マルチ放電管点灯装置
【課題】マルチ放電管点灯装置の複数の放電管の各々に流れる電流を均衡化する変圧器を減少した数で使用する。
【解決手段】U字状に構成された少なくとも1つの放電管(1a,2a)、第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)を各々有するn組の放電管ユニット(1〜n)と、放電管ユニット(1〜n)の一端と他端にそれぞれ接続された第1及び第2の出力端子(10a,10b)から互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源(10)とをマルチ放電管点灯装置に設ける。第1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)を変圧器(Tn)を介して第n番目の放電管ユニット(n)の第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、第2番目以降の放電管ユニットの各第1の巻線(1b)を変圧器(T1〜Tn-1)を介してそれぞれ前番目の放電管ユニットの第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、2番目以降の放電管ユニットの各第2の巻線(2b)を変圧器(T2〜Tn-1)を介してそれぞれ次番目の放電管ユニットの第1の巻線(1b)に電磁的に結合する。
【解決手段】U字状に構成された少なくとも1つの放電管(1a,2a)、第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)を各々有するn組の放電管ユニット(1〜n)と、放電管ユニット(1〜n)の一端と他端にそれぞれ接続された第1及び第2の出力端子(10a,10b)から互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源(10)とをマルチ放電管点灯装置に設ける。第1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)を変圧器(Tn)を介して第n番目の放電管ユニット(n)の第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、第2番目以降の放電管ユニットの各第1の巻線(1b)を変圧器(T1〜Tn-1)を介してそれぞれ前番目の放電管ユニットの第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、2番目以降の放電管ユニットの各第2の巻線(2b)を変圧器(T2〜Tn-1)を介してそれぞれ次番目の放電管ユニットの第1の巻線(1b)に電磁的に結合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、減少した数の電流均衡化変圧器で複数の放電管ユニットを駆動できるマルチ放電管点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビジョン等の液晶画面の単一パネルに複数の放電管を使用する液晶表示機器は、液晶画面全体を均一な輝度で放電管から照明しなければならない。異なる電流値で複数の放電管を点灯すると、不均一な輝度勾配等の照明不良が発生する欠陥が生ずる。複数の放電管の一端に交流高電圧を印加して、各放電管に流れる電流を均衡化する従来のマルチ放電管点灯装置は、図10に示すように、直列に接続した第1の放電管(1a)、第1の巻線(1b)、第2の巻線(2b)及び第2の放電管(2a)を各々有する3組の放電管ユニット(1〜3)と、コンデンサ(20)を介して各放電管ユニット(1〜3)の第1の放電管(1a)及び第2の放電管(2a)の各一端が接続される交流電源(10)と、各放電管ユニット(1〜3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)とを電磁的に結合する変圧器(T1〜T3)と、変圧器(T1)の第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)に接続された第1の巻線(1b)と変圧器(T2)の第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)に接続された第2の巻線(2b)とを電磁的に結合する変圧器(T4)と、変圧器(T4)の第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)とグランドとの間に接続された第1の巻線(1b)と変圧器(T3)の第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)とグランドとの間に接続された第2の巻線(2b)とを電磁的に結合する変圧器(T5)とを備える。コンデンサ(20)と変圧器(T1)を介して交流電源(10)とグランドとの間に接続された第1の放電管ユニット(1)の放電管(1a)と放電管(2a)に流れる電流は、変圧器(T1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)により均衡化され、同じ電流が流れる。変圧器(T1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)の合計2本の放電管の電流が流れる。
【0003】
同様に、コンデンサ(20)と変圧器(T2)を介して交流電源(10)とグランドとの間に接続された第2の放電管ユニット(2)の放電管(1a)と放電管(2a)に流れる電流は、変圧器(T2)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)により均衡化され、同じ電流が流れる。変圧器(T2)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)の合計2本の放電管の電流が流れる。
【0004】
同様に、コンデンサ(20)と変圧器(T3)を介して交流電源(10)とグランドとの間に接続された第3の放電管ユニット(3)の放電管(1a)と放電管(2a)に流れる電流は、変圧器(T3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)により均衡化され、同じ電流が流れる。変圧器(T3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)の合計2本の放電管の電流が流れる。
【0005】
変圧器(T1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点は、変圧器(T4)の第1の巻線(1b)に接続され、変圧器(T2)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点は、変圧器(T4)の第2の巻線(2b)に接続され、放電管ユニット(1)と、第2の放電管ユニット(2)に流れる電流は、変圧器(T4)により均衡化され、第1の放電管ユニット(1)と第2の放電管ユニット(2)に同じ電流が流れる。変圧器(T4)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第1の放電管ユニット(1)と第2の放電管ユニット(2)の合計4本の放電管の電流が流れる。変圧器(T3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第3の放電管ユニット(3)の合計2本の放電管の電流が流れる。
【0006】
変圧器(T4)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点は、変圧器(T5)の第1の巻線(1b)に接続され、変圧器(T3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点は、変圧器(T5)の第2の巻線(2b)に接続される。従って、変圧器(T5)の第1の巻線(1b)には、放電管4本分の電流が流れ、変圧器(T5)の第2の巻線(2b)には、2本分の電流が流れるため、第1の巻線と第2の巻線の巻数比は、流れる電流の逆数倍に設定される。例えば、変圧器(T5)の第1の巻線(1b)には、放電管4本分の電流が流れ、第2の巻線には放電管2本分の電流が流れるので、電流の比率は、2対1の関係になる。そこで、変圧器の第1の巻線(1b)の巻数を1とすると、第2の巻線(2b)の巻数は、2の関係に巻数比が設定される。変圧器(T1〜T5)は、何れも各放電管(1a,2a)に流れる電流を平均化し均衡化する作用を有する。
【0007】
図11に示す従来のマルチ放電管点灯装置は、図10に示す装置からコンデンサ(20)を省略した構造を有する。図12に示す従来のマルチ放電管点灯装置は、変圧器を省略して、各放電管ユニット(1〜3)の第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)とをU字状に直接接続した構造を有し、各放電管ユニットの第1の放電管(1a)及び第2の放電管(2a)をそれぞれ互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源(10)の一方及び他方の端子に接続するが、各放電管ユニット(1〜3)に流れる電流を平均化し均衡化する作用は得られない。図13は、各放電管(1a,2a)に直列に接続した第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)を共通線(4)に接続し、第3の放電管ユニット(3)の第1の巻線(1b)に共通線(4)を介して接続された第3の放電管ユニット(3)の第2の巻線(2b)に、第1の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)を電磁的に結合される。第1の放電管ユニット(1)の第2の放電管(2a)以降の各第1の巻線(1b)は、前置される放電管に接続される第2の巻線(2b)に電磁的に結合され、逆に各第2の巻線(2b)は、後置される放電管に接続される第1の巻線(1b)に電磁的に結合される。図14は、図13に示すコンデンサ(20)を省略した構成を示す。
【0008】
図15は、各放電管ユニットの第1の放電管(1a)及び第2の放電管(2a)をそれぞれ交流電源(10)の一方及び他方の端子に接続し、第1の放電管ユニット(1)の第1の放電管(1a)に接続された第2の巻線(2b)を第2の放電管(2a)に接続された第1の巻線(1b)に電磁的に結合すると共に、共通線(4)に接続する。第1の放電管ユニット(1)の第2の放電管(2a)に接続された第1の巻線(1b)を、第2の放電管ユニット(2)の第1の放電管(1a)に接続された第1の巻線(1b)に電磁的に結合する第2の巻線(2b)に直列に接続し、共通線(4)に接続する。このように、各放電管ユニット(1,2,3)の放電管(1a,2a)と共通線(4)との間に第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)との直列回路を接続し、各第1の巻線(1b)を前置される放電管の第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、各第2の巻線(2b)を後置される放電管の第1の巻線(1b)に電磁的に結合する構成を示す。図16は、図15に示すコンデンサ(20)を省略した構成を示す。図13〜図16は、何れも変圧器を接続する図10及び図11と同様に電流を平均化・均衡化する作用効果を生ずる。このように、電流を平均化し、均衡化する放電管点灯装置は、例えば、下記特許文献1に開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−335443公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、多数の放電管ユニットを点灯する放電管点灯装置では、少なくとも1つの放電管で構成される放電管ユニットの放電管に流れる電流の均衡を保持できるが、他の放電管ユニットの放電管に対して電流を均衡させるには、電流を均衡させる変圧器が必要になる。したがって、何れの従来の装置でも、放電管の本数と同数又は放電管の本数に1本少ない個数の変圧器が必要であり、装置が高価になる難点がある。
【0011】
そこで、本発明は、複数の放電管の各々に流れる電流を均衡化させる変圧器を減少した数で使用するマルチ放電管点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のマルチ放電管点灯装置は、直列に接続した少なくとも1つの放電管(1a,2a)、第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)を各々有するn組の放電管ユニット(1〜n)と、放電管ユニット(1〜n)の一端と他端にそれぞれ接続された第1及び第2の出力端子(10a,10b)から互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源(10)とを備えている。第1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)を、変圧器(Tm)を介して第n番目の放電管ユニット(n)の第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、第2番目以降の放電管ユニットの各第1の巻線(1b)を、変圧器(T1〜Tm-1)を介してそれぞれ前番目の放電管ユニットの第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、2番目以降の放電管ユニットの各第2の巻線(2b)を、変圧器(T2〜Tm-1)を介してそれぞれ次番目の放電管ユニットの第1の巻線(1b)に電磁的に結合する。nとmとの関係は、m=n又はm=n+1である。このように、隣り合う放電管ユニット及び第1番目とn番目の放電管ユニットの第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)とを変圧器により電磁結合するので、変圧器の数を減少して、マルチ放電管点灯装置の小型化と製造価格の低減を図ることができる。また、各放電管ユニットに流れる管電流を平均化する変圧器を接続するので、マルチ放電管点灯装置を起動するときに、点灯開始に至らない放電管に接続された変圧器に起電力が発生して、点灯開始に至らない放電管に印加される電圧を上昇させて、点灯が容易となる利点がある。
【発明の効果】
【0013】
変圧器の数を低減することにより、マルチ放電管点灯装置を小型化して種々の電子機器に組み込むことができると共に、安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明によるマルチ放電管点灯装置の実施の形態を図1〜図9について説明する。但し、図1〜図9では、図10〜図16に示す箇所と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
図1に示すように、本発明のマルチ放電管点灯装置の第1の実施の形態は、直列に接続した第1の放電管(1a)、第1の巻線(1b)、第2の巻線(2b)及び第2の放電管(2a)を各々有するn組の放電管ユニット(1〜n)と、コンデンサ(20)を介して各放電管ユニット(1〜n)の一端と他端にそれぞれ接続された第1及び第2の出力端子(10a,10b)からグランド端子(10c)を基準電位として互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源(10)とを備えている。各放電管ユニット(1〜n)は、ストレート形の第1の放電管(1a)とストレート形の第2の放電管(2a)とを擬似U字状に直列接続して構成される。第1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)は、変圧器(Tn=m)を介して第n番目の放電管ユニット(n)の第2の巻線(2b)に電磁的に結合され、第2番目の放電管ユニット(2)の第1の巻線(1b)は、変圧器(T1)を介してそれぞれ第1の放電管ユニット(1)の第2の巻線(2b)に電磁的に結合され、第3番目以降の放電管ユニットも同様に構成される。このように、第2番目以降の放電管ユニットの各第1の巻線(1b)は、変圧器(T2〜Tn-1)を介してそれぞれ前番目の放電管ユニットの第2の巻線(2b)に電磁的に結合される。
【0016】
また、2番目の放電管ユニット(2)の第2の巻線(2b)は、変圧器(T3)を介して第3番目の放電管ユニット(3)の第1の巻線(1b)に電磁的に結合され、第3番目以降の放電管ユニットも同様に構成される。このように、2番目以降の放電管ユニットの各第2の巻線(2b)は、変圧器(T2〜Tn-1)を介してそれぞれ次番目の放電管ユニットの第1の巻線(1b)に電磁的に結合される。変圧器(T1〜Tn)は、巻数比が1対1の密結合変圧器である。このように、本発明の実施の形態では、隣り合う放電管ユニット及び第1番目とn番目の放電管ユニット(1,n)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)とを変圧器(T1〜Tn)により電磁結合するので、変圧器の数を減少して、マルチ放電管点灯装置の小型化と製造価格の低減を図ることができる。また、各放電管ユニット(1〜n)に流れる管電流を平均化する変圧器を接続するので、マルチ放電管点灯装置を起動したときに、点灯開始に至らない放電管に接続された変圧器に起電力が発生して、点灯開始に至らない放電管に印加される電圧を上昇させて、点灯が容易となる利点がある。また、変圧器の数を低減することにより、マルチ放電管点灯装置を小型化して種々の電子機器に組み込むことができると共に、安価に製造することができる。
【0017】
図1に示す本発明の実施の形態は、種々の変更が可能である。例えば、図2に示すように、各放電管(1a,2a)と交流電源(10)との間に接続されるコンデンサ(20)を省略してもよい。また、図1は、第1の放電管(1a)、第1の巻線(1b)、第2の巻線(2b)及び第2の放電管(2a)の順番でコンデンサ(20)を介して交流電源(10)に接続する各組の放電管ユニット(1〜n)を構成したが、この順番は、適宜変更することができ、例えば、図3に示すように、第1の巻線(1b)、第1の放電管(1a)、第2の放電管(2a)及び第2の巻線(2b)の順番でコンデンサ(20)を介して交流電源(10)に接続して各組の放電管ユニット(1〜n)を構成してもよい。前記の場合に、図4に示すように、コンデンサ(20)を省略することもできる。また、図5に示すように、変圧器(T m=n+1)にて1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)と対になる第2の巻線(2b)と、変圧器(Tn)にてn番目の放電管ユニット(n)の第2の放電管(2a)に接続される第2の巻線(2b)と対になる第1の巻線(1b)とを接続線(5)により、1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)とn番目の放電管ユニット(n)の第2の巻線(2b)とを電磁的に結合してもよい。
【0018】
変圧器(Tn)と変圧器(Tn+1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)との巻数比率は、使用条件により1対1から適宜変更しても良い。例えば、変圧器(Tn)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の巻数比を0.1対1とし、変圧器(Tn+1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の巻数比を1対0.1にするなど、互いに接続される変圧器の巻数比を同じ比率で変更しても良い。巻数比を低減するとき、接続線(5)に発生する電圧が低下し、接続線(5)から外部への影響又は外部からの巻線への影響を低減できる。巻数比を増加するときは、接続線(5)に発生する電圧が高くなるが、電流が減少するため、電磁誘導による影響は減少する。
【0019】
また、図6に示すように、n組の放電管ユニットの中、何れかの放電管ユニット、例えば、第1の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)とに直列に電流検出手段となる電流検出抵抗(6)を接続し、電流検出抵抗(6)の一端をグランドに接続して、電流検出抵抗(6)により第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)とに流れる電流値を検出してもよい。これにより、全ての放電管に流れる電流値を検出して、検出した電流値に応じてマルチ放電管点灯装置に対して、電流値制御等の種々の制御を行うことができる。図7は、電流検出用の変圧器を介して電流検出抵抗(6)を接続した例を示す。また、図8に示すように、n組の前記放電管ユニットの中、何れかの放電管ユニットの第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の何れかの端子に電圧検出手段としての電圧検出抵抗(7)を接続し、電圧検出抵抗(7)により第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)とに印加される電圧値を検出することができる。例えば、第1の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)と第1の放電管(1a)との接続点とグランドとの間に電圧検出抵抗(7)を接続して、検出した電圧値に応じてマルチ放電管点灯装置に対して、電圧値制御等の種々の制御を行うことができ、電圧検出手段により放電灯不良や脱落を検出できる。また、前記電流検出及び電圧検出も安価且つ容易な構成で行なうことができる。更に、図9に示すように、U字形状に湾曲した少なくとも1つの放電管で各放電管ユニット(1〜n)を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、少なくとも1つの放電管でU字状に構成された放電管を有する複数の放電管ユニットを備え、各放電管に流れる電流を変圧器により均等化するマルチ放電管点灯装置に特に有効に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明によるマルチ放電管点灯装置の第1の実施の形態を示す電気回路図
【図2】図1の実施の形態からコンデンサを省略した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第2の実施の形態を示す電気回路図
【図3】放電管ユニット内の回路素子の接続順序を変更した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第3の実施の形態を示す電気回路図
【図4】図3の実施の形態からコンデンサを省略した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第4の実施の形態を示す電気回路図
【図5】変圧器の構成を変更した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第5の実施の形態を示す電気回路図
【図6】電流検出抵抗を設けた本発明によるマルチ放電管点灯装置の第6の実施の形態を示す電気回路図
【図7】変流器による電流検出手段を設けた本発明によるマルチ放電管点灯装置の第7の実施の形態を示す電気回路図
【図8】電圧検出抵抗を設けた本発明によるマルチ放電管点灯装置の第8の実施の形態を示す電気回路図
【図9】U字形状の放電管を使用した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第9の実施の形態を示す電気回路図
【図10】マルチ放電管点灯装置の第1の従来例を示す回路図
【図11】図10の回路からコンデンサを省略した第2の従来例を示す回路図
【図12】マルチ放電管点灯装置の第3の従来例を示す回路図
【図13】変圧器の接続構成を変更した第4の従来例を示す回路図
【図14】図13の回路からコンデンサを省略した第5の従来例を示す回路図
【図15】図13の回路から変圧器の数を減少した第6の従来例を示す回路図
【図16】図15の回路からコンデンサを省略した第7の従来例を示す回路図
【符号の説明】
【0022】
(1〜n)・・放電管ユニット、 (1a)・・第1の放電管、 (1b)・・第1の巻線、 (2a)・・第2の放電管、 (2b)・・第2の巻線、 (4)・・共通線、 (5)・・接続線、 (6)・・電流検出抵抗(電流検出手段)、 (7)・・電圧検出抵抗(電圧検出手段)、 (10)・・交流電源、 (10a)・・第1の出力端子、 (10b)・・第2の出力端子、 (20)・・コンデンサ、
【技術分野】
【0001】
本発明は、減少した数の電流均衡化変圧器で複数の放電管ユニットを駆動できるマルチ放電管点灯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶テレビジョン等の液晶画面の単一パネルに複数の放電管を使用する液晶表示機器は、液晶画面全体を均一な輝度で放電管から照明しなければならない。異なる電流値で複数の放電管を点灯すると、不均一な輝度勾配等の照明不良が発生する欠陥が生ずる。複数の放電管の一端に交流高電圧を印加して、各放電管に流れる電流を均衡化する従来のマルチ放電管点灯装置は、図10に示すように、直列に接続した第1の放電管(1a)、第1の巻線(1b)、第2の巻線(2b)及び第2の放電管(2a)を各々有する3組の放電管ユニット(1〜3)と、コンデンサ(20)を介して各放電管ユニット(1〜3)の第1の放電管(1a)及び第2の放電管(2a)の各一端が接続される交流電源(10)と、各放電管ユニット(1〜3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)とを電磁的に結合する変圧器(T1〜T3)と、変圧器(T1)の第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)に接続された第1の巻線(1b)と変圧器(T2)の第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)に接続された第2の巻線(2b)とを電磁的に結合する変圧器(T4)と、変圧器(T4)の第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)とグランドとの間に接続された第1の巻線(1b)と変圧器(T3)の第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)とグランドとの間に接続された第2の巻線(2b)とを電磁的に結合する変圧器(T5)とを備える。コンデンサ(20)と変圧器(T1)を介して交流電源(10)とグランドとの間に接続された第1の放電管ユニット(1)の放電管(1a)と放電管(2a)に流れる電流は、変圧器(T1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)により均衡化され、同じ電流が流れる。変圧器(T1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)の合計2本の放電管の電流が流れる。
【0003】
同様に、コンデンサ(20)と変圧器(T2)を介して交流電源(10)とグランドとの間に接続された第2の放電管ユニット(2)の放電管(1a)と放電管(2a)に流れる電流は、変圧器(T2)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)により均衡化され、同じ電流が流れる。変圧器(T2)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)の合計2本の放電管の電流が流れる。
【0004】
同様に、コンデンサ(20)と変圧器(T3)を介して交流電源(10)とグランドとの間に接続された第3の放電管ユニット(3)の放電管(1a)と放電管(2a)に流れる電流は、変圧器(T3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)により均衡化され、同じ電流が流れる。変圧器(T3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)の合計2本の放電管の電流が流れる。
【0005】
変圧器(T1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点は、変圧器(T4)の第1の巻線(1b)に接続され、変圧器(T2)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点は、変圧器(T4)の第2の巻線(2b)に接続され、放電管ユニット(1)と、第2の放電管ユニット(2)に流れる電流は、変圧器(T4)により均衡化され、第1の放電管ユニット(1)と第2の放電管ユニット(2)に同じ電流が流れる。変圧器(T4)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第1の放電管ユニット(1)と第2の放電管ユニット(2)の合計4本の放電管の電流が流れる。変圧器(T3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点には、第3の放電管ユニット(3)の合計2本の放電管の電流が流れる。
【0006】
変圧器(T4)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点は、変圧器(T5)の第1の巻線(1b)に接続され、変圧器(T3)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の接続点は、変圧器(T5)の第2の巻線(2b)に接続される。従って、変圧器(T5)の第1の巻線(1b)には、放電管4本分の電流が流れ、変圧器(T5)の第2の巻線(2b)には、2本分の電流が流れるため、第1の巻線と第2の巻線の巻数比は、流れる電流の逆数倍に設定される。例えば、変圧器(T5)の第1の巻線(1b)には、放電管4本分の電流が流れ、第2の巻線には放電管2本分の電流が流れるので、電流の比率は、2対1の関係になる。そこで、変圧器の第1の巻線(1b)の巻数を1とすると、第2の巻線(2b)の巻数は、2の関係に巻数比が設定される。変圧器(T1〜T5)は、何れも各放電管(1a,2a)に流れる電流を平均化し均衡化する作用を有する。
【0007】
図11に示す従来のマルチ放電管点灯装置は、図10に示す装置からコンデンサ(20)を省略した構造を有する。図12に示す従来のマルチ放電管点灯装置は、変圧器を省略して、各放電管ユニット(1〜3)の第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)とをU字状に直接接続した構造を有し、各放電管ユニットの第1の放電管(1a)及び第2の放電管(2a)をそれぞれ互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源(10)の一方及び他方の端子に接続するが、各放電管ユニット(1〜3)に流れる電流を平均化し均衡化する作用は得られない。図13は、各放電管(1a,2a)に直列に接続した第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)を共通線(4)に接続し、第3の放電管ユニット(3)の第1の巻線(1b)に共通線(4)を介して接続された第3の放電管ユニット(3)の第2の巻線(2b)に、第1の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)を電磁的に結合される。第1の放電管ユニット(1)の第2の放電管(2a)以降の各第1の巻線(1b)は、前置される放電管に接続される第2の巻線(2b)に電磁的に結合され、逆に各第2の巻線(2b)は、後置される放電管に接続される第1の巻線(1b)に電磁的に結合される。図14は、図13に示すコンデンサ(20)を省略した構成を示す。
【0008】
図15は、各放電管ユニットの第1の放電管(1a)及び第2の放電管(2a)をそれぞれ交流電源(10)の一方及び他方の端子に接続し、第1の放電管ユニット(1)の第1の放電管(1a)に接続された第2の巻線(2b)を第2の放電管(2a)に接続された第1の巻線(1b)に電磁的に結合すると共に、共通線(4)に接続する。第1の放電管ユニット(1)の第2の放電管(2a)に接続された第1の巻線(1b)を、第2の放電管ユニット(2)の第1の放電管(1a)に接続された第1の巻線(1b)に電磁的に結合する第2の巻線(2b)に直列に接続し、共通線(4)に接続する。このように、各放電管ユニット(1,2,3)の放電管(1a,2a)と共通線(4)との間に第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)との直列回路を接続し、各第1の巻線(1b)を前置される放電管の第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、各第2の巻線(2b)を後置される放電管の第1の巻線(1b)に電磁的に結合する構成を示す。図16は、図15に示すコンデンサ(20)を省略した構成を示す。図13〜図16は、何れも変圧器を接続する図10及び図11と同様に電流を平均化・均衡化する作用効果を生ずる。このように、電流を平均化し、均衡化する放電管点灯装置は、例えば、下記特許文献1に開示されている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−335443公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、多数の放電管ユニットを点灯する放電管点灯装置では、少なくとも1つの放電管で構成される放電管ユニットの放電管に流れる電流の均衡を保持できるが、他の放電管ユニットの放電管に対して電流を均衡させるには、電流を均衡させる変圧器が必要になる。したがって、何れの従来の装置でも、放電管の本数と同数又は放電管の本数に1本少ない個数の変圧器が必要であり、装置が高価になる難点がある。
【0011】
そこで、本発明は、複数の放電管の各々に流れる電流を均衡化させる変圧器を減少した数で使用するマルチ放電管点灯装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のマルチ放電管点灯装置は、直列に接続した少なくとも1つの放電管(1a,2a)、第1の巻線(1b)及び第2の巻線(2b)を各々有するn組の放電管ユニット(1〜n)と、放電管ユニット(1〜n)の一端と他端にそれぞれ接続された第1及び第2の出力端子(10a,10b)から互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源(10)とを備えている。第1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)を、変圧器(Tm)を介して第n番目の放電管ユニット(n)の第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、第2番目以降の放電管ユニットの各第1の巻線(1b)を、変圧器(T1〜Tm-1)を介してそれぞれ前番目の放電管ユニットの第2の巻線(2b)に電磁的に結合し、2番目以降の放電管ユニットの各第2の巻線(2b)を、変圧器(T2〜Tm-1)を介してそれぞれ次番目の放電管ユニットの第1の巻線(1b)に電磁的に結合する。nとmとの関係は、m=n又はm=n+1である。このように、隣り合う放電管ユニット及び第1番目とn番目の放電管ユニットの第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)とを変圧器により電磁結合するので、変圧器の数を減少して、マルチ放電管点灯装置の小型化と製造価格の低減を図ることができる。また、各放電管ユニットに流れる管電流を平均化する変圧器を接続するので、マルチ放電管点灯装置を起動するときに、点灯開始に至らない放電管に接続された変圧器に起電力が発生して、点灯開始に至らない放電管に印加される電圧を上昇させて、点灯が容易となる利点がある。
【発明の効果】
【0013】
変圧器の数を低減することにより、マルチ放電管点灯装置を小型化して種々の電子機器に組み込むことができると共に、安価に製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明によるマルチ放電管点灯装置の実施の形態を図1〜図9について説明する。但し、図1〜図9では、図10〜図16に示す箇所と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0015】
図1に示すように、本発明のマルチ放電管点灯装置の第1の実施の形態は、直列に接続した第1の放電管(1a)、第1の巻線(1b)、第2の巻線(2b)及び第2の放電管(2a)を各々有するn組の放電管ユニット(1〜n)と、コンデンサ(20)を介して各放電管ユニット(1〜n)の一端と他端にそれぞれ接続された第1及び第2の出力端子(10a,10b)からグランド端子(10c)を基準電位として互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源(10)とを備えている。各放電管ユニット(1〜n)は、ストレート形の第1の放電管(1a)とストレート形の第2の放電管(2a)とを擬似U字状に直列接続して構成される。第1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)は、変圧器(Tn=m)を介して第n番目の放電管ユニット(n)の第2の巻線(2b)に電磁的に結合され、第2番目の放電管ユニット(2)の第1の巻線(1b)は、変圧器(T1)を介してそれぞれ第1の放電管ユニット(1)の第2の巻線(2b)に電磁的に結合され、第3番目以降の放電管ユニットも同様に構成される。このように、第2番目以降の放電管ユニットの各第1の巻線(1b)は、変圧器(T2〜Tn-1)を介してそれぞれ前番目の放電管ユニットの第2の巻線(2b)に電磁的に結合される。
【0016】
また、2番目の放電管ユニット(2)の第2の巻線(2b)は、変圧器(T3)を介して第3番目の放電管ユニット(3)の第1の巻線(1b)に電磁的に結合され、第3番目以降の放電管ユニットも同様に構成される。このように、2番目以降の放電管ユニットの各第2の巻線(2b)は、変圧器(T2〜Tn-1)を介してそれぞれ次番目の放電管ユニットの第1の巻線(1b)に電磁的に結合される。変圧器(T1〜Tn)は、巻数比が1対1の密結合変圧器である。このように、本発明の実施の形態では、隣り合う放電管ユニット及び第1番目とn番目の放電管ユニット(1,n)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)とを変圧器(T1〜Tn)により電磁結合するので、変圧器の数を減少して、マルチ放電管点灯装置の小型化と製造価格の低減を図ることができる。また、各放電管ユニット(1〜n)に流れる管電流を平均化する変圧器を接続するので、マルチ放電管点灯装置を起動したときに、点灯開始に至らない放電管に接続された変圧器に起電力が発生して、点灯開始に至らない放電管に印加される電圧を上昇させて、点灯が容易となる利点がある。また、変圧器の数を低減することにより、マルチ放電管点灯装置を小型化して種々の電子機器に組み込むことができると共に、安価に製造することができる。
【0017】
図1に示す本発明の実施の形態は、種々の変更が可能である。例えば、図2に示すように、各放電管(1a,2a)と交流電源(10)との間に接続されるコンデンサ(20)を省略してもよい。また、図1は、第1の放電管(1a)、第1の巻線(1b)、第2の巻線(2b)及び第2の放電管(2a)の順番でコンデンサ(20)を介して交流電源(10)に接続する各組の放電管ユニット(1〜n)を構成したが、この順番は、適宜変更することができ、例えば、図3に示すように、第1の巻線(1b)、第1の放電管(1a)、第2の放電管(2a)及び第2の巻線(2b)の順番でコンデンサ(20)を介して交流電源(10)に接続して各組の放電管ユニット(1〜n)を構成してもよい。前記の場合に、図4に示すように、コンデンサ(20)を省略することもできる。また、図5に示すように、変圧器(T m=n+1)にて1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)と対になる第2の巻線(2b)と、変圧器(Tn)にてn番目の放電管ユニット(n)の第2の放電管(2a)に接続される第2の巻線(2b)と対になる第1の巻線(1b)とを接続線(5)により、1番目の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)とn番目の放電管ユニット(n)の第2の巻線(2b)とを電磁的に結合してもよい。
【0018】
変圧器(Tn)と変圧器(Tn+1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)との巻数比率は、使用条件により1対1から適宜変更しても良い。例えば、変圧器(Tn)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の巻数比を0.1対1とし、変圧器(Tn+1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の巻数比を1対0.1にするなど、互いに接続される変圧器の巻数比を同じ比率で変更しても良い。巻数比を低減するとき、接続線(5)に発生する電圧が低下し、接続線(5)から外部への影響又は外部からの巻線への影響を低減できる。巻数比を増加するときは、接続線(5)に発生する電圧が高くなるが、電流が減少するため、電磁誘導による影響は減少する。
【0019】
また、図6に示すように、n組の放電管ユニットの中、何れかの放電管ユニット、例えば、第1の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)とに直列に電流検出手段となる電流検出抵抗(6)を接続し、電流検出抵抗(6)の一端をグランドに接続して、電流検出抵抗(6)により第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)とに流れる電流値を検出してもよい。これにより、全ての放電管に流れる電流値を検出して、検出した電流値に応じてマルチ放電管点灯装置に対して、電流値制御等の種々の制御を行うことができる。図7は、電流検出用の変圧器を介して電流検出抵抗(6)を接続した例を示す。また、図8に示すように、n組の前記放電管ユニットの中、何れかの放電管ユニットの第1の巻線(1b)と第2の巻線(2b)の何れかの端子に電圧検出手段としての電圧検出抵抗(7)を接続し、電圧検出抵抗(7)により第1の放電管(1a)と第2の放電管(2a)とに印加される電圧値を検出することができる。例えば、第1の放電管ユニット(1)の第1の巻線(1b)と第1の放電管(1a)との接続点とグランドとの間に電圧検出抵抗(7)を接続して、検出した電圧値に応じてマルチ放電管点灯装置に対して、電圧値制御等の種々の制御を行うことができ、電圧検出手段により放電灯不良や脱落を検出できる。また、前記電流検出及び電圧検出も安価且つ容易な構成で行なうことができる。更に、図9に示すように、U字形状に湾曲した少なくとも1つの放電管で各放電管ユニット(1〜n)を構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、少なくとも1つの放電管でU字状に構成された放電管を有する複数の放電管ユニットを備え、各放電管に流れる電流を変圧器により均等化するマルチ放電管点灯装置に特に有効に実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明によるマルチ放電管点灯装置の第1の実施の形態を示す電気回路図
【図2】図1の実施の形態からコンデンサを省略した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第2の実施の形態を示す電気回路図
【図3】放電管ユニット内の回路素子の接続順序を変更した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第3の実施の形態を示す電気回路図
【図4】図3の実施の形態からコンデンサを省略した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第4の実施の形態を示す電気回路図
【図5】変圧器の構成を変更した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第5の実施の形態を示す電気回路図
【図6】電流検出抵抗を設けた本発明によるマルチ放電管点灯装置の第6の実施の形態を示す電気回路図
【図7】変流器による電流検出手段を設けた本発明によるマルチ放電管点灯装置の第7の実施の形態を示す電気回路図
【図8】電圧検出抵抗を設けた本発明によるマルチ放電管点灯装置の第8の実施の形態を示す電気回路図
【図9】U字形状の放電管を使用した本発明によるマルチ放電管点灯装置の第9の実施の形態を示す電気回路図
【図10】マルチ放電管点灯装置の第1の従来例を示す回路図
【図11】図10の回路からコンデンサを省略した第2の従来例を示す回路図
【図12】マルチ放電管点灯装置の第3の従来例を示す回路図
【図13】変圧器の接続構成を変更した第4の従来例を示す回路図
【図14】図13の回路からコンデンサを省略した第5の従来例を示す回路図
【図15】図13の回路から変圧器の数を減少した第6の従来例を示す回路図
【図16】図15の回路からコンデンサを省略した第7の従来例を示す回路図
【符号の説明】
【0022】
(1〜n)・・放電管ユニット、 (1a)・・第1の放電管、 (1b)・・第1の巻線、 (2a)・・第2の放電管、 (2b)・・第2の巻線、 (4)・・共通線、 (5)・・接続線、 (6)・・電流検出抵抗(電流検出手段)、 (7)・・電圧検出抵抗(電圧検出手段)、 (10)・・交流電源、 (10a)・・第1の出力端子、 (10b)・・第2の出力端子、 (20)・・コンデンサ、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列に接続した少なくとも1つの放電管、第1の巻線及び第2の巻線を各々有するn組の放電管ユニットと、
該放電管ユニットの一端と他端にそれぞれ接続された第1及び第2の出力端子から互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源とを備え、
第1番目の前記放電管ユニットの第1の巻線を、変圧器を介して第n番目の前記放電管ユニットの第2の巻線に電磁的に結合し、
第2番目以降の前記放電管ユニットの各第1の巻線を、変圧器を介してそれぞれ前番目の前記放電管ユニットの第2の巻線に電磁的に結合し、
前記2番目以降の前記放電管ユニットの各第2の巻線を、変圧器を介してそれぞれ次番目の前記放電管ユニットの第1の巻線に電磁的に結合し、
m=n又はm=n+1であることを特徴とするマルチ放電管点灯装置。
【請求項2】
前記変圧器は、1対1の巻数比を有する密結合変圧器である請求項1に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項3】
前記交流電源の第1及び第2の出力端子にコンデンサを介して前記放電管ユニットの一端と他端を接続した請求項1又は2に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項4】
n組の前記放電管ユニットの中、何れかの放電管ユニットの前記第1の巻線と前記第2の巻線とに直列に電流検出手段を接続し、該電流検出手段により前記何れかの放電管ユニットに流れる電流を検出する請求項1〜3の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項5】
n組の前記放電管ユニットの中、1つ以上の何れかの放電管ユニットの前記第1の巻線と前記第2の巻線の何れかの端子に電圧検出手段を接続し、前記第1の放電管又は第2の放電管が異常な場合の前記電圧検出手段により異常を検出する請求項1〜4の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項6】
1番目の前記放電管ユニットの第1の巻線とn番目の前記放電管ユニットの第2番目の巻線とを電磁的に結合する接続巻線を前記変圧器に設けた請求項1〜5の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項7】
前記放電管ユニットの各々は、少なくとも1つのストレート形の第1の放電管と、少なくとも1つのストレート形の第2の放電管とを擬似U字状に直列接続した請求項1〜6の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項8】
n組の前記放電管ユニットを下記の何れかの順序:
(1) 第1の放電管、第1の巻線、第2の巻線及び第2の放電管又は
(2) 第1の巻線、第1の放電管、第2の放電管及び第2の巻線
により接続した請求項1〜7の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの放電管は、少なくとも1つのU字形の放電管である請求項1〜6の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項1】
直列に接続した少なくとも1つの放電管、第1の巻線及び第2の巻線を各々有するn組の放電管ユニットと、
該放電管ユニットの一端と他端にそれぞれ接続された第1及び第2の出力端子から互いに逆相の交流電圧を発生する交流電源とを備え、
第1番目の前記放電管ユニットの第1の巻線を、変圧器を介して第n番目の前記放電管ユニットの第2の巻線に電磁的に結合し、
第2番目以降の前記放電管ユニットの各第1の巻線を、変圧器を介してそれぞれ前番目の前記放電管ユニットの第2の巻線に電磁的に結合し、
前記2番目以降の前記放電管ユニットの各第2の巻線を、変圧器を介してそれぞれ次番目の前記放電管ユニットの第1の巻線に電磁的に結合し、
m=n又はm=n+1であることを特徴とするマルチ放電管点灯装置。
【請求項2】
前記変圧器は、1対1の巻数比を有する密結合変圧器である請求項1に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項3】
前記交流電源の第1及び第2の出力端子にコンデンサを介して前記放電管ユニットの一端と他端を接続した請求項1又は2に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項4】
n組の前記放電管ユニットの中、何れかの放電管ユニットの前記第1の巻線と前記第2の巻線とに直列に電流検出手段を接続し、該電流検出手段により前記何れかの放電管ユニットに流れる電流を検出する請求項1〜3の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項5】
n組の前記放電管ユニットの中、1つ以上の何れかの放電管ユニットの前記第1の巻線と前記第2の巻線の何れかの端子に電圧検出手段を接続し、前記第1の放電管又は第2の放電管が異常な場合の前記電圧検出手段により異常を検出する請求項1〜4の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項6】
1番目の前記放電管ユニットの第1の巻線とn番目の前記放電管ユニットの第2番目の巻線とを電磁的に結合する接続巻線を前記変圧器に設けた請求項1〜5の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項7】
前記放電管ユニットの各々は、少なくとも1つのストレート形の第1の放電管と、少なくとも1つのストレート形の第2の放電管とを擬似U字状に直列接続した請求項1〜6の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項8】
n組の前記放電管ユニットを下記の何れかの順序:
(1) 第1の放電管、第1の巻線、第2の巻線及び第2の放電管又は
(2) 第1の巻線、第1の放電管、第2の放電管及び第2の巻線
により接続した請求項1〜7の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つの放電管は、少なくとも1つのU字形の放電管である請求項1〜6の何れか1項に記載のマルチ放電管点灯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−218171(P2008−218171A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−53313(P2007−53313)
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月2日(2007.3.2)
【出願人】(000106276)サンケン電気株式会社 (982)
【Fターム(参考)】
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