説明

マルチセル燃料電池層及びシステム

燃料電池層は、基材と、基材上に配置された、燃料極、空気極及び電解質を各々有する燃料電池からなるアレイと、該燃料電池のアレイに電気的に接続された導体と、基材の燃料極側に画定された燃料流チャネルと、基材の空気極側に画定された空気極空気流チャネルとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
【背景技術】
【0002】
過去数年の間で、大規模及び小規模両方の電気を生成するための燃料電池の人気と実現性が大幅に高まってきた。燃料電池は、水素や酸素などの反応物を用いた電気化学反応を実施して、電気と熱を生成する。一般的な燃料電池は、燃料極及び空気極といった2つの電極間に配置された電解質を有する。燃料電池は、通常、用いられる電解質の種類によって、プロトン交換膜(PEM)燃料電池、アルカリ燃料電池(AFC)、リン酸燃料電池(PAFC)、固体酸化物燃料電池(SOFC)、及び溶融炭酸塩燃料電池(MCFC)の5つのグループのうちの1つに分類される。全ての燃料電池に望ましい特徴がいくつかあるが、固体酸化物燃料電池(SOFC)には、他のタイプの燃料電池よりも優れた独特の利点が幾つかある。SOFCの幾つかの利点としては、電解質の取り扱いに関する問題の少なさ、他のタイプの燃料電池よりも高い効率(SOFCの効率は最大60%)、燃料不純物に対する耐性の高さ、炭化水素燃料の内部改質又は直接利用が可能であることが挙げられる。
【0003】
ほとんどのSOFCは、酸素イオンを素早く伝導させ得るセラミックスなどの固体材料で作製された電解質を備える。電解質中のイオン伝導率を高めるために、SOFCは、一般に、500〜1000℃の温度範囲で作動する。空気などの酸化剤が空気極に送られると、空気極は、酸素イオンを生成し電解質に供給する。水素やメタンなどの燃料が燃料極に送られると、燃料は、空気極から電解質通って送られてきた酸素イオンと反応する。この反応により電子が生じ、この電子は、有効電力として外部回路に送られる。有効電力量を高めるために、アレイ、即ち燃料電池スタックとして、セラミック基材上に複数の燃料電池が集められる。これらのスタックを互いに積層させることで、燃料電池システムが構成される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
SOFCの作動に関しては、各層は、多くの場合、室温とその最高作動温度との間で繰り返される。この熱サイクルにより、ハウジング材料は、その熱膨張率に従って伸縮する。この伸縮により、シール材や他の構造構成要素を介してセラミックセルへと直接伝わる場合のある熱応力が生じる。この熱応力によって、シール材が破損したり、構造的に脆いセラミックセルが破壊されたりすることにより、SOFCの耐用年数が短くなる。熱サイクルに適応しつつ、個々の部品間のシール関係を維持するのは困難である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
添付の図面は、本発明の装置及び方法の種々の実施形態を示しており、本明細書の一部である。図示する実施形態は、単に本装置及び方法の例であって、開示の範囲を限定するものではない。
【0006】
図面全体にわたって、同一の符号は、必ずしも同一とは限らないが、類似する要素を指す。
【0007】
燃料電池層は、基材と、燃料極、空気極及び電解質を各々有する燃料電池のアレイと、該燃料電池のアレイに電気的に接続された導体と、基材の燃料極側に画定された燃料流チャネルと、基材の空気極側に画定された空気極空気流チャネルとを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下の記載では、説明のために、本発明の方法及び装置の完全な理解をもたらすべく多数の具体的詳細例を示す。しかしながら、当業者であれば、本発明の方法及び装置が、そのような具体的詳細例なしに実施し得ることは理解されよう。本明細書において、「一実施形態」又は「ある実施形態」は、その実施形態に関連して述べる特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な箇所に現れる「一実施形態」という句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。
例示的な構造
図1A〜図1Bは、一般にセラミック基材(110)上に形成された複数の個別の燃料電池(105)を備える、燃料電池層(100)の平面図及び下面図を示している。各燃料電池は、基材(110)上に形成された燃料極、空気極及び電解質を備える。電解質は、基材(110)の非活性部をシールするために用いることができる。燃料電池層(100)は、空気極側(図1Aの115)と燃料極側(図1Bの120)の2つの相対する面を有する。
【0009】
図1Aは、空気極側(115)を示しており、そこには、基材(110)内に空気極空気流チャネル(125)が画定されている。空気極空気流チャネル(125)は、基材(110)に形成されたくぼみ、溝、経路などであり、空気極空気入口(130)と過剰空気極空気出口(135)の間に延在し、それらと流体連通している。チャネル(125)の幅は、燃料電池(105)のアレイに対応する。図1Aに示すように、空気極空気入口(130)と過剰空気極空気出口(135)は、基材(110)の反対側の角にある。空気極空気流チャネル(125)は、空気流軸(140)を有する。作動時、空気極空気は、空気極空気流チャネル(125)内を、空気流軸(140)とほぼ平行な方向に流れる。空気極空気は、空気極空気入口(130)から空気極空気流チャネル(125)を通って流れ、過剰空気極空気出口(135)から出るが、その際、個別の燃料電池(105)を横切って流れる。個別の燃料電池は、基材(110)の空気極側(115)に形成されており、燃料電池スタック(145)を構成している。燃料電池スタック(145)は、平面アレイとし得る。燃料電池スタック(145)内では、個別の燃料電池(105)は、それぞれ隣りの燃料電池と直列に接続されている。正極導体(150)は、燃料電池スタック(145)に接続されており、空気極空気入口(130)へとつながっている。また、負極導体(155)は、燃料電池スタック(145)に接続されており、過剰空気極空気出口(135)へとつながっている。したがって、空気極側(115)は、燃料電池層(100)の正電圧をもたらす回路側として機能する。
【0010】
図1Bは、基材(110)内に燃料流チャネル(160)が画定された、基材(110)の燃料極側(120)を示している。燃料流チャネル(160)は、基材(110)内に形成され、燃料入口(165)と出口(170)との間に延在し、それらと流体連通しているくぼみ、溝、経路などである。燃料流チャネル(160)の幅は、燃料電池(105)のアレイの幅に応じ、一般に空気極空気流チャネル(125)の幅に対応する。図1Bに示すように、燃料入口(165)と出口(170)は、基材(110)の相対する隅に画定されている。燃料入口(165)と出口(170)は、空気極空気入口(図1Aの130)と過剰空気極空気出口(図1Aの135)によって占有されていない2つの相対する隅に画定される。燃料流チャネル(160)は、燃料流軸(175)を有する。作動時、燃料は、燃料流軸(175)と平行な方向にチャネル(160)内を流れる。燃料は、基材表面(110)を横切って流れながら、燃料入口(165)から燃料流チャネル(160)を通って出口(170)へと流れる。燃料流チャネル(160)は、燃料電池スタックの空気流チャネル(図1Aの125)と反対側にある。
【0011】
燃料流軸(175)は、空気流軸(図1Aの140)に対して或る角度を成している。図示する実施形態では、空気流軸(140)と燃料流軸(175)は実質的に互いに垂直であり、各々、対向する入口と出口若しくは排出口との対角線に沿って基材(110)を横切る。したがって、図示する構成の燃料電池スタックでは、基材(110)の相対する側において、空気及び燃料が交差する向きにて流れるように、空気極空気及び燃料を流す機構がもたらされる。
【0012】
燃料入口(165)及び出口(170)の空気極側(115)と、空気極空気入口(130)及び過剰空気極空気出口(135)の燃料極側(120)には、シール材(180)が配置される。シール材(180)の構成については、後でより詳しく説明する。
【0013】
燃料電池層(100)上の燃料流又は空気流を促進するために、燃料流及び/又は空気流内に、バッフルアレイ(185)のような、流れを調節する構造要素を配置することができる。そのような流れを調節する構造要素は、燃料流と空気流の乱れを大きくしたり、空気流若しくは燃料流の平面流れの空間分布を調整したりすることによって、燃料電池層の性能を改善することができる。そのような調節構造要素(185)は、燃料電池層(100)の両方の側にわたって均一な流れ場を実現するように設計することができる。個別の燃料電池層を積み重ねることによって、後述するように燃料電池システムの一部とし得る燃料電池層を形成することができる。
例示的な実施形態及び動作
図2A及び2Bは、複数の燃料電池層(図1A及び図1Bの100)を集めた燃料電池システム(200)の上面図並びに下面図を示している。燃料電池層(100)は、基盤(210)と蓋(220)との間に収容されている。基盤(210)は、空気及び燃料の経路指定部材を備える。新しい空気極空気は、空気極空気入口(230)を介してシステムに導入され、過剰な空気極空気は、過剰空気極空気出口(240)を介して排出される。燃料は、燃料入口(250)を介してシステムに導入され、過剰の燃料及び副生物は、燃料排出口(260)を介して排出される。後でより詳しく説明するように、空気極空気入口(230)、空気極空気出口(240)、燃料入口(250)、及び燃料排出口(260)の各々は、システム(200)を構成する各燃料電池層(100)の対応する入口及び出口に流体連通している。
【0014】
蓋(220)は、燃料電池システム(200)から電気を引き出すための正極スタック電気接続(270)及び負極スタック電気接続(280)を備える。これらの接続(270及び280)は、システム(200)内の燃料電池層(100)の対応する導電体(例えば、図1Aの150及び155)に電気的に接続されている。具体的な燃料及び空気の経路並びに電気の経路をはじめとする燃料電池システム(200)の作動に関しては、後で詳細に説明する。
【0015】
図3は、燃料電池システムを構成する方法を示すフローチャートである。当該方法は、燃料電池層(300)を設けることにより開始する。燃料電池層は、燃料電池のアレイがその上に形成された基材を備える。燃料電池の各々は、燃料極、空気極、及び電解質を有する。隣り合った燃料電池は、電気的に直列となるように接続される。燃料流チャネルと空気極空気流チャネルとは、基材の反対側に画定され、ほぼ直線(generally reactilinear)とし得る。基材の4つの隅のそれぞれに、貫通孔が形成されている。対向する隅に形成された貫通孔の2つは、燃料流チャネルにそれぞれ接続された燃料入口及び出口である。他の対向する隅に形成された他の2の貫通孔は、空気極空気流チャネルにそれぞれ接続された空気極空気入口と過剰空気極空気出口を有する。
【0016】
基材の空気極空気流チャネルと同じ側に導体が配置される。この導体は、燃料電池アレイに接続され、空気極空気入口まで延在する正極導体を含む。他の導体は、同じく燃料電池アレイに接続され、過剰空気極空気出口まで延在する負極導体である。したがって、空気極側は、燃料電池層の回路側である。さらに、前述のように、空気極空気流チャネルと燃料流チャネルは、燃料電池層の基材の両側に燃料と空気が流れる際に、燃料と空気極空気が互いに交差する向きに流れ、交差流の形態となるように配置されている。
【0017】
次に、燃料電池層を積み重ねる(ステップ310)。あるいはまた、1つの燃料電池層が、一方の側の隣り合った第1の燃料電池層と燃料流チャネルを共用し且つ他方の側の隣り合った第2の燃料電池層と空気極空気流チャネルを共用するように、燃料電池層を積み重ねる。シール材は、貫通孔の相対する側の周囲に配置される。例えば、シール材は、燃料貫通孔の空気極側と、空気極空気貫通孔の燃料極側に配置される。シール材はまた、縁部の燃料電池層の両側にも配置される。さらに、積み重ねられたとき、貫通孔はプレナムを形成し、例えば、空気極空気入口が空気極空気入口プレナムを形成し、過剰空気極空気出口が、過剰空気極空気出口プレナムを形成する。正極スタック電気接続は、空気極空気入口プレナム内に部分的に配置され(ステップ320)、各正極導体に接続される(ステップ330)。同様に、負極スタック電気接続は、過剰空気極空気出口プレナム内に部分的に配置され(ステップ340)、各負極導体に接続される(ステップ350)。
【0018】
燃料電池層を積み重ね(ステップ310)、電気接続を行い、燃料経路を確立した(ステップ320〜350)後で、スタックアセンブリの上と下をそれぞれスタック蓋とスタック基盤で覆う(ステップ360)。電気接続部は、正極スタック接続と負極スタック接続に容易にアクセスできるようにスタック蓋から突出させることができる。次に、燃料と空気極空気を提供し、過剰空気極空気と燃料及び電気化学反応の副生物とを排出するために、空気極空気プレナム、燃料プレナム及び排出プレナムの各々と流体連通している基盤の入口及び出口に継手が取り付けられる(ステップ370)。
【0019】
実質的に全てがセラミックスからなる設計であるため、シール材は、典型的なSOFCシステムの場合のように2つの材料セットの差異を分かち合うのではなく、1つの材料セットに関し最適化することができる。これらのシール材は、導電性とすることも、非導電性とすることもできる。適切なシール材の一例は、セラミック系接着シール材である。1つのセラミック材料だけを用いることにより、設計者は、シーラントの熱膨張率(CTE)をセラミックスのCTEに合わせ、それによって熱サイクルによって生じる応力を小さくすることができる。また、これにより、典型的な平面スタックに見られる圧縮応力を小さくしたり、あるいはなくすことができる。セラミックスの応力が小さくなると、設計の信頼性及び頑強性が向上し、それによって燃料電池システムの実現性が高まる。さらに、隣り合った燃料電池層の間で1つの共通の燃料及び/又は空気容積を共用することによって、燃料電池システムを小型化しやすくなり、スタックを高温にするための起動エネルギー要件が軽減される。
【0020】
図4A及び図4Bは、複数の燃料電池層(図1A及び図1Bの100)を背中合わせに配置した燃料電池システム(200)の部分断面図を示している。図4Aに示すように、燃料電池システム(200)は、燃料電池層(100)を背中合わせにグループ化することによって構成された、交互になった燃料流プレナム(400)と空気極空気流プレナム(410)を含む。図4に示すように、燃料流プレナム(400)に流れ込む燃料はバッフル(185)を通る。また、空気極空気入口(図1の130)は、グループ化された場合に空気極空気入口プレナム(420)を形成し、過剰空気極空気出口(図1の135)は、過剰空気極空気出口プレナム(430)を形成する。空気極空気は、空気極空気入口(230)を介して基盤(210)に導入され、空気極空気入口プレナム(420)を通って空気極空気流プレナム(410)の各々へと流れ、過剰流プレナム(430)を通って、過剰空気極空気出口(240)から基盤(210)に戻る。シール材(180)は、燃料電池層(100)の空気極側(図1Aの115)の燃料入口と出口(図1Bの165と170)の間に配置され、燃料が空気極空気流プレナム(410)に入るのを防ぐ。したがって、空気極空気流プレナムの各々は、入口空気極空気プレナム(420)と過剰空気極空気プレナム(430)と流体連通することで、空気経路システムが形成される。
【0021】
各導体(図1の150及び155)は、電気回路の一部である。正極導体(図1の150)は、空気極空気入口プレナム(420)内に部分的に配置された正極スタック電気接続(270)に接続される。負極導体(図1の155)は、負極スタック電気接続(280)に接続され、該負極スタック電気接続(280)は、過剰空気極空気出口プレナム(430)内にやはり部分的に配置される。図示するスタック構成では、各燃料電池層、即ち発電層は、電気回路内の他の燃料電池層に対して平行に配置される。したがって、各燃料電池層(100)内の燃料電池は直列であり、燃料電池層(100)は並列である。この直列回路と並列回路の構成によって、システム電圧を高くすることができる。システム電圧が高くなると、それに対応して高い電圧によって生成される電流が減少するため、システム内の抵抗損失が低下する。
【0022】
図4Bは、燃料電池システム(100)を通る燃料の流れを示している。燃料入口(図1の165)は、燃料入口プレナム(440)を形成し、排出貫通孔(図1の170)は、排出プレナム(450)を形成する。燃料は、燃料入口(250)を介して基盤(210)に導入され、燃料入口プレナム(440)を通って、共用の燃料流チャネル(図1の160)によって形成された燃料流プレナム(400)へと流れ込み、排出プレナム(450)を通り、排出口(260)から基盤(210)に戻る。さらに、空気極空気流プレナム(410)に流れる空気極空気は、流れ調節構造要素(185)上を通る。シール材(180)は、燃料電池層(100)の燃料極側(図1の120)の空気極空気貫通孔(130、135)の間に配置され、空気極空気が燃料流プレナム(400)に入るのを防ぐ。したがって、各燃料流プレナム(400)は、燃料入口プレナム(440)及び燃料排出プレナム(450)と流体連通して、燃料及び排出経路システムが形成される。
【0023】
前述のように、空気極空気と燃料は、燃料電池スタック(140)を交差流の形態で横切って流れる。各燃料電池層(100)は、1つの非対称部分を含み、それによって過去のシステムよりも部品数が少なくなる。さらに、本システムは、回路の少なくとも一部の構成によって、より低い抵抗損失にてより高い電力出力をもたらす。さらに、シールは、複雑な圧縮アセンブリや脆いシール材を使用することなく維持される。そのような部品の減少によって、より安価でより信頼性の高い燃料電池システムが可能になる。
代替実施形態
図5は、個別の燃料電池(105)を空気極側(120a)に形成し、燃料電池スタック(145a)が構成されている、燃料電池層(100a)を示している。燃料電池スタック(145a)は、平面アレイとし得る。この実施形態では、燃料電池(105)の空気極が基材(110a)の最も近くに形成され、燃料極が外側にある。さらに、正極導体(150a)は、燃料電池スタック(145a)に接続され、燃料入口(165a)につながっている。また、負極導体(155a)は、燃料電池スタック(145a)と出口(170a)に接続されている。したがって、この実施形態では、燃料極側(115)は、燃料電池層(100a)の回路側として機能する。
【0024】
図6A〜図6Bは、入口/排出口(610)を有するマニホルド(600)によって空気極空気プレナム(図4のステップ410)及び燃料流プレナム(図4の470)を介して空気と燃料が導入され引き出される燃料電池システム(200a)を示している。燃料及び空気入口/排出口を導入することによって、スタックの特定の層を任意にオンオフすることができ、それによって、完全に均一なスタック作動温度を維持しながら、電源出力のダイナミックレンジを広くすることができる(「負荷追従」)。
【0025】
さらに他の実施形態(図示せず)では、製作シーケンスによって作り出される個々のセル領域の空間的変動を制御することによって、面内の温度勾配を小さくすることができる。そのような温度勾配は、従来の平面SOFCスタック設計の課題である。同じように、必要に応じて、セルサイズ及び面内配置を変更することによって、所定のプレートを横切る燃料及び空気の消耗プロファイルを調整することができる。
【0026】
以上の説明は、本発明の方法並びに装置を例示し説明するためにのみ提示した。これらの説明は、網羅的なものではなく、示したいかなる厳密な形態にも開示内容を限定するものではない。以上の教示に鑑みて、多くの改良及び変更が可能である。本発明の範囲は以下の特許請求の範囲によって定義されることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】例示的な一実施形態による燃料電池層の空気極側を示す図
【図1B】例示的な一実施形態による燃料電池層の燃料極側を示す図
【図2A】例示的な一実施形態による燃料電池システムの下面図
【図2B】例示的な一実施形態による燃料電池システムの上面図
【図3】例示的な一実施形態による燃料電池システムの使用方法を示すフローチャート
【図4A】例示的な一実施形態による燃料電池システムの部分断面図
【図4B】例示的な一実施形態による燃料電池システムの部分断面図
【図5】例示的な一実施形態による燃料電池層の燃料極側を示す図
【図6A】例示的な一実施形態による燃料電池システムを示す図
【図6B】例示的な一実施形態による燃料電池システムを示す図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材(110)と、
前記基材(110)上に配置された、燃料極、空気極及び電解質を各々有する燃料電池(105)から成るアレイ(145)と、
前記燃料電池アレイ(145)に電気的に接続された導体(150、155)と、
前記基材(110)の燃料極側(120)に画定された燃料流チャネル(160)と、
前記基材(110)の空気極側(115)に画定された空気極空気流チャネル(125)と、
を含む、マルチセル燃料電池層。
【請求項2】
前記基材(110)内に画定されており、前記燃料流チャネル(160)と流体連通している燃料入口(165)及び排出口(170)をさらに含む、請求項1に記載の燃料電池層。
【請求項3】
前記基材(110)内に画定されており、前記空気極空気流チャネル(125)と流体連通している空気極空気入口(130)及び過剰空気極空気出口(135)をさらに含む、請求項2に記載の燃料電池層。
【請求項4】
燃料電池システムであって、
基材(110)上に配置された、燃料極、空気極、電解質及び導体を各々有する燃料電池(105)から成るアレイ(145)と、前記基材(110)の燃料極側(120)に画定された燃料流チャネル(160)と、前記基材(110)の空気極側(115)に画定された空気極空気流チャネル(125)とをそれぞれ備える複数の燃料電池層(100)を含んで成り、
前記燃料電池層(100)が、交互に積み重ねられている、燃料電池システム。
【請求項5】
1つの燃料電池層(100)が、隣り合った第1の燃料電池層と燃料流チャネル(160)を共用して燃料流プレナム(400)を形成し且つ隣り合った第2の燃料電池層と空気極空気流チャネル(125)を共用して空気極空気流プレナム(410)を形成するように、前記燃料電池層(100)が接続されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記基材(110)内に画定された、前記燃料流プレナム(400)と流体連通する燃料入口プレナム(440)及び排出プレナム(450)を形成する、複数の燃料入口(165)及び出口(170)をさらに含み、且つ前記基材(110)内に画定された、前記空気極空気流プレナム(410)と流体連通する空気極空気入口プレナム(420)及び過剰空気極空気出口プレナム(430)を形成する、空気極空気入口(130)及び過剰空気極空気出口(135)をさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記燃料電池層(100)の各々の上にある、前記空気極空気入口(130)に接続された正極導体(150)、並びに前記燃料電池層(100)の各々の上にある、前記過剰空気極空気出口(135)に接続された負極導体(155)と、前記空気極空気入口プレナム(420)内に配置された前記正極導体(155)の各々に接続された正極スタック接続(270)と、前記過剰空気極空気出口プレナム(420)内に配置された前記負極導体(155)の各々に接続された負極スタック接続(280)とをさらに含む、請求項6に記載に記載のシステム。
【請求項8】
前記燃料入口プレナム(440)内に配置された、前記燃料流プレナム(400)に接続される複数の選択的に開口している入口(610)を有する燃料マニホルド(600)と、前記排出プレナム(450)内に配置された、前記燃料流プレナム(400)に接続される複数の選択的に開している入口(610)を有する排出マニホルド(600)とをさらに含む、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記空気極空気入口プレナム(420)内に配置された、前記空気極空気流プレナム(410)に接続される複数の選択的に開口した入口(610)を有する空気極空気入口マニホルド(600)と、前記過剰空気極空気プレナム(430)内に配置された、前記空気極空気流プレナム(400)に接続される複数の選択的に開口した入口(610)を有する過剰空気極空気マニホルド(600)とをさらに含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
燃料電池システムを形成する方法であって:
基材(110)と、前記基材(110)上に配置された、燃料極、空気極、電解質及び導体を各々有する燃料電池から成るアレイ(145)と、前記基材(110)の燃料極側(120)に画定された燃料流チャネル(160)と、前記基材(110)の空気極側(115)に画定された空気極空気流チャネル(125)とを有する複数の燃料電池層(100)を設けること;及び
1つの燃料電池層(100)が、隣り合った第1の燃料電池層と空気極空気流チャネル(125)を共用し且つ隣り合った第2の燃料電池層と燃料流チャネル(160)を共用するように、前記燃料電池層(100)を接続させること、
を包含する、方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2007−508676(P2007−508676A)
【公表日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535321(P2006−535321)
【出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【国際出願番号】PCT/US2004/012470
【国際公開番号】WO2005/041340
【国際公開日】平成17年5月6日(2005.5.6)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】