メダル遊技設備の不正検出装置
【課題】メダルの不正な抜き取りを高精度に検出して警報する。
【解決手段】 ホッパーを備えた複数のメダル遊技機にメダルを供給する供給ラインと、ホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーと、メダルセンサーの検出により供給ラインのメダルをホッパーへバッチ補給する補給手段と、メダル遊技機のゲーム情報と補給手段の補給回数とメダルセンサーの検出回数から不正を検出して警報する警報手段とを設け、同警報手段は、ゲーム情報が大当たり中又は当たり中の補給手段の補給回数が不正と判断される所定回数に達すると不正を検出する補給回数監視部と、ゲーム情報が大当たりでも当たりでも無い場合にメダルセンサーの検出回数が所定回数に達し且つ所定回数に達した際の検出状態が不正と判断される所定時間継続すると不正を検出するメダルセンサー監視部とで構成した。
【解決手段】 ホッパーを備えた複数のメダル遊技機にメダルを供給する供給ラインと、ホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーと、メダルセンサーの検出により供給ラインのメダルをホッパーへバッチ補給する補給手段と、メダル遊技機のゲーム情報と補給手段の補給回数とメダルセンサーの検出回数から不正を検出して警報する警報手段とを設け、同警報手段は、ゲーム情報が大当たり中又は当たり中の補給手段の補給回数が不正と判断される所定回数に達すると不正を検出する補給回数監視部と、ゲーム情報が大当たりでも当たりでも無い場合にメダルセンサーの検出回数が所定回数に達し且つ所定回数に達した際の検出状態が不正と判断される所定時間継続すると不正を検出するメダルセンサー監視部とで構成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、メダルの不正な抜き取りを監視して警報するメダル遊技設備の不正検出装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来のメダル遊技設備の不正検出装置が特許文献１に開示されている。この技術は、ホッパーを備えたメダル遊技機にメダルを供給する供給ラインを設け、供給ラインのメダルをホッパーへバッチ補給する補給手段を設け、ゲーム情報を出力するゲーム情報出力手段を設け、供給ラインの途中にメダルの通過を検出するメダルセンサーを設け、１回のバッチ補給時におけるメダルセンサーの検出枚数がゲーム情報出力手段のゲーム情報に応じて定めた設定枚数を超えた場合に不正と判断する不正検出手段を設けたことを特徴としている。
【０００３】
本発明は従来技術のようなメダルの通過枚数を監視する方法に対し、メダルの補給回数及びホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーの検出回数と時間を監視して不正を検出できる技術を開発したものである。
【特許文献１】特開２００４−２３６７８０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、メダルの補給回数及びホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーの検出回数と時間を監視して不正を検出できる遊技設備の不正検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
１） ホッパーを備えた複数のメダル遊技機にメダルを供給する供給ラインを設け、ホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーを設け、メダルセンサーがメダルの所定量以下を検出すると供給ラインのメダルをホッパーへバッチ補給する補給手段を設けたメダル遊技設備においてメダル遊技機のゲーム情報と補給手段の補給回数とメダルセンサーの検出回数から不正を検出して警報する警報手段を設けたメダル遊技設備の不正検出装置であって、前記警報手段は、ゲーム情報が大当たり中又は当たり中の場合の補給手段の補給回数が不正と判断される所定回数に達すると不正を検出する補給回数監視部と、ゲーム情報が大当たりでも当たりでも無い場合にメダルセンサーの検出回数が所定回数に達し且つ所定回数に達した際の検出状態が不正と判断される所定時間継続すると不正を検出するメダルセンサー監視部とで構成したことを特徴とする、メダル遊技設備の不正検出装置
２） 警報手段が、不正を検出した後に補給手段を停止する制御を備えたものである、前記１）記載のメダル遊技設備の不正検出装置
にある。
【発明の効果】
【０００６】
本発明によれば、ゲームの大当たりの場合・当たりの場合・大当たりで無い場合・当たりで無い場合をそれぞれ監視することで、メダルの抜き取りを高精度に検出して不正の続発を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
本発明では、メダルの補給回数の計数は、メダルの補給開始時・メダルの補給中・メダルの補給終了後のいずれかの時点で実行される。補給手段や警報手段は論理回路やプログラムで構成され、不正を行う者が触れることができない位置に設置される。警報は光や音，信号で知らせる公知の装置が用いられ、警報のレベルに応じて、ランプ点灯・警告表示・ホールコンピュータへの信号送信・監視カメラ作動・無線等の手段による店員への通知・メダル遊技機毎の機器の停止又はメダル遊技設備全体の機器の停止などが実行される。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例１】
【０００８】
図１〜７に示す実施例は、複数のスロットマシンで構成されるメダル遊技設備の不正検出装置の例である。図１は実施例のメダル遊技設備の説明図、図２は実施例のメダル遊技機の一部切り欠き斜視図、図３は実施例のメダル補給制御部の説明図、図４は実施例の監視プログラムの説明図、図５，６は実施例の不正検出を示す情報処理フローチャート、図７は実施例の大当たり中・当たり中の補給回数と通常ゲーム中のメダルセンサーの検出とそれぞれのメダルの補給量を示すチャートである。
【０００９】
図中、１０はメダル遊技機、１１はメダル投入口、１２はコントローラ、１３はホッパー、１４はメダルセンサー、１５はシュート、１６は受皿、１７は排送路、１８は補給路、２０はメダル貸し機、２１は貨幣投入口、２２は払出口、２３は補給路、３０はメダル自動補給装置、３１は供給ライン、３２は回収ライン、３３は洗浄研磨部、３４は送出部、３５はメダル取込装置、４０はメダル補給制御部、４０ａは接続部、４１はＣＰＵ、４２はＲＡＭ、４３はＲＯＭ、４４はタイマ、４５はインターフェイス、４６は信号線、４７は監視プログラム（警報手段）、４７ａはゲーム情報取得部、４７ｂは補給回数計数部、４７ｃは補給回数記憶部、４７ｄは検出回数計数部、４７ｅは検出回数記憶部、４７ｆは補給回数監視部、４７ｇはメダルセンサー監視部、４７ｈは警報信号出力部、４８は警報装置、５０はホールコンピュータ、５１は接続部、５２は信号線、ｍはメダルである。
【００１０】
本実施例のメダル遊技設備は、図１に示すようにスロットマシンである複数のメダル遊技機１０とメダル貸し機２０を隣設し、メダル自動補給装置３０からメダル遊技機１０とメダル貸し機２０の上方へメダルｍを供給する供給ライン３１を設け、メダル遊技機１０から排出されたメダルｍを回収する回収ライン３２を設け、回収したメダルｍを洗浄研磨する洗浄研磨部３３を設け、洗浄研磨されたメダルｍを供給ライン３１へ送り出す送出部３４を設け、メダル遊技機１０とメダル貸し機２０の上方位置に供給ライン３１のメダルｍを取り込むメダル取込装置３５を設け、メダル取込装置３５を制御するメダル補給制御部４０を設けている。
【００１１】
メダル遊技機１０は、図２に示すように正面にメダルｍを投入するメダル投入口１１を設け、投入されたメダルｍによるゲームの進行及びゲーム結果に応じた枚数のメダルｍを払い出すコントローラ１２を設け、内部に多数枚のメダルｍを払い出し時まで貯溜するホッパー１３を設け、ホッパー１３内のメダルｍの所定量以下を検出するメダルセンサー１４を設け、ホッパー１３から払い出したメダルｍを排出するシュート１５を設け、排出されたメダルｍを収容する受皿１６を設け、ホッパー１３の側方に余剰のメダルｍを回収ライン３２へ排出する排送路１７を設け、メダル取込装置３５で取り込まれたメダルｍをホッパー１３へ送り込む補給路１８を設けている。
【００１２】
メダル補給制御部４０は、図３に示すようにＣＰＵ４１・ＲＡＭ４２・ＲＯＭ４３・タイマ４４・インターフェイス４５・信号線４６・警報装置４８で構成している。ＲＯＭ４３の監視プログラム４７は、図４に示すようにメダル遊技機１０のコントローラ１２からゲーム情報を取得するゲーム情報取得部４７ａと、ゲーム情報取得部４７ａが取得したゲーム情報が大当たり中又は当たり中の補給回数ｎｈ（メダル取込装置３５の作動回数）を計数する補給回数計数部４７ｂと、補給回数計数部４７ｂが計数した補給回数ｎｈを記憶する補給回数記憶部４７ｃと、メダルセンサー１４によるメダルｍの所定量以下の検出回数ｎｋを計数する検出回数計数部４７ｄと、検出回数計数部４７ｄが計数した検出回数ｎｋを記憶する検出回数記憶部４７ｅと、補給回数記憶部４７ｃの補給回数ｎｈが設定回数ｎｈ１（３回に設定）に達すると不正と判断する補給回数監視部４７ｆと、ゲーム情報取得部４７ａが取得したゲーム情報が大当たり中で無い場合又は当たり中で無い場合において検出回数ｎｋが計数開始から設定回数ｎｋ１（２回に設定）に達し且つ２回目の検出状態が設定時間ｔ１（１８０秒に設定）継続すると不正と判断するメダルセンサー監視部４７ｇと、補給回数監視部４７ｆとメダルセンサー監視部４７ｇが不正と判断した場合に警報装置４８へ信号を出力するとともにメダル取込装置３５を停止させる警報信号出力部４７ｈとで構成されている。
【００１３】
本実施例では、メダル自動補給装置３０を作動させるとメダルｍが供給ライン３１で供給され、メダル補給制御部４０がメダル遊技機１０のホッパー１３へバッチ的に取り込んで収容する。１回当たりの補給枚数は２００枚で、タイマ等で２００枚となるように所要時間補給する。遊技者がメダル貸し機２０から貸し出されたメダルｍをメダル遊技機１０のメダル投入口１１に投入してゲームをすると、コントローラ１２はゲーム結果に応じた枚数のメダルｍをホッパー１３から払い出し、メダル補給制御部４０はメダル取込装置３５を作動させて供給ライン３１のメダルｍをホッパー１３へ取り込んで補給する。監視プログラム４７はゲーム情報取得部４７ａでコントローラ１２からゲーム情報を随時取得する。大当たりと当たりの出現比率は、大当たりは６０〜７０％、当たりは３０〜４０％が一般的である。その大当たりと当たりの信号は期間中の接点持続信号であり、信号自体は大当たりと当たりの区別はない。
【００１４】
ゲームが大当たりとなると７００枚／回を払い出し、メダルセンサー１４がＯＦＦ（メダルセンサー１４からメダルｍが離れて所定量以下を検出した状態）になって通常より１００枚多い３００枚／回を２回補給する。ホッパー１３には払い出し後に残っているメダルｍがあるから、補給後のホッパー１３のメダルｍは３００枚×２回＝６００枚＋αとなり、大当たり中は払い出しと補給を並行することで３００枚程度の補給によりメダルセンサー１４はＯＮ（メダルセンサー１４にメダルｍが当たって所定量を満足した状態）となる。一方、ゲームが当たりとなると１３０枚／回を払い出し、メダルセンサー１４がＯＦＦになると通常より１００枚多い３００枚／回を１回補給し、メダルセンサー１４がＯＮのままの場合は補給しない。そうすると、大当たり中又は当たり中で補給が３回発生することは通常では有り得ないことになる。
【００１５】
したがって、監視プログラム４７は、図５，７に示すようにゲーム情報取得部４７ａが取得したゲーム情報が大当たり又は当たりであった場合に補給回数計数部４７ｂが大当たり中又は当たり中の補給回数ｎｈを計数して補給回数記憶部４７ｃに記憶し、補給回数監視部４７ｆは補給回数記憶部４７ｃの補給回数ｎｈが設定回数ｎｈ１（３回）に達すると不正と判断し、警報信号出力部４７ｈが警報装置４８に信号を出力し、警報装置４８はその信号を受信して警報するとともにメダル取込装置３５が停止する。３回以下であった場合は補給回数記憶部４７ｃをリセットして監視を継続する。
【００１６】
一方、大当たりでも当たりでも無い場合の通常ゲーム中においては、１回目の補給はメダル投入口１１へ投入したメダルｍの払い戻し（クレジットキャンセル）又はホッパー１３のトラブル等により発生する可能性がある。２回目の補給は通常ゲームでは発生する可能性が低い。もし、ホッパー１３内のメダルｍの山が崩れてメダルセンサー１４がＯＦＦになっても、５０枚／１０００円が１８０秒間で打ち込まれてメダルセンサー１４がＯＮになる（１ゲームでは３枚投入し、１分間で６ゲーム行われて１８枚消化するのが一般的であり、１０００円で貸し出された５０枚を消化する時間は５０枚÷１８枚＝２．７８分≒３分となる）。
【００１７】
したがって、監視プログラム４７のメダルセンサー監視部４７ｇは図６，７に示すようにゲーム情報取得部４７ａが取得したゲーム情報が大当たり中で無い場合又は当たり中で無い場合において検出回数記憶部４７ｅの検出回数ｎｋが設定回数ｎｋ１（２回）となった後に２回目の検出状態がその検出時刻ｔ２から設定時間ｔ１（１８０秒）継続すると不正と判断し、警報信号出力部４７ｈが警報装置４８に信号を出力し、警報装置４８はその信号を受信して警報するとともにメダル取込装置３５が停止する。１８０秒に達する前にメダルセンサー１４がＯＮになった場合は検出回数記憶部４７ｅをリセットして監視を継続する。
【産業上の利用可能性】
【００１８】
本発明のメダル遊技設備の不正検出装置は、スロットマシンの他、メダルを用いる全ての遊技機に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】実施例のメダル遊技設備の説明図である。
【図２】実施例のメダル遊技機の一部切り欠き斜視図である。
【図３】実施例のメダル補給制御部の説明図である。
【図４】実施例の監視プログラムの説明図である。
【図５】実施例の不正検出を示す情報処理フローチャートである。
【図６】実施例の不正検出を示す情報処理フローチャートである。
【図７】実施例の大当たり中・当たり中の補給回数と通常ゲーム中のメダルセンサーの検出とそれぞれのメダルの補給量を示すチャートである。
【符号の説明】
【００２０】
１０ メダル遊技機
１１ メダル投入口
１２ コントローラ
１３ ホッパー
１４ メダルセンサー
１５ シュート
１６ 受皿
１７ 排送路
１８ 補給路
２０ メダル貸し機
２１ 貨幣投入口
２２ 払出口
２３ 補給路
３０ メダル自動補給装置
３１ 供給ライン
３２ 回収ライン
３３ 洗浄研磨部
３４ 送出部
３５ メダル取込装置
４０ メダル補給制御部
４０ａ 接続部
４１ ＣＰＵ
４２ ＲＡＭ
４３ ＲＯＭ
４４ タイマ
４５ インターフェイス
４６ 信号線
４７ 監視プログラム
４７ａ ゲーム情報取得部
４７ｂ 補給回数取得部
４７ｃ 補給回数記憶部
４７ｄ 検出回数計数部
４７ｅ 検出回数記憶部
４７ｆ 補給回数監視部
４７ｇ メダルセンサー監視部
４７ｈ 警報信号出力部、
４８ 警報装置
５０ ホールコンピュータ
５１ 接続部
５２ 信号線
ｍ メダル
【技術分野】
【０００１】
本発明は、メダルの不正な抜き取りを監視して警報するメダル遊技設備の不正検出装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来のメダル遊技設備の不正検出装置が特許文献１に開示されている。この技術は、ホッパーを備えたメダル遊技機にメダルを供給する供給ラインを設け、供給ラインのメダルをホッパーへバッチ補給する補給手段を設け、ゲーム情報を出力するゲーム情報出力手段を設け、供給ラインの途中にメダルの通過を検出するメダルセンサーを設け、１回のバッチ補給時におけるメダルセンサーの検出枚数がゲーム情報出力手段のゲーム情報に応じて定めた設定枚数を超えた場合に不正と判断する不正検出手段を設けたことを特徴としている。
【０００３】
本発明は従来技術のようなメダルの通過枚数を監視する方法に対し、メダルの補給回数及びホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーの検出回数と時間を監視して不正を検出できる技術を開発したものである。
【特許文献１】特開２００４−２３６７８０号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、メダルの補給回数及びホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーの検出回数と時間を監視して不正を検出できる遊技設備の不正検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
１） ホッパーを備えた複数のメダル遊技機にメダルを供給する供給ラインを設け、ホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーを設け、メダルセンサーがメダルの所定量以下を検出すると供給ラインのメダルをホッパーへバッチ補給する補給手段を設けたメダル遊技設備においてメダル遊技機のゲーム情報と補給手段の補給回数とメダルセンサーの検出回数から不正を検出して警報する警報手段を設けたメダル遊技設備の不正検出装置であって、前記警報手段は、ゲーム情報が大当たり中又は当たり中の場合の補給手段の補給回数が不正と判断される所定回数に達すると不正を検出する補給回数監視部と、ゲーム情報が大当たりでも当たりでも無い場合にメダルセンサーの検出回数が所定回数に達し且つ所定回数に達した際の検出状態が不正と判断される所定時間継続すると不正を検出するメダルセンサー監視部とで構成したことを特徴とする、メダル遊技設備の不正検出装置
２） 警報手段が、不正を検出した後に補給手段を停止する制御を備えたものである、前記１）記載のメダル遊技設備の不正検出装置
にある。
【発明の効果】
【０００６】
本発明によれば、ゲームの大当たりの場合・当たりの場合・大当たりで無い場合・当たりで無い場合をそれぞれ監視することで、メダルの抜き取りを高精度に検出して不正の続発を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
本発明では、メダルの補給回数の計数は、メダルの補給開始時・メダルの補給中・メダルの補給終了後のいずれかの時点で実行される。補給手段や警報手段は論理回路やプログラムで構成され、不正を行う者が触れることができない位置に設置される。警報は光や音，信号で知らせる公知の装置が用いられ、警報のレベルに応じて、ランプ点灯・警告表示・ホールコンピュータへの信号送信・監視カメラ作動・無線等の手段による店員への通知・メダル遊技機毎の機器の停止又はメダル遊技設備全体の機器の停止などが実行される。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例１】
【０００８】
図１〜７に示す実施例は、複数のスロットマシンで構成されるメダル遊技設備の不正検出装置の例である。図１は実施例のメダル遊技設備の説明図、図２は実施例のメダル遊技機の一部切り欠き斜視図、図３は実施例のメダル補給制御部の説明図、図４は実施例の監視プログラムの説明図、図５，６は実施例の不正検出を示す情報処理フローチャート、図７は実施例の大当たり中・当たり中の補給回数と通常ゲーム中のメダルセンサーの検出とそれぞれのメダルの補給量を示すチャートである。
【０００９】
図中、１０はメダル遊技機、１１はメダル投入口、１２はコントローラ、１３はホッパー、１４はメダルセンサー、１５はシュート、１６は受皿、１７は排送路、１８は補給路、２０はメダル貸し機、２１は貨幣投入口、２２は払出口、２３は補給路、３０はメダル自動補給装置、３１は供給ライン、３２は回収ライン、３３は洗浄研磨部、３４は送出部、３５はメダル取込装置、４０はメダル補給制御部、４０ａは接続部、４１はＣＰＵ、４２はＲＡＭ、４３はＲＯＭ、４４はタイマ、４５はインターフェイス、４６は信号線、４７は監視プログラム（警報手段）、４７ａはゲーム情報取得部、４７ｂは補給回数計数部、４７ｃは補給回数記憶部、４７ｄは検出回数計数部、４７ｅは検出回数記憶部、４７ｆは補給回数監視部、４７ｇはメダルセンサー監視部、４７ｈは警報信号出力部、４８は警報装置、５０はホールコンピュータ、５１は接続部、５２は信号線、ｍはメダルである。
【００１０】
本実施例のメダル遊技設備は、図１に示すようにスロットマシンである複数のメダル遊技機１０とメダル貸し機２０を隣設し、メダル自動補給装置３０からメダル遊技機１０とメダル貸し機２０の上方へメダルｍを供給する供給ライン３１を設け、メダル遊技機１０から排出されたメダルｍを回収する回収ライン３２を設け、回収したメダルｍを洗浄研磨する洗浄研磨部３３を設け、洗浄研磨されたメダルｍを供給ライン３１へ送り出す送出部３４を設け、メダル遊技機１０とメダル貸し機２０の上方位置に供給ライン３１のメダルｍを取り込むメダル取込装置３５を設け、メダル取込装置３５を制御するメダル補給制御部４０を設けている。
【００１１】
メダル遊技機１０は、図２に示すように正面にメダルｍを投入するメダル投入口１１を設け、投入されたメダルｍによるゲームの進行及びゲーム結果に応じた枚数のメダルｍを払い出すコントローラ１２を設け、内部に多数枚のメダルｍを払い出し時まで貯溜するホッパー１３を設け、ホッパー１３内のメダルｍの所定量以下を検出するメダルセンサー１４を設け、ホッパー１３から払い出したメダルｍを排出するシュート１５を設け、排出されたメダルｍを収容する受皿１６を設け、ホッパー１３の側方に余剰のメダルｍを回収ライン３２へ排出する排送路１７を設け、メダル取込装置３５で取り込まれたメダルｍをホッパー１３へ送り込む補給路１８を設けている。
【００１２】
メダル補給制御部４０は、図３に示すようにＣＰＵ４１・ＲＡＭ４２・ＲＯＭ４３・タイマ４４・インターフェイス４５・信号線４６・警報装置４８で構成している。ＲＯＭ４３の監視プログラム４７は、図４に示すようにメダル遊技機１０のコントローラ１２からゲーム情報を取得するゲーム情報取得部４７ａと、ゲーム情報取得部４７ａが取得したゲーム情報が大当たり中又は当たり中の補給回数ｎｈ（メダル取込装置３５の作動回数）を計数する補給回数計数部４７ｂと、補給回数計数部４７ｂが計数した補給回数ｎｈを記憶する補給回数記憶部４７ｃと、メダルセンサー１４によるメダルｍの所定量以下の検出回数ｎｋを計数する検出回数計数部４７ｄと、検出回数計数部４７ｄが計数した検出回数ｎｋを記憶する検出回数記憶部４７ｅと、補給回数記憶部４７ｃの補給回数ｎｈが設定回数ｎｈ１（３回に設定）に達すると不正と判断する補給回数監視部４７ｆと、ゲーム情報取得部４７ａが取得したゲーム情報が大当たり中で無い場合又は当たり中で無い場合において検出回数ｎｋが計数開始から設定回数ｎｋ１（２回に設定）に達し且つ２回目の検出状態が設定時間ｔ１（１８０秒に設定）継続すると不正と判断するメダルセンサー監視部４７ｇと、補給回数監視部４７ｆとメダルセンサー監視部４７ｇが不正と判断した場合に警報装置４８へ信号を出力するとともにメダル取込装置３５を停止させる警報信号出力部４７ｈとで構成されている。
【００１３】
本実施例では、メダル自動補給装置３０を作動させるとメダルｍが供給ライン３１で供給され、メダル補給制御部４０がメダル遊技機１０のホッパー１３へバッチ的に取り込んで収容する。１回当たりの補給枚数は２００枚で、タイマ等で２００枚となるように所要時間補給する。遊技者がメダル貸し機２０から貸し出されたメダルｍをメダル遊技機１０のメダル投入口１１に投入してゲームをすると、コントローラ１２はゲーム結果に応じた枚数のメダルｍをホッパー１３から払い出し、メダル補給制御部４０はメダル取込装置３５を作動させて供給ライン３１のメダルｍをホッパー１３へ取り込んで補給する。監視プログラム４７はゲーム情報取得部４７ａでコントローラ１２からゲーム情報を随時取得する。大当たりと当たりの出現比率は、大当たりは６０〜７０％、当たりは３０〜４０％が一般的である。その大当たりと当たりの信号は期間中の接点持続信号であり、信号自体は大当たりと当たりの区別はない。
【００１４】
ゲームが大当たりとなると７００枚／回を払い出し、メダルセンサー１４がＯＦＦ（メダルセンサー１４からメダルｍが離れて所定量以下を検出した状態）になって通常より１００枚多い３００枚／回を２回補給する。ホッパー１３には払い出し後に残っているメダルｍがあるから、補給後のホッパー１３のメダルｍは３００枚×２回＝６００枚＋αとなり、大当たり中は払い出しと補給を並行することで３００枚程度の補給によりメダルセンサー１４はＯＮ（メダルセンサー１４にメダルｍが当たって所定量を満足した状態）となる。一方、ゲームが当たりとなると１３０枚／回を払い出し、メダルセンサー１４がＯＦＦになると通常より１００枚多い３００枚／回を１回補給し、メダルセンサー１４がＯＮのままの場合は補給しない。そうすると、大当たり中又は当たり中で補給が３回発生することは通常では有り得ないことになる。
【００１５】
したがって、監視プログラム４７は、図５，７に示すようにゲーム情報取得部４７ａが取得したゲーム情報が大当たり又は当たりであった場合に補給回数計数部４７ｂが大当たり中又は当たり中の補給回数ｎｈを計数して補給回数記憶部４７ｃに記憶し、補給回数監視部４７ｆは補給回数記憶部４７ｃの補給回数ｎｈが設定回数ｎｈ１（３回）に達すると不正と判断し、警報信号出力部４７ｈが警報装置４８に信号を出力し、警報装置４８はその信号を受信して警報するとともにメダル取込装置３５が停止する。３回以下であった場合は補給回数記憶部４７ｃをリセットして監視を継続する。
【００１６】
一方、大当たりでも当たりでも無い場合の通常ゲーム中においては、１回目の補給はメダル投入口１１へ投入したメダルｍの払い戻し（クレジットキャンセル）又はホッパー１３のトラブル等により発生する可能性がある。２回目の補給は通常ゲームでは発生する可能性が低い。もし、ホッパー１３内のメダルｍの山が崩れてメダルセンサー１４がＯＦＦになっても、５０枚／１０００円が１８０秒間で打ち込まれてメダルセンサー１４がＯＮになる（１ゲームでは３枚投入し、１分間で６ゲーム行われて１８枚消化するのが一般的であり、１０００円で貸し出された５０枚を消化する時間は５０枚÷１８枚＝２．７８分≒３分となる）。
【００１７】
したがって、監視プログラム４７のメダルセンサー監視部４７ｇは図６，７に示すようにゲーム情報取得部４７ａが取得したゲーム情報が大当たり中で無い場合又は当たり中で無い場合において検出回数記憶部４７ｅの検出回数ｎｋが設定回数ｎｋ１（２回）となった後に２回目の検出状態がその検出時刻ｔ２から設定時間ｔ１（１８０秒）継続すると不正と判断し、警報信号出力部４７ｈが警報装置４８に信号を出力し、警報装置４８はその信号を受信して警報するとともにメダル取込装置３５が停止する。１８０秒に達する前にメダルセンサー１４がＯＮになった場合は検出回数記憶部４７ｅをリセットして監視を継続する。
【産業上の利用可能性】
【００１８】
本発明のメダル遊技設備の不正検出装置は、スロットマシンの他、メダルを用いる全ての遊技機に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【００１９】
【図１】実施例のメダル遊技設備の説明図である。
【図２】実施例のメダル遊技機の一部切り欠き斜視図である。
【図３】実施例のメダル補給制御部の説明図である。
【図４】実施例の監視プログラムの説明図である。
【図５】実施例の不正検出を示す情報処理フローチャートである。
【図６】実施例の不正検出を示す情報処理フローチャートである。
【図７】実施例の大当たり中・当たり中の補給回数と通常ゲーム中のメダルセンサーの検出とそれぞれのメダルの補給量を示すチャートである。
【符号の説明】
【００２０】
１０ メダル遊技機
１１ メダル投入口
１２ コントローラ
１３ ホッパー
１４ メダルセンサー
１５ シュート
１６ 受皿
１７ 排送路
１８ 補給路
２０ メダル貸し機
２１ 貨幣投入口
２２ 払出口
２３ 補給路
３０ メダル自動補給装置
３１ 供給ライン
３２ 回収ライン
３３ 洗浄研磨部
３４ 送出部
３５ メダル取込装置
４０ メダル補給制御部
４０ａ 接続部
４１ ＣＰＵ
４２ ＲＡＭ
４３ ＲＯＭ
４４ タイマ
４５ インターフェイス
４６ 信号線
４７ 監視プログラム
４７ａ ゲーム情報取得部
４７ｂ 補給回数取得部
４７ｃ 補給回数記憶部
４７ｄ 検出回数計数部
４７ｅ 検出回数記憶部
４７ｆ 補給回数監視部
４７ｇ メダルセンサー監視部
４７ｈ 警報信号出力部、
４８ 警報装置
５０ ホールコンピュータ
５１ 接続部
５２ 信号線
ｍ メダル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
ホッパーを備えた複数のメダル遊技機にメダルを供給する供給ラインを設け、ホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーを設け、メダルセンサーがメダルの所定量以下を検出すると供給ラインのメダルをホッパーへバッチ補給する補給手段を設けたメダル遊技設備においてメダル遊技機のゲーム情報と補給手段の補給回数とメダルセンサーの検出回数から不正を検出して警報する警報手段を設けたメダル遊技設備の不正検出装置であって、前記警報手段は、ゲーム情報が大当たり中又は当たり中の場合の補給手段の補給回数が不正と判断される所定回数に達すると不正を検出する補給回数監視部と、ゲーム情報が大当たりでも当たりでも無い場合にメダルセンサーの検出回数が所定回数に達し且つ所定回数に達した際の検出状態が不正と判断される所定時間継続すると不正を検出するメダルセンサー監視部とで構成したことを特徴とする、メダル遊技設備の不正検出装置。
【請求項２】
警報手段が、不正を検出した後に補給手段を停止する制御を備えたものである、請求項１記載のメダル遊技設備の不正検出装置。
【請求項１】
ホッパーを備えた複数のメダル遊技機にメダルを供給する供給ラインを設け、ホッパー内のメダルの所定量以下を検出するメダルセンサーを設け、メダルセンサーがメダルの所定量以下を検出すると供給ラインのメダルをホッパーへバッチ補給する補給手段を設けたメダル遊技設備においてメダル遊技機のゲーム情報と補給手段の補給回数とメダルセンサーの検出回数から不正を検出して警報する警報手段を設けたメダル遊技設備の不正検出装置であって、前記警報手段は、ゲーム情報が大当たり中又は当たり中の場合の補給手段の補給回数が不正と判断される所定回数に達すると不正を検出する補給回数監視部と、ゲーム情報が大当たりでも当たりでも無い場合にメダルセンサーの検出回数が所定回数に達し且つ所定回数に達した際の検出状態が不正と判断される所定時間継続すると不正を検出するメダルセンサー監視部とで構成したことを特徴とする、メダル遊技設備の不正検出装置。
【請求項２】
警報手段が、不正を検出した後に補給手段を停止する制御を備えたものである、請求項１記載のメダル遊技設備の不正検出装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００８−６７９８８（Ｐ２００８−６７９８８Ａ）
【公開日】平成２０年３月２７日（２００８．３．２７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２５０９０６（Ｐ２００６−２５０９０６）
【出願日】平成１８年９月１５日（２００６．９．１５）
【出願人】（０００１０８２４７）株式会社ジェッター (42)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年３月２７日（２００８．３．２７）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年９月１５日（２００６．９．１５）
【出願人】（０００１０８２４７）株式会社ジェッター (42)
【Ｆターム（参考）】
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