換要素であって、エネルギー変換構成要素の表面に入射する第1の放射線を、複数のカメラにより検出可能であるより低いエネルギーにある第2の放射線に変換するエネルギー変換要素と、少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数のカメラの各々からの信号を処理する少なくとも1つのコンピュータであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数の重なり合う領域において複数の信号を結合させる、コンピュータと、を有する装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ状に配列された複数のカメラであって、それらの複数のカメラの各々は、それぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数のカメラは、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、複数のカメラの各々の視野が、複数のカメラのうちの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と少なくとも一部で重なるように、配列される、複数のカメラと、エネルギー変換構成要素であって、そのエネルギー変換構成要素の表面に入射する第1の放射線を、複数のカメラにより検出可能である低エネルギーの第2の放射線に変換する、エネルギー変換構成要素と、少なくとも1つの画像を生成するように複数のカメラの各々からの信号を処理する少なくとも1つのコンピュータであって、前記コンピュータは、少なくとも1つの画像を生成するように複数の重なり合う領域において信号を結合する、コンピュータと、を有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル放射線診断(DR)は、ディジタルX線画像を直接、生成するように、フラットパネル検出器を用いる技術である。ディジタル放射線診断検出器は、画像を生成する画素のマトリックスに分布されて、セグメント化される電荷に高エネルギーX線光子を変換させる媒体を有する標準領域(X線フィルム及びX線フィルムカセットの製造ラインの規模から歴史的に発展した)装置に実質的に基づいている。例えば、各々の画素位置における電荷はディジタル化されることが可能であり、画素のすべてのマトリックスは、変換された電荷のX線画像を生成する。X線画像はその場合、コンピュータスクリーンに伝送されて、表示されることが可能である。
【0003】
そのようなフラットパネル検出器で一般に用いられる2つの主な技術であって、即ち、1)アモルファスシリコン又はアモルファスセレンなどの特定の材料の平坦な表面層によりX線光子が電荷に直接変換される直接ディジタル検出器と、2)高エネルギーX線光子をかなりの数の低エネルギー光子(例えば、可視スペクトルにおける光子)に変換するようにエネルギー変換層が用いられる間接ディジタル検出器と、が存在する。その低エネルギー光子はその場合、大きいマトリックス半導体装置により電荷に変換されることが可能である。上記のように、各々の画素位置における電荷は、ディジタルX線画像における画素の強度を表すディジタル値に変換されることが可能である。しかしながら、そのようなディジタル放射線診断フラットパネル検出器は高価であり、製造が比較的複雑である。
【0004】
価格及び複雑性を低減するように、比較的高価で大きい面積の半導体層は、1つ又はそれ以上の半導体カメラで置き換えられることが可能である。それらのカメラは、電荷結合素子(CCD)のアレイで構成されるカメラなどの、比較的安価で、小さい面積のシリコン画素マトリックスカメラであることが可能である。したがって、エネルギー変換層(例えば、蛍光体スクリーン)からもたらされる低エネルギー光子が大きいレンズを通り、画像が、電荷への変換をもたらし、次いでディジタル画像への変換をもたらすように、小さいシリコンチップ上にフォーカシングされる。
【発明の概要】
【課題を解決しようとする手段】
【0005】
一部の実施形態は、アレイ状に配列された複数のカメラであって、それらの複数のカメラの各々は、それぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数のカメラは、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、複数のカメラの各々の視野が、複数のカメラのうちの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と少なくとも一部で重なるように、配列される、複数のカメラと、エネルギー変換構成要素であって、そのエネルギー変換構成要素の表面に入射する第1の放射線を、複数のカメラにより検出可能である低エネルギーの第2の放射線に変換する、エネルギー変換構成要素と、少なくとも1つの画像を生成するように複数のカメラの各々からの信号を処理する少なくとも1つのコンピュータであって、前記コンピュータは、少なくとも1つの画像を生成するように複数の重なり合う領域において信号を結合する、コンピュータと、を有する装置を、有する。
【0006】
一部の実施形態は、エネルギー変換構成要素の表面に入射する第1の放射線を、低エネルギーの第2の放射線に変換するステップと、アレイ状に配列された複数のカメラでその低エネルギーの放射線の少なくとも一部を受けるステップであって、複数のカメラの各々は、それぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、複数のカメラの各々の視野が複数のカメラの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と重なり合うように、複数のカメラが配列されている、ステップと、少なくとも1つの画像を生成するように、複数のカメラの各々からの信号を処理するステップであって、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの画像を生成するように複数の重なり合う領域において信号を結合する、ステップと、を有する方法を有する。 一部の実施形態は、複数のカメラと、第1エネルギーの第1放射線を第1エネルギーより低い第2エネルギーの第2放射線に変換することが可能であるエネルギー変換構成要素と、複数のカメラのうちの対応するカメラにエネルギー変換構成要素により出射される第2放射線の少なくとも一部を屈折させるように、エネルギー変換構成要素と複数のカメラとの間に位置する少なくとも1つの屈折構成要素と、を有する装置を有する。
【0007】
一部の実施形態は、第1エネルギーの第1放射線を第1エネルギーより低い第2エネルギーの第2放射線に変換するステップと、エネルギー変換構成要素により出射される第2放射線の少なくとも一部を屈折させて、複数のカメラで第2放射線の少なくとも一部を受けるステップと、を有する方法を有する。
一部の実施形態は、高線量撮像のための位置を決定するように、上記の装置の何れかを用いるステップを有する。例えば、装置は、複数のカメラの何れかを選択的にアクティブにする少なくとも1つのリモートコンピュータをさらに有することが可能である。方法は、第1低線量画像を得るようにアクティブにされた複数のカメラの第1集合による低線量X線被爆を実行するステップを有する、1つ又はそれ以上の続く低線量画像を得るようにアクティブにされたカメラの異なる集合による1つ又はそれ以上の低線量被爆を実行するステップであって、カメラの異なる集合は、第1の低線量画像の少なくとも一部若しくは続く低線量画像の1つ又はそれ以上に基づいて選択される、ステップを有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来のカメラに基づくX線撮像装置を示す図である。
【図2】一部の実施形態にしたがったカメラに基づくX線撮像装置を示す図である。
【図3A】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図3B】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図3C】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図3D】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図3E】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図4】一部の実施形態にしたがった、X線エネルギーがカメラに入らないようにするミラーを用いることを示す図である。
【図5A】一部の実施形態にしたがった、重なり合う領域に関する概念を示す図である。
【図5B】一部の実施形態にしたがった、重なり合う領域に関する概念を示す図である。
【図5C】一部の実施形態にしたがった、重なり合う領域に関する概念を示す図である。
【図5D】一部の実施形態にしたがった、重なり合う領域に関する概念を示す図である。
【図6】一部の実施形態にしたがった、複数の画像層により画像を生成するタイルを示す図である。
【図7】一部の実施形態にしたがった、複数層画像を得ることに関する概念を示す図である。
【図8】一部の実施形態にしたがった、X線画像を得る装置を示す図である。
【図9】一部の実施形態にしたがった、比較的高い線量撮像を実行するように選択されたカメラを遠隔的にアクティブにする方法及び装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記のように、カメラのアレイは、X線撮像のための検出器として用いられることが可能である。種々の技術が単独で又は組み合わされて、改善された画像品質、より高効率の画像取得、よりフレキシブルな撮像装置及び/又はより低コストで提供されるカメラに基づく撮像の解決方法をもたらすことを、本出願者は理解することができた。例えば、下で更に詳細に説明するように、1つ又はそれ以上の光学技術は、検出される量子効率(DQE)を増加させる、信号対雑音比(SNR)を向上させるエネルギー変換層から放出される光をより多く収集するように用いられることを可能にする、若しくは/並びに複数のカメラ間でのクロストークを低減するように光をフォーカシングする又は再方向付けすることが可能である。1つ又はそれ以上のカメラ技術が、コストを低減する、SNR、DQEを向上させる、並びに/若しくは得られる画像の品質及び完全性を改善するように用いられることが可能である。本明細書で説明しているカメラアレイ技術は、診断及び治療を改善することが可能であり、医療処置を容易化するように用いられることが可能である。アレイで実施される複数のカメラの数及び配置は、高いSNRのデータを得るように、及び/又は画像データにおいて所望の主題の強調及び/又は抑制を可能にするように、用いられることが可能である。
【0010】
下では、本発明にしたがった方法及び装置に関連する種々の概念及び実施形態について、詳細に説明している。本明細書で説明している種々の特徴は複数の方法の何れかで実施することが可能であることが、理解される必要がある。特定の実施形態の実施例が、単に例示目的のために本明細書で提供されている。更に、下の実施形態において記載している種々の特徴は、単独で又は任意の組み合わせで用いられることが可能であり、本明細書で明確に記載している組み合わせに限定されるものではない。
【0011】
上記のように、比較的高いコストの半導体層を置き換えるカメラを用いるフラットパネル検出器は、ディジタル放射線診断(DR)撮像装置のコストを低減することが可能である。しかしながら、カメラに基づく方法を用いる従来のデザインは、低い画像品質をもたらすものである。従来の解決方法における画像品質は、少なくとも一部において、光収集が比較的不十分であるために、撮像装置について低いDQEがもたらされるものである。不十分な光収集のあるものは、エネルギー変換構成要素とエネルギー変換構成要素から放出される光を収集するカメラとの間の距離によるものである。この距離は、カメラアレイのセンサとして用いられるカメラの焦点距離により影響され得る。
【0012】
その結果、エネルギー変換構成要素により放出される光の一部のみが、レンズに到達し、画像の対応する部分を生成するのに有効である。更に、エネルギー変換構成要素から放出される低エネルギー光子は、すべての方向に発せられるために、エネルギー変換構成要素とレンズとの間の距離の結果として失われる光子であるばかりでなく、発せられる光子のある一部は隣接するカメラ又はリモートカメラにおいて実際に有効であり、画像におけるアーティファクトとして現れるクロストークをもたらす。
【0013】
図1は、従来のカメラの実施形態の短所の一部を模式的に示している。画像センサ100は、エネルギー変換構成要素110と、CCDカメラのアレイなどのカメラのアレイ120とを有する。X線放射線などの高エネルギー放射線105(例えば、撮像されるオブジェクトを通るX線放射線)がエネルギー変換構成要素110に入射する。エネルギー変換構成要素110は、エネルギー変換構成要素110の材料と高エネルギー放射線105との間の相互作用のために、高エネルギー放射線を低エネルギー放射線115(例えば、可視光スペクトルにおける光子)に変換する。エネルギー変換構成要素は、放射線の適切な変換が可能である任意の材料、例えば、X線放射線の吸収に応答して低エネルギー放射線を発する蛍光体層又は他の材料から成ることが可能である。
【0014】
上記のように、低エネルギー放射線は、エネルギー変換構成要素からすべての方向に発せられる。エネルギー変換構成要素110とカメラ(例えば、レンズの焦点距離により影響される)との間の距離と結合されて、このような全方向放出の結果として、放射線の実質的な量が不正確なカメラにより検出される。結果的に得られる画像は、比較的低い品質であり得、低いSNR、DQEを有し、及び/又は、図1に模式的に示している比較的に実質的なクロストークアーティファクトを有し得る。
【0015】
本出願者は、エネルギー変換構成要素(例えば、高エネルギーX線を可視スペクトルにおける低エネルギー光子に変換する蛍光体層又はスクリーン)とカメラとの間の光転送を改善することにより、画像品質が改善されることが可能であることを理解している。図2は、一部の実施形態にしたがった画像センサを示している。画像センサ200は、改善された光転送を容易にするように単独で又は任意の組み合わせで用いられることが可能である複数の改善を有する。1つの改善は、少なくとも一部において、低エネルギー放射線(の全方向(又は、少なくとも2π)放出(“フレア”と称せられる現象)に対処する屈折層230の追加を有する。屈折構成要素230は、エネルギー変換構成要素210とカメラ220との間に位置する高屈折層又は高分散層(例えば、高屈折コーティングガラス)であることが可能である。
【0016】
平角光子が隣接カメラ又はリモートカメラにおいて有効でないように臨界角(即ち、エネルギー変換構成要素に対して垂直な表面から十分に遠い角度)より大きい角度の光子を抑制するように、及び、対応するカメラ及び適切なカメラのレンズに入射する光量を増加させるように“内側における”臨界角(即ち、エネルギー変換構成要素に対して垂直な表面に十分に近い角度)より小さい角度で放出される光子を曲げるように、屈折構成要素は動作する。
【0017】
屈折構成要素230は、ガラス層、コーティングガラス層、多層のガラス及び/又は他の材料層、個別の屈折レンズ、若しくは正確なカメラのレンズの方への放出された光の方向付けを容易にする任意の他の適切な構成又は屈折材料より成ることが可能である。屈折構成要素230は、適切なカメラに到達する光の量を増加させて、クロストーク(雑音)を減少させることにより、SNRを改善するように、含まれることが可能である。更に、エネルギー変換構成要素210から放出される放射線がより多く到達し、カメラ220により収集されるために、画像センサのDQEも増加する。
【0018】
上記のように、従来の画像センサにおけるカメラとエネルギー変換構成要素との間の距離は、重要な信号が検出されなくなる、又は不正確なカメラにより検出されるようになる。従来のデザインにおけるその距離は、少なくとも一部においては、用いられる特定のカメラにより影響される。従来の画像センサにおいては、CCDに基づくカメラは、それらのカメラの焦点距離を調整するように、比較的大きい距離を必要とし、故に、一部はカメラ自体の物理的制約により、低い画像品質を一般にもたらす。
【0019】
本出願者は、CMOS(相補型シリコンオキサイド半導体)カメラ(例えば、携帯電話でしばしば使用される平板レンズCMOSカメラ)の利点が、画像品質を低下させることなく、一部の場合には画像品質を改善して、あまり高価でない画像センサの提供を容易にするように用いられることが可能であることを理解している。従来、CMOSカメラは、ディジタル放射線診断(DR)の目的で不十分な品質の画像を生成するものと理解され、故に、CCDカメラが、唯一の使用可能なセンサの解決方法として選択されている。しかしながら、本出願者は、CMOSカメラの利点の少なくとも一部は、ディジタル放射線診断についての従来の画像センサの一部の未解決な問題を解決するためばかりでなく、CCDカメラアレイを用いて得られる画像と同じ又はその画像より良好な画像を提供するように、有効利用されることが可能であることを、理解している。
【0020】
CMOSカメラの1つの利点は、焦点距離の減少である。本出願者は、図2に示すように、この焦点距離の減少が、CMOSカメラ及びエネルギー変換構成要素の位置が互いにより近くなるように採用されることが可能である。その結果、エネルギー変換構成要素から放出される光は、隣接するカメラ又は近接のカメラによりすべてが失われる又は検出されることに代えて、より多くが適切なカメラに入射する。したがって、より多くのCMOSカメラが、DR画像センサのコストを増加させることなく、センサアレイに含まれることが可能である。図2に模式的に示しているように、付加的なCMOSカメラが、より多くの放出された光がアレイ状の複数のカメラにおける1つのカメラにより検出されるように、アレイに付加されることが可能である。
【0021】
CMOSカメラの更なる利点は、それらのカメラのサイズが比較的小さいことである。その結果、より多くのカメラが、CCDカメラの解決方法の場合に比べて、所与の領域に位置付けられることが可能であり、画像センサは、より密にカメラがポピュレートされることが可能であり、故に、エネルギー変換構成要素210から放出される光をより適切に検出することができる。更に、より小さいサイズ(且つより低いコスト)であることにより、複数のカメラが任意の所与の画素について少なくとも一部の光を検出するように、複数のカメラが位置付けられることが可能である。このような重なり合いは、多くの重要な利点を有し、それらについては、下で更に詳細に説明する。任意のCMOSカメラが、複数のCMOSカメラを採用する実施形態で用いられることが可能であるが、それらの特徴は、この点に限定されるものではないことが、理解される必要がある。
【0022】
したがって、上記のように、本出願者は、CMOS及び/又は平板レンズ技術(例えば、携帯電話で用いられるものと同様のカメラ技術)を用いることにより、カメラが光放出面に近接して位置付けられることが可能であり、故に、光の収集を増加させて、画像品質を改善することが可能である。更に、それらの技術によると比較的コストパフォーマンスが高いために、より多くのカメラを使用することが可能であり、故に、カメラレンズと光放出層との間の距離を更に減少させることが可能である。CMOS/平板レンズカメラを使用することにより、エネルギー変換構成要素により近接するように複数のカメラを提供することが可能である。CMOS/平板レンズ技術は、SNR、DQEを向上させ、クロストークを低減し、及び/又は画像品質を改善するように、上記の光学技術と組み合わせて又は単独で使用されることが可能である。
【0023】
画像センサにおけるカメラの画像品質及び/又は動作に影響し得る従来の画像センサが有する更なる問題点は、エネルギー変換構成要素を通る変換されていない高エネルギー放射線である。特に、エネルギー変換構成要素に入射する高エネルギー放射線の一部は、低エネルギー放射線に変換されることなく、透過し得る。その結果、この変換されていない高エネルギー放射線はカメラに入射して、電子構成要素に損傷を与え、カメラにおいて若しくはカメラ及び電子構成要素の両方において誤った雑音をもたらし得る。本出願者は、この高エネルギー放射線の少なくとも一部をブロックする材料のブロッキング構成要素を備えることにより、変換されない高エネルギー放射線の一部又はすべてが画像センサのカメラ及び/又は関連電子構成要素に到達しないようにすることが可能であることを、理解している。
【0024】
図3A乃至3Eは、可能性の高い悪い及び/又は有害な高エネルギー放射線が撮像装置のエレクトロニクスに到達しないように、それを低減するのに適切なブロック構成要素を示している。図3A及び3Bは、変換されない高エネルギー放射線の少なくとも一部をブロックするように、屈折構成要素330の前及び後のそれぞれに別個のブロッキング構成要素340が備えられている2つの実施形態を示している。ブロッキング構成要素340は、X線などの比較的高いエネルギーの放射線を吸収することが可能である鉛入りガラス又は他の材料から成ることが可能である。
【0025】
図3C乃至3Eは、ブロッキング構成要素340’が、放射線構成要素330、上部面、下部面、並びにそれら上部面及び下部面の両方におけるコーティングとして備えられている実施形態を示している。そのコーティングは、変換されていない高エネルギー放射線の少なくとも一部を吸収することが可能である鉛入り材料又は他の材料のコーティングから成ることが可能である。上記のブロッキング構成要素の代替として又はそれに付加して、ブロッキング構成要素(例えば、ブロック層又はブロッキングコーティング)は、高エネルギー放射線がカメラの光感応性領域及び/又はエレクトロニクスに達しないように、カメラのレンズに付加されることが可能である。ブロッキング構成要素は、エネルギー変換構成要素から放出される低エネルギー放射線に対して完全に又は部分的に透過性である材料から成ることが可能である。
【0026】
一部の実施形態にしたがって、高エネルギー放射線がカメラ及び/又はカメラのエレクトロニクスに入射しないように、ミラーが使用されることが可能である。例えば、図4においては、カメラ420は、レンズの面垂線が屈折構成要素410の面垂線に対して実質的に垂直方向に方向付けられるように備えられる。低エネルギー放射線415を反射し、高エネルギー放射線405を透過させる材料から成るミラーは、低エネルギー放射線がカメラレンズの方に反射される一方、高エネルギー放射線がミラーを透過して、カメラに入射せず、カメラの感応性領域及び/又はエレクトロニクスに入射するように、位置付けられている。図4に模式的に示している実施形態は、変換されていない高エネルギー放射線がカメラに入射しないように及び/又はセンサエレクトロニクスを損傷しないように、単独で又は本明細書で記載している他の技術と任意に組み合わされて、使用されることが可能である。
【0027】
上記のように、高エネルギーのX線光子を低エネルギーの光子に変換するエネルギー変換構成要素(例えば、蛍光体スクリーン又は光子変換器)から出る光のフレア及びグレアを回避するように、蛍光体スクリーン上の各々の点からの光子は2π方向に放出され、フレアと呼ばれる雑音をもたらす。更に、レンズにより反射される光は、グレアと呼ばれる光学雑音の他の成分をもたらす蛍光体スクリーンの白色反射面から跳ね返ることにより、反射して戻される。
【0028】
従来のカメラに基づく解決方法においては、複数のカメラが、それらが組み合わされる視野角が各々の隣接するカメラ間の一部の重なり合いにより光放出面の全画像領域をカバーするように(ステッチングアルゴリズムが1つの連続的な大きいディジタル画像を生成するように複数の画像すべてを一緒にステッチすることを可能にするように)、分配されて配列される。従来のカメラに基づく解決方法におけるコストの考慮は、使用されるカメラの数を制限する。更に、従来のCCDカメラの大きさ及びCCD要素から電荷を輸送するための関連エレクトロニクスには、隣接するカメラを一緒にどれ位近接して位置付けることが可能であるかということで、物理的に制約がある。その結果、カメラは、発光層から更に距離を置いて位置付けられる必要があり、結果的に、相互カメラ登録による雑音の増加及び信号の不必要な損失がもたらされる。
【0029】
画像を捕捉するようにカメラのアレイを用いるカメラに基づくシステムにおいて、個別のカメラにより捕捉される全画像の各々の個別部分が、全画像を形成するように一緒に結合される必要がある。この処理は、全体的にキルト状の毛布を作るのにキルトの複数のピースを一緒にステッチングするのに似た概念によって、“ステッチング”と呼ばれる。従来のカメラに基づくシステムは、隣接するカメラの視野が僅かに重なり合うように、カメラのアレイを配置する。典型的には、その重なり合う領域は、隣接する部分画像がどれ位隣接してステッチングのために位置合わせされる必要があるかを決定するのにデータを登録するために用いられる。フル画像を生成するように隣接するカメラからの部分画像を一緒にステッチするための複数のステッチングアルゴリズムが知られている。本出願者は、下で更に詳しく説明するように、SNRを増加させ、画像品質を改善し、及び/又は画像改善を実行することを含むステッチング以外の複数の目的のために用いられることが可能であるが、それらに限定されないことを、理解している。
【0030】
図5A及び5Bは、視野が1つ又はそれ以上の重なり合う領域を有するように位置付けられた、2つのカメラ及び4つのカメラについての視野のそれぞれを示している。例えば、図4Aは、第1カメラにより検知される画像部分を表す視野510aと、第2カメラにより検知される画像部分を表す視野510bとを示している。そのカメラの位置付けのために、小さい重なり合う領域520が存在し、2つのカメラが実質的に同じ情報を“認識する”(即ち、両方のカメラが画像の同じ部分を検知する)。両方のカメラが重なり合う領域における、かなりよく関連している画像情報を補足するため、この領域は、それら2つの別個の画像がステッチングのために位置合わせされることが可能であるように、データを登録する又は整合させるように用いられることが可能である。図4Bは、4つの隣接するカメラの4つの視野510a、510b、510c及び510dと、任意の2つの隣接するカメラについて対応する重なり合う領域520と、4つのカメラの視野すべてが重なり合っている重なり合う領域530についての重なり合う領域を示している。
【0031】
図5における例示は模式的であり、視野及び重なり合う領域は、視野を重ね合わせる概念を示すように提供するものであることが、理解される必要がある。しかしながら、視野及び重なり合う領域は、カメラに基づく画像センサで使用されるカメラの特徴、位置決め及び/又は種類に依存して、任意の大きさ及び形状(例えば、視野は円形又は多角形であることが可能であり、故に、異なる形状の重なり合う領域を生成することが可能である)。本発明で説明している原理は、任意の形状及び/又は大きさの視野及び重なり合う領域に適合し、それらの特徴はこの点に限定されるものではない。
【0032】
上記のように、本出願者は、SNR、DQEを増加させる及び/又は画像改善を実行するように、この重なり合う領域を更に利用することが可能であることを理解している。図5Aを参照するに、第1カメラ及び第2カメラの両方は、重なり合う領域520において実質的に同じ情報を捕捉している。故に、その重なり合う領域においては約2倍の情報(即ち、約2倍の信号)が存在する。図5Bを参照するに、重なり合う領域520は2倍の信号を有し、重なり合う領域530は実質的に4倍の信号を有する。重なり合う領域における更なる情報が、重なり合う領域において利用可能な付加データを利用する加算、平均化、重み付け平均又は他の任意の適切な演算を含む任意数の方法においてデータを結合させることにより、SNRを増加させるように用いられることが可能である。代替として又は付加的に、任意数の重なり合う領域の線形結合、非線型結合が用いられることが可能であるが、それらの特徴はこの点に限定されるものではない。
【0033】
上記のように、CMOS/平板レンズ技術カメラの使用は、高密度のカメラが所与の領域に配列されることを可能にする。したがって、それらのカメラは互いに近接して位置付けられることが可能である。本出願者は、これがDQEを増加させる(例えば、エネルギー変換構成要素から放出されるより多くの光を収集することにより)ばかりでなく、隣接するカメラの視野が任意の所望の範囲まで重なり合うように、その密度を密にすることが可能であることを理解している。例えば、図5Cにおいては、4つのカメラが、実質的な視野の一部が重なり合う領域530を構成するように、位置付けられている。図5Dにおいては、4つのカメラが、重なり合う領域530が実質的にカメラの視野全体であるように、位置付けられている。例えば、重なり合う領域530は、フル画像の一部又は“タイル”に相当することが可能であり、各々のカメラは、タイルに対応する全部分画像を別個に捕捉することが可能である。本出願者は、そのようなタイルから全体的に画像を生成することにより、画像における各々の画素が、複数のカメラ(例えば、2つ、4つ、6つ、8つのカメラなど)により捕捉される情報から生成されることが可能である。
【0034】
図6は、2つ又はそれ以上の隣接するカメラの重なり合う領域により実質的に生成されるタイルから生成される画像の部分を示している。例えば、タイル630は、4つの隣接するカメラの重なり合う領域から生成される図5Dにおける画像タイル530と同じようである。しかしながら、画像タイルは、より多い又はより少ない隣接するカメラの重なり合う領域により生成されることが可能であるが、それらの特徴はこの点に限定されるものではない。雑音の低減及び信号の増加から得られる画像品質の改善に加えて、下で更に詳細に説明するように、視野を重ね合わせることが、選択された主題を画像において強調すること及び/又は抑制すること、並びに/若しくはデュアルエネルギー撮像を実行することなどの画像の改善を実行するように利用されることが可能である。
【0035】
一部の実施形態においては、カメラは、得られる全体画像(即ち、全体ステッチド(stitched)画像)における各々の画素が少なくとも2つのカメラからのデータから得られるように、全部が近接して備えられる。得られる画像は、(同じ線量について)線量減少と改善された画像品質との間の選択を可能にする改善されたDQEを有する。各々の画素位置は少なくとも2つのカメラによりカバーされるために、得られるデータは、全体画像を表すデータの少なくとも2つのアレイを有する。それらの“複数のレイヤ”が、下で更に詳細に説明されているように、画像品質を改善する、線量を減少させる及び/又は種々の撮像手順を容易化する複数の方法で用いられることが可能である。更なる利点が、3つ以上のカメラが画像における各々の画素位置をカバーするカメラアレイレイアウトを用いて得られ、故に、光収集、画像品質を改善する、DQEを増加させる、及び/又は種々の画像改善技術を可能にする。
【0036】
上記のように、数的に及び近接して、複数のカメラを配列することにより、複数のカメラが画像における各々の画素位置についてデータを得ることが可能である。その結果、カメラは、同じオブジェクトの複数の別個の画像(例えば、患者が受けている医用撮像)を捕捉する。そのような複数の重なり合うカメラを用いてカメラアレイから得られる各々の個別の画像を、本明細書においては、層と称している。例えば、図7A乃至7Cに示す例示としてのグリッド層においては、偶数カメラ及び奇数カメラが複数の画像を得るように使用されることが可能である。図7Aにおいては、カメラの奇数行710(白抜き円で示している)及びカメラの偶数行720(塗りつぶし円で示している)は各々、隣接する列の視野を重ね合わせることにより2層画像を生成するように、それぞれの画像層を捕捉することが可能である。それらの視野が特定の範囲に対して重なり合う場合、各々の層は全体の画像のバージョンを表す(即ち、複数の画像が得られる)ことが理解される必要がある。
【0037】
同様に、図7Bに示すように、カメラの奇数列730(黒色円で示している)及びカメラの偶数列740(白抜き円で示している)は、隣接する列の視野を重ね合わせることにより2層画像を生成するようにそれぞれの層を捕捉することが可能である。図7Cにおいては、奇数列/偶数列及び奇数行/偶数行が複数層画像を捕捉するように用いられている。特に、奇数列及び奇数行カメラ750(白抜き円で示している)は第1層を捕捉し、奇数列及び偶数行カメラ760(対角線方向で斜線付き円で示している)は第2層を捕捉し、偶数列及び奇数行カメラ770(斜交線付き円で示している)は第3層を捕捉し、偶数列及び偶数行カメラ780(黒色円で示している)は第4層を捕捉することが可能である。適切にカメラを位置付けることにより、任意数の層が、カメラの範囲及び視野の物理的制約に対して捕捉されることが可能である。特徴はそれらの総数又は重なり合うカメラのパターンに限定されるものではないため、そのグリッド配列は単に例示であって、任意の他のパターン、例えば、円形パターン又はハニカムパターンを用いることが可能であることが理解される必要がある。
【0038】
上記のように、多層画像における複数の層は各々、撮像されるオブジェクトの完全な画像を有することが可能である。この“冗長”情報が、SNRを増加させるように(例えば、最終画像において、信号量を増加させるように、層を加算することにより)、及びDQEを増加させるように、用いられることが可能である(例えば、増加されるカメラの密度が、カメラの少なくとも1つにより検出されるエネルギー変換構成要素により放出される光の割合を最適化することが可能である)。CMOSカメラを使用する実施形態においては、そのような技術は、より高価なCCDカメラを用いる解決方法に比べて高い品質の画像を生成することを可能にし得るが、改善される画像品質は制限又は必要条件ではない。 上記のように、複数の層が、関心のある特定の主題の強調及び/又は抑制(例えば、身体の硬組織又は軟組織のどちらかの強調/抑制)等の画像強調を実行するように用いられることも可能である。画像強調の技術には、所望の画像の強調において支援する任意の組み合わせで又は単独で使用されることが可能である、空間的技術及び時間的技術の両方がある。本出願者は、選択される組織の強調/抑制を介する画像強調が、下で更に詳細に説明するように、空間的に(例えば、異なる層においてカメラについての異なるゲインを用いて)、時間的に(例えば、捕捉サイクルにおいてゲインを変えて)、又はそれら両方でカメラにおけるゲインを制御することにより、少なくとも一部において、得ることが可能であることを、理解している。
【0039】
X線撮影は、X線放射線に対して被爆されるオブジェクトの種々の領域によりもたらされるX線減衰量を検出することにより典型的には実行される。したがって、身体においては、骨又は軟骨等の硬組織は、臓器等の軟組織に比べてより大きい量までX線を減衰させる。検出器(即ち、カメラ)においては、硬組織は、したがって、検出器に入射するより少ない放射線(カメラからのより小さい大きさの信号をもたらす)に対応し、軟組織は、検出器に入射するより多い放射線(カメラからのより大きい大きさの信号をもたらす)に対応する。このような理解により、本出願者は、カメラにおけるゲインが、所望の密度の主題を選択的に強調/抑制するように制御されることが可能であることを、理解している。特に、ゲインが高ければ高い程、硬組織(例えば、骨、軟骨等)は強調されて、ゲインが低ければ低い程、より硬い組織が抑制され、より柔らかい組織が強調される。
【0040】
CMOSカメラは、各々のカメラにおけるゲインが個別に制御されることが可能である点で、有用な財産である。即ち、各々の個別のカメラにおけるゲインは所望のレベルに設定されることが可能である。本出願者は、多層画像の各々のそれぞれの層におけるカメラのゲインの設定により、強調される又は抑制される、異なる密度の材料の領域を有する複数の層を備えることが可能であることを理解している。複数の層はその場合、関心のある主題をより良好に観測することができるように、特定の材料を強調する及び/又は画像においてかなり顕著に表れるように特定の材料を強調することにより、画像を強調する任意数の方法に組み合わされることが可能である。故に、個別のカメラのゲインが、選択的な画像の強調を実行するように用いられることが可能である。そのような技術は、特定の医用撮像用途又は手順のための関心のある主題を観測するのにより適切である画像を、医師、診断医又は他の医療従事者に提供することが可能である。
【0041】
図7A乃至7Cを参照するに、それぞれの層におけるカメラが、画像強調を実行するように所望のゲインに対して設定されることが可能である。例えば、図6A及び6Bにおいては、異なる密度の材料を有する層を捕捉するように、偶数行/列が比較的小さいゲインに設定されることが可能であり、奇数行/列が比較的大きいゲインに設定されることが可能である。図7Cにおいては、4つの層の各々は、更に高い画像強調能力を有する層を捕捉するように異なるゲインを有するように設定されることが可能である。代替として、画像強調を目的として、図7Cにおける4つの層は、デュアルゲイン情報を有する画像の4つの層を捕捉するように、2つの異なるゲイン(例えば、ディジタルカメラに関連する層が同じゲインを与えられることが可能である)に分類されることが可能である。多層画像において多層について設定されるゲインは、特徴はこの点に限定されるものではないため、任意の所望のカメラの組み合わせ又はパターンを用いて、任意の所望のレベルに設定されることが可能であることが理解される必要がある。
【0042】
上記のように、画像強調は、カメラのゲインを時間的に変化させることにより実行されることも可能である。一般に、カメラに基づく解決方法を用いる直接撮影はしばしば、対応する画素のために検出される光の量に対応する“値”
(即ち、カメラ信号が、対応するカメラに関連する画素値を与えるように所与の間隔で合計される)を得るように、ある時間間隔(例えば、X線被爆の持続時間と実質的に同じである間隔)に亘ってカメラ信号を積分することを有する。しかしながら、CMOSカメラにおいては、信号が積分される間隔は、所望の通りに選択されることが可能である。その結果、被爆の持続時間は、各々のカメラから複数の出力値を与えるように、信号が積分される複数の間隔に分割されることが可能である。各々の間隔又は指定される間隔は異なるゲインに関連することが可能である。故に、各々のカメラは、各々が異なるゲインレベルにおいて設定される単独の被爆についての複数の信号を有することが可能である。その結果、各々のカメラは、単独のX線被爆について異なる複数のゲインでの複数の出力を生成することが可能である。
【0043】
簡単な実施例としては、単独のX線被爆中に、2つの信号が、各々がそのX線被爆の略半分である2つの別個の間隔に亘って積分することにより各々のカメラから取得されることが可能である。第1間隔中、ゲインは比較的低いゲインに設定されることが可能であり、第2間隔中、ゲインは比較的高いゲインに設定されることが可能である(その逆も可能である)。その結果、各々のカメラは画像情報を捕捉し、その画像情報において、異なる密度の主題が強調される又は抑制される。故に、各々のカメラにおける情報が画像の強調を実行するように用いられることが可能である。したがって、ゲイン変化を介する画像強調が、異なるゲインにおいて画像情報を時間的に得ることにより多層撮像の有無に拘わらずに実行されることが可能である。
【0044】
被爆持続時間は、単独の被爆中に各々のカメラから多くの信号を得るように又は殆どで信号を得ないように、任意数の異なる間隔に分割されることが可能であることが、理解される必要がある。それら複数の間隔に関連する複数のゲインは、特定の撮像処理に関連する主題を強調/抑制するように所望の通りに選択されることが可能である。他の技術は、特定の密度に関連する情報を強調又は抑制するように、複数の層の非線形の組み合わせを有する異なるゲインを用いることを含むことが可能である。例えば、それらの技術は、肺の軟組織を強調しつつ、胸部画像において胸部を見えなくする又は取り除く等して、特定の生体構造にフォーカシングすることが可能である(その逆(即ち、胸部を強調し、軟組織を取り除く又は減少させる)も可能である)。上記の空間的な及び時間的なゲイン変化技術は、単独で又は任意の組み合わせで使用されることが可能であるが、それらの特徴はこの点に限定されるものではない。
【0045】
本出願者は、CMOSカメラの時間的特徴が、二重エネルギー撮像又は多重エネルギー撮像を実行するように使用されることが可能であることを理解している。二重エネルギー撮像は、異なるエネルギーのX線放射線が異なる密度の材料によって異なるように吸収される物理現象を用いる。したがって、減衰情報が異なるエネルギーのX線から得られる場合に、その減衰情報は、選択された密度の主題を強調/抑制するように比較されることが可能である。本出願者は、多くのX線源においてX線エネルギーが典型的には電力を増すときに変わることを理解している。即ち、被爆の前に(即ち、X線源が最初に起動されるときに)、X線源エレクトロニクスは、十分な電力に達するある有限な立ち上がり時間を必要とする。立ち上がり期間中、X線におけるエネルギーは、比較的低く、次いで、X線源がスタンバイ状態に達して、X線源に関連する名目上の電圧、電流及び/又は電力レベルにおいて動作するまでの電力増加期間において、増加する。
【0046】
本出願者は、少なくとも1つの期間が一般に、X線源の立ち上がり期間に一致するように、カメラ信号が積分される期間を分割することにより、少なくとも1つのカメラ出力がより低いエネルギーのX線の減衰情報を表すことを理解している。1つ又はそれ以上の続く間隔は一般に、少なくとも1つのカメラ出力がより高いエネルギーのX線の減衰を表すように、X線源の定常期間に対応することが可能である。少なくとも2つの異なるエネルギーレベル又はエネルギー領域から減衰情報を得て、種々の二重エネルギーX線技術が画像強調を実行するように適用されることが可能である。X線源が電力を増加させている期間において任意数の間隔の間にカメラ出力を得るように、立ち上がりにおいて複数の間隔が確立されることが可能であることが、理解される必要がある。そのような間隔における異なるエネルギーが、X線エネルギーの数又はX線エネルギーの範囲から更に多くの減衰情報を得るように、用いられることが可能である。
【0047】
更に、多層撮像は、二重エネルギー(又は、多重エネルギー)撮像を実行するように用いられることも可能である。即ち、多層におけるカメラは、それぞれ異なるエネルギーのX線から減衰情報を収集するように被爆期間中に異なる間隔に関連付けられることが可能である。例えば、時間的に連続して複数のカメラを動作させることにより、カメラの第1セット(例えば、第1層に関連する)が、立ち上がり期間に関連する比較的低いエネルギーの放射線からデータを捕捉する一方、カメラの第2集合(第2層に関連する)が、定常期間に関連する比較的高いエネルギーの放射線からデータを捕捉し、故に、異なる放射線エネルギーにおいて別個の画像を得る。
【0048】
任意数のカメラのセットがそれぞれの異なる放射線エネルギーレベルにおいてデータを捕捉するように用いられることが可能であることが理解される必要があるが、その特徴はこの点に限定されるものではない。結果として得られる画像は、同じ利点及び/又は利益を得るように、他の二重エネルギー(又は多重エネルギー)と同じ方法で処理される及び操作されることが可能である。上記の技術の何れかが単独で又は任意の組み合わせで用いられることが可能であるが、それらの特徴はこの点に又は本明細書に明確に記載されている何れかの組み合わせに限定されるものではない。
【0049】
図8は、一部の実施形態にしたがった直接撮影装置を示している。直接撮影装置800は、X線源から画像情報を捕捉するカメラに基づく画像センサ810を有する。カメラに基づく画像センサ810は、X線源から変換された放射線を検出することにより画像情報を捕捉することができる、本明細書に記載している画像センサの何れかであることが可能であり、X線源から放出されるX線からダウンコンバートされた(例えば、エネルギー変換構成要素を用いて)放射線を捕捉するように備えられた複数のカメラ805(例えば、CMOSカメラのアレイ)を少なくとも有する。複数のカメラ810は、画像データを提供するように接続部820に、検出された放射線を表すそれぞれの出力を提供する。
【0050】
直接撮影装置800はまた、画像センサから信号出力を受け入れるように適合されたコンピュータ850を有することが可能である。コンピュータ850は、メモリ855と、メモリ855にアクセスすることができる1つ又はそれ以上のプロセッサ856とを有することが可能である。コンピュータ850は、画像センサからデータを受け入れ、メモリ855に記憶されている1つ又はそれ以上のアルゴリズムを実行するプロセッサ856を用いて、そのデータに基づいて1つ又はそれ以上の画像を生成する。したがって、コンピュータ850は、本明細書に記載している任意の方法でデータを処理することが可能である(例えば、重複データ又は多層データの処理、空間的に及び/又は時間的に分割されたデータの処理、若しくは、X線放射線に対して被爆されたオブジェクトの1つ又はそれ以上の画像を生成するように本明細書で記載されている任意の他の画像処理方法)。コンピュータ850は、カメラ出力から画像を生成するように、本明細書に特に記載されていない他の操作を実行することが可能である。
【0051】
メモリ855は、データ、命令等を記憶することができる任意の種類の有体媒体、非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体又は記憶装置を有することが可能であり、ROM、RAM、ディスク記憶装置、キャッシュ及び/又は任意の他の記憶媒体を有することが可能であり、それらの実施例は、下で提供され、任意数の方法で実施されることが可能である。メモリ855は、例えば、プロセッサ856により実行された結果として、本明細書で記載している方法又は機能、並びに/若しくは種々の実施形態、それらの変形及び/又は組み合わせの1つ又はそれ以上を実行するようにコンピュータに命令する、1つ又はそれ以上のプログラムとしての命令によりエンコードされることが可能である。メモリ855は、入力部820により受信された又はコンピュータ850に記憶されている画像データを記憶することも可能である。
【0052】
コンピュータ850は、画像センサを動作させることも可能である。例えば、コンピュータ850は、どのカメラが動作するかを制御することが可能であり、アレイにおける各々のカメラについて使用されるゲインを設定/適用することが可能であり、カメラが画像データを収集する1つ又はそれ以上の間隔を確立することが可能であり、又は画像センサ810の動作を制御することが可能である。コンピュータ850は、カメラとインタフェースを取る必要なエレクトロニクス及び捕捉された画像データを処理するアルゴリズムのすべてを有することが可能である。しかしながら、コンピュータ850は、上記の機能のすべてを有する必要はないが、直接撮影装置800の上記の制御及び処理能力の一部又はすべてを有することが可能である。
【0053】
一部の実施形態においては、直接撮影装置800は、直接撮影装置の外部に情報を供給することが可能である並びに/若しくは1つ又はそれ以上の外部の装置から情報を受信することが可能である1つ又はそれ以上の入力/出力(I/O)装置822を有することも可能である。例えば、I/O装置822は、外部のコンピュータ及び/又はディスプレイに直接撮影装置により生成された画像を供給することが可能である出力部を有することが可能である。更に、I/O装置822は、外部のコンピュータに画像センサを制御させるようにする入力部を有することが可能である。例えば、一部の実施形態においては、内部コンピュータ850は実施されないことが可能であり、並びに/若しくは、内部コンピュータ850により実行される上記の機能の一部又はすべては、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、汎用コンピュータ又は任意の他のコンピューティング装置等の1つ又はそれ以上の外部のコンピュータにより実行されることが可能である。
【0054】
そのようなコンピュータ850は直接撮影装置800に統合されることが可能であり、又は、直接撮影装置800に近接して又は離れて、別個のスタンドアロンシステムであることが(若しくはそれらの両方であることが)可能である。例えば、外部であるとき、コンピュータ850は、ネットワークにおいて直接撮影装置800に接続されることが可能であり、及び/又は、複数の直接撮影装置に接続されることが可能である。例えば、I/O装置822は、物理接続により及び/又は無線でローカルコンピュータ又はリモートコンピュータと通信することが可能である。任意のコンピューティング環境が使用されることが可能であるが、本明細書で記載しているそれらの特徴は任意の特定の種類の又は実施形態のコンピュータシステムを用いることに限定されるものではない。
【0055】
一部の医用手順は、関心のある領域を位置付けるX線撮像技術を使用する。特に、関心のある組織又は期間の領域は体内にあり、位置決めの際に見ることができないため、X線撮像が使用される。従来、そのような手順は、“ブッキー(Bucky)”と称される医用装置を使用して実行されている。ブッキーは、1回又はそれ以上のX線被爆を撮影するためにX線フィルムカセットが挿入されるマガジン(magazine)として構成される。ブッキーマガジンは、テーブルトップに対して平行なXY平面における患者テーブルの下で手動で移動されることが可能である。通常、ブッキーマガジンは、遮断システムにより定位置にしっかり固定され、移動される必要があるときには、技術者は、遮断を開放するように特別のハンドルを握り、必要に応じて、それを移動させて、被爆される領域の下にカセットを位置付ける。マガジンの移動は、必要なレール又はチェーンを有するXY座標系を用いて行われる。マガジンの下には、ブッキーマガジンの真下にその放射線入力部側を有するイメージインテンシファイアと称される装置を有する。イメージインテンシファイアは、その後端においてビデオカメラにより小さい蛍光スクリーンの方に加速される電子にX線光子を変換する、その前面に特定の結晶シンチレータを有する大きいイメージ管である。
【0056】
従来の手順においては、患者はテーブル上に載置され、X線システムは低線量モードでアクティブにされる一方、ブッキー機構は、イメージインテンシファイアにより供給される低線量画像の映像の観察に基づいて、位置付けられる。技術者は、関心のある領域又は所望の身体の器官が視野に入って、所望通りに位置付けられるまで、ブッキー機構を操作し続ける。この手順(透視又は透視モード)は、かなり低い放射線の下で実行され、画像品質が重要でない場合にのみ位置付けるために使用される。その手順はかなり低い放射線レベルで実行されるが、技術者は、放射線源のかなり近くに立って、ブッキーを手動で位置付ける及び移動させる必要がある。所望の位置に位置付けられたとき、技術者は、ブッキーにフィルム又はCRカセットを挿入し、制御室に入り、高エネルギー撮影線量を供給する。技術者は次いで、そのカセットを引き出すようにブッキーに戻り、適切なフィルムプロセッサ又はCRリーダにそのカセットを移動させる。この手順は比較的不便であり、技術者は放射線に不必要に被爆され得る。直接撮影技術が使用されるとき、カセットを保持するマガジンはかなり厚い直接撮影検出器を受け入れるように変えられる必要があるため、比較的複雑な機械工学的変化が典型的には存在する必要がある。
【0057】
本出願者は、検出器としてカメラアレイ技術を用いることがより効率的で、効果的で且つ安全な医用手順を容易化し得ることを認識している。一部の実施形態においては、患者の相対的に実質的な部分を画像化するのに十分に大きい、本明細書で記載している検出器のようなカメラに基づく画像センサが提供される。この大きい面積のフラット検出器は、RFシステムのテーブルトップの一部であり、その下側に取り付けられることが可能である。この検出器におけるカメラは、例えば、30フレーム/秒で同期化フレームを生成することが可能であるシネモード手段において機能する能力を有することが可能である。その結果、被爆領域のリアルタイムのビデオシーケンスが生成されることが可能である。しかしながら、ブッキーシステムを手動で操作する必要があることに代えて、複数のカメラの部分集合が特定の領域を画像化するように動作されることが可能である。この部分集合はその場合、身体の所望領域を画像化するカメラの適切な部分集合が位置付けられるまで、変更される(即ち、動作されるカメラの部分集合は、所望通りにカメラを追加する又は取り除くことにより変更される)ことが可能である。図9A乃至9Cに黒色円で示しているように、アクティブなカメラが、所望のカメラの部分集合が位置付けられるまで、選択的に動作されることが可能である。
【0058】
選択された領域(例えば、任意の所与の時間に動作するカメラの部分集合)が、タッチパネル、ジョイスティック又は任意の他の適切なインタフェース装置を用いて、実行されることが可能であることが、理解される必要がある。タイルを付加して置くことにより、したがって、観測する領域を関心のある選択された領域に実際に“移動させる”ことにより、選択された領域は、所望の大きさに拡大又は縮小され、次いでポインティング装置(タッチスクリーン、ジョイスティック又はトラックボール)を用いて全領域に“移動される”ことが可能である。
【0059】
上記のように、選択された領域の移動が、低線量モードで実行されることが可能であり、ビデオフィードを介してモニタすることが可能である。選択された領域は、拡大される、縮小される、及び技術者が放射線源の近くにいる必要がないように遠くに移動されることが可能であることが、理解される必要がある。即ち、技術者は、放射線に対して被爆されることなくコンピュータポインティング装置(タッチスクリーン)を用いて制御室にいながら、全体の手順が遠隔で実行されることが可能である。所望の位置付けが得られるとき、選択されたアクティブな検出器領域は高撮影線量モードに切り換えられ、所望領域の画像が得られる。その結果として得られる画像は、システム又は患者を移動させることなく、必要に応じて、即座の品質制御及び付加的取得を可能にする制御室におけるコンピュータスクリーンに即座に現れることが可能である。
【0060】
発明者は更に、上記のシステムは、動作するべき位置を正確に特定するにあたり、医師を支援するオーバーヘッドビデオカメラが結合されることが可能であることを、理解している。X線画像は従来、手術又は治療中に、医師を導くように用いられてきた。しかしながら、単にX線画像を使用する有用性には制約がある。特に、切開する、内視鏡等の関節強装置を挿入する、又は患者の内部構造のX線画像のみに基づいて体内に入れるための正確な位置を正確に特定することは困難であり得る。この困難性は、太り過ぎの肥満体の患者の場合には悪化される。
【0061】
既知の場所にオーバーヘッドビデオカメラを位置付けることにより、ビデオ画像は、カメラベースのセンサから得られるX線画像に対してマッピングされることが可能である。それら2つの画像は、医師が患者の内部構造を同時に見ることができるように、重ね合わされて、患者の外部映像と位置合わせされることが可能である。その結果、医師はさらにいっそう容易に、挿入点を特定して、手術又は治療中にナビゲートすることが可能である。
【0062】
出願者は、カメラベースの技術が大きい画像化領域を構築するように使用されることが可能であることを理解している。X線は曲げられることがなく、X線レンズは存在しないために、X線フィルム並びに現在のCRカセットおよびDR検出器は一般に、被爆される器官の大きさを有し、使用される、より大きい標準面積は17インチx14インチ(35cmx43cm)である。比較的小さい大きさのそれらの従来の検出器は、より大きい領域(例えば、全身画像)を画像化するのに複数回の被爆に亘って、複数の標準サイズのフィルムのカセットを使用する必要がある。それらの画像はその場合、医師がそれらの複数の画像を1つの大きい画像として見ることができるように、互いに繋ぎ合わされることが可能である。
【0063】
出願者は、カメラベースの検出器で使用される比較的低いコストの要素/カメラが検出器の大きさを実際には無制限にすることを、理解している。したがって、カメラの面積は、一回の被爆で撮像する大きい面積が処理されることが可能である。多くの撮像応用は、標準医用サイズを使用するが、有効面積より大きい面積を必要とする。カメラベースの検出器は、比較的簡単な、効率的な及び安全な大きい面積の撮像を可能にする任意の大きさで構築されることが可能である。大きい面積の撮像のための応用は無制限であり、それらの応用のうちの幾つかの応用については、下で更に詳細に説明する。
【0064】
医用の“長い骨”の撮像は、立った姿勢での脚全体の撮像を有する。この撮像手順は、通常の身体負荷で立ったままの脚が見えるように、整形外科で使用される。従来、この撮像手順は、3つ又はそれ以上の標準サイズのカセットの組み合わせを用いて、実行され、医師は、器官全体(例えば、長い骨全体)を見ることが可能であるように、複数の結果が繋ぎ合わされる。1つのカメラベースの検出器は、1回の被爆によりタスクは実行可能であり、その結果は、同時にスクリーン上で見ることができる。脊髄の撮像が、脊柱側弯の場合におけるように、脊柱の全長画像を撮像するように、整形外科ではしばしば使用される。1つのカメラベースの検出器を使用する場合、従来の撮像におけるように繋ぎ合わせは必要ないために、角度測定が改善される。
【0065】
緊急/軍事“全身”画像は、犠牲者/患者が緊急施設(例えば、現場施設)に運び込まれてきたときの緊急の場合に、必要とされ得る。そのような状況下では、骨折又は銃弾の破片について全身を迅速に診断するためには、全身について撮像する必要があり得る。従来は、この手順は、12乃至14回の標準的な14インチx17インチの被爆を使用して実行されていて、それには過度の時間を要し、緊急の事態及び/又は複数の犠牲者を撮像する必要があるときには、特に重荷になる。本明細書で説明しているカメラベースの検出器は、一回の被爆を使用して、身体のどの部分が撮像されたか及びどの部分が撮像されなかったか、どのカセット及び関連する部分画像がどの犠牲者に属するかを追跡する必要なく、全身の画像を生成するように使用されることが可能である。
【0066】
例えば、馬等の動物の画像は、大きい撮像面積を必要とし得る。例えば、馬の脚を撮像することは馬の獣医には日課である。しかしながら、これは、きつい骨の折れるタスクである。このタスクはしばしば、馬の脚が長く、検出器のサイズが小さいために、現場で実行され、複数回の被爆を必要とする。直接撮影システムは、現場での使用のために設計されたものではなく、それらのシステムのコストは、このタスクのために、非現実的なものになっている。本明細書で記載しているカメラベースの検出器は、一回の被爆で馬の脚の全長を提供することができる。大きい犬又は何れかの他の大きい動物等の大きいペットは、それらは動き、それらの大きさは、全身の被爆を複雑なタスクにする。そのような撮像タスクは、大きい専用のカメラベースの検出器により達成され得る。
【0067】
産業界において及び/又はセキュリティにおいては、大きいオブジェクトの非破壊試験が実行される必要があり得る。大きいオブジェクトが被爆される必要があるときには、かなり大きいカメラベースの検出器が設計され得る。例えば、船のコンテナは、コンテナの大きさのカメラベースの検出器による一回の被爆で被爆され得る。空港では、かなり大きい手荷物が、カメラベースの検出器技術を用いて一回の被爆で被爆され得る。大きい撮像面積を必要とする他の応用は、本明細書で説明しているカメラベースの撮像技術により同様に恩恵を受けることが可能であり、それらの特徴は、任意の特定の応用で使用するように限定されない。
【0068】
本発明の種々の特徴は、単独で、組み合わされて、又は上記の実施形態において具体的に検討されていない種々の構成で、使用されることが可能であり、故に、その応用において、上記の構成要素の詳細及び構成に限定されるものではない。上記の実施形態は、複数の方法の何れかにおいて実施されることが可能である。例えば、上記の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらを組み合わせで、実行されることが可能である。ソフトウェアに実行されるとき、ソフトウェアコードが、単独のコンピュータに備えられているか複数のコンピュータ間に分配されているに拘わらず、任意の適切なプロセッサ又は複数のプロセッサの集合で実行されることが可能である。
【0069】
上記の機能を実行する任意の構成要素又は複数の構成要素の集合が、上記の機能を制御する1つ又はそれ以上の制御器として一般にみなされ得ることが、理解される必要がある。そのような1つ又はそれ以上の制御器は、例えば専用ハードウェアにより、又は上記の機能を実行するマイクロコード又はソフトウェアを用いてプログラムされた汎用ハードウェア(例えば、1つ又はそれ以上のプロセッサ)により、複数の方法で実行されることが可能である。
【0070】
本明細書で概説している種々の方法は、種々のオペレーティングシステム又はプラットフォームのうちの任意の一を採用する1つ又はそれ以上のプロセッサにおいて実行可能であるソフトウェアとして符号化されることが可能であることが、理解される必要がある。更に、そのようなソフトウェアは、複数の適切なプログラミング言語並びに/若しくは従来のプログラミング又はスクリプティングツールの何れかを用いて記述されることが可能である。これに関して、本発明の一実施形態は、1つ又はそれ以上のコンピュータ又は他のプロセッサで実行されるときに、上記の発明の種々の実施形態を実施する方法を実行する、有形の非一時的コンピュータ読み出し可能記憶媒体(又は、複数のそのようなコンピュータ読み出し可能記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つ又はそれ以上のフロッピーディスク(登録商標)、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ等)を対象とすることを理解する必要がある。それに記憶されたプログラムが、上記の本発明の種々の特徴を実施する1つ又はそれ以上の異なるコンピュータ又は他のプロセッサにロードされることが可能であるように、コンピュータ読み出し可能記憶媒体は可搬型であることが可能である。
【0071】
用語“プログラム”は、本明細書では一般に、上記のように本発明の種々の特徴を実施するコンピュータ又は他のプロセッサをプログラムするように採用されることが可能である任意の種類のコンピュータコード又は命令の集合をいうように用いられていることが、理解される必要がある。更に、この実施形態の一特徴にしたがって、実行されるときに、本発明の方法を実行する1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムは、単独のコンピュータ又はプロセッサに存在する必要はないが、本発明の種々の特徴を実行する複数の異なるコンピュータ又はプロセッサにおいてモジュール方式で分配されることが可能である、ことが理解される必要がある。
【0072】
本発明の種々の特徴は、単独で、組み合わされて、又は、上記の実施形態で具体的に
検討されていない種々の構成で、使用されることが可能であり、故に、その応用において、上記の又は図に示している構成要素の詳細及び構成に限定されるものではない。本発明においては、他の実施形態が可能であり、種々の方法で実行されることも可能である。
【0073】
請求項の要素を修飾する、請求項における“第1の”、“第2の”、“第3の”等の序数表現は、何れかの優先順位、優位性、一の請求項の要素の他に対する順序、又は方法のステップが実行される時間的順序自体を暗示するものではないが、請求項の要素を区別するように、特定の名前を有する一の請求項の要素を同じ名前を有する他の要素から区別する単なるラベルとして使用されている。
【0074】
また、本明細書で用いている言い回し及び用語は、表現することを目的とし、限定とみなされるべきものではない。本明細書における表現“有する”及びその派生表現の使用は、列挙されているアイテム及び更なるアイテムを包含するように意図されている。
【技術分野】
【0001】
本発明は、アレイ状に配列された複数のカメラであって、それらの複数のカメラの各々は、それぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数のカメラは、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、複数のカメラの各々の視野が、複数のカメラのうちの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と少なくとも一部で重なるように、配列される、複数のカメラと、エネルギー変換構成要素であって、そのエネルギー変換構成要素の表面に入射する第1の放射線を、複数のカメラにより検出可能である低エネルギーの第2の放射線に変換する、エネルギー変換構成要素と、少なくとも1つの画像を生成するように複数のカメラの各々からの信号を処理する少なくとも1つのコンピュータであって、前記コンピュータは、少なくとも1つの画像を生成するように複数の重なり合う領域において信号を結合する、コンピュータと、を有する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル放射線診断(DR)は、ディジタルX線画像を直接、生成するように、フラットパネル検出器を用いる技術である。ディジタル放射線診断検出器は、画像を生成する画素のマトリックスに分布されて、セグメント化される電荷に高エネルギーX線光子を変換させる媒体を有する標準領域(X線フィルム及びX線フィルムカセットの製造ラインの規模から歴史的に発展した)装置に実質的に基づいている。例えば、各々の画素位置における電荷はディジタル化されることが可能であり、画素のすべてのマトリックスは、変換された電荷のX線画像を生成する。X線画像はその場合、コンピュータスクリーンに伝送されて、表示されることが可能である。
【0003】
そのようなフラットパネル検出器で一般に用いられる2つの主な技術であって、即ち、1)アモルファスシリコン又はアモルファスセレンなどの特定の材料の平坦な表面層によりX線光子が電荷に直接変換される直接ディジタル検出器と、2)高エネルギーX線光子をかなりの数の低エネルギー光子(例えば、可視スペクトルにおける光子)に変換するようにエネルギー変換層が用いられる間接ディジタル検出器と、が存在する。その低エネルギー光子はその場合、大きいマトリックス半導体装置により電荷に変換されることが可能である。上記のように、各々の画素位置における電荷は、ディジタルX線画像における画素の強度を表すディジタル値に変換されることが可能である。しかしながら、そのようなディジタル放射線診断フラットパネル検出器は高価であり、製造が比較的複雑である。
【0004】
価格及び複雑性を低減するように、比較的高価で大きい面積の半導体層は、1つ又はそれ以上の半導体カメラで置き換えられることが可能である。それらのカメラは、電荷結合素子(CCD)のアレイで構成されるカメラなどの、比較的安価で、小さい面積のシリコン画素マトリックスカメラであることが可能である。したがって、エネルギー変換層(例えば、蛍光体スクリーン)からもたらされる低エネルギー光子が大きいレンズを通り、画像が、電荷への変換をもたらし、次いでディジタル画像への変換をもたらすように、小さいシリコンチップ上にフォーカシングされる。
【発明の概要】
【課題を解決しようとする手段】
【0005】
一部の実施形態は、アレイ状に配列された複数のカメラであって、それらの複数のカメラの各々は、それぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数のカメラは、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、複数のカメラの各々の視野が、複数のカメラのうちの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と少なくとも一部で重なるように、配列される、複数のカメラと、エネルギー変換構成要素であって、そのエネルギー変換構成要素の表面に入射する第1の放射線を、複数のカメラにより検出可能である低エネルギーの第2の放射線に変換する、エネルギー変換構成要素と、少なくとも1つの画像を生成するように複数のカメラの各々からの信号を処理する少なくとも1つのコンピュータであって、前記コンピュータは、少なくとも1つの画像を生成するように複数の重なり合う領域において信号を結合する、コンピュータと、を有する装置を、有する。
【0006】
一部の実施形態は、エネルギー変換構成要素の表面に入射する第1の放射線を、低エネルギーの第2の放射線に変換するステップと、アレイ状に配列された複数のカメラでその低エネルギーの放射線の少なくとも一部を受けるステップであって、複数のカメラの各々は、それぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、複数のカメラの各々の視野が複数のカメラの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と重なり合うように、複数のカメラが配列されている、ステップと、少なくとも1つの画像を生成するように、複数のカメラの各々からの信号を処理するステップであって、少なくとも1つのプロセッサが、少なくとも1つの画像を生成するように複数の重なり合う領域において信号を結合する、ステップと、を有する方法を有する。 一部の実施形態は、複数のカメラと、第1エネルギーの第1放射線を第1エネルギーより低い第2エネルギーの第2放射線に変換することが可能であるエネルギー変換構成要素と、複数のカメラのうちの対応するカメラにエネルギー変換構成要素により出射される第2放射線の少なくとも一部を屈折させるように、エネルギー変換構成要素と複数のカメラとの間に位置する少なくとも1つの屈折構成要素と、を有する装置を有する。
【0007】
一部の実施形態は、第1エネルギーの第1放射線を第1エネルギーより低い第2エネルギーの第2放射線に変換するステップと、エネルギー変換構成要素により出射される第2放射線の少なくとも一部を屈折させて、複数のカメラで第2放射線の少なくとも一部を受けるステップと、を有する方法を有する。
一部の実施形態は、高線量撮像のための位置を決定するように、上記の装置の何れかを用いるステップを有する。例えば、装置は、複数のカメラの何れかを選択的にアクティブにする少なくとも1つのリモートコンピュータをさらに有することが可能である。方法は、第1低線量画像を得るようにアクティブにされた複数のカメラの第1集合による低線量X線被爆を実行するステップを有する、1つ又はそれ以上の続く低線量画像を得るようにアクティブにされたカメラの異なる集合による1つ又はそれ以上の低線量被爆を実行するステップであって、カメラの異なる集合は、第1の低線量画像の少なくとも一部若しくは続く低線量画像の1つ又はそれ以上に基づいて選択される、ステップを有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来のカメラに基づくX線撮像装置を示す図である。
【図2】一部の実施形態にしたがったカメラに基づくX線撮像装置を示す図である。
【図3A】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図3B】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図3C】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図3D】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図3E】一部の実施形態にしたがった、変換されていないX線放射線を遮断する遮断構成要素を用いることを示す図である。
【図4】一部の実施形態にしたがった、X線エネルギーがカメラに入らないようにするミラーを用いることを示す図である。
【図5A】一部の実施形態にしたがった、重なり合う領域に関する概念を示す図である。
【図5B】一部の実施形態にしたがった、重なり合う領域に関する概念を示す図である。
【図5C】一部の実施形態にしたがった、重なり合う領域に関する概念を示す図である。
【図5D】一部の実施形態にしたがった、重なり合う領域に関する概念を示す図である。
【図6】一部の実施形態にしたがった、複数の画像層により画像を生成するタイルを示す図である。
【図7】一部の実施形態にしたがった、複数層画像を得ることに関する概念を示す図である。
【図8】一部の実施形態にしたがった、X線画像を得る装置を示す図である。
【図9】一部の実施形態にしたがった、比較的高い線量撮像を実行するように選択されたカメラを遠隔的にアクティブにする方法及び装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
上記のように、カメラのアレイは、X線撮像のための検出器として用いられることが可能である。種々の技術が単独で又は組み合わされて、改善された画像品質、より高効率の画像取得、よりフレキシブルな撮像装置及び/又はより低コストで提供されるカメラに基づく撮像の解決方法をもたらすことを、本出願者は理解することができた。例えば、下で更に詳細に説明するように、1つ又はそれ以上の光学技術は、検出される量子効率(DQE)を増加させる、信号対雑音比(SNR)を向上させるエネルギー変換層から放出される光をより多く収集するように用いられることを可能にする、若しくは/並びに複数のカメラ間でのクロストークを低減するように光をフォーカシングする又は再方向付けすることが可能である。1つ又はそれ以上のカメラ技術が、コストを低減する、SNR、DQEを向上させる、並びに/若しくは得られる画像の品質及び完全性を改善するように用いられることが可能である。本明細書で説明しているカメラアレイ技術は、診断及び治療を改善することが可能であり、医療処置を容易化するように用いられることが可能である。アレイで実施される複数のカメラの数及び配置は、高いSNRのデータを得るように、及び/又は画像データにおいて所望の主題の強調及び/又は抑制を可能にするように、用いられることが可能である。
【0010】
下では、本発明にしたがった方法及び装置に関連する種々の概念及び実施形態について、詳細に説明している。本明細書で説明している種々の特徴は複数の方法の何れかで実施することが可能であることが、理解される必要がある。特定の実施形態の実施例が、単に例示目的のために本明細書で提供されている。更に、下の実施形態において記載している種々の特徴は、単独で又は任意の組み合わせで用いられることが可能であり、本明細書で明確に記載している組み合わせに限定されるものではない。
【0011】
上記のように、比較的高いコストの半導体層を置き換えるカメラを用いるフラットパネル検出器は、ディジタル放射線診断(DR)撮像装置のコストを低減することが可能である。しかしながら、カメラに基づく方法を用いる従来のデザインは、低い画像品質をもたらすものである。従来の解決方法における画像品質は、少なくとも一部において、光収集が比較的不十分であるために、撮像装置について低いDQEがもたらされるものである。不十分な光収集のあるものは、エネルギー変換構成要素とエネルギー変換構成要素から放出される光を収集するカメラとの間の距離によるものである。この距離は、カメラアレイのセンサとして用いられるカメラの焦点距離により影響され得る。
【0012】
その結果、エネルギー変換構成要素により放出される光の一部のみが、レンズに到達し、画像の対応する部分を生成するのに有効である。更に、エネルギー変換構成要素から放出される低エネルギー光子は、すべての方向に発せられるために、エネルギー変換構成要素とレンズとの間の距離の結果として失われる光子であるばかりでなく、発せられる光子のある一部は隣接するカメラ又はリモートカメラにおいて実際に有効であり、画像におけるアーティファクトとして現れるクロストークをもたらす。
【0013】
図1は、従来のカメラの実施形態の短所の一部を模式的に示している。画像センサ100は、エネルギー変換構成要素110と、CCDカメラのアレイなどのカメラのアレイ120とを有する。X線放射線などの高エネルギー放射線105(例えば、撮像されるオブジェクトを通るX線放射線)がエネルギー変換構成要素110に入射する。エネルギー変換構成要素110は、エネルギー変換構成要素110の材料と高エネルギー放射線105との間の相互作用のために、高エネルギー放射線を低エネルギー放射線115(例えば、可視光スペクトルにおける光子)に変換する。エネルギー変換構成要素は、放射線の適切な変換が可能である任意の材料、例えば、X線放射線の吸収に応答して低エネルギー放射線を発する蛍光体層又は他の材料から成ることが可能である。
【0014】
上記のように、低エネルギー放射線は、エネルギー変換構成要素からすべての方向に発せられる。エネルギー変換構成要素110とカメラ(例えば、レンズの焦点距離により影響される)との間の距離と結合されて、このような全方向放出の結果として、放射線の実質的な量が不正確なカメラにより検出される。結果的に得られる画像は、比較的低い品質であり得、低いSNR、DQEを有し、及び/又は、図1に模式的に示している比較的に実質的なクロストークアーティファクトを有し得る。
【0015】
本出願者は、エネルギー変換構成要素(例えば、高エネルギーX線を可視スペクトルにおける低エネルギー光子に変換する蛍光体層又はスクリーン)とカメラとの間の光転送を改善することにより、画像品質が改善されることが可能であることを理解している。図2は、一部の実施形態にしたがった画像センサを示している。画像センサ200は、改善された光転送を容易にするように単独で又は任意の組み合わせで用いられることが可能である複数の改善を有する。1つの改善は、少なくとも一部において、低エネルギー放射線(の全方向(又は、少なくとも2π)放出(“フレア”と称せられる現象)に対処する屈折層230の追加を有する。屈折構成要素230は、エネルギー変換構成要素210とカメラ220との間に位置する高屈折層又は高分散層(例えば、高屈折コーティングガラス)であることが可能である。
【0016】
平角光子が隣接カメラ又はリモートカメラにおいて有効でないように臨界角(即ち、エネルギー変換構成要素に対して垂直な表面から十分に遠い角度)より大きい角度の光子を抑制するように、及び、対応するカメラ及び適切なカメラのレンズに入射する光量を増加させるように“内側における”臨界角(即ち、エネルギー変換構成要素に対して垂直な表面に十分に近い角度)より小さい角度で放出される光子を曲げるように、屈折構成要素は動作する。
【0017】
屈折構成要素230は、ガラス層、コーティングガラス層、多層のガラス及び/又は他の材料層、個別の屈折レンズ、若しくは正確なカメラのレンズの方への放出された光の方向付けを容易にする任意の他の適切な構成又は屈折材料より成ることが可能である。屈折構成要素230は、適切なカメラに到達する光の量を増加させて、クロストーク(雑音)を減少させることにより、SNRを改善するように、含まれることが可能である。更に、エネルギー変換構成要素210から放出される放射線がより多く到達し、カメラ220により収集されるために、画像センサのDQEも増加する。
【0018】
上記のように、従来の画像センサにおけるカメラとエネルギー変換構成要素との間の距離は、重要な信号が検出されなくなる、又は不正確なカメラにより検出されるようになる。従来のデザインにおけるその距離は、少なくとも一部においては、用いられる特定のカメラにより影響される。従来の画像センサにおいては、CCDに基づくカメラは、それらのカメラの焦点距離を調整するように、比較的大きい距離を必要とし、故に、一部はカメラ自体の物理的制約により、低い画像品質を一般にもたらす。
【0019】
本出願者は、CMOS(相補型シリコンオキサイド半導体)カメラ(例えば、携帯電話でしばしば使用される平板レンズCMOSカメラ)の利点が、画像品質を低下させることなく、一部の場合には画像品質を改善して、あまり高価でない画像センサの提供を容易にするように用いられることが可能であることを理解している。従来、CMOSカメラは、ディジタル放射線診断(DR)の目的で不十分な品質の画像を生成するものと理解され、故に、CCDカメラが、唯一の使用可能なセンサの解決方法として選択されている。しかしながら、本出願者は、CMOSカメラの利点の少なくとも一部は、ディジタル放射線診断についての従来の画像センサの一部の未解決な問題を解決するためばかりでなく、CCDカメラアレイを用いて得られる画像と同じ又はその画像より良好な画像を提供するように、有効利用されることが可能であることを、理解している。
【0020】
CMOSカメラの1つの利点は、焦点距離の減少である。本出願者は、図2に示すように、この焦点距離の減少が、CMOSカメラ及びエネルギー変換構成要素の位置が互いにより近くなるように採用されることが可能である。その結果、エネルギー変換構成要素から放出される光は、隣接するカメラ又は近接のカメラによりすべてが失われる又は検出されることに代えて、より多くが適切なカメラに入射する。したがって、より多くのCMOSカメラが、DR画像センサのコストを増加させることなく、センサアレイに含まれることが可能である。図2に模式的に示しているように、付加的なCMOSカメラが、より多くの放出された光がアレイ状の複数のカメラにおける1つのカメラにより検出されるように、アレイに付加されることが可能である。
【0021】
CMOSカメラの更なる利点は、それらのカメラのサイズが比較的小さいことである。その結果、より多くのカメラが、CCDカメラの解決方法の場合に比べて、所与の領域に位置付けられることが可能であり、画像センサは、より密にカメラがポピュレートされることが可能であり、故に、エネルギー変換構成要素210から放出される光をより適切に検出することができる。更に、より小さいサイズ(且つより低いコスト)であることにより、複数のカメラが任意の所与の画素について少なくとも一部の光を検出するように、複数のカメラが位置付けられることが可能である。このような重なり合いは、多くの重要な利点を有し、それらについては、下で更に詳細に説明する。任意のCMOSカメラが、複数のCMOSカメラを採用する実施形態で用いられることが可能であるが、それらの特徴は、この点に限定されるものではないことが、理解される必要がある。
【0022】
したがって、上記のように、本出願者は、CMOS及び/又は平板レンズ技術(例えば、携帯電話で用いられるものと同様のカメラ技術)を用いることにより、カメラが光放出面に近接して位置付けられることが可能であり、故に、光の収集を増加させて、画像品質を改善することが可能である。更に、それらの技術によると比較的コストパフォーマンスが高いために、より多くのカメラを使用することが可能であり、故に、カメラレンズと光放出層との間の距離を更に減少させることが可能である。CMOS/平板レンズカメラを使用することにより、エネルギー変換構成要素により近接するように複数のカメラを提供することが可能である。CMOS/平板レンズ技術は、SNR、DQEを向上させ、クロストークを低減し、及び/又は画像品質を改善するように、上記の光学技術と組み合わせて又は単独で使用されることが可能である。
【0023】
画像センサにおけるカメラの画像品質及び/又は動作に影響し得る従来の画像センサが有する更なる問題点は、エネルギー変換構成要素を通る変換されていない高エネルギー放射線である。特に、エネルギー変換構成要素に入射する高エネルギー放射線の一部は、低エネルギー放射線に変換されることなく、透過し得る。その結果、この変換されていない高エネルギー放射線はカメラに入射して、電子構成要素に損傷を与え、カメラにおいて若しくはカメラ及び電子構成要素の両方において誤った雑音をもたらし得る。本出願者は、この高エネルギー放射線の少なくとも一部をブロックする材料のブロッキング構成要素を備えることにより、変換されない高エネルギー放射線の一部又はすべてが画像センサのカメラ及び/又は関連電子構成要素に到達しないようにすることが可能であることを、理解している。
【0024】
図3A乃至3Eは、可能性の高い悪い及び/又は有害な高エネルギー放射線が撮像装置のエレクトロニクスに到達しないように、それを低減するのに適切なブロック構成要素を示している。図3A及び3Bは、変換されない高エネルギー放射線の少なくとも一部をブロックするように、屈折構成要素330の前及び後のそれぞれに別個のブロッキング構成要素340が備えられている2つの実施形態を示している。ブロッキング構成要素340は、X線などの比較的高いエネルギーの放射線を吸収することが可能である鉛入りガラス又は他の材料から成ることが可能である。
【0025】
図3C乃至3Eは、ブロッキング構成要素340’が、放射線構成要素330、上部面、下部面、並びにそれら上部面及び下部面の両方におけるコーティングとして備えられている実施形態を示している。そのコーティングは、変換されていない高エネルギー放射線の少なくとも一部を吸収することが可能である鉛入り材料又は他の材料のコーティングから成ることが可能である。上記のブロッキング構成要素の代替として又はそれに付加して、ブロッキング構成要素(例えば、ブロック層又はブロッキングコーティング)は、高エネルギー放射線がカメラの光感応性領域及び/又はエレクトロニクスに達しないように、カメラのレンズに付加されることが可能である。ブロッキング構成要素は、エネルギー変換構成要素から放出される低エネルギー放射線に対して完全に又は部分的に透過性である材料から成ることが可能である。
【0026】
一部の実施形態にしたがって、高エネルギー放射線がカメラ及び/又はカメラのエレクトロニクスに入射しないように、ミラーが使用されることが可能である。例えば、図4においては、カメラ420は、レンズの面垂線が屈折構成要素410の面垂線に対して実質的に垂直方向に方向付けられるように備えられる。低エネルギー放射線415を反射し、高エネルギー放射線405を透過させる材料から成るミラーは、低エネルギー放射線がカメラレンズの方に反射される一方、高エネルギー放射線がミラーを透過して、カメラに入射せず、カメラの感応性領域及び/又はエレクトロニクスに入射するように、位置付けられている。図4に模式的に示している実施形態は、変換されていない高エネルギー放射線がカメラに入射しないように及び/又はセンサエレクトロニクスを損傷しないように、単独で又は本明細書で記載している他の技術と任意に組み合わされて、使用されることが可能である。
【0027】
上記のように、高エネルギーのX線光子を低エネルギーの光子に変換するエネルギー変換構成要素(例えば、蛍光体スクリーン又は光子変換器)から出る光のフレア及びグレアを回避するように、蛍光体スクリーン上の各々の点からの光子は2π方向に放出され、フレアと呼ばれる雑音をもたらす。更に、レンズにより反射される光は、グレアと呼ばれる光学雑音の他の成分をもたらす蛍光体スクリーンの白色反射面から跳ね返ることにより、反射して戻される。
【0028】
従来のカメラに基づく解決方法においては、複数のカメラが、それらが組み合わされる視野角が各々の隣接するカメラ間の一部の重なり合いにより光放出面の全画像領域をカバーするように(ステッチングアルゴリズムが1つの連続的な大きいディジタル画像を生成するように複数の画像すべてを一緒にステッチすることを可能にするように)、分配されて配列される。従来のカメラに基づく解決方法におけるコストの考慮は、使用されるカメラの数を制限する。更に、従来のCCDカメラの大きさ及びCCD要素から電荷を輸送するための関連エレクトロニクスには、隣接するカメラを一緒にどれ位近接して位置付けることが可能であるかということで、物理的に制約がある。その結果、カメラは、発光層から更に距離を置いて位置付けられる必要があり、結果的に、相互カメラ登録による雑音の増加及び信号の不必要な損失がもたらされる。
【0029】
画像を捕捉するようにカメラのアレイを用いるカメラに基づくシステムにおいて、個別のカメラにより捕捉される全画像の各々の個別部分が、全画像を形成するように一緒に結合される必要がある。この処理は、全体的にキルト状の毛布を作るのにキルトの複数のピースを一緒にステッチングするのに似た概念によって、“ステッチング”と呼ばれる。従来のカメラに基づくシステムは、隣接するカメラの視野が僅かに重なり合うように、カメラのアレイを配置する。典型的には、その重なり合う領域は、隣接する部分画像がどれ位隣接してステッチングのために位置合わせされる必要があるかを決定するのにデータを登録するために用いられる。フル画像を生成するように隣接するカメラからの部分画像を一緒にステッチするための複数のステッチングアルゴリズムが知られている。本出願者は、下で更に詳しく説明するように、SNRを増加させ、画像品質を改善し、及び/又は画像改善を実行することを含むステッチング以外の複数の目的のために用いられることが可能であるが、それらに限定されないことを、理解している。
【0030】
図5A及び5Bは、視野が1つ又はそれ以上の重なり合う領域を有するように位置付けられた、2つのカメラ及び4つのカメラについての視野のそれぞれを示している。例えば、図4Aは、第1カメラにより検知される画像部分を表す視野510aと、第2カメラにより検知される画像部分を表す視野510bとを示している。そのカメラの位置付けのために、小さい重なり合う領域520が存在し、2つのカメラが実質的に同じ情報を“認識する”(即ち、両方のカメラが画像の同じ部分を検知する)。両方のカメラが重なり合う領域における、かなりよく関連している画像情報を補足するため、この領域は、それら2つの別個の画像がステッチングのために位置合わせされることが可能であるように、データを登録する又は整合させるように用いられることが可能である。図4Bは、4つの隣接するカメラの4つの視野510a、510b、510c及び510dと、任意の2つの隣接するカメラについて対応する重なり合う領域520と、4つのカメラの視野すべてが重なり合っている重なり合う領域530についての重なり合う領域を示している。
【0031】
図5における例示は模式的であり、視野及び重なり合う領域は、視野を重ね合わせる概念を示すように提供するものであることが、理解される必要がある。しかしながら、視野及び重なり合う領域は、カメラに基づく画像センサで使用されるカメラの特徴、位置決め及び/又は種類に依存して、任意の大きさ及び形状(例えば、視野は円形又は多角形であることが可能であり、故に、異なる形状の重なり合う領域を生成することが可能である)。本発明で説明している原理は、任意の形状及び/又は大きさの視野及び重なり合う領域に適合し、それらの特徴はこの点に限定されるものではない。
【0032】
上記のように、本出願者は、SNR、DQEを増加させる及び/又は画像改善を実行するように、この重なり合う領域を更に利用することが可能であることを理解している。図5Aを参照するに、第1カメラ及び第2カメラの両方は、重なり合う領域520において実質的に同じ情報を捕捉している。故に、その重なり合う領域においては約2倍の情報(即ち、約2倍の信号)が存在する。図5Bを参照するに、重なり合う領域520は2倍の信号を有し、重なり合う領域530は実質的に4倍の信号を有する。重なり合う領域における更なる情報が、重なり合う領域において利用可能な付加データを利用する加算、平均化、重み付け平均又は他の任意の適切な演算を含む任意数の方法においてデータを結合させることにより、SNRを増加させるように用いられることが可能である。代替として又は付加的に、任意数の重なり合う領域の線形結合、非線型結合が用いられることが可能であるが、それらの特徴はこの点に限定されるものではない。
【0033】
上記のように、CMOS/平板レンズ技術カメラの使用は、高密度のカメラが所与の領域に配列されることを可能にする。したがって、それらのカメラは互いに近接して位置付けられることが可能である。本出願者は、これがDQEを増加させる(例えば、エネルギー変換構成要素から放出されるより多くの光を収集することにより)ばかりでなく、隣接するカメラの視野が任意の所望の範囲まで重なり合うように、その密度を密にすることが可能であることを理解している。例えば、図5Cにおいては、4つのカメラが、実質的な視野の一部が重なり合う領域530を構成するように、位置付けられている。図5Dにおいては、4つのカメラが、重なり合う領域530が実質的にカメラの視野全体であるように、位置付けられている。例えば、重なり合う領域530は、フル画像の一部又は“タイル”に相当することが可能であり、各々のカメラは、タイルに対応する全部分画像を別個に捕捉することが可能である。本出願者は、そのようなタイルから全体的に画像を生成することにより、画像における各々の画素が、複数のカメラ(例えば、2つ、4つ、6つ、8つのカメラなど)により捕捉される情報から生成されることが可能である。
【0034】
図6は、2つ又はそれ以上の隣接するカメラの重なり合う領域により実質的に生成されるタイルから生成される画像の部分を示している。例えば、タイル630は、4つの隣接するカメラの重なり合う領域から生成される図5Dにおける画像タイル530と同じようである。しかしながら、画像タイルは、より多い又はより少ない隣接するカメラの重なり合う領域により生成されることが可能であるが、それらの特徴はこの点に限定されるものではない。雑音の低減及び信号の増加から得られる画像品質の改善に加えて、下で更に詳細に説明するように、視野を重ね合わせることが、選択された主題を画像において強調すること及び/又は抑制すること、並びに/若しくはデュアルエネルギー撮像を実行することなどの画像の改善を実行するように利用されることが可能である。
【0035】
一部の実施形態においては、カメラは、得られる全体画像(即ち、全体ステッチド(stitched)画像)における各々の画素が少なくとも2つのカメラからのデータから得られるように、全部が近接して備えられる。得られる画像は、(同じ線量について)線量減少と改善された画像品質との間の選択を可能にする改善されたDQEを有する。各々の画素位置は少なくとも2つのカメラによりカバーされるために、得られるデータは、全体画像を表すデータの少なくとも2つのアレイを有する。それらの“複数のレイヤ”が、下で更に詳細に説明されているように、画像品質を改善する、線量を減少させる及び/又は種々の撮像手順を容易化する複数の方法で用いられることが可能である。更なる利点が、3つ以上のカメラが画像における各々の画素位置をカバーするカメラアレイレイアウトを用いて得られ、故に、光収集、画像品質を改善する、DQEを増加させる、及び/又は種々の画像改善技術を可能にする。
【0036】
上記のように、数的に及び近接して、複数のカメラを配列することにより、複数のカメラが画像における各々の画素位置についてデータを得ることが可能である。その結果、カメラは、同じオブジェクトの複数の別個の画像(例えば、患者が受けている医用撮像)を捕捉する。そのような複数の重なり合うカメラを用いてカメラアレイから得られる各々の個別の画像を、本明細書においては、層と称している。例えば、図7A乃至7Cに示す例示としてのグリッド層においては、偶数カメラ及び奇数カメラが複数の画像を得るように使用されることが可能である。図7Aにおいては、カメラの奇数行710(白抜き円で示している)及びカメラの偶数行720(塗りつぶし円で示している)は各々、隣接する列の視野を重ね合わせることにより2層画像を生成するように、それぞれの画像層を捕捉することが可能である。それらの視野が特定の範囲に対して重なり合う場合、各々の層は全体の画像のバージョンを表す(即ち、複数の画像が得られる)ことが理解される必要がある。
【0037】
同様に、図7Bに示すように、カメラの奇数列730(黒色円で示している)及びカメラの偶数列740(白抜き円で示している)は、隣接する列の視野を重ね合わせることにより2層画像を生成するようにそれぞれの層を捕捉することが可能である。図7Cにおいては、奇数列/偶数列及び奇数行/偶数行が複数層画像を捕捉するように用いられている。特に、奇数列及び奇数行カメラ750(白抜き円で示している)は第1層を捕捉し、奇数列及び偶数行カメラ760(対角線方向で斜線付き円で示している)は第2層を捕捉し、偶数列及び奇数行カメラ770(斜交線付き円で示している)は第3層を捕捉し、偶数列及び偶数行カメラ780(黒色円で示している)は第4層を捕捉することが可能である。適切にカメラを位置付けることにより、任意数の層が、カメラの範囲及び視野の物理的制約に対して捕捉されることが可能である。特徴はそれらの総数又は重なり合うカメラのパターンに限定されるものではないため、そのグリッド配列は単に例示であって、任意の他のパターン、例えば、円形パターン又はハニカムパターンを用いることが可能であることが理解される必要がある。
【0038】
上記のように、多層画像における複数の層は各々、撮像されるオブジェクトの完全な画像を有することが可能である。この“冗長”情報が、SNRを増加させるように(例えば、最終画像において、信号量を増加させるように、層を加算することにより)、及びDQEを増加させるように、用いられることが可能である(例えば、増加されるカメラの密度が、カメラの少なくとも1つにより検出されるエネルギー変換構成要素により放出される光の割合を最適化することが可能である)。CMOSカメラを使用する実施形態においては、そのような技術は、より高価なCCDカメラを用いる解決方法に比べて高い品質の画像を生成することを可能にし得るが、改善される画像品質は制限又は必要条件ではない。 上記のように、複数の層が、関心のある特定の主題の強調及び/又は抑制(例えば、身体の硬組織又は軟組織のどちらかの強調/抑制)等の画像強調を実行するように用いられることも可能である。画像強調の技術には、所望の画像の強調において支援する任意の組み合わせで又は単独で使用されることが可能である、空間的技術及び時間的技術の両方がある。本出願者は、選択される組織の強調/抑制を介する画像強調が、下で更に詳細に説明するように、空間的に(例えば、異なる層においてカメラについての異なるゲインを用いて)、時間的に(例えば、捕捉サイクルにおいてゲインを変えて)、又はそれら両方でカメラにおけるゲインを制御することにより、少なくとも一部において、得ることが可能であることを、理解している。
【0039】
X線撮影は、X線放射線に対して被爆されるオブジェクトの種々の領域によりもたらされるX線減衰量を検出することにより典型的には実行される。したがって、身体においては、骨又は軟骨等の硬組織は、臓器等の軟組織に比べてより大きい量までX線を減衰させる。検出器(即ち、カメラ)においては、硬組織は、したがって、検出器に入射するより少ない放射線(カメラからのより小さい大きさの信号をもたらす)に対応し、軟組織は、検出器に入射するより多い放射線(カメラからのより大きい大きさの信号をもたらす)に対応する。このような理解により、本出願者は、カメラにおけるゲインが、所望の密度の主題を選択的に強調/抑制するように制御されることが可能であることを、理解している。特に、ゲインが高ければ高い程、硬組織(例えば、骨、軟骨等)は強調されて、ゲインが低ければ低い程、より硬い組織が抑制され、より柔らかい組織が強調される。
【0040】
CMOSカメラは、各々のカメラにおけるゲインが個別に制御されることが可能である点で、有用な財産である。即ち、各々の個別のカメラにおけるゲインは所望のレベルに設定されることが可能である。本出願者は、多層画像の各々のそれぞれの層におけるカメラのゲインの設定により、強調される又は抑制される、異なる密度の材料の領域を有する複数の層を備えることが可能であることを理解している。複数の層はその場合、関心のある主題をより良好に観測することができるように、特定の材料を強調する及び/又は画像においてかなり顕著に表れるように特定の材料を強調することにより、画像を強調する任意数の方法に組み合わされることが可能である。故に、個別のカメラのゲインが、選択的な画像の強調を実行するように用いられることが可能である。そのような技術は、特定の医用撮像用途又は手順のための関心のある主題を観測するのにより適切である画像を、医師、診断医又は他の医療従事者に提供することが可能である。
【0041】
図7A乃至7Cを参照するに、それぞれの層におけるカメラが、画像強調を実行するように所望のゲインに対して設定されることが可能である。例えば、図6A及び6Bにおいては、異なる密度の材料を有する層を捕捉するように、偶数行/列が比較的小さいゲインに設定されることが可能であり、奇数行/列が比較的大きいゲインに設定されることが可能である。図7Cにおいては、4つの層の各々は、更に高い画像強調能力を有する層を捕捉するように異なるゲインを有するように設定されることが可能である。代替として、画像強調を目的として、図7Cにおける4つの層は、デュアルゲイン情報を有する画像の4つの層を捕捉するように、2つの異なるゲイン(例えば、ディジタルカメラに関連する層が同じゲインを与えられることが可能である)に分類されることが可能である。多層画像において多層について設定されるゲインは、特徴はこの点に限定されるものではないため、任意の所望のカメラの組み合わせ又はパターンを用いて、任意の所望のレベルに設定されることが可能であることが理解される必要がある。
【0042】
上記のように、画像強調は、カメラのゲインを時間的に変化させることにより実行されることも可能である。一般に、カメラに基づく解決方法を用いる直接撮影はしばしば、対応する画素のために検出される光の量に対応する“値”
(即ち、カメラ信号が、対応するカメラに関連する画素値を与えるように所与の間隔で合計される)を得るように、ある時間間隔(例えば、X線被爆の持続時間と実質的に同じである間隔)に亘ってカメラ信号を積分することを有する。しかしながら、CMOSカメラにおいては、信号が積分される間隔は、所望の通りに選択されることが可能である。その結果、被爆の持続時間は、各々のカメラから複数の出力値を与えるように、信号が積分される複数の間隔に分割されることが可能である。各々の間隔又は指定される間隔は異なるゲインに関連することが可能である。故に、各々のカメラは、各々が異なるゲインレベルにおいて設定される単独の被爆についての複数の信号を有することが可能である。その結果、各々のカメラは、単独のX線被爆について異なる複数のゲインでの複数の出力を生成することが可能である。
【0043】
簡単な実施例としては、単独のX線被爆中に、2つの信号が、各々がそのX線被爆の略半分である2つの別個の間隔に亘って積分することにより各々のカメラから取得されることが可能である。第1間隔中、ゲインは比較的低いゲインに設定されることが可能であり、第2間隔中、ゲインは比較的高いゲインに設定されることが可能である(その逆も可能である)。その結果、各々のカメラは画像情報を捕捉し、その画像情報において、異なる密度の主題が強調される又は抑制される。故に、各々のカメラにおける情報が画像の強調を実行するように用いられることが可能である。したがって、ゲイン変化を介する画像強調が、異なるゲインにおいて画像情報を時間的に得ることにより多層撮像の有無に拘わらずに実行されることが可能である。
【0044】
被爆持続時間は、単独の被爆中に各々のカメラから多くの信号を得るように又は殆どで信号を得ないように、任意数の異なる間隔に分割されることが可能であることが、理解される必要がある。それら複数の間隔に関連する複数のゲインは、特定の撮像処理に関連する主題を強調/抑制するように所望の通りに選択されることが可能である。他の技術は、特定の密度に関連する情報を強調又は抑制するように、複数の層の非線形の組み合わせを有する異なるゲインを用いることを含むことが可能である。例えば、それらの技術は、肺の軟組織を強調しつつ、胸部画像において胸部を見えなくする又は取り除く等して、特定の生体構造にフォーカシングすることが可能である(その逆(即ち、胸部を強調し、軟組織を取り除く又は減少させる)も可能である)。上記の空間的な及び時間的なゲイン変化技術は、単独で又は任意の組み合わせで使用されることが可能であるが、それらの特徴はこの点に限定されるものではない。
【0045】
本出願者は、CMOSカメラの時間的特徴が、二重エネルギー撮像又は多重エネルギー撮像を実行するように使用されることが可能であることを理解している。二重エネルギー撮像は、異なるエネルギーのX線放射線が異なる密度の材料によって異なるように吸収される物理現象を用いる。したがって、減衰情報が異なるエネルギーのX線から得られる場合に、その減衰情報は、選択された密度の主題を強調/抑制するように比較されることが可能である。本出願者は、多くのX線源においてX線エネルギーが典型的には電力を増すときに変わることを理解している。即ち、被爆の前に(即ち、X線源が最初に起動されるときに)、X線源エレクトロニクスは、十分な電力に達するある有限な立ち上がり時間を必要とする。立ち上がり期間中、X線におけるエネルギーは、比較的低く、次いで、X線源がスタンバイ状態に達して、X線源に関連する名目上の電圧、電流及び/又は電力レベルにおいて動作するまでの電力増加期間において、増加する。
【0046】
本出願者は、少なくとも1つの期間が一般に、X線源の立ち上がり期間に一致するように、カメラ信号が積分される期間を分割することにより、少なくとも1つのカメラ出力がより低いエネルギーのX線の減衰情報を表すことを理解している。1つ又はそれ以上の続く間隔は一般に、少なくとも1つのカメラ出力がより高いエネルギーのX線の減衰を表すように、X線源の定常期間に対応することが可能である。少なくとも2つの異なるエネルギーレベル又はエネルギー領域から減衰情報を得て、種々の二重エネルギーX線技術が画像強調を実行するように適用されることが可能である。X線源が電力を増加させている期間において任意数の間隔の間にカメラ出力を得るように、立ち上がりにおいて複数の間隔が確立されることが可能であることが、理解される必要がある。そのような間隔における異なるエネルギーが、X線エネルギーの数又はX線エネルギーの範囲から更に多くの減衰情報を得るように、用いられることが可能である。
【0047】
更に、多層撮像は、二重エネルギー(又は、多重エネルギー)撮像を実行するように用いられることも可能である。即ち、多層におけるカメラは、それぞれ異なるエネルギーのX線から減衰情報を収集するように被爆期間中に異なる間隔に関連付けられることが可能である。例えば、時間的に連続して複数のカメラを動作させることにより、カメラの第1セット(例えば、第1層に関連する)が、立ち上がり期間に関連する比較的低いエネルギーの放射線からデータを捕捉する一方、カメラの第2集合(第2層に関連する)が、定常期間に関連する比較的高いエネルギーの放射線からデータを捕捉し、故に、異なる放射線エネルギーにおいて別個の画像を得る。
【0048】
任意数のカメラのセットがそれぞれの異なる放射線エネルギーレベルにおいてデータを捕捉するように用いられることが可能であることが理解される必要があるが、その特徴はこの点に限定されるものではない。結果として得られる画像は、同じ利点及び/又は利益を得るように、他の二重エネルギー(又は多重エネルギー)と同じ方法で処理される及び操作されることが可能である。上記の技術の何れかが単独で又は任意の組み合わせで用いられることが可能であるが、それらの特徴はこの点に又は本明細書に明確に記載されている何れかの組み合わせに限定されるものではない。
【0049】
図8は、一部の実施形態にしたがった直接撮影装置を示している。直接撮影装置800は、X線源から画像情報を捕捉するカメラに基づく画像センサ810を有する。カメラに基づく画像センサ810は、X線源から変換された放射線を検出することにより画像情報を捕捉することができる、本明細書に記載している画像センサの何れかであることが可能であり、X線源から放出されるX線からダウンコンバートされた(例えば、エネルギー変換構成要素を用いて)放射線を捕捉するように備えられた複数のカメラ805(例えば、CMOSカメラのアレイ)を少なくとも有する。複数のカメラ810は、画像データを提供するように接続部820に、検出された放射線を表すそれぞれの出力を提供する。
【0050】
直接撮影装置800はまた、画像センサから信号出力を受け入れるように適合されたコンピュータ850を有することが可能である。コンピュータ850は、メモリ855と、メモリ855にアクセスすることができる1つ又はそれ以上のプロセッサ856とを有することが可能である。コンピュータ850は、画像センサからデータを受け入れ、メモリ855に記憶されている1つ又はそれ以上のアルゴリズムを実行するプロセッサ856を用いて、そのデータに基づいて1つ又はそれ以上の画像を生成する。したがって、コンピュータ850は、本明細書に記載している任意の方法でデータを処理することが可能である(例えば、重複データ又は多層データの処理、空間的に及び/又は時間的に分割されたデータの処理、若しくは、X線放射線に対して被爆されたオブジェクトの1つ又はそれ以上の画像を生成するように本明細書で記載されている任意の他の画像処理方法)。コンピュータ850は、カメラ出力から画像を生成するように、本明細書に特に記載されていない他の操作を実行することが可能である。
【0051】
メモリ855は、データ、命令等を記憶することができる任意の種類の有体媒体、非一時的コンピュータ読み取り可能記憶媒体又は記憶装置を有することが可能であり、ROM、RAM、ディスク記憶装置、キャッシュ及び/又は任意の他の記憶媒体を有することが可能であり、それらの実施例は、下で提供され、任意数の方法で実施されることが可能である。メモリ855は、例えば、プロセッサ856により実行された結果として、本明細書で記載している方法又は機能、並びに/若しくは種々の実施形態、それらの変形及び/又は組み合わせの1つ又はそれ以上を実行するようにコンピュータに命令する、1つ又はそれ以上のプログラムとしての命令によりエンコードされることが可能である。メモリ855は、入力部820により受信された又はコンピュータ850に記憶されている画像データを記憶することも可能である。
【0052】
コンピュータ850は、画像センサを動作させることも可能である。例えば、コンピュータ850は、どのカメラが動作するかを制御することが可能であり、アレイにおける各々のカメラについて使用されるゲインを設定/適用することが可能であり、カメラが画像データを収集する1つ又はそれ以上の間隔を確立することが可能であり、又は画像センサ810の動作を制御することが可能である。コンピュータ850は、カメラとインタフェースを取る必要なエレクトロニクス及び捕捉された画像データを処理するアルゴリズムのすべてを有することが可能である。しかしながら、コンピュータ850は、上記の機能のすべてを有する必要はないが、直接撮影装置800の上記の制御及び処理能力の一部又はすべてを有することが可能である。
【0053】
一部の実施形態においては、直接撮影装置800は、直接撮影装置の外部に情報を供給することが可能である並びに/若しくは1つ又はそれ以上の外部の装置から情報を受信することが可能である1つ又はそれ以上の入力/出力(I/O)装置822を有することも可能である。例えば、I/O装置822は、外部のコンピュータ及び/又はディスプレイに直接撮影装置により生成された画像を供給することが可能である出力部を有することが可能である。更に、I/O装置822は、外部のコンピュータに画像センサを制御させるようにする入力部を有することが可能である。例えば、一部の実施形態においては、内部コンピュータ850は実施されないことが可能であり、並びに/若しくは、内部コンピュータ850により実行される上記の機能の一部又はすべては、パーソナルコンピュータ(PC)、ワークステーション、汎用コンピュータ又は任意の他のコンピューティング装置等の1つ又はそれ以上の外部のコンピュータにより実行されることが可能である。
【0054】
そのようなコンピュータ850は直接撮影装置800に統合されることが可能であり、又は、直接撮影装置800に近接して又は離れて、別個のスタンドアロンシステムであることが(若しくはそれらの両方であることが)可能である。例えば、外部であるとき、コンピュータ850は、ネットワークにおいて直接撮影装置800に接続されることが可能であり、及び/又は、複数の直接撮影装置に接続されることが可能である。例えば、I/O装置822は、物理接続により及び/又は無線でローカルコンピュータ又はリモートコンピュータと通信することが可能である。任意のコンピューティング環境が使用されることが可能であるが、本明細書で記載しているそれらの特徴は任意の特定の種類の又は実施形態のコンピュータシステムを用いることに限定されるものではない。
【0055】
一部の医用手順は、関心のある領域を位置付けるX線撮像技術を使用する。特に、関心のある組織又は期間の領域は体内にあり、位置決めの際に見ることができないため、X線撮像が使用される。従来、そのような手順は、“ブッキー(Bucky)”と称される医用装置を使用して実行されている。ブッキーは、1回又はそれ以上のX線被爆を撮影するためにX線フィルムカセットが挿入されるマガジン(magazine)として構成される。ブッキーマガジンは、テーブルトップに対して平行なXY平面における患者テーブルの下で手動で移動されることが可能である。通常、ブッキーマガジンは、遮断システムにより定位置にしっかり固定され、移動される必要があるときには、技術者は、遮断を開放するように特別のハンドルを握り、必要に応じて、それを移動させて、被爆される領域の下にカセットを位置付ける。マガジンの移動は、必要なレール又はチェーンを有するXY座標系を用いて行われる。マガジンの下には、ブッキーマガジンの真下にその放射線入力部側を有するイメージインテンシファイアと称される装置を有する。イメージインテンシファイアは、その後端においてビデオカメラにより小さい蛍光スクリーンの方に加速される電子にX線光子を変換する、その前面に特定の結晶シンチレータを有する大きいイメージ管である。
【0056】
従来の手順においては、患者はテーブル上に載置され、X線システムは低線量モードでアクティブにされる一方、ブッキー機構は、イメージインテンシファイアにより供給される低線量画像の映像の観察に基づいて、位置付けられる。技術者は、関心のある領域又は所望の身体の器官が視野に入って、所望通りに位置付けられるまで、ブッキー機構を操作し続ける。この手順(透視又は透視モード)は、かなり低い放射線の下で実行され、画像品質が重要でない場合にのみ位置付けるために使用される。その手順はかなり低い放射線レベルで実行されるが、技術者は、放射線源のかなり近くに立って、ブッキーを手動で位置付ける及び移動させる必要がある。所望の位置に位置付けられたとき、技術者は、ブッキーにフィルム又はCRカセットを挿入し、制御室に入り、高エネルギー撮影線量を供給する。技術者は次いで、そのカセットを引き出すようにブッキーに戻り、適切なフィルムプロセッサ又はCRリーダにそのカセットを移動させる。この手順は比較的不便であり、技術者は放射線に不必要に被爆され得る。直接撮影技術が使用されるとき、カセットを保持するマガジンはかなり厚い直接撮影検出器を受け入れるように変えられる必要があるため、比較的複雑な機械工学的変化が典型的には存在する必要がある。
【0057】
本出願者は、検出器としてカメラアレイ技術を用いることがより効率的で、効果的で且つ安全な医用手順を容易化し得ることを認識している。一部の実施形態においては、患者の相対的に実質的な部分を画像化するのに十分に大きい、本明細書で記載している検出器のようなカメラに基づく画像センサが提供される。この大きい面積のフラット検出器は、RFシステムのテーブルトップの一部であり、その下側に取り付けられることが可能である。この検出器におけるカメラは、例えば、30フレーム/秒で同期化フレームを生成することが可能であるシネモード手段において機能する能力を有することが可能である。その結果、被爆領域のリアルタイムのビデオシーケンスが生成されることが可能である。しかしながら、ブッキーシステムを手動で操作する必要があることに代えて、複数のカメラの部分集合が特定の領域を画像化するように動作されることが可能である。この部分集合はその場合、身体の所望領域を画像化するカメラの適切な部分集合が位置付けられるまで、変更される(即ち、動作されるカメラの部分集合は、所望通りにカメラを追加する又は取り除くことにより変更される)ことが可能である。図9A乃至9Cに黒色円で示しているように、アクティブなカメラが、所望のカメラの部分集合が位置付けられるまで、選択的に動作されることが可能である。
【0058】
選択された領域(例えば、任意の所与の時間に動作するカメラの部分集合)が、タッチパネル、ジョイスティック又は任意の他の適切なインタフェース装置を用いて、実行されることが可能であることが、理解される必要がある。タイルを付加して置くことにより、したがって、観測する領域を関心のある選択された領域に実際に“移動させる”ことにより、選択された領域は、所望の大きさに拡大又は縮小され、次いでポインティング装置(タッチスクリーン、ジョイスティック又はトラックボール)を用いて全領域に“移動される”ことが可能である。
【0059】
上記のように、選択された領域の移動が、低線量モードで実行されることが可能であり、ビデオフィードを介してモニタすることが可能である。選択された領域は、拡大される、縮小される、及び技術者が放射線源の近くにいる必要がないように遠くに移動されることが可能であることが、理解される必要がある。即ち、技術者は、放射線に対して被爆されることなくコンピュータポインティング装置(タッチスクリーン)を用いて制御室にいながら、全体の手順が遠隔で実行されることが可能である。所望の位置付けが得られるとき、選択されたアクティブな検出器領域は高撮影線量モードに切り換えられ、所望領域の画像が得られる。その結果として得られる画像は、システム又は患者を移動させることなく、必要に応じて、即座の品質制御及び付加的取得を可能にする制御室におけるコンピュータスクリーンに即座に現れることが可能である。
【0060】
発明者は更に、上記のシステムは、動作するべき位置を正確に特定するにあたり、医師を支援するオーバーヘッドビデオカメラが結合されることが可能であることを、理解している。X線画像は従来、手術又は治療中に、医師を導くように用いられてきた。しかしながら、単にX線画像を使用する有用性には制約がある。特に、切開する、内視鏡等の関節強装置を挿入する、又は患者の内部構造のX線画像のみに基づいて体内に入れるための正確な位置を正確に特定することは困難であり得る。この困難性は、太り過ぎの肥満体の患者の場合には悪化される。
【0061】
既知の場所にオーバーヘッドビデオカメラを位置付けることにより、ビデオ画像は、カメラベースのセンサから得られるX線画像に対してマッピングされることが可能である。それら2つの画像は、医師が患者の内部構造を同時に見ることができるように、重ね合わされて、患者の外部映像と位置合わせされることが可能である。その結果、医師はさらにいっそう容易に、挿入点を特定して、手術又は治療中にナビゲートすることが可能である。
【0062】
出願者は、カメラベースの技術が大きい画像化領域を構築するように使用されることが可能であることを理解している。X線は曲げられることがなく、X線レンズは存在しないために、X線フィルム並びに現在のCRカセットおよびDR検出器は一般に、被爆される器官の大きさを有し、使用される、より大きい標準面積は17インチx14インチ(35cmx43cm)である。比較的小さい大きさのそれらの従来の検出器は、より大きい領域(例えば、全身画像)を画像化するのに複数回の被爆に亘って、複数の標準サイズのフィルムのカセットを使用する必要がある。それらの画像はその場合、医師がそれらの複数の画像を1つの大きい画像として見ることができるように、互いに繋ぎ合わされることが可能である。
【0063】
出願者は、カメラベースの検出器で使用される比較的低いコストの要素/カメラが検出器の大きさを実際には無制限にすることを、理解している。したがって、カメラの面積は、一回の被爆で撮像する大きい面積が処理されることが可能である。多くの撮像応用は、標準医用サイズを使用するが、有効面積より大きい面積を必要とする。カメラベースの検出器は、比較的簡単な、効率的な及び安全な大きい面積の撮像を可能にする任意の大きさで構築されることが可能である。大きい面積の撮像のための応用は無制限であり、それらの応用のうちの幾つかの応用については、下で更に詳細に説明する。
【0064】
医用の“長い骨”の撮像は、立った姿勢での脚全体の撮像を有する。この撮像手順は、通常の身体負荷で立ったままの脚が見えるように、整形外科で使用される。従来、この撮像手順は、3つ又はそれ以上の標準サイズのカセットの組み合わせを用いて、実行され、医師は、器官全体(例えば、長い骨全体)を見ることが可能であるように、複数の結果が繋ぎ合わされる。1つのカメラベースの検出器は、1回の被爆によりタスクは実行可能であり、その結果は、同時にスクリーン上で見ることができる。脊髄の撮像が、脊柱側弯の場合におけるように、脊柱の全長画像を撮像するように、整形外科ではしばしば使用される。1つのカメラベースの検出器を使用する場合、従来の撮像におけるように繋ぎ合わせは必要ないために、角度測定が改善される。
【0065】
緊急/軍事“全身”画像は、犠牲者/患者が緊急施設(例えば、現場施設)に運び込まれてきたときの緊急の場合に、必要とされ得る。そのような状況下では、骨折又は銃弾の破片について全身を迅速に診断するためには、全身について撮像する必要があり得る。従来は、この手順は、12乃至14回の標準的な14インチx17インチの被爆を使用して実行されていて、それには過度の時間を要し、緊急の事態及び/又は複数の犠牲者を撮像する必要があるときには、特に重荷になる。本明細書で説明しているカメラベースの検出器は、一回の被爆を使用して、身体のどの部分が撮像されたか及びどの部分が撮像されなかったか、どのカセット及び関連する部分画像がどの犠牲者に属するかを追跡する必要なく、全身の画像を生成するように使用されることが可能である。
【0066】
例えば、馬等の動物の画像は、大きい撮像面積を必要とし得る。例えば、馬の脚を撮像することは馬の獣医には日課である。しかしながら、これは、きつい骨の折れるタスクである。このタスクはしばしば、馬の脚が長く、検出器のサイズが小さいために、現場で実行され、複数回の被爆を必要とする。直接撮影システムは、現場での使用のために設計されたものではなく、それらのシステムのコストは、このタスクのために、非現実的なものになっている。本明細書で記載しているカメラベースの検出器は、一回の被爆で馬の脚の全長を提供することができる。大きい犬又は何れかの他の大きい動物等の大きいペットは、それらは動き、それらの大きさは、全身の被爆を複雑なタスクにする。そのような撮像タスクは、大きい専用のカメラベースの検出器により達成され得る。
【0067】
産業界において及び/又はセキュリティにおいては、大きいオブジェクトの非破壊試験が実行される必要があり得る。大きいオブジェクトが被爆される必要があるときには、かなり大きいカメラベースの検出器が設計され得る。例えば、船のコンテナは、コンテナの大きさのカメラベースの検出器による一回の被爆で被爆され得る。空港では、かなり大きい手荷物が、カメラベースの検出器技術を用いて一回の被爆で被爆され得る。大きい撮像面積を必要とする他の応用は、本明細書で説明しているカメラベースの撮像技術により同様に恩恵を受けることが可能であり、それらの特徴は、任意の特定の応用で使用するように限定されない。
【0068】
本発明の種々の特徴は、単独で、組み合わされて、又は上記の実施形態において具体的に検討されていない種々の構成で、使用されることが可能であり、故に、その応用において、上記の構成要素の詳細及び構成に限定されるものではない。上記の実施形態は、複数の方法の何れかにおいて実施されることが可能である。例えば、上記の実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらを組み合わせで、実行されることが可能である。ソフトウェアに実行されるとき、ソフトウェアコードが、単独のコンピュータに備えられているか複数のコンピュータ間に分配されているに拘わらず、任意の適切なプロセッサ又は複数のプロセッサの集合で実行されることが可能である。
【0069】
上記の機能を実行する任意の構成要素又は複数の構成要素の集合が、上記の機能を制御する1つ又はそれ以上の制御器として一般にみなされ得ることが、理解される必要がある。そのような1つ又はそれ以上の制御器は、例えば専用ハードウェアにより、又は上記の機能を実行するマイクロコード又はソフトウェアを用いてプログラムされた汎用ハードウェア(例えば、1つ又はそれ以上のプロセッサ)により、複数の方法で実行されることが可能である。
【0070】
本明細書で概説している種々の方法は、種々のオペレーティングシステム又はプラットフォームのうちの任意の一を採用する1つ又はそれ以上のプロセッサにおいて実行可能であるソフトウェアとして符号化されることが可能であることが、理解される必要がある。更に、そのようなソフトウェアは、複数の適切なプログラミング言語並びに/若しくは従来のプログラミング又はスクリプティングツールの何れかを用いて記述されることが可能である。これに関して、本発明の一実施形態は、1つ又はそれ以上のコンピュータ又は他のプロセッサで実行されるときに、上記の発明の種々の実施形態を実施する方法を実行する、有形の非一時的コンピュータ読み出し可能記憶媒体(又は、複数のそのようなコンピュータ読み出し可能記憶媒体)(例えば、コンピュータメモリ、1つ又はそれ以上のフロッピーディスク(登録商標)、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ等)を対象とすることを理解する必要がある。それに記憶されたプログラムが、上記の本発明の種々の特徴を実施する1つ又はそれ以上の異なるコンピュータ又は他のプロセッサにロードされることが可能であるように、コンピュータ読み出し可能記憶媒体は可搬型であることが可能である。
【0071】
用語“プログラム”は、本明細書では一般に、上記のように本発明の種々の特徴を実施するコンピュータ又は他のプロセッサをプログラムするように採用されることが可能である任意の種類のコンピュータコード又は命令の集合をいうように用いられていることが、理解される必要がある。更に、この実施形態の一特徴にしたがって、実行されるときに、本発明の方法を実行する1つ又はそれ以上のコンピュータプログラムは、単独のコンピュータ又はプロセッサに存在する必要はないが、本発明の種々の特徴を実行する複数の異なるコンピュータ又はプロセッサにおいてモジュール方式で分配されることが可能である、ことが理解される必要がある。
【0072】
本発明の種々の特徴は、単独で、組み合わされて、又は、上記の実施形態で具体的に
検討されていない種々の構成で、使用されることが可能であり、故に、その応用において、上記の又は図に示している構成要素の詳細及び構成に限定されるものではない。本発明においては、他の実施形態が可能であり、種々の方法で実行されることも可能である。
【0073】
請求項の要素を修飾する、請求項における“第1の”、“第2の”、“第3の”等の序数表現は、何れかの優先順位、優位性、一の請求項の要素の他に対する順序、又は方法のステップが実行される時間的順序自体を暗示するものではないが、請求項の要素を区別するように、特定の名前を有する一の請求項の要素を同じ名前を有する他の要素から区別する単なるラベルとして使用されている。
【0074】
また、本明細書で用いている言い回し及び用語は、表現することを目的とし、限定とみなされるべきものではない。本明細書における表現“有する”及びその派生表現の使用は、列挙されているアイテム及び更なるアイテムを包含するように意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレイ状に配置された複数のカメラであって、前記複数のカメラの各々は、それぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、前記複数のカメラの各々の視野が前記複数のカメラの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と少なくとも重なり合うように、前記複数のカメラが配置されている、複数のカメラ;
エネルギー変換要素であって、当該エネルギー変換構成要素の表面に入射する第1の放射線を、前記複数のカメラにより検出可能であるより低いエネルギーにある第2の放射線に変換するエネルギー変換要素;並びに
少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数のカメラの各々からの信号を処理する少なくとも1つのコンピュータであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数の重なり合う領域において複数の信号を結合させる、コンピュータ;
を有する装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンピュータは、信号対雑音比を増加させるように対応する重なり合う領域における複数の信号を加算する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のカメラは、少なくとも、第1画像層に対応する信号を供給する第1のカメラの集合及び第2の画像層に対応する信号を供給する第2のカメラの集合を有する、複数のカメラの集合を有し、前記第1のカメラの集合及び前記第2のカメラの集合は、前記第1画像層及び前記第2画像層が実質的に同じ視野に対応するデータを有するように、前記第1のカメラの集合の視野が前記第2のカメラの集合の視野と重なり合うよう、互いに対して位置付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンピュータは、少なくとも一部において、前記少なくとも1つの画像を生成するように、少なくとも前記第1画像層及び第2画像層を結合する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコンピュータは、少なくとも一部において、前記画像を生成するように、少なくとも前記第1画像層及び第2画像層を加算する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコンピュータは、少なくとも一部において、前記少なくとも1つの画像を生成するように、少なくとも前記第1画像層及び第2画像層の平均及び/又は重み付け平均を実行する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のカメラの集合は、2つ以上の画像層を生成するように、2組以上のカメラの集合を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記複数のカメラの各々についてゲインを設定する、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンピュータは、少なくとも一部において、前記複数のカメラのうちの少なくとも1つのカメラが前記第1のカメラの集合にあるか又は前記第2のカメラの集合にあるかに基づいて、前記複数のカメラのうちの前記少なくとも1つのカメラの複数のゲインのうちの少なくとも1つのゲインを変える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記第1のカメラの集合の各々のカメラに第1ゲインを割り当て、前記第2のカメラの集合の各々のカメラに、前記第1ゲインと異なる第2ゲインを割り当てる、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記画像において関心のある少なくともある主題を強調するように、前記第1のカメラの集合における各々のカメラに前記第2ゲインにおいて得られた前記第2層を割り当てる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記画像において関心のある少なくともある主題を抑制するように、前記第1のカメラの集合における各々のカメラに前記第2ゲインにおいて得られた前記第2層を割り当てる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記複数のカメラの各々についてゲインを設定し、前記少なくとも1つのコンピュータは、指定された間隔において、前記少なくとも1つのカメラのゲインを変える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記指定された間隔の第1部分について前記複数のカメラの各々に対して第1ゲインを設定し、前記指定された間隔の第2部分について前記複数のカメラの各々に対して第2ゲインを設定する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記指定された間隔において前記複数のカメラの各々から複数の信号を設定し、前記複数のカメラの各々からの前記複数の信号の少なくとも一の信号は、前記指定された間隔の第1部分に関連し、前記複数のカメラの各々からの前記複数の信号の少なくとも一の信号は、前記指定された間隔の第2部分に関連する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記指定された間隔の前記第1部分は、X線源の電力増加期間の少なくとも一部に関連し、前記指定された間隔の前記第2部分は、前記X線源の電力増加期間の少なくとも一部に関連する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記複数のカメラはCMOSカメラである、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
エネルギー変換構成要素の表面に入射する第1放射線をより低いエネルギーにある第2放射線に変換するステップ;
アレイ状に配列された複数のカメラにおいて前記より低いエネルギーの放射線の少なくとも一部を受け入れるステップであって、前記複数のカメラの各々はぞれぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、前記複数のカメラの各々の視野が前記複数のカメラのうちの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と重なり合うように前記複数のカメラが配置されている、ステップ;及び
少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数のカメラの各々からの信号を処理するステップであって、少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数の重なり合う領域において複数の信号を結合する、ステップ;
を有する方法。
【請求項19】
複数のカメラ;
第1エネルギーにある第1放射線を、前記第1エネルギーより低い第2エネルギーにある第2放射線に変換することが可能であるエネルギー変換構成要素;及び
前記複数のカメラに対応するエネルギー変換構成要素により出射される前記第2放射線の少なくとも一部を屈折させるように、前記複数のカメラと前記エネルギー変換構成要素との間に位置付けられた少なくとも1つの屈折構成要素;
を有する装置。
【請求項20】
変換されていないエネルギー変換構成要素を通る前記第1放射線の少なくとも一部をブロックするように、前記複数のカメラと前記エネルギー変換構成要素との間に位置付けられた少なくとも1つのブロック構成要素を更に有する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ブロック構成要素は少なくとも1つの鉛入りガラス又は鉛コーティングを有する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つのブロック構成要素は、前記複数のカメラの各々のレンズにおいてブロック層を有する、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記複数のカメラの各々はCMOSカメラカメラである、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
第1エネルギーにある第1放射線を、前記第1エネルギーより低い第2エネルギーにある第2放射線に変換するステップ;
エネルギー変換構成要素により出射される前記第2放射線の少なくとも一部を屈折させるステップ;及び
複数のカメラにおいて前記第2放射線の少なくとも一部を受け入れるステップ;
を有する方法。
【請求項25】
第2放射線に変換されていない前記第1放射線の少なくとも一部をブロックするステップを更に有する、請求項24に記載の方法。
【請求項1】
アレイ状に配置された複数のカメラであって、前記複数のカメラの各々は、それぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、前記複数のカメラの各々の視野が前記複数のカメラの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と少なくとも重なり合うように、前記複数のカメラが配置されている、複数のカメラ;
エネルギー変換要素であって、当該エネルギー変換構成要素の表面に入射する第1の放射線を、前記複数のカメラにより検出可能であるより低いエネルギーにある第2の放射線に変換するエネルギー変換要素;並びに
少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数のカメラの各々からの信号を処理する少なくとも1つのコンピュータであって、前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数の重なり合う領域において複数の信号を結合させる、コンピュータ;
を有する装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つのコンピュータは、信号対雑音比を増加させるように対応する重なり合う領域における複数の信号を加算する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のカメラは、少なくとも、第1画像層に対応する信号を供給する第1のカメラの集合及び第2の画像層に対応する信号を供給する第2のカメラの集合を有する、複数のカメラの集合を有し、前記第1のカメラの集合及び前記第2のカメラの集合は、前記第1画像層及び前記第2画像層が実質的に同じ視野に対応するデータを有するように、前記第1のカメラの集合の視野が前記第2のカメラの集合の視野と重なり合うよう、互いに対して位置付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコンピュータは、少なくとも一部において、前記少なくとも1つの画像を生成するように、少なくとも前記第1画像層及び第2画像層を結合する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのコンピュータは、少なくとも一部において、前記画像を生成するように、少なくとも前記第1画像層及び第2画像層を加算する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのコンピュータは、少なくとも一部において、前記少なくとも1つの画像を生成するように、少なくとも前記第1画像層及び第2画像層の平均及び/又は重み付け平均を実行する、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のカメラの集合は、2つ以上の画像層を生成するように、2組以上のカメラの集合を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記複数のカメラの各々についてゲインを設定する、請求項3に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのコンピュータは、少なくとも一部において、前記複数のカメラのうちの少なくとも1つのカメラが前記第1のカメラの集合にあるか又は前記第2のカメラの集合にあるかに基づいて、前記複数のカメラのうちの前記少なくとも1つのカメラの複数のゲインのうちの少なくとも1つのゲインを変える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記第1のカメラの集合の各々のカメラに第1ゲインを割り当て、前記第2のカメラの集合の各々のカメラに、前記第1ゲインと異なる第2ゲインを割り当てる、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記画像において関心のある少なくともある主題を強調するように、前記第1のカメラの集合における各々のカメラに前記第2ゲインにおいて得られた前記第2層を割り当てる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記画像において関心のある少なくともある主題を抑制するように、前記第1のカメラの集合における各々のカメラに前記第2ゲインにおいて得られた前記第2層を割り当てる、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記複数のカメラの各々についてゲインを設定し、前記少なくとも1つのコンピュータは、指定された間隔において、前記少なくとも1つのカメラのゲインを変える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記指定された間隔の第1部分について前記複数のカメラの各々に対して第1ゲインを設定し、前記指定された間隔の第2部分について前記複数のカメラの各々に対して第2ゲインを設定する、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのコンピュータは、前記指定された間隔において前記複数のカメラの各々から複数の信号を設定し、前記複数のカメラの各々からの前記複数の信号の少なくとも一の信号は、前記指定された間隔の第1部分に関連し、前記複数のカメラの各々からの前記複数の信号の少なくとも一の信号は、前記指定された間隔の第2部分に関連する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記指定された間隔の前記第1部分は、X線源の電力増加期間の少なくとも一部に関連し、前記指定された間隔の前記第2部分は、前記X線源の電力増加期間の少なくとも一部に関連する、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記複数のカメラはCMOSカメラである、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
エネルギー変換構成要素の表面に入射する第1放射線をより低いエネルギーにある第2放射線に変換するステップ;
アレイ状に配列された複数のカメラにおいて前記より低いエネルギーの放射線の少なくとも一部を受け入れるステップであって、前記複数のカメラの各々はぞれぞれのカメラに入射する放射線を表す信号を生成し、複数の重なり合う領域のそれぞれを生成するように、前記複数のカメラの各々の視野が前記複数のカメラのうちの少なくとも1つの隣接するカメラの視野と重なり合うように前記複数のカメラが配置されている、ステップ;及び
少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数のカメラの各々からの信号を処理するステップであって、少なくとも1つのプロセッサが、前記少なくとも1つの画像を生成するように、前記複数の重なり合う領域において複数の信号を結合する、ステップ;
を有する方法。
【請求項19】
複数のカメラ;
第1エネルギーにある第1放射線を、前記第1エネルギーより低い第2エネルギーにある第2放射線に変換することが可能であるエネルギー変換構成要素;及び
前記複数のカメラに対応するエネルギー変換構成要素により出射される前記第2放射線の少なくとも一部を屈折させるように、前記複数のカメラと前記エネルギー変換構成要素との間に位置付けられた少なくとも1つの屈折構成要素;
を有する装置。
【請求項20】
変換されていないエネルギー変換構成要素を通る前記第1放射線の少なくとも一部をブロックするように、前記複数のカメラと前記エネルギー変換構成要素との間に位置付けられた少なくとも1つのブロック構成要素を更に有する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記ブロック構成要素は少なくとも1つの鉛入りガラス又は鉛コーティングを有する、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記少なくとも1つのブロック構成要素は、前記複数のカメラの各々のレンズにおいてブロック層を有する、請求項20に記載の装置。
【請求項23】
前記複数のカメラの各々はCMOSカメラカメラである、請求項19に記載の装置。
【請求項24】
第1エネルギーにある第1放射線を、前記第1エネルギーより低い第2エネルギーにある第2放射線に変換するステップ;
エネルギー変換構成要素により出射される前記第2放射線の少なくとも一部を屈折させるステップ;及び
複数のカメラにおいて前記第2放射線の少なくとも一部を受け入れるステップ;
を有する方法。
【請求項25】
第2放射線に変換されていない前記第1放射線の少なくとも一部をブロックするステップを更に有する、請求項24に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【公表番号】特表2013−518248(P2013−518248A)
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−549442(P2012−549442)
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/IB2011/000229
【国際公開番号】WO2011/089528
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512190686)デンシーティー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月21日(2011.1.21)
【国際出願番号】PCT/IB2011/000229
【国際公開番号】WO2011/089528
【国際公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(512190686)デンシーティー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】
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