説明

メモリ装置、画像形成システム

【課題】乳幼児による誤飲を抑制可能なメモリ装置を提供する。
【解決手段】メモリーカード200は、半導体チップ203を収容するキャップ201を有している。キャップ201の外面に、カオリンを含有するカオリン含有領域が含まれている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に対して着脱可能なメモリ装置、このメモリ装置を着脱可能な画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリーカードやUSBメモリ等のメモリ装置を挿入するスロットを備えた画像形成装置が従来から知られている。上記の画像形成装置では、上記のメモリ装置を用いて、印刷用画像データの入力を行い、また、ファームウェアのアップデートやオプションソフトのインストールを行うことが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−200178号公報
【特許文献2】WO2007/058031
【特許文献3】特開2008−169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のメモリ装置は、小型化が進んでその可搬性が向上する反面、その小ささのために子供が誤って飲み込んでしまい、深刻な事故につながってしまうといった危険性も有している。したがって、従来から誤飲を抑制できるメモリ装置が要望されている。
【0005】
本発明は、大きさや形状に依らず乳幼児による誤飲を抑制可能なメモリ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、電子部品と前記電子部品を収容する筐体とを有し、電子機器に対して着脱可能なメモリ装置において、筐体の外面に、カオリンを含有するカオリン含有領域が含まれていることを特徴とする。本発明の構成によれば、乳幼児が誤ってメモリ装置を口内に入れた場合であっても、カオリンが唾液を吸収して吸着機能を発揮し、この吸着機能によってメモリ装置の筐体の外面が前記乳幼児の舌に吸着するため、前記乳幼児がメモリ装置を誤って飲み込んでしまうという事態を抑制できる。なお、前記メモリ装置の例としては、メモリーカード、USBメモリが挙げられる。
【0007】
また、本発明の構成において、前記カオリン含有領域は、前記筐体の基材の表面にペースト状カオリンが塗布されている領域であってもよい。この構成ではペースト状カオリンを使用しているため、前記筐体の基材の表面にカオリンを容易に塗布できるというメリットがある。
【0008】
さらに、本発明の構成において、前記カオリン含有領域は、カオリン粒子を含有する樹脂からなる領域であってもよい。この構成では、カオリンが筐体から脱落し難いので、カオリンによる吸着効果を長期に渡って維持できる。
【0009】
また、本発明の構成において、前記筐体の外面に、前記筐体を把持するときに指を押し当てるための領域であって前記カオリンを含有しない把持領域が含まれていてもよい。この構成では、利用者は、把持領域に指を当ててメモリーカードを把持すれば、カオリン含有領域に触れることなくメモリ装置を把持できる。それゆえ、カオリン含有領域に汗ばんだ指を当ててしまってメモリ装置が手に吸着してしまうという不都合を抑制できる。
【0010】
さらに、本発明のメモリ装置が平板状のメモリーカードである場合、本発明は、前記筐体の内部に取り付けられている弾性部材と、前記弾性部材に支持される突出部材とを有し、前記突出部材は、前記弾性部材が弾性変形すると全体が前記筐体に収容され、前記弾性部材が復元すると、前記メモリーカードの表面に平行な方向に、一部分が前記筐体から突出するようになっており、前記弾性部材は、前記筐体から突出している前記一部分に対して前記筐体へ向かう方向の押圧力が付与されると、弾性変形するようになっていることが好ましい。この構成によれば、メモリーカードがどこにも挿入されていない場合、筐体から突出部材が突出することになるので、メモリーカードのサイズを大きくできる。それゆえ、乳幼児が誤ってメモリーカードを口内に入れてしまうことを抑制できる。
【0011】
また、前記メモリーカードの表面に対して垂直な方向の前記突出部材の長さが0.1mm未満では突出部材の強度が不足して撓んでしまい、どこにも挿入されていない場合のメモリーカードのサイズを大きくできるという効果を充分に得られないことがある。これに対し、0.5mmを超えると、筐体サイズが規格サイズよりも大きくなってしまうという不都合が生じることがある。そこで、前記突出部材は、前記メモリーカードの表面に対して垂直な方向の長さが0.1mm以上且つ0.5mm以内になっていることが好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記のメモリ装置と、前記メモリ装置のスロットが形成されている画像形成装置とを含む画像形成システムであってもよい。なお、画像形成装置とは、画像データに基づいて画像を印刷可能なプリンタ、複写機、複合機、ファクシミリ装置を意味する。
【発明の効果】
【0013】
本発明の構成によれば、乳幼児がメモリ装置を誤って口内に入れてしまった場合であっても、飲み込んでしまうという事態を抑制できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態のメモリーカードを着脱可能な画像形成装置の内部構成を示す模式図である。
【図2】本実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。
【図3】(a)は、本実施形態に係るメモリーカードの表面側を示した模式図であり、(b)は、(a)のメモリーカードの裏面側を示した模式図であり、(c)は、(a)のメモリーカードの内部を示した模式図である。
【図4】(a)は、突出部材がキャップの内部に収容されている状態のメモリーカードを示した模式図である。(b)は、突出部材がキャップから外部に突出している状態のメモリーカードを示した模式図である。(c)は、(b)に示すメモリーカードのAA線の断面図である。
【図5】(a)は、本実施形態の第1変形例に係るメモリーカードの表面側を示す模式図であり、(b)は、(a)のメモリーカードに取り付けられている突出部材を示す模式図である。
【図6】(a)は、本実施形態の第2変形例に係るメモリーカードの表面側を示す模式図であり、(b)は、(a)のメモリーカードの側部を示す模式図であり、(c)は、(a)のメモリーカードの裏面側を示す模式図である。
【図7】(a)は、本実施形態の第3変形例に係るメモリーカードの表面側を示す模式図であり、(b)は、(a)に示すメモリーカードのBB線の断面を模式的に示す図である。
【図8】(a)は、本実施形態のUSBメモリにおける蓋を示した斜視図であり、(b)は、本実施形態のUSBメモリにおける本体装置を示した斜視図である。
【図9】(a)は、突出部材が装置本体に収容されている状態のUSBメモリを示した模式図である。(b)は、突出部材が装置本体から外部に突出している状態のUSBメモリを示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態のメモリーカードを着脱可能な画像形成装置の内部構成を示す模式図である。なお、本願明細書では、前記のメモリーカードと画像形成装置との組を画像形成システムと称す。
【0016】
画像形成装置100は、スキャナ機能とプリンタ機能とを備え、外部から伝達された画像データに応じて、所定のシート(記録用紙)に対して多色および単色の画像を形成する複合機である。この画像形成装置100は、図1に示すように、装置本体110と、自動原稿処理装置120とを有している。
【0017】
装置本体110は、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6、定着ユニット7、給紙カセット81、排紙トレイ91等を有している。
【0018】
装置本体110の上部には、原稿台として機能する透明ガラス92を含むスキャナ部90が設けられ、スキャナ部90の上側には自動原稿処理装置120が取り付けられている。自動原稿処理装置120は、透明ガラス92の上に自動で原稿を搬送する。また、原稿処理装置120は矢印M方向に回動自在に設計されている。原稿処理装置120が矢印M方向に回動することによって透明ガラス92が開放され、透明ガラス92の上に原稿を手で載置できるようになっている。
【0019】
また、図1に示すように、スキャナ部90には、メモリーカードの挿入口であるスロット99が設けられている。そして、本実施形態の画像形成装置100は、スロット99に挿入されているメモリーカードから読み出される画像情報に基づいて印刷処理を行うことが可能になっている。また、ファームウェアの更新プログラムを記憶したメモリーカードをスロット99に挿入すれば、メモリーカードに記憶されている更新プログラムに基づいてファームウェアを更新できるようになっている。さらに、画像形成装置100のオプションソフトを記憶したメモリーカードをスロット99に挿入すれば、メモリーカードから画像形成装置100に前記オプションソフトをインストールできるようになっている。
【0020】
画像形成装置100において扱われる画像データは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像に応じたものである。したがって、各色に応じた4種類の潜像が形成されるように、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4からなる画像形成ステーションが4個設置されている。つまり、画像形成装置100には、ブラック画像用の画像形成ステーションと、シアン画像用の画像形成ステーションと、マゼンタ画像用の画像形成ステーションと、イエロー画像用の画像形成ステーションとが設けられている。
【0021】
尚、本実施形態では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色で説明するが、特にこれら4色に限定せず、例えばシアンおよびマゼンタと同一の色相で濃度がより薄い特性をもつライトシアン(LC)およびライトマゼンタ(LM)を加えた6色であっても良い。
【0022】
帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための装置である。なお、本実施形態では非接触方式の帯電器5が用いられているが、ローラ型やブラシ型のような接触方式の帯電器が用いられてもよい。
【0023】
露光ユニット1は、レーザ出射部(レーザ光源)と、レーザビームを走査するポリゴンミラーと、ポリゴンミラーによって走査されたレーザ光を感光体ドラム3に導く光学部材(レンズおよび反射ミラー)とを備えるレーザスキャニングユニット(LSU)である。なお、発光素子をアレイ状に並べたELやLED書込みヘッドを露光ユニットとして設置してもよい。
【0024】
露光ユニット1は、帯電された感光体ドラム3を、入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に、画像データに応じた静電潜像を形成する機能を有する。現像器2は、感光体ドラム3上に形成された静電潜像を現像器2内のトナーによって現像(顕像化)するものである。なお、ブラック画像用の画像形成ステーションの現像器2ではブラックトナーによって現像が行われ、シアン画像用の画像形成ステーションの現像器2ではシアントナーによって現像が行われ、イエロー画像用の画像形成ステーションの現像器2ではイエロートナーによって現像が行われ、マゼンタ画像用の画像形成ステーションの現像器2ではマゼンタトナーによって現像が行われる。
【0025】
感光体ドラム3の上方に配置されている中間転写ベルトユニット6は、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、中間転写ローラ64、及び中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。中間転写ローラ64は、YMCK用の各色に対応して4本設けられている。
【0026】
中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、及び中間転写ローラ64は、中間転写ベルト61を張架して回転駆動させる。また各中間転写ローラ64には、感光体ドラム3のトナー像を、中間転写ベルト61上に転写するための転写バイアスが印加されている。
【0027】
中間転写ベルト61は、各感光体ドラム3に接触するように設けられている。そして、感光体ドラム3に形成された各色のトナー像が中間転写ベルト61に順次的に重ねて転写されることによって、中間転写ベルト61上にカラーのトナー像(多色トナー像)が形成されるようになっている。中間転写ベルト61は、例えば厚さ100μm〜150μm程度のポリイミドフィルムを用いて無端状に形成されているが、ポリイミドフィルム上に弾性層を設けた構成であっても良い。
【0028】
感光体ドラム3から中間転写ベルト61へのトナー像の転写は、中間転写ベルト61の裏側に接触している中間転写ローラ64によって行われる。中間転写ローラ64には、トナー像を転写するために高電圧の転写バイアス(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)が印加されている。中間転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面が導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)により覆われているローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト61に対して均一に高電圧を印加することができる。本実施形態では転写電極としてローラ形状を使用しているが、それ以外にブラシなども用いることが可能である。
【0029】
上述のように、各感光体ドラム3上で顕像化された各色のトナー像は中間転写ベルト61にて積層される。積層されたトナー像は、中間転写ベルト61の回転によって、転写ローラ10と中間転写ベルト61との接触位置(2次転写位置)に搬送され、この接触位置において転写ローラ10によってシート上に転写される。
【0030】
転写ローラ10は、中間転写ベルト61に対して所定ニップで圧接されると共に、トナーをシートに転写させるための電圧が印加される(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。さらに、上記所定ニップを定常的に得るために、転写ローラ10もしくは中間転写ベルト駆動ローラ62の何れか一方を硬質材料(金属)とし、他方を弾性ローラ等の軟質材料(弾性ゴムローラまたは発泡性樹脂ローラ)とする。
【0031】
また、転写ローラ10によってシート上に転写が行われず中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程でトナーの混色を発生させる原因となるために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収されるように設定されている。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に接触するクリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、中間転写ベルト61のうちクリーニングブレードが接触している箇所は、裏側から中間転写ベルト従動ローラ63で支持されている。
【0032】
給紙カセット81は、画像形成に使用するシート(記録用紙)を蓄積しておくためのトレイであり、装置本体110において露光ユニット1の下側に設けられている。手差し給紙カセット82にも画像形成に使用するシートを置くことが可能になっている。装置本体110の上方に設けられている排紙トレイ91は、印刷済みのシートをフェイスダウンで集積するためのトレイである。
【0033】
また、装置本体110には、給紙カセット81および手差し給紙カセット82のシートを、転写ローラ10や定着ユニット7を経由させて排紙トレイ91に送るための、略垂直形状のシート搬送路Sが設けられている。給紙カセット81または手差し給紙カセット82から排紙トレイ91までのシート搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d,レジストローラ13、転写ローラ10、定着ユニット7が配されている。
【0034】
搬送ローラ12a〜12dは、シートの搬送を促進・補助するための小型のローラであり、シート搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ11aは、給紙カセット81の端部近傍に取り付けられ、給紙カセット81からシートを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。ピックアップローラ11bは、手差し給紙カセット82の端部近傍に取り付けられ、手差し給紙カセット82からシートを1枚ずつピックアップしてシート搬送路Sに供給する。また、レジストローラ13は、シート搬送路Sにて搬送されているシートを一旦保持するものである。そして、中間転写ベルト61に形成されているトナー像の先端とシートの先端とが合わさるようなタイミングで、シートを2次転写位置(転写ローラ10と中間転写ベルト61との接触位置)に搬送する機能を有している。
【0035】
定着ユニット7は、ヒートローラ71および加圧ローラ72を備えている。ヒートローラ71および加圧ローラ72は、シートを挟んで回転するようになっている。また、ヒートローラ71は、図示しない温度検出器からの信号に基づいて制御部(不図示)によって所定の定着温度となるように設定されており、加圧ローラ72とともにトナーをシートに熱圧着することにより、シートに転写された多色トナー像を溶融・混合・圧接し、シートに対して熱定着させる機能を有している。また、定着ユニット7には、ヒートローラ71を外部から定着するための外部定着ベルト73が設けられている。
【0036】
つぎに、片面印字時のシート搬送について詳細に説明する。上述のように、画像形成装置100には、予めシートを収納する給紙カセット81、手差し給紙カセット82が設けられている。これら給紙カセット81,82からシートを給紙するために、各々ピックアップローラ11a,11bが配置され、シートを1枚ずつシート搬送路Sに導くようになっている。各給紙カセット81,82から搬送されるシートはシート搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、シートの先端と中間転写ベルト61上のトナー像の先端とが合わさるタイミングで2次転写位置(転写ローラ10と中間転写ベルト61との接触位置)に搬送される。2次転写位置において、中間転写ベルト61からシートへトナー像が転写される。その後、シートが定着ユニット7を通過することによってシート上の未定着トナーが熱で溶融・固着される。定着処理の行われた後のシートは、定着ユニット7よりもシート搬送方向の下流側に設置される搬送ローラ12bによって排紙トレイ91上に排出される。
【0037】
両面印字時の場合、上記のように片面印字が終了し定着ユニット7を通過したシートの後端が搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bは逆回転することによってシートを搬送ローラ12c,12dの設置位置に導く。シートは、搬送ローラ12c,12dによってレジストローラ13の設置位置に搬送され、シート裏面に印字が行われた後に排紙トレイ91に排出される。
【0038】
つぎに、画像形成装置100のハードウェアについて詳細に説明する。図2は本実施形態の画像形成装置の概略構成を示すブロック図である。画像形成装置100は、図2に示すように、主制御部501、記憶部502、演算部503、画像処理部504、表示部505、入力部506、読取部507、画像形成部508、周辺機器制御部511が設けられている。
【0039】
表示部505は、操作パネルに設けられる表示装置に相当するブロックであり、画像形成装置100に関する各種情報や印刷画像のプレビューを表示するものである。入力部506は、画像形成装置100の上面に配置される操作パネルに設けられる操作ボタンに相当するブロックであり、利用者から各種コマンドや各種情報を受け付けるものである。また、前記の表示装置にタッチパネルが構成されている場合、このタッチパネルも入力部506として機能する。
【0040】
読取部507は、スキャナ部90に配置されているイメージセンサであり、原稿の画像を読み取ってアナログの画像信号を生成するものである。画像処理部504は、前記画像信号をデジタルの画像データに変換し、且つ当該画像データに各種画像処理を施す回路である。
【0041】
画像形成部508は、画像処理部504にて処理の施された画像データに基づいてシート上にトナー像を形成するブロックである。なお、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、クリーナユニット4、帯電器5、中間転写ベルトユニット6からなる組が画像形成部508に相当する。
【0042】
記憶部502は、入力部506または表示部505から入力される各種コマンドや設定値、画像形成装置100の内部に配置される各種センサの検知結果、スロット99に挿入されているメモリーカードから読み出される画像情報、外部機器から入力される画像情報またはファームウェア、画像形成装置100に設けられる各装置の動作を制御するための各種設定値およびデータテーブル、各種制御を実行するためのプログラムなどを記憶するためのものである。記憶部502には、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ(HDD)などが挙げられる。なお、前記外部機器は、画像情報の生成または取得が可能であり、かつ画像形成装置100に電気的に接続可能な電気・電子機器を使用でき、たとえば、デジタルカメラ、ネットワークを介して画像形成装置100に接続されるコンピュータなどが挙げられる。
【0043】
演算部503は、記憶部502に記憶される各種情報および各種制御を実施するためのプログラムを取り出し、演算処理や判定処理を行う。主制御部501は、演算部503における各種判定結果および演算結果に基づいて、画像形成装置100が備える各装置に制御信号を送って制御処理を行う。なお、主制御部501および演算部503は、たとえば、中央演算処理装置(CPU:Central Processing Unit)を備えるマイクロコンピュータ、マイクロプロセッサなどによって実現される処理回路である。また、図示はされていないが、画像形成装置100は、内部の各装置に対して電力を供給する主電源が設けられている。周辺機器制御部511は、後処理装置であるフィニッシャーやソーターなどの周辺機器を制御するための制御信号を出力する制御回路である。
【0044】
つぎに、スロット99に対して挿脱可能なメモリーカードの構成について詳細に説明する。図3(a)は、本実施形態に係るメモリーカードの表面側(正面側)を示した模式図であり、図3(b)は、図3(a)のメモリーカードの裏面側(背面側)を示した模式図であり、図3(c)は、図3(a)のメモリーカードの内部を示した模式図である。
【0045】
メモリーカード200は、画像形成装置(電子機器)100に対して着脱可能、具体的にはスロット99に対して着脱可能な記憶メディアである。図3に示すように、メモリーカード200は、プリント配線基板(電子部品)202と、情報記憶機能を有する半導体チップ(電子部品)203と、プリント配線基板202および半導体チップ203を収容するキャップ(筐体)201とを有している。
【0046】
以上の構成において、キャップ201は、樹脂を用いて成型した基材から作成されるものである。また、キャップ201に用いられる樹脂としては、例えば、ポリカーボネート/ABS、ポリアミド/ABS、ポリフェニレンフタレート、ポリエチレンテトラフタレート、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0047】
なお、キャップ201の外面がメモリーカード200の外面になる。また、図3(b)に示すように、メモリーカード200の裏面側には外部端子204が露出しており、外部端子204はプリント配線基板202に電気的に接続されている。また、図3(c)に示すように、半導体チップ203はプリント配線基板202に実装されて電気的に接続されている。そして、メモリーカード200がスロット99やリーダライタ(不図示)に装着されると、画像形成装置100またはリーダライタの端子が外部端子204と電気的に接続し、半導体チップ203に対する情報の書き込みまたは半導体チップ203からの情報の読み出しが行われるようになっている。
【0048】
また、本実施形態のメモリーカード(メモリ装置)200において、キャップ201の外面はペースト状のカオリンからなるカオリン含有層(カオリン含有領域)になっている。具体的には、キャップ201において、メモリーカード200の表面側および裏面側の外面はカオリン層が露出している。つまり、キャップ201は樹脂から成型される筐体状の基材からなり、基材の外部側にペースト状のカオリンが塗布されているのである。
【0049】
以上のような構成のメモリーカード200によれば、乳幼児が誤ってメモリーカード200を口内に入れた場合、カオリン(カオリナイト)が唾液を吸収して吸着機能を発揮し、この吸着機能によってメモリーカード200の外面が前記乳幼児の舌に吸着するため、前記乳幼児がメモリーカード200を誤って飲み込んでしまうという事態を抑制できる。
【0050】
また、ペースト状のカオリンをキャップ201の基材に効果的に保持させるためには、キャップ201の基材においてカオリンを塗布する領域に微細な凹凸を形成することが好ましい。また、前記凹凸は、無地状、メッシュ状またはハニカム状になっていることが好ましい。さらに、前記の凹凸の高さは10μm〜500μmが好ましい。前記の凹凸の高さが10μm未満であるとカオリンの脱落が起こり易くなり、前記の凹凸の高さが500μm超であると多量のカオリンが必要になってしまいメモリーカード200の製造コストが非常に高くなってしまう。なお、ペースト状のカオリンは周知の製造方法にて製造でき、製造方法の一例が特表2009−536184号公報に示されている。
【0051】
また、本発明は、ペースト状のカオリンを用いる形態に限定されるものではない。例えば、カオリン粒子を含有させた樹脂を作成し、当該樹脂をキャップ201としたメモリーカード200を製造する形態であってもよい。つまり、キャップ201においてメモリーカード200の外面側にカオリン粒子含有領域を形成する。なお、カオリン粒子を含有させた樹脂はブラスト処理によって製造できる。つまり、成型後の樹脂に対して市販のサイホン式ブラスト機によってカオリン粒子を打ちつけることにより、カオリン粒子含有の樹脂を製造できる。なお、カオリン粒子含有の樹脂をキャップ201とする場合、キャップ201におけるカオリン含有層の層厚は1μm〜20μmあれば充分である。
【0052】
また、メモリーカード200に、図4に示すような誤飲防止機構250を取り付けてもよい。以下、図4の構成について説明する。図4(a)は、誤飲防止機構250の突出部材250aがキャップ201の内部に収容されている状態を示した模式図である。図4(b)は、突出部材250aがキャップ201から外部に突出している状態を示した模式図である。図4(c)は、図4(b)に示すメモリーカード200のAA線の断面図である。なお、説明の便宜上、図4(a)〜(c)ではプリント配線基板202および半導体チップ203の図示を省略している。また、図4(b)および図4(c)ではキャップ201のうちメモリーカードの表面側部分の図示を省略している。さらに、図4(a)の破線はメモリーカード200に収容されている誤飲防止機構250の位置を示したものである。
【0053】
図4(b)に示すように、メモリーカード200は、誤飲防止機構250・250を有している。具体的に、メモリーカード200の表面に平行であって、メモリーカード200のスロット挿入方向と垂直な方向である2つの方向をZ1方向およびZ2方向とする場合、メモリーカード200において、Z1方向側に一方の誤飲防止機構250が設けられ、Z2方向側に他方の誤飲防止機構250が設けられている。
【0054】
誤飲防止機構250は、図4(b)および図4(c)に示すように、突出部材250a,ねじりバネ250b,支柱250c,係止部材250dを有している。なお、突出部材250a,支柱250c,支持部材250dは、キャップ201と同材質の樹脂からなる。また、キャップ201において、Z1方向側の側部およびZ2方向側の側部の各々には、突出部材250aが通過可能なサイズの開口部(不図示)が形成されている。
【0055】
ねじりバネ(弾性部材)250bは、その一端側が支柱250cに固定され、他端側が係止部材250dに固定されている。係止部材250dは突出部材250aに固定されている。つまり、突出部材250aはねじりバネ250bに支持されていることになる。支柱250cはキャップ201の内部にてキャップ201に固定されている。係止部材250dは、ねじりバネ250bのストッパーとして機能するものであり、突出部材250aの一部がキャップ201から突出している状態において部材αに係止するようになっている。
【0056】
図4(b)および図4(c)に示すように、突出部材250aは、ねじりバネ250bに力が加えられていない状態(自然状態)において、キャップ201の内部に配置されていると共に、その一部が開口部を介してキャップ201の外部に突出するようになっている。具体的に、Z1方向側に設けられている誤飲防止機構250の突出部材250aは、キャップ201からZ1方向に突出しており、Z2方向側に設けられている突出部材250aは、キャップ201からZ2方向に突出している。
【0057】
そして、メモリーカード200がスロット99に挿入されると、突出部材250aは、スロット99の内壁に当接すると共に、前記内壁によってキャップ201に向けた方向に押圧される。これにより、ねじりバネ250bは、係止部材250dに固定されている側の端部が支柱250cに近づくように折り曲げられる(弾性変形する)。このようしてねじりバネ250bが折り曲げられると、図4(a)に示すように、突出部材250aは、その全体がキャップ201の内部に収納されるようになる。
【0058】
さらに、メモリーカード200がスロット99から抜き出されると、スロット99の内壁と突出部材250aとが離間し、突出部材250aが前記内壁に押圧されている状態が解除される。これにより、ねじりバネ250bが自然状態に復元し、突出部材250aは、その一部が開口部を介してキャップ201の外部に突出する状態になる。
【0059】
以上の構成によれば、突出部材250aは、キャップ201の内部に取り付けられているねじりバネ250bに支持されている。そして、突出部材250aは、ねじりバネ250bが弾性変形すると全体がキャップ201に収容される。また、突出部材250aは、ねじりバネ250bが復元すると、メモリーカード200の表面に平行な方向に、一部分がキャップ201から突出するようになっている。また、ねじりバネ250bは、突出部材250aのうちのキャップ201から突出している部分に対してキャップ201へ向かう方向の押圧力が付与されると、弾性変形するようになっている。この構成によれば、突出部材250aは、メモリーカード200がスロット99に挿入された状態において前記押圧力が付与されて完全にキャップ201に挿入され、メモリーカード200がスロット99から抜き出された状態においてキャップ201からZ1方向およびZ2方向に突出することになる。これにより、スロット99から抜き出された時はメモリーカード200のサイズが大きくなるので、乳幼児が誤ってメモリーカード200を口内に入れてしまうことを抑制できる。なお、図4に示すように、メモリーカード200は、スロット99挿入時においてZ1方向(またはZ2方向)のサイズが24mmになり、スロット99から抜き出された状態ではZ1方向(またはZ2方向)のサイズが44mmになる。
【0060】
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。図5(a)は、本実施形態の第1変形例に係るメモリーカード300の表面側を示す模式図であり、図5(b)は、図5(a)のメモリーカード300に取り付けられている突出部材350aを示す模式図である。なお、説明の便宜上、図5ではプリント配線基板および半導体チップの図示を省略している。また、図5(b)ではメモリーカード300のキャップ301の表面側部分の図示を省略している。さらに、図5(b)の実線は突出部材350aがキャップ301から突出している状態を示したものであるが、破線は突出部材350aがキャップ301内に収容された場合の収容位置を示したものである。以下では図5の構成について説明する。
【0061】
図5に示すメモリーカード300においてもキャップ301の外面はペースト状のカオリンからなるカオリン層になっている。また、メモリーカード300も、図5(b)に示すように誤飲防止機構350を有している。
【0062】
誤飲防止機構350は、図5(b)に示すように、突出部材350a,ねじりバネ350b,支柱350c,係止部材350dを有している。また、メモリーカード300の表面に平行であって、メモリーカード300のスロット挿入方向をY1方向とし、Y1方向と逆方向をY2方向とする場合、メモリーカード300のY2方向側の側部には、突出部材350aが通過可能なサイズの開口部(不図示)が形成されている。
【0063】
ねじりバネ350bは、その一端側が支柱350cに固定され、他端側が係止部材350dに固定されている。係止部材350dは突出部材350aに固定されている。つまり、突出部材350aはねじりバネ350bに支持されていることになる。支柱350cはキャップ301の内部にてキャップ301に固定されている。係止部材350dは、ねじりバネ350bのストッパーとして機能するものであり、突出部材350aの一部がキャップ301から突出している状態において部材βに係止するようになっている。
【0064】
図5(b)の実線に示すように、突出部材350aは、ねじりバネ350bに力が加えられていない状態(自然状態)において、キャップ301の内部に配置されていると共に、その一部が開口部を介してキャップ301の外部に突出するようになっている。具体的に、前記の自然状態において、突出部材350aはキャップ301からY2方向に突出している。
【0065】
そして、突出部材350aをY1方向に押圧すると、ねじりバネ350bは、係止部材350dに固定されている側の端部が支柱350cに近づくように折り曲げられる(弾性変形する)。このようしてねじりバネ350bが折り曲げられると、突出部材350aは、図5(b)の破線に示すように、その全体がキャップ301の内部に収納されるようになっている。これに対し、突出部材350aに対する押圧を解除すると、ねじりバネ350bが自然状態に復元し、突出部材350aは、その一部が開口部を介してキャップ301の外部に突出する状態になる。
【0066】
また、以上のメモリーカード300において、突出部材350aは、Y2方向(メモリーカードの表面に平行な方向且つスロット挿入方向と逆方向)に突出するようになっている。それゆえ、メモリーカード300がスロット99に挿入されているか否かにかかわらず、突出部材350aを手作業等で押圧しない限り、突出部材350aはキャップ301の外部に突出することになる。つまり、メモリーカード300がスロット99に挿入されている間、スロット99の出入口から突出部材350aがY2方向側に突出していることになる。また、手作業等で押圧することによって突出部材350aをキャップ301の内部に完全収容でき、突出部材350aをキャップ301の内部に完全収容すれば、規格に沿ったカードケースにメモリーカード300を嵌めこむことが可能になる。
【0067】
以上のメモリーカード300によれば、突出部材350aは、キャップ301の内部に取り付けられているねじりバネ350bに支持されている。そして、突出部材350aは、ねじりバネ350bが弾性変形すると全体がキャップ301に収容され、ねじりバネ350bが復元すると、メモリーカード300の表面に平行な方向に、一部分がキャップ301から突出するようになっている。また、ねじりバネ350bは、突出部材350aのうちのキャップ301から突出している部分に対してキャップ301へ向かう方向の押圧力が付与されると、弾性変形するようになっている。以上の構成によれば、カードケースから取り出された時は突出部材350aがキャップ301から突出してサイズが大きくなるので、乳幼児が誤ってメモリーカード200を口内に入れてしまうことを抑制できる。
【0068】
なお、図4の突出部材250aまたは図5の突出部材350aは、メモリーカードの表面に対して垂直な方向の長さが0.1mm以上且つ0.5mm以内になっていることが好ましい。これは、0.1mm未満では突出部材の強度が不足して撓んでしまい、メモリーカードのサイズを大きくできるという効果を充分に得られず、0.5mm超では筐体サイズが規格サイズよりも大きくなってしまうという不都合が生じる場合があるからである。
【0069】
また、誤飲危険性の判定部材として、(社)家族計画協会から販売されている誤飲チェッカー(乳幼児が開口した場合の最大口径を39mmと想定し、口から喉の奥までの最大距離を51mmと想定したもの)が知られている。そして、メモリーカードは、前記突出部材が突出している状態において誤飲チェッカーを用いて判定を行った場合に安全と判定されるようなサイズに設計されることが好ましい。この点、図5のメモリーカード300は、突出部材350aが突出している状態において、Y1方向(またはY2方向)のサイズが55mmになり、Y1方向に対して垂直なK方向のサイズが42.8mmとなる。それゆえ、前記誤飲チェッカーでメモリーカード300を判定した場合、安全と判定されることになる。
【0070】
さらに、図5(b)に示すように、メモリーカード300の突出部材350aには孔350eが形成されており、この孔350eは、一般的な成人の指(例えば人指し指)を充分に挿入可能なだけの広さに設計される。これにより、仮に乳幼児がメモリーカード300を口に入れてしまった場合であっても、当該乳幼児または周囲の大人が指を孔350eに入れ、この指を引くことによってメモリーカード300を口から引っ張り出すことが可能になる。このような構成によれば、乳幼児の口からメモリーカードを引っ張り出すことが容易である。
【0071】
また、メモリーカードの外側全面をカオリン含有層とした場合、メモリーカードを手で持ち運びする時に手が汗ばんでいると、メモリーカードが手に吸着してしまうという不都合が生じる。そこで、メモリーカードの外面に、カオリン含有層が露出しているカオリン塗布領域と、カオリンを含有しておらずメモリーカードを把持するための指を当てる把持領域とを設定することが好ましい。このように設定されたメモリーカードについて図6に基づいて説明する。図6(a)は、本実施形態の第2変形例に係るメモリーカード400の表面側を示す模式図であり、図6(b)は、メモリーカード400のキャップ401のうち、表面側部分の側部を示す模式図であり、図6(c)は、メモリーカード400の裏面側を示す模式図である。
【0072】
図6(a)に示すように、キャップ401の外面のうちメモリーカード400の表面側には、一方の側部から他方の側部に向けて延びるリブ401aが形成されている。リブ401aは、図6(b)に示すように、高さが0.3mmであり、Y1方向の幅が0.3mmになるように設計される。なお、ここでの高さとは、メモリーカード400の表面に対して垂直な方向の長さである。
【0073】
また、キャップ401の外面のうちメモリーカード400の表面側は、リブ401aよりもY1方向側がカオリン塗布領域401bになっており、リブ401aよりもY2方向側が把持領域401cになっている。
【0074】
さらに、図6(c)に示すように、キャップ401の外面のうちメモリーカード400の裏面側には、一方の側部から他方の側部に向けて延びるリブ401f・401gが形成されている。リブ401f・401gは、リブ401aと同様、高さが0.3mmであり、Y1方向の幅が0.3mmになるように設計される。なお、リブ401aとリブ401gとは、メモリーカード400の表面に対して垂直な方向において互いにオーバーラップし合うように位置決めされる。
【0075】
リブ401fはリブ401gよりもY1方向側に形成されており、リブ401fとリブ401gとの間はカオリン塗布領域401hになっている。また、リブ401fよりもY1方向側は外部電極形成領域401jになっており、リブ401gよりもY2方向側が把持領域401kになっている。
【0076】
カオリン塗布領域401b・401hは、基材にカオリンが塗布されている領域、つまりキャップの外面がカオリン層になっている領域である。把持領域401kは、基材にカオリン層が塗布されておらずカオリンを含有しない領域、つまりキャップの外面がカオリン層になっておらず基材が露出している領域である。
【0077】
以上の構成によれば、利用者は、把持領域401c・401kに指を当ててメモリーカード400を把持すれば、カオリン塗布領域に触れることなくメモリーカード400を把持できる。それゆえ、図6に示すメモリーカード400によれば、カオリン塗布領域に汗ばんだ指を当ててしまってメモリーカードが手に吸着してしまうという不都合を抑制できる。
【0078】
つぎに、本実施形態のメモリーカードのさらなる変形例を図7に基づいて説明する。図7(a)は、本実施形態の第3変形例に係るメモリーカード600の表面側を示す模式図であり、図7(b)は、図7(a)のBB線の断面を模式的に示す図である。
【0079】
図7(a)に示すように、キャップ601の外面のうちメモリーカード600の表面側には、半円状のリブ601aが形成されている。そして、図7(a)および図7(b)に示すように、キャップ601の外面のうちメモリーカード600の表面側は、半円状のリブ601aの内周側が把持領域601bになっており、半円状のリブ601aの外周側がカオリン塗布領域601cになっている。
【0080】
また、キャップ601の外面のうちメモリーカード600の裏面側には、リブ601aと同一形状(半円状)のリブ601d、および、リブ601dよりもY1方向側に位置するリブ601eが形成されている。なお、図7(a)の破線はリブ601eの位置を示したものである。キャップ601の外面のうちメモリーカード600の裏面側は、リブ601dの内周側が把持領域601fになっており、リブ601dとリブ601eとの間がカオリン塗布領域601gになっている。なお、リブ601aとリブ601dとは、メモリーカード600の表面に対して垂直な方向において互いにオーバーラップし合うように位置決めされる。
【0081】
以上の構成において、利用者は、把持領域601b・601fに指を当ててメモリーカード600を把持すれば、カオリン塗布領域601c・601gに触れることなくメモリーカード600を把持できる。それゆえ、図7に示すメモリーカード600によれば、カオリン塗布領域に汗ばんだ指を当ててしまってメモリーカードが手に吸着してしまうという不都合を抑制できる。
【0082】
また、以上ではメモリーカードの外面をカオリン含有層にする形態について説明したが、例えば図8に示すようなUSBメモリ800の筐体の外面をカオリン含有層にしてもよい。USBメモリ800の筐体は、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂を成型した基材から作成される。また、USBメモリ800の筐体の基材は、樹脂に限定されず、導電性金属(アルミニウム、銅)であってもよい。
【0083】
なお、ここでいう筐体とは、図8(b)の装置本体802のみならず、図8(a)に示す蓋801を含む意味である。なお、蓋801は、USBメモリ800のコネクタ(電子部品)803を覆うためのものである。
【0084】
また、図9に示すように、USBメモリ800においても誤飲防止機構900・900を設けてもよい。誤飲防止機構900は、装置本体802の内部に設けられ、突出部材900aとバネ部材900bとを有している。また、装置本体802の側部には突出部材900aを通す開口部(不図示)が形成されている。バネ部材900bが自然状態(力を加えていない状態)である場合、図9(b)に示すように、突出部材900aの一部が前記開口部を介して装置本体802から突出している。これに対し、突出部材900aに対して装置本体802に向けた方向の押圧力を付与すると(例えば人手による押圧力)、図9(a)に示すように、突出部材900aが装置本体802に完全に収容され、且つバネ部材900bが弾性変形する。そして、前記押圧力の付与を解除すると、バネ部材900bの復元力によって突出部材900aの一部が装置本体802から突出するようになる。以上の構成によれば、突出部材900aが装置本体802から突出しているので、乳幼児が誤ってUSBメモリ800を口内に入れてしまうことを抑制できる。
【0085】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、電子機器に対して着脱可能なメモリ装置に利用することができる。このようなメモリ装置としては、例えば、メモリーカード、USBメモリが挙げられる。
【符号の説明】
【0087】
100 画像形成装置(電子機器)
200・300・400・600 メモリーカード(メモリ装置)
201・301・401・601 キャップ(筐体)
202 プリント配線基板(電子部品)
203 半導体チップ(電子部品)
250a・350a 突出部材
250b・350b ねじりバネ(弾性部材)
401c・401k・601b・601f 把持領域
401b・401h・601c・601g カオリン塗布領域(カオリン含有領域)
800 USBメモリ(メモリ装置)
801 蓋(筐体)
802 装置本体(筐体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と前記電子部品を収容する筐体とを有し、電子機器に対して着脱可能なメモリ装置において、
前記筐体の外面にはカオリンを含有するカオリン含有領域が含まれていることを特徴とするメモリ装置。
【請求項2】
前記カオリン含有領域はカオリン粒子を含有する樹脂からなる領域であることを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
前記カオリン含有領域は、前記筐体の基材の表面にペースト状カオリンが塗布されている領域であることを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項4】
前記筐体の外面には、前記筐体を把持するときに指を押し当てるための領域であって前記カオリンを含有しない把持領域が含まれていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のメモリ装置。
【請求項5】
平板状のメモリーカードであることを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項6】
前記筐体の内部に取り付けられている弾性部材と、
前記弾性部材に支持される突出部材とを有し、
前記突出部材は、前記弾性部材が弾性変形すると全体が前記筐体に収容され、前記弾性部材が復元すると、前記メモリーカードの表面に平行な方向に、一部分が前記筐体から突出するようになっており、
前記弾性部材は、前記筐体から突出している前記一部分に対して前記筐体へ向かう方向の押圧力が付与されると、弾性変形するようになっていることを特徴とする請求項5に記載のメモリ装置。
【請求項7】
前記突出部材は、前記メモリーカードの表面に対して垂直な方向の長さが0.1mm以上且つ0.5mm以内になっていることを特徴とする請求項6に記載のメモリ装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載のメモリ装置と、前記メモリ装置のスロットが形成されている画像形成装置とを含むことを特徴とする画像形成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−159237(P2011−159237A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−22509(P2010−22509)
【出願日】平成22年2月3日(2010.2.3)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】