ミキサ車
【課題】回転ドラム内に生コンクリート材料を投入し、使用現場まで設定した時間で行ける所で、所定量の水を回転ドラム内へ投入し、回転ドラムを回転させることにより、従来の混練以上の強制混練ができ、使用現場に到達したところで生コンクリートが製造できるようにしたミキサ車の提供。
【解決手段】回転ドラム11の内底中央部に固定された軸受22と、この軸受に先端部が回転可能に取付けられ、後端部が回転ドラムの出入口12より外方へ突出し、該突出部に位置する荷台3に固定された支持台14に回転可能に取付けられた回転軸24と、この回転軸を回転ドラムの混練時の回転方向とは逆方向に回転、あるいは停止させる回転軸駆動装置25と、該回転ドラムの回転で混練されながら内底面方向へ移動してくる混練材料を、該移動方向とは逆方向へ移動させることができる複数枚の撹拌ブレード26とからなる混練促進装置21とを備えたミキサ車1。
【解決手段】回転ドラム11の内底中央部に固定された軸受22と、この軸受に先端部が回転可能に取付けられ、後端部が回転ドラムの出入口12より外方へ突出し、該突出部に位置する荷台3に固定された支持台14に回転可能に取付けられた回転軸24と、この回転軸を回転ドラムの混練時の回転方向とは逆方向に回転、あるいは停止させる回転軸駆動装置25と、該回転ドラムの回転で混練されながら内底面方向へ移動してくる混練材料を、該移動方向とは逆方向へ移動させることができる複数枚の撹拌ブレード26とからなる混練促進装置21とを備えたミキサ車1。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生コンクリート材料を回転ドラム内へ収納し、輸送中に混練あるいは使用現場で混錬して生コンクリートを製造することができるミキサ車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミキサ車は生コンクリート製造工場から回転ドラム内に生コンクリートを収納し、撹拌しながら使用現場へ輸送する場合に使用されている。
しかしながら、生コンクリート製造工場と使用現場が比較的に近い場合は問題が生じないが、遠い場合や交通渋滞が生じる場合、生コンクリートの品質劣化や固化する等の不具合が生じるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−208412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、回転ドラム内に生コンクリート材料を投入し、使用現場まであらかじめ設定した時間で行ける所で、所定量の水を回転ドラム内へ投入し、回転ドラムを回転させることにより、従来の回転ドラムだけの回転での混練以上の強制混練ができ、使用現場に到達したところで生コンクリートが製造できるようにして、使用現場に到達したところで生コンクリートの品質劣化や固化する等の不具合を防止できるミキサ車を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は生コンクリートを製造することができるトラックの荷台に内壁面に螺旋状のブレードが固定された駆動装置で正・逆回転させることができる回転ドラムを備えるミキサ車において、前記回転ドラムの内底中央部に固定された軸受、この軸受に先端部が回転可能に取付けられ、後端部が前記回転ドラムの出入口より外方へ突出し、該突出部に位置する前記荷台に固定された支持台あるいは回転ドラム支持台に回転可能に取付けられた回転軸、この回転軸を前記回転ドラムの混練時の回転方向とは逆方向に回転させ、あるいは回転ドラムの回転時に回転不能とする前記回転ドラムの出入口側の荷台に固定された支持台あるいは回転ドラム支持台に取付けられた回転軸駆動装置あるいは回転軸固定手段、前記回転軸の前記回転ドラムの内底面側に固定された、該回転ドラムの回転で混練されながら内底面方向へ移動してくる混練材料を、該移動方向とは逆方向へ移動させることができる複数枚の撹拌ブレードとからなる混練促進装置とでミキサ車を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、回転ドラム内に生コンクリート材料と水を投入して、該回転ドラムを回転させると、回転ドラムの内壁面に固定された螺旋状のブレードで生コンクリート材料と水とが撹拌されながら回転ドラムの底面方向へ移動するとともに、この移動してくる混練物を混練促進装置の複数枚の撹拌ブレードでの反対方向への移動によって、効率よく生コンクリート材料と水とが強制混錬され、効率よく生コンクリートを製造することができる。
この場合、混練促進装置の複数枚の撹拌ブレードは固定状態であっても、回転ドラムの回転方向とは逆に回転させても、効率よく生コンクリート材料と水とを撹拌強制混練させることができる。
(2)前記(1)により、回転ドラム内に複数枚の撹拌ブレードを固定した回転軸を備えた混練促進装置を設けるだけでよく、従来のミキサ車を改造して容易に製造することができる。
(3)前記(1)によって、複数枚の撹拌ブレード回転ドラムの内底面方向へ撹拌されながら移動してくる撹拌混練物を切断したり、押しも戻したりすることができる。
したがって、複数枚の撹拌ブレード部分で、生コンクリートと水とを効率よく強制混練することができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、回転ドラム内の生コンクリートを効率よく排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の側面図。
【図2】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態の一部破断面図。
【図4】本発明を実施するための第1の形態の混練促進装置の説明図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の生コンクリート材料を収納する時の説明図。
【図6】本発明を実施するための第2の形態の側面図。
【図7】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図8】本発明を実施するための第2の形態の混練促進装置の説明図。
【図9】本発明を実施するための第3の形態の側面図。
【図10】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図11】本発明を実施するための第3の形態の混練促進装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0010】
図1ないし図5に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は使用現場に着くまでに生コンクリートを製造したり、使用現場で生コンクリートを製造することができる本発明のミキサ車で、このミキサ車1はトラック2と、このトラック2の荷台3の前方の中央部に固定された油圧モータ支持台4と、この油圧モータ支持台4に取付けられた油圧モータ5と、前記荷台3の後方の両端部寄りの部位に固定された上面にローラ6、6を有する回転ドラム支持台7、7と、一端の中央部が前記油圧モータ5の駆動軸8に取付けられ、他端部寄りの部位が前記回転ドラム支持台7、7のローラ6、6と接触するローラリング9で回転可能に取付けられた内壁面に螺旋状のブレード10が固定された回転ドラム11と、この回転ドラム11の他端部の出入口12内へセメント、骨材(砂、砂利等)、混和材料等の生コンクリート材料13を供給する、前記荷台3に固定された支持台14に取付けられたホッパー15と、前記回転ドラム11の出入口12より排出される生コンクリートを受けて、外部へ排出する排出シュート17と、前記荷台3の前方部位に取付けられた生コンクリートを前記回転ドラム11内で製造する時に、該回転ドラム11内へ計量されて供給される計量器18付混錬水タンク19と、前記回転ドラム11内での生コンクリート材料13と水20との撹拌混錬を効率よく促進させる混練促進装置21とで構成されている。
【0011】
前記混練促進装置21は前記回転ドラム11の内底中央部に固定された軸受22と、この軸受22に先端部が回転可能に取付けられ、後端部が前記回転ドラム11の出入口12および前記ホッパー15の軸受23を貫通して外方へ突出する回転軸24と、この回転軸24、前記回転ドラム11の混練時の回転方向とは逆方向に回転させる、前記支持台14に取付けられた油圧モータ等の回転軸駆動装置25と、前記回転軸24の前記回転ドラム11の内底面側に固定された、該回転ドラム11の回転で撹拌混錬されながら内底面方向へ螺旋状のブレード10で移動してくる混練材料を、該移動方向とは逆方向へ移動させることができる複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26とで構成されている。
【0012】
上記構成のミキサ車1は生コンクリート材料13を輸送袋27に収納されて保管されている保管所で、図5に示すように輸送袋27をクレーン28等で吊り上げ、ホッパー15上に位置させ、輸送袋27の底面を開放してホッパー15を介して回転ドラム11内に生コンクリート材料13を収納する。
【0013】
生コンクリートの使用現場が近い場合には計量器18で計量して、所定量の水20を混練水タンク19より回転ドラム11内へ供給する。
【0014】
生コンクリートの使用現場が遠く、時間がかかる場合、生コンクリートの使用現場まであらかじめ設定された時間で行ける所まで走行し、その所で所定量の水20を混練水タンク19より回転ドラム11内へ供給する。
【0015】
この状態で回転ドラム11を油圧モータ5で正回転させるとともに、混練促進装置21の回転軸駆動装置25を駆動させ、複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26を回転ドラム11の回転方向とは逆に回転させる。
【0016】
この回転ドラム11の回転によって生コンクリート材料13と水20とは螺旋状のブレード10によって撹拌混錬されながら回転ドラム11の内底面方向へ移動されるとともに、回転ドラム11の内底面近傍で内底面方向に移動してきた混練物を複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26で切断して反対方向へ移動させ、効率よく撹拌強制混錬させることができる。
【0017】
このため、比較的短時間で生コンクリート材料13と水20とを撹拌強制混錬して生コンクリート16を製造することができる。
【0018】
なお、混練促進装置21を停止して、回転軸24が回転しないようにして回転ドラム11だけを回転させても、回転ドラム11の内底面方向へ移動してくる混練物を複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26で切断して、混錬を効率よく促進させることもできる。
【0019】
回転ドラム11内で製造された生コンクリート16は、現場で回転ドラム11を逆回転させることにより、螺旋状のブレード10で出入口12より排出シュート17で外部へ排出される。
【0020】
この時、混練促進装置21の回転軸24を回転させることにより、複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26によって、効率よく回転ドラム11内より生コンクリート16を排出することができる。
【0021】
生コンクリートの使用現場に生コンクリート材料13が収納された輸送袋27を輸送しておくことにより、使用現場でミキサ車1を用いて生コンクリートを製造して使用することができる。
【0022】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図6ないし図11に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0023】
図6ないし図8に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、回転軸24をホッパー15に回転不能に取付ける回転軸24に固定されたアーム29、このアーム29の先端部ホッパー15にボルト30等で固定する回転軸固定手段31を使用した混練促進装置21Aを用いた点で、このような混練促進装置21Aを用いたミキサ車1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0024】
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、トラック2の走行用エンジン32の駆動力をトランスミッション33の側面に設けられた動力取出装置34よりユニバーサルジョイント35、35を介したドライブシャフト36で油圧ポンプ37を駆動し、この油圧ポンプ37の駆動力で油圧モータ38を回転駆動させ、減速機39を介して回転ドラム11を回転駆動できるようにした点で、このようにトラック2の走行用エンジン32の駆動力を用いて回転ドラム11を回転駆動させることができるミキサ車1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0025】
なお、この実施の形態ではトランスミッション33のチェンジレバー40が中立位置に操作された場合以外は、常に走行用エンジン32の駆動力が動力取出装置34に連結された状態となっている。
【0026】
また、トラック2が走行しない場合には、油圧ポンプ37を電動モータで駆動させることができるようにしてもよい。
【0027】
さらに、混練促進装置21の撹拌ブレード26、26、26、26の形状は螺旋状のブレード10によって撹拌混錬されながら回転ドラム11の内底面方向へ移動してくる混練物を切断して、押し戻しながら強制的に混錬できる形状や大きさであればどんな形状であってもよく、また、4枚以外の数の撹拌ブレードであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は生コンクリート材料と水とを撹拌強制混錬しながら走行して、生コンクリートを製造することができるミキサ車を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0029】
1、1A、1B:ミキサ車、 2:トラック、
3:荷台、 4:油圧モータ支持台、
5:油圧モータ、 6:ローラ、
7:回転ドラム支持台、 8:駆動軸、
9:ローラリング、 10:螺旋状のブレード、
11:回転ドラム、 12:出入口、
13:生コンクリート材料、 14:支持台、
15:ホッパー、 16:生コンクリート、
17:排出シュート、 18:計量器、
19:混練水タンク、 20:水、
21、21A:混練促進装置、 22:軸受、
23:軸受、 24:回転軸、
25:回転軸駆動装置、 26:撹拌ブレード、
27:輸送袋、 28:クレーン、
29:アーム、 30:ボルト、
31:回転軸固定手段、 32:走行用エンジン、
33:トランスミッション、 34:動力取出装置、
35:ユニバーサルジョイント、 36:ドライブシャフト、
37:油圧ポンプ、 38:油圧モータ、
39:減速機、 40:チェンジレバー。
【技術分野】
【0001】
本発明は生コンクリート材料を回転ドラム内へ収納し、輸送中に混練あるいは使用現場で混錬して生コンクリートを製造することができるミキサ車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ミキサ車は生コンクリート製造工場から回転ドラム内に生コンクリートを収納し、撹拌しながら使用現場へ輸送する場合に使用されている。
しかしながら、生コンクリート製造工場と使用現場が比較的に近い場合は問題が生じないが、遠い場合や交通渋滞が生じる場合、生コンクリートの品質劣化や固化する等の不具合が生じるという欠点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−208412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、回転ドラム内に生コンクリート材料を投入し、使用現場まであらかじめ設定した時間で行ける所で、所定量の水を回転ドラム内へ投入し、回転ドラムを回転させることにより、従来の回転ドラムだけの回転での混練以上の強制混練ができ、使用現場に到達したところで生コンクリートが製造できるようにして、使用現場に到達したところで生コンクリートの品質劣化や固化する等の不具合を防止できるミキサ車を提供することを目的としている。
【0005】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は生コンクリートを製造することができるトラックの荷台に内壁面に螺旋状のブレードが固定された駆動装置で正・逆回転させることができる回転ドラムを備えるミキサ車において、前記回転ドラムの内底中央部に固定された軸受、この軸受に先端部が回転可能に取付けられ、後端部が前記回転ドラムの出入口より外方へ突出し、該突出部に位置する前記荷台に固定された支持台あるいは回転ドラム支持台に回転可能に取付けられた回転軸、この回転軸を前記回転ドラムの混練時の回転方向とは逆方向に回転させ、あるいは回転ドラムの回転時に回転不能とする前記回転ドラムの出入口側の荷台に固定された支持台あるいは回転ドラム支持台に取付けられた回転軸駆動装置あるいは回転軸固定手段、前記回転軸の前記回転ドラムの内底面側に固定された、該回転ドラムの回転で混練されながら内底面方向へ移動してくる混練材料を、該移動方向とは逆方向へ移動させることができる複数枚の撹拌ブレードとからなる混練促進装置とでミキサ車を構成している。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、回転ドラム内に生コンクリート材料と水を投入して、該回転ドラムを回転させると、回転ドラムの内壁面に固定された螺旋状のブレードで生コンクリート材料と水とが撹拌されながら回転ドラムの底面方向へ移動するとともに、この移動してくる混練物を混練促進装置の複数枚の撹拌ブレードでの反対方向への移動によって、効率よく生コンクリート材料と水とが強制混錬され、効率よく生コンクリートを製造することができる。
この場合、混練促進装置の複数枚の撹拌ブレードは固定状態であっても、回転ドラムの回転方向とは逆に回転させても、効率よく生コンクリート材料と水とを撹拌強制混練させることができる。
(2)前記(1)により、回転ドラム内に複数枚の撹拌ブレードを固定した回転軸を備えた混練促進装置を設けるだけでよく、従来のミキサ車を改造して容易に製造することができる。
(3)前記(1)によって、複数枚の撹拌ブレード回転ドラムの内底面方向へ撹拌されながら移動してくる撹拌混練物を切断したり、押しも戻したりすることができる。
したがって、複数枚の撹拌ブレード部分で、生コンクリートと水とを効率よく強制混練することができる。
(4)請求項2も前記(1)〜(3)と同様な効果が得られるとともに、回転ドラム内の生コンクリートを効率よく排出させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明を実施するための第1の形態の側面図。
【図2】本発明を実施するための第1の形態の平面図。
【図3】本発明を実施するための第1の形態の一部破断面図。
【図4】本発明を実施するための第1の形態の混練促進装置の説明図。
【図5】本発明を実施するための第1の形態の生コンクリート材料を収納する時の説明図。
【図6】本発明を実施するための第2の形態の側面図。
【図7】本発明を実施するための第2の形態の平面図。
【図8】本発明を実施するための第2の形態の混練促進装置の説明図。
【図9】本発明を実施するための第3の形態の側面図。
【図10】本発明を実施するための第3の形態の平面図。
【図11】本発明を実施するための第3の形態の混練促進装置の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0010】
図1ないし図5に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は使用現場に着くまでに生コンクリートを製造したり、使用現場で生コンクリートを製造することができる本発明のミキサ車で、このミキサ車1はトラック2と、このトラック2の荷台3の前方の中央部に固定された油圧モータ支持台4と、この油圧モータ支持台4に取付けられた油圧モータ5と、前記荷台3の後方の両端部寄りの部位に固定された上面にローラ6、6を有する回転ドラム支持台7、7と、一端の中央部が前記油圧モータ5の駆動軸8に取付けられ、他端部寄りの部位が前記回転ドラム支持台7、7のローラ6、6と接触するローラリング9で回転可能に取付けられた内壁面に螺旋状のブレード10が固定された回転ドラム11と、この回転ドラム11の他端部の出入口12内へセメント、骨材(砂、砂利等)、混和材料等の生コンクリート材料13を供給する、前記荷台3に固定された支持台14に取付けられたホッパー15と、前記回転ドラム11の出入口12より排出される生コンクリートを受けて、外部へ排出する排出シュート17と、前記荷台3の前方部位に取付けられた生コンクリートを前記回転ドラム11内で製造する時に、該回転ドラム11内へ計量されて供給される計量器18付混錬水タンク19と、前記回転ドラム11内での生コンクリート材料13と水20との撹拌混錬を効率よく促進させる混練促進装置21とで構成されている。
【0011】
前記混練促進装置21は前記回転ドラム11の内底中央部に固定された軸受22と、この軸受22に先端部が回転可能に取付けられ、後端部が前記回転ドラム11の出入口12および前記ホッパー15の軸受23を貫通して外方へ突出する回転軸24と、この回転軸24、前記回転ドラム11の混練時の回転方向とは逆方向に回転させる、前記支持台14に取付けられた油圧モータ等の回転軸駆動装置25と、前記回転軸24の前記回転ドラム11の内底面側に固定された、該回転ドラム11の回転で撹拌混錬されながら内底面方向へ螺旋状のブレード10で移動してくる混練材料を、該移動方向とは逆方向へ移動させることができる複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26とで構成されている。
【0012】
上記構成のミキサ車1は生コンクリート材料13を輸送袋27に収納されて保管されている保管所で、図5に示すように輸送袋27をクレーン28等で吊り上げ、ホッパー15上に位置させ、輸送袋27の底面を開放してホッパー15を介して回転ドラム11内に生コンクリート材料13を収納する。
【0013】
生コンクリートの使用現場が近い場合には計量器18で計量して、所定量の水20を混練水タンク19より回転ドラム11内へ供給する。
【0014】
生コンクリートの使用現場が遠く、時間がかかる場合、生コンクリートの使用現場まであらかじめ設定された時間で行ける所まで走行し、その所で所定量の水20を混練水タンク19より回転ドラム11内へ供給する。
【0015】
この状態で回転ドラム11を油圧モータ5で正回転させるとともに、混練促進装置21の回転軸駆動装置25を駆動させ、複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26を回転ドラム11の回転方向とは逆に回転させる。
【0016】
この回転ドラム11の回転によって生コンクリート材料13と水20とは螺旋状のブレード10によって撹拌混錬されながら回転ドラム11の内底面方向へ移動されるとともに、回転ドラム11の内底面近傍で内底面方向に移動してきた混練物を複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26で切断して反対方向へ移動させ、効率よく撹拌強制混錬させることができる。
【0017】
このため、比較的短時間で生コンクリート材料13と水20とを撹拌強制混錬して生コンクリート16を製造することができる。
【0018】
なお、混練促進装置21を停止して、回転軸24が回転しないようにして回転ドラム11だけを回転させても、回転ドラム11の内底面方向へ移動してくる混練物を複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26で切断して、混錬を効率よく促進させることもできる。
【0019】
回転ドラム11内で製造された生コンクリート16は、現場で回転ドラム11を逆回転させることにより、螺旋状のブレード10で出入口12より排出シュート17で外部へ排出される。
【0020】
この時、混練促進装置21の回転軸24を回転させることにより、複数枚の撹拌ブレード26、26、26、26によって、効率よく回転ドラム11内より生コンクリート16を排出することができる。
【0021】
生コンクリートの使用現場に生コンクリート材料13が収納された輸送袋27を輸送しておくことにより、使用現場でミキサ車1を用いて生コンクリートを製造して使用することができる。
【0022】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図6ないし図11に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0023】
図6ないし図8に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、回転軸24をホッパー15に回転不能に取付ける回転軸24に固定されたアーム29、このアーム29の先端部ホッパー15にボルト30等で固定する回転軸固定手段31を使用した混練促進装置21Aを用いた点で、このような混練促進装置21Aを用いたミキサ車1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0024】
図9ないし図11に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、トラック2の走行用エンジン32の駆動力をトランスミッション33の側面に設けられた動力取出装置34よりユニバーサルジョイント35、35を介したドライブシャフト36で油圧ポンプ37を駆動し、この油圧ポンプ37の駆動力で油圧モータ38を回転駆動させ、減速機39を介して回転ドラム11を回転駆動できるようにした点で、このようにトラック2の走行用エンジン32の駆動力を用いて回転ドラム11を回転駆動させることができるミキサ車1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
【0025】
なお、この実施の形態ではトランスミッション33のチェンジレバー40が中立位置に操作された場合以外は、常に走行用エンジン32の駆動力が動力取出装置34に連結された状態となっている。
【0026】
また、トラック2が走行しない場合には、油圧ポンプ37を電動モータで駆動させることができるようにしてもよい。
【0027】
さらに、混練促進装置21の撹拌ブレード26、26、26、26の形状は螺旋状のブレード10によって撹拌混錬されながら回転ドラム11の内底面方向へ移動してくる混練物を切断して、押し戻しながら強制的に混錬できる形状や大きさであればどんな形状であってもよく、また、4枚以外の数の撹拌ブレードであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は生コンクリート材料と水とを撹拌強制混錬しながら走行して、生コンクリートを製造することができるミキサ車を製造する産業で利用される。
【符号の説明】
【0029】
1、1A、1B:ミキサ車、 2:トラック、
3:荷台、 4:油圧モータ支持台、
5:油圧モータ、 6:ローラ、
7:回転ドラム支持台、 8:駆動軸、
9:ローラリング、 10:螺旋状のブレード、
11:回転ドラム、 12:出入口、
13:生コンクリート材料、 14:支持台、
15:ホッパー、 16:生コンクリート、
17:排出シュート、 18:計量器、
19:混練水タンク、 20:水、
21、21A:混練促進装置、 22:軸受、
23:軸受、 24:回転軸、
25:回転軸駆動装置、 26:撹拌ブレード、
27:輸送袋、 28:クレーン、
29:アーム、 30:ボルト、
31:回転軸固定手段、 32:走行用エンジン、
33:トランスミッション、 34:動力取出装置、
35:ユニバーサルジョイント、 36:ドライブシャフト、
37:油圧ポンプ、 38:油圧モータ、
39:減速機、 40:チェンジレバー。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生コンクリートを製造することができるトラックの荷台に内壁面に螺旋状のブレードが固定された駆動装置で正・逆回転させることができる回転ドラムを備えるミキサ車において、前記回転ドラムの内底中央部に固定された軸受と、この軸受に先端部が回転可能に取付けられ、後端部が前記回転ドラムの出入口より外方へ突出し、該突出部に位置する前記荷台に固定された支持台あるいは回転ドラム支持台に回転可能に取付けられた回転軸と、この回転軸を前記回転ドラムの混練時の回転方向とは逆方向に回転させ、あるいは回転ドラムの回転時に回転不能とする前記回転ドラムの出入口側の荷台に固定された支持台あるいは回転ドラム支持台に取付けられた回転軸駆動装置あるいは回転軸固定手段と、前記回転軸の前記回転ドラムの内底面側に固定された、該回転ドラムの回転で混練されながら内底面方向へ移動してくる混練材料を、該移動方向とは逆方向へ移動させることができる複数枚の撹拌ブレードとからなる混練促進装置を備えたことを特徴とするミキサ車。
【請求項2】
回転軸駆動装置は回転ドラムで製造された生コンクリートを出入口側へ排出する時にだけ回転軸を回転駆動させることを特徴とする請求項1記載のミキサ車。
【請求項1】
生コンクリートを製造することができるトラックの荷台に内壁面に螺旋状のブレードが固定された駆動装置で正・逆回転させることができる回転ドラムを備えるミキサ車において、前記回転ドラムの内底中央部に固定された軸受と、この軸受に先端部が回転可能に取付けられ、後端部が前記回転ドラムの出入口より外方へ突出し、該突出部に位置する前記荷台に固定された支持台あるいは回転ドラム支持台に回転可能に取付けられた回転軸と、この回転軸を前記回転ドラムの混練時の回転方向とは逆方向に回転させ、あるいは回転ドラムの回転時に回転不能とする前記回転ドラムの出入口側の荷台に固定された支持台あるいは回転ドラム支持台に取付けられた回転軸駆動装置あるいは回転軸固定手段と、前記回転軸の前記回転ドラムの内底面側に固定された、該回転ドラムの回転で混練されながら内底面方向へ移動してくる混練材料を、該移動方向とは逆方向へ移動させることができる複数枚の撹拌ブレードとからなる混練促進装置を備えたことを特徴とするミキサ車。
【請求項2】
回転軸駆動装置は回転ドラムで製造された生コンクリートを出入口側へ排出する時にだけ回転軸を回転駆動させることを特徴とする請求項1記載のミキサ車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−228830(P2012−228830A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98933(P2011−98933)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(309013989)ドライミックス事業協同組合 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(309013989)ドライミックス事業協同組合 (1)
【Fターム(参考)】
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