説明

マンホールの側面孔に鍔付鋼製カラーの外当て取付け構造

【目的】 本発明はマンホールの側面孔に本管端の受止め用として鍔付鋼製カラーを外当てアンカー止め取付けするに当って、該鍔付鋼製カラーの鍔の下部の固定をひび割れ等の発生するおそれなしに容易確実に取付けすることのできる新規な取付け構造を提供するものである。
【構成】 本発明はマンホールの側面孔に本管端の嵌挿用として鍔付鋼製カラーを外当てアンカー止め取付けするに当って、該鍔付鋼製カラーは鍔の下部をアンカー止めにかえてマンホールの内側から側壁内面に押し当てする締付けボルトにて固定するようにしたことを特徴とするマンホールの側面孔に鍔付鋼製カラーの外当て取付け構造にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はマンホールの側面孔に鍔付鋼製カラーの外当て取付け構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の鍔付鋼製カラーの取付けについては本願出願人の特許第3800398号公報がある。
該公報は図1,図5,図7,図16に示す鋼製カラーの鍔部を前後四周とも図14に示すアンカーボルトにて止め固定することを記載している。
【特許文献1】特許第3800398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、コンクリート製のマンホールにおいては鍔付鋼製カラーのアンカー止めをするためのボルト穴をマンホールの成型時にあらかじめ設け置くならば格別、敷設現場においてドリルを用いて穴明けする場合は底盤に近い側面孔下の下部はコンクリート側壁にひび割れが発生するという課題がある。
これは底盤に近いことで穴明けの際の衝撃を吸収する余力が乏しいことに起因していると思われる。
また、下部は場合によっては地底深く足場も悪いためにアンカー止めの作業が困難するという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、鍔付鋼製カラーの鍔の下部をマンホールの内側から側面孔下の内壁面に押し当てする締付けボルトにて固定するようにして、かかる課題を解決するようにしたのである。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、鍔付鋼製カラーの下部をアンカーボルト止めにかえて、マンホールの内側から側面孔下の側壁内面に押し当てする締付けボルトにて固定するようにしたので、側面孔下のひび割れの発生を解消するという効果を生ずる。下部の困難が伴うアンカー止めを解消することで鍔付鋼製カラーの取付け作業が著しく改善されるという効果を生ずる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明は、マンホールの側面孔に本管端の受け止め用として鍔付鋼製カラーを外当てアンカー止め取付けするに当って、該鋼製カラーの鍔の下部をアンカー止めにかえてマンホールの内側から側壁内面に押し当てする締付けボルトにて固定するようにしたことを要旨とする。
【実施例1】
【0007】
以下図面に基づいて布設現場における実施例を説明する。
掘削地盤にマンホール1を据付け、側面孔2に鍔付鋼製カラー3を外当てアンカーボルト4止め取付けする。
鍔付鋼製カラー3の鍔3aは下部を除く部分のすべてに止孔3bを設け、該止孔3bに沿ってマンホール1のコンクリート側壁1aにドリルなどの工具を用いてアンカーボルト螺着用の穴1bを穿設してアンカーサック4aを挿着止めして止孔3bの外側からアンカーサック4aにアンカーボルト4を螺挿してナット4b締め固定取付けするのである。
【0008】
鍔付鋼製カラー3の取付けにより側面孔2に接面嵌入する内筒3cは下部に側壁1a内に突出し嵌入する取付板部5を延長形成する。取付板部5は図1乃至図3においては治具取付孔5aを1個設けているが、図4は2個並設している。取付板部5の下面に治具6を当ててボルト,ナット止め7して、該治具6の外向き止孔6aに締付けボルト8を外向きに螺挿してマンホール1の側壁1aの内面に押し当てて、鍔3aの下部をこの締付けボルト8にてマンホール1の内側から固定するのである。8aはマンホール1の割れ防止用のボルト受板である。
【0009】
鍔付鋼製カラー3の外筒3dにあらかじめ管口ゴム13を遊嵌した本管9の端部を輪状間隙10を作るように嵌込み、本管9の内端を内筒3cの内端面に揃えてから、輪状間隙10にバックアップ材11、内目地材12を充填して塞ぎ、外筒3dと本管9の外表との間に遊嵌しておいた管口ゴム13を張設して水封止するようにして埋戻しするのである。14は締付けバンドである。
【0010】
鍔付鋼製カラー3の下部はアンカー止めをしないので、ドリルを用いた穴明けがなくなるを以って、コンクリート製側壁1aの底盤15に近い部分のひび割れ等の損傷を解消することができることになるほか、下部はマンホール1の内側にて締付けボルト8止め固定することとなるので、アンカーボルト止めによって生じていた困難な作業が改善されて確実に取付けられることとなる。
【産業上の利用可能性】
【0011】
本発明は、以上により新規のマンホールは勿論のこと、特に既製のマンホールを用いた本管接続用として広く利用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】鍔付鋼製カラーとL字形の治具を部材別にて示す内面側斜視図
【図2】鍔付鋼製カラーをマンホールの側面孔に外当てして上部をアンカーボルト止め、下部固定用の治具を取付け前の状態にて示す拡大縦断側面図
【図3】治具を取付板にボルト止め、締付けボルトの外向き螺挿にて鍔の下部をマンホールに固定して、本管を取付けた状態にて示す拡大縦断側面図
【図4】治具の他の形状例を示す斜視図
【符号の説明】
【0013】
1はマンホール
1aは側壁
1bは螺着用の穴
2は側面孔
3は鍔付鋼製カラー
3aは鍔
3bは止孔
3cは内筒
3dは外筒
4はアンカーボルト
4aはアンカーサック
4bはナット
5は取付板部
5aは治具取付孔
6は治具
6aは外向き止孔
7はボルト,ナット止め
8は締付けボルト
8aはボルト受板
9は本管
10は輪状間隙
11はバックアップ材
12は内目地材
13は管口ゴム
14は締付けバンド
15は底盤
16はマンホールと鍔付鋼製カラー間の止水用のブチルゴム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マンホールの側面孔に本管端の嵌挿用として鍔付鋼製カラーを外当てアンカー止め取付けするに当って、該鍔付鋼製カラーは鍔の下部をアンカー止めにかえてマンホールの内側から側壁内面に押し当てする締付けボルトにて固定するようにしたことを特徴とするマンホールの側面孔に鍔付鋼製カラーの外当て取付け構造。
【請求項2】
鍔付鋼製カラーは内筒の下部にマンホールの側壁の内側に突出する取付板部を延長形成し、該取付板部の内端下に取付ける治具を用いて締付けボルトをマンホールの側面孔下の側壁内面に押し当てして固定する請求項1に記載のマンホールの側面孔に鍔付鋼製カラーの外当て取付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−209631(P2009−209631A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−55690(P2008−55690)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000146582)株式会社信明産業 (17)
【Fターム(参考)】