説明

メモリ装置

【課題】磁気メモリ本体(メモリ)の取り外しによる磁気メモリ本体に記録されたデータの不正読み出しや改竄を防止することができるメモリ装置の提供を図る。
【解決手段】保持力を持たない第1磁性層111a,111bと保持力を有する第2磁性層113a,113bが積層されたメモリ1のスピン方向によりデータを記録するメモリ装置において、第1磁石21a,21bによって前記第1磁性層が第1の方向に磁化された前記メモリの取り外しの際に該メモリが通過する領域に磁界を与え、前記第2磁性層を第2方向に磁化する第2磁石23a,23b、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、フラッシュメモリに変わるメモリとして、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetoresistive Random Access Memory)等の磁気メモリ装置が注目され、また、製品として提供されている。
【0003】
磁気メモリ装置は、例えば、不揮発性メモリの機能を持ちながら、SRAM(Static Random Access Memory)と同等の高速アクセス性能(例えば、35ns程度)を有している。
【0004】
また、磁気メモリ装置において、メモリセルは、従来の半導体メモリのような電荷ではなく、磁気モーメントによって情報を記憶するため、リークや摩耗の心配がなく、さらに、高温環境下でもデータの保存と無限の書き換えサイクルを実現することができる。
【0005】
そのため、例えば、SRAMやバッテリー駆動のDRAM(Dynamic Random Access Memory)の代わりに、MRAM等の磁気メモリ装置を使用するようにもなってきている。
【0006】
ところで、このような不揮発性メモリの機能を有する磁気メモリ装置は、例えば、磁気メモリ装置が使用されるパソコン(パーソナルコンピュータ)等から取り外され、その磁気メモリ装置のデータが不正に読み出され、或いは、改竄されるといった虞がある。
【0007】
従来、データの改竄からの保護機能を有する磁気メモリ装置として、様々なものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特表2006−511892号公報
【特許文献2】国際公開第08/062686号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述したように、例えば、MRAM等の磁気メモリ装置は、不揮発性メモリの機能を有しているため、その磁気メモリ装置が設けられたパソコン等から取り外して、記録されたデータが不正に読み出され、或いは、改竄されるといった虞がある。
【0010】
一側面では、本発明は、磁気メモリ本体の取り外しによる磁気メモリ本体に記録されたデータの不正読み出しや改竄を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施形態によれば、保持力を持たない第1磁性層と保持力を有する第2磁性層が積層されたメモリのスピン方向によりデータを記録するメモリ装置において、第1磁石および第2磁石を備えることを特徴とするメモリ装置が提供される。
【0012】
前記第2磁石は、前記第1磁石によって前記第1磁性層が第1の方向に磁化された前記メモリの取り外しの際に該メモリが通過する領域に磁界を与え、前記第2磁性層を第2方向に磁化する。
【発明の効果】
【0013】
一実施形態によれば、磁気メモリ本体(メモリ)を取り外したとき、その磁気メモリ本体に記録されたデータの不正読み出しや改竄を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本実施形態の磁気メモリ装置を示す側面図である。
【図2】図2は、図1の磁気メモリ装置におけるMRAM本体を説明するための図である。
【図3】図3は、図2のMRAM本体における1つのMRAM素子を説明するための図である。
【図4】図4は、本実施形態の磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図(その1)である。
【図5】図5は、本実施形態の磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図(その2)である。
【図6】図6は、本実施形態の磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図(その3)である。
【図7】図7は、第1実施例としてのSSDタイプ磁気メモリ装置を示す図である。
【図8】図8は、第1実施例のSSDタイプ磁気メモリ装置の使用状態を示す図である。
【図9】図9は、第1実施例のSSDタイプ磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図である。
【図10】図10は、第2実施例としてのノートパソコンに適用するSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置を示す図(その1)である。
【図11】図11は、第2実施例としてのノートパソコンに適用するSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置を示す図(その2)である。
【図12】図12は、第2実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置の使用状態を示す図である。
【図13】図13は、第2実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図である。
【図14】図14は、第3実施例としてのデスクトップパソコンに適用するSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置を示す図である。
【図15】図15は、第3実施例のSO−DIMMユニットをメモリソケットに取り付ける様子を示す図である。
【図16】図16は、第3実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置の使用状態を示す図である。
【図17】図17は、第3実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図である。
【図18】図18は、本実施形態の磁気メモリ装置の変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、磁気メモリ装置の実施例を、添付図面を参照して詳述する。図1は、本実施形態の磁気メモリ装置(MRAM)を示す側面図であり、使用状態のMRAMを示すものである。
【0016】
図1において、参照符号1はMRAM本体(磁気メモリ本体)、2a,2bは磁石複合体(磁場発生ユニット)、3はコネクタ、そして、4は基板(例えば、対象装置のマザーボード)を示す。
【0017】
また、参照符号11はMRAM素子を示し、21a,21bは第1磁場M1を発生する第1異方性磁石(第1磁場発生磁石)、22a,22bは遮蔽材、そして、23a,23bは第2磁場M2を発生する第2異方性磁石(第2磁場発生磁石)を示す。
【0018】
図1に示されるように、本実施形態のMRAMは、複数のMRAM素子11を含むMRAM本体1が独立した構成とされ、例えば、コネクタ3により、パソコン等の基板4に対して容易に取り外し可能として接続されている。
【0019】
すなわち、MRAM本体1は、複数の金属端子(接続ピン)101を有し、その複数の金属端子101およびコネクタ3を介して基板4の配線と電気的に接続される。なお、後述する図4等において、金属端子101は、図面を見やすくするために省略されている。
【0020】
MRAM本体1の両側には、基板4に固定して配置された2つの磁石複合体2aおよび2bが設けられている。ここで、基板4に対して磁石複合体2a,2bを固定して配置するとは、例えば、接着剤等を使用して磁石複合体2a,2bを基板4に永久的に固着するだけでなく、MRAM本体1と一緒に取り外すことができないようにして基板4に取り付けてもよい。
【0021】
一方の磁石複合体2aは、第1異方性磁石21aの上に遮蔽材22aを介して第2異方性磁石23aが設けられ、同様に、他方の磁石複合体2bは、第1異方性磁石21bの上に遮蔽材22bを介して第2異方性磁石23bが設けられている。
【0022】
ここで、第1異方性磁石21aおよび21bによる第1磁場M1の向き、並びに、第2異方性磁石23aおよび23bによる第2磁場M2の向きは、図1において、両方とも左から右へ向かうようになっているが互いに逆の向きとしてもよい。例えば、第1磁場M1の向きを右から左へ向かうようにしてもよい。
【0023】
なお、遮蔽材22aおよび22bは、磁石複合体2aおよび2bにおいて、それぞれ第1異方性磁石21aおよび21bと第2異方性磁石23aおよび23bとが互いに影響しないように配置するためのものである。
【0024】
さらに、第1異方性磁石21a,21bによる第1磁場M1は、後に詳述するように、MRAM素子11の下部磁性層(第1磁性層)がMRAMとして機能するのに十分で、且つ、上部フリー層(第2磁性層)の磁化反転に影響の無い強さに配置される。この第1磁場M1は、例えば、第1異方性磁石21a,21b間の距離により適切な強さに規定される。
【0025】
そして、第2異方性磁石23a,23bによる第2磁場M2は、MRAM本体1を取り外すとき、MRAM素子11の上部フリー層(113)を強制的に反転させ、且つ、通常の使用状態ではMRAM素子11に影響を与えない程度の強さに配置される。この第2磁場M2は、例えば、第2異方性磁石23a,23b間の距離により適切な強さに規定される。
【0026】
以上において、磁石複合体2a,2bにおける第1異方性磁石21a,21bおよび第2異方性磁石23a,23bは、必ずしも異方性の磁石でなくてもよい。ただし、方向性を持たない磁石を使用した場合には、遮蔽材22a,22bの材質や厚さを調節して、例えば、磁石21a,21bと磁石23a,23bとの間隙を広く設定するといったことになる。
【0027】
図2は、図1の磁気メモリ装置におけるMRAM本体を説明するための図であり、図2(a)はMRAM本体1を示し、図2(b)はMRAM素子11(11a,11b)を示す。
【0028】
ここで、上部フリー層(第2磁性層)113は、保持力を有する磁性体(強磁性体)であり、書き込むデータに応じたスピン方向の磁化を保持する。また、下部磁性層(第1磁性層)111は、保持力を持たない磁性体(強磁性体)であり、外部からの磁力により磁化されるが、その磁力が失われると、下部磁性層111の磁化も失われる。
【0029】
図2(a)に示されるように、各MRAM素子11に対して書き込むデータは、例えば、ワード線WLに流れる書き込み電流の方向により、上部フリー層113(113a,113b)のスピン方向を決定する。なお、上部フリー層113(113a,113b)と下部磁性層111(111a,111b)との間には、絶縁層112(112a,112b)が設けられている。
【0030】
図2(b)に示されるように、下部磁性層111の磁化の方向を規定する第1異方性磁石21a,21bによる第1磁場M1は、上部フリー層113の磁化とほぼ同じ方向(向きは逆でもよい)となっている。
【0031】
すなわち、MRAM本体1に設けられたMRAM素子の磁化方向、或いは、そのような磁化方向とされる複数のMRAM素子を有するメモリチップの方向と、第1磁場M1および第2磁場M2の方向は、ほぼ一致するようになっている。これは、以下に説明する本実施形態および第1〜第3実施例の説明においても同様である。
【0032】
なお、MRAM素子11aは、下部磁性層111aと上部フリー層113aのスピンが同じ方向となるデータ『0』の状態の素子(磁気トンネル接合素子:MTJ(Magnetic Tunnel Junction)素子)を示す。
【0033】
また、MRAM素子11bは、下部磁性層111bと上部フリー層113bのスピンが逆方向となるデータ『1』の状態の素子(MTJ素子)を示す。そして、データ『0』のMRAM素子(1MTJ素子)11aは、その素子を流れる電流が大きく、また、データ『1』の1MTJ素子11bは、その素子を流れる電流が小さい。
【0034】
図3は、図2のMRAM本体における1つのMRAM素子を説明するための図であり、読み出し用トランジスタ12を含めて描いたものである。図3に示されるように、ワード線WLおよびビット線BLの交差個所に設けられたMRAM素子11は、上部フリー層113のスピン方向による電流の大きさによりデータを読み出す。
【0035】
すなわち、ワード線WLによりトランジスタ12をオンし、MRAM素子11の下部磁性層111と上部フリー層113のスピン方向による電流の大きさの違いを、ビット線BLを介して検出することで、記録されたデータを読み出す。
【0036】
なお、図3では、MRAM素子11は、下部磁性層111と上部フリー層113のスピンが逆方向で流れる電流が小さいデータ『1』を記録している状態を示しているが、データ『0』も同様にして読み出すことができる。また、本実施形態のMRAM素子11は、図2および図3に示す構成に限定されないのはもちろんである。
【0037】
ただし、前述したように、上部フリー層113は、書き込み電流による磁場で磁化の向きが反転されるが、磁石複合体2a,2bの第1異方性磁石21a,21bの磁力では、磁化の向きは反転されない。
【0038】
また、下部磁性層111は、保持力を持たない磁性体であり、磁石複合体2a,2bの第1異方性磁石21a,21bからの外部磁力で磁化方向が決定され、その外部磁力が失われると、下部磁性層111の磁化も失われる。
【0039】
すなわち、本実施形態のMRAM素子11は、外部磁力によって下部磁性層111の磁化方向が決定され、書き込み電流による磁場で上部フリー層113の磁化方向が決定されて、MRAM素子として機能する。
【0040】
そして、下部磁性層111と上部フリー層113のスピン方向が同じであれば、MRAM素子11の電気抵抗は小さくなってデータ(論理値)『0』を保持し、逆に、スピン方向が相反すればデータ『1』を保持する。
【0041】
図4〜図6は、本実施形態の磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図である。すなわち、図4は、MRAM本体1をコネクタ3から外した直後の状態を示し、図5は、MRAM本体1が第2磁場M2の影響を受けている状態を示し、図6は、MRAM本体1を完全に取り外した状態を示す。
【0042】
前述した図1のように、MRAM本体(磁気メモリ本体)1を、コネクタ3を介して基板4に取り付けることで、磁気メモリ装置に通常の動作を行わせる。そして、MRAM本体1をコネクタ3から外すと、磁気メモリ装置に記録されたデータが破壊される様子を図4〜図6を参照して詳述する。
【0043】
まず、図4に示されるように、MRAM本体1をコネクタ3(基板4)から外すと、MRAM本体1(MRAM素子11)は、磁石複合体2a,2bの第1異方性磁石21a,21bによる第1磁場M1の中心から外れる。
【0044】
その結果、MRAM素子11(11a,11b)の下部磁性層111(111a,111b)は、磁化されるのに十分な磁場(第1磁場M1)が供給されなくなる。ここで、MRAM素子11の下部磁性層111は保持力を持たないため、上部フリー層113からの漏れ磁場の影響を受けることになる。
【0045】
具体的に、データ『0』が記録されていたMRAM素子11aの下部磁性層111aは、それまでの上部フリー層113aと同じ方向(1)から逆の方向(2)へと変化する。一方、データ『1』が記録されていたMRAM素子11bの下部磁性層111bは、それまでの上部フリー層113bと逆の方向をそのまま維持する。
【0046】
すなわち、この状態では、各MRAM素子11(11a,11b)の下部磁性層111(111a,111b)は、上部フリー層113(113a,113b)とは反対の方向に磁化されるため、データを保持するメモリとしての機能を失うことになる。しかしながら、この図4に示す状態では、各MRAM素子11の上部フリー層113は、それぞれ記録されたデータに対応する磁化方向を保持している状態にある。
【0047】
そこで、図5に示されるように、MRAM本体1を、さらに基板4から離すと、MRAM本体1(MRAM素子11)は、磁石複合体2a,2bの第2異方性磁石23a,23bによる第2磁場M2の中心にかかる。
【0048】
その結果、データ『0』が記録されていたMRAM素子11aの下部磁性層111aは、第2磁場M2に従って、それまでの方向(3)から方向(4)へと変化する。一方、データ『1』が記録されていたMRAM素子11bの上部フリー層113bは、第2磁場M2に従って、それまでの方向(5)から方向(6)へと変化する。
【0049】
すなわち、磁石複合体2a,2bの第2異方性磁石23a,23bによる第2磁場M2は、MRAM素子11(11a,11b)の上部フリー層113(113a,113b)の磁化方向を強制的に書き換える強さを持っているので、全て同じ方向に磁化される。
【0050】
また、第2磁場M2は、MRAM素子11(11a,11b)の下部磁性層111(111a,111b)も、強制的に同じ方向に磁化する。その結果、MRAM本体1に含まれる全てのMRAM素子11の上部フリー層113および下部磁性層111は、第2磁場M2磁化方向に磁化されることで、MRAM本体1に記録されたデータが全て破壊される。
【0051】
そして、図6に示されるように、さらに、MRAM本体1を基板4から離すと、MRAM本体1(MRAM素子11)は、磁石複合体2a,2bの第2異方性磁石23a,23bによる第2磁場M2の中心から外れる。
【0052】
その結果、MRAM素子11(11a,11b)の下部磁性層111(111a,111b)は、磁化されるのに十分な磁場(第2磁場M2)が供給されなくなる。ここで、MRAM素子11の下部磁性層111は保持力を持たないため、上部フリー層113からの漏れ磁場の影響を受けることになる。
【0053】
すなわち、全てのMRAM素子11(11a,11b)の下部磁性層111(111a,111b)は、上部フリー層113(113a,113b)からの漏れ磁場の影響を受け、それまでの方向(7)から上部フリー層とは反対の方向(8)へ磁化される。
【0054】
このようにして、全てのMRAM素子11の下部磁性層111は上部フリー層113とは反対方向に磁化され、MRAM本体1に記録された全てのデータが破壊(消去)される。また、MRAM本体1が第1異方性磁石と分離するので、データを記録するメモリとしての機能は、完全に失われる。
【0055】
なお、本実施形態の磁気メモリ装置(MRAM)は、例えば、図1に示されるように、MRAM本体1をコネクタ3に差し込むことにより、再びデータを記録するメモリとして使用することが可能になる。このとき、全てのデータは初期化され、新たな磁気メモリ装置として使用されることになる。
【0056】
以上において、MRAM本体1に内蔵するMRAM素子11は、1枚のメモリチップとして構成される必要はなく、複数枚のメモリチップを水平方向だけでなく、垂直方向に並べたものであってもよい。
【0057】
すなわち、MRAMを使用する場合、磁石複合体2a,2bの第1異方性磁石21a,21bによる第1磁場M1がMRAM素子11の下部磁性層111を磁化する構成であれば、複数枚のメモリチップを積層してもよい。
【0058】
このように、本実施形態の磁気メモリ装置によれば、記録されたデータを破壊(消去)するときに電力を必要とせず、また、データの破壊は、メモリ素子の状態を物理的に変化させるため、データ破壊後にデータの読み出しや解読(改竄)を不可能とすることができる。
【0059】
さらに、外部磁場(第1磁場M1)が無ければ、磁気メモリ装置に電源を供給して電気的にデータを書き換えてもメモリとして機能しないため、磁気メモリ装置が持ち出されてもデータが漏洩することがない。
【0060】
また、磁気メモリ本体は、磁石等の外部磁場供給源を内蔵しないため、不正な持ち出しに対する外部磁界供給源を遮断するのが容易であり、外部磁界供給源を遮断するのに磁気メモリ本体を破壊する必要がないため、再使用することも可能である。
【0061】
図7は、第1実施例としてのSSD(Solid State Drive)タイプの磁気メモリ装置を示す図であり、SSDタイプ磁気メモリ装置が実装されたノートパソコン5の底面図を示すものである。
【0062】
図8は、第1実施例のSSDタイプ磁気メモリ装置の使用状態を示す図であり、図9は、第1実施例のSSDタイプ磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図である。
【0063】
ところで、近年、例えば、ノートパソコンのHDD(Hard Disk Drive)の代わりに、フラッシュメモリを使用したSSDが使用されるようになって来ている。図7〜図9は、このようなSSDとして磁気メモリ装置を適用した場合の実施例を示す。
【0064】
図7に示されるように、本第1実施例のSSDタイプ磁気メモリ装置は、ノートパソコン5の底面における基板4に対して着脱可能なSSDユニット(MRAM本体)1を取り付ける。
【0065】
ここで、SSDユニット1の四隅には、衝撃吸収材6a〜6dが設けられ、磁石複合体2a,2bとSSDユニット1の間隙を所定の距離となるようにしている。また、磁石複合体2aおよび2bは、ノートパソコン5の基板(例えば、マザーボード)4に固定して配置されている。なお、SSDユニット1と基板4のコネクタとの接続は省略するが、一般的なSSDの取り付けと同様に構成することができる。
【0066】
図8および図9は、前述した図1および図5に相当するが、図8および図9では、ノートパソコン5の底面に実装する様子を示すために、図1および図5とは上下方向が逆になっている。
【0067】
すなわち、図8に示されるように、SSDユニット1は、基板4と密接するようにして取り付けられる。ここで、SSDユニット1を基板4に取り付けて使用する場合、第1磁場M1は、MRAM素子11の下部磁性層がMRAMとして機能するのに十分で、上部フリー層の磁化反転に影響の無い強さとされるのは前述した通りである。
【0068】
そして、図9に示されるように、SSDユニット1を基板4から取り外すとき、すなわち、SSDユニット1を矢印の下向きに移動させて取り外す場合には、図4〜図6を参照して説明したようにして、記録されたデータは完全に破壊(消去)されることになる。
【0069】
ここで、SSDユニット1を基板4から取り外す場合、第2磁場M2は、MRAM素子11の上部フリー層を強制的に反転させ、且つ、通常の使用状態ではMRAM素子11に影響を与えない程度の強さとされているのも前述した通りである。
【0070】
以上において、磁石複合体2a,2bは、例えば、それぞれ第1異方性磁石21a,21b、遮蔽材22a,22bおよび第2異方性磁石23a,23bをプラスチック等でコーティングして容易に分解できないようにすることができる。
【0071】
すなわち、第1異方性磁石21a,21b、遮蔽材22a,22bおよび第2異方性磁石23a,23bが積層された磁石複合体2a,2bは、それぞれパッケージングされ、基板4に固定して配置される。
【0072】
さらに、磁石複合体2a,2bは、基板4から容易に取り外すことができないように、様々な接合手法を適用して、基板4に対して固定して配置することができる。この場合、磁石複合体2a,2bは、SSDユニット1と一緒に取り外すことができないようにする。
【0073】
なお、図8および図9において、MRAM素子11は、複数のMRAM素子が設けられたメモリチップであってもよいのはいうまでもない。また、SSDユニット1を使用する対象装置はノートパソコンではなくデスクトップパソコンやその他の電子機器であってもよい。
【0074】
図10および図11は、第2実施例としてのノートパソコンに適用するSO−DIMM(Small Outline Dual In-line Memory Module)タイプ磁気メモリ装置を示す図であり、図10は斜視図を示し、図11は低面図を示す。
【0075】
図10および図11に示されるように、本第2実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置は、例えば、SO−DIMMユニット(MRAM本体)1がコネクタ3を介してメモリソケット4’(基板4)に着脱可能として取り付けられる。
【0076】
すなわち、SO−DIMMユニット1は、例えば、ノートパソコンに適用する一般的なSO−DIMMと同様の形状とされ、その取り付けおよび取り外しもSO−DIMMと同様に行うことができるようになっている。
【0077】
ただし、本第2実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置では、磁石複合体2a,2bが、ノートパソコンの基板(例えば、マザーボード)4におけるメモリソケット4’の両側に固定して配置されている。
【0078】
図12は、第2実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置の使用状態を示す図であり、図13は、第2実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図である。
【0079】
ここで、図13(a)は、SO−DIMMユニット(MRAM本体)1を、メモリソケット4’から飛び出させた状態の低面図を示し、図13(b)は、そのときの側面図をSO−DIMMユニット1の移動と共に示す。なお、図12および図13は、前述した図1および図5、或いは、図8および図9に相当する。
【0080】
まず、図12に示されるように、SO−DIMMユニット1を、コネクタ3を有するメモリソケット4’に嵌め込むことにより、基板4に取り付ける。このように、SO−DIMMユニット1を基板4に取り付けて使用する場合、第1磁場M1は、MRAM素子(メモリチップ)11の下部磁性層がMRAMとして機能するのに十分で、上部フリー層の磁化反転に影響の無い強さとされている。
【0081】
さらに、図13に示されるように、SO−DIMMユニット1を基板4から取り外すとき、すなわち、SO−DIMMユニット1をメモリソケット4’から矢印の回転下向きに飛び出させて取り外す場合には、記録されたデータは完全に破壊されることになる。
【0082】
ここで、SO−DIMMユニット1をメモリソケット4’(基板4)から取り外す場合、第2磁場M2は、例えば、全てのMRAM素子11(メモリチップ11の全てのMRAM素子)に対して同時に印加されないことになる。しかしながら、このような場合でも、全てのMRAM素子11のデータを破壊することができるのはいうまでもない。
【0083】
すなわち、本第2実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置は、磁石複合体2a,2bを設ける必要はあるが、一般的に使用されているノートパソコンのSO−DIMMと同様に、ノートパソコン用のSO−DIMMユニット1を提供することができる。
【0084】
図14は、第3実施例としてのデスクトップパソコンに適用するSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置を示す図であり、図15は、第3実施例のSO−DIMMユニットをメモリソケットに取り付ける様子を示す図である。
【0085】
図14および図15に示されるように、本第3実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置は、例えば、SO−DIMMユニット(MRAM本体)1がコネクタ3を介してメモリソケット4’(基板4)に着脱可能として取り付けられる。なお、図14における参照符号6は、CPU(Central Processing Unit)を示している。
【0086】
すなわち、SO−DIMMユニット1は、例えば、デスクトップパソコンに適用する一般的なSO−DIMMと同様の形状とされ、その取り付けおよび取り外しもSO−DIMMと同様に行うことができるようになっている。
【0087】
具体的に、SO−DIMMユニット1を、コネクタ3が設けられたメモリソケット4’に差し込み、コネクタレバー(ロックレバー)40a,40bにより、SO−DIMMユニット1をメモリソケット4’にしっかりと取り付けるようになっている。
【0088】
ただし、本第3実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置では、磁石複合体2a,2bが、デスクトップパソコンの基板(例えば、マザーボード)4におけるメモリソケット4’の両側に固定して配置されている。
【0089】
なお、図14では、複数(4個)のメモリソケットの内の1つのメモリソケット4’にだけ磁石複合体2a,2bを設けて、本第3実施例のSO−DIMMユニット1を適用しているが、全てのメモリソケットに対して適用するように構成してもよい。
【0090】
また、図15では、SO−DIMMユニット1の一側面に設けられたメモリチップ(MRAM素子)11に対応する一側面の両側に磁石複合体2a,2bを設けた場合を示している。
【0091】
ここで、SO−DIMMユニット1の両側面にメモリチップ11が設けられている場合、すなわち、図15において、メモリチップ11がSO−DIMMユニット1の裏面にも設けられている場合、その裏面に対しても磁石複合体2a,2bを設けることになる。
【0092】
図16は、第3実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置の使用状態を示す図であり、図17は、第3実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置において、MRAM本体を取り外す様子を示す図である。
【0093】
ここで、図16(a)および図17(a)は、SO−DIMMユニット(MRAM本体)1およびメモリソケット4’の正面図を示し、図16(b)および図17(b)は、そのときの側面図を示す。なお、図16および図17は、前述した図1および図5、図8および図9、或いは、図12および図13に相当する。
【0094】
まず、図15並びに図16(a)および図16(b)に示されるように、SO−DIMMユニット1を、コネクタ3を有するメモリソケット4’に嵌め込み、コネクタレバー40a,40bによりSO−DIMMユニット1をメモリソケット4’に取り付ける。
【0095】
ここで、SO−DIMMユニット1をメモリソケット4’(基板4)に取り付けて使用する場合、第1磁場M1は、メモリチップ(MRAM素子)11の下部磁性層がMRAMとして機能するのに十分で、上部フリー層の磁化反転に影響の無い強さとされている。
【0096】
なお、磁石複合体2a,2bには、それぞれ第1異方性磁石21a,21bによる第1磁場M1を、SO−DIMMユニット1におけるメモリチップ11に適切な位置で印加するようにスペーサ20a,20bが設けられている。
【0097】
さらに、図17(a)および図17(b)に示されるように、SO−DIMMユニット1を基板4から取り外すには、コネクタレバー40a,40bを開いてSO−DIMMユニット1をメモリソケット4’から押し上げて外す。このとき、SO−DIMMユニット1のメモリチップ(MRAM素子)11に記録されたデータは完全に破壊される。
【0098】
ここで、SO−DIMMユニット1をメモリソケット4’(基板4)から取り外す場合、SO−DIMMユニット1が傾いた状態で取り外される場合でも、前述した第2実施例のときと同様に、全てのMRAM素子11のデータが破壊されることになる。
【0099】
すなわち、本第3実施例のSO−DIMMタイプ磁気メモリ装置は、磁石複合体2a,2bを設ける必要はあるが、一般的に使用されているデスクトッップパソコンのSO−DIMMと同様に、SO−DIMMユニット1を提供することができる。
【0100】
上述した第1〜第3実施例の磁気メモリ装置によれば、電力を必要とすることなく、記録されたデータを破壊することができ、また、データ破壊後にデータの読み出しや解読(改竄)を不可能とすることができる。
【0101】
さらに、磁気メモリ本体を不正に持ち出した場合には、記録された全てのデータが確実に破壊されることになり、データの漏洩を防止することができる。そして、取り外した磁気メモリ本体を元に戻して取り付けた場合には、記録されていたデータは破壊されて使用できないが、新たに初期化された磁気メモリ装置として再使用することが可能となる。
【0102】
図18は、本実施形態の磁気メモリ装置の変形例を説明するための図である。ところで、図1〜図6を参照して説明した実施形態では、対向する磁石複合体2aおよび2bを基板4(例えば、マザーボード)に対して直接固定して配置し、MRAM本体(例えば、SSDユニット)1と一緒に取り外すことができないようにしている。
【0103】
これに対して、図18に示す変形例では、対向する磁石複合体2aおよび2bが専用の基板30(例えば、SSDユニットの基板:ユニット基板)に対して固定して配置されている。そして、このユニット基板30は、一旦マザーボード4に取り付けられると、マザーボード4から取り外すことができないようになっている。
【0104】
ここで、図18(a)は、SSDユニット1,ユニット基板30およびマザーボード4を分離した状態を示し、図18(b)は、SSDユニット1,ユニット基板30およびマザーボード4を勘合した状態を示す。
【0105】
SSDユニット1は、磁石複合体2a,2bが固定して配置されたユニット基板30に対して、コネクタ100および310により着脱可能として設けられている。すなわち、SSDユニット1は、SSDユニット1のコネクタ100と、ユニット基板30のコネクタ310により電気的に接続される。
【0106】
さらに、ユニット基板30は、ユニット基板30のコネクタ320と、マザーボード4のコネクタ400により電気的に接続される。なお、各コネクタ100,310,320および400は、複数の金属端子(接続ピン)を有している。
【0107】
ユニット基板30には、ロック機構(メス部)330a,330bが設けられ、マザーボード4のロック機構(オス部)410a,410bと勘合するようになっている。ここで、ユニット基板30のロック機構330a,330bには、ツメ部340a,340bが形成されていて、一旦マザーボード4のロック機構410a,410bが勘合すると、ツメ部340a,340bにより取り外すことができないようになっている。
【0108】
また、マザーボード4には、位置合わせ部411a,411bが設けられていて、ユニット基板30をマザーボード4の所定個所に位置合わせできるようになっている。
【0109】
なお、図18では、ロック機構330a,330b;410a,410bおよびツメ部340a,340bにより、マザーボード4に対してユニット基板30を取り外しできないように取り付ける例を示しているが、様々な変形も可能である。
【0110】
具体的に、例えば、一旦ユニット基板30がマザーボード4に取り付けられると、一般には入手不可能な専用の取り外し工具がなければ、マザーボード4から取り外すことができないように構成することもできる。或いは、接着剤等を使用して、一旦ユニット基板30がマザーボード4に取り付けられると、永久的に取り外すことができないようにしてもよい。
【0111】
これにより、図18に示す変形例は、図1〜図6を参照して説明した実施形態と同様に、例えば、磁気メモリ本体を不正に持ち出した場合には、記録された全てのデータが確実に破壊(消去)されてデータの漏洩を確実に防止することができる。
【0112】
ここで、図18に示す変形例は、ユニット基板30に対して、磁石複合体2a,2b、コネクタ310,100(3)およびSSDユニット(MRAM本体)1の全てを設けた磁気メモリ装置を、他社に販売する場合等において好ましいものである。
【0113】
すなわち、本変形例では、磁気メモリ装置の製造メーカがメモリ本体1と磁石複合体2a,2b(異方性磁石21a,21bおよび23a,23b)の位置関係等の設定を正確に行い、その設定後の製品を提供するため、製品の管理を厳密に行うことができる。
【0114】
なお、例えば、上述したような磁気メモリ装置を購入したパソコンの組み立てメーカでは、磁気メモリ装置(ユニット基板30)をマザーボード4に固定して配置することになるが、知られている技術をそのまま利用することで、何らの問題も生じることはない。すなわち、図1〜図6を参照して説明した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0115】
なお、図18に示す変形例は、単なる例であり、前述した第1〜第3実施例に対して適宜変更して適用することができるのはいうまでもない。また、上述した第1〜第3実施例の磁気メモリ装置も単なる例であり、本実施形態の磁気メモリ装置は、SSDやSO−DIMM以外にも、様々な構成として適用することが可能である。
【0116】
さらに、第1〜第3実施例の磁気メモリ装置を設ける対象装置は、ノートパソコンやデスクトップパソコンに限定されるものではなく、携帯端末を始めとする様々な電子機器に対して幅広く適用することができる。
【0117】
以上の実施例を含む実施形態に関し、さらに、以下の付記を開示する。
(付記1)
保持力を持たない第1磁性層と保持力を有する第2磁性層が積層されたメモリのスピン方向によりデータを記録するメモリ装置において、
第1磁石によって前記第1磁性層が第1の方向に磁化された前記メモリの取り外しの際に該メモリが通過する領域に磁界を与え、前記第2磁性層を第2方向に磁化する第2磁石、
を備えることを特徴とするメモリ装置。
【0118】
(付記2)
前記第1磁石は、前記メモリの取り外しの際に、前記第1磁性層を前記第1方向の磁化から開放する位置に設けられている、
ことを特徴とする付記1に記載のメモリ装置。
【0119】
(付記3)
前記第2磁石は、前記メモリの取り付けの際に、前記第1磁性層および前記第2磁性層の磁化に影響を与えない位置に設けられている、
ことを特徴とする付記1または付記2に記載のメモリ装置。
【0120】
(付記4)
前記第1磁石および前記第2磁石は、遮蔽材を介して積層され、前記メモリに対して同一方向の磁場を与えるように前記メモリの両側に設けられている、
ことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1項に記載のメモリ装置。
【0121】
(付記5)
積層された前記第1磁石,前記遮蔽材および前記第2磁石は、磁場発生ユニットとしてパッケージングされ、
2つの前記磁場発生ユニットは、前記メモリの両側で、互いに対向するように設けられている、
ことを特徴とする付記4に記載のメモリ装置。
【0122】
(付記6)
前記メモリは、SSDユニットとして形成され、
2つの前記磁場発生ユニットは、前記SSDユニットの両側で、互いに対向するように設けられる、
ことを特徴とする付記5に記載のメモリ装置。
【0123】
(付記7)
前記メモリは、SO−DIMMユニットとして形成され、
2つの前記磁場発生ユニットは、前記SO−DIMMユニットを取り付けるメモリソケットの両側で、互いに対向するように設けられる、
ことを特徴とする付記5に記載のメモリ装置。
【0124】
(付記8)
前記磁場発生ユニットが設けられる対象装置は、ノートパソコンまたはデスクトップパソコンである、
ことを特徴とする付記5乃至付記7のいずれか1項に記載のメモリ装置。
【0125】
(付記9)
前記第1磁石および前記第2磁石は、異方性磁石である、
ことを特徴とする付記1乃至付記8のいずれか1項に記載のメモリ装置。
【符号の説明】
【0126】
1 MRAM本体(メモリ,磁気メモリ本体,SSDユニット,SO−DIMMユニット)
2a,2b 磁石複合体(磁場発生ユニット)
3,100,310,320,400 コネクタ
4 基板(マザーボード)
4’ メモリソケット
5 ノートパソコン
6 CPU
11,11a,11b MRAM素子(メモリチップ)
20a,20b スペーサ
21a,21b 第1異方性磁石(第1磁場発生磁石)
22a,22b 遮蔽材
23a,23b 第2異方性磁石(第2磁場発生磁石)
30 SSDユニットの基板(ユニット基板)
101, 金属端子(接続ピン)
111,111a,111b 下部磁性層(第1磁性層)
112,112a,112b 絶縁層
113,113a,113b 上部フリー層(第2磁性層)
330a,330b ロック機構(メス部)
340a,340b ツメ部
410a,410b ロック機構(オス部)
411a,411b 位置合わせ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保持力を持たない第1磁性層と保持力を有する第2磁性層が積層されたメモリのスピン方向によりデータを記録するメモリ装置において、
第1磁石によって前記第1磁性層が第1の方向に磁化された前記メモリの取り外しの際に該メモリが通過する領域に磁界を与え、前記第2磁性層を第2方向に磁化する第2磁石、
を備えることを特徴とするメモリ装置。
【請求項2】
前記第1磁石は、前記メモリの取り外しの際に、前記第1磁性層を前記第1方向の磁化から開放する位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
前記第2磁石は、前記メモリの取り付けの際に、前記第1磁性層および前記第2磁性層の磁化に影響を与えない位置に設けられている、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のメモリ装置。
【請求項4】
前記第1磁石および前記第2磁石は、遮蔽材を介して積層され、前記メモリに対して同一方向の磁場を与えるように前記メモリの両側に設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のメモリ装置。
【請求項5】
積層された前記第1磁石,前記遮蔽材および前記第2磁石は、磁場発生ユニットとしてパッケージングされ、
2つの前記磁場発生ユニットは、前記メモリの両側で、互いに対向するように設けられている、
ことを特徴とする請求項4に記載のメモリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−89081(P2013−89081A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229919(P2011−229919)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】