説明

マーケティングシステムおよびレジスター

【課題】 消費者の個人情報を容易に取得することができるマーケティングシステムおよびこのシステムに用いられるレジスターを提供する。
【解決手段】 レジスター20と、レジスター20と通信回線19によって接続され、懸賞付き商品について懸賞に関する懸賞情報が記憶されている記憶手段21を有するサーバ12とを具備するシステムであって、レジスター20は、サーバ12の記憶手段21に記憶されている懸賞情報を取得する懸賞情報取得手段と、取得した懸賞情報を記憶する懸賞情報記憶手段68と、顧客が購入しようとする商品または購入した商品中に、懸賞情報記憶手段68に記憶されている懸賞付き商品が存在するかどうかを検索する検索手段70とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品毎に付けられた懸賞を顧客が商品購入時に容易に知ることができ、これにより懸賞の応募促進を促してメーカ側は顧客の個人情報を得やすくし、且つ小売り側では顧客の囲い込みを可能とするマーケティングシステム、およびこのようなマーケティングシステムに用いられるレジスターに関する。
【背景技術】
【0002】
企業活動をすすめていく上で、消費者の嗜好や商品に対する感想を収集するマーケティングリサーチは、商品開発や営業活動の指針となるため、極めて重要な役割を担っている。
【0003】
マーケティングリサーチを行なう場合には、消費者の住所、年齢、性別、職業等の個人情報の属性に基づいて行なわれることが一般的であるため、マーケティングリサーチを行なう前段階として個人情報を得る手段が必要となる。
個人情報を得る手段としては、商品に懸賞を付けておき、消費者が懸賞に応募することで消費者の個人情報を得るということが従来より一般的に行なわれてきた。
【0004】
一方、商品を販売する小売店では、その店独自のポイントサービスシステムを導入していることが多い。これは、その店で購入した金額に合わせて消費者にポイントを付加し、一定のポイントが集まった消費者に対しては、何らかのサービスを還元することにより、消費者の囲い込みを行ない、且つ消費者の個人情報を取得しようとするシステムである(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開平8−96254号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
個人情報保護法の施行により、消費者自身の個人情報に対する認識も従来と比較して大きく向上して個人情報の収集が困難に成りつつあり、マーケティングリサーチの手法も新たな方法を構築せざるを得ないという課題がある。
【0007】
また、懸賞の応募については、そもそも懸賞の存在を知らせるためにペーパーやTVCM等のさまざまな方法で告知する必要があるが、これではコストがかかる上、消費者からしても懸賞の存在をつい見逃したり聞き逃したりするので、懸賞に関する情報が全ての消費者に知らせることができず、また消費者からしても懸賞情報をタイムリーに得ることができないという課題がある。
【0008】
また、懸賞の応募に際して、はがきの記入をしたり、所定のURLを検索して入力するなどの手間がかかるために、消費者が応募するのを面倒に思っているため、懸賞応募の状況が芳しくないという課題もある。
【0009】
また、小売店で実施されているポイントサービスの手法は、ポイントカードを消費者に持たせておく場合が多く、消費者にとっては各小売店ごとに配布されているポイントカードを全てを持ち歩く必要があり、また商品購入時には多数のポイントカードから該当する小売店のポイントカードを探し出す必要があるので、消費者にとっては、その利用が極めて面倒である。ポイントカードではなく、ポイントシールを配布するような場合でも、ポイントシールを台帳に貼り付ける必要があり、やはり面倒である。
このように、消費者が面倒だと思っている手法によって個人情報を得ることは非常に難しい。
【0010】
本発明者は、消費者の個人情報を取得する方法として、商品ごとに懸賞が付けられている場合に、これを消費者が容易に応募できるような仕組みを整えることで個人情報の取得が容易にできるのではないかと考え、本発明に想到した。
【0011】
したがって、本発明は上記課題を解決すべくなされ、その目的とするところは、消費者の個人情報を容易に取得することができるマーケティングシステムおよびこのシステムに用いられるレジスターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明にかかるマーケティングシステムによれば、レジスターと、該レジスターと通信回線によって接続され、懸賞付き商品について懸賞に関する懸賞情報が記憶されている記憶手段を有するサーバとを具備するシステムであって、前記レジスターは、前記サーバの前記記憶手段に記憶されている懸賞情報を取得する懸賞情報取得手段と、取得した懸賞情報を記憶する懸賞情報記憶手段と、顧客が購入しようとする商品または購入した商品中に、懸賞情報記憶手段に記憶されている懸賞付き商品が存在するかどうかを検索する検索手段とを有することを特徴としている。
【0013】
この構成を採用することによる作用は、以下の通りである。
すなわち、商品を製造・販売するメーカにおいて商品に懸賞を付ける場合、メーカがその情報を提供して、サーバにその商品の内容および懸賞の内容からなる懸賞情報を記憶させる。記憶した懸賞情報は、各小売店に設けられているレジスターに所定時間おきに送信するか、またはレジスターがサーバにアクセスしてレジスター自らが懸賞情報を取得する。
レジスターは、顧客が買い物をする場合には、懸賞情報と購入しようとする商品または購入した商品とを比較する。
このため、顧客は購入した商品の中に懸賞があることを容易に確認することができ、懸賞への応募を促すとともに、懸賞応募による個人情報の取得を期待できる。そして、各商品ごとに付されている懸賞に容易に応募することができるレジスターが設けられている小売店は、他の通常のレジスターしか設置していない小売店との差別化ができ、顧客の囲い込みをすることができる。
なお、特許請求の範囲および明細書中でいうメーカとは、商品を製造または販売する業者のことをいい、製造業者だけに限定する概念ではない。
【0014】
また、前記レジスターは、前記検索手段によって顧客が購入しようとする商品または購入した商品中に懸賞付き商品が存在することが判明した場合には、懸賞付き商品が存在する旨の情報を顧客の携帯電話に送信する送信手段を有することを特徴としてもよい。
この構成によれば、顧客は容易に懸賞付き商品を購入したことを知ることができ、懸賞への応募する動機付けを高めることができる。
【0015】
さらに、前記携帯電話は、電子マネーデータを記憶し、電子マネーでの支払いが可能な電子マネー機能付き携帯電話であり、前記レジスターは、電子マネー機能付き携帯電話による精算を実行する電子マネー精算手段を有しており、前記レジスターの送信手段は、電子マネー精算手段による精算時に懸賞付き商品が存在する旨の情報を顧客の携帯電話に送信することを特徴としてもよい。
この構成によれば、顧客にとってみれば、懸賞付き商品に関する情報を入手しようという意識が無くとも、電子マネーでの支払いをするだけで自動的に懸賞付き商品が存在する旨の情報を入手できる。
【0016】
また、前記サーバには、懸賞への応募方法を案内する案内情報が記憶された案内情報記憶手段が設けられており、前記懸賞付き商品が存在する旨の情報には、前記サーバの案内情報記憶手段の位置情報が記述されていることを特徴としてもよい。
この位置情報をみた顧客が位置情報に基づいて案内情報記憶手段に接続し、案内情報を得ることが容易に行える。
【0017】
また、前記懸賞付き商品が存在する旨の情報には、該当する懸賞付き商品の商品コードが記述されており、前記サーバには、電子マネー機能付き携帯電話から案内情報記憶手段に接続した顧客の商品コードに基づいて、前記懸賞情報記憶手段から該当する懸賞情報を検索する懸賞情報検索手段が設けられ、該懸賞情報記憶手段によって検索された懸賞情報を案内情報に記載する案内情報記載手段が設けられていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、サーバ側では顧客が購入した商品の中に懸賞付き商品がある場合には、懸賞付き商品の商品コードに基づいて懸賞付き商品の懸賞情報を顧客に提供することができる。
【0018】
さらに、前記サーバには、顧客の個人情報を登録することに同意するか否かを顧客に選択させる選択画面が記憶されている選択画面記憶手段が設けられ、個人情報の登録に同意した場合に顧客が個人情報を入力する入力画面が記憶されている入力画面記憶手段が設けられ、入力画面で入力された個人情報を記憶する個人情報記憶手段が設けられ、懸賞に応募した顧客に対して、前記選択画面記憶手段の位置情報をメール送信するメール送信手段が設けられていることを特徴としてもよい。
この構成によれば、個人情報の取得に関して顧客の同意を得つつ、容易に取得することが可能となる。
【0019】
さらに、前記サーバは、前記個人情報記憶手段から、商品に懸賞を付けたメーカがアンケートを実施しようとする場合に、個人情報の属性に基づいて記憶されている個人情報を検索する個人情報検索手段を有することを特徴としてもよい。
この構成によれば、取得した個人情報を他のアンケートなどで利用する際の利便性を図ることができる。
【0020】
なお、前記レジスターは、POSレジスターであり、該POSレジスターには、商品の販売情報を管理する管理用ホストコンピュータが通信可能に接続されており、該管理用ホストコンピュータが、前記サーバに記憶されている懸賞情報を取得し、取得した懸賞情報をPOSレジスターに配信することを特徴としてもよい。
この構成を採用することによって、サーバからの懸賞情報は、いったん管理用ホストコンピュータに記憶され、管理用ホストコンピュータからレジスターに送信される。通常、管理用ホストコンピュータには複数台のレジスターが接続されているので、サーバとレジスターとの間に管理用ホストコンピュータが介在することでサーバの負担の軽減を図ることができる。
【0021】
本発明にかかるレジスターによれば、顧客が購入する商品の代金を精算するレジスターにおいて、懸賞付き商品について、懸賞に関する懸賞情報が関連付けされて記憶されている記憶手段と、顧客が購入しようとする商品または購入した商品中に、記憶手段に記憶されている懸賞付き商品が存在するかどうかを検索する検索手段とを具備することを特徴としている。
この構成を採用することによって、レジスターにあらかじめ懸賞付き商品に関する情報を記憶させておけば、顧客の商品購入時に懸賞付き商品を購入したかどうかについて判断することができる。
【0022】
また、前記検索手段によって顧客が購入しようとする商品または購入した商品中に懸賞付き商品が存在することが判明した場合には、懸賞付き商品が存在する旨の情報を顧客の携帯電話に送信する送信手段を具備することを特徴としてもよい。
この構成によれば、商品を購入した顧客は、購入した商品の中に懸賞付き商品があることが自らの携帯電話で簡単に判明するので、面倒な動作が必要なく、懸賞への応募がしやすくなる。
【発明の効果】
【0023】
本発明のマーケティングシステムによれば、商品の製造・販売をするメーカ側からすれば顧客を満足させつつ容易に顧客の個人情報を得ることができる。
さらに、小売店からすればこのようなシステムを導入することで、顧客に対して商品ごとのサービスを提供することができるので、顧客の満足度を上げて顧客の囲い込みをすることができ、また顧客の消費動向をタイムリーに把握することができる。
また消費者からすれば簡単に懸賞に応募することができるので、懸賞応募による利益を容易に享受することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(第1の実施形態)
マーケティングシステムの第1の実施形態における全体構成を図1に基づいて説明する。
本実施形態によるマーケティングシステム10は、システム管理会社11内に設置されているサーバ12に、商品の製造・販売を行うメーカ13、14内に配置された端末コンピュータ16、18と、小売店内に設置されたレジスター20、20・・・とが通信回線19を通じてデータの送受信可能となるように接続されている。
通信回線19としては、インターネットでもよいし、電話回線やその他専用の通信回線であってもよい。
【0025】
システム管理会社11について説明する。
システム管理会社11は、メーカ13、14から提供された懸賞に関する情報を各小売店に配信するという、本システムの中心となる機能を有するサーバ12を所有している。システム管理会社11は、本システム全体の保守、管理、運営等を実行するものである。具体的には、システム開発を行う企業だけでなく、広告代理店等も含まれる。
【0026】
メーカ13、14について説明する。
メーカ13、14は、商品の製造または販売を行う企業であり、商品の開発や販売に際してマーケティングリサーチを必要としているものである。本実施形態では、メーカとしてA社とB社の2社が本システムを採用しているものとする。
【0027】
小売店は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、百貨店、あるいはその他個人商店も広く含まれる概念である。
ただし、本実施形態では、小売店としていわゆるチェーン展開しているスーパーマーケットやコンビニエンスストアを想定しており、且つ小売店内に複数台のPOSレジスター20、20・・・が配置されているものである。
【0028】
POSレジスターとは、POS(Point Of Sales)システムを採用しているレジスターであって、管理用ホストコンピュータ22と通信することによって、商品の販売状況が管理されるものである。管理用ホストコンピュータ22は、ストアコントローラの機能を有しているものであり、商品を販売するごとに商品の販売情報を集計して、集計結果を在庫管理やマーケティング材料として用いる。
【0029】
本実施形態では、小売のチェーンとして、CチェーンとDチェーン2つのチェーンが本システムを採用している。また、各チェーンの本部には、各レジスター20を統括制御するための管理用ホストコンピュータ22、22を配置し、管理用ホストコンピュータ22が通信回線19を通じてサーバ12と通信可能に設けられている。
管理用ホストコンピュータ22には、別の通信回線23を通じてデータの送受信可能となるように、各レジスター20、20が管理用ホストコンピュータ22に接続されている。
【0030】
次に、図2に基づいて、システム管理会社11内に設置されているサーバ12の構成について説明する。
サーバ12は、通信回線19に接続するためのインターフェース24、ROMやRAM等のメモリ26、モニタである表示装置27、キーボードやマウス等の入力装置28、予め記憶されているソフトウェアまたは外部媒体に記憶されているソフトウェアに基づいて各種処理を実行する中央処理装置(CPU)30、HDD等からなる記憶装置32を具備している。
【0031】
図3に示すように、サーバ12の記憶装置32には、市場に出回る商品についての懸賞情報がHTML等の形式(他の形式でもよい)で、懸賞情報登録ファイル21として記憶されている。
本実施形態における懸賞情報とは、商品を提供するメーカ名、商品名、懸賞の内容(プレゼント内容)、懸賞が抽選であるかどうかの条件、および懸賞の応募先をいう。なお、たとえば住所、氏名、年齢、職業等の個人情報の提示については、本実施形態では応募の条件には含めないものとする。なお、懸賞情報登録ファイル21には、懸賞付き商品ごとに商品コード92が付されている。商品コード92は、商品を特定するために付されるものであり、サーバ12が自動的に割り付けても、システム管理会社11側の作業者が手入力で割り付けてもどちらでもよい。
【0032】
サーバ12には、懸賞付き商品を購入した顧客の電子マネー機能付き携帯電話へ表示させる案内情報を記憶してある案内情報記憶ファイル7が設けられている。案内情報記憶ファイル7には、メールアドレス会員に登録するか否かについての承認を得る表示や、懸賞への応募方法についての表示が記憶されている。
懸賞付き商品を購入した顧客は、電子マネー機能付き携帯電話に表示されている案内情報記憶ファイル7のURL(URL以外のその他の位置情報も含む。以下同じ。)にアクセスすることで、案内情報を電子マネー機能付き携帯電話に表示することができる。
【0033】
また、顧客が、サーバ12の案内情報記憶ファイル7へアクセスしてきた場合には、アクセスしてきた際のURLに購入した商品の商品コードが付されている。そこで、サーバ12では、顧客の購入した商品コードを懸賞情報登録ファイル21から検索して該当する懸賞情報を抽出する懸賞情報検索手段6が設けられている。
懸賞情報検索手段6は、サーバ12のメモリ26やHDD内にあらかじめ記憶されているプログラムをCPU30が読み出して実行することにより実現される、アプリケーションソフトであるとする。
【0034】
サーバ12には、懸賞情報検索手段6が、懸賞情報登録ファイル21から具体的な懸賞情報を抽出した場合に、この懸賞情報を案内情報に記載して顧客の電子マネー機能付き携帯電話に表示させる案内情報記載手段5が設けられている。
案内情報記載手段5は、サーバ12のメモリ26やHDD内にあらかじめ記憶されているプログラムをCPU30が読み出して実行することにより実現される、アプリケーションソフトであるとする。
【0035】
さらに、サーバ12の記憶装置32には、メールアドレス会員となった顧客のメールアドレスがメールアドレス会員登録ファイル25として記憶されている。さらに、サーバ12の記憶装置32には、正会員となった顧客の住所、氏名、年齢、職業、電話番号等の個人情報を記憶する正会員登録ファイル29が記憶される。
【0036】
なお、本実施形態では、メールアドレス会員に登録した者のみが正会員に登録できる場合を想定している。
そこで、サーバ12には、メールアドレス会員になった顧客に対して、正会員になるか否かについて選択させる選択画面が選択画面記憶ファイル4として記憶されており、この選択画面記憶ファイルのURLを記述したメールを、メール送信手段3が顧客のメールアドレスに送信する。
【0037】
このメールを受け取った顧客が、選択画面記憶ファイル4にアクセスし、正会員に登録することを承諾した場合には、所定の入力フォームが画面に表示される。この入力フォームは、入力画面記憶ファイル2としてあらかじめ記憶されている。入力画面に入力された顧客の住所、氏名、年齢、職業、電話番号等の個人情報は、上述したように正会員登録ファイル29に記憶される。
【0038】
さらに、サーバ12には、正会員登録ファイルに記憶されている個人情報の各属性に基づく検索を実行することができる個人情報検索手段31が設けられている。たとえば、化粧品メーカが女性用化粧品の新製品開発の参考にするために、20歳代〜30歳台の女性のみのアンケートを実施する場合には、個人情報検索手段31が、正会員登録ファイル29内を検索して条件に該当する個人情報のみを抽出することができる。
個人情報検索手段31は、サーバ12のメモリ26やHDD内にあらかじめ記憶されているプログラムをCPU30が読み出して実行することにより実現される、アプリケーションソフトであるとする。
【0039】
また、サーバ12には、メーカが顧客に実施しようとするアンケートについてのアンケート情報を記憶しているアンケート情報登録ファイル8と、メーカが顧客に実施しようとする商品モニタについての情報が記憶されている商品モニタ情報登録ファイル9とが設けられている。
アンケート情報登録ファイル8や商品モニタ情報登録ファイル9へは、上述したような商品コードと同様に、アンケートコードやモニタコードが付されているとよい。これらのコードは、サーバ12が自動的に割り付けても、システム管理会社11側の作業者が手入力で行ってもどちらでもよい。
【0040】
なお、サーバ12は、記憶装置32内の懸賞情報登録ファイル21を、小売店のチェーンの管理用ホストコンピュータ22または小売店のレジスター20に直接配信する機能が設けられている。
具体的には、サーバ12にはデータ転送手段1が搭載されており、データ転送手段1が所定時間になると起動し、自動的に懸賞情報登録ファイル21をあらかじめ配信先として登録しておいた管理用ホストコンピュータ22またはレジスター20に送信し、懸賞情報を配信することができる。
【0041】
次に、図4に基づいてメーカ13、14内に配置されている端末コンピュータ16、18の構成について説明する。
端末コンピュータ16、18は、一般的に市販されている通常のパーソナルコンピュータを用いている。端末コンピュータ16、18は、通信回線19に接続するためのインターフェース34、ROMやRAM等のメモリ36、モニタである表示装置37、キーボードやマウス等の入力装置38、予め記憶されているソフトウェアまたは外部媒体に記憶されているソフトウェアに基づいて各種処理を実行する中央処理装置(CPU)40、HDD等からなる記憶装置42を具備している。
【0042】
端末コンピュータ16、18はサーバ12に接続し、サーバ12の記憶装置32へ各商品ごとの懸賞情報を登録することができる。
端末コンピュータ16、18が、WEBブラウザを起動し、サーバ12に接続して懸賞情報登録ファイル21にアクセスすることによって、端末コンピュータ16、18の表示装置37に懸賞情報登録ファイル21がダウンロードされ、表示される。
そして、メーカの担当者は、端末コンピュータ16、18の表示装置37に表示された懸賞情報登録ファイル21に自社商品の懸賞情報を入力し、サーバ12の記憶装置32に記憶させ、登録する。
【0043】
また、端末コンピュータ16,18がWEBブラウザを起動し、サーバ12に接続してアンケート情報登録ファイル8または商品モニタ情報登録ファイル9にアクセスすることによって、メーカの担当者は、端末コンピュータ16、18の表示装置37に表示されたアンケート情報登録ファイル8または商品モニタ情報登録ファイル9に自社のアンケートの内容や商品モニタの内容を入力し、登録することができる。なお、アンケートおよび商品モニタについても、商品コードと同様にコードを付すようにするとよい。
【0044】
なお、端末コンピュータ16、18が、サーバ12にアクセスする際には、メーカごとに付与されたIDおよびパスワードを入力しない限りアクセスできないようにすることが必要である。メーカ以外の者がアクセスしてデータを読み出したり、改ざんすることを防止するためである。
【0045】
次に、小売店側の構成について説明する。
まず、チェーンの本部に設置されている管理用ホストコンピュータ22について、図5に基づいて説明する。
管理用ホストコンピュータ22は、複数のレジスター20と通信可能に設けられており、サーバ12から懸賞情報を受信して、この懸賞情報を各レジスター20に配信する機能を有している。さらに、管理用ホストコンピュータ22は、POSシステムのストアコントローラ機能を有しており、レジスター20からの商品の売り上げ情報を集計する。
【0046】
管理用ホストコンピュータ22は、インターネット等の通信回線19に接続するためのインターフェース44、レジスター20に接続するためのインターフェース45、ROMやRAM等のメモリ46、モニタである表示装置47、キーボードやマウス等の入力装置48、予め記憶されているソフトウェアまたは外部媒体に記憶されているソフトウェアに基づいて各種処理を実行する中央処理装置(CPU)50、HDD等からなる記憶装置52を具備している。記憶装置52には、サーバ12から送信されてきた懸賞情報を登録しておく懸賞情報登録ファイル53と、各レジスター20から得た売り上げ情報を集計して記憶しておく売り上げ情報ファイル54とが記憶されている。
【0047】
管理用ホストコンピュータ22は、データ転送されてきたデータを受信可能な受信手段57を搭載しており、サーバ12からデータ転送されてきた懸賞情報を受信することができる。また、管理用ホストコンピュータ22は、受信した懸賞情報ファイルを自動的に開き、懸賞情報登録ファイル53に記憶させる、自動記憶手段55が設けられている。
自動記憶手段55は、メモリ46やHDD内にあらかじめ記憶されているプログラムをCPU50が読み出して実行することにより、実現される。
【0048】
また、管理用ホストコンピュータ22は、所定時間おきに各レジスター20に対して懸賞情報登録ファイル53内に記憶されている懸賞情報を送信するデータ転送手段56が設けられている。データ転送手段56は、メモリ46またはHDD内にあらかじめ記憶されているプログラムをCPU50が読み出して実行することにより、実現される。
【0049】
次に、図6に基づいてレジスターの構成について説明する。
レジスター20は、管理用ホストコンピュータ22と通信回線23を介して通信するインターフェース58と、レジスター20の全体動作を制御する制御手段である中央処理装置(CPU)60と、ROMやRAM等のメモリ61と、ドロワ62と、購入品目と価格を表示する表示装置63と、金額を打ち込むキーボード64と、商品に付されたバーコードから商品情報および価格を読みとるバーコードリーダ66と、電子マネー機能付き携帯電話との通信が可能な非接触通信装置67とを具備している。特許請求の範囲でいう懸賞情報取得手段は、本実施形態ではCPU60が該当する。
【0050】
また、レジスター20は、電子マネー機能付き携帯電話によって、顧客が購入する商品の精算をする電子マネー精算手段69を具備している。
電子マネー精算手段69は、バーコードリーダ66で読み取った商品の税込み合計金額に該当する額を非接触通信装置67から、電子マネー機能付き携帯電話に記憶されている電子マネーを減算する動作を実行する。
電子マネー精算手段69は、その後電子マネーを管理する管理会社へ顧客の電子マネー機能付き携帯電話から減算した額の金額を請求するように動作する。
【0051】
さらに、本発明におけるレジスター20は、管理用ホストコンピュータ22と通信可能に設けられており、管理用ホストコンピュータ22から送信されてきた懸賞情報を記憶する懸賞情報記憶装置68と、バーコードリーダ66から読み取られた商品と懸賞情報記憶装置68に記憶されている商品とを比較して、購入した商品中に懸賞付きの商品があるかどうかを検索する検索手段70とが設けられている。検索手段70は、バーコードリーダ66から読み取られた商品と懸賞情報記憶装置68に記憶されている商品とを比較するようにCPU60を機能させるプログラムが、あらかじめROMやHDD等の記憶装置に記憶されており、CPU60がこのプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0052】
また、レジスター20は、検索手段70によって比較した結果、顧客の購入した商品中に懸賞情報記憶装置内に記憶されている懸賞付きの商品が存在した場合には、非接触通信装置67を通じて懸賞情報記憶装置68内に記憶されている懸賞情報を顧客の電子マネー機能付き携帯電話へ送信するように機能する送信手段71が設けられている。
送信手段71としては、上記のようにCPU60を機能させるプログラムが、あらかじめROMやHDD等の記憶装置に記憶されており、CPU60がこのプログラムを読み出して実行することで実現される。
【0053】
ここで、顧客の電子マネー機能付き携帯電話に送信される懸賞情報としては、サーバ12の案内情報登録ファイル7のURLと、各懸賞付き商品ごとに付された商品コード92であるとする。
顧客は、このURLへアクセスすることによって、懸賞へ応募することができる。
【0054】
次に、本発明のマーケティングシステムを用いた具体的なマーケティングの方法について、図7〜図18に基づいて説明する。
(懸賞情報の配信)
まず、各メーカ13、14の担当者が、メーカ13、14の端末コンピュータ16、18のwebブラウザを起動し(ステップS100)、システム管理会社11のサーバ12にアクセスし、サーバ12の懸賞情報登録ファイル21を開く(ステップS102)。このとき、あらかじめ所定のIDやパスワードが設定されている場合には、メーカの担当者は、これらのIDやパスワードを入力してから懸賞情報登録ファイルを開く(ステップS104)。
次に、メーカの担当者は、懸賞情報登録ファイル21に、商品名、懸賞の応募先および懸賞の内容を記入し、懸賞情報を記憶装置32に登録する(ステップS106)。
【0055】
サーバ12は、所定時間おきに、データ転送手段1を自動的に起動し、懸賞情報登録ファイル21を、あらかじめ配信先として登録しておいた、小売店チェーンの管理用ホストコンピュータ22または小売店のレジスター20に送信する(ステップS108)。ただし、本実施形態では、管理用ホストコンピュータ22へ送信する場合についてのみ説明している。
【0056】
管理用ホストコンピュータ22は、サーバ12から送信されてきた懸賞情報登録ファイル21を、懸賞情報登録ファイル53に記憶するように、自動記憶手段55が動作する(ステップS110)。
そして、管理用ホストコンピュータ22のデータ転送手段56は、あらかじめ設定されている所定時間おきに、懸賞情報登録ファイル53に記憶されている懸賞情報を各レジスター20、20へ送信する(ステップS112)。
【0057】
各レジスター20、20では、管理用ホストコンピュータ22から送信されてきた懸賞情報を受信し、懸賞情報記憶装置68内に記憶する(ステップS114)。
【0058】
(商品の購入から購入後の動作)
小売店内の顧客が、商品を購入しようとしてレジスター20により精算する場合、レジスター20を操作するレジ店員は、バーコードリーダ66を用いて、購入しようとする商品のバーコードをスキャンする(ステップS200)。
そして、レジスター20の検索手段70が、バーコードリーダ66で読み込んだ商品と、懸賞情報記憶装置68内に記憶されている懸賞付き商品とを比較し、購入した商品中に懸賞付き商品があるかどうかを検索する(ステップS202)。
【0059】
検索手段70が検索した結果、購入した商品中に懸賞付き商品が存在しない場合には、顧客が現金または電子マネー機能付き携帯電話により精算をし(ステップS203)、商品購入時の動作が終了する。
【0060】
検索手段70が検索した結果、購入した商品中に懸賞付き商品が存在する場合には、ステップS204へ移行する。ステップS204において、顧客が現金で精算することを選択した場合には、顧客が現金により精算をし(ステップS206)、商品購入時の動作が終了する。
【0061】
また、ステップS204において、顧客が電子マネー機能付き携帯電話で精算することを選択した場合には、顧客が電子マネー機能付き携帯電話をレジスター20の非接触通信装置67にかざす。レジスター20の電子マネー精算手段69は、非接触通信装置67を介して、バーコードリーダ66が読み取った商品の税込み合計金額に該当する額の電子マネーを、顧客の電子マネー機能付き携帯電話から減額するように動作する(ステップS205)。
【0062】
そして、レジスター20では、送信手段71が、懸賞情報記憶装置68内に記憶されている懸賞情報を、非接触通信装置67を通じて顧客の電子マネー機能付き携帯電話に送信する(ステップS207)。
【0063】
(懸賞への応募)
懸賞の応募から懸賞商品の発送までについては、図9から図18に基づいて説明する。図17と図18が動作全体の流れを示すフローチャートである。
電子マネー機能付き携帯電話に懸賞情報が送信されると、電子マネー機能付き携帯電話の表示部には、図9に示すような表示がされる。
ここでは、サーバ12の案内情報登録ファイル7のURL90と、各懸賞付き商品ごとに付された商品コード92が表示される。商品コード92は、URLの後に付されている。
【0064】
顧客が電子マネー機能付き携帯電話の表示部に表示されたURL90にカーソルを合わせて決定することで、電子マネー機能付き携帯電話のブラウザ機能が動作して、サーバ12の案内情報登録ファイル7へ接続する(ステップS300)。
案内情報登録ファイル7に接続することにより、電子マネー機能付き携帯電話の表示部には、図10に示す画面が表示される(ステップS302)。
【0065】
この図10に示す表示では、懸賞付き商品のメーカ、商品名および懸賞商品(プレゼントの内容)に関する情報81、および懸賞に応募するにはメールアドレス会員になることが必要である旨78が表示される。
懸賞商品に関する情報81の表示は、サーバ12内で以下のような動作が実行されることにより、作成される。
すなわち、サーバ12では、懸賞情報検索手段6が、接続してきた電子マネー機能付き携帯電話からのURL要求に付されている商品コード92を読み出し(ステップS301)、懸賞情報登録ファイル21中の懸賞情報とマッチング処理し(ステップS303)、案内情報記載手段5が、該当する商品情報を案内情報として電子マネー機能付き携帯電話の表示部に表示させるようにする。
【0066】
この表示を見て、メールアドレス会員になっても良いと考える顧客は、承認ボタン74を押し、メールアドレス会員になりたくないと考える顧客は、不承認ボタン75を押す。
【0067】
不承認ボタン75が押下された場合、電子マネー機能付き携帯電話の表示部は、各小売店独自の情報79を表示をして、顧客への情報提供を終了する(ステップS305、図11参照)。
なお、顧客が承認ボタン74を押下した場合、サーバ12は、顧客がメールアドレスを記入できるように構成した入力フォームを、電子マネー機能付き携帯電話に表示させる(ステップS306)。顧客が、この入力フォームに自らのメールアドレスを入力すると(ステップS308)、入力されたメールアドレスは、メールアドレス会員登録ファイル25に登録される(ステップS309)。
【0068】
なお、サーバ12側での顧客のメールアドレスの取得方法については、上述したように顧客に入力フォームに入力させる方法だけではなく、サーバ12が電子マネー機能付き携帯電話にアクセスして自動的に取得するようにしてもよい。
このように、懸賞の応募先では、サーバ12が顧客のメールアドレスを取得して、顧客のメールアドレスを登録することによる顧客の囲い込みができる。
【0069】
サーバ12は、顧客のメールアドレスを取得した後、顧客の電子マネー機能付き携帯電話に図12のような表示をさせる。
ここでは、商品モニタおよびアンケートへも応募できる旨の表示93が表示部に表示される。また、表示部には、全ての懸賞、商品モニタおよびアンケートこれら全てへ応募するように顧客を促す全て応募ボタン80と、懸賞にのみに応募できる懸賞応募ボタン82が表示される(ステップS310)。
【0070】
顧客が、全て応募ボタン80を押下すると、電子マネー機能付き携帯電話の表示部に表示されている懸賞に対して、自動的に応募できるとともに、表示部には表示されていない商品モニタおよびアンケート応募にも自動的に応募できる(ステップS312)。
全て応募ボタン80が押下されることにより、サーバ12のCPU30は、懸賞情報登録ファイル21に登録されている応募先や、アンケート情報登録ファイル8に登録されている応募先、商品モニタ情報登録ファイル9に登録されている応募先に、顧客のメールアドレスを自動的に送信して懸賞等への応募を完了する。
応募が完了すると、サーバ12では、図13に示すような画面を電子マネー機能付き携帯電話の表示部に表示させ、応募動作を終了する。
【0071】
顧客が、懸賞応募ボタン82を押下すると、電子マネー機能付き携帯電話の表示部に表示されている懸賞に対して、自動的に応募できる(ステップS311)。
懸賞応募ボタン82が押下されることにより、サーバ12のCPU30は、懸賞情報登録ファイル21に登録されている応募先に、顧客のメールアドレスを自動的に送信して懸賞等への応募を完了する。
応募が完了すると、サーバ12では、図14に示すような画面を電子マネー機能付き携帯電話の表示部に表示させ、応募動作を終了する。
【0072】
続いて、懸賞付き商品を販売したメーカ13、14では懸賞の抽選を行い(ステップS314)、当選の場合には懸賞当選メールを顧客の電子マネー機能付き携帯電話のメールアドレスあてに送信する(ステップS314,ステップS316)。
【0073】
懸賞当選メールの内容は、図15に示すようなものとなる。
懸賞当選メールは、当選したことを顧客に伝達する情報84と、顧客の住所、氏名、郵便番号、電話番号等の個人情報を入力していただくために、入力フォームが設けられた入力画面ファイルのURL94が記載されている。
懸賞商品を送付するに際しては、顧客の住所、氏名、郵便番号、電話番号等の個人情報が必要となるためである。
【0074】
顧客は、当選メールに記載されているURL94にカーソルを合わせて決定することにより、入力画面記憶ファイル2にアクセスし(ステップS320)、入力フォームに合わせて自分の個人情報を入力する(ステップS322)。
【0075】
図16に示すように、サーバ12は、顧客が個人情報を入力した後、入力した個人情報をもとに正会員に登録することに承諾するかどうかの情報86を顧客の電子マネー機能付き携帯電話に表示させる。承諾するかどうかの情報86の下側には、正会員登録することを承諾する承諾ボタン88と、承諾しない不承諾ボタン89とが表示される(ステップS324)。
【0076】
顧客が承諾ボタン88を押下すると、サーバ12は入力された個人情報を正会員登録ファイル29に登録する(ステップS326)。また、住所、氏名、郵便番号、電話番号のほかに、年齢、職業を登録することができるように入力フォームを作成しておくことで、これらの情報に基づいてメーカ13、14ではサーバ12にアクセスすることでマーケティングを有効に実施することができる。また、サーバ12は入力された個人情報を懸賞商品発送のためにメーカ13、14に提供する。
一方、顧客が不承諾ボタン89を押下すると、サーバ12では入力された個人情報は登録せずに、懸賞商品発送のみに利用できるようにメーカ13、14に個人情報を提供する。
【0077】
メーカ13、14では、サーバ12から提供された顧客の個人情報に基づいて、懸賞商品を発送する(ステップS328)。
【0078】
(商品モニタおよびアンケートの募集について)
顧客が正会員に登録した場合、マーケティングリサーチを実行したいと考えるメーカ13、14や、広告代理店は、サーバ12にアクセスし、サーバ12に設けられている検索手段31によって、正会員が登録されている正会員登録ファイル29からリサーチしたいと欲する個人情報の属性に基づいて顧客の個人情報を検索する。
【0079】
検索手段31が検索した結果を用いて、メーカ13、14や広告代理店は、商品モニタの依頼やアンケートの依頼を顧客のメールアドレスへ送信する。
商品モニタの場合には、顧客に商品モニタをお願いするとともに、モニタ対象となる商品を顧客に発送する。
【0080】
顧客がアンケートの返答や商品モニタの感想を返信する場合も、顧客は、自らの電子マネー機能付き携帯電話から、メーカ13、14の端末コンピュータ16、18またはシステム管理会社11のサーバ12へメールで送信できる。
【0081】
また、顧客をメールアドレス会員に登録したことで、この会員に対してはメーカ13、14から広告宣伝のためのDM(ダイレクトメール)を送信することもできる。
メーカ13、14では、システム管理会社11へ依頼して、サーバ12内のメールアドレス会員登録ファイル25からメールアドレスを抽出し、抽出したメールアドレスにDMを送信する。
【0082】
(第2の実施形態)
なお、上述した実施形態では、メールアドレス会員への勧誘は懸賞への応募時に、その案内を顧客の電子マネー機能付き携帯電話に表示させるようにしていた。
しかし、以下に述べる実施形態のように、顧客が電子マネー機能付き携帯電話に電子マネーをチャージしたときに、メールアドレス会員への勧誘を実施してもよい。
【0083】
すなわち、本実施形態では、チャージ機100が、サーバ12の案内情報登録ファイル7のURL90を表示させるために、該URL90を送信する送信手段を具備している。
チャージ機100の構成を図19に示す。
チャージ機100は、顧客がレジ店員に現金を渡すことによって電子マネーを携帯電話にチャージする機器である。チャージ機は、携帯電話との間でデータ通信する非接触通信装置102、非接触通信装置を介して携帯電話に所定額の電子マネーをチャージするように制御するチャージ手段106、顧客が操作する操作部108、表示装置109等を具備している。認証手段104およびチャージ手段106は、具体的にはチャージ機100の全体動作を統括制御する中央処理装置(CPU)110が所定のプログラムに基づいて動作することで実現される。
【0084】
本実施形態におけるチャージ機100は、サーバ12の案内情報登録ファイル7のURL90と懸賞に関する自動応募についての説明文とを記憶する記憶装置112と、該記憶装置112に記憶されているURL90と懸賞に関する自動応募についての説明文とを、顧客の電子マネーチャージ時に非接触通信装置102を介して、顧客の電子マネー機能付き携帯電話に送信する送信手段114とを具備している。
【0085】
なお、本実施形態におけるチャージ機100は、上述してきたレジスター20がチャージ機100が有する構成を全て具備することでチャージ機を兼用しているものを想定し、小売店内に設置してあるレジスター20で電子マネーをチャージした際の動作について、以下に説明をしているが、チャージ機100がレジスター20とは独立して顧客が現金を入金することによりチャージする機能を有する機器であってもよい。
【0086】
顧客が小売店内のチャージ機100で電子マネーをチャージすると、チャージ機100の送信手段114が、記憶装置112に記憶されている内容を非接触通信装置102から顧客の電子マネー機能付き携帯電話に送信し、顧客の電子マネー機能付き携帯電話にサーバ12の案内情報登録ファイル7のURL90と、懸賞に関する自動応募についての説明94を表示させる(図20)。
【0087】
顧客が電子マネー機能付き携帯電話の表示部に表示されたURL90にカーソルを合わせて決定することで、電子マネー機能付き携帯電話のブラウザ機能が動作して、サーバ12の案内情報登録ファイル7に接続する。なお、ここでは上述した実施形態とは異なり、図21に示すように、案内情報登録ファイル7に接続した電子マネー機能付き携帯電話の表示部には、懸賞に応募するにはメールアドレス会員になることが必要である旨96が表示される。
この表示を見て、メールアドレス会員になっても良いと考える顧客は、承認ボタン74を押し、メールアドレス会員になりたくないと考える顧客は、不承認ボタン75を押す。
【0088】
不承認ボタン75が押下された場合、電子マネー機能付き携帯電話の表示部は、各小売店独自の情報79を表示して、顧客への情報提供を終了する(図11参照)。
顧客が承認ボタン74を押下した場合、サーバ12は、顧客がメールアドレスを記入できるように構成した入力フォームを、電子マネー機能付き携帯電話に表示させる。
顧客が、この入力フォームに自らのメールアドレスを入力すると、入力されたメールアドレスは、メールアドレス会員登録ファイル25に登録される。
【0089】
このような実施形態によれば、顧客がその小売店で実際に商品を購入していなくとも、チャージしただけでメールアドレス会員になることを促し、顧客の囲い込みにつなげることができる。
【0090】
(他の実施形態)
上述してきた実施形態では、メーカ13、14側がサーバ12に懸賞情報を登録する際には、メーカ13、14の端末コンピュータ16、18を用いてサーバ12にアクセスして実行していた。しかし、本発明としては、メーカの担当者が口頭または文書をもってサーバ12が設置されているシステム管理会社11へ伝達し、システム管理会社11の担当者がサーバ12に入力してもよい。
【0091】
また、サーバ12は、管理用ホストコンピュータ22およびレジスター20に単なるデータ転送により懸賞情報を配信するような構成について説明してきた。しかし、本発明としてはこの構成に限定されるものではなく、管理用ホストコンピュータ22およびレジスター20に懸賞情報を添付したメールを送信することで、懸賞情報を配信するようにしてもよい。さらに、管理用ホストコンピュータ22またはレジスター20がサーバ12に直接アクセスして、該当する懸賞情報を自動的にダウンロードするような機能を設けていてもよい。
かかる場合には、特許請求の範囲でいうレジスター20の懸賞情報取得手段は、このようにサーバ12にアクセスするための手段を指す。
【0092】
また、上述してきた各実施形態では、顧客が使用しているのは電子マネー機能付き携帯電話であり、小売店に設置されているレジスターは電子マネー精算手段を有するものであった。
しかし、本発明としてはこのようなものに限られず、クレジットカードで決済可能なクレジットカード機能付き携帯電話を顧客が所持し、小売店内のレジスターは携帯電話のクレジットカード精算機能によるクレジットカードで精算可能なクレジットカード精算手段を有するものであってもよい。かかる場合、クレジットカード機能付き携帯電話のクレジットカード機能を用いて精算するときに、上述した電子マネー機能付き携帯電話の電子マネーによる精算時と同様の動作が実行される。
【0093】
なお、電子マネー機能付き携帯電話の電子マネー機能およびクレジットカード機能付き携帯電話のクレジットカード機能によって精算する際に実行される動作について説明してきた。
しかし、本発明としては、顧客が現金精算を選択した場合であっても、懸賞応募が可能となるように設けても良い。
【0094】
すなわち、レジスター20の検索手段70が、バーコードリーダ66で読み込んだ商品と、懸賞情報記憶装置68内に記憶されている懸賞付き商品とを比較し、購入した商品中に懸賞付き商品があるかどうかを検索した結果、懸賞付き商品が存在する場合には、顧客が現金精算を選択した場合であっても、レジスタ20の表示装置63にその旨を表示するようにレジスタ20のCPU60が制御する。
【0095】
表示装置63を見た顧客が電子マネー機能付き携帯電話を非接触通信装置67にかざすか、または表示装置63を見たレジ店員が顧客に電子マネー機能付き携帯電話を非接触通信装置67にかざすように促す。すると、レジスター20の送信手段71が、懸賞情報記憶装置68内に記憶されている懸賞情報を、非接触通信装置67を通じて顧客の電子マネー機能付き携帯電話に送信する。
続いて懸賞情報に基づいて顧客が懸賞に応募する場合の動作については、図9〜図18と同様であり、上記に説明した通りであるので、以下の動作についての説明は省略する。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明によれば、メーカ側からすれば、単に商品を供給するにとどまらず、付加価値(懸賞)がついた商品を消費者に幅広く提供することが可能となり、商品価値を提供する提供者として、スタイルが革新される。消費者からすれば、単純な商品の消費ではなく、懸賞の享受までを商品として消費することとなる。
【0097】
以上本発明につき好適な実施例を挙げて種々説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】マーケティングシステムの全体構成を示す説明図である。
【図2】サーバの内部構成について示したブロック図である。
【図3】懸賞情報登録ファイルの具体例を示した説明図である。
【図4】メーカに設けられた端末コンピュータの内部構成について示したブロック図である。
【図5】管理用ホストコンピュータの内部構成について示したブロック図である。
【図6】レジスターの内部構成について示したブロック図である。
【図7】マーケティング方法において懸賞情報を登録するまでを示すフローチャートである。
【図8】マーケティング方法において顧客が商品を購入するまでを示すフローチャートである。
【図9】商品購入後の顧客の電子マネー機能付き携帯電話の画面を示す説明図である。
【図10】商品購入後、サーバへアクセスした際の顧客の電子マネー機能付き携帯電話の画面を示す説明図である。
【図11】顧客がメールアドレス会員への登録を不承諾とした場合に、顧客の電子マネー機能付き携帯電話に表示される画面を示す説明図である。
【図12】顧客がメールアドレス会員への登録を承諾した場合に、顧客の電子マネー機能付き携帯電話に表示される画面を示す説明図である。
【図13】顧客が全て応募ボタンを押下したのち、応募メールの送信結果として顧客の電子マネー機能付き携帯電話に表示される画面を示す説明図である。
【図14】顧客が懸賞応募ボタンを押下したのち、応募メールの送信結果として顧客の電子マネー機能付き携帯電話に表示される画面を示す説明図である。
【図15】懸賞に当選した結果が送信された場合の、顧客の電子マネー機能付き携帯電話に表示される画面を示す説明図である。
【図16】入力された個人情報の正会員登録について承諾するか否かについて、顧客の電子マネー機能付き携帯電話に表示される画面を示す説明図である。
【図17】マーケティング方法において懸賞応募について示すフローチャートである。
【図18】図17のフローチャートの続きである。
【図19】第2の実施形態におけるチャージ機の内部構成を示すブロック図である。
【図20】電子マネーのチャージ後の顧客の電子マネー機能付き携帯電話の画面を示す説明図である。
【図21】サーバへアクセスした際の顧客の電子マネー機能付き携帯電話の画面を示す説明図である。
【符号の説明】
【0099】
1 データ転送手段
2 入力画面記憶ファイル
3 メール送信手段
4 選択画面記憶ファイル
5 案内情報記載手段
6 懸賞情報検索手段
8 アンケート情報登録ファイル
9 商品モニタ情報登録ファイル
10 マーケティングシステム
11 システム管理会社
12 サーバ
13、14 メーカ
16、18 端末コンピュータ
19 通信回線
20 レジスター
21 懸賞情報登録ファイル
22 管理用ホストコンピュータ
23 通信回線
24 インターフェース
25 メールアドレス会員登録ファイル
26 メモリ
27 表示装置
28 入力装置
29 正会員登録ファイル
31 検索手段
32 記憶装置
34 インターフェース
36 メモリ
37 表示装置
38 入力装置
42 記憶装置
44 インターフェース
45 インターフェース
46 メモリ
47 表示装置
48 入力装置
52 記憶装置
53 懸賞情報登録ファイル
54 売り上げ情報ファイル
55 自動記憶手段
56 データ転送手段
57 受信手段
58 インターフェース
61 メモリ
62 ドロワ
63 表示装置
64 キーボード
66 バーコードリーダ
67 非接触通信装置
68 懸賞情報記憶装置
69 電子マネー精算手段
70 検索手段
71 送信手段
74 承認ボタン
75 不承認ボタン
77、79 小売店独自の情報
78 メールアドレス会員への登録承認の表示
80 応募ボタン
81 懸賞商品に関する情報
82 懸賞応募ボタン
84 懸賞に当選したことを伝達する情報
86 正会員登録への承諾を求める情報
88 承諾ボタン
89 不承諾ボタン
90 位置情報(URL)
92 商品コード
94 懸賞に関する自動応募についての情報
96 メールアドレス会員への登録承認の表示
100 チャージ機
102 非接触通信装置
106 チャージ手段
108 操作部
109 表示装置
110 中央処理装置(CPU)
112 記憶装置
114 送信手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レジスターと、
該レジスターと通信回線によって接続され、懸賞付き商品について懸賞に関する懸賞情報が記憶されている記憶手段を有するサーバとを具備するシステムであって、
前記レジスターは、
前記サーバの前記記憶手段に記憶されている懸賞情報を取得する懸賞情報取得手段と、
取得した懸賞情報を記憶する懸賞情報記憶手段と、
顧客が購入しようとする商品または購入した商品中に、懸賞情報記憶手段に記憶されている懸賞付き商品が存在するかどうかを検索する検索手段とを有することを特徴とするマーケティングシステム。
【請求項2】
前記レジスターは、
前記検索手段によって顧客が購入しようとする商品または購入した商品中に懸賞付き商品が存在することが判明した場合には、懸賞付き商品が存在する旨の情報を顧客の携帯電話に送信する送信手段を有することを特徴とする請求項1記載のマーケティングシステム。
【請求項3】
前記携帯電話は、電子マネーデータを記憶し、電子マネーでの支払いが可能な電子マネー機能付き携帯電話であり、
前記レジスターは、電子マネー機能付き携帯電話による精算を実行する電子マネー精算手段を有しており、
前記レジスターの送信手段は、電子マネー精算手段による精算時に懸賞付き商品が存在する旨の情報を顧客の携帯電話に送信することを特徴とする請求項2記載のマーケティングシステム。
【請求項4】
前記サーバには、懸賞への応募方法を案内する案内情報が記憶された案内情報記憶手段が設けられており、
前記懸賞付き商品が存在する旨の情報には、前記サーバの案内情報記憶手段の位置情報が記述されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項記載のマーケティングシステム。
【請求項5】
前記懸賞付き商品が存在する旨の情報には、該当する懸賞付き商品の商品コードが記述されており、
前記サーバには、
携帯電話から案内情報記憶手段に接続した顧客の商品コードに基づいて、前記懸賞情報記憶手段から該当する懸賞情報を検索する懸賞情報検索手段が設けられ、
該懸賞情報記憶手段によって検索された懸賞情報を案内情報に記載する案内情報記載手段が設けられていることを特徴とする請求項4記載のマーケティングシステム。
【請求項6】
前記サーバには、
顧客の個人情報を登録することに同意するか否かを顧客に選択させる選択画面が記憶されている選択画面記憶手段が設けられ、
個人情報の登録に同意した場合に顧客が個人情報を入力する入力画面が記憶されている入力画面記憶手段が設けられ、
入力画面で入力された個人情報を記憶する個人情報記憶手段が設けられ、
懸賞に応募した顧客に対して、前記選択画面記憶手段の位置情報をメール送信するメール送信手段が設けられていることを特徴とする請求項5記載のマーケティングシステム。
【請求項7】
前記サーバには、前記個人情報記憶手段から、商品に懸賞を付けたメーカがアンケートを実施しようとする場合に、個人情報の属性に基づいて記憶されている個人情報を検索する個人情報検索手段を有することを特徴とする請求項6記載のマーケティングシステム。
【請求項8】
前記レジスターは、POSレジスターであり、
該POSレジスターには、商品の販売情報を管理する管理用ホストコンピュータが通信可能に接続されており、
該管理用ホストコンピュータが、前記サーバに記憶されている懸賞情報を取得し、取得した懸賞情報をPOSレジスターに配信することを特徴とする請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項記載のマーケティングシステム。
【請求項9】
顧客が購入する商品の代金を精算するレジスターにおいて、
懸賞付き商品について、懸賞に関する懸賞情報が関連付けされて記憶されている記憶手段と、
顧客が購入しようとする商品または購入した商品中に、記憶手段に記憶されている懸賞付き商品が存在するかどうかを検索する検索手段とを具備することを特徴とするレジスター。
【請求項10】
前記検索手段によって顧客が購入しようとする商品または購入した商品中に懸賞付き商品が存在することが判明した場合には、懸賞付き商品が存在する旨の情報を顧客の携帯電話に送信する送信手段を具備することを特徴とする請求項9記載のレジスター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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