マルチタップ
【課題】負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる安価なマルチタップを提供する。
【解決手段】テーブルタップの器体には、プラグの栓刃が接続される刃受けばね42及び刃受け部材45が収納されている。器体の内部には、上板部31bを表面に露出させた状態で押釦31が収納されている。この押釦31の操作に応じて、刃受けばね42及び刃受け部材45に給電する状態と給電を停止する状態とが切り替えられる。押釦31には、刃受けばね42及び刃受け部材45に給電している状態及び給電を停止している状態を表示する表示体32が保持されている。表示体32は、押釦31に設けられた表示窓31aから給電状態を表示するON表示部32aが露出する位置と、表示窓31aから給電停止状態を表示するOFF表示部32bが露出する位置との間でスライド移動自在に押釦31に保持されている。
【解決手段】テーブルタップの器体には、プラグの栓刃が接続される刃受けばね42及び刃受け部材45が収納されている。器体の内部には、上板部31bを表面に露出させた状態で押釦31が収納されている。この押釦31の操作に応じて、刃受けばね42及び刃受け部材45に給電する状態と給電を停止する状態とが切り替えられる。押釦31には、刃受けばね42及び刃受け部材45に給電している状態及び給電を停止している状態を表示する表示体32が保持されている。表示体32は、押釦31に設けられた表示窓31aから給電状態を表示するON表示部32aが露出する位置と、表示窓31aから給電停止状態を表示するOFF表示部32bが露出する位置との間でスライド移動自在に押釦31に保持されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチタップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラグが着脱自在に接続されるプラグ接続口を複数備え、各プラグ接続口に対応して電源供給を入り切りするためのスイッチが設けられたテーブルタップがあった(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−221035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のテーブルタップは、プラグ接続口にプラグが接続されている負荷の不使用時に、対応するスイッチをオフさせることによって、負荷への給電を停止し、負荷で消費される待機電力の低減を図っていた。そのため、スイッチの消し忘れが容易に判別できるように、スイッチのオン状態とオフ状態を容易に判別できるようにしたいという要求があった。一方、スイッチがオン状態であるかオフ状態であるかを表示する構成を付加すると、部品が増加して、製造コストが高くなるという問題もある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる安価なマルチタップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願のマルチタップは、器体と、操作部と、表示体とを備える。器体は、プラグの栓刃が接続される刃受け部材を収納する。操作部は、器体の表面に操作部位を露出させた状態で器体に収納され、刃受け部材に給電する状態と給電を停止する状態とを切り替えるために操作される。表示体は、給電状態及び給電停止状態をそれぞれ表示する第1表示部及び第2表示部を有し、操作部に設けられた表示窓に第1表示部が臨む位置と、表示窓に第2表示部が臨む位置との間でスライド移動自在に操作部に設けられている。
【0007】
このマルチタップにおいて、器体に収納され外部電源から刃受け部材への給電経路に設けられた接点と、器体に収納され操作部の操作に応じて接点のオン状態及びオフ状態を切り替える開閉機構とを備えることも好ましい。
【0008】
このマルチタップにおいて、押圧部材と、駆動部とを備えることも好ましい。押圧部材は、第1表示部及び第2表示部のうち何れか一方の表示部が表示窓に臨む位置に表示体をスライド移動させる押力を表示体に常時付与する。駆動部は、開閉機構によって、一方の表示部に対応した接点状態とは異なる状態に接点が切り替えられると、操作部側に移動し、押圧部材の押力に抗して表示体を反対方向にスライド移動させる。
【0009】
このマルチタップにおいて、以下のような構成を備えることも好ましい。操作部は、ユーザの押操作に応じて器体の内側に押し込まれる押釦からなる。開閉機構は、固定接点と、可動接点が設けられた可動接触子と、押釦が器体の内側に押し込まれると押釦を器体の外側に押し返す弾性力を押釦に作用させるバネ部材と、可動接点が固定接点と接触する位置及び可動接点が固定接点から開離する位置の何れかに可動接触子を駆動する駆動子と、押釦が押し込まれる毎に駆動子を反転駆動させるカム部材とを備える。押釦は、バネ部材とカム部材と表示体とを保持する。
【0010】
このマルチタップにおいて、表示体をスライド移動自在に収納する収納溝が操作部に設けられ、収納溝の内壁には、表示体と係合する凸部が表示体のスライド方向に沿って設けられることも好ましい。
【0011】
このマルチタップにおいて、第1表示部及び第2表示部のうち少なくとも何れか一方の表示部が蓄光材料で形成されることも好ましい。
【0012】
このマルチタップにおいて、第1表示部及び第2表示部は、2色成型法を用いて表示体と一体に形成されることも好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる安価なマルチタップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の刃受けブロックの分解斜視図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】(a)は同上の平面図、(b)は同上の側面図である。
【図4】同上の斜視図である。
【図5】同上の刃受けブロックの分解斜視図である。
【図6】同上の押釦を示し、(a)は上側から見た斜視図、(b)は下側から見た斜視図である。
【図7】同上の押釦の下面図である。
【図8】同上の押釦の断面図である。
【図9】同上の断面図である。
【図10】同上の接点の切替動作を説明する断面図であり、(a)はオフ状態の断面図、(b)はオン状態及びオフ状態の間の状態を示す断面図、(c)はオン状態の断面図である。
【図11】(a)(b)は同上の表示体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願をテーブルタップに適用した実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。尚、以下ではテーブルタップを例に説明するが、吊り下げて使用されるペンダント型のマルチタップや、電源コードの代わりに電源用刃が設けられた差込式マルチタップに本願を適用しても良いことは言うまでもない。また、以下の説明ではプラグが接続される刃受けブロックを3口備えているが、刃受けブロックの数は3個に限定されるものではなく、複数の刃受けブロックを備えていればよい。
【0016】
本実施形態のテーブルタップは例えば机や床に置いて使用されるものである。以下の説明では特に断りがないかぎり、使用状態における上下(すなわち図3(b)の上下)を上下方向とし、図3(b)における左右を左右方向とし、図3(b)の紙面に垂直な方向を前後方向とし、図3(a)の下側を前側として説明を行う。
【0017】
テーブルタップの器体1は、図2〜図4に示すように、細長の直方体状に形成されており、ボディ2と上カバー3と中カバー4とで構成される。
【0018】
ボディ2は合成樹脂成形品からなり、上面が開口した略矩形箱状に形成されている。上カバー3は合成樹脂成形品からなり、下面が開口した略矩形箱状に形成されている。中カバー4は合成樹脂成形品からなり、後面が開口した略矩形箱状に形成されている。中カバー4の前面には、前方から見た形状が略矩形状の突台5が左右及び中央の3箇所に設けられている。各突台5には、図示しないプラグの平行栓刃が挿入される栓刃挿入口6が2個ずつ形成されている。中カバー4は、ボディ2と上カバー3とで囲まれる空間に、突台5を前面側に向けた状態で収納されている。ボディ2の前側壁には、対応する突台5の下側部が挿入される凹溝7が3箇所に設けられている。同様に上カバー3の前側壁にも、対応する突台5の上側部が挿入される凹溝8が3箇所に設けられている。
【0019】
上カバー3の開口縁には、ボディ2に形成された溝9に係合する爪10が数カ所に設けられており、ボディ2の開口を塞ぐようにしてボディ2に上カバー3を被せると、爪10が溝9に係合することによって、上カバー3がボディ2に仮固定される。そして、ボディ2に設けられた貫通孔11に通されたネジ12を、上カバー3に設けられたネジ穴(図示せず)にねじ込むことによって、ボディ2と上カバー3とが結合される。
【0020】
この器体1の内部には、3個の刃受けブロック20a,20b,20cと、刃受けブロック20a,20b,20cに電源を供給するための導電板40a,40bとが収納されている。
【0021】
2本の導電板40a,40bは、それぞれ、導電性の良好な金属(例えば銅合金)により細長い板状に形成されており、長手方向の一端側(左側)にはかしめ片41a,41bが設けられている。器体1の左側面には、外部から電源コード50を導入するための丸孔状の貫通孔が形成されており、この貫通孔を通して内部に導入された電源コード50の芯線51が、それぞれ、かしめ片41a,41bにかしめ固定されている。したがって、電源コード50の他端側に設けられたプラグ(図示せず)を電源コンセントに接続すると、電源コード50を介して導電板40a,40bに電源が供給されるのである。尚、電源コード50において、器体1から外部に導出される部位は、弾性を有する合成樹脂により形成されたブッシング52で覆われており、電源コード50が断線しにくくなっている。
【0022】
次に、刃受けブロック20a,20b,20cについて説明する。刃受けブロック20a,20b,20cは同様の構成を有しているので、図1を参照して刃受ブロック20aの説明を行い、他の刃受けブロック20b,20cにおいて刃受けブロック20aと共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。尚、図1では図示を簡略化するため、刃受けブロック20aのみを図示している。
【0023】
刃受けブロック20aの器体21はボディ22とカバー23とで構成される。ボディ22は、耐熱性および耐トラッキング性に優れた熱硬化性樹脂(例えばユリア樹脂など)により上面が開口した略箱状に形成され、その内部は隔壁によって複数の空間に仕切られている。またカバー23は、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂(例えばABS樹脂など)により形成され、上面が開口した筒状の収納部23aを有している。またカバー23の左右両側部からは下方に向かって組立片23bがそれぞれ突出しており、各組立片23bの穴23cをボディ22の側壁に設けた突起22hに係合させることで、ボディ22とカバー23とは結合される。
【0024】
カバー23には、中カバー4と対向する部位に、中カバー4に設けた穴と係合する位置決め用の突起23eが設けられている。またカバー23の底面には、刃受け部材45の取付片47に設けられた穴47aと係合する突起23gが設けられている。
【0025】
ボディ22の前後方向中央部には、後述の接点部(固定接点49及び可動接点25からなる)を収納する収納凹部22fが設けられている。ボディ22において収納凹部22fよりも前側には、上側及び左右両側に開口したスリット22aが形成されており、このスリット22aには導電板40aが挿入されている。ボディ22において収納凹部22fよりも後側には、上側及び左右両側に開口したスリット22bが形成されており、このスリット22bには導電板40bが挿入されている。
【0026】
ボディ22においてスリット22aよりも前側部には、それぞれ上側及び前側が開放された凹部22c,22dが設けられている。左側の凹部22cには、導電板40aの対応する部位に設けられた刃受けばね42が収納されている。右側の凹部22dには、刃受け部材45に設けられた刃受けばね46が収納されている。
【0027】
刃受け部材45は、例えば銅合金からなる板金にプレス加工を施して形成される。この刃受け部材45は、一対のバネ片の間で栓刃を挟む刃受けばね46を備えている。刃受けばね46の後部からは矩形板状の取付片47が後方に延び、この取付片47はスリット22aと凹部22dとの間の隔壁22e上に載置される。取付片47の後部からは斜め下向きに固定端子片48が延びており、この固定端子片48には、かしめ固定或いはレーザ溶接などの方法で固定接点49が固着されている。この固定端子片48は収納凹部22fに挿入され、固定接点49は収納凹部22f内に配置される。
【0028】
導電板40bには、各刃受けブロック20a,20b,20cの収納凹部22fに対応する部位に、収納凹部22fの底部に配置されるL字形の基底片43が設けられている。
【0029】
収納凹部22f内には、導電板からなる可動接点板24が収納されている。この可動接点板24には、刃受け部材45の固定接点49に対応する位置に可動接点25が設けられている。可動接点板24は基底片43上に配置され、基底片43との当接部位を支点として前後に回転する。また可動接点板24の側縁に設けた突起24aが収納凹部22fの内壁に設けられたV溝22gに挿入されることで、可動接点板24の回転範囲が規制されている。
【0030】
この可動接点板24を駆動する開閉機構26は、コイルばね27と、駆動子28と、スライドカム29(カム部材)と、板ばね30と、押釦31とで構成され、この開閉機構26について図1、図5〜図10を参照して説明する。
【0031】
コイルばね27の一端側には、可動接点板24の上部に設けられたバネ受け用の突起24bが挿入される。コイルばね27の他端側は駆動子28に設けられた筒部28a内に挿入される。
【0032】
駆動子28について図1、図5及び図9を参照して説明する。駆動子28は合成樹脂成形品からなり、下側に開口した筒部28aを備えている。駆動子28は、両側に設けられた三角形状の軸28bをカバー23の軸受け溝23dに嵌め込むことによって、カバー23に対して回転自在に取り付けられる。駆動子28の上部には、スライドカム29を押し動かす一対の突起28c,28dが設けられ、駆動子28の回転に応じて突起28c,28dのうちの一方が上側に、他方が下側に位置することになる。そして、上側に位置する突起28c又は突起28dがスライドカム29に押されて、駆動子28が反対側に回転するようになっている。
【0033】
押釦31について図1,図6〜図9を参照して説明する。押釦31は合成樹脂成形品からなり、平面視の形状が略矩形状の上板部31bと、上板部31bの全周から下方に突出する側部31cとを有し、カバー23の収納部23a内に上下動自在に配置されている。この押釦31の上板部31bは、上カバー3の上面に設けた窓穴14から外部に露出しており、窓穴14を通してユーザが上板部31bの押操作を行えるようになっている。従来のタンブラー型のハンドルを備えたテーブルタップに比べて、押釦31は上カバー3の上面と略同じ面高さとなっているので、押釦31が目立たず、意匠性の向上が図られている。
【0034】
上板部31bの裏面にはスライドカム29が取り付けられている。スライドカム29は合成樹脂により四角枠状に形成されている。スライドカム29の4辺のうち、駆動子28の回転方向において対向する2辺には、駆動子28の突起28c及び突起28dがそれぞれ係合するカム部29a及びカム部29bが設けられている。またスライドカム29の残りの2辺のうち、一方の辺からは、一対のバネ片29c,29dが、他方の辺に向かって突出しており、両バネ片29c,29dは先端にいくほど互いの距離が短くなるように斜めに突出している。両バネ片29c,29dの間には、上板部31bの裏面に設けられた突起が挿入されている。駆動子28が図9中の右回りに回転している状態で、押釦31の下降に伴ってスライドカム29が下降すると、上側に位置する突起28cを対応するカム部29aが押すことによって、スライドカム29は前方に移動する。このとき、後側のバネ片29cが上板部31b裏面の突起によって撓められることになり、バネ片29cのバネ力によってスライドカム29を中央位置に戻す復元力が発生する。また駆動子28が図9中の左回りに回転している状態で、押釦31の下降に伴ってスライドカム29が下降すると、上側に位置する突起28dを対応するカム部29bが押すことによって、スライドカム29は後方に移動する。このとき、前側のバネ片29dが上板部31b裏面の突起によって撓められることになり、バネ片29dのバネ力によってスライドカム29を中央位置に戻す復元力が発生する。
【0035】
収納部23aの底部と押釦31の間には板ばね30が配置され、この板ばね30によって押釦31は上向きの弾性力を常に受けている。押釦31の側部31cには、収納部23aの内壁に設けられた溝23fと係合する突起31dが左右に1個ずつ設けられており、突起31dと溝23fとが係合することで、押釦31が外れないようになっている。ここで、スライドカム29を上板部31bの下面に保持させた状態で、板ばね30の穴30aに、上板部31bの裏面に設けられた突起31eを圧入することによって、板ばね30が押釦31に固定されている。板ばね30が押釦31に固定された状態では、板ばね30と上板部31bの間にスライドカム29が保持されるので、押釦31と板ばね30とスライドカム29とを一つの部品として取り扱うことができ、最終組立を行うときの部品数を少なくできる。
【0036】
また上板部31bの下面側に設けられた収納溝31hには、刃受けばね42,46への給電状態を表示する表示体32がスライド移動自在に取り付けられている(図7及び図8参照)。収納溝31hの内壁には、表示体32と係止する凸部31gが、表示体32の移動方向に沿って設けられており、凸部31gが表示体32の側面に係止することで、表示体32が収納溝31hの溝内にスライド移動自在な状態で保持されている。上板部31bには表示体32の一部を露出させる表示窓31aが設けられている。尚、表示窓31aは透明な合成樹脂からなる蓋で閉塞されている。
【0037】
表示体32の上面は、スライド方向における片側の半分が給電状態を表示するON表示部32aとなり、反対側の半分が給電停止状態を表示するOFF表示部32bとなっている。ON表示部32aとOFF表示部32bとは色などを異ならせており、容易に判別できるようになっている。
【0038】
表示体32は、図10(c)に示すように表示窓31aにON表示部32aが臨むON位置と、図10(a)に示すように表示窓31aにOFF表示部32bが臨むOFF位置との間でスライド移動自在となっている。表示体32は、図7及び図10に示すようにコイルばね33によってOFF位置に移動する方向の弾性力を常時受けている。表示体32の下部には、ON表示部32a側の端から他方の端に近付くにつれて、斜め下向きに傾斜するテーパ面32cが形成されている。図9に示すように駆動子28には、表示体32の取付位置に向かって延びるL字形のアーム28eが一体に設けられている。アーム28eは駆動子28の回転に応じて上下動し、アーム28eが上側に移動すると表示体32のテーパ面32cを押し、アーム28eが下側に移動すると表示体32のテーパ面32cから離れるようになっている。ここで、図10(a)は接点のオフ状態を示しており、駆動子28の回転に応じてアーム28eが下降しているので、コイルばね33のバネ力を受けて、表示体32はOFF位置に移動し、表示窓31aからOFF表示部32bが露出する。図10(b)は、接点をオフ状態からオン状態に切り替えるために、ユーザが押釦31をストロークエンドまで押し込んだ状態を示している。このとき、駆動子28の回転に応じて接点は閉極した状態となっている。また、駆動子28の回転に応じてアーム28eが上昇すると、アーム28eの先端がテーパ面32cに当たり、アーム28eがテーパ面32cを押す力によって、表示体32がON位置に移動し、表示窓31aからON表示部32aが露出する。その後、ユーザが押釦31から手を離すと、図10(c)に示すように、押釦31は板ばね30のバネ力を受けて復帰位置まで上昇する。この状態でもアーム28eは表示体32の端面に当接しており、表示体32はON位置で留まり、表示窓31aからON表示部32aが露出する。なお、接点をオン状態からオフ状態に切り替えるために押釦31が1回押操作されると、駆動子28が反対方向に回転し、それに伴いアーム28eが下降するので、表示体32はコイルばね33のバネ力を受けて、図10(a)に示すOFF位置に復帰する。そして、表示体32のOFF表示部32bが表示窓31aから露出する状態となる。
【0039】
ここで、開閉機構26の動作について簡単に説明する。
【0040】
先ず、図9に示すように駆動子28が図中右回りに回転して、可動接点25が固定接点49に接触している状態で、ユーザが押釦31を押操作したときの動作について説明する。尚、接点が閉極している状態で押釦31を1回押す操作がオフ操作となる。押釦31が押されていない状態では、板ばね30によって押釦31が上側に移動した状態となっている。この状態からユーザが押釦31の上板部31bを下向きに押し込むと、板ばね30のバネ力に抗して押釦31が下側に押し下げられ、押釦31に保持されたスライドカム29も下側に移動する。スライドカム29が下降すると、図中左側のカム部29aが駆動子28の左側の突起28cに当たることで、駆動子28を図中左回りに回転させる。このように駆動子28が図中左回りに回転すると、可動接点板24が図中右回りに回転して、可動接点25が固定接点49から開離した状態となる。このとき、コイルばね27のバネ力によって、駆動子28は、突起28dに比べて突起28c側が下がった状態で保持され、可動接点板24は右側に倒れた状態で保持される。また図10(a)に示すように、駆動子28の回転に応じてアーム28eが下側に移動するので、コイルバネ33のバネ力によって、表示体32はOFF位置へ移動し、OFF表示部32bが表示窓31aから露出する。またユーザが押釦31から手を離すと、板ばね30のバネ力で押釦31が上側に移動し、バネ片29cのバネ力を受けてスライドカム29は中央位置に復帰する。
【0041】
次に、駆動子28が図9中の左回りに回転して、可動接点25が固定接点49から離れている状態で、ユーザが押釦31を押操作したときの動作について説明する。尚、接点が開極している状態で押釦31を1回押す操作がオン操作となる。ユーザが押釦31の上板部31bを下向きに押し込むと、板ばね30のバネ力に抗して押釦31が下側に押し下げられ、押釦31に保持されたスライドカム29も下側に移動する。スライドカム29が下降すると、図中右側のカム部29bが駆動子28の右側の突起28dに当たることで、駆動子28を図中右回りに回転させる。このように駆動子28が図中右回りに回転すると、可動接点板24が図中左回りに回転して、可動接点25が固定接点49に接触した状態となる。このとき、コイルばね27のバネ力によって、駆動子28は、突起28cに比べて突起28d側が下がった状態で保持され、可動接点板24は左側に倒れた状態で保持される。また図10(c)に示すように、駆動子28の回転に応じてアーム28eが上側に移動し、アーム28eによってコイルバネ33のバネ力に抗して表示体32がON位置側へ押され、表示体32がON位置まで移動するので、表示体32のON表示部32aが表示窓31aから露出する。またユーザが押釦31から手を離すと、板ばね30のバネ力で押釦31が上側に移動し、バネ片29cのバネ力を受けてスライドカム29は中央位置に復帰する。
【0042】
このように、ユーザが押釦31を1回押す毎に、開閉機構26によって接点(固定接点49及び可動接点25からなる)がオンしている状態とオフしている状態とが交互に切り替えられるのである。
【0043】
以上説明したように、本実施形態のテーブルタップは、器体1と、操作部(押釦31)と、表示体32とを備えている。器体1は、プラグの栓刃が接続される刃受け部材(本実施形態では刃受けばね42及び刃受け部材45)を収納する。押釦31は、器体1の表面に操作部位(上板部31b)を露出させた状態で器体1に収納され、刃受け部材(刃受けばね42及び刃受け部材45)に給電する状態と給電を停止する状態とを切り替えるために操作される。表示体32は、給電状態及び給電停止状態をそれぞれ表示する第1表示部(ON表示部32a)及び第2表示部(OFF表示部32b)を備えている。この表示体32は、押釦31の上板部31bに設けられた表示窓31aに第1表示部が臨む位置と、表示窓31aに第2表示部が臨む位置との間でスライド移動自在に操作部(押釦31)に設けられている。
【0044】
これにより、器体1に操作部位を露出させた状態で収納された押釦31に表示体32を設けることで、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる。従来のピアノハンドルスイッチでは、器体1の前面に押釦31を押すためのハンドルを別途設けており、このハンドルに表示体が設けられているが、本実施形態では、操作部位を露出させた状態で器体1に収納された押釦31に表示体32が設けられている。したがって、押釦31を押すためのハンドルをさらに備える場合に比べて、部品数を少なくでき、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる安価なマルチタップを実現できる。さらに、表示体32による表示には電力が不要であるから、省電力を図ることができる。
【0045】
また本実施形態のテーブルタップでは、器体1に収納され外部電源から刃受け部材(刃受けばね42及び刃受け部材45)への給電経路に設けられた接点(固定接点49及び可動接点25からなる)と、器体1に収納され操作部(押釦31)の操作に応じて接点のオン状態及びオフ状態を切り替える開閉機構26とを備えている。
【0046】
これにより、上述と同様、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる安価なマルチタップを実現できる。
【0047】
また本実施形態のテーブルタップは、押圧部材(コイルばね33)と、駆動部(アーム28e)とをさらに備えている。押圧部材は、第1表示部(ON表示部32a)及び第2表示部(OFF表示部32b)のうち何れか一方の表示部が表示窓31aに臨む位置に、表示体32をスライド移動させる押力を表示体32に常時付与する。アーム28eは、開閉機構26によって、一方の表示部に対応した接点状態とは異なる状態に接点が切り替えられると、操作部(押釦31)側に移動し、押圧部材の押力に抗して表示体32を反対方向にスライド移動させる。
【0048】
これにより、開閉機構26が接点のオン/オフを切り替える動作に連動して、表示体32の表示を切り替えることができ、表示体32による表示には電力が不要であるから、省電力を図ることができる。
【0049】
また本実施形態のテーブルタップでは、操作部が、ユーザの押操作に応じて器体1の内側に押し込まれる押釦31からなる。開閉機構26は、固定接点49と、可動接点25が設けられた可動接触子(可動接点板24)と、バネ部材(板ばね30)と、スライドカム29を備える。バネ部材は、押釦31が器体1の内側に押し込まれると押釦31を器体1の外側に押し返す弾性力を押釦に作用させる。駆動子28は、可動接点25が固定接点49と接触する位置及び可動接点25が固定接点49から開離する位置の何れかに可動接触子を駆動する。スライドカム29は、押釦31が押し込まれる毎に駆動子28を反転駆動させる。押釦31は、バネ部材30とスライドカム29と表示体32とを保持している。
【0050】
これにより、表示体32は押釦31に組み込まれているから、従来のピアノハンドルスイッチのように押釦31とは別に設けられたハンドルに表示体を設ける必要が無く、部品数を削減できる。また押釦31にはバネ部材30とスライドカム29と表示体32とが保持されているから、これらの部品を1つの部品として取り扱うことができ、組立作業性が向上する。
【0051】
また本実施形態では、表示体32をスライド移動自在に収納する収納溝31hが操作部(押釦31)に設けられ、収納溝31hの内壁には、表示体32と係合する凸部31gが表示体32のスライド方向に沿って設けられている。
【0052】
これにより、表示体32を押釦31に取り付けるための部品を別途必要とせず、部品数を削減できる。
【0053】
また本実施形態において、第1表示部(ON表示部32a)及び第2表示部(OFF表示部32b)のうち少なくとも何れか一方の表示部が蓄光材料で形成されてもよい。
【0054】
図11(a)は、ON表示部32aが蓄光材料で形成された形態を示し、表示体32の他の部位とは異なる材料で形成されたON表示部32aは、接着などの方法で表示体32に固定されている。
【0055】
これにより、ON表示部32aの表示を暗所でも確認でき、刃受け部材に給電されている状態か給電停止状態かを容易に判別できる。尚、OFF表示部32bを蓄光材料で形成してもよいし、ON表示部32a及びOFF表示部32bを互いに発光色の異なる蓄光材料で形成してもよい。
【0056】
また本実施形態において、第1表示部(ON表示部32a)及び第2表示部(OFF表示部32b)は、2色成型法を用いて表示体32と一体に形成されていてもよい。
【0057】
図11(b)は、ON表示部32a及びOFF表示部32bが2色成型法により形成された形態を示しており、2つの表示部32a,32bは2色成形法で1つの部品として形成されているので、部品数を低減することができる。
【0058】
また本実施形態では、表示体32によりオン/オフ表示を行っており、オン/オフ表示のためのランプを備えたものに比べて消費電力を低減できる。
【符号の説明】
【0059】
1 器体
20a,20b,20c 刃受けブロック
31 押釦(操作部)
31a 表示窓
31b 上板部
32 表示体
32a ON表示部(第1表示部)
32b OFF表示部(第2表示部)
42 刃受けばね(刃受け部材)
45 刃受け部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、マルチタップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プラグが着脱自在に接続されるプラグ接続口を複数備え、各プラグ接続口に対応して電源供給を入り切りするためのスイッチが設けられたテーブルタップがあった(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−221035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来のテーブルタップは、プラグ接続口にプラグが接続されている負荷の不使用時に、対応するスイッチをオフさせることによって、負荷への給電を停止し、負荷で消費される待機電力の低減を図っていた。そのため、スイッチの消し忘れが容易に判別できるように、スイッチのオン状態とオフ状態を容易に判別できるようにしたいという要求があった。一方、スイッチがオン状態であるかオフ状態であるかを表示する構成を付加すると、部品が増加して、製造コストが高くなるという問題もある。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる安価なマルチタップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本願のマルチタップは、器体と、操作部と、表示体とを備える。器体は、プラグの栓刃が接続される刃受け部材を収納する。操作部は、器体の表面に操作部位を露出させた状態で器体に収納され、刃受け部材に給電する状態と給電を停止する状態とを切り替えるために操作される。表示体は、給電状態及び給電停止状態をそれぞれ表示する第1表示部及び第2表示部を有し、操作部に設けられた表示窓に第1表示部が臨む位置と、表示窓に第2表示部が臨む位置との間でスライド移動自在に操作部に設けられている。
【0007】
このマルチタップにおいて、器体に収納され外部電源から刃受け部材への給電経路に設けられた接点と、器体に収納され操作部の操作に応じて接点のオン状態及びオフ状態を切り替える開閉機構とを備えることも好ましい。
【0008】
このマルチタップにおいて、押圧部材と、駆動部とを備えることも好ましい。押圧部材は、第1表示部及び第2表示部のうち何れか一方の表示部が表示窓に臨む位置に表示体をスライド移動させる押力を表示体に常時付与する。駆動部は、開閉機構によって、一方の表示部に対応した接点状態とは異なる状態に接点が切り替えられると、操作部側に移動し、押圧部材の押力に抗して表示体を反対方向にスライド移動させる。
【0009】
このマルチタップにおいて、以下のような構成を備えることも好ましい。操作部は、ユーザの押操作に応じて器体の内側に押し込まれる押釦からなる。開閉機構は、固定接点と、可動接点が設けられた可動接触子と、押釦が器体の内側に押し込まれると押釦を器体の外側に押し返す弾性力を押釦に作用させるバネ部材と、可動接点が固定接点と接触する位置及び可動接点が固定接点から開離する位置の何れかに可動接触子を駆動する駆動子と、押釦が押し込まれる毎に駆動子を反転駆動させるカム部材とを備える。押釦は、バネ部材とカム部材と表示体とを保持する。
【0010】
このマルチタップにおいて、表示体をスライド移動自在に収納する収納溝が操作部に設けられ、収納溝の内壁には、表示体と係合する凸部が表示体のスライド方向に沿って設けられることも好ましい。
【0011】
このマルチタップにおいて、第1表示部及び第2表示部のうち少なくとも何れか一方の表示部が蓄光材料で形成されることも好ましい。
【0012】
このマルチタップにおいて、第1表示部及び第2表示部は、2色成型法を用いて表示体と一体に形成されることも好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる安価なマルチタップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の刃受けブロックの分解斜視図である。
【図2】同上の分解斜視図である。
【図3】(a)は同上の平面図、(b)は同上の側面図である。
【図4】同上の斜視図である。
【図5】同上の刃受けブロックの分解斜視図である。
【図6】同上の押釦を示し、(a)は上側から見た斜視図、(b)は下側から見た斜視図である。
【図7】同上の押釦の下面図である。
【図8】同上の押釦の断面図である。
【図9】同上の断面図である。
【図10】同上の接点の切替動作を説明する断面図であり、(a)はオフ状態の断面図、(b)はオン状態及びオフ状態の間の状態を示す断面図、(c)はオン状態の断面図である。
【図11】(a)(b)は同上の表示体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願をテーブルタップに適用した実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。尚、以下ではテーブルタップを例に説明するが、吊り下げて使用されるペンダント型のマルチタップや、電源コードの代わりに電源用刃が設けられた差込式マルチタップに本願を適用しても良いことは言うまでもない。また、以下の説明ではプラグが接続される刃受けブロックを3口備えているが、刃受けブロックの数は3個に限定されるものではなく、複数の刃受けブロックを備えていればよい。
【0016】
本実施形態のテーブルタップは例えば机や床に置いて使用されるものである。以下の説明では特に断りがないかぎり、使用状態における上下(すなわち図3(b)の上下)を上下方向とし、図3(b)における左右を左右方向とし、図3(b)の紙面に垂直な方向を前後方向とし、図3(a)の下側を前側として説明を行う。
【0017】
テーブルタップの器体1は、図2〜図4に示すように、細長の直方体状に形成されており、ボディ2と上カバー3と中カバー4とで構成される。
【0018】
ボディ2は合成樹脂成形品からなり、上面が開口した略矩形箱状に形成されている。上カバー3は合成樹脂成形品からなり、下面が開口した略矩形箱状に形成されている。中カバー4は合成樹脂成形品からなり、後面が開口した略矩形箱状に形成されている。中カバー4の前面には、前方から見た形状が略矩形状の突台5が左右及び中央の3箇所に設けられている。各突台5には、図示しないプラグの平行栓刃が挿入される栓刃挿入口6が2個ずつ形成されている。中カバー4は、ボディ2と上カバー3とで囲まれる空間に、突台5を前面側に向けた状態で収納されている。ボディ2の前側壁には、対応する突台5の下側部が挿入される凹溝7が3箇所に設けられている。同様に上カバー3の前側壁にも、対応する突台5の上側部が挿入される凹溝8が3箇所に設けられている。
【0019】
上カバー3の開口縁には、ボディ2に形成された溝9に係合する爪10が数カ所に設けられており、ボディ2の開口を塞ぐようにしてボディ2に上カバー3を被せると、爪10が溝9に係合することによって、上カバー3がボディ2に仮固定される。そして、ボディ2に設けられた貫通孔11に通されたネジ12を、上カバー3に設けられたネジ穴(図示せず)にねじ込むことによって、ボディ2と上カバー3とが結合される。
【0020】
この器体1の内部には、3個の刃受けブロック20a,20b,20cと、刃受けブロック20a,20b,20cに電源を供給するための導電板40a,40bとが収納されている。
【0021】
2本の導電板40a,40bは、それぞれ、導電性の良好な金属(例えば銅合金)により細長い板状に形成されており、長手方向の一端側(左側)にはかしめ片41a,41bが設けられている。器体1の左側面には、外部から電源コード50を導入するための丸孔状の貫通孔が形成されており、この貫通孔を通して内部に導入された電源コード50の芯線51が、それぞれ、かしめ片41a,41bにかしめ固定されている。したがって、電源コード50の他端側に設けられたプラグ(図示せず)を電源コンセントに接続すると、電源コード50を介して導電板40a,40bに電源が供給されるのである。尚、電源コード50において、器体1から外部に導出される部位は、弾性を有する合成樹脂により形成されたブッシング52で覆われており、電源コード50が断線しにくくなっている。
【0022】
次に、刃受けブロック20a,20b,20cについて説明する。刃受けブロック20a,20b,20cは同様の構成を有しているので、図1を参照して刃受ブロック20aの説明を行い、他の刃受けブロック20b,20cにおいて刃受けブロック20aと共通する構成要素には同一の符号を付して、その説明は省略する。尚、図1では図示を簡略化するため、刃受けブロック20aのみを図示している。
【0023】
刃受けブロック20aの器体21はボディ22とカバー23とで構成される。ボディ22は、耐熱性および耐トラッキング性に優れた熱硬化性樹脂(例えばユリア樹脂など)により上面が開口した略箱状に形成され、その内部は隔壁によって複数の空間に仕切られている。またカバー23は、耐衝撃性に優れた熱可塑性樹脂(例えばABS樹脂など)により形成され、上面が開口した筒状の収納部23aを有している。またカバー23の左右両側部からは下方に向かって組立片23bがそれぞれ突出しており、各組立片23bの穴23cをボディ22の側壁に設けた突起22hに係合させることで、ボディ22とカバー23とは結合される。
【0024】
カバー23には、中カバー4と対向する部位に、中カバー4に設けた穴と係合する位置決め用の突起23eが設けられている。またカバー23の底面には、刃受け部材45の取付片47に設けられた穴47aと係合する突起23gが設けられている。
【0025】
ボディ22の前後方向中央部には、後述の接点部(固定接点49及び可動接点25からなる)を収納する収納凹部22fが設けられている。ボディ22において収納凹部22fよりも前側には、上側及び左右両側に開口したスリット22aが形成されており、このスリット22aには導電板40aが挿入されている。ボディ22において収納凹部22fよりも後側には、上側及び左右両側に開口したスリット22bが形成されており、このスリット22bには導電板40bが挿入されている。
【0026】
ボディ22においてスリット22aよりも前側部には、それぞれ上側及び前側が開放された凹部22c,22dが設けられている。左側の凹部22cには、導電板40aの対応する部位に設けられた刃受けばね42が収納されている。右側の凹部22dには、刃受け部材45に設けられた刃受けばね46が収納されている。
【0027】
刃受け部材45は、例えば銅合金からなる板金にプレス加工を施して形成される。この刃受け部材45は、一対のバネ片の間で栓刃を挟む刃受けばね46を備えている。刃受けばね46の後部からは矩形板状の取付片47が後方に延び、この取付片47はスリット22aと凹部22dとの間の隔壁22e上に載置される。取付片47の後部からは斜め下向きに固定端子片48が延びており、この固定端子片48には、かしめ固定或いはレーザ溶接などの方法で固定接点49が固着されている。この固定端子片48は収納凹部22fに挿入され、固定接点49は収納凹部22f内に配置される。
【0028】
導電板40bには、各刃受けブロック20a,20b,20cの収納凹部22fに対応する部位に、収納凹部22fの底部に配置されるL字形の基底片43が設けられている。
【0029】
収納凹部22f内には、導電板からなる可動接点板24が収納されている。この可動接点板24には、刃受け部材45の固定接点49に対応する位置に可動接点25が設けられている。可動接点板24は基底片43上に配置され、基底片43との当接部位を支点として前後に回転する。また可動接点板24の側縁に設けた突起24aが収納凹部22fの内壁に設けられたV溝22gに挿入されることで、可動接点板24の回転範囲が規制されている。
【0030】
この可動接点板24を駆動する開閉機構26は、コイルばね27と、駆動子28と、スライドカム29(カム部材)と、板ばね30と、押釦31とで構成され、この開閉機構26について図1、図5〜図10を参照して説明する。
【0031】
コイルばね27の一端側には、可動接点板24の上部に設けられたバネ受け用の突起24bが挿入される。コイルばね27の他端側は駆動子28に設けられた筒部28a内に挿入される。
【0032】
駆動子28について図1、図5及び図9を参照して説明する。駆動子28は合成樹脂成形品からなり、下側に開口した筒部28aを備えている。駆動子28は、両側に設けられた三角形状の軸28bをカバー23の軸受け溝23dに嵌め込むことによって、カバー23に対して回転自在に取り付けられる。駆動子28の上部には、スライドカム29を押し動かす一対の突起28c,28dが設けられ、駆動子28の回転に応じて突起28c,28dのうちの一方が上側に、他方が下側に位置することになる。そして、上側に位置する突起28c又は突起28dがスライドカム29に押されて、駆動子28が反対側に回転するようになっている。
【0033】
押釦31について図1,図6〜図9を参照して説明する。押釦31は合成樹脂成形品からなり、平面視の形状が略矩形状の上板部31bと、上板部31bの全周から下方に突出する側部31cとを有し、カバー23の収納部23a内に上下動自在に配置されている。この押釦31の上板部31bは、上カバー3の上面に設けた窓穴14から外部に露出しており、窓穴14を通してユーザが上板部31bの押操作を行えるようになっている。従来のタンブラー型のハンドルを備えたテーブルタップに比べて、押釦31は上カバー3の上面と略同じ面高さとなっているので、押釦31が目立たず、意匠性の向上が図られている。
【0034】
上板部31bの裏面にはスライドカム29が取り付けられている。スライドカム29は合成樹脂により四角枠状に形成されている。スライドカム29の4辺のうち、駆動子28の回転方向において対向する2辺には、駆動子28の突起28c及び突起28dがそれぞれ係合するカム部29a及びカム部29bが設けられている。またスライドカム29の残りの2辺のうち、一方の辺からは、一対のバネ片29c,29dが、他方の辺に向かって突出しており、両バネ片29c,29dは先端にいくほど互いの距離が短くなるように斜めに突出している。両バネ片29c,29dの間には、上板部31bの裏面に設けられた突起が挿入されている。駆動子28が図9中の右回りに回転している状態で、押釦31の下降に伴ってスライドカム29が下降すると、上側に位置する突起28cを対応するカム部29aが押すことによって、スライドカム29は前方に移動する。このとき、後側のバネ片29cが上板部31b裏面の突起によって撓められることになり、バネ片29cのバネ力によってスライドカム29を中央位置に戻す復元力が発生する。また駆動子28が図9中の左回りに回転している状態で、押釦31の下降に伴ってスライドカム29が下降すると、上側に位置する突起28dを対応するカム部29bが押すことによって、スライドカム29は後方に移動する。このとき、前側のバネ片29dが上板部31b裏面の突起によって撓められることになり、バネ片29dのバネ力によってスライドカム29を中央位置に戻す復元力が発生する。
【0035】
収納部23aの底部と押釦31の間には板ばね30が配置され、この板ばね30によって押釦31は上向きの弾性力を常に受けている。押釦31の側部31cには、収納部23aの内壁に設けられた溝23fと係合する突起31dが左右に1個ずつ設けられており、突起31dと溝23fとが係合することで、押釦31が外れないようになっている。ここで、スライドカム29を上板部31bの下面に保持させた状態で、板ばね30の穴30aに、上板部31bの裏面に設けられた突起31eを圧入することによって、板ばね30が押釦31に固定されている。板ばね30が押釦31に固定された状態では、板ばね30と上板部31bの間にスライドカム29が保持されるので、押釦31と板ばね30とスライドカム29とを一つの部品として取り扱うことができ、最終組立を行うときの部品数を少なくできる。
【0036】
また上板部31bの下面側に設けられた収納溝31hには、刃受けばね42,46への給電状態を表示する表示体32がスライド移動自在に取り付けられている(図7及び図8参照)。収納溝31hの内壁には、表示体32と係止する凸部31gが、表示体32の移動方向に沿って設けられており、凸部31gが表示体32の側面に係止することで、表示体32が収納溝31hの溝内にスライド移動自在な状態で保持されている。上板部31bには表示体32の一部を露出させる表示窓31aが設けられている。尚、表示窓31aは透明な合成樹脂からなる蓋で閉塞されている。
【0037】
表示体32の上面は、スライド方向における片側の半分が給電状態を表示するON表示部32aとなり、反対側の半分が給電停止状態を表示するOFF表示部32bとなっている。ON表示部32aとOFF表示部32bとは色などを異ならせており、容易に判別できるようになっている。
【0038】
表示体32は、図10(c)に示すように表示窓31aにON表示部32aが臨むON位置と、図10(a)に示すように表示窓31aにOFF表示部32bが臨むOFF位置との間でスライド移動自在となっている。表示体32は、図7及び図10に示すようにコイルばね33によってOFF位置に移動する方向の弾性力を常時受けている。表示体32の下部には、ON表示部32a側の端から他方の端に近付くにつれて、斜め下向きに傾斜するテーパ面32cが形成されている。図9に示すように駆動子28には、表示体32の取付位置に向かって延びるL字形のアーム28eが一体に設けられている。アーム28eは駆動子28の回転に応じて上下動し、アーム28eが上側に移動すると表示体32のテーパ面32cを押し、アーム28eが下側に移動すると表示体32のテーパ面32cから離れるようになっている。ここで、図10(a)は接点のオフ状態を示しており、駆動子28の回転に応じてアーム28eが下降しているので、コイルばね33のバネ力を受けて、表示体32はOFF位置に移動し、表示窓31aからOFF表示部32bが露出する。図10(b)は、接点をオフ状態からオン状態に切り替えるために、ユーザが押釦31をストロークエンドまで押し込んだ状態を示している。このとき、駆動子28の回転に応じて接点は閉極した状態となっている。また、駆動子28の回転に応じてアーム28eが上昇すると、アーム28eの先端がテーパ面32cに当たり、アーム28eがテーパ面32cを押す力によって、表示体32がON位置に移動し、表示窓31aからON表示部32aが露出する。その後、ユーザが押釦31から手を離すと、図10(c)に示すように、押釦31は板ばね30のバネ力を受けて復帰位置まで上昇する。この状態でもアーム28eは表示体32の端面に当接しており、表示体32はON位置で留まり、表示窓31aからON表示部32aが露出する。なお、接点をオン状態からオフ状態に切り替えるために押釦31が1回押操作されると、駆動子28が反対方向に回転し、それに伴いアーム28eが下降するので、表示体32はコイルばね33のバネ力を受けて、図10(a)に示すOFF位置に復帰する。そして、表示体32のOFF表示部32bが表示窓31aから露出する状態となる。
【0039】
ここで、開閉機構26の動作について簡単に説明する。
【0040】
先ず、図9に示すように駆動子28が図中右回りに回転して、可動接点25が固定接点49に接触している状態で、ユーザが押釦31を押操作したときの動作について説明する。尚、接点が閉極している状態で押釦31を1回押す操作がオフ操作となる。押釦31が押されていない状態では、板ばね30によって押釦31が上側に移動した状態となっている。この状態からユーザが押釦31の上板部31bを下向きに押し込むと、板ばね30のバネ力に抗して押釦31が下側に押し下げられ、押釦31に保持されたスライドカム29も下側に移動する。スライドカム29が下降すると、図中左側のカム部29aが駆動子28の左側の突起28cに当たることで、駆動子28を図中左回りに回転させる。このように駆動子28が図中左回りに回転すると、可動接点板24が図中右回りに回転して、可動接点25が固定接点49から開離した状態となる。このとき、コイルばね27のバネ力によって、駆動子28は、突起28dに比べて突起28c側が下がった状態で保持され、可動接点板24は右側に倒れた状態で保持される。また図10(a)に示すように、駆動子28の回転に応じてアーム28eが下側に移動するので、コイルバネ33のバネ力によって、表示体32はOFF位置へ移動し、OFF表示部32bが表示窓31aから露出する。またユーザが押釦31から手を離すと、板ばね30のバネ力で押釦31が上側に移動し、バネ片29cのバネ力を受けてスライドカム29は中央位置に復帰する。
【0041】
次に、駆動子28が図9中の左回りに回転して、可動接点25が固定接点49から離れている状態で、ユーザが押釦31を押操作したときの動作について説明する。尚、接点が開極している状態で押釦31を1回押す操作がオン操作となる。ユーザが押釦31の上板部31bを下向きに押し込むと、板ばね30のバネ力に抗して押釦31が下側に押し下げられ、押釦31に保持されたスライドカム29も下側に移動する。スライドカム29が下降すると、図中右側のカム部29bが駆動子28の右側の突起28dに当たることで、駆動子28を図中右回りに回転させる。このように駆動子28が図中右回りに回転すると、可動接点板24が図中左回りに回転して、可動接点25が固定接点49に接触した状態となる。このとき、コイルばね27のバネ力によって、駆動子28は、突起28cに比べて突起28d側が下がった状態で保持され、可動接点板24は左側に倒れた状態で保持される。また図10(c)に示すように、駆動子28の回転に応じてアーム28eが上側に移動し、アーム28eによってコイルバネ33のバネ力に抗して表示体32がON位置側へ押され、表示体32がON位置まで移動するので、表示体32のON表示部32aが表示窓31aから露出する。またユーザが押釦31から手を離すと、板ばね30のバネ力で押釦31が上側に移動し、バネ片29cのバネ力を受けてスライドカム29は中央位置に復帰する。
【0042】
このように、ユーザが押釦31を1回押す毎に、開閉機構26によって接点(固定接点49及び可動接点25からなる)がオンしている状態とオフしている状態とが交互に切り替えられるのである。
【0043】
以上説明したように、本実施形態のテーブルタップは、器体1と、操作部(押釦31)と、表示体32とを備えている。器体1は、プラグの栓刃が接続される刃受け部材(本実施形態では刃受けばね42及び刃受け部材45)を収納する。押釦31は、器体1の表面に操作部位(上板部31b)を露出させた状態で器体1に収納され、刃受け部材(刃受けばね42及び刃受け部材45)に給電する状態と給電を停止する状態とを切り替えるために操作される。表示体32は、給電状態及び給電停止状態をそれぞれ表示する第1表示部(ON表示部32a)及び第2表示部(OFF表示部32b)を備えている。この表示体32は、押釦31の上板部31bに設けられた表示窓31aに第1表示部が臨む位置と、表示窓31aに第2表示部が臨む位置との間でスライド移動自在に操作部(押釦31)に設けられている。
【0044】
これにより、器体1に操作部位を露出させた状態で収納された押釦31に表示体32を設けることで、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる。従来のピアノハンドルスイッチでは、器体1の前面に押釦31を押すためのハンドルを別途設けており、このハンドルに表示体が設けられているが、本実施形態では、操作部位を露出させた状態で器体1に収納された押釦31に表示体32が設けられている。したがって、押釦31を押すためのハンドルをさらに備える場合に比べて、部品数を少なくでき、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる安価なマルチタップを実現できる。さらに、表示体32による表示には電力が不要であるから、省電力を図ることができる。
【0045】
また本実施形態のテーブルタップでは、器体1に収納され外部電源から刃受け部材(刃受けばね42及び刃受け部材45)への給電経路に設けられた接点(固定接点49及び可動接点25からなる)と、器体1に収納され操作部(押釦31)の操作に応じて接点のオン状態及びオフ状態を切り替える開閉機構26とを備えている。
【0046】
これにより、上述と同様、負荷への電源供給をオン/オフするスイッチの状態が容易に判別できる安価なマルチタップを実現できる。
【0047】
また本実施形態のテーブルタップは、押圧部材(コイルばね33)と、駆動部(アーム28e)とをさらに備えている。押圧部材は、第1表示部(ON表示部32a)及び第2表示部(OFF表示部32b)のうち何れか一方の表示部が表示窓31aに臨む位置に、表示体32をスライド移動させる押力を表示体32に常時付与する。アーム28eは、開閉機構26によって、一方の表示部に対応した接点状態とは異なる状態に接点が切り替えられると、操作部(押釦31)側に移動し、押圧部材の押力に抗して表示体32を反対方向にスライド移動させる。
【0048】
これにより、開閉機構26が接点のオン/オフを切り替える動作に連動して、表示体32の表示を切り替えることができ、表示体32による表示には電力が不要であるから、省電力を図ることができる。
【0049】
また本実施形態のテーブルタップでは、操作部が、ユーザの押操作に応じて器体1の内側に押し込まれる押釦31からなる。開閉機構26は、固定接点49と、可動接点25が設けられた可動接触子(可動接点板24)と、バネ部材(板ばね30)と、スライドカム29を備える。バネ部材は、押釦31が器体1の内側に押し込まれると押釦31を器体1の外側に押し返す弾性力を押釦に作用させる。駆動子28は、可動接点25が固定接点49と接触する位置及び可動接点25が固定接点49から開離する位置の何れかに可動接触子を駆動する。スライドカム29は、押釦31が押し込まれる毎に駆動子28を反転駆動させる。押釦31は、バネ部材30とスライドカム29と表示体32とを保持している。
【0050】
これにより、表示体32は押釦31に組み込まれているから、従来のピアノハンドルスイッチのように押釦31とは別に設けられたハンドルに表示体を設ける必要が無く、部品数を削減できる。また押釦31にはバネ部材30とスライドカム29と表示体32とが保持されているから、これらの部品を1つの部品として取り扱うことができ、組立作業性が向上する。
【0051】
また本実施形態では、表示体32をスライド移動自在に収納する収納溝31hが操作部(押釦31)に設けられ、収納溝31hの内壁には、表示体32と係合する凸部31gが表示体32のスライド方向に沿って設けられている。
【0052】
これにより、表示体32を押釦31に取り付けるための部品を別途必要とせず、部品数を削減できる。
【0053】
また本実施形態において、第1表示部(ON表示部32a)及び第2表示部(OFF表示部32b)のうち少なくとも何れか一方の表示部が蓄光材料で形成されてもよい。
【0054】
図11(a)は、ON表示部32aが蓄光材料で形成された形態を示し、表示体32の他の部位とは異なる材料で形成されたON表示部32aは、接着などの方法で表示体32に固定されている。
【0055】
これにより、ON表示部32aの表示を暗所でも確認でき、刃受け部材に給電されている状態か給電停止状態かを容易に判別できる。尚、OFF表示部32bを蓄光材料で形成してもよいし、ON表示部32a及びOFF表示部32bを互いに発光色の異なる蓄光材料で形成してもよい。
【0056】
また本実施形態において、第1表示部(ON表示部32a)及び第2表示部(OFF表示部32b)は、2色成型法を用いて表示体32と一体に形成されていてもよい。
【0057】
図11(b)は、ON表示部32a及びOFF表示部32bが2色成型法により形成された形態を示しており、2つの表示部32a,32bは2色成形法で1つの部品として形成されているので、部品数を低減することができる。
【0058】
また本実施形態では、表示体32によりオン/オフ表示を行っており、オン/オフ表示のためのランプを備えたものに比べて消費電力を低減できる。
【符号の説明】
【0059】
1 器体
20a,20b,20c 刃受けブロック
31 押釦(操作部)
31a 表示窓
31b 上板部
32 表示体
32a ON表示部(第1表示部)
32b OFF表示部(第2表示部)
42 刃受けばね(刃受け部材)
45 刃受け部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグの栓刃が接続される刃受け部材を収納した器体と、前記器体の表面に操作部位を露出させた状態で前記器体に収納され、前記刃受け部材に給電する状態と給電を停止する状態とを切り替えるために操作される操作部と、給電状態及び給電停止状態をそれぞれ表示する第1表示部及び第2表示部を有し、前記操作部に設けられた表示窓に前記第1表示部が臨む位置と、前記表示窓に前記第2表示部が臨む位置との間でスライド移動自在に前記操作部に設けられた表示体とを備えたことを特徴とするマルチタップ。
【請求項2】
前記器体に収納され外部電源から前記刃受け部材への給電経路に設けられた接点と、前記器体に収納され前記操作部の操作に応じて前記接点のオン状態及びオフ状態を切り替える開閉機構とを備えたことを特徴とする請求項1記載のマルチタップ。
【請求項3】
前記第1表示部及び前記第2表示部のうち何れか一方の表示部が前記表示窓に臨む位置に前記表示体をスライド移動させる押力を前記表示体に常時付与する押圧部材と、前記開閉機構によって、前記一方の表示部に対応した接点状態とは異なる状態に前記接点が切り替えられると、前記操作部側に移動し、前記押圧部材の押力に抗して前記表示体を反対方向にスライド移動させる駆動部とを備えたことを特徴とする請求項2記載のマルチタップ。
【請求項4】
前記操作部は、ユーザの押操作に応じて前記器体の内側に押し込まれる押釦からなり、
前記開閉機構が、固定接点と、可動接点が設けられた可動接触子と、前記押釦が前記器体の内側に押し込まれると前記押釦を前記器体の外側に押し返す弾性力を前記押釦に作用させるバネ部材と、前記可動接点が前記固定接点と接触する位置及び前記可動接点が前記固定接点から開離する位置の何れかに前記可動接触子を駆動する駆動子と、前記押釦が押し込まれる毎に前記駆動子を反転駆動させるカム部材とを備え、
前記押釦が、前記バネ部材と前記カム部材と前記表示体とを保持することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のマルチタップ。
【請求項5】
前記表示体をスライド移動自在に収納する収納溝が前記操作部に設けられ、前記収納溝の内壁には、前記表示体と係合する凸部が前記表示体のスライド方向に沿って設けられたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のマルチタップ。
【請求項6】
前記第1表示部及び前記第2表示部のうち少なくとも何れか一方の表示部が蓄光材料で形成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のマルチタップ。
【請求項7】
前記第1表示部及び前記第2表示部は、2色成型法を用いて前記表示体と一体に形成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のマルチタップ。
【請求項1】
プラグの栓刃が接続される刃受け部材を収納した器体と、前記器体の表面に操作部位を露出させた状態で前記器体に収納され、前記刃受け部材に給電する状態と給電を停止する状態とを切り替えるために操作される操作部と、給電状態及び給電停止状態をそれぞれ表示する第1表示部及び第2表示部を有し、前記操作部に設けられた表示窓に前記第1表示部が臨む位置と、前記表示窓に前記第2表示部が臨む位置との間でスライド移動自在に前記操作部に設けられた表示体とを備えたことを特徴とするマルチタップ。
【請求項2】
前記器体に収納され外部電源から前記刃受け部材への給電経路に設けられた接点と、前記器体に収納され前記操作部の操作に応じて前記接点のオン状態及びオフ状態を切り替える開閉機構とを備えたことを特徴とする請求項1記載のマルチタップ。
【請求項3】
前記第1表示部及び前記第2表示部のうち何れか一方の表示部が前記表示窓に臨む位置に前記表示体をスライド移動させる押力を前記表示体に常時付与する押圧部材と、前記開閉機構によって、前記一方の表示部に対応した接点状態とは異なる状態に前記接点が切り替えられると、前記操作部側に移動し、前記押圧部材の押力に抗して前記表示体を反対方向にスライド移動させる駆動部とを備えたことを特徴とする請求項2記載のマルチタップ。
【請求項4】
前記操作部は、ユーザの押操作に応じて前記器体の内側に押し込まれる押釦からなり、
前記開閉機構が、固定接点と、可動接点が設けられた可動接触子と、前記押釦が前記器体の内側に押し込まれると前記押釦を前記器体の外側に押し返す弾性力を前記押釦に作用させるバネ部材と、前記可動接点が前記固定接点と接触する位置及び前記可動接点が前記固定接点から開離する位置の何れかに前記可動接触子を駆動する駆動子と、前記押釦が押し込まれる毎に前記駆動子を反転駆動させるカム部材とを備え、
前記押釦が、前記バネ部材と前記カム部材と前記表示体とを保持することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のマルチタップ。
【請求項5】
前記表示体をスライド移動自在に収納する収納溝が前記操作部に設けられ、前記収納溝の内壁には、前記表示体と係合する凸部が前記表示体のスライド方向に沿って設けられたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のマルチタップ。
【請求項6】
前記第1表示部及び前記第2表示部のうち少なくとも何れか一方の表示部が蓄光材料で形成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のマルチタップ。
【請求項7】
前記第1表示部及び前記第2表示部は、2色成型法を用いて前記表示体と一体に形成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のマルチタップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−174503(P2012−174503A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35689(P2011−35689)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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