説明

メッセージ告知システム

【課題】VODシステムで、安価な構成で利用者向けに詳細なメッセージを告知する。
【解決手段】VODサーバ1と複数のSTB3,3,…とを構内ネットワーク5で接続したシステムで、メッセージ情報を入力して管理する、構内ネットワーク5と接続したPMS2を備え、VODサーバ1は、PMS2が送信するメッセージ情報を取得して記憶する記憶部1e、起動画面データ、メッセージ情報に対応するメッセージ画面データを記憶する画面データ記憶部1dを備え、STB3からの配信要求を受けて記憶部1eでメッセージ情報の有無を検索し、存在した場合に、メッセージ画面データの配信要求を可能にスクリプトを生成して起動画面データに組込んでSTB3に対して配信し、STB3は、起動画面データを受信して再生出力し、組込まれていたスクリプトを実行してメッセージ画面データの配信を要求し、該要求に応答して送信されるメッセージ画面データを受信して再生出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばホテルや旅館などの宿泊施設構内に敷設するビデオ・オン・デマンドシステムに好適なメッセージ告知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホテルや旅館等の旅客宿泊施設でその施設構内に敷設する構内テレビ配信網でテレビ放送を視聴する場合、共用のアンテナで受信した地上波放送、BS・110°CSデジタル放送、地上波デジタル放送、及び施設内で独自に放送する自主放送等の複数の番組を端末装置である専用のテレビ放送受信装置で受信し、このテレビ放送受信装置で選局、復調した映像信号及び音声信号をこのテレビ放送受信装置に接続したテレビ受像機で出力して視聴を行なうことが可能となる。
【0003】
しかるに、客室利用者が不在で管理者側からなんらかのメッセージを告知したい場合、上記テレビ放送受信装置でメッセージがある旨のランプを点灯させて、後に詳細な情報を施設内のフロント等に確認していただくよう促す方法や、メッセージの告知用に専用の放送チャネルを割当て、テレビ受像機の電源オン当初に上記専用の放送チャネルを強制的に選択する方法等が考えられる。
【0004】
また、ホテルなどで留守時の伝言メッセージ等に使用する、ホテルマンは電話を受けた時にその処理を済ませられ、宿泊客は所望する時に正確にメッセージを受け取れるようにするべく、受けた通話の音声メッセージをパーソナルコンピュータで自動翻訳ソフトウェアにより文字列に変換して記憶しておき、客室からのリクエストに応えて客室のテレビ画面に映像として表示させる技術が考えられている。(例えば、特許文献1)
【特許文献1】特開平10−093733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようにランプを点灯させる方法では、フロント等で確認するまでメッセージの内容がわからず、人手を介するために効率的ではない。また、上記専用の放送チャネルを設ける方法では、メッセージ告知に使用できる放送チャネルに限りがあることに加え、複数の告知内容や言語等に対応させることが容易ではなく、それを実現するためには施設に多大のコストが発生するという不具合がある。
【0006】
また、上記特許文献に記載された技術も、電話を受けた時にホテルマンがパーソナルコンピュータを操作して所望する言語への翻訳や記録等を行なわなければならず、人的なコストが必要となる。
【0007】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、映画等をストリーミングで視聴可能とするビデオ・オン・デマンドシステムで、より安価な構成としながら利用者向けに詳細なメッセージを告知することが可能なメッセージ告知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1記載の発明は、配信要求に従って映像を含むコンテンツを配信するビデオ・オン・デマンドサーバと、該サーバに配信要求を送信し、送信に応答して配信されるコンテンツを受信して再生出力する複数のセットトップボックスとをネットワーク接続したシステムでのメッセージ告知システムであって、メッセージ情報を入力して管理する、上記ネットワークと接続したホストコンピュータを備え、上記ビデオ・オン・デマンドサーバは、上記ホストコンピュータが送信するメッセージ情報を取得して記憶するメッセージ記憶手段、固定画面データと、上記メッセージ情報に対応するメッセージ画面データとを記憶する画面データ記憶手段、及び上記セットトップボックスからの配信要求を受けて上記メッセージ記憶手段で当該セットトップボックスに応じたメッセージ情報の有無を検索する検索手段を備え、上記セットトップボックスから固定画面データの配信要求を受け、上記検索手段により上記メッセージ記憶手段で当該セットトップボックスに応じたメッセージ情報を検索してメッセージ情報が存在した場合に、メッセージ情報に対応するメッセージ画面データの配信要求を可能とするスクリプトを生成して固定画面データに組込み、当該固定画面データを上記セットトップボックスに対して配信し、上記セットトップボックスは、上記固定画面データを受信して再生出力し、組込まれていたスクリプトを実行してメッセージ画面データの配信を要求し、該要求に応答して送信されるメッセージ画面データを受信して再生出力するとを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、配信要求に従って映像を含むコンテンツを配信するビデオ・オン・デマンドサーバと、該サーバに配信要求を送信し、送信に応答して配信されるコンテンツを受信して再生出力する複数のセットトップボックスとをネットワーク接続したシステムでのメッセージ告知システムであって、メッセージ情報を入力して管理する、上記ネットワークと接続したホストコンピュータを備え、上記ビデオ・オン・デマンドサーバは、上記ホストコンピュータが送信するメッセージ情報を取得して記憶するメッセージ記憶手段、固定画面データと、上記メッセージ情報に対応するメッセージ画面データとを記憶する画面データ記憶手段、及び上記セットトップボックスからの配信要求を受けて上記メッセージ記憶手段で当該セットトップボックスに応じたメッセージ情報の有無を検索する検索手段を備え、上記セットトップボックスから固定画面データの配信要求を受け、上記検索手段により上記メッセージ記憶手段で当該セットトップボックスに応じたメッセージ情報を検索してメッセージ情報が存在した場合に、固定画面データの配信要求を可能とするスクリプトを生成して、メッセージ情報に対応するメッセージ画面データに組込み、当該メッセージ画面データを上記セットトップボックスに対して配信し、上記セットトップボックスは、上記メッセージ画面データを受信して再生出力し、組込まれていたスクリプトを実行して固定画面データの配信を要求し、該要求に応答して送信される固定画面データを受信して再生出力することを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、上記請求項1または2記載の発明において、上記メッセージ情報は、セットトップボックスの設置位置情報、メッセージ画面種別、及び言語情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、和ホワイト請求項1または2記載の発明において、上記ビデオ・オン・デマンドサーバが配信するメッセージ画面データは、当該メッセージ画面を確認した旨を示す確認ボタンの画像を含み、上記セットトップボックスは、確認ボタンを含むメッセージ画面データの再生出力に対して所定の操作がなされると上記確認ボタンが操作されたものと判断して上記ビデオ・オン・デマンドサーバに確認完了を通知することを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、上記請求項4記載の発明において、上記ビデオ・オン・デマンドサーバは、上記セットトップボックスからメッセージ画面データに応答する確認完了の通知を受信すると、上記メッセージ記憶手段に記憶する該当するメッセージ情報を消去すると共にメッセージ確認済みの完了情報を記憶し、記憶した完了情報に基づいて上記ホストコンピュータにメッセージ告知が完了した旨の応答を返信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、映画等をストリーミングで視聴可能とするビデオ・オン・デマンドシステムで、より安価な構成としながら利用者向けに詳細なメッセージを告知することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下本発明を例えばホテル施設構内に敷設するビデオ・オン・デマンド(以下「VOD)システムに適用した場合の一実施形態について図面参照して説明する。
【0015】
図1は、同システム全体の構成を示すもので、センターCT側にVODサーバ1とホストコンピュータ(HC)としてのプロパティ・マネージメント・システム(PMS)2とが備えられる。これらVODサーバ1及びプロパティ・マネージメント・システム2は構内ネットワーク5を介して接続される。構内ネットワーク5は、ホテル施設構内に敷設されてLANを構成する。この構内ネットワーク5に対し、ホテルの各客室GR側にそれぞれセットトップボックス3が配設される。セットトップボックス3は、その客室GR内のテレビ受像機4と接続される。
【0016】
VODサーバ1は、映像データ記憶部1a、スクリプト生成部1b、配信部1c、画面データ記憶部1d、及び記憶部1eを備える。
映像データ記憶部1aは、配信すべき各種映像データによるコンテンツを記憶する。スクリプト生成部1bは、後述する固定画面としての起動画面データに組込むスクリプトデータを生成する。配信部1cは、映像データ、画面データ等を配信する。
【0017】
画面データ記憶部1dは、起動画面データとメッセージ情報に対応した各種メッセージ画面データを記憶する。記憶部1eは、客室番号及び該客室番号に対応したMAC(Media Access Control)アドレス、IP(Internet Protcol)アドレスとメッセージ情報等を記憶する。
【0018】
プロパティ・マネージメント・システム2は、上述した如くこのシステムのホストコンピュータとして機能し、ホテルのチェックイン/アウトや料金精算をはじめとしたホテル業務全般を管理する。このプロパティ・マネージメント・システム2は、入力操作を行なう入力部2aと、入力情報等を記憶する記憶部2bを備える。
【0019】
セットトップボックス3は、図示しない専用のリモートコントローラにより客室利用者である宿泊客が任意に操作するもので、VODサーバ制御部3a、ブラウザ3b、スクリプト実行部3c、及び再生出力部3dを備える。
【0020】
VODサーバ制御部3aは、構内ネットワーク5を介して接続される上記VODサーバ1との各種データの送受を行なう。ブラウザ3bは、VODシステムのコンテンツの閲覧を制御する。スクリプト実行部3cは、起動画面データに組込まれたスクリプトを解析して実行する。再生出力部3dは、VODサーバ1から送られてきたコンテンツを展開して映像及び音声の各データを再生し、テレビ受像機4に対して出力する。
【0021】
上述した如くVODサーバ1、及びプロパティ・マネージメント・システム2とそれぞれテレビ受像機4を接続したセットトップボックス3,3,…は構内ネットワーク5で接続され、TCP(Transmission Control Protcol)/IPInternet Protcol)やUDP(User Datagram Protcol)等のプロトコルを用いたイントラネットを形成する。
【0022】
次に上記実施形態の動作について説明する。
なお、本動作においては、各客室に設置されたセットトップボックス3,3,…での操作に応じて、図4に示す如く、VODサーバ1の記憶部1eに客室番号に対応したMACアドレス及びIPアドレスが予め記憶されているものとする。ここで上記各セットトップボックス3,3,…のIPアドレスは、構内ネットワーク5に接続された範囲内でVODサーバ1が自動的に取得する。
【0023】
また、VODサーバ1の記憶部1eには、プロパティ・マネージメント・システム2から提供されるメッセージ情報が記憶されているものとする。
図5(A)は、この記憶部1eに記憶されるメッセージ情報を例示するものである。例えば、
メッセージ種別「1」:
「メッセージがございます。フロント○番に御連絡下さい」
メッセージ種別「2」:
「会社より電話がございました。連絡を下さいとの伝言です」
メッセージ種別「3」:
「○○○のサービスがございます。ご利用になってはいかがでしょうか?」
等々の内容を示すものとする。
【0024】
上記メッセージ種別に続く「言語」情報は、メッセージ種別の表示文字が
「J」:日本語、「E」:英語、「K」:韓国語、「C」:中国語
等の内容を持つものとする。
【0025】
図2は、上記VODサーバ1での処理内容を示す。その動作当初には、セットトップボックス3,3,…から起動表示画面データの配信要求があるか否か(ステップS01)、メッセージ画面データの配信要求があるか否か(ステップS02)、あるいはVODトップ画面データの配信要求があるか否か(ステップS03)を順次繰返し判断することで、これらのいずれか配信要求があるのを待機する。
【0026】
起動表示画面データの配信要求があった場合、上記ステップS101でそれを判断し、当該客室番号に基づいて記憶部1eを検索し、当該客室宛のメッセージ情報が否かを判断する(ステップS04)。
【0027】
ここで記憶部1eに当該客室宛てのメッセージ情報がなかった場合には、そのまま画面データ記憶部1dに記憶されている起動表示画面データを読出して配信部1cにより当該客室のセットトップボックス3へ配信した後(ステップS06)、再びつぎの配信要求に備えるべく上記ステップS01からの処理に戻る。
【0028】
また、上記ステップS04で記憶部1eに当該客室宛てのメッセージ情報があった場合には、記憶部1eから当該客室宛てのメッセージ種別及び言語の各情報を読出し、それらの情報に基づいてスクリプト生成部1bでスクリプトを作成し、起動表示画面データに組込む(ステップS05)。
【0029】
例えば、上記図5(A)で客室番号「102」はメッセージ種別が「1」で言語が「J」であるから、日本語により上記メッセージ「メッセージがございます。フロント○番に御連絡下さい」の文字列によるメッセージ画面データを配信させるべく、その配信要求のスクリプトを生成して起動表示画面データに組込む。
【0030】
そして、スクリプトを組込んだ起動表示画面データを当該客室、例えば「102」のセットトップボックス3に配信し(ステップS06)、再び上記ステップS01からの処理に戻って、当該客室に関しては、セットトップボックス3から今度はメッセージ画面データの配信要求があるのを待機する。
【0031】
しかして、セットトップボックス3からメッセージ画面データの配信要求があった場合、ステップS02でそれを判断し、今度は当該客室のセットトップボックス3がVODトップ画面データの配信要求が可能となるようなスクリプトをスクリプト生成部1bで生成し、メッセージ画面データに組込む(ステップS07)。
【0032】
そして、スクリプトを組込んだメッセージ画面データを当該客室、例えば「102」のセットトップボックス3に配信し(ステップS08)、再び上記ステップS01からの処理に戻って、当該客室に関しては、セットトップボックス3から今度はVODトップ画面データの配信要求があるのを待機する。
【0033】
その後、セットトップボックス3からVODトップ画面データの配信要求があった場合、ステップS03でそれを判断し、上記起動表示画面と同様にこれも固定画面データであるVODトップ画面データを当該客室のセットトップボックス3に配信する(ステップS09)。
【0034】
次いで、このVODトップ画面データを配信した客室番号に基づいて記憶部1eを参照し、当該客室番号でメッセージ情報が記憶されており、且つメッセージ画面データに対する確認がなされているか否かを判断する(ステップS10)。
【0035】
ここで、該当するメッセージがないと判断した場合、あるいは、メッセージ情報があっても、まだ確認がなされていないと判断した場合には、そのまま上記ステップS01からの処理に戻る。
【0036】
また、当該客室番号でメッセージ情報が記憶されており、且つメッセージ画面データに対する確認がなされていた場合、上記ステップS10でそれを判断し、記憶部1eにおける当該客室番号のメッセージ種別、及び言語の各情報を消去すると共に、確認済みであることを示すフラグ情報をセットする(ステップS11)。
【0037】
図5(B)は、上記図5(A)の状態から、客室番号「201」でメッセージ画面データに対する確認がなされたために、該当するメッセージ種別及び言語の各情報を消去して「0」とし、合わせて確認済みのフラグ情報「1」を設定した場合を例示するものである。
【0038】
こうしてメッセージに対する客室からの確認を得た後、ホストコンピュータであるプロパティ・マネージメント・システム2に当該客室に対するメッセージ告知の完了を通知し(ステップS12)、以上で一連の処理を終えて、次のメッセージに関する処理を実行するべく、上記ステップS01からの処理に戻る。
【0039】
次に、図3により客室GR側のセットトップボックス3での処理内容についても説明する。
【0040】
セットトップボックス3をリモートコントローラの操作で電源投入、あるいは再起動すると、VODサーバ1に対して起動表示画面データの配信要求を行なう(ステップT01)。
【0041】
この配信要求に応答してVODサーバ1から起動表示画面データが送られてくると、これを受信し、再生出力部3dが起動表示画面データのコンテンツを再生してテレビ受像機4で映像及び音声を出力させる(ステップT02)。
【0042】
この起動表示画面の出力状態が一定時間、例えば15[秒]経過するのを待機し(ステップT03)、一定時間が経過したと判断した時点で、次に再生した起動表示画面データにメッセージ画面データの配信要求が必要か否かを、そのためのスクリプトが組込まれていたか否かにより判断する(ステップT04)。
【0043】
メッセージ画面データの配信要求が必要であると判断した場合、組込まれていたスクリプトにしたがってメッセージ画面データの配信要求を行なう(ステップT05)。
この配信要求に応答してVODサーバ1からメッセージ画面データが送られてくると、これを受信し、再生出力部3dがメッセージ画面データのコンテンツを再生してテレビ受像機4で映像及び音声を出力させることで、メッセージの告知を行なう(ステップT06)。
【0044】
このメッセージの告知に関しては、画面中に確認ボタンを予め組込んでおくと共に、当該確認ボタンの操作を促すガイドメッセージを画面データ中に合わせて組込んでおく。
【0045】
上記メッセージ画面データの再生状態において、上記確認ボタンの操作がなされたか否か(ステップT09)、一定時間、例えば15[秒]が経過したか否か(ステップT11)、を繰返し判断することで、これらのいずれかの状態となるのを待機する。
【0046】
しかるに、一定時間が経過する前に確認のための操作がなされた場合、ステップT09でそれを判断し、メッセージ確認済みである旨を示す識別情報を付加してVODトップ画面データの配信要求をVODサーバ1に対して行なう(ステップT10)。
【0047】
そして、この配信要求に応答してVODサーバ1からVODトップ画面データが送られてくると、これを受信し、再生出力部3dがVODトップ画面データのコンテンツを再生してテレビ受像機4で映像及び音声を出力させる(ステップT08)。
【0048】
以上でこの図3の処理を一旦終了し、以後VODによる通常の動作に移行する。
【0049】
また、上記ステップT09,T11の処理を繰返し実行する過程で、確認のための操作がなされないままに一定時間が経過した場合、ステップT11でそれを判断し、上記ステップT10でのようなメッセージ確認済みである旨を示す識別情報を付加せずに、VODトップ画面データの配信要求をVODサーバ1に対して行なう(ステップT07)。
【0050】
この配信要求に応答してVODサーバ1からVODトップ画面データが送られてくると、これを受信し、再生出力部3dがVODトップ画面データのコンテンツを再生してテレビ受像機4で映像及び音声を出力させる(ステップT08)。
【0051】
さらに、上記ステップT04でメッセージ画面データの配信要求が必要なく、そのためのスクリプトが組込まれていなかったと判断した場合には、そのまま上記ステップT107に進んで、直ちにVODトップ画面データの配信要求を行なう。
【0052】
このように、客室利用者である宿泊客がセットトップボックス3の電源を投入するか、あるいは再起動の操作を行なうと、起動表示画面データとしてシステムタイトルを一定時間表示出力する。その後、VODの操作に移行する前に、当該客室宛てのメッセージ告知がある場合には、自動的にメッセージ画面データの表示に移行するものとなる。
【0053】
以上詳述した如く本実施形態によれば、映画等をストリーミングで視聴可能とするVOD(ビデオ・オン・デマンド)システムで、より安価な構成としながら利用者向けに詳細なメッセージを告知することが可能となる。
【0054】
なお、上記実施形態では、固定画面データである起動表示画面を再生した後にメッセージ画面データの再生に移行するものとして説明したが、あえて当該客室宛てのメッセージ画面データがある場合には、先にメッセージ画面データの再生を行ない、その後に起動表示画面データの再生を行なうものとしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態では、メッセージ画面データとVODトップ画面データとを区分して順次再生出力するものとして説明したが、メッセージ画面データをVODトップ画面データの一部に合成して共に再生出力するものとしても、同様の効果を得ることができる。
【0056】
さらに、上記実施形態では、メッセージ情報がセットトップボックスの設置位置情報(客室番号)、メッセージ画面種別、及び言語情報を含むこととしたので、告知対象に合わせて、より詳細な設定でメッセージ告知を行なうことができる。
【0057】
加えて、上記実施形態では、メッセージの告知に対する確認の処理を行なうものとしたので、同一のメッセージ告知を何度も繰り返し実行してしまうことがなく、利用者に煩雑な思いをさせてしまうのを未然に防止できると共に、施設管理者側でもメッセージ告知を行なったか否かを確実に把握できる。
【0058】
その他、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施形態で実行される機能は可能な限り適宜組み合わせて実施しても良い。上述した実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件による適宜の組み合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の一実施形態に係るVODシステムの構成を示す図。
【図2】同実施形態に係るVODサーバ側の処理内容を示すフローチャート。
【図3】同実施形態に係るセットトップボックス側の動作初期の処理内容を示すフローチャート。
【図4】同実施形態に係るVODサーバの記憶部に記憶される客室番号毎のMACアドレス及びIPアドレスの内容を例示する図。
【図5】同実施形態に係るVODサーバの記憶部に記憶されるメッセージ情報を例示する図。
【符号の説明】
【0060】
1…VODサーバ、1a…映像データ記憶部、1b…スクリプト生成部、1c…配信部、1d…画面データ記憶部、1e…記憶部、2…プロパティ・マネージメント・システム(PMS)(ホストコンピュータ(HC))、2a…入力部、2b…記憶部、3…セットトップボックス、3a…VODサーバ制御部、3b…ブラウザ、3c…スクリプト実行部、3d…再生出力部、4…テレビ受像機、5…構内ネットワーク、CT…センター、GR…客室。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配信要求に従って映像を含むコンテンツを配信するビデオ・オン・デマンドサーバと、該サーバに配信要求を送信し、送信に応答して配信されるコンテンツを受信して再生出力する複数のセットトップボックスとをネットワーク接続したシステムでのメッセージ告知システムであって、
メッセージ情報を入力して管理する、上記ネットワークと接続したホストコンピュータを備え、
上記ビデオ・オン・デマンドサーバは、
上記ホストコンピュータが送信するメッセージ情報を取得して記憶するメッセージ記憶手段、
固定画面データと、上記メッセージ情報に対応するメッセージ画面データとを記憶する画面データ記憶手段、及び
上記セットトップボックスからの配信要求を受けて上記メッセージ記憶手段で当該セットトップボックスに応じたメッセージ情報の有無を検索する検索手段を備え、
上記セットトップボックスから固定画面データの配信要求を受け、上記検索手段により上記メッセージ記憶手段で当該セットトップボックスに応じたメッセージ情報を検索してメッセージ情報が存在した場合に、メッセージ情報に対応するメッセージ画面データの配信要求を可能とするスクリプトを生成して固定画面データに組込み、当該固定画面データを上記セットトップボックスに対して配信し、
上記セットトップボックスは、
上記固定画面データを受信して再生出力し、組込まれていたスクリプトを実行してメッセージ画面データの配信を要求し、該要求に応答して送信されるメッセージ画面データを受信して再生出力する
ことを特徴とするメッセージ告知システム。
【請求項2】
配信要求に従って映像を含むコンテンツを配信するビデオ・オン・デマンドサーバと、該サーバに配信要求を送信し、送信に応答して配信されるコンテンツを受信して再生出力する複数のセットトップボックスとをネットワーク接続したシステムでのメッセージ告知システムであって、
メッセージ情報を入力して管理する、上記ネットワークと接続したホストコンピュータを備え、
上記ビデオ・オン・デマンドサーバは、
上記ホストコンピュータが送信するメッセージ情報を取得して記憶するメッセージ記憶手段、
固定画面データと、上記メッセージ情報に対応するメッセージ画面データとを記憶する画面データ記憶手段、及び
上記セットトップボックスからの配信要求を受けて上記メッセージ記憶手段で当該セットトップボックスに応じたメッセージ情報の有無を検索する検索手段を備え、
上記セットトップボックスから固定画面データの配信要求を受け、上記検索手段により上記メッセージ記憶手段で当該セットトップボックスに応じたメッセージ情報を検索してメッセージ情報が存在した場合に、固定画面データの配信要求を可能とするスクリプトを生成して、メッセージ情報に対応するメッセージ画面データに組込み、当該メッセージ画面データを上記セットトップボックスに対して配信し、
上記セットトップボックスは、
上記メッセージ画面データを受信して再生出力し、組込まれていたスクリプトを実行して固定画面データの配信を要求し、該要求に応答して送信される固定画面データを受信して再生出力する
ことを特徴とするメッセージ告知システム。
【請求項3】
上記メッセージ情報は、セットトップボックスの設置位置情報、メッセージ画面種別、及び言語情報の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1または2記載のメッセージ告知システム。
【請求項4】
上記ビデオ・オン・デマンドサーバが配信するメッセージ画面データは、当該メッセージ画面を確認した旨を示す確認ボタンの画像を含み、
上記セットトップボックスは、確認ボタンを含むメッセージ画面データの再生出力に対して所定の操作がなされると上記確認ボタンが操作されたものと判断して上記ビデオ・オン・デマンドサーバに確認完了を通知する
ことを特徴とする請求項1または2記載のメッセージ告知システム。
【請求項5】
上記ビデオ・オン・デマンドサーバは、上記セットトップボックスからメッセージ画面データに応答する確認完了の通知を受信すると、上記メッセージ記憶手段に記憶する該当するメッセージ情報を消去すると共にメッセージ確認済みの完了情報を記憶し、記憶した完了情報に基づいて上記ホストコンピュータにメッセージ告知が完了した旨の応答を返信することを特徴とする請求項4記載のメッセージ告知システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−87863(P2010−87863A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−255046(P2008−255046)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(592205735)株式会社ケイティーエス (16)
【Fターム(参考)】