説明

マルチファーニチュア

【課題】 従来の収納間仕切家具や収納ユニットは、基本的には床面に固定するために、限られた空間を複数の用途にすることは想定していなかった。そこで、ホームオフィス用の家具としては使い勝手が良いとは言えなかった。
【解決手段】 大型の収納棚とデスクを兼ねたキャビネットKとこのキャビネットKの前面を覆う折戸Dとから構成したマルチファーニチュアFであって、キャビネットKと折戸Dに夫々キャスタ1、18を設けて移動自在とし、折戸Dは複数にて構成し、開閉自在とすることでオフィス空間とリビングに切り替え可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ホームオフィス対応のマルチファーニチュアで、ワンルームマンションや広いリビングダイニングを備えたマンションの居室をオフィススペースと居室空間に簡単に切り換え可能として用いるものである。
【背景技術】
【0002】
マンションなどの居室の床面から天井に至るまで配置する大型の収納を兼ねた家具としては様々な提案がなされ商品が提供されている。(室内 インテリア事典・家具篇 P459〜482 参照)
第一には、壁がわりとなる収納間仕切家具がある。これは建築との納まり具合が問題となるが、天井との隙間は幅木で、左右の壁との隙間はフィラーで調製することになる。
第二には、収納ユニットがある。これは単品の家具と違って、上下左右に繋げられるパーツを備えることで所望の高さ幅に対応できることになる。
【0003】
【非特許文献1】室内 インテリア事典1・家具篇P459〜482
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の収納間仕切家具や収納ユニットは、基本的には床面に固定するものであるために、限られた空間を複数の用途にすることは想定していなかった。そこで、ホームオフィス用の家具としては使い勝手が良いとは言えなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明は、ソーホーと称される、居宅と事務所を兼用するマンションや倉庫を事務所兼居宅とする場合に設置するのに好適なマルチファーニチュアとして開発したものである。
そして、本発明の要旨とするのは、大型の収納棚とデスクを兼ねたキャビネットKとこのキャビネットKの前面を覆う折戸Dとから構成したマルチファーニチュアFであって、収納棚と折戸に夫々キャスタを設けて移動自在とし、折戸は複数にて構成し、開閉自在とすることでオフィス空間とリビングに切り替え可能としたことを特徴とする。
また、本発明は、折戸の一側に長椅子を一体に設け、また長椅子の背面に折戸からキャビネットKの背板を貫く開口を設けて内部に照明器具を配置して前後に側面照明可能としたことをも要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は以上のような構成からなるもので、全体として大型の収納棚とデスクを一体に構成し、前面には複数の折戸を配してなり、夫々にローラをもって移動自在としてあるので、ホームオフィスとして用いるときには折戸を開けて平面L形或いは溝型としてオフィス空間を形成し、居室とするときには折戸を閉じて収納棚の全面を覆うようにしてコンパクトになりスペースを取らずに部屋の壁面に沿うように寄せて置くことができるのである。
また、折戸の一側に複数の椅子を一体に設けておくことで折戸を閉じておいても雰囲気を損なうことがない。さらに、椅子の背面上部に開口を穿ち内部に照明スタンドを配置すればリビングとしてくつろげるスペースとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図面に示す本発明の実施形態に即して説明する。
このマルチファーニチュアFは、大型の収納棚とデスクを兼ねたキャビネットKとこのキャビネットKの前面を覆う折戸Dとからなるものである。
【0008】
キャビネットKは、前面を開放し、奥行800mm,幅3600mm、高さ2000mm程度とするものである。
中央を執務用のデスクとするので、キャスタ1を備えた底板2、2は左右のみに配し、側板3、3、天板4及び背板5で前面を開放する。
側板3、3間には床面より700mm程度の高さとなる肉厚のカウンター6を配して、底板2、2を備えない中央のカウンタ−6をデスクとする。
【0009】
カウンター6より下には、底板2、2との間に縦仕切板7、7により前面を開放した収納スペースとし、必要に応じて内部に棚板や仕切板8を配して収納スペースを区画する。
【0010】
カウンター6の上部の左側には側板3とほぼ同じ奥行きの縦仕切板9をもって照明灯スタンドのためのスペースとしてあり、この照明スタンドのスペースに対応する背板5には窓穴5aを穿って背面を照明できるようにしてある。
そのほかにはカウンター6の奥行の三分の一強の300mm程度縦横の区画板10により複数の収納棚を形成し、資料棚、書棚、記念盾などの収納スペースとする。
縦横の区画板10の配置、奥行は任意に設計変更することができるもので、例えば、カウンター6上の奥行を広くしてデスクトップパソコンを収納できるような広いスペースとすることもできる。
【0011】
折戸Dは、キャビネットKの前面を全て覆うものであるが、二分割して、幅員の半分を覆う左折戸15、残りの半分を覆う右折戸16とからなる。
夫々の折戸15、16の下端面には各々二つのキャスタ18、18を取り付け固定し、折戸15、16は蝶番17で折り畳み可能に連結してある。
【0012】
この折戸Dは、左折戸15の側縁でキャビネットKの左の側板3の前端部に複数の蝶番17にて繋げるようにする。
左折戸15には照明スタンドのスペースに対応する窓穴15aを穿ってあり折戸Dを閉じた状態で室内を照明できるようにしてある。
そこで、照明スタンドを点灯すると、折戸Dを閉じた状態でも前後を照明できることになる。
また、この左折戸15の前面には、長椅子20を設けるようにしてある。この長椅子20は、平板をT形に組み合わせて座部21と脚部22とし、脚部22の底にはキャスタ23を取り付け、座部21を左折戸15に接着乃至ビス止めなどで固定するようにして構成してある。
【0013】
右折戸16の右上部には窓穴16aを穿ち、蝶番25aにて開閉自在で窓穴16aを塞ぐことのできる扉25を設けてある。
この扉25を開放することでキャビネットK内部を覗くことができることになる。また、実際に用いる場合に右折戸16の単調さを払拭するために、扉25の内面を写真、絵、ポスターなどを貼ったり、掲示することが望ましい。
【0014】
背板5にベッドBの頭部側を押し付けるようにして用いるときには(図3及び図4d参照)、ベッド用の小照明や小物を置くための起倒自在な棚板26を設けるようにすることが望ましい。この棚板26は、背板5の一部をステー26aにより起倒自在となるようにして構成している。
【0015】
図示の実施形態では折戸Dを一対二つの左折戸15、右折戸16としたが、複数であればよいので、三以上としてもよい。
図4のa乃至dの概略平面図に示す通り、I型、溝型、L型或いはI型とベッドBを組み付けるなど様々な配置で用いることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この発明に係るマルチファーニチュアの折戸を開けた状態の斜視図である。
【図2】この発明に係るマルリファーニチュアの折戸を閉じた状態の斜視図である。
【図3】この発明に係るマルチファーニチュアでキャビネットの背面にベットを配置した使用状態の斜視図である。
【図4】abcdはこの発明に係るマルチファーニチュアの使用態様を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0017】
F マルチファーニチュア
K キャビネット
D 折戸
1 キャスタ
2 底板
3 側板
4 天板
5 背板
6 カウンター
7 縦仕切板
8 仕切板
9 縦仕切板
10 区画板
15 左折戸
15a 窓穴
16 右折戸
17 蝶番
18 キャスタ
20 長椅子
21 座部
22 脚部
25 扉

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大型の収納棚とデスクを兼ねたキャビネットKとこのキャビネットKの前面を覆う折戸Dとから構成したマルチファーニチュアFであって、キャビネットKと折戸Dに夫々キャスタを設けて移動自在とし、折戸は複数にて構成し、開閉自在とすることでオフィス空間とリビングに切り替え可能としたことを特徴とするマルチファーニチュア。
【請求項2】
折戸の一側に長椅子を一体に設け、また長椅子の背面に折戸からキャビネットKの背板を貫く開口を設けて内部に照明器具を配置して前後に側面照明可能とした請求項1記載のマルチファーニチュア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2005−177375(P2005−177375A)
【公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−426243(P2003−426243)
【出願日】平成15年12月24日(2003.12.24)
【出願人】(500432206)株式会社総合経営研究所 (12)
【Fターム(参考)】