説明

メソポーラスシリカ前駆体溶液、その製造方法及びメソポーラスシリカ

【課題】メソポーラスシリカの合成反応が安定しており、基材への塗布作業が容易なメソポーラスシリカ前駆体溶液、その製造方法及びこのメソポーラスシリカ前駆体溶液から得られるメソポーラスシリカを提供する。
【解決手段】水と界面活性剤とを混合し、アルコキシシランを加えた後、酸を加えて酸性とした溶液であって、界面活性剤と水との重量比が1:1〜1:5、界面活性剤とアルコキシシランとのモル比が1:1〜1:10であることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液である。このメソポーラスシリカ前駆体溶液は、アルコキシシランが加水分解し、メソポーラスシリカを生じる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メソポーラスシリカ前駆体溶液とその製造方法の改良及びこのメソポーラスシリカ前駆体溶液から得られるメソポーラスシリカに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、メソポーラスシリカと呼ばれる六角柱状の規則的な構造を有する多孔質シリカが広く知られている。このメソポーラスシリカは、2から50nmの大きさのほぼ均一な直径の細孔を有しており、例えば吸着剤その他多くの用途が期待される物質である。
【0003】
このメソポーラスシリカは、六角柱状・均一径の細孔が規則的に整列した構造を持つ多孔質体で、モービルオイルコーポレーションが1990年に出願した「合成多孔質結晶性物質、それの合成及び用途(特許第3403402号)」をはじめとして多数の出願がある。この物質はシリカ源となる化合物、有機溶剤、界面活性剤、水、触媒等から合成され、孔の径は界面活性剤の疎水基炭素数に依存するということが知られている。
【0004】
出発原料のうちシリカ源としてはアルコキシシラン、珪酸アルカリ、カネマイト等が使用されるが、アルコキシシランを使用する系では、界面活性剤としてカチオン系、ノニオン系が使用されている。有機溶媒としてはアルコール等のアルコキシシランとも水とも相溶性のあるものが使用されている。水はアルコキシシランの縮合反応に使用され、触媒は反応をコントロールするのに使用されている。縮合反応にはオートクレーブ等の圧力容器を使用して温度や圧力を調整するが、常温、常圧で反応させる場合もある。
【0005】
しかし、当該製法では酸またはアルカリ性の高圧蒸気に耐久性を持つオートクレーブが必要であり、そのうえ反応時間が48〜168時間と長いため、設備コスト・製造効率の面で多くの課題を抱えるものであった。近年ではこの点を改善する製法が開発され、例えば下記特許文献1には、常温・常圧条件下でしかも12〜24時間程度の短時間にメソポーラスシリカを合成可能な製法が発表されている。この方法はアルコキシシラン・カチオン系界面活性剤・水・アルコールの混合系に酸を反応開始剤として加えることにより、六方状に整列した界面活性剤の棒状ミセル(ヘキサゴナル液晶)周囲でゾル−ゲル反応を誘導し、膜状メソポーラスシリカを得るものである。
【0006】
また、下記特許文献2〜特許文献4にも、メソポーラスシリカ及びその製造方法が開示されている。
【特許文献1】特開2001−104744号公報
【特許文献2】特開2004−35368号公報
【特許文献3】特開2001−149735号公報
【特許文献4】特開2003−200016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の技術においては、メソポーラスシリカを合成する際に溶媒としてアルコール等の有機溶媒を使用するため、メソポーラスシリカ前駆体溶液が有機溶媒で希釈されて溶液の固形分濃度を高くすることができないという問題があった。
【0008】
例えば、無機繊維紙にこのメソポーラスシリカ前駆体溶液を塗工あるいは含浸してメソポーラスシリカ担持紙を作製する場合、溶液の固形分濃度が低いと1回の塗工あるいは含浸工程で多量のメソポーラスシリカを担持することはできないため、塗工回数を増すことにより対処する必要がある。例えば、特許文献3の第0044段落にも、目標の担持量になるまで含浸、乾燥を繰り返す方法が開示されている。
【0009】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、溶媒による希釈を必要とせず、固形分濃度の高い、塗工や含浸に適したメソポーラスシリカ前駆体溶液を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、アルコキシシラン、界面活性剤、水及び酸からなる溶液であって、前記界面活性剤と水との重量比が1:1〜1:5、前記界面活性剤と前記アルコキシシランとのモル比が1:1〜1:10であるメソポーラスシリカ前駆体溶液であることを特徴とする。
【0011】
上記構成によれば、無機繊維質ペーパーなどの基材に塗布した際に、少ない塗工回数でメソポーラスシリカの担持量を多くすることができ、かつ基材への塗布、含浸作業を容易に行うことができる。
【0012】
ここで、上記界面活性剤はノニオン系界面活性剤であるのが好適であり、特にポリエチレングリコール型界面活性剤であるのが好適である。
【0013】
これにより、ゾル−ゲル反応をゆっくり進行させることができ、均質な構造のメソポーラスシリカを得ることができる。
【0014】
また、上記界面活性剤の疎水基の炭素数は、10〜16であるのが好適であり、これに応じてメソポーラスシリカの細孔径は1.6〜2.3nm(BJH法)に変化する。さらに小さい径の細孔に調節する場合は、疎水基として直鎖または分岐アルキルフェニル基を有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤を使用するのがよい。これにより、界面活性剤の疎水基がさらに短くなるからである。
【0015】
また、本発明は、上記メソポーラスシリカ前駆体溶液から得られるメソポーラスシリカ及びこのメソポーラスシリカを担持した基材であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、メソポーラスシリカ前駆体溶液の製造方法であって、水と界面活性剤とを混合し、アルコキシシランを加えた後、酸を加えて溶液を酸性とすることを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、メソポーラスシリカ前駆体溶液の製造方法であって、アルコキシシランと界面活性剤とを混合したのち水を加え、さらに反応開始剤として酸を加えることを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、メソポーラスシリカ前駆体溶液の製造方法であって、アルコキシシランと界面活性剤とを混合したのち反応開始剤として酸を溶解した水を加えることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、メソポーラスシリカ前駆体溶液の製造方法であって、界面活性剤と酸を溶解した水を混合した後、アルコキシシランを加えることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という)について説明する。
【0021】
本発明では、アルコキシシラン、界面活性剤、水及び酸からなる溶液をメソポーラスシリカ前駆体溶液とすることを特徴としている。
【0022】
上記界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤が好適である。ノニオン系の界面活性剤を使用すると、カチオン系界面活性剤を使用する場合に比較してゾル−ゲル反応の速度が遅くなるという特徴がある。本発明者らはこの性質を利用して、ノニオン系界面活性剤を使用し、十分な撹拌を行っている状態で反応開始剤として酸を添加すると、アルコキシシランがゆっくりと加水分解し、これにより生成したアルコールによって、反応が終了した時にはシロキサンポリマー前駆体であるケイ酸と水と界面活性剤が相溶した液が得られることを解明した。この方法によれば、有機溶媒を使用しなくても均質な構造のメソポーラスシリカを得ることができる。一方、カチオン系界面活性剤を用いた場合に同様の操作を行うと、アルコキシシランが一気にゾル−ゲル反応するため、溶液が瞬時にゲル化して均質な細孔が得られないことがわかった。
【0023】
本発明にかかるメソポーラスシリカの生成機構としては、以下のように説明することができる。メソポーラスシリカ前駆体溶液中では、アルコキシシランがゆっくりと加水分解してエタノールとケイ酸アニオンを生じる。一方、ノニオン系界面活性剤の親水基部分は酸成分由来の水素イオンが酸素原子と水素結合することによって正に帯電しており、両者の電気的相互作用によってヘキサゴナル型に整列した棒状ミセルの外周にケイ酸アニオンが集合し、脱水縮重合反応を起こしてメソポーラスシリカ前駆体を形成する。このため、主として界面活性剤の疎水基が細孔径に、親水基部分が細孔壁の厚みに大きく影響する。
【0024】
上記のような生成機構によりメソポーラスシリカが生成するため、界面活性剤とアルコキシシランの配合比は細孔の形成状態を決定する重要な因子となる。種々検討の結果、親水基のエチレンオキシド数とSi数がほぼ等しいとき、すなわちEO/Si比≒1(mol/mol)となるよう溶液を配合したとき最もシャープな細孔分布曲線を有するメソポーラスシリカが得られることがわかった。
【0025】
また、アルコキシシランと水は相溶性がなく均質に混合できないこと、反応を均質に進行させるためには希釈が必要なこと、などの理由から、一般的には有機溶剤を使用する。しかし、有機溶剤を使用すると溶液の固形分濃度が低下するため基材に塗布してメソポーラスシリカを担持した基材を製造する場合、1回の操作で担持される量が少ないため、塗布、乾燥の工程を繰り返す必要があり生産効率の上で大きな問題点を有する。また、これらの工程を繰り返しても、ある一定以上は担持できなくなるという問題点もあった。しかし、本発明によれば、有機溶媒を使用しないで合成することができるため、本発明のメソポーラスシリカ前駆体溶液は基材への塗布、含浸に優れている。
【0026】
上記メソポーラスシリカ前駆体溶液においては、界面活性剤と水との重量比を1:1〜1:5、界面活性剤とアルコキシシランとのモル比を1:1〜1:10とするのが好適である。このような数値範囲とすることにより、溶媒による希釈を必要とせず、固形分濃度の高い、塗工や含浸に適したメソポーラスシリカ前駆体溶液を得ることができる。
【0027】
ケイ素源であるアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン等のテトラアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン及びジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン等の単量体またはこれらの多量体及びこれらの混合物が使用できる。
【0028】
本実施形態では、上記アルコキシシランを、水及び界面活性剤と混合し、十分に攪拌する。アルコキシシランは水や界面活性剤に均一に分散することができないので、上記攪拌した溶液は当初白濁した白色不透明な液となる。
【0029】
上記界面活性剤としては、上述したように、ノニオン系界面活性剤が好適であり、特にBrij型(ポリエチレングリコール型ノニオン系界面活性剤、一般式R(−OCHCH−)OH)が好適である。これは、均一かつ規則的に整列したメソ孔を生成するためには、ヘキサゴナル液晶を形成できる界面活性剤をテンプレートとして使用する必要があるからである。
【0030】
このような界面活性剤としては、ポリオキシエチレン(5)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)デシルエーテル、ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(8)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(10)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(13)セチルエーテル、ポリオキシエチレン(20)セチルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン(9)オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン(9)ノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等を使用できる。
【0031】
これらの物質において親水基であるポリオキシエチレン基の重合数は5〜20であることが好ましく、より好ましくは5〜13である。ポリオキシエチレン基の重合数が5より小さいと水に対する溶解性が低下するとともにヘキサゴナル液晶の形成が困難となり、また反対に20より大きくなるとメソポーラスシリカの細孔隔壁が著しく厚みを増して細孔容積と吸着容量が低下するためである。
【0032】
なお、上記界面活性剤中におけるアルキル基は、直鎖状でも分岐していてもよい。特に、直鎖アルキル基炭素数が10よりも短い疎水基を有する界面活性剤を使用すると、より細い細孔を有するメソポーラスシリカを得ることができ、好適である。直鎖アルキル基炭素数が10よりも短い疎水基を有する界面活性剤としては、例えば下記構造を有する分岐型ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等がある。
【0033】
【化1】

【0034】
また、直鎖アルキル基炭素数が10よりも短い疎水基を有する界面活性剤として、分岐型ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルも使用することができる。
【0035】
上記触媒として使用される酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、蟻酸、酢酸等の有機酸、またはこれらの混合物等を使用できる。これらの酸は、溶液のpHが7以下好ましくは5以下、より好ましくは4以下になるように添加する。
【0036】
次に、本実施形態にかかるメソポーラスシリカ前駆体溶液の製造方法について説明する。まず、水と界面活性剤とを混合し、この混合物にアルコキシシランを加えて攪拌した懸濁液の液温を所定の温度の恒温槽等で調整する。次に、懸濁液の攪拌を続けたまま、水で希釈した触媒を添加する。懸濁液は、触媒の作用によりアルコキシシランが加水分解されて透明な液体となる。懸濁液が透明になった後も攪拌を続ける。
【0037】
本発明では、ノニオン系界面活性剤を使用しており、前述したようにゾル−ゲル反応の反応速度が遅いので、十分に懸濁液を攪拌することにより、反応を均質に進行させることができる。この結果、均質な構造のメソポーラスシリカを得ることができる。なお、上記反応温度及び反応時間によりメソポーラスシリカの細孔分布を制御できる。
【0038】
以上に述べた本発明にかかるメソポーラスシリカ前駆体溶液を紙等の基材に塗布または含浸すると、徐々にゾル−ゲル反応が進行し、メソポーラスシリカの合成にある程度の時間を要するので、この間に塗布作業を終了させることができる。このため、基材への塗布または含浸作業を容易に行うことができる。基材へ塗布または含浸したメソポーラスシリカ前駆体溶液は、ゾルゲル反応の進行と共に、膜状のゲルに変化し、基材に癒着する。
【0039】
上記基材としては、繊維基紙、金属箔等が挙げられる。繊維基紙を構成する繊維としては、特に制限されず、Eガラス繊維、NCRガラス繊維、ARG繊維、ECG繊維、Sガラス繊維、Aガラス繊維などのガラス繊維やそのチョップドストランド、セラミック繊維、アルミナ繊維、ムライト繊維、シリカ繊維、ロックウール繊維、炭素繊維等の無機繊維及び有機繊維が挙げられる。有機繊維としては、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等を用いることができる。
【0040】
また、該無機繊維は、生体溶解性無機繊維であってもよい。本発明において生体溶解性無機繊維とは、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上である無機繊維を指す。更に詳細に説明すると、該生体溶解性無機繊維としては、例えば、特開2000−220037号公報、特開2002−68777号公報、特開2003−73926号公報、あるいは特開2003−212596号公報に記載されている無機繊維、すなわち、SiO及びCaOの合計含有量が85質量%以上であり、0.5〜3.0質量%のMgO及び2.0〜8.0質量%のPを含有し、かつドイツ危険物質規制による発癌性指数(KI値)が40以上である無機繊維、SiO、MgO及びTiOを必須成分とする無機繊維、SiO、MgO及び酸化マンガンを必須成分とする無機繊維、SiOを52〜72質量%、Al2O3 3質量%未満、MgO 0〜7質量%、CaO 7.5〜9.5質量%、Bを0〜12質量%、BaOを0〜4質量%、SrOを0〜3.5質量%、NaOを10〜20.5質量%、KOを0.5〜4.0質量%及びPを0〜5質量%を含む無機繊維が挙げられる。また、該生体溶解性無機繊維は、1種又は2種以上の組合わせのいずれでもよい。
【0041】
上記生体溶解性無機繊維は、表面に被覆層が形成されていてもよい。そして、表面に被覆層が形成されている生体溶解性無機繊維は、該被覆層が形成されている状態での、40℃における生理食塩水溶解率が1%以上である。
【0042】
このような無機繊維の40℃における生理食塩水溶解率が1%以上であることにより、該無機繊維が肺に吸収されても生体内で溶解され易い。一方、該無機繊維の40℃における生理食塩水溶解率が1%未満だと、該無機繊維が肺に吸収されても生体内で溶解し難いので、該無機繊維が肺に蓄積し、各種の呼吸器疾患を発生させる原因となることが懸念される。
【0043】
次に、無機繊維の生理食塩水溶解率の測定方法について説明する。先ず、無機繊維を200メッシュ以下に粉砕した試料1g及び生理食塩水150mlを三角フラスコ(300ml)に入れ、40℃のインキュベーターに設置する。次に、該三角フラスコに、毎分120回転の水平振盪を50時間継続して与える。振盪後、ろ過し、得られたろ液中に含有されているケイ素、マグネシウム、カルシウム及びアルミニウムについて、各元素の濃度(mg/L)を、ICP発光分析にて測定する。そして、各元素の濃度及び溶解前の無機繊維中の各元素の含有量(質量%)から、下記式(1)により、生理食塩水溶解率C(%)を算出する。なお、ICP発光分析により得られる各元素の濃度を、ケイ素元素の濃度:a1(mg/L)、マグネシウム元素の濃度:a2(mg/L)、カルシウム元素の濃度:a3(mg/L)及びアルミニウム元素の濃度a4(mg/L)とし、溶解前の無機繊維中の各元素の含有量を、ケイ素元素の含有量:b1(質量%)、マグネシウム元素の含有量:b2(質量%)、カルシウム元素の含有量:b3(質量%)及びアルミニウム元素の含有量:b4(質量%)とする。
C(%)={ろ液量(L)×(a1+a2+a3+a4)×100}/{溶解前の無機繊維の量(mg)×(b1+b2+b3+b4)/100} (1)
【0044】
また、上記繊維基紙は、該繊維基紙中の繊維間に、多数の空隙を有している多孔質体である。該繊維基紙の繊維間空隙率は、通常80〜95%であり、該繊維基紙の厚さは、通常0.1〜1mmである。繊維間空隙率とは、繊維基紙基紙の見かけの体積から、該繊維基紙中の繊維の体積を引いた部分(以下、繊維間空隙とも記載する。)が、該繊維基紙の見かけ体積中に占める割合をいう。
【実施例】
【0045】
以下に、上記本発明の具体例を実施例として説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0046】
実施例1.
23℃の恒温室内で、水12.05gにポリオキシエチレン(7)デシルエーテル(C10EO)5.16gを加えてよく撹拌した。この溶液にテトラエトキシシラン(TEOS)13.92gを加えて更に撹拌した。このとき溶液は白濁していた。この溶液に、溶液のpHが3以下になるまで1Nの塩酸をスポイトで加えた。この結果、溶液のpHは2.86に調整された。各原料の配合比をまとめると下記のとおりである。
TEOS:C10EO:HO=1.00:0.166:10.01(mol)
(EO/Si=1.16)
【0047】
上記溶液をそのまま5時間撹拌して反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。
【0048】
このメソポーラスシリカ前駆体溶液を23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成したところ、反応溶液100重量部より12.8重量部のメソポーラスシリカが得られた。
【0049】
そこで、このメソポーラスシリカ前駆体溶液を、セラミック繊維とPET繊維の混抄ペーパーに塗工した。この塗工ペーパーを23℃、50%RHの条件で乾燥した後600℃で5時間焼成したところ、一回の塗工で51g/m、3回の塗工で68g/mのメソポーラスシリカを得ることができた。
【0050】
実施例2.
23℃の恒温室内で、水12.11gにポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(C12EO)5.19gを加えてよく撹拌した。この溶液にテトラエトキシシラン13.97gを加えて更に撹拌した。このとき溶液は白濁していた。この溶液に、溶液のpHが3以下になるまで1Nの塩酸をスポイトで加えた。この結果、溶液のpHは2.90に調整された。各原料の配合比をまとめると下記のとおりである。
TEOS:C12EO:HO=1.00:0.133:10.02(mol)
(EO/Si=1.20)
【0051】
上記溶液をそのまま5時間撹拌して反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。
【0052】
このメソポーラスシリカ前駆体溶液を23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成し、メソポーラスシリカを得た。このとき、反応溶液100重量部より12.9重量部のメソポーラスシリカが得られた。
【0053】
そこで、このメソポーラスシリカ前駆体溶液を、生体溶解性繊維とPET繊維の混抄ペーパーに塗工した。この塗工ペーパーを23℃、50%RHの条件で乾燥した後600℃で5時間焼成したところ、一回の塗工で48g/m2、3回の塗工で61g/m2のメソポーラスシリカを得ることができた。
【0054】
実施例3.
23℃の恒温室内で、水12.06gにポリオキシエチレン(8)セチルエーテル(C16EO)5.16gを加えてよく撹拌した。この溶液にテトラエトキシシラン13.90gを加えて更に撹拌した。このとき溶液は白濁していた。この溶液に、溶液のpHが3以下になるまで1Nの塩酸をスポイトで加えた。この結果、溶液のpHは2.77に調整された。各原料の配合比をまとめると以下のとおりである。
TEOS:C16EO:HO=1.00:0.130:10.03(mol)
(EO/Si=1.04)
【0055】
上記溶液をそのまま5時間撹拌して反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。
【0056】
このメソポーラスシリカ前駆体溶液を23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成し、メソポーラスシリカを得た。このとき、反応溶液100重量部より12.9重量部のメソポーラスシリカが得られた。
【0057】
そこで、このメソポーラスシリカ前駆体を、ガラス繊維とPET繊維の混抄ペーパーに塗工した。この塗工ペーパーを23℃、50%RHの条件で乾燥した後600℃で5時間焼成したところ、一回の塗工で45g/m2、3回の塗工で57g/m2のメソポーラスシリカを得ることができた。
【0058】
(合成品の評価結果)
実施例1〜3で合成したサンプルを窒素吸着法により評価した。評価装置および条件は以下のとおりである。
評価装置 :ベックマン・コールター社製ガス吸着測定装置『オムニソープ360』
前処理条件 :加熱真空脱気(300℃・5時間)
解析法 :ベックマン・コールター社製解析ソフト『Sorption Analysis Ver.3.01』による解析
【0059】
以上のようにして得られた評価結果を図1、図2に示す。図1は、メソポーラスシリカの窒素吸着等温線であり、横軸は相対圧力、縦軸は窒素の標準状態(STP)における吸着容量である。また、図2は、メソポーラスシリカの細孔径分布曲線であり、横軸は細孔径、縦軸は細孔径の頻度分布を表す微分細孔容積である。
【0060】
また、図2の細孔分布曲線において、ピークトップに相当する細孔径を、使用したノニオン系界面活性剤の疎水基炭素数に対してプロットしたところ図3が得られた。この結果より、メソポーラスシリカの細孔径は界面活性剤の疎水基の長さにより調整できることが示された。
【0061】
(界面活性剤とアルコキシシランの配合比)
界面活性剤/アルコキシシラン配合比の最適値を検討するために比較例1〜比較例4を実施し、上記実施例1、実施例2と比較した。
【0062】
比較例1.
23℃の恒温室内で、水12.17gにポリオキシエチレン(7)デシルエーテル(C10EO)3.02gを加えてよく撹拌した。この溶液にテトラエトキシシラン(TEOS)13.86gを加えて更に撹拌した。このとき溶液は白濁していた。この溶液に、溶液のpHが3以下になるまで1Nの塩酸をスポイトで加えた。この結果、溶液のpHは2.90に調整された。各原料の配合比をまとめると下記のとおりである。
TEOS:C10EO:HO=1.00:0.0973:10.15(mol)
(EO/Si=0.681)
【0063】
上記溶液をそのまま5時間撹拌して反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。この溶液を23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成し、メソポーラスシリカを得た。このとき、反応溶液100重量部より13.7重量部のメソポーラスシリカが得られた。
【0064】
比較例2.
23℃の恒温室内で、水12.08にポリオキシエチレン(7)デシルエーテル12.07gを加えてよく撹拌した。この溶液にテトラエトキシシラン13.88gを加えて更に撹拌した。このとき溶液は白濁していた。この溶液に、溶液のpHが3以下になるまで1Nの塩酸をスポイトで加えた。この結果、溶液のpHは2.81に調整された。各原料の配合比をまとめると下記のとおりである。
TEOS:C10EO:HO=1.00:0.388:10.06(mol)
(EO/Si=2.72)
【0065】
上記溶液をそのまま5時間撹拌して反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。この溶液を23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成し、メソポーラスシリカを得た。このとき、反応溶液100重量部より10.5重量部のメソポーラスシリカが得られた。
【0066】
これらの比較例から合成されたメソポーラスシリカの細孔径分布曲線を実施例1と比較したグラフが図4に示される。なお、図4の縦軸、横軸は図2と同様である。
【0067】
比較例3.
23℃の恒温室内で、水12.02gにポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(C12EO)3.07gを加えてよく撹拌した。この溶液にテトラエトキシシラン13.93gを加えて更に撹拌した。このとき溶液は白濁していた。この溶液に、溶液のpHが3以下になるまで1Nの塩酸をスポイトで加えた。この結果、溶液のpHは2.93に調整された。各原料の配合比をまとめると下記のとおりである。
TEOS:C12EO:HO=1.00:0.0788:9.98(mol)
(EO/Si=0.709)
【0068】
上記溶液をそのまま5時間撹拌して反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。この溶液を23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成し、メソポーラスシリカを得た。このとき、反応溶液100重量部より13.8重量部のメソポーラスシリカが得られた。
【0069】
比較例4.
23℃の恒温室内で、水12.16gにポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル12.02gを加えてよく撹拌した。この溶液にテトラエトキシシラン13.90gを加えて更に撹拌した。このとき溶液は白濁していた。この溶液に、溶液のpHが3以下になるまで1Nの塩酸をスポイトで加えた。この結果、溶液のpHは2.73に調整された。各原料の配合比をまとめると下記のとおりである。
TEOS:C12EO:HO=1.00:0.309:10.12(mol)
(EO/Si=2.78)
【0070】
上記溶液をそのまま5時間撹拌し反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。この溶液を23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成し、メソポーラスシリカを得た。このとき、反応溶液100重量部より10.6重量部のメソポーラスシリカが得られた。
【0071】
これらの比較例から合成されたメソポーラスシリカの細孔径分布曲線を実施例2と比較したグラフが図5に示される。なお、図5の縦軸、横軸は図2と同様である。
【0072】
上記図4、図5に示された結果は、EO/Si比が1前後のとき最もシャープな細孔径分布曲線が得られることを示している。これは、図6に示したように、アルコキシシラン分解物のケイ酸アニオン(シリケートイオン)が親水基であるエチレンオキシドにほぼ1対1で吸着し、図7に示すように、疎水基部分に細孔を、親水基部分にシリカ壁を生成するので、エチレンオキシド数に対してケイ酸アニオン数が多い(EO/Si≪1)ときは細孔を有さない塊状シリカ部分の占有率が増して細孔分布曲線のピークは小さくなり、反対にケイ酸アニオン数が少ない(EO/Si≫1)場合はシリカがミセルを覆いきれなくなり隣接する細孔どうしが連結して細孔分布曲線はブロードになるからである。
【0073】
これらの概念を図8(A)、(B)に示した。図8(A)において、EO/Si≪1の場合は、細孔の比率が小さくなり、EO/Si≫1の場合は、細孔壁の一部が壊れて隣接する細孔と連結しているのがわかる。このため、図8(B)に示されるように、EO/Si≪1では細孔の数が少ないので細孔分布曲線のピークが小さくなり、EO/Si≫1では、連結した細孔の細孔径が大きく測定されるので細孔径が不揃いとなり、細孔分布曲線がブロードになる。
【0074】
これに対して、EO/Si≒1の場合には、図8(A)に示されるように、ケイ酸アニオンとエチレンオキシドとが適切にバランスし、細孔形成が促進される。このため、図8(B)に示されるように、細孔分布曲線がシャープになる。
【0075】
また、図9には、メソポーラスシリカ前駆体溶液を塗工する基材である無機繊維の走査電子顕微鏡写真が、図10には、図9の基材上で合成したメソポーラスシリカの走査電子顕微鏡写真がそれぞれ示される。
【0076】
これらの電子顕微鏡写真から、バインダーを使用しなくてもメソポーラスシリカを紙上に固定できることがわかった。
【0077】
(有機溶媒を添加した場合の効果の確認)
メソポーラスシリカ前駆体溶液を製造する際に、有機溶媒であるエタノールを添加した場合に、基材に塗工したメソポーラスシリカ前駆体溶液から得られるメソポーラスシリカの量を確認した。
【0078】
比較例5.
23℃の恒温室内で、水12.05gにポリオキシエチレン(7)デシルエーテル(C10EO)5.16gを加えてよく撹拌した。この溶液にテトラエトキシシラン(TEOS)13.92gとエタノール(EtOH)30.50gを加えて更に撹拌した。この溶液に、1Nの塩酸をスポイトで加え、溶液のpHを3.25に調整した。各原料の配合比をまとめると下記のとおりである。
TEOS:C10EO:HO:EtOH=1.00:0.166:10.0:10.1(mol)
(EO/Si=1.16)
【0079】
上記溶液をそのまま5時間撹拌して反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。
【0080】
このメソポーラスシリカ前駆体溶液をセラミック繊維とPET繊維の混抄ペーパーに塗工した。この塗工ペーパーを23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成したところ、一回の塗工で28g/m2、3回の塗工で41g/m2、5回塗工しても41g/m2のメソポーラスシリカしか得ることができなかった。
【0081】
比較例6.
23℃の恒温室内で、水12.11gにポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル(C12EO)5.19gを加えてよく撹拌した。この溶液にテトラエトキシシラン13.97gとエタノール30.72gを加えて更に撹拌した。この溶液に、1Nの塩酸をスポイトで加え、溶液のpHを3.01に調整した。各原料の配合比をまとめると下記のとおりである。
TEOS:C12EO:HO:EtOH=1.00:0.133:10.0:10.2(mol)
(EO/Si=1.20)
【0082】
上記溶液をそのまま5時間撹拌して反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。このメソポーラスシリカ前駆体溶液を、生体溶解性繊維とPET繊維の混抄ペーパーに塗工した。この塗工ペーパーを23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成したところ、一回の塗工で26g/m2、3回の塗工で39g/m2、5回塗工しても39g/m2のメソポーラスシリカしか得ることができなかった。
【0083】
比較例7.
23℃の恒温室内で、水12.06gにポリオキシエチレン(8)セチルエーテル(C16EO)5.16gを加えてよく撹拌した。この溶液にエタノール31.47gとテトラエトキシシラン13.90gを加えて更に撹拌した。この溶液に、1Nの塩酸をスポイトで加え、溶液のpHを3.37に調整した。各原料の配合比をまとめると以下のとおりである。
TEOS:C16EO:HO:EtOH=1.00:0.130:10.0:10.5(mol)
(EO/Si=1.04)
【0084】
上記溶液をそのまま5時間撹拌して反応を終了した。反応終了時に、透明溶液であるメソポーラスシリカ前駆体が得られた。このメソポーラスシリカ前駆体を、ガラス繊維とPET繊維の混抄ペーパーに塗工した。この塗工ペーパーを23℃、50%RHの条件で乾燥した後、600℃で5時間焼成したところ、一回の塗工で23g/m2、3回の塗工で35g/m2、5回塗工しても35g/m2のメソポーラスシリカしか得ることができなかった。
【0085】
以上の比較例5〜比較例7に示されるように、メソポーラスシリカ前駆体溶液を製造する際にエタノールを添加すると、メソポーラスシリカ前駆体溶液の固形分濃度が低下するので、実施例1〜実施例3と較べて、基材上で得られるメソポーラスシリカの量が低下する。これに対して、本発明では、溶媒によるメソポーラスシリカ前駆体溶液の希釈を行わないので、固形分濃度を高く維持することができ、基材上で得られるメソポーラスシリカの量を多くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】メソポーラスシリカの窒素吸着等温線を示す図である。
【図2】メソポーラスシリカの細孔径分布曲線を示す図である。
【図3】メソポーラスシリカの疎水基炭素数と細孔径との関係を示す図である。
【図4】メソポーラスシリカの細孔径分布曲線を示す図である。
【図5】メソポーラスシリカの細孔径分布曲線を示す図である。
【図6】ノニオン系界面活性剤へのシリケートイオンの集合の様子を示す図である。
【図7】メソポーラスシリカ前駆体のイメージを示す図である。
【図8】EO/Si比と細孔の生成状態の関係を示す図である。
【図9】無機繊維からなる基材の走査電子顕微鏡写真を示す図である。
【図10】図9に示された基材上で合成したメソポーラスシリカの走査電子顕微鏡写真を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコキシシラン、界面活性剤、水及び酸からなる溶液であって、前記界面活性剤と水との重量比が1:1〜1:5、前記界面活性剤と前記アルコキシシランとのモル比が1:1〜1:10であることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液。
【請求項2】
請求項1記載のメソポーラスシリカ前駆体溶液において、前記界面活性剤がノニオン系界面活性剤であることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液。
【請求項3】
請求項2記載のメソポーラスシリカ前駆体溶液において、前記界面活性剤がポリエチレングリコール型界面活性剤であることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液。
【請求項4】
請求項2または請求項3記載のメソポーラスシリカ前駆体溶液において、前記界面活性剤の疎水基の炭素数が10〜16であることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか一項記載のメソポーラスシリカ前駆体溶液において、前記界面活性剤が、疎水基として直鎖または分岐アルキルフェニル基を有するポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル型界面活性剤であることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項記載のメソポーラスシリカ前駆体溶液から得られることを特徴とするメソポーラスシリカ。
【請求項7】
水と界面活性剤とを混合し、アルコキシシランを加えた後、酸を加えて溶液を酸性とすることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液の製造方法。
【請求項8】
アルコキシシランと界面活性剤とを混合したのち水を加え、さらに反応開始剤として酸を加えることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液の製造方法。
【請求項9】
アルコキシシランと界面活性剤とを混合したのち反応開始剤として酸を溶解した水を加えることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液の製造方法。
【請求項10】
界面活性剤と酸を溶解した水を混合した後、アルコキシシランを加えることを特徴とするメソポーラスシリカ前駆体溶液の製造方法。
【請求項11】
請求項6記載のメソポーラスシリカを担持したことを特徴とする基材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−182341(P2007−182341A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−933(P2006−933)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(000110804)ニチアス株式会社 (432)
【Fターム(参考)】