説明

メディアカートリッジ盗難検知システム及びメディアカートリッジ盗難検知方法

【課題】テープライブラリ装置内部に収容されるテープカートリッジの盗難を早期に検知できるメディアカートリッジ盗難検知システムの提供。
【解決手段】テープライブラリ制御装置300が、電源を投入したテープライブラリ装置10のテープカートリッジからバーコードリーダー19及び製造番号読取部が読み込んだテープ構成情報を構成情報格納部に記憶する工程と、前記構成情報格納部に記憶したメディア構成情報のバーコード情報と製造番号の対応が正しいか否かを判定する判定処理を実行することを示す製造番号判定フラグをオンに設定する工程と、任意のタイミングにおいて前記構成情報格納部に格納したバーコード情報及び製造番号と前記バーコードリーダー19及び製造番号読取部により読み込んだバーコード情報及び製造番号とを比較し、不一致と判定したとき、警告報知部によりユーザに警告を発する工程を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムの外部記憶装置であるメディアライブラリ装置からのメディアカートリッジ盗難を早期に検知することができるメディアカートリッジ盗難検知システム及びメディアカートリッジ盗難検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大容量コンピュータシステムの外部記憶装置として、記録媒体である磁気テープを収納したテープカートリッジ(メディアカートリッジ)を多数収納し、コンピュータシステムから送られてきたデータをテープカートリッジに選択的に記録するテープライブラリ装置が採用されている。このテープライブラリ装置は、例えば下記特許文献1に記載された様に、多数のテープカートリッジを個別に収納するように格子状に多段配置された多数のスロットセルを有するテープ収納部と、当該装置の筐体内を移動して前記スロットセルからテープカートリッジを選択的に出し入れするロボットハンドと、ロボットハンドにより取り出したテープカートリッジの磁気テープにデータを記録再生する複数のテープドライブとを備える。
【0003】
日々発生する業務データ等はテープカートリッジの磁気テープに記憶されるため、テープカートリッジは企業内の秘密情報等を含むものであり、テープカートリッジの盗難は、企業情報の漏洩につながる恐れがある。そのため、テープライブラリ装置には、図1に示す如く、装置内に収納されているテープカートリッジの盗難を防ぐために筐体の扉12とテープカートリッジ取出し専用のテープ取り出し用ドア13と操作パネル14とを施錠するのが一般的である。また、テープカートリッジの盗難を防止するための他の技術としては、特許文献2に、盗難防止用磁気マーカーを磁気テープカートリッジのハウジング内に装着した磁気テープカートリッジが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−149535号公報
【特許文献2】特開平5−159522号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように従来技術によるテープライブラリ装置は、前記扉12及びテープカートリッジ取出し用ドア13から、内部に収納されているテープカートリッジの盗難を防止するための方法として、鍵による施錠、プログラムによる電子的な施錠及び操作パネルを用いたパスワードによる施錠等が一般的である。
【0006】
しかし、テープライブラリ装置の鍵は同一のテープライブラリ装置シリーズで共通の鍵を使用しており、その鍵を持つものであれば誰でも容易に解錠が可能となる。プログラムによる電子的な施錠も、テープライブラリ制御装置の電源が入っていない状態では電子的な施錠はできない。操作パネルによるパスワードによる施錠は、監査ログ機能を有しないテープライブラリ装置が多く、このために従来技術においては、誰がテープを持ち出したかを監査ログで確認することができないという不具合があった。
【0007】
また、特許文献2に記載された如く盗難防止用マーカーや無線ICタグを備えた磁気テープカートリッジにより盗難を防止する方法は、入出室管理システム等、物理的な投資が必要となりコストがかかると言う不具合があった。
【0008】
本発明は、これらの問題点を解決するためになされたものであり、低コストでメディアライブラリ装置内部に収容されるメディアカートリッジの盗難を有効に防止し、盗難を早期に検知できるメディアカートリッジ盗難検知システム及びメディアカートリッジ盗難検知方法を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0009】
前記目的を達成するため本発明は、データを記録する記録媒体を収納し、カートリッジ製造番号を記録するメモリ及びバーコード情報を表すバーコードが設けられたメディアカートリッジを複数収納し、選択されたメディアカートリッジの記録媒体にデータの記録再生を行うメディアライブラリ装置におけるメディアカートリッジの盗難を検知するメディアカートリッジ盗難検知システムであって、
前記メディアライブラリ装置が、
前記メディアカートリッジのバーコードからバーコード情報を読み取るバーコード読取部と、前記メディアカートリッジのメモリから製造番号を読み取る製造番号読取部と、前記メディアカートリッジの投入及び排出を行うために開閉されるドアを含む筐体とを備え、
該メディアライブラリ装置を制御するライブラリ制御装置が、
前記バーコード読取部及び製造番号読取部が任意のメディアカートリッジから読み込んだ前記バーコード情報及び製造番号とを対応させたメディア構成情報を記憶する構成情報格納部とを備え、
任意のメディアカートリッジから前記バーコード読取部及び製造番号読取部が読み込んだメディア構成情報を構成情報格納部に記憶する第1工程と、
該メディアライブラリ装置の電源を投入したとき、前記構成情報格納部に記憶したメディア構成情報のバーコード情報と製造番号の対応が正しいか否かを判定する判定処理を実行することを示す製造番号判定フラグをオンに設定して記憶する第2工程とを実行させることを第1の特徴とする。
【0010】
また本発明は、第1の特徴のメディアカートリッジ盗難検知システムにおいて、前記構成情報格納部に記憶したメディア構成情報を、前記第1工程により読み込んだ新メディア構成情報と、前記第1工程を実行する以前のバーコード情報及び製造番号とを対応させた旧メディア構成情報とから構成し、
前記制御するライブラリ制御装置が、前記第1工程において、
前記構成情報格納部の新メディア構成情報を旧メディア構成情報として複写する第3工程と、
該第3工程の実行後に前記任意のメディアカートリッジから読み込んだメディア構成情報を構成情報格納部に新メディア構成情報として記憶する第4工程とを実行することを第2の特徴とする。
【0011】
また本発明は、第2の特徴のメディアカートリッジ盗難検知システムにおいて、前記ライブラリ制御装置が、ユーザに警告を発する警告報知部を備え、
前記構成情報格納部に格納した新メディア構成情報に含まれるバーコード情報と、任意のタイミングで前記バーコード読取部により読み込んだバーコード情報とを比較し、不一致と判定したとき、前記警告報知部によりユーザに警告を発する第5工程を実行することを第3の特徴とする。
【0012】
また本発明は、第3の特徴のメディアカートリッジ盗難検知システムにおいて、任意のタイミングにおいてライブラリ制御装置が、
前記構成情報格納部の製造番号判定フラグがオンに設定されているか否かを判定する第6工程と、
該第6工程において製造番号判定フラグがオンと設定されているメディア構成情報のメディアカートリッジから製造番号読取部を用いて読み取った製造番号と、前記構成情報格納部に格納したメディア構成情報に含まれる製造番号が一致するか否かを判定する第7工程と、
該第7工程において製造番号が一致しないと判定したとき、前記警告報知部によりユーザに警告を発する第8工程とを実行することを第4の特徴とする。
【0013】
また本発明は、第1から第4何れかの特徴のメディアカートリッジ盗難検知システムにおいて、前記メディアライブラリ装置がライブラリ制御装置を介してデータバックアップを制御するバックアッププログラムを実行する上位装置に接続され、
前記各特徴における各工程を、
前記上位装置のバックアッププログラムからのメディア交換命令及びメディア排出命令又はメディア投入命令を含む指示によって実行すること、
又は筐体のドアが閉じられたことを契機として実行することを第5の特徴とする。
【0014】
更に本発明は、データを記録する記録媒体を収納し、カートリッジ製造番号を記録するメモリ及びバーコード情報を表すバーコードが設けられたメディアカートリッジを複数収納する収納部と、前記メディアカートリッジのバーコードからバーコード情報を読み取るバーコード読取部と、前記メディアカートリッジのメモリから製造番号を読み取る製造番号読取部と、前記メディアカートリッジの投入及び排出を行うために開閉されるドアを含む筐体とを備えるメディアライブラリ装置と、
前記バーコード読取部及び製造番号読取部が任意のメディアカートリッジから読み込んだ前記バーコード情報及び製造番号とを対応させたメディア構成情報を記憶する構成情報格納部とを備えるライブラリ制御装置とから成り、メディアカートリッジの盗難を検知するメディアカートリッジ盗難検知システムにおける盗難検知方法において、
前記ライブラリ制御装置が、メディアライブラリ装置に電源が投入されたとき、
任意のメディアカートリッジから前記バーコード読取部及び製造番号読取部が読み込んだメディア構成情報を構成情報格納部に記憶する第1工程と、
前記構成情報格納部に記憶したメディア構成情報のバーコード情報と製造番号の対応が正しいか否かを判定する判定処理を実行することを示す製造番号判定フラグをオンに設定して記憶する第2工程とを実行させることを第6の特徴とする。
【0015】
また本発明は、前記構成情報格納部に記憶したメディア構成情報を、前記第1工程により読み込んだ新メディア構成情報と、前記第1工程を実行する以前のバーコード情報及び製造番号とを対応させた旧メディア構成情報とから構成した第6の特徴のメディアカートリッジ盗難検知方法であって、
前記ライブラリ制御装置に、前記第1工程において、
前記構成情報格納部の新メディア構成情報を旧メディア構成情報として複写する第3工程と、
該第3工程の実行後に前記任意のメディアカートリッジから読み込んだメディア構成情報を構成情報格納部に新メディア構成情報として記憶する第4工程とを実行させることを第7の特徴とする。
【0016】
また本発明は、前記ライブラリ制御装置がユーザに警告を発する警告報知部を備えた第7の特徴のメディアカートリッジ盗難検知方法において、
前記構成情報格納部に格納した新メディア構成情報に含まれるバーコード情報と、任意のタイミングで前記バーコード読取部により読み込んだバーコード情報とを比較し、不一致と判定したとき、前記警告報知部によりユーザに警告を発する第5工程を実行させることを第8の特徴とする。
【0017】
また本発明は、第8の特徴のメディアカートリッジ盗難検知方法において、任意のタイミングにおいてライブラリ制御装置に、
前記構成情報格納部の製造番号判定フラグがオンに設定されているか否かを判定する第6工程と、
該第6工程において製造番号判定フラグがオンと設定されているメディア構成情報のメディアカートリッジから製造番号読取部を用いて読み取った製造番号と、前記構成情報格納部に格納したメディア構成情報に含まれる製造番号が一致するか否かを判定する第7工程と、
該第7工程において製造番号が一致しないと判定したとき、前記警告報知部によりユーザに警告を発する第8工程とを実行させることを第9の特徴とする。
【0018】
また本発明は、前記メディアライブラリ装置がライブラリ制御装置を介してデータバックアップを行うバックアッププログラムを実行する上位装置に接続された第6から9何れかの特徴のメディアカートリッジ盗難検知方法において、
前記各請求項における各工程を、
前記上位装置のバックアッププログラムからのメディア交換命令及びメディア排出命令又はメディア投入命令を含む指示によって実行すること、
又は筐体のドアが閉じられたことを契機として実行することを第10の特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によるメディアカートリッジ盗難検知システム及びメディアカートリッジ盗難検知方法は、ライブラリ制御装置が、メディアライブラリ装置に電源を投入したとき、構成情報格納部に記憶したメディア構成情報のバーコード情報と製造番号の対応が正しいか否かを判定する判定処理を実行することを示す製造番号判定フラグをオンに設定し、任意のタイミングにおいて、メディアカートリッジから読み込んだバーコード情報及び製造番号と、前記構成情報格納部に記憶したバーコード情報及び製造番号とを比較することによって、容易にメディアが盗難にあったことを早期に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態によるテープライブラリ装置の外観を概略的に示す図。
【図2】本テープライブラリ装置を含むコンピュータシステムを示す図。
【図3】本実施形態によるテープライブラリ制御装置の構成を示す図。
【図4】本実施形態によるテープ構成情報管理部の旧テープ構成情報格納部及び新テープ構成情報格納部に格納されるデータの一例を示す図。
【図5】本実施形態による装置電源投入時における盗難検知の処理手順を示すフローチャート。
【図6】本実施形態によるテーブル更新処理手順を示すフローチャート。
【図7】本実施形態によるバーコードチェック処理手順を示すフローチャート。
【図8】本実施形態による非同期テープ製造番号チェック処理手順を示すフローチャート。
【図9】本実施形態による装置電源投入中にテープ取り出し用ドア開かれた際のバーコード情報照合処理手順を示すフローチャート。
【図10】本実施形態による装置電源投入中にテープカートリッジが挿入された際のバーコード情報照合処理手順を示すフローチャート。
【図11】本実施形態による装置電源投入中にテープカートリッジが排出された際のバーコード情報照合処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
まず、本願発明者は、低コスト且つ早期にテープカートリッジの盗難を検知するため、テープライブラリ装置の電源が入ったときに加え、テープ取り出し用ドアがクローズされたとき、テープが挿入されたとき、テープが排出されたとき等の、カートリッジテープが不当に取り出される可能性があるイベント発生時がカートリッジ盗難の早期検知に有効である点に着目し、これらのイベント発生時に、テープカートリッジのバーコードを読み込んで盗難を検知すること、更には前述のイベント発生時以外の非同期でテープカートリッジの製造番号チェックをすることにより、ハードウェアに負担をかけずにテープカートリッジの盗難を早期に発見できる本願発明を成した。以下、この原理を採用したメディアカートリッジ盗難検知システム及び同盗難検知方法の実施形態を、メディアカートリッジ例としてテープカートリッジを挙げ、以下、詳細に説明する。図1〜図11は、本発明の実施の形態を例示する図であり、これらの図において、同一の符号を付した部分は同一物を表わし、基本的な構成及び動作は同様であるものとする。
【0022】
[構成]
まず、本実施形態の対象となるテープライブラリ装置10の外観は、図1に示す如く、テープカートリッジを作業員が交換等を行うために開閉される扉12と、テープカートリッジの交換を行うために開閉されるテープ取り出し用ドア13と、テープライブラリ装置の操作を行うための操作パネル14と、これら構成が配される筺体11とを備える。前記扉12は、テープライブラリ導入時などの大量のテープカートリッジを投入するときに開閉されるものであり、前記テープ取り出し用ドア13は、主に交換用のテープカートリッジを複数装填した交換モジュール(図示せず)を出し入れするときに開閉されるものである。また本実施形態の対象となるテープカートリッジは、非接触でデータ交信が可能なRFIDタグ等のメモリを内蔵し、該メモリには磁気テープの製造番号(製造番号)を記録しているものとする。
【0023】
このテープライブラリ装置10は、図2に示す如く、多数のテープカートリッジ(図示せず)を個別に収納するように格子状に多段配置された多数のスロットセル16を有するテープ収納部15と、当該装置の筐体内を移動して前記スロットセル16からテープカートリッジを選択的に出し入れするロボットハンド18と、該ロボットハンド18により出し入れされるテープカートリッジのバーコード読み取りを行うバーコードリーダー19と、該バーコードリーダー19付きのロボットハンド18によりテープカートリッジが搬送される搬送テーブル17と、前記ロボットハンド18により取り出されたテープカートリッジの磁気テープにデータを記録再生する複数のテープドライブ20と、前記ロボットハンド18の制御機能/バーコードリーダー19の制御機能/カートリッジメモリのリーダー制御機能を有するライブラリ制御部30とを備える。
【0024】
このように構成されたテープライブラリ装置10は、コンピュータシステムのサーバ100にテープライブラリ制御装置300を介して接続され、コンピュータシステムのサーバ100のデータを記録するディスク装置200に記録されたデータをテープライブラリ制御装置300の制御によって多数のテープカートリッジにバックアップ記録や本実施形態によるテープ構成情報の制御等を行う様に構成されている。
【0025】
前記テープライブラリ制御装置300は、テープライブラリ装置10にSCSIコマンドを発行することによって、テープ格納状態情報/バーコード情報/テープ製造番号の取得を行い、これら情報を格納する機能と、後述するメディアカートリッジ盗難検知を制御する機能とを備えるものであり、図3に示す如く、バーコードリーダー19で読み取ったバーコード情報をチェックするバーコードチェック部301と、テープドライブ20で読み取ったテープカートリッジのメモリ内の製造番号をチェックするテープ製造番号チェック部302と、後述する交換による新旧テープの構成情報を格納するテープ構成情報管理部310と、テープカートリッジの入替があったときに音や光による警告を行う報知部320により構成される。また、テープ構成情報管理部310は旧テープ構成情報格納部311と、新テープ構成情報格納部312により構成される。
【0026】
前記テープ構成情報管理部310は、交換前のテープカートリッジの情報を格納する旧テープ構成情報格納部311と、交換後のテープカートリッジの情報を格納する新テープ構成情報格納部312とから構成され、各格納部311及び312のデータフォーマットは、図4に示す如く、「スロット番号」、「テープグループ番号」、「テープグループ内テープ番号」、「バーコード情報」、「テープ製造番号情報」、「バックアップ情報」、「非同期テープ製造番号チェック対象フラグ」の各項目情報から成り、例えば、スロット番号「0000」のスロットセルには、「テープグループ番号」が「1」、「テープグループ内テープ番号」が「1」、「バーコード情報」が「TP0007L3」、「テープ製造番号情報」が「000258」、「バックアップ情報」がバックアップ日時を示す「2008/01/23 15:45」、「非同期テープ製造番号チェック対象フラグ」が「ON」の如く格納されている。尚、「非同期テープ製造番号チェック対象フラグ」とは、前述のイベント発生時以外のタイミングでテープ製造番号が正規の登録された製造番号が否かを判定する対象テープカセットをフラグによって指定するものであって、「ON」が対象、「OFF」が非対象を示すものとする。
【0027】
[動作]
[装置電源投入時]
次に前述のように構成されたテープライブラリ装置10の電源を入れたときのテープライブラリ制御装置300の制御下における盗難検知処理手順を図5を参照して説明する。尚、本例においては処理手順をテープライブラリ制御装置300が制御する例を説明するが、この動作は、テープライブラリ制御装置300の制御によるものに限らず、これは後述する処理フローにおいても同様である。
【0028】
まず、テープライブラリ装置10の電源が投入された場合、本実施形態によるテープライブラリ制御装置300は、テープライブラリ装置10を構成するハードウェアの初期化を行うステップS51と、搬送テーブル17上のロボットハンド位置を初期化(待機位置にロボットハンドを戻し、位置情報を初期位置にセットする等の処理)するステップS52と、バーコードリーダー19によりスロットセル16に格納されている全テープカートリッジのバーコードを読み取り、バーコード情報を取得するステップS53と、該ステップS53により取得した電源投入時のテープ構成情報(スロットセル毎のバーコード情報)を新テープライブラリ構成情報格納部312にバックアップするテーブル更新処理を行うステップS54とを実行する。
【0029】
次いで本処理は、テープ構成情報管理部310に格納されている旧テープ構成情報格納部311と新テープ構成情報格納部312に格納したバーコード情報とが一致するか否かを判定することによってテープカートリッジが交換されたかバーコードチェックにより判定するステップS55と、新旧のバーコード情報が不一致と判定したとき、そのスロットの非同期テープ製造番号チェックフラグをONにするステップS56とを実行する。
【0030】
これら一連の処理によって本実施形態による盗難検知処理は、装置の電源投入時にライブラリに装填しているテープカートリッジのバーコード情報を読み取り、装置電源投入前に読み取ったセル毎のバーコード情報と一致するかを判定することによって、テープカートリッジが交換されたか否かを判定し、バーコード情報の相違によって交換されたと判定したとき、新テープ構成情報312の非同期テープ製造番号チェックフラグをONにするように動作する。尚、前記非同期テープ製造番号チェックフラグをONにする理由は、テープカートリッジに貼り付けられたバーコードは比較的容易に貼り替えが容易であり、悪意によって正規なバーコード紙が付け替えられたか否かを後述する処理によって判定するためである。
【0031】
[テーブル更新処理]
次に前記ステップS54によるテーブル更新処理を図6を参照して説明する。このテーブル更新処理は、図6に示す如く、テープライブラリ制御装置300が、テープ構成情報管理部310の新テープ構成情報格納部312に格納したテープ構成情報を旧テープ構成情報格納部311のテープ構成情報としてコピーするステップS61と、前述の図5のステップS53により取得したバーコード情報を新テープ構成情報格納部312に格納するステップS62とを実行することによって、装置起動前のテープ構成情報を旧テープ構成情報格納部311に格納すると共に起動時に取得したテープ構成情報を新テープ構成情報格納部312にテープ構成情報として格納することができる。
【0032】
[バーコードチェック処理]
次に本実施形態による前記ステップS55によるバーコードチェック処理を図7を参照して説明する。このバーコードチェック処理は、図7に示す如く、テープライブラリ制御装置300が、旧テープ管理情報格納部311から対象となるテープカートリッジのバーコード情報を取得するステップS71と、該ステップS71により取得したバーコード情報が新テープ管理情報格納部312内に格納されているか否かを判定し、格納されていると判定したときに後述のステップS75に移行するステップS72と、該ステップS72において格納されていないと判定したときに前記報知部320に警告他の動作を指示するステップS73と、前記ステップS71〜73の経緯をログとした監査ログを取得するステップS74と、全テープカートリッジのチェックが終了したか否かを判定し、終了していないと判定したときに前記ステップS71に戻り、終了したと判定したときに処理を終了するステップS75とを実行することによって、装置起動時に取得したバーコード情報が新テープ構成情報格納部312に登録済みか否かを判定し、未登録な不正の可能性のあるテープカートリッジが装着されたことを判定したとき、警告処理を行う様に動作する。
【0033】
本実施形態によるメディアカートリッジ盗難検知システム及びメディアカートリッジ盗難検知方法は、前記装置電源投入時に限らず、他のタイミングによってもテープカートリッジが盗難された可能性があるか否かを判定するものであって、これら検知タイミング別の盗難検知動作を図7以降を参照して説明する。
【0034】
[非同期テープ製造番号チェック処理]
まず、本実施形態によるメディアカートリッジ盗難検知システム及び同方法は、テープライブラリ制御装置300が前述のテープライブラリ装置10を立ち上げた後、テープライブラリ装置10の非稼働時、例えば、夜間や休日に、新テープ構成情報格納部312の非同期テープ製造番号チェックフラグがONになっているテープカートリッジに対してバーコード情報と製造番号が一致するか否かを判定するチェック処理を行うように動作する。
【0035】
このチェック処理は、図8に示す如く、まず、テープライブラリ制御装置300が、新テープ構成情報格納部312のテープ製造番号チェックフラグがON且つTG(テープグループ)の先頭テープが有るか否かを判定するステップS801と、該ステップS802による条件を満足するテープカートリッジの中で時間的に最近にデータをバックアップしたテープカートリッジをチェック対象に設定するステップS802と、前記ステップS802において、当該条件を満足しないと判定したとき、非同期テープ製造番号チェックフラグがONのテープカートリッジが有るか否かを判定し、ないと判定したときに処理を終了するステップS803と、該ステップS803において前記チェックフラグがONのテープカートリッジがあると判定したとき、当該チェックフラグがONのテープカートリッジ中で時間的に最近にデータをバックアップしたテープカートリッジをチェック対象に設定するステップS804と、前記ステップS802又は804により設定したテープカートリッジをロボットハンド18により任意のテープドライブ20に搬送・投入するステップS805と、テープドライブ20が投入されたテープカートリッジのメモリからテープ製造番号を読み込むステップS806と、該ステップS806により製造番号を読み込んだテープカートリッジの新テープ構成情報格納部312の非同期テープ製造番号チェックフラグをOFFに変更するステップS807とを実行する。
【0036】
次いで本チェック処理は、前記ステップS807に続き、メモリから読み込んだテープカートリッジ製造番号と新テープ構成情報格納部312に格納されているテープ製造番号とが一致するか否かを判定し、一致し、正規のテープカートリッジとして判定したときに前記ステップS801に戻るステップS808と、該ステップS808において、一致しないと判定したとき、前記報知部320に警告他の動作を指示するステップS809と、前記ステップS801〜809の経緯をログ情報とした監査ログを取得するステップS810とを順次実行する。
【0037】
これら一連の処理によって本実施形態によるメディアカートリッジ盗難検知システム及び同方法は、テープライブラリ制御装置300が、装置の夜間や休日等の時間帯のハードウェア負荷が低い状態において、時間的に最近にバックアップを実行したテープカートリッジの製造番号が新テープ構成情報格納部312に格納されているテープ製造番号と一致するか否かを判定することによって、例えば正規なテープカートリッジがバーコードが不正に貼り付けられたテープカートリッジと交換されたことを早期に検知することができる。
【0038】
[テープ取り出し用ドア開閉時処理]
本実施形態によるメディアカートリッジ盗難検知システム及び同方法は、テープライブラリ装置10の電源投入中にテープ取り出し用ドア13が開閉されたとき、テープライブラリ装置10のバーコード情報の照合による盗難検知を実行するものであって、この処理手順を図9を参照して説明する。
【0039】
このテープカートリッジ取り出し用ドア13開閉時の盗難検知処理は、図9に示す如く、テープライブラリ制御装置300が、テープカートリッジ取り出し用ドア13が閉じられ、交換モジュールからテープカートリッジがロボットハンドによりセルに収納されたことを検出したとき、バーコードリーダー19を用いてスロットセル16に格納されているテープカートリッジのバーコードを読み取るステップS91と、該ステップS91により読み取ったバーコード情報を新テープ構成情報格納部312に記録したバーコード情報に更新するテーブル更新処理を行うステップS92と、テープ構成情報管理部310の旧テープ構成情報格納部311に登録されているバーコード情報と前記ステップS91により読み取ったバーコード情報が相違するか否かをチェックするステップS93と、該ステップS93によってバーコード情報に相違があると判定したとき、非同期テープ製造番号チェックフラグをONにするステップS94とを実行する。
【0040】
これら処理によって本実施形態においては、カートリッジ取り出し用ドア13が開閉されたとき、収納したテープカートリッジのバーコード情報が新テープ構成情報格納部312に格納しているバーコード情報と一致するかを判定することによって、前記ドア13開閉のイベントを契機として収納したテープカートリッジの盗難を早期に検知することができると共に、非同期にてテープ製造番号チェック処理を行うことができる。
【0041】
[テープカートリッジ投入時処理]
本実施形態によるメディアカートリッジ盗難検知システム及び同方法は、装置電源投入中にユーザ命令によってテープカートリッジが新たに投入されるときにおいても、バーコード情報の取得乃至登録を行うものであって、この処理手順を図10を参照して説明する。
【0042】
このテープカートリッジ投入時の盗難検知処理は、図10に示す如く、テープライブラリ制御装置300が、上位からの命令によって新たにテープカートリッジが投入されたことを検知するステップS101と、該ステップS101により投入を検知したテープカートリッジのバーコード情報を前述の処理同様に取得するステップS102と、該ステップS102により取得したバーコード情報を新テープ構成情報格納部312に記録したバーコード情報に更新するテーブル更新処理を行うステップS103と、テープ構成情報管理部310の旧テープ構成情報格納部311に登録されているバーコード情報と前記ステップS103により読み取ったバーコード情報が相違するか否かをチェックするステップS104と、該ステップS104によってバーコード情報に相違があると判定したとき、非同期テープ製造番号チェックフラグをONにするステップS105とを実行することによって、テープカートリッジが新たに投入されたとき、新たに投入されたテープカートリッジのバーコード情報を新テープ構成情報格納部312に登録すると共に、非同期にてテープ製造番号チェック処理を行うように動作する。尚、前記ステップS101は、扉12の開閉やスロットセル16のセンサ(図示せず)によるテープカートリッジの投入を契機としても良い。
【0043】
[テープカートリッジ排出時処理]
本メディアカートリッジ盗難検知システム及び同方法は、ユーザからの操作によって上位からのテープ排出命令をトリガとしてテープカートリッジがテープ取り出しドア13から交換モジュールを介して取り出されるとき、テープライブラリ制御装置300が新テープ管理情報格納部312に格納したテープ構成情報を更新すると共に排出されるテープカートリッジのバーコード情報のチェックを実行するものであって、この処理手順を図11を参照して説明する。
【0044】
このテープカートリッジ排出時の処理は、図11に示す如く、テープライブラリ制御装置300が、上位からのテープカートリッジ排出命令又はスロットセル16のセンサ(図示せず)によってテープカートリッジが排出されることを検知するステップS111と、該ステップS111により排出を検知したテープカートリッジのバーコード情報を含むテープ構成情報を新テープ構成情報格納部312から削除するテーブル更新処理を行うステップS112と、当該排出対象のテープカートリッジから読み取ったバーコード情報と前記新テープ構成情報格納部312から削除したバーコード情報とが一致するか否かを判定し、正規なテープカートリッジの排出か否かを判定するステップS113とを実行することによって、上位から指定されたテープカートリッジが正規に排出されることを確保することができ、且つテープ構成情報管理部310のテープ情報を更新することができる。
【0045】
以上、メディアをテープカートリッジとした実施形態例によるメディアカートリッジ盗難検知システム及びメディアカートリッジ盗難検知方法を説明したが、本発明はメディアの種類/ライブラリ装置の形状や構造等は前述の実施形態のものに限られず、例えばメディアとしてフレキシブルディスク、光磁気ディスク、光ディスク及び磁気ディスク等他のメディアを記録媒体としたライブラリ装置にも適用することができる。また、前述の非同期テープ製造番号チェックは、複数のバックアップを取得している場合、先頭のテープカートリッジのみを優先して、2本目以降の優先順位を下げることによって、早期にテープカートリッジの検出を可能とすることができる。
また、テープカートリッジにメモリが内蔵されていないテープカートリッジの場合にも、磁気テープ内のシステム情報記録エリアに製造番号が記録されておりかつ読取可能であれば、本発明が適用可能である。
【0046】
また、データのバックアップと非同期テープ製造番号チェックの重複を避けるため、非同期テープ製造番号チェックの実行時間を休日や夜間等の時間帯に設定することや、将来的にロボットハンドにテープ製造番号リーダーを付けることによって、バーコードチェックと同じタイミングでチェックもできる。同様に、製造の困難なRFIDタグをテープカートリッジに内蔵し、ロボットハンドにリーダーを付けることによっても、同様のタイミングで検出が可能となる。
【0047】
以上のように本実施形態によるメディアカートリッジ盗難検知システム及びメディアカートリッジ盗難検知方法は、低コストでテープライブラリ装置内部に収容されるテープカートリッジの盗難を有効に防止し、盗難を早期に検知できるテープライブラリ装置及び盗難検知方法を提供することができる。また、ハードウェアに負担をかけず、テープカートリッジの盗難を検知することが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
10:テープライブラリ装置、11:筐体、12:扉、13:テープ取り出し用ドア、14:操作パネル、15:テープ収納部、16:スロットセル、17:搬送テーブル、18:ロボットハンド、19:バーコードリーダー、20:テープドライブ、30:ライブラリ制御部、100:サーバ、200:ディスク装置、300:テープライブラリ制御装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを記録する記録媒体を収納し、カートリッジ製造番号を記録するメモリ及びバーコード情報を表すバーコードが設けられたメディアカートリッジを複数収納し、選択されたメディアカートリッジの記録媒体にデータの記録再生を行うメディアライブラリ装置におけるメディアカートリッジの盗難を検知するメディアカートリッジ盗難検知システムであって、
前記メディアライブラリ装置が、
前記メディアカートリッジのバーコードからバーコード情報を読み取るバーコード読取部と、前記メディアカートリッジのメモリから製造番号を読み取る製造番号読取部と、前記メディアカートリッジの投入及び排出を行うために開閉されるドアを含む筐体とを備え、
該メディアライブラリ装置を制御するライブラリ制御装置が、
前記バーコード読取部及び製造番号読取部が任意のメディアカートリッジから読み込んだ前記バーコード情報及び製造番号とを対応させたメディア構成情報を記憶する構成情報格納部とを備え、
任意のメディアカートリッジから前記バーコード読取部及び製造番号読取部が読み込んだメディア構成情報を構成情報格納部に記憶する第1工程と、
該メディアライブラリ装置の電源を投入したとき、前記構成情報格納部に記憶したメディア構成情報のバーコード情報と製造番号の対応が正しいか否かを判定する判定処理を実行することを示す製造番号判定フラグをオンに設定して記憶する第2工程とを実行させるメディアカートリッジ盗難検知システム。
【請求項2】
前記請求項1記載のメディアカートリッジ盗難検知システムであって、
前記構成情報格納部に記憶したメディア構成情報を、前記第1工程により読み込んだ新メディア構成情報と、前記第1工程を実行する以前のバーコード情報及び製造番号とを対応させた旧メディア構成情報とから構成し、
前記制御するライブラリ制御装置が、前記第1工程において、
前記構成情報格納部の新メディア構成情報を旧メディア構成情報として複写する第3工程と、
該第3工程の実行後に前記任意のメディアカートリッジから読み込んだメディア構成情報を構成情報格納部に新メディア構成情報として記憶する第4工程とを実行するメディアカートリッジ盗難検知システム。
【請求項3】
前記請求項2記載のメディアカートリッジ盗難検知システムであって、
前記ライブラリ制御装置が、ユーザに警告を発する警告報知部を備え、
前記構成情報格納部に格納した新メディア構成情報に含まれるバーコード情報と、任意のタイミングで前記バーコード読取部により読み込んだバーコード情報とを比較し、不一致と判定したとき、前記警告報知部によりユーザに警告を発する第5工程を実行するメディアカートリッジ盗難検知システム。
【請求項4】
前記請求項3記載のメディアカートリッジ盗難検知システムであって、
任意のタイミングにおいてライブラリ制御装置が、
前記構成情報格納部の製造番号判定フラグがオンに設定されているか否かを判定する第6工程と、
該第6工程において製造番号判定フラグがオンと設定されているメディア構成情報のメディアカートリッジから製造番号読取部を用いて読み取った製造番号と、前記構成情報格納部に格納したメディア構成情報に含まれる製造番号が一致するか否かを判定する第7工程と、
該第7工程において製造番号が一致しないと判定したとき、前記警告報知部によりユーザに警告を発する第8工程とを実行するメディアカートリッジ盗難検知システム。
【請求項5】
前記請求項1から4何れかに記載のメディアカートリッジ盗難検知システムであって、
前記メディアライブラリ装置がライブラリ制御装置を介してデータバックアップを制御するバックアッププログラムを実行する上位装置に接続され、
前記各請求項における各工程を、
前記上位装置のバックアッププログラムからのメディア交換命令及びメディア排出命令又はメディア投入命令を含む指示によって実行すること、
又は筐体のドアが閉じられたことを契機として実行するメディアカートリッジ盗難検知システム。
【請求項6】
データを記録する記録媒体を収納し、カートリッジ製造番号を記録するメモリ及びバーコード情報を表すバーコードが設けられたメディアカートリッジを複数収納する収納部と、前記メディアカートリッジのバーコードからバーコード情報を読み取るバーコード読取部と、前記メディアカートリッジのメモリから製造番号を読み取る製造番号読取部と、前記メディアカートリッジの投入及び排出を行うために開閉されるドアを含む筐体とを備えるメディアライブラリ装置と、
前記バーコード読取部及び製造番号読取部が任意のメディアカートリッジから読み込んだ前記バーコード情報及び製造番号とを対応させたメディア構成情報を記憶する構成情報格納部とを備えるライブラリ制御装置とから成り、メディアカートリッジの盗難を検知するメディアカートリッジ盗難検知システムにおける盗難検知方法であって、
前記ライブラリ制御装置が、メディアライブラリ装置に電源が投入されたとき、
任意のメディアカートリッジから前記バーコード読取部及び製造番号読取部が読み込んだメディア構成情報を構成情報格納部に記憶する第1工程と、
前記構成情報格納部に記憶したメディア構成情報のバーコード情報と製造番号の対応が正しいか否かを判定する判定処理を実行することを示す製造番号判定フラグをオンに設定して記憶する第2工程とを実行させるメディアカートリッジ盗難検知方法。
【請求項7】
前記構成情報格納部に記憶したメディア構成情報を、前記第1工程により読み込んだ新メディア構成情報と、前記第1工程を実行する以前のバーコード情報及び製造番号とを対応させた旧メディア構成情報とから構成した請求項6記載のメディアカートリッジ盗難検知方法であって、
前記ライブラリ制御装置に、前記第1工程において、
前記構成情報格納部の新メディア構成情報を旧メディア構成情報として複写する第3工程と、
該第3工程の実行後に前記任意のメディアカートリッジから読み込んだメディア構成情報を構成情報格納部に新メディア構成情報として記憶する第4工程とを実行させるメディアカートリッジ盗難検知方法。
【請求項8】
前記ライブラリ制御装置がユーザに警告を発する警告報知部を備えた請求項7記載のメディアカートリッジ盗難検知方法であって、
前記構成情報格納部に格納した新メディア構成情報に含まれるバーコード情報と、任意のタイミングで前記バーコード読取部により読み込んだバーコード情報とを比較し、不一致と判定したとき、前記警告報知部によりユーザに警告を発する第5工程を実行させるメディアカートリッジ盗難検知方法。
【請求項9】
前記請求項8記載のメディアカートリッジ盗難検知方法であって、
任意のタイミングにおいてライブラリ制御装置に、
前記構成情報格納部の製造番号判定フラグがオンに設定されているか否かを判定する第6工程と、
該第6工程において製造番号判定フラグがオンと設定されているメディア構成情報のメディアカートリッジから製造番号読取部を用いて読み取った製造番号と、前記構成情報格納部に格納したメディア構成情報に含まれる製造番号が一致するか否かを判定する第7工程と、
該第7工程において製造番号が一致しないと判定したとき、前記警告報知部によりユーザに警告を発する第8工程とを実行させるメディアカートリッジ盗難検知方法。
【請求項10】
前記メディアライブラリ装置が、ライブラリ制御装置を介してデータバックアップを行うバックアッププログラムを実行する上位装置に接続された請求項6から9何れかに記載のメディアカートリッジ盗難検知方法であって、
前記各請求項における各工程を、
前記上位装置のバックアッププログラムからのメディア交換命令及びメディア排出命令又はメディア投入命令を含む指示によって実行すること、
又は筐体のドアが閉じられたことを契機として実行するメディアカートリッジ盗難検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−250887(P2010−250887A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98112(P2009−98112)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(000233033)日立コンピュータ機器株式会社 (253)
【Fターム(参考)】