説明

モニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するための方法およびシステム

少なくとも1つのモニタリング装置(11a、11b)によって供される患者関連パラメータを管理するためのシステム(15)であって、このシステムは、前記システムをモニタリング装置(11a、11b)に接続するための手段と、モニタリング装置との接続を介して、モニタリング装置(11a、11b)によって供される一連の患者関連パラメータから選択された少なくとも1つの患者関連パラメータを取得するための手段と、取得後の患者関連パラメータを所定のパラメータフォーマットへ適合させるための手段と、適合後の患者関連パラメータを管理するための手段からなる。適合手段を設けることでいかなるタイプのモニタリング装置によって供されたデータも管理可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータシステムにおいて、少なくとも1つのモニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するための方法に関する。より詳しくは、本発明は、バイオメディカル信号および医療分野で用いられるデジタル信号を取得、同期、処理、記憶、分配するための方法に関する。
【0002】
本発明はまた、そうした方法を実行するのに好適な、少なくとも1つのモニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するためのシステムに関する。
【0003】
本発明は、医療に利用される情報技術の枠内に収まるものである。
【背景技術】
【0004】
今日、ヘルスケア関連のTIC分野、例えば病院情報システム間でのデータ管理および伝達においては、広く合意を得た定められた規格(HL7と呼ばれる)(あるいはデジタル放射線の場合では(DICOM))があることは事実だが、特定のヘルスモニタリング装置の分野では事情は異なる。
【0005】
バイオメディカル信号の伝達規格は公知であるが、これらはモニタリング装置の開発において一様には用いられてこなかった。こうして産業界は、その通信プロトコルが製造者によって好きなように規定されたモニタリング装置を提供している。
【0006】
装置のこうした傾向および多様性は、データ伝達プロトコルだけでなくその操作においても見られる。信号取得技術が十分に開発されておらず、よって同質な装置の存在に関して必要とされてこなかったため、伝達および操作の基準を統一する必要はこれまで持ち上がらなかった。
【0007】
今日、ソフト開発会社 − 衛生分野とは関係が薄い − および患者支援装置製造者は、2つの開発およびマーケティングラインに従っている。
【0008】
まず、大会社は、それを構成するすべての装置が会社のものである統合型セットを開発する傾向があり、彼らの提供するソフトウェア・ソリューションは会社の装置でしか動作しない。例えば「Sociedad Espanola de Medicina」勧告(「J. M. Soto Ibanez、N. Perales Rodriguez de Viguri y M. Ruano Marco para la Sociedad Espanola de Medicina Intensiva、Critica y Unidades Coronarias。ANEXO I:EQUIPAMIENTO DE URGENCIAS。http://www.rcp.semicyuc.org/docs.html」)におけるような、特定の製造者の装置に考慮がなされていない事実は、集中治療サービスや冠状動脈疾患集中治療室にさまざまな製造業者のさまざまな装置が存在し(その一部は30年以上も動いており)、前記装置が、その働きは素晴らしいものの他の装置との通信ができないことについて、部分的に責任がある。このように、もし医療センタが、ローカルおよびリモート・モニタリングを可能とする技術的ソリューションを実施したいと思えば、医療技術のプロバイダによって供されるソリューションとリンクした大きな技術的変革とともに、多額の投資が必要となる。
【0009】
一方、ソフトウェア開発会社は、制限があるにも関わらず、患者管理と信号モニタリングに対するソリューションを開発する傾向がある。モニタリングに関しては、これらのシステムは傾向、すなわち患者の生体信号のアブストラクトで動作する。ある状況では、こうしたソリューションで十分だが、他の状況では、前記システムが取得または処理不可能な情報が必要となる。前記制限に加えて、これらのシステムの大きな問題は、提供される機能の数があまりに多いがための、そのインターフェースの使用の複雑さである。
【0010】
ICUコンピュータ化のためのソリューションおよび患者のモニタリングのシナリオを提供する多くのシステムがあるが、前記一連の機能は、2つの商業的実施によって一部発展させられている。
・eICUソリューション(VISICU(登録商標))。最古のもの。これは遠隔医療を実現するものとして創出され、いくつかの機能性を付加してきた。その主な制約は、それがモニタ製造者の取得システム特性と情報をやりとりし、ネットワークを介してそれらを伝達することに制限されている点である。それは機械的人工呼吸器からの情報は伝達しない。システムは幅広く活用でき、その実施は、死亡率、ICU滞在期間、およびコストの低下をもたらしてきた(「Rosenfeld, B. A.、T. Dorman、M. J. Breslow、P. Pronovost、M. Jenckes、N. Zhang、G. Anderson、およびH. Rubin。2000年。集中治療室遠隔医療:連続して集中治療を施すための代替パラダイム。Crit Care Med 28:3925−31」、および「Breslow, M. J.、B. A. Rosenfeld、M. Doerfler、G. Burke、G. Yates、D. J. Stone、P. Tomaszewicz、R. Hochman、およびD. W. Plocher。2004年。複数サイトでの集中治療室遠隔医療プログラムの臨床的および経済的結果への影響:集中人員配置のための代替パラダイム。Crit Care Med 32:31−8」)。
・IMDSoft(登録商標)。より新しく、臨床情報システムとして創始され、データ伝達の機能をいくつか有する。出版報告は最初の出願の評価だけを行っている(「Dvir, D.、J. Cohen、およびP. Singer。2006年。危機的病状の患者におけるコンピュータ制御されたエネルギ・バランスおよびコンプリケーション:観察研究。Clin Nutr 25:37−44」)。
【0011】
要約すれば、公知のシステムは、モニタリング装置のタイプおよび/または製造者に依存している(例えば、各モニタリング装置は製造者によって規定された通信プロトコルを有しており、よって他の製造者の装置またはシステムとは、両者が「分かり合えない」ため、接続を確立できない)。したがって、モニタリング装置のシステムにおける変化(例えば、装置が壊れたため)は、大きな技術的変革とともに、多額の投資を伴う。
【発明の概要】
【0012】
よって本発明の目的は、少なくとも1つのモニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するためのシステムを提供するものであり、前記モニタリング装置は、オーディオおよびビデオなどのデジタル信号とともに、そのタイプあるいは製造者と無関係に、いかなるモニタリング装置であってもよい。
【0013】
この目的は、請求項1に基づき、少なくとも1つのモニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するためのシステムを提供することで達成され、このシステムは、前記システムをモニタリング装置に接続するための手段と、モニタリング装置との接続を介して、モニタリング装置によって供される一連の患者関連パラメータから選択された少なくとも1つの患者関連パラメータを取得するための手段と、取得後の患者関連パラメータを所定のパラメータフォーマットへ適合させるための手段と、適合後の患者関連パラメータを管理するための手段からなる。
【0014】
このように、取得後の患者関連パラメータを所定のパラメータフォーマットへ適合させるための手段を設けることで、いかなるタイプ(または製造者)のモニタリング装置によって供された患者関連パラメータも管理可能となり、すなわち、システムはいかなるタイプのモニタリング装置からもデータを取得し、管理できる。例えば、それは製造者によって規定された関連プロトコルを有する新たなモニタリング装置であってもよく、あるいは前記装置を変えることなく、病院のシステムにモニタリング装置の多様性を組み込むことも可能である。基本的に、雑多なモニタリング装置を与えられながらも、同質のシステムが得られる。
【0015】
特に言えば、コンピュータシステムおよびモニタリング装置の通信プロトコルがその仕様に従って適合されることで、いかなるタイプのモニタリング装置によって供されたデータであってもシステムは取得可能である。
【0016】
基本的に、システムは、値を取得し同期させる。次に各所定期間で、システムは取得した値を、規定された仮想周波数に応じて補間する(1秒あたりNポイント)。仮想周波数および期間は先に規定されている。
【0017】
各モニタリング装置は、その製造者によって規定された通信プロトコルを有し、よってそれはそれぞれの装置によって異なる。このため、システムは(必要とされる通信プロトコルの実行に加えて)、装置から得られた信号に対してフォーマットと共通のインターフェースを提供し、それぞれがその通信プロトコルに従ってそれを具体的に実行しなくてはならない。すなわち、本発明のシステムは、対応のプロトコルが実行されシステムで統合されるまではモニタリング装置と両立可能ではない。
【0018】
モニタリング装置は、バイオメディカル信号(例えばモニタ、呼吸器、または患者関連パラメータを供する他の装置)および/または医療分野で用いられるビデオ/オーディオ信号(すなわちデジタル信号)を供するいかなる装置であってもよい。
【0019】
本発明の他の利点は、デジタルおよびバイオメディカル信号の集中化によって、取得、表示、処理、記憶されている信号の由来とは無関係に、ユーザの好みに従って高度にカスタマイズ可能である同質のインターフェースを、システムが自由に有することができる点である。
【0020】
本発明の好適な実施例では、システムは、所定の臨床イベントを検知および処理するための手段、すなわちエキスパートシステムを含む。前記エキスパートシステムは、医療従事者にとって問題と思われる臨床イベントを検知するためのリアルタイムサポートを提供する。したがって、これがよりよい診断と治療をもたらすためのツールを提供する(エラーの可能性が減る)ことで、エキスパートシステムは、患者への医療支援を改善する。
【0021】
本発明の好適な実施例では、システムは、患者関連パラメータを記憶するための第1の格納庫を含む。さらに、前記第1の格納庫(例えば患者関連パラメータのデータベース)には、患者関連パラメータが取得された時間を記憶することが可能である。システムは、前記記憶された時間から、パラメータの同期を行うことができる。基本的には、システムは、パラメータと、それらが取得された時間とを記憶する。次にシステムは、(先に規定された各期間で)補間を行い、取得時間および装置の遅延に応じた同期を行う。システムは、各所定期間で値を読み取る。
【0022】
また、システムは、患者の病歴を記憶するための第2の格納庫を含むこともできる。さらに、病院情報システムを用いてデータを(同じ、あるいは別の格納庫に)記憶することも可能である。
【0023】
したがって、全格納庫の情報を組み合わせ、患者関連情報のアクセスおよび利用可能度を改善するツールを得ることが可能である。全患者データの統合が達成される。
【0024】
いずれの場合においても、格納庫の記憶データは、上述のエキスパートシステム用の情報源とすることができる。前記情報は、前記情報からのその知識ベース(データ処理のルール)をアップデートする、エキスパートシステムの変数および値を調整可能とする。
【0025】
患者関連パラメータは、以下の一連のパラメータ:EKG、PLET、PAW、エアフロー、TA、および吐出PCO2から選択できる。EKGは心電図に関し、速い遅いの不整脈を検知するのに好適であり、PLETはパルス酸素濃度計に関し、ヘモグロビン中の酸素飽和度を検知し、PAWは、人工呼吸器から肺へと空気が入った時の経過時間に基づく圧力に関し、エアフローは、人工呼吸器から肺へと吹き込まれる空気の1秒あたりのリットル数に関し、TAは動脈圧に関し、および吐出CO2は血中のCO2に関する。
【0026】
本発明の他の側面によると、コンピュータシステムにおいて、少なくとも1つのモニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するための方法が提供され、この方法は、
(A)コンピュータシステムをモニタリング装置へと接続し、
(B)モニタリング装置との接続を介して、モニタリング装置によって供される一連の患者関連パラメータから選択された少なくとも1つの患者関連パラメータを取得し、
(C)取得後の患者関連パラメータを所定のパラメータフォーマットへ適合させ、
(D)適合後の患者関連パラメータを管理するステップからなる。
【0027】
本発明の好適な実施例では、方法のステップ(B)〜(D)が所定期間後に繰り返される。前記期間は、モニタリング装置ではなく、本発明によるシステムによって規定される。モニタリング装置はデータを提供し、システムはその期間の規定に応じて前記データを取得する。
【0028】
本方法は、接続されるモニタリング装置を、ユーザ入力から得るステップ(E)をさらに含む。コンピュータシステムはいくつかのモニタリング装置と接続されているため、それからユーザシステムがデータを得ることを望む装置を選択することが必要である。
【0029】
好ましくは、本方法は、パラメータフォーマットを決定するステップ(F)を含む。
【0030】
本方法はまた、コンピュータシステムおよびモニタリング装置の通信プロトコルを、両者間に接続を確立するために適合させるステップ(G)を含むものとできる。
【0031】
本発明の実施例によれば、適合後の患者関連パラメータを管理するステップ(D)は、第1の格納庫に前記適合後の患者関連パラメータを記憶するサブステップ(D.1)を含む。
【0032】
前記サブステップ(D.1)において、第1の格納庫に記憶された適合後の患者関連パラメータが、パラメータと、パラメータが取得された時間を含むものとすることができる。さらに適合後の患者関連パラメータが、パラメータ取得時に得られたオーディオおよびビデオ信号を含むものとすることができる。なお前記格納庫は、一時的な格納庫であってもよい。
【0033】
本発明の他の実施例によれば、サブステップ(D.1)において、適合後の患者関連パラメータが、DICOMオブジェクトに記憶される。DICOMとは、医療分野(例えば放射線写真)での、患者モニタリング装置から得られた生理学的信号を含むマルチメディアデータを伝達および記憶するための規格である。DICOMの標準化は、例えば病院情報システムとの統合が容易であるとの大きな利点を有する。このように、取得後の信号は、DICOMを実行するいかなるシステムからもアクセス可能である。
【0034】
本発明の実施例によれば、適合後の患者関連パラメータを管理するステップ(D)は、前記適合後の患者関連パラメータを表示するサブステップ(D.2)を含む。
【0035】
本発明の他の実施例によれば、適合後の患者関連パラメータを管理するステップ(D)は、前記適合後の患者関連パラメータを少なくとも1つの別のコンピュータシステムへ分配するサブステップ(D.3)を含む。
【0036】
本発明の他の実施例においては、患者関連パラメータは、生理学的信号および/またはオーディオ/ビデオ信号を含む。この場合、システムは、患者関連パラメータと関連する全データを同期、すなわちシステムは、パラメータ、生理学的信号、およびビデオおよびオーディオ信号を同期する。
【0037】
他の側面によると、本発明は、少なくとも1つのモニタリング装置に由来する患者関連パラメータを管理する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム命令からなるコンピュータプログラムを提供する。前記コンピュータプログラムは、記憶手段(例えば記録メディア、コンピュータメモリ、あるいはROM)上に具体化されてもよいし、キャリア信号(例えば電気または光学キャリア信号)上で実行されてもよい。
いくつかの可能な実施例についての以下の詳細な説明においては、本発明の他の特徴および利点が明らかとなり、各説明は以下の図面を参照して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明による、少なくとも1つのモニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するためのシステムからなる医療設備を示す概略図。
【図2】本発明による、少なくとも1つのモニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するためのシステムを示す概略図。
【図3】本発明による、少なくとも1つのモニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するための方法を示すフローチャート。
【図4】図2のシステムによって生成された第1のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す概略図。
【図5】図2のシステムによって生成された第2のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す概略図。
【図6】図2のシステムによって生成された第3のグラフィカル・ユーザ・インターフェースを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下では、本発明の好ましい実施例の説明を、図面に従って述べる。この説明では、少なくとも1つのモニタリング装置によって供される患者関連パラメータを管理するためのシステムが、コンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムの形態で表されている。
【0040】
同質なシステムのコンセプトは、仮想パラメータの定義、すなわち所定のパラメータフォーマットに従って適合された患者関連パラメータに根拠を置いている。したがって、仮想パラメータとは、取得後のパラメータのシステム中での表現であり、その元の装置とは無関係に、一義的に同一のパラメータを表す。各仮想パラメータは、仮想装置と関連しており、その特徴および定義は、いかなる取得方法で取得されたデータも同質な方法で表現する一般的インターフェースをシステムへと提供することを可能とする。
【0041】
パラメータの視覚化とは、装置のパラメータの、システムの所定のパラメータへの変換である。
【0042】
例えば:
・装置1:これは以下のパラメータを有する:
D1−ECG、
D1−TA、
D1−PLET。
・装置2:これは以下のパラメータを有する:
D2−ECG。
・装置3:これは以下のパラメータを有する:
D3−ECG、
D3−PLET。
【0043】
システムの仮想パラメータは:ECG、TA、およびPLET。
したがって、視覚化の一例によれば、下記の表の結果が得られる。
【0044】
【表1】

【0045】
このように、システムは、パラメータ、例えばECGパラメータを、装置1、2または3からのパラメータの取得とは無関係に、同一の方法で処理できる。システムは、パラメータの視覚化後に元のパラメータで動作する。このように、前記情報が実際のパラメータよりも仮想パラメータと関連しているので、パラメータは同一の方法で表示、記憶される。
【0046】
このように、例えば、取得のプロファイルを規定することが可能であり、ここでは:
・取得用パラメータ(すなわち仮想パラメータ):ECGおよびPLET、
・パラメータが取得される装置:装置1。
【0047】
次にシステムは装置1に接続し、装置1が選択された仮想パラメータ(ECGおよびPLET)に対応する実際のパラメータを有するかどうかサーチし、そして値を得るために自動的にD1−ECGおよびD1−PLETを構成する。
【0048】
パラメータが取得される装置が装置1と装置2(2つ以上の装置)の場合、この2つの装置がパラメータECGとPLETを有するため、システムは、この2つ(あるいはそれ以上)の装置を見つける。そしてシステムはユーザに、どの装置が使われるべきなのかを問う。
【0049】
なお、患者関連パラメータは、EKG(心電図に関し、速い遅いの不整脈を検知するのに好適である)、PLET(パルス酸素濃度計に関し、ヘモグロビン中の酸素飽和度を検知する)、PAW(人工呼吸器から肺へと空気が入った時の経過時間に基づく圧力に関する)、エアフロー(人工呼吸器から肺へと吹き込まれる空気の1秒あたりのリットル数に関する)、TA(動脈圧に関する、および吐出CO2は血中のCO2に関する)を含む。
【0050】
詳しい研究の結果、従事者たちは、患者モニタリング装置の供する膨大な情報のうち、わずか6種類のバイタルサイン(上述)から得られる情報だけで危機的患者の十分なコントロールを保証するのに十分だと判断した。このアプローチは、最重要な情報が利用可能で、かつ従事者がデータに圧倒されないように保証する。
【0051】
図1は患者のモニタリング用の医療設備の一例を示す。より詳しくは、図1はICU設備を示す。前記設備は、生理学的信号(すなわちバイオメディカル信号)およびビデオ/オーディオ信号を取得、処理、記憶、同期、補間、および分配するためのコンピュータシステム10と、モニタ11aで表された、患者の生理学的信号(すなわち患者関連パラメータ)をコンピュータシステム10に提供するための第1のモニタリング装置と、機械的人工呼吸装置11bで表された、同じく生理学的信号(すなわち患者関連パラメータ)をコンピュータシステム10に提供するための第2のモニタリング装置と、デジタルカメラ11cで表された、オーディオ/ビデオ信号(すなわち患者関連パラメータ)をコンピュータシステム10に提供するための装置とからなる。
【0052】
設備はさらに、コンピュータシステム10の視点からするとリモートに配置されたパーソナルコンピュータ12aと携帯情報端末(PDA)12bも有し、前記パーソナルコンピュータ12aとPDA12bは、インターネットなどのグローバル通信ネットワーク13を介してコンピュータシステム10へと接続されている。前記パーソナルコンピュータ12aとPDA12bは、コンピュータシステム10が患者関連パラメータをそれらへ分配するため、患者をリモート・モニタリングするのに好適である。当然ながら、システムはパラメータを分配するために、前記分配を保証するためのセキュリティシステムを有する。
【0053】
コンピュータシステム10は、モニタ11a、機械的人工呼吸装置11bおよびデジタルカメラ11cが接続される第1のコンピュータ14a(例えばサーバ)と、前記第1のコンピュータ14aで実行され、モニタ11a、人工呼吸装置11bおよびデジタルカメラ11cによって供される患者関連パラメータを管理するための、本発明によるシステムを表すコンピュータプログラム15と、(例えばスイッチによって)イーサネット・ネットワーク16を介して第1のコンピュータ14aに接続される第2のコンピュータ14b(例えばデータサーバ)と、取得され適合された患者関連パラメータ(オーディオ/ビデオ信号を含む)と患者の病歴と病院情報システムのデータ(すなわちデータベースに統合された患者に関する全情報)を記憶するための、前記第2のコンピュータ14bに接続されたハードディスク(図示せず)に記憶されたデータベース17と、コンピュータシステム10(より詳しくはイーサネット・ネットワーク16)をグローバル通信ネットワーク13へと接続するためのもので、第1および第2のコンピュータ14a、14bとパーソナルコンピュータ12aとPDA12b間の通信をもたらすためにスイッチに接続されているルータ18とからなる。このように、コンピュータシステム10は、第1のコンピュータ14aによっておよびグローバル通信ネットワーク13を介して、取得され適合された患者関連パラメータをパーソナルコンピュータ12aとPDA12bへと分配し(すなわち、患者のリモート・モニタライゼーションの実行を可能とし)、前記パーソナルコンピュータ12aとPDA12bは、データベース17に情報の問い合わせを行うことができる。
【0054】
第1のコンピュータ14aは、イーサネット・ネットワーク16への接続用のネットワーク・インターフェースと、接続される各モニタリング装置11a、11bおよびカメラ11c用の入力/出力インターフェースを有する。第2のコンピュータ14bは、イーサネット・ネットワーク16への接続用のネットワーク・インターフェースと、ハードディスク、ハードディスクが外部装置の場合には例えばUSBディスクへの接続用の入力/出力インターフェースを有する。モニタリング装置11a、11bおよびカメラ11cは、第1のコンピュータ14aへの接続用の入力/出力インターフェースを有する。パーソナルコンピュータ12aは、インターネット13への接続用のネットワーク・インターフェースを有し、一方、PDA12bも、インターネット13への接続用のネットワーク・インターフェース(例えばワイヤレス・インターフェース)を有する。
【0055】
当然ながら、コンピュータシステム10は、さまざまな構成を示しうる。したがって、それは例えば、コンピュータ1つのみ、3つ以上のコンピュータ、あるいはローカルに配置した1つのコンピュータとリモートに配置したもう1つのコンピュータを有するものとすることができる。最後のケースでは、2つのコンピュータは、例えばインターネットといったグローバル通信ネットワークを介して接続されなくてはならない。
【0056】
なお、パーソナルコンピュータ12aあるいはPDA12bは、コンピュータシステム10の視点からするとローカルに配置されてもよく、すなわち、それらは同一のLAN(ローカルエリア・ネットワーク)へと接続される。こうしてローカル・モニタライゼーションが、例えば同じ患者の病室から、あるいは医療従事者のオフィスから行われる。
【0057】
さらにモニタリング装置と第1のコンピュータ14a間の接続は、ワイヤレス・ネットワークを介して行われてもよい。同様に、第1および第2のコンピュータ14a、14bを、ワイヤレス・ネットワークを介して接続してもよく、第1および第2のコンピュータ14a、14bを、ルータ18を用いたワイヤレス接続を介してインターネット13へ接続してもよい。
【0058】
本発明のシステム15には、そこからデータを取得可能な任意の装置を表す規定されたクラスがあり、また同様に、モニタされている任意のパラメータを表すクラスがある。
【0059】
一方で、任意の装置を表すクラス(オブジェクト)は、システムで実行されるプロトコルの実行がそこから受け継がれるスーパークラスである。すなわち、任意の装置のプロトコルの実行は、この“一般的”装置の特殊化である。当然ながら、一般的装置は、いかなるプロトコルの実行も含まず、追従すべき実行のためのスキームを規定するのみであり、またデータを統合し適合させるために使用するさまざまなプロトコルの実行のために、(システムで統合された)一連のルーチンを提供する。
【0060】
一般的装置は、例えば接続してパラメータのリストを得るためのルーチン、他には接続を断つもの、データ取得をイニシャライズするものを規定し、これらをプロトコルの実行が受け継ぐ(それらが一般的装置の特殊化である)。これらは実行を伴わず、規定のみされた、プロトコルが満たすべき方法である。このように、システムは、“接続”ルーチンのいかなる実行に対しても、接続およびパラメータリストの取得を経験するが、システムが実行を経験することは必要ない。
【0061】
なお、一般的装置と、したがってすべてのプロトコルの実行は、システムによって規定された関連のパラメータリストを有する。これらのパラメータはまた、プロトコルの実行により可視となるが、対応する通信プロトコルで規定されるように、各自それぞれに対して特徴(名前、期間/周波数−プロトコルがそれを伝達するのに用いる1秒あたりのポイント数−、最少値、最大値、など)を規定するのみである。パラメータクラスは、 “ポイント追加”−これは対応のパラメータの取得値リストへと受け取ったポイントを追加する、などのいくつかの、さまざまな装置によって用いられる、先に実行されたルーチンを提供する。
【0062】
パラメータクラスは、任意の時間で取得値を得るためのルーチンを提供する。システム15はテンポライザによって、その値が取得されている装置に連続的にパラメータを要求する。システムは、期間、及び前記値が要求される瞬間、そしてとりわけ望ましいレゾリューション、すなわち、対応の値をリターンするようにパラメータに求められる1秒あたりのポイント数を規定する。パラメータクラスは、任意の周波数における値を得るためのアルゴリズム、およびインタークラス同期も実行する(すなわち、すべてのパラメータは同期され、瞬間Tのリターン値は、どのアクティブ・パラメータの瞬間Tとも対応する)。
【0063】
基本的に、データ提供に関する装置の遅延が分かっていれば、値の取得時間は以下のように規定できる:
実際の時間−装置の遅延=プロダクション時間。
【0064】
波形信号の場合、最初の値の時間が記憶されると、後続の取得時間が理論時間を熟考する:
前回のプロダクション+パラメータ期間。
【0065】
そして実時間では:
実際の時間−装置の遅延。
【0066】
値は以下の説明に従って同期される。
【0067】
パラメータの同期は、以下の説明に従って実行される。
【0068】
各装置に関して、データ送信の遅延がどれか規定する必要がある。前記遅延は、装置の通信プロトコルに基づく。前記遅延は、ごくわずかか、ほんの数秒とすることができる。前記遅延は特定されていないので、実験的に得なくてはならない。
【0069】
例えば、D1、D2、D3、…DNは装置に関し、R1、R2、R3、…RNは前記装置に関連する遅延である。Diが、そこからデータが時間Tjで取得されている前記装置のいずれかである場合、Riは装置Diに関連して規定された遅延であるので、値Vjは時間Tj−Riに対応する。
【0070】
得られた値は実時間のものである。このように、すべての値が同期される。
【0071】
同期の例
装置:
・D0:0秒の遅延、
・D1:1秒の遅延、
・D2:2秒の遅延、
・D3:3秒の遅延(遅延が3秒の最も遅い装置である)。
【0072】
時間T=0において、D0、D1、D2、およびD3から値を得る:
D0から得られた値の実時間:0−0=0、
D1から得られた値の実時間:0−1=−1、
D2から得られた値の実時間:0−2=−2、
D3から得られた値の実時間:0−3=−3。
【0073】
時間T=1において、D0、D1、D2、およびD3から値を得る:
D0から得られた値の実時間:1−0=1、
D1から得られた値の実時間:1−1=0、
D2から得られた値の実時間:1−2=−1、
D3から得られた値の実時間:1−3=−2。
【0074】
時間T=2において、D0、D1、D2、およびD3から値を得る:
D0から得られた値の実時間:2−0=2、
D1から得られた値の実時間:2−1=1、
D2から得られた値の実時間:2−2=0、
D3から得られた値の実時間:2−3=−1。
【0075】
時間T=3において、D0、D1、D2、およびD3から値を得る:
D0から得られた値の実時間:3−0=3、
D1から得られた値の実時間:3−1=2、
D2から得られた値の実時間:3−2=1、
D3から得られた値の実時間:3−3=0。
【0076】
したがって、値に関連して格納庫に記憶された時間は、実時間(時間−遅延)であり、読み取り時間ではない。
【0077】
このように、T=0で各装置から読み取られた値を知るには、秒3まで待つ必要がある(前記秒3までは、秒0でD3から読み取られた値を知ることは不可能である)。このため、実時間および同期値の表現には、検討した装置のより大きな遅延に対応した遅延が用いられる。
【0078】
まとめると、パラメータクラスは、Y周波数でリサンプリングされ他のモニタされたパラメータのすべてと同期させられたPパラメータのX周波数で受け取った値をリターンでき、理想的にはY>=Xであり、ただし補間(リサンプリング)のアルゴリズムは最大限正確なものとでき、信号はXおよびYとは無関係に元の信号に対して可能なかぎり正確である。
【0079】
図2に見られるように、モニタ11a、人工呼吸装置11b、およびデジタルカメラ11cによって供される患者関連パラメータを管理するための本発明のシステムを表すコンピュータプログラム15は、ユーザ入力からコンピュータシステムに接続されるモニタリング装置を得るための第1のモジュール20と、得られたモニタリング装置11a、11bおよびカメラ11cへとコンピュータシステム10(すなわち第1のコンピュータ14a)を接続するための第2のモジュール21と、モニタリング装置から取得される患者関連パラメータを選択するための第3のモジュール22と、モニタリング装置によって供される患者関連パラメータを取得するための第4のモジュール23と、所定のパラメータフォーマットに従って取得後の患者関連パラメータを適合するための第5のモジュール24と、適合後の患者関連パラメータを管理するための第6のモジュール25からなる。
【0080】
取得後のパラメータを適合するための第5のモジュール24は、取得後のパラメータの値を同期するためのサブモジュールを有する。
【0081】
適合後の患者関連パラメータを管理するためのモジュール25は、イーサネット・ネットワーク16を介してデータベース17に適合後の患者関連パラメータを記憶するための第1のサブモジュール25aと、コンピュータシステム10の視点からするとローカルに配置されているコンピュータモニタまたはテレビのグラフィック・ユーザ・インターフェースによって(先に同期されている)適合後の患者関連パラメータを表示するための第2のサブモジュール25bと、パーソナルコンピュータ12aおよび/またはPDA12bへと適合後の患者関連パラメータを分配するための第3のサブモジュール25cからなる。
【0082】
特に言えば、適合後の患者関連パラメータを管理するための前記モジュール25は、モニタリング装置が変わったり、新たなモニタリング装置が設備に接続されても、変更してはならない。このモジュール用に管理されたデータは、上述の所定のパラメータフォーマットへ適合されている。したがって、前記適合後の患者関連パラメータの管理は、モニタリング装置のタイプ(または製造者)とは無関係である。
【0083】
適合後の患者関連パラメータを記憶するためのサブモジュール25aは、その後問い合わせを受けるパラメータおよびパラメータが取得された時間を記憶する。前記記憶サブモジュール25aはまた、取得後のオーディオ/ビデオ信号も記憶する。前記問い合わせは、ローカルに配置されたコンピュータから(イーサネット・ネットワーク16を介して)、あるいはリモートに配置されたコンピュータから(グローバル通信ネットワーク13を介して)行える。このように、前記記憶情報が、その変数および値を適合するためにエキスパートシステムによってアクセスされ、前記エキスパートシステムが、前記情報からのその知識ベース(データ処理ルール)をアップデートするものとすることができる。
【0084】
情報は、医療分野(例えば放射線写真)での、患者モニタリング装置から得られた生理学的信号を含むマルチメディアデータを伝達および記憶するための規格であるDICOMオブジェクトに記憶される。DICOMの標準化は、例えば病院情報システムとの統合が容易であるとの大きな利点を有する。このように、取得後の信号は、DICOMを実行するいかなるシステムからもアクセス可能である。
【0085】
適合後の患者関連パラメータを表示するためのサブモジュール25bは、前記パラメータをユーザに表示する(図4および図5を参照)のに必要なユーザ・インターフェース(例えばグラフィック・ユーザ・インターフェース)を生成する。前記インターフェースは常に、所定のパラメータフォーマットに従った患者関連パラメータおよびパラメータに関連するビデオ信号を表示する。同期はインターフェースを生成する前に実行されているので、当然ながら、インターフェースで表示されるすべての情報は、先に同期されている。このように、モニタリング装置が変わったり、新たなモニタリング装置が接続される場合、インターフェースを変更したり修正してはならない。インターフェースは、モニタリング装置のタイプとは無関係である。
【0086】
パーソナルコンピュータ12aおよび/またはPDA12bへと適合後の患者関連パラメータを分配するためのサブモジュール25cは、患者のリモート・モニタライゼーションを可能とする。さらに、前記分配サブモジュールはまた、問い合わせを行い、データベース17から所望の情報を取得することを可能とする。
【0087】
コンピュータプログラム15はまた、患者関連パラメータを適合させるべきパラメータフォーマットを決定するためのモジュールと、コンピュータシステムおよびモニタリング装置の通信プロトコルを、両者間でのデータ交換のために適合させるためのモジュールを有する。
【0088】
さらに、コンピュータプログラムは、所定の臨床イベントを検知および処理するためのモジュールと、問題のあるイベントが検知された時にアラームを発するためのエキスパートシステムを有する。基本的に、前記エキスパートシステムは、医療従事者が問題があると考える臨床イベントを検知するためのリアルタイムサポートを提供し、前記問題のあるイベントは臨床専門家グループによって規定される。
【0089】
続いて、少なくとも1つのモニタリング装置(例えばモニタ11a、機械的人工呼吸器11b)およびデジタルカメラ11cによって供される患者関連パラメータを管理するための方法の好適な実施例を説明する。
【0090】
アイドリング状態からスタートし、ユーザはコンピュータプログラムを実行し、これが第1のコンピュータ14aから実行装置のパラメータを回収し、前記パラメータは、仮想パラメータ(すなわち適合後のパラメータ)と対応している。ステップEでは、第1のモジュール20が、第1のコンピュータ14aと接続されるモニタリング装置(例えばモニタ11a、機械的人工呼吸器11b)およびデジタルカメラ11cを得て(必要ならば前記モニタリング装置が設定される)、そしてステップAでは、第2のモジュール21が、得られたモニタリング装置11a、11bおよびカメラ11cとコンピュータシステム10の間の接続を確立する。コンピュータシステム10とすべてのモニタリング装置11a、11bおよびカメラ11cとの接続の結果がネガティブの場合、ステップUで、エラーメッセージが表示され、方法のコントロールはステップEへと移行する。
【0091】
コンピュータシステム10(より詳しくは第1のコンピュータ14a)と得られたすべての装置11a、11b、11cの間に接続が確立されれば、すなわちポジティブな結果が得られれば、ステップVで、第3のモジュール22が、各モニタリング装置から取得されるパラメータを得て、ステップBで第4のモジュール23が、オーディオ/ビデオ信号を含む患者関連パラメータを取得する。次にステップCで、第5のモジュール24が、所定のパラメータフォーマットに従って取得後のパラメータを適合(同期など)し、ステップDで、第6のモジュール25が、取得後のパラメータを管理する。
【0092】
前記第6のモジュール25は、取得後のパラメータを表示するために、サブステップD.2でユーザ・インターフェースを生成する(図4および図5参照)第1のサブモジュール25aを有する。特に言えば、表示されたパラメータは常に、同一のフォーマットを有する。このように、取得後のパラメータが所定のパラメータフォーマットに適合されているため、新たなモニタリング装置がコンピュータシステム10に接続されても、第1のサブモジュール25aにおける変化は必要ない。インターフェースは常に、モニタリング装置とは無関係に同一のフォーマットでデータを表示する。
【0093】
一方、サブステップD.3で第2のサブモジュール25bは、適合後のパラメータを他のコンピュータ、例えばパーソナルコンピュータ12aやPDA12bに分配する。このやり方で、リモート・モニタライゼーションが実行可能である。
【0094】
さらにサブステップD.1で第3のサブモジュール25cは、データベース17に適合後のパラメータを記憶する。記憶されたパラメータは、パラメータ、パラメータが得られた時間、及び前記パラメータと時間に関連したオーディオ/ビデオ信号を含む。このように、情報は、例えばエキスパートシステムによって、あるいはパーソナルコンピュータ12aおよびPDA12bからアクセス可能である。
【0095】
当然ながら、適合後のパラメータはそれぞれ、記憶、分配および表示が可能であり、すなわち、サブモジュール25a、25b、25cの少なくとも1つが実行される。
【0096】
特に言えば、ステップB〜Dは、所定期間後に繰り返されるものとすることができる。このように、本発明のシステムは、データを連続的な方法で取得、適合、管理する。したがって、システムは先に規定された期間(X秒)ごとにパラメータの値を取得する。
【0097】
図4および図5は、所定のパラメータフォーマットに従って適合されたパラメータを表示するための2つの異なるグラフィック・ユーザ・インターフェースを示す。
【0098】
図6は、さらにECGまたはPLETH信号などの信号を表示する信号表示ゾーン60を有し、また信号表示と同期したビデオ信号を示す第1のビデオ表示ゾーン62、およびリアルタイムビデオ信号を示す第2のビデオ表示ゾーン61を有するグラフィック・ユーザ・インターフェースを示す。
【0099】
DICOMオブジェクトを視覚的に表示可能とすることは、インタラクティブなやりとりの可能性を高め、従事者が情報をフル活用するのを助ける。さらにDICOMオブジェクトは、波に関するあらゆる情報を記憶することを可能とし、よって後の復元が可能である。さらに、前記情報は、患者の病歴と統合される。
【0100】
説明を目的として本発明を詳述してきたが、こうした細部はその目的のためだけであって、当業者であれば発明の範囲から逸脱することなく変更をなしうることはもちろんである。
【0101】
よって、方法およびシステムの好ましい実施例は、それらが開発された環境を参照して記述されているが、これらは単に発明の原理を説明するものである。他の実施例や構成も、添付の請求項の範囲を逸脱することなく考えうる。
【0102】
さらに、図面を参照して記述された本発明の実施例は、コンピュータ装置およびコンピュータ装置で実行されるプロセスからなるが、本発明はまた、本発明を実行するために適合されたコンピュータプログラム、とりわけキャリア上またはキャリア内のコンピュータプログラムへも及ぶものである。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、部分的にコンパイルされた形態などのソースとオブジェクトコードの中間のコードの形態であってよく、本発明によるプロセスの実行に用いられるのに好適な他のいかなる形態であってもよい。キャリアは、プログラムを実行可能ないかなる存在または装置であってもよい。
【0103】
例えばキャリアは、例えばCD−ROM,半導体ROMといったROMなどの記憶媒体、あるいは例えばフロッピーディスクやハードディスクといった磁気記録媒体からなるものとできる。さらにキャリアは、電気または光学ケーブルを介して、あるいは無線や他の手段を用いて伝達可能な電気または光学信号などの伝達可能キャリアとすることができる。
【0104】
ケーブルまたは他の装置または手段によって直接伝達可能な信号にプログラムが体現されている場合、キャリアは、そうしたケーブルまたは他の装置または手段によってできていてもよい。
【0105】
あるいは、キャリアは、プログラムが埋め込まれた集積回路であってもよく、集積回路は、当該のプロセスの実行または実行での使用に対して適合されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステム(10)において、少なくとも1つのモニタリング装置(11a、11b)によって供される患者関連パラメータを管理するための方法であって、
A)コンピュータシステム(10)をモニタリング装置(11a、11b)へと接続し、
B)モニタリング装置との接続を介して、モニタリング装置(11a、11b)によって供される一連の患者関連パラメータから選択された少なくとも1つの患者関連パラメータを取得し、
C)取得後の患者関連パラメータを所定のパラメータフォーマットへ適合させ、
D)適合後の患者関連パラメータを管理するステップからなる方法。
【請求項2】
ステップ(B)〜(D)が所定期間後に繰り返される請求項1記載の方法。
【請求項3】
接続されるモニタリング装置(11a、11b)を、ユーザ入力から得るステップ(E)をさらに含む請求項1または2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
コンピュータシステム(10)およびモニタリング装置(11a、11b)の通信プロトコルを、両者間に接続を確立するために適合させるステップをさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
適合後の患者関連パラメータを管理するステップ(D)が、第1の格納庫(17)に前記適合後の患者関連パラメータを記憶するサブステップ(D.1)を含む請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
サブステップ(D.1)において、第1の格納庫(17)に記憶された適合後の患者関連パラメータが、パラメータと、パラメータが取得された時間を含む請求項5記載の方法。
【請求項7】
第1の格納庫(17)に記憶された適合後の患者関連パラメータが、パラメータ取得時に得られたビデオおよびオーディオ信号を含む請求項6記載の方法。
【請求項8】
サブステップ(D.1)において、適合後の患者関連パラメータが、DICOMオブジェクトに記憶される請求項5〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
適合後の患者関連パラメータを管理するステップ(D)が、前記適合後の患者関連パラメータを表示するサブステップ(D.2)を含む請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
適合後の患者関連パラメータを管理するステップ(D)が、前記適合後の患者関連パラメータを少なくとも1つの別のコンピュータシステムへ分配するサブステップ(D.3)を含む請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
患者関連パラメータが、生理学的信号を含む請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
患者関連パラメータが、オーディオ/ビデオ信号を含む請求項1〜11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのモニタリング装置(11a、11b)によって供される患者関連パラメータを管理するためのシステム(15)であって、このシステムは、前記システム(15)をモニタリング装置(11a、11b)に接続するための手段(20)と、モニタリング装置との接続を介して、モニタリング装置(11a、11b)によって供される一連の患者関連パラメータから選択された少なくとも1つの患者関連パラメータを取得するための手段(23)と、取得後の患者関連パラメータを所定のパラメータフォーマットへ適合させるための手段(24)と、適合後の患者関連パラメータを管理するための手段(25)からなることを特徴とするシステム(15)。
【請求項14】
所定の臨床イベントを検知および処理するための手段をさらに含む請求項13記載のシステム。
【請求項15】
患者関連パラメータを記憶するための第1の格納庫(17)をさらに含む請求項13または14のいずれかに記載のシステム。
【請求項16】
患者の病歴を記憶するための第2の格納庫(17)をさらに含む請求項13〜15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
患者関連パラメータが、以下の一連のパラメータ:EKG、PLET、PAW、エアフロー、TA、および吐出CO2から選択される請求項13〜16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
請求項1〜12のいずれかに記載の、少なくとも1つのモニタリング装置に由来する患者関連パラメータを管理する方法をコンピュータに実行させるためのプログラム命令からなるコンピュータプログラム。
【請求項19】
記憶手段上に具体化される請求項18記載のコンピュータプログラム。
【請求項20】
キャリア信号上で実行される請求項18記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−519975(P2010−519975A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−551935(P2009−551935)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/052458
【国際公開番号】WO2008/104602
【国際公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
2.フロッピー
【出願人】(508266764)
【Fターム(参考)】