説明

ミシンの押え装着機構及びミシン

【課題】押え棒に対して、押え足又は押えホルダを着脱可能に装着するものにおいて、押え足又は押えホルダの着脱の作業を簡単に行う。
【解決手段】押え棒10の下端部の被取付部35に、楕円形状の頭部37を有する操作部材36を回動可能に設ける。操作部材36の頭部37の右側の端面に、カム面38を形成する。押えホルダ14の取付壁部21に円形凹部21bを設けると共に、その底部から右側面に貫通する横長な楕円形状の取付穴21cを設ける。操作部材36の頭部37が横向きになったアンロック位置で、頭部37に取付穴21cを差込み、頭部37をほぼ90°回動させロック位置に切替える。このとき、カム面38が円形凹部21bの底面を押圧するので、取付壁部21は被取付部35に密着し、押えホルダ14は押え棒10に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工布を押圧する押え足、又は押え足を支持する押えホルダを、押え棒に着脱可能に装着するミシンの押え装着機構及びミシンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば家庭用のミシンにおいては、ミシン頭部に設けられた針棒の後部に位置して、押え棒が設けられている。押え棒の下端部に、加工布を押えるための押え足が、直接又は押えホルダを介して着脱可能に取付けられている。押え足は、例えば、ジグザグ縫い用、ボタン穴かがり用、裁ち目かがり用等、縫製の種類に応じた複数種類が用意されており、必要に応じて交換される。例えば特許文献1に示された押え装置は、押え棒の下端部に、押えホルダが取付ねじにより取付けられ、固定されている。そして、押えホルダに対し、押え足がワンタッチで着脱される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭60−50965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した特許文献1の押え装置では、ユーザは、押えホルダに対して押え足を交換する作業を容易に行うことができる。しかし、例えば、刺繍縫製用の押え足など、押え足の種類によっては、押えホルダを使用しないで、押え棒に直接取付ける構成の押え足がある。この場合、ユーザは、ドライバ等の工具を用いて、取付ねじを緩めて押えホルダを押え棒から取外す。その後、刺繍縫製用の押え足を、押え棒に対して取付位置を合わせて保持しつつ、取付ねじを締付けて固定する。このように、押え棒に対して押えホルダ又は押え足を交換する作業は、押え足の種類によっては、取付ねじを緩めたり締付けたりする必要があり煩雑であった。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、押え棒に対して、押え足又は押えホルダを着脱可能に装着するものにおいて、押え足又は押えホルダの着脱の作業を簡単に行うことができるミシンの押え装着機構及びミシンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1のミシンの押え装着機構は、加工布を押圧する押え足、又は押え足を支持する押えホルダを、押え棒に着脱可能に装着するミシンの押え装着機構であって、前記押え棒の下端部に設けられ、前記押え足又は押えホルダを前記押え棒に固定するロック位置と、前記押え足又は押えホルダの前記押え棒に対する固定を解除するアンロック位置とに切替え可能なロック手段を備えるところに特徴を有する。
【0007】
上記構成によれば、押え棒の下端部に設けられたロック手段はロック位置とアンロック位置とに切替え可能とされている。ロック手段がロック位置にあるときには、押え足又は押えホルダが押え棒に固定されている。ロック手段を、ロック位置からアンロック位置に切替えると、押え足又は押えホルダの押え棒に対する固定が解除される。従って、押え棒に装着された押え足又は押えホルダを交換する場合には、ユーザは、ロック手段を、ロック位置からアンロック位置に切替えることにより、装着されていた押え足又は押えホルダを取外すことができる。その後、ユーザは、別の押え足又は押えホルダをセットし、ロック手段を、アンロック位置からロック位置に切替えることにより、別の押え足又は押えホルダを押え棒に固定することができる。
【0008】
請求項2のミシンの押え装着機構は、請求項1の発明において、前記ロック手段は、係合部を有し前記押え棒の下端部に前記ロック位置とアンロック位置との間で切替え可能に支持された操作部材と、前記押え足又は押えホルダに設けられ前記係合部に係合可能な被係合部とを備え、前記操作部材がロック位置のときには、前記係合部が前記被係合部に係合する姿勢となり、且つ、前記操作部材がアンロック位置のときには、前記係合部が前記被係合部に対して係合解除される姿勢となるところに特徴を有する。
【0009】
請求項3のミシンの押え装着機構は、請求項2の発明において、前記係合部は、前記押え足又は押えホルダに設けられた前記被係合部を挟んで前記押え棒と対向する位置に設けられ、前記係合部を前記押え棒の方向に付勢する付勢部材を備え、前記操作部材がロック位置にあるとき、前記係合部が前記被係合部を前記押え棒の方向に押圧するように前記付勢部材の付勢力が作用することにより、前記押え足又は押えホルダを前記押え棒に固定するところに特徴を有する。
【0010】
請求項4のミシンの押え装着機構は、請求項3の発明において、前記操作部材は、前記押え棒の伸長方向に対して交差する方向に延びる回転軸を中心として、前記ロック位置とアンロック位置との間で回動変位可能に支持され、前記係合部は複数設けられ、このうち少なくとも2つの前記係合部が、前記回転軸を通る仮想平面に対して対称的な位置に設けられているところに特徴を有する。
【0011】
請求項5のミシンの押え装着機構は、請求項4の発明において、前記係合部は、前記操作部材を前記アンロック位置からロック位置に回動させるときに、前記付勢部材による付勢力が徐々に増大するように、前記押え棒の伸長方向に対して傾斜するカム面を有しているところに特徴を有する。
【0012】
本発明の請求項6のミシンは、請求項1から5のいずれかに記載のミシンの押え装着機構を備えたところに特徴を有している。
【発明の効果】
【0013】
請求項1のミシンの押え装着機構によれば、押え棒に対して、押え足又は押えホルダを着脱可能に装着するものにおいて、押え棒の下端部に、前記押え足又は押えホルダを前記押え棒に固定するロック位置と、前記押え足又は押えホルダの前記押え棒に対する固定を解除するアンロック位置とに切替え可能なロック手段を設けたので、押え足又は押えホルダの着脱の作業を簡単に行うことができるという優れた効果を得ることができる。
【0014】
請求項2のミシンの押え装着機構によれば、請求項1に記載の発明の効果に加え、前記ロック手段は、係合部を有し押え棒の下端部にロック位置とアンロック位置との間で切替え可能に支持された操作部材と、押え足又は押えホルダに設けられ前記係合部に係合可能な被係合部とを備え、前記操作部材がロック位置のときには、前記係合部が前記被係合部に係合する姿勢となり、且つ、前記操作部材がアンロック位置のときには、前記係合部が前記被係合部に対して係合解除される姿勢となるので、ユーザは、押え棒の下端部に設けられた操作部材を操作することにより、押え棒に対する押え足又は押えホルダの固定及び固定解除を容易に行うことができる。また、ロック手段を簡単な構成にすることができる。
【0015】
請求項3のミシンの押え装着機構によれば、請求項2に記載の発明の効果に加え、係合部は、押え足又は押えホルダに設けられた被係合部を挟んで押え棒と対向する位置に設けられ、係合部を前記押え棒の方向に付勢する付勢部材を備え、操作部材がロック位置にあるとき、係合部が被係合部を押え棒の方向に押圧するように前記付勢部材の付勢力が作用することにより、押え足又は押えホルダを押え棒に固定するので、操作部材がロック位置にあるときには、押え足又は押えホルダを付勢部材の付勢力により押え棒に対しがたつきなく固定することができる。更に、付勢部材の付勢力によって、操作部材に緩みが発生することが防止され、操作部材をロック位置に確実に保持することができる。
【0016】
請求項4のミシンの押え装着機構によれば、請求項3に記載の発明の効果に加え、操作部材は、押え棒の伸長方向に対して交差する方向に延びる回転軸を中心として、ロック位置とアンロック位置との間で回動変位可能に支持され、前記係合部は複数設けられ、このうち少なくとも2つの係合部が、前記回転軸を通る仮想平面に対して対称的な位置に設けられているので、操作部材のロック位置において、押え棒に対し押え足又は押えホルダを少なくとも2箇所で押圧するようになり、より安定して固定することができる。また、操作部材は回動操作によりロック位置とアンロック位置とが切替えられるので、ユーザは、より簡単に操作を行うことができる。
【0017】
請求項5のミシンの押え装着機構によれば、請求項4に記載の発明の効果に加え、係合部は、操作部材をアンロック位置からロック位置に回動させるときに、付勢部材による付勢力が徐々に増大するように、押え棒の伸長方向に対して傾斜するカム面を有しているので、操作部材をアンロック位置からロック位置に回動させるときには、ユーザは、操作部材を回動させる操作力を小さい力から徐々に大きくしてゆく。逆に、操作部材をロック位置からアンロック位置に切替えるときには、ユーザは、操作部材を回動させる操作力を大きい力から徐々に小さくしてゆく。従って、ユーザにとっては、操作力の変化によって、操作部材をアンロック位置又はロック位置に切替えたことを感覚的に知ることができるので、不注意による誤操作を防止することができる。
【0018】
請求項6のミシンによれば、請求項1から5のいずれかに記載のミシンの押え装着機構を備えるので、押え棒に対して、押え足又は押えホルダを着脱可能に装着するものにおいて、押え足又は押えホルダの着脱の作業を簡単に行うことができるという優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、ミシンの外観構成を示す斜視図
【図2】押えホルダに汎用押え足を取付けた様子(a)、押え足を取外した様子(b)、押えホルダにパール付け押え足を取付けた様子(c)を示す斜視図
【図3】汎用押え足を取付けた状態の押えホルダの縦断左側面図(図5(c)のIII-III線に沿う断面図)
【図4】操作部材がアンロック位置にある状態の押えホルダの左側面図(a)、正面図(b)、縦断正面図(c)(図4(a)のIV-IV線に沿う断面図)
【図5】操作部材がロック位置にある状態の押えホルダの左側面図(a)、正面図(b)、縦断正面図(c)(図5(a)のV-V線に沿う断面図)
【図6】押え棒に押えホルダを取付ける様子を順に示す要部の斜視図
【図7】押え棒に刺繍縫製用の押え足を取付ける様子を順に示す要部の斜視図
【図8】押え棒に刺繍縫製用の押え足を取付ける様子を順に示す要部の正面図
【図9】押え棒の下端部の分解斜視図(a)及び操作部材のみの別方向からの斜視図(b)
【図10】操作部材の頭部の先端面を中心とした六面図
【図11】本発明の他の実施形態を示すもので、押え棒の下端部の正面図(a)及び要部の分解斜視図(b)
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を、例えば刺繍縫製可能な家庭用ミシンに設けられるミシンの押え装着機構に適用した一実施形態について、図1から図10を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るミシン1の全体の外観を、正面(ユーザ側)から見た様子を示している。尚、ミシン1を操作するユーザ(操作者)が位置する側を前方、その反対側を後方とし、それら前後方向をY方向とする。また、脚注部3が位置する側を右側、その反対側を左側とし、それら左右方向をX方向として説明する。
【0021】
ミシン1は、図1で左右方向に延びるミシンベッド2と、ミシンベッド2の右端部から上方に延びる脚柱部3と、脚柱部3の上端から左方に延びるアーム部4とを一体的に有して構成されている。アーム部4の先端部が、ミシン頭部5とされている。アーム部4の前面側には、縫製作業の起動と停止を指令する起動・停止スイッチ6等の各種の操作スイッチが設けられていると共に、タッチパネルを有する液晶表示部7が設けられている。
【0022】
前記ミシン頭部5には、針棒8が上下動可能に設けられ、針棒8の下端に縫針9が取付けられている。以下、いずれの機構も周知であるので図示はしないが、ミシン頭部5内には、針棒8を上下動させるための針棒機構が設けられている。針棒8の後部側には、押え棒10が設けられている。そして、押え棒10を上昇位置と下降位置とにわたって昇降させる押え上げレバーを有する押え足昇降機構が設けられている。前記押え棒10の先端(下端)に、加工布を押えるための押え足、又は押え足を支持する押えホルダが装着される。押え棒10、押え足、及び押えホルダについては、後に詳述する。
【0023】
前記ミシンベッド2の上面には、前記針棒8に対応して針板11が設けられている。以下、いずれの機構も周知であるので図示はしないが、ミシンベッド2内には、針板11の下側に位置して、下糸ボビンを収容し縫針9と協働して加工布に縫目を形成するための釜機構が設けられている。また、加工布を前後方向に送るための送り歯を、前記針棒8の上下動と同期させて、前後方向及び上下方向に駆動させる送り機構が設けられている。また、ミシン1内にはミシンモータが設けられ、前記針棒機構、釜機構、送り機構がそれぞれ駆動される。
【0024】
尚、図1では、ミシンベッド2には、加工布を載置する面を拡張するための補助テーブル12が着脱可能に装着されている。ミシン1においては、ミシンベッド2に補助テーブル12が装着された状態で、加工布を送りながら直線縫いやジグザグ縫い等の実用縫いの縫製を行うことができる。
【0025】
また、図示はしないが、ミシンベッド2には、前記補助テーブル12を取外した状態で、周知の刺繍機(刺繍枠移動装置)が着脱可能に装着される。刺繍機は、加工布を保持する刺繍枠が着脱可能に装着される。刺繍機には、ミシンベッド2(針板11)上において、前記刺繍枠をX方向(左右方向)及びそれとは直交するY方向(前後方向)に自在に移送させる刺繍枠移送機構(図示せず)と、刺繍枠移送機構を駆動するX方向モータ(図示せず)及びY方向モータ(図示せず)とが内蔵されている。ミシンベッド2に刺繍機が装着されている状態では、ミシン1は、刺繍縫製モードが自動的に設定され、刺繍縫製を行うことができる。
【0026】
次に、前記押え棒10の下端に取付けられる押え足、及び押え足を支持する押えホルダを、押え棒10に装着するための本実施形態に係る押え装着機構13について、図2〜図10を参照して述べる。
【0027】
即ち、実用縫製を行う際には、図2〜図6に示すように、押え棒10の下端部には、押えホルダ14が装着される。ここで、押え足は、実用縫製の種類に応じて複数種類が用意されており、押えホルダ14に対して着脱(交換)可能に取付けられる。図2には、押え足として、直線縫いやジグザグ縫いに用いられる汎用押え足15と、紐状に連設されたパールやコードを加工布に縫付けるような飾り縫いに用いられるパール付け押え足16とを例示している。これに対し、刺繍縫製を行う際には、図7及び図8に示すように、押え棒10の下端部に、刺繍縫製用の押え足17が装着される。
【0028】
図2等に示すように、上記汎用押え足15は、前後にやや長い矩形板状をなすと共に、その板面のやや前部寄りに、前記縫針9が通過する横長な穴15aを有している。また、汎用押え足15の前端には、左右から前方に延びる延出部15b、15bが上方に反る形態(加工布を案内する形態)で一体に設けられている。さらに、図2(b)に示すように、汎用押え足15の前後方向ほぼ中央部には、上面から浮上がった位置に、左右方向延び、その左右両端部が支持部15c,15cに支持された取付軸19を有している。一方、前記パール付け押え足16は、前記縫針9が通過する横長な穴16aを有している。また、前部下面側に紐状に連設されたパールやコードを案内するための案内部16bを有している。更に左右両端部が支持部16c,16cに支持された取付軸20を有している。
【0029】
前記押えホルダ14は、図3〜図6にも示すように、左側面から見てほぼL字型のブロック状をなすホルダ本体部14aを備えている。ホルダ本体部14aの前半部の下端部を除く部分は、後述するように、押え棒10に取付けられる取付壁部21とされている。図6(a)等に示すように、取付壁部21には、右方に開口する上面コ字状の凹部21aが形成されており、取付壁部21の壁部の前端部を除く厚みは、正面から見て、ホルダ本体部14aの左右方向全体の左半部のみの厚みとされている。
【0030】
前記ホルダ本体部14aの後部には、上部に位置して、図示しないキルティング用定規棒が着脱可能に取付けられる周知のキルター取付部22が設けられている。ホルダ本体部14aの下部(前端下部から後部にかけての部分)には、前記押え足15又は押え足16をワンタッチで着脱するための着脱機構23が設けられている。図3に示すように、着脱機構23は、前記押え足15の取付軸19又は押え足16の取付軸20が嵌合される嵌合溝26、取付軸19又は取付軸20を抜止め状態に係止するための線材24、線材24による係止を解除するためのレバー部材25等から構成されている。
【0031】
即ち、前記取付軸19又は取付軸20が嵌合される嵌合溝26は、ホルダ本体部14aの前端下面部に、左右方向に延び下方に開放するように形成されている。更に、ホルダ本体部14aの下面部には、図4(c)、図5(c)にも示すように、前記嵌合溝26から後方に向けて延びる凹溝部14bが、後方ほど上方に傾斜するように形成されている。このとき、図3に示すように、ホルダ本体部14aの後部下半部(キルター取付部22の下側)には、下方及び後方に開放する凹所14cが形成されている。凹所14c内には、前記レバー部材25を支持するためのピン27が左右方向に延びて設けられている。
【0032】
前記レバー部材25は、凹所14cから後方に突出配置されるレバー部25aと、レバー部25aから前方に延びた後上部後方に折返されるばね部25bと、レバー部25aの下部に位置する線材取付部25cとを一体に有している。前記ばね部25bが前記ピン27に巻付くように係合し、その先端が凹所14c内の天井壁に弾性的に接触している。これにより、前記レバー部25aは、上方への揺動操作が可能に設けられる。前記線材24は、基端部が前記線材取付部25cに取付けられることにより、凹溝部14b内を前後方向に斜めに延び、先端が嵌合溝26の下方に配置されている。
【0033】
これにて、通常時つまりユーザによるレバー部25aの操作がない状態では、図3に示すように、線材24の先端が嵌合溝26の下方を塞いで、取付軸19又は取付軸20を下方への抜止め状態にすることにより、押え足15又は押え足16が押えホルダ14に支持される。そして、押え足15又は押え足16を押えホルダ14から取外すときには、ユーザは、押え上げレバー(図示せず)を操作して、押え棒10及び押えホルダ14を上昇位置に切替える。この状態で、ユーザが、レバー部25aを上方(矢印A方向)に操作することにより、レバー部材25は、ばね部25bが弾性変形しながら揺動し、線材24を後方に移動させる。これにより、線材24の先端が嵌合溝26から後方に退避し、嵌合溝26が下方に開放されて取付軸19又は取付軸20は下方に抜出すことができる。この結果、押え足15又は押え足16は、自重により落下し、押えホルダ14から取外される。
【0034】
逆に、押え足15又は押え足16を押えホルダ14に取付ける場合には、取付軸19又は取付軸20の位置を嵌合溝26の位置に合わせながら、押え上げレバー(図示せず)を操作して、押え棒10及び押えホルダ14を降下位置に切替える。このとき、取付軸19又は取付軸20が線材24の先端に当接すると、ばね部25bの弾性力に抗して、線材24の先端が嵌合溝26から後方に退避する。線材24の先端が嵌合溝26から後方に退避することで、取付軸19又は取付軸20が嵌合溝26の上面と当接するまで移動することが許容される。取付軸19又は取付軸20が嵌合溝26の上面と当接すると、ばね部25bの弾性力によって、線材24の先端が嵌合溝26の下方を塞ぐ。つまり、取付軸19又は取付軸20が下方に外れないように係止される。このように、押え足15又は押え足16が押えホルダ14に取付けられる。
【0035】
一方、図7及び図8に示すように、刺繍縫製用の押え足17は、ベース板17aを備え、ベース板17aの左端部に、後述するように、押え棒10に取付けられる取付板部28を一体に有している。図7に示すように、取付板部28は、上下方向に延び、右方が開口した上面コ字に構成され、前記ベース板17aは、押え棒10の前面側に配置されるようにして、前記取付板部28の前端上部から右方斜め上方に延びて設けられている。
【0036】
前記ベース板17aの右端部には、上下の両辺部から直角に曲って後方に水平方向に延びる一対の支持片部17b(図7に上側のみ図示)が設けられ、これら一対の支持片部17bを上下方向に貫通するように、支持軸29が上下動可能に支持されている。押え足部18は、前記縫針9が通過する孔部18aを有した水平な板状をなし、図8にも示すように、その後部から上方に延びる延出部18bを一体に有している。そして、その延出部18bの上端が、前記支持軸29の下端に固着されている。
【0037】
更に、前記ベース板17aの前面に重なるように、補助板部30が設けられる。補助板部30は、前記ベース板17aの右側に位置して、該補助板部30の右辺部から後方に直角に折曲がり且つ上下方向に延びる右側板30aを一体に有すると共に、その右側板30aの上下の両辺部から直角に曲って左方に水平方向に延びる一対の支持片部30bを一体に有している。このとき、上側の支持片部30bは、前記ベース板17aの上側の支持片部17bの上方に位置し、下側の支持片部30bは、前記ベース板17aの下側の支持片部17bより上方に位置している。前記支持軸29は、これら一対の支持片部30bをも上下方向に貫通している。
【0038】
このとき、図7に示すように、前記支持軸29の外周部には、ベース板17aの上側の支持片部17bと、補助板部30の下側の支持片部30bとの間に位置して、第1のコイルばね31が嵌挿されている。これにて、補助板部30は、第1のコイルばね31によりベース板17aに対して下方に付勢されている。また、図8にも示すように、支持軸29の外周部には、該支持軸29の上端部と、補助板部30の上側の支持片部30bとの間に位置して、第2のコイルばね32が嵌挿されている。これにて、支持軸29は、第2のコイルばね32により補助板部30に対して上方に付勢されている。
【0039】
また、前記支持軸29の下部寄り部分には、前方に突出する規制ピン33が設けられており、規制ピン33が、前記ベース板17aに形成された上下に長いスリット(図示せず)及び補助板部30に形成された上下に長いスリット30cに貫通している。これにより、支持軸29、ベース板17a、補助板部30の三者間での回り止め及び上下方向の相対的な移動量の規制がなされている。尚、補助板部30の上部には、ベース板17aに対して支持軸29ひいては押え足部18を相対的に上昇させるための回動レバー34が設けられている。
【0040】
さて、前記押え棒10に対し、押えホルダ14又は刺繍縫製用の押え足17を着脱可能に装着するための本実施形態のミシンの押え装着機構13は、以下のように構成されている。即ち、まず、図2、図7、図9(a)等に示すように、前記押え棒10は丸棒状であるが、下端部については、左右方向に薄い平板状をなす被取付部35とされている。図9(a)に示すように、被取付部35には、下部寄り部位に位置して挿通孔35aが形成されていると共に、その上部に位置してそれよりも径小なピン取付孔35bが形成されている。
【0041】
前記被取付部35の挿通孔35a部分に、ロック手段を構成する操作部材36が取付けられる。図10にも示すように、操作部材36は、左右方向(図9(a)で回転軸Oを軸心にして)に延びる棒状をなし、図で左から順に、頭部37、第1軸部36a、第2軸部36b、取付部36cを一体に有している。そのうち頭部37は、第1軸部36aよりも径大な円柱を上下において水平面で切断した如き形状、つまり、上下が平坦面で前後に横長な楕円柱状をなしている。また、頭部37の図で左側の先端面には、工具(例えばマイナスドライバ等)差込み用の溝37aが縦方向に延びて形成されている。
【0042】
このとき、後述するように、前記押えホルダ14の取付壁部21、及び前記刺繍縫製用の押え足17の取付板部28には、前記頭部37が挿通可能な横長楕円形状の取付穴がそれぞれ形成されている。そして、頭部37の右側の第1軸部36aは、その取付穴の短軸の寸法(上下方向寸法)に対応した直径を有する円柱状をなしている。前記第2軸部36bは、前記第1軸部36aよりもやや径小で、前記被取付部35の挿通孔35aに回動可能に挿入される外径を有する円柱状をなしている。取付部36cは、第2軸部36bよりもやや径小な横長な楕円状をなしている。
【0043】
そして、第1軸部36aの外周に連なる前後に位置する面は、後述する前記取付壁部21及び取付板部28の被係合部に係合される2つの係合部とされる。これら2つの係合部は、回転軸Oを通る仮想平面(この場合、回転軸Oを通る垂直平面)に対し、対称的な位置(前後)に設けられている。これら係合部には、夫々カム面38,38が形成されている。この場合、図9(b)に示すように、前側に位置するカム面38は、上方に行くほど第1軸部36a側に近付くように傾斜し、後側に位置するカム面38は、それとは逆に、下方に行くほど第1軸部36a側に近付くように傾斜している(後側に位置するカム面38歯、図10参照)。
【0044】
このように構成された操作部材36は、図9(a)や図4(c)、図5(c)に示すように、押え棒10の被取付部35の挿通孔35aに取付けられる。具体的には、操作部材36は、挿通孔35aに対し左方から挿通され、第2軸部36bが挿通孔35aに配置された状態で、被取付部35の右側から、第2軸部36bの外周に付勢部材としての波ばね39が嵌挿され、取付部36cに対して止め輪40がかしめ固定される。また、前記ピン取付孔35bには、右方からストッパピン41が挿入固着される。前記止め輪40には、前記ストッパピン41が係止することによって回動範囲が約90°に規制される回動規制部40aが設けられている。
【0045】
これにて、操作部材36は、押え棒10の被取付部35に対し、回転軸Oを中心として回動可能に設けられる。このとき、操作部材36は、図4に示すように、頭部37が横向き(横長)になった状態と、図5に示すように、前記アンロック状態から矢印B方向(左側から見て時計回り)にほぼ90°回動して頭部37が縦向き(縦長)になった状態との間で回動操作(切替え)可能とされている。
【0046】
これに対し、前記押えホルダ14の取付壁部21には、図4〜図6に示すように、左側面で開口し厚みのほぼ中間部まで深さの円形凹部21bが形成されている。円形凹部21bの内径寸法は、前記操作部材36の頭部37の長軸寸法より僅かに大きく、頭部37が回動可能である。そして、円形凹部21bの底部から取付壁部21右壁面に貫通するように取付穴21cが形成されている。取付穴21cは、操作部材36の頭部37の形状に対応した横長な楕円形状(小判形)をなし、該頭部37が挿通可能な大きさである。
【0047】
これにより、次の作用説明でも述べるように、図4に示すように操作部材36の頭部37が横向きになった状態では、取付壁部21の取付穴21cに対し、頭部37が挿通可能となる。このように、操作部材36の頭部37が横向き(横長)になる位置が、押え棒10に対する押えホルダ14の固定が解除されたアンロック位置となる。
【0048】
そして、取付壁部21の取付穴21cを操作部材36の頭部37に差込んだ後、操作部材36(頭部37)を矢印B方向(図4(a)参照)にほぼ90°回動させると、図5に示すように、頭部37の右側面の係合部であるカム面38が、被係合部つまり円形凹部21bの底面の取付穴21cの周囲(上下)部分に密着して、取付壁部21を挟むように被取付部35に密着させる。以て、押えホルダ14が押え棒10に固定される。このように、操作部材36の頭部37が縦向き(縦長)になる位置がロック位置となる。このとき、前記波ばね39が圧縮されて付勢力が発生する。この付勢力が、取付壁部21を被取付部35に押圧する方向に作用する。また、上記操作部材36の頭部37を矢印B方向に回動させる際に、カム面38の作用により、前記波ばね39は徐々に圧縮され、付勢力は徐々に増大する。
【0049】
また、図7に示すように、前記刺繍縫製用の押え足17の取付板部28にも、取付穴21cと同様の、操作部材36の頭部37の形状に対応した横長な形状で、該頭部37が挿通する取付穴28aが形成されている。尚、前記取付穴28aは、取付板部28の後方側が開放している形状である。これにて、上記押えホルダ14と同様に、操作部材36のアンロック位置で、取付穴28aに頭部37を差込むことができ、操作部材36のロック位置で、取付板部28ひいては刺繍縫製用の押え足17を押え棒10に固定することができる。
【0050】
次に、上記構成の作用について述べる。まず、押え棒10の被取付部35に対し、実用縫製用の押えホルダ14を取付ける手順について述べる。ユーザが押えホルダ14を押え棒10に装着するにあたっては、図6(a)に示すように、操作部材36の頭部37をアンロック位置にする。次に、図6(b)に示すように、操作部材36の頭部37に、押えホルダ14の取付壁部21の取付穴21cを挿入する。このとき、図4にも示すように、被取付部35に対して取付壁部21の凹部21aを嵌合させながら、被取付部35の左側面と取付壁部21の右側面とが密着するように押えホルダ14を配置する。
【0051】
そして、ユーザは、その状態から、操作部材36の頭部37の溝37aに工具を差込み、時計回り方向(矢印B方向)にほぼ90°回動させ、操作部材36の頭部37をロック位置に切替える。すると、図5及び図6(c)等に示すように、頭部37の右側面に位置する係合部としてのカム面28が、被係合部としての円形凹部21bの底面を右方(被取付部35の方向)に押圧し、押えホルダ14が押え棒10に固定される。このように、押えホルダ14が押え棒10に固定された状態では、着脱機構23により、押えホルダ14に対して押え足15又は押え足16をワンタッチで着脱することができ、押え足15又は押え足16の交換作業を容易に行うことができる。
【0052】
また、縫製作業を、実用縫製から刺繍縫製に切替えるような場合には、押え棒10に刺繍縫製用の押え足17を装着する必要がある。つまり、押えホルダ14を押え棒10から取外して、刺繍縫製用の押え足17を取付ける必要がある。この場合には、上記とは逆に、ロック位置にある操作部材36の頭部37を、反時計回り方向(図5(a)の矢印C方向)にほぼ90°回動させ、操作部材36の頭部37をアンロック位置に切替える。これにより、操作部材36の頭部37から、取付壁部21の取付穴21cを抜出すことが可能となり、押えホルダ14を左方に取外すことができる。
【0053】
ユーザが、刺繍縫製用の押え足17を押え棒10に装着するにあたっては、図7(a)に示すように、操作部材36の頭部37がアンロック位置になっている状態で、図7(b)及び図8(a)に示すように、操作部材36の頭部37に、刺繍縫製用の押え足17の取付板部28の取付穴28aを挿入する。そして、図7(c)及び図8(b)に示すように、被取付部35に対して、取付板部28を嵌合させながら、被取付部35の左側面と取付板部28の右側面とを密着させる。
【0054】
この後、操作部材36の頭部37を、時計回り方向(矢印B方向)にほぼ90°回動させ、操作部材36の頭部37をロック位置に切替える。これにより、図7(d)及び図8(c)に示すように、頭部37の係合部としてのカム面28が、被係合部としての取付穴28aの周囲部(上下部)を右方(被取付部35の方向)に押圧し、刺繍縫製用の押え足17が押え棒10に固定される。また、刺繍縫製用の押え足17を取外す場合には、操作部材36の頭部37をアンロック位置に切替えれば、取付板部28を抜出すことができる。
【0055】
このように本実施形態の押え装着機構13によれば、押え棒10の下端部の被取付部35に、押えホルダ14又は刺繍縫製用の押え足17を固定するロック位置と、押えホルダ14又は刺繍縫製用の押え足17の押え棒10に対する固定を解除するアンロック位置とに切替え可能な操作部材36を設けたので、押えホルダ14又は刺繍縫製用の押え足17の着脱の作業を簡単に行うことができるという優れた効果を得ることができる。また、本実施形態では、操作部材36を回動操作可能に設けると共に、押えホルダ14に取付穴21c、又は刺繍縫製用の押え足17に取付穴28aを設けるといった簡単な構成で、押え装着機構13を実現することができる。また、操作部材36を回動させる操作なので、ユーザは、操作部材36の操作をより容易に行うことができる。
【0056】
特に、本実施形態では、付勢手段としての波ばね39の付勢力により、押えホルダ14又は刺繍縫製用の押え足17を押え棒10に押圧するので、操作部材36のロック位置において、押えホルダ14又は刺繍縫製用の押え足17を押え棒10にがたつきなく固定することができる。このとき、操作部材36のロック位置において、2つの係合部(カム面28)により、押え棒10に対し押えホルダ14又は刺繍縫製用の押え足17を2箇所で押圧するので、より安定して固定することができる。更に、波ばね39の付勢力によって、縫製中においても、操作部材36に緩みが発生することが防止され、操作部材36をロック位置に確実に保持することができる。
【0057】
更に本実施形態では、操作部材36に傾斜するカム面28を設けたことにより、波ばね39の付勢力が変化する。よって、ユーザが、操作部材36をアンロック位置からロック位置に回動させるときには、操作部材36を回動させる操作力を小さい力から徐々に大きくしてゆく。逆に、ユーザが、操作部材36をロック位置からアンロック位置に回動させるときには、操作部材36を回動させる操作力を大きい力から徐々に小さくしてゆく。従って、ユーザにとっては、操作力の変化によって、操作部材36をアンロック位置又はロック位置に切替えたことを感覚的に知ることができる。よって、不注意による誤操作を防止することができる。
【0058】
図11は、本発明の他の実施形態を示すものであり、上記実施形態と異なるところを説明する。即ち、実施形態の操作部材36においては、頭部37の先端面に、工具用の溝37aを設けることに代えて、径大な円板状のつまみ部51を設けるようにしている。つまみ部51の外周には、ローレット目51aが形成されており、ユーザが手でつまんで回動操作できるように構成されている。一方、押えホルダ14の取付壁部21には、円形凹部21b及び取付穴21cが形成されているのであるが、それら円形凹部21b及び取付穴21cが、開口部52によって押えホルダ14の前面側に開放するように設けられている。
【0059】
上記構成においては、押えホルダ14を装着する際に、ユーザは、アンロック位置の操作部材36(頭部37及び第1軸部36a)に対し、開口部52を通して円形凹部21b及び取付穴21cを差込むようにする。その後、つまみ部51をつまんで操作部材36をロック位置に回動させて、押えホルダ14を固定する。押えホルダ14を取外す場合には、つまみ部51をつまんで操作部材36をアンロック位置に回動させ、操作部材36を、開口部52を通して抜出す。
【0060】
従って、この構成においては、ドライバ等の工具を使用することなく、押えホルダ14の着脱の作業を簡単に行うことができる。
尚、本発明は上記し且つ図面に示した各実施形態に限定されるものではなく、様々な拡張、変更が可能である。
【0061】
例えば上記実施形態では、押え足を支持する押えホルダ14又は刺繍縫製用の押え足17を、押え棒10に着脱可能に装着するものを具体例としたが、本発明は、押え棒に装着可能な種々のアタッチメントにも適用することができる。アタッチメントとしては、例えば、サイドカッター、上送り装置(ウォーキングフット)などがある。その他、ミシンの全体構成や、押え足の形状、構造、種類などについても、様々な変更が可能である等、本発明は要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【符号の説明】
【0062】
1 ミシン
10 押え棒
13 押え装着機構
14 押えホルダ
17 刺繍縫製用の押え足
21 取付壁部
21c 取付穴
23 着脱機構
28 取付板部
28a 取付穴
35 被取付部
36 操作部材(ロック手段)
37 頭部
38 カム面(係合部)
39 波ばね(付勢部材)
O 回転軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工布を押圧する押え足、又は押え足を支持する押えホルダを、押え棒に着脱可能に装着するミシンの押え装着機構であって、
前記押え棒の下端部に設けられ、前記押え足又は押えホルダを前記押え棒に固定するロック位置と、前記押え足又は押えホルダの前記押え棒に対する固定を解除するアンロック位置とに切替え可能なロック手段を備えることを特徴とするミシンの押え装着機構。
【請求項2】
前記ロック手段は、係合部を有し前記押え棒の下端部に前記ロック位置とアンロック位置との間で切替え可能に支持された操作部材と、前記押え足又は押えホルダに設けられ前記係合部に係合可能な被係合部とを備え、
前記操作部材がロック位置のときには、前記係合部が前記被係合部に係合する姿勢となり、且つ、前記操作部材がアンロック位置のときには、前記係合部が前記被係合部に対して係合解除される姿勢となることを特徴とする請求項1記載のミシンの押え装着機構。
【請求項3】
前記係合部は、前記押え足又は押えホルダに設けられた前記被係合部を挟んで前記押え棒と対向する位置に設けられ、
前記係合部を前記押え棒の方向に付勢する付勢部材を備え、
前記操作部材がロック位置にあるとき、前記係合部が前記被係合部を前記押え棒の方向に押圧するように前記付勢部材の付勢力が作用することにより、前記押え足又は押えホルダを前記押え棒に固定することを特徴とする請求項2記載のミシンの押え装着機構。
【請求項4】
前記操作部材は、前記押え棒の伸長方向に対して交差する方向に延びる回転軸を中心として、前記ロック位置とアンロック位置との間で回動変位可能に支持され、
前記係合部は複数設けられ、このうち少なくとも2つの前記係合部が、前記回転軸を通る仮想平面に対して対称的な位置に設けられていることを特徴とする請求項3記載のミシンの押え装着機構。
【請求項5】
前記係合部は、前記操作部材を前記アンロック位置からロック位置に回動させるときに、前記付勢部材による付勢力が徐々に増大するように、前記押え棒の伸長方向に対して傾斜するカム面を有していることを特徴とする請求項4記載のミシンの押え装着機構。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のミシンの押え装着機構を備えたことを特徴とするミシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−85957(P2012−85957A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−237387(P2010−237387)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】