説明

メタン発酵システムおよびそれを利用した肥料製造装置

【課題】肥料として農地還元したときに地下水の前記窒素汚染の問題を低減した発酵液を得ることができるメタン発酵システムおよびそれを利用した肥料製造装置を提供すること。
【解決手段】メタン発酵槽と、前記メタン発酵槽から出る発酵液を前記メタン発酵槽の発酵温度より高い温度に昇温する昇温槽と、前記昇温槽から出る発酵液からアンモニアを除去するアンモニア除去装置と、を備えたことを特徴とするメタン発酵システム。メタン発酵槽から出る発酵液中の有機態窒素をアンモニア態窒素に分解し、アンモニア態窒素の割合を増加させ、後段のアンモニア除去装置によってアンモニアを除去することにより、メタン発酵液中の窒素を低減することを可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被発酵材をメタン発酵させて得られる発酵液(メタン発酵液)中に含まれる窒素の量を低減するためのメタン発酵システムおよびそれを利用した肥料製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、生ごみ、家畜糞尿、下水処理汚泥等の有機性廃棄物を原料(被発酵材)として嫌気性処理であるメタン発酵処理を行い、その際に発生するバイオガスを回収してリサイクルエネルギーとして活用する技術が知られている(特許文献1)。一方、メタン発酵液(消化液)は、その液中に植物栄養成分を多量に含むことから農地に還元され肥料としての利用が検討されている。
【0003】
しかし、前記メタン発酵液を肥料としてそのまま農地還元すると以下のような問題があった。
該発酵液中には相当量の有機体窒素およびアンモニア態窒素が含まれ、発酵液中のケルダール窒素(有機体窒素とアンモニア態窒素の合計)の数値がかなり高くなっており、発酵液をこのまま肥料として農地に還元すると、前記有機体窒素およびアンモニア態窒素が土壌中の微生物によって硝酸イオンや亜硝酸イオンになり、これらの硝酸態窒素のうち植物に吸収されない過剰窒素分が地下水に入り込んで地下水を汚染(窒素汚染)するという問題が生じていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、その課題は、肥料として農地還元したときに地下水の前記窒素汚染の問題を低減した発酵液を得ることができるメタン発酵システムおよびそれを利用した肥料製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の第1の態様は、メタン発酵槽と、前記メタン発酵槽から出る発酵液を前記メタン発酵槽の発酵温度より高い温度に昇温する昇温槽と、前記昇温槽から出る発酵液からアンモニアを除去するアンモニア除去装置と、を備えたことを特徴とするメタン発酵システムである。
【0006】
本態様によれば、昇温槽において、メタン発酵槽から出る発酵液(メタン発酵液)を前記メタン発酵槽の発酵温度より高い温度に昇温処理することによって、発酵液中の有機体窒素がアンモニア態窒素に分解する反応が進行し、発酵液中に存在するアンモニア態窒素の割合を増加させることができる。アンモニア態窒素の割合を増加させるためには、昇温槽の温度を55℃以上で、60℃、62℃或は65℃、更には70℃に高めると一層効果的である。
そして、アンモニア態窒素の存在割合を増加させた状態の発酵液に対して、アンモニア除去装置によるアンモニア除去を実行するので、アンモニア態窒素を効果的に減少させることができ、発酵液中に含まれる有機体窒素およびアンモニア態窒素のトータルの量を効果的に減少させることができる。
すなわち、発酵液中の窒素のトータル量を低減して前記窒素汚染源となる過剰窒素分を予め除去することができるので、該発酵液を肥料として農地還元したときに地下水の窒素汚染の問題を低減することができる。
【0007】
また、昇温槽の温度を前記の如く、60℃、62℃或は65℃、更には70℃に高めると、前記過剰窒素の減少に加えて、発酵液自体の滅菌効果も同時に得ることができる。すなわち、バクテリアやウィルスの殺菌を同時に行うことができ、発酵液を農地還元した際にバクテリアやウィルスで土壌が汚染される問題を防止することができる。70℃以上ではブタプラボウィルスも短時間で死滅させることができる。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様に係るメタン発酵システムにおいて、前記アンモニア除去装置は、供給される気体と前記発酵液との気液接触により液中からアンモニアを放散除去するアンモニア放散塔であり、前記メタン発酵槽で生成されたバイオガスの一部または全部を前記アンモニア放散塔に供給される前記気体として利用するように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
本態様によれば、アンモニア除去装置を気液接触可能なアンモニア放散塔として構成することにより、アンモニア態窒素の割合が増加された状態の発酵液中から多量のアンモニアを効果的に放散除去することが可能となる。
更に、メタン発酵槽で生成されたバイオガスの一部または全部を、アンモニア放散塔に供給される気液接触用の気体として利用するので、前記気液接触用の気体の供給装置を別途設置する必要がなくなり、システム全体の製造コストを抑えることができる。
また更に、アンモニア放散塔で発酵液中から除去されたアンモニアを元のバイオガスラインに戻して脱硫装置に送れば、該脱量装置の脱硫進行に伴うpH低下(酸性化)を防止することができる。
【0010】
本発明の第3の態様は、60℃以上の温度で発酵処理が行われるメタン発酵槽と、前記メタン発酵槽から出る発酵液からアンモニアを除去するアンモニア除去装置と、を備えたことを特徴とするメタン発酵システムである。
【0011】
本態様によれば、所謂中温メタン発酵(約37℃)や高温メタン発酵(約55℃)に比して、60℃以上の例えば62℃或は65℃、更には70℃という通常の高温発酵を超える高温メタン発酵を行うことにより、発酵液中の有機体窒素がアンモニア態窒素に分解する反応が進行し、発酵液中に存在するアンモニア態窒素の割合を増加させることができる。アンモニア態窒素の割合を増加させるためには、メタン発酵槽における発酵温度を62℃或は65℃、更には70℃に高めると一層効果的である。
そして、アンモニア態窒素の存在割合を増加させた状態の発酵液に対して、アンモニア除去装置によるアンモニア除去を実行するので、アンモニア態窒素を効果的に減少させることができ、発酵液中に含まれる有機体窒素およびアンモニア態窒素のトータルの量を効果的に減少させることができる。
すなわち、発酵液中の窒素のトータル量を低減して前記窒素汚染源となる過剰窒素分を予め除去することができるので、該発酵液を肥料として農地還元したときに地下水の窒素汚染の問題を低減することができる。
【0012】
また、メタン発酵槽の温度を前記の如く、60℃、62℃或は65℃、更には70℃に高めると、前記過剰窒素の減少に加えて、発酵液自体の滅菌効果も同時に得ることができる。すなわち、バクテリアやウィルスの殺菌を同時に行うことができ、発酵液を農地還元した際にバクテリアやウィルスで土壌が汚染される問題を防止することができる。70℃以上ではブタプラボウィルスも短時間で死滅させることができる。
【0013】
本発明の第4の態様は、第3の態様に係るメタン発酵システムにおいて、前記アンモニア除去装置を出た発酵液の一部を前記メタン発酵槽に戻すように構成されていることを特徴とする。
【0014】
上記の如く超高温メタン発酵を行うと、中温メタン発酵(約37℃)や高温メタン発酵(約55℃)に比して、メタン発酵槽内に多量のアンモニアが発生し、この多量に発生したアンモニアによって発酵が進みにくくなる現象、すなわちアンモニア阻害の現象が現れる。
【0015】
本態様によれば、アンモニア除去装置から出た発酵液は、アンモニア除去処理を経ているので、この発酵液をメタン発酵槽に戻すことで、メタン発酵槽内の発酵液中のアンモニア濃度を薄めることができ、以ってアンモニア阻害を防止することができる。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1の態様または第2の態様に係るメタン発酵システムにおいて、前記メタン発酵槽は、35〜40℃の温度範囲で発酵処理が行われることを特徴とする。
【0017】
温度が低めの中温メタン発酵(35℃〜40℃)は、アンモニア阻害の問題を気にせずにメタン発酵を行うことができるメリットがあるが、得られる発酵液は有機態窒素の割合が多くアンモニア態窒素の割合が少ない状態にある。従って、そのまま発酵液中からアンモニア除去を行ってもアンモニア除去の効率が低い。
本態様によれば、中温メタン発酵槽の後段に昇温槽が設けられているので、前記第1の態様または第2の態様の前記作用効果に加えて、中温メタン発酵槽から出た発酵液中に有機態窒素が多量に含まれていても該昇温槽で60℃以上に発酵液を昇温することによって、発酵液中の有機態窒素をアンモニア態窒素に分解することができる。
【0018】
本発明の第6の態様は、第1の態様または第2の態様に記載されたメタン発酵システムにおいて、前記昇温槽内の温度が65〜80℃であることを特徴とするものである。
【0019】
本態様によれば、昇温槽内の温度が高いため、前記第1の態様又は第2の態様の作用効果を、一層効果的に得ることができる。すなわち、アンモニア除去装置を経た発酵液中の窒素の量を大きく低減することができる。
【0020】
本発明の第7の態様は、第3の態様または第4の態様に記載されたメタン発酵システムにおいて、前記メタン発酵槽内の温度が65〜80℃であることを特徴とするものである。
【0021】
本態様によれば、メタン発酵槽内の温度が高いため、前記第3の態様又は第4の態様の作用効果を、一層効果的に得ることができる。すなわち、アンモニア除去装置を経た発酵液中の窒素の量を大きく低減することができる。
【0022】
本発明の第8の態様は、前記第1の態様または第3の態様に記載されたメタン発酵システムから得られるアンモニア除去後の発酵液を肥料とすることを特徴とするメタン発酵システムを利用した肥料の製造装置である。
【0023】
本態様に係るメタン発酵システムを利用した肥料の製造装置により製造された肥料は、農地還元したときに地下水の窒素汚染の問題を低減することができる。
また、該肥料を農地還元した際にバクテリアやウィルスで土壌が汚染される問題も防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、メタン発酵液中の窒素の量を低減することができ、本システムによってえられた発酵液は含有される窒素の量も少なく、肥料として農地還元した際に地下水の窒素汚染の問題を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るメタン発酵システムの概略構成図。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るメタン発酵システムの概略構成図。
【図3】本発明の第3の実施形態に係るメタン発酵システムの概略構成図。
【図4】本発明に係る実施例1〜実施例6における昇温槽での処理条件とそれに対応するアンモニア除去発酵液中の全窒素量との関係を表す図。
【図5】本発明に係るアンモニア放散塔における放散塔内の温度と放散される出口アンモニア濃度との関係を表す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図を参照しながら、本発明に係るメタン発酵システムの実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0027】
図1は、本発明に係るメタン発酵システムの第1の実施態様を表した概略構成図である。
第1の実施態様のメタン発酵システムは、被発酵材Mをメタン発酵処理して得られるメタン発酵液1’を最終的に農地へ散布するラインL1と、被発酵材Mをメタン発酵処理して得られるバイオガスGをガスホルダー10で回収し最終的にガスエンジン11等のエネルギーとして使用するラインL2とを備えている。
【0028】
メタン発酵液1’を農地へ散布(農地還元)するラインL1は、被発酵材Mをメタン発酵処理するメタン発酵槽1、メタン発酵槽1で発酵処理されて得られたメタン発酵液(消化液)1’をメタン発酵槽1から導出した際、メタン発酵液1’の温度を上げて昇温槽2に送り込むための熱交換器5、熱交換器5によって温度が上がったメタン発酵液1’を更に昇温して、メタン発酵液1’中の有機態窒素をアンモニア態窒素に分解するための昇温槽2、メタン発酵液1’が昇温槽2で昇温処理されて発酵液2’となり、昇温槽2より導出される発酵液2’を気液接触させ、発酵液2’中のアンモニアを放散除去させるためのアンモニア放散塔3およびアンモニア放散塔3でアンモニア放散処理された後に得られた発酵液3’を農地へ散布する前に該発酵液3’の温度を回収するための熱交換器5’で構成されている。
【0029】
一方、被発酵材Mをメタン発酵処理して得られるバイオガスGをガスエンジン11等のエネルギーとして使用するラインL2は、メタン発酵槽内1で発生したバイオガスGを導出するための導出管6、メタン発酵によってバイオガスと供に発生する硫黄化合物(例えば硫化水素、メルカプタン等)中の硫黄分を除去するための脱硫装置4、および脱硫後のバイオガスをガスエンジン11等に送り込むために、一時的にバイオガスを貯留しておくためのガスホルダー10から構成されている。
【0030】
導出管6は、途中で分岐したバイオガス導入管6’を備えている。このバイオガス導入管6’は、メタン発酵槽1で発生したバイオガスを昇温槽2で処理された発酵液2’とアンモニア放散塔3で気液接触させるための気体として送り込むためのものである。なお、アンモニア放散塔3で気液接触によって放散したアンモニアは、導出管6と連結しているアンモニア導出管7を経て戻され、導出管6中のバイオガスと供に脱硫装置4に送り込まれる構成となっている。
【0031】
本システムでメタン発酵処理される被発酵材Mとしては、例えば畜産廃棄物、有機性汚泥、緑農廃棄物などが挙げられる。畜産廃棄物としては、家畜(例えば、豚、牛、ニワトリ等)の糞尿や、屠体および/またはその加工品が挙げられる。また、緑農廃棄物には家庭の生ゴミの他、産業廃棄物生ごみとして、農水産業廃棄物、食品加工廃棄物等が含まれる。
【0032】
メタン発酵槽1は、絶対嫌気性のメタン発酵菌による活動を維持するために、空気を遮断したタンクにより構成される。発酵槽1は固形物濃度(通常3〜40重量%の範囲)と発酵温度(通常、中温発酵では約32〜37℃、高温発酵では約52〜55℃、超高温発酵では約60〜70℃)によって、形状や運転条件が異なってくる。例えば、洗浄廃水が混合したりして高含水率になった原料(固形物濃度10重量%まで)の場合は湿式型の完全混合方式の発酵槽が用いられる。
なお、発酵槽には、必要に応じて保温のための加熱手段を設けておくことが好ましい。
【0033】
高含水率の原料(固形物濃度を10重量%程度まで)の場合は、完全混合方式の発酵槽を用い、超高温メタン発酵菌(至適温度65℃)では滞留時間(Retention Time)を10日間程度、高温メタン発酵菌(至適温度55℃)では滞留時間(Retention Time)を15日間程度、中温メタン発酵菌(至適温度37℃)では滞留時間を25〜30日間程度とすることが可能である。
【0034】
上述した高含水率型のメタン発酵後の発酵液は、例えば水分含有率95重量%、固形分5重量%程度を含む液体であり、嫌気性微生物の菌体およびその代謝産物に由来する各種のアミノ酸(有機態窒素を多く含む)や有機酸などを多量に含んでいる。
【0035】
熱交換器5、5’については公知のものが使用可能である。例えば、多管円筒形熱交換器、2重管式熱交換器、プレート式熱交換器、コイル式熱交換器、渦巻き式熱交換器等が挙げられる。
熱交換器5は、メタン発酵槽1で発酵処理されたメタン発酵液1’を、昇温槽2に温度を上げてから送り込むために設けられたものである。これにより昇温槽2では槽内の温度を所定の温度に上げるまでの時間を短縮することができる。
熱交換器5’は、アンモニア放散塔3でアンモニア除去され、該放散塔3からでる発酵液3’の温度を回収するために設けられたものである。また、熱交換器5’で回収された回収熱はメタン発酵槽1の加熱や保温に利用することができる。
【0036】
昇温槽2については、特に限定されるものではなく発酵液1の温度を約55℃〜80℃まで、好ましくは60℃〜75℃、更に好ましくは62℃〜70℃に昇温できる(加熱等できる)ものであればよい。スチーム加熱できるものであればなお好ましい。
【0037】
本発明では、昇温槽2においてメタン発酵槽1で発酵処理されて得られたメタン発酵液1’の温度を上げ加熱処理すると、メタン発酵液1’中の有機態窒素がアンモニア態窒素に分解されることを利用し、メタン発酵液1’を昇温し加熱処理して発酵液2’中にアンモニア態窒素を増やす状態にしている。
【0038】
そして、該発酵液2’を後段のアンモニア放散塔3によるアンモニア除去装置を通すことによってアンモニアを除去し、その結果メタン発酵液1中の有機態窒素の量を低減するようにしている。
【0039】
メタン発酵液1中の有機態窒素をアンモニア態窒素に分解するための昇温槽2の温度および加熱処理時間は、メタン発酵処理の条件によって異なる。
【0040】
例えば、昇温槽2でのメタン発酵液1の処理条件は、中温発酵(約37℃)を行った場合では70〜80℃で1時間程度、高温発酵(約55℃)を行った場合では、60℃〜70℃で1〜4時間程度、超高温発酵(約60℃)を行った場合では、後述する他の実施態様(第3の実施態様)のように基本的には昇温槽2での処理は必要ない。理由は、超高温で処理するため発酵処理の際に既に有機態窒素がアンモニア態窒素に分解され、メタン発酵液1中にアンモニア態窒素として存在しているからである。なお、超高温発酵した場合に、昇温槽2を設けて、昇温槽2内でメタン発酵液1中に残っている有機態窒素をアンモニア態窒素に分解する処理を行うことはなんら問題ない。
【0041】
以上、昇温槽2でのメタン発酵液1の処理条件は、メタン発酵処理の条件によって異なるが、上述した条件に限定されるものでなく、メタン発酵処理の種類によって適宜温度と加熱処理時間を設定することが可能である。
また、昇温槽2にてメタン発酵処理されたメタン発酵液1を処理することで、メタン発酵液1の滅菌も併せて行うことができる。
【0042】
昇温槽2で処理された発酵液2’は、昇温槽2からアンモニア除去装置に導入される。本態様ではアンモニア除去装置としてアンモニア放散塔3が設けられている。
本態様で使用するアンモニア放散塔3は、アンモニア放散塔3の上部から液体(発酵液2’)を導入し、下部から気体(バイオガス導入管6’から供給されるバイオガスG)を導入して、液体と気体を対向させて接触するように構成したものである。勿論、アンモニア放散塔3は、気液接触できるように構成されていればよく、対向式に限られるものではない。
【0043】
本態様においてアンモニア放散塔3内に導入されるバイオガスは、メタン発酵槽1から発生するバイオガスGである。バイオガスGは、メタン発酵槽1内で発生するバイオガスG自体の生成に伴う圧力によってバイオガスGの送り力を出しており、その送り力によってバイオガスGは、バイオガス導出管6を経てバイオガス導入管6’からアンモニア放散塔3へ導入される。しかし、バイオガスGの生成量が変動するためそれに伴い圧力が変化しバイオガスGの送り力も一定ではなくなる。そこで、一定量のバイオガスGをアンモニア放散塔3に導入するため、バイオガス導出管6上にバルブ8を設けてアンモニア放散塔3に導入されるバイオガスGの量を一定になるように調節するのが好ましい。
【0044】
例えば、バイオガスGの発生量が少ない場合は、ガス圧が小さいためバルブ8を閉めて、バイオガス導入管6’を通じてアンモニア放散塔3へバイオガスGを導入する。一方、バイオガスGの発生量が多い場合は、ガス圧が大きいためバルブ8を所定量開いて、バイオガスGの一部をアンモニア放散塔3へ導入し、一部を脱硫塔4に導入するようにすればよい。
【0045】
上述したアンモニア放散塔の例としては、スプレー式、棚段式等が挙げられる。
アンモニア放散塔内の温度は、昇温槽2で処理された発酵液2’中のアンモニアが適切に放散除去できる温度であればよく、約55〜80℃であることが好ましい。
【0046】
さらに、アンモニア除去装置については、アンモニア放散塔3に限られるものではなく、例えば膜分離装置等が挙げられる。
【0047】
アンモニア放散塔3で放散したアンモニアは、バイオガス導出管6と連結しているアンモニア導出管7を通じてバイオガス導出管6に戻され、バイオガスGと供に脱硫塔4へ導入され脱硫処理がなされる。この際、バイオガスGはアンモニア放散塔3から放散したアンモニアを含んでいるので、脱硫する際のアルカリ度の確保ができ、脱硫条件を保持し易くなる。例えば脱硫条件をpH6以上に保持しなければならない場合には効果がある。
【0048】
そして、脱硫装置4で脱硫処理されたバイオガスGは、一旦、ガスホルダーに蓄えられ必要に応じてガスエンジン11等のエネルギーとして使用される。
【0049】
一方、アンモニア放散塔3で気液接触してアンモニアが除去された発酵液3’は、土壌汚染の原因となる窒素が低減されており、アンモニア放散塔3から導出され熱交換器5’によって熱交換され、農地に肥料として散布(農地還元)される。
【0050】
このように、本発明のメタン発酵システムでは、窒素による地下水汚染を防止できる、窒素分が低減された肥料を製造することが可能である。
【0051】
図2は、本発明に係るメタン発酵システムの第2の実施態様を表した概略図である。第1の実施態様と相違する部分を説明し、共通する部分については説明を省略する。
本態様では、ブロワー9と熱交換器5’’を設け、暖めた空気をアンモニア放散塔3に導入するようにした態様である。このような構成としたことで、変動するバイオガスGの生成量に関係なく一定量の気体(空気)をアンモニア放散塔3に導入することができる。
【0052】
導入された空気と昇温槽2で処理された発酵液2’は、アンモニア放散塔3内で気液接触し、放散したアンモニアはアンモニア導出管7’通じて脱臭装置12に導入され脱臭される。脱臭塔12ではアンモニアやアンモニアとともに放散した悪臭成分(メルカプタン、スカトール等)の除去が行われる。
なお、脱臭装置12で脱臭された気体を、再度ブロワー9を経由してアンモニア放散塔3に導入する気体として利用できるような構成とすることも可能である。
【0053】
図3は、本発明に係るメタン発酵システムの第3の実施態様を表した概略図である。第1の実施態様と相違する部分を説明し、共通する部分については説明を省略する。
本態様は、超高温メタン発酵処理を行った際の本発明に係るメタン発酵システムの一態様である。
本態様では、超高温メタン発酵(約60〜70℃)処理を行うため、メタン発酵槽1で発酵処理されて得られるメタン発酵液1’の温度が約60〜70℃と高温になる。従って、メタン発酵液1’中の有機態窒素は、アンモニア態窒素に分解され、メタン発酵液中のアンモニア態窒素の割合が増加する。よって、実施態様1または実施態様2のように昇温槽2を設けなくても、メタン発酵液1’中では既に有機態窒素の多くがアンモニア態窒素に分解されているので、メタン発酵槽1から出るメタン発酵液1’を直接アンモニア放散塔3へ導入し、気液接触させてアンモニアを放散させ、メタン発酵液1’中の窒素の量を低減することが出来る。
【0054】
ここで、超高温メタン発酵の特徴として、前述したようにメタン発酵液1’中のアンモニア態窒素が増加、すなわちアンモニアの濃度が増加することで発酵阻害を引き起こすということが挙げられる。そこで、本態様ではメタン発酵液1’中のアンモニア濃度を小さくするため、アンモニア放散塔3で気液接触してアンモニアが除去された発酵液3’をアンモニア除去発酵液導出管7’’を通じてメタン発酵槽1に戻すことにより、メタン発酵液中のアンモニア濃度を小さくしアンモニア阻害を抑制している。
【0055】
[実施例1]
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。
10Lのメタン発酵槽を用いて、分別生ごみと搾乳牛の糞尿との中温メタン共発酵処理(37℃)を行った。
次に、メタン発酵処理して得られたメタン発酵液(消化液)を熱交換器を通して、昇温槽に導入した。
その後、密閉状態で昇温槽を70℃まで昇温し、メタン発酵液を70℃で1時間加熱処理を行った。次いで昇温槽で加熱処理された発酵液を、内部が65℃に維持されたアンモニア放散塔の上部から噴霧し、アンモニア放散塔の下部から導入された中温メタン発酵処理によって生成したバイオガスと気液接触させて、アンモニア除去処理を行った発酵液を得た。
そして、中温メタン発酵処理を行ったメタン発酵液、昇温槽で昇温処理後の発酵液およびアンモニア除去処理を行った発酵液(アンモニア除去発酵液)のそれぞれの発酵液中の全窒素、ケルダール窒素、アンモニア態窒素を下水道試験方法に従って定量した。
【0056】
ここで、全窒素、ケルダール窒素、アンモニア態窒素の量について説明する。
有機性の被発酵材(例えば家畜の糞尿)を発酵処理して得られる発酵液中に含まれる窒素は、有機態窒素、アンモニア態窒素、硝酸態窒素及び/又は亜硝酸態窒素に分類される。
そして、全窒素量とは、発酵液中に含まれる全窒素量、すなわち、有機態窒素量、アンモニア態窒素量、硝酸態窒素及び/又は亜硝酸態窒素量の合計をいう。
ケルダール窒素の定量においては、有機態窒素量の他にあらかじめ存在するアンモニア態窒素量も合算される。
また、本実施態様であるメタン発酵(嫌気性発酵)では、嫌気状態であるので窒素はそのほとんどが硝酸態窒素及び/又は亜硝酸態窒素ではなく、有機態窒素およびアンモニア態窒素の形で存在する。
【0057】
後述する実施例における上記関係を式に表すと、

全窒素量=有機態窒素量+アンモニア態窒素量+硝酸態窒素及び/又は亜硝酸態窒素量

ケルダール窒素定量値=有機態窒素量+アンモニア態窒素量

となる。したがって、

全窒素量=ケルダール窒素定量値+硝酸態窒素及び/又は亜硝酸態窒素量

となるが、メタン発酵(嫌気性発酵)では、硝酸態窒素及び/又は亜硝酸態窒素の発生がないため、硝酸態窒素及び/又は亜硝酸態窒素量は0である。
よって、全窒素量=ケルダール窒素量となる。
【0058】
[実施例2]
【0059】
昇温槽でのメタン発酵液の加熱処理条件を65℃で1時間としたことと、内部が60℃に維持されたアンモニア放散塔内で、昇温槽で処理された発酵液をアンモニア放散塔の下部から導入された中温メタン発酵処理によって生成したバイオガスと気液接触させたこと以外は実施例1と同様である。
【0060】
[実施例3]
昇温槽でのメタン発酵液の加熱処理条件を60℃で4時間としたことと、内部が55℃に維持されたアンモニア放散塔内で、昇温槽で処理された発酵液をアンモニア放散塔の下部から導入された中温メタン発酵処理によって生成したバイオガスと気液接触させたこと以外は実施例1と同様である。
【0061】
[実施例4]
昇温槽でのメタン発酵液の加熱処理条件を60℃で1時間としたことと、内部が55℃に維持されたアンモニア放散塔内で、昇温槽で処理された発酵液をアンモニア放散塔の下部から導入された中温メタン発酵処理によって生成したバイオガスと気液接触させたこと以外は実施例1と同様である。
【0062】
[実施例5]
昇温槽でのメタン発酵液の加熱処理条件を55℃で4時間としたことと、内部が50℃に維持されたアンモニア放散塔内で、昇温槽で処理された発酵液をアンモニア放散塔の下部から導入された中温メタン発酵処理によって生成したバイオガスと気液接触させたこと以外は実施例1と同様である。
【0063】
[実施例6]
昇温槽でのメタン発酵液の加熱処理条件を55℃で1時間としたことと、内部が50℃に維持されたアンモニア放散塔内で、昇温槽で処理された発酵液をアンモニア放散塔の下部から導入された中温メタン発酵処理によって生成したバイオガスと気液接触させたこと以外は実施例1と同様である。
【0064】
[比較例]
10Lのメタン発酵槽に、分別生ごみと搾乳牛の糞尿1:1のバイオマスによる、中温メタン共発酵処理(37℃)を行った。
次に、次に中温メタン発酵処理して得られたメタン発酵液を、内部が35℃に維持されたアンモニア放散塔の上部から噴霧し、アンモニア放散塔の下部から導入された中温メタン発酵処理によって生成したバイオガスと気液接触させて、アンモニア除去処理を行った発酵液を得た。
そこで、アンモニア除去処理を行った発酵液の発酵液中の全窒素を測定した。
【0065】
実施例1の結果を表1に、実施例2〜実施例6および比較例の結果を表2に示す。
なお、実施例2〜実施例6および比較例においては、最終的に農地に散布(農地還元)する発酵液は、アンモニア除去処理を行った発酵液(アンモニア除去発酵液)であるため、該発酵液中での窒素量が低減されていれば本発明の効果があることから、窒素量の測定はアンモニア除去処理を行った発酵液中のトータル窒素のみを測定することとした。また、実施例2〜実施例6および比較例における中温メタン発酵処理されて得られたメタン発酵液中の全窒素量は、実施例1と同様の処理を行っているため実施例1の値と同じである。
【0066】
また、図4には、実施例1〜実施例6における昇温槽での処理条件とそれに対応するアンモニア除去発酵液中のトータル窒素量との関係をあらわすグラフを示した。
更に、図5には、アンモニア放散塔における出口濃度とアンモニア放散塔内の温度との関係をあらわすグラフを示した。
【0067】
【表1】

【0068】
【表2】

【0069】
実施例1の結果(表1)を中心に、他の実施例および比較例の結果(表2)も参照しつつ本発明の効果について説明する。
実施例1において、嫌気性発酵である中温メタン発酵処理(37℃)されて得られたメタン発酵液中には、表1から明らかなように、トータル窒素量として1800(mg/L)の窒素が存在している。
【0070】
そして、前述したように、ケルダール窒素(量)=有機態窒素(量)+アンモニア態窒素(量)であるから、メタン発酵液中の有機態窒素量は1800−800=1000(mg/L)となる。また、本実施例は嫌気性発酵処理であるため全窒素量とケルダール窒素量は1800(mg/L)と等しくなっている。
【0071】
次に、メタン発酵液を昇温槽で70℃で1時間加熱処理した後の発酵液中の各窒素の量を見ると、アンモニア態窒素が300(mg/L)増加している。これは、メタン発酵液中の有機態窒素1000(mg/L)中、メタン発酵液を昇温槽で70℃で1時間加熱処理したことにより、有機態窒素300(mg/L)がアンモニア態窒素に分解されたことを意味している。従って、昇温槽での処理により、有機態窒素は1000(mg/L)から700(mg/L)に低減されている。
【0072】
昇温槽で処理後の発酵液を、内部が65℃に維持されたアンモニア放散塔で、中温メタン発酵処理によって生成したバイオガスと気液接触させて得られたアンモニア除去発酵液中の全窒素の量を見ると、600(mg/L)と激減しているのがわかる。これはアンモニア放散塔で多量のアンモニアが放散したことによるもので、アンモニア除去発酵液中の全窒素量が600(mg/L)程度であれば地下水汚染も起さず、逆に植物の栄養源として消費される量である。
【0073】
また、アンモニア除去発酵液中のアンモニア態窒素も激減している。これも全窒素量が激減した理由と同じで、アンモニア放散塔で多量のアンモニアが放散したことによるものである。
なお、有機態窒素はアンモニア除去発酵液中からは検出されなかった(アンモニア態窒素とケルダール窒素が同量のため有機態窒素量は0である)。つまり、昇温槽での処理により700(mg/L)に低減されていた有機態窒素は、アンモニア放散塔でのアンモニア除去処理によって有機態窒素からアンモニア窒素に分解され、アンモニア態窒素として、アンモニア放散塔から放散したと考えられる。
【0074】
なお、本実施例では嫌気性発酵処理であるため、アンモニア除去発酵液中の全窒素量とケルダール窒素量は等しくならなければいけないが、表1の結果では全窒素量が600(mg/L)、ケルダール窒素が500(mg/L)と差が生じている。これは測定法に起因するものである。
本発明の実施例および比較例における窒素の定量測定は、吸光光度法によって測定されている。そのため、フミン系物質の褐色系の着色があるアンモニア除去発酵液では、着色の影響によって定量値に影響を与え、時に数百mg/Lの誤差が生じる場合がある。よって、全窒素量600(mg/L)とケルダール窒素量500(mg/L)との差は誤差範囲と考えられる。
【0075】
上述したように、本発明は、例えば、中温メタン発酵処理(37℃)されて得られたメタン発酵液中の有機態窒素をアンモニア態窒素に分解し除去することで、メタン発酵液中の全窒素の量を低減し、該発酵液が窒素による地下水汚染を起さない肥料として農地に散布(農地還元)することが可能となる効果を有している。
【0076】
表2の比較例では、昇温槽による処理を行わずに中温メタン発酵処理(37℃)されて得られたメタン発酵液を、アンモニア放散塔でアンモニア除去処理した後の発酵液中の全窒素量が示されているが、1450(mg/L)と本発明の実施例1よりも圧倒的に多い。これからも本発明が全窒素量低減の効果があることがわかる。
【0077】
次に、実施例2から実施例6について説明する。
表2には、各実施例および比較例における、昇温槽での処理条件(比較例は除く)、アンモニア放散塔内の温度、アンモニア除去発酵液中の全窒素量およびメタン発酵槽液中の全窒素量の値が示されている。
実施例2から実施例6および比較例において、メタン発酵液中の全窒素量については、各実施例および比較例とも同じ条件(37℃)でメタン発酵処理(中温発酵)を行っているので、得られたメタン発酵液中の全窒素量はみな同じである。
【0078】
しかし、昇温槽での処理条件によって、各実施例で、最終的に農地還元されるアンモニア除去発酵液中の全窒素量に相違が見られる。
特に、昇温槽での処理温度を60℃以上にすると(実施例2、3、4)、メタン発酵液中の全窒素量1800mg/Lを、最終的に農地還元されるアンモニア除去発酵液中の全窒素量800〜870mg/Lにまで減少させることができる。
つまり、本発明は、メタン発酵液中の全窒素の量を、930〜1000mg/Lも減少させる効果を有している。比較例が、メタン発酵液中の全窒素の量を、350mg/Lしか減少することができないことを考慮すれば、本発明はメタン発酵液中の窒素量の低減について、非常に大きな効果があるといえる。
【0079】
図4には、各実施例における昇温槽での処理条件とアンモニア除去発酵液中の全窒素量との関係が示されている。
これによると、本発明では昇温槽での処理温度が高いほど、加熱時間が長いほどアンモニア除去発酵液中の全窒素量が少ないのがわかる。言い換えれば、昇温槽での処理温度が高いほど、加熱時間が長いほど、メタン発酵液中の有機態窒素がアンモニア態窒素に分解され、メタン発酵液中のアンモニア態窒素が増加することにより、後段のアンモニア放散塔で多量のアンモニアが放散除去されるので、アンモニア除去発酵液中の全窒素量が少なくなるということである。
【0080】
図5には、アンモニア放散塔における放散塔内の温度と放散される出口アンモニア濃度(アンモニア放散塔の出口での濃度)との関係を示したものである。これによると、温度が高いほど放散されるアンモニアの量が多いことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、メタン発酵処理によって得られたメタン発酵液を肥料として農地還元する際、メタン発酵液中に含まれる窒素によって地下水が汚染されないように、メタン発酵液中の窒素を低減するためのメタン発酵システムであり、本発明によってメタン発酵液の有効利用が図れるものである。
【符号の説明】
【0082】
1 メタン発酵槽、 2 昇温槽、 3 アンモニア放散塔、 4 脱硫装置、 5、5’、5’’ 熱交換器、 6 バイオガス導出管、 6’バイオガス導入管、 7、7’ アンモニア導出管、 7’’ アンモニア除去発酵液導出管、 8 バルブ、 9 ブロワー、 10 ガスホルダー、 11 ガスエンジンコジェネレーション、 12 脱臭装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0083】
【特許文献1】特開平10−235317号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタン発酵槽と、
前記メタン発酵槽から出る発酵液を前記メタン発酵槽の発酵温度より高い温度に昇温する昇温槽と、
前記昇温槽から出る発酵液からアンモニアを除去するアンモニア除去装置と、
を備えたことを特徴とするメタン発酵システム。
【請求項2】
請求項1に記載されたメタン発酵システムにおいて、
前記アンモニア除去装置は、供給される気体と前記発酵液との気液接触により液中からアンモニアを放散除去するアンモニア放散塔であり、前記メタン発酵槽で生成されたバイオガスの一部または全部を前記アンモニア放散塔に供給される前記気体として利用するように構成されていることを特徴とするメタン発酵システム。
【請求項3】
60℃以上の温度で発酵処理が行われるメタン発酵槽と、
前記メタン発酵槽から出る発酵液からアンモニアを除去するアンモニア除去装置と、を備えたことを特徴とするメタン発酵システム。
【請求項4】
請求項3に記載されたメタン発酵システムにおいて、前記アンモニア除去装置を出た発酵液の一部を前記メタン発酵槽に戻すように構成されていることを特徴とするメタン発酵システム。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載されたメタン発酵システムにおいて、前記メタン発酵槽は、35〜40℃の温度範囲で発酵処理が行われることを特徴とするメタン発酵システム。
【請求項6】
請求項1又は2に記載されたメタン発酵システムにおいて、
前記昇温槽内の温度が65〜80℃であることを特徴とするメタン発酵システム。
【請求項7】
請求項3又は4に記載されたメタン発酵システムにおいて、
前記メタン発酵槽内の温度が65〜80℃であることを特徴とするメタン発酵システム。
【請求項8】
請求項1又は3に記載されたメタン発酵システムから得られるアンモニア除去後の発酵液を肥料とすることを特徴とするメタン発酵システムを利用した肥料の製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−201297(P2010−201297A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−47312(P2009−47312)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【出願人】(504300088)国立大学法人帯広畜産大学 (96)
【Fターム(参考)】