説明

モジュール式グラフト内装置及び関連のシステム及び方法

【課題】モジュール式グラフト内装置及び関連システム及び方法を本明細書に開示する。
【解決手段】いくつかの実施形態では、グラフト内システムは、一体化フレーム、カバー、及びカバー内の内腔を各々が含む第1のグラフト内装置及び第2のグラフト内装置を含むことができる。各グラフト内装置は、上位部分及び下位部分を更に含む。上位部分は、凸状に湾曲した外壁及び隔壁を有することができる。第1及び第2のグラフト内装置は、第1の断面寸法及び第1の長さを有する扁平構成に伸張し、かつ第1の断面寸法よりも大きい第2の断面寸法及び第1の長さよりも短い第2の長さを有する拡張構成に自己拡張するように構成することができる。拡張構成において、隔壁は、互いに圧迫して第1及び第2のグラフト内装置の内腔の間に隔膜を形成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、以下の米国特許仮出願の各々に対する優先権を請求する。
【0002】
(A)2009年12月1日出願の「モジュール式腹部大動脈瘤グラフトに対する改良システム及び方法」という名称の米国特許仮出願第61/265,713号、及び
【0003】
(B)2010年1月8日出願の「モジュール式腹部大動脈瘤グラフトに対する改良システム及び方法」という名称の米国特許仮出願第61/293,581号。
【0004】
以上の出願の全ては、本明細書においてその全内容が引用により組み込まれる。
【0005】
本発明の技術は、一般的に、グラフト内装置及び動脈瘤にわたってグラフト内装置を経皮的血管内送出する方法に関する。特に、いくつかの実施形態は、血管内動脈瘤修復のために独立に位置決めされた構成要素を有するモジュール式双内腔グラフト内装置に関連する。
【背景技術】
【0006】
動脈瘤は、その通常直径の少なくとも1.5倍にものぼる血管の拡張である。拡張した血管は、血管壁を弱めて最終的に破裂する可能性がある動脈瘤嚢として公知の膨隆を形成する可能性がある。動脈瘤は、脳の基部にある動脈(すなわち、「ウィリス輪」)において及び人体で最大の動脈である大動脈において最も好発する。横隔膜から大動脈腸骨動脈分岐部に及ぶ腹部大動脈は、大動脈瘤が最も好発する部位である。腹部大動脈瘤(AAA)の頻発は、少なくとも部分的に腹部大動脈の動脈壁のエラスチンのレベルの低下及び横断方向の血流の制限による圧力の増加によって生じる。
【0007】
動脈瘤は、多くの場合、開腹手術処置を使用して修復される。例えば、AAAを修復するための手術方法は、胸骨から骨盤骨までの腹部領域を開き、出血を制御するように大動脈をクランプし、動脈瘤部分を除去するために大動脈を切開し、かつ病的動脈を置換するために人工装具グラフトを取り付ける必要がある。それらのタイプの開腹外科的修復における一般的な麻酔、出血、及び感染に関連付けられた危険により、手術死亡率の可能性が高いという結果になる。従って、外科的修復は、多くの患者にとって有望な選択肢ではない。更に、回復過程は、外科的修復に適合する患者にとって長いものになる。AAAの開腹外科的修復は、一般的に、7日の術後入院及び合併症のない手術に対しては少なくとも6週間から8週間の回復時間を必要とする。すなわち、それは、高度に侵襲的かつ高価な処置である。
【0008】
大動脈の動脈瘤領域にわたって人工装具グラフトを埋め込む低侵襲外科技術が、開腹手術の代替又は改良として開発されている。例えば、血管内大動脈修復(EVAR)は、一般的に、経皮的に又は外科的切開を通して動脈(例えば、大腿動脈)にアクセスし、ガイドワイヤを動脈内に導入し、グラフト内装置をカテーテルの中に装填し、かつ装填したカテーテルを動脈に挿入する必要がある。撮像システム(例えば、X線)を使用して、グラフト内装置は、動脈を通して案内され、動脈瘤よりも上位の位置にカテーテルの遠位開口部から配備することができる。そこから、グラフト内装置は、血液がグラフト内装置を貫流して動脈瘤を迂回するように、動脈瘤にわたって配備することができる。
【0009】
EVAR装置は、分枝血管内へのグラフト内装置の不適切な配置、移動、及び/又は突出が近くの生理学的構造への血流に干渉する場合があるので、動脈瘤領域にわたって正確な位置に埋め込み、かつ血管壁に確実に固定すべきである。例えば、腎機能を損なわないように、グラフト内装置は、腎動脈への血流を抑制してはならない。患者間の血管系の変動に加えて、動脈瘤自体の特性それ自体も、個々の動脈瘤の解剖学的変動及び異なる構造的特徴のために難題をもたらす可能性がある。例えば、腸骨動脈における血管分岐及び動脈瘤嚢の角張った部分は、両方ともAAAを治療する方法及び装置に対して難題をもたらすことは公知である。従来のシステムは、異なるサイズ及び形状を有する多くの異なるEVAR装置を有することによってそれらの難題に対処している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】本発明の技術の実施形態により構成されたモジュール式グラフト内システムの部分切り欠き等角投影図である。
【図1B】本発明の技術の実施形態により構成された図1Aのモジュール式グラフト内システムの等角投影図である。
【図2A】本発明の技術の実施形態により成形されたグラフト内装置に対する上位部分の断面上面図である。
【図2B】本発明の技術の実施形態により成形されたグラフト内装置に対する上位部分の断面上面図である。
【図2C】本発明の技術の実施形態により成形されたグラフト内装置に対する上位部分の断面上面図である。
【図2D】本発明の技術の実施形態により相補的上位部分と嵌合している図2Bの上位部分の断面上面図である。
【図2E】本発明の技術の実施形態により相補的上位部分と嵌合している図2Bの上位部分の断面上面図である。
【図3A】本発明の技術の実施形態により構成されたグラフト内装置の等角投影図である。
【図3B】本発明の技術の実施形態により構成されたグラフト内装置の等角投影図である。
【図4A】本発明の技術の実施形態による拡張構成の一体化フレームの側面図である。
【図4B】本発明の技術の実施形態による扁平構成の一体化フレームの側面図である。
【図5A】本発明の技術の実施形態により拡張構成から扁平構成まで伸張されているカバーの側面図である。
【図5B】本発明の技術の実施形態により拡張構成から扁平構成まで伸張されているカバーの側面図である。
【図5C】本発明の技術の実施形態により拡張構成から扁平構成まで伸張されているカバーの側面図である。
【図6A】本発明の技術の実施形態による扁平構成のグラフト内装置の断面図である。
【図6B】本発明の技術の実施形態による拡張構成のグラフト内装置の断面図である。
【図7A】本発明の技術の他の実施形態により構成されたグラフト内装置の等角投影図である。
【図7B】本発明の技術の他の実施形態により構成されたグラフト内装置の等角投影図である。
【図8A】本発明の技術の更に別の実施形態により構成されたグラフト内装置の等角投影図である。
【図8B】本発明の技術の更に別の実施形態により構成されたグラフト内装置の等角投影図である。
【図9A】本発明の技術の実施形態により動脈瘤にわたって配備される2部分モジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図9B】本発明の技術の実施形態により動脈瘤にわたって配備される2部分モジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図10A】本発明の技術の追加の実施形態により構成されたモジュール式グラフト内システムの等角投影図である。
【図10B】本発明の技術の追加の実施形態により構成されたモジュール式グラフト内システムの等角投影図である。
【図11A】本発明の技術の他の実施形態により動脈瘤にわたって配備された図10Aのモジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図11B】本発明の技術の他の実施形態により動脈瘤にわたって配備された図10Bのモジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図12】本発明の技術の更に別の実施形態により動脈瘤にわたって配備された図9Bのモジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図13A】本発明の技術の実施形態により動脈瘤にわたって配備される4部分モジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図13B】本発明の技術の実施形態により動脈瘤にわたって配備される4部分モジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図13C】本発明の技術の実施形態により動脈瘤にわたって配備される4部分モジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図14A】本発明の技術の追加の実施形態により構成されたモジュール式グラフト内システムの等角投影図である。
【図14B】本発明の技術の追加の実施形態により構成されたモジュール式グラフト内システムの等角投影図である。
【図15A】本発明の技術の実施形態により動脈瘤にわたって配備される3部分モジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図15B】本発明の技術の実施形態により動脈瘤にわたって配備される3部分モジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図16】本発明の技術の実施形態により動脈瘤にわたって配備される5部分モジュール式グラフト内システムの概略図である。
【図17A】本発明の技術の実施形態により一体化フレームに適用されているコーティング層の図である。
【図17B】本発明の技術の実施形態により一体化フレームに適用されているコーティング層の図である。
【図17C】本発明の技術の実施形態により一体化フレームに適用されているコーティング層の図である。
【図17D】本発明の技術の実施形態により一体化フレームに適用されているコーティング層の図である。
【図17E】本発明の技術の実施形態により一体化フレームに適用されているコーティング層の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の技術のいくつかの実施形態の具体的な詳細を図1A〜図17Eを参照して以下に説明する。実施形態の多くは、少なくとも部分的に腹部大動脈瘤(AAA)を修復する装置に対して以下に説明されるが、他の適用及び他の実施形態は、本発明の技術の範囲である。例えば、本発明の技術を使用して、血管系の他の部分における動脈瘤を修復することができる。更に、本発明の技術のいくつかの他の実施形態は、この部分で説明するものと異なる構成、構成要素、又は処置を有することができる。従って、当業者は、その結果、本発明の技術が、付加的な要素を有する他の実施形態を有することができ、又は本発明の技術が、図1A〜図17Eを参照して以下に図示して説明する特徴のいくつかのない他の実施形態を有することができることを理解するであろう。
【0012】
本出願内で「上位」及び「下位」の使用に関して、下位は、一般的に下に位置する又は下方を向いていることを意味し、上位は、一般的に上方に位置する又は上を向いていることを意味する。
【0013】
本出願内で「拡張」及び「圧縮」の使用に関して、拡張は、装置又は構成要素の断面寸法の半径方向増加を意味し、収縮は、装置又は構成要素の断面寸法の半径方向減少を意味する。例えば、図4Aは、拡張構成の一体化フレーム104を示し、図4Bは、圧縮構成の一体化フレーム104を示している。
【0014】
本出願内で「収縮」及び「伸張」の使用に関して、収縮は、装置又は構成要素の長さの縦方向減少を意味し、伸張は、装置又は構成要素の長さの縦方向増加を意味する。例えば、図5Aは、収縮構成のカバー106を示し、図5Cは、伸張構成のカバー106を示している。
【0015】
本出願内で用語「遠位」及び「近位」に関して、これらの用語は、オペレータを基準にして埋め込み可能装置及び/又は送出装置の各部分の相対位置を意味することができる。近位は、装置のオペレータにより近い位置を意味し、遠位は、装置のオペレータからより遠い位置を意味する。
【0016】
1.グラフト内システム構造
1.1.選択されたグラフト内装置
図1A及び図1Bは、本発明の技術の実施形態によるモジュール式グラフト内システム100(システム100)の等角投影図である。システム100は、原位置で互いに結合、嵌合、又はそうでなければ実質的に密封することができる個別のグラフト内装置102(第1のグラフト内装置102a及び第2のグラフト内装置102bとして個々に識別される)を含むことができる。例えば、各グラフト内装置102は、一体化フレーム104(フレーム104)及びフレーム104の少なくとも一部分にわたって伸張する実質的に不透過カバー106(カバー106)を含むことができる。個々のグラフト内装置102のフレーム104及びカバー106は、血液が動脈瘤を迂回するように流れることができる個別の内腔116を形成することができる。作動中に、グラフト内装置102は、一般的に別々に送出され、動脈瘤にわたって独立して位置決めされる。
【0017】
図1A及び図1Bに示すように、各グラフト内装置102は、上位部分108及び下位部分110を含む。上位部分108は、凸状に湾曲した外壁112及び隔壁114を含むことができる。図1Aに示すように、隔壁114は、上位部分108が内腔116の上位部分において「D」字形を形成するように実質的に平坦にすることができる。他の実施形態では、隔壁114は、上位部分108が内腔116の上位部分において別のD字形断面を有する複合楕円体を形成するように外壁112よりも大きい曲率半径で凸状に湾曲することができる。別の実施形態では、上位部分108は、中隔野において互いに嵌合し、かつ外壁112の周囲の動脈壁と嵌合することができる非対称形又は他の好ましい断面構成を有することができる。下位部分110は、図1Aに示すような円形断面形状を有することができ、又は下位部分110は、内腔116の下位部分に対して楕円形状、矩形状、非対称形状、及び/又は別の好ましい断面形状を有することができる。
【0018】
グラフト内装置102の上位部分108は、互いに嵌合され、かつ動脈瘤の上方の大動脈内の隔壁114に沿って少なくとも実質的に密封される。一部の実施形態では、上位部分108は、それらが少なくとも実質的に互いに密封されるように、長さが約2−4cmであり、外壁112を動脈壁に十分に固定することができる。他の実施形態では、上位部分108は、より長く又はより短くすることができる。本発明の技術に従った一実施形態では、下位部分110は、動脈瘤の下位部分を通って対応する腸骨動脈の中に延び、動脈瘤を迂回することができる。別の実施形態では、一方又は両方の下位部分110は、動脈瘤内で終端し、「ゲート」として当業者に公知のものを形成することができる。以下でより詳細に説明するように、リム(図示せず)は、下位部分110の近位端に取り付けられて腸骨動脈の中に伸張され、動脈瘤を迂回することができる。
【0019】
図1A及び図1Bに示す実施形態では、フレーム104は、カバー106を超えて伸張する裸端部部分118(第1の端部部分118a及び第2の端部部分118bとして個々に識別される)を有する。図1A及び図1Bに示すように、第1の端部部分118aは、カバー106の上位末端から遠位に伸張することができ、第2の端部部分118bは、カバー106の下位末端から近位に伸張することができる。一部の実施形態では、端部部分118がトランペット形になり又は張り出し、大動脈及び/又は腸骨動脈の動脈壁と接続することができる。これは、グラフト内装置102と隣接する動脈の間のシールを強化する細胞の内部成長を容易にすることができる。
【0020】
端部部分118はまた、グラフト内装置102を動脈に固定するために利用可能な構造を増加させ、グラフト内装置102を動脈壁に密封可能に固定するためにカバー106の表面積を増加させることができる。これは、グラフト内装置102を位置決めするのに必要な精度を低下させ、埋め込みシステム100の信頼性を増大させる。例えば、短い腎臓の下の大動脈頸部(例えば、2cm未満)には、一般的に、大動脈に適正に固定するようにグラフト内装置102に依然として十分な表面積を提供しながら、腎動脈への血流を保つためにグラフト内装置102の正確な配置が必要である。しかし、図1A及び図1Bに示す実施形態では、第1の端部部分118aは、腎動脈の入口に置かれ、腎動脈への横方向血流を可能にし、グラフト内装置102を動脈壁に固定するためのより大きい構造、及び動脈壁により大きい密封区域を提供する。端部部分118はまた、動脈瘤にわたってグラフト内装置102を位置決めする精度を高める再捕捉(例えば、ガイドワイヤ、ビーズ及びコレット、その他による)のためのアクセス可能部位を提供することができる。
【0021】
システム100の配備中に、各グラフト内装置102は、扁平構成の動脈瘤領域に独立して送出することができる。扁平構成は、システム100の経皮的血管内送出を容易にすることができる第1の断面寸法及び第1の長さを有する。各装置102は、血管周囲の一部分のみの周囲に伸張するので、個々のグラフト内装置102は、血管壁の全周囲に伸張する単一上位部分を有する従来のAAA装置よりも小さい直径まで圧縮される(すなわち、半径方向に潰れる)ことができる。一部の実施形態では、例えば、グラフト内装置102の各々は、拡張構成において25mmの直径を有することができ、扁平構成において4mmの直径まで圧縮され、12Fのカテーテルを通して動脈瘤わたって経皮的に配備することができる。更に、以下でより詳細に説明するように、各グラフト内装置102は独立して送出されるので、端部部分118及び穿孔は、非対称生体構造に対応するようにグラフト内装置102のスタガ配置を容易にすることができる。
【0022】
動脈瘤領域のターゲット部位において、グラフト内装置102は、拡張構成まで自己拡張することができる(例えば、図1A及び図1Bに示す)。拡張構成は、第1の断面寸法よりも大きい第2の断面寸法及び第1の長さよりも短い第2の長さを有することができる。図1Bに示す拡張構成において、第1のグラフト内装置102aの隔壁114(図1A)は、第2のグラフト内装置102bの対向する隔壁114に対して押し付けることができる。大動脈内の原位置にある時に、対向する隔壁114の間の力は、隔膜120を形成し、そこで、第1及び第2の隔壁114は、少なくとも実質的に互いに密封され、血液がグラフト内装置102の間を流れて動脈瘤の中に入るのを防止する。更に、図1Bに示すように、カバー106上の織り目(例えば、肋状組織)を隔膜120で嵌合させ、隔壁114の間のシールを更に強化することができる。同様に、外壁112上のカバー106の織り目は、隣接する血管壁と接続し、グラフト内装置102の周囲のシールを強化することができる。
【0023】
作動中に、システム100は、血液が血管(例えば、大動脈、腸骨動脈、その他)の病的動脈瘤部分に集積するのを防止することができる。むしろ、システム100は、血液を内腔116の中に向け、血液を上位部分及び下位部分108及び110を通して流し込み、かつ血液を腸骨動脈の健常部分の中に吐出し、それによって少なくとも実質的に動脈瘤を迂回することができる。分岐システム100は、第1及び第2のグラフト内装置102の独立位置決めを容易にし、腹部大動脈及び/又は腸骨動脈の本質的に異なる構造及び形態に対応する。例えば、第1のグラフト内装置102aは、第2のグラフト内装置102bの望ましい配置によって制約されることなく望ましい位置に独立して位置決めすることができる。従って、システム100は、様々な異なる生体構造に容易に適合し、それによってカスタマイズされたグラフト内システムに代わるモジュールを提供することができる。
【0024】
1.2.上位部分の選択実施形態
図2A〜図2Cは、本発明の技術の実施形態により成形されたグラフト内装置(例えば、図1A及び図1Bに示すグラフト内装置102)の上位部分208の断面上面図である。上位部分208は、図1A及び図1Bに示す上位部分108とほぼ類似の特徴を有することができる。例えば、各上位部分208は、外壁212及び隔壁214を含む。外壁212はほぼ半円形であるが、そうでなければ動脈壁の形状、幾何学形状、及び/又は形態によって構成することができる。隔壁214は、別のグラフト内装置の相補的隔壁214と嵌合するように成形することができる。より具体的には、図2Aに示す実施形態では、上位部分208は、凸状に湾曲した実質的に半円形外壁212及び実質的に平坦な隔壁214を含む。従って、上位部分208は、「D」字形を形成し、合わせグラフト内装置の対応するD字形上位部分を含むシステム(例えば、図1A及び図1Bに示すシステム100)の一部とすることができる。
【0025】
他の実施形態では、外壁212及び隔壁214の両方は、上位部分208が少なくとも2つの異なる半径で複合楕円体を形成するように凸状に湾曲することができる。例えば、図2Bは、上位部分208が、第1の半径R1を有する凸状に湾曲した外壁212と、第1の半径R1よりも大きい第2の半径R2を有する凸状に湾曲した隔壁214とを含むことができることを示している。図2Bに示す実施形態では、第2の半径R2は、上位部分208が実質的にD様形状を有するように第1の半径R1よりも実質的に大きい。
【0026】
同様に、図2Cに示す上位部分208は、第1の曲率半径R1を有する凸状に湾曲した外壁212と、第1の半径R1よりも大きい第2の曲率半径R2を有する凸状に湾曲した隔壁214とを含む。図2Cに示すように、上位部分208は、凸状に湾曲したコーナ区画222(第1のコーナ区画222a及び第2のコーナ区画222bとして個々に識別される)を更に含むことができる。第1のコーナ区画222aは、第3の半径R3を有することができ、第2のコーナ区画222bは、第3の半径R3とは明確に異なるか又はこれに等しい第4の半径R4を有することができる。図2Cに示す実施形態では、第3及び第4の半径R3及びR4は、上位部分208が別の実質的にD様形状を形成するように第1及び第2の半径R1及びR2よりも実質的に小さい。他の実施形態では、上位部分208は、より大きい又はより小さい半径、より多い又はより少ない湾曲部分を含むことができ、及び/又は血管内で互いに2つのグラフト内装置を嵌合し、かつ少なくとも実質的に密封するのに好ましい別の形状を有することができる。
【0027】
図2D及び図2Eは、本発明の技術の実施形態により密封隔膜220を形成するように相補的上位部分208と嵌合している図2Bの上位部分208の断面上面図である。より具体的には、図2Dは、力Fによって互いに向けて押圧されている上位部分208を示している。力Fは、大動脈の限定空間内の上位部分208の自己拡張から得ることができる。図2Dに示すように、力Fにより、上位部分208がそれらのそれぞれの凸状に湾曲した隔壁214の中心の近くで互いに接触し、隔壁214を平坦にすることを可能にすることができる。隔壁214の並置により、外壁及び隔壁212及び214の界面の近くに僅かな外向き湾曲Bを引き起こすことができる隔壁214に対するほぼ接線方向の外向き力を発生させることができる。
【0028】
図2Eに示すように、力Fは、凸状に湾曲した隔壁214が隔膜220を形成するように真っ直ぐになるまで、上位部分208を互いに対して押圧し続けることができる。隔壁214の初期凸状部は、真っ直ぐな隔壁(例えば、図2A)よりも隔壁214の間により大きい圧力を含み、隔膜220に沿った力の均等な分布を容易にしてシールを強化することができる。更に、外向き湾曲Bは、隔壁214の縁部においてシールを強化することができる。図2A及び図2Cに示す上位部分208は、実質的に真っ直ぐな隔膜220を形成するように同様に接合することができる。例えば、図2Cに示す上位部分208は、上位部分208の間の相対力が隔壁214及びコーナ区画222を実質的に真っ直ぐ(例えば、外壁及び隔壁112及び114の間で約60°から90°)にして隔膜220を形成するように、対応する上位部分に圧迫することができる。作動中に、隔膜220を少なくとも実質的に密封し、流体(例えば、血液)が上位部分208の間を流れるのを防止することができる。
【0029】
遷移部分の選択実施形態
図3A及び図3Bは、本発明の技術の実施形態により構成されたグラフト内装置の遷移部分324の等角投影図である。遷移部分324は、より広い上位部分108からより狭い下位部分110まで内腔116のサイズを漸次的に変化させることによって内腔血流を容易にすることができる。更に、遷移部分324は、血液が内腔116を貫流すると、グラフト内装置102にかかる下向き力を低減するように構成することができる。
【0030】
より具体的には、図3Aは、図1A及び図1Bを参照して上述したグラフト内装置102の等角投影図である。グラフト内装置102は、上位部分108と下位部分110の間に位置決めされた遷移部分324を含む。図3Aに示すように、遷移部分324は、内腔116の断面を漸次的に狭くするようにテーパをつけ、それによって血流の乱れを低減することができる。遷移部分324は、実質的に内腔116を通る層状血流を継続するのに必要な距離に関連付けられた長さLを有することができる。例えば、一部の実施形態では、長さLは4cmとすることができる。他の実施形態では、長さLは、グラフト内装置102の幾何学形状、血流の流動特性、及び/又は血液の乱流を低減する他の関連のファクタにより異なる可能性がある。他の実施形態では、遷移部分324は、傾斜し、段を付け、及び/又は血液の乱流を引き起こすことなく上位部分108から下位部分110まで内腔116の断面を低減することができる別の好ましい形状を有することができる。
【0031】
図3Bは、本発明の技術の更に別の実施形態によるグラフト内装置302の等角投影図である。グラフト内装置302は、図3Aに示すグラフト内102とほぼ類似の特徴を含むことができる。しかし、図3Bに示すテーパのついた遷移部分324は、図3Aに示す遷移部分324よりもより漸次的なテーパのついた部及び遥かに大きい長さLを有する。図3Bに示すように、テーパのついた遷移部分324は、遷移部分324が下位部分110(見えない)を形成するように、上位部分108から第2の端部部分118bまで伸張する。従って、テーパのついた遷移部分324は、内腔116の断面を一様に低減し、内腔116を通る層状血流を容易にすることができる。しかし、遷移部分324の漸次的テーパにより、図3Aに示す遷移部分324のより激しいテーパよりも多くグラフト内装置302を血流に向けて移動することができる。従って、テーパのついた遷移部分324の長さL及び角度を最適化し、血液の乱流を元に戻すことなくグラフト内装置302の移動を軽減することができる。他の実施形態では、遷移部分324は、異なる形状(例えば、段のある)の幾何学形状を最適化し、層状血流を維持し、グラフト内装置302の移動を軽減することができる。
【0032】
2.グラフト内システム構成要素
2.1.一体化フレーム
図4A及び図4Bは、本発明の技術の実施形態による拡張構成(図4A)及び扁平構成(図4B)の図1A及び図1Bを参照して説明する一体化フレーム104の側面図である。上述のように、フレーム104は、上位部分108、下位部分110、及び露出端部部分118を含む。一部の実施形態では、拡張構成の各上位部分108の外壁112の最小半径は、10mmを下回らない場合がある(すなわち、合わせグラフト内装置102の上位部分108の最小直径は、10mm以上である)。
【0033】
図4A及び図4Bに示すように、フレーム104は、フレーム104の長さに沿って縦方向に連続的な一体化支持を提供する1つ又はそれよりも多くの連続的な織り合わせワイヤ426から作られた編組構造とすることができる。例えば、図4Aに示すように、ワイヤ426は、フレーム104の第1の縦方向セグメントL1が、フレーム104の隣接する第2の縦方向セグメントL2を支持するように編組みされる。従って、フレーム104の各区域は、フレームの隣接する区域の半径方向拡張又は収縮に影響を与える。一部の実施形態では、フレーム104は、フレーム104の長さに沿って連続的にそれ自体に交差する1つのワイヤ426で織られる。ワイヤ426の交差位置は、それらがフレーム104の可撓性を増大させるために非結合状態のままであるように溶接されず又はその他の方法で互いに固定されない場合がある。他の実施形態では、フレーム104は、フレーム104を形成するように織り合わせ及び/又は同心に層状にすることができる複数のワイヤ426を含む。例えば、フレーム104は、ワイヤ426のうちのいくつかがフレーム104の長さに沿って中間点で終ることができる8つのワイヤ426を含むことができる。このようなスタガ配置のマルチワイヤ構成は、ワイヤ端部部分がフレーム104を弱くすること及び/又はその後取り付けたカバー(例えば、図1A及び図1Bに示すカバー106)上で摩耗することを防止する。ワイヤ426の数はまた、フレーム104の長さに沿って異なる部分において異なる可能性がある。例えば、一実施形態では、下位部分110は、ワイヤ426の密度又はピッチが下位部分110及びフレーム104において増加しないように上位部分108よりも少ないワイヤ426を含む。これは、下位部分110が圧縮された扁平構成(図4B)の小径を有することを可能にする。
【0034】
図4Aに示すように、ワイヤ426は、一方の端部部分118にあるループ428を逆方向に形成し、反対の端部部分118に向けてフレーム104の長さに沿って織り続けることができる。各端部部分118にある最適な数のループ428は、ワイヤ426の直径に関連する可能性がある。ループ428が少なすぎることで、図4Aに示す収縮フレーム104の端部部分118における強度を低下させることができる。ループ428が多すぎることで、図4Bに示す伸張フレーム424のプロフィールを増大させることができ、カバーを取り付ける難しさを引き起こす可能性もある。例えば、0.008インチの直径のワイヤ426は、10から12(各端部部分118において5から6つ)の最適な数のループ428を有することができるのに対して、0.009インチの直径のワイヤ426は、12から14の最適な数のループ428を有することができる。他の実施形態では、ワイヤ426は、より多い又はより少ないループ428を含み、フレーム104の特性を最適化することができる。更に、ループ428の各々の曲率の程度は、ワイヤ426の耐久性に影響を与えることができる。例えば、高度の曲率を有する緊密に巻かれたループ428は、収縮によって誘起された応力のために端部部分118において疲労及び障害を受ける。従って、一部の実施形態では、ループ428の曲率の程度は、最適な数のループ428に対して許容される少なくとも曲率の程度とすることができる。
【0035】
図4Aに示す拡張構成において、ワイヤ426は、捩れを軽減して十分な伸張/圧縮を与えるように選択された編組角度θで交差することができる。下側編組角度θは、フレーム104が屈曲するか又は曲がる時にワイヤ426の捩れを低下させるか又は排除することができる。例えば、45°未満の編組角度θは、フレーム104の長さに沿ってその断面積の実質的な減少なしにフレーム104がより小さい曲率半径で曲がることを可能にする。従って、45°未満の編組角度θのフレーム104は、フレーム104を通る血流を制限することなく生体構造(例えば、大動脈)内で屈曲して曲がることができる。更に、下側編組角度θは、フレーム104の外向きバネ力(すなわち、フレーム104を拡張構成まで自己拡張するフレーム104内の固有の力)と、フープ強度(すなわち、捩れを制限して拡張構成を維持するフレーム104の半径方向強度)とを増大させることができる。従って、高々45°の編組角度θも、フレーム104の強度及び対応する耐久性の有利な増大をもたらすことができる。
【0036】
しかし、下側編組角度θはまた、図4Bに示す扁平構成のフレーム104の伸張及び圧縮に悪影響を与える可能性がある。例えば、伸張及び圧縮は、30°未満の編組角度θで悪影響を受ける場合がある。従って、一部の実施形態では、フレーム104は、扁平構成に必要な伸張及び圧縮機能を同様に維持しながら、捩れ抵抗及びフレーム強度を容易にする30°から45°の編組角度θを含むことができる。他の実施形態では、最適な編組角度θは、より高く又はより低くすることができる。
【0037】
本発明の技術に従った一部の実施形態では、編組角度θは、フレーム104の長さに沿って異なり、フレーム104の異なる部分において捩れ抵抗、外向きバネ力、フープ強度、及び伸張特性を変更することができる。例えば、編組角度θは、上位部分108が伸張かつ扁平構成の中に圧縮することができるように、上位部分108においてより高く(例えば、45°)することができ、編組角度θは、フレーム104が最も曲がる可能性が高い(例えば、動脈瘤嚢内及び腸骨動脈に向けて)捩れ抵抗をもたらすように下位部分110においてより低く(例えば、30°)することができる。下位部分110は、望ましい扁平構成に到達するのに上位部分108ほど圧縮する必要はないので、下位部分110におけるより小さい編組角度θは、フレーム104のプロフィールに悪影響を与えることはない。他の実施形態では、フレーム104の編組角度θは、別の方法で変更することができる。
【0038】
ワイヤ426は、フレーム104に対して依然として実質的な可撓性を提供しながら、フレーム104を支持するのに十分な直径を有することができる。ワイヤ426の直径は、扁平構成の望ましい断面寸法、拡張構成まで自己拡張する望ましい外向きバネ力、及び拡張構成のフレーム104を支持する望ましいフープ強度を達成するように選択することができる。例えば、一部の実施形態では、ワイヤ426は、約0.007インチから約0.014インチの直径を有することができる。具体的な実施形態では、ワイヤは、約0.011インチから0.013インチの直径を有する。他の実施形態では、ワイヤ426は、より小さい直径、より大きい直径を有することができ、及び/又はワイヤ426の直径は、フレーム104の長さに沿って異なることができる。例えば、一実施形態では、上位部分108のワイヤ426が、第1及び第2のグラフト内装置が嵌合し(例えば、隔壁114において)、下位部分110におけるワイヤ426の密度の増加がフレーム104の可撓性に悪影響を与えないところで外向きバネ力及びより大きいフープ強度を有するように、ワイヤ426は、下位部分110におけるよりも上位部分108において大きい直径を有することができる。
【0039】
フレーム104は、様々な弾力性の金属材料、ポリマー材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、「ナイロン」、及びPTFEなど)、及び複合体材料から構成することができる。例えば、ワイヤ426は、生体適合性ステンレス鋼、高弾性金属合金、及び形状記憶特性を示す生体適合性形状設定材料から作ることができる。一部の実施形態では、例えば、ワイヤ426は、好ましい又は自然構成を有する「ニチノール」のような形状設定合金から作ることができる。例えば、「ニチノール」の構造は、2次的構成に変形又は制約することができるが、制約から解除される時に、構造は、高忠実度によってその自然構成に戻る。従って、「ニチノール」ワイヤ426から作られたフレーム104は、扁平構成から拡張構成(すなわち、その自然構成)まで確実に自己拡張することができる。
【0040】
装置(例えば、図1A及び図1Bに示すグラフト内装置102)のグラフト内送出に対して、フレーム104は、フレーム104を送出装置の中に装填することができる扁平構成の中にフレーム104を圧縮するように伸張する。ワイヤ426の編組角度θは、上述のように送出中に細身のプロフィールを生成するようにフレーム104の有意な伸張を容易にすることができるが、編組の織り合わせ特徴は、伸張に対して制限する。フレーム104のこの伸張−圧縮機能は、フレーム104がフレーム104の長さに沿って低導入プロフィール(例えば、直径)を有するように、フレーム104がフレーム104の各部分上の同じ数のワイヤ426を使用して可変直径(例えば、下位部分110の直径と比べた上位部分108の直径)を有することを可能にする。フレーム104はまた、ループ428が完全伸張の結果フレーム104のプロフィールを増大させないように、各端部部分118において最適な数のループ428を含むことができる。
【0041】
ターゲット部位(例えば、動脈瘤の上方)において、フレーム104は、それが送出装置から取り外される時に、図4Aに示す拡張構成まで自己拡張する。編組角度θを調節し、上述のように、拡張フレーム104の外向きバネ力及びフープ強度を変化させることができる。一部の実施形態では、グラフト内装置は、部分的に配備された後に再位置決めする必要がある場合がある。フレーム104は、ループ428及び連続的な織り合わせワイヤ426が、フレーム104を簡単に再捕捉し、拡張後の圧縮がグラフト内装置を正確に再位置決めすることを可能にすることができ、従って、このような再位置決めに良好に適している。更に、フレーム104の各部分は、フレーム104を動脈壁に安全に係止するために細胞の内部成長を助けるように露出したままにすることができる(例えば、端部部分118)。更に、以下でより詳細に説明するように、編組フレーム104の織り合わせワイヤ426は、フレーム104をスタガ配置することができ、自由端部分がそれ自体を支持することができるように、フレーム104の長さに沿って連続縦方向支持を提供することができる。フレーム104はまた、他のグラフト内装置に対する取り付けを容易にすることができる。例えば、フレーム104は、腎臓上グラフト内装置の別の織り合わせワイヤ426と織り交ぜることができる。
【0042】
動脈瘤にわたって配備された状態で、フレーム104はまた、本質的に異なる生体構造及び形態に適合することができる。数人の患者において、動脈瘤嚢は、動脈瘤の頸部に対してある一定の角度で伸張する。フレーム104は、捩れを防止する編組角度θを有することができ、従って、フレーム104は、捩れることなく曲がって屈曲し、血流を制限することなく角張った動脈瘤嚢に適合することができる。更に、非結合性の織りワイヤ426は、フレーム104が、グラフト内装置と血管壁の間の界面又はシールを妨げることなく大動脈の形状及び形態の変化を模倣するように、フレーム104に半径方向弾性を与える。例えば、フレーム404は、圧力及び他の条件が大動脈の血管系を変える時にシールを維持するように圧縮かつ拡張することができる。更に、織りワイヤ426は、フレーム104を動脈瘤嚢内の実質的に真っ直ぐな軌道に向けて付勢し、それによってグラフト内装置の移動を制限するバネ力を本質的に発生させる。
【0043】
加えて、編組フレーム104の一定の外向きバネ力及びフープ強度は、ワイヤ426の編組角度θ及び/又は直径を変化させることによって調節することができる。これは、扁平断面寸法の有意な変化なしに大直径フレーム104の形成を可能にする。更に、この特徴は、標準Zフレーム及びMフレームが、一定の外向きバネ力及びフープ強度を維持するためにより多くのワイヤ及び従ってより大きい導入プロフィールを必要とする傾向があるので、標準Zフレーム又はMフレームと比べてかなり小さい導入プロフィール(例えば、直径)までフレーム104を圧縮することを可能にする。
【0044】
2.2.カバー
図5A〜図5Cは、本発明の技術の実施形態による拡張構成(図5A)から扁平構成(図5C)まで伸張するカバーの図である。より具体的には、図5Aは、拡張構成の図1A及び図1Bを参照して上述したカバー106の側面図である。カバー106は、カバー106が波状のプロフィールを有するように、複数の周方向リブ530を含むことができる。図5Aに示すように、個々のリブ530は、頂点533が実質的に三角形であることができる。他の実施形態では、個々のリブ530は、伸張かつ収縮することができる丸い縁部、矩形の縁部、及び/又は他の好ましい織り目を有する。
【0045】
1つのカバーのリブ530は、血管壁を有する対向するカバー及び界面の対向するリブ530と嵌合し、グラフト内システムのグラフト内装置(例えば、図1A及び図1Bに示すグラフト内システム100のグラフト内装置102)の間、及びグラフト内装置と動脈壁の間のシール及び固定を強化することができる。例えば、グラフト内装置の上位部分108の隔壁114におけるリブ530の頂点533は、対向するグラフト内装置のカバー上の対応するリブ530のトラフと接続又は嵌合することができる。更に、外壁112にあるリブ530は、少なくとも実質的にそれらを互いに密封するように動脈壁と接触することができる。リブ530はまた、原位置で皺がよることなくカバー106が屈曲して曲がることを可能にすることができる。一部の実施形態では、リブ530は、カバー106の選択された部分(例えば、隔壁114)だけに存在することができる。他の実施形態では、リブ530は、カバー106の異なる部分上に異なる形状及び/又は幾何学形状を有することができる。例えば、リブ530の頂点533は、グラフト内装置の間の密封力を強化する上位部分108の上の第1の高さと、カバー106が自由に屈曲して曲がり、生体構造に対応することを可能にする下位部分110における第1の高さ未満の第2の高さとを有することができる。
【0046】
リブ530は、カバー106の拡張及び収縮と共に変化する。図5Aに示すように、リブ530の頂点533は、拡張構成において最大限まで突出する。図5Bを参照すると、カバー106が伸張すると、リブ530も伸張かつ圧縮する。カバー106が、図5Cに示す扁平構成に完全に伸張する時に、リブ530は、完全に細長くなって圧縮される。一部の実施形態では、各リブ530のサイズを予め定めて、リブ530が扁平構成において完全に平坦になり、拡張構成において隣接する表面と接続するように半径方向外向きに突出することを保証することができる。従って、リブ530は、それが扁平構成の大動脈に送出される時に、グラフト内装置の移動度を制限しない。
【0047】
更に、図5A〜図5Cに示すように、カバー106は、カバー106の上位末端531a及び下位末端531bにおいてジグザグ形縁部を含むことができる。ジグザグ形末端531は、カバー106と一体化フレーム(例えば、図4A及び図4Bに示すフレーム104)との間で実質的にシームレス取り付けを容易にすることができる。例えば、一部の実施形態では、ジグザグ形末端531は、織り合わせワイヤの編組角度θに適合することができる。ジグザグ形末端531は、一般的に、カバー106及びフレームが圧縮される時に、第1及び第2の端部部分(例えば、図4A及び図4Bに示す第1及び第2の端部部分118a及び118b)においてカバー106に皺がより又はこれが束になるのを防止する。他の実施形態では、上位及び下位末端531a及び531bは、扇形にし、真っ直ぐにし、及び/又は取り付けを容易にし及び/又は皺を制限する別の好ましい形状を有することができる。
【0048】
カバー106は、実質的に不透過性、生体適合性、及び可撓性材料から作ることができる。例えば、カバー106は、合成ポリマー、ポリウレタン、シリコーン材料、ポリウレタン/シリコーン組合せ、ゴム材料、Dacron(登録商標)のような織り及び不織布、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料のようなフルオロポリマー組成物、TEFLON(登録商標)、GORE−TEX(登録商標)、SOFTFORM(登録商標)、IMPRA(登録商標)のような発泡PTFE材料(ePTFE)、及び/又は他の好ましい材料から作ることができる。更に、一部の実施形態では、カバー106は、内皮細胞の内部成長を許容するほど十分に多孔質である材料から作ることができる。このような多孔質材料は、グラフト内装置のより安全な固定具を提供することができ、場合によっては、流れ抵抗、剪断力、及びグラフト内装置の周囲の血液の漏れを低減することができる。
【0049】
本発明の技術に従った一部の実施形態では、カバー106はまた、薬剤溶出コーティング又はインプラントを含むことができる。例えば、カバー106は、細胞増殖を遮断し、動脈瘤の再内皮化を容易にし、及び/又はそうでなければ動脈瘤領域を薬物治療することができる徐放剤で被覆し及び/又はこれを埋め込むことができる。好ましい薬剤は、動脈瘤領域において有用な変化を助けるカルシウム、蛋白質、肥満細胞阻害剤、及び/又は他の好ましい薬を含むことができる。
【0050】
本発明の技術の他の実施形態により、カバー106は、コーティング材料(図17A〜図17Eを参照してより詳細に図示して説明する)の1つ又はそれよりも多くの層のために排除することができる。コーティング層は、PTFEのような生体適合性合成ポリマーから作ることができる。コーティング層は、一体化フレーム(例えば、図4A及び図4Bに示すフレーム104)の内部、フレームの外部に置かれ、及び/又はフレームにわたって織り合わせることができる。カバー106のように、コーティング層は、フレームを包み込んで内腔(例えば、図1A及び図1Bに示す内腔116)を形成することができる。更に、コーティングは、組織の内部成長を助ける選択された孔隙率を有することができる。
【0051】
2.3.一体化フレーム及びカバー
図6A及び図6Bは、本発明の技術の実施形態による扁平構成及び拡張構成それぞれの図1A及び図1Bのグラフト内装置102の断面図である。図6A及び図6Bに示すように、カバー106は、1つ又はそれよりも多くの取り付け区域632(第1の取り付け区域632a及び第2の取り付け区域632bとして個々に識別される)においてフレーム104の外部に取り付けることができる。取り付け区域632は、カバー106を取り付け区域632にあるフレーム104に個別に保持する縫合、接着、溶接、及び/又は他の好ましいファスナを有することができる。
【0052】
図6A及び図6Bに示す実施形態では、グラフト内装置102は、取り付け区域632の間のカバー106の残りの部分が直接にフレーム104に取り付けられないように、カバー106の上位及び下位末端531a及び531bだけにおいて取り付け区域632を有する。その結果、フレーム104及びカバー106は、互いに干渉することなく図6Aに示すように完全に伸張かつ圧縮することができる。例えば、図6Aに示す扁平構成において、フレーム104は、リブ530が、カバー106の長さに沿って均一に延伸してフレーム104の完全伸張に適合するように、カバー106の中心部分をフレーム104と共に下向き及び縦方向に直接引っ張ることはない。同様に、カバー106の中間部分は、フレーム104の伸張又は圧縮を妨げない。取り付け区域632が少ないことはまた、カバー106を穿刺する針刺し及び他の締結機構などから取り付け区域632において起こる場合がある疲労及び望ましくない孔隙率の可能性を限定することができる。
【0053】
図6Bに示すように、カバー106は、それらが拡張構成にある時に、実質的にフレーム104の形状に適合することができる。カバー106とフレーム104の間の適正なアラインメントは、カバー106が圧縮及び拡張に悪影響を与えるのを防止する。例えば、上位部分及び遷移部分108及び324それぞれにおけるカバー106とフレーム104の間のアラインメントは、フレーム104が、適正に拡張して対向するグラフト内装置の上位部分と嵌合するのに必要な力を発生させることができることを保証する。更に、一部の実施形態では、カバー106は、フレーム104の拡張及び対応する収縮を制限する大きさにされる。
【0054】
図6A及び図6Bに示すようなフレーム104の外部へのカバー106の取り付けは、グラフト内装置102に複数の利益を提供することができる。例えば、送出中にフレーム内で折り畳む必要がある内部カバーを有するグラフト内装置と異なり、外部カバー106は、フレーム104(例えば、図6A)の圧縮を抑制しない。拡張構成において、外部カバー106は、フレーム104内で束になるか又は皺がよることがなく、従って、内腔116内で血栓問題を引き起こさない。更に、より剛性のZステントと異なり、フレーム104の可撓性は、拡張構成(例えば、図6B)においてカバー106の摩耗摩擦及び劣化を防止することができる。カバー106の外部取り付けはまた、フレーム104の過拡張を防止することができる。
【0055】
2.4.アラインメント補助具
図7A及び図7Bは、本発明の技術の追加の実施形態によるグラフト内装置702の等角投影図である。グラフト内装置702は、図1A及び図1Bに示すグラフト内装置102とほぼ類似の特徴を有することができる。更に、グラフト内装置702は、血管系においてグラフト内装置702の正確な位置決め及びその後のモニタリングを容易にするように撮像システム(例えば、X線)の下で見えるアラインメント補助具734を含むことができる。
【0056】
図7Aは、本発明の技術の実施形態によるアラインメント補助具734を示すグラフト内装置702の部分切り欠き等角投影図である。図7Aに示すように、アラインメント補助具734は、フレーム104の隔壁114に沿って斜めに伸張し、グラフト内装置702に対して隔壁114の位置を示すことができる。従って、アラインメント補助具734は、配備中に対向する隔壁114が適正に互いに整列して嵌合することができるように、グラフト内装置702の回転の向き及び軸線方向位置を示すことができる。更に、図7Aの実施形態に示すように、アラインメント補助具734は、カバー106の上位末端531aで終端し、第1の端部部分118aが始まる位置を示すことができる。従って、アラインメント補助具734は、カバー106が横断方向の流れ(例えば、大動脈から腎動脈まで)を遮断しないことを保証する明確なインジケータを提供する。他の実施形態では、アラインメント補助具734は、グラフト内装置702に沿って他の位置に位置決めされ、グラフト内装置702の送出及び配備を助けることができる空間位置及び向きを提供することができる。
【0057】
アラインメント補助具734は、撮像システム(例えば、X線)の下で見えるタンタル、プラチナ、金、及び/又は他の材料のような放射線不透過性及び/又は蛍光透視材料から作ることができる。例えば、図7Aに示すように、アラインメント補助具734は、フレーム104のセグメントの周囲に巻かれた放射線不透過性ワイヤ(例えば、タンタル)から作られる。別の実施形態では、放射線不透過性組成物は、フレーム104に付加され及び/又はカバー106の隔壁114に組み込まれる。
【0058】
図7Bは、本発明の技術の実施形態によりアラインメント補助具734を使用して互いに嵌合する第1及び第2のグラフト内装置702を示している。図7Bに示すように、第1及び第2のグラフト内装置702a及び702b上のアラインメント補助具734は、グラフト内装置702が正確に向けられて隔壁114が互いに対向する時に、アラインメント補助具734が交差して「X」インジケータを形成することができるように対称的である。他の実施形態では、アラインメント補助具734の交差位置は、グラフト内装置702の回転向き及び縦方向位置を示す他の文字、数字、及び/又は記号を形成する。別の実施形態では、アラインメント補助具734は、隔壁(例えば、カバー102)及び/又は外壁112の異なる部分に付加することができる。更に別の実施形態では、グラフト内装置702は、複数のアラインメント補助具734を含み、グラフト内装置702の異なる部分を区別して回転及び/又は他の方向付けを更に助ける。例えば、一部の実施形態では、下位部分110は、第1及び第2のグラフト内装置702の下位部分110を識別するアラインメント補助具734を含む。
【0059】
2.5.アンカー
図8A及び図8Bは、本発明の技術の追加の実施形態により構成されたグラフト内装置802の等角投影図である。グラフト内装置802は、図1A及び図1Bに示すグラフト内装置102とほぼ類似の特徴を含むことができる。更に、グラフト内装置802は、フレーム104及び/又はカバー106から外向きに突出して動脈壁の内部表面と係合する1つ又はそれよりも多くのアンカー836を含むことができる。アンカー836は、動脈壁の中に進入することができる鉤状部、フック、及び/又は他の形状とすることができる。例えば、図8Aに示すように、アンカー836は、「V」字形突出部とすることができる。一部の実施形態では、アンカー836は、動脈壁の内部表面上の細胞成長において最終的に埋め込まれた状態になる。作動中に、アンカー836は、動脈内のグラフト内装置802の移動に抵抗し、外壁112と動脈壁の間の内部漏出の可能性を低下させる。
【0060】
図8A及び図8Bに示す実施形態では、アンカー836は、外壁112から突出し、上位部分108を大動脈に固定する。他の実施形態では、付加的なアンカー836は、第2の端部部分118bから突出し、下位部分110を腸骨動脈に固定することができる。アンカー836はまた、隔壁114から突出し、内腔116を通って延び、かつ外壁112を超えて外向きに突出し、係合の強度を強化することができる。アンカーは、一般的に、グラフト内装置802に印加される下向き力(例えば、血流)がアンカー836を更に動脈壁の中に入れるように下方に突出する。
【0061】
本発明の技術に従った一実施形態では、アンカー836は、フレーム104に取り付けられた別々の要素である。例えば、図8Aに示す実施形態では、アンカー836は、アンカー836の周囲の別のワイヤ(例えば、「ニチノール」ワイヤ)及び編組の隣接するワイヤ426を巻くことによってフレーム104に締結された小さい鉤状部又はワイヤである。他の実施形態では、アンカー326は、フレーム104の編組に使用するワイヤ426と一体的に形成される。例えば、図8Bに示すように、アンカー836は、フレーム104の外壁112の中に織り込まれる。織り合わせアンカー836は、フレーム104が拡張する時に配備することができ(すなわち、外向きに突出する)、フレーム104が圧縮する時に後退することができる。従って、織り合わせアンカー836は、扁平構成において送出中にグラフト内装置802の移動を抑制しない。他の実施形態では、アンカー836は、グラフト内装置802の異なる部分(例えば、カバー106)に取り付けることができる。
【0062】
アンカー836は、グラフト内装置802を動脈壁に係止することができる弾力性の金属材料、ポリマー材料(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、「ナイロン」、PTFE)、及び/又は他の好ましい材料から作ることができる。例えば、図8Bに示す織り合わせアンカー836は、フレーム104を含む「ニチノール」ワイヤ426から作ることができる。
【0063】
3.実施方法及び貼り付けられたグラフト内システム
以下で説明するのは、本発明の技術の実施形態により動脈瘤にわたってモジュール式グラフト内システムを配備して組み付ける方法である。関連の図(すなわち、図9A、図9B、図11〜図13C及び図15A〜図16)は、大動脈の腹部の概略図を含む。より具体的には、図9Aは、AAAの最も好発する部位である大動脈52の腎臓の下の部分に沿って位置決めされた動脈瘤50を示している。右又は第1の腎動脈54a及び左又は第2の腎動脈54bは、大動脈52から生じる。動脈瘤50よりも上位及び腎動脈54よりも下位の大動脈52の領域は、大動脈頸部60である。大動脈52の遠位端部分は、分岐して共通腸骨動脈56(第1の腸骨動脈56a及び第2の腸骨動脈56bとして個々に識別される)になり、内部腸骨動脈58(第1の腸骨動脈58a及び第2の腸骨動脈58bとして個々に識別される)は、共通腸骨動脈56から分枝する。大動脈52の腹部に近い他の動脈及び構造は、明確にするために除去している。
【0064】
3.1.モジュール式グラフト内システム
図9A及び図9Bは、本発明の技術の実施形態により動脈瘤50にわたって配備される上述の2部モジュール式グラフト内システム100の概略図である。図9Aは、第1及び第2のグラフト内装置102a及び102bを埋め込むための送出システム40を示している。送出システムは、第1のカテーテル42a、第1のカテーテル42aに関連付けられた第1のガイドワイヤ44a、第2のカテーテル42b、及び第2のカテーテル42bに関連付けられた第2のガイドワイヤ44bを含むことができる。各グラフト内装置102(図9B)は、扁平構成まで伸張して、対応するカテーテル42の中に装填することができる。グラフト内装置102は、別々に送出され、カテーテル42のサイズは、全体としてシステム100によって制約されない。一部の実施形態では、例えば、各グラフト内装置102の扁平構成は、12Fのカテーテル内に適合することができる。他の実施形態では、グラフト内装置102の扁平構成は、異なる大きさのカテーテル42内に適合することができる。
【0065】
配備中に、第1のカテーテル42a及び第1のガイドワイヤ44aは、血管(例えば、大腿動脈、図示せず)の中に経皮的に挿入される。撮像システムを使用して、第1のガイドワイヤ44aは、血管系を通して第1の腸骨動脈56aまで、及び動脈瘤50の上のターゲット部位Tよりも上位の位置まで内腔内で操作される。次に、第1のカテーテル42aは、第1のガイドワイヤ44aに沿ってターゲット部位Tまで血管系を通過する。ほぼ類似の方法を使用して、第2のガイドワイヤ44b及び第2のカテーテル42bは、第2の腸骨動脈56bを通してターゲット部位Tまで送出される。第1及び第2のグラフト内装置102a及び102bは、同時に又は連続して送出することができる。
【0066】
グラフト内装置102は、押し込み器又は他の好ましい血管内器具を使用して所定位置にグラフト内装置102を保持しながら、近位にカテーテル42を回収することによってターゲット部位Tにおいてカテーテル42の遠位端から押し付けることができる。代替的に、グラフト内装置102は、所定位置にカテーテル42を保持しながら遠位に押し出すことができる。解除の結果、グラフト内装置102は、図9Bに示す拡張構成まで自己拡張する。ガイドワイヤ44は、一般的に、グラフト内装置102の調節を容易にするように所定位置に残る。これは、グラフト内装置102のいずれにもカニューレ挿入する必要性を排除する。
【0067】
各グラフト内装置102は、他のグラフト内装置102とは独立してその望ましい位置に位置決めすることができるが、グラフト内装置102は、カテーテル42に又は少なくとも部分的にその内部にある。例えば、図9Bに示す実施形態では、上位部分108は、同じレベルで大動脈頸部60と接触し、下位部分110は、動脈瘤50を通ってそれらのそれぞれの腸骨動脈56まで伸張する。より具体的には、編組の一定の外向きバネ力によって生じたフレーム104の固有のフープ力は、(a)大動脈頸部60に対して外壁112にあるカバー106と、(b)互いに隔膜120を形成する隔壁114とを少なくとも実質的に密封する。下位部分110は、動脈瘤50を通って伸張し、曲がって腸骨動脈56に入ることができる。下位部分110の近位区画は、腸骨動脈56と接触し、その間にシールを形成することができる。フレーム104の可撓性は、グラフト内装置102が湾曲部で捩れて血流を制限するのを防止する。更に、図9Bに示すように、フレーム104内のバネ力は、下位部分110を付勢し、動脈瘤50を通して実質的に真っ直ぐな軌道で伸張する。これは、大動脈頸部60における接触及び/又はシールを破壊する可能性がある動脈瘤50の部位への下位部分110の移動を抑制する。以下でより詳細に説明するように、他の実施形態では、グラフト内装置102は、大動脈頸部60に沿って異なる高度で独立して位置決めすることができる。
【0068】
図9Bに更に示すように、グラフト内システム100は、カバー106の上位末端531から遠位に突出する伸張ユニット937(第1の伸張ユニット937a及び第2の伸張ユニット937bとして個々に識別される)を含むことができる。伸張ユニット937は、上述のグラフト内装置102のフレーム104及びカバー106に少なくともほぼ類似の伸張フレーム904(見えない)及び伸張カバー906を含むことができる。伸張ユニット937は、伸張ユニット937が、上位部分108の少なくとも一部の内部と嵌合することができるように、グラフト内装置の上位部分108と実質的に類似の形状(例えば、D様形状)を有することができる。例えば、図9Bに示すように、伸張カバー906は、伸張カバー906が、大動脈頸部60と接続し、互いに嵌合して隔膜120を遠位に伸張することができるように、フレーム104内の腎動脈54よりも下位に位置決めすることができる。従って、伸張ユニット937は、グラフト内装置102のカバー106の上位末端531が腎動脈54の入口からオフセットされる時に、グラフト内装置102の固定区域及び密封区域を増加させることができる。例えば、一部の実施形態では、伸張ユニット937は、約1インチの固定構造及び密封区域をグラフト内装置102に追加する。他の実施形態では、下位部分110はまた、腸骨動脈56に固定して少なくとも実質的に密封することができる伸張ユニット937を含むことができる。
【0069】
配備中に、伸張ユニット937は、第1及び第2のグラフト内装置102が大動脈頸部60内に位置決めされた後にシステム100に追加することができる。送出システム40を使用して、伸張ユニット937は、腎動脈のすぐ下位の第1及び第2のフレーム104内の望ましい位置で、ガイドワイヤ44に沿って進んでカテーテル42から配備することができる。配備の結果、伸張ユニット937は、伸張フレーム904の固有のバネ力を通じて拡張構成まで自己拡張し、グラフト内装置102の上位部分108の内部と接触してこれで少なくとも実質的に密封することができる。図9Bに示すように、伸張カバー906は、フレーム104の第1の端部部分118aと接続してその間のシールを強化することができる。他の実施形態では、伸張ユニット937は、他の好ましい取り付け方法を使用してグラフト内装置102に接続して密封することができる。伸張ユニット937は、それらが解剖学的変動(例えば、スタガ配置の腎動脈)に適合するように独立して位置決めすることができる。例えば、第1の伸張ユニット937aの上位末端は、第2の伸張ユニット937bの上位末端から縦方向にオフセットすることができる。同様に、下位部分110は、腸骨動脈56を有する密封区域を増加させる伸張ユニット937を含むことができる。
【0070】
一部の実施形態では、図7A及び図7Bを参照して説明するアラインメント補助具734のようなアラインメント補助具を使用して、送出中にグラフト内装置102を回転的に方向付けし、隔壁114を整列させることができる。更に、原位置にある間のシステムの移動及び/又は突出を防止するために、図8A及び図8Bを参照して上述したアンカー836のようなアンカーは、大動脈頸部60の動脈壁と係合するように外壁112から及び/又は腸骨動脈56の動脈壁と係合するように第2の端部部分118bから配備することができる。
【0071】
図10A〜図11は、上位部分108が互いに縦方向にオフセットされたグラフト内システム(例えば、システム100)を実施する追加の実施形態を示している。例えば、一部の実施形態では、上位部分108は、少なくとも5mmだけ縦方向にオフセットされる。以下のシステムの特徴は、上位部分108の一方又は両方が横断方向動脈にわたって置かれ、血流を抑制することなくグラフト内装置102対して利用可能な固定構造及び密封区域を増加させる。
【0072】
図10Aは、第1のグラフト内装置102aの上位部分108が第2のグラフト内装置102bの上位部分108の上方にあるようにグラフト内装置102がスタガ配置されるモジュール式グラフト内システム100の等角投影図である。第2のグラフト内装置102bの第1の端部部分118aは、第1のグラフト内装置102aの不支持の自由な第1の端部部分118aが取り消し乱流を生じるように、血流の中に外向きに広がるのを防止することができる。更に、第1のグラフト内装置102aのフレーム104の織りワイヤ426の間の相互作用は、第1のグラフト内装置102aの第1の端部部分118aの外向き移動を制限し、自由な第1の端部部分118aが、あたかもそれが支持されたかのように実質的に同じ形状を保持するようなフレーム104の長さに沿って実質的に連続する支持をもたらす。それらの特徴は、第1のグラフト内装置102aの第1の部分118aの不支持の中隔野のほぼ直線又は凸形状を維持する。フレーム104の形状設定「ニチノール」ワイヤ426を使用することで、フレーム104の不支持の部分の形状の維持を更に容易にすることができる。
【0073】
血管(例えば、大動脈)の直径にわたって共通の高さを有する従来の装置と比べて、図10Aに示すスタガ配置の構成は、第1の端部部分118aの片方又は両方が腎動脈の入口にわたって伸張し、グラフト内装置102を血管壁に固定するのに利用可能な構造を増加させる。スタガ配置の構成はまた、短い大動脈頸部(例えば、2cm未満)を有する生体構造に対して上方に位置決めされた第1のグラフト内装置102aの密封区域を増加させる。同様に、第2の端部部分118bは、内部腸骨動脈の入口にわたって伸張し、下位部分110各々が、下位部分110を腸骨動脈に固定し、少なくとも実質的に密封するために十分な構造を有することを保証することができる。移動が起こる範囲で、グラフト内装置102と血管壁の間の付加的な密封区域は、大動脈頸部における漏れの可能性を低下させることになる。
【0074】
図10Bは、本発明の技術の追加の実施形態により構成されたモジュール式グラフト内システム1000の等角投影図である。システム1000は、第1のグラフト内装置1002a及び上述のグラフト内装置102にほぼ類似している第2のグラフト内装置1002bを有することができる。しかし、図10Bのグラフト内装置1002のカバー106は、上位部分108の遠位端まで伸張する。更に、グラフト内装置1002は、上位部分108の外壁112上に穿孔1038を更に含む。
【0075】
穿孔1038は、フレーム104を露出し、血液が横断方向動脈に出入りすることができるチャンネルを設けるカバー106を通る開口部とすることができる。例えば、グラフト内装置1002は、各グラフト内装置1002の穿孔1038が左又は右腎動脈の一方と整列するように、独立して位置決めしてスタガ配置することができる。1つのグラフト内装置1002が腎下動脈の上昇を制限する必要がないように、上位部分108は、腎動脈にわたって独立して位置決めすることができ、従って、穿孔1038は、外壁112と動脈壁の間に利用可能な密封区域を相応に増加させる。これは、カスタマイズされた装置の必要なく血管系内の各グラフト内装置1002に最適な配置を提供する。本発明の技術に従った他の実施形態では、グラフト内装置1002は、血流を制限することなく利用可能な密封区域を増加させるように付加的な穿孔1038を含むことができる。例えば、下位部分110は、下位部分110が内部腸骨動脈の入口にわたって伸張することを可能にする穿孔1038を含むことができる。
【0076】
図11Aは、グラフト内装置102の上位部分108をスタガ配置し、グラフト内装置102を動脈壁に固定するために利用可能な構造及び大動脈頸部60において利用可能な密封区域を利用するように血管系の解剖学的変動に適合するように、動脈瘤にわたって配備されたモジュール式グラフト内システム100の概略図である。図11Aに示す実施形態では、例えば、左腎動脈54bは、右腎動脈54aの下方にある。従って、第1のグラフト内装置102aはまた、大動脈52の上方に位置決めされ、左腎動脈54bの入口の遮断について心配する必要なく大動脈頸部60の同側の利用可能な固定及び密封区域を利用することができる。第2のグラフト内装置102bの第1の端部部分118aは、血流を抑制することなく左腎動脈54bにわたって位置決めされ、第2のグラフト内装置102bを動脈壁に固定し、隔壁114を互いに嵌合するための構造を長くすることができる。第1のグラフト内装置102aの外壁112に沿ったより長い固定及び密封区域、及び隔壁114の間のより長い嵌合及び密封区域は、全体としてシステム100のシールを強化し、内部漏出の可能性を低下させることができる。更に、図11Aに示すように、システム100をスタガ配置し、腸骨動脈56の1つにおいてより少ない固定及び密封区域で生体構造に適合することができる。
【0077】
図11Bは、動脈瘤60にわたって配備された図10Bのモジュール式グラフト内システム1000の概略図である。図11Aに示すシステム100の構成に類似して、グラフト内装置1002は、スタガ配置し、大動脈頸部60の動脈壁にグラフト内装置102の外壁112を固定して密封するために利用可能な解剖学的構造を利用するように血管系の解剖学的変動に適合する。図11Bに示すように、例えば、第1のグラフト内装置1002aは、大動脈頸部60の第2のグラフト内装置1002bよりも上位に位置決めされ、大動脈頸部60の同側の利用可能な固定及び密封区域を利用することができる。穿孔1038は、各腎動脈54の入口に独立して置かれ、大動脈頸部60の利用可能な固定及び密封区域を増加させ、非対称的な生体構造に適合することができる。更に、図11Bに更に示すように、グラフト内装置は、各内部腸骨動脈58の入口に独立して置かれて腸骨動脈56のより少ない密封区域で生体構造に適合することができる下位部分110の穿孔1038を含むことができる。他の実施形態では、グラフト内装置102は、他の解剖学的変動に適合するように穿孔1038を含むことができる。
【0078】
図12は、本発明の技術の追加の実施形態により角張った動脈瘤にわたって配備された図9A及び図9Bのモジュール式グラフト内システムの概略図である。システム100は、グラフト内装置102が可撓性であるのでこの解剖学的異常に適合することができる。より具体的には、フレーム104の織り合わせワイヤ426は、捩れることなく曲がるのに十分に可撓性である。従って、曲げグラフト内装置102は、内腔116を通る制限されない流れを維持することができる。結果的として、システム100は、グラフト内装置102が血流を阻害することなく屈曲するか又は曲がることを必要とする場合がある他の解剖学的変動に適合することができる。
【0079】
図13A〜図13Cは、本発明の技術の実施形態により動脈瘤50にわたって配備される4部分モジュール式グラフト内1300システム(システム1300)の概略図である。システム1300は、図9A及び図9Bを参照して説明するシステム100とほぼ類似の特徴を含むことができる。しかし、図13Bに示すように、グラフト内装置102の下位部分110は、動脈瘤50内で終端する。従って、図13Cに示すように、システム1300は、対応する下位部分110と接触してそれを実質的に密封し、対応する腸骨動脈56の中に伸張する別々のリム1362(第1のリム1362a及び第2のリム1362bとして個々に識別される)を更に含む。リム1362は、下位部分110にほぼ類似とすることができる。例えば、リム1362は、図1A〜図6Bを参照して上述したフレーム104及びカバー106にほぼ類似の一体化フレーム1304及びカバー1306を含むことができる。図13Cに示すように、リム1362は、拡張構成まで下位部分110内で自己拡張し、それによってリム1362の上位部分は、下位部分110の近位区画に対して少なくとも実質的に密封する。下位部分110内のリム1362の長さは、リム1362をグラフト内装置102に固定して密封するために利用可能な構造を増加させるように調節することができる。更に、一部の実施形態では、リム1362のカバー1306は、図5A〜図5Cを参照して上述したリブ530のようなリブを含むことができ、それらは、下位部分110においてフレーム104及びカバー106の内部と接続し、リム1362を下位部分110に接続して少なくとも部分的に密封する。他の実施形態では、リム1362は、アンカー(例えば、図8A及び図8Bを参照して説明するアンカー836)、自己圧縮力、及び/又は他の好ましい取り付け及び密封方法を使用して、下位部分110の外部に接続して少なくとも実質的に密封することができる。リム1362は、血液が、システム1300を貫流して動脈瘤50を迂回することができるように、グラフト内装置102の内腔116を腸骨動脈56まで伸張する。
【0080】
図13Aを参照すると、送出システム40は、グラフト内システム1300を配備する前の大動脈52の腹部内に示されている。送出システム40の挿入は、図9Aを参照して上述したものとほぼ類似とすることができる。しかし、図13Aに示すように、第1及び第2のガイドワイヤ44a及び44bは、各カテーテル42がそのそれぞれの腸骨動脈54から大動脈52の反対側まで伸張するように、それらが動脈瘤50に入った後に交差することができる。例えば、第1のカテーテル42aは、第1の腸骨動脈56aから左腎動脈54b(矢印D1)に近い大動脈52の左側まで送出することができ、第2のカテーテル42bは、第2の腸骨動脈56bから右腎動脈54a(矢印D2)まで送出することができる。図9A及び図9Bを参照して上述した配備方法におけるような他の実施形態では、ガイドワイヤ44は動脈瘤50内で交差することはない。
【0081】
図13Bを参照すると、第1及び第2のカテーテル42a及び42bが大動脈頸部60に位置決めされた後に、それらは、カテーテル42の遠位端を通してグラフト内装置102を配備するように近位に引っ張られる。交差カテーテル42及びガイドワイヤ44は、大動脈頸部60の反対側にグラフト内装置102を配備する。
【0082】
図13Bに示すように、グラフト内装置102の下位部分110は、動脈瘤50内で終端して「ゲート」を形成する。一般的に、ゲートは、従来のシステムにおいては、それらがグラフト内装置を腸骨動脈56の中に伸張するリムを送出して配備するようにカニューレ挿入する必要があるので望ましくないと考えられる。しかし、図13Bに示すように、ガイドワイヤ44は、それらを配備された後にグラフト内装置102内に残り、これは、グラフト内装置102の下位部分110が実質的に予めカニューレ挿入されるので、ゲートの時間を消費するカニューレ挿入の必要性を排除する。このような予めカニューレ挿入されたゲートは、従来のシステムよりも遙かに速くかつより正確にリム1362をカテーテル42の遠位端を通して送出され、下位部分110に接続することを可能にする。
【0083】
図13Cは、両方のリム1362がグラフト内装置102に接続された後のシステム1300を示している。図13Cに示すように、送出システム40はまた、矢印に向けてリム1362と下位部分110との間でリム1362の長さ及び固定区域の長さを調節するのに使用することができる。図13Cに示す実施形態では、例えば、第2のリム1362bは、第2のリム1362bが第1のリム1362aよりも実質的に短いように、第2のグラフト内装置102bの下位部分110の中に更に伸張する。リム1362の長さは、腸骨動脈56の本質的に異なる生体構造に適合し、リム1362の固定及び密封区域を最大にし、及び/又はそうでなければリム1362の位置を最適化するように調節することができる。これは可能であり、その理由は、少なくとも部分的には、グラフト内装置102の下位部分110は、少なくとも実質的にリム1362を下位部分110に密封するのに十分な表面積を依然として提供しながら、リム1362を位置決めするのに有意な縦方向余裕を可能にするように比較的長くすることができるからである。
【0084】
4部分2ワイヤシステム1300は、カスタマイズされた構成要素の必要なく解剖学的変動に容易に適合することができる。例えば、上位部分108をスタガ配置し、大動脈壁と各外壁112の嵌合及び密封区域を最大にすることができる。更に、各リム1362は、比較的少数の異なる長さから選択され、両方とも動脈壁に十分に接続され、実質的にリム1362をそれらに密封し、横断方向動脈流を遮断しない腸骨動脈56内で望ましい長さに伸張することができる。リム1362はまた、下位部分110に対して独立して調節され、リム1362及び下位部分110を互いに固定して密封するために利用可能な構造を増加させ、腸骨動脈56内のリム1362を短く又は長くすることができる。更に、フレーム104の編組構造は、フレーム104の長さが標準化断面寸法から選択することができるように、カバー106の陥入を低減することができる。従って、4部分システム1300は、高度にカスタマイズすることができるが、依然として標準化構成要素を含むことができる。
【0085】
3.2.大動脈カフを有するモジュール式グラフト内システム
図14A及び図14Bは、本発明の技術の実施形態により構成されたモジュール式グラフト内システム1400(図14Bに示す「システム1400」)の等角投影図である。より具体的には、図14Aは、グラフト内装置102(図14B)で使用するための大動脈カフ1464の等角投影図である。大動脈カフ1464は、スリーブ1466及びカフフレーム1468を含むことができる。図14Aに示すように、スリーブ1466及びカフフレーム1468は、別々の構成要素とすることができる。他の実施形態では、スリーブ1466及びカフフレーム1468は、一体的に形成することができる。大動脈カフ1464は、第1の断面を有する扁平構成から第1の断面よりも大きい第2の断面を有する拡張構成(例えば、図14B)まで拡張することができる。扁平構成は、大動脈カフ1464の送出中に使用することができ、そこからカフ装置1464は、原位置で拡張構成まで自己拡張することができる。大動脈カフ1464は、動脈瘤よりも上位の大動脈の腎臓の下の部分と接続してそれを実質的に密封するように構成することができる。
【0086】
スリーブ1466は、好ましい締結方法を使用してカフフレーム1468の内部及び外部に取り付けることができる。例えば、図14Bに示すように、スリーブ1466は、カフフレーム1468の内部内に位置決めされ、スリーブ1466の端部部分は、好ましい締結方法(例えば、縫い合わせ、接着、溶接、その他)を使用してカフフレーム1468の近位及び遠位端にわたって伸張してそれらに固定される。一部の実施形態では、カフフレーム1468の近位及び遠位端は、張り出すことができ、スリーブ1466は、大動脈カフ1464が原位置で拡張構成まで拡張する時に取り付け部を動脈壁によって密封することができるように、カフフレーム1468の外部まで張り出し端部の周囲に巻き付けることができる。スリーブ1466は、上述のカバー106とほぼ類似の特性を有することができる。例えば、スリーブ1466は、Dacron(登録商標)及びPTFEのような1つ又はそれよりも多くの実質的に不透過性材料から作ることができ、動脈壁及び/又はグラフト内装置102(図14B)と接続することができるリブを含むことができる。カフフレーム1468は、上述の一体化フレーム104とほぼ類似の特性を有することができる。他の実施形態では、カフフレーム1468は、Zステントのような個々のジグザグ形ワイヤフープから作ることができる。
【0087】
スリーブ1466及びカフフレーム1468は、実質的に円筒形を有することができる。一部の実施形態では、大動脈カフ1464は、グラフト内装置102(図14B)の上位部分108を支持するように2つのチャンネルを含むことができる。例えば、チャンネルは、大動脈カフ1464の内部を分けるように互いにスリーブ1466の繊維を縫い合わせることによって形成することができる。更に、スリーブ1466及び/又はカフフレーム1468は、隣接する動脈壁でより強力なシールを形成するように張り出した近位及び遠位端を有することができる。
【0088】
図14Bを参照すると、グラフト内装置102は、カフ1464が大動脈頸部60に対して少なくとも実質的に密封された後に大動脈カフ1464内に配備される。上位部分108は、大動脈カフ1464の内部と嵌合して実質的にこれに密封することができる。カバー106のリブ530は、スリーブ1466の内部表面と接続してシールを更に強化することができる。更に、一体化フレーム104は、グラフト内装置102と大動脈カフ1464の間のシールを更に改良することができる。例えば、拡張構成のフレーム104の断面は、大動脈カフ1464の内部断面よりも僅かに大きくすることができる。グラフト内装置102が大動脈カフ1464内に配備される時に、グラフト内装置102の拡張からの半径方向力は、それらの間のシールを強化することができる。更に、一部の実施形態では、グラフト内装置の遷移部分324は、大動脈カフ1464内の相補的テーパと嵌合することができる。
【0089】
本発明の技術に従った一部の実施形態では、大動脈カフ1464は、図7A及び図7Bを参照して上述したアラインメント補助具734のようなアラインメント補助具を含み、大動脈カフ1464内でグラフト内装置102の位置決めを容易にすることができる。例えば、大動脈カフ1464及びグラフト内装置102の外壁112は、グラフト内装置102が大動脈カフ1464内で適正に整列することを示すように交差する直交アラインメント補助具を含むことができる。
【0090】
追加の実施形態では、大動脈カフ1464は、図8A及び図8Bを参照して上述したアンカー836のようなアンカーを含み、システム1400を原位置に固定することができる。例えば、カフフレーム1468は、半径方向外向きに突出して隣接する動脈壁と係合するアンカーを含むことができる。
【0091】
図15A及び図15Bは、本発明の技術の実施形態により動脈瘤50にわたって配備される3部分モジュール式グラフト内システム1500(システム1500)の概略図である。システム1500は、システム100に関して説明するグラフト内装置102と、図14A及び図14Bを参照して上述した大動脈カフ1464とを含むことができる。
【0092】
図15Aを参照すると、送出システム40は、図9Aを参照して上述したものとほぼ類似の方法を使用して挿入することができる。しかし、図15Aに示す実施形態では、第1のカテーテル42a及び第1のガイドワイヤ44aは、最初に大動脈カフ1464(図15B)をターゲット部位Tまで送出するように挿入することができる。大動脈カフ1464は、図9A及び図9Bを参照して上述したグラフト内装置102の配備とほぼ類似の方法を使用して配備することができる。第1のガイドワイヤ44aを使用して、大動脈カフ1464を大動脈頸部60の望ましい位置に調節することができる。
【0093】
図15Bに示すように、グラフト内装置102は、大動脈カフ1464内に配備することができる。グラフト内装置102は、実質的に図9Bを参照して上述したものと類似の方法を使用して配備することができる。例えば、グラフト内装置102は、第1及び第2のカテーテル42を通して送出され、ガイドワイヤ44を使用して大動脈カフ1464内に独立して位置決めすることができる。図9B及び図13Bを参照して説明する動脈壁に対して直接に上位部分108を配備する方法に類似して、ここでは、上位部分108の外壁は、隔壁が互いに整列して隔膜120(見えない)を形成するように、大動脈カフ1464の内部表面と少なくとも部分的に接続することができる。本発明の技術に従った一部の実施形態では、大動脈カフ1464は、グラフト内装置102を受け入れて、それによってアラインメントを容易にするような形状にされた部分を含むことができる。別の実施形態では、第1のグラフト内装置102aは、第2のグラフト内装置102bのみを大動脈カフ1464内に位置決めすることが必要であるように、配備前の大動脈カフ1464に係止するか又はそうでなければ固定することができる。
【0094】
図16は、本発明の技術の更に別の実施形態により動脈瘤50にわたって配備されるモジュール式グラフト内システム1600(システム1600)の概略図である。システム1600は、図15A及び図15Bを参照して上述したシステム1500とほぼ類似の方法を使用して配備することができる。しかし、図16に示すように、上位部分108は、第1の端部部分118aが、グラフト内装置を大動脈52の動脈壁に固定するために付加的な構造を提供するように、大動脈カフ1464の上に突出する。更に、グラフト内装置102の下位部分110は、動脈瘤50内で終端する。従って、システム1600は、下位部分110に接続して腸骨動脈56の中に伸張する図13A〜図13Cを参照して上述したリム1362のようなリム(図示せず)を更に含む。カテーテル42は、リムの長さを調節して腸骨動脈56の異なる生体構造に適合し、リムと動脈壁の間の固定及び密封区域を最大にするのに使用することができる。更に、一部の実施形態では、リム(例えば、図13Cに示すリム1362)は、大動脈頸部60にあるシールを強化して内部漏出の可能性を低下させるように交差することができる。上述の4部分システム1300に類似して、5部分システム1600は、カスタマイズされた構成要素の必要なく解剖学的変動に適合することができる。
【0095】
図9A、図9B、図11〜図13C、図15A、図15B、及び図16に示す実施形態では、動脈瘤50は、大動脈52の腎臓の下の部分にそれがAAAの最も好発部位であるので示されている。本発明の技術に従った他の実施形態では、モジュール式グラフト内システム100、1000、1300、1500、及び1600は、大動脈52の異なる部分において又は完全に他の血管において動脈瘤50にわたって配備することができる。例えば、一部の実施形態では、動脈瘤50は、大動脈52の腎臓の下の部分から共通腸骨動脈56の一方又は両方の中に伸張することができる。システム100、1000、1300、1500、及び1600の下位部分110又はリム1362は、内部腸骨動脈58への血流を遮断することなく腸骨動脈56の病的な動脈瘤部分を超えて伸張することができる。他の実施形態では、システム100、1000、1300、1500、及び1600は、腎動脈54の入口に位置決めされた穿孔1038及び/又は第1の端部部分118aと共に大動脈52の腎臓の上の部分に位置決めされた動脈瘤50にわたって配備することができる。別の実施形態では、上述のシステムは、独立して位置決めすることができる分岐した双内腔モジュール式グラフト内システムの使用から利益を得る血管系の他の部分の動脈瘤にわたって配備することができる。
【0096】
4.製造方法
4.1.一体化フレーム
図4A及び図4Bを参照すると、一体化フレーム104は、円筒マンドレルに沿ってある一定のパターンで1つの連続ワイヤ426を織り又は編組みすることによって作ることができる。一部の実施形態では、ワイヤ426は、ワンオーバー及びワンアンダーパターンで織られる。他の実施形態では、ワイヤ426は、ツーオーバー及びワンアンダーパターン、別の一体化パターン、及び/又はフレーム104の長さにわたって異なるパターンで織られる。ワイヤ426の交差位置は、フレーム104の可撓性を増大させるために非結合状態のままにすることができる。ワイヤ426は、方向を変えて交差ワイヤ426のパターンを継続するようにループ428を形成することができる。上述のように、各端部部分118にあるループ428の数及び編組角度θは、ワイヤ426の直径及びフレーム104の望ましい特性に基づいて選択することができる。
【0097】
ワイヤ426は、それがフレーム104に編組みされ、望ましい形状(例えば、上に示すグラフト内装置102)に形成された後に材料から取り外すことができる。次に、フレーム104は、ワイヤ材料(例えば、「ニチノール」)に指定した形状設定温度まで加熱し、その後急冷することができる。任意的に、フレーム104は、フレーム104の強度を増大させるように焼き鈍しすることができる。マンドレルは、ワイヤ426が熱処置中にマンドレルに残るように、円筒形とすることができ又はフレーム104の形状を有することができる。別の実施形態では、フレーム104は、弾力性の生体適合性材料を成形するために他の好ましい方法を使用して製造することができる。
【0098】
4.2.カバー及びコーティング
図5A〜図5Cを参照すると、カバー106は、Dacron(登録商標)、PTFE、及び/又は他の好ましい生体適合性材料のような実質的に非透過性カバー材料を成形することによって作ることができる。カバー106は、最初にカバー材料をマンドレルの上に配置することによって形成することができる。マンドレルは、カバー106上のリブ530の望ましい幾何学形状に適合することができる薄い溝を含むことができる。ワイヤ又はスレッドは、カバー材料の上を巻き付けて溝の中に入れ、カバー材料に波形を付けることができる。次に、カバー材料は、リブ530が形成されてカバー106が実質的に非透過性になるまでマンドレル上で加熱することができる。一部の実施形態では、カバー106の上位及び下位末端531a及び531bは、フレーム(例えば、図4A及び図4Bに示すフレーム104)へのカバー106の取り付けを容易にし、圧縮中にカバー106が端部部分(例えば、図1A及び図1Bに示す端部部分118)において皺を作るのを防止するように成形することができる。例えば、上位及び下位末端531a及び531bは、図5A及び図5Bに示すようにジグザグ形にし、扇形にし、又はその他の方法でフレーム上のカバーの皺を制限するように成形することができる。
【0099】
本発明の技術に従った他の実施形態では、コーティング層は、カバー106の所定位置に又はこれと共に使用することができる。図17A〜図17Eは、本発明の技術の実施形態により一体化フレーム1704(フレーム1704)に付加されているコーティング層の図である。フレーム1704は、上述のフレーム104とほぼ類似の特徴を有する。例えば、フレーム1704は、編組ワイヤ426から作ることができる。
【0100】
図17Aを参照すると、フレーム1704は、拡張構成のマンドレル80にわたって位置決めされる。図17Aに示すように、第1のコーティング層1770は、フレーム1704の上に巻き付けることができる。第1のコーティング層1770は、約0.0005”厚にしてPTFEから作ることができる非焼結テープの単一又は二重層とすることができる。他の実施形態では、第1のコーティング層1770は、異なる厚みを有することができ及び/又は第1のコーティング層1770は、別の好ましいコーティング材料から作ることができる。
【0101】
第1のコーティング層1770がフレーム1704の上に付加される時に、第1のコーティング層1770及びフレーム1704は、オーブン中のマンドレル80上で加熱することができる。例えば、第1のコーティング層1770及びフレーム1704は、370℃のオーブン中で30分未満の間加熱することができる。加熱後、コーティングフレーム1704は、マンドレル80から取り外され、扁平構成から拡張構成まで伸張かつ収縮され、加熱処置中に第1のコーティング層1770がフレーム1704に適正に接着することを保証する。
【0102】
図17Bに示すように、第2のコーティング材料1772は、より狭い第2のマンドレル82にわたって置かれる。第2のコーティング材料1772は、扁平構成のフレーム1704の長さと同等の距離だけ伸張することができる。図17Cを参照すると、第2のコーティング材料1772は、拡張構成のフレーム1704の長さまで収縮する。この収縮は、第2のコーティング材料1772において小さいリブ1730を形成することができる。リブ1730は、図5A〜図5Cを参照して上述したリブ530にほぼ類似とすることができるが、それらは、フレーム1704の内部上にある。リブ1730は、その後取り付けたフレーム1704が屈曲するか又は曲がる時に第2のコーティング材料1772に皺がより又はこれが束になるのを防止し、それによって内腔内の血栓問題の可能性を低下させる。
【0103】
図17Dに示すように、次に、コーティングフレーム1704は、扁平構成まで伸張し、第2のマンドレル82上の伸張した第2のコーティング材料1772にわたって置かれる。フレーム1704に沿った各ダイヤモンド開口部は、溶接装置84を使用してスポット溶接することができる。次に、フレーム1704は、第2のマンドレル82から取り外され、扁平構成から拡張構成まで伸張かつ収縮し、第1及び第2のコーティング層1770及び1772が、フレーム1704に十分に接着していることを保証する。更に、フレーム1704の近位及び遠位端は、第1及び第2のコーティング層1770及び1772がフレーム1704に適正に接着していることを保証するために検証される。必要に応じて、仮縫いを実施することができ、縁部を整えて、図17Eに示す二重被覆グラフト内装置1702を形成することができる。
【0104】
上述の事項から、本発明の具体的な実施形態を例示目的のために本明細書に説明したが、本発明の技術の精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正を行うことができることは認められるであろう。例えば、図1A〜図16に示す実施形態は、一体化フレーム104の外部にわたって伸張するカバー106を含む。しかし、本発明の技術の他の実施形態は、一体化フレーム104内に取り付けられた及び/又はフレーム104と一体的に形成されたカバー106を含むことができる。特定的な実施形態との関連で説明した新しい技術のある一定の態様は、他の実施形態において組み合わせるか又は排除することができる。例えば、上述の実施形態では、各グラフト内装置(例えば、102、1002)は、唯一の内腔116を含む。しかし、グラフト内装置は、血管系に適合するように横断し、二等分し、及び/又はそうでなければ内腔116と連通する付加的な内腔を含むことができる。例えば、グラフト内装置は、腎動脈、内部腸骨動脈、及び/又は他の動脈の中に伸張する内腔を含むことができる。更に、本発明の技術のある一定の実施形態に関連付けられた利点は、それらの実施形態との関連で説明したが、他の実施形態もこのような利点を示す場合があり、全ての実施形態が、必ずしも本発明の技術の範囲に入るこのような利点を示す必要があるとは限らない。従って、本発明の開示及び関連の技術は、本明細書で明示的に示すか又は説明されていない他の実施形態を包含することができる。
なお、好ましい実施態様として、本発明を次のように構成することもできる。
1. 一体化された第1のフレーム(第1のフレーム)、該第1のフレームに取り付けられた第1のカバー、及び該第1のカバー内の第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1のフレーム及び該第1のカバーが、第1の上位部分及び第1の下位部分を有し、該第1の上位部分が、第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
一体化された第2のフレーム(第2のフレーム)、該第2のフレームに取り付けられた第2のカバー、及び該第2のカバー内の第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2のフレーム及び該第2のカバーが、第2の上位部分及び第2の下位部分を有し、該第2の上位部分が、第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、第1の断面寸法及び第1の長さを有する扁平構成に伸張され、かつ拡張構成において前記第1及び第2の隔壁が互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成するように該第1の断面積よりも大きい第2の断面寸法及び該第1の長さよりも短い第2の長さを有する拡張構成まで自己拡張するように構成される、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
2. 前記第1のカバーは、第1の上位末端を有し、前記第2のカバーは、第2の上位末端を有し、
前記第1のフレームは、前記第1のカバーの前記第1の上位末端から遠位に伸張する第1の端部部分を含み、該第1の端部部分は、前記第1の内腔の縦軸線に対して横断方向の流体流れを可能にするように構成され、
前記第2のフレームは、前記第2のカバーの前記第2の上位末端から遠位に伸張する第1の端部部分を含み、第2の端部部分が、前記第2の内腔の縦軸線に対して横断方向の流体流れを可能にするように構成される、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
3. 前記第1のカバーは、第1の下位末端を有し、前記第2のカバーは、第2の下位末端を有し、
前記第1のフレームは、前記第1のカバーの前記第1の下位末端から近位に伸張する第2の端部部分を含み、該第2の端部部分は、前記第1の内腔の縦軸線に対して横断方向の血流を可能にするように構成され、
前記第2のフレームは、前記第2のカバーの前記第2の下位末端から近位に伸張する第2の端部部分を含み、該第2の端部部分は、前記第2の内腔の縦軸線に対して横断方向の流体流れを可能にするように構成される、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
4. 前記第1及び第2のフレームの各々は、編組に織られた連続ワイヤを含み、該ワイヤは、編組角度でそれ自体に交差することを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
5. 前記第1のフレームは、第1の上位末端、第1の下位末端を含み、前記ワイヤは、該第1の上位末端で方向を逆転して第1の複数のループを形成し、かつ該第1の下位末端で方向を逆転して第2の複数のループを形成し、
前記第2のフレームは、第2の上位末端、第2の下位末端を含み、前記ワイヤは、該第2の上位末端で方向を逆転して第1の複数のループを形成し、かつ該第2の下位末端で方向を逆転して第2の複数のループを形成する、
ことを特徴とする上記4に記載のモジュール式グラフト内システム。
6. 前記ワイヤは、それがそれ自体に交差するところで非結合状態であることを特徴とする上記4に記載のモジュール式グラフト内システム。
7. 前記第1の上位部分は、前記拡張構成で少なくとも20mmの断面寸法及び前記扁平構成で高々5mmの断面寸法を有し、
前記第2の上位部分は、前記拡張構成で少なくとも20mmの断面寸法及び前記扁平構成で高々5mmの断面寸法を有する、
ことを特徴とする上記4に記載のモジュール式グラフト内システム。
8. 前記編組角度は、約30°から約45°であることを特徴とする上記4に記載のモジュール式グラフト内システム。
9. 前記ワイヤは、約0.0070インチから約0.0140インチの直径を有し、前記第1の複数のループは、8個よりも多くないループを含み、前記第2の複数のループは、8個よりも多くないループを含むことを特徴とする上記5に記載のモジュール式グラフト内システム。
10. 前記第1及び第2のフレームの各々は、上位末端及び下位末端を含み、前記ワイヤは、複数のワイヤのうちの1つであり、
個々のワイヤが、前記第1及び第2のフレームの前記上位及び下位末端の間のスタガ点で終端する、
ことを特徴とする上記4に記載のモジュール式グラフト内システム。
11. 前記フレームの前記上位部分は、該フレームの前記下位部分よりも前記編組におけるワイヤの数が多いことを特徴とする上記10に記載のモジュール式グラフト内システム。
12. 前記第1のカバーは、第1の上位末端及び第1の下位末端を有し、前記第2のカバーは、第2の上位末端及び第2の下位末端を有し、
前記第1のカバーは、該第1のカバーの前記第1の上位末端及び前記第1の下位末端で前記第1のフレームにわたって取り付けられ、該第1のカバー及び該第1のフレームは、該第1のカバーが前記拡張構成において該第1のフレームに実質的に適合するように構成され、
前記第2のカバーは、該第2のカバーの前記第2の上位末端及び前記第2の下位末端で前記第2のフレームにわたって取り付けられ、該第2のカバー及び該第2のフレームは、該第2のカバーが前記拡張構成において該第2のフレームに実質的に適合するように構成される、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
13. 前記第1のカバーは、複数の第1のリブを含み、該第1のリブは、前記拡張構成において前記第1のフレームから半径方向に突出し、かつ前記扁平構成において縦方向に伸張可能であり、
前記第2のカバーは、複数の第2のリブを含み、該第2のリブは、前記拡張構成において前記第2のフレームから半径方向に突出し、かつ前記扁平構成において縦方向に伸張可能であり、
前記第1の隔壁上の前記第1のリブは、前記拡張構成において前記第2の隔壁において前記第2のリブと嵌合する、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
14. 前記第1のカバーは、前記拡張構成において前記第1のフレームの半径方向拡張を制限し、
前記第2のカバーは、前記拡張構成において前記第2のフレームの半径方向拡張を制限する、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
15. 前記第1のカバーは、第1の上位末端及び第1の下位末端を含み、該第1の上位末端及び該第1の下位末端のうちの少なくとも一方は、ジグザグ形にされ、
前記第2のカバーは、第2の上位末端及び第2の下位末端を含み、該第2の上位末端及び該第2の下位末端のうちの少なくとも一方は、ジグザグ形にされる、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
16. 前記第1及び第2のグラフト内装置の前記第1及び第2の上位部分は、それぞれ、対向する第1及び第2の隔壁上にアラインメント補助具を含み、該アラインメント補助具は、該第1及び第2の隔壁が前記隔膜を形成する時に互いに交差するように構成される、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
17. 前記アラインメント補助具の各々は、前記第1及び第2の隔壁を斜めに交差し、
前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記第1及び第2の隔壁が前記隔膜にある時に「X」インジケータを形成する、
ことを特徴とする上記16に記載のモジュール式グラフト内システム。
18. 前記第1のカバーは、第1の上位末端を有し、前記第2のカバーは、第2の上位末端を有し、
前記第1のアラインメント補助具は、前記第1のカバーの前記第1の上位末端で終端し、
前記第2のアラインメント補助具は、前記第2のカバーの前記第2の上位末端で終端する、
ことを特徴とする上記16に記載のモジュール式グラフト内システム。
19. 前記第1のグラフト内装置は、前記拡張構成において前記第1のフレームの前記第1の外壁から半径方向に突出する少なくとも1つのアンカーを含み、
前記第2のグラフト内装置は、前記拡張構成において前記第2のフレームの前記第2の外壁から半径方向に突出する少なくとも1つのアンカーを含む、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
20. 前記第1及び第2のアンカーは、扁平構成において引っ込められ、かつ前記拡張構成において前記第1及び第2の外壁から下方に突出することを特徴とする上記19に記載のモジュール式グラフト内システム。
21. 前記第1のカバーは、血液が前記第1の内腔を横切って横方向に流れることができる前記第1の外壁での開口部を含むことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
22. 前記第1及び第2の内腔は、前記第1及び第2の上位部分で第1の断面寸法及び前記第1及び第2の下位部分で該第1の断面寸法よりも短い第2の断面寸法を有し、
前記第1のグラフト内装置は、前記第1の上位部分と前記第1の下位部分の間に第1の遷移部分を更に含み、該第1の遷移部分は、前記第1の内腔に前記第1の断面寸法から前記第2の断面寸法までテーパをつけ、かつ前記拡張構成において該第1の内腔を通して実質的に層状の血流を維持するように構成され、
前記第2のグラフト内装置は、前記第2の上位部分と前記第2の下位部分の間に第2の遷移部分を更に含み、該第2の遷移部分は、前記第2の内腔に前記第1の断面寸法から前記第2の断面寸法までテーパをつけ、かつ前記拡張構成において該第2の内腔を通して実質的に層状の血流を維持するように構成される、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
23. 前記第1及び第2の外壁及び隔壁は、凸状に湾曲し、
前記第1の外壁及び前記第1の隔壁は、第1の複合楕円体を形成し、該第1の外壁は、第1の半径を有し、該第1の隔壁は、該第1の半径よりも長い第2の半径を有し、
前記第2の外壁及び前記第2の隔壁は、第2の複合楕円体を形成し、該第2の外壁は、前記第1の半径を有し、該第2の隔壁は、該第1の半径よりも長い前記第2の半径を有し、
前記第1及び第2の複合楕円体は、実質的にD様形状を有し、前記拡張構成における第1及び第2の隔壁の間の相対力が、前記隔膜に沿って実質的に均一である、
ことを特徴とする上記1に記載のモジュール式グラフト内システム。
24. 第1のフレーム、第1のカバー、及び該第1のカバー内の第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1のフレーム及び該第1のカバーが、第1の上位部分及び第1の下位部分を有し、該第1の上位部分が、凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2のフレーム、第2のカバー、及び該第2のカバー内の第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2のフレーム及び該第2のカバーが、第2の上位部分及び第2の下位部分を有し、該第2の上位部分が、凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のフレームは、それぞれ、前記第1及び第2のグラフト内装置の前記上位及び下位部分に沿って実質的に連続する縦方向支持を有するように構成され、
前記第1及び第2の隔壁は、互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に拡張構成において隔膜を形成する、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
25. 前記第1及び第2のフレームは、各フレームの各縦方向セグメントが各フレームの長さに沿って隣接する縦方向セグメントを支持するようにワイヤから織られた編組フレームであることを特徴とする上記24に記載のモジュール式グラフト内システム。
26. 前記フレームの各縦方向セグメントは、該フレームの前記隣接する縦方向セグメントの半径方向拡張又は収縮に影響を与えることを特徴とする上記25に記載のモジュール式グラフト内システム。
27. 前記第1及び第2のフレームの各々は、上位末端及び下位末端、及び編組角度でそれ自体に交差するワイヤを含み、
前記ワイヤは、前記上位末端で方向を逆転して第1の複数のループを形成し、かつ前記下位末端で方向を逆転して該ワイヤの第2の複数のループを形成する、
ことを特徴とする上記25に記載のモジュール式グラフト内システム。
28. 前記ワイヤは、約30°から約45°の編組角度でそれ自体に交差することを特徴とする上記27に記載のモジュール式グラフト内システム。
29. 前記第1及び第2のカバーの各々は、上位末端及び下位末端を含み、該カバーの該上位及び下位末端のうちの少なくとも一方は、前記編組角度に適合する、
ことを特徴とする上記28に記載のモジュール式グラフト内システム。
30. 前記第1及び第2の上位部分は、前記拡張構成で少なくとも20mmの断面寸法及び前記扁平構成で高々5mmの断面寸法を有する、
ことを特徴とする上記24に記載のモジュール式グラフト内システム。
31. 前記第1のグラフト内装置は、第1のアラインメント補助具を有し、前記第2のグラフト内装置は、第2のアラインメント補助具を有し、
前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記第1及び第2のグラフト内装置の互いに対する回転の向き及び縦方向位置を示すように構成される、
ことを特徴とする上記24に記載のモジュール式グラフト内システム。
32. 前記第1及び第2のグラフト内装置の各々は、前記上位部分に少なくとも1つのアンカーを含み、
前記アンカーは、拡張構成において前記外壁から半径方向に突出し、かつ扁平構成において圧縮される、
ことを特徴とする上記24に記載のモジュール式グラフト内システム。
33. 前記第1及び第2のカバーの少なくとも一部分が、それぞれ、前記第1及び第2のフレームから半径方向に突出する複数の周方向リブを有し、
前記第1のグラフト内装置の前記第1の隔壁における前記周方向リブは、前記隔膜での前記第2のグラフト内装置の前記第2の隔壁における前記周方向リブと嵌合するように構成される、
ことを特徴とする上記24に記載のモジュール式グラフト内システム。
34. 前記第1のカバーは、前記第1の外壁において開口部を含み、
前記血液は、前記第1の内腔を横切って前記開口部を通って横方向に流れることができる、
ことを特徴とする上記24に記載のモジュール式グラフト内システム。
35. 前記第1及び第2の隔壁は、凸状に湾曲し、
前記第1及び第2の外壁及び前記第1及び第2の隔壁は、それぞれ、第1及び第2の複合楕円体を形成し、該第1及び第2の外壁は、第1の半径を有し、該第1及び第2の隔壁は、該第1の半径よりも長い第2の半径を有し、
前記第1及び第2の複合楕円体は、実質的にD様形状を有し、前記拡張構成における前記第1及び第2の隔壁の間の相対力が、前記隔膜に沿って実質的に均一であり、
前記第1及び第2の内腔は、前記第1及び第2の上位部分での第1の断面寸法及び前記第1及び第2の下位部分での該第1の断面寸法よりも短い第2の断面寸法を有し、
前記第1及び第2のグラフト内装置の各々は、前記上位部分と前記下位部分の間に遷移部分を含み、該遷移部分は、前記内腔に前記第1の断面寸法から前記第2の断面寸法までテーパをつけ、かつ前記拡張構成において該内腔を通して実質的に層状の血流を維持するように構成される、
ことを特徴とする上記24に記載のモジュール式グラフト内システム。
36. 主血管が第1の血管と第2の血管に分岐する前に該主血管における動脈瘤を修復する方法であって、
主血管におけるターゲット部位まで更に動脈瘤の前のターゲット部位まで第1の血管を通して第1のグラフト内装置を進める段階であって、該第1のグラフト内装置が、第1のフレーム、第1のカバー、及び該第1のカバー内の第1の内腔を含み、該第1のフレーム及び該第1のカバーが、第1の上位部分及び第1の下位部分を有し、該第1の上位部分が、第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置を進める段階と、
前記ターゲット部位まで第2の血管を通して第2のグラフト内装置を進める段階であって、該第2のグラフト内装置が、第2のフレーム、第2のカバー、及び該第2のカバー内の第2の内腔を含み、該第2のフレーム及び該第2のカバーが、第2の上位部分及び第2の下位部分を有し、該第2の上位部分が、第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置を進める段階と、
前記第1及び第2の隔壁が互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成して前記第1及び第2の外壁が前記主血管の血管壁を圧迫するように前記第1及び第2のグラフト内装置が前記第1及び第2のフレームにおける固有のフープ力を通じて拡張構成まで自己拡張するように、前記ターゲット部位に該第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、互いに独立して位置決めされる、
ことを特徴とする方法。
37. 前記第1及び第2のグラフト内装置を独立して位置決めする段階は、
前記第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分を第1の望ましい位置に位置決めする段階と、
前記第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分を第2の望ましい位置に位置決めする段階であって、前記第1の望ましい位置が、前記主血管に沿って該第2の望ましい位置から縦方向にオフセットされる前記第2の望ましい位置に位置決めする段階と、
を含む、
ことを特徴とする上記36に記載の方法。
38. 前記第1のグラフト内装置を第1のカテーテルに装填する段階であって、該第1のグラフト内装置が、扁平構成において伸張される前記装填する段階と、
前記第2のグラフト内装置を第2のカテーテルに装填する段階であって、該第2のグラフト内装置が、扁平構成において伸張される前記装填する段階と、
前記第1のグラフト内装置を前記第1の血管の中に経皮的に導入する段階と、
前記第2のグラフト内装置を前記第2の血管の中に経皮的に導入する段階と、
を更に含むことを特徴とする上記36に記載の方法。
39. 前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記拡張構成において20mmよりも短くない断面寸法を有し、
前記第1及び第2のカテーテルは、12Fよりも大きくない、
ことを特徴とする上記36に記載の方法。
40. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1の隔壁において第1のアラインメント補助具を含み、
前記第2のグラフト内装置は、前記第2の隔壁において第2のアラインメント補助具を含み、前記第1及び第2のアラインメント補助具は、放射線不透過性材料を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
前記第1及び第2のアラインメント補助具を該第1及び第2のアラインメント補助具が互いに対向するようにX線写真上で位置決めする段階と、
前記直交平面において前記第1及び第2のアラインメント補助具を見る段階と、
前記第1及び第2の隔壁が前記隔膜を形成することができるように前記第1及び第2のアラインメント補助具を交差させる段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記36に記載の方法。
41. 前記第1及び第2のアラインメント補助具は、それぞれ、前記第1及び第2の隔壁を斜めに交差し、
前記第1及び第2のアラインメント補助具を交差させる段階は、「X」インジケータを形成する、
ことを特徴とする上記40に記載の方法。
42. 前記第1のカバーは、前記第1の隔壁上に第1のリブを含み、前記第2のカバーは、前記第2の隔壁において第2のリブを含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、前記第1及び第2のリブを嵌合させる段階を更に含む、
ことを特徴とする上記36に記載の方法。
43. 前記第1のカバーは、前記第1のフレームの少なくとも一部分にわたって取り付けられ、前記第2のカバーは、前記第2のフレームの少なくとも一部分にわたって取り付けられ、前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
前記第1のカバーを用いて前記第1のフレームの半径方向拡張を制限する段階と、
前記第2のカバーを用いて前記第2のフレームの半径方向拡張を制限する段階と、
を更に含むことを特徴とする上記36に記載の方法。
44. 前記第1のカバーは、前記第1の上位部分の前記第1の外壁において開口部を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
第3の血管の入口に前記開口部を位置決めする段階であって、該第3の血管が、前記主血管の縦軸線に対して横断方向の流体流れを有し、該開口部が、血液が前記第1の内腔を通って該第3の血管まで流れることを可能にする前記開口部を位置決めする段階、
を更に含む、
ことを特徴とする上記36に記載の方法。
45. 第1の上位部分、該第1の上位部分よりも小さい断面寸法を有する第1の下位部分、及び該第1の上位部分及び第1の下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2の上位部分、該第2の上位部分よりも小さい断面寸法を有する第2の下位部分、及び該第2の上位部分及び第2の下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記第1及び第2の隔壁が互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成するように、該第1及び第2のグラフト内装置の固有のフープ力を通じて拡張構成に自己拡張するように構成される、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
46. 前記第1及び第2の隔壁は、凸状に湾曲し、
前記第1の外壁及び前記第1の隔壁は、該第1の外壁が第1の半径を有し、かつ該第1の隔壁が該第1の半径よりも長い第2の半径を有する第1の複合楕円体を形成し、
前記第2の外壁及び前記第2の隔壁は、該第2の外壁が前記第1の半径を有し、該第2の隔壁が前記第2の半径を有する第2の複合楕円体を形成し、
前記第1及び第2のグラフト内装置の前記自己拡張は、前記拡張構成において第1及び第2の隔壁の間に対向する力を生成する、
ことを特徴とする上記45に記載のモジュール式グラフト内システム。
47. 前記第1及び第2の隔壁の間の前記対向する力は、前記隔膜に沿って実質的に均一であることを特徴とする上記46に記載のモジュール式グラフト内システム。
48. 前記第1及び第2の隔壁は、少なくとも実質的に真っ直ぐであることを特徴とする上記45に記載のモジュール式グラフト内システム。
49. 前記下位部分は、実質的に円形断面を有することを特徴とする上記45に記載のモジュール式グラフト内システム。
50. 前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、複数の第1の周方向リブを有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のカバーは、前記第1及び第2の隔壁の少なくとも一部分に沿って前記第1の周方向リブと嵌合する複数の第2の周方向リブを有する、
ことを特徴とする上記45に記載のモジュール式グラフト内システム。
51. 前記第1の隔壁は、前記第1の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第1の隔壁及び該第1の外壁は、湾曲コーナで接合され、
前記第2の隔壁は、前記第2の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第2の隔壁及び該第2の外壁は、湾曲コーナで接合される、
ことを特徴とする上記45に記載のモジュール式グラフト内システム。
52. 前記第1の外壁及び前記第2の外壁の各々は、第1の曲率半径を有し、
前記第1の隔壁及び前記第2の隔壁の各々は、前記第1の曲率半径よりも長い第2の曲率半径を有し、
前記湾曲コーナは、前記第1の曲率半径よりも短い曲率半径を有する、
ことを特徴とする上記51に記載のモジュール式グラフト内システム。
53. 前記第1のグラフト内装置は、第1のアラインメントマーカを有し、第2のグラフト内装置は、第2のアラインメントマーカを有し、
前記第1及び第2のアラインメントマーカは、前記第1及び第2のグラフト内装置の互いに対する回転の向き及び縦方向位置のうちの少なくとも一方を示すように構成される、 ことを特徴とする上記45に記載のモジュール式グラフト内システム。
54. 前記第1のグラフト内装置は、第1の編組フレーム及び該第1の編組フレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の下位末端及び第1の上位末端を有し、該第1の編組フレームは、該第1のカバーの該第1の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部及び該第1のカバーの該第1の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2の編組フレーム及び該第2の編組フレームに取り付けられた第2のカバー有し、該第2のカバーは、第2の下位末端及び第2の上位末端を有し、該第2の編組フレームは、該第2のカバーの該第2の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部及び該第2のカバーの該第2の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有する、
ことを特徴とする上記45に記載のモジュール式グラフト内システム。
55. 前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第1のカバーは、前記第1の外壁において第1の開口部を有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第2のカバーは、前記第2の外壁において第2の開口部を有し、
前記第1及び第2の開口部は、血液が前記第1及び第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることを可能にする、
ことを特徴とする上記45に記載のモジュール式グラフト内システム。
56. 第1の遠位区画を有する第1の上位部分、第1の下位部分、及び該第1の上位部分及び第1の下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2の遠位区画を有する第2の上位部分、第2の下位部分、及び該第2の上位部分及び第2の下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、該第1のグラフト内装置の前記第1の遠位区画が該第2のグラフト内装置の前記第2の遠位区画に対して上方に位置決めされるように、互いに対して縦方向にスタガ配置される、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
57. 前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の下位末端及び第1の上位末端を有し、該第1のフレームは、該第1のカバーの該第1の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部を有し、該第1のフレームの該第1の端部は、該第1のグラフト内装置の前記第1の遠位区画を形成し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のカバーは、第2の下位末端及び第2の上位末端を有し、該第2のフレームは、該第2のカバーの該第2の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部を有し、該第2のフレームの該第1の端部は、該第2のグラフト内装置の前記第2の遠位区画を形成する、
ことを特徴とする上記56に記載のモジュール式グラフト内システム。
58. 前記第1及び第2のフレームの前記第1の端部は、血液が前記第1及び第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることができる開口部を有することを特徴とする上記57に記載のモジュール式グラフト内システム。
59. 前記第1及び第2の隔壁は、凸状に湾曲し、
前記第1の外壁及び前記第1の隔壁は、該第1の外壁が第1の半径を有し、かつ該第1の隔壁が該第1の半径よりも長い第2の半径を有する第1の複合楕円体を形成し、
前記第2の外壁及び前記第2の隔壁は、該第2の外壁が前記第1の半径を有し、かつ該第2の隔壁が前記第2の半径を有する第2の複合楕円体を形成し、
前記第1及び第2のグラフト内装置の自己拡張が、拡張構成において第1及び第2の隔壁の間に対向する力を生成する、
ことを特徴とする上記56に記載のモジュール式グラフト内システム。
60. 前記第1及び第2の隔壁の間の前記圧力は、前記隔膜に沿って実質的に均一であることを特徴とする上記59に記載のモジュール式グラフト内システム。
61. 前記第1及び第2の隔壁は、少なくとも実質的に真っ直ぐであることを特徴とする上記56に記載のモジュール式グラフト内システム。
62. 前記第1の隔壁は、前記第1の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第1の隔壁及び該第1の外壁は、湾曲コーナで接合され、
前記第2の隔壁は、前記第2の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第2の隔壁及び該第2の外壁は、湾曲コーナで接合される、
ことを特徴とする上記56に記載のモジュール式グラフト内システム。
63. 前記第1の外壁及び前記第2の外壁の各々は、第1の曲率半径を有し、
前記第1の隔壁及び前記第2の隔壁の各々は、前記第1の曲率半径よりも長い第2の曲率半径を有し、
前記湾曲コーナは、前記第1の曲率半径よりも短い曲率半径を有する、
ことを特徴とする上記62に記載のモジュール式グラフト内システム。
64. 前記第1の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有し、
前記第2の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有する、
ことを特徴とする上記56に記載のモジュール式グラフト内システム。
65. 第1の上位部分、該第1の上位部分よりも小さい断面寸法を有する第1の下位部分、第1の編組フレーム、及び該第1の上位部分及び第1の下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1の上位部分が、実質的にD字形断面を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2の上位部分、該第2の上位部分よりも小さい断面寸法を有する第2の下位部分、第2の編組フレーム、及び該第2の上位部分及び第2の下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2の上位部分が、実質的にD字形断面を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2の編組フレームは、それぞれ、前記第1及び第2のグラフト内装置の前記上位及び下位部分に沿って実質的に連続する縦方向支持を有するように構成され、
前記第1及び第2の上位部分は、互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成する、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
66. 前記第1及び第2の編組フレームは、各フレームの各縦方向セグメントが各フレームの長さに沿って隣接する縦方向セグメントを支持するようにワイヤから織られることを特徴とする上記65に記載のモジュール式グラフト内システム。
67. 前記フレームの各縦方向セグメントは、該フレームの前記隣接する縦方向セグメントの半径方向拡張又は収縮に影響を与えることを特徴とする上記66に記載のモジュール式グラフト内システム。
68. 前記第1及び第2の隔壁は、凸状に湾曲し、
前記第1の上位部分は、凸状に湾曲した第1の外壁及び凸状に湾曲した第1の隔壁を含み、該第1の外壁は、第1の半径を有し、該第1の隔壁は、該第1の半径よりも長い第2の半径を有し、
前記第2の上位部分は、凸状に湾曲した第2の外壁及び凸状に湾曲した第2の隔壁を含み、該第2の外壁は、前記第1の半径を有し、該第2の隔壁は、前記第2の半径を有し、 前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記第1及び第2の隔壁が互いに対して対向する力を作用するように、固有のバネ力を通じて自己拡張するように構成される、
ことを特徴とする上記65に記載のモジュール式グラフト内システム。
69. 前記第1のグラフト内装置は、第1のアラインメント補助具を有し、前記第2のグラフト内装置は、第2のアラインメント補助具を有し、
前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記第1及び第2のグラフト内装置の互いに対する回転の向き及び縦方向位置を示すように構成される、
ことを特徴とする上記65に記載のモジュール式グラフト内システム。
70. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1の上位部分と前記第1の下位部分の間に第1のテーパのついた遷移部分を更に含み、該遷移部分は、拡張構成において前記第1の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成され、
前記第2のグラフト内装置は、前記第2の上位部分と前記第2の下位部分の間に第2のテーパのついた遷移部分を更に含み、該第2の遷移部分は、拡張構成において前記第2の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成される、
ことを特徴とする上記65に記載のモジュール式グラフト内システム。
71. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1のフレームの一部分に取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の開口部を有し、
前記第1の開口部は、血液が前記第1の内腔に対して横方向に流れることを可能にする、
ことを特徴とする上記65に記載のモジュール式グラフト内システム。
72. 前記第1の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有し、
前記第2の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有する、
ことを特徴とする上記65に記載のモジュール式グラフト内システム。
73. 第1の血管と第2の血管への分岐の前の主血管に位置する動脈瘤を治療する方法であって、
第1のグラフト内装置の第1の上位部分の少なくともセグメントが、動脈瘤よりも上位に位置決めされ、かつ該第1のグラフト内装置の第1の下位部分が、該動脈瘤を通って少なくとも部分的に伸張するように、該動脈瘤に対して該第1のグラフト内装置を位置決めする段階であって、該第1の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置を位置決めする段階と、
第2のグラフト内装置の第2の上位部分の少なくともセグメントが、前記動脈瘤よりも上位に位置決めされ、かつ該第2のグラフト内装置の第2の下位部分が、該動脈瘤を通って少なくとも部分的に伸張するように、該動脈瘤に対して該第2のグラフト内装置を位置決めする段階であって、該第2の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有し、該第2のグラフト内装置が、前記第1のグラフト内装置の位置決めとは独立して位置決めされる前記第2のグラフト内装置を位置決めする段階と、
前記第1及び第2の上位部分が、前記第1及び第2の隔壁が固有のバネ力を通じて互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成する拡張構成まで自己拡張するように、前記第1のグラフト内装置を第1のカテーテルから配備し、かつ前記第2のグラフト内装置を第2のカテーテルから配備する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
74. 前記第1の隔壁は、前記第1の外壁と反対方向に凸状に湾曲し、前記第2の隔壁は、前記第2の外壁と反対方向に凸状に湾曲し、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、前記凸状に湾曲した第1及び第2の隔壁を互いに押し付ける段階を含む、
ことを特徴とする上記73に記載の方法。
75. 前記湾曲した第1及び第2の隔壁を互いに凸状に押し付ける段階は、真っ直ぐな第1及び第2の隔壁と比べて前記第1及び第2の隔壁の間により均一な圧力の分布をもたらすことを特徴とする上記74に記載の方法。
76. 互いに独立して前記第1及び第2のグラフト内装置を位置決めする段階は、前記第1の隔壁の一部分が前記第2の隔壁の遠位末端に対して上位に位置決めされるように、該第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分を該第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分に対してスタガ配置する段階を含むことを特徴とする上記73に記載の方法。
77. 前記第1のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分の前記第1の外壁は、該第1のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有し、
前記第2のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分の前記第2の外壁は、該第2のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有する、
ことを特徴とする上記73に記載の方法。
78. 前記第1のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分の前記第1の外壁は、該第1のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有し、
前記第2のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分の前記第2の外壁は、該第2のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有する、
ことを特徴とする上記73に記載の方法。
79. 前記主血管は、前記動脈瘤の前に該主血管から分枝する第3の血管及び第4の血管を含み、該第3及び第4の血管は、該主血管に沿って縦方向にオフセットされ、
前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームの一部分に取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第1のカバーは、前記第1の外壁において第1の開口部を有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第2のカバーは、前記第2の外壁において第2の開口部を有し、前記第1及び第2の開口部は、血液が前記第1の内腔及び第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることを可能にし、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、該第1及び第2のグラフト内装置が前記主血管の縦軸線に対してスタガ配置されるように、前記第3の血管の前記入口に前記第1のフレームの前記第1の端部部分を位置決めし、かつ前記第4の血管の前記入口に前記第2のフレームの前記第1の端部部分を位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする上記73に記載の方法。
80. 第1のガイドワイヤと、
前記第1のガイドワイヤに沿って位置決めされ、第1の上位部分、第1の下位部分、及び該第1の上位部分及び下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1の上位部分が、第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
前記第1のガイドワイヤに沿って位置決めされ、かつ前記第1のグラフト内装置の前記第1の下位部分に結合された第1のリムと、
第2のガイドワイヤと、
前記第2のガイドワイヤに沿って位置決めされ、第2の上位部分、第2の下位部分、及び該第2の上位部分及び下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2の上位部分が、第2の外壁及び第2の隔壁を有し、前記第1のグラフト内装置の前記第1の隔壁が、該第2のグラフト内装置の該第2の隔壁に対して圧迫する前記第2のグラフト内装置と、
前記第2のガイドワイヤに沿って位置決めされ、前記第2のグラフト内装置の前記第2の下位部分に結合された第2のリムと、
を含むことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
81. 前記第1の外壁は、凸状に湾曲し、前記第1の隔壁及び第1の外壁は、実質的にD字形断面を形成し、
前記第2の外壁は、凸状に湾曲し、前記第2の隔壁及び前記第2の外壁は、実質的にD字形断面を形成する、
ことを特徴とする上記80に記載のモジュール式グラフト内システム。
82. 前記第1の隔壁は、前記第1の外壁の前記凸状湾曲と反対方向に凸状に湾曲し、
前記第2の隔壁は、前記第2の外壁の前記凸状湾曲と反対方向に凸状に湾曲する、
ことを特徴とする上記81に記載のモジュール式グラフト内システム。
83. 前記第1及び第2の隔壁は、少なくとも実質的に真っ直ぐであり、かつ隔膜を形成することを特徴とする上記81に記載のモジュール式グラフト内システム。
84. 前記第1及び第2のグラフト内装置の前記第1及び第2の下位部分は、円形断面を有し、
前記第1及び第2のリムは、円形断面を有する、
ことを特徴とする上記80に記載のモジュール式グラフト内システム。
85. 前記第1のグラフト内装置は、一体化された第1のフレーム(第1のフレーム)及び該第1のフレームの外部の第1のカバーを有し、前記第1の内腔は、該第1のカバー内にあり、該第1のカバーは、第1の上位末端を有し、該第1のフレームは、該第1のカバーの該第1の上位末端から遠位に伸張する第1の端部部分を有し、
前記第2のグラフト内装置は、一体化された第2のフレーム(第2のフレーム)及び該第2のフレームの外部の第2のカバーを有し、前記第2の内腔は、該第2のカバー内にあり、該第2のカバーは、第2の上位末端を有し、該第2のフレームは、該第2のカバーの該第2の上位末端から遠位に伸張する第1の端部を有する、
ことを特徴とする上記80に記載のモジュール式グラフト内システム。
86. 前記第1及び第2のフレームの各々は、上位末端、下位末端、及びワイヤが編組角度でそれ自体に交差する編組に織られた連続ワイヤを含み、
前記ワイヤは、前記フレームの前記上位末端で方向を逆転して第1の複数のループを形成し、かつ該フレームの前記下位末端で方向を逆転して第2の複数のループを形成する、 ことを特徴とする上記85に記載のモジュール式グラフト内システム。
87. 前記ワイヤは、それがそれ自体に交差するところで非結合状態であることを特徴とする上記86に記載のモジュール式グラフト内システム。
88. 前記編組角度は、約30°から約45°であることを特徴とする上記86に記載のモジュール式グラフト内システム。
89. 前記第1のカバーは、複数の第1のリブを含み、該第1のリブは、拡張構成において前記第1のフレームから半径方向に突出し、かつ扁平構成において縦方向に伸張可能であり、
前記第2のカバーは、複数の第2のリブを含み、該第2のリブは、拡張構成において前記第2のフレームから半径方向に突出し、かつ扁平構成において縦方向に伸張可能であり、
前記第1の隔壁上の前記第1のリブは、前記拡張構成で前記第2の隔壁において前記第2のリブと接続する、
ことを特徴とする上記86に記載のモジュール式グラフト内システム。
90. 前記第1の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有し、
前記第2の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有する、
ことを特徴とする上記81に記載のモジュール式グラフト内システム。
91. 前記第1のグラフト内装置は、複数の第1のリブを含み、
前記第2のグラフト内装置は、複数の第2のリブを含み、
前記第1のリブは、拡張構成において第2のリブと嵌合する、
ことを特徴とする上記81に記載のモジュール式グラフト内システム。
92. 前記第1及び第2のリムの各々は、カバーから半径方向に突出する複数の周方向リブを有するカバーを含み、該第1のリムの該リブは、前記第1の下位部分の内部と接触し、該第2のリムの該リブは、前記第2の下位部分の内部と接触することを特徴とする上記81に記載のモジュール式グラフト内システム。
93. 前記第1の隔壁における第1のアラインメント補助具と、
前記第2の隔壁における第2のアラインメント補助具であって、該第2のアラインメント補助具が、前記第1及び第2の隔壁が整列する時に前記第1のアラインメント補助具と交差し、該第1及び第2のアラインメント補助具が、放射線不透過性材料を含む前記第2のアラインメント補助具と、
を更に含むことを特徴とする上記81に記載のモジュール式グラフト内システム。
94. 第1のガイドワイヤと、
前記第1のガイドワイヤに沿って位置決めされ、第1の上位部分、第1の下位部分、第1の編組フレーム、及び該第1の上位部分及び下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置と、
前記第1のガイドワイヤに沿って位置決めされ、前記第1のグラフト内装置の前記第1の下位部分に結合された第1のリムと、
第2のガイドワイヤと、
前記第2のガイドワイヤに沿って位置決めされ、第2の上位部分、第2の下位部分、第2の編組フレーム、及び該第2の上位部分及び下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、前記第1及び第2のグラフト内装置の隔壁が、互いに圧迫して隔膜を形成する前記第2のグラフト内装置と、
前記第2のガイドワイヤに沿って位置決めされ、前記第2のグラフト内装置の前記第2の下位部分に結合された第2のリムと、
を含み、
前記第1及び第2の編組フレームは、それぞれ、前記第1及び第2のグラフト内装置の前記上位部分及び下位部分に沿って実質的に連続する縦方向支持を有するように構成される、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
95. 前記第1及び第2の編組フレームは、各フレームの各縦方向セグメントが各フレームの長さに沿って隣接する縦方向セグメントを支持するようにワイヤから織られることを特徴とする上記94に記載のモジュール式グラフト内システム。
96. 前記フレームの各縦方向セグメントは、該フレームの前記隣接する縦方向セグメントの半径方向拡張又は収縮に影響を与えることを特徴とする上記95に記載のモジュール式グラフト内システム。
97. 前記第1及び第2の上位部分の各々は、凸状に湾曲した外壁及び凸状に湾曲した隔壁を含み、該外壁は、第1の曲率半径を有し、該隔壁は、該第1及び第2の上位部分が実質的にD様断面形状を有するように該第1の曲率半径よりも短い第2の曲率半径を有し、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記第1及び第2の隔壁の間の対向する力が前記隔膜に沿って実質的に均一であるように固有のバネ力を通じて拡張する、
ことを特徴とする上記94に記載のモジュール式グラフト内システム。
98. 前記第1のグラフト内装置は、第1のアラインメント補助具を有し、前記第2のグラフト内装置は、第2のアラインメント補助具を有し、
前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記第1及び第2のグラフト内装置の互いに対する回転の向き及び縦方向位置を示すように構成される、
ことを特徴とする上記94に記載のモジュール式グラフト内システム。
99. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1のフレームの一部分に取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の開口部を有し、
前記第1の開口部は、血液が前記第1の内腔に対して横方向に流れることを可能にする、
ことを特徴とする上記94に記載のモジュール式グラフト内システム。
100. 前記第1の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有し、
前記第2の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有する、
ことを特徴とする上記94に記載のモジュール式グラフト内システム。
101. 前記第1及び第2のグラフト内装置は、それぞれ第1及び第2のカバーを含み、該第1及び第2のカバーは、半径方向に突出する複数の周方向リブを有し、
前記第1のリムは、半径方向に突出する複数の周方向リブを有する第3のカバーを含み、
前記第2のリムは、半径方向に突出する複数の周方向リブを有する第4のカバーを含み、
前記第1のリムの前記第3のカバーは、該第3のカバー上の前記リブが前記第1のグラフト内装置の前記第1のカバー上の前記リブと接続するように、該第1のグラフト内装置の前記第1の下位部分の内部と接触し、
前記第2のリムの前記第4のカバーは、該第4のカバー上の前記リブが前記第2のグラフト内装置の前記第2のカバー上の前記リブと接続するように、該第2のグラフト内装置の前記第2の下位部分の内部と接触する、
ことを特徴とする上記94に記載のモジュール式グラフト内システム。
102. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1の上位部分と前記第1の下位部分の間に第1の遷移部分を含み、該第1の遷移部分は、前記第1の内腔に該上位部分での第1の断面寸法から該下位部分での該第1の断面寸法よりも短い第2の断面寸法までテーパをつけ、該遷移部分は、前記拡張構成において該第1の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成され、
前記第2のグラフト内装置は、前記第2の上位部分と前記第2の下位部分の間に第2の遷移部分を含み、該第2の遷移部分は、前記第2の内腔に該第2の上位部分での前記第1の断面寸法から該第2の下位部分での前記第2の断面寸法までテーパをつけ、該第2の遷移部分は、前記拡張構成において該第2の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成される、
ことを特徴とする上記94に記載のモジュール式グラフト内システム。
103. 第1の血管と第2の血管への分岐の前の位置で主血管における動脈瘤を治療する方法であって、
第1のグラフト内装置の第1の上位部分の少なくともセグメントが動脈瘤の上位に位置決めされ、かつ該第1のグラフト内装置の第1の下位部分が部分的にのみ該動脈瘤を通って伸張するように、該動脈瘤に対して第1のガイドワイヤにわたって該第1のグラフト内装置を位置決めする段階であって、該第1の上位部分が、凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置を位置決めする段階と、
第2のグラフト内装置の第2の上位部分の少なくともセグメントが前記動脈瘤の上位に位置決めされ、かつ該第2のグラフト内装置の第2の下位部分が部分的にのみ該動脈瘤を通って伸張するように、該動脈瘤に対して第2のガイドワイヤにわたって該第2のグラフト内装置を位置決めする段階であって、該第2の上位部分が、凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有し、該第2のグラフト内装置が、前記第1のグラフト内装置の位置決めとは独立して位置決めされる前記第2のグラフト内装置を位置決めする段階と、
前記第1及び第2の隔壁が互いに圧迫して前記第1及び第2のグラフト内装置の間に隔膜を形成するように、該第1のグラフト内装置を第1のカテーテルから配備し、かつ該第2のグラフト内装置を第2のカテーテルから配備する段階と、
第1のリムの遠位部分が前記第1のグラフト内装置の前記第1の下位部分に結合され、かつ該第1のリムの近位部分が前記第1の血管にあるように、該第1のリムを前記第1のガイドワイヤにわたって埋め込む段階と、
第2のリムの遠位部分が前記第2のグラフト内装置の前記第2の下位部分に結合され、かつ該第2のリムの近位部分が前記第2の血管にあるように、該第2のリムを前記第2のガイドワイヤにわたって埋め込む段階と、
を含むことを特徴とする方法。
104. 前記第1の隔壁は、前記第1の外壁と反対方向に凸状に湾曲し、前記第2の隔壁は、前記第2の外壁と反対方向に凸状に湾曲し、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、前記凸状に湾曲した第1及び第2の隔壁を互いに押し付ける段階を含む、
ことを特徴とする上記103に記載の方法。
105. 前記凸状に湾曲した第1及び第2の隔壁を互いに押し付ける段階は、真っ直ぐな第1及び第2の隔壁と比べて該第1及び第2の隔壁の間により均一な圧力の分布をもたらすことを特徴とする上記104に記載の方法。
106. 前記第1及び第2のグラフト内装置を位置決めする段階は、前記第1の隔壁の一部分が前記第2の隔壁の最遠位末端に対して上位に位置決めされるように、該第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分に対して該第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分をスタガ配置する段階を含むことを特徴とする上記103に記載の方法。
107. 前記第1のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分の前記第1の外壁は、該第1のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有し、
前記第2のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分の前記第2の外壁は、該第2のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有する、
ことを特徴とする上記103に記載の方法。
108. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1の隔壁において第1のアラインメント補助具を含み、前記第2のグラフト内装置は、前記第2の隔壁において第2のアラインメント補助具を含み、該第1及び第2のアラインメント補助具は、放射線不透過性材料を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
前記第1及び第2のアラインメント補助具を第1及び第2のアラインメント補助具が互いに対向するようにX線写真上で位置決めする段階と、
前記直交平面において前記第1及び第2のアラインメント補助具を見る段階と、
前記第1及び第2の隔壁が前記隔膜を形成するように前記第1及び第2のアラインメント補助具と交差させる段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記103に記載の方法。
109. 前記主血管は、前記動脈瘤の前で前記主血管から分枝する第3の血管を含み、
前記第1のグラフト内装置は、フレーム、カバー、及び該カバー内の内腔を含み、該フレームの上位端部部分が、該カバーの上位末端を超えて遠位に突出し、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、血液が前記遠位端部部分を通って前記内腔の縦軸線に対して横方向に流れるように、前記第3の血管に該第1のグラフト内装置の該遠位端部部分を位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする上記103に記載の方法。
110. 前記第1及び第2のリムを埋め込む段階は、
前記第1のリムの前記遠位部分を前記第1の下位部分内に位置決めし、かつ該第1のリムを前記第2のリムにおける固有のバネ力を通じて拡張して該第1の下位部分の内部表面と接触させる段階と、
前記第2のリムの前記遠位部分を前記第2の下位部分内に位置決めし、かつ該第2のリムを該第2のリムにおける固有のバネ力を通じて拡張して前記第2の下位部分の内部表面と接触させる段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記103に記載の方法。
111. 前記第1及び第2のリムの前記遠位部分を位置決めする段階は、
前記第2のリムの前記近位部分が前記第2の血管の内部を圧迫するように前記第1のリムの長さを前記第1の下位部分内で調節する段階と、
前記第2のリムの前記近位部分が前記第2の血管の内部を圧迫するように該第2のリムの長さを前記第2の下位部分内で調節する段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記110に記載の方法。
112. 第1の上位部分、第1の下位部分、及び該第1の上位部分及び下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1の上位部分が、第1の上位末端、第1の外壁、及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2の上位部分、第2の下位部分、及び該第2の上位部分及び下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2の上位部分が、第2の上位末端、第2の外壁、及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置の前記第1及び第2の隔壁は、互いに圧迫して隔膜を形成し、
前記第1のグラフト内装置の前記第1の上位末端は、前記第1及び第2のグラフト内装置が縦方向にスタガ配置され、かつ該第1の上位部分の自由端部分が前記第2の上位末端を超えて遠位に位置決めされるように、該第2のグラフト内装置の該第2の上位末端に対して上位にある、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
113. 前記第1及び第2の隔壁は、凸状に湾曲し、
前記第1の外壁及び前記第1の隔壁は、第1の複合楕円体を形成し、該第1の外壁は、第1の半径を有し、該第1の隔壁は、該第1の半径よりも長い第2の半径を有し、
前記第2の外壁及び前記第2の隔壁は、第2の複合楕円体を形成し、該第2の外壁は、前記第1の半径を有し、該第2の隔壁は、前記第2の半径を有し、
前記第1及び第2の複合楕円体は、実質的にD字形断面を有し、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記第1及び第2の隔壁が互いに対して対向する力を作用するように固有のバネ力を通じて自己拡張するように構成される、
ことを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
114. 前記第1及び第2の隔壁の間の前記対向する力は、前記隔膜に沿って実質的に均一であることを特徴とする上記113に記載のモジュール式グラフト内システム。
115. 前記第1及び第2の隔壁は、前記隔膜に沿って少なくとも実質的に真っ直ぐであり、前記第1の上位部分の前記自由端部分は、該隔膜において該第1の隔壁と少なくとも実質的に縦方向に整列することを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
116. 前記第1のグラフト内装置は、前記フレームの各区域が該フレームの隣接する区域の半径方向拡張又は収縮に影響を与えるように、該フレームに沿って縦方向に一体化した連続支持を有するように構成された一体化した自己拡張フレームを有することを特徴とする上記115に記載のモジュール式グラフト内システム。
117. 前記第1及び第2の下位部分は、実質的に円形断面を有することを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
118. 前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、複数の第1の周方向リブを有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のカバーは、複数の第2の周方向リブを有し、
前記第1及び第2の周方向リブは、前記隔膜において接続する、
ことを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
119. 前記第1の隔壁は、前記第1の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第1の隔壁及び該第1の外壁は、湾曲コーナで接合され、
前記第2の隔壁は、前記第2の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第2の隔壁及び該第2の外壁は、湾曲コーナで接合される、
ことを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
120. 前記第1の外壁及び前記第2の外壁の各々は、第1の曲率半径を有し、
前記第1の隔壁及び前記第2の隔壁の各々は、前記第1の曲率半径よりも長い第2の曲率半径を有し、
前記湾曲コーナは、前記第1の曲率半径よりも短い曲率半径を有し、該湾曲コーナは、拡張構成において前記隔膜において約60°から約100°の角度を形成する、
ことを特徴とする上記119に記載のモジュール式グラフト内システム。
121. 前記第1のグラフト内装置は、第1のアラインメント補助具を有し、前記第2のグラフト内装置は、第2のアラインメント補助具を有し、
前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記第1及び第2のグラフト内装置の互いに対する回転の向き及び縦方向位置を示すように構成される、
ことを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
122. 前記第1のグラフト内装置は、圧縮プロフィールから拡張プロフィールまで半径方向外向きに自己拡張するバネ力を有するように構成された第1の編組フレーム、及び該第1の編組フレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の下位末端及び第1の上位末端を有し、該第1の編組フレームは、該第1のカバーの該第1の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部、及び該第1のカバーの前記第1の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有し、
前記第2のグラフト内装置は、圧縮プロフィールから拡張プロフィールまで半径方向外向きに自己拡張するバネ力を有するように構成された第2の編組フレーム、及び該第2の編組フレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のカバーは、第2の下位末端及び第2の上位末端を有し、該第2の編組フレームは、該第2のカバーの該第2の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部、及び該第2のカバーの該第2の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有し、
前記第1及び第2のフレームの前記第1の端部は、血液が前記第1の内腔及び前記第2の内腔に対して横方向に流れることができる開口部を含む、
ことを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
123. 前記第1及び第2の編組フレームは、各フレームの各縦方向セグメントが各フレームの長さに沿って隣接する縦方向セグメントを支持するようにワイヤから織られることを特徴とする上記122に記載のモジュール式グラフト内システム。
124. 前記第1及び第2のグラフト内装置の各々は、前記上位部分において少なくとも1つのアンカーを含み、
前記アンカーは、前記拡張構成において前記外壁から半径方向に突出し、かつ扁平構成において圧縮される、
ことを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
125. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1の上位部分と前記第1の下位部分の間に第1の遷移部分を更に含み、該第1の遷移部分は、前記第1の内腔に該上位部分での第1の断面寸法から該下位部分での該第1の断面寸法よりも短い第2の断面寸法までテーパをつけ、該遷移部分は、前記拡張構成において該第1の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成され、
前記第2のグラフト内装置は、前記第2の上位部分と前記第2の下位部分の間に第2の遷移部分を更に含み、該第2の遷移部分は、前記第2の内腔に該第2の上位部分での前記第1の断面寸法から該第2の下位部分における前記第2の断面寸法までテーパをつけ、該第2の遷移部分は、前記拡張構成において該第2の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成される、
ことを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
126. 前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームの一部分に取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第1のカバーは、前記第1の外壁において第1の開口部を有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第2のカバーは、前記第2の外壁において第2の開口部を有し、
前記第1及び第2の開口部は、血液が前記第1及び第2の内腔に対して横方向に流れることを可能にする、
ことを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
127. 前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームの一部分に取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第1のカバーは、前記第1の下位部分において第1の開口部を有し、該第1の開口部は、血液が該第1の開口部を通って前記第1の内腔に対して横方向に流れることを可能にすることを特徴とする上記112に記載のモジュール式グラフト内システム。
128. 第1のフレーム、該第1のフレームに取り付けられた第1のカバー、及び該第1のカバー内の第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1のフレーム及び該第1のカバーが、第1の上位部分及び第1の下位部分を有し、該第1の上位部分が、凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2のフレーム、該第2のフレームに取り付けられた第2のカバー、及び該第2のカバー内の第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2のフレーム及び該第2のカバーが、第2の上位部分及び第2の下位部分を有し、該第2の上位部分が、凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、第1の断面寸法を有する扁平構成に伸張され、かつ拡張構成において前記第1及び第2の隔壁の対向する部分が互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成するように該第1の断面寸法よりも大きい第2の断面寸法を有する拡張構成まで拡張するように構成され、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記第1のフレームが該第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分を超えて遠位に突出する第1の自由端部分を含むように、前記拡張構成において互いに対して縦方向にスタガ配置される、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
129. 前記第1及び第2のフレームの各々は、上位末端、下位末端、及び編組に織られた連続ワイヤを含み、該ワイヤは、編組角度でそれ自体に交差し、該ワイヤは、該フレームの該上位末端で方向を逆転して第1の複数のループを形成し、かつ該フレームの該下位末端で方向を逆転して第2の複数のループを形成することを特徴とする上記128に記載のモジュール式グラフト内システム。
130. 前記編組角度は、約30°から約45°であることを特徴とする上記129に記載のモジュール式グラフト内システム。
131. 前記第1の上位部分は、前記拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び前記扁平構成において高々5mmの断面寸法を有し、
前記第2の上位部分は、前記拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び前記扁平構成において高々5mmの断面寸法を有する、
ことを特徴とする上記128に記載のモジュール式グラフト内システム。
132. 前記第1及び第2のカバーは、それぞれ、前記第1及び第2のフレームにわたって伸張し、
前記第1及び第2のカバーは、前記拡張構成において前記第1及び第2のフレームの半径方向拡張及び縦方向収縮を制限するように構成される、
ことを特徴とする上記128に記載のモジュール式グラフト内システム。
133. 前記第1のカバーは、前記拡張構成において前記第1のフレームから半径方向に突出する第1のリブを含み、該第1のリブは、前記扁平構成において縦方向に伸張可能であり、 前記第2のカバーは、前記拡張構成において前記第2のフレームから半径方向に突出する第2のリブを含み、該第2のリブは、前記扁平構成において縦方向に伸張可能であり、 前記第1及び第2のリブは、前記拡張構成で前記隔壁において接続する、
ことを特徴とする上記128に記載のモジュール式グラフト内システム。
134. 前記第1及び第2の上位部分は、対向する第1及び第2の隔壁上にアラインメント補助具を含み、該アラインメント補助具は、該第1及び第2の隔壁が前記隔膜を形成する時に互いに交差するように構成されることを特徴とする上記128に記載のモジュール式グラフト内システム。
135. 前記第1のフレームは、開放編組ワイヤを含み、前記第1のカバーは、前記第1の外壁において第1の開口部を有し、
前記第2のフレームは、開放編組ワイヤを含み、前記第2のカバーは、前記第2の外壁において第2の開口部を有し、
前記第1及び第2の開口部は、血液が前記第1の内腔及び第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることを可能にする、
ことを特徴とする上記128に記載のモジュール式グラフト内システム。
136. 前記第1のグラフト内装置の前記第1のカバーは、前記第1の下位部分において第3の開口部を有し、
前記第3の開口部は、血液が前記第1の内腔から該第3の開口部を通って横方向に流れることを可能にする、
ことを特徴とする上記135に記載のモジュール式グラフト内システム。
137. 第1の血管と第2の血管への分岐の前の主血管における動脈瘤を修復する方法であって、
第1の血管を通して動脈瘤の前の主血管におけるターゲット部位まで第1のグラフト内装置を進める段階と、
前記第1の血管を通して前記第1のグラフト内装置を進める段階とは独立に前記ターゲット部位まで前記第2の血管を通して第2のグラフト内装置を進める段階と、
前記第1及び第2のグラフト内装置の第1及び第2の隔壁の対向する部分が、それぞれ互いに圧迫して前記第1及び第2のグラフト内装置の間に隔膜を形成するように、該第1及び第2のグラフト内装置を拡張構成まで別々に拡張することによって前記ターゲット部位に該第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階と、
を含み、
前記第1のグラフト内装置の第1の上位部分が、該第1の上位部分の自由端部分が前記第2のグラフト内装置の末端を超えて遠位に突出するように、該第2のグラフト内装置の第2の上位部分に対して縦方向にスタガ配置される、
ことを特徴とする方法。
138. 前記第1のグラフト内装置を第1のカテーテルに装填する段階であって、該第1のグラフト内装置が扁平構成に伸張される前記装填する段階と、
前記第2のグラフト内装置を第2のカテーテルに装填する段階であって、該第2のグラフト内装置が扁平構成に伸張される前記装填する段階と、
前記第1のグラフト内装置を前記第1の血管の中に経皮的に導入する段階と、
前記第2のグラフト内装置を前記第2の血管の中に経皮的に導入する段階と、
を更に含むことを特徴とする上記137に記載の方法。
139. 前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記拡張構成において20mmよりも短くない断面寸法を有し、
前記第1及び第2のカテーテルは、12Fよりも大きくない、
ことを特徴とする上記138に記載の方法。
140. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1の隔壁において第1のアラインメント補助具を含み、前記第2のグラフト内装置は、前記第2の隔壁において第2のアラインメント補助具を含み、該第1及び第2のアラインメント補助具は、放射線不透過性材料を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
前記第1及び第2のアラインメント補助具を該第1及び第2のアラインメント補助具が互いに対向するようにX線写真上で位置決めする段階と、
前記直交平面において前記第1及び第2のアラインメント補助具を見る段階と、
前記第1及び第2の隔壁が前記隔膜を形成するように前記第1及び第2のアラインメント補助具を交差させる段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記137に記載の方法。
141. 前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記第1及び第2の隔壁を斜めに交差し、
前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記隔膜において「X」インジケータを形成する、
ことを特徴とする上記140に記載の方法。
142. 前記第1及び第2のグラフト内装置の各々は、フレーム及びカバーを含み、該カバーの少なくとも一部分は、該フレームにわたって取り付けられ、該カバーの少なくとも一部分は、該フレームから半径方向に突出する複数の周方向リブを有し、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
前記第1の隔壁における前記周方向リブを前記隔膜において前記第2の隔壁における該周方向リブと接続する段階と、
前記第1及び第2の外壁における前記周方向リブを前記主血管の血管壁と接続する段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記137に記載の方法。
143. 前記第1及び第2のグラフト内装置の各々は、フレームの少なくとも一部分にわたって取り付けられたカバーを含み、該第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、該カバーを用いて該フレームの半径方向拡張を制限する段階を更に含むことを特徴とする上記137に記載の方法。
144. 前記主血管は、大動脈であり、前記第1の血管は、第1の共通腸骨動脈であり、前記第2の血管は。第2の共通腸骨動脈であり、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
前記第1の共通腸骨動脈の動脈壁を用いて前記第1のグラフト内装置の第1の下位部分の近位端を少なくとも実質的に密封する段階と、
前記第2の共通腸骨動脈の動脈壁を用いて前記第2のグラフト内装置の第2の下位部分の近位端を少なくとも実質的に密封する段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記137に記載の方法。
145. 前記第1の隔壁は、前記第1のグラフト内装置の第1の外壁と反対方向に凸状に湾曲し、前記第2のグラフト内装置の第2の隔壁が、前記第2の外壁と反対方向に凸状に湾曲し、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、前記凸状に湾曲した第1及び第2の隔壁の対向する部分を互いに押し付ける段階を含む、
ことを特徴とする上記137に記載の方法。
146. 前記湾曲した第1及び第2の隔壁を互いに凸状に押し付ける段階は、該第1及び第2の隔壁の前記対向する部分の間に実質的に均一な圧力の分布をもたらすことを特徴とする上記145に記載の方法。
147. 前記主血管は、前記動脈瘤の前の前記主血管から分枝する第3の血管及び第4の血管を含み、該第3及び第4の血管は、該主血管に対して互いから縦方向にオフセットされ、
前記第1のグラフト内装置は、第1の編組フレーム及び該第1の編組フレームに結合された第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の下位末端及び第1の上位末端を有し、該第1の編組フレームは、該第1のカバーの該第1の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部、及び該第1のカバーの該第1の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有し、該第1及び第2の端部部分は、血液が前記第1の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることができる開口部を含み、
前記第2のグラフト内装置は、第2の編組フレーム及び該第2の編組フレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のカバーは、第2の下位末端及び第2の上位末端を有し、該第2の編組フレームは、該第2のカバーの該第2の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部、及び該第2のカバーの該第2の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有し、該第1及び第2の端部部分は、血液が前記第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることができる開口部を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置をスタガ配置する段階は、前記第3及び第4の血管が前記第1及び第2の内腔を通る血流と流体連通するように、前記第1のフレームの前記第1の端部部分を該第3の血管の入口に位置決めし、かつ前記第2のフレームの前記第1の端部部分を該第4の血管の入口に位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする上記137に記載の方法。
148. 前記主血管は、前記動脈瘤の前の該主血管から分枝する第3の血管及び第4の血管を含み、該第3及び第4の血管は、該主血管に対して互いから縦方向にオフセットされ、
前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームの一部分に取り付けられた第1のカバーを含み、該第1のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第1のカバーは、前記第1の外壁において第1の開口部を有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを含み、該第2のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第2のカバーは、前記第2の外壁において第2の開口部を有し、前記第1及び第2の開口部は、血液が前記第1及び第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることを可能にし、
前記第1及び第2のグラフト内装置をスタガ配置する段階は、前記第3及び第4の血管が前記第1及び第2の内腔を通る血流と流体連通するように、前記第1のフレームの前記第1の開口部を該第3の血管の入口に位置決めし、かつ前記第2のフレームの前記第2の開口部を該第4の血管の入口に位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする上記137に記載の方法。
149. 前記第1の血管は、前記動脈瘤の後の前記第1の血管から分枝する第3の血管を含み、 前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームの一部分に取り付けられた第1のカバーを含み、該第1のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第1のカバーは、前記第1の下位部分において第1の開口部を有するを含み、
方法が、前記第1のフレームの前記第1の開口部を前記第1の内腔からの血液が前記第3の血管まで該第1の開口部を通って横方向に流れるように該第3の血管の前記入口に位置決めする段階を更に含む、
ことを特徴とする上記137に記載の方法。
150. 前記第1及び第2のグラフト内装置は、それぞれ、第1及び第2のフレームを含み、該第1及び第2のフレームは、前記自由端部分が前記隔膜において前記第1の隔壁と少なくとも実質的に整列するように連続支持を提供するように構成されることを特徴とする上記137に記載の方法。
151. 近位端部部分及び遠位端部部分を有するカフと、
第1の上位部分、第1の下位部分、及び該第1の上位及び下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1の上位部分が、第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2の上位部分、第2の下位部分、及び該第2の上位及び下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2の上位部分が、第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、該第1及び第2のグラフト内装置の前記第1及び第2の外壁が、前記カフを圧迫し、かつ前記第1及び第2の隔壁が、互いに向けて対向する力を作用して該カフを前記第1及び第2の内腔に固定するように構成される、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
152. 前記カフは、実質的に円形断面を有し、該カフの前記近位及び遠位端部部分の少なくとも一方は、半径方向外向きに張り出していることを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
153. 前記カフは、近位末端及び遠位末端を有するカフフレーム、及び該カフフレームから半径方向内向きのスリーブを含み、
前記スリーブは、前記カフフレームの前記近位及び遠位末端にわたって伸張する、
ことを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
154. 前記カフは、スリーブ及び該スリーブを少なくとも部分的に取り囲むカフフレームを含み、
前記スリーブは、前記カフを第1のカフ内腔と第2のカフ内腔に分岐し、
前記第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分は、前記第1のカフ内腔と接触し、前記第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分は、前記第2のカフ内腔と接触する、
ことを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
155. 前記第1及び第2のグラフト内装置の前記第1及び第2の上位部分は、該グラフト内装置の前記第1及び第2の外壁の各部分が隣接する血管壁に固定されるように、それぞれ、前記カフの前記遠位端部部分を超えて遠位に突出することを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
156. 前記第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分は、該第1の上位部分がD様断面を有するように、第1の半径を有する凸状に湾曲した第1の外壁及び該第1の半径よりも長い第2の半径を有する凸状に湾曲した第1の隔壁を含み、
前記第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分は、該第2の上位部分がD様断面を有するように、前記第1の半径を有する凸状に湾曲した第2の外壁及び前記第2の半径を有する凸状に湾曲した第2の隔壁を含み、
前記第1及び第2の外壁は、拡張構成において前記カフ装置に対して圧迫し、
前記第1及び第2の隔壁は、前記拡張構成において互いに圧迫して隔膜を形成し、該第1及び第2の隔壁の前記凸状湾曲は、該隔膜に沿って実質的に均一な圧力の分布をもたらす、
ことを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
157. 前記第1の隔壁及び前記第1の外壁は、湾曲コーナにおいて接合され、
前記第2の隔壁及び前記第2の外壁は、湾曲コーナにおいて接合され、
前記湾曲コーナは、前記第1の半径よりも短い曲率半径を有し、
前記湾曲コーナは、前記拡張構成で前記隔膜において約60°から約100°の角度を形成する、
ことを特徴とする上記156に記載のモジュール式グラフト内システム。
158. 前記カフの外部に結合された少なくとも1つのアンカーを更に含み、
前記アンカーは、拡張構成において前記カフから半径方向に突出し、かつ扁平構成において圧縮される、
ことを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
159. 前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記第1及び第2の上位部分において少なくとも1つのアンカーを含み、
前記アンカーは、拡張構成において前記上位部分から半径方向に突出する、
ことを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
160. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1の隔壁において第1のアラインメント補助具を含み、
前記第2のグラフト内装置は、前記第2の隔壁において第2のアラインメント補助具を含み、該第2のアームアラインメント補助具は、それぞれ前記第1及び第2のグラフト内装置の前記第1及び第2の隔壁が、該第1及び第2の隔壁が隔膜を形成するように互いに対向する時に該第1のアラインメント補助具と交差する、
ことを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
161. 前記カフは、第1のカフアラインメント補助具及び第2のカフアラインメント補助具を含み、
前記第1のグラフト内装置は、前記第1の外壁において第1のアラインメント補助具を含み、該第1のアラインメント補助具は、該第1の外壁が前記カフに対向する時に前記第1のカフアラインメント補助具と交差し、
前記第2のグラフト内装置は、前記第2の外壁において第2のアラインメント補助具を含み、該第2のアラインメント補助具は、該第2の外壁が前記カフに対向する時に前記第2のカフアラインメント補助具と交差する、
ことを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
162. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1の上位部分と前記第1の下位部分の間に第1の遷移部分を更に含み、該第1の遷移部分は、前記第1の内腔に該上位部分での第1の断面寸法から該下位部分での該第1の断面寸法よりも短い第2の断面寸法までテーパをつけ、該遷移部分は、拡張構成において該第1の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成され、
前記第2のグラフト内装置は、前記第2の上位部分と前記第2の下位部分の間に第2の遷移部分を更に含み、該第2の遷移部分は、前記第2の内腔に該第2の上位部分での前記第1の断面寸法から該第2の下位部分での前記第2の断面寸法までテーパをつけ、該第2の遷移部分は、前記拡張構成において該第2の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成され、
前記カフは、前記近位端部部分において遷移カフ部分を更に含み、該テーパのついたカフ部分は、前記第1及び第2のテーパのついた遷移部分と実質的に共形である、
ことを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
163. 前記第1及び第2のグラフト内装置の各々は、上位末端と、下位末端と、編組に織られた連続ワイヤとを有するフレームを含み、該ワイヤは、編組角度でそれ自体に交差し、該ワイヤは、該フレームの該上位末端で方向を逆転して第1の複数のループを形成し、かつ該フレームの該下位末端で方向を逆転して第2の複数のループを形成することを特徴とする上記151に記載のモジュール式グラフト内システム。
164. 前記第1及び第2のグラフト内装置の各々は、前記フレームの少なくとも一部分にわたるカバーを更に含み、該カバーは、前記第1及び第2の隔壁の対向する周方向リブが前記拡張構成において嵌合するように該フレームから半径方向に突出する周方向リブを有することを特徴とする上記163に記載のモジュール式グラフト内システム。
165. カフフレーム及び該カフフレームに取り付けられたスリーブを有するカフであって、該カフフレーム及び該スリーブが近位端部部分及び遠位端部部分を有する前記カフと、
第1のフレーム、該第1のフレームに取り付けられた第1のカバー、及び該第1のカバー内の第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1のフレーム及び該第1のカバーが、第1の上位部分及び第1の下位部分を有し、該第1の上位部分が、凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
一体化された第2のフレーム(第2のフレーム)、該第2のフレームに取り付けられた第2のカバー、及び該第2のカバー内の第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2のフレーム及び該第2のカバーが、第2の上位部分及び第2の下位部分を有し、該第2の上位部分が、凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、第1の断面寸法を有する扁平構成に伸張し、拡張構成において前記第1及び第2の隔壁が互いに向けて押し付けられて前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成し、かつ前記第1及び第2の外壁が前記カフの内部に対して圧迫するように、該第1の断面寸法よりも大きい第2の断面寸法を有する拡張プロフィール構成まで拡張するように構成される、
ことと特徴とするモジュール式グラフト内システム。
166. 前記カフフレームの前記近位及び遠位端部部分の少なくとも一方は、半径方向外向きに張り出していることを特徴とする上記165に記載のモジュール式グラフト内システム。
167. 前記スリーブは、前記カフが血管壁を圧迫する時に該スリーブが前記カフフレームに取り付けられるように、該カフフレームの近位及び遠位端にわたって伸張することを特徴とする上記166に記載のモジュール式グラフト内システム。
168. 前記スリーブは、前記第1のグラフト内装置を受け入れるように構成された第1のカフ内腔、及び前記第2のグラフト内装置を受け入れるように構成された第2のカフ内腔を含むことを特徴とする上記165に記載のモジュール式グラフト内システム。
169. 前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記第1の上位部分が、該第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分を超えて遠位に突出する自由端部分を含むように、前記第1及び第2の内腔に対して縦方向にスタガ配置されることを特徴とする上記165に記載のモジュール式グラフト内システム。
170. 前記第1及び第2のフレームの各々は、上位末端、下位末端、及び編組に織られた連続ワイヤを含み、該ワイヤは、編組角度でそれ自体に交差し、該ワイヤは、該上位末端で方向を逆転して第1の複数のループを形成し、かつ該下位末端で方向を逆転して第2の複数のループを形成することを特徴とする上記165に記載のモジュール式グラフト内システム。
171. 前記編組角度は、約30°から約45°であることを特徴とする上記170に記載のモジュール式グラフト内システム。
172. 前記ワイヤは、約0.0070インチから約0.0140インチの直径を有し、前記第1の複数のループは、8個よりも多くないループを含み、前記第2の複数のループは、8個よりも多くないループを含むことを特徴とする上記170に記載のモジュール式グラフト内システム。
173. 前記第1及び第2のカバーは、前記第1及び第2のフレームにわたって伸張し、
前記第1及び第2のカバーは、前記拡張構成においてそれぞれ前記第1及び第2のフレームの半径方向拡張及び縦方向圧縮のうちの少なくとも一方を制限する、
ことを特徴とする上記165に記載のモジュール式グラフト内システム。
174. 前記スリーブの少なくとも一部分は、前記カフフレームから半径方向内向きであり、該スリーブは、該カフフレームから半径方向内向きに突出するリブを含み、
前記第1のカバーは、前記拡張構成において前記第1のフレームから半径方向に突出する第1のリブを含み、該第1のリブは、前記扁平構成において縦方向に伸張可能であり、 前記第2のカバーは、前記拡張構成において前記第2のフレームから半径方向に突出する第2のリブを含み、該第2のリブは、前記扁平構成において縦方向に伸張可能であり、 前記第1及び第2のリブは、前記拡張構成において前記スリーブの前記リブと接続する、
ことを特徴とする上記165に記載のモジュール式グラフト内システム。
175. 前記カフの外部から半径方向外向きに突出する少なくとも1つのアンカーを更に含むことを特徴とする上記165に記載のモジュール式グラフト内システム。
176. 前記第1及び第2の上位部分は、対向する第1及び第2の隔壁上にアラインメント補助具を含み、該アラインメント補助具は、該第1及び第2の隔壁が前記隔膜を形成する時に互いに交差するように構成されることを特徴とする上記165に記載のモジュール式グラフト内システム。
177. 第1の血管と第2の血管への分岐の前の主血管における動脈瘤を修復する方法であって、
実質的に円形断面を有するカフを第1の血管を通して動脈瘤の前の主血管におけるターゲット部位まで進める段階と、
前記カフを該カフが前記主血管の血管壁を圧迫するように前記ターゲット部位に配備する段階と、
第1のグラフト内装置を前記第1の血管を通して前記動脈瘤の前の前記共通血管におけるターゲット部位まで進める段階と、
第2のグラフト内装置を前記第2の血管を通して前記ターゲット部位まで進める段階と、
前記第1及び第2のグラフト内装置が該第1及び第2のグラフト内装置の固有のバネ力を通じて拡張構成まで拡張し、そのためにそれぞれ該第1及び第2のグラフト内装置の第1及び第2の隔壁が互い向けて圧迫して該第1及び第2のグラフト内装置の間に隔膜を形成するように前記ターゲット部位に該第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階であって、それぞれ該第1及び第2のグラフト内装置の第1及び第2の外壁が、前記カフの内部表面を密封可能に圧迫する前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、互いに独立して位置決めされる、
ことを特徴とする方法。
178. 前記第1及び第2のグラフト内装置を独立して位置決めする段階は、
前記第1のグラフト内装置の第1の上位部分を前記カフ内の第1の望ましい位置に位置決めする段階と、
前記第2のグラフト内装置の第2の上位部分を前記カフ内の第2の望ましい位置に位置決めする段階であって、前記第1の望ましい位置が、該カフに沿って該第2の望ましい位置から縦方向にオフセットされる前記位置決めする段階と、
を含む、
ことを特徴とする上記177に記載の方法。
179. 前記第1のグラフト内装置を第1のカテーテルに装填する段階であって、該第1のグラフト内装置が扁平構成に伸張される前記装填する段階と、
前記第2のグラフト内装置を第2のカテーテルに装填する段階であって、該第2のグラフト内装置が扁平構成に伸張される前記装填する段階と、
前記第1のグラフト内装置を前記第1の血管の中に経皮的に導入する段階と、
前記第2のグラフト内装置を前記第2の血管の中に経皮的に導入する段階と、
を更に含むことを特徴とする上記177に記載の方法。
180. 前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記拡張構成において20mmよりも短くない断面寸法を有し、前記第1及び第2のカテーテルは、12Fよりも大きくないことを特徴とする上記179に記載の方法。
181. 前記第1のグラフト内装置は、前記第1の隔壁において第1のアラインメント補助具を含み、前記第2のグラフト内装置は、前記第2の隔壁において第2のアラインメント補助具を含み、該第1及び第2のアラインメント補助具は、放射線不透過性材料を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
前記第1及び第2のアラインメント補助具を該第1及び第2のアラインメント補助具が互いに対向するようにX線写真上で位置決めする段階と、
前記直交平面において前記第1及び第2のアラインメント補助具を見る段階と、
前記第1及び第2の隔壁が前記隔膜を形成することができるように前記第1及び第2のアラインメント補助具を交差させる段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記177に記載の方法。
182. 前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記第1及び第2の隔壁を斜めに交差し、
前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記隔膜において「X」インジケータを形成する、
ことを特徴とする上記181に記載の方法。
183. 前記カフは、カフフレームと該カフフレームから半径方向内向きに突出するリブを有する内部スリーブとを含み、前記第1及び第2のグラフト内装置の各々は、それぞれ該第1及び第2のグラフト内装置の少なくとも前記第1及び第2の隔壁及び外壁において複数の周方向リブを有するカバーを含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
前記第1の隔壁における前記周方向リブを前記第2の隔壁における該周方向リブと接続する段階と、
前記第1及び第2の外壁における前記周方向リブを前記内部スリーブの前記リブと接続する段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記177に記載の方法。
184. 前記第1及び第2のグラフト内装置の各々は、フレームの少なくとも一部分にわたって取り付けられたカバーを含み、該第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、該カバーを用いて該フレームの半径方向拡張を制限する段階を更に含むことを特徴とする上記177に記載の方法。
185. 前記主血管は、大動脈であり、前記第1の血管は、第1の共通腸骨動脈であり、前記第2の血管は、第2の共通腸骨動脈であり、
前記カフ及び前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、
前記大動脈の動脈壁を用いて前記カフを少なくとも実質的に密封する段階と、
前記第1の共通腸骨動脈の内部動脈壁を用いて前記第1の内部部分を少なくとも実質的に密封する段階と、
前記第2の共通腸骨動脈の内部動脈壁を用いて前記第2の内部部分を少なくとも実質的に密封する段階と、
を更に含む、
ことを特徴とする上記177に記載の方法。
186. 前記主血管は、前記動脈瘤の前の該主血管から分枝する第3の血管及び第4の血管を含み、該第3及び第4の血管は、該主血管に対して互いから縦方向にオフセットされ、
前記第1のグラフト内装置は、第1の編組フレーム及び該第1の編組フレームに結合された第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の下位末端及び第1の上位末端を有し、該第1の編組フレームは、該第1のカバーの該第1の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部、及び該第1のカバーの該第1の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有し、該第1及び第2の端部部分は、血液が前記第1の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることができる開口部を含み、
前記第2のグラフト内装置は、第2の編組フレーム及び該第2の編組フレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のカバーは、第2の下位末端及び第2の上位末端を有し、該第2の編組フレームは、該第2のカバーの該第2の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部、及び該第2のカバーの該第2の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有し、該第1及び第2の端部部分は、血液が前記第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることができる開口部を含み、
前記カフを配備する段階は、前記第3及び第4の血管の近くに該カフを位置決めする段階を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、前記第3及び第4の血管が前記第1及び第2の内腔を通る血流と流体連通するように、前記第1のフレームの前記第1の端部部分を該第3の血管の入口に位置決めし、かつ前記第2のフレームの前記第1の端部部分を該第4の血管の入口に位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする上記177に記載の方法。
【符号の説明】
【0105】
100 システム
102a 第1のグラフト内装置
102b 第2のグラフト内装置
104 フレーム
106 カバー
112 外壁
114 隔壁
116 内腔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の上位部分、該第1の上位部分よりも小さい断面寸法を有する第1の下位部分、及び該第1の上位部分及び第1の下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2の上位部分、該第2の上位部分よりも小さい断面寸法を有する第2の下位部分、及び該第2の上位部分及び第2の下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記第1及び第2の隔壁が互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成するように、該第1及び第2のグラフト内装置の固有のフープ力を通じて拡張構成に自己拡張するように構成される、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の隔壁は、凸状に湾曲し、
前記第1の外壁及び前記第1の隔壁は、該第1の外壁が第1の半径を有し、かつ該第1の隔壁が該第1の半径よりも長い第2の半径を有する第1の複合楕円体を形成し、
前記第2の外壁及び前記第2の隔壁は、該第2の外壁が前記第1の半径を有し、該第2の隔壁が前記第2の半径を有する第2の複合楕円体を形成し、
前記第1及び第2のグラフト内装置の前記自己拡張は、前記拡張構成において第1及び第2の隔壁の間に対向する力を生成する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項3】
前記第1及び第2の隔壁の間の前記対向する力は、前記隔膜に沿って実質的に均一であることを特徴とする請求項2に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項4】
前記第1及び第2の隔壁は、少なくとも実質的に真っ直ぐであることを特徴とする請求項1に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項5】
前記下位部分は、実質的に円形断面を有することを特徴とする請求項1に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項6】
前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、複数の第1の周方向リブを有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のカバーは、前記第1及び第2の隔壁の少なくとも一部分に沿って前記第1の周方向リブと嵌合する複数の第2の周方向リブを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項7】
前記第1の隔壁は、前記第1の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第1の隔壁及び該第1の外壁は、湾曲コーナで接合され、
前記第2の隔壁は、前記第2の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第2の隔壁及び該第2の外壁は、湾曲コーナで接合される、
ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項8】
前記第1の外壁及び前記第2の外壁の各々は、第1の曲率半径を有し、
前記第1の隔壁及び前記第2の隔壁の各々は、前記第1の曲率半径よりも長い第2の曲率半径を有し、
前記湾曲コーナは、前記第1の曲率半径よりも短い曲率半径を有する、
ことを特徴とする請求項7に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項9】
前記第1のグラフト内装置は、第1のアラインメントマーカを有し、第2のグラフト内装置は、第2のアラインメントマーカを有し、
前記第1及び第2のアラインメントマーカは、前記第1及び第2のグラフト内装置の互いに対する回転の向き及び縦方向位置のうちの少なくとも一方を示すように構成される、 ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項10】
前記第1のグラフト内装置は、第1の編組フレーム及び該第1の編組フレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の下位末端及び第1の上位末端を有し、該第1の編組フレームは、該第1のカバーの該第1の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部及び該第1のカバーの該第1の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2の編組フレーム及び該第2の編組フレームに取り付けられた第2のカバー有し、該第2のカバーは、第2の下位末端及び第2の上位末端を有し、該第2の編組フレームは、該第2のカバーの該第2の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部及び該第2のカバーの該第2の下位末端を超えて近位に伸張する第2の端部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項11】
前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第1のカバーは、前記第1の外壁において第1の開口部を有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第2のカバーは、前記第2の外壁において第2の開口部を有し、
前記第1及び第2の開口部は、血液が前記第1及び第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることを可能にする、
ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項12】
第1の遠位区画を有する第1の上位部分、第1の下位部分、及び該第1の上位部分及び第1の下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2の遠位区画を有する第2の上位部分、第2の下位部分、及び該第2の上位部分及び第2の下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2のグラフト内装置は、該第1のグラフト内装置の前記第1の遠位区画が該第2のグラフト内装置の前記第2の遠位区画に対して上方に位置決めされるように、互いに対して縦方向にスタガ配置される、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
【請求項13】
前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームに取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の下位末端及び第1の上位末端を有し、該第1のフレームは、該第1のカバーの該第1の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部を有し、該第1のフレームの該第1の端部は、該第1のグラフト内装置の前記第1の遠位区画を形成し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のカバーは、第2の下位末端及び第2の上位末端を有し、該第2のフレームは、該第2のカバーの該第2の上位末端を超えて遠位に伸張する第1の端部を有し、該第2のフレームの該第1の端部は、該第2のグラフト内装置の前記第2の遠位区画を形成する、
ことを特徴とする請求項12に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項14】
前記第1及び第2のフレームの前記第1の端部は、血液が前記第1及び第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることができる開口部を有することを特徴とする請求項13に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項15】
前記第1及び第2の隔壁は、凸状に湾曲し、
前記第1の外壁及び前記第1の隔壁は、該第1の外壁が第1の半径を有し、かつ該第1の隔壁が該第1の半径よりも長い第2の半径を有する第1の複合楕円体を形成し、
前記第2の外壁及び前記第2の隔壁は、該第2の外壁が前記第1の半径を有し、かつ該第2の隔壁が前記第2の半径を有する第2の複合楕円体を形成し、
前記第1及び第2のグラフト内装置の自己拡張が、拡張構成において第1及び第2の隔壁の間に対向する力を生成する、
ことを特徴とする請求項12に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項16】
前記第1及び第2の隔壁の間の前記圧力は、前記隔膜に沿って実質的に均一であることを特徴とする請求項15に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項17】
前記第1及び第2の隔壁は、少なくとも実質的に真っ直ぐであることを特徴とする請求項12に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項18】
前記第1の隔壁は、前記第1の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第1の隔壁及び該第1の外壁は、湾曲コーナで接合され、
前記第2の隔壁は、前記第2の外壁に対して反対方向に凸状に湾曲し、該第2の隔壁及び該第2の外壁は、湾曲コーナで接合される、
ことを特徴とする請求項12に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項19】
前記第1の外壁及び前記第2の外壁の各々は、第1の曲率半径を有し、
前記第1の隔壁及び前記第2の隔壁の各々は、前記第1の曲率半径よりも長い第2の曲率半径を有し、
前記湾曲コーナは、前記第1の曲率半径よりも短い曲率半径を有する、
ことを特徴とする請求項18に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項20】
前記第1の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有し、
前記第2の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有する、
ことを特徴とする請求項12に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項21】
第1の上位部分、該第1の上位部分よりも小さい断面寸法を有する第1の下位部分、第1の編組フレーム、及び該第1の上位部分及び第1の下位部分を通る第1の内腔を有する第1のグラフト内装置であって、該第1の上位部分が、実質的にD字形断面を有する前記第1のグラフト内装置と、
第2の上位部分、該第2の上位部分よりも小さい断面寸法を有する第2の下位部分、第2の編組フレーム、及び該第2の上位部分及び第2の下位部分を通る第2の内腔を有する第2のグラフト内装置であって、該第2の上位部分が、実質的にD字形断面を有する前記第2のグラフト内装置と、
を含み、
前記第1及び第2の編組フレームは、それぞれ、前記第1及び第2のグラフト内装置の前記上位及び下位部分に沿って実質的に連続する縦方向支持を有するように構成され、
前記第1及び第2の上位部分は、互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成する、
ことを特徴とするモジュール式グラフト内システム。
【請求項22】
前記第1及び第2の編組フレームは、各フレームの各縦方向セグメントが各フレームの長さに沿って隣接する縦方向セグメントを支持するようにワイヤから織られることを特徴とする請求項21に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項23】
前記フレームの各縦方向セグメントは、該フレームの前記隣接する縦方向セグメントの半径方向拡張又は収縮に影響を与えることを特徴とする請求項22に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項24】
前記第1及び第2の隔壁は、凸状に湾曲し、
前記第1の上位部分は、凸状に湾曲した第1の外壁及び凸状に湾曲した第1の隔壁を含み、該第1の外壁は、第1の半径を有し、該第1の隔壁は、該第1の半径よりも長い第2の半径を有し、
前記第2の上位部分は、凸状に湾曲した第2の外壁及び凸状に湾曲した第2の隔壁を含み、該第2の外壁は、前記第1の半径を有し、該第2の隔壁は、前記第2の半径を有し、 前記第1及び第2のグラフト内装置は、前記第1及び第2の隔壁が互いに対して対向する力を作用するように、固有のバネ力を通じて自己拡張するように構成される、
ことを特徴とする請求項21に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項25】
前記第1のグラフト内装置は、第1のアラインメント補助具を有し、前記第2のグラフト内装置は、第2のアラインメント補助具を有し、
前記第1及び第2のアラインメント補助具は、前記第1及び第2のグラフト内装置の互いに対する回転の向き及び縦方向位置を示すように構成される、
ことを特徴とする請求項21に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項26】
前記第1のグラフト内装置は、前記第1の上位部分と前記第1の下位部分の間に第1のテーパのついた遷移部分を更に含み、該遷移部分は、拡張構成において前記第1の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成され、
前記第2のグラフト内装置は、前記第2の上位部分と前記第2の下位部分の間に第2のテーパのついた遷移部分を更に含み、該第2の遷移部分は、拡張構成において前記第2の内腔を通る実質的に層状の血流を維持するように構成される、
ことを特徴とする請求項21に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項27】
前記第1のグラフト内装置は、前記第1のフレームの一部分に取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のカバーは、第1の開口部を有し、
前記第1の開口部は、血液が前記第1の内腔に対して横方向に流れることを可能にする、
ことを特徴とする請求項21に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項28】
前記第1の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有し、
前記第2の上位部分は、拡張構成において少なくとも20mmの断面寸法及び扁平構成において高々5mmの断面寸法を有する、
ことを特徴とする請求項21に記載のモジュール式グラフト内システム。
【請求項29】
第1の血管と第2の血管への分岐の前の主血管に位置する動脈瘤を治療する方法であって、
第1のグラフト内装置の第1の上位部分の少なくともセグメントが、動脈瘤よりも上位に位置決めされ、かつ該第1のグラフト内装置の第1の下位部分が、該動脈瘤を通って少なくとも部分的に伸張するように、該動脈瘤に対して該第1のグラフト内装置を位置決めする段階であって、該第1の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第1の外壁及び第1の隔壁を有する前記第1のグラフト内装置を位置決めする段階と、
第2のグラフト内装置の第2の上位部分の少なくともセグメントが、前記動脈瘤よりも上位に位置決めされ、かつ該第2のグラフト内装置の第2の下位部分が、該動脈瘤を通って少なくとも部分的に伸張するように、該動脈瘤に対して該第2のグラフト内装置を位置決めする段階であって、該第2の上位部分が、実質的にD字形断面を形成する凸状に湾曲した第2の外壁及び第2の隔壁を有し、該第2のグラフト内装置が、前記第1のグラフト内装置の位置決めとは独立して位置決めされる前記第2のグラフト内装置を位置決めする段階と、
前記第1及び第2の上位部分が、前記第1及び第2の隔壁が固有のバネ力を通じて互いに圧迫して前記第1及び第2の内腔の間に隔膜を形成する拡張構成まで自己拡張するように、前記第1のグラフト内装置を第1のカテーテルから配備し、かつ前記第2のグラフト内装置を第2のカテーテルから配備する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
前記第1の隔壁は、前記第1の外壁と反対方向に凸状に湾曲し、前記第2の隔壁は、前記第2の外壁と反対方向に凸状に湾曲し、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、前記凸状に湾曲した第1及び第2の隔壁を互いに押し付ける段階を含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記湾曲した第1及び第2の隔壁を互いに凸状に押し付ける段階は、真っ直ぐな第1及び第2の隔壁と比べて前記第1及び第2の隔壁の間により均一な圧力の分布をもたらすことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
互いに独立して前記第1及び第2のグラフト内装置を位置決めする段階は、前記第1の隔壁の一部分が前記第2の隔壁の遠位末端に対して上位に位置決めされるように、該第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分を該第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分に対してスタガ配置する段階を含むことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記第1のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分の前記第1の外壁は、該第1のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有し、
前記第2のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分の前記第2の外壁は、該第2のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有する、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項34】
前記第1のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第1のグラフト内装置の前記第1の上位部分の前記第1の外壁は、該第1のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有し、
前記第2のカテーテルは、5mmの最大断面寸法を有し、前記第2のグラフト内装置の前記第2の上位部分の前記第2の外壁は、該第2のカテーテルから配備された後に10mmよりも短くない曲率半径を有する、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記主血管は、前記動脈瘤の前に該主血管から分枝する第3の血管及び第4の血管を含み、該第3及び第4の血管は、該主血管に沿って縦方向にオフセットされ、
前記第1のグラフト内装置は、第1のフレーム及び該第1のフレームの一部分に取り付けられた第1のカバーを有し、該第1のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第1のカバーは、前記第1の外壁において第1の開口部を有し、
前記第2のグラフト内装置は、第2のフレーム及び該第2のフレームに取り付けられた第2のカバーを有し、該第2のフレームは、開放編組ワイヤを含み、該第2のカバーは、前記第2の外壁において第2の開口部を有し、前記第1及び第2の開口部は、血液が前記第1の内腔及び第2の内腔の縦軸線に対して横方向に流れることを可能にし、
前記第1及び第2のグラフト内装置を配備する段階は、該第1及び第2のグラフト内装置が前記主血管の縦軸線に対してスタガ配置されるように、前記第3の血管の前記入口に前記第1のフレームの前記第1の端部部分を位置決めし、かつ前記第4の血管の前記入口に前記第2のフレームの前記第1の端部部分を位置決めする段階を含む、
ことを特徴とする請求項29に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【公開番号】特開2013−59629(P2013−59629A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−229100(P2012−229100)
【出願日】平成24年10月16日(2012.10.16)
【分割の表示】特願2012−542171(P2012−542171)の分割
【原出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(510302205)アルツラ メディカル インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】