説明

メガネのバックミラー

【課題】 メガネの一部、例えばレンズまたはフレームに対して自由に取り付けたり取り外したりすることができるメガネのバックミラーを提供することを目的とする。
【解決手段】 メガネのレンズ1に着脱自在に取り付け可能であり、ミラー部11とミラー部11をレンズ1に固定する支持部材13と、前記ミラー部11と支持部材13を連結する連結部材12とからなるメガネのバックミラー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メガネを掛けた際に前方を向いた状態で後方を見る事ができるメガネのバックミラーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば特許文献1に記載の発明のように、メガネのレンズの左右端部付近に小さなバックミラーを設置する事によって、後方を見ることができるバックミラー付きメガネが提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−264705号公報
【0004】
前記特許文献1記載の発明は、ストーカーや痴漢から身を守るための防犯用品として発明されたものであり、メガネのレンズの左右端部付近に小さなバックミラーを直接蒸着や塗布によって形成し、またメガネのレンズに、フィルム状のミラーを貼り付けた構成よりなるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記発明によれば、小さなバックミラーをメガネのレンズの左右端部付近に直接蒸着や塗布によって形成したり、メガネのレンズにフィルム状のバックミラーを貼り付けたものであるため取り外すことはできず、バックミラーの不要な室内等ではバックミラーのあるメガネが不自然であった。その場合、必要に応じてバックミラーの付いていないメガネを掛けていた。また、またバックミラーの交換ができないため、バックミラーが傷んだりした場合には不便であった。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するもので、メガネの一部、例えばレンズまたはフレームに対して自由に取り付けたり取り外したりすることができるメガネのバックミラーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要旨とするところは、メガネの一部に着脱自在に取り付けることができるメガネのバックミラーである。
【0008】
また、本発明の要旨とするところは、メガネのレンズに着脱自在に取り付け可能であり、ミラー部とミラー部をレンズに固定する支持部材とからなるメガネのバックミラーである。
【0009】
また、本発明の要旨とするところは、メガネのレンズに着脱自在に取り付け可能であり、ミラー部とミラー部をレンズに固定する支持部材と、前記ミラー部と支持部材を連結する連結部材とからなるメガネのバックミラーである。
【0010】
また、本発明の要旨とするところは、裏面に貼付剤を構成し、この貼付剤によってメガネのレンズに着脱自在に貼付可能としたミラー部からなるメガネのバックミラーである。
【0011】
また、本発明の要旨とするところは、ミラー部と、ミラー部をメガネに固定する支持部材と、弾性部材からなり、前記支持部材は薄い板材によって構成され、ミラー部のミラー面と反対側に固定された取付体と、前記ミラー部と平行に配置した支持体と、前記取付体と支持体を連結する中間体とからなり、一方、先端に指掛け部を構成し、後端に固定部を構成した薄い板材からなる弾性部材を構成し、この弾性部材の中央部分を二つに折り曲げて、固定部を前記取付体に固定し、指掛け部を前記支持体の裏面に弾性力を有して当接させたことを特徴とするメガネのバックミラーである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明は、メガネのバックミラーがレンズに対して着脱自在であるから、時と場合に応じてバックミラーを取り付けたり取り外したりしてメガネを使用することができる。
【0013】
請求項2記載の発明は、ミラー部を支持部材によってレンズに固定したから、簡易かつ確実にメガネのバックミラーをレンズに着脱自在に取り付けることができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、ミラー部と支持部材を連結部材によって連結したから、厚いレンズに対しても簡易かつ確実にメガネのバックミラーを着脱自在に取り付けることができる。
【0015】
請求項4記載の発明は、メガネのバックミラーの構成が簡単であり、簡易にレンズに装着使用することができる。
【0016】
請求項5記載の発明は、メガネのバックミラーの構成を、支持部材の内部に取り付けた弾性部材の弾力によって簡易かつ確実にレンズに装着使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施形態1のメガネのバックミラーの使用状態を示すメガネの斜視図及びその一部拡大図
【図2】図1の一部拡大説明図
【図3】実施形態1のメガネのバックミラーの斜視図
【図4】実施形態2のメガネのバックミラーの一部切欠斜視図(A)と同平面図(B)
【図5】実施形態2のメガネのバックミラーの使用状態を示す説明図
【図6】実施形態3のメガネのバックミラーの斜視図
【図7】実施形態3のメガネのバックミラーの正面図
【図8】実施形態3のメガネのバックミラーの支持体を切欠いた正面図
【図9】実施形態3のメガネのバックミラーの平面図
【図10】実施形態3のメガネのバックミラーの使用状態を示す平面説明図
【図11】実施形態3のメガネのバックミラーの使用状態を示す説明図
【図12】実施形態4のメガネのバックミラーの使用状態を示す平面説明図
【図13】実施形態5のメガネのバックミラーの平面図
【図14】実施形態5のメガネのバックミラーの正面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1乃至図3は、本発明の実施形態1を表わすものである。
本実施形態は、メガネのバックミラー10をメガネのレンズ1の端部又はレンズのフレームに着脱自在に取り付けるものである。
【0019】
このバックミラー10は、ミラー部11と、ミラー部11をメガネに固定する支持部材13と、ミラー部11と支持部材13を連結する連結部材12からなる。
【0020】
前記ミラー部11は、表面にミラー面11aを構成してあり、前方の視界の妨げにならない大きさであり、本実施形態では、約1cm程度の大きさの方形である。材質はガラス又は金属又は合成樹脂などである。
このミラー部11は、図1、図2に示すように、レンズ1より外側に突出していないか、あるいはその突出が最低限に抑えられている。これは、ミラー部11がレンズ1より外側に突出すると、外部の障害物と衝突する恐れがあるから、その危険を避けるためである。
しかしミラー部11の大きさはこれに限定されず、上述した危険等の使用時の障害がなかったり、あるいはデザイン上の見地から、レンズやフレームから外側に突出した形状も採用できる。
【0021】
前記支持部材13は、ミラー部11と同等の大きさでミラー部11と平行に配置される支持体15と、この支持体15の端部に、支持体15と直交してレンズ1と略同一の幅を有する中間体14とで構成する。
支持体15の表面には、星、果実などの各種模様やファンシーなキャラクター16が印刷されていて、ファッション的な要素も有している。この模様やキャラクター16は、印刷によらずシールを貼りつけて表しても良い。
なお、前記中間体14は、レンズ1の厚さなどによっては必ずしも必要としない。例えばミラー部11と支持体15でレンズ1の両面を押圧して挟んで固定する、いわゆるクリップ式にすることもできる。
【0022】
前記連結部材12は、ミラー部11の端部と中間体14の端部を連結するもので、ミラー部11を中間体14に対して回動自在に連結している。
そして、連結部材12の内部にはバネが内蔵されていて、ミラー部11は常にレンズ1の表面側(図2の矢印A方向)に付勢されている。
【0023】
前記のミラー部11、連結部材12、中間体14、支持体15の形状、大きさ、材質あるいは、これらのレンズ1への取り付け位置などは本実施形態に限らず任意に決定できる。
例えば、支持体15をゴムのような弾性体で構成し、中間体14の幅をレンズ1の幅より狭くしておけば、連結部材12がなくても支持体15の弾性力と表面の摩擦力で、ミラー部11は安定してレンズ1に取り付けることができる。
また、ミラー部11と支持体15の形状をレンズ1の角の湾曲部の形状に合わせて丸みを持たせることもできる。さらにミラー面11aを平面のみならず、凹面、凸面とすることもできる。
【0024】
バックミラー10をメガネに取り付ける際に、レンズ1にキズがつくのを防ぐために、前記ミラー部11、中間体14、支持体15のレンズに接触する部分に予めクッション材をコーテイングするなどして、保護手段を形成することができる。
さらに、前記説明では、バックミラー10をレンズ1に直接取り付ける場合を説明したが、レンズ1にフレーム(図示せず)がある場合は、そのフレームとレンズに取り付けることになる。
また、バックミラー10は、レンズの一方あるいは両方に取り付けることができる。
【0025】
次に実施形態1の作用を説明する。
レンズ1の端部に外側から、ミラー部11がレンズ1の裏面(顔側)に来るようにバックミラー10を取り付ける。このとき、はじめにレンズ1の表面に支持体15を当てて、その後ミラー部11をレンズ1の裏面に当てれば、バックミラー10はレンズの端部に装着される(図2参照)。
また、このときミラー部11は、連結部材12のバネによってレンズ1の裏面を押すように付勢されているから、ミラー部11と支持体15でレンズ1の裏面と表面を押圧して挟むことになるため、バックミラー10はレンズ1に確実に取り付けることができるのである。
【0026】
この状態でメガネを掛ければ、ミラー部11が顔側にあるため、必要に応じてミラー部11のミラー面11aを見ることで、そこに写っている後方の風景や情景を見ることができる。
この場合、ミラー面11aが目に近い位置にあるため小型のミラー部11で後方の広い視野を捉えることができる。この場合必要に応じて顔を曲げることで視野の範囲を変更することができる。
【0027】
前記実施形態1によれば次の効果がある。
1.振り向かなくてもミラー部によって後方の情景が分かるため、後方から来る自転車との衝突や引ったくり等の被害を未然に防ぐことができ、歩行中も安心感がある。また、後ろの人から、メガネにバックミラーをつけていることが分からないというメリットもある。
2.自転車に乗っている場合でも、後方の自転車などとの事故を未然に防げる。
3.室内など、ミラー部が不要の場所では、バックミラーを簡単に取り外せて、通常のメガネとして使用できる。
4.バックミラーはレンズに対して着脱自在であるため、時と場所に応じて、バックミラーを装着したり外したりして、あるいは右と左のレンズに適宜交換することが簡単にでき、ファッションの一環として使用することもできる。
【0028】
本発明の実施形態2を説明する。
本実施形態のメガネのバックミラー20は、図4に示すようにシール状である。このミラー21部は、薄いガラス板又は金属板、あるいはフィルムなどの薄片に蒸着又は塗布などの方法で表面にミラー面21aが構成されている。
ミラー部21の裏面21bには、模様やキャラクター16を印刷すると共に、レンズ1に対して複数回にわたり貼り付けたり剥がしたりすることのできる公知の貼着剤(図示せず)が塗布されていて、その上に保護紙31が貼付されている。ミラー部21の大きさは、約1cm大きさの方形である。このミラー部21の形状、大きさは任意に決定できる。
【0029】
本実施形態の使用法は、保護紙31をはがして、ミラー部21の裏面21bをレンズ1の端部に内側から貼り付ける(図5参照)。
これによって、前記実施形態1と同様の作用、効果が生じる。本実施形態の場合も、実施形態1と同様レンズに何回も取付け取り外しが出来るうえ、実施形態1に比べて構成がより簡易であるため、手軽に使用できる。
【0030】
本発明の実施形態3を、図6乃至図11に基づいて説明する。
このバックミラー30は、ミラー部31と、ミラー部31をメガネに固定する支持部材33からなる。本実施形態において、ミラー部31や、バックミラー30の保護手段あるいはバックミラー30のレンズへの取り付け方法等、前記実施形態1と同様の部分は説明を省略する。
【0031】
前記支持部材33は薄い金属板によって構成され、ミラー部31のミラー面31aと反対側の面に固定した取付体36と、この取付体36と平行に配置した支持体35と、前記取付体36と支持体35の端部を連結するレンズ1と略同一の幅を有する中間体34とで構成されており、全体として平面視略コ字状である。
また、取付体36の表面を研磨したり、あるいはメッキを施すことによってミラー面と同一の効果が生じる場合は、ミラー部31を設けずに取付体36の表面をミラー面として使用することもできる。
【0032】
前記支持部材33の内部に弾性部材37が取り付けてある。
図示のように、この弾性部材37は先端に指掛け部37aを構成し、後端に固定部37bを構成した長方形状の薄い金属板からなり、その中央部分を二つに折り曲げて、中間体34側に向いた湾曲部37cを構成し、固定部37bを前記取付体36の表面に固定し、指掛け部37aを前記支持体35の裏面に当接させている。
このように、弾性部材37は、中央部分を二つに折り曲げたため、元に戻ろうとする復元力が生じ、この復元力(弾性力)によって指掛け部37aは、支持体35を図9の矢印B方向に押圧するのである。
【0033】
次に実施形態3の作用を説明する。
レンズ1の端部に外側から、ミラー部31がレンズ1の裏面(顔側)に来るようにバックミラー30を取り付ける。このとき、はじめに指掛け部37aを弾性力に抗して固定部37b側に指で押して、指掛け部37aと支持体35の間に間隙を作り、この間隙にレンズ1を挿入して装着する(図10参照)。
これによって、指掛け部37aと支持体35でレンズ1の裏面と表面を挟むことができ、かつ指掛け部37aの弾性力によってレンズ1を押圧した状態で挟むことができるため、バックミラー30はレンズ1に確実に装着されるのである。
【0034】
一方、このようにバックミラー30をレンズ1に取り付けると、指掛け部37aがレンズ1を押圧した反力が固定部37bに伝わり、その反力によって固定部37bがミラー部31を押圧し、ミラー部31は図10の矢印C方向に押されるのである。
そのためミラー部31は、図9の初期位置から、支持体35に対して起伏した状態となり、図10に示すレンズ1への装着時には、ミラー部31は両方のレンズ1,1の表面を結ぶ線H1と平行な線H2上に配置されることになる。このため、ミラー部31のミラー面31aには、後方の景色がよく映り、かつ視線によって良好に識別できるのである。なお、後方の景色が最も見やすいミラー部31の位置は、レンズ1の形状や大きさ等によって異なるため、弾性部材37を調整してミラー部31のレンズ1に対する取り付け位置を最も見やすい角度に変更できる。
上記に述べた以外の実施形態3の効果は、前記実施例1と同様のため説明を省略する。
【0035】
前記ミラー部31、中間体34、支持体35、弾性部材37の形状、大きさ、材質あるいは、これらのレンズ1への取り付け位置などは本実施形態に限らず任意に決定できる。
例えば、図12の実施形態4で示すように、弾性部材37をゴムあるいはスポンジのような弾性体39で構成し、支持体35の表面に取り付けることで、弾性部材37と同様の効果が生じるのである。
【0036】
本発明の実施形態5を、図13に基づいて説明する。
本実施形態のバックミラー40は、前記実施形態3の弾性部材37の取り付け位置を逆向きに変えたものである。そのため、実施形態3と同一の部分は同一の番号を付してその説明を省略する。
本実施形態において、弾性部材37の指掛け部37aの先端を中間体34側に向かって設け、中央部分の湾曲部37cを中間体34と反対側に向かって設けている。
このため、使用に際しては、レンズ1を指掛け部37aと支持体35の間に差し込んでいく。この場合指掛け部37aの弾性力に抗してレンズ1を挿入するため、比較的薄いレンズに適した実施形態である。
この実施形態によれば、指掛け部37aの先端が支持体35より突出しないため安全であるとともに、指掛け部37aを指で操作する必要もなく、操作が簡単となる。
そのほかの作用、効果は実施形態3と同様のため、説明を省略する。
【符号の説明】
【0037】
1 メガネのレンズ
10 メガネのバックミラー
11 ミラー部
11a ミラー面
12 連結部材
13 支持部材
14 中間体
15 支持体
20 メガネのバックミラー
21 ミラー部
21a ミラー面
30 メガネのバックミラー
31 ミラー部
31a ミラー面
32 連結部材
33 支持部材
34 中間体
35 支持体
36 取付体
37 弾性部材
37a 指掛け部
37b 固定部
37c 湾曲部
40 メガネのバックミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メガネの一部に着脱自在に取り付け可能なメガネのバックミラー。
【請求項2】
メガネのレンズに着脱自在に取り付け可能であり、ミラー部とミラー部をレンズに固定する支持部材とからなるメガネのバックミラー。
【請求項3】
メガネのレンズに着脱自在に取り付け可能であり、ミラー部とミラー部をレンズに固定する支持部材と、前記ミラー部と支持部材を連結する連結部材とからなるメガネのバックミラー。
【請求項4】
裏面に貼付剤を構成し、この貼付剤によってメガネのレンズに着脱自在に貼付可能としたミラー部からなるメガネのバックミラー。
【請求項5】
ミラー部と、ミラー部をメガネに固定する支持部材と、弾性部材からなり、前記支持部材は薄い板材によって構成され、ミラー部のミラー面と反対側に固定された取付体と、
前記ミラー部と平行に配置した支持体と、前記取付体と支持体を連結する中間体とからなり、
一方、先端に指掛け部を構成し、後端に固定部を構成した薄い板材からなる弾性部材を構成し、この弾性部材の中央部分を二つに折り曲げて、固定部を前記取付体に固定し、指掛け部を前記支持体の裏面に弾性力を有して当接させたことを特徴とするメガネのバックミラー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−133297(P2012−133297A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−290396(P2010−290396)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(510278852)
【出願人】(510278863)
【出願人】(510316545)
【Fターム(参考)】