説明

モバイルデバイスがサービスを得た国を決定する方法と装置

少なくとも1つのシステム固有パラメータを用いてサービング国を特定する装置及び方法は、フォワードリンク信号から前記少なくとも1つのシステム固有パラメータを抽出することと、前記少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の国にマッピングするかどうかを決定することと、呼のためのサービング国を特定することと、を含む。

【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
米国特許法第119条における優先権の主張
本特許出願は、2008年10月17日に出願され、これについて譲受人に譲渡され、参照としてここに明示的に組み込まれる、「METHOD AND APPARATUS FOR DETERMINING THE COUNTRY WHERE、MOBILE DEVICE HAS ACQUIRED SERVICE」というタイトルの米国仮出願61/106,300に優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
この開示は、一般に、モバイルデバイスがサービスを得た国を決定する装置および方法に関連する。より具体的には、この開示は、モバイルデバイスがサービスを得た国を決定するために、システム固有の(例えば、無線の)パラメータを用いる。
【背景技術】
【0003】
モバイルユーザ装置(UE)は、世界の至る所で使用される、広く展開されたデバイスであり、グローバル通信インフラストラクチャに接続されたUEユーザと他のユーザとの間に全二重通信を可能にする。モバイルUEが取り扱う通信アプリケーションのタイプは、音声、データ、イメージ送信、インターネットアクセス、電子メール、テキストメッセージ、およびビデオ送信などを含む。モバイルUEは電池式の携帯機器であるので、それらの小型構造ファクタ(すなわち小型)および重さはそれらのカバレッジエリア中でのパーソナルモビリティ(personal mobility)を容易にする。
【0004】
いくつかの異なるアクセス技術は無線カバレッジエリア内でのモバイルUEと基地局との接続を可能にするために使用され得る。異なるアクセス技術は、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)などを含む。
【0005】
UEユーザが海外旅行を試みれば、モバイルUEは国境を横断し得る。すなわち、モバイルUEは異なる国々の異なるダイヤル手順に従わなければならないことがある。海外旅行で発生する1つの厄介な問題は、外国へ旅行する時、UEユーザはどちらかというと、様々なダイヤル直通プレフィックスを管理したくないということである。一例において、米国は国際直通ダイヤル通話(IDD)プレフィックスとして「011」を使用する。しかしながら、日本では、国際直通ダイヤル通話プレフィックスは「001」である。異なる国々が異なるダイヤルプレフィックスを使用するので、UEユーザは国際的にローミングするとき、電話をするために各国の適切なプレフィックスを知り、使用しなければならないだろう。この特徴は、国際ローミングを、UEユーザにとって望ましいというよりは、より複雑で、混乱させ得る。例えば、所望の同じ電話番号に対し異なる国毎に異なるダイヤルプレフィックスが必要とされる場合、モバイルUEのアドレス帳に国際電話番号を記憶することは不便であることがある。
【発明の概要】
【0006】
サービング基地局により送信されたシステム固有の(例えば、無線の)パラメータから、モバイルデバイスがサービスを得た国を決定する装置及び方法が開示される。一側面によれば、少なくとも1つのシステム固有パラメータを使用して、サービング国を特定する方法は、該少なくとも1つのシステム固有パラメータをフォワードリンク(forward link)信号から抽出することと、該少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の(unique)国にマッピングするかどうかを決定することと、呼のためのサービング国を特定することと、を含む。
【0007】
別の側面によれば、少なくとも1つのシステム固有パラメータを使用してサービング国を特定するユーザ装置は、フォワードリンク信号から該少なくとも1つのシステム固有パラメータを抽出し、該少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の国にマッピングするかどうかを決定し、呼のためのサービング国を特定する、プロセッサおよび回路を備える。
【0008】
別の側面によれば、少なくとも1つのシステム固有パラメータを使用して、サービング国を特定する無線デバイスは、該少なくとも1つのシステム固有パラメータをフォワードリンク信号から抽出する手段と、該少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の国にマッピングするかどうかを決定する手段と、呼のためのサービング国を特定する手段と、を備える。
【0009】
別の側面によれば、プログラムコードが記憶されて含まれているコンピュータ可読媒体は、該少なくとも1つのシステム固有パラメータをフォワードリンク(forward link)信号から抽出するプログラムコードと、該少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の国にマッピングするかどうかを決定するプログラムコードと、呼のためのサービング国を特定するプログラムコードと、を含む。
【0010】
本開示の利点は、ユーザが別の国へローミングしている間のダイヤリングが容易になり、国際ローミングの間のダイヤリングにおける誤りが減少し、ローミング中の国際ダイヤリングにおけるユーザのフラストレーションを緩和することを含む。
【0011】
様々な例により様々な側面が示され説明されている次の詳細な説明から、当業者には他の側面が容易に明白になることはいうまでもない。図面および詳細な説明は、限定的ではなく、本質的に事例とみなすべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】無線通信システムのブロック図の例を示す。
【図2】六角形のサービスエリア内に基地局をそれぞれ有する無線ネットワークの例を示す。
【図3】システム固有パラメータからサービング国を特定するためのフロー図を示す。
【図4】システム固有パラメータを使用してサービング国を特定するプロセスを実行するために、メモリと通信するプロセッサを備えるデバイスの例を示す。
【図5】システム固有パラメータを使用してサービング国を特定するのに適したデバイスの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面に関連して以下に説明される詳細な説明は、本開示の様々な側面の説明として意図され、本開示が実施され得るただ一つの側面を表わすようには意図されない。この開示に記述された各側面は、単に本開示の例または実例として提供され、他の側面に関して好ましいまたは有利であるものとして必ずしも解釈されるべきでない。詳細な説明は、本開示についての完全な理解を提供する目的で特定の詳細を含む。しかしながら、本開示がこれら特定の詳細なしで実施されてもよいことは当業者に明白だろう。いくつかの実例において、よく知られた構造およびデバイスは、本開示の概念を不明瞭にしないようにするためにブロック図の形で示される。頭字語および他の記述用語は、単に利便性と明瞭さのために使用され、開示の範囲を制限するようには意図されない。
【0014】
説明の簡単のために、方法は一連の行為(act)として示され説明されるが、それは、方法が行為の順序に限定されるものではなく、1つまたは複数の側面に従って、いくつかの行為は、ここに示され説明された他の行為とは異なる順序およびまたは当該他の行為と同時に起こり得ることは言うまでもない。例えば、当業者は、方法が、その代わりに、1つの状態ダイアグラムのように、一連の相互関係のある状態またはイベントとして表すことができることは理解するだろう。さらに、説明された全行為が、1つまたは複数の側面に従った方法に実装されなければならないわけではない。
【0015】
図1は、無線通信システム100のブロック図の例を示す。当業者は、図1に示された無線通信システム100の例は、FDMA環境、OFDMA環境、CDMA環境、WCDMA環境、TDMA環境、SDMA環境あるいは他の適切な無線環境の中で実装され得ることは理解するだろう。
【0016】
無線通信システム100はアクセスノード101(別名、基地局)およびユーザ装置すなわちUE201(別名、携帯電話のような無線通信デバイス)を含む。ダウンリンクレッグ(leg)において、アクセスノード101(別名、基地局)は、トラヒックデータの受理、フォーマット、符号化、インターリーブ、および変調(またはシンボルマッピング)を行い、変調シンボル(別名、データシンボル)を提供する送信(TX)データプロセッサA110を含む。TXデータプロセッサA110はシンボル変調器A120と通信する。シンボル変調器A120はデータシンボルおよびダウンリンクパイロットシンボルを受け取って処理し、シンボルストリームを提供する。一側面において、シンボル変調器A120は構成(configuration)情報を提供するプロセッサA180と通信する。シンボル変調器A120は送信機ユニット(TMTR)A130と通信する。シンボル変調器A120はデータシンボルとダウンリンクパイロットシンボルを多重化し、送信機ユニットA130にそれらを供給する。
【0017】
送信される各シンボルは、データシンボル、ダウンリンクパイロットシンボルまたはゼロの信号値であり得る。ダウンリンクパイロットシンボルは、各シンボル期間に連続的に送られ得る。一側面において、ダウンリンクパイロットシンボルは周波数分割多重化(FDM)される。別の側面において、ダウンリンクパイロットシンボルは直交周波数分割多重化(OFDM)される。さらに別の側面において、ダウンリンクパイロットシンボルは符号分割多重化(CDM)される。一側面において、送信機ユニットA130は、シンボルストリームを受信し、1つまたは複数のアナログ信号に変換し、さらに、アナログ信号を調整し(例えば、増幅、フィルタリング、及びまたは、周波数アップコンバートし)、無線送信に適したアナログダウンリンク信号を生成する。その後、アナログダウンリンク信号はアンテナ140を通して送信される。
【0018】
ダウンリンクレッグにおいて、UE201は、アナログダウンリンク信号を受信し、受信機ユニット(RCVR)B220へアナログダウンリンク信号を入力するアンテナ210を含む。一側面において、受信ユニットB220は、例えば、アナログダウンリンク信号を第1の「調整された」信号へ調整する(例えば、フィルタリング、増幅、及び主は数ダウンコンバートする)。その後、第1の「調整された」信号はサンプリングされる。受信機ユニットB220はシンボル復調器B230と通信する。シンボル復調器B230は、受信機ユニットB220から出力される、第1の「調整された」及び「サンプリングされた」信号(別名、データシンボル)を復調する。当業者は、別の案がシンボル復調器B230内のサンプリングプロセスを実施することは理解されよう。シンボル復調器B230はプロセッサB240と通信する。プロセッサB240はシンボル復調器B230からダウンリンクパイロットシンボルを受信して、ダウンリンクパイロットシンボルについてチャネル推定を行なう。一側面において、チャネル推定は現在の伝搬環境を特徴づけるプロセスである。シンボル復調器B230は、プロセッサB240からダウンリンクレッグについての周波数応答推定を受信する。シンボル復調器B230は、データシンボルにデータ復調を行い、ダウンリンクパスについてのデータシンボル推定を得る。ダウンリンクパスについてのデータシンボル推定は、送信されたデータシンボルの推定値である。シンボル復調器B230もRXデータプロセッサB250と通信する。
【0019】
RXデータプロセッサB250は、ダウンリンクパスについてのデータシンボル推定をシンボル復調器B230から受信して、例えば、ダウンリンクパスについてのデータシンボル推定を復調(すなわちシンボルマッピング)、インターリーブ、および/または復号して、トラヒックデータを再生する。一側面において、シンボル復調器B230およびRXデータプロセッサB250による処理は、シンボル変調器A120およびTXデータプロセッサA110による処理とそれぞれ相補的である。
【0020】
アップリンクレッグにおいて、UE201はTXデータプロセッサB260を含む。TXデータプロセッサB260はトラヒックデータを受理して処理し、データシンボルを出力する。TXデータプロセッサB260はシンボル変調器D270と通信する。シンボル変調器D270は、データシンボルを受け取り、アップリンクパイロットシンボルと多重化して、変調を行い、シンボルのストリームを提供する。一側面において、シンボル変調器D270は構成情報を提供するプロセッサB240と通信する。シンボル変調器D270は送信機ユニットB280と通信する。
【0021】
送信される各シンボルは、データシンボル、アップリンクパイロットシンボルあるいはゼロの信号値であり得る。アップリンクパイロットシンボルは、各シンボル期間に連続的に送られ得る。一側面において、アップリンクパイロットシンボルは周波数分割多重化(FDM)される。別の側面において、アップリンクパイロットシンボルは直交周波数分割多重化(OFDM)される。さらに別の側面において、アップリンクパイロットシンボルは符号分割多重化(CDM)される。一側面において、送信機ユニットB280は、シンボルのストリーム受信して、1つまたは複数のアナログ信号に変換し、さらに、該アナログ信号を調整し(例えば、増幅、フィルタリング、およびまたはアップコンバートし)、無線送信に適したアナログアップリンク信号を生成する。その後、アナログアップリンク信号はアンテナ210を通して送信される。
【0022】
UE201からのアナログアップリンク信号は、アンテナ140によって受信され、受信ユニットA150により処理されて、サンプルを得る。一側面において、受信ユニットA150は、アナログアップリンク信号を第2の「調整された」信号へ調整する(例えば、フィルタリング、増幅、および周波数ダウンコンバートする)。その後、第2の「調整された」信号はサンプリングされる。受信機ユニットA150は、シンボル復調器C160と通信する。当業者は、別の案がシンボル復調器C160内のサンプリングプロセスを実行することは理解するだろう。シンボル復調器C160は、データシンボルにデータ復調を行い、アップリンクパスについてのデータシンボル推定を得、RXデータプロセッサA170へアップリンクパスについてのアップリンクパイロットシンボルとデータシンボル推定を提供する。アップリンクパスについてのデータシンボル推定は送信されたデータシンボルの推定値である。RXデータプロセッサA170は、アップリンクパスについてのデータシンボル推定を処理して、無線通信デバイス201によって送信されたトラヒックデータを再生する。シンボル復調器C160は、さらにプロセッサA180と通信する。プロセッサA180は、アップリンクレッグにおける各アクティブ端末送信についてのチャネル推定を行なう。一側面において、複数の端末は、アップリンクレッグで、複数のパイロットシンボルを、そのそれぞれに割り当てられたパイロットサブバンドで同時に送信でき、パイロットサブバンドのセットはインターレースされていることがある。
【0023】
プロセッサA180およびプロセッサB240は、アクセスノード101(別名、基地局)およびUE201のそれぞれにおいて、動作を指図する(すなわち、制御したり、調整したり、などする)。一側面において、プロセッサA180とプロセッサB240の一方または両方は、プログラムコードおよび/またはデータを記憶する1つまたは複数のメモリユニット(示されない)に関連付けられる。一側面において、プロセッサA180とプロセッサB240の一方または両方は、アップリンクレッグおよびダウンリンクレッグのそれぞれについて周波数およびインパルス応答推定を導出するための計算を行なう。
【0024】
一側面において、無線通信システム100は多重アクセスシステムである。多重アクセスシステム(例えば、FDMA、OFDMA、CDMA、TDMA、SDMA、など)の場合、複数の端末は、アップリンクレッグで同時に送信する。一側面において、多重アクセスシステムの場合、パイロットサブバンドは異なる端末間で共有され得る。チャンネル推定技術は、各端末についてのパイロットサブバンドが動作帯域全体(バンド端は除かれるかもしれないが)にわたる場合に用いられる。そのようなパイロットサブバンド構造は、各端末に対し周波数ダイバーシティを得るのに望ましい。
【0025】
図2は、六角形のカバレッジエリア211、212および213のそれぞれに基地局202、203および204をもつ無線ネットワーク200の例を示す。さらに、六角形のカバレッジエリア211内にはモバイルUE221a、221b、221c、221dが、六角形のカバレッジエリア212内にはモバイルUE231aおよび232b、六角形のカバレッジエリア213内にはモバイルUE241a、241b、241cが示される。一例において、モバイルUE221aは基地局202からフォワードリンク信号を受信し、モバイルUE221aは基地局202へ返送リンク(return link)信号を送信する。フォワードリンク信号は、システム識別子(SID)、バンドクラス(すなわち周波数帯)情報、ネットワーク識別子(NID)、ローカルタイムオフセット(LTM)、サマータイム(daylight savings)情報(DAYLT)などのような、特定の無線ネットワーク情報あるいは特徴を含む。これらのパラメータはモバイルUE221aによって受信または識別され、基地局202に関連付けられるカバレッジエリアについてのシステムおよびネットワークを識別するのを助ける。図2に示されるUEは電話として説明されるが、一当業者は、本開示の精神および範囲に影響与えることなく、電話(例えばPDAなど)を含む他のタイプのUEが等しく適用可能であると理解するだろう。
【0026】
複数の国際直通ダイヤル通話プレフィックスを保持しなければならないユーザの不便を低減するために、「+」コードダイヤリングが使用される。これは、ユーザが一桁目として「+」をダイヤルし、次に、目的地の国コードおよび国内番号がかけられる。その後、番号は、呼の発信された国について適切なプレフィックスをもつ国内または国際直通ダイヤル番号へ自動的に変換される。「+」コードを使用すると、ユーザが各国で使用される国際及び国内直通ダイヤルプレフィックスを知る必要がなくなる。
【0027】
「+」コードダイヤリング機能により、モバイルUEは、自動的に正しい国内または国際直通ダイヤルプレフィックスに翻訳することができるように、独自に現在のサービング国を特定する必要がある。CDMA標準は、モバイルUEがサービスを得た国を特定するのを助けるために、基地局がモバイル国コード(MCC:Mobile Country Code)およびモバイルネットワークコード(MNC:Mobile Network Code)を送信することを可能にする。しかしながら、ほとんどのCDMAオペレータは、有効なMCCパラメータを送信しない。その結果、ほとんどの場合、モバイルUEは基地局送信からMCC情報を直接得ることができない。いくつかのCDMAシステムにおいて、例えば、MCCおよびMNCの実際の値の代わりに「ワイルドカード」値が送信される。MCC情報を持っていないことを補うために、いくつかのオペレータは、特徴通知(feature notification)のような特定の解決策を適用して、現在のサービング国の名前をもつテキストメッセージを提供する。しかし、特徴通知を含ませることは広く一般的に使用されていない。従って、いくつかの携帯電話シナリオでは、サービング国は知られない。
【0028】
典型的なCDMAネットワークは、現在のサービング国を自動的に識別するために使用され得る特定のパラメータを送信する。この情報は、「+」コードダイヤリングの実施を容易にする。例えば、システム識別子(SID)は、サービスエリア内のすべての基地局のセットを特定する。一例において、SIDは15ビットで指定される。別の例において、ネットワーク識別子(NID)は、サービスエリア内の基地局のサブセット(例えば単一の基地局コントローラによって制御される基地局のグループ)を特定する。一例において、NIDは16ビットで指定される。モバイルUEがシステムとネットワークとを決定できるように、SIDとNIDの両方は基地局によってブロードキャストされる。さらに、基地局はローカルタイムオフセット(LTM)もブロードキャストする。LTMは、システム時間およびDAYLTフラグへの6ビット補正値であり、DAYLTフラグはサマータイムが有効か否かを示す1ビットインジケータである。これらのパラメータは現在のサービング国を識別するのを助けるために使用することができる。
【0029】
図3は、システム固有の(例えば、無線の)パラメータを用いてサービング国を特性するためのフロー図の例を示す。ブロック310において、無線サービスを得る。一側面において、ユーザ装置(UE)は基地局からのフォワードリンク信号について無線サービスを得る。ブロック320において、フォワードリンク信号から少なくとも1つのシステム固有パラメータを抽出する。一側面において、該少なくとも1つのシステム固有パラメータは、システム識別番号、バンドクラス(すなわち、周波数帯)情報、ネットワーク識別番号、ローカルタイムオフセット、または、サマータイム情報を含む。あるいは、特に、該少なくとも1つのシステム固有パラメータは、システム識別子(SID)、バンドクラス(すなわち周波数帯)情報、ネットワーク識別子(NID)、ローカルタイムオフセット(LTM)、サマータイム情報(DAYLT)などを含む。当業者は、本開示の範囲または精神に影響を与えることなく、他のシステム固有パラメータが含まれ得ることまたは使用され得ることは理解できよう。ブロック330において、該少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の(unique)国にマッピングするかどうかを決定する。例えば、国解決ロジック(country resolution logic)は、該少なくとも1つのシステム固有パラメータを唯一の国にマッピングすることができる。一側面において、SIDパラメータは、唯一の国にマッピングするために、国解決ロジックにより使用される。一例において、SIDパラメータは、各SIDパラメータとそれに対応する唯一の国とをリストアップしたルックアップテーブルに記憶される。
【0030】
しかし、いくつかの場合において、いくつかのCDMAオペレータは正式に他のオペレータに割り当てられたSIDパラメータを使用するので、SIDパラメータだけでは一意に国をマッピングすることはできず、国解決コンフリクト(country resolution conflict)を引き起こす。このコンフリクトを解消するために、バンドクラス(すなわち、周波数帯)情報、NID、LTM、およびDAYLTのようなさらなる解決基準が、唯一の国を特定するために、別個にまたは組み合わせて用いられる。当業者は、本開示の精神または範囲に影響を与えることなく、多くのロジックアルゴリズムが、唯一の国を特定するために1つ又は複数の解決基準の処理を実行できることは理解されよう。
【0031】
国解決ロジックが1つまたは複数のシステム固有パラメータを唯一の国にマッピングできる場合(すなわち、yes)、ブロック340を進む。ブロック340では、当該唯一の国をUEについてのサービング国であると特定する。従って、サービング国はブロック340において特定される。国解決ロジックがシステム固有パラメータ(s)を唯一の国にマッピングできない場合(すなわち、no)、ブロック350へ進む。ブロック350において、そのうちの1つがサービング国である可能性が高い1つまたは複数の候補国を提示する。当業者には、候補国のリストがプリプログラムできること、また、いくつかの例において、例えばUEユーザが入力可能なまたはUEユーザにより知られている他の利用可能な情報に基づいてプリプログラムされたリストのサブセットが提示されることは理解できるだろう。一例において、当該複数の候補国のうちの1つが、正しいサービング国が提示された複数の候補国の一部ではないかもしれないことを示す「提示されない国」としてリストアップされる。
【0032】
ブロック360において、1つまたは複数の候補国から1つの候補国を、サービング国として選択する。一側面において、UEユーザはブロック360において選択を行う。一側面において、UEユーザは、これに限定するものではないが、自分自身の知識、全地球測位システム(GPS)情報などのような他の補助的情報を用いて、ブロック360で選択を行う。従って、サービング国はブロック360において特定される。ブロック360に続いて、ブロック370では、特定されたサービング国に基づくダイヤルプレフィックスを用いて、呼を開始する(電話をかける)。一旦サービング国が特定されると、当該サービング国に関連するダイヤルプレフィックスは、例えば、呼を開始するために、ルックアップテーブルを通じて利用可能になる。
【0033】
当業者は、本開示の範囲および精神から逸脱することなく、図3の中のフロー図の例に開示されたステップの順序を交換できることは理解するだろう。さらに、当業者は、フロー図に示されたステップは排他的ではなく、本開示の範囲及び精神に影響を与えることなく、フロー図の例に他のステップが含まれたり、フロー図の例から1つまたは複数のステップが削除されたりすることは理解するだろう。
【0034】
当業者は、様々な実例となるコンポーネント、論理ブロック、モジュール、回路、および/またはここに開示された例に関して記述されたアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、ファームウェア、コンピュータソフトウェアあるいはこれらの組合せとして実施され得ることは理解できよう。ハードウェア、ファームウェアおよびソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、種々の例示のコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、および/またはアルゴリズムステップは、それらの機能の点から一般的に上記に説明されている。そのような機能がハードウェア、ファームウェアまたはソフトウェアで実装されるかどうかは、システム全体に課される特定用途および設計制約に依存する。当業者は各特定用途に対し様々に変更して、説明された機能を実装し得るが、そのような実装決定は本開示の範囲または精神から逸脱するように解釈されるべきでない。
【0035】
例えば、ハードウェア実装については、処理装置は1つ以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル論理回路(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、ここに説明された機能を行うように設計された他の電子ユニット、または、これらの組合せ内に実装され得る。ソフトウェアの場合、ここに説明された機能を行なうモジュール(例えば、手順、関数など)によって実装され得る。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサユニットによって実行され得る。さらに、様々な実例となるフロー図、論理ブロック、モジュール、および/またはここに説明されたアルゴリズムステップも、従来技術として既知の任意のコンピュータ可読媒体で運ばれるコンピュータ可読命令としてコード化されるか、あるいは従来技術として既知の任意のコンピュータプログラム製品に実装され得る。
【0036】
一例において、実例となるコンポーネント、フロー図、論理ブロック、モジュール、および/またはここに記述されたアルゴリズムステップは、1つ以上のプロセッサで実装または実行される。一側面において、プロセッサは、ここに説明された様々なフロー図、論理ブロック、及び/またはモジュールを実装または実行するプロセッサによって実行されるデータ、メタデータ、プログラム命令などを記憶するメモリに、該プロセッサが連結されている。図4は、システム固有の(無線の)パラメータを用いてサービング国を特定する処理を実行するために、メモリ420と通信するプロセッサ410を含むデバイス400の例を示す。一例において、デバイス400は図3に説明されるアルゴリズムを実施するために使用される。一側面において、メモリ420はプロセッサ410内にある。一側面において、メモリ420はプロセッサ410の外側にある。
【0037】
図5は、システム固有の(例えば無線の)パラメータを用いてサービング国を特定するのに適したデバイス500の例を示す。一側面において、デバイス500は、ここに、ブロック510、520、530、540、550、570に記述されるように、システム固有の(例えば、無線の)パラメータを用いてサービング国を特定する異なる複数の側面を提供するように構成された1つまたは複数のモジュールを含む少なくとも1つのプロセッサにより実施される。例えば、各モジュールは、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア。あるいはこれらの任意の組合せを含む。一側面において、デバイス500も、少なくとも1つのプロセッサと通信する少なくとも1つのメモリによって実装される。
【0038】
開示された側面の上記説明は、任意の当業者が本開示を作るか使用することを可能にするために提供される。これら側面への様々な修正は当業者に容易に明白であり、ここに定義された総括的な原理は、開示の精神または範囲を逸脱することなく、他の側面に適用され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのシステム固有パラメータを用いてサービング国を特定する方法であって、
フォワードリンク信号から前記少なくとも1つのシステム固有パラメータを抽出すること、
前記少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の国にマッピングするかどうかを決定すること、および、
呼のためのサービング国を特定すること、
を含む方法。
【請求項2】
前記サービング国である可能性が高い1つまたは複数の候補国を提示すること、をさらに含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記サービング国を特定するステップは、前記1つまたは複数の候補国のうちの1つを前記サービング国として選択すること、を含む請求項2の方法。
【請求項4】
呼を開始するために、前記特定されたサービング国に基づくダイヤルプレフィックスを用いること、をさらに含む請求項3の方法。
【請求項5】
前記フォワードリンク信号について無線サービスを得ること、をさらに含む請求項4の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのシステム固有パラメータは、システム識別番号、バンドクラス(すなわち周波数帯)情報、ネットワーク識別番号、ローカルタイムオフセット、及びサマータイム情報のうちの1つまたは複数を含む、請求項1の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのシステム固有パラメータを用いてサービング国を特定するユーザ装置であって、
フォワードリンク信号から前記少なくとも1つのシステム固有パラメータを抽出し、
前記少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の国にマッピングするかどうかを決定し、および
呼のためのサービング国を特定するステップを実行するプロセッサおよび回路を備える、ユーザ装置。
【請求項8】
前記プロセッサ及び回路は、さらに、前記サービング国である可能性が高い1つまたは複数の候補国を提示する、請求項7のユーザ装置。
【請求項9】
前記サービング国を特定するステップは、前記1つまたは複数の候補国のうちの1つを前記サービング国として選択することを含む請求項8のユーザ装置。
【請求項10】
前記プロセッサ及び回路は、呼を開始するために、前記特定されたサービング国に基づくダイヤルプレフィックスを用いる請求項9のユーザ装置。
【請求項11】
前記プロセッサ及び回路は、前記フォワードリンク信号について無線サービスを得る請求項10のユーザ装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのシステム固有パラメータは、システム識別番号、バンドクラス(すなわち周波数帯)情報、ネットワーク識別番号、ローカルタイムオフセット、及びサマータイム情報のうちの1つまたは複数を含む、請求項7のユーザ装置。
【請求項13】
前記ユーザ装置は携帯電話である請求項7のユーザ装置。
【請求項14】
少なくとも1つのシステム固有パラメータを用いてサービング国を特定する無線デバイスであって、
フォワードリンク信号から前記少なくとも1つのシステム固有パラメータを抽出する手段、
前記少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の国にマッピングするかどうかを決定する手段、および、
呼のためのサービング国を特定する手段、
を備える無線デバイス。
【請求項15】
前記サービング国である可能性が高い1つまたは複数の候補国を提示する手段をさらに備える請求項14の無線デバイス。
【請求項16】
前記サービング国を特定する手段は、前記1つまたは複数の候補国のうちの1つを前記サービング国として選択する手段を備える請求項15の無線デバイス。
【請求項17】
呼を開始するために、前記特定されたサービング国に基づくダイヤルプレフィックスを用いる手段をさらに備える請求項16の無線デバイス。
【請求項18】
前記少なくとも1つのシステム固有パラメータは、システム識別番号、バンドクラス(すなわち周波数帯)情報、ネットワーク識別番号、ローカルタイムオフセット、及びサマータイム情報のうちの1つまたは複数を含む、請求項14の無線デバイス。
【請求項19】
コンピュータ可読媒体に記憶され、コンピュータにより実行可能なプログラムであって、
フォワードリンク信号から少なくとも1つのシステム固有パラメータを抽出するプログラムコードと、
前記少なくとも1つのシステム固有パラメータが唯一の国にマッピングするかどうかを決定するプログラムコードと、
呼のためのサービング国を特定するプログラムコードと、
を含むプログラム。
【請求項20】
1つまたは複数の候補国を提示するプログラムコードをさらに含み、前記サービング国を特定するプログラムコードは、前記1つまたは複数の候補国のうちの1つを前記サービング国として選択するプログラムコードを含む、請求項19のプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−506222(P2012−506222A)
【公表日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−532301(P2011−532301)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/061074
【国際公開番号】WO2010/045604
【国際公開日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】