説明

マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式を提供する方法、システム、及び装置

【課題】マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式を提供する方法を開示する。
【解決手段】MBSゾーンに使用される変調と符号化方式の関連情報を含むメッセージを送信し、MSSは当該メッセージに含まれた変調と符号化方式の関連情報に基づいてダウンリンクバーストを解析し、MBSサービスデータを受信する。本発明は別のマルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式を定義する方法を開示している。従来技術のDL-MAPメッセージ中のDCDカウント変化の絶え間なく追跡が必要な課題を解決した。本発明は、MBS-Serverによる関連メッセージの統一計画を実現し、従来技術のようにDCDメッセージ統一計画に新エンティティの導入が必要ない。また、受信設備が現在セルの関連メッセージを絶え間なくモニターする必要なく、パワー消耗を減少した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチキャストサービスマクロダイバーシティ技術に関し、特にマルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式を提供する方法、システム、及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
Internet技術の高速な発展に伴って、マルチメディアサービスが大量に現れている。そのうち、一部の応用サービス、例えば、サービスにビデオ・オン・デマンド、テレビ放送、テレビ会議、オンライン教育、インタラクティブゲームなどでは、複数のユーザが同じデータを同時に受信できることが要求され、即ち、データに対してマルチキャストを行う。
【0003】
マルチキャストサービスは、一つのデータソースから複数の宛先へデータを転送する技術であり、マルチキャストやブロードキャストを含む。ブロードキャストサービスにとっては、伝統的なモバイルネットワークにおいて、セルブロードキャストサービス(CBS:Cell Broadcast Service)は、低ビットレートのデータだけがセル共有ブロードキャストチャネルを通じて全てのユーザへ送信されることを許可し、このようなサービスはメッセージタイプのサービスに属する。マルチキャストサービスにとっては、既存のIPネットワークに対するIPマルチキャスト技術が既に存在するが、モバイルネットワークが既存のIPネットワークと異なっている、特定のネットワーク構造や機能エンティティや無線インターフェースを持っているため、既存のIPマルチキャスト技術は有線IPネットワークのみに適用され、モバイルネットワークには適用されない。また、一般的なサービスに比べると、モバイルマルチメディアサービスは、データ量が大きく、持続時間が長く、遅延に敏感である等の特徴を持っているため、既存のブロードキャストサービス及びマルチキャストサービスの転送技術のいずれも、モバイルマルチメディアサービスデータの転送に適用されない。
【0004】
モバイルネットワークの資源を有効的に利用するために、WCDMA/GSM国際標準化機構−第3世代パートナーシップ・プロジェクト3GPP(Third Generation Partnership Project)によりマルチメディアブロードキャスト・マルチキャストサービス(MBMS:Multimedia Broadcast/Multicast Service)が提出されている。一方、電気電子学会(IEEE)802.16の最新プロトコルIEEE802.16e/D5にもマルチキャストブロードキャストサービス(MBS:Multicast and Broadcast Service)が導入されている。MBMS及びMBSサービスは、モバイルネットワークにて一つのデータソースから複数のユーザにデータを送信する規範を提供して、モバイルネットワークに一つのデータソースから複数のユーザにデータを送信するポイント・ツー・マルチポイントサービスを提供させるようにし、ネットワーク資源の共有を実現し、ネットワーク資源、特にエアインターフェース資源の利用率を向上させている。新たに提出されたMBMS及びMBSサービスによっては、プレーンテキストかつ低レートのメッセージタイプのマルチキャストとブロードキャストが実現されるだけでなく、高速なマルチメディアサービスのマルチキャストとブロードキャストも実現可能となって、未来のモバイルデータ発展の動向に順応されている。
【0005】
IEEE802.16プロトコルに提出されたMBSサービスのネットワーク構造は図1に示すようである。図1に示すように、MBSサービスをサポートするために、モバイルネットワーク機能エンティティ、即ちブロードキャストマルチキャストサービスサーバ(MBS server)が追加されている。ここで、一つの機能はコンテンツプロバイダーの入口であり、もう一つの機能はその自身に属する基地局(BS)のマルチキャストデータの送信を計画し、且つその自身に属するBSにマルチキャストデータを分配することである。また、従来のモバイルステーション(MSS)やBSなどの機能エンティティを強め、即ち、これらの機能エンティティにMBSサービスに関する機能を追加する必要がある。
【0006】
MBSサービスの動作には主に、MBSサービスリスト情報の取得、MBSサービスに対する認証及び暗号鍵の取得、MBSサービスの正常受信が含まれる。具体的に、MBSサービスを正常に受信する前に、MSSは、まず、MBS serverからMBSコンテンツリストなどの情報を取得し、その後、BSに受信したMBSサービスコンテンツを認証するよう要求する。認証に成功した後、BSはMSSにMBSダウンリンクサービスパラメータなどを含む情報を送信し、その後、MSSはBSにMBSの鍵を返信するよう要求する。ダウンリンクサービスパラメータ及びMBSの鍵を取得したMSSは、取得した情報を利用して、関連のメディアアクセスコントロールプロトコルデータユニット(MAC PDU)を受信し、正常なMBSサービス受信状態に入る。
【0007】
MBSサービスの正常受信とは、主に、受信したMBSダウンリンクサービスパラメータを利用して、MBSサービスコンテンツを受信するプロセスである。既存の標準草案において、MBSダウンリンクサービスパラメータに、主に、MBSゾーン識別子(MBS ZONE identifier)及びマルチキャスト接続ID(Multicast CID)が含まれる。
【0008】
マクロダイバーシティを使用して受信性能を強化するために、既存のIEEE802.16の最新プロトコルIEEE802.16e/D5にMBSマッピング(MBS-MAP)メッセージが導入され、当該メッセージがMBSゾーン(MBS ZONE)にて転送される。それに含まれる情報要素は表1に示すようである。
【0009】
【表1A】

【表1B】

【0010】
MBS-MAPメッセージは、指定のMBS ZONEにて、具体的なMulticast CIDに分配された物理チャネル資源を通知する。また、MBS-MAPメッセージは、指定の物理チャネル資源(Burst)に使用される変調符号化方式(DIUC)、パワーオフセット(Boosting)、次のMBSサービスフレームの位置を提供する。従って、MBS-MAPメッセージを正確に検知さえすれば、MSSは、当該メッセージに基づいて、受信したいマルチキャスト接続に対応する物理チャネル資源、及び当該物理チャネル資源に使用される変調符号化方式やパワーオフセット(Boosting)などを取得することができ、次のフレームに当該マルチキャスト接続のMBSフレームの位置が含まれたことを決定することによって、マルチキャスト接続のデータ受信を正常に行う。
【0011】
MBS-MAPメッセージにおいて、DIUC情報要素が4ビットの識別子で、現在Burstに使用されている変調符号化方式を識別することに用いられる。4ビット識別子各々はそれぞれ一種の変調符号化方式を表すので、DIUCインデックスとも呼ばれる。即ち、変調符号化方式のインデックスである。当該DIUC値の具体的な定義は、現在のセルにブロードキャストされるダウンリンクチャネル説明(DCD)メッセージの中に位置する。現在のセルはDCDメッセージを周期的にブロードキャストし、DCDメッセージにて、配置変化カウント(configuration change count)フィールドを用いてDCDメッセージの変化を識別し、且つ他の関連メッセージにて、DCDカウント(DCD count)を用いてDCDメッセージの変化を追跡する。例えば、ダウンリンクチャネルマッピング(DL-MAP)メッセージにて、DCD countを用いてDCDメッセージの変化を追跡する。
【0012】
セルラー無線通信システムにおいて、セル周辺のユーザに対しては、基地局からの距離が遠いので、通信品質が悪くなる。このような基地局からの距離が遠いことによって引き起こされた受信品質の低下を克服するように、セルラーブロードキャストシステムにおいて、マクロダイバーシティを導入する。具体的に、受信機はその周囲の基地局からの信号を受信し、これらの受信信号から受信処理を解析できるので、単一の基地局からの信号を受信することによって引き起こされる受信品質の低下を克服する。
【0013】
従来技術において、MBSサービスに使用されるのは、現在のセルがDIUCに対する定義である。マクロダイバーシティを実現するために、MBS ZONEに位置するセルの全てが同じDIUC定義を使用する必要で、即ち、同じDCDメッセージを発射することである。従って、各セルにおけるDIUC定義、即ち、DCDメッセージの定義の統一管理にエンティティが必要となる。
【0014】
また、MBSサービスを受信する場合、受信設備は、自体が睡眠(SLEEP)状態又はアイドル(IDLE)状態にあるにもかかわらず、絶え間なくDL-MAPメッセージを追跡することで、DCD countの変化を追跡することによって、新しいDCDメッセージを受信したかどうかを決定する。明らかに、このようにすれば、パワーの浪費になってしまう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】Part16:Air Interface for Fixed and Mobile Broadband Wireless Access Systems Amendment for Physical and Medium Access Control Layers for Combined Fixed and Mobile Operation in Licensed Bands, IEEE P802.16e/D5, September 2004, P.88−89,93−95,[online],2004年9月18日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は上記に鑑みてなされたものであって、より少ないシステムコストを利用して、MBSサービスにマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式を提供するように、マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式を提供する方法、システム、及び装置を提供することを主な課題とする。
【0017】
受信設備が絶え間なくDL-MAPメッセージを追跡する必要のない、マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式を提供する方法、システム、及び装置を提供することを別の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記問題を解決するため、本発明の技術方案が下記のように実現される。マルチキャストマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式を提供する方法であって、
マルチキャストブロードキャストサービスMBSゾーンにて、MBSゾーンに使用される変調と符号化方式DIUC関連情報を含むメッセージを送信するステップと、
モバイルステーションMSSが前記メッセージを受信し、当該メッセージに含まれたDIUC関連情報に基づいて、MBSゾーンにおける他のメッセージを解析し、且つMBSゾーンにおける他のメッセージに対する解析結果に基づいて、MBSサービスデータを受信するステップとを含む。
【0019】
ここで、MBSゾーンにて、MBSゾーンに使用されるDIUC関連情報を含むメッセージを周期的に送信する。
ここで、前記送信されたメッセージが、MBSゾーンにおいて追加されたMBSダウンリンクチャネル説明MBS-DCDメッセージである。
ここで、前記MSSが前記メッセージを受信することは、MBSマッピングMBS-MAPメッセージの位置を決定し、当該MBS-MAPメッセージに基づいて、MBS-DCDメッセージを受信することを含む。
ここで、MBS-MAPメッセージに前記MBS-DCDメッセージの更新を表す情報要素を追加することをさらに含み、
前記MSSが前記メッセージを受信する前に、
受信したMBS-MAPメッセージに付けられたMBS-DCDメッセージ更新情報要素が、自身に保持されたMBS-DCDメッセージにおける更新情報と一致するかどうかを判断し、一致する場合、自身に保持されたMBS-DCDメッセージにおけるDIUC関連情報に基づいて、MBSゾーンでの他のメッセージを直接に受信し、そうでない場合、送信された、且つMBS-MAPメッセージに付けられたメッセージ更新情報と一致する新しいMBS-DCDメッセージを受信するステップをさらに含む。
【0020】
ここで、前記DIUC関連情報がDIUCの定義及びインデックスである。
また、マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式を提供する方法であって、
ダウンリンクフレームにて、ダウンリンクバーストに使用されるDIUC関連情報を含むメッセージを送信ステップと、
MSSは、受信したMBS-MAPメッセージに付けられたメッセージ更新情報要素が、現在自身に保持されているメッセージ更新情報と一致するかどうかを判断し、一致する場合、自身に保持されたDIUC関連情報に基づいて、MBSゾーンでの他のメッセージを直接に受信し、そうでない場合、送信された、且つMBS-MAPメッセージに付けられたメッセージ更新情報要素と一致するメッセージを受信し、当該メッセージに含まれたDIUC関連情報に基づいて、MBSゾーンでの他のメッセージを解析するステップと、
MSSは、MBSゾーンでの他のメッセージに対する解析結果に基づいて、MBSサービスデータを受信するステップと、を含み、
MBS-MAPメッセージに前記メッセージの更新を表す情報要素を追加する。
【0021】
ダウンリンクフレームにて、ダウンリンクバーストに使用されるDIUC関連情報を含むメッセージを周期的に送信する。
前記送信されたメッセージが、ダウンリンクチャネル説明DCDメッセージである。前記MSSが前記メッセージを受信することは、ダウンリンクチャネルマッピングDL-MAPメッセージの位置を決定し、当該DL-MAPメッセージに基づいて、DCDメッセージを受信することを含む。
前記DIUC関連情報がDIUCの定義及びインデックスである。
【0022】
マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式の情報を提供する方法であって、
マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)ゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを送信するステップを含み、前記関連情報は、DIUCの定義及びインデックスを含む。
【0023】
モバイルステーション(MS)においてマルチキャストブロードキャストサービス(MBS)を受信する方法であって、
MBSゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを受信するステップを含み、前記関連情報は、DIUCの定義及びインデックスを含み、
前記方法は、
前記受信されたメッセージに含まれている関連情報に基づいて、MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストを解析するステップと、
MBSゾーンにおける前記ダウンリンクバーストの解析結果に基づいて、MBSサービスデータを受信するステップと、を含む。
【0024】
マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式の情報を提供するように動作する複数の基地局と、複数のモバイルステーション(MS)とを含む無線通信システムであって、
前記基地局は、マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)ゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを送信するように構成され、
前記関連情報はDIUCの定義及びインデックスを含み、
前記MSは、前記関連情報を含むメッセージを受信し、前記メッセージに含まれている関連情報に基づいて、MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストを解析するとともに、前記MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストの解析結果に基づいて、MBSサービスデータを受信するように動作する。
【0025】
マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式の情報を提供する装置であって、
マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)ゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを送信するように構成され、
前記DIUC関連情報は、DIUCの定義及びインデックスを含む。
【0026】
MBSサービスデータを受信するモバイルステーション(MS)であって、
マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)ゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを受信するように動作し、前記関連情報はDIUCの定義及びインデックスを含み、
前記MSは、
受信されたメッセージに含まれている関連情報に基づいて、MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストを解析するとともに、
前記MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストの解析結果に基づいて、MBSサービスデータを受信するように動作する。
【発明の効果】
【0027】
本発明方案は、MBS ZONEにて、MBS ZONEに使用される変調と符号化方式の定義及びインデックスを含むMBS-DCDメッセージを追加し、MSSが当該メッセージに含まれた前記定義及びインデックスに基づいて、ダウンリンクMBSサービスの受信を行う。ここで、追加されたMBS-DCDメッセージの発射に対しては、MBS-MAPメッセージで規定され、また、MBS-MAPメッセージはMBS Serverによって送信されることによって、追加されたMBS-DCDメッセージはMBS ZONEにてMBS Serverにより統一計画されることで、従来技術のように、同じMBS ZONEに位置するセル全てのDCDメッセージの統一計画に新しいエンティティが導入される必要がない。
【0028】
本発明方案は、MBS-MAPメッセージを強化し、即ち、MBS-DCDメッセージの更新を表す情報要素を追加して、MSSは、当該情報要素と現在自身に保持されているDCDメッセージにおける相応情報要素が一致するかどうかによって、新しいDCDメッセージを受信するかどうかを判断し、MSSは、DL-MAPメッセージをずっと追跡する必要なく、MBS-MAPメッセージの情報要素が現在自身に保持されているDCDメッセージにおける相応情報要素と一致しないことが検出された場合のみ、追跡が必要とあるので、IDLEモード又はSLEEPモードにある受信設備が現在のサービスセルのDL-MAPメッセージを絶え間なくモニターする必要なく、MSSのパワー消耗の減少を実現する。
【0029】
本発明方案では、MBS ZONEにおいて、MBS-DCDメッセージを設定し、且つMBS-MAPメッセージを強化することによって、同じMBS ZONEに位置するセル全てのDCDメッセージの統一計画に新しいエンティティを導入する必要なく、MBS ServerによってMBS ZONEでのMBS-DCDメッセージの統一計画を実現するだけでなく、また、MSSは、MBS-MAPメッセージに追加された、MBS-DCDメッセージの更新を表す情報要素が現在自身に保持されているMBS-DCDメッセージにおける相応情報要素と一致するかどうかを判断することによって、新しいMBS-DCDメッセージを受信するかどうかを決定し、MSSは、ずっとDL-MAPメッセージを追跡する必要なく、MBS-MAPメッセージにおける情報要素が現在自身に保持されているDCDメッセージにおける相応要素と一致しないことが検出された場合のみ、追跡が必要となるため、IDLEモード又はSLEEPモードにある受信設備が現在のサービスセルのDL-MAPメッセージを絶え間なくモニターする必要なく、MSSのパワー消耗の減少を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来のIEEE802.16プロトコルで提出されたMBSサービスのネットワーク構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、具体的な実施形態を参照して本発明を詳しく説明する。
本発明の実施形態1では、MBS ZONEに一つのMBS-DCDメッセージ、即ちDIUC値が追加され、現在MBS ZONEに使用されている変調符号化方式の定義に用いられる。定義されたMBS-DCDメッセージの構成は表2に示すようである。
【0032】
【表2】

【0033】
そのうち、Downlink_Burst_Profileの定義について、IEEE802.16-2004の11.4.2を参照して、MBS-DCDメッセージにおいて、Downlink_Burst_Profileが、4ビットのDIUCインデックス各々の具体的な意味を定義する。
【0034】
また、MBS ZONEに設定された全てのメッセージと同様に、MBS-MAPメッセージにおいて、MBS-DCDメッセージの発射位置の規定が必要である。
【0035】
上記の設定によって、MBSサービスを受信したMSSは、MBS-MAPメッセージの位置を決定した後、相応のMBS-DCDメッセージを正確に受信するまで、ずっと当該MBS-MAPメッセージを追跡し、その後、MBS-DCDメッセージにおけるDIUCに対する関連説明を利用して、MBS ZONEでの他のメッセージを解析し、且つ当該解析結果に基づいて、ダウンリンクMBSサービスの受信を行う。
【0036】
本実施形態では、MBS ZONEに、MBS ZONEに使用される変調と符号化方式の定義及びインデックスを含むMBS-DCDメッセージが追加され、MSSは、当該メッセージに含まれた前記定義及びインデックスに基づいて、ダウンリンクMBSサービスの受信を行い、一方、追加されたMBS-DCDメッセージの発射に対しては、MBS-MAPメッセージで規定され、また、MBS-MAPメッセージはMBS Serverにより送信される。そのため、追加されたMBS-DCDメッセージは、MBS ServerによりMBS ZONEで統一計画されることで、従来技術のような、同じMBS ZONEに位置するセル全てのDCDメッセージを統一計画する新しいエンティティの導入が必要でない。
【0037】
本発明の実施形態2では、DCDメッセージの変化に対する追跡ができるように、従来のMBS-MAPメッセージを強化する。このため、MBS-MAPメッセージにおいて、DCD count情報要素の追加が必要で、当該情報要素を用いてDCDメッセージの更新を記録する。強められたMBS-MAPメッセージに含まれる情報要素は、表3に示すようである。
【0038】
【表3A】

【表3B】

【0039】
このようにすると、MSSは、MBS-MAPメッセージを受信すると、MBS-MAPメッセージに付けられたDCD countの値が、現在MSS自身に保持されているDCDメッセージにおける相応のConfiguration Change Countの値と一致するかどうかを検知し、一致する場合、受信を正常に行い、そうでない場合、受信した新しいDCDメッセージに含まれたConfiguration Change Countの値とMBS-MAPメッセージにおけるDCD countの値が一致になるまで、DCDメッセージを追跡する。その後、MSSは、当該新しいDCDメッセージにおけるDIUCに関する説明を利用して、MBS ZONEでの他のメッセージを解析し、且つ当該解析結果に基づいて、ダウンリンクMBSサービスの受信を行う。
【0040】
本実施形態では、MBS-MAPメッセージを強化し、即ち、DCDメッセージの更新を表す情報要素を追加して、MSSは、当該情報要素が現在自身に保持されているDCDメッセージにおける相応の情報要素と一致するかどうかによって、新しいDCDメッセージを受信するかどうかを判断することによって、MSSは、DL-MAPメッセージをずっと追跡する必要なく、MBS-MAPメッセージにおける情報要素が現在自身に保持されているDCDメッセージにおける相応の情報要素と一致でないことを検出した場合のみ、追跡が必要となるので、IDLEモード又はSLEEPモードにある受信設備が現在のサービスセルのDL-MAPメッセージを絶え間なくモニターする必要なく、MSSのパワー消耗の減少を実現する。
【0041】
本発明の実施形態3では、まず、MBS ZONEにMBS-DCDメッセージ、即ちDIUC値が追加され、現在MBS ZONEに使用されている変調符号化方式を定義することに用いられる。MBS-DCDメッセージは表4に示すようである。
【0042】
【表4】

【0043】
そのうち、Downlink_Burst_Profileの定義について、IEEE802.16-2004の11.4.2を参照する。また、MBS-MAPメッセージにおいて、MBS-DCDメッセージの発射位置の規定が必要である。
【0044】
同時に、MBS-DCDメッセージの変化に対する追跡ができるように、MBS-MAPメッセージの強化が必要である。このため、MBS-MAPメッセージにおいて、MBS-DCDカウント(MBS-DCD count)情報要素の追加が必要で、当該情報要素を用いてMBS-DCDメッセージの更新を表す。強められたMBS-MAPメッセージは表5に示すようである。
【0045】
【表5A】

【表5B】

【0046】
上記の設定によって、MSSは、MBS-MAPメッセージを受信すると、まず、MBS-MAPメッセージに付けられたMBS-DCD countの値が現在自分に保持されているMBS-DCDメッセージにおけるConfiguration Change Countの値と一致するかどうかを検知し、一致する場合、受信を正常に行い、そうでない場合、受信した新しいMBS-DCDメッセージに含まれたConfiguration Change Countの値とMBS-MAPメッセージにおけるMBS-DCD countの値が一致になるまで、ずっとMBS-DCDメッセージを追跡し、その後、当該MBS-DCDメッセージにおけるDIUCに関する説明を利用して、MBS ZONEでの他のメッセージを解析し、且つ当該解析結果に基づいて、ダウンリンクMBSサービスの受信を行う。
【0047】
本実施形態では、MBS ZONEにおいて、MBS-DCDメッセージを設定し、且つMBS-MAPメッセージを強化することによって、同じMBS ZONEに位置するセル全てのDCDメッセージを統一計画するように導入する新しいエンティティが不要で、MBS ServerによってMBS ZONEでのMBS-DCDメッセージの統一計画を実現するだけでなく、また、MSSは、MBS-MAPメッセージに追加された、MBS-DCDメッセージの更新を表す情報要素が、現在自身に保持されているMBS-DCDメッセージにおける相応の情報要素と一致するかどうかを判断することで、新しいMBS-DCDメッセージを受信するかどうかを決定し、MSSは、ずっとDL-MAPメッセージを追跡する必要なく、MBS-MAPメッセージにおける情報要素が現在自身に保持されているDCDメッセージにおける相応の情報要素と一致でないことが検出された場合のみ、追跡が必要となるため、IDLEモード又はSLEEPモードにある受信設備が現在のサービスセルのDL-MAPメッセージを絶え間なくモニターする必要なく、MSSのパワー消耗の減少を実現する。従って、本実施形態は本発明の好ましい実施形態である。
【0048】
上記述べたのは本発明の好ましい実施形態であり、本発明の保護範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0049】
BS 基地局
MSS モバイルステーション
MBS サーバ、ブロードキャストサービスサーバ、メディアサーバ、メディアサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式の情報を提供する方法であって、
マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)ゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを送信するステップを含み、前記関連情報は、DIUCの定義及びインデックスを含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
モバイルステーション(MS)が、前記関連情報を含むメッセージを受信し、前記関連情報を含むメッセージに含まれている前記関連情報に基づいて、前記MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストを解析するとともに、前記MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストの解析結果に基づいて、MBSサービスデータを受信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記関連情報を含むメッセージが、MBSダウンリンクチャネル説明(MBS-DCD)メッセージである、
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
MBSマッピング(MBS-MAP)メッセージに、前記関連情報を含むMBS-DCDメッセージの更新を表す情報要素(IE)を追加するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記MSが前記メッセージを受信する前に、
前記MSは、受信されたMBS-MAPメッセージで運ばれた、更新されたIEが、前記MSのMBS-DCDメッセージに保持されている更新情報と一致するかどうかを判断し、一致する場合、前記MSが、前記MSによって保持されているMBS-DCDメッセージで運ばれた関連情報に基づいて、MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストを直接受信し、そうでない場合、前記MSが、前記メッセージ更新情報に関する新しいMBS-DCDメッセージを受信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記MSが前記関連情報を含むメッセージを受信するプロセスは、前記MBS-MAPメッセージの位置を決定するとともに、前記MBS-MAPメッセージに基づいて前記MBS-DCDメッセージを受信することを含む、
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記MBSゾーンに使用される関連情報を含むメッセージは、前記MBSゾーンにおいて周期的に送信される、
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
モバイルステーション(MS)においてマルチキャストブロードキャストサービス(MBS)を受信する方法であって、
MBSゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを受信するステップを含み、前記関連情報は、DIUCの定義及びインデックスを含み、
前記方法は、
前記受信されたメッセージに含まれている関連情報に基づいて、MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストを解析するステップと、
MBSゾーンにおける前記ダウンリンクバーストの解析結果に基づいて、MBSサービスデータを受信するステップと、を含む、
ことを特徴とする方法。
【請求項9】
前記関連情報を含むメッセージは、MBSダウンリンクチャネル説明(MBS-DCD)メッセージである、
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記MBS-DCDメッセージの更新を表す情報要素(IE)は、MBSマッピング(MBS-MAP)メッセージに含まれる、
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記MSが、前記関連情報を含むメッセージを受信する前に、
前記MSが、前記受信されたMBS-MAPメッセージで運ばれた、更新されたIEが、前記MSのMBS-DCDメッセージに保持されている更新情報と一致するかどうかを判断し、一致する場合、前記MSが、前記MSによって保持されているMBS-DCDメッセージで運ばれた関連情報に基づいて、前記MBSゾーンのダウンリンクバーストを直接受信し、そうでない場合、前記MSが、MBS-MAPメッセージによって運ばれたメッセージ更新IEに関する新しいMBS-DCDメッセージを受信するステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ダウンリンクフレームにおけるMBS-MAPメッセージの位置を決定するステップと、
MBSゾーンのダウンリンクフレームにおいて、前記MBS-MAPメッセージに基づいて前記MBS-DCDメッセージを受信するステップとをさらに含む、
ことを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式の情報を提供するように動作する複数の基地局と、複数のモバイルステーション(MS)とを含む無線通信システムであって、
前記基地局は、マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)ゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを送信するように構成され、
前記関連情報はDIUCの定義及びインデックスを含み、
前記MSは、前記関連情報を含むメッセージを受信し、前記メッセージに含まれている関連情報に基づいて、MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストを解析するとともに、前記MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストの解析結果に基づいて、MBSサービスデータを受信するように動作する、
ことを特徴とする無線通信システム。
【請求項14】
マルチキャストサービスマクロダイバーシティに使用される変調符号化方式の情報を提供する装置であって、
マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)ゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを送信するように構成され、
前記DIUC関連情報は、DIUCの定義及びインデックスを含む、
ことを特徴とする装置。
【請求項15】
前記メッセージが、MBSダウンリンクチャネル説明(MBS-DCD)メッセージである、
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
MBSマッピング(MBS-MAP)メッセージに、前記MBS-DCDメッセージの更新を表す情報要素(IE)を追加するようにさらに動作する、
ことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項17】
MBSサービスデータを受信するモバイルステーション(MS)であって、
マルチキャストブロードキャストサービス(MBS)ゾーンにて、DIUCによって表される変調符号化方式の関連情報を含むメッセージを受信するように動作し、前記関連情報はDIUCの定義及びインデックスを含み、
前記MSは、
受信されたメッセージに含まれている関連情報に基づいて、MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストを解析するとともに、
前記MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストの解析結果に基づいて、MBSサービスデータを受信するように動作する、
ことを特徴とするモバイルステーション。
【請求項18】
前記関連情報を含むメッセージは、MBSダウンリンクチャネル説明(MBS-DCD)メッセージである、
ことを特徴とする請求項17に記載のモバイルステーション。
【請求項19】
前記MBS-DCDメッセージの更新を表す、MBSマッピング(MBS-MAP)メッセージ内の情報要素(IE)を受信するように動作する、
ことを特徴とする請求項18に記載のモバイルステーション。
【請求項20】
受信されたMBS-MAPメッセージで運ばれた、更新されたIEが、前記MSのMBS-DCDメッセージに保持されているIEと一致するかどうかを判断し、一致する場合、前記MSは、前記MSに保持されているMBS-DCDメッセージで運ばれたDIUC関連情報に基づいて、MBSゾーンにおけるダウンリンクバーストを直接受信するように動作し、そうでない場合、前記MSは、IE情報に関する新しいMBS-DCDメッセージを受信するように動作する、
ことを特徴とする請求項19に記載のモバイルステーション。

【図1】
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【公開番号】特開2011−205645(P2011−205645A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86163(P2011−86163)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【分割の表示】特願2007−538247(P2007−538247)の分割
【原出願日】平成17年11月1日(2005.11.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(504277388)▲ホア▼▲ウェイ▼技術有限公司 (220)
【Fターム(参考)】