説明

ミルク飲用容器

【課題】本発明は、極めて商品価値の高い画期的なミルク飲用容器を提供することを目的とする。
【解決手段】口部1を有する容器本体2と、この容器本体2の前記口部1に装着されるキャップ3とから成る容器であって、前記キャップ3の内部には粉末状,液状若しくは固形状のミルク材Xを収納する収納部6が設けられ、前記口部1に装着された前記キャップ3の外し方向への移動の際、前記収納部6が開放される収納部開放機構を具備したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば乳児がミルクを飲む際に使用するミルク飲用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば乳児に飲ませるミルクは、飲む直前に哺乳瓶にお湯と粉末状のミルク材を入れ、混ぜて作る。
【0003】
これは、ミルクを温かい適温で飲ませたいのは勿論、お湯(水)と混ぜた状態で時間が経つと酸化して味が落ちたり、品質が劣化したりするからである。
【0004】
ところで、実際、ミルクを作る場合は、哺乳瓶にお湯を入れるとともに、別途用意したスティック状の袋や缶に入った粉末状のミルク材を入れ、キャップを閉めて哺乳瓶を振って混ぜてミルクを作ることになるが、この作業は非常に厄介であり、特に屋外などの外出先でミルクを作ろうとする場合は一層厄介となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者は、前述した問題点に着目し、種々の研究・開発を進めた結果、極めて商品価値の高い画期的なミルク飲用容器を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
口部1を有する容器本体2と、この容器本体2の前記口部1に装着されるキャップ3とから成る容器であって、前記キャップ3の内部には粉末状,液状若しくは固形状のミルク材Xを収納する収納部6が設けられ、前記口部1に装着された前記キャップ3の外し方向への移動の際、前記収納部6が開放される収納部開放機構を具備し、また、前記口部1には前記キャップ3が装着されるキャップ装着部1Aが設けられ、更に、前記口部1にして前記キャップ3より先端側部位には、人工乳首11を装着する人工乳首装着部1Bが設けられていることを特徴とするミルク飲用容器に係るものである。
【0008】
また、請求項1記載のミルク飲用容器において、前記人工乳首装着部1Bは、前記キャップ装着部1Aよりも径小に設けられ、前記キャップ装着部1Aは、前記口部1に前記キャップ本体4を螺着するための螺旋凸条1aを設けて構成され、前記人工乳首装着部1Bは、前記口部1に前記人工乳首11を設けたキャップ12を螺着するための螺旋凸条1bを設けて構成され、前記キャップ装着部1Aの前記螺旋凸条1aの長さよりも前記人工乳首装着部1Bの前記螺旋凸条1bの長さが短く設定されていることを特徴とするミルク飲用容器に係るものである。
【0009】
また、請求項1,2いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記キャップ3は、前記口部1に着脱自在に装着されるキャップ本体4と、前記キャップ本体4内にスライド移動自在に配設され且つ前記口部1に着脱自在に装着される内体5とで構成され、前記キャップ本体4の内部に前記収納部6が設けられ、また、前記内体5には前記収納部6の開口部6aを閉塞する閉塞部7が設けられ、前記内体5に対して前記キャップ本体4をスライド移動させた際、前記閉塞部7により閉塞されている前記開口部6aが開放される構成であり、前記内体5には、前記口部1に形成された被係止部9と係止する係止部8が設けられ、前記口部1に装着された前記キャップ本体4の外し方向への初期移動の際、前記係止部8及び前記被係止部9の係止作用により、前記キャップ本体4とともに前記内体5が外し方向へ移動することが阻止されるように構成されていることを特徴とする特徴とするミルク飲用容器に係るものである。
【0010】
また、請求項3記載のミルク飲用容器において、前記口部1に装着された前記キャップ本体4を外し方向へ移動させた際、前記初期移動以降においては、前記係止作用が解除されるように構成されていることを特徴とするミルク飲用容器に係るものである。
【0011】
また、請求項3,4いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記キャップ本体4は前記口部1に被嵌され、また、前記キャップ本体4の内面部には凸部4dが設けられており、前記被係止部9と前記係止部8との係止作用の解除は、前記キャップ本体4の前記凸部4dが前記係止部8と係止し、外し方向に前記内体5が引動されることで行われることを特徴とするミルク飲用容器に係るものである。
【0012】
また、請求項3〜5いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記内体5は胴部5Aと該胴部5A上縁に設けられた前記係止部8とで構成され、前記胴部5Aは、前記口部1内に嵌挿され、前記係止部8は前記口部1の開口上縁にして前記人工乳首装着部1Bに被嵌装着されることを特徴とするミルク飲用容器に係るものである。
【0013】
また、請求項6記載のミルク飲用容器において、前記人工乳首装着部1Bに前記係止部8を被嵌装着した際、この係止部8の外面部が前記キャップ装着部1Aの外面部に対して没入状態となるように前記人工乳首装着部1Bの径が設定されていることを特徴とするミルク飲用容器に係るものである。
【0014】
また、請求項5〜7いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記係止部8の外面部には前記キャップ本体4の凸部4dと係止する凸部8dが設けられていることを特徴とするミルク飲用容器に係るものである。
【0015】
また、請求項1〜8いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記容器本体2として電子レンジでの加熱に耐え得る耐熱性の容器本体2を採用したことを特徴とするミルク飲用容器に係るものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明は上述のように構成したから、キャップを開けるという簡単な操作でこのキャップに収納された適量のミルク材を容器本体内に入れることができ、従って、ミルクを簡単に作ることが可能となり、よって、乳児にミルクを飲ませることができるなど、極めて商品価値の高い画期的なミルク飲用容器となる。

【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施例を示す正面図である。
【図2】本実施例に係る要部を説明する断面図である。
【図3】本実施例に係る要部の分解斜視図である。
【図4】本実施例に係る要部を説明する断面図である。
【図5】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図6】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図7】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図8】本実施例の使用状態説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0019】
例えば口部1に装着されたキャップ3を外し方向へ移動させて収納部6が開放されると、ミルク材Xが容器本体2内に入る。この状態で例えば容器本体2を振って該容器本体2内のお湯とミルク材Xとを混ぜてミルクを作る。
【0020】
従って、キャップ3を外す方向へ移動させる操作を行うだけで収納部6が開放され、このキャップ3に収納されたミルク材Xを簡単に容器本体2内に入れることができる。
【0021】
ところで、本発明は、口部1にしてキャップ3が装着されるキャップ装着部1Aより先端側部位には、人工乳首11を装着する人工乳首装着部1Bが設けられている。
【0022】
従って、ミルクを作った後にキャップ3を外し、人工乳首11を口部1に装着し、容器本体2内の出来たてのミルクを乳児に飲ませることができる。
【実施例】
【0023】
本発明の具体的な一実施例について図面に基づいて説明する。
【0024】
本実施例は、口部1を有する容器本体2と、この容器本体2の口部1に装着されるキャップ3とから成るものである。尚、本実施例では、キャップ3に粉末状のミルク材Xを収納し、容器本体2に入れた水を電子レンジなどで加熱してお湯とし、この双方を混ぜることでミルクを作るものであるが、ミルク材Xとしては粉末状に限らず液状や固形状でも良く、本実施例の特性を発揮するものであれば適宜採用し得るものである。
【0025】
具体的には、容器本体2は、図1,2に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で成形した縦長ボトル形状体(所謂ペットボトル)であり、電子レンジでの加熱に耐え得る耐熱性を有するものである。尚、容器本体2は耐熱性を有するものであればガラス製でも金属製でも良い。
【0026】
また、容器本体2の上部には、径大部1A’と該径大部1A’の上部に段部を介して連続する径小部1B’とから成る円筒状の口部1が設けられ、この口部1に係る径大部1A’には後述するキャップ3を装着するキャップ装着部1Aが設けられている。
【0027】
このキャップ装着部1Aは、口部1に係る径大部1A’の外周面に後述するキャップ本体4が螺合する螺旋凸条1aを形成して構成されている。尚、口部1に対するキャップ本体4の装着構造は螺子構造に限らず引き抜き自在な押し込み装着構造でも良い。
【0028】
また、口部1は、螺旋凸条1aの上方位置(径大部1A’と径小部1B’との間の位置)に後述する内体5に設けられる係止部8が係止する被係止部9(係止凹溝)が形成されている。
【0029】
また、口部1は、前述したキャップ装着部1A(被係止部9)よりも上方部位に径小部1B’が設けられ、この径小部1B’には、後述する人工乳首11を設けたキャップ12を装着する人工乳首装着部1Bが設けられている。
【0030】
この人工乳首装着部1Bは、口部1の径小部1B’の外周面にキャップ12が螺合する螺旋凸条1bを形成して構成され、キャップ装着部1Aよりも径小に設けられ、後述する係止部8を被嵌装着した際、該係止部8の外面部がキャップ装着部1Aの外面部と没入状態(若しくは面一状態)となる径に設定されている。
【0031】
また、この人工乳首装着部1Bに係る螺旋凸条1bは、キャップ装着部1Aに係る螺旋凸条1aよりも短く設定されており、少ない螺動により装着し得る所謂クイックスクリュー構造として構成されている。
【0032】
このクイックスクリュー構造は、人工乳首11を設けたキャップ12に一般的に採用されており、よって、キャップ12を迅速に装着することができる。
【0033】
キャップ3は、口部1に被嵌状態で装着するキャップ本体4と、このキャップ本体4内に相対スライド移動自在に配設され且つ口部1に装着される内体5とで構成されている。
【0034】
キャップ本体4は、図3,4に図示したように適宜な耐熱性を有する合成樹脂製の部材で成形した有天筒状体であり、天壁部4aから垂下する側壁部4bの下側内周面には口部1の螺旋凸条1aと螺合する螺旋凸条4cが形成され、キャップ本体4は、口部1に対して着脱自在に螺着することになる。
【0035】
また、このキャップ本体4の内面中央位置には筒状の収納部6が突出形成されている。
【0036】
この収納部6は、粉末状,液状若しくは固形状のミルク材Xを収納する部位であり、下端部に開口部6aを有する。
【0037】
また、収納部6の内底部の角部はR形状に形成されており、ミルク材Xが粉末状の場合には、この部分でミルク材Xが固まらず良好に落ちることになる。この点は実験により確認済み。
【0038】
また、キャップ本体4は、側壁部4bの内周面にして前述した螺旋凸条4cの上方位置に凸部4dが周方向に囲繞状態に設けられ、この凸部4dはキャップ本体4を外し方向に移動させた際に後述する係止部8に係止する部位である。
【0039】
符号3aは滑り止め部である。
【0040】
内体5は、図3,4に図示したように適宜な耐熱性を有する合成樹脂製の部材で成形した有底筒状体であり、胴部5Aは、容器本体2の口部1内に嵌挿でき、且つ、キャップ本体4内に配され収納部6に被嵌し得る径に設定されている。
【0041】
また、内体5は、キャップ本体4内に配する際、胴部5Aに設けた後述する係止部8(凸部8d)がキャップ本体4の凸部4dを乗り越えるようにして圧入挿入され、凸部4dを乗り越えた位置で抜け止め係止状態となり、また、係止部8は凸部8dが係止する凸部4d位置からキャップ本体4の側壁部4bに設けた段部4b’までの位置においてスライド自在となる。
【0042】
従って、内体5は、凸部8dが係止する凸部4d位置からキャップ本体4の側壁部4bに係る段部4b’までの範囲でキャップ本体4に対して相対スライド移動自在となる。
【0043】
また、内体5の底部内面は円錐状に突出形成されており、この円錐状部は、内体5を収納部6に被嵌した際、収納部6に圧入嵌合させて開口部6aを閉塞する閉塞部7として構成されている。
【0044】
従って、収納部6は閉塞部7により閉塞されて密閉状態となる。
【0045】
この収納部6にミルク材Xを収納する場合には、キャップ本体4を逆さ状態として開口部6aからミルク材Xを収納し、この状態で内体5をキャップ本体4内に配して収納部6aの開口部6aを閉塞部7で閉塞する。
【0046】
また、内体5の下方位置にして胴部5Aの周囲には窓部5aが形成されており、収納部6に対する閉塞部7の嵌合状態を解除して開口部6aを開口状態とした際、この窓部5aにより収納部6の内空間と内体5の外空間とを連通状態となる。
【0047】
従って、キャップ本体4に対して内体5をスライド移動させた際、閉塞部7により閉塞されている収納部6が開放され(収納部開放機構)、収納部6に詰入したミルク材Xが外部に排出されることになる。
【0048】
また、内体5には口部1に設けた被係止部9(係止凹溝)に係止する係止部8が設けられている。
【0049】
この係止部8は、胴部5Aの上部開口部を外側に折り返し状態に設けた形状であり、具体的には、水平方向に突出する鍔状部8aと、この鍔状部8aの先端に垂設する垂設部8bとから成り、この係止部8は、口部1に内体5を嵌挿させた際、口部1の上部開口部にして人工乳首装着部1Bを隠蔽するように被嵌するように構成されている。
【0050】
また、この係止部8は、垂設部8bの下端内面に凸状部8cが設けられており、口部1の上部開口部に被嵌装着した際、この凸状部8cが口部1に設けた被係止部9(係止凹溝)に係止するように構成されている。
【0051】
従って、口部1に装着されたキャップ本体4の外し方向への初期移動の際、係止部8及び被係止部9の係止作用により、キャップ本体4とともに内体5が外し方向へ移動することが阻止される。
【0052】
また、係止部8に係る垂設部8bの外周面には凸部8dが周方向に囲繞状態に設けられており、この凸部8dは、口部1に装着されたキャップ本体4を外し方向へ移動させた際、初期移動以降においてキャップ本体4の凸部4dと係止して、被係止部9と係止部8との係止作用が解除されるように構成されている。
【0053】
具体的には、本実施例は、口部1に装着されたキャップ本体4を外し方向へ移動(螺動)させた際、キャップ本体4に対して内体5がスライド移動する範囲(凸部8dが係止する凸部4d位置からキャップ本体4の側壁部4bに係る段部4b’までの間)内を口部1に対してキャップ本体4が外れ方向に移動(螺動)している間は、係止部8が被係止部9から係脱しない係止力に設定されており、よって、被係止部9(係止凹溝)と係止部8(凸状部8c)との係止作用の解除は、キャップ本体4の凸部4dが係止部8の凸部8dと係止し、外し方向に内体5が引動されることで行われる。
【0054】
つまり、係止部8(凸状部8c)と被係止部9(係止凹溝)の係止力は、キャップ本体4の凸部4dに対する係止部8の凸部8d抜け止め係止力よりも弱く設定されており、よって、キャップ本体4を外し方向へ螺動させて凸部4dに対して係止部8の凸部8dが抜け止め係止した後もキャップ本体4を更に外し方向へ螺動させた際には、係止部8(凸状部8c)は被係止部9(係止凹溝)から係脱して内体5は口部1から外れ、キャップ本体4とともに口部1から完全に取り外し状態となる。
【0055】
尚、係止部8を凹状とし、被係止部9を凸状としても良い。
【0056】
人工乳首11は、図8に図示したように適宜な可撓性を有する合成樹脂製の部材で成形したものである。
【0057】
また、人工乳首11は、下端開口縁部に鍔部11aが形成されており、この鍔部11aは人工乳首11に後述するキャップ12を被嵌した際、キャップ12の内面に係止するように構成されている。
【0058】
キャップ12は、図8に図示したように適宜な合成樹脂製の部材で成形した環状体であり、人工乳首11に被嵌し得るように構成され、内面には人工乳首装着部1Bに螺着する螺旋凸条12aが形成されている。
【0059】
以上の構成から成る本実施例に係る容器における飲料の作り方について説明する。
【0060】
予め電子レンジで加熱して容器本体2内に適温のお湯を作っておき、例えば口部1(キャップ装着部1A)に装着されたキャップ本体4を外し方向へ螺動させる。尚、お湯はやかんや電気ポットなどで沸かしたお湯を容器本体2に入れても良い。
【0061】
具体的には、キャップ本体4の凸部4dが係止部8の凸部8dに係止する位置までキャップ本体4を螺動させると、内体5は口部1に残された状態(装着状態)のままキャップ本体4だけが上方へ移動し(これが初期移動である。)、この際、キャップ本体4に対して内体5がスライド移動した状態となり、閉塞部7により閉塞されている開口部6aが開放され、この開口部6aからミルク材Xが容器本体2内のお湯に落下する(図5,6参照)。
【0062】
この状態で例えば容器本体2を振って該容器本体2内の水とミルク材Xとを混ぜると、ミルクができる。
【0063】
その後、更にキャップ本体4を螺動させて口部1から外した際、係止部8の凸部8dに対する凸部4dの係止力が被係止部9(係止凹溝)に対する係止部8(凸状部8c)の係止力に勝り、内体5は口部1から係脱してキャップ本体4と一緒に口部1から外れる(図7参照)。
【0064】
この状態で、キャップ12を人工乳首装着部1Bに螺着して人工乳首11を装着する(図8参照)。
【0065】
本実施例は上述のように構成したから、キャップ3を開けるという簡単な操作でこのキャップ3に収納された適量のミルク材Xを容器本体2内に入れることができ、しかも、このミルク材Xを容器本体2内に入れて作った出来たてのミルクを飲むことができる。
【0066】
また、本実施例は、人工乳首装着部1Bは、キャップ装着部1Aよりも径小に設けられているから、キャップ12を装着する別構造の装着部(例えばアリ型などの特殊形状の螺旋凸条1b)を設けることができ、しかも、その構造上、人工乳首装着部1Bはキャップ3で覆われていることになるから極めて衛生的である。
【0067】
また、本実施例は、キャップ装着部1Aは、口部1にキャップ本体4を螺着するための螺旋凸条1aを設けて構成され、人工乳首装着部1Bは、口部1にキャップ12を螺着するための螺旋凸条1bを設けて構成され、キャップ装着部1Aの螺旋凸条1aの長さよりも人工乳首装着部1Bの螺旋凸条1bの長さが短く設定されているから、キャップ3の装着時には深くねじ込まれることになるから、例えば容器本体2内の液体の漏れを防止できるなど堅固な装着状態が得られ、一方、容器本体2の飲料を飲む際などのキャップ12を装着する際には浅くねじ込むことで装着が完了するから簡易且つ迅速に飲む状態が得られることになり、非常に機能的である。
【0068】
また、本実施例は、内体5には、口部1に形成された被係止部9と係止する係止部8が設けられ、口部1に装着されたキャップ本体4の外し方向への初期移動の際、係止部8及び被係止部9の係止作用により、キャップ本体4とともに内体5が外し方向へ移動することが阻止されるように構成されているから、このミルク材Xを容器本体2内に入れる為の作動が確実に実現されることになる。
【0069】
即ち、例えばキャップ本体4を外し方向へ移動させる際に内体5も口部1から外れてしまうのを防止するためであり、キャップ本体4の移動とともに内体5も移動すると開口部6aを開放することができない。仮に、この内体5の移動を阻止する構造として、口部1に装着される内体5の口部1との摩擦抵抗で行う構造とした場合、この部材同士の摩擦抵抗だけに頼る構造の為、極めて高精度な成形が要求され、よって、実際の製造においては不良品が多く発生してしまう。
【0070】
そこで、本実施例は、前述した係止部8及び被係止部9を具備することで、確実に内体5の移動を阻止することができ、前述したミルク材Xを容器本体2内に入れる為の作動が確実に実現されることになる。
【0071】
また、本実施例は、口部1に装着されたキャップ本体4を外し方向へ移動させた際、初期移動以降においては、係止作用が解除されるように構成されているから、より一層、ミルク材Xを容器本体2内に入れるようにする為の作動が確実に実現されることになる。
【0072】
また、本実施例は、キャップ本体4は口部1に被嵌され、内面部に凸部4dが設けられており、被係止部9と係止部8との係止作用の解除は、キャップ本体4の凸部4dが係止部8と係止し、外し方向に前記内体5が引動されることで行われるから、キャップ本体4を取り外すと同時に内体5の取り外しも実施されることになり、極めて操作性が良いことになる。
【0073】
また、本実施例は、内体5は胴部5Aと該胴部5A上縁に設けられた係止部8とで構成され、胴部5Aは、口部1内に嵌挿され、係止部8は口部1の開口上縁にして人工乳首装着部1Bに被嵌装着されるから、簡易構造で前述した作用効果が確実に得られることになる。
【0074】
また、本実施例は、人工乳首装着部1Bに係止部8を被嵌装着した際、該係止部8の外面部がキャップ装着部1Aの外面部と没入状態となるように人工乳首装着部1Bの径が設定されているから、この点においても簡易構造で前述した作用効果が確実に得られることになる。
【0075】
また、本実施例は、容器本体2として電子レンジでの加熱に耐え得る耐熱性の容器本体2を採用したから、例えば飲む直前に容器本体2内の水を電子レンジで温め、このお湯にキャップ3に収納されたミルク材Xを混ぜることで、温かい状態で飲む飲料(例えばミルクやお茶)が飲みたいタイミングで簡易且つ確実に得られることになり、しかも、直前にミルク材Xと液体を混ぜることで最もおいしいフレッシュな状態で得られることになる。
【0076】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0077】
X ミルク材
1 口部
1A キャップ装着部
1B 人工乳首装着部
1a 螺旋凸条
1b 螺旋凸条
2 容器本体
3 キャップ
4 キャップ本体
4d 凸部
5 内体
5A 胴部
6 収納部
6a 開口部
7 閉塞部
8 係止部
8d 凸部
9 被係止部
11 人工乳首
12 キャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部を有する容器本体と、この容器本体の前記口部に装着されるキャップとから成る容器であって、前記キャップの内部には粉末状,液状若しくは固形状のミルク材を収納する収納部が設けられ、前記口部に装着された前記キャップの外し方向への移動の際、前記収納部が開放される収納部開放機構を具備し、また、前記口部には前記キャップが装着されるキャップ装着部が設けられ、更に、前記口部にして前記キャップより先端側部位には、人工乳首を装着する人工乳首装着部が設けられていることを特徴とするミルク飲用容器。
【請求項2】
請求項1記載のミルク飲用容器において、前記人工乳首装着部は、前記キャップ装着部よりも径小に設けられ、前記キャップ装着部は、前記口部に前記キャップ本体を螺着するための螺旋凸条を設けて構成され、前記人工乳首装着部は、前記口部に前記人工乳首を設けたキャップを螺着するための螺旋凸条を設けて構成され、前記キャップ装着部の前記螺旋凸条の長さよりも前記人工乳首装着部の前記螺旋凸条の長さが短く設定されていることを特徴とするミルク飲用容器。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記キャップは、前記口部に着脱自在に装着されるキャップ本体と、前記キャップ本体内にスライド移動自在に配設され且つ前記口部に着脱自在に装着される内体とで構成され、前記キャップ本体の内部に前記収納部が設けられ、また、前記内体には前記収納部の開口部を閉塞する閉塞部が設けられ、前記内体に対して前記キャップ本体をスライド移動させた際、前記閉塞部により閉塞されている前記開口部が開放される構成であり、前記内体には、前記口部に形成された被係止部と係止する係止部が設けられ、前記口部に装着された前記キャップ本体の外し方向への初期移動の際、前記係止部及び前記被係止部の係止作用により、前記キャップ本体とともに前記内体が外し方向へ移動することが阻止されるように構成されていることを特徴とする特徴とするミルク飲用容器。
【請求項4】
請求項3記載のミルク飲用容器において、前記口部に装着された前記キャップ本体を外し方向へ移動させた際、前記初期移動以降においては、前記係止作用が解除されるように構成されていることを特徴とするミルク飲用容器。
【請求項5】
請求項3,4いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記キャップ本体は前記口部に被嵌され、また、前記キャップ本体の内面部には凸部が設けられており、前記被係止部と前記係止部との係止作用の解除は、前記キャップ本体の前記凸部が前記係止部と係止し、外し方向に前記内体が引動されることで行われることを特徴とするミルク飲用容器。
【請求項6】
請求項3〜5いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記内体は胴部と該胴部上縁に設けられた前記係止部とで構成され、前記胴部は、前記口部内に嵌挿され、前記係止部は前記口部の開口上縁にして前記人工乳首装着部に被嵌装着されることを特徴とするミルク飲用容器。
【請求項7】
請求項6記載のミルク飲用容器において、前記人工乳首装着部に前記係止部を被嵌装着した際、この係止部の外面部が前記キャップ装着部の外面部に対して没入状態となるように前記人工乳首装着部の径が設定されていることを特徴とするミルク飲用容器。
【請求項8】
請求項5〜7いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記係止部の外面部には前記キャップ本体の凸部と係止する凸部が設けられていることを特徴とするミルク飲用容器。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか1項に記載のミルク飲用容器において、前記容器本体として電子レンジでの加熱に耐え得る耐熱性の容器本体を採用したことを特徴とするミルク飲用容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−191965(P2012−191965A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55910(P2011−55910)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(395003567)株式会社 佐々木 (2)
【出願人】(511250323)株式会社唐津屋 (2)
【Fターム(参考)】