説明

マンノシルエリスリトールリピッドの回収方法

【課題】有機溶媒を用いずにMELを効率よく回収する方法を提供するまた、MELの取り扱い性を改善する方法、及び取り扱い性が改善されたMELを含有する資材を提供する。
【解決手段】
マンノシルエリスリトールリピッド溶液中のマンノシルエリスリトールリピッドをシリカに吸着させ、マンノシルエリスリトールリピッドを吸着させたシリカを回収する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンノシルエリスリトールリピッド溶液から、マンノシルエリスリトールリピッドを回収する方法に関する。また、本発明は、マンノシルエリスリトールリピッドを含有する資材に関する。
【背景技術】
【0002】
マンノシルエリスリトールリピッド(以下「MEL」ともいう。)は、マンノース、エリスリトール及び脂肪酸が結合した構造を有する糖脂質であり、微生物により生産されるバイオサーファクタントの一種として知られている。MELは生分解性を有することから、環境負荷が小さいため、合成洗剤に代わる洗剤の成分として期待されている。また、MELは、生体への適合性も高い。MELは、細胞の分化誘導など数々の生理活性機能があることが報告され(非特許文献1〜3)、MELのリポソームを形成する能力を利用した遺伝子導入など、MELを先端医療へ適用する可能性(非特許文献4)も報告されている。
このように、MELは多分野への適用が期待されおり、これまでMELの生産技術についても種々検討されている。近年では100g/Lもの生産性が達成されたとの報告がなされている(非特許文献5)。このように、近年ではMELの生産性向上について改良がなされてきた。一方、MELの工業生産を念頭に置くと、低コストで高いMELの回収効率を達成すること、環境負荷を小さくすること、更には回収したMELの取り扱い性を改善することが不可欠である。
MELの回収に関しては多くの文献に示されているが、有機溶媒を用いる方法が一般的である。このような方法においては、通常、培養液の数倍量の有機溶媒が使用される。有機溶媒を用いる方法では、有機溶媒の回収・再生、廃液処理に多大なコスト及びエネルギーが必要となる。また、この方法は、環境負荷が大きく好ましいものではない。
有機溶媒を用いないMELの回収方法としては、以下の方法が報告されている。特許文献1には遠心分離操作によりMELを回収する方法が示されている。しかしながら、MELを生産する際の菌種の違い、生産されるMEL構造の微小な違いなどに起因する培養液性状の違いにより、遠心分離操作によりMELが分離・沈殿しない場合が多々存在する。また、特許文献2には有機酸共存下でMELを回収する方法が記載されている。しかしながら、添加に必要な有機酸はMELとほぼ等量であるため、多大なコストが必要である他、回収されるMELも有機酸を相当量含んだものとなる。
このように、従来知られているMELの回収方法は、コスト、環境負荷及び回収したMELの含有成分などの面で問題があり、工業生産への適用は現実的ではなかった。
一方、MELは粘稠な物質であり、非常に取り扱い難い。これは、工業的に取り扱う上で大きな障害となる。これまでに、MELの取り扱い性の改善について言及した文献は認められない。
なお、シリカ(SiO2)は、主として珪砂を原料として化学的に反応させて造られる。シリカはその高い安全性と物理化学的特性から、塗料、インキ、プラスチック、接着剤、ろ過助剤、固結防止剤、食品香料担体、歯磨、化粧品、入浴剤、紙、化粧品等の用途に広範に使用されている。
【0003】
【非特許文献1】Eur. J. Biochem., 268, 374(2001)
【非特許文献2】J. Biol. Chem., 276, 39903(2001)
【非特許文献3】J. Biosci. Bioeng., 94, 187(2002)
【非特許文献4】Biocheml. Biophys. Res. Commun.., 289, 57(2001)
【非特許文献5】Biotechnol. Lett., 14, 305(1992)
【特許文献1】特開2004-254595号公報
【特許文献2】特開2007-252280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、低コストで、MELの回収効率が高く、かつ環境負荷が小さいMELの回収方法を提供することを課題とする。また、MELの取り扱い性を改善する方法、及び良好な取り扱い性を有するMELを含有する資材を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記課題を解決すべく研究を行った結果、MEL溶液中のMELをシリカに吸着させ、MELを吸着させたシリカを回収することにより、MELを効率よく回収できることを知見した。また、MELをシリカに担持させることにより、取り扱い易くなることを知見した。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0006】
(1)マンノシルエリスリトールリピッド溶液中のマンノシルエリスリトールリピッドをシリカに吸着させ、マンノシルエリスリトールリピッドを吸着させたシリカを回収することを特徴とする、マンノシルエリスリトールリピッドの回収方法(以下、「本発明のMELの回収方法」ともいう。)。
(2)前記溶液がマンノシルエリスリトールリピッド生産菌の培養液であることを特徴とする、(1)記載のマンノシルエリスリトールリピッドの回収方法。
(3)前記溶液にシリカを添加し、かつ混合することを特徴とする、(1)又は(2)に記載のマンノシルエリスリトールリピッドの回収方法。
(4)ろ材の表面にシリカを敷き、前記溶液をろ過することを特徴とする、(1)又は(2)に記載のマンノシルエリスリトールリピッドの回収方法。
(5)マンノシルエリスリトールリピッドがシリカに担持されていることを特徴とする、マンノシルエリスリトール含有シリカ(以下、「本発明のMEL含有シリカ」ともいう。)。
【発明の効果】
【0007】
本発明のMELの回収方法は、有機溶媒を用いることなく、MELを効率よく回収することを可能とする。特に、本発明は、MEL溶液のMEL濃度に関係なく、効率よくMELを回収することを可能とする。また、本発明のMELの回収方法は、低コストであり、環境負荷も小さく、工業生産への適用が可能である。
また、本発明のMEL含有シリカは、取り扱い性に優れる。さらに、生体にも安全であることから、種々の用途への適用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のMEL回収方法は、マンノシルエリスリトールリピッド溶液中のマンノシルエリスリトールリピッドをシリカに吸着させ、マンノシルエリスリトールリピッドを吸着させたシリカを回収することを特徴とする。
マンノシルエリスリトールリピッド(MEL)は、マンノース、エリスリトール及び脂肪酸が結合した、下記一般式(1)で示される構造を有する糖脂質である。
【0009】
【化1】

【0010】
一般式(1)において、R1及びR2は、任意の脂肪族アシル基である。該脂肪族アシル基の炭素数は、一般的には3〜25である。これらの脂肪族アシル基は、直鎖状のものも分岐状のものも含まれ、飽和のものも不飽和のものも含まれる。また、R3及びR4は、一方がアセチル基であり、他方が水素であるか、両方がアセチル基である。なお、R3及びR4が共にアセチル基であるものはMEL−A、R3が水素であり、R4がアセチル基であるものはMEL−B、R3がアセチル基であり、R4が水素であるものはMEL−C、R3及びR4が共に水素であるものはMEL−Dと呼ばれる。
【0011】
MELは、シュードザイマ(Pseudozyma)属、カンディダ(Candida)属、クルツマノマイセス(Kurtzmanomyces)属、ウスティラゴ(Ustilago)属、シゾネラ(Shizonella)属等に属するMEL生産菌により生産される。従って、MEL溶液は、好ましくはMEL生産菌の培養液である。
シリカの形状は特に制限されないが、吸着面積を大きくする観点から、好ましくは粒状である。粒状のシリカの平均粒径は、好ましくは1〜1000μmである。また、シリカのフタル酸ジブチル(DBP)の吸油量は、好ましくは100g/100g以上、更に好ましくは200g/100g以上である。シリカは市販されており、例えば、Sipernat、Carplex (いずれもデグサジャパン株式会社製)などを用いることができる。
【0012】
MEL溶液中のMELをシリカに吸着させるためには、MEL溶液とシリカを接触させればよく、その方法は特に制限されない。
例えば、シリカをMEL溶液に添加し、混合することにより、MEL溶液中のMELをシリカに吸着させることができる。この場合のシリカの添加量は、MEL溶液のMEL濃度に応じて調節することができるが、MEL濃度の好ましくは0.2〜30質量倍、さらに好ましくは0.3〜20質量倍の濃度となる添加量である。また、シリカをMEL溶液に添加する前又は後であって、混合前に、遠心分離、デカンテーション等により、MEL溶液を濃縮することも好ましい。濃縮は、MEL濃度が10〜90質量%程度となるように行うことが好ましい。
続いて、MELを吸着させたシリカは、ろ過等の方法により回収することができる。ろ過に用いるろ材として、ろ紙、ろ布、ガラスフィルター等が挙げられる。ろ材は、シリカの粒径に応じて選択することができる。また、ろ過の手段として、遠心ろ過、真空ろ過、吸引ろ過等の減圧ろ過、フィルタープレス等の加圧ろ過などが挙げられる。
また、シリカが添加された培養液をスプレードライにより処理する事も可能である。
【0013】
また、ろ材の表面にシリカを敷き、MEL溶液をろ過することにより、MEL溶液中のMELをシリカに吸着させると同時にMELを吸着させたシリカを回収することもできる。この場合のろ材、ろ過の手段、ろ過の条件は、上記と同様のものを用いることができる
。ろ材の表面に敷くシリカの量は、MELの好ましくは0.2〜30質量倍、さらに好ましくは0.3〜20質量倍である。また、MEL溶液のろ過前に予め、MEL溶液を濃縮しておくことも好ましい。この場合の好ましい濃縮率は、上記と同様である。
【0014】
MELを吸着させたシリカは、回収後、取り扱い性を容易にする観点から乾燥することが好ましい。また、スプレードライにより回収と乾燥を同時に行っても構わない。
【0015】
本発明のMEL含有シリカは、シリカにMELが担持されていることを特徴とする。ここで、「担持」とは、MELがシリカの表面に付着している状態、シリカ表面を被覆している状態、シリカの内部に含まれている状態の全てを含む。担体となるシリカは、前記のとおりである。本発明のMEL含有シリカは、MEL及びシリカを混合することにより得ることができる。中でも上述したMELの回収方法を用いて製造する方法が好ましい。この際、MELを吸着したシリカを回収した後、乾燥することが好ましい。また、吸着に用いたシリカの形状、大きさなどによっては、粉砕などを行ってもよい。
MELの担持量は、用途に応じて調節できるが、シリカに対して好ましくは0.1〜5質量倍、さらに好ましくは0.2〜3質量倍である。
本発明のMEL含有シリカは、医薬原料、化粧品原料、食品原料、畜産飼料、殺菌剤、農薬など、種々の分野で使用することが可能である。
【実施例】
【0016】
1.試料及び分析
(1)試験用MELサンプルの調製
(前培養)
ポテトデキストロース培地10mlを試験管に入れ、シリコン栓をした。オートクレーブ滅菌後、Pseudozyma aphidis NBRC 10182を植菌し、30℃にて24時間振とう培養した。NBRC 1012は、独立行政法人製品評価技術基盤機構の生物遺伝資源部門(NBRC)に登録されている株である。
(本培養)
イオン交換水、大豆油 8%、NaNO3 0.2%、KH2PO4 0.02%、MgSO4・7H2O 0.02%、yeast extract 0.1% からなる培地50mlを500ml Erlenmeyerフラスコに入れ、シリコン栓をしてオートクレーブにて滅菌した。Erlenmeyerフラスコに先述したPseudozyma aphidis NBRC 10182の前培養液を加え、30℃/220rpmにて10日間振とう培養を行った。
(試験用MELサンプルの調製)
上記培養液50mlに1N HClを加え、培養液をpH3に調整した後、遠心分離により上清を取り除いた。沈殿部に純水50mlを加え撹拌した後、もう一度遠心分離操作を行い沈殿部を回収した。沈殿部を10mlのメタノールに溶解させた後、更に10mlのヘキサンを加え洗浄を行った(3回)。洗浄後のメタノール溶液に水10mlを加え、そこからクロロホルム10mlにてMELの抽出操作を行った(3回)。クロロホルム層を合せて溶媒を留去し、MELの粗精製物を得て、試験用MELサンプルとした(図8)。試験用MELサンプルのMEL含有量は、HPLC分析の結果、87質量%であった(図1)。
【0017】
(標準MELサンプルの調製)
上記MELの粗精製物1gを少量のクロロホルムに溶解し、シリカゲルカラムにて分画した。クロロホルム500ml、クロロホルム/酢酸エチル=4/1 500ml、アセトン 500ml、メタノール 500mlを順次流して分画した。
各画分を薄層クロマトグラフィーにて展開し(展開溶媒 CHCl3/CH3OH/水 : 65/15/2)、下記文献1)に記述されたRf値の分画(各種MELが示すRf値、Rf = 0.52, 0.58, 0.63, 0.77)を選別し、それらをまとめて標準MELサンプルとした。
文献1) Agric. Biol. Chem., 54(1),31-36, 1990
【0018】
(2)MEL含有培養液の調製
本培養の培養時間を5日間とした以外は、上記(1)と同様に操作を行い、MELを含有した培養液を調製した。
【0019】
(3)シリカ
カープレックス♯67(吸油量(DBP):265g/100g)、カープレックス♯1120(吸油量(DBP):250g/100g)(いずれもデグサジャパン株式会社製)を使用した。
(4)HPLC分析
HPLC分析は、下記の条件にて実施した。
カラム:Inertsil SIL-100A 4.6mmI.D×250mm
移動相:A, CH3OH; B, CHCl3
グラジエント: A / B ; 0/100 → 75/25(15min)
検出器:蒸発光散乱検出器
(5)薄層クロマトグラフィー分析
薄層クロマトグラフィー分析は、以下の組成の展開溶媒にて実施した。
展開溶媒 CHCl3:CH3OH:NH3水 / 65:15:2
【0020】
2.試験
(1)ろ過法
(i)MEL水溶液(実施例1)
上記1.(1)で調製した試験用MELサンプルを用い、1質量%MEL溶液(懸濁液)を50ml調製した。径47mmのガラスフィルターGS−25(アドバンテック東洋製、フィルター細孔直径1μm)をブフナーロートに装着し、その上にカープレックス♯67(平均粒径7.3μm)又はカープレックス♯1120(平均粒径8.8μm)を5g敷き詰めた。ここにMEL溶液を注ぎ、水流アスピレーターにより吸引ろ過を行った。続いて、得られたろ物を乾燥した(図6)。
ろ液 1ml、乾燥したろ物0.1gをサンプリングし、それぞれから酢酸エチル 1mlを用い、MELの抽出操作を行った。ろ物は、MELのシリカへの吸着が均一となるよう撹拌してサンプリングした。それぞれ抽出操作後の酢酸エチル抽出液 5μlを薄層クロマトグラフィーにて展開した(図2)。これを、MELの標準サンプルが示すRf値と比較した。
図2に示されるように、カープレックス♯67を用いた場合も、カープレックス♯1120を用いた場合も、ろ液の酢酸エチル抽出液からはMELの標準サンプルが示すRf値を示すスポットは確認されなかった。一方、いずれの場合も、ろ物の酢酸エチル抽出液からは前記Rf値を示すスポットが確認された。これより、MEL水溶液中のMELが、充分にシリカに吸着されたことが分かった。
【0021】
(ii)MEL含有培養液(実施例2)
上記1.(2)で調製したMEL含有培養液を用いた以外は、実施例1と同様に操作し、ろ液とろ物におけるMELの存在を、薄層クロマトグラフィーにて確認した(図3)。なお、上記MEL含有培養液 1mlから酢酸エチル 1mlを用い、抽出操作を行ったサンプルを対照とした。
図3に示されるように、カープレックス♯67を用いた場合も、カープレックス♯1120を用いた場合も、ろ液の酢酸エチル抽出液からはMELの標準サンプルが示すRf値を示すスポットが確認されなかった。一方、いずれの場合も、ろ物の酢酸エチル抽出液からは前記Rf値を示すスポットが確認された。なお、対照のサンプルからは、前記Rf値を示すスポットが確認された。これより、MEL含有培養液中のMELが、充分にシリカに吸着されたことが分かった。
【0022】
(2)混合法
(i)MEL水溶液(実施例3)
上記1.(1)で調製した試験用MELサンプルを用い、1質量%MEL溶液(懸濁液)を20ml調製した。このMEL溶液に、カープレックス♯67又はカープレックス♯1120を2.0g添加し、Vortexを使用して試験管中で1分間攪拌した。攪拌後、吸引ろ過により、ろ物を回収した。続いて、得られたろ物を乾燥した(図7)。
ろ液 0.5ml、乾燥したろ物 0.05gをサンプリングし、それぞれから酢酸エチル 0.5mlを用いMELの抽出操作を行った。ろ物は、MELのシリカへの吸着が均一となるよう撹拌してサンプリングした。それぞれ抽出操作後の酢酸エチル 5μlを薄層クロマトグラフィーにて展開した(図4)。これを、MELの標準サンプルが示すRf値と比較した。
図4に示されるように、カープレックス♯67を用いた場合も、カープレックス♯1120を用いた場合も、ろ液の酢酸エチル抽出液からはMELの標準サンプルが示すRf値を示すスポットは確認されなかった。一方、いずれの場合も、ろ物の酢酸エチル抽出液からは前記Rf値を示すスポットが確認された。これより、シリカを水溶液に添加し、混合する方法によっても、MEL水溶液中のMELが、充分にシリカに吸着されたことが分かった。
【0023】
(ii)MEL含有培養液(実施例4)
上記1.(2)で調製したMEL含有培養液を用いた以外は、実施例3と同様に操作し、ろ液とろ物におけるMELの存在を、薄層クロマトグラフィーにて確認した(図5)。なお、上記MEL含有培養液 1mlから酢酸エチル 1mlを用い、抽出操作を行ったサンプルを対照とした。
図5に示されるように、カープレックス♯67を用いた場合も、カープレックス♯1120を用いた場合も、ろ液の酢酸エチル抽出液からはMELの標準サンプルが示すRf値を示すスポットは確認されなかった。一方、いずれの場合も、ろ物の酢酸エチル抽出液からは前記Rf値を示すスポットが確認された。なお、対照のサンプルからは、前記Rf値を示すスポットが確認された。これより、シリカを水溶液に添加し、混合する方法によっても、MEL水溶液中のMELが、充分にシリカに吸着されたことが分かった。
【0024】
(3)扱いやすさの改善
上記実施例1及び3にて得られた、乾燥したろ物の写真を図6及び7に、上記1.(1)にて得られた試験用MELサンプルの写真を図8に示す。図8に示されるように、MELは、粘稠であり、非常取り扱い難いが、シリカに吸着させることで図6及び7に示されるような粉体とすることが可能であり、取り扱い易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】試験用MELサンプルのHPLC分析の結果を示す図である。
【図2】実施例1で得られたろ液及びろ物の薄層クロマトグラフィー分析の結果を示す写真である。
【図3】実施例2で得られたろ液及びろ物の薄層クロマトグラフィー分析の結果を示す写真である。
【図4】実施例3で得られたろ液及びろ物の薄層クロマトグラフィー分析の結果を示す写真である。
【図5】実施例4で得られたろ液及びろ物の薄層クロマトグラフィー分析の結果を示す写真である。
【図6】実施例1にて得られた、乾燥したろ物の写真である。
【図7】実施例3にて得られた、乾燥したろ物の写真である。
【図8】試験用MELサンプルの写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンノシルエリスリトールリピッド溶液中のマンノシルエリスリトールリピッドをシリカに吸着させ、マンノシルエリスリトールリピッドを吸着させたシリカを回収することを特徴とする、マンノシルエリスリトールリピッドの回収方法。
【請求項2】
前記溶液がマンノシルエリスリトールリピッド生産菌の培養液であることを特徴とする、請求項1記載のマンノシルエリスリトールリピッドの回収方法。
【請求項3】
前記溶液にシリカを添加し、かつ混合することを特徴とする、請求項1又は2に記載のマンノシルエリスリトールリピッドの回収方法。
【請求項4】
ろ材の表面にシリカを敷き、前記溶液をろ過することを特徴とする、請求項1又は2に記載のマンノシルエリスリトールリピッドの回収方法。
【請求項5】
マンノシルエリスリトールリピッドがシリカに担持されていることを特徴とする、マンノシルエリスリトール含有シリカ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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