説明

ミトコンドリアグリセロール−3−リン酸アシルトランスフェラーゼ1(MTGPAT1)の発現を阻害するためのRNAアンタゴニスト化合物

本発明は、細胞中のmtGPAT1 mRNAを標的とし、mtGPAT1の発現低下をもたらすオリゴマー化合物(オリゴマー)に関する。mtGPAT1発現の低下は、過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症(hepatosteatosis)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)などの、ある種の医学的障害の治療に有益である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、細胞中のmtGPAT1 mRNAを標的とし、mtGPAT1の発現低下をもたらすオリゴマー化合物(オリゴマー)に関する。mtGPAT1発現の低下は、過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症(hepatosteatosis)、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)などの一連の医学的障害に有益である。
【背景技術】
【0002】
背景
ミトコンドリアグリセロール−3−リン酸アシルトランスフェラーゼ1(EC 2.3.1.15。GPAT1、mtGPAT1、GPAM、mtGPAMとしても知られている)は、肝性トリグリセリド形成において主な役割を果たし、高レベルのmtGPAT1活性は、脂肪肝(肝臓脂肪症)をもたらすのに対して、mtGPAT1の不在は、低レベルの肝臓トリグリセリドおよび刺激された脂肪酸酸化をもたらす。
【0003】
グリセロール−3−リン酸アシルトランスフェラーゼ(GPAT)は、トリグリセリド合成における律速工程を触媒する酵素のファミリーである。これらの酵素は、グリセロール−3−リン酸と活性脂肪酸(アシルコエンザイムA、アシルCoA)の間のエステル結合の形成を触媒する。複数の酵素が細胞中のGPAT酵素活性を担い、小胞体およびミトコンドリアの両方の外膜中に酵素活性が存在し、一部分の酵素は、NEMによる不活性化に非感受性であるものもあれば、感受性であるものもあることが早期に認識された[Coleman et al. (2000) Annu. Rev. Nutr. 20, 77-103-3;Coleman et al. (2004) Prog. Lipid Res. 43, 134-176;Coleman (2007) Cell Metab 5, 87-89]。
【0004】
mtGPAT1は、NEMによる不活性化に非感受性であり、ミトコンドリア中にのみ存在するGPAT酵素として同定された。mtGPAT1の活性は、肝外組織中で低く、それは、全GPAT活性の10%を担うのに対して、活性は肝臓中で高く、mtGPAT1は全GPAT活性の50%までを占める[Coleman et al. (2000) Annu. Rev. Nutr. 20, 77-103-3;Coleman et al. (2004) Prog. Lipid Res. 43, 134-176;Coleman (2007) Cell Metab 5, 87-89]。すべてのGPAT活性の産物であるリゾホスファチジン酸(LPA)は、トリグリセリドおよびリン脂質の両方の合成に向かって進行し得る。トリグリセリド合成に関与するほとんどの酵素は、小胞体中に存在し、そのため、mtGPAT1は主にリン脂質前駆物質合成に関与すると、より早期に考えられていた。しかしながら、mtGPAT1活性のホルモンおよび栄養の調節は、肝性トリグリセリド合成における決定的な役割を示す[Coleman et al. (2000) Annu. Rev. Nutr. 20, 77-103-3;Coleman et al. (2004) Prog. Lipid Res. 43, 134-176;Coleman (2007) Cell Metab 5, 87-89]。mtGPAT1活性は、摂食に応じて肥満マウス中で劇的にアップレギュレートされる(Xu et al. Biochem. Biophys. Res. Commun. 349, 439-448)。
【0005】
CHO細胞またはHEK293細胞中のmtGPAT1の過剰発現は、細胞内トリグリセリドのレベルの確実な増加をもたらす[Igal et al. (2001) J. Biol. Chem. 276, 42205-42212]。肝細胞中のmtGPAT1の過剰発現は、細胞の燃料用の脂肪酸の利用(β−酸化)の減少と同時に、さらに高いレベルの細胞内脂質蓄積をもたらし[Lewin et al. (2005) Am. J. Physiol Endocrinol. Metab 288, E835-E844]、高レベルのmtGPAT1活性が、増加した肝脂肪酸取り込みおよびトリグリセリド合成(脂質生成による同化)ならびに減少した脂肪酸酸化(脂質異化)をもたらすかのように見える。これは、マロニルCoAコントロール「代謝スイッチ」についての見解と一致しており、細胞のエネルギー必要量(マロニルCoA濃度のコントロールを通して)が、脂質生成/貯蔵(mtGPAT1活性)に向かって活性脂肪酸を導くまたはミトコンドリアの中への移動を導き、その後に、脂肪酸酸化が続く(律速酵素としてカルニチン(carnitin)パルミトイルトランスフェラーゼ−1、CPT−1を用いて)。高レベルのmtGPAT1を発現するすべての細胞中で、トリグリセリド合成は、リン脂質(phosphilipid)またはコレステロールエステルへの活性脂肪酸の挿入に対して有利であった。
【0006】
mtGPAT1の一過性の肝性アデノウイルス誘発性過剰発現は、肝臓トリアシルグリセロールの大量の増加、つまり肝臓脂肪症[Linden et al. (2006) FASEB J. 20, 434-443]およびインスリン抵抗性[Nagle et al. (2007) J. Biol. Chem. 282, 14807-14815]をもたらす。mtGPAT1ノックアウトマウスが、生成された。標準固形飼料で飼育された場合、動物は、より低い体重および生殖腺脂肪パッド重量、より低い肝臓トリグリセリドレベル、より低い血漿トリグリセリド、ならびにより低いVLDL分泌を有する[Hammond et al. (2002) Mol. Cell Biol. 22, 8204-8214;Yazdi et al. (2008) Biochem. Biophys. Res. Commun. 369, 1065-1070]。mtGPAT1ノックアウト動物はまた、インスリン抵抗性から保護されるようにも見える[Neschen et al. (2005) Cell Metab 2, 55-65]。4カ月の間、高脂肪高スクロース食餌で飼育されたマウスでは、mtGPAT1の不在は、血漿β−ヒドロキシ酪酸の増加したレベルなどの刺激された脂肪酸酸化の表れと共に、肝性トリグリセリド含有量の60%の減少をもたらした[Hammond et al. (2005) J. Biol. Chem. 280, 25629-25636]。高齢のmtGPAT1ノックアウトマウスは、長鎖脂肪酸−CoAの増加した肝蓄積を有し、酵素活性の釣り合いのとれたダウンレギュレーションは、タンパク質の完全な不在と比較して好ましいことを示唆する[Hammond et al. (2005) J. Biol. Chem. 280, 25629-25636]。しかしながら、mtGPAT1の不在は、肝臓サイズ、肝細胞数、またはミトコンドリアの形態のあらゆる全体の変化をもたらすようには見えない[Hammond et al. (2007) Exp. Mol. Pathol. 82, 210-219]。全体的な結論は、高mtGPAT1活性が、肥満症、インスリン抵抗性、および肝脂質蓄積に相関するということである。
【0007】
mtGPAT1活性の阻害は、これまで、酵素の活性部位に向けられる小分子に限られてきた。しかしながら、GPATファミリーの異なるメンバーの活性部位に対してタンパク質配列の大きな相同性があり[Gonzalez-Baro et al. (2007) Am. J. Physiol Gastrointest. Liver Physiol 292, G1195-G1199]、タンパク質ファミリーの1つの個別のメンバーに特異的な小分子阻害剤の設計を難題にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、mtGPAT1特異的阻害剤などのサブタイプ特異的GPAT阻害剤が必要とされている。本発明のLNA含有RNAアンタゴニストは、mtGPAT1発現の調整を含む、治療、診断および研究用途に対する満たされていない必要性を満たすmtGPAT1特異的阻害剤である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、合計10〜30ヌクレオチドの連続(contiguous)ヌクレオチド配列を含む、長さが10〜30ヌクレオチドのオリゴマーであって、前記連続ヌクレオチド配列は、配列番号263またはその自然発生の変異体などの哺乳動物mtGPAT1遺伝子またはmRNAの逆相補配列(reverse complement)に対応する領域と少なくとも80%(たとえば85%、90%、95%、98%、または99%)相同であるオリゴマーを提供する。したがって、たとえば、オリゴマーは、配列番号263の一部の配列を有する一本鎖核酸分子とハイブリダイズする。
【0010】
本発明は、本発明によるオリゴマーおよび前記オリゴマーに共有結合された少なくとも1つの非ヌクレオチド部分または非ポリヌクレオチド部分を含むコンジュゲートを提供する。
【0011】
本発明は、本発明によるオリゴマーまたはコンジュゲートおよび薬学的に許容できる希釈剤、担体、塩、またはアジュバントを含む医薬組成物を提供する。
【0012】
本発明は、過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)の治療のためなど、医薬として使用するための、本発明によるオリゴマーまたはコンジュゲートを提供する。
【0013】
本発明は、過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を治療するための医薬の製造のための、本発明によるオリゴマーまたはコンジュゲートの使用を提供する。
【0014】
本発明は、過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を治療するための方法であって、過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)に罹患している、またはそれに罹患する可能性がある患者に、本発明によるオリゴマー、コンジュゲート、または医薬組成物を投与するステップを含む方法を提供する。
【0015】
本発明は、mtGPAT1を発現している細胞中のmtGPAT1を阻害するための方法であって、前記細胞中のmtGPAT1の阻害を達成するために、前記細胞に、本発明によるオリゴマーまたはコンジュゲートを投与するステップを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、mtGPAT1に対する一連のLNA含有一本鎖アンチセンスオリゴヌクレオチドが、インビトロ(in vitro)で同じナノモルの範囲で強力であることを示す。A)mtGPAT1に対する一連のLNA含有アンチセンス分子を用いる脂質支援トランスフェクションの後のLTK−D2細胞中の相対的なmtGPAT1 mRNA発現。データは、偽トランスフェクト細胞中の対応するmRNAの比率のうちのパーセントとして表現される、mtGPAT1/GADPH mRNA発現についての平均値±SDを表す。B)mtGPAT1に対する一連のLNA含有アンチセンス分子を用いる脂質支援トランスフェクションの後のHuH7細胞中の相対的なmtGPAT1 mRNA発現。データは、偽トランスフェクト細胞中の対応するmRNAの比率のうちのパーセントとして表現される、mtGPAT1/GADPH mRNA発現についての平均値±SDを表す。
【図2】図2は、メスC57BL/6マウス中での肝臓mtGPAT mRNA発現のインビボ(in vivo)ダウンレギュレーションを示す。肝臓mtGPAT mRNA発現に対する5つの異なるmtGPATアンチセンスオリゴマー、配列番号33、125、147、176、および249の効果が試験された。
【発明を実施するための形態】
【0017】
配列番号の簡単な説明
1〜262は、表1中に示される。
【0018】
263は、実施例の部の後の配列表中に示される。
【0019】
264〜290は、表2中に示される。
【0020】
表1のアンチセンス配列から選択される、特に好ましいアンチセンス配列のリストは、表3中に示される。
【0021】
発明の詳細な説明
オリゴマー
本発明は、配列番号263に示されるmtGPAT1核酸および哺乳動物mtGPAT1をコードするそのような核酸分子の天然の変異体などの、哺乳動物mtGPAT1をコードする核酸分子の機能を調整するのに使用するためのオリゴマー化合物(オリゴマーとして本明細書で言及される)を利用する。本発明と関連した用語「オリゴマー」は、2つ以上のヌクレオチドの共有結合によって形成された分子(つまりオリゴヌクレオチド)を指す。オリゴマーは、長さが10〜30ヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列から成るまたはそれを含む。
【0022】
様々な実施形態では、本発明の化合物は、RNA(単位)を含まない。本発明による化合物は、線状分子であるか、または線状分子として合成されることが好ましい。オリゴマーは、一本鎖分子であり、好ましくは、たとえば、同じオリゴマー内の等価な領域に相補的である、少なくとも3、4、または5の連続ヌクレオチドの短い領域(つまり二重鎖)を含まず、この点について、オリゴマーは、(本質的に)二本鎖ではない。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、siRNAではないように、本質的に二本鎖ではない。様々な実施形態では、本発明のオリゴマーは、もっぱら、連続ヌクレオチド領域から成っていてもよい。したがって、オリゴマーは、実質的に、自己相補的ではない。
【0023】
標的
好適には、本発明のオリゴマーは、mtGPAT1遺伝子の発現をダウンレギュレートすることができる。この点について、本発明のオリゴマーは、典型的に、ヒト細胞などの哺乳動物で、mtGPAT1の阻害を達成することができる。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴマーは、標的核酸に結合し、通常の発現レベルと比較して少なくとも10%または20%の発現の阻害、より好ましくは、通常の発現レベルと比較して少なくとも30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%の阻害を達成する。いくつかの実施形態では、そのような調整は、本発明の化合物を0.04〜25nM、たとえば、0.8〜20nMの濃度で使用する場合に見られる。同じまたは異なる実施形態では、発現の阻害は、100%未満、たとえば、98%未満の阻害、95%未満の阻害、90%未満の阻害、80%未満の阻害、たとえば、70%未満の阻害である。発現レベルの調整は、タンパク質レベルを測定することによって、たとえば、SDS−PAGE、その後に続く、標的タンパク質に対して産生される、適した抗体を使用するウエスタンブロッティングなどの方法によって決定されてもよい。その代わりに、発現レベルの調整は、mRNAのレベルを測定することによって、たとえば、ノーザンブロッティングまたは定量RT−PCRによって決定することができる。mRNAレベルを介して測定する場合、適切な投薬量、たとえば0.04〜25nM、たとえば0.8〜20nMの濃度を使用する場合のダウンレギュレーションのレベルは、いくつかの実施形態では、典型的に、本発明の化合物の非存在下での通常のレベルの10〜20%のレベルまでである。
【0024】
そのため、本発明は、mtGPAT1タンパク質および/またはmRNAを発現している細胞中のmtGPAT1タンパク質および/またはmRNAの発現をダウンレギュレートまたは阻害するための方法であって、前記細胞中のmtGPAT1タンパク質および/またはmRNAの発現をダウンレギュレートまたは阻害するために前記細胞に本発明によるオリゴマーまたはコンジュゲートを投与するステップを含む方法を提供する。好適には、細胞は、ヒト細胞などの哺乳動物細胞である。投与は、いくつかの実施形態では、インビトロで行われてもよい。投与は、いくつかの実施形態では、インビボで行われてもよい。
【0025】
本明細書で使用される用語「標的核酸」は、配列番号263などの、ヒトmtGPAT1などの哺乳動物mtGPAT1ポリペプチドをコードするDNAまたはRNA、mtGPAT1コード核酸またはその天然の変異体、およびそれに由来するRNA核酸、好ましくは成熟mRNAであるが、好ましくはプレmRNAなどのmRNAを指す。いくつかの実施形態では、たとえば、研究または診断で使用される場合、「標的核酸」は、cDNAまたは上記のDNAに由来する合成オリゴヌクレオチドまたはRNA核酸標的であってもよい。本発明によるオリゴマーは、好ましくは、標的核酸とハイブリダイズすることができる。配列番号263は、cDNA配列であり、そのため、ウラシルがcDNA配列中ではチミジンと交換されるが、成熟mRNA標的配列に対応することが認識されるであろう。
【0026】
用語「その天然の変異体」は、マウス、サル、好ましくはヒトなどの、哺乳動物などの規定される分類群内に自然に存在する、核酸配列のmtGPAT1ポリペプチドの変異体を指す。典型的に、ポリヌクレオチドの「天然の変異体」を指す場合、用語はまた、染色体転座または重複によって染色体10;位置:10q25.2Mbに認められる、mtGPAT1コードゲノムDNAの任意の対立遺伝子変異体およびそれに由来するmRNAなどのRNAを包含してもよい。「天然の変異体」はまた、mtGPAT1 mRNAの選択的スプライシングに由来する変異体を含んでいてもよい。特定のポリペプチド配列が参照される場合、たとえば、用語はまた、そのため、たとえば、シグナルペプチド切断、タンパク分解性の切断、グリコシル化などの同時翻訳修飾または翻訳後修飾によって処理されてもよい、タンパク質の天然の形態を含む。
【0027】
配列
オリゴマーは、配列番号263中に存在するヌクレオチド配列の逆相補配列に対応する連続ヌクレオチド配列を含むかまたはそれから成る。したがって、オリゴマーは、配列番号1〜262から成る群から選択される配列を含みまたはそれから成ることができ、前記オリゴマー(またはその連続ヌクレオチド部分)は、所望により、前記選択される配列に対して1、2、または3つのミスマッチを有していてもよい。
【0028】
表1:本発明のオリゴマー配列の表
別記されるように、この表中のオリゴマー配列は、オリゴヌクレオチドのTmを増加させるヌクレオチド類似体を含むことによって、本発明に従って設計されてもよい。さらに、ホスホロチオエート結合が、ヌクレオチド間結合として存在してもよい。
【0029】
「s」は、ホスホロチオエート結合を表し、太字は、LNA分子を表す。
【0030】
【表1−1】

【表1−2】

【表1−3】

【表1−4】

【表1−5】

【表1−6】

【表1−7】

【0031】
オリゴヌクレオチドの好ましい設計は、3−10−3、3−9−3、3−8−3、2−8−3、3−8−2、2−8−2のLNA−DNA−LNAタイプのギャップマー(gapmer)である。
【0032】
表2:特に好ましいアンチセンス配列モチーフの選択
本発明のオリゴヌクレオチドは、好ましくは、列挙されるモチーフのいずれか1つの配列の一部を含むかまたはそれから成るであろう。
【0033】
【表2−1】

【表2−2】

【0034】
表3:表1の番号と同一の配列番号を有する、特に好ましいアンチセンスオリゴヌクレオチド配列の選択
さらに、この表で、オリゴヌクレオチドの好ましい設計は、3−10−3、3−9−3、3−8−3、2−8−3、3−8−2、2−8−2のLNA−DNA−LNAタイプのギャップマーである。
【0035】
【表3−1】

【表3−2】

【0036】
オリゴマーは、哺乳動物mtGPAT1をコードする核酸(たとえば配列番号263)の等価な領域に完全に相補的な(十分に相補的な)連続ヌクレオチド配列を含んでいてもよく、またはそれから成ってもよい。したがって、オリゴマーは、アンチセンスヌクレオチド配列を含むかまたはそれから成ることができる。
【0037】
しかしながら、いくつかの実施形態では、オリゴマーは、標的配列とハイブリダイズし、なお標的に十分に結合して、所望の効果、つまり標的のダウンレギュレーションを示す場合、1、2、3、もしくは4つの(またはそれ以上の)ミスマッチを許容してもよい。ミスマッチは、たとえば、ヌクレオチド配列内に存在する、オリゴマーヌクレオチド配列の増加した長さおよび/またはLNAなどのヌクレオチド類似体の増加した数によって補われてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、連続ヌクレオチド配列は、哺乳動物mtGPAT1をコードする核酸の対応する領域になどの標的配列とハイブリダイズする場合、3つ以下、たとえば2つ以下のミスマッチを含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、連続ヌクレオチド配列は、哺乳動物mtGPAT1をコードする核酸の対応する領域などの標的配列とハイブリダイズする場合、単一のミスマッチしか含まない。
【0040】
本発明のオリゴマーのヌクレオチド配列または連続ヌクレオチド配列は、好ましくは、配列番号1〜262から成る群から選択される対応する配列と少なくとも80%相同、たとえば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%相同、たとえば100%相同(同一)(homologous(identical))である。
【0041】
本発明のオリゴマーのヌクレオチド配列または連続ヌクレオチド配列は、好ましくは、配列番号263中に存在する対応する配列の逆相補配列と少なくとも80%相同、たとえば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%相同、たとえば100%相同(同一)である。
【0042】
本発明のオリゴマーのヌクレオチド配列または連続ヌクレオチド配列は、好ましくは、配列番号263中に存在するサブ配列と少なくとも80%相補的、たとえば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%相補的、たとえば100%相補的(完全に相補的)である。
【0043】
いくつかの実施形態では、オリゴマー(またはその連続ヌクレオチド部分)は、配列番号1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262から成る群またはその少なくとも10の連続ヌクレオチドのサブ配列から選択されるか、またはそれから選択される配列の1つを含み、前記オリゴマー(またはその連続ヌクレオチド部分)は、所望により、配列と比較した場合、1、2、または3つのミスマッチを含んでいてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、サブ配列は、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、または29の連続ヌクレオチド、12〜22、たとえば12〜18のヌクレオチドから成ってもよい。好適には、いくつかの実施形態では、サブ配列は、本発明のオリゴマーの連続ヌクレオチド配列と同じ長さである。
【0045】
しかしながら、いくつかの実施形態では、オリゴマーのヌクレオチド配列は、標的配列に非相補的である、さらなる5’または3’ヌクレオチド、たとえば、独立して、5’および/または3’に1、2、3、4または5つのさらなるヌクレオチドを含んでいてもよいことが認識される。この点で、本発明のオリゴマーは、いくつかの実施形態では、さらなるヌクレオチドが5’および/または3’に隣接する連続ヌクレオチド配列を含んでいてもよい。いくつかの実施形態で、さらなる5’または3’ヌクレオチドは、DNAまたはRNAなどの天然のヌクレオチドである。いくつかの実施形態では、さらなる5’または3’ヌクレオチドは、本明細書で、ギャップマーオリゴマーとの関連で言及される領域Dを表してもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号264によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号265によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号266によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0049】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号267によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号268によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号269によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0052】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号270によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0053】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号271によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号272によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号273によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号274によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号275によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号276によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号277によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号278によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号279によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0062】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号280によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号281によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号282によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号283によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号284によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号285によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号286によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号287によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0070】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号288によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0071】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号289によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0072】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、配列番号290によるヌクレオチド配列またはそのサブ配列から成るかまたはそれを含む。
【0073】
好ましい一実施形態では、本発明のオリゴマーは、配列番号2、33、125、142、147、169、176、182、214、249、250、および254のいずれか1つである。
【0074】
本発明のオリゴマー(または連続ヌクレオチド配列)および本明細書で開示されるものなどの、哺乳動物mtGPAT1をコードする核酸またはその逆相補配列の間の「相同性」を決定する場合、相同性の決定は、本発明の化合物の対応するヌクレオチド配列および哺乳動物mtGPAT1をコードする核酸の対応する領域(もしくは標的核酸)またはその逆相補配列を用いる単純なアライメントによってなされてもよく、相同性は、アライメントされる塩基の数を数え、本発明の化合物中の連続ヌクレオチドの総数によって割り、100をかけることによって決定される。そのような比較で、ギャップが存在する場合、そのようなギャップは、ギャップ内のヌクレオチドの数が本発明のヌクレオチド配列および標的核酸の間で異なるエリアではなく、単にミスマッチであることが好ましい。
【0075】
用語「に対応する(corresponding to)」および「に対応する(corresponds to)」は、オリゴマーのヌクレオチド配列または連続ヌクレオチド配列(第1の配列)と、i)配列番号263などの、mtGPAT1タンパク質をコードするmRNAなどの、核酸標的の逆相補配列のサブ配列、ならびに/またはii)配列番号264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、および290から成る群などの、本明細書で提供されるヌクレオチドの配列のいずれかから選択されるさらなる配列の相当する連続ヌクレオチド配列との比較を指す。ヌクレオチド類似体は、その相当または対応するヌクレオチドと直接比較される。i)またはii)のさらなる配列に対応する第1の配列は、典型的に、第1の配列(連続ヌクレオチド配列など)の全長にわたってその配列と同一であるか、または本明細書に記載の通りであり、いくつかの実施形態では、対応する配列と少なくとも80%相同、たとえば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%相同、たとえば100%相同(同一)である。
【0076】
用語「対応するヌクレオチド類似体」および「対応するヌクレオチド」は、ヌクレオチド類似体中のヌクレオチドおよび天然のヌクレオチドが同一であることを示すことを意図する。たとえば、ヌクレオチドの2−デオキシリボース単位がアデニンに連結される場合、「対応するヌクレオチド類似体」は、アデニンに連結されたペントース単位(2−デオキシリボースと異なる)を含有する。
【0077】
長さ
オリゴマーは、長さが、連続する合計10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30ヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列を含むかまたはそれから成る。
【0078】
いくつかの実施形態では、オリゴマーは、長さが、連続する合計10〜22、たとえば12〜18、たとえば、13〜17または12〜16、たとえば13、14、15、16ヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列を含むかまたはそれから成る。
【0079】
いくつかの実施形態では、オリゴマーは、長さが合計10、11、12、13、または14の連続ヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列を含むかまたはそれから成る。
【0080】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、22以下のヌクレオチド、たとえば20以下のヌクレオチド、たとえば18以下のヌクレオチド、たとえば15、16、または17のヌクレオチドから成る。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴマーは、20未満のヌクレオチドを含む。
【0081】
ヌクレオチド類似体
本明細書で使用される用語「ヌクレオチド」は、糖部分、塩基部分、およびリン酸またはホスホロチオエートヌクレオチド間連結基などの共有結合基を含む配糖体を指し、DNAまたはRNAなどの天然のヌクレオチドならびに本明細書で「ヌクレオチド類似体」とも言及される、修飾された糖および/または塩基部分を含む非天然のヌクレオチドの両方を包含する。本明細書で、単一のヌクレオチド(単位)はまた、単量体または核酸単位として言及されてもよい。
【0082】
生化学の分野では、用語「ヌクレオシド」は、糖部分および塩基部分を含む配糖体を指すために一般に使用され、そのため、オリゴマーのヌクレオチドの間のヌクレオチド間連結によって共有結合されるヌクレオチド単位を指す場合、使用されてもよい。
【0083】
当業者が認識するように、オリゴヌクレオチドの5’ヌクレオチドは、5’末端基を含んでいても含んでいなくてもよいが、5’ヌクレオチド間連結基を含まない。
【0084】
非天然のヌクレオチドは、二環式ヌクレオチドまたは2’置換ヌクレオチドなどの2’修飾ヌクレオチドなどの修飾された糖部分を有するヌクレオチドを含む。
【0085】
「ヌクレオチド類似体」は、糖および/または塩基部分中の修飾によって、DNAまたはRNAのヌクレオチドなどの天然のヌクレオチドの変異体となる。類似体は、基本的に、オリゴヌクレオチドとの関連で天然のヌクレオチドに対して単に「無変化」または「等価」とすることができ、つまり、オリゴヌクレオチドが標的遺伝子発現を阻害するように作用する方法に対する機能効果を有していない。しかしながら、そのような「等価な」類似体は、たとえば、それらが、製造するのにより容易である、もしくはより安価である、または貯蔵もしくは製造条件に対して、より安定している、またはタグもしくは標識を表す場合、有用であり得る。しかしながら、好ましくは、類似体は、たとえば、標的に対する増加した結合親和性および/または細胞内ヌクレアーゼに対する増加した抵抗性および/または細胞の中への輸送の増加した容易性をもたらすことによって、オリゴマーが発現を阻害するように作用する方法に対する機能効果を有するであろう。ヌクレオシド類似体の特定の例は、たとえばFreier & Altmann; Nucl. Acid Res., 1997, 25, 4429-4443およびUhlmann; Curr. Opinion in Drug Development, 2000, 3(2), 293-213ならびにスキーム1中に記載されている。
【0086】
【化1】

【0087】
スキーム1
オリゴマーは、したがって、天然ヌクレオチド、好ましくは2’−デオキシヌクレオチド(本明細書において一般に「DNA」として言及される)、さらにおそらくリボヌクレオチド(本明細書において一般に「RNA」として言及される)の単純な配列またはそのような天然のヌクレオチドおよび1つもしくは複数の非天然のヌクレオチド、つまりヌクレオチド類似体の組み合わせを含んでいてもよく、またはそれから成ってもよい。そのようなヌクレオチド類似体は、好適には、標的配列に対するオリゴマーの親和性を増強してもよい。
【0088】
適した好ましいヌクレオチド類似体の例は、PCT/DK2006/000512によって提供され、またはそこで参照される。
【0089】
LNAまたは2’−置換糖などの、オリゴマー中の親和性増強ヌクレオチド類似体の組み込みは、特異的に結合するオリゴマーのサイズを低下させることを可能にすることができ、また、非特異的または異常な結合が起こる前に、オリゴマーのサイズに対する上限を低下させ得る。
【0090】
いくつかの実施形態では、オリゴマーは、少なくとも2つのヌクレオチド類似体を含む。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、3〜8つのヌクレオチド類似体、たとえば6または7つのヌクレオチド類似体を含む。さらに最も好ましい実施形態では、前記ヌクレオチド類似体の少なくとも1つは、ロックド核酸(LNA)である、たとえば、少なくとも3または少なくとも4または少なくとも5または少なくとも6または少なくとも7または8つのヌクレオチド類似体は、LNAであってもよい。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド類似体はすべて、LNAであってもよい。
【0091】
ヌクレオチドのみから成る、好ましいヌクレオチド配列モチーフまたはヌクレオチド配列を指す場合、その配列によって規定される本発明のオリゴマーは、前記配列中に存在する1つまたは複数のヌクレオチドの代わりに、オリゴマー/標的二重鎖の二重鎖安定性/Tを上昇させるLNA単位または他のヌクレオチド類似体(つまり親和性増強ヌクレオチド類似体)などの、対応するヌクレオチド類似体を含んでいてもよいことが認識されるであろう。
【0092】
いくつかの実施形態では、オリゴマーのヌクレオチド配列および標的配列の間のあらゆるミスマッチは、好ましくは、本明細書で言及される領域Bおよび/もしくは本明細書で言及される領域Dなどの、親和性増強ヌクレオチド類似体の外側の領域中にならびに/またはオリゴヌクレオチド中のDNAヌクレオチドなどの非修飾の部位にならびに/または連続ヌクレオチド配列の5’または3’側にある領域中に存在している。
【0093】
ヌクレオチドのそのような修飾の例は、2’置換基を提供するためのおよび結合親和性を増強する架橋(ロックド核酸)構造を生産するための糖部分の修飾を含み、また、増加したヌクレアーゼ抵抗性を提供してもよい。
【0094】
好ましいヌクレオチド類似体は、オキシ−LNA(たとえば、ベータ−D−オキシ−LNAおよびアルファ−L−オキシ−LNA)および/またはアミノ−LNA(たとえば、ベータ−D−アミノ−LNAおよびアルファ−L−アミノ−LNA)および/またはチオ−LNA(たとえば、ベータ−D−チオ−LNAおよびアルファ−L−チオ−LNA)および/またはENA(たとえば、ベータ−D−ENAおよびアルファ−L−ENA)などのLNAである。ベータ−D−オキシ−LNAが最も好ましい。
【0095】
いくつかの実施形態では、たとえば、本発明のオリゴマー内(たとえば、本明細書で言及される領域AおよびC中)に存在するヌクレオチド類似体は、独立して、たとえば2’−O−アルキル−RNA単位、2’−アミノ−DNA単位、2’−フルオロ−DNA単位、LNA単位、アラビノ核酸(ANA)単位、2’−フルオロ−ANA単位、HNA単位、INA(挿入核酸−Christensen, 2002. Nucl. Acids. Res. 2002 30: 4918-4925、参照によってこれによって組み込まれる)単位、および2’MOE単位から選択される。いくつかの実施形態では、本発明のオリゴマーまたはその連続ヌクレオチド配列中に存在する上記のタイプのたった1つのヌクレオチド類似体がある。
【0096】
いくつかの実施形態では、ヌクレオチド類似体は、2’−O−メトキシエチル−RNA(2’MOE)、2’−フルオロ−DNAモノマー、またはLNAヌクレオチド類似体であり、そのため、本発明のオリゴヌクレオチドは、これらの3つのタイプの類似体から独立して選択されるヌクレオチド類似体を含んでいてもよく、または3つのタイプから選択されるたった1つのタイプの類似体を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、前記ヌクレオチド類似体の少なくとも1つは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の2’−MOE−RNAヌクレオチド単位などの、2’−MOE−RNAである。いくつかの実施形態では、前記ヌクレオチド類似体の少なくとも1つは、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の2’−フルオロ−DNAヌクレオチド単位などの、2’−フルオロ−DNAである。
【0097】
いくつかの実施形態では、本発明によるオリゴマーは、少なくとも1つのロックド核酸(LNA)単位、たとえば、1、2、3、4、5、6、7もしくは8個のLNA単位、たとえば3〜7もしくは4〜8個のLNA単位、または3、4、5、6もしくは7個のLNA単位を含む。いくつかの実施形態では、ヌクレオチド類似体はすべて、LNAである。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、ベータ−D−オキシ−LNAと、以下のLNA単位:ベータ−Dもしくはアルファ−L立体配置のいずれかのチオ−LNA、アミノ−LNA、オキシ−LNA、および/もしくはENAまたはその組み合わせのうちの1つまたは複数とを両方含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、LNAシトシン単位はすべて、5’メチル−シトシンである。本発明のいくつかの実施形態では、オリゴマーは、LNA単位およびDNA単位の両方を含んでいてもよい。好ましくは、LNA単位およびDNA単位を組み合わせた合計は、10〜25個、好ましくは10〜20個、さらに好ましくは12〜16個である。本発明のいくつかの実施形態では、連続ヌクレオチド配列などのオリゴマーのヌクレオチド配列は、少なくとも1つのLNAから成り、残りのヌクレオチド単位は、DNA単位である。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、所望によりホスホロチオエートなどの修飾ヌクレオチド間連結と共に、LNAヌクレオチド類似体および天然のヌクレオチド(たとえばRNAまたはDNA、最も好ましくはDNAヌクレオチド)のみを含む。
【0098】
用語「核酸塩基」は、ヌクレオチドの塩基部分を指し、天然および非天然の変異体の両方を包含する。したがって、「核酸塩基」は、知られているプリンおよびピリミジンヘテロ環だけでなく、そのヘテロ環式類似体および互変異性体(tautomeres)をも包含する。
【0099】
核酸塩基の例は、アデニン、グアニン、シトシン、チミジン、ウラシル、キサンチン、ヒポキサンチン、5−メチルシトシン、イソシトシン、偽イソシトシン、5−ブロモウラシル、5−プロピニルウラシル、6−アミノプリン、2−アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、および2−クロロ−6−アミノプリンを含むが、これらに限定されない。
【0100】
いくつかの実施形態では、オリゴマー中に存在する核酸塩基の少なくとも1つは、5−メチルシトシン、イソシトシン、偽イソシトシン、5−ブロモウラシル、5−プロピニルウラシル、6−アミノプリン、2−アミノプリン、イノシン、ジアミノプリン、および2−クロロ−6−アミノプリンから成る群から選択される修飾核酸塩基である。
【0101】
LNA
用語「LNA」は、「ロックド核酸」として知られている二環式ヌクレオチド類似体を指す。それは、LNAモノマーを指してもよいまたは「LNAオリゴヌクレオチド」との関連で使用される場合、LNAは、1つまたは複数の、そのような二環式ヌクレオチド類似体を含有するオリゴヌクレオチドを指す。LNAヌクレオチドは、たとえば、下記に記載されるように、ビラジカルR4*−R2*として示されるように、リボース糖環のC2’およびC4’の間のビラジカル「架橋」の存在によって特徴づけられる。
【0102】
本発明のオリゴヌクレオチド化合物中で使用されるLNAは、好ましくは、一般式Iの構造を有する。
【0103】
【化2】

すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよく;
Xは、−O−、−S−、−N(RN*)−、−C(R6*)−から選択され、たとえば、いくつかの実施形態では−O−であり;
Bは、水素、所望により置換されるC1〜4−アルコキシ、所望により置換されるC1〜4−アルキル、所望により置換されるC1〜4−アシルオキシ、天然および核酸塩基類似体を含む核酸塩基、DNA干渉物質、光化学的活性基、熱化学的活性基、キレート基、リポーター基、およびリガンドから選択され;
Pは、隣接するモノマーに対するヌクレオチド間連結または5’末端基を示し、そのようなヌクレオチド間連結または5’末端基は、置換基Rまたは等しく適用可能な置換基R5*を所望により含み;
は、隣接するモノマーに対するヌクレオチド間連結または3’末端基を示し;
4*およびR2*は、−C(R)−、−C(R)=C(R)−、−C(R)=N−、−O−、−Si(R−、−S−、−SO−、−N(R)−、および>C=Zから選択される1〜4つの基/原子から成るビラジカルをともに示し、
Zは、−O−、−S−、および−N(R)−から選択され、RおよびRは、それぞれ、水素、所望により置換されるC1〜12−アルキル、所望により置換されるC2〜12−アルケニル、所望により置換されるC2〜12−アルキニル、ヒドロキシ、所望により置換されるC1〜12−アルコキシ、C2〜12−アルコキシアルキル、C2〜12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C2〜12−アルコキシカルボニル、C2〜12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノ、およびジ(C1〜6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、C1〜6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6−アルカノイルオキシ、スルホノ(sulphono)、C1〜6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6−アルキルチオ、ハロゲン、DNA干渉物質、光化学的活性基、熱化学的活性基、キレート基、リポーター基、ならびにリガンドから独立して選択され、アリールおよびヘテロアリールは、所望により、置換されてもよく、2つのジェミナルな置換基RおよびRは、ともに、所望により置換されるメチレン(=CH)を示してもよく、すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよく;
存在する、それぞれの置換基R1*、R、R、R、R5*、R、およびR6*は、水素、所望により置換されるC1〜12−アルキル、所望により置換されるC2〜12−アルケニル、所望により置換されるC2〜12−アルキニル、ヒドロキシ、C1〜12−アルコキシ、C2〜12−アルコキシアルキル、C2〜12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜12−アルコキシカルボニル、C1〜12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、C1〜6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6−アルカノイルオキシ、スルホノ、C1〜6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6−アルキルチオ、ハロゲン、DNA干渉物質、光化学的活性基、熱化学的活性基、キレート基、リポーター基、ならびにリガンドから独立して選択され、アリールおよびヘテロアリールは、所望により、置換されてもよく、2つのジェミナルな置換基は、ともに、オキソ、チオキソ、イミノ、または所望により置換されるメチレンを示してもよく;Rは、水素およびC1〜4−アルキルから選択され、2つの隣接する(非ジェミナルな)置換基は、二重結合をもたらす、さらなる結合を示してもよく;
N*は、存在し、ビラジカルに関与しない場合、水素およびC1〜4−アルキル;ならびにその塩基性塩および酸付加塩から選択される。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよい。
【0104】
いくつかの実施形態では、R4*およびR2*は、ともに、C(R)−C(R)−、C(R)−O−、C(R)−NR−、C(R)−S−、およびC(R)−C(R)−O−から成る群から選択される群から成るビラジカルを示し、RおよびRはそれぞれ、所望により、独立して選択されてもよい。いくつかの実施形態では、RおよびRは、水素およびC1〜6−アルキルから成る群から所望により独立して選択されていてもよく、たとえばメチル、たとえば水素である。
【0105】
いくつかの実施形態では、R1*、R、R、R、R5*は、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたは置換C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシル、置換C1〜6アルコキシル、アシル、置換アシル、C1〜6アミノアルキルまたは置換C1〜6アミノアルキルから成る群から独立して選択される。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよい。
【0106】
いくつかの実施形態では、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。
【0107】
いくつかの実施形態では、R1*、R、Rは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたは置換C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシル、置換C1〜6アルコキシル、アシル、置換アシル、C1〜6アミノアルキルまたは置換C1〜6アミノアルキルから成る群から独立して選択される。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態では、R1*、R、Rは、水素である。
【0109】
いくつかの実施形態では、RおよびR5*は、それぞれ、H、−CH、−CH−CH、−CH−O−CH、および−CH=CHから成る群から独立して選択される。好適には、いくつかの実施形態では、RまたはR5*は、水素であり、他方の基(それぞれRまたはR5*)は、C1〜5アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、置換C1〜6アルキル、置換C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルキニル、または置換アシル(−C(=O)−)から成る群から選択され;置換基は、それぞれ、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、置換C2〜6アルキニル、OJ、SJ、NJ、N、COOJ、CN、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ,J、またはN(H)C(=X)N(H)Jから独立して選択される置換基の群とモノまたはポリ置換され、Xは、OまたはSであり;JおよびJは、それぞれ、独立して、H、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、置換C2〜6アルキニル、C1〜6アミノアルキル、置換C1〜6アミノアルキル、または保護基である。いくつかの実施形態では、RまたはR5*は、置換C1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、RまたはR5*は、置換メチレンであり、好ましい置換基の群は、F、NJ、N、CN、OJ、SJ、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ,J、またはN(H)C(O)N(H)Jから独立して選択される、1つまたは複数の群を含む。いくつかの実施形態では、JおよびJは、それぞれ、独立して、HまたはC1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、RまたはR5*は、メチル、エチル、またはメトキシメチルである。いくつかの実施形態では、RまたはR5*は、メチルである。さらなる実施形態では、RまたはR5*は、エチレニルである。いくつかの実施形態では、RまたはR5*は、置換アシルである。いくつかの実施形態では、RまたはR5*は、C(=O)NJである。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよい。そのような5’修飾二環式ヌクレオチドは、WO2007/134181で開示され、これは、その全体が参照によってこれによって組み込まれる。
【0110】
いくつかの実施形態では、Bは、アデニン、シトシン、チミン、アデニン、ウラシルから成る群から選択される核酸塩基ならびに/または5−チアゾロ−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2’チオ−チミン、5−メチルシトシン、5−チオゾロ−シトシン、5−プロピニル−シトシン、および2,6−ジアミノプリンなどの修飾もしくは置換核酸塩基などの、核酸塩基類似体を含む核酸塩基ならびにプリンもしくはピリミジンなどの天然の核酸塩基または本明細書で言及される核酸塩基などの置換プリンもしくは置換ピリミジンである。
【0111】
いくつかの実施形態では、R4*およびR2*は、ともに、−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−C(R)−O−、−C(R)−O−C(R)−、−C(R)−O−C(R)−O−、−C(R)−C(R)−、−C(R)−C(R)−C(R)−、−C(R)=C(R)−C(R)−、−C(R)−N(R)−、−C(R)−C(R)−N(R)−、−C(R)−N(R)−O−、および−C(R)−S−、−C(R)−C(R)−S−から選択されるビラジカルを示し、R、R、R、R、R、およびRは、それぞれ、水素、所望により置換されるC1〜12−アルキル、所望により置換されるC2〜12−アルケニル、所望により置換されるC2〜12−アルキニル、ヒドロキシ、C1〜12−アルコキシ、C2〜12−アルコキシアルキル、C2〜12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜12−アルコキシカルボニル、C1〜12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、C1〜6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6−アルカノイルオキシ、スルホノ、C1〜6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6−アルキルチオ、ハロゲン、DNA干渉物質、光化学的活性基、熱化学的活性基、キレート基、リポーター基、ならびにリガンドから独立して選択され、アリールおよびヘテロアリールは、所望により、置換されてもよく、2つのジェミナルな置換基RおよびRは、ともに、所望により置換されるメチレン(=CH)を示してもよい。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよい。
【0112】
さらなる実施形態では、R4*およびR2*は、ともに、−CH−O−、−CH−S−、−CH−NH−、−CH−N(CH)−、−CH−CH−O−、−CH−CH(CH)−、−CH−CH−S−、−CH−CH−NH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH−CH−O−、−CH−CH−CH(CH)−、−CH=CH−CH−、−CH−O−CH−O−、−CH−NH−O−、−CH−N(CH)−O−、−CH−O−CH−、−CH(CH)−O−、および−CH(CH−O−CH)−O−、ならびに/または−CH−CH−および−CH=CH−から選択されるビラジカル(二価の基)を示す。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、R4*およびR2*は、ともに、ビラジカルC(R)−N(R)−O−を示し、RおよびRは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたは置換C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシル、置換C1〜6アルコキシル、アシル、置換アシル、C1〜6アミノアルキルまたは置換C1〜6アミノアルキルから成る群から独立して選択され、たとえば水素であり、Rは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたは置換C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシル、置換C1〜6アルコキシル、アシル、置換アシル、C1〜6アミノアルキルまたは置換C1〜6アミノアルキルから成る群から選択され、たとえば水素である。
【0114】
いくつかの実施形態では、R4*およびR2*は、ともに、ビラジカルC(R)−O−C(R)−O−を示し、R、R、R、およびRは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたは置換C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシル、置換C1〜6アルコキシル、アシル、置換アシル、C1〜6アミノアルキルまたは置換C1〜6アミノアルキルから成る群から独立して選択され、たとえば水素である。
【0115】
いくつかの実施形態では、R4*およびR2*は、ビラジカル−CH(Z)−O−を形成し、Zは、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、置換C1〜6アルキル、置換C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルキニル、アシル、置換アシル、置換アミド、チオール、または置換チオから成る群から選択され;それぞれの置換基は、独立して、ハロゲン、オキソ、ヒドロキシル、OJ、NJSJ、N、OC(=X)J、OC(=X)NJ、NJC(=X)NJ、およびCNから独立して選択される保護置換基の群で所望によりモノまたはポリ置換され、J、J、およびJは、それぞれ、独立して、HまたはC1〜6アルキルであり、Xは、O、S、またはNJである。いくつかの実施形態では、Zは、C1〜6アルキルまたは置換C1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、Zは、メチルである。いくつかの実施形態では、Zは、置換C1〜6アルキルである。いくつかの実施形態では、前記置換基の群は、C1〜6アルコキシである。いくつかの実施形態では、Zは、CHOCH−である。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよい。そのような二環式ヌクレオチドは、米国特許第7,399,845号に開示されており、これは、その全体が参照によってこれによって組み込まれる。いくつかの実施形態では、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。いくつかの実施形態では、R1*、R、R3*は、水素であり、R、R5*の一方または両方は、上記にまたはWO2007/134181で言及されるように、水素以外のものであってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、R4*およびR2*は、ともに、ビラジカル−CHN(R)−から成るまたはそれを含むなど、架橋中に置換アミノ基を含むビラジカルを示し、Rは、C1〜12アルキルオキシである。いくつかの実施形態では、R4*およびR2*は、ともに、ビラジカル−Cq−NOR−を示し、qおよびqは、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたは置換C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシル、置換C1〜6アルコキシル、アシル、置換アシル、C1〜6アミノアルキルまたは置換C1〜6アミノアルキルから成る群から独立して選択され;置換基は、それぞれ、独立して、ハロゲン、OJ、SJ、NJ、COOJ、CN、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、またはN(H)C(=X=N(H)Jから独立して選択される置換基の群とモノまたはポリ置換され、Xは、OまたはSであり;JおよびJは、それぞれ、独立して、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アミノアルキル、または保護基である。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよい。そのような二環式ヌクレオチドは、WO2008/150729に開示されており、これは、その全体(entirity)が参照によってこれによって組み込まれる。いくつかの実施形態では、R1*、R、R、R、R5*は、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたは置換C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシル、置換C1〜6アルコキシル、アシル、置換アシル、C1〜6アミノアルキルまたは置換C1〜6アミノアルキルから成る群から独立して選択される。いくつかの実施形態では、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。いくつかの実施形態では、R1*、R、Rは、水素であり、R、R5*の一方または両方は、上記にまたはWO2007/134181で言及されるように、水素以外のものであってもよい。いくつかの実施形態では、R4*およびR2*は、ともに、ビラジカル(二価の基)C(R)−O−を示し、RおよびRは、それぞれ、独立して、ハロゲン、C1〜12アルキル、置換C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、置換C2〜12アルケニル、C2〜12アルキニル、置換C2〜12アルキニル、C1〜12アルコキシ、置換C1〜12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJ、もしくはN(H)C(=S)NJであり;またはRおよびRは、ともに、=C(q)(q)であり;qおよびqは、それぞれ、独立して、H、ハロゲン、C1〜12アルキル、または置換C1〜12アルキルであり;置換基は、それぞれ、独立して、ハロゲン、C1〜アルキル、置換C1〜アルキル、C2〜アルケニル、置換C2〜アルケニル、C2〜アルキニル、置換C2〜アルキニル、OJ、SJ、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)NJ、C(=O)J、O−C(=O)NJ、N(H)C(=O)NJ、またはN(H)C(=S)NJから独立して選択される置換基の群とモノまたはポリ置換され、JおよびJは、それぞれ、独立して、H、C1〜アルキル、置換C1〜アルキル、C2〜アルケニル、置換C2〜アルケニル、C2〜アルキニル、置換C2〜アルキニル、C1アミノアルキル、置換C1アミノアルキル、または保護基である。そのような化合物は、参照によってその全体がこれによって組み込まれるWO2009006478Aに開示されている。
【0117】
いくつかの実施形態では、R4*およびR2*は、ビラジカル−Q−を形成し、Qは、C(q)(q)C(q)(q)、C(q)=C(q)、C[=C(q)(q)]−C(q)(q)、またはC(q)(q)−C[=C(q)(q)]であり;q、q、q、qは、それぞれ、独立して、H、ハロゲン、C1〜12アルキル、置換C1〜12アルキル、C2〜12アルケニル、置換C1〜12アルコキシ、OJ、SJ、SOJ、SO、NJ、N、CN、C(=O)OJ、C(=O)−NJ、C(=O)J、−C(=O)NJ、N(H)C(=NH)NJ、N(H)C(=O)NJ、またはN(H)C(=S)NJであり;JおよびJは、それぞれ、独立して、H、C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニル、C1〜6アミノアルキル、または保護基であり;所望により、QがC(q)(q)(q)(q)であり、qまたはqの一方がCHである場合、qもしくはqの他方またはqおよびqの一方の少なくとも1つは、H以外のものである。いくつかの実施形態では、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよい。そのような二環式ヌクレオチドは、WO2008/154401に開示されており、これは、その全体が参照によってこれによって組み込まれる。いくつかの実施形態では、R1*、R、R、R、R5*は、水素、ハロゲン、C1〜6アルキル、置換C1〜6アルキル、C2〜6アルケニル、置換C2〜6アルケニル、C2〜6アルキニルまたは置換C2〜6アルキニル、C1〜6アルコキシル、置換C1〜6アルコキシル、アシル、置換アシル、C1〜6アミノアルキル、または置換C1〜6アミノアルキルから成る群から独立して選択される。いくつかの実施形態では、R1*、R、R、R、R5*は、水素である。いくつかの実施形態では、R1*、R、Rは、水素であり、R、R5*の一方または両方は、上記にまたはWO2007/134181もしくはWO2009/067647で言及されるように、水素以外のものであってもよい(アルファL−二環式核酸アナログ)。
【0118】
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴヌクレオチド化合物中で使用されるLNAは、好ましくは、一般式IIの構造を有する。
【0119】
【化3】

Yは、−O−、−CHO−、−S−、−NH−、N(R)、および/または−CH−から成る群から選択され;ZおよびZは、ヌクレオチド間連結、R、末端基、または保護基の中で独立して選択され;Bは、天然または非天然ヌクレオチド塩基部分(核酸塩基)を構成し、Rは、水素およびC1〜4−アルキルから選択され;R、R、R、およびRは、所望により、水素、所望により置換されるC1〜12−アルキル、所望により置換されるC2〜12−アルケニル、所望により置換されるC2〜12−アルキニル、ヒドロキシ、C1〜12−アルコキシ、C2〜12−アルコキシアルキル、C2〜12−アルケニルオキシ、カルボキシ、C1〜12−アルコキシカルボニル、C1〜12−アルキルカルボニル、ホルミル、アリール、アリールオキシ−カルボニル、アリールオキシ、アリールカルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ−カルボニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアリールカルボニル、アミノ、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノ、カルバモイル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)−アミノ−カルボニル、アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、モノおよびジ(C1〜6−アルキル)アミノ−C1〜6−アルキル−アミノカルボニル、C1〜6−アルキル−カルボニルアミノ、カルバミド、C1〜6−アルカノイルオキシ、スルホノ、C1〜6−アルキルスルホニルオキシ、ニトロ、アジド、スルファニル、C1〜6−アルキルチオ、ハロゲン、DNA干渉物質、光化学的活性基、熱化学的活性基、キレート基、リポーター基、ならびにリガンドから成る群から独立して選択され、アリールおよびヘテロアリールは、所望により、置換されてもよく、2つのジェミナルな置換基RおよびRは、ともに、所望により置換されるメチレン(=CH)を示してもよく;Rは、水素およびC1〜4−アルキルから選択される。いくつかの実施形態では、R、R、R、およびRは、所望により、水素およびC1〜6アルキルから成る群から独立して選択され、たとえばメチルである。すべてのキラル中心について、非対称性の基は、R配向またはS配向で存在していてもよく、たとえば、2つの例示的な立体化学異性体は、ベータ−Dおよびアルファ−Lアイソフォームを含み、これらは、以下のように示されてもよい。
【0120】
【化4】

【0121】
特定の例示的なLNA単位は、下記に示される。
【0122】
【化5−1】

【化5−2】

【0123】
用語「チオ−LNA」は、上記の一般式中のYがSまたは−CH−S−から選択されるロックドヌクレオチドを含む。チオ−LNAは、ベータ−Dおよびアルファ−L−立体配置の両方の立体配置をとることができる。
【0124】
用語「アミノ−LNA」は、上記の一般式中のYが−N(H)−、N(R)−、CH−N(H)−、および−CH−N(R)−から選択されるロックドヌクレオチドを含み、Rは、水素およびC1〜4−アルキルから選択される。アミノ−LNAは、ベータ−Dおよびアルファ−L−立体配置の両方の立体配置をとることができる。
【0125】
用語「オキシ−LNA」は、上記の一般式中のYが−O−を表すロックドヌクレオチドを含む。オキシ−LNAは、ベータ−Dおよびアルファ−L−立体配置の両方の立体配置をとることができる。
【0126】
用語「ENA」は、上記の一般式中のYが−CH−O−であるロックドヌクレオチドを含む(−CH−O−の酸素原子が塩基Bに関して2’位に結合される)。Rは、水素またはメチルである。
【0127】
いくつかの例示的な実施形態では、LNAは、ベータ−D−オキシ−LNA、アルファ−L−オキシ−LNA、ベータ−D−アミノ−LNA、およびベータ−D−チオ−LNA、特にベータ−D−オキシ−LNAから選択される。
【0128】
RNアーゼ動員
オリゴマー化合物は、翻訳の立体障害または他の方法によってなど、標的mRNAの非RNアーゼ媒介性の分解を介して機能してもよいことが認識されるが、本発明の好ましいオリゴマーは、RNアーゼHなどのエンドリボヌクレアーゼ(RNアーゼ)を動員することができる。
【0129】
オリゴマーまたは連続ヌクレオチド配列は、連続する7、8、9、10、11、12、13、14、15または16ヌクレオチドを含む、連続する少なくとも6、たとえば少なくとも7ヌクレオチド単位、たとえば連続する少なくとも8または少なくとも9ヌクレオチド単位(残基)の領域を含み、これは、相補的な標的RNAと共に二重鎖を形成した場合、RNアーゼを動員することができることが好ましい。RNアーゼを動員することができる連続配列は、本明細書で記載されるギャップマーと関連して言及される領域Bであってもよい。いくつかの実施形態では、領域Bなどの、RNアーゼを動員することができる連続配列のサイズは、より大きくてもよく、たとえば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20ヌクレオチド単位である。
【0130】
EP1222309は、RNアーゼHを動員するための能力を決定するために使用されてもよい、RNアーゼH活性を決定するためのインビトロ方法を提供する。オリゴマーは、相補的RNA標的と共に提供された場合に、それが、EP1222309の実施例91〜95によって提供される方法論を使用して、2’置換を有さず、オリゴヌクレオチド中のすべてのヌクレオチドの間にホスホロチオエート結合基を有する等価なDNAのみのオリゴヌクレオチドの少なくとも1%、たとえば少なくとも5%、たとえば少なくとも10%または20%未満のpmol/l/分で測定される初速度を有する場合、RNアーゼHを動員することができると見なされる。
【0131】
いくつかの実施形態では、オリゴマーは、相補的RNA標的およびRNアーゼHと共に提供された場合に、EP1222309の実施例91〜95によって提供される方法論を使用してpmol/l/分で測定されるRNアーゼH初速度が、2’置換を有さず、オリゴヌクレオチド中のすべてのヌクレオチドの間にホスホロチオエート結合基を有する等価なDNAのみのオリゴヌクレオチドを使用して決定される初速度の1%未満、たとえば5%未満、たとえば10%未満または20%未満である場合、RNアーゼHを本質的に動員することができないと見なされる。
【0132】
他の実施形態では、オリゴマーは、相補的RNA標的およびRNアーゼHと共に提供された場合に、EP1222309の実施例91〜95によって提供される方法論を使用してpmol/l/分で測定されるRNアーゼH初速度が、2’置換を有さず、オリゴヌクレオチド中のすべてのヌクレオチドの間にホスホロチオエート結合基を有する等価なDNAのみのオリゴヌクレオチドを使用して決定される初速度の少なくとも20%、たとえば少なくとも40%、たとえば少なくとも60%、たとえば少なくとも80%である場合、RNアーゼHを本質的に動員することができると見なされる。
【0133】
典型的に、相補的な標的RNAと共に二重鎖を形成した場合、RNアーゼを動員することができる、連続したヌクレオチド単位を形成するオリゴマーの領域は、RNA標的とDNA/RNA様の二重鎖を形成するヌクレオチド単位から成り、DNA単位およびアルファ−L立体配置をとり、アルファ−L−オキシLNAであることが特に好ましいLNA単位の両方を含む。
【0134】
本発明のオリゴマーは、ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体の両方を含むヌクレオチド配列を含んでいてもよく、ギャップマー、ヘッドマー(headmer)、またはミックスマー(mixmer)の形態をしていてもよい。
【0135】
ヘッドマーは、5’末端の非RNアーゼ動員ヌクレオチド類似体の連続ストレッチ、3’末端に向かってRNアーゼによって認識可能で、切断可能である、その後に続くDNAの連続ストレッチまたは修飾ヌクレオチド単位(たとえば、そのような少なくとも7ヌクレオチド)によって規定され、テイルマー(tailmer)は、5’末端の、RNアーゼによって認識可能で、切断可能である、DNAの連続ストレッチまたは修飾ヌクレオチド(たとえば、そのような少なくとも7ヌクレオチド)、その後に続く、3’末端に向かう、非RNアーゼ動員ヌクレオチド類似体の連続ストレッチによって規定される。ミックスマーとして言及される本発明による他のキメラは、RNアーゼによって認識可能で、切断可能である、DNAまたは修飾ヌクレオチドの代替の組成物および非RNアーゼ動員ヌクレオチド類似体から成る。いくつかのヌクレオチド類似体はまた、RNアーゼH結合および切断を媒介することができてもよい。α−L−LNAは、ある程度までRNアーゼH活性を動員するので、ギャップマーコンストラクトのための、RNアーゼHによって認識可能で、切断可能であるDNAまたは修飾ヌクレオチドのより小さなギャップが、必要とされてもよく、ミックスマーコンストラクションに、より多くの柔軟性が導入されてもよい。
【0136】
ギャップマー設計
好ましくは、本発明のオリゴマーは、ギャップマーである。ギャップマーオリゴマーは、本明細書で領域Bとして言及される、少なくとも6または7つのDNAヌクレオチドの領域などの、RNアーゼHなどのRNアーゼを動員することができるヌクレオチドの連続ストレッチを含むオリゴマーであり、領域Bは、RNアーゼ−を動員することができるヌクレオチドの連続ストレッチの5’および3’側に、1〜6つのヌクレオチド類似体などの親和性増強ヌクレオチド類似体の領域(これらの領域は、それぞれ領域AおよびCとして言及される)が5’および3’の両方に隣接する。
【0137】
好ましくは、ギャップマーは、式(5’〜3’)、A−B−Cまたは所望により、A−B−C−DもしくはD−A−B−Cの(ポリ)ヌクレオチド配列を含み、領域A(5’領域)は、LNA単位などの、1〜6つのヌクレオチド類似体などの、少なくとも1つのLNA単位などの、少なくとも1つのヌクレオチド類似体から成るまたはそれを含み;領域Bは、DNAヌクレオチドなどの、RNアーゼを動員することができる(mRNA標的などの相補的RNA分子と共に二重鎖を形成した場合)、少なくとも5つの連続したヌクレオチドから成るまたはそれを含み;領域C(3’領域)は、LNA単位などの、1〜6つのヌクレオチド類似体などの、少なくとも1つのLNA単位などの、少なくとも1つのヌクレオチド類似体から成るまたはそれを含み;領域Dは、存在する場合、DNAヌクレオチドなどの1、2または3つのヌクレオチド単位から成るまたはそれを含む。
【0138】
いくつかの実施形態では、領域Aは、3もしくは4つのLNA単位などの、3もしくは4つのヌクレオチド類似体などの、2〜5つのLNA単位などの、2〜5つのヌクレオチド類似体などの、LNA単位などの、1、2、3、4、5、もしくは6つのヌクレオチド類似体から成り;および/または領域Cは、3もしくは4つのLNA単位などの、3もしくは4つのヌクレオチド類似体などの、2〜5つのLNA単位などの、2〜5つのヌクレオチド類似体などの、LNA単位などの、1、2、3、4、5、もしくは6つのヌクレオチド類似体から成る。
【0139】
いくつかの実施形態では、Bは、RNアーゼを動員することができる、5、6、7、8、9、10、11、もしくは12個の連続したヌクレオチドまたは8つなどの6〜10個のもしくは7〜9つの、RNアーゼを動員することができる連続したヌクレオチドから成るまたはそれを含む。いくつかの実施形態では、領域Bは、1〜12個のDNA単位、好ましくは4〜12個のDNA単位、7〜10個のDNA単位などの、より好ましくは6〜10個のDNA単位、最も好ましくは8、9、または10個のDNA単位など、少なくとも1つのDNAヌクレオチド単位から成るまたはそれを含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、領域Aは、LNAなどの、3または4つのヌクレオチド類似体から成り、領域Bは、7、8、9、または10個のDNA単位から成り、領域Cは、LNAなどの、3または4つのヌクレオチド類似体から成る。そのような設計は、(A−B−C)3−10−3、3−10−4、4−10−3、3−9−3、3−9−4、4−9−3、3−8−3、3−8−4、4−8−3、3−7−3、3−7−4、4−7−3を含み、DNA単位などの、1または2ヌクレオチド単位を有していてもよい領域Dをさらに含んでいてもよい。
【0141】
さらなるギャップマー設計は、WO2004/046160に開示されており、参照によってこれによって組み込まれる。
【0142】
参照によってこれによって組み込まれる米国仮特許出願第60/977409号は、「ショートマー(shortmer)」ギャップマーオリゴマーに言及し、これは、いくつかの実施形態では、本発明によるギャップマーオリゴマーであってもよい。
【0143】
いくつかの実施形態では、オリゴマーは、合計10、11、12、13、または14ヌクレオチド単位の連続ヌクレオチド配列から成り、連続ヌクレオチド配列は、式(5’〜3’)、A−B−Cまたは所望により、A−B−C−DもしくはD−A−B−Cであり、Aは、LNA単位などの、1、2、または3つのヌクレオチド類似体単位から成り;Bは、相補的RNA分子(mRNAの標的など)と共に二重鎖を形成した場合、RNアーゼを動員することができる、7、8、または9つの連続ヌクレオチド単位から成り;Cは、LNA単位などの、1、2、または3つのヌクレオチド類似体単位から成る。存在する場合、Dは、単一のDNA単位から成る。
【0144】
いくつかの実施形態では、Aは、1つのLNA単位から成る。いくつかの実施形態では、Aは、2つのLNA単位から成る。いくつかの実施形態では、Aは、3つのLNA単位から成る。いくつかの実施形態では、Cは、1つのLNA単位から成る。いくつかの実施形態では、Cは、2つのLNA単位から成る。いくつかの実施形態では、Cは、3つのLNA単位から成る。いくつかの実施形態では、Bは、7つのヌクレオチド単位から成る。いくつかの実施形態では、Bは、8つのヌクレオチド単位から成る。いくつかの実施形態では、Bは、9つのヌクレオチド単位から成る。いくつかの実施形態では、Bは、2、3、4、5、6、7、または8つのDNA単位などの、1〜9つのDNA単位を含む。いくつかの実施形態では、Bは、DNA単位から成る。いくつかの実施形態では、Bは、アルファ−L−立体配置の2、3、4、5、6、7、8、または9つのLNA単位などの、アルファ−L立体配置をとっている、少なくとも1つのLNA単位を含む。いくつかの実施形態では、Bは、少なくとも1つのアルファ−L−オキシLNA単位を含み、アルファ−L−立体配置のLNA単位はすべて、アルファ−L−オキシLNA単位である。いくつかの実施形態では、A−B−Cで存在するヌクレオチドの数は、(ヌクレオチド類似体単位−領域B−ヌクレオチド類似体単位):1−8−1、1−8−2、2−8−1、2−8−2、3−8−3、2−8−3、3−8−2、4−8−1、4−8−2、1−8−4、2−8−4または;1−9−1、1−9−2、2−9−1、2−9−2、2−9−3、3−9−2、1−9−3、3−9−1、4−9−1、1−9−4または;1−10−1、1−10−2、2−10−1、2−10−2、1−10−3、3−10−1から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、A−B−Cのヌクレオチドの数は、2−7−1、1−7−2、2−7−2、3−7−3、2−7−3、3−7−2、3−7−4、および4−7−3から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、AおよびCの両方は、それぞれ、2つのLNA単位から成り、Bは、8つまたは9つのヌクレオチド単位、好ましくはDNA単位から成る。
【0145】
ヌクレオチド間連結
用語「連結基」または「ヌクレオチド間連結」は、2つのヌクレオチド、2つのヌクレオチド類似体、ならびに1つのヌクレオチドおよび1つのヌクレオチド類似体などをともに共有結合することができる基を意味するように意図される。特定の好ましい例は、リン酸基およびホスホロチオエート基を含む。
【0146】
本発明のオリゴマーのヌクレオチドまたはその連続ヌクレオチド配列は、連結基を介してともに連結される。好適には、それぞれのヌクレオチドは、連結基を介して3’の隣接するヌクレオチドに連結される。
【0147】
適したヌクレオチド間連結は、PCT/DK2006/000512内に列挙されるもの、たとえば、PCT/DK2006/000512(参照によって本明細書に組み込まれる)の34ページの第1節に列挙されるヌクレオチド間連結を含む。
【0148】
いくつかの実施形態では、その通常のホスホジエステルから、ホスホロチオエートまたはボラノリン酸−これらの2つはRNアーゼHによって切断可能であるなど、ヌクレアーゼ攻撃に対してより抵抗性であるものにヌクレオチド間連結を修飾すること、標的遺伝子の発現を低下させる際、アンチセンス阻害のその経路を可能にすることもまた好ましい。
【0149】
本明細書で提供される、適した硫黄(S)含有ヌクレオチド間連結が好ましくてもよい。ホスホロチオエートヌクレオチド間連結はまた、特に、ギャップマーのギャップ領域(B)についても好ましい。ホスホロチオエート結合はまた、フランキング領域に使用されてもよい(AおよびCならびにAまたはCをDに連結するためにならびに領域D内で、適切なように)。
【0150】
しかしながら、領域A、B、およびCは、特に、たとえば、領域AおよびCがLNAヌクレオチドを含む場合など、ヌクレオチド類似体の使用により、エンドヌクレアーゼ分解から領域AおよびC内のヌクレオチド間連結を保護する場合、ホスホジエステル連結などの、ホスホロチオエート以外のヌクレオチド間連結を含んでいてもよい。
【0151】
オリゴマー中のヌクレオチド間連結は、標的RNAのRNアーゼH切断を可能にするように、ホスホジエステル、ホスホロチオエート、またはボラノリン酸であってもよい。ホスホロチオエートは、改善されたヌクレアーゼ抵抗性および製造の容易性などの他の理由で好ましい。
【0152】
本発明のオリゴマーの一態様では、ヌクレオチドおよび/またはヌクレオチド類似体は、ホスホロチオエート基の手段によって互いに連結される。
【0153】
1または2つの連結などのホスホジエステル連結の、特に、ヌクレオチド類似体単位の間のまたはそれに隣接する、他の場合にはホスホロチオエートオリゴマーへの包含(典型的に領域AまたはC中)は、オリゴマーの生物学的利用率および/または体内分布を修飾することができることが認識される。参照によってこれによって組み込まれるWO2008/053314を参照されたい。
【0154】
上記に言及される実施形態などのいくつかの実施形態では、適しており、特に示されない場合、残りの連結基はすべて、ホスホジエステルもしくはホスホロチオエートまたはその混合物のいずれかである。
【0155】
いくつかの実施形態では、ヌクレオチド間連結基はすべて、ホスホロチオエートである。
【0156】
本明細書で提供されるものなどの、特異的なギャップマーオリゴヌクレオチド配列に対して言及する場合、様々な実施形態では、連結が、ホスホロチオエート結合である場合、本明細書で開示されるものなどの代替の連結が、使用されてもよい、たとえば、リン酸(ホスホジエステル)連結が、特に、LNA単位などのヌクレオチド類似体の間の連結について使用されてもよいことが理解されるであろう。同様に、本明細書で提供されるものなどの、特異的なギャップマーオリゴヌクレオチド配列に対して言及する場合、C残基が、様々な実施形態で、5’メチル修飾シトシンとして注釈をつけられる場合、オリゴマー中に存在する、1つまたは複数のCは、いくつかの実施形態では、非修飾C残基であってもよい。
【0157】
オリゴマー化合物
本発明のオリゴマーの配列は、たとえば、配列番号1〜262および264〜290から成る群から選択されてもよい。
【0158】
コンジュゲート
文脈中で、用語「コンジュゲート」は、本明細書で記載されるオリゴマーの、1つまたは複数の非ヌクレオチド部分または非ポリヌクレオチド部分への共有結合(「コンジュゲーション」)によって形成される異種分子を示すように意図される。非ヌクレオチド部分または非ポリヌクレオチド部分の例は、タンパク質、脂肪酸鎖、糖残基、糖タンパク質、ポリマー、またはその組み合わせなどの高分子作用物質を含む。典型的に、タンパク質は、標的タンパク質に対する抗体であってもよい。典型的なポリマーは、ポリエチレングリコールであってもよい。
【0159】
そのため、様々な実施形態では、本発明のオリゴマーは、典型的にヌクレオチドの連続配列から成るポリヌクレオチド領域およびさらなる非ヌクレオチド領域の両方を含んでいてもよい。連続ヌクレオチド配列から成る本発明のオリゴマーに対して言及する場合、化合物は、コンジュゲート成分などの非ヌクレオチド成分を含んでいてもよい。
【0160】
本発明の様々な実施形態では、オリゴマー化合物は、リガンド/コンジュゲートに連結され、これらは、たとえば、オリゴマー化合物の細胞の取り込みを増加させるために使用されてもよい。WO2007/031091は、適したリガンドおよびコンジュゲートを提供し、これは、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0161】
本発明はまた、本明細書で記載される、本発明による化合物を含むコンジュゲートおよび前記化合物に共有結合された少なくとも1つの非ヌクレオチド部分または非ポリヌクレオチド部分をも提供する。そのため、本発明の化合物が本明細書で開示される、明示される核酸またはヌクレオチド配列から成る様々な実施形態では、化合物はまた、前記化合物に共有結合される、少なくとも1つの非ヌクレオチド部分または非ポリヌクレオチド部分を含んでいてもよい(たとえば、1つまたは複数のヌクレオチドまたはヌクレオチド類似体を含まない)。
【0162】
コンジュゲーション(Conjugation)(コンジュゲート部分との)は、本発明のオリゴマーの活性、細胞の分布、または細胞の取り込みを増強してもよい。そのような部分は、抗体、ポリペプチド、コレステロール部分などの脂質部分、コール酸、チオエーテル、たとえばヘキシル−s−トリチルチオール、チオコレステロール、脂肪鎖、たとえばドデカンジオールまたはウンデシル残基、リン脂質、たとえばジ−ヘキサデシル−rac−グリセロールまたはトリエチルアンモニウム1,2−ジ−o−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−h−ホスホン酸、ポリアミンまたはポリエチレングリコール鎖、アダマンタン酢酸、パルミチル部分、オクタデシルアミンまたはヘキシルアミノ−カルボニル−オキシコレステロール部分を含むが、これらに限定されない。
【0163】
本発明のオリゴマーはまた、活性薬物質、たとえばアスピリン、イブプロフェン、サルファ薬、抗糖尿病薬、抗菌薬、または抗生物質にコンジュゲートされてもよい。
【0164】
ある実施形態では、コンジュゲート部分は、コレステロールなどのステロールである。
【0165】
様々な実施形態では、コンジュゲート部分は、たとえば、長さが3〜10個などの、2〜20個などの1〜50個のアミノ酸残基の正電荷ペプチドなどの正電荷ポリマーおよび/またはポリエチレングリコール(polyethylglycol)(PEG)もしくはポリプロピレングリコールなどのポリアルキレンオキシドを含むまたはそれから成る。参照によってこれによって組み込まれるWO2008/034123を参照されたい。好適には、ポリアルキレンオキシドなどの正電荷ポリマーは、WO2008/034123に記載される遊離可能なリンカー(inker)などのリンカーを介して本発明のオリゴマーに結合されてもよい。
【0166】
例として、以下のコンジュゲート部分は、本発明のコンジュゲート中に使用されてもよい。
【0167】
【化6】

【0168】
活性化オリゴマー
本明細書で使用される用語「活性化オリゴマー」は、1つまたは複数のコンジュゲート部分、つまりそれら自体、核酸またはモノマーでない部分へのオリゴマーの共有結合を可能にし、本明細書で記載されるコンジュゲートを形成する、少なくとも1つの機能部分に共有結合される(つまり機能性の)本発明のオリゴマーを指す。典型的に、機能部分は、たとえば3’−ヒドロキシル基またはアデニン塩基の環外のNH基を介してオリゴマーに共有結合することができる化学基、好ましくは親水性であるスペーサー、およびコンジュゲート部分に結合することができる末端基(たとえばアミノ基、スルフヒドリル基、またはヒドロキシル基)を含むであろう。いくつかの実施形態では、この末端基は、保護されない、たとえばNH基である。他の実施形態では、末端基は、たとえば、"Protective Groups in Organic Synthesis" by Theodora W Greene and Peter G M Wuts, 3rd edition (John Wiley & Sons, 1999)に記載されるものなどの任意の適した保護基によって保護される。適したヒドロキシル保護基の例は、酢酸エステルなどのエステル、ベンジル、ジフェニルメチル、またはトリフェニルメチルなどのアラルキル基、およびテトラヒドロピラニルを含む。適したアミノ保護基の例は、ベンジル、アルファ−メチルベンジル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシカルボニル、第三級ブトキシカルボニル、およびトリクロロアセチルまたはトリフルオロアセチルなどのアシル基を含む。いくつかの実施形態では、機能部分は、自己切断性である。他の実施形態では、機能部分は、生分解性である。たとえば、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第7,087,229号を参照されたい。
【0169】
いくつかの実施形態では、本発明のオリゴマーは、オリゴマーの5’末端とのコンジュゲート部分の共有結合を可能にするために5’末端で機能性である。他の実施形態では、本発明のオリゴマーは、3’末端で機能性となることができる。他の実施形態では、本発明のオリゴマーは、バックボーンに沿ってまたはヘテロ環式塩基部分上で機能性となることができる。他の実施形態では、本発明のオリゴマーは、5’末端、3’末端、バックボーン、および塩基から独立して選択される、1つを超える位置で機能性となることができる。
【0170】
いくつかの実施形態では、本発明の活性化オリゴマーは、機能部分に共有結合される、1つまたは複数のモノマーを合成の間に組み込むことによって合成される。他の実施形態では、本発明の活性化オリゴマーは、機能性でなかったモノマーと共に合成され、オリゴマーは、合成の完成に際して機能性となる。いくつかの実施形態では、オリゴマーは、アミノアルキルリンカーを含有するヒンダード(hindered)エステルと共に機能性となり、アルキル部分は、式(CHを有し、wは、1〜10の範囲の整数、好ましくは約6であり、アルキルアミノ基のアルキル部分は、直鎖または分枝鎖とすることができ、官能基は、エステル基(−O−C(O)−(CHNH)を介してオリゴマーに結合される。
【0171】
他の実施形態では、オリゴマーは、(CH−スルフヒドリル(SH)リンカーを含有するヒンダードエステルと共に機能性となり、wは、1〜10の範囲の整数、好ましくは約6であり、アルキルアミノ基のアルキル部分は、直鎖または分枝鎖とすることができ、官能基は、エステル基(−O−C(O)−(CHSH)を介してオリゴマーに結合される。
【0172】
いくつかの実施形態では、スルフヒドリル活性化オリゴヌクレオチドは、ポリエチレングリコールまたはペプチドなどのポリマー部分とコンジュゲートされる(ジスルフィド結合の形成を介して)。
【0173】
上記に記載されるヒンダードエステルを含有する活性化オリゴマーは、当技術分野で知られている任意の方法、特に、その全体が参照によって本明細書に組み込まれるPCT公開WO2008/034122に開示される方法およびその中の実施例によって合成することができる。
【0174】
他の実施形態では、本発明のオリゴマーは、実質的に米国特許第4,962,029号および第4,914,210号に記載される機能試薬、つまり、保護または非保護スルフヒドリル基、アミノ基、またはヒドロキシル基を含む反対の末端に親水性スペーサー鎖を通して連結される、一方の末端にホスホラミダイトを有する実質的に線状の試薬の手段によって、オリゴマーの中へスルフヒドリル基、アミノ基、またはヒドロキシル基を導入することによって機能性となる。そのような試薬は、主として、オリゴマーのヒドロキシル基と反応する。いくつかの実施形態では、そのような活性化オリゴマーは、オリゴマーの5’−ヒドロキシル基に結合される機能試薬を有する。他の実施形態では、活性化オリゴマーは、3’−ヒドロキシル基に結合される機能試薬を有する。他の実施形態では、本発明の活性化オリゴマーは、オリゴマーのバックボーン上のヒドロキシル基に結合される機能試薬を有する。さらなる実施形態では、本発明のオリゴマーは、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第4,962,029号および第4,914,210号に記載される、1つを超える機能試薬と共に機能性となる。そのような機能試薬を合成し、モノマーまたはオリゴマーの中へそれらを組み込むための方法は、米国特許第4,962,029号および第4,914,210号に開示される。
【0175】
いくつかの実施形態では、固相結合オリゴマーの5’末端は、ジエニルホスホラミダイト誘導体と共に機能性となり、脱保護オリゴマーと、ディールス−アルダー環化付加反応を介した、たとえばアミノ酸またはペプチドとのコンジュゲートが後に続く。
【0176】
様々な実施形態では、オリゴマーの中への、2’−カルバメート置換糖または2’−(O−ペンチル−N−フタルイミド)−デオキシリボース糖などの2’糖修飾を含有するモノマーの組み込みは、オリゴマーの糖とコンジュゲート部分の共有結合を促進する。他の実施形態では、1つまたは複数のモノマーの2’位にアミノ含有リンカーを有するオリゴマーは、たとえば5’−ジメトキシトリチル−2’−O−(e−フタルイミジルアミノペンチル)−2’−デオキシアデノシン−3’−−N,N−ジイソプロピル−シアノエトキシホスホラミダイトなどの試薬を使用して調製される。たとえばManoharan, et al., Tetrahedron Letters, 1991, 34, 7171を参照されたい。
【0177】
さらなる実施形態では、本発明のオリゴマーは、N6プリンアミノ基上、グアニンの環外N2上、またはシトシンのN4もしくは5位上を含む核酸塩基上にアミン含有機能部分を有していてもよい。様々な実施形態では、そのような機能化は、オリゴマー合成で既に機能性の市販の試薬を使用することによって達成されてもよい。
【0178】
いくつかの機能部分は、市販で入手可能であり、たとえば、ヘテロ二機能性およびホモ二機能性の連結部分は、Pierce Co.(Rockford, Ill.)から入手可能である。他の市販の連結基は、5’−アミノ−修飾因子C6および3’−アミノ−修飾因子試薬であり、共に、Glen Research Corporation(Sterling、Va.)から入手可能である。アミノ連結−2および3’−アミノ−修飾因子はまた、Clontech Laboratories Inc.(Palo Alto、Calif.)からも入手可能であるように、5’−アミノ−修飾因子C6はまた、ABI(Applied Biosystems Inc.、Foster City、Calif.)からも入手可能である。
【0179】
組成物
本発明のオリゴマーは、医薬製剤および医薬組成物で使用されてもよい。好適には、そのような組成物は、薬学的に許容できる希釈剤、担体、塩、またはアジュバントを含む。PCT/DK2006/000512は、適した、好ましい薬学的に許容できる希釈剤、担体、およびアジュバントを提供し、これらは、参照によってこれによって組み込まれる。適した投薬量、製剤、投与経路、組成物、剤形、他の治療剤との組み合わせ、プロドラッグ製剤もまた、参照によってこれによって組み込まれるPCT/DK2006/000512で提供される。
【0180】
適用
本発明のオリゴマーは、たとえば診断薬、治療薬、および予防法のための研究試薬として利用されてもよい。
【0181】
研究では、そのようなオリゴマーは、細胞および実験動物中でのmtGPAT1タンパク質の合成を特異的に阻害するために使用されてもよく(典型的に、mRNAを分解しまたは阻害し、それによってタンパク質形成を予防することによって)、それによって、標的の機能分析または治療的介入のための標的としてのその有用性の評価を促進する。
【0182】
診断薬では、オリゴマーは、ノーザンブロッティング、インサイツハイブリダイゼーション、または類似した技術によって、細胞および組織中のmtGPAT1発現を検出し、定量するために使用されてもよい。
【0183】
治療薬について、mtGPAT1の発現を調整することによって治療することができる疾患または障害を有する疑いがある動物またはヒトは、本発明に従ってオリゴマー化合物を投与することによって治療される。さらに、本発明のオリゴマーまたは組成物の1つまたは複数の治療有効量または予防有効量を投与することによって、mtGPAT1の発現と関連する疾患または状態を有する疑いがある、またはその傾向があるヒトを治療するなど、哺乳動物を治療するための方法が提供される。
【0184】
本発明はまた、本明細書で言及される障害を治療するための医薬の製造のためのまたは本明細書で言及される障害の治療の方法のための、記載される、本発明の化合物またはコンジュゲートの使用を提供する。
【0185】
本発明はまた、本明細書で言及される障害を治療するための方法であって、その必要性のある患者に、本明細書で記載される本発明による化合物および/または本発明によるコンジュゲートおよび/または本発明による医薬組成物を投与するステップを含む方法もまた提供する。
【0186】
医療適用
本発明によるオリゴマーおよび他の組成物は、mtGPAT1の突然変異バージョンの過剰発現または発現と関連する状態の治療に使用することができる。
【0187】
本発明は、本明細書で言及される疾患、障害、または状態を治療するための医薬の製造における本発明の化合物の使用をさらに提供する。
【0188】
概説するならば、本発明の一態様は、異常レベルのmtGPAT1と関連する状態に罹患している、またはそれにかかりやすい哺乳動物を治療するための方法であって、1つまたは複数のLNA単位を含む、mtGPAT1を標的とするオリゴマーの治療有効量を哺乳動物に投与するステップを含む方法に関する。
【0189】
本明細書で言及される疾患または障害は、いくつかの実施形態では、mtGPAT1遺伝子またはそのタンパク質産物がmtGPAT1と関連もしくは相互作用する遺伝子中の突然変異と関連していてもよい。そのため、いくつかの実施形態では、標的mRNAは、mtGPAT1配列の突然変異形態である。
【0190】
本発明の興味ある態様は、本明細書で言及される疾患、障害、または状態を治療するための医薬の調製のための、本明細書に記載のオリゴマー(化合物)および本明細書に記載のコンジュゲートの使用に関する。
【0191】
本発明の方法は、好ましくは、異常レベルのmtGPAT1によって引き起こされる疾患に対する治療または予防法のために利用される。
【0192】
その代わりとして述べると、いくつかの実施形態では、本発明は、異常レベルのmtGPAT1を治療するための方法であって、その必要性のある患者に、本発明のオリゴマーまたは本発明のコンジュゲートまたは本発明の医薬組成物を投与するステップを含む方法にさらに関する。
【0193】
本発明はまた、医薬として使用するための、本明細書に記載のオリゴマー、組成物、またはコンジュゲートにも関する。
【0194】
本発明は、異常レベルのmtGPAT1またはmtGPAT1の突然変異体形態(本明細書で言及される疾患の1つと関連するものなどの対立遺伝子変異体などの)の発現を治療するための医薬の製造のための、本明細書に記載の化合物、組成物、またはコンジュゲートの使用にさらに関する。
【0195】
さらに、本発明は、本明細書で言及されるものなどの疾患または状態に罹患している対象を治療するための方法に関する。
【0196】
治療を必要としている患者は、疾患または障害に罹患している、またはそれに罹患する可能性がある患者である。
【0197】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用される用語「治療」は、既存の疾患(たとえば本明細書で言及される疾患もしくは障害)の治療または疾患の予防、つまり予防法の両方を指す。そのため、本明細書で言及される治療は、いくつかの実施形態では、予防的であってもよいことが認識されるであろう。
【0198】
実施形態
本発明の以下の実施形態は、本明細書で記載される他の実施形態と組み合わせて使用されてもよい。
1.合計10〜30のヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列を含む、長さが10〜30のヌクレオチドのオリゴマーであって、前記連続ヌクレオチド配列は、配列番号263またはその天然の変異体などの哺乳動物mtGPAT1遺伝子またはmRNAの逆相補配列に対応する領域と少なくとも80%相同であるオリゴマー。
2.連続ヌクレオチド配列は、配列番号264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、および290のいずれかに対応する領域と少なくとも80%相同である、実施形態1に記載のオリゴマー。
3.連続ヌクレオチド配列は、配列番号263の対応する領域の逆相補配列とミスマッチを含まないまたは1つまたは2つ以下のミスマッチを含む、実施形態1または2に記載のオリゴマー。
4.オリゴマーのヌクレオチド配列は、連続ヌクレオチド配列から成る、実施形態1〜3のいずれか1つに記載のオリゴマー。
5.連続ヌクレオチド配列は、長さが10〜18個のヌクレオチドである、実施形態1〜4のいずれか1つに記載のオリゴマー。
6.連続ヌクレオチド配列は、ヌクレオチド類似体を含む、実施形態1〜5のいずれか1つに記載のオリゴマー。
7.連続ヌクレオチドは、配列番号1〜262のいずれか1つを含むかまたはそれから成る、実施形態1〜6のいずれか1つに記載のオリゴマー。
8.ヌクレオチド類似体は、ロックド核酸(LNA)単位;2’−O−アルキル−RNA単位、2’−OMe−RNA単位、2’−アミノ−DNA単位、および2’−フルオロ−DNA単位から成る群から選択される糖修飾ヌクレオチドなどの糖修飾ヌクレオチドである、実施形態6または7に記載のオリゴマー。
9.ヌクレオチド類似体は、LNAである、実施形態6または7に記載のオリゴマー。
10.ギャップマーである、実施形態6〜9のいずれか1つに記載のオリゴマー。
11.オリゴマーは、配列番号2、33、125、142、147、169、176、182、214、249、250、および254のいずれか1つである、実施形態1〜10のいずれか1つに記載のオリゴマー。
12.mtGPAT1遺伝子またはmRNAを発現している細胞中のmtGPAT1遺伝子またはmRNAの発現を阻害する、実施形態1〜11のいずれか1つに記載のオリゴマー。
13.実施形態1〜12のいずれか1つに記載のオリゴマーおよび前記オリゴマーに共有結合された少なくとも1つの非ヌクレオチド部分または非ポリヌクレオチド部分を含むコンジュゲート。
14.実施形態1〜12のいずれか1つに記載のオリゴマーまたは実施形態13に記載のコンジュゲートおよび薬学的に許容できる希釈剤、担体、塩、またはアジュバントを含む医薬組成物。
15.過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を治療するためなど、医薬として使用するための、実施形態1〜12のいずれか1つに記載のオリゴマーまたは実施形態13に記載のコンジュゲート。
16.過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を治療するための医薬の製造のための、実施形態1〜12のいずれか1つに記載のオリゴマーまたは実施形態13に記載のコンジュゲートの使用。
17.過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を治療するための方法であって、実施形態1〜12のいずれか1つに記載のオリゴマーまたは実施形態13に記載のコンジュゲートまたは請求項14に記載の医薬組成物を、過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)に罹患している、またはそれに罹患する可能性がある患者に投与するステップを含む方法。
18.mtGPAT1を発現している細胞中のmtGPAT1を阻害するための方法であって、前記細胞中のmtGPAT1を阻害するために、前記細胞に、実施形態1〜12のいずれか1つに記載のオリゴマーまたは実施形態13に記載のコンジュゲートを投与するステップを含む方法。
【実施例】
【0199】
LNAモノマーおよびオリゴヌクレオチドの合成は、PCT/EP2007/060703の実施例1および2で言及される方法論を使用して実行した。
【0200】
ヒトまたはラットの血漿中のLNAオリゴヌクレオチドの安定性は、PCT/EP2007/060703の実施例4で言及される方法論を使用して実行する。
【0201】
インビトロモデル;RNA抽出およびcDNA合成は、PCT/EP2007/060703の実施例7で言及される方法論を使用して実行する。
【0202】
PCT/EP2007/060703の上記に言及される実施例は、参照によって本明細書に明確に組み込まれる。
【0203】
[実施例1]
インビトロモデル:細胞培養
標的核酸発現に対するアンチセンス化合物の効果は、様々な細胞型のいずれかで試験することができ、ただし、標的核酸が測定可能なレベルで存在する。標的は、内因的にまたは前記核酸をコードする核酸の一過性のもしくは安定したトランスフェクションによって発現することができる。
【0204】
標的核酸の発現レベルは、常法に従って、たとえばノーザンブロット分析、定量PCR、リボヌクレアーゼ保護アッセイ(Ribonuclease protection assay)を使用して決定することができる。以下の細胞型は、例示的な目的のために提供されるが、他の細胞型を常法に従って使用することができ、ただし、標的が選ばれた細胞型中で発現される。
【0205】
細胞は、下記に記載される適切な培地中で培養し、95〜98%の湿度および5%のCOで37℃で維持した。細胞は、毎週2〜3回、常法に従って継代培養した。
【0206】
LTK−D2:マウス線維芽細胞細胞株LTK−D2は、ATCCから購入し、10%FBS+Glutamax I+非必須アミノ酸+ゲンタミシンを有するDMEM(Sigma)中で培養した。
【0207】
HuH7:ヒト肝細胞株HuH7は、ATCCから購入し、10%FBS+Glutamax I+非必須アミノ酸+ゲンタミシンを有するイーグルMEM(Sigma)中で培養した。
【0208】
[実施例2]
インビトロモデル:アンチセンスオリゴヌクレオチドを用いる処理
細胞培養およびトランスフェクション:HuH7またはLTK−D2の2.5×10または4×10細胞をそれぞれ、10%FBS、Glutamax I、およびゲンタミシンを補足した増殖培地中で、37℃(5%CO)で、6ウェルプレートのそれぞれのウェル中に接種した。細胞が60〜70%のコンフルエントとなったら、それらは、Lipofectamine 2000(5μg/ml)を使用し、異なる濃度のオリゴヌクレオチド(0.04〜25nM)を用いて、二通りでトランスフェクトした。トランスフェクションは、本質的にDean et al.(1994, JBC 269:16416-16424)に記載されるように実行した。手短に言えば、細胞は、OptiMEM中のLipofectamineと共に10分間インキュベートし、その後、ウェル当たり0.5mlトランスフェクションミックスの総容量までオリゴヌクレオチドを追加した。4時間後に、トランスフェクションミックスは除去し、細胞は、洗浄し、約20時間、37℃で成長させた(適切な増殖培地中でのmRNA分析およびタンパク質分析)。次いで、細胞は、タンパク質分析およびRNA分析のために採取した。
【0209】
[実施例3]
インビトロおよびインビボモデル:リアルタイムPCRによるmtGPAT1発現のオリゴヌクレオチド阻害の分析
mtGPAT1 mRNAレベルのリアルタイム定量PCR分析
治療サンプルおよび未治療サンプル中の相対的なマウスmtGPAT1 mRNAレベルを決定するために、生成したcDNAを、7500Fast PCRシステム(Applied Biosystems)を使用する定量PCR分析で使用した。
【0210】
mtGPAT1 mRNAの定量は、市販で入手可能なTaqManアッセイおよび試薬(Applied Biosystems)を使用して実行した。手短に述べると、4μlの第1のcDNA鎖(ヌクレアーゼなしの水中で15回希釈した)を、0.5μl 20×プライマープローブミックス(mtGPAT1またはGAPDH)を補足した6μl Taqman Fast Universal PCRマスターミックス(2×)(Applied Biosystems)に追加した。
【0211】
偽トランスフェクト細胞cDNA反応の2倍cDNA希釈シリーズは(サンプル中よりも2.5倍多い全RNAを使用)、増幅の線形範囲(Ct対相対的なコピー数)を確認するために標準として用いた。それぞれのサンプルは、PCRプログラムを使用して二通りで分析した:95℃、20秒間、その後に続く40サイクルの95℃、3秒間、60℃、30秒間。
【0212】
相対的な量のmtGPAT1 mRNAは、Sequence Detection Software(Applied Biosystems)を使用して、計算した閾値サイクルから決定した。
【0213】
分析の結果を図1に示す。データは、偽トランスフェクト細胞に対するダウンレギュレーションパーセンテージとして示す。転写定常状態は、リアルタイムPCRによってモニターし、GAPDH転写定常状態に標準化した。
【0214】
[実施例4]
インビボモデル;mtGPAT1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いる治療の後の実験動物での肝臓脂質含有量の分析
1つまたはいくつかのアンチセンスオリゴヌクレオチド分子をインビボ実験での評価のために選択することとする。選択プロセスは、それぞれの分子の1用量の後の、mtGPAT1 mRNAのダウンレギュレーションの点からのオリゴヌクレオチド分子についての選択の効率の初期のスクリーニング(スクリーニングの間の典型的なオリゴヌクレオチド濃度は5〜25mg/kgとする)を含むが、これに限定されず、その後に、1つまたはいくつかの選択したオリゴヌクレオチド分子に関する用量応答研究が続き、用量/週の濃度および数は、mtGPAT1 mRNAの効率的で安定したダウンレギュレーションおよびそれに関連する生物学的効果に対して可能性のある、用量の最も低い濃度および数を決定するために最適化される(以下を参照されたい)。
【0215】
動物実験は、これらに限定されないが、C57Bl/6J、NMRI、または他の脂質感受性のマウスなどの異なるマウス系統でのアンチセンスオリゴヌクレオチドの血管内注射または皮下注射で実行することとする。動物は、研究の期間、標準固形飼料もしくは高脂肪食で飼育することとする、または治療を始める前に高脂肪食で、次いで治療の期間の間、標準固形飼料で飼育することとする。動物のある群は、参照/対照として使用する食塩水を用いて治療することとする。
【0216】
実験の終了の後に、肝臓などの標的器官は、解剖し、液体窒素中で急速冷凍することとする。それぞれの組織の部分標本は、mtGPAT1 mRNAおよびタンパク質発現についてならびに他の関係のあるタンパク質の発現について分析することとする。脂質蓄積は、組織の脂質抽出物のHPTLC(高性能薄層クロマトグラフィー)分析によって評価することとする。脂質抽出物は、十分に確立された標準プロトコール(Blight Dyer脂質抽出)を使用して、実行することとする。脂質蓄積は、組織質量または組織タンパク質含有量に対して標準化した脂質含有量と共に、組織脂質抽出物中の中性脂質(トリアシルグリセロール、コレステロールエステル、および遊離コレステロール)の定量によって評価することとする。対照を上回るレベルの中性脂質の肝臓蓄積は、脂肪肝/肝臓脂肪症と考えられるであろう。肝臓脂質蓄積はまた、組織脂質含有量の評価のための十分に確立された技術である、組織切片のオイルレッドO染色によって確証することとする。
【0217】
[実施例5]
インビボモデル;mtGPAT1に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを用いる治療の後の実験動物での血漿脂質、リポタンパク質、および炎症マーカーの含有量の分析
これらの分析は、実施例4に概説されるものと同じ実験動物から収集するサンプル中で実行することとする。
【0218】
治療の間または実験の終了の後に、実験動物からの血漿または血清は、収集し、直接分析しまたはプロテアーゼ阻害剤のカクテルと混合し、分析まで−80℃で保存することとする。部分標本は、メーカーの指示に従って標準プロトコールを使用する比色酵素ベースの分析を使用して、総コレステロールおよび総トリグリセリド含有量について分析することとする(ABX Pentra、Horiba、France)。サンプルはまた、なおまたメーカーの指示に従って標準プロトコールを使用して、リポタンパク質脂質分布について分析することとする(Sebia、France)。
【0219】
組織中の脂質蓄積は、脂肪毒性の一部として言及されることが多いプロセスである炎症反応を始める可能性がある。血清/血漿への炎症誘発サイトカインの分泌の定量は、組織炎症のモニタリングの手段として使用することができる。実験動物からの血清または血漿中の炎症促進性サイトカインおよび抗炎症サイトカインのレベルは、メーカーの指示に従って標準プロトコールを使用するELISAまたはLuminix(Luminix)法によって分析することとする。サイトカイン分析は、TNF−α、IL−1β、IL−6、およびSAAの血漿または血清レベルの定量を含むこととする。
【0220】
[実施例6]
メスC57BL/6マウス中の肝臓mtGPAT mRNA発現のインビボダウンレギュレーション
肝臓mtGPAT mRNA発現に対する5つの異なるmtGPATアンチセンスオリゴマー、配列番号33、125、147、176、および249の効果を試験した。メスC57BL/6マウスに、9日目の実験の終了の前に15mg/kgでそれぞれの化合物を3回(0、3、および7日目)注射し、最後の注射の48時間後に注射した。肝臓mRNAは、単離し、mtGPAT1およびGAPDHについてのRT−PCRは、cDNA合成の後に実行した。図2中に示すデータは、食塩水を注射した対照動物中のmtGPAT1/GAPDH mRNAの濃度のパーセントとして、mtGPAT1/GAPDH mRNAの濃度として表現する。
【図1−A】

【図1−B】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
mtGPAT1 mRNAを発現している細胞中のmtGPAT1遺伝子またはmRNAの発現を阻害する、長さが10〜30のヌクレオチドの一本鎖オリゴマーであって、前記オリゴマーは、合計10〜30のヌクレオチドの連続ヌクレオチド配列を含み、前記連続ヌクレオチド配列は、配列番号263またはその天然の変異体などの哺乳動物mtGPAT1遺伝子またはmRNAの逆相補配列に対応する領域と少なくとも80%相同であるオリゴマー。
【請求項2】
連続ヌクレオチド配列は、配列番号264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、および290のいずれかに対応する領域と少なくとも80%相同である、請求項1に記載のオリゴマー。
【請求項3】
連続ヌクレオチド配列は、配列番号263の対応する領域の逆相補配列に対してミスマッチを含まないまたは1つまたは2つ以下のミスマッチを含む、請求項1または2に記載のオリゴマー。
【請求項4】
オリゴマーのヌクレオチド配列は、前記連続ヌクレオチド配列から成る、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項5】
連続ヌクレオチド配列は、長さが10〜18のヌクレオチドである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項6】
連続ヌクレオチド配列は、ヌクレオチド類似体を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項7】
連続ヌクレオチドは、配列番号1〜262のいずれか1つを含むまたはそれから成る、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項8】
ヌクレオチド類似体は、ロックド核酸(LNA)単位;2’−O−アルキル−RNA単位、2’−OMe−RNA単位、2’−アミノ−DNA単位、および2’−フルオロ−DNA単位から成る群から選択される糖修飾ヌクレオチドなどの糖修飾ヌクレオチドである、請求項6または7に記載のオリゴマー。
【請求項9】
ヌクレオチド類似体は、LNAである、請求項6または7に記載のオリゴマー。
【請求項10】
ギャップマーである、請求項6〜9のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項11】
オリゴマーは、配列番号2、33、125、142、147、169、176、182、214、249、250、および254のいずれか1つである、請求項1〜10のいずれか一項に記載のオリゴマー。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のオリゴマーおよび前記オリゴマーに共有結合された少なくとも1つの非ヌクレオチド部分または非ポリヌクレオチド部分を含むコンジュゲート。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載のオリゴマーまたは請求項13に記載のコンジュゲートおよび薬学的に許容できる希釈剤、担体、塩、またはアジュバントを含む医薬組成物。
【請求項14】
過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)の治療のためなど、医薬として使用するための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のオリゴマーまたは請求項12に記載のコンジュゲート。
【請求項15】
過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を治療するための医薬の製造のための、請求項1〜11のいずれか一項に記載のオリゴマーまたは請求項13に記載のコンジュゲートの使用。
【請求項16】
過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)を治療するための方法であって、請求項1〜11のいずれか一項に記載のオリゴマーまたは請求項12に記載のコンジュゲートまたは請求項13に記載の医薬組成物を、過体重、肥満症、脂肪肝、肝臓脂肪症、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、インスリン抵抗性、およびインスリン非依存性糖尿病(NIDDM)に罹患している、またはそれに罹患する可能性がある患者に投与するステップを含む方法。
【請求項17】
mtGPAT1を発現している細胞中のmtGPAT1を阻害するための方法であって、前記細胞中のmtGPAT1を阻害するために、前記細胞に、請求項1〜11のいずれか一項に記載のオリゴマーまたは請求項12に記載のコンジュゲートを投与するステップを含む方法。

【図2】
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【公表番号】特表2011−526482(P2011−526482A)
【公表日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515374(P2011−515374)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/057907
【国際公開番号】WO2010/000656
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(504013269)サンタリス ファーマ アー/エス (29)
【氏名又は名称原語表記】SANTARIS PHARMA A/S
【Fターム(参考)】