説明

ミスト機能付浴室暖房装置

【課題】 浴室内に設置される浴室室内機と、浴室外に設置され浴室室内機に熱媒体を供給する屋外ユニットとを備えたミスト機能付浴室暖房装置に関するものであり、ミストノズルからの雑菌等の放散を防止することを課題とする。
【解決手段】浴室室内機2に噴霧用の温水を作る機能を持たせており、筐体12内に、ミスト用液液熱交換器15と、ミスト熱媒用開閉弁16と、ミスト水用開閉弁17とを備えている。またミスト水用開閉弁17がミストノズル7の近傍に設けられているので、例えミストノズル7の孔から雑菌が進入したとしても、ミスト水用開閉弁17が閉じていればミスト水用開閉弁17よりも上流側には雑菌等が移行しない。そのため噴射初期にミストノズル7から排出される汚染水の量は極めて少ないものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室内を暖房する暖房装置であって、湯水を霧状にして噴霧する機能を備えたミスト機能付浴室暖房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
保湿浴と称される入浴法が知られている。保湿浴は、入浴者が霧状雰囲気に入る入浴方法で、ミストサウナも保湿浴の一種である。ただしミストサウナは浴室内を高温状態に保つのに対し、保湿浴は低温状態の霧を使用する場合もある点でミストサウナよりも広い概念であると言える。
保湿浴は、ミストノズルを浴室内に設置し、高温又は常温の湯水をミストノズルから浴室内に噴霧し、入浴者がこの霧状雰囲気内に入る行為である。
保湿浴は、入浴者の心をリラックスさせる効果や、肌の潤いを高める効果があり、心身の健康増進に役立つ。
【0003】
従来、保湿浴は公衆用の入浴施設でのみ実施することができるものであったが、近年、家庭用の保湿浴装置が開発されている。
家庭用の保湿浴装置には、単に浴室にノズルだけを取り付けたものや、浴室暖房装置と一体となったミスト機能付浴室暖房装置がある。
【0004】
ミスト機能付浴室暖房装置は、一般に、浴室内に設置される浴室室内機と、浴室外に設置される屋外ユニットによって構成される。
そして浴室室内機には、浴室内を暖房する暖房用熱交換器と、ミストノズルが設けられている。また屋外ユニットは屋外に設けられ、当該屋外ユニットには、湯水を加熱する熱源と、熱源で加熱された湯水を利用して間接加熱する液液熱交換器や、湯水の流れを制御する電磁弁が内蔵されている。
そして屋外ユニットによって熱媒体(水を主体とするものが多い)が加熱される。また従来技術においては、屋外ユニット内に液液熱交換器や電磁弁が設けられ、当該液液熱交換器によって温水が作られる。即ち屋外ユニットに内蔵された液液熱交換器の一次側に、燃焼装置で加熱された熱媒体を通過させ、二次側に水道水を通過させて水道水を昇温する。
【0005】
そして屋外ユニットから熱媒体と昇温された水道水が浴室室内機に供給される。より具体的には、浴室室内機内の暖房用熱交換器に熱媒体が供給され、ミストノズルに昇温された水道水が供給される。
そして浴室室内機内の暖房用熱交換器によって浴室内の空気と、熱媒体が熱交換されて浴室内が暖房される。またミストノズルから昇温された水道水が霧状に噴射される。
【0006】
【特許文献1】特開2006−204358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところでミストノズルは、小さな孔が設けられた配管部材であり、当該孔から水を霧状に噴霧するものである。ミストノズルの孔は、通常は閉鎖機能を持たず、常時開放されている。そのためミストノズルの孔部分に雑菌や黴が付着し、それがミストノズルの孔を経て配管内に入り込んでしまう場合がある。特に浴室は、高温多湿であり、雑菌等が繁殖し易い環境であるため、ミストノズルの孔部分に雑菌が付着する危険性が高い。そして配管内に入り込んだ雑菌が配管内で増殖することも予想される。
【0008】
この状態で保湿浴を行うべくミストノズルから霧状の湯水を噴射すると、噴射初期に配管内の汚染された湯水が押し出され、ミストノズルから噴射される。ここで保湿浴は、湯水を霧状に噴射するものであるから、霧状の湯水は、床面に落下することなく、空気中に長時間浮遊する。そのため雑菌や黴が霧状の湯水と共に空気中に長時間浮遊する懸念がある。
【0009】
現在のところ、家庭用の保湿浴による感染症の発症やその他の健康被害は報告されていないが、ミストノズルから雑菌等が噴射される危険性を否定することはできない。
【0010】
そこで本発明は、従来技術の持つ不安を払拭するものであり、ミストノズルからの雑菌等の放散を防止することができるミスト機能付浴室暖房装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、
浴室内に設置される浴室室内機と、浴室外に設置され前記浴室室内機に熱媒体を供給する屋外ユニットとを備えたミスト機能付浴室暖房装置において、
浴室室内機は前記屋外ユニットから熱媒体の供給を受けて浴室内を暖房する暖房用熱交換器と、ミスト用液液熱交換器と、ミスト水用開閉弁と、ミストノズルとを備え、
前記ミスト用液液熱交換器は前記屋外ユニットから供給される熱媒体が通過する一次側流路と外部から供給される水が通過する二次側流路とを有し、
配管回路上においては、前記ミスト水用開閉弁はミスト用液液熱交換器の二次側流路に連通する流路に設けられ、前記ミストノズルはミスト用液液熱交換器の二次側流路の下流にあり、
実体配管においては前記ミスト水用開閉弁が前記ミストノズルの近傍に設けられていることを特徴とするミスト機能付浴室暖房装置である。
【0012】
本発明のミスト機能付浴室暖房装置では、ミスト水用開閉弁が前記ミストノズルの近傍に設けられている。ここでミスト水用開閉弁は、ミストノズルに至る配管流路を開閉するものであり、霧状の湯水を噴霧しない場合には閉鎖されている。即ち霧状の湯水を噴霧しない場合に、ミストノズルに至る配管は、ミスト水用開閉弁で遮断され、ミスト水用開閉弁の前後における水は分断されている。そのため例えミストノズルの孔から雑菌が進入したとしても、ミスト水用開閉弁が閉じていればミスト水用開閉弁よりも上流側には雑菌等が移行しない。即ち霧状の湯水を噴霧しない場合には、ミスト水用開閉弁は閉じているから、ミスト水用開閉弁を境としてこの上流側の湯水は、密閉状態であり、汚染されていない。従って、たとえミストノズルの孔から雑菌が進入し、その状態でミストノズルから霧状の湯水を噴射したとしても、噴射初期にミストノズルから排出される汚染水の量は極めて少ないものとなる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、実体配管においては前記ミスト水用開閉弁にミストノズルが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のミスト機能付浴室暖房装置である。
【0014】
本発明では、ミスト水用開閉弁にミストノズルが取り付けられている。そのため汚染される可能性のある湯水は、ノズル内に残留する湯水と、ミスト水用開閉弁内に残留する湯水のみであり、その量は極めて少ない。
【0015】
請求項3に記載の発明は、浴室室内機は、浴室の壁面に取り付けられるものであり、外形を覆う筐体部を有し、当該筐体部に暖房用熱交換器と、ミスト用液液熱交換器が内蔵され、前記筐体部の下部又は筐体部の外部であって筐体部の下部にミストノズルが設けられており、ミストノズルはミスト用配管によってミスト用液液熱交換器の二次側流路の下流に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のミスト機能付浴室暖房装置である。
【0016】
本発明で採用する暖房用熱交換器等のレイアウトは、ミスト用液液熱交換器等を浴室室内機の本体部分(筐体部)に配置し、筐体部の下部又は筐体部の外部であって筐体部の下部にミストノズルを設けている。
このレイアウトは、ミストノズルが浴室室内機の下部にあるから、入浴者が霧状の湯水を浴びやすいという利点がある。
その反面、ミストノズルに至る配管が長くなり、配管内部に残留する湯水の量が多いという欠点を持つ。しかしながら本発明では、ミスト水用開閉弁が前記ミストノズルの近傍に設けられているから、ミストノズルに至る配管は、ミスト水用開閉弁で遮断され、例えミストノズルの孔から雑菌が進入したとしても、ミスト水用開閉弁が閉じていればミスト水用開閉弁よりも上流側には雑菌等が移行しない。
【発明の効果】
【0017】
本発明のミスト機能付浴室暖房装置は、ミストノズルからの雑菌等の放散を防止することができ、衛生的である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態のミスト機能付浴室暖房装置の構成図である。
本発明の実施形態のミスト機能付浴室暖房装置1は、図1の様に浴室5の内壁に取り付けられる浴室室内機2と屋外に取り付けられる屋外ユニット3によって構成される。
【0019】
図2は、図1のミスト機能付浴室暖房装置の配管回路図である。
本実施形態のミスト機能付浴室暖房装置1は、浴室5内を暖房する機能と、浴室5内に霧状の湯水を噴霧する機能を備えており、浴室室内機2に熱動弁4、暖房用熱交換器6及び2個のミストノズル7を備えている。
暖房用熱交換器6は、気液熱交換器であり、屋外ユニット3から熱媒体の供給を受けて浴室内を暖房するものである。従って暖房用熱交換器6は、熱媒体を導入する熱媒導入口8と、熱媒体を排出する熱媒排出口10を備えている。また暖房用熱交換器6の近傍には、送風機11が設けられており、送風機11によって浴室5内の空気を浴室室内機2の筐体12内に取り込んで暖房用熱交換器6に接触させ、加熱した空気を筐体12から浴室5側に排出する。
【0020】
ミストノズルは、公知の一流体ノズルであり、図示しない孔を有し、加圧状態の湯水が供給されると、孔から湯水が霧状化されて噴霧される。
【0021】
また本実施形態のミスト機能付浴室暖房装置1では、浴室室内機2に噴霧用の温水を作る機能を持たせている。
即ち本実施形態で採用する浴室室内機2は、筐体12内に、ミスト用液液熱交換器15と、ミスト熱媒用開閉弁16と、ミスト水用開閉弁17とを備えている。
【0022】
ミスト用液液熱交換器15は、プレート式熱交換器であり、外観形状は、直方体をしている。ミスト用液液熱交換器15内には、熱媒体が通過する一次側流路と、湯水が通過する二次側流路が形成されている。そして一次側流路に熱媒入口20と熱媒出口21が設けられている。
また二次側流路には湯水入口22と湯水出口23が設けられている。
【0023】
ミスト水用開閉弁17及びミスト熱媒用開閉弁16はいずれも電磁弁である。
【0024】
屋外ユニット3は、内部に燃焼装置30と熱交換器31を備え、水を主体とする熱媒体を昇温するものである。また屋外ユニット3には図示しない循環ポンプが内蔵され、浴室室内機2との間で熱媒体を循環させることができる。
【0025】
浴室室内機2の筐体12には、熱媒体導入口38、熱媒体排出口40及び給水口41が設けられている。そして熱媒体導入口38から浴室室内機2の筐体12内に熱媒体が導入される。また浴室室内機2の熱媒体排出口40から筐体12の外部に熱媒体が排出される。
【0026】
なお、本実施形態では、図1の様に屋外ユニット3と浴室室内機2と建屋の壁35を隔てて設置されており、浴室室内機2は、建屋の壁35の内側であって、浴室5の内壁に取り付けられている。
また屋外ユニット3は、屋外であって建屋の壁35の近傍に設けられている。そして図1の様に建屋の壁35に開口36が設けられ、屋外ユニット3と浴室室内機2とを繋ぐ2本の渡り配管65,66が当該開口36内に挿通され、浴室室内機2内の熱媒体回路と、屋外ユニット3内の熱媒体回路とを環状に接続している。
【0027】
次に、浴室室内機2内の配管系統について説明する。
浴室室内機2内には、前記した様に暖房用熱交換器6及びミスト用液液熱交換器15が内蔵されており、暖房用熱交換器6及びミスト用液液熱交換器15は、熱媒導入口38の下流側が分岐されて並列に接続されている。
即ち熱媒体の導入側に注目すると、筐体12の熱媒導入口38は、二つに分岐され、一方の分岐管には熱動弁4を介して暖房用熱交換器6の熱媒導入口8が接続され、他方の分岐管にミスト用液液熱交換器15の熱媒入口20が接続されている。
また熱媒体の排出側に注目すると、暖房用熱交換器6の熱媒排出口10と、ミスト用液液熱交換器15の熱媒出口21が合流して筐体12の熱媒体排出口40に接続されている。
【0028】
そしてミスト用液液熱交換器15の一次側流路に連通する流路にミスト熱媒用開閉弁16が設けられている。
より具体的には、ミスト用液液熱交換器15の一次側流路に連通する流路の上流側、即ち熱媒導入口38から分岐されてミスト用液液熱交換器15の熱媒入口20に至る上流側熱媒体分岐流路45にミスト熱媒用開閉弁16が設けられている。
【0029】
またミスト用液液熱交換器15の二次側流路には、給水口41から供給される水道水が流れる。即ちミスト用液液熱交換器15の湯水入口22は筐体内給水路46によって給水口41に接続されている。そしてミスト用液液熱交換器15の湯水出口23とミスト水用開閉弁17との間にはノズル往き流路47が接続され、さらにミスト水用開閉弁17に設けられた接続管48を経て2個のミストノズル7に接続されている。
【0030】
従って、屋外ユニット3の燃焼装置30を稼働させ、循環ポンプを運転し、浴室室内機2内の熱動弁4を開くと、暖房用熱交換器6を通過する流路に熱媒体が流れ、暖房用熱交換器6によって浴室5内を昇温することができる。
【0031】
また屋外ユニット3の燃焼装置30を稼働させ、循環ポンプを運転し、浴室室内機2内のミスト熱媒用開閉弁16と、ミスト水用開閉弁17とを開くと、浴室5内に湯の霧が噴霧される。
即ちミスト熱媒用開閉弁16を開くと、ミスト用液液熱交換器15の一次側流路が開いてミスト用液液熱交換器15の一次側に高温の熱媒体が流れる。またミスト水用開閉弁17とを開くと、ミスト用液液熱交換器15の二次側流路が開いてミスト用液液熱交換器15の二次側に水道水が流れる。その結果ミスト用液液熱交換器15内で熱媒体と水道水とが熱交換され。水道水が昇温してミスト用液液熱交換器15から排出され、ミストノズル7に流れ込む。そのためミストノズル7から湯が霧状に噴霧される。
【0032】
次に本実施形態のミスト機能付浴室暖房装置1の実体配管レイアウトについて説明する。図3は、本実施形態のミスト機能付浴室暖房装置の浴室室内機の正面図である。図4は、図3の浴室室内機の筐体の表面側を取り除いた状態の実体配管図である。図5は、図4の状態の実体配管図を斜め方向から観察した斜視図である。
【0033】
本実施形態で採用する浴室室内機2は、筐体12内に暖房用熱交換器6及びミスト用液液熱交換器15等が内蔵されており、筐体12の下部に張り出し筐体55が設けられ、当該張り出し筐体55にミストノズル7が取り付けられている。
筐体12は、樹脂その他を素材として作られたものであり、暖房用熱交換器6は、図4,5の様に筐体12内の大部分の面積を占める。より具体的には、暖房用熱交換器6は、浴室室内機2の取付け姿勢を基準として一方に寄せられた位置に設けられている。具体的には、図面右側に寄った位置に暖房用熱交換器6が設けられている。
また筐体12内の暖房用熱交換器6に対して反対側の辺部には、コントローラ50が設けられている。
そしてコントローラ50と暖房用熱交換器6の間の部位にミスト用液液熱交換器15が設けられている。
【0034】
ミスト用液液熱交換器15は、前記した様にプレート式熱交換器であり、略直方体をしている。従って取付け姿勢を基準とすると、ミスト用液液熱交換器15は、長辺Aと短辺Bを有する長方形であり、長辺Aを縦に、短辺Bを横にした姿勢で取り付けられている。
またミスト用液液熱交換器15の厚さ(高さ)は、前記した短辺Bよりも小さい。またミスト用液液熱交換器15の厚さ(高さ)は、暖房用熱交換器6のそれよりも薄い。従って筐体12の前面部とミスト用液液熱交換器15の正面部との間には隙間がある。そして本実施形態では、この隙間にミスト熱媒用開閉弁16が設けられている。
【0035】
即ち本実施形態では、図3の様にミスト用液液熱交換器15の4個の開口たる熱媒入口20、熱媒出口21、湯水入口22、湯水出口23は、いずれも取付け姿勢を基準として正面側に向いて開口している。
ミスト用液液熱交換器15を単独で観察すると、ミスト用液液熱交換器15の上に、熱媒入口20、熱媒出口21、湯水入口22、湯水出口23があるとも言える。
なお本実施形態では、取付け姿勢を基準として下側の短辺側に熱媒入口20と湯水出口23があり、上側の短辺側に熱媒出口21、湯水入口22がある。
【0036】
本実施形態では、4個の開口の内、熱媒入口20にミスト熱媒用開閉弁16が直接的に接続されている。そしてミスト熱媒用開閉弁16は、前記したミスト用液液熱交換器15の長方形形状に沿って縦置きされている。即ちミスト熱媒用開閉弁16は、その長手方向軸x−xがミスト用液液熱交換器15の長軸X−Xと平行になる姿勢で配置されている。またミスト熱媒用開閉弁16のソレノイド部51及び弁体部52の大部分は、ミスト用液液熱交換器15の長方形の部位と重なる。本実施形態では、ミスト熱媒用開閉弁16の全てがミスト用液液熱交換器15の長方形の部位と重なっているが、必ずしも全てが重なる必要はないが、ミスト熱媒用開閉弁16の80%以上の部位がミスト用液液熱交換器15の長方形の部位と重なることが推奨される。
【0037】
前記した様に、ミスト用液液熱交換器15は、厚さの薄い直方体であり、その上部(取付け姿勢を基準とすると正面側)にミスト熱媒用開閉弁16が重なっているから、ミスト用液液熱交換器15の正面側の空間が有効利用される。
【0038】
また本実施形態では、ミスト水用開閉弁17は、ミストノズル7の近傍に取り付けられている。
即ち本実施形態で採用する浴室室内機2は、筐体12内の向かって左寄りの位置にミスト用液液熱交換器15が内蔵されており、筐体12の右寄りの位置の下部に張り出し筐体55が設けられ、当該張り出し筐体55にミスト水用開閉弁17及びミストノズル7が配されている。
そのため前記した様にミスト水用開閉弁17は、ミストノズル7の近傍にある。
【0039】
具体的には、ミスト用液液熱交換器15の下側短辺の位置に湯水出口23が設けられており、湯水出口23にノズル往き流路47の基端側が接続され、筐体12の張り出し筐体55に配されたミスト水用開閉弁17にノズル往き流路47の先端側が接続されている。そしてミスト水用開閉弁17の吐出側に、二本の接続管48が設けられ、当該接続管48にミストノズル7が接続されている。
ここで接続管48の長さは、ノズル往き流路47の長さに比べて十分に短く、具体的には、接続管48の長さは、ノズル往き流路47の長さの3分の1以下である。
【0040】
前記した様に、屋外ユニット3の燃焼装置30を稼働させ、循環ポンプを運転し、浴室室内機2内のミスト熱媒用開閉弁16と、ミスト水用開閉弁17とを開くと、浴室5内に湯の霧が噴霧されるが、本実施経形態では、噴霧された霧状の湯水に雑菌が混入している可能性が低い。
即ち本実施形態では、ミストノズル7の近傍にミスト水用開閉弁17があり、霧の噴霧を停止している際には、ミスト水用開閉弁17が閉止され、ミスト水用開閉弁17を境として接続管48とノズル往き流路47側の間が遮断される。そのため、外部開放口たるミストノズル7の開口と接触し得る水は、接続管48の部分だけであり、例え外部開放口たるミストノズル7の開口から雑菌が混入したとしても、ミスト水用開閉弁17の上流側に雑菌が回り込むことはない。
そして本実施形態では、接続管48の長さが短いから、汚染された可能性のある湯水の量は微量であり、ミストノズル7から排出される湯水に雑菌が混入している可能性は低い。
【0041】
次に、渡り配管の部位について付言する。
図6は、本実施形態のミスト機能付浴室暖房装置で採用する屋外ユニットと換気扇ユニット及び給水接続ユニットの正面図である。図7は、本実施形態のミスト機能付浴室暖房装置で採用する換気扇ユニット及び給水接続ユニットの正面図である。図8は、図7の換気扇ユニット及び給水接続ユニットを他の角度から観察した斜視図である。図9は、図7の換気扇ユニット及び給水接続ユニットの内部を示す斜視図である。図10は、換気扇ユニット及び給水接続ユニットの内部を示す斜視図であり、送風機を外した状態を示す。
【0042】
前記した様に屋外ユニット3は、屋外であって建屋の壁35の近傍に設けられており、建屋の壁35に開口36が設けられ、屋外ユニット3と浴室室内機2とを繋ぐ2本の渡り配管が当該開口36内に挿通され、浴室室内機2内の熱媒体回路と、屋外ユニット3内の熱媒体回路とを環状に接続している。
本実施形態では、建屋の壁35に設けられた開口36は、換気口を兼ねるものであり、開口36の外側には、換気扇ユニット60が設けられている。また換気扇ユニット60の近傍に給水接続ユニット61が設けられている。
換気扇ユニット60は、換気扇箱59を有し、当該換気扇箱59の内部に送風機64が設けられたものであり、一部が換気口として開口する筐体である。
本実施形態では、換気扇箱59の側面に配管取り出し開口が設けられている。
そして配管取り出し開口から、2本の渡り配管65,66と一本の給水管67とが導出されている。なお給水管67は、給水口41を経て筐体内給水路46、ミスト用液液熱交換器15に繋がっている。
【0043】
2本の渡り配管65,66と一本の給水管67は、換気扇ユニット60に隣接して設けられた給水接続ユニット61に導入されている。
給水接続ユニット61は、内部に減圧弁68と電磁弁70が内蔵されたものであり、給水管67の先端に減圧弁68が接続され、さらにその先に電磁弁70の吐出側が接続されている。また電磁弁70の吸い込み側には短い管又はチューブを介して接続継ぎ手が設けられ接続継ぎ手を介して上水源(水道管)に接続されている。従って電磁弁70を開くと、減圧弁68によって減圧された水道水が、浴室室内機2に供給される。
【0044】
以上説明した実施形態では、ミスト熱媒用開閉弁16をミスト用液液熱交換器15の上流側に設けたが、これを下流側に設けてもよい。
【0045】
以上説明した実施形態では、ミストノズル7とミスト水用開閉弁17との間に接続管48を介在させたが、接続管48を略してミストノズル7を直接的にミスト水用開閉弁17に取り付けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の実施形態のミスト機能付浴室暖房装置の構成図である。
【図2】図1のミスト機能付浴室暖房装置の配管回路図である。
【図3】本実施形態のミスト機能付浴室暖房装置の浴室室内機の正面図である。
【図4】図3の浴室室内機の筐体の表面側を取り除いた状態の実体配管図である。
【図5】図4の状態の実体配管図を斜め方向から観察した斜視図である。
【図6】本実施形態のミスト機能付浴室暖房装置で採用する屋外ユニットと換気扇ユニット及び給水接続ユニットの正面図である。
【図7】本実施形態のミスト機能付浴室暖房装置で採用する換気扇ユニット及び給水接続ユニットの正面図である。
【図8】図7の換気扇ユニット及び給水接続ユニットを他の角度から観察した斜視図である。
【図9】図7の換気扇ユニット及び給水接続ユニットの内部を示す斜視図である。
【図10】換気扇ユニット及び給水接続ユニットの内部を示す斜視図であり、送風機を外した状態を示す。
【符号の説明】
【0047】
1 ミスト機能付浴室暖房装置
2 浴室室内機
3 屋外ユニット
5 浴室
6 暖房用熱交換器
7 ミストノズル
12 筺体
15 ミスト用液液熱交換器
17 ミスト水用開閉弁
48 接続管
55 張り出し筺体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室内に設置される浴室室内機と、浴室外に設置され前記浴室室内機に熱媒体を供給する屋外ユニットとを備えたミスト機能付浴室暖房装置において、
浴室室内機は前記屋外ユニットから熱媒体の供給を受けて浴室内を暖房する暖房用熱交換器と、ミスト用液液熱交換器と、ミスト水用開閉弁と、ミストノズルとを備え、
前記ミスト用液液熱交換器は前記屋外ユニットから供給される熱媒体が通過する一次側流路と外部から供給される水が通過する二次側流路とを有し、
配管回路上においては、前記ミスト水用開閉弁はミスト用液液熱交換器の二次側流路に連通する流路に設けられ、前記ミストノズルはミスト用液液熱交換器の二次側流路の下流にあり、
実体配管においては前記ミスト水用開閉弁が前記ミストノズルの近傍に設けられていることを特徴とするミスト機能付浴室暖房装置。
【請求項2】
実体配管においては前記ミスト水用開閉弁にミストノズルが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載のミスト機能付浴室暖房装置。
【請求項3】
浴室室内機は、浴室の壁面に取り付けられるものであり、外形を覆う筐体部を有し、当該筐体部に暖房用熱交換器と、ミスト用液液熱交換器が内蔵され、前記筐体部の下部又は筐体部の外部であって筐体部の下部にミストノズルが設けられており、ミストノズルはミスト用配管によってミスト用液液熱交換器の二次側流路の下流に接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のミスト機能付浴室暖房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−82016(P2010−82016A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−251867(P2008−251867)
【出願日】平成20年9月29日(2008.9.29)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】