説明

モノリス主フィルタ及び研磨フィルタを有する活性微粒子エアフィルタ

主フィルタ及び研磨フィルタを含むエアフィルタである。主フィルタは、活性微粒子を含有するモノリス10を備える。濾過される空気は、主フィルタの通路12に対して概して平行な道を通って移動する。研磨フィルタ36は第1及び第2の主面を有し、かつまた活性微粒子も含有する。研磨フィルタは、空気がそれを通るときに第1の主面から第2の主面へと空気が移動するように概ね配置される。本発明のフィルタは、それと同じ主フィルタと研磨フィルタとを個々に用いた場合と比較して画期的な性能を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モノリス及び研磨フィルタの両方を含む新規の活性微粒子エアフィルタに関する。本発明はまた、モノリス及び研磨フィルタの両方を含む活性微粒子エアフィルタの作製方法、並びにそのようなフィルタを用いて空気を濾過するための方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
活性微粒子は、ガス状汚染物質を空気から除去するためにフィルタに一般に使用される。そのようなエアフィルタの例は、米国特許第7,501,012号、同第7,004,990号、同第6,391,429号、同第5,763,078号、同第5,510,063号、同第5,344,626、及び国際公開特許第WO99/15259号に示されている。モノリス及び波形の活性微粒子ガスフィルタもまた開発されてきた(例えば米国特許第7,276,098号、同第6,413,303号、同第6,273,938号、同第5,914,294号、及び同第3,172,747号を参照)。しかしこれまで、モノリスは呼吸器用エアフィルタとしては良い候補ではなかった(Activated Carbon In Environmental Remediation,pp.508〜510,Elsevier Press(2006)を参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
空気を濾過するために長年にわたり様々なフィルタ構成体が開発されてきたが、活性微粒子研磨フィルタも使用するモノリシック活性微粒子エアフィルタはこれまでなかった。また、そのような組み合わせによって提供され得る空気浄化の画期的な改善はこれまで認められていない。以下に示すように、本発明はそのような組み合わせを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、(a)概ね平行の通路に活性微粒子を備えるモノリシック主フィルタと、(b)第1及び第2の主面を有し、活性微粒子もまた含む研磨フィルタとを備えるエアフィルタを提供する。研磨フィルタは、モノリシックフィルタを出る空気がそれを通過するときに第1の主面から第2の主面へと移動するように、モノリシックフィルタに対して概ね配置される。
【0005】
本発明はまた、エアフィルタの新しい作製方法もまた提供し、この方法は、(a)概ね平行な通路に活性微粒子を備える、入口及び出口を備えるモノリシックフィルタを提供する工程と、(b)研磨フィルタをモノリシックフィルタの第2の出口端に並置する工程と、を含む。
【0006】
本発明は、更に、空気を濾過する方法を提供し、この方法は、(a)活性微粒子を含むモノリシックフィルタの第1の端に空気を導入する工程と、(b)その空気をモノリシックフィルタを通して通路に平行な方向に通過させ、その流体をモノリシックフィルタの第2の端から出す工程と、(c)その空気が研磨フィルタを通過する工程と、を含む。
【0007】
本発明は、モノリス活性微粒子フィルタを活性微粒子研磨フィルタとの組み合わせとして使用することにおいて、及び濾過される空気が主モノリシックフィルタを通路に平行に通り、研磨フィルタがこの空気の動きに対して概して垂直に配置されることにおいて、既知の活性微粒子フィルタと異なる。発明者らは、特にそれらの要素が個々に使用される場合よりも勝るガス濾過性能の画期的な改善をそのようなフィルタ要素の組み合わせを通して達成できること、及びそれらが組み合わせにおいて提供すると期待されるものを達成できることを、発見した。その濾過性能は、本発明のフィルタを呼吸器用エアフィルタへの使用(すなわち、濾過された空気を人々に呼吸のために提供するフィルタカートリッジ及び他の装置への使用)に好適にし得るほど画期的なものである。
【0008】
用語解説
「活性微粒子」は、流体又は流体成分に対し何らかの作用又は機能を実行するために特に好適な粒子又は顆粒を意味し、その作用又は機能とは、例えば汚染物質除去又は分子変更又は触媒作用である。
「空気」は、地球の大気を形成する気体の混合気を意味し、主に窒素及び酸素を含有するが、アルゴン、CO、ネオン、及びヘリウムのような他の分子を少量含有する場合がある。
「清浄な空気」は、汚染物質を取り除くために濾過されたある体積の大気中の周囲空気を意味する。
「汚染物質」は、粒子(粉塵、ミスト及びフュームを含む)及び/又は一般には粒子とみなされない場合もあるが(例えば、有機蒸気等)、空気中に浮遊していることがある他の物質を意味する。
「波形」は、一連の頂上部分と谷部分とを有することを意味し、U形であってもV形であってもよい。
「網にくくられた」は、別の媒体の隙間空間内に保持されていることを意味する。
「エアフィルタ」は、望ましくない成分を空気から除去して清浄な空気を人の呼吸のために提供する物品を意味する。
「並置される」は、互いに隣に置かれることを意味するが、必ずしも互いに直接接触して置かれなくてもよい。
「長手方向次元」は、開口部を(横断方向でなく)縦に通る方向を意味し、図1が示す次元「y」の方向である。
「モノリシックフィルタ」は、濾過される流体が通過し得る一連の概して平行な通路を含むフィルタを意味する。
「波形に対して平行」及び「通路に対して平行」は、波形又は通路の長手方向次元と同じ一般的方向であることを意味する。
「研磨フィルタ」は、濾過される空気が蛇行通路を通って流れるように主フィルタより下流に位置づけられた濾過層を意味する。
「主フィルタ」は、濾過装置の性能において基本的役割を果たすフィルタを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明に使用可能なモノリシックフィルタ10の斜視図。
【図1A】図1に図示したモノリシックフィルタ10の拡大部分を図示する。
【図2】本発明によるフィルタカートリッジ22の部分断面図。
【図3】本発明とともに使用可能なモノリシックフィルタを作製するために好適な複合構造56の作製方法を図示する。
【図4】本発明によるフィルタの代替構成体を図示する。
【図5】本発明によるフィルタの代替構成体を図示する。
【図6】本発明によるフィルタの代替構成体を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1及び1Aは、本発明のエアフィルタにおいて主フィルタとして使用可能なモノリシックフィルタ10の実施例を図示する。モノリシックフィルタ10は、波形フィルタ層14及び保持層16によって画定された一連の概ね平行な通路12を有する。保持層16は、波形フィルタ層14をその波形状態に維持する機能を有し、平行な通路12の画定を助ける場合もある。モノリシックフィルタ10は、第1の入口端18及び第2の出口端20もまた有する。濾過される流体は第1の入口端18から、概して平行な通路12を通り移動し、第2の出口端20から出る。波形フィルタ層14は、概して平行な通路を通過する空気又は空気成分に対し何らかの作用又は機能を行うために適した活性微粒子を含む。そのようにして、活性微粒子は通路12を通過する空気と流体連通する。保持層16は固体シートであってもよく、一連のストランド又は繊維又は不織布繊維状ウェブであってもよい(波形パターンの維持に使用可能な形状保持手段の例については、米国特許第5,763,078号(Braunら)を参照)。形状保持層もまた、不織布繊維状ウェブ内の活性微粒子又はPSA微粒子によってともに保持されている活性微粒子を含むことができる(米国特許第3,971,373号(Braunら)、同第6,391,429号(Senkusら)、及び同第6,234,171号並びに同第6,102,039号(Springettら)を参照)。波形フィルタ層14は、濾過される流体が活性微粒子と直接接触することを可能にする。図示されているように、通路はU形であってよい。それらはまた、他の形態の断面であってもよい。例えば、通路はV形、三角形、矩形、五角形、六角形などであってもよい。
【0011】
図2は、フィルタカートリッジ22の断面図である。カートリッジ22は空気取り込み表面24及び空気出口ポート26を有する。ハウジング28は1つ以上の側壁30とベース32とによって画定される。モノリシックフィルタ10はハウジング28の内部に配置される。多孔質のカートリッジカバー34はモノリシックフィルタ10の第1の入口端18に配置される。研磨フィルタ36はモノリシックフィルタ10の第2の出口端20に位置づけられる。濾過される空気はカートリッジカバー34を通過して第1の入口端18でモノリシックフィルタ10に入る。次いで、空気は概して平行な通路12を通過して第2の出口端20でモノリシックフィルタ10を出る。次いで、空気はモノリシックフィルタ10を出た後に研磨フィルタ36を通過する。その後、空気はプレナム38を通過し、更に出口ポート26を通過する。フィルタカートリッジ22は、人の鼻及び口(及び目)の上に着用されるマスク本体にカートリッジを固定することができるように一連のネジ山40を含むことができる。あるいは、バヨネット接続又はスナップ嵌め接続を使用してもよい(米国公開特許第2005/0145249A1号(Solyntjesら)、米国特許第5,579,761号(Yuschakら)、及び同第5,062,421号(Burnsら)を参照)。本発明のフィルタカートリッジは、様々なハーフマスク及びフルフェース式呼吸器及びフッドに使用することができる。そのような呼吸器の例は、特許第7,419,526号(Grearら)、同第7,104,264号(Leeら)、同第6,895,960号(Fabin)、同第6,874,499号(Vinerら)、及び同第6,227,178号(Holmquist−Brownら)に開示されている。本発明のフィルタカートリッジは、電動式清浄空気呼吸器(PAPR)とともに使用することもできる。有用なPAPRの例は、米国特許第6,948,191号及び同第6,823,867号(Averyら)、並びに同第6,666,209号(Bennettら)に記載されている。本発明は、建物及び臨時施設(テント及び人員収容構造物など)内の人々のための集団用濾過保護を提供するためにより大規模に使用してもよい(例えば米国特許第7,425,521号及び同第6,383,241号を参照)。
【0012】
図3は、本発明によるモノリスを形成するために使用可能な層フィルタ媒体の作製方法を図示する。本発明のモノリスに使用可能な波形フィルタ媒体層の作製では、高分子繊維内で網にくくられた活性微粒子を含むウェブ42を、ロール44から、第2の歯車ロール48と噛み合う第1の歯車ロール46上に引き出して、一対の波形ロールを形成する。第1のロール46の歯が第2のロール48と噛み合うと、ウェブ42は波形又はプリーツのパターンになる。次いで、形状保持層又はシート16を波形ウェブ14に付加して、波形ウェブ14をそのプリーツ化された状態又は波形化された状態に保持するのを助ける。形状保持シート16は、歯車ロール48とドライビングロール又はバックアップロール54との間を通してフィルム押出成形機52から引き出すことができる。ドライビングロール54は、保持シート16を波形構造物14と結合させて波形層14と保持シート16とを含む複合構造物56をもたらすために加熱することができる。複合構造物56は巻き取りロールに巻くことができ、後に、本発明のフィルタに使用するために好適なモノリスへと変換することができる。
【0013】
本発明によるモノリスの作製に好適な複合構造物を形成するために出発原料として使用可能なウェブは、例えば米国公開特許出願第2006/0096911A1号(Breyら)及び同第2006/0254427A1号(Trendら)に記載されている。ウェブ出発原料を波形化して、一連の平行な通路を提供することができる。通路は概して蛇行せず、既定の道に延在する。通路は一直線でも曲線の道を辿ってもよいが、概して障害がない傾向がある。通路は、高分子繊維の自立型不織布ウェブと、そのウェブ内で網にくくられた吸着粒子とを含む多孔質シート物品を含むことができる。吸着粒子をウェブ内で網にくくることができ、典型的には、ウェブ内に少なくとも約60重量パーセントの吸着粒子がある。粒子含有ウェブに使用される繊維は、典型的には、同様の繊維より十分に大きい結晶化収縮率を有する。それらの繊維は典型的にはポリプロピレンを含み、吸着粒子は典型的にはウェブが少なくとも1.6×10/ミリメートル(mm)の水吸着係数を有するようにウェブ内で均一に分布される。多孔質シート物品は、低い圧力低下を呈し、長い有効寿命を有し、その吸着係数Aは充填層炭素のそれを上回る。吸着係数Aは、Wood、JOURNAL OF THE AMERICAN INDUSTRIAL HYGIENE ASSOCIATION,55(1):11〜15(1994)に記載されているものと同様のパラメータ又は測定値を使用して計算することができる。吸着係数Aに関する詳細な情報は、本文節で上述した特許出願のいずれかに見出すことができる。これらのウェブでは、活性微粒子がモノリスを作製するために必要な条件に曝されても濾過/吸着機能のほとんどを保持するので、モノリスを形成するための良い候補である。本発明での使用に好適であり得るモノリスは、ポリマー又はセラミックペーストを活性微粒子とともに押出成形する押出成形プロセスで作製することもできる。あるいは、通路を含むポリマーブロックを部分的に炭素化してから活性化してもよい。炭素モノリスの説明については米国特許第2008/0132408号、同第2007/0261557号、及び同第6,284,705号を参照のこと。本発明の典型的なエアフィルタにおいて、モノリスの通路の断面積は約0.1〜100平方ミリメートル(mm)であり、より典型的には断面積は約0.5〜20mmである。モノリスの通路の長さは約0.5〜100センチメートル(cm)、より典型的には約2〜10cmであり得る。フィルタカートリッジとしての使用では、通路の長さは約1〜5cmである。
【0014】
本発明とともに使用可能な研磨層は、モノリスの作製に使用するための上記の構成要素と同様の構成体を有することができる。通路を備えるモノリスの材料と異なり、研磨フィルタは層によって形成される通路でなく層自体を空気が通過するため、多孔質又は透過性でなくてはならない。モノリスに対し、研磨フィルタを通過するとき、空気は多孔質媒体における蛇行した道を通過する。活性微粒子の充填層を使用してもよく、例えばPSA微粒子とともに保持される活性微粒子の透過性の成形構造物(米国特許第6,391,429号(Senkusら)を参照)、又は米国特許第5,033,465号(Braunら)に記載されているような結合吸着粒子でもよい。本発明の研磨フィルタとして機能することが可能な、活性微粒子を含有する繊維状マトリックスの例は、米国特許出願第2005/0169820 A1号に示されている。用途によっては、研磨層はモノリスの出口と直接接触してもよい。また、研磨層は、出口に向かう下流(例えば0.5センチメートル(cm)〜100cm下流)方向で空間的に分離されてもよい。典型的には、研磨フィルタの厚さは約0.1〜20ミリメートル(mm)で、より典型的には約0.5〜3mmである。
【0015】
本発明のモノリシックフィルタ及び研磨フィルタに使用可能な活性微粒子は、反応、触媒反応、及びイオン交換のような化学的変化特性、及び/又は高表面積、多孔質、及び比較的小さいサイズ及び形のような物理的特性を含む何らかの特徴又は特性に帰属し得る何らかの作用又は機能を行うために適した粒子又は顆粒を含む。活性微粒子の一例は、流体内の成分と相互作用して組成物を取り除く又は変更する粒子である。流体内の成分は活性微粒子上に若しくは活性微粒子内に吸着され得るか、又は反応することによってそれらの組成物の有害性を減らすことができる。したがって、活性微粒子は吸着性、触媒性、又は反応性である場合がある。本発明との関係において使用可能な活性微粒子材料の例としては、活性炭、化学的に表面処理された活性炭、アルミナ、シリカゲル、ベントナイト、カオリンケイソウ土、粉末状ゼオライト(天然及び合成)、イオン交換樹脂及びモレキュラーシーブのような吸着性微粒子顆粒、触媒粒子のような粒子、及びカプセル化化合物含有粒子が挙げられる。一般的な活性微粒子としては、活性炭、化学処理された炭素、及びアルミナ微粒子が挙げられる。本発明に使用可能な市販の活性炭の例としては、Kuraray 12×20型GG(Kuraray Chemical Corporation(大阪)より入手可能)及びCalgon 12×30 URC(Calgon Carbon Corporation(ペンシルベニア州Pittsburgh)より入手可能)が挙げられる。本発明に使用可能な様々なタイプの活性微粒子が記載されている特許としては、米国特許第7,309,513号(Breyら)、同第7,004,990号及び同第6,391,429号(Senkusら)、同第5,763,078号(Braunら)、並びに同第5,496,785号(Abler)が挙げられる。
【0016】
図4は、本発明とともに使用可能なモノリス58の実施例の端面図を示す。複合構造物56を組み合わせて、U形形態に配置された複数の層にすることができる。研磨フィルタはU形モノリス58の出口端に配置され得る。また、プレナムをU形モノリス58の出口端に配置してもよく、フィルタ流体をチャネル60に案内し、そこから別の場所に案内してもよい。
【0017】
図5は、代替U形構造物を図示し、流体は入口端72で代替モノリス70に入り、出口74から出る。この実施形態で、通路は入口72から出口74にかけて180°を描く。通路76は入口72から出口74への方向に移動する可変長を有する。集められた流体を別の導管に案内する出口端74にもプレナムを提供することができる。
【0018】
図6は、ディスク形フィルタ90を示し、流体は入口端92でフィルタに入り、94で出る。ディスク96の中央はプレナムを形成し、濾過された空気は研磨フィルタへ通過する前にここを通して集められる。あるいは、ディスクフィルタの中央96は、第2の出口端94でフィルタ90を出る流体が研磨フィルタによって再びすぐに濾過され得るように、中央96に位置づけられた研磨フィルタを有してもよい。図の通路98は、入口92から出口94へ移動する直径方向に収束する。本発明に使用するために好適であり得る他のモノリスの例は、米国特許第6,986,804号(Dominiakら)、同第6,752,889号(Insleyら)、同第6,413,303号(Gelderlandら)、同第6,273,938(Fanselowら)、同第5,914,294(Parkら)、米国公開特許出願第2008/0132408A1号、及び欧州特許第EP1,666,123A1号に記載されている。
【実施例】
【0019】
圧力低下試験
NIOSHの試験方法RCT−APR−STP−0007と同様の試験方法を用いた。試験流量は42.4リットル/分(lpm)であった。フィルタは、アダプタを用いて装置に直接取り付け、ヘッドフォームには取り付けなかった。同等の装置を用いた。
【0020】
有効寿命試験
濾過装置の有効寿命を決定するために、1000ppmのシクロヘキサンを10リットル/分及び50%相対湿度でそれらに与えた。5ppmのシクロヘキサンがフィルタから出るのを装置が可能にしたときの経過時間によって有効寿命を決定した。NIOSHの試験方法RCT−APR−STP−0046と同様の試験方法を用いた。同等の装置を用いた。
【0021】
サンプル組立品
波形のモノリスフィルタ媒体を次の方法で作製した。
【0022】
米国公開特許出願第2006/0254427号に記載されている技法を用いて、炭素充填したウェブを製造した。ウェブのために選択されたポリマーはVistamaxx(商標)2125であり、炭素はPhilippine Japan Carbon Corporationの80×325有機ガス炭素である。ポリマー対炭素比は30:70とした。ウェブの合計坪量は350グラム/平方メートル(g/m)であった。
【0023】
ウェブは、約170°F(77℃)で0.055インチ(1.397mm)〜0.020インチ(0.51mm)からカレンダー法により得た。
【0024】
次いで、工程2からのカレンダー法で得られたウェブを、それぞれ1インチ毎に10個の歯(1センチメートル毎に3.9個の歯)を有する歯車ロール2つの間で波形化した。波形は、図3に図示したプロセスを用いて作られた。
【0025】
図を参照すると、波形ロール46及び48は、110°F(43℃)及び170°F(77℃)に設定した。押出成形のためのバックアップロールは40°F(4℃)に冷却した。ロール48と54との間の隙間は0.050インチ(1.27mm)に設定した。ポリプロピレンフィルムは、450°F(232℃)の溶解温度を有するTotal(商標)5571ポリプロピレンを用いて押出成形した。フィルムの厚さは0.1mmであった。波形化炭素充填ウェブは、ロール48と押出成形バックアップロール54との間でポリプロピレンフィルム16に積層した。積層圧力は50PLI(ポンド/直線インチ)(87.6ニュートン/直線センチメートル)であった。得られたウェブをロールに巻いた。
【0026】
研磨フィルタは、ポリマー対炭素比が10:90であり炭素がPACCO International(ペンシルベニア州Warrendale)のFHW 40×140であることを除き上記のプロセスと同じプロセスを用いて製造された炭素充填BMFウェブのロールから作製した。ウェブの総重量は450g/mであった。
【0027】
評価用に組立てられた濾過装置は直径34ミリメートル(mm)の管である。研磨ウェブは空気の流れに対し垂直に置かれ、波形主フィルタは空気の流れと平行にした。3インチ(76.2mm)の波形主フィルタを濾過装置内で使用した。波形材料を3インチ(7.62cm)のストリップに切り離し、長手方向に平行な空気チャネルを有する円筒に巻き、34mmの管に接着した。研磨ウェブもまた、直径34mmの円筒に対して垂直に接着した。6つの試料(比較実施例(C1〜C4)及び発明の実施例(I5〜I6))を調製した。上記のように試料の圧力低下及び有効寿命を評価した。試験結果を表1に記載する。
【0028】
【表1】

【0029】
表1に記載されているデータは、本発明による主フィルタ及び研磨フィルタの両方を使用する構成体によって画期的なフィルタ有効寿命を達成し得ることを実証している。本発明の実施例I5及びI6は、比較実施例C1〜C4の圧力低下より最高113%((33.6〜15.9)/15.9×100)大きい圧力低下を有するが、最高((38−0)/0×100)〜最低106%((36−17.5)/17.5×100)の確実に大きい有効寿命の延長を呈する。
【0030】
本発明は、その趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変形及び変更を加えられてもよい。したがって、本発明は、上記に限定されず、添付された「請求項」及び全てのその等価物に記述する制限によって規制される。
【0031】
更に本発明は、ここに具体的に開示されていない要素がなくとも適切に実施可能であり得る。
【0032】
上記の全ての特許及び特許出願は、背景技術部分のものを含め、全体的に参考として本明細書に組み込まれる。そのような組み込まれる文献の開示と上記明細書との間に不一致又は矛盾がある限りにおいては、上記明細書が優先する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアフィルタであって、
(a)概して平行な通路内に活性微粒子を含むモノリシック主フィルタと、
(b)第1及び第2の主面を有し、活性微粒子も含有する研磨フィルタであって、該研磨フィルタは、その中を空気が通るときに前記第1の主面から前記第2の主面へと空気が移動するように概ね配置される研磨フィルタと、
を含むエアフィルタ。
【請求項2】
前記モノリシックフィルタ内の前記活性微粒子が繊維状ウェブにおいて網にくくられている、請求項1に記載のエアフィルタ。
【請求項3】
前記繊維状ウェブが、熱可塑性エラストマーを含有する高分子繊維を含む、請求項2に記載のエアフィルタ。
【請求項4】
前記活性微粒子が活性炭を含む、請求項3に記載のフィルタカートリッジ。
【請求項5】
前記活性微粒子が吸着により空気から汚染物を除去する、請求項1に記載のエアフィルタ。
【請求項6】
前記研磨フィルタ内の前記活性微粒子が繊維状ウェブにおいて網にくくられている、請求項2に記載のエアフィルタ。
【請求項7】
前記繊維状ウェブが波形化される、請求項2に記載のエアフィルタ。
【請求項8】
前記波形がシートによって定位置に保持される、請求項7に記載のエアフィルタ。
【請求項9】
前記シートが、活性微粒子を含有する不織布繊維状ウェブを含む、請求項8に記載のエアフィルタ。
【請求項10】
前記モノリスが、活性微粒子を含有する押出成形された構造物を含む、請求項1に記載のエアフィルタ。
【請求項11】
請求項1に記載のエアフィルタを含むフィルタカートリッジ。
【請求項12】
マスク本体と、請求項1に記載のエアフィルタと、を備える呼吸器。
【請求項13】
エアフィルタの作製方法であって、
(a)入口及び出口を備え、概して平行な通路に活性粒子を含むモノリシックフィルタを提供する工程と、
(b)研磨フィルタを前記モノリシックフィルタの出口にて前記モノリシックフィルタと並置する工程と、
を含む、方法。
【請求項14】
前記研磨フィルタが、前記モノリシックフィルタを通る空気移動方向に対して直角に配置され、その中を通るとき空気は蛇行した経路を通って移動する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記研磨フィルタが不織布繊維状ウェブに活性微粒子を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記モノリシックフィルタが、活性微粒子を含有する波形ウェブを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記活性微粒子が繊維状ウェブにおいて網にくくられている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
空気を濾過する方法であって、
(a)前記空気を、通路に活性微粒子を含有するモノリシックフィルタの第1の端に導入する工程と、
(b)前記流体が前記モノリシックフィルタを第2の端で出るように、前記空気を前記通路に平行な方向で前記モノリシックフィルタに通す工程と、
(c)前記空気を研磨フィルタに通す工程と、
を含む、方法。
【請求項19】
前記研磨フィルタが第1及び第2の主面を有し、前記第1及び第2の主面の少なくとも1つが前記モノリシックフィルタを通る流体の流れに対して概ね垂直に配置され、前記空気は前記第1の主面から前記第2の主面へと移動するときに蛇行した経路を通る、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記モノリスが、押出成形構造物内に活性微粒子を含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−506546(P2013−506546A)
【公表日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−532118(P2012−532118)
【出願日】平成22年9月20日(2010.9.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/049432
【国際公開番号】WO2011/041144
【国際公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】